JP5597935B2 - 熱硬化性接着剤組成物および半導体装置 - Google Patents

熱硬化性接着剤組成物および半導体装置 Download PDF

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Description

本発明は、熱硬化性接着剤組成物およびそれを用いた半導体装置に関する。
IC等の半導体素子を金属フレーム、有機基板に接着する方法として熱硬化性接着剤組成物が一般的に使用されている。近年、環境対応の一環として半導体装置を基板に搭載する際に使用する半田からの鉛成分の除去撤廃が進められている。鉛成分を含まない半田(以下鉛フリー半田という)を用いる場合は半田リフロー処理の際の設定温度を従来の220〜245℃という範囲から260〜270℃という範囲に高める必要がある。このため前記熱硬化性接着剤組成物には半田リフロー温度の上昇に伴い発生する熱応力の増加に対する耐性がより一層求められるようになってきている。
熱応力を緩和させ半導体素子の剥離等の加熱により発生する問題を低減させる手法としては液状ゴム成分を使用した熱硬化性接着剤組成物の使用が検討されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、このような熱硬化性接着剤組成物を用いた半導体装置であっても、高温環境下における接着力は充分とはいえず260〜270℃といった高温での半田リフロー時には剥離が発生するおそれがある。さらに半導体素子のクラックに進展する場合もあり信頼性の観点からも充分とはいえないものであった。
特開2000−72851号公報
本発明の目的は、鉛フリー半田に用いられるような260〜270℃という高温設定で半田リフロー処理を行ったとしても半導体装置クラック発生等の問題を大幅に低減することができる熱硬化性接着剤組成物を提供することにある。
本発明に係る熱硬化性接着剤組成物は、銅からなるリードフレームと、半導体素子とを熱硬化性接着剤組成物を用いて所定の加熱条件Aにて接着する工程(1)と前記リードフレームと半導体素子とを封止用樹脂組成物で封止した樹脂部分の平均厚みが1.0mm以1.8mm以下となるように封止する工程(2)と封止後に所定の加熱条件Bにて熱処理する工程(3)とを有する半導体装置の製造方法に用いられる熱硬化性接着剤組成物であって、下記評価試験1にて評価した260℃における弾性率が50MPa以上200MPa以下のものである。
[評価試験1:
サンプル成形条件;前記加熱条件A
成形後の熱処理条件;前記加熱条件B
弾性率測定条件;測定条件:JIS K7244準拠、引張モード、昇温速度5℃/min、周波数10Hz]
本発明に係る熱硬化性接着剤組成物は、熱硬化性樹脂と無機充填材とを含み、前記熱硬化性樹脂が、ラジカル重合可能な官能基を有する化合物を含むものとすることができる。
本発明に係る熱硬化性接着剤組成物は前記ラジカル重合可能な官能基が、(メタ)アクリロイル基であるとすることができる。
本発明に係る熱硬化性接着剤組成物は前記ラジカル重合可能な官能基がアリル基であるとすることができる。
本発明に係る熱硬化性接着剤組成物は前記ラジカル重合可能な官能基がアリル基である化合物が、芳香族環を有さないアリルエステル系化合物であるとすることができる。
本発明に係る熱硬化性接着剤組成物は前記熱硬化性樹脂が、(メタ)アクリロイル基を有する化合物、アリルエステル系化合物、エポキシ化合物からなる群より選ばれる少なくとも2種以上の化合物を含むものであるとすることができる。
本発明に係る熱硬化性接着剤組成物は、前記封止用樹脂組成物がエポキシ樹脂と無機充填材からなり、前記無機充填が樹脂組成物のうち80重量%以上93重量%以下であるとすることができる。
本発明に係る半導体装置は、半導体素子と支持体とそれらを接着する硬化物層とを有する半導体装置であって、前記硬化物層が前記熱硬化性接着剤組成物の硬化物である。
本発明によれば、鉛フリー半田に用いられるような260℃以上という高温環境下においても半田クラック等の問題を低減することが可能な半導体装置を提供することができる。
以下、本発明に係る熱硬化性接着剤組成物について詳細に説明する。
本発明に係る熱硬化性接着剤組成物は、所定の半導体装置の製造方法に用いられる熱硬化性接着剤組成物であって、所定の評価試験における260℃における弾性率が50MPa以上200MPa以下であることを特徴とする。そして当該特徴により高温環境下における半導体装置内の半導体素子の剥離や半導体装置のクラックの発生を低減することができる。
(半導体装置の製造方法)
本発明に係る熱硬化性接着剤組成物が用いられる半導体装置の製造方法は、銅製リードフレームと半導体素子とを当該熱硬化性接着剤組成物を用いて接着する工程(1)を有する。具体的には、リードフレームまたは半導体素子に熱硬化性接着剤組成物を塗布し、塗布された熱硬化性接着剤組成物を介してリードフレーム上に半導体素子を配置し、更に熱硬化性樹脂組成物を加熱硬化することによりリードフレームと半導体素子とを接着する。
また、本発明に係る熱硬化性接着剤組成物が用いられる半導体装置の製造方法は、前記工程(1)にて接着されたリードフレームと半導体装置とを封止用樹脂組成物で封止する工程(2)を有する。本工程(2)で用いられる封止用樹脂組成物は熱硬化性樹脂組成物であることが多いため封止後加熱により硬化される場合が多い。なお、封止用樹脂組成物部分の平均厚みは1.0mm以上1.8mm以下となるように封止される。封止用樹脂部分の厚みは、具体的には厚みゲージなどによって測定する。
更に、本発明に係る熱硬化性接着剤組成物が用いられる半導体装置の製造方法は、上記工程(2)によりリードフレームと半導体素子とを封止した後に、熱処理を行う工程(3)を有する。本工程は、封止用樹脂組成物の硬化物の硬化反応を促進させることを目的とした工程であり、ポストモールドキュアと呼ばれることがある。
(半導体装置の加熱と半導体装置内での応力の発生)
前記工程を経て製造された半導体装置には、更にマザーボードへ搭載するためにIRリフローという工程により半田付けが行われる。上述のように熱硬化性接着剤組成物によるリードフレームと半導体素子とを接着する工程(1)以降IRフローに至るまで、総ての工程において半導体装置は加熱されるものとなる。これら工程による加熱と各部材間の線膨張係数の差により各部材の変形の違いが生じその結果半導体装置内に応力が発生することとなる。
例えば、工程(1)においてリードフレームと半導体素子とを接着する際の温度は約175℃で行われることが多い。この場合、硬化終了時点では銅フレームおよび半導体素子はほぼ平坦である。これを室温に戻すと半導体素子を上、リードフレームを下として凸に反る。その後、封止する工程(2)により半導体素子が接着されたリードフレームは175℃で加熱され再び平坦な状態となり封止される。
また、前記工程(2)において半導体素子を封止した後175℃で前記工程(3)によりポストモールドキュアが行われる。上述の通り、封止終了時点では封止樹脂の硬化反応は充分ではないため、本工程により封止樹脂の硬化を完了させ、機械的強度や寸法安定性を付与する。更にIRフロー工程において260℃という高温に加熱され半田付けが行われるため、半導体の各部材に加わる熱応力は増加する。
本発明に係る熱硬化性接着剤組成物が用いられる半導体装置のように、封止用樹脂組成物の厚みが1.0mm以上1.8mm以下となる半導体装置の場合は、上記のような175℃よりも高い温度、例えばIRフロー工程における加熱を受けた場合、半導体素子を上、支持体を下として半導体装置が凹に反る。これは各部材の熱膨張係数の違いにより半導体装置内部に生じた応力を緩和するため生じる変形(反り)である。一方、半導体装置内においては銅フレームの線膨張係数が半導体素子の線膨張係数に比べ大きくなるため、接着工程、封止工程での加熱温度に相当する175℃を境界とし、低温となる場合は半導体素子を上、銅フレームを下として凸、また高温となる場合は平坦もしくは凹となる変形(反り)を生じる方向に応力が発生する。この応力は、温度の上昇とともに増加する。よって半導体装置製造工程中最高温(260℃〜270℃)となるIRリフロー工程において最大となり、その際、熱硬化性接着剤と組成物の硬化物からの半導体素子またはリードフレームが剥離するという問題が生じる場合がある。
この様な半導体装置内部の半導体素子とリードフレームに発生する応力は、本発明に従い、それらを接着する硬化物層の弾性率を所定範囲とすることにより発生を低減することができる。即ち、上記半導体装置においてダイアタッチ部分における熱硬化性接着剤組成物の硬化物層の260℃における弾性率を200MPa以下とすることにより、高温域、特にIRリフロー工程時において、半導体素子を上、リードフレームを下として変形(反り)がなく平坦な状態にすることができ、これにより反ることで応力を緩和し内部応力が減少している半導体装置において半導体素子と支持体により生じる応力を小さくすることにより半導体装置全体の応力を最小限にすることにより、半導体素子の剥離を防止することができる。
上記のように本発明に係る熱硬化性接着剤組成物の硬化物の260℃における弾性率は50MPa以上200MPa以下であることが好ましく、更に好ましくは60MPa以上190MPaであり、特に80MPa以上180MPa以下であることが好ましい。前記下限値以上とすることにより上述のように半導体装置内部の応力の発生を減少させ比較的低い銀メッキを半導体素子の接着面に有する銅製リードフレームを用いた場合でも半田リフロー時の封止樹脂の剥離を低減させ、かつ接着剤の剥離を低減することができる。
なお、熱硬化性接着剤組成物の前記下限値以上とすることにより200〜250℃などで行われるワイヤーボンディングにおいてワイヤー接合を安定させることができる。
前記弾性率は、例えば接着剤をフィルム状に硬化させたサンプルを動的粘弾性測定装置(DMA)を用いて評価することができる。具体的には、半導体装置製造方法におけるリードフレームと半導体素子とを熱硬化性接着剤組成物を硬化させ接着させる工程(1)における所定の加熱条件Aにより成形し、更に半導体装置の製造方法における熱処理する工程における加熱条件Bにより熱処理した熱硬化性接着剤組成物のフィルム状硬化物サンプルを用いる。また測定条件としては例えば幅4mm、長さ25mm、厚み100umのフィルム状の硬化物を175℃、4時間ポストモールドキュア後、セイコー・インスツルメンツ社製「動的粘弾性測定装置、EXSTAR−6000」にて、JISK K7244に準拠し、引張りモード、チャック間距離20mm、30〜300℃の温度範囲で℃/分の昇温速度、測定周波数10Hzを用いることができる。
本発明に係る熱硬化性接着剤組成物のように硬化後の260℃での弾性率を50MPa以上200MPa以下とするには、熱硬化性接着剤組成物を構成する熱硬化性樹脂の架橋密度を考慮する必要がある。一般的に熱硬化樹脂は熱により重合し架橋することにより硬化する。したがって架橋が少なければ、すなわち架橋密度が低いと、弾性率は低くなり、逆に高くすれば弾性率も高くなる。架橋密度は熱硬化樹脂の1分子あたりの官能基数や官能基間距離などにより変化する。例えば1分子あたりに有する官能基数が少ない樹脂を用いれば架橋密度は下がる。この様な樹脂としては平均分子量を1分子当たりの官能基数で除した官能基当量が200〜3000を持つ樹脂が上げられ、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアルキレンオキサイド、ポリエーテル、ポリエステル、フェノキシ樹脂などの一般的な樹脂において導入する熱硬化性の官能基数を制御することに得ることができる。官能基当量が200以下の場合、樹脂中の官能基数が多くなり、架橋が増えてしまうため弾性率が高くなる。一方3000よりも高いと架橋が減り、弾性率が低くなる一方、硬化性の低下、機械的強度の低下および耐熱性の低下という問題が生じる。またこれらの樹脂は単独でもまた官能基当量がこの範囲外のものでも併用は可能である。
本発明に係る熱硬化性接着剤組成物の形態としては、液状の形態であることが好ましい。これにより、充填剤を添加することが容易となり、260℃の弾性率を向上することが容易となる。さらに、半導体装置用の接着剤に求められる導電性や熱放散性の付与のために金属粉を添加しても製品の作業性、信頼性などに影響が少ないという点で優れる。なおこれら金属粉の中でも電気導電性、熱伝導性、形状や粒径の多様性の観点からは銀粉を用いることが好ましい。
本発明に係る熱硬化性接着剤組成物は、特に限定されないが、熱硬化性樹脂および充填剤を含む液状樹脂組成物を塗布した後、硬化して硬化層を形成するものであることが好ましい。これにより、硬化後に封止工程やワイヤーボンディグ工程などの加熱される工程において半導体素子を支持体に固定することができる。
前記熱硬化性樹脂としては、例えば液状シアネート樹脂、液状エポキシ樹脂、(メタ)
アクリロイル基を有する化合物、マレイミド環を有する化合物、アリルエステル系化合物
等のラジカル重合可能な官能基を有する化合物、アリル基を有するトリアリルイソシアヌ
レート、フェノール樹脂等が挙げられる。前記液状エポキシ樹脂としては、例えばビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポ
キシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルアミン型の液状エポキ
シ樹脂等が挙げられる。
このような熱硬化性樹脂の中でもラジカル重合可能な官能基を有する化合物を含む熱硬化性樹脂を用いるのが好ましい。前記ラジカル重合可能な官能基としては、例えばビニル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アリル基、マレイミド基等を挙げることができる。これらの中でも(メタ)アクリロイル基が好ましい。これにより、低温硬化、短時間硬化を図ることができる。またこれらの化合物はラジカル重合で硬化が進むことで信頼性に影響のあるボイドを極力減らすことができる。
また260℃の弾性率が50MPa以上200MPa以下となり、かつ硬化性、作業性、信頼性等に影響を与えない範囲でラジカル重合可能な官能基を有する化合物と、例えばエポキシ樹脂等と併用してもかまわない。
前記(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、例えば2−(メタ)アクリロイ
ロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルコハク酸、2−(メタ)
アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピル
ヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルメチルヘキサヒドロフタル
酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルメチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)
アクリロイロキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルフタル酸、2
−(メタ)アクリロイロキシエチルテトラヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキ
シプロピルテトラヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルメチルテトラヒ
ドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルメチルテトラヒドロフタル酸、2
−ヒドロキシ1,3ジ(メタ)アクリロキシプロパン、テトラメチロールメタントリ(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリセリンジ(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、1,4―シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、エチル−
α−(ヒドロキシメチル)(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリ
レート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャルブチル(メタ)アクリレート、イ
ソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)ア
クリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソアミ
ル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アク
リレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、その他のアルキル(メタ)アクリ
レート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ターシャルブチルシクロヘキシル(メタ
)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アク
リレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート
、グリシジル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート
、ジンクモノ(メタ)アクリレート、ジンクジ(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル
グリコール(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3
,3−テトラフロロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4−ヘキサフ
ロロブチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチル(メタ)アクリレート、パーフロ
ロオクチルエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アク
リレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオール
ジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−
デカンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エ
トキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリアルキレングリコール
モノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレ
ート、ラウロキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポ
リアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アリロキシポリアルキレングリコー
ルモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)
アクリレート、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’−エチレンビ
ス(メタ)アクリルアミド、1,2−ジ(メタ)アクリルアミドエチレングリコール、ジ
(メタ)アクリロイロキシメチルトリシクロデカン、2−(メタ)アクリロイロキシエチ
ル、N−(メタ)アクリロイロキシエチルマレイミド、N−(メタ)アクリロイロキシエ
チルヘキサヒドロフタルイミド、N−(メタ)アクリロイロキシエチルフタルイミド、n
−ビニル−2−ピロリドン、スチレン誘導体、α−メチルスチレン誘導体、(メタ)アク
リル変性ポリブタジエンなどがあるが特に限定しない。
また、前記(メタ)アクリロイル基を有する化合物は、硬化性、作業性、接着性、信頼
性等の点より2種類以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を併用しても構わない。また、前記(メタ)アクリロイル基を有する化合物が、1分子に官能基を2つ以上含む多官能の(メタ)アクリロイル基を有する化合物であっても構わない。
前記熱硬化性樹脂中のラジカル重合可能な官能基を有する化合物の含有量は、特に限定されないが、前記液状樹脂組成物全体の2〜25重量%が好ましく、特に10〜25重量%が好ましい。含有量が前記範囲内であると、260℃の弾性率を向上させる効果に優れる。
本願発明に係る熱硬化性接着剤組成物は、特に限定されないが、充填材を含むことが好ましい。これにより、粘度やチキソ性の調整や熱時弾性率などを向上させることができ安定した作業性を得ることができる。
前記の充填材には導電性を付与するために銀、金、ニッケル、鉄等の金属粉を用い、絶
縁性を付与するためにはシリカ、アルミナのようなセラミック粒子、熱硬化性樹脂もしく
は熱可塑性樹脂の粒子を使用することができる。一般的に充填材として使用されている粒
子の形状には鱗状、球状、樹脂状、粉状等の種々の形状を有するものがあるが、本発明で
は形状については特に限定するものではない。
前記充填材の含有量は、特に限定されないが、前記液状樹脂組成物全体の60〜90重
量%が望ましく、特に70〜85重量%が望ましい。含有量を前記範囲とすることにより
チキソ性および粘度が好適な範囲となり安定した作業性を得ることができる。
前記充填材の平均粒子径は、特に限定されないが、1〜10μmが好ましく、特に2〜
7μmが好ましい。平均粒子径が前記下限値未満であると粘度が高くなるため粘度の調整
が困難となる場合が有り、前記上限値を超えると塗布の際にノズルがつまり吐出ができな
くなる場合がある。前記平均粒子径は、例えばレーザー回析・散乱法を用いた粒度分布測
定装置を用いて測定することができる。
前記熱硬化性樹脂は、特に限定されないが、さらにアリルエステル系化合物を含むこと
が好ましい。この様なアリルエステル系化合物としては、例えばジアリルフタレート、ジ
アリルテレフタレート、ジアリルイソフタレート、トリアリルトリメリート、ジアリルマ
レート、アリルメタクリレート、アリルアセトアセタートなどが挙げられる。 アリルエステル系化合物の数平均分子量は、特に限定されないが、500〜10,000が好ましく、特に500〜8,000が好ましい。数平均分子量が前記範囲内であると、硬化収縮を特に小さくすることができ、それによって密着性の低下を防止することができる。
前記範囲の数平均分子量を有するアリルエステル系化合物としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、5−ノルボルネン−endo−2,3−ジカルボン酸、1,4−ジシクロジカルボン酸、アジピン酸等のジカルボン酸やそのメチルエステル誘導体と炭素数2〜8であるアルキレンジオールにより合成されたポリエステルの末端にアリルアルコールをエステル化により付加した両末端アリルエステル系化合物等が挙げられる。
前記アリルエステル系化合物の含有量は、特に限定されないが、前記液状樹脂組成物全
体の5〜15重量%が好ましく、特に8〜13重量%が好ましい。含有量が前記下限以上
とすることにより硬化物の強度低下を防ぎ、前記上限値以下とすることによりブリードの発生を抑えることができる。
また、前記熱硬化性樹脂は、特に限定されないが、(メタ)アクリロイル基を有する化
合物、マレイミド環を有する化合物およびエポキシ化合物の中から選ばれる少なくとも2種以上を含むことが好ましい。これにより、密着性と耐熱性とのバランスに特に優れる。
前記アリルエステル系化合物は、特に限定されないが、芳香族環を有さないことが好ましい。芳香族環を有することにより硬化物がもろくなり、クラックの発生が起こりやすくなるおそれがある。そのためこの様な問題を解決するためにはポリアルキレンオキサイドを主骨格に有することが好ましい。ポリアルキレンオキサイドは骨格中に繰り返しユニット中にアルキレン基が、エーテル結合で結合している。この構造中にあるエーテル結合により、260℃において硬化物の弾性率が高く、かつある程度の柔軟な特性を与えることができる。したがって、芳香族環を有する化合物に比べ、接着剤の硬化物がもろくならず、クラック等の発生が抑制されると考えられる。
前記ポリアルキレンオキサイド中の繰り返しユニットに含まれるアルキレン基中の炭素
数は、特に限定されないが、3以上6以下が好ましい。炭素数が3未満であると硬化物の吸水特性が低下し、高温リフロー時の信頼性に必要な接着性が低下する場合があり、炭素数が6を超える場合、樹脂自体の疎水性が強くなりすぎるため金属に対しての接着性が低下する場合がある。
前記エポキシ樹脂は例えば、グリシジル基は1分子に2つ以上含まれていることが好ましい。グリシジル基が1つの化合物のみでは反応させても十分な硬化物特性を示すことができないからである。グリシジル基を1分子に2つ以上含む化合物としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビフェノールなどのビスフェノール化合物またはこれらの誘導体、水素添加ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールF、水素添加ビフェノール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、シジロヘキサンジエタノールなどの脂環構造を有するジオールまたはこれらの誘導体、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオールなどの脂肪族ジオールまたはこれらの誘導体などをエポキシ化した2官能のもの、トリヒドロキシフェニルメタン骨格、アミノフェノール骨格を有する3官能のもの、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂などをエポキシ化した多官能のものなどが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。また、樹脂組成物としては、単独またはこれらの混合物として室温で液状のものが好ましい。通常行われるように反応性の希釈剤を使用することも可能である。
本発明に係る熱硬化性接着剤組成物は、熱硬化性樹脂にラジカル重合可能な官能基を有する化合物を含む場合、ラジカル開始剤を併用することが好ましい。ラジカル開始剤としては、例えばメチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ジ(tert−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチルー4,4−ジ(tert−ブチルパーオキシ)バレラート、2,2−ジ(4,4−ジ(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン)プロパン、p−メタンヒドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、tert−ブチルヒドロパーオキサイド、ジ(2−tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチルー2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジーtert−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン、ジイソブチルパーオキサイド、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ジラウリルパーオキサイド、ジ(3−メチルベンゾイル)パーオキサイド、ベンゾイル(3−メチルベンゾイル)パーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキサイド、ジn−pロピルパーオキシジカルボネート、ジイソプロピルパーオキシジカルボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカルボネート、ジsec−ブチルパーオキシジカルボネート、クミルパーオキシネオデカネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカネート、tert−ヘキシルネオデカネート、tert−ブチルパーオキシネオヘプタネート、tert−ヘキシルパーオキシピバラート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、2,5−ジメチル−2,5、−ジ(2−ジエチルヘキノイルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、tert−ヘキシパーオキシイソプロピルモノカーボネート、tert−ブチルパーオキシマレイン酸、tert−ブチルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサネート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシモノカーボネート、tert−ヘキシルパーオキシベンゾネート、2,5―ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルパーオキシアセトネート、tert−パーオキシー3−メチルベンゾネート、tert−ブチルパーオキシベンゾネート、tert−ブチルパーオキシアリルモノカーボネート、3,3‘,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等が挙げられるが、これらを必要に応じて複数使用しても良い。また、これらの中でも分解開始温度が90℃以上160℃以下のものが好ましい。分解開始温度を前記範囲下限値以上とすることにより保存性に優れ、前記範囲上限値以下とすることにより硬化性に優れるものとなる。なお、分解開始温度は示差熱走査分析(DSC)により求められる。ステンレス製の密封型容器に約1mgの開始剤を入れ、10℃/分の昇温速度で試料を加熱し、求められる発熱ピークより分解開始温度を測定できる。
また本発明に係る熱硬化性接着剤組成物は、必要によりカップリング剤、消泡剤、界面活性剤等の他の添加剤を含有していても構わない。
次に、本発明に係る熱硬化性接着剤組成物の使用方法について簡単に説明する。
例えば、熱硬化性接着剤組成物の形態が液状接着剤の場合、上述したような各種成分を予備混合した後、3本ロールを用いて混練し、真空脱泡することにより、液状接着剤を得ることができる。
そして、市販のダイボンダーを用いて、例えば支持体(特にリードフレーム)の所定の
部位に得られた液状接着剤をディスペンス塗布した後、半導体素子をマウントして加熱硬
化する。その後、ワイヤーボンディングして、エポキシ樹脂等を主成分とする封止樹脂を
用いてトランスファー成形することにより半導体装置を得ることができる。
このように、半導体装置は、液状接着剤の硬化物を有している。すなわち、半導体装置
は、半導体素子と支持体とが液状接着剤の硬化物で接着されていることになる。なお、液状接着剤について、例を挙げて説明したが、フィルム状接着剤についても同様に行うことができる。この場合、例えば支持体にフィルム状接着剤をラミネートした後、同様の工程により、半導体装置を得ることができる。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定
されるものではない。
参考例1)
(接着剤の調製)
ラジカル重合可能な官能基を有する化合物としてプロピルジメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステル3PG)エポキシ樹脂としてジグリシジルビスフェノールF(日本化薬(社)製、RE−303S)、クレジルグレシジルエーテル(阪本薬品(社)製、CGE)、上記熱硬化樹脂の硬化剤としてビスフェノールF(大日本インキ工業(株)製、DIC−BPF)、ジシアンジアミド(旭電化(株)製、EH3636AS)、硬化促進剤として2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール(キュアゾール2P4MHZ:四国化成工業(株)製)、充填剤としてフレーク状銀粉を添加剤としてγ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−403E)およびテトラスルフィドジトリエトキシシラン(ダイソー(株)製、CABRUS4)、を表1のように配合後、3本ロールを用いて混練、脱泡することで樹脂組成物を得た。
得られた接着剤の硬化後の260℃での弾性率は、90MPaであった。
(半導体装置の製造)
接着剤を構成する樹脂組成物の配合は参考例1を用いて、以下の通り半導体装置を製造した。支持体としてダイアタッチ部が銀メッキされた銅フレーム(ダイパッドサイズ:11×11mm、厚み160μm)と、表面にSiN層を持つ半導体素子(7×7mm、厚さ350μm)とを上述した接着剤で接着し、175℃、30分間オーブン内で硬化して接着した。次に、半導体封止用エポキシ樹脂組成物(住友ベークライト社製、EME−G700)を用いて、封止し、その後175℃、4時間ポストモールドキュアを行い、半導体装置(80LMQFP、サイズ24×24mm、厚み1.4mm)を得た。
以下実施例2並びに比較例1についても同様の方法で半導体装置を製造した。
(実施例2)
接着剤を構成する熱硬化性樹脂として以下のものを用いた以外は、参考例1と同様にした。
ラジカル重合可能な官能基を有する化合物としてプロピルジメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステル3PG)、アリルエステル系化合物としてポリアルキレンエステル含有アリルエステル(昭和電工(株)製、アリルエステル樹脂DA−101)、エポキシ樹脂としてジグリシジルビスフェノールF(日本化薬(社)製、RE−303S)、クレジルグレシジルエーテル(阪本薬品(社)製、CGE)、上記熱硬化樹脂の硬化剤としてビスフェノールF(大日本インキ工業(株)製、DIC−BPF)、ジシアンジア
ミド(旭電化(株)製、EH3636AS)、硬化促進剤として2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール(キュアゾール2P4MHZ:四国化成工業(株)製)、充填剤としてフレーク状銀粉を添加剤としてγ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−403E)およびテトラスルフィドジトリエトキシシラン(ダイソー(株)製、CABRUS4)、を表1のように配合し、3本ロールを用いて混練し、脱泡することで樹脂組成物を得た。
得られた接着剤の硬化後の260℃での弾性率は、90MPaであった
(比較例1)
接着剤を構成する樹脂組成物の配合を以下のようにした以外は、参考例1と同様にした。
2−メタクリロイロキシエチルコハク酸(共栄社化学(株)製、ライトエステルHO−MS、)、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート(日本化成化学(株)製、CHDMMA)、プロピルジメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステル3PG)、マレイミド環を有する化合物としてポリアルキレンマレイミド酢酸エステル(大日本インキ工業(株)製、ルミキュアMIA−200)、アリルエステル系化合物としてポリアルキレン含有アリルエステル(昭和電工(株)製、アリルエステル樹脂DA101)、ラジカル開始剤として1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(日本油脂(株)製、パーヘキサCS)、充填剤として平均粒径3μm、最大粒径20μmのフレーク状銀粉、添加剤としてγ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−403E)およびテトラスルフィドジトリエトキシシラン(ダイソー(株)製、CABRUS4)を表1のように配合した。
得られた接着剤の硬化後の260℃での弾性率は、400MPaであった。
(比較例2)
支持体としてダイアタッチ部が銀メッキされた銅フレーム(ダイパッドサイズ:8×8
mm、厚み160μm)と、表面にSiN層を持つ半導体素子(5×5mm、厚さ350μm)とを上述した実施例の接着剤で接着し、175℃、30分間オーブン内で硬化して接着した。次に、半導体封止用エポキシ樹脂組成物(住友ベークライト社製、EME−G700)を用いて、封止し、その後175℃、4時間ポストモールドキュアを行い、半導体装置(80LMQFP、サイズ14×20mm、厚み2mm)を得た。
各実施例、参考例および比較例で得られた半導体装置について、以下の評価を行った。評価項目を内容と共に示す。得られた結果を表1に示す。
(耐半田クラック性)
各実施例、参考例および比較例の熱硬化性接着剤組成物に対して、上記の方法で製造された半導体装置を85℃、相対湿度60%の条件下で168時間吸湿処理した後、IRリフロー処理(260℃、10秒、3回リフロー)を行い、処理後のパッケージを超音波深傷装置(透過型)により剥離の程度を測定した。
評価結果の各符号は以下の通りである。
○:シリコンチップ剥離発生なし。
×:シリコンチップ剥離発生あり。
Figure 0005597935
上記実験結果に示すように、本発明に係る熱硬化性接着剤組成物を用いて所定の工程で作製された半導体装置は好適な耐半田性を得ることができた。一方、本発明にに係る熱硬化性接着剤組成物を用いていない比較例1および所定の工程でされていない比較例2は耐半田クラックセに劣る結果となった。
本発明により得られる熱硬化性接着剤組成物を用いると、IRリフロー処理等による高温環境下であっても耐半田クラック性に優れた半導体装置を得ることができる。

Claims (4)

  1. 封止用樹脂組成物で封止された樹脂部分の平均厚みが1.0mm以上、1.8mm以下である半導体装置に用いられる、銅からなるリードフレームと半導体素子とを接着する熱硬化性接着剤組成物であって、
    下記評価試験1で測定した260℃における動的弾性率が50MPa以上200MPa以下であり、
    前記熱硬化性接着剤組成物が、熱硬化性樹脂と無機充填材とを含むものであり、
    前記熱硬化性樹脂が、エポキシ化合物と、ラジカル重合可能な官能基を有する化合物を含むものであり、
    前記無機充填材の含有量が、前記熱硬化性接着剤組成物全体の60〜90重量%であり、前記ラジカル重合可能な官能基を有する化合物が、(メタ)アクリロイル基を有する化合物、及びアリルエステル系化合物であり、
    前記ラジカル重合可能な官能基を有する化合物の含有量が、前記熱硬化性接着剤組成物全体の2〜25重量%であり、
    前記アリルエステル系化合物の含有量が、前記熱硬化性接着剤組成物全体の2.7〜15重量%である、熱硬化性接着剤組成物。
    [評価試験1:
    サンプル成形条件;175℃30分
    成形後の熱処理条件;175℃4時間
    動的弾性率測定条件;測定条件:JIS K7244準拠、引張モード、昇温速度5℃/
    min、周波数10Hz]
  2. 前記アリルエステル系化合物が、芳香族環を有さないアリルエステル系化合物である請求項1に記載の熱硬化性接着剤組成物。
  3. 前記封止用樹脂組成物が無機充填材を含有し、前記無機充填材の含有量が全封止用樹脂組成物中に80重量%以上93重量%以下である請求項1または2に記載の熱硬化性接着剤組成物。
  4. 半導体素子と銅からなるリードフレームとそれらを接着する硬化物層とを有する半導体装置であって、前記硬化物層が請求項1乃至のいずれか一項に記載された熱硬化性接着剤組成物の硬化物である半導体装置。
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