JP5604828B2 - 樹脂組成物及び樹脂組成物を使用して作製した半導体装置 - Google Patents

樹脂組成物及び樹脂組成物を使用して作製した半導体装置 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂組成物及び樹脂組成物を使用して作製した半導体装置に関するものである。
近年の携帯電話、携帯情報端末、DVC(Digital Video Camera)等の高機能化、小型化、軽量化の進展は著しいものがあり、半導体パッケージの高機能化、小型化、軽量化が強く求められている。このため小型,薄型で多ピン化が可能なのFPBGA(Fine Pitch BGA)、CSP(Chip Scale Package)など片面封止タイプの半導体パッケージが広く用いられるようになってきている。
さらには機能の異なる複数の半導体素子または同一機能の複数の半導体素子を1つのパッケージに搭載する、あるいは複数のパッケージを積層するなど半導体パッケージの形態もより複雑になり、半導体パッケージの反りの問題がますます顕在化してきている。
ここで半導体パッケージの反りは半導体パッケージをプリント配線基板に搭載する際の接続信頼性に大きく影響するが、同時にダイアタッチ材の剥離による信頼性低下も無視できない。
ダイアタッチ材の剥離を抑制するためには、ダイアタッチ材層の弾性率を低くし変形(反り)により生じる応力を低減する必要があり、弾性率を低くするためには架橋密度を低くする(例えば特許文献1)、熱可塑性成分を配合する(例えば特許文献2)、充填材量を少なくする/弾性率の低い充填材を使用する(例えば特許文献3)、などの手法が一般的に知られている。しかしながら、いずれの手法を用いてもTg(ガラス転移温度)が下がる、凝集力が低下するなど特に高温での密着性の低下が課題となる。
そこで片面封止タイプの半導体装置のような低応力性と高密着性が高いレベルで要求される用途に使用しても剥離の生じないダイアタッチ材の開発が切望されている。
特開平06−084974号公報
特開2005−154687号公報
特開2003−347322号公報
本発明の樹脂組成物は、作業性、室温での保存性に優れ、かつ硬化物の弾性率が低く低応力性に優れることから、接着特性が良好でリフロー剥離耐性に優れるため、該樹脂組成物を半導体用ダイアタッチペーストまたは放熱部材接着用材料として使用することで信頼性に優れた半導体装置を提供することが可能となる。
本発明は、以下の[1]〜[4]により達成される。

[1]構成単位として一般式(1)で示される化合物を30%重量以上含む重合体(A)、充填材(B)、および一般式(2)で示される化合物(C)を含む樹脂組成物であって、前記化合物(C)中、一般式(2)におけるnが4以上の化合物の割合をX%、前記化合物(C)に含まれる一般式(3)で示される化合物の割合をY%とするとき、XとYが以下の関係式1を満たすことを特徴とする樹脂組成物。
[関係式1]Y<−2.7x10−3X+0.8

、R:水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基。


、R:炭素数1〜6のアルコキシ基、
、R:炭素数1〜6の炭化水素基、
、R:炭素数1〜6の炭化水素基、
a、c:1〜3の整数
b、d:0〜2の整数でa+b=c+d=3
n:1〜8の数。


:炭素数1〜6のアルコキシ基、
:炭素数1〜6の炭化水素基、
:炭素数1〜6の炭化水素基、
a:1〜3の整数
b:0〜2の整数でa+b=3
X:ハロゲン原子

[2]前記重合体(A)が官能基を有するものである前記[1]項に記載の樹脂組成物。
[3]前記重合体(A)の官能基が、水酸基、エポキシ基、カルボキシ基、ビニル基、アクリル基、マレイミド基、アミノ基からなる群より選ばれるものである前記[2]項記載の樹脂組成物。
[4]前記[1]項〜[3]項のいずれか1項に記載の樹脂組成物をダイアタッチ材料または放熱部材接着用材料として使用して作製した半導体装置。
本発明の樹脂組成物は、作業性、室温での保存性に優れ、かつ硬化物の弾性率が低く低応力性に優れ、接着特性が良好でリフロー剥離耐性に優れるため、該樹脂組成物を半導体用ダイアタッチペーストまたは放熱部材接着用材料として使用することで信頼性に優れた半導体装置を提供することが可能となる。
本発明の樹脂組成物をダイアタッチペーストとして使用し作製することができる片面封止タイプの半導体パッケージ(半導体装置)の一例を示す概略断面図である。
本発明の樹脂組成物は、構成単位として前記一般式(1)で示される化合物を30%重量以上含む重合体(A)、充填材(B)、前記一般式(2)で示される化合物(C)を含む樹脂組成物であり、前記化合物(C)中の所定の成分を所定の割合とすることを特徴とする。そして当該特徴により、該樹脂組成物は作業性に優れ、また室温での保存性さらには樹脂組成物硬化物の弾性率が低くなることから低応力性に優れるものとなる。さらに該樹脂組成物を半導体用ダイアタッチペーストまたは放熱部材接着用材料として使用した場合には、接着性が良好で耐リフロー剥離特性に優れることから信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明では、構成単位として前記一般式(1)で示される化合物を30%重量以上含む重合体(A)を使用する。構成単位として一般式(1)で示される化合物を30%重量以上含む重合体であれば特に限定されるわけではないが、例えばポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体で構成単位としてブタジエンを30%重量以上含むもの、ブタジエン−スチレン共重合体で構成単位としてブタジエンを30%重量以上含むもの、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体で構成単位としてブタジエンを30%重量以上含むものなどが挙げられる。これら重合体の好ましい分子量は500以上50000以下であり、より好ましいのは700以上5000以下である。前記範囲内であれば良好な作業性を有する樹脂組成物を得ることが可能であるからである。
ここで重合体(A)は構成単位として一般式(1)で示される化合物を30%重量以上含む必要があるが、これは構成単位として一般式(1)で示される化合物を含むことで重合体(A)の骨格に1,2ビニル結合、1,4ビニル結合などといった2重結合を導入することが可能であるからである。
重合体Aの骨格に2重結合を含むことにより後述する一般式(2)で示される化合物(C)に含まれるスルフィド基と反応することで、本発明の樹脂組成物硬化後の弾性率を低くすることが可能であり、同時に凝集力が高く耐剥離特性に優れるものとすることが可能となるからである。重合体(A)の構成単位として一般式(1)で示される化合物が30重量以上含まれる場合に前記効果を十分に発揮することが可能となる。
またこれら重合体(A)は側鎖および/または末端に官能基を有することも好ましい。好ましい官能基としては、水酸基、エポキシ基、カルボキシ基、ビニル基、アクリル基、マレイミド基、アミノ基などが挙げられる。なお本明細書ではアクリロイル基のα位及び/又はβ位に置換基を有する官能基を含めアクリル基とする。
好ましい重合体(A)としては、分子量が700以上5000以下の水酸基を有するポリブタジエン、エポキシ基を有するポリブタジエン、カルボキシ基を有するポリブタジエン、アクリル基を有するポリブタジエン、マレイミド基を有するポリブタジエン、アミノ基を有するポリブタジエン、無水マレイン酸を付加したポリブタジエン、水酸基を有するポリイソプレン、エポキシ基を有するポリイソプレン、カルボキシ基を有するポリイソプレン、アクリル基を有するポリイソプレン、マレイミド基を有するポリイソプレン、アミノ基を有するポリイソプレン、無水マレイン酸を付加したポリイソプレン、水酸基を有するブタジエン−アクリロニトリル共重合体で構成単位としてブタジエンを30%重量以上含むもの、エポキシ基を有するブタジエン−アクリロニトリル共重合体で構成単位としてブタジエンを30%重量以上含むもの、カルボキシ基を有するブタジエン−アクリロニトリル共重合体で構成単位としてブタジエンを30%重量以上含むもの、アクリル基を有するブタジエン−アクリロニトリル共重合体で構成単位としてブタジエンを30%重量以上含むもの、マレイミド基を有するブタジエン−アクリロニトリル共重合体で構成単位としてブタジエンを30%重量以上含むもの、アミノ基を有するブタジエン−アクリロニトリル共重合体で構成単位としてブタジエンを30%重量以上含むもの、無水マレイン酸を付加したブタジエン−アクリロニトリル共重合体で構成単位としてブタジエンを30%重量以上含むもの、水酸基を有するブタジエン−スチレン共重合体で構成単位としてブタジエンを30%重量以上含むもの、エポキシ基を有するブタジエン−スチレン共重合体で構成単位としてブタジエンを30%重量以上含むもの、カルボキシ基を有するブタジエン−スチレン共重合体で構成単位としてブタジエンを30%重量以上含むもの、アクリル基を有するブタジエン−スチレン共重合体で構成単位としてブタジエンを30%重量以上含むもの、マレイミド基を有するブタジエン−スチレン共重合体で構成単位としてブタジエンを30%重量以上含むもの、アミノ基を有するブタジエン−スチレン共重合体で構成単位としてブタジエンを30%重量以上含むもの、無水マレイン酸を付加したブタジエン−スチレン共重合体で構成単位としてブタジエンを30%重量以上含むもの、水酸基を有するアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体で構成単位としてブタジエンを30%重量以上含むもの、エポキシ基を有するアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体で構成単位としてブタジエンを30%重量以上含むもの、カルボキシ基を有するアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体で構成単位としてブタジエンを30%重量以上含むもの、アクリル基を有するアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体で構成単位としてブタジエンを30%重量以上含むもの、マレイミド基を有するアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体で構成単位としてブタジエンを30%重量以上含むもの、アミノ基を有するアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体で構成単位としてブタジエンを30%重量以上含むもの、無水マレイン酸を付加したアクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体で構成単位としてブタジエンを30%重量以上含むものなどが挙げらる。
なかでも特に好ましい重合体(A)は、エポキシ基を有するポリブタジエン、カルボキシ基を有するポリブタジエン、アクリル基を有するポリブタジエン、無水マレイン酸を付加したポリブタジエン、エポキシ基を有するブタジエン−アクリロニトリル共重合体で構成単位としてブタジエンを30%重量以上含むもの、カルボキシ基を有するブタジエン−アクリロニトリル共重合体で構成単位としてブタジエンを30%重量以上含むもの、アクリル基を有するブタジエン−アクリロニトリル共重合体で構成単位としてブタジエンを30%重量以上含むもの、エポキシ基を有するブタジエン−スチレン共重合体で構成単位としてブタジエンを30%重量以上含むもの、カルボキシ基を有するブタジエン−スチレン共重合体で構成単位としてブタジエンを30%重量以上含むもの、アクリル基を有するブタジエン−スチレン共重合体で構成単位としてブタジエンを30%重量以上含むものである。
特に好ましい重合体(A)としては、エポキシ基を有するポリブタジエン、アクリル基を有するポリブタジエン、無水マレイン酸を付加したポリブタジエン、カルボキシ基を有するブタジエン−アクリロニトリル共重合体で構成単位としてブタジエンを30%重量以上含むもので分子量が分子量が700以上5000以下のものが挙げられる。
エポキシ基を有するポリブタジエンとしては、ラジカル重合あるいはイオン重合法により得られる分子量700以上5000以下のポリブタジエンを過酸化水素法あるいは過酢酸法によりエポキシ化したものが好ましい。より好ましくは分子量700以上3000以下のポリブタジエンをエポキシ化したものである。
無水マレイン酸を付加したポリブタジエンとしては、ラジカル重合あるいはイオン重合法により得られる分子量700以上5000以下のポリブタジエンと無水マレイン酸を200℃程度の高温化で反応させた後、減圧により未反応の無水マレイン酸を除去するなどして得られたものが好ましい。より好ましくは分子量700以上3000以下のポリブタジエンに無水マレイン酸を付加したものである。
アクリル基を有するポリブタジエンとしては、ラジカル重合あるいはイオン重合法により得られる分子量700以上5000以下の水酸基を有するポリブタジエンと(メタ)アクリル酸とのエステル化反応により得られるもの、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートなど炭素数の少ないアルコールとの(メタ)アクリル酸エステルとのエステル交換反応により得られるもの、前記無水マレイン酸を付加したポリブタジエンと水酸基を有する(メタ)アクリレートとの反応により得られるものなどが好ましい。より好ましくは分子量700以上3000以下のポリブタジエンをアクリル化したものである。
カルボキシ基を有するブタジエン−アクリロニトリル共重合体で構成単位としてブタジエンを30%重量以上含むものとしては、分子量700以上5000以下で末端あるいは側鎖にカルボキシ基を有するものが好ましい。
重合体(A)は樹脂組成物から後述する充填材(B)を除いた成分中、0.5重量%以上70重量%以下含まれることが好ましい。より好ましくは1重量%以上50重量%以下であり、特に好ましいのは10重量%以上50重量%以下である。前記範囲であれば、良好な作業性と良好な耐剥離特性を示すからである。
本発明では重合体(A)と熱硬化性樹脂を併用することが好ましい。好ましい熱硬化性樹脂とは加熱することで反応可能な官能基を2個以上有する化合物であり、好ましい官能基とは例えばアクリル基、アリル基、ビニル基、マレエート基、マレイミド基、エポキシ基、オキセタン基、シアネートエステル基などが挙げられる。なかでも好ましい官能基はアクリル基、アリル基、ビニル基、マレエート基、マレイミド基であり、特に好ましいのはアクリル基、アリル基、マレイミド基である。これら官能基は1分子内に2つ以上含まれることが好ましいが、これは官能基は1分子内に1つしかない場合には硬化物の架橋密度が上がらず機械的特性が悪化するからである。
官能基を2個以上有する化合物の分子量は500以上、50000以下であることが好ましい。前記範囲より小さい場合には樹脂組成物硬化物の弾性率が高くなりすぎ、前記範囲より大きい場合には樹脂組成物の粘度が高くなりすぎるためである。
以下に好ましい官能基を2個以上有する化合物を例示するがこれらに限定されるわけではない。
アクリル基を1分子内に2つ以上有する化合物として好ましいものは、分子量が500以上、50000以下のポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレートでアクリル基を1分子内に2つ以上有する化合物である。
ポリエーテルとしては、炭素数が3〜6の有機基がエーテル結合を介して繰り返したものが好ましく、芳香族環を含まないものが好ましい。芳香族環を含む場合にはアクリル基を1分子内に2つ以上有する化合物として固形あるいは高粘度になり、また硬化物とした場合の弾性率が高くなりすぎるからである。またアクリル基を1分子内に2つ以上有する化合物の分子量は上述のように500以上、50000以下が好ましいが、より好ましいのは500以上、5000以下であり、特に好ましいのは500以上、2000以下である。前記範囲であれば作業性が良好で、硬化物の弾性率が低い樹脂組成物が得られるからである。このようなアクリル基を1分子内に2つ以上有するポリエーテル化合物は、ポリエーテルポリオールと(メタ)アクリル酸およびその誘導体との反応により得ることが可能である。
ポリエステルとしては、炭素数が3〜6の有機基がエステル結合を介して繰り返したものが好ましく、芳香族環を含まないものが好ましい。芳香族環を含む場合にはアクリル基を1分子内に2つ以上有する化合物として固形あるいは高粘度になり、また硬化物とした場合の弾性率が高くなりすぎるからである。またアクリル基を1分子内に2つ以上有する化合物の分子量は上述のように500以上、50000以下が好ましいが、より好ましいのは500以上、5000以下であり、特に好ましいのは500以上、2000以下である。前記範囲であれば作業性が良好で、硬化物の弾性率が低い樹脂組成物が得られるからである。このようなアクリル基を1分子内に2つ以上有するポリエステル化合物は、ポリエステルポリオールと(メタ)アクリル酸およびその誘導体との反応により得ることが可能である。
ポリカーボネートとしては、炭素数が3〜6の有機基がカーボネート結合を介して繰り返したものが好ましく、芳香族環を含まないものが好ましい。芳香族環を含む場合にはアクリル基を1分子内に2つ以上有する化合物として固形あるいは高粘度になり、また硬化物とした場合の弾性率が高くなりすぎるからである。またアクリル基を1分子内に2つ以上有する化合物の分子量は上述のように500以上、50000以下が好ましいが、より好ましいのは500以上、5000以下であり、特に好ましいのは500以上、2000以下である。この範囲であれば作業性が良好で、硬化物の弾性率が低い樹脂組成物が得られるからである。このようなアクリル基を1分子内に2つ以上有するポリカーボネート化合物は、ポリカーボネートポリオールと(メタ)アクリル酸およびその誘導体との反応により得ることが可能である。
ポリ(メタ)アクリレートとしては、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリレートとの共重合体または水酸基を有する(メタ)アクリレートと極性基を有さない(メタ)アクリレートとの共重合体、グリシジル基を有する(メタ)アクリレートと極性基を有さない(メタ)アクリレートとの共重合体などが好ましい。またアクリル基を1分子内に2つ以上有する化合物の分子量は上述のように500以上、50000以下が好ましいが、より好ましいのは500以上、25000以下である。この範囲であれば作業性が良好で、硬化物の弾性率が低い樹脂組成物が得られるからである。このようなアクリル基を1分子内に2つ以上有する(メタ)アクリレート化合物は、カルボキシ基を有する共重合体の場合は水酸基を有する(メタ)アクリレートあるいはグリシジル基を有する(メタ)アクリレートと反応することで、水酸基を有する共重合体の場合は(メタ)アクリル酸およびその誘導体と反応することで、グリシジル基を有する共重合体の場合は(メタ)アクリル酸およびその誘導体と反応することで得ることが可能である。
アリル基を1分子内に2つ以上有する化合物として好ましいものは、分子量が500〜50000のポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリブタジエン、ブタジエンアクリロニトリル共重合体でアリル基を有する化合物、例えばしゅう酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸及びこれらの誘導体といったジカルボン酸及びその誘導体とアリルアルコールを反応することで得られるジアリルエステル化合物とエチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコールといったジオールとの反応物などである。
マレイミド基を1分子内に2つ以上有する化合物として好ましいものは、例えば、N,N’−(4,4’−ジフェニルメタン)ビスマレイミド、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンなどのビスマレイミド化合物が挙げられる。より好ましいものは、ダイマー酸ジアミンと無水マレイン酸の反応により得られる化合物、マレイミド酢酸、マレイミドカプロン酸といったマレイミド化アミノ酸とポリオールの反応により得られる化合物である。マレイミド化アミノ酸は、無水マレイン酸とアミノ酢酸またはアミノカプロン酸とを反応することで得られ、ポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリアクリレートポリオール、ポリメタクリレートポリオールが好ましく、芳香族環を含まないものが特に好ましい。芳香族環を含む場合にはマレイミド基を1分子内に2つ以上有する化合物として固形あるいは高粘度になり、また硬化物とした場合の弾性率が高くなりすぎるからである。
また本発明の樹脂組成物の諸特性を調整するために以下の化合物を使用することも可能である。例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する(メタ)アクリレートやこれら水酸基を有する(メタ)アクリレートとジカルボン酸またはその誘導体を反応して得られるカルボキシ基を有する(メタ)アクリレートなどが挙げられる。ここで使用可能なジカルボン酸としては、例えばしゅう酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸及びこれらの誘導体が挙げられる。
上記以外にもメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャリーブチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、その他のアルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジンクモノ(メタ)アクリレート、ジンクジ(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフロロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4−ヘキサフロロブチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’−エチレンビス(メタ)アクリルアミド、1,2−ジ(メタ)アクリルアミドエチレングリコール、ジ(メタ)アクリロイロキシメチルトリシクロデカン、N−(メタ)アクリロイロキシエチルマレイミド、N−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、N−(メタ)アクリロイロキシエチルフタルイミド、n−ビニル−2−ピロリドン、スチレン誘導体、α−メチルスチレン誘導体、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、エチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メチルイソボルニル(メタ)アクリレート、エチルイソボルニル(メタ)アクリレート、ブチルイソボルニル(メタ)アクリレート、ヒドロキシイソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレ−ト、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレ−ト、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレ−ト、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレ−ト、シクロヘキシルメチル(メタ)アクリレ−ト、シクロヘキシルエチル(メタ)アクリレ−ト、シクロヘキシルブチル(メタ)アクリレ−ト、デカリル(メタ)アクリレ−ト、メチルデカリル(メタ)アクリレ−ト、エチルデカリル(メタ)アクリレ−ト、ブチルデカリル(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシデカリル(メタ)アクリレ−ト、アダマンチル(メタ)アクリレ−ト、メチルアダマンチル(メタ)アクリレ−ト、エチルアダマンチル(メタ)アクリレ−ト、ブチルアダマンチル(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシアダマンチル(メタ)アクリレ−トなどを使用することも可能である。これら化合物は単独で使用することも複数併用することも可能である。
さらに重合開始剤として熱ラジカル重合開始剤を使用することも可能である。通常熱ラジカル重合開始剤として用いられるものであれば特に限定しないが、望ましいものとしては、急速加熱試験における分解開始温度(試料1gを電熱板の上にのせ、4℃/分で昇温した時の分解開始温度)が40〜140℃となるものが好ましい。分解温度が40℃未満だと、樹脂組成物の常温における保存性が悪くなり、140℃を越えると硬化時間が極端に長くなるため好ましくない。これを満たす熱ラジカル重合開始剤の具体例としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、n−ブチル4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、P−メンタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α、α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、イソブチリルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、桂皮酸パーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、α、α’−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3,−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルへキサノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシマレイックアシッド、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−m−トルオイルベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート、t−ブチルパーオキシアリルモノカーボネート、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンなどが挙げられるが、これらは単独または硬化性を制御するため2種類以上を混合して用いることもできる。
本発明で用いられる充填材(B)は、特に限定されないが樹脂組成物硬化物の熱伝導率を高くするために、単体の熱伝導率が10W/mK以上のものが好ましい。このような充填材としては、銀粉、金粉、銅粉、アルミニウム粉、ニッケル粉、パラジウム粉などの金属粉、アルミナ粉末、チタニア粉末、アルミニウムナイトライド粉末、ボロンナイトライド粉末などのセラミック粉末が挙げられる。これらの中でも、熱伝導率の観点からより好ましいのは単体での熱伝導率が200W/mK以上の金属粉であり、特に好ましいのは、銀粉、金粉、銅粉、アルミニウム粉、ベリリウム粉からなる群より選ばれる少なくとも1つ以上の充填材である。充填材は、それを含む樹脂組成物をノズルを使用して吐出する場合があるので、ノズル詰まりを防ぐために平均粒径は30μm以下が好ましく、ナトリウム、塩素などのイオン性の不純物が少ないものであることが好ましい。これら充填材のなかでも良好な熱伝導率及び酸化などへの安定性の観点からもっとも好ましいものは、銀粉である。
ここで銀粉とは純銀または銀合金の微粉末である。銀合金としては銀を50重量%以上、好ましくは70重量%以上含有する銀−銅合金、銀−パラジウム合金、銀−錫合金、銀−亜鉛合金、銀−マグネシウム合金、銀−ニッケル合金などが挙げられる。
通常電子材料用として市販されている銀粉であれば、還元粉、アトマイズ粉などが入手可能で、好ましい粒径としては平均粒径が0.5μm以上、30μm以下である。より好ましい平均粒径は1μm以上、10μm以下である。下限値以下では樹脂組成物の粘度が高くなりすぎ、上限値以上ではディスペンス時にノズル詰まりの原因となりうるからであり、電子材料用以外の銀粉ではイオン性不純物の量が多い場合があるので注意が必要である。必要により平均粒径が1μm以下の金属粉との併用も可能である。
銀粉の形状としては、フレーク状、球状など特に限定されないが、好ましくはフレーク状であり、その添加量は通常樹脂組成物中70重量%以上、95重量%以下であることが好ましい。銀粉の割合が下限値より少ない場合には硬化物の熱伝導性が悪化し、上限値より多い場合には熱伝導性樹脂組成物の粘度が高くなりすぎ塗布作業性が悪化するおそれがあるためである。
本発明では一般式(2)で示される化合物(C)を使用する。化合物(C)としては例えば、ビス(トリメトキシシリルプロピル)モノスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)モノスルフィド、ビス(トリブトキシシリルプロピル)モノスルフィド、ビス(ジメトキシメチルシリルプロピル)モノスルフィド、ビス(ジエトキシメチルシリルプロピル)モノスルフィド、ビス(ジブトキシメチルシリルプロピル)モノスルフィド、ビス(トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(トリブトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(ジメトキシメチルシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(ジエトキシメチルシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(ジブトキシメチルシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(トリブトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(ジメトキシメチルシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(ジエトキシメチルシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(ジブトキシメチルシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(トリブトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(ジメトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(ジブトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(トリメトキシシリルプロピル)ポリスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド、ビス(トリブトキシシリルプロピル)ポリスルフィド、ビス(ジメトキシメチルシリルプロピル)ポリスルフィド、ビス(ジエトキシメチルシリルプロピル)ポリスルフィド、ビス(ジブトキシメチルシリルプロピル)ポリスルフィドなどが挙げられ、これらは1種を単独で用いて2種以上を併用してもよい。
化合物(C)の好ましい含有量は、樹脂組成物から充填材(B)を除いた成分中、0.01重量%以上10重量%以下である。より好ましくは0.1重量%以上5重量%以下である。前記範囲であれば後述する効果をより高めることができるからである。
ここで化合物(C)として前述の化合物名を例示したが、実際には一般式(2)のnの値は平均値であり分布を有している。たとえば、ビス(トリエトキシシリルプロピル)トリテトラスルフィドといっても一般式(2)のnの値は平均値で約4であり、一例としてSi−69(商品名、デグサ社製)の場合、一般式(2)のnの値は約3.7でありn=2の成分は20.3%、n=3の成分は27.5%、n=4の成分は26.3%、n=5の成分は14.3%、n=6以上の成分は11.6%である。
化合物(C)を使用する第1の理由は良好な接着特性を得るためである。硫黄原子を含有する化合物が金属との密着を向上させることはよく知られているが、なかでも化合物(C)を用いた場合に接着性向上効果が著しい。化合物(C)と同様に硫黄原子とアルコキシシリル基を有する化合物として3−メルカプトプロピルトリメトキシシランが一般的に知られているが、メルカプト基は、熱硬化性樹脂に含まれるグリシジル基やアクリル基と室温でも反応するため樹脂組成物の保存性が悪化するため好ましくない。特にアクリル基との反応は室温でも著しく進行し場合によっては室温でも10分程度で流動しなくなる。グリシジル基との反応はアクリル基との反応の場合ほど急激ではないが含有する割合が多い場合には室温24時間程度で粘度の増加が観察され始める。このため含有する量を調整する必要があるが保存性を確保するためには、良好な接着性を得るのに十分な量を含有することができない。ここで一般式(2)に示される化合物には急激な反応を起こす活性水素基が存在しないため室温での保存性を悪化させることなく接着性を向上することが可能となる。
化合物(C)を使用する第2の理由は硬化反応時に充填剤(B)として金属粉を使用した場合に金属粉と反応することで樹脂組成物と支持体との接着力向上のみならず樹脂組成物自体の凝集力を向上させる点である。前述のように硫黄原子は金属と結合可能であり金属との良好な接着性を要求される場合によく利用されるが、化合物(C)に含まれる硫黄原子の結合の場合室温付近での金属粉との反応は例えばメルカプト基に比較すると非常にゆっくりしたものである。このため硬化時には樹脂組成物中に未反応で存在するため、被着体との接着性向上のみならず金属粉とも強固に結合することが可能となり樹脂組成物自体の凝集力を向上させることが可能となる。
化合物(C)を使用する第3の理由は、良好な保存性である。熱硬化性樹脂が重合開始剤として有機過酸化物を含む場合、保存中でも分解は進行しており特に分解温度の低い重合開始剤の場合には分解により発生したラジカルが熱硬化性樹脂の反応を引き起こし粘度上昇が顕著になる場合がある。通常ハイドロキノンなどの禁止剤を添加することで粘度上昇を抑えるが、禁止剤を多量に含有すると硬化性の悪化が著しくなる場合、硬化物特性に悪影響を及ぼす場合がある。ここでスルフィド結合は発生したラジカルをトラップすることが可能なので禁止剤として働き粘度上昇を抑制することが可能であると共に、硬化開始温度の上昇は見られるが汎用の禁止剤ほどの悪影響はない。なかでも硬化物特性への悪化は見られないので好適に使用することが可能である。
化合物(C)を使用する第4の理由は、前述したように重合体(A)の骨格に含まれる2重結合と反応することが可能であるため、硬化後の樹脂組成物は弾性率が低くかつ耐剥離特性に優れるものとなる点である。
ここで化合物(C)は前述のように一般式(2)に示されるnの値に分布を有するが、検討の結果nの値により反応性が異なることが判明した。すなわち化合物(C)は充填剤(B)としての金属粉と室温でも非常にゆっくりではあるが反応し、その反応は一般式(2)に示されるnの値が大きい成分が選択的に反応することが確認された。特に一般式(2)に示されるnの値が6以上の成分が選択的に反応し、(2)に示されるnの値が2の場合には反応進行は極めて遅いことが確認された。
上記理由により化合物(C)に含まれる一般式(2)に示されるnの値が大きい成分の割合が大きい場合には、室温保存中に化合物(C)が充填剤(B)としての金属粉と徐々に反応し支持体との接着力向上に必要な量が不足し、接着力の低下が観察されることがある。ここで化合物(C)に含まれる一般式(2)に示されるnが4以上の成分の割合をX%とするとき、密着性の室温での経時変化を考慮した場合、Xの値は小さい方が良い。特に好ましいのはXが55%以下の場合である。一般式(2)に示されるnが4以上の成分の割合Xは、化合物(C)を高速液体クロマトグラムにて測定して得られたチャートの一般式(2)に示される成分の面積に対するn=4以上の成分の面積比をパーセント表示したものである。
一方、化合物(C)には、出発原料である一般式(3)で示される化合物が含まれることが知られている。ここで一般式(3)で表される成分は、前記化合物(C)のアルコキシシリル基(一般式(2)に示される、R−Si基およびR−Si基)の加水分解を促進し、アルコキシシリル基同士の結合が生じる。このアルコキシシリル基同士が結合した化合物は樹脂組成物の接着特性を向上させる効果が低減される。このため化合物(C)の含有量を多くする必要があるが、一般式(3)で表される成分中のハロゲン化アルキル基は反応性が高く、熱硬化性樹脂中のシアネートエステル基やエポキシ基、アクリル基、マレイミド基などの官能基と室温で反応する。このため、室温で保存することによって樹脂組成物の粘度上昇や接着特性低下の原因となる。
ここで化合物(C)に含まれる一般式(3)で示される化合物の割合をY%としたとき、Yが小さい方が好ましい。Yの値は、ガスクロマトグラフ法(例えば、装置:(株)島津製作所製「GC−14B」、カラム:TC−5(直径0.25mm×30m)、検出器:FID、キャリアーガス:He、温度プログラム:50℃×2分→6.5℃/分→260℃×15分、内部標準物質:ウンデカンを20質量%添加、測定試料:0.5μl)により測定した質量%である。好ましいYの値は、1.0%以下であり、より好ましくは0.8%以下であり、特に好ましいのは0.5%以下である。
前述のようにX、Yとも小さい値の方が好ましいが、Xの値が小さければ化合物(C)の含有量が少なくても十分な接着特性を室温で長時間保存した後でも得ることが可能であり、Yが多少大きくても含有される一般式(3)で示される化合物の含有量が許容される範囲となることを見出した。すなわち十分な保存特性と接着特性とを有する樹脂組成物を得るためにはYの値が多少大きくても、Xの値が小さければ室温で保存した後でも十分な接着特性を得ることが可能であることを見出し、XとYが以下の関係式1を満たすとき好適に使用可能なことを見出した。
[関係式1:Y<−2.7x10−3X+0.8]
化合物(C)のX、Yの値が上記関係式1を満たす範囲内であれば、室温で長時間保存した後でも十分な接着特性を有する樹脂組成物を得ることが可能である。
更に化合物(C)以外にも以下の化合物を併用することが可能である。アリルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン、3-グリシジルオキシプロピル(ジメトキシ)メチルシラン、3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、ジエトキシ(3-グリシジルオキシプロピル)メチルシラン、3-(2-アミノエチルアミノ)プロピルジメトキシメチルシラン、3-(2-アミノエチルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、3-(2-アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルジエトキシメチルシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、イソシアン酸3-(トリエトキシシリル)プロピル、アクリル酸 3-(トリメトキシシリル)プロピル、メタクリル酸3-(トリメトキシシリル)プロピル、トリエトキシ-1H,1H,2H,2H-トリデカフルオロ-n-オクチルシラン、2-シアノエチルトリエトキシシラン、ジアセトキシジメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジメトキシジメチルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、n-ドデシルトリエトキシシラン、n-オクチルトリエトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、ペンチルトリエトキシシラン、トリアセトキシメチルシラン、トリエトキシエチルシラン、トリエトキシメチルシラン、トリメトキシ(メチル)シラン、トリメトキシ(プロピル)シラン、トリメトキシフェニルシランなどが挙げられる。さらに必要に応じ、チタン系カップリング剤、アルミ系カップリング剤を使用することも可能である。
本発明の樹脂組成物には、必要により、消泡剤、界面活性剤、各種重合禁止剤、酸化防止剤などの添加剤を用いることができる。
本発明の樹脂組成物は、例えば各成分を予備混合した後、3本ロールを用いて混練した後真空下脱泡することにより製造することができる。
本発明の樹脂組成物を用いて半導体装置を製作する方法は、公知の方法を用いることができる。例えば、市販のダイボンダーを用いて、リードフレームの所定の部位に樹脂組成物をディスペンス塗布した後、チップをマウントし、加熱硬化する。その後、ワイヤーボンディングして、エポキシ樹脂を用いてトランスファー成形することによって半導体装置を製作する。またはフリップチップ接合後アンダーフィル材で封止したフリップチップBGA(Ball Grid Array)などのチップ裏面に樹脂組成物をディスペンスしヒートスプレッダー、リッドなどの放熱部品を搭載し加熱硬化するなどの使用方法も可能である。
以下実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、これらに限定されるものではない。配合割合は重量部で示す。
実施例および比較例ともに下記原材料を表1に示す重量部で配合した上で3本ロールを用いて混練、脱泡することで樹脂組成物を得た。
(化合物(A))
化合物A1:エポキシ化ポリブタジエン((株)アデカ製、アデカサイザーBF−1000、一般式(1)のR、Rが水素原子である化合物を構成要素として100%含む重合体をエポキシ化した化合物、以下化合物A1)
化合物A2:エポキシ化ポリブタジエン(ダイセル化学工業(株)製、エポリードPB3600、一般式(1)のR、Rが水素原子である化合物を構成要素として100%含む重合体をエポキシ化した化合物、以下化合物A2)
化合物A3:マレイン化ポリブタジエン(サートマー社製、Ricon131MA20、一般式(1)のR、Rが水素原子である化合物を構成要素として100%含む重合体に無水マレイン酸を付加した化合物、以下化合物A3)
化合物A4:カルボキシ基末端アクリロニトリルブタジエン共重合体(宇部興産(株)製、Hycar CTBN 1300X8、一般式(1)のR、Rが水素原子である化合物を構成要素として約73%含む重合体で末端にカルボキシ基を有する化合物、以下化合物A4)
化合物A5:カルボキシ基含有アクリロニトリルブタジエン共重合体(日本ゼオン(株)製、Nipol DN601、一般式(1)のR、Rが水素原子である化合物を構成要素として69〜75%含む重合体でカルボキシ基を有する化合物、以下化合物A5)
化合物A6:マレイン化ポリブタジエン(サートマー社製、Ricon130MA8、一般式(1)のR、Rが水素原子である化合物を構成要素として100%含む重合体に無水マレイン酸を付加した化合物)と2−ヒドロキシエチルメタアクリレートとのハーフエステル化化合物(以下化合物A6)
(充填材)
充填材(B):平均粒径6μm、タップ密度6.2g/cm3、比表面積0.23m2/gのフレーク状銀粉
(化合物(C))
化合物C1:ビス(トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(デグサ(株)製、Si69、一般式(2)のR、Rが炭素数2のアルコキシ基、a、cが3、b、dが0、R、Rが炭素数3の炭化水素基、nが約3.7、一般式(3)のRが炭素数2のアルコキシ基、aが3、bが0、Rが炭素数3の炭化水素基、Zが塩素原子で、Xが52.2%、Yが0.590で、−2.7×10−3X+0.8=0.659>Y)、
化合物C2:ビス(トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド(ダイソー(株)製、カブラス2A、一般式(2)のR、Rが炭素数2のアルコキシ基、a、cが3、b、dが0、R、Rが炭素数3の炭化水素基、nが約2.4、一般式(3)のRが炭素数2のアルコキシ基、aが3、bが0、Rが炭素数3の炭化水素基、Zが塩素原子で、Xが9.8%、Yが0.703で、−2.7×10−3X+0.8=0.774>Y)、
化合物C3:ビス(トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド(ダイソー(株)製、カブラス2B、一般式(2)のR、Rが炭素数2のアルコキシ基、a、cが3、b、dが0、R、Rが炭素数3の炭化水素基、nが約2.1、一般式(3)のRが炭素数2のアルコキシ基、aが3、bが0、Rが炭素数3の炭化水素基、Zが塩素原子で、Xが1.5%、Yが0.157で、−2.7x10−3X+0.8=0.796>Y)、
化合物C4:ビス(トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド(デグサ(株)製、Si75、一般式(2)のR、Rが炭素数2のアルコキシ基、a、cが3、b、dが0、R、Rが炭素数3の炭化水素基、nが約2.4、一般式(3)のRが炭素数2のアルコキシ基、aが3、bが0、Rが炭素数3の炭化水素基、Zが塩素原子で、Xが12.4%、Yが0.332で、−2.7×10−3X+0.8=0.767>Y)、
化合物C5:ビス(トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(日本ユニカー(株)製、A−1289、一般式(2)のR、Rが炭素数2のアルコキシ基、a、cが3、b、dが0、R、Rが炭素数3の炭化水素基、nが約3.8、一般式(3)のRが炭素数2のアルコキシ基、aが3、bが0、Rが炭素数3の炭化水素基、Zが塩素原子で、Xが53.1%、Yが0.703で、−2.7×10−3X+0.8=0.657<Y)、
化合物C6:ビス(トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(信越化学工業(株)製、KBE−846、一般式(2)のR、Rが炭素数2のアルコキシ基、a、cが3、b、dが0、R、Rが炭素数3の炭化水素基、nが約3.8、一般式(3)のRが炭素数2のアルコキシ基、aが3、bが0、Rが炭素数3の炭化水素基、Zが塩素原子で、Xが55.3%、Yが0.836で、−2.7×10−3X+0.8=0.651<Y)
(熱硬化性樹脂)
化合物D1:ポリテトラメチレングリコールとマレイミド化酢酸の反応により得られたビスマレイミド化合物(DIC(株)製、LUMICURE MIA−200、分子量580、以下化合物D1)
化合物D2:シクロヘキサンジカルボン酸のジアリルエステルとプロピレングリコールとの反応により得られたジアリルエステル化合物(昭和電工(株)製、アリルエステル樹脂 DA101、分子量1000、ただし原料として用いたシクロヘキサンジカルボン酸のジアリルエステルを約15%含む、以下化合物D2)
化合物D3:1,4−シクロヘキサンジメタノール/1,6−ヘキサンジオール(=3/1(重量比))と炭酸ジメチルの反応により得られたポリカーボネートジオールとメチルメタクリレートの反応により得られたポリカーボネートジメタクリレート化合物(宇部興産(株)製、UM−90(3/1)DM、分子量1000、以下化合物D3)
化合物D4:ベンジルメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステルBZ、以下化合物D4)、
化合物D5:1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステル1、6HX、以下化合物D5)、
化合物D6:2−エチルヘキシルメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステルEH、以下化合物D6)、
(添加剤)
上記重合体(A)、充填材(B)、化合物(C)、熱硬化性樹脂の他に下記添加剤を用いた。
ラジカル重合開始剤:ジクミルパーオキサイド(日油(株)製、パークミルD、急速加熱試験における分解開始温度:126℃)、
カップリング剤1:グリシジル基を有するカップリング剤(信越化学工業(株)製、KBM−403E)、
カップリング剤2:メタクリル基を有するカップリング剤(信越化学工業(株)製、KBM−503P)、
(評価試験)
上記より得られた実施例および比較例の樹脂組成物について以下の評価試験を行った。評価結果を表1に示す。
(広がり性試験1)
実施例および比較例の樹脂組成物30gを充填したシリンジ(充填後すぐのもの)を用いてガラスチップ(15×15×0.56mm)をNiメッキした銅ヒートスプレッダー(25×25×2mm)にマウントした。マウントは、ディスペンサーを用いて表1に示す樹脂組成物を約0.02cc上記ヒートスプレッダー上に塗布した後、15分以内に奥原電気株式会社製コンパクトマウンタSMT−64RHを用いて、上記ガラスチップを載せ、室温で2kgfの加重を10秒間与えて行った。荷重解放後に樹脂組成物の広がり具合を目視により確認した。樹脂組成物がガラスチップ全面に広がっていれば◎、ガラスチップの90%以上の面積に広がっていれば○、75%程度であれば△、50%以下であれば×とした。
(広がり性試験2)
実施例および比較例の樹脂組成物30gを充填したシリンジ(10cc)を25℃に調整した恒温槽内でシリンジの先が下になるように72時間保管した後に使用した以外は広がり性試験1と同様に樹脂組成物の広がり性を測定した。樹脂組成物がガラスチップ全面に広がっていれば◎、ガラスチップの90%以上の面積に広がっていれば○、75%程度であれば△、50%以下であれば×とした。
(弾性率)
実施例および比較例の各樹脂組成物について、4×20×0.1mmのフィルム状の試験片を作製し(硬化条件150℃30分)、動的粘弾性測定機(DMA)にて引っ張りモードでの測定を行った。測定条件は以下の通りである。
測定温度:−100〜300℃
昇温速度:5℃/分
周波数:10Hz
荷重:100mN
25℃における貯蔵弾性率を弾性率とし5000MPa以下の場合を合格とした。弾性率の単位はMPaである。
(耐リフロー性1)
実施例および比較例の各樹脂組成物(樹脂組成物作製後すぐのもの)を用いて、下記のリードフレームとシリコンチップを150℃60分間硬化し接着した。さらに、封止材料(スミコンEME−G620A、住友ベークライト(株)製)を用い封止し、半導体装置を作製した。この半導体装置を用いて、60℃、相対湿度60%、120時間吸湿処理した後、IRリフロー処理(260℃、10秒、3回リフロー)を行った。処理後の半導体装置を超音波探傷装置(透過型)により剥離の程度を測定した。チップの面積に対する剥離面積の割合が10%未満の場合を合格とした。剥離面積の単位は%である。
半導体装置:epLQFP(28×28×1.4mm:ダイパッド裏面がパッケージ裏面に露出)
リードフレーム:Ni−Pd/Auめっきした銅フレーム
チップサイズ:7×7mm
樹脂組成物の硬化条件:オーブン中150℃、60分
(耐リフロー性2)
実施例および比較例の樹脂組成物30gを充填したシリンジ(10cc)を25℃に調整した恒温槽内でシリンジの先が下になるように72時間保管した後に使用した以外は耐リフロー性1と同様に剥離の程度を測定した。チップの面積に対する剥離面積の割合が10%未満の場合を合格とした。剥離面積の単位は%である。
本発明の樹脂組成物は、作業性、室温での保存性に優れ、かつ硬化物の弾性率が低く低応力性に優れており、接着特性、リフロー剥離耐性が良好であるため、半導体用ダイアタッチペーストまたは放熱部材接着用材料として使用することができる。
1・・・液状樹脂組成物の硬化物層
2・・・ダイパッド
3・・・半導体素子
4・・・リード
5・・・封止材
10・・・半導体装置

Claims (7)

  1. 重合体(A)、充填材(B)、および一般式(2)で示される化合物(C)を含む半導体装置用樹脂組成物であって、
    重合体(A)は、一般式(1)で示される化合物を単量体として30重量%以上用いて得られる重合体であり、
    前記充填材(B)の単体の熱伝導率が10W/mK以上であり、
    前記化合物(C)中、一般式(2)におけるnが4以上の化合物の割合をX%、
    前記化合物(C)に含まれる一般式(3)で示される化合物の割合をY%とするとき、Xは52.2以下であり、XとYが以下の関係式1を満たすことを特徴とする半導体装置用樹脂組成物。
    [関係式1] Y<−2.7×10−3X+0.8

    、R:水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基。

    、R:炭素数1〜6のアルコキシ基、
    、R:炭素数1〜6の炭化水素基、
    、R:炭素数1〜6の炭化水素基、
    a、c:1〜3の整数
    b、d:0〜2の整数でa+b=c+d=3
    n:1〜8の数。

    :炭素数1〜6のアルコキシ基、
    :炭素数1〜6の炭化水素基、
    :炭素数1〜6の炭化水素基、
    a:1〜3の整数
    b:0〜2の整数でa+b=3
    X:ハロゲン原子
  2. 請求項1に記載の半導体装置用樹脂組成物は、さらに、熱硬化性樹脂を含むものであることを特徴とする、請求項1に記載の半導体装置用樹脂組成物。
  3. 前記重合体(A)の含有量は、前記樹脂組成物から前記充填材(B)を除いた成分中に、0.5重量%以上70重量%以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の半導体装置用樹脂組成物。
  4. 前記充填材(B)の含有量は、全半導体装置用樹脂組成物中70重量%以上、95重量%以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置用樹脂組成物。
  5. 前記重合体(A)が官能基を有するものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置用樹脂組成物。
  6. 前記重合体(A)の官能基が、水酸基、エポキシ基、カルボキシ基、ビニル基、アクリル基、マレイミド基、アミノ基からなる群より選ばれるものである請求項5に記載の半導体装置用樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体装置用樹脂組成物をダイアタッチ材料または放熱部材接着用材料として使用して作製した半導体装置。
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