JP5597935B2 - 熱硬化性接着剤組成物および半導体装置 - Google Patents
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Description
[評価試験1:
サンプル成形条件;前記加熱条件A
成形後の熱処理条件;前記加熱条件B
弾性率測定条件;測定条件:JIS K7244準拠、引張モード、昇温速度5℃/min、周波数10Hz]
本発明に係る熱硬化性接着剤組成物は、所定の半導体装置の製造方法に用いられる熱硬化性接着剤組成物であって、所定の評価試験における260℃における弾性率が50MPa以上200MPa以下であることを特徴とする。そして当該特徴により高温環境下における半導体装置内の半導体素子の剥離や半導体装置のクラックの発生を低減することができる。
本発明に係る熱硬化性接着剤組成物が用いられる半導体装置の製造方法は、銅製リードフレームと半導体素子とを当該熱硬化性接着剤組成物を用いて接着する工程(1)を有する。具体的には、リードフレームまたは半導体素子に熱硬化性接着剤組成物を塗布し、塗布された熱硬化性接着剤組成物を介してリードフレーム上に半導体素子を配置し、更に熱硬化性樹脂組成物を加熱硬化することによりリードフレームと半導体素子とを接着する。
前記工程を経て製造された半導体装置には、更にマザーボードへ搭載するためにIRリフローという工程により半田付けが行われる。上述のように熱硬化性接着剤組成物によるリードフレームと半導体素子とを接着する工程(1)以降IRフローに至るまで、総ての工程において半導体装置は加熱されるものとなる。これら工程による加熱と各部材間の線膨張係数の差により各部材の変形の違いが生じその結果半導体装置内に応力が発生することとなる。
アクリロイル基を有する化合物、マレイミド環を有する化合物、アリルエステル系化合物
等のラジカル重合可能な官能基を有する化合物、アリル基を有するトリアリルイソシアヌ
レート、フェノール樹脂等が挙げられる。前記液状エポキシ樹脂としては、例えばビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポ
キシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルアミン型の液状エポキ
シ樹脂等が挙げられる。
ロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルコハク酸、2−(メタ)
アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピル
ヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルメチルヘキサヒドロフタル
酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルメチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)
アクリロイロキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルフタル酸、2
−(メタ)アクリロイロキシエチルテトラヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキ
シプロピルテトラヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルメチルテトラヒ
ドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルメチルテトラヒドロフタル酸、2
−ヒドロキシ1,3ジ(メタ)アクリロキシプロパン、テトラメチロールメタントリ(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリセリンジ(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、1,4―シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、エチル−
α−(ヒドロキシメチル)(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリ
レート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャルブチル(メタ)アクリレート、イ
ソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)ア
クリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソアミ
ル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アク
リレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、その他のアルキル(メタ)アクリ
レート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ターシャルブチルシクロヘキシル(メタ
)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アク
リレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート
、グリシジル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート
、ジンクモノ(メタ)アクリレート、ジンクジ(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル
グリコール(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3
,3−テトラフロロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4−ヘキサフ
ロロブチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチル(メタ)アクリレート、パーフロ
ロオクチルエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アク
リレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオール
ジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−
デカンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エ
トキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリアルキレングリコール
モノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレ
ート、ラウロキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポ
リアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アリロキシポリアルキレングリコー
ルモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)
アクリレート、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’−エチレンビ
ス(メタ)アクリルアミド、1,2−ジ(メタ)アクリルアミドエチレングリコール、ジ
(メタ)アクリロイロキシメチルトリシクロデカン、2−(メタ)アクリロイロキシエチ
ル、N−(メタ)アクリロイロキシエチルマレイミド、N−(メタ)アクリロイロキシエ
チルヘキサヒドロフタルイミド、N−(メタ)アクリロイロキシエチルフタルイミド、n
−ビニル−2−ピロリドン、スチレン誘導体、α−メチルスチレン誘導体、(メタ)アク
リル変性ポリブタジエンなどがあるが特に限定しない。
性等の点より2種類以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を併用しても構わない。また、前記(メタ)アクリロイル基を有する化合物が、1分子に官能基を2つ以上含む多官能の(メタ)アクリロイル基を有する化合物であっても構わない。
縁性を付与するためにはシリカ、アルミナのようなセラミック粒子、熱硬化性樹脂もしく
は熱可塑性樹脂の粒子を使用することができる。一般的に充填材として使用されている粒
子の形状には鱗状、球状、樹脂状、粉状等の種々の形状を有するものがあるが、本発明で
は形状については特に限定するものではない。
量%が望ましく、特に70〜85重量%が望ましい。含有量を前記範囲とすることにより
チキソ性および粘度が好適な範囲となり安定した作業性を得ることができる。
7μmが好ましい。平均粒子径が前記下限値未満であると粘度が高くなるため粘度の調整
が困難となる場合が有り、前記上限値を超えると塗布の際にノズルがつまり吐出ができな
くなる場合がある。前記平均粒子径は、例えばレーザー回析・散乱法を用いた粒度分布測
定装置を用いて測定することができる。
が好ましい。この様なアリルエステル系化合物としては、例えばジアリルフタレート、ジ
アリルテレフタレート、ジアリルイソフタレート、トリアリルトリメリート、ジアリルマ
レート、アリルメタクリレート、アリルアセトアセタートなどが挙げられる。 アリルエステル系化合物の数平均分子量は、特に限定されないが、500〜10,000が好ましく、特に500〜8,000が好ましい。数平均分子量が前記範囲内であると、硬化収縮を特に小さくすることができ、それによって密着性の低下を防止することができる。
体の5〜15重量%が好ましく、特に8〜13重量%が好ましい。含有量が前記下限以上
とすることにより硬化物の強度低下を防ぎ、前記上限値以下とすることによりブリードの発生を抑えることができる。
合物、マレイミド環を有する化合物およびエポキシ化合物の中から選ばれる少なくとも2種以上を含むことが好ましい。これにより、密着性と耐熱性とのバランスに特に優れる。
数は、特に限定されないが、3以上6以下が好ましい。炭素数が3未満であると硬化物の吸水特性が低下し、高温リフロー時の信頼性に必要な接着性が低下する場合があり、炭素数が6を超える場合、樹脂自体の疎水性が強くなりすぎるため金属に対しての接着性が低下する場合がある。
例えば、熱硬化性接着剤組成物の形態が液状接着剤の場合、上述したような各種成分を予備混合した後、3本ロールを用いて混練し、真空脱泡することにより、液状接着剤を得ることができる。
部位に得られた液状接着剤をディスペンス塗布した後、半導体素子をマウントして加熱硬
化する。その後、ワイヤーボンディングして、エポキシ樹脂等を主成分とする封止樹脂を
用いてトランスファー成形することにより半導体装置を得ることができる。
は、半導体素子と支持体とが液状接着剤の硬化物で接着されていることになる。なお、液状接着剤について、例を挙げて説明したが、フィルム状接着剤についても同様に行うことができる。この場合、例えば支持体にフィルム状接着剤をラミネートした後、同様の工程により、半導体装置を得ることができる。
されるものではない。
(接着剤の調製)
ラジカル重合可能な官能基を有する化合物としてプロピルジメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステル3PG)エポキシ樹脂としてジグリシジルビスフェノールF(日本化薬(社)製、RE−303S)、クレジルグレシジルエーテル(阪本薬品(社)製、CGE)、上記熱硬化樹脂の硬化剤としてビスフェノールF(大日本インキ工業(株)製、DIC−BPF)、ジシアンジアミド(旭電化(株)製、EH3636AS)、硬化促進剤として2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール(キュアゾール2P4MHZ:四国化成工業(株)製)、充填剤としてフレーク状銀粉を添加剤としてγ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−403E)およびテトラスルフィドジトリエトキシシラン(ダイソー(株)製、CABRUS4)、を表1のように配合後、3本ロールを用いて混練、脱泡することで樹脂組成物を得た。
得られた接着剤の硬化後の260℃での弾性率は、90MPaであった。
接着剤を構成する樹脂組成物の配合は参考例1を用いて、以下の通り半導体装置を製造した。支持体としてダイアタッチ部が銀メッキされた銅フレーム(ダイパッドサイズ:11×11mm、厚み160μm)と、表面にSiN層を持つ半導体素子(7×7mm、厚さ350μm)とを上述した接着剤で接着し、175℃、30分間オーブン内で硬化して接着した。次に、半導体封止用エポキシ樹脂組成物(住友ベークライト社製、EME−G700)を用いて、封止し、その後175℃、4時間ポストモールドキュアを行い、半導体装置(80LMQFP、サイズ24×24mm、厚み1.4mm)を得た。
以下実施例2並びに比較例1についても同様の方法で半導体装置を製造した。
接着剤を構成する熱硬化性樹脂として以下のものを用いた以外は、参考例1と同様にした。
ラジカル重合可能な官能基を有する化合物としてプロピルジメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステル3PG)、アリルエステル系化合物としてポリアルキレンエステル含有アリルエステル(昭和電工(株)製、アリルエステル樹脂DA−101)、エポキシ樹脂としてジグリシジルビスフェノールF(日本化薬(社)製、RE−303S)、クレジルグレシジルエーテル(阪本薬品(社)製、CGE)、上記熱硬化樹脂の硬化剤としてビスフェノールF(大日本インキ工業(株)製、DIC−BPF)、ジシアンジア
ミド(旭電化(株)製、EH3636AS)、硬化促進剤として2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール(キュアゾール2P4MHZ:四国化成工業(株)製)、充填剤としてフレーク状銀粉を添加剤としてγ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−403E)およびテトラスルフィドジトリエトキシシラン(ダイソー(株)製、CABRUS4)、を表1のように配合し、3本ロールを用いて混練し、脱泡することで樹脂組成物を得た。
得られた接着剤の硬化後の260℃での弾性率は、90MPaであった
接着剤を構成する樹脂組成物の配合を以下のようにした以外は、参考例1と同様にした。
2−メタクリロイロキシエチルコハク酸(共栄社化学(株)製、ライトエステルHO−MS、)、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート(日本化成化学(株)製、CHDMMA)、プロピルジメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステル3PG)、マレイミド環を有する化合物としてポリアルキレンマレイミド酢酸エステル(大日本インキ工業(株)製、ルミキュアMIA−200)、アリルエステル系化合物としてポリアルキレン含有アリルエステル(昭和電工(株)製、アリルエステル樹脂DA101)、ラジカル開始剤として1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(日本油脂(株)製、パーヘキサCS)、充填剤として平均粒径3μm、最大粒径20μmのフレーク状銀粉、添加剤としてγ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−403E)およびテトラスルフィドジトリエトキシシラン(ダイソー(株)製、CABRUS4)を表1のように配合した。
得られた接着剤の硬化後の260℃での弾性率は、400MPaであった。
支持体としてダイアタッチ部が銀メッキされた銅フレーム(ダイパッドサイズ:8×8
mm、厚み160μm)と、表面にSiN層を持つ半導体素子(5×5mm、厚さ350μm)とを上述した実施例2の接着剤で接着し、175℃、30分間オーブン内で硬化して接着した。次に、半導体封止用エポキシ樹脂組成物(住友ベークライト社製、EME−G700)を用いて、封止し、その後175℃、4時間ポストモールドキュアを行い、半導体装置(80LMQFP、サイズ14×20mm、厚み2mm)を得た。
各実施例、参考例および比較例の熱硬化性接着剤組成物に対して、上記の方法で製造された半導体装置を85℃、相対湿度60%の条件下で168時間吸湿処理した後、IRリフロー処理(260℃、10秒、3回リフロー)を行い、処理後のパッケージを超音波深傷装置(透過型)により剥離の程度を測定した。
評価結果の各符号は以下の通りである。
○:シリコンチップ剥離発生なし。
×:シリコンチップ剥離発生あり。
Claims (4)
- 封止用樹脂組成物で封止された樹脂部分の平均厚みが1.0mm以上、1.8mm以下である半導体装置に用いられる、銅からなるリードフレームと半導体素子とを接着する熱硬化性接着剤組成物であって、
下記評価試験1で測定した260℃における動的弾性率が50MPa以上200MPa以下であり、
前記熱硬化性接着剤組成物が、熱硬化性樹脂と無機充填材とを含むものであり、
前記熱硬化性樹脂が、エポキシ化合物と、ラジカル重合可能な官能基を有する化合物とを含むものであり、
前記無機充填材の含有量が、前記熱硬化性接着剤組成物全体の60〜90重量%であり、前記ラジカル重合可能な官能基を有する化合物が、(メタ)アクリロイル基を有する化合物、及びアリルエステル系化合物であり、
前記ラジカル重合可能な官能基を有する化合物の含有量が、前記熱硬化性接着剤組成物全体の2〜25重量%であり、
前記アリルエステル系化合物の含有量が、前記熱硬化性接着剤組成物全体の2.7〜15重量%である、熱硬化性接着剤組成物。
[評価試験1:
サンプル成形条件;175℃30分
成形後の熱処理条件;175℃4時間
動的弾性率測定条件;測定条件:JIS K7244準拠、引張モード、昇温速度5℃/
min、周波数10Hz] - 前記アリルエステル系化合物が、芳香族環を有さないアリルエステル系化合物である請求項1に記載の熱硬化性接着剤組成物。
- 前記封止用樹脂組成物が無機充填材を含有し、前記無機充填材の含有量が全封止用樹脂組成物中に80重量%以上93重量%以下である請求項1または2に記載の熱硬化性接着剤組成物。
- 半導体素子と銅からなるリードフレームとそれらを接着する硬化物層とを有する半導体装置であって、前記硬化物層が請求項1乃至3のいずれか一項に記載された熱硬化性接着剤組成物の硬化物である半導体装置。
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