JP2010197664A - 電子写真感光体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子線の照射により最表面層が形成される電子写真感光体の、最表面層端部の高耐久性を達成しつつ中央部の感度悪化を抑制可能な、電子写真感光体の製造方法を提供する。
【解決手段】導電性支持体および該導電性支持体上に設けられた感光層を有する電子写真感光体を製造する方法であって、最表面層用塗布液を塗布して塗布膜を設け、該塗布膜の全面に電子線を照射し、該電子線の照射後に加熱して該塗布膜を硬化させることにより、該電子写真感光体の最表面層を形成する工程を有する電子写真感光体の製造方法において、該加熱工程での加熱の際に該電子写真感光体の長手方向端部、長手方向中央部、および両者の中間点で各々測定される該塗布膜の最高到達温度T1、T2、T3が、T1>T3>T2かつ100℃≦T2≦130℃かつT1≦160℃かつ(T1−T3)≧15℃かつ(T3−T2)<(T1−T3)であることを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】導電性支持体および該導電性支持体上に設けられた感光層を有する電子写真感光体を製造する方法であって、最表面層用塗布液を塗布して塗布膜を設け、該塗布膜の全面に電子線を照射し、該電子線の照射後に加熱して該塗布膜を硬化させることにより、該電子写真感光体の最表面層を形成する工程を有する電子写真感光体の製造方法において、該加熱工程での加熱の際に該電子写真感光体の長手方向端部、長手方向中央部、および両者の中間点で各々測定される該塗布膜の最高到達温度T1、T2、T3が、T1>T3>T2かつ100℃≦T2≦130℃かつT1≦160℃かつ(T1−T3)≧15℃かつ(T3−T2)<(T1−T3)であることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、電子写真感光体の製造方法に関するものである。
近年、複写機やプリンターなどの電子写真装置には、導電性支持体(以下、単に「支持体」ともいう)上に有機光導電性物質を含有する感光層を設けてなる有機電子写真感光体(以下、「電子写真感光体」あるいは単に「感光体」ともいう)が広く用いられている。
有機電子写真感光体においては、感光体の耐久性向上、および出力画像の高画質化の双方を満足させるため、感光層を電荷発生層と電荷輸送層とに機能分離した積層型感光層が採用されることが多い。
また、繰り返し使用による感光体表面の摩耗や傷発生を抑制し、更なる耐久性の向上を図るため、従来の感光層上に保護層を設け、この保護層を電子写真感光体の表面層とする場合がある。
保護層には、耐久性向上のため機械的強度に優れる結着樹脂を含有させるのが一般的である。特に、重合性官能基を有するモノマーやオリゴマーを重合および/または架橋により硬化させてなる樹脂は、熱可塑性樹脂を使用した場合よりも高い機械的強度が得られることから、より好適に用いることができる。
重合性官能基を有するモノマーやオリゴマーを重合および/または架橋させる方法としては、熱、光や放射線により前記モノマーやオリゴマーにエネルギーを与え、反応させる方法を挙げることができる。これらのうち放射線、中でも電子線を照射する方法は、特に好ましく用いられる(特許文献1)。
電子線の照射による硬化(以下「電子線硬化」ともいう)には、感光体の感度や残留電位などの電気的特性に対して悪影響を及ぼす可能性のある重合開始剤を使用しなくてもよいという利点がある。他にも、電子線硬化は短時間で効率的な重合反応を起こすことができるため生産性が高く、透過性が良いため微粒子や添加剤などの遮蔽物質が存在していてもこれらの遮蔽物質が重合反応および/または架橋反応を阻害しにくい、などの利点がある。
さらに、電子線硬化によって感光体の表面層を形成した後、該表面層を加熱することによって表面層の機械的強度をより向上させ、もって感光体の耐久性をより向上させる技術が開示されている(特許文献2、特許文献3)。
また、表面層を加熱する方法に関しては、ループ状の電磁誘導コイルによって感光体を加熱する技術(特許文献4)も開示されている。更に、ループ状の電磁誘導コイルを用いて長さの異なる感光体を製造する際に、長さ変更に対する製造装置の対応作業を簡便にしつつ、電子写真感光体の表面層を均一に加熱する技術(特許文献5)も開示されている。
前記の技術を用いることにより、表面層全体が均一に加熱され、よって表面層全体が均一に高強度化された電子写真感光体を製造することが可能となる。
ところで、電子写真装置を繰り返し使用する場合、実際には感光体表面層の全域が同一の負荷を受けるわけではない。画像形成領域より外側の領域(非画像領域)は、接触帯電部材端部、クリーニングブレード端部、クリーニングブレードの外側に取り付けられトナー漏れを防ぐ端部シール、感光体と現像器との間隔を一定に保つためのコロなどが当接する。そのため、印刷中にかかる機械的な負荷は画像形成領域より大きくなるのが一般的である。ゆえに、画像領域のみならず、非画像領域にも機械的強度の高い表面層が設けられていることは、感光体の長寿命化を図る上で重要な要件のひとつとなっている。
感光体表面層の耐摩耗性をさらに向上させようとする場合、照射する電子線の線量を大きくするか、電子線照射後に行う加熱処理の到達温度を高くすることによりこれを達成することが可能である。しかしながらこれらの方法をとる場合、照射線量あるいは加熱が過剰になると、感光体としての電気的特性を悪化させる懸念があった。
この電気的特性の悪化とは、具体的には、電子写真感光体の使用と休止を繰り返し行った時に、各回の使用開始直後から、感光体が数百〜数千回転するまでの間に特に顕著に見られる、比較的短期間で生じる明部電位(以下「VL」ともいう)の変動量の増大のことである(以下、このVLの変動を、「短期VL変動」と呼ぶ)。短期VL変動は、電子写真装置で連続印刷を行う時、初めの数枚〜数千枚の出力画像において、画像濃度の変化を引き起こす一因となる。
このように、電子写真感光体の表面層の高耐久化と電気的特性の維持という二つの問題は相反する関係にあるため、これらを同時に解決できる電子写真感光体の製造方法の確立が強く望まれている。
本発明の目的は、電子線の照射により最表面層が形成される電子写真感光体において、画像領域における電気的特性を良好に維持したまま、該電子写真感光体両端部における最表面層の高耐久化を図ることのできる電子写真感光体の製造方法を提供することにある。
本発明は、導電性支持体および該導電性支持体上に設けられた感光層を有する電子写真感光体を製造する方法であって、最表面層用塗布液を塗布して塗布膜を設け、該塗布膜の全面に電子線を照射し、該電子線の照射後に加熱して該塗布膜を硬化させることにより、該電子写真感光体の最表面層を形成する工程を有する電子写真感光体の製造方法において、該加熱工程での加熱の際に該電子写真感光体の長手方向端部、長手方向中央部、および両者の中間点で各々測定される該塗布膜の最高到達温度T1、T2、T3が、T1>T3>T2かつ100℃≦T2≦130℃かつT1≦160℃かつ(T1−T3)≧15℃かつ(T3−T2)<(T1−T3)であることを特徴とする電子写真感光体の製造方法である。
また、本発明は、該最高到達温度T1の測定位置が、該電子写真感光体の画像形成領域よりも外側、かつ該電子写真感光体の導電性支持体の端部よりも内側の領域にあることを特徴とする電子写真感光体の製造方法である。
本発明によれば、電子写真感光体の画像領域における電気的特性を良好に維持したまま、非画像領域における最表面層の強度が向上した電子写真感光体の製造方法を提供することができる。
本発明の電子写真感光体の製造方法では、電荷輸送層の上に電荷輸送材料及び重合或いは架橋性のモノマーやオリゴマーを含有する溶液を塗布し、その塗布膜の全面に電子線を照射し、続いて塗布膜を加熱して重合反応をさせることにより、最表面層を形成する。
電子線照射に用いる加速器としては、スキャニング型、エレクトロカーテン型、ブロードビーム型、パルス型およびラミナー型などいずれの形式も使用することができる。
本発明の効果をより大きく得るためには、電子線の加速電圧は250kV以下が好ましく、最適には150kV以下である。また、感光体表面での電子線の吸収線量は好ましくは5.0×103Gy以上1.0×106Gy以下、より好ましくは5.0×105Gy以下、更により好ましくは5.0×104Gy以下である。加速電圧、吸収線量が上記範囲より大きい場合、電子線照射による感光体の電気的特性の劣化が大きくなる傾向にある。
電子線の吸収線量は、汎用のフィルム線量計、例えばFar West Technology社製 RADIACHROMIC READERおよびRadiachromic線量計(10μm)により測定することができる。但し、直接測定できる吸収線量は1×105Gy以下であり、それを超える場合は1×105Gy以下の吸収線量を測定した時の電流値(あるいは時間)より概算する。
なお、本発明における感光体表面での電子線の吸収線量とは、前記Radiachromic線量計(10μm)のフィルムを最表面層用塗布液を塗布する前の電子写真感光体表面に貼り付けて電子線を照射した時に計測される吸収線量のことを意味する。
本発明の電子写真感光体の製造方法では、最表面層用塗布液を塗布して塗布膜を設け、該塗布膜の全面に電子線を照射し、該電子線照射後の加熱処理の際、電子写真感光体の長手方向端部、長手方向中央部、および両者の中間点で各々測定される該塗布膜の最高到達温度T1、T2、T3が、T1>T3>T2かつ100℃≦T2≦130℃かつT1≦160℃かつ(T1−T3)≧15℃かつ(T3−T2)<(T1−T3)となることを特徴としている。なお、「長手方向」とは、電子写真感光体を電子写真装置に組み込んで使用した際の電子写真感光体の表面の移動方向に直交する方向であり、たとえば、電子写真感光体が円筒状のものである場合は、母線方向である。
T2が100℃未満の場合、加熱による最表面層の強度向上の効果が十分に得られない場合がある。また、T2が高くなりすぎると画像形成領域における電子写真感光体としての電気的特性の劣化が大きくなるため、感光体端部がより高温化することを考慮するとT2の上限は130℃以下に保っておくことが望ましい。
感光体端部における最表面層の強度を画像形成領域における強度よりも十分に高めて本発明の効果を得るためには、T1はT2より高温にする必要がある。しかし、T1を高くし過ぎると支持体の熱伝導により画像形成領域も高温化し、その結果として電気的特性が悪化する可能性があるため、本発明における好ましい範囲はT1≦160℃である。
また、感光体の画像形成領域内における感光体長手方向の温度ムラは、画像形成領域内での電気的特性の不均一化や感光体表面層の強度ムラを発生させる懸念がある。よって、画像形成領域での温度ムラを抑制するため、(T1−T3)≧15℃かつ(T3−T2)<(T1−T3)とすることが好ましい。
感光体を加熱する方法は、任意の手段をとることができる。感光体の外部から加熱する手段としては、感光体の近傍にセラミックヒーター、赤外線ヒーター、ハロゲンヒーターなど各種加熱装置を設置し直接加熱する方法を挙げることができる。また、感光体のまわりの雰囲気を加熱する方法や、加熱された気体を接触させることにより間接的に加熱する方法等も挙げられる。
感光体端部の温度は中央部より高温にする必要があるが、端部を局所的に加温するためのヒーター等を別途追加することにより、これを達成することができる。
また、感光体の内部から加熱する方法としては、内部に前記同様の各種ヒーターを設置する方法、加熱された流体を通過させる方法等が挙げられる。ここでも感光体端部を局所的に更に加温する手段を別途追加することにより、感光体端部の最高到達温度を中央部より高温にすることができる。
上記以外の加熱手段としては、誘導加熱コイル(以下、「IHコイル」、または単に「コイル」ともいう)を用いた高周波誘導加熱方式が挙げられる。その一例を図1にて説明する。図1に示すように、ループ状の輪に囲まれるような鞍形状をしたIHコイル1を感光体の半周を囲む形で配置し、高周波電源3によりコイルに高周波電流を流すとコイルの周囲に交番磁界が発生する。この交番磁界により感光体の導電性支持体2に渦電流が発生し、支持体自体が持つ電気抵抗によって支持体がその表面側から加熱される。
支持体は、コイルに接近している部分ほど高温になるため、加熱中に支持体を適当な速度で回転させることにより、周方向の温度ムラを抑制する事ができる。
コイルと感光体は非接触にしておく必要があるが、両者の離間距離が10mmを超えると交番磁界により発生する渦電流が著しく減少し、加熱効率が低下する。よって、コイルと感光体の間の距離は10mm以下であることが好ましい。
また、コイルの内側の両サイドに銅板を貼り合わせると、加熱効率を上げることが可能となり、より好ましい。更に、コイルに冷却水を通水したパイプ等を接続すれば温度の精密な調整が可能になると共に、熱暴走による過昇温を防止することが可能となり好ましい。
高周波誘導加熱方式を用いた場合も、感光体端部のみ加温する別の加熱手段を別途追加することにより感光体端部の最高到達温度を中央部より高くすることができる。
また、高周波誘導加熱方式では、端部のみ加温する別の加熱手段を用いずに、感光体端部の最高到達温度を中央部より高くすることもできる。例えば、感光体の支持体の端部が高周波誘導加熱用コイルの誘導電流発生有効範囲より内側にあるようにすると、高周波誘導電流が支持体端部に集中作用するため、端部の温度は中央部よりも高くなる。
また、感光体の端部に感光体の導電性支持体より電気抵抗の大きい導電体からなる治具を取り付けて高周波誘導加熱を行うことにより、感光体端部を中央部より高温化させることもできる。これは電気抵抗の高い前記治具の方が支持体より発熱量が大きくなることを利用するもので、より高温化する治具に接することにより、感光体端部の最高到達温度は中央部よりも高くなる。
更に別の方法として、感光体の導電性支持体とコイルとの距離を調節することにより導電性支持体の端部と中央部とに温度差を設ける方法がある。支持体とコイルの間の距離が支持体端部でより接近し、中央部では離れるようにコイルの形状を調節して高周波加熱を行うと、支持体とコイルの空隙が小さい端部の方が支持体の発熱は大きくなる。よって、支持体端部側と中央部の温度差が適切になるようコイルの形状および高周波電流の大きさを調節することにより、支持体端部を中央部より高温化させることができる。
なお、本発明の電子写真感光体の製造方法において、加熱工程での加熱の際に電子写真感光体の長手方向端部で測定される塗布膜の最高到達温度T1の測定位置は、電子写真感光体の画像形成領域よりも外側で、かつ電子写真感光体の導電性支持体の端部よりも内側の領域にある位置を意味する。
次に、感光体の温度を測定する方法について説明する。温度測定法としては、同組成の温度測定用感光体を別途準備し、以下のような方法により測定することが可能である。
(1)該感光体表面にサーモラベルを貼り付ける
(2)該感光体表面にテープ型熱電対温度計を接触させる
(3)該感光体表面近傍に非接触型放射温度計を配置する
続いて、本発明の電子写真感光体の製造方法で製造される電子写真感光体の構成を具体的に示す。
(2)該感光体表面にテープ型熱電対温度計を接触させる
(3)該感光体表面近傍に非接触型放射温度計を配置する
続いて、本発明の電子写真感光体の製造方法で製造される電子写真感光体の構成を具体的に示す。
本発明の電子写真感光体の製造方法で製造される電子写真感光体は、一般的には円筒状の導電性支持体上に有機光導電性物質を含有する感光層を形成した円筒状電子写真感光体の形で広く用いられるが、ベルト状或いはシート状などの形状も可能である。
導電性支持体の材料は、導電性を示すものであればよく、例えば、鉄、銅、金、銀、アルミニウム、亜鉛、チタン、鉛、ニッケル、スズ、アンチモン、インジウム、クロム、アルミニウム合金、ステンレスなどの金属製(合金製)などが挙げられる。また、アルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム−酸化スズ合金などを真空蒸着によって被膜形成した層を有する上記金属製支持体やプラスチック製支持体を用いることもできる。また、カーボンブラック、酸化スズ粒子、酸化チタン粒子、銀粒子などの導電性粒子を適当な結着樹脂と共にプラスチックや紙に含浸した支持体や、導電性結着樹脂を有するプラスチック製の支持体などを用いることもできる。
支持体の表面は、レーザー光などの散乱による干渉縞の防止などを目的として、切削処理、粗面化処理、アルマイト処理などを施してもよい。
支持体と、後述の中間層又は感光層(電荷発生層、電荷輸送層)との間には、レーザー光などの散乱による干渉縞の防止や、支持体の傷の被覆を目的とした導電層を設けてもよい。
導電層は、カーボンブラック、導電性顔料や抵抗調節顔料を結着樹脂に分散及び/又は溶解させた導電層用塗布液を用いて形成されてもよい。導電層用塗布液には、加熱又は放射線照射により硬化重合する化合物を添加してもよい。導電性顔料や抵抗調節顔料を分散させた導電層は、その表面が粗面化される傾向にある。
導電層の膜厚は、0.2μm以上40μm以下であることが好ましく、さらには1μm以上35μm以下であることがより好ましく、さらには5μm以上35μm以下であることがより一層好ましい。
導電層に用いられる結着樹脂としては、例えば、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレンなどのビニル化合物の重合体/共重合体が挙げられる。また、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂及びエポキシ樹脂などが挙げられる。
導電性顔料及び抵抗調節顔料としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、銀、ステンレスなどの金属(合金)の粒子や、これらをプラスチックの粒子の表面に蒸着したものなどが挙げられる。また、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズなどの金属酸化物の粒子でもよい。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上を組み合わせて用いる場合は、単に混合するだけでもよいし、固溶体や融着の形にしてもよい。
支持体又は導電層と感光層(電荷発生層、電荷輸送層)との間には、バリア機能や接着機能を有する中間層を設けてもよい。中間層は、感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体からの電荷注入性改良、感光層の電気的破壊に対する保護などのために形成される。
中間層の材料としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロースなどが挙げられる。また、エチレン−アクリル酸共重合体、カゼイン、ポリアミド、N−メトキシメチル化6ナイロン、共重合ナイロン、にかわ及びゼラチンなどが挙げられる。中間層は、これらの材料を溶剤に溶解させることによって得られる中間層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。
中間層の膜厚は0.05μm以上7μm以下であることが好ましく、さらには0.1μm以上3μm以下であることがより好ましい。
次に、電荷発生層について説明する。電荷発生層に用いられる電荷発生物質としては、例えば、セレン−テルル、ピリリウム、チアピリリウム系染料、各種の中心金属及び各種の結晶系を有するフタロシアニン顔料が挙げられる。また、アントアントロン顔料や、ジベンズピレンキノン顔料や、ピラントロン顔料や、モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾなどのアゾ顔料や、インジゴ顔料や、キナクリドン顔料や、非対称キノシアニン顔料や、キノシアニン顔料などが挙げられる。これら電荷発生物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
電荷発生層の形成方法としては、電荷発生層用塗布液を塗布、乾燥する方法や、電荷発生物質の蒸着膜を形成する方法などが挙げられる。
電荷発生層用塗布液は、電荷発生物質を0.3〜4倍量(質量比)の結着樹脂及び溶剤とともに、ホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミルまたは高圧分散機などを用いる方法で分散して得ることができる。結着樹脂としては、例えば、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレンなどのビニル化合物の重合体及び共重合体などが挙げられる。また、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂及びエポキシ樹脂などが挙げられる。
電荷発生層の膜厚は5μm以下であることが好ましく、さらには0.1μm以上2μm以下であることがより好ましい。
本発明の電子写真感光体の製造方法では、電荷発生層の上に電荷輸送層を形成する。電荷輸送層に用いられる電荷輸送物質としては、例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリスチリルアントラセンなどの複素環や縮合多環芳香族を有する高分子化合物が挙げられる。また、ピラゾリン、イミダゾール、オキサゾール、トリアゾール、カルバゾールなどの複素環化合物、トリフェニルメタンなどのトリアリールアルカン誘導体、トリフェニルアミンなどのトリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、N−フェニルカルバゾール誘導体、スチルベン誘導体、ヒドラゾン誘導体といった低分子化合物などが挙げられる。
電荷輸送層は、電荷輸送物質と結着樹脂とを溶剤に溶解させることによって得られる電荷輸送層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。この場合の電荷輸送物質と結着樹脂の比率は、両者の全質量を100とした場合に、電荷輸送物質の質量が30〜100の範囲であることが好ましく、好ましくは50〜100の範囲で適宜選択される。
結着樹脂としては、前記の電荷発生層用の結着樹脂と同様のものを使用することができる。
電荷輸送層の膜厚は5μm以上、50μm以下であることが好ましく、さらには10μm以上、35μm以下であることがより好ましい。
本発明の電子写真感光体の製造方法では、電荷輸送層の上に電荷輸送材料及び重合或いは架橋性のモノマーやオリゴマーを含有する溶液を塗布し、その塗布膜の全面に電子線を照射して重合反応をさせることにより、最表面層を形成する。
電荷輸送材料としては、公知の電荷輸送性化合物を用いることができる。重合あるいは架橋性のモノマーやオリゴマーとしては、アクリロイルオキシ基やスチレン基を有する連鎖重合系の材料、水酸基やアルコキシシリル基、イソシアネート基などを有する逐次重合系の材料が挙げられる。得られる電子写真特性、汎用性や材料設計、製造安定性などの観点から正孔輸送性化合物と連鎖重合系材料の組み合わせが好ましく、さらには正孔輸送性基およびアクリロイルオキシ基の両者を分子内に有する化合物を硬化させる系が特に好ましい。
電子線による重合反応の利点として、重合開始剤を必要としないことが挙げられる。ただし、連鎖重合性基の種類や中心骨格の種類によっては重合反応が進行しにくい場合があるため、その際には電子写真特性に影響のない範囲内で重合開始剤を添加することができる。
最表面層の膜厚は、0.1μm以上20μm以下であることが好ましく、さらには1μm以上10μm以下であることが好ましい。
本発明の電子写真感光体の製造方法により製造される電子写真感光体の各層には、各種添加剤を添加することができる。添加剤としては、酸化防止剤や紫外線吸収剤などの劣化防止剤や、フッ素原子含有樹脂粒子などの潤滑剤などが挙げられる。
各層を塗布する方法としては、例えば、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、カーテンコーティング法およびスピンコーティング法などが知られているが、効率性/生産性の点からは浸漬コーティング法が好ましい。
(実施例)
以下、実施例に従って本発明をより詳細に説明する。なお、実施例中の「部」は「質量部」を示す。
以下、実施例に従って本発明をより詳細に説明する。なお、実施例中の「部」は「質量部」を示す。
[実施例1]
外径30mm、長さ370mm、肉厚0.7mmのアルミニウムシリンダーを支持体(円筒状支持体)とした。
次に、以下の成分からなる溶液を直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルで3時間分散して分散液を調整した。
酸化スズの被覆層を有する硫酸バリウム粒子からなる粉体 60部
(商品名:パストランPC1、三井金属鉱業(株)製)
酸化チタン 15部
(商品名:TITANIX JR、テイカ(株)製)
レゾール型フェノール樹脂 43部
(商品名:フェノライト J−325、大日本インキ化学工業(株)製、固形分70%)
2−メトキシ−1−プロパノール 50部
メタノール 50部
外径30mm、長さ370mm、肉厚0.7mmのアルミニウムシリンダーを支持体(円筒状支持体)とした。
次に、以下の成分からなる溶液を直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルで3時間分散して分散液を調整した。
酸化スズの被覆層を有する硫酸バリウム粒子からなる粉体 60部
(商品名:パストランPC1、三井金属鉱業(株)製)
酸化チタン 15部
(商品名:TITANIX JR、テイカ(株)製)
レゾール型フェノール樹脂 43部
(商品名:フェノライト J−325、大日本インキ化学工業(株)製、固形分70%)
2−メトキシ−1−プロパノール 50部
メタノール 50部
この分散液に、表面粗し付与材としてのシリコーン樹脂粒子と、レベリング剤としてのシリコーンオイルを添加して攪拌し、導電層用塗布液を調整した。シリコーン樹脂粒子とシリコーンオイルの種類、および添加量を以下に示す。
シリコーン樹脂 3.6部
(商品名:トスパール120、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
シリコーンオイル 0.015部
(商品名:SH28PA、東レシリコーン(株)製)
このようにして調製した導電層用塗料をアルミニウムシリンダー上に浸漬法によって塗布し、140℃のオーブンで1時間加熱硬化することにより、膜厚が15μmの樹脂層を形成した。
シリコーン樹脂 3.6部
(商品名:トスパール120、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
シリコーンオイル 0.015部
(商品名:SH28PA、東レシリコーン(株)製)
このようにして調製した導電層用塗料をアルミニウムシリンダー上に浸漬法によって塗布し、140℃のオーブンで1時間加熱硬化することにより、膜厚が15μmの樹脂層を形成した。
次に、以下の成分をメタノール400部/n−ブタノール200部の混合液に溶解した。
共重合ナイロン樹脂 10部
(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)
メトキシメチル化6ナイロン樹脂 30部
(商品名:トレジンEF−30T、帝国化学(株)製)
このようにして調整した中間層用塗料を、上述の樹脂層の上に浸漬塗布し、100℃のオーブンで30分間加熱乾燥することにより、膜厚が0.45μmの中間層を形成した。
共重合ナイロン樹脂 10部
(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)
メトキシメチル化6ナイロン樹脂 30部
(商品名:トレジンEF−30T、帝国化学(株)製)
このようにして調整した中間層用塗料を、上述の樹脂層の上に浸漬塗布し、100℃のオーブンで30分間加熱乾燥することにより、膜厚が0.45μmの中間層を形成した。
次に、以下の成分を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で4時間分散した後、酢酸エチル700部を加えて電荷発生層用分散液を調製した。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン 20部
(CuKα特性X線回折において、7.4°及び28.2°(ブラッグ角2θ±0.2°))に強いピークを有するもの)
下記構造式(1)のカリックスアレーン化合物 0.2部
ポリビニルブチラール 10部
(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)
シクロヘキサノン 600部
これを浸漬コーティング法で塗布し、85℃のオーブンで10分間加熱乾燥することにより、膜厚が0.15μmの電荷発生層を形成した。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン 20部
(CuKα特性X線回折において、7.4°及び28.2°(ブラッグ角2θ±0.2°))に強いピークを有するもの)
下記構造式(1)のカリックスアレーン化合物 0.2部
(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)
シクロヘキサノン 600部
これを浸漬コーティング法で塗布し、85℃のオーブンで10分間加熱乾燥することにより、膜厚が0.15μmの電荷発生層を形成した。
次いで、以下の成分をモノクロロベンゼン600部及びメチラール200部の混合溶媒中に溶解して電荷輸送層用塗料を調製した。
下記構造式(2)の正孔輸送性化合物 70部
ポリカーボネート樹脂 100部
(商品名:ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)
このようにして調整した電荷輸送層用塗料を用いて、前記電荷発生層上に電荷輸送層を浸漬塗布し、100℃のオーブンで60分間加熱乾燥することにより、膜厚が18μmの電荷輸送層を形成した。
下記構造式(2)の正孔輸送性化合物 70部
(商品名:ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)
このようにして調整した電荷輸送層用塗料を用いて、前記電荷発生層上に電荷輸送層を浸漬塗布し、100℃のオーブンで60分間加熱乾燥することにより、膜厚が18μmの電荷輸送層を形成した。
次いで、分散剤として、以下の成分を、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(商品名:ゼオローラH、日本ゼオン(株)製)20部及び1−プロパノール20部の混合溶剤に溶解した。
フッ素原子含有樹脂(商品名:GF−300、東亞合成(株)製) 0.5部
これに、潤滑剤として4フッ化エチレン樹脂粉体(商品名:ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製)10部を加えた。その後、これを、高圧分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−110EH、米Microfluidics社製)で0.588Paの圧力で4回の処理を施し均一に分散させた。さらに、これをポリフロンフィルター(商品名:PF−040、アドバンテック東洋(株)製)で濾過を行い、潤滑剤分散液を調製した。その後、下記構造式(3)で示される正孔輸送性化合物90部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン70部及び1−プロパノール70部を潤滑剤分散液に加えた。これを、ポリフロンフィルター(商品名:PF−020、アドバンテック東洋(株)製)を用いて濾過し、最表面層用塗料を調製した。
これに、潤滑剤として4フッ化エチレン樹脂粉体(商品名:ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製)10部を加えた。その後、これを、高圧分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−110EH、米Microfluidics社製)で0.588Paの圧力で4回の処理を施し均一に分散させた。さらに、これをポリフロンフィルター(商品名:PF−040、アドバンテック東洋(株)製)で濾過を行い、潤滑剤分散液を調製した。その後、下記構造式(3)で示される正孔輸送性化合物90部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン70部及び1−プロパノール70部を潤滑剤分散液に加えた。これを、ポリフロンフィルター(商品名:PF−020、アドバンテック東洋(株)製)を用いて濾過し、最表面層用塗料を調製した。
この塗料を用いて、前記電荷輸送層上に最表面層を塗布した後、大気中にて50℃のオーブンで10分間の前乾燥を行った。その後、酸素濃度を15ppm以下に保った窒素雰囲気中にて加速電圧70kV、ビーム電流6.0mAの条件でシリンダーを300rpmで回転させながら1.6秒間電子線照射を行った。このときの電子線の吸収線量を測定したところ15×103Gyであった。
続いて、酸素濃度15ppm以下の窒素雰囲気中にてIHコイルにより加熱し、硬化反応を行った。加熱は、感光体中央部の表面温度が25℃から約115℃に昇温するよう設定した装置で行った。
IHコイルは図1に示されるようなループ状コイルで、高周波誘導電流の発生有効長さが370mmのものを使用した。コイルによりシリンダーは180度囲まれている。加熱効率を上げるためコイルの内側には支持体を挟んで向かい合うように銅板4を貼り合わせてある(図2)。銅板と支持体シリンダー間の距離は1〜10mmの範囲で調整可能とし、支持体中央部で5mm、支持体上下端部で2mmになるよう設定した(図3)。コイルは高周波電源3に接続され、加熱時にはコイルに80kHz、3.4kWの高周波出力を印加した。加熱時には、周方向の温度ムラ抑制のため支持体を周方向に60rpmで回転させた。
感光体の温度測定には、放射温度計(商品名:IR−BAT2M、(株)CHINO製)を使用し、感光体両端部から5mm、支持体中央部、感光体両端部と支持体中央部との中間点の5箇所の表面温度を測定し、各々で測定される最高到達温度をT1、T2、T3とした(図4)。また、加熱時の温度が安定するよう、感光体中央部の温度を用いて誘導加熱の電力にPID制御をかけた。測定されたT1、T2、T3の値を表1に示す。
加熱工程終了後、サンプルを大気中に取り出して25℃まで冷却し、100℃のオーブンにて10分間の後加熱処理を行って、膜厚5μmの最表面層を形成し、電子写真感光体を得た。
加熱工程終了後、サンプルを大気中に取り出して25℃まで冷却し、100℃のオーブンにて10分間の後加熱処理を行って、膜厚5μmの最表面層を形成し、電子写真感光体を得た。
次に、上記のようにして得た電子写真感光体を、キヤノン(株)製の電子写真複写機iR2870改造機に装着し、短期VL変動の評価を行った。
短期VL変動の評価は23℃/5%RH環境にて行った。また、電子写真感光体は、該環境に24時間以上放置してから評価に使用した。
評価に用いた電子写真複写機iR2870改造機は、現像手段、転写手段、紙搬送手段を取り除き、像露光量の調節が可能なようにし、電子写真感光体にトナーが現像される位置で電子写真感光体の表面電位が測定できるように改造した。
電子写真感光体の初期電位の測定は次のように行った。まず、電子写真感光体画像形成領域中央部を、AC/DCバイアスを重畳して印加した帯電ローラを用いる接触帯電方式により、暗部電位(VD)が−700Vとなるように帯電させた。ここで、ACバイアスは2.5kHz、1.7kVppとし、VDの調整はDCバイアスを調節することにより行った。続いて、明部電位(VL)が−200Vになるよう像露光量の調整を行った。これらの表面電位は、市販の表面電位計(商品名:表面電位計 MODEL344、トレック・ジャパン(株)製)を使用して測定した。
初期電位の調整終了後、電子写真感光体に光を当てないようにして、更に12時間以上放置した。その後、ベタ黒画像を1000枚連続印刷させる時と同様に電子写真複写機iR2870改造機を動作させ、この間のVLを測定した。
印刷1枚目のVLの値をVL(1)、1000枚目のVLの値をVL(1000)とし、短期VL変動の値をΔVL=|VL(1000)|−|VL(1)|とした。結果を表1に示す。
続いて23℃/50%RH環境にて通紙耐久試験を行った。通紙耐久試験には、像露光量が調節できるように改造した通紙試験用の電子写真複写機iR2870改造機を使用した。帯電方式、および表面電位の測定方法は、前述の短期VL変動用評価機と同様である。この改造機の画像形成領域は、感光体の上端側から測定して40.5mmから341.5mmまでの範囲である。
この改造機に感光体を装着し、暗部電位が−700V、明部電位が−200Vになるよう帯電条件と像露光量の調整を行い、印字率5%、A4紙サイズ1枚間欠印刷にて、50000枚の耐久試験を行なった。
耐久試験終了後、帯電ローラ端部が当接する位置の、感光体最表面層の状態を目視で観察して以下のように評価を行った。結果を表1に示す。
A=表面層の削れがほとんど無く良好な状態
B=表面層の削れはあるが、下地層の露出は無い状態
C=下地層が露出している状態
A=表面層の削れがほとんど無く良好な状態
B=表面層の削れはあるが、下地層の露出は無い状態
C=下地層が露出している状態
[実施例2]
実施例1において、IHコイルの銅板と支持体の間の距離を、支持体中央部で5mm、支持体上下端部で1mmになるように調整した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作成し、評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、IHコイルの銅板と支持体の間の距離を、支持体中央部で5mm、支持体上下端部で1mmになるように調整した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作成し、評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1において、IHコイルの銅版と支持体の間の距離を支持体中央部から端部にかけて一様に2mmとなるよう調整し、感光体中央部の表面温度が25℃から180℃まで昇温するようにして加熱した以外は実施例1と同様にして感光体を作成し、評価を行った。結果を表1に示す。表1から明らかなように、端部の削れは良好だが、短期VL変動は実施例1、2より悪化した。
実施例1において、IHコイルの銅版と支持体の間の距離を支持体中央部から端部にかけて一様に2mmとなるよう調整し、感光体中央部の表面温度が25℃から180℃まで昇温するようにして加熱した以外は実施例1と同様にして感光体を作成し、評価を行った。結果を表1に示す。表1から明らかなように、端部の削れは良好だが、短期VL変動は実施例1、2より悪化した。
[実施例3]
外径30mm、長さ357.5mmのアルミニウムシリンダーを支持体とし、前乾燥までを実施例1と同様に行った。続く電子線の照射は、加速電圧70kVで、吸収線量が5×103Gyとなるようにした以外は実施例1と同様に行った。次に、実施例1で使用したIHコイルを用いて加熱を行った。この時、加熱中に支持体を保持する位置の調整を行い、支持体の長手方向中央部がIHコイルの長手方向中央部と一致するようにした。それ以外は実施例1と同様にして支持体の加熱を行った。加熱工程以後の処理は実施例1と同様に行い、実施例3の感光体を得た。
得られた感光体は、塗工上端側に外径30mmの長さ調整部材を取り付け、全体の長さが370mmとなるように調節した後、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
外径30mm、長さ357.5mmのアルミニウムシリンダーを支持体とし、前乾燥までを実施例1と同様に行った。続く電子線の照射は、加速電圧70kVで、吸収線量が5×103Gyとなるようにした以外は実施例1と同様に行った。次に、実施例1で使用したIHコイルを用いて加熱を行った。この時、加熱中に支持体を保持する位置の調整を行い、支持体の長手方向中央部がIHコイルの長手方向中央部と一致するようにした。それ以外は実施例1と同様にして支持体の加熱を行った。加熱工程以後の処理は実施例1と同様に行い、実施例3の感光体を得た。
得られた感光体は、塗工上端側に外径30mmの長さ調整部材を取り付け、全体の長さが370mmとなるように調節した後、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1において、電子線の照射を、加速電圧70kV、吸収線量5×103Gyとなるようにし、支持体とIHコイルの間隔を支持体中央部から端部にかけて一様に5mmとなるよう調整した以外は実施例1と同様にして感光体を作成した。実施例3と評価条件を合わせるため、感光体の下端を12.5mm切断した後、実施例3と同様にして長さ調整部材を塗工上端側に取り付け、実施例3と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。表1から明らかなように、短期VL変動は良好だが、端部の削れは実施例よりも悪化した。
実施例1において、電子線の照射を、加速電圧70kV、吸収線量5×103Gyとなるようにし、支持体とIHコイルの間隔を支持体中央部から端部にかけて一様に5mmとなるよう調整した以外は実施例1と同様にして感光体を作成した。実施例3と評価条件を合わせるため、感光体の下端を12.5mm切断した後、実施例3と同様にして長さ調整部材を塗工上端側に取り付け、実施例3と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。表1から明らかなように、短期VL変動は良好だが、端部の削れは実施例よりも悪化した。
以上から、本発明の電子写真感光体の製造方法により、電子写真感光体の画像領域における電気的特性は良好に維持され、なおかつ端部領域の耐久性は向上していることがわかる。
[実施例4]
実施例1において、加速電圧70kV、吸収線量5×103Gyとなるようにして電子線を照射し、感光体中央部の表面温度が25℃から約100℃に昇温するようにして硬化反応を行い、後加熱処理温度を80℃にした以外は実施例1と同様にして感光体を作成した。続いて、実施例1と同様にして20000枚の通紙耐久試験を行った。耐久試験終了後、画像形成領域に対応する部分の感光体最表面層の状態を目視で観察して以下のように評価を行った。結果を表2に示す。
A=表面層の削れがほとんど無く良好な状態
B=表面層の削れが若干見られるが実使用上は問題ない状態
実施例1において、加速電圧70kV、吸収線量5×103Gyとなるようにして電子線を照射し、感光体中央部の表面温度が25℃から約100℃に昇温するようにして硬化反応を行い、後加熱処理温度を80℃にした以外は実施例1と同様にして感光体を作成した。続いて、実施例1と同様にして20000枚の通紙耐久試験を行った。耐久試験終了後、画像形成領域に対応する部分の感光体最表面層の状態を目視で観察して以下のように評価を行った。結果を表2に示す。
A=表面層の削れがほとんど無く良好な状態
B=表面層の削れが若干見られるが実使用上は問題ない状態
[比較例3]
実施例4において、感光体中央部の表面温度が25℃から約80℃に昇温するようにして硬化反応を行った以外は実施例3と同様にして感光体を作成し、評価を行った。結果を表2に示す。
表2から明らかなように、本発明の電子写真感光体の製造方法により、電子写真感光体の画像形成領域における耐久性が良好に保たれていることがわかる。
実施例4において、感光体中央部の表面温度が25℃から約80℃に昇温するようにして硬化反応を行った以外は実施例3と同様にして感光体を作成し、評価を行った。結果を表2に示す。
表2から明らかなように、本発明の電子写真感光体の製造方法により、電子写真感光体の画像形成領域における耐久性が良好に保たれていることがわかる。
1 IHコイル
2 導電性支持体
3 高周波電源
4 銅板
2 導電性支持体
3 高周波電源
4 銅板
Claims (2)
- 導電性支持体および該導電性支持体上に設けられた感光層を有する電子写真感光体を製造する方法であって、
最表面層用塗布液を塗布して塗布膜を設け、該塗布膜の全面に電子線を照射し、該電子線の照射後に加熱して該塗布膜を硬化させることにより、該電子写真感光体の最表面層を形成する工程を有する電子写真感光体の製造方法において、
該加熱工程での加熱の際に該電子写真感光体の長手方向端部、長手方向中央部、および両者の中間点で各々測定される該塗布膜の最高到達温度T1、T2、T3が、T1>T3>T2かつ100℃≦T2≦130℃かつT1≦160℃かつ(T1−T3)≧15℃かつ(T3−T2)<(T1−T3)であることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。 - 前記最高到達温度T1の測定位置が、前記電子写真感光体の画像形成領域よりも外側、かつ該電子写真感光体の導電性支持体の端部よりも内側の領域にあることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法。
Priority Applications (1)
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JP2009041971A JP2010197664A (ja) | 2009-02-25 | 2009-02-25 | 電子写真感光体の製造方法 |
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JP2014056197A (ja) * | 2012-09-14 | 2014-03-27 | Ricoh Co Ltd | 電子写真感光体の製造方法 |
-
2009
- 2009-02-25 JP JP2009041971A patent/JP2010197664A/ja active Pending
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