JP2010199132A - 熱硬化性接着剤組成物および半導体装置 - Google Patents
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Abstract
鉛フリー半田に用いられるような260℃程度の高温半田リフロー処理によっても耐半田クラック性に優れた熱硬化性接着剤組成物およびそれを用いた半導体パッケージを提供すること。
【解決手段】
金属製支持体と半導体素子とを熱硬化性接着剤組成物を用いて所定の加熱条件Aにて接着する工程(A1)と前記工程(A1)により接着された支持体と半導体素子とを封止用樹脂により封止する工程(A2)と前記工程(A2)で封止後、所定の加熱条件Bにより熱処理する工程(A3)とを有する半導体装置の製造方法に用いられる熱硬化性接着剤組成物であって、所定の反り評価試験における反り量が所定の条件式を満たすものである熱硬化性接着剤組成物。
【選択図】図1
Description
[1] 金属製支持体と半導体素子とを熱硬化性接着剤組成物を用いて所定の加熱条件Aにて接着する工程(A1)と、前記工程(A1)により接着された金属製支持体と半導体素子とを封止用樹脂により封止する工程(A2)と、前記工程(A2)により封止された後、所定の加熱条件Bにより熱処理する工程(A3)とを有する半導体装置の製造方法に用いられる熱硬化性接着剤組成物であって、以下の反り評価試験Aにおける反り量1と反り量2とが条件式A1およびA2を満たすものである熱硬化性接着剤組成物。
[反り評価試験A:シリコンチップ(サイズ:5x5mm、厚み:350ミクロン)を、支持体(シリコンチップとの接合部に銀メッキを施した銅製、サイズ:8.5x8.5mm、厚み:0.18ミクロン)上に塗布した熱硬化性接着剤組成物を介して配置し、前記加熱条件Aにより熱硬化性接着剤組成物を硬化させ、前記シリコンチップと支持体とを接着し(熱硬化性接着剤組成物の硬化層厚み:20μm以上30μm以下)、接着後のシリコンチップの反り量を反り量1とする。また反り量1測定後、前記加熱条件Bにて熱処理を行った後のシリコンチップの反り量を反り量2とする。
反り量:シリコンチップの端部とシリコンチップの最高部との高さの差を反り量とする。
条件式A1:0.1≦反り量1≦20(μm)、0.1≦反り量2≦20(μm)
条件式A2:0.1≦反り量1/反り量2≦0.8]
[反り評価試験B:シリコンチップ(サイズ:10x10mm、厚み:200ミクロン)を支持体(ガラス/エポキシ積層板製、サイズ:15x15mm、厚み:0.18ミクロン)上に熱硬化性接着剤組成物に前記加熱条件Cにより硬化接着し(熱硬化性接着剤組成物の硬化層厚み:20μm以上30μm以下)、接着後のシリコンチップの反り量を反り量3とする。また反り量3測定後、前記加熱条件Dにて熱処理を行った後のシリコンチップの反り量を反り量4とする。
反り量:シリコンチップの端部とシリコンチップの最高部との高さの差を反り量とする。
条件式B1:0.1≦反り量3≦90(μm)、0.1≦反り量4≦90(μm)
条件式B2:0.1≦反り量3/反り量4≦0.8]
以下、本発明に係る熱硬化性接着剤組成物および半導体装置について詳細に説明する。
本発明に係る熱硬化性接着剤組成物は、支持体と半導体素子とを接着する工程(1)と前記工程(1)より接着された支持体と半導体素子とを封止する工程(2)と、熱処理する工程(3)を有する半導体装置の製造方法に用いられる熱硬化性接着剤組成物であって、所定の反り評価試験において得られる反り量が所定の条件式を満たすものであることを特徴とする。
前記の工程を経て製造された半導体装置には、更にマザーボードへ搭載するためにIRリフローという工程により半田付けが行われる。上述のように熱硬化性接着剤組成物の硬化接着工程(上記工程1)以降、すべての工程は半導体装置を加熱する工程となっている。更に各工程により加熱温度が異なるため、各部材間の線膨張係数の差により各部材の変形にも差が生じ、その結果半導体装置内に応力が発生することとなる。
前記のような半導体装置全体の変形(反り)により、半導体装置内にある支持体と半導体素子を接着している熱硬化性接着剤組成物の硬化層に応力が生じることになる。支持体と半導体素子とを熱硬化性接着剤組成物を介して接着する工程(工程1)における加熱温度(約175℃)においては、支持体と半導体素子とは平坦である。また封止温度も同じ175℃近辺で行われるため、封止工程(工程2)の段階では半導体装置内に生じる応力は比較的小さいと考えられる。しかしながら、ポストモールドキュア(工程3)により封止樹脂には上記のような体積変化が生じる。この体積変化によって半導体装置内に発生する応力が大きくなる。更にこの封止樹脂の体積変化に対して、半導体装置内部のダイアタッチ部分(支持体/樹脂組成物/半導体素子)の変形が小さいものであれば、その変形の差から封止樹脂とダイアタッチの界面をはじめ半導体内において更に大きな応力が生じることとなる。
半導体装置の製造に用いられる熱硬化性接着剤組成物に要求される接着強度の評価方法について詳細に説明する。熱硬化性接着剤組成物を介して接着された支持体とシリコンチップとの接着強度は、支持体に熱硬化性接着剤組成物を介して5x5mm□のシリコンチップ(厚み:350μm)を接着し、250℃におけるシェア強度を測定することで評価することができる。通常40N以上の接着強度が出れば、ワイヤーボンディング時や封止時に剥がれてしまうことはないため、40Nを超えるかどうかを判断基準とする。
反り評価を行うための試験用半導体装置1として、図1に例示すような熱硬化性接着剤組成物を介して支持体3とシリコンチップ4とを硬化接着したものを用いる。以下支持体が金属製フレームである場合と有機基板である場合について説明を行う。
金属性フレームを支持体とする場合、測定条件としては9mm□の接合部に銀メッキを施した銅フレーム上に熱硬化性接着剤組成物を塗布し、熱硬化性接着剤組成物の硬化層の厚みが20μm以上30μm以下となるようにシリコンチップ(5mm□、厚み350ミクロン)を配置する。その後、加熱条件A(前記工程(1)における加熱条件)により前記熱硬化性接着剤組成物を硬化させ前記銅フレームとシリコンチップを接着する。接着後のシリコンチップの反り量を反り量1とする。また反り量1測定後、接着した銅フレームとシリコンチップを加熱条件B(モールドキュア(工程3)における加熱条件)にて熱処理を行い、熱処理後のシリコンチップの反り量を反り量2とする。
反り量1:温度可変レーザー三次元測定機(日立エンジニアリングアンドサービス社製、LSI−150)を用いて測定する。
反り量2:反り1測定後ポストモールドキュア条件である175℃、4時間処理を行い、温度可変レーザー三次元測定機等を用いて測定する。
具体的には、シリコンチップ表面の最も高く突き出された部分の高さとシリコンチップ端部の高さの高低差を各反り量として測定する。
繊維状支持基材に熱硬化樹脂を含浸させてなる樹脂支持体を支持体とする場合、測定条件としてはガラス−エポキシ積層板(FR−4、ガラスクロス2層、表面太陽インキ PSR−4000AUS308、ガラス転移温度(120−140℃)、サイズ:15x15mm、厚み:0.18ミクロン)からなる支持体上に熱硬化性接着剤組成物を塗布し、熱硬化性接着剤組成物の硬化層の厚みが20〜30ミクロンとなるようにシリコンチップ(10mm□、厚み200ミクロン)を配置する。その後、前記加熱条件C(前記工程(1)における加熱条件)により前記熱硬化性接着剤組成物を硬化させ前記銅フレームとシリコンチップを接着する。接着後の半導体素子の反り量を反り量3とする。また反り量3測定後、接着した樹脂支持体とシリコンチップを前記加熱条件D(モールドキュア(工程3)における加熱条件)にて熱処理を行い、熱処理後の半導体素子の反り量を反り量4とする。
粘度やチキソ性の調整や熱時弾性率などを向上させることができ、支持体もしくは半導体素子への塗布作業等の取り扱いが容易なものとなる。
本発明に係る熱硬化性接着剤組成物の使用方法について具体的な例を用いてに説明する。本発明に係る熱硬化性接着剤組成物が液状接着剤の場合、上述したような各種成分を予備混合した後、3本ロールを用いて混練を行い、更に真空脱泡することにより、液状接着剤を得ることができる。得られた液状接着剤は市販のダイボンダーを用いて、例えば支持体(特にリードフレーム)の所定の部位にディスペンス塗布された後、半導体素子をマウントして加熱硬化する。その後、ワイヤーボンディングして、エポキシ樹脂等を主成分とする封止樹脂を用いてトランスファー成形することにより半導体装置を得ることができる。
(熱硬化性接着剤組成物の調製)
ラジカル重合可能な官能基を有する化合物として2−メタクリロイロキシエチルコハク酸(共栄社化学(株)製、ライトエステルHO−MS、)、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート(日本化成化学(株)製、CHDMMA)、マレイミド環を有する化合物としてポリアルキレンマレイミド酢酸エステル(大日本インキ工業(株)製、ルミキュアMIA−200)、プロピルジメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステル3PG)、アリルエステル系化合物としてポリアルキレンエステル含有アリルエステル(昭和電工(株)製、アリルエステル樹脂DA101)、ラジカル開始剤として1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(日本油脂(株)製、パーヘキサCS)、充填剤として平均粒径3μm、最大粒径20μmのフレーク状銀粉、添加剤としてγ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−403E)およびテトラスルフィドジトリエトキシシラン(ダイソー(株)製、CABRUS4)を表1記載の混合比率にて配合し、3本ロールにて混合し、更に真空脱泡して熱硬化性接着剤組成物を得た。
得られた熱硬化性接着剤組成物について、下記の接着強度の測定方法に従い支持体を銅フレームとし175℃30分の硬化条件による硬化後、250℃環境下における接着強度を測定した。結果は62Nであった。
実施例1の接着剤組成物を用いて銅製フレームとシリコンチップとを硬化接着し、反り量1を測定した。反り量1測定後、175℃、4時間の条件で加熱し反り2量を測定した。反り量1は3.4μmであり。反り2は5.6μmであった。また、条件式A2の値(反り量1/反り量2の比)は0.61であった。
支持体としてダイアタッチ部に銀メッキを施された銅フレーム(ダイパッドサイズ:8x8mm、厚み160μm)上に、表面にSiN層を持つ半導体素子(5x5mm、厚さ350μm)を実施例1の熱硬化性接着剤組成物を介して配置し、175℃、30分間の条件でオーブン内で加熱硬化して接着した。次に、半導体封止用エポキシ樹脂組成物(住友ベークライト社製、EME−G700)を用いて、封止し、その後175℃、4時間の条件で加熱し、半導体装置(80LMQFP、サイズ14x20mm、厚み2mm)を得た。なお、以下実施例2乃至4および比較例1乃至4に係る接着剤組成物についても同様の方法で半導体装置を得た。
熱硬化性接着剤組成物として以下の組成を有するものを用いた以外は、実施例1と同様にした。ラジカル重合可能な官能基を有する化合物としてUM−90(1/1)DA(宇部興産株式会社製、1,6−ヘキサンジオール/1,4−ジメタノールシクロヘキサン(=1/1)と炭酸ジメチルから合成したポリカーボネートジオール(分子量約900)にアクロイル基を導入したポリカーボネートジアクリレート)、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸(共栄社化学(株)製、ライトエステルHO−MS、)、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート(日本化成化学(株)製、CHDMMA)、プロピルジメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステル3PG)、ラジカル開始剤として1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(日本油脂(株)製、パーヘキサCS)、充填剤として平均粒径3μm、最大粒径20μmのフレーク状銀粉、添加剤としてγ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−403E)およびテトラスルフィドジトリエトキシシラン(ダイソー(株)製、CABRUS4)を表1のように配合した。
得られた接着剤について実施例1と同様の方法で接着強度を測定した。結果は65Nであった。
実施例1と同様の方法で測定した反りの結果は反り量1は3.8μm、反り量2は6.1μmであった。また、条件式A2の値(反り1/反り2の比)は0.62であった。
接着剤を構成する樹脂組成物の配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。ラジカル重合可能な官能基を有する化合物としてアリルエステル系化合物としてポリアルキレンエステル含有アリルエステル(昭和電工(株)製、アリルエステル樹脂DA101)、プロピルジメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステル3PG)、ラジカル開始剤として1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(日本油脂(株)製、パーヘキサCS)、またラジカル重合しない樹脂としてエポキシ樹脂としてジグリシジルビスフェノールF(日本化薬(社)製、RE−303S)、上記熱硬化樹脂の硬化剤としてビスフェノールF(大日本インキ工業(株)製、DIC−BPF)、ジシアンジアミド(旭電化(株)製、EH3636AS)、硬化促進剤として2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール(キュアゾール2P4MHZ:四国化成工業(株)製)、充填剤としてフレーク状銀粉、添加剤としてγ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−403E)およびテトラスルフィドジトリエトキシシラン(ダイソー(株)製、CABRUS4)を表1のように配合し、3本ロールを用いて混練し、脱泡することで樹脂組成物を得た。
実施例1と同様の方法で接着強度を測定した。結果は43Nであった。
実施例1と同様の方法で測定したソリの結果は反り量1は1.6μm、反り量2は3.0μmであった。また条件式A2の値(反り量1/反り量2の比)は0.54であった。
実施例1と同様の方法で測定した接着強度は52Nであった。
実施例1と同様の方法で測定したソリの結果は反り量1は2.8μm、反り量2は3.9μmであった。また条件式A2の値(反り1/反り2の比)は0.72であった。
接着剤を構成する樹脂組成物の配合を以下のようにして、製法は実施例1と同様にした。ラジカル重合可能な官能基を有する化合物としてUM−90(1/1)DA(宇部興産株式会社製、1,6−ヘキサンジオール/1,4−ジメタノールシクロヘキサン(=1/1)と炭酸ジメチルから合成したポリカーボネートジオール(分子量約900)にアクロイル基を導入したポリカーボネートジアクリレート)、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート(日本化成化学(株)製、CHDMMA)、プロピルジメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステル3PG)、マレイミド環を有する化合物としてポリアルキレンマレイミド酢酸エステル(大日本インキ工業(株)製、ルミキュアMIA−200)、ブタジエン化合物の重合体または共重合体として1,4ビニル結合の割合が72%のポリブタジエンと無水マレイン酸との反応により得られる無水マレイン酸変性ポリブタジエン(数平均分子量3100、酸価74meqKOH/g、Satomer社製、Ricobond1731)、ラジカル開始剤として1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(日本油脂(株)製、パーヘキサCS)、充填剤として平均粒径3μm、最大粒径20μmのフレーク状銀粉、添加剤としてγ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−403E)、テトラスルフィドジトリエトキシシラン(ダイソー(株)製、CABRUS4)を表1のように配合した。
実施例5の接着剤組成物の接着強度を下記接着強度の測定方法にて支持体をガラス−エポキシ積層板(FR−4、ガラスクロス2層、表面太陽インキ PSR−4000AUS308、ガラス転移温度120−140℃)として測定した。結果は56Nであった。
ガラス−エポキシ積層板(FR−4、ガラスクロス2層、表面太陽インキ PSR−4000AUS308、ガラス転移温度120−140℃)上に実施例5の熱硬化性接着剤組成物を介してシリコンチップを硬化接着し、反り量3を測定した。反り量3測定後175℃、4時間ポストモールドキュア加熱後、反り量4を測定した。反り量3は39μmであった。反り量4は75μmであった。また、条件式B2の値(反り量3/反り量4の比)は0.52であった。
実施例5の接着剤組成物を用いて、厚み0.3mmのBT基板を支持体とし、シリコンチップ(7x7mm、厚み0.35mm)を配置する。その後半導体封止用エポキシ樹脂組成物(住友ベークライト社製、EME−G760)を用いて、5.5x6.6x1.0mmのパネル状に封止し、その後175℃、4時間ポストモールドキュアを行い、吸水しない状態でIRリフローを1度通す。その後ボディサイズ:10x12mmにダイシングソーを用いて個片化することにより半導体装置(MAPBGA)を得た。
接着剤を構成する樹脂組成物の配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。ラジカル重合可能な官能基を有しない化合物としてジグリシジルビスフェノールF(日本化薬(社)製、RE−303S)、クレジルグレシジルエーテル(阪本薬品(社)製、CGE)、上記熱硬化性樹脂の硬化剤としてビスフェノールF(大日本インキ工業(株)製、DIC−BPF)、ジシアンジアミド(旭電化(株)製、EH3636AS)、硬化促進剤として2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール(キュアゾール2P4MHZ:四国化成工業(株)製)、充填剤としてフレーク状銀粉、添加剤としてγ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−403E)およびテトラスルフィドジトリエトキシシラン(ダイソー(株)製、CABRUS4)を表1のように配合し、3本ロールを用いて混練し、脱泡することで樹脂組成物を得た。
比較例1の接着剤組成物について実施例1と同様の方法で接着強度を測定した。結果はは44Nであった。
比較例1の接着剤組成物について実施例1と同様の方法で反り測定した。結果は、反り量1は2.0μm、反り量2は2.1μmであった。また条件式A2の値(反り量1/反り量2の比)は0.95であった。
接着剤を構成する樹脂組成物の配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。ラジカル重合可能な官能基を有しない化合物としてジグリシジルビスフェノールF(日本化薬(社)製、RE−303S)、クレジルグレシジルエーテル(阪本薬品(社)製、CGE)、上記熱硬化樹脂の硬化剤として芳香族アミン(日本化薬(社)製、カヤハードA−A)、硬化促進剤としてチアゾール化合物(大内新興化学工業社製、ノクセラーDM)、充填剤としてフレーク状銀粉を、表1のように配合し、3本ロールを用いて混練し、脱泡することで樹脂組成物を得た。
比較例2の接着剤組成物について実施例1と同様の方法で接着強度を測定した。結果はは25Nであった。
比較例2の接着剤組成物について実施例1と同様の方法で反り測定した。結果は、反り量1は1.6μm、反り量2は1.7μmであった。また条件式A2の値(反り量1/反り量2の比)は0.94であった。
接着剤を構成する樹脂組成物の配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。ラジカル重合可能な官能基を有しない化合物としてジグリシジルビスフェノールF(日本化薬(社)製、RE−303S)、クレジルグレシジルエーテル(阪本薬品(社)製、CGE)、上記熱硬化性樹脂の硬化剤としてフェノール化合物(明和化成(株)製、MEH−8010)、ジシアンジアミド(旭電化(株)製、EH3636AS)、充填剤としてフレーク状銀粉を、表1のように配合し、3本ロールを用いて混練し、脱泡することで樹脂組成物を得た。なお、比較例3は前記特許文献1(特開2002−212267)記載の実施例1に相当するものである。
比較例3の接着剤組成物について実施例1と同様の方法で接着強度を測定した。結果はは45Nであった。
比較例3の接着剤組成物について実施例1と同様の方法で反り測定した。結果は、反り量1は1.6μm、反り量2は1.8μmであった。また条件式A2の値(反り量1/反り量2の比)は0.89であった。
ラジカル重合可能な官能基を有する化合物として2−メタクリロイロキシエチルコハク酸(共栄社化学(株)製、ライトエステルHO−MS、)、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート(日本化成化学(株)製、CHDMMA)、マレイミド環を有する化合物としてポリアルキレンマレイミド酢酸エステル(大日本インキ工業(株)製、ルミキュアMIA−200)、プロピルジメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステル3PG)、アリルエステル系化合物としてポリアルキレンエステル含有アリルエステル(昭和電工(株)製、アリルエステル樹脂DA101)、充填剤としてフレーク状銀粉、添加剤としてγ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−403E)およびテトラスルフィドジトリエトキシシラン(ダイソー(株)製、CABRUS4)を表1記載の混合比率にて配合し、3本ロールにて混合し、更に脱泡して熱硬化性接着剤組成物を得た。
比較例4の接着剤組成物について実施例1と同様の方法で接着強度を測定した。結果はは13Nであった。
比較例4の接着剤組成物について実施例1と同様の方法で反り測定した。結果は、反り量1は1.2μm、反り量2は5.6μmであった。また条件式A2の値(反り量1/反り量2の比)は0.21であった。
各実験例において測定した接着強度の測定方法の詳細は下記の通りである。5×5mmシリコンチップをダイアタッチ部に支持体として銀メッキがある銅リードフレームもしくはガラス/エポキシ積層板製を用いてAUS上にマウントし、表面温度が175℃に設定されたオーブン中でリードフレーム使用時は30分、基板使用時は15分加熱し、硬化した。硬化直後250℃での熱時ダイシェア強度を測定した(単位:N/チップ)。この時の測定値が40N/チップ以上であるものを合格とした。
各実施例及び比較例について、上記にて製造された半導体装置を85℃、相対湿度60%の条件下で168時間吸湿処理した後、IRリフロー処理(260℃、10秒、3回リフロー)を行い、処理後のパッケージを超音波深傷装置(透過型)により剥離の程度を測定した。各符号は、以下の通りである。
○:半導体装置内部の半導体素子の剥離が発生しなかった。
×:半導体装置内部の半導体装置の剥離が発生した。
2・・・熱硬化性接着剤組成物の硬化層
3・・・支持体
4・・・シリコンチップ
Claims (13)
- 金属製支持体と半導体素子とを熱硬化性接着剤組成物を用いて所定の加熱条件Aにて接着する工程(A1)と、
前記工程(A1)により接着された前記金属性支持体と前記半導体素子とを封止用樹脂により封止する工程(A2)と、
前記工程(A2)により封止された後、所定の加熱条件Bにて熱処理する工程(A3)と、
を有する半導体装置の製造方法に用いられる熱硬化性接着剤組成物であって、
以下の反り評価試験Aにおける反り量1と反り量2とが条件式A1およびA2を満たすものである熱硬化性接着剤組成物。
[反り評価試験A:シリコンチップ(サイズ:5x5mm、厚み:350ミクロン)を、支持体(シリコンチップとの接合部に銀メッキを施した銅製、サイズ:8.5x8.5mm、厚み:0.18ミクロン)上に塗布した前記熱硬化性接着剤組成物を介して配置し、前記加熱条件Aにより前記熱硬化性接着剤組成物を硬化させ、前記シリコンチップと前記支持体とを接着し(熱硬化性接着剤組成物の硬化層厚み:20μm以上30μm以下)、接着後のシリコンチップの反り量を反り量1とする。また反り量1測定後、前記加熱条件Bにて熱処理を行った後のシリコンチップの反り量を反り量2とする。
反り量:シリコンチップの端部とシリコンチップの最高部との高さの差を反り量とする。
条件式A1:0.1≦反り量1≦20(μm)、0.1≦反り量2≦20(μm)
条件式A2:0.1≦反り量1/反り量2≦0.8]
- 繊維状支持基材に熱硬化樹脂を含浸させてなる樹脂支持体と半導体素子とを熱硬化性接着剤組成物を用いて所定の加熱条件Cにて接着する工程(B1)と
前記工程(B1)により接着された支持体と半導体素子とを封止用樹脂により封止する工程(B2)と
前記工程(B2)により封止された後、所定の加熱条件Dにより熱処理する工程(B3)と
を有する半導体装置の製造方法に用いられる熱硬化性接着剤組成物であって、
以下の反り評価試験Bにおける反り量3と反り量4とが条件式B1およびB2を満たすものである熱硬化性接着剤組成物。
[反り評価試験B:シリコンチップ(サイズ:10x10mm、厚み:200ミクロン)を支持体(ガラス/エポキシ積層板製、サイズ:15x15mm、厚み:0.18ミクロン)上に前記熱硬化性接着剤組成物に前記加熱条件Cにより硬化接着し(熱硬化性接着剤組成物の硬化層厚み:20μm以上30μm以下)、接着後のシリコンチップの反り量を反り量3とする。また反り量3測定後、前記加熱条件Dにて熱処理を行った後のシリコンチップの反り量を反り量4とする。
反り量:シリコンチップの端部とシリコンチップの最高部との高さの差を反り量とする。
条件式B1:0.1≦反り量3≦90(μm)、0.1≦反り量4≦90(μm)
条件式B2:0.1≦反り量3/反り量4≦0.8] - ラジカル重合可能な官能基を有する化合物を含む請求項1または2記載の熱硬化性接着剤組成物。
- 前記ラジカル重合可能な官能基が不飽和炭素−炭素結合である請求項3記載の熱硬化性接着剤組成物。
- 前記ラジカル重合可能な官能基が、(メタ)アクリロイル基である請求項3または4記載の熱硬化性接着剤組成物。
- 前記ラジカル重合可能な官能基を有する化合物が、マレイミド環を有する化合物である請求項3乃至5のいずれか1項に記載の熱硬化性接着剤組成物。
- 前記マレイミド環を有する化合物は、芳香族環を有さないビスマレイミド化合物である請求項6記載の熱硬化性接着剤組成物。
- 前記ラジカル重合可能な官能基を有する化合物は、ブタジエン化合物の重合体または共重合体である請求項3または4に記載の熱硬化性接着剤組成物。
- 前記ブタジエン化合物の重合体または共重合体の分子内に少なくとも1つの官能基を有する請求項8記載の熱硬化性接着剤組成物。
- 前記ブタジエン化合物の重合体または共重合体が有する官能基が、ビニル基、エポキシ基、カルボキシ基、水酸基またはマレイン酸基からなる群より選ばれる少なくとも1つの官能基である請求項9記載の熱硬化性接着剤組成物。
- (メタ)アクリロイル基を有する化合物、マレイミド環を有する化合物、ブタジエン化合物およびアリルエステル系化合物からなる群より選ばれる少なくとも2種以上の化合物を含むものである請求項1もしくは2記載の熱硬化性接着剤組成物。
- 前記アリルエステル系化合物が、芳香族環を有さないアリルエステル系化合物である請
求項11に記載の熱硬化性接着剤組成物。 - 半導体と支持体とそれらを接着する熱硬化層とを有する半導体装置であって、前記熱硬化層が請求項1乃至12いずれか1項に記載の熱硬化性接着剤組成物よりなる半導体装置。
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