JP2010195162A - ステアリングホイール - Google Patents

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Abstract

【課題】変形予定部の変形特性を阻害することなく、スポーク部及びリム部の繋ぎ部分の外形形状についてのデザインの自由度を高めることができるステアリングホイールを提供する。
【解決手段】隣り合う2つの特定スポーク部芯金25,26のリム部芯金21に対する各連結部分であって変形予定部31を含むスポーク部側連結部28と、リム部芯金21の各特定スポーク部芯金25,26に対する連結部分であるリム部側連結部29とを、軟質樹脂により形成された軟質部で被覆する。リム部芯金21について、両軟質部にて挟まれた箇所を、硬質樹脂により形成された硬質部41で被覆し、同硬質部41の外表面に液圧転写法による加飾部42を形成する。さらに、各軟質部及び硬質部41の端部41Bを、硬質樹脂により中空状に形成されたカバー部材で覆い、各カバー部材に軟質層を介して表皮を被せる。
【選択図】図4

Description

本発明は、車両等の操舵装置に用いられるステアリングホイールに関し、より詳しくは、木目模様等の加飾部が液圧転写法により外表面に形成された硬質部と、表皮が被せられた軟質部とをリム部に有するステアリングホイールに関するものである。
車両の操舵装置に用いられるステアリングホイールにおけるリム部の一態様として、意匠上の要請から、図16に示すように、硬質樹脂からなる複数の硬質部102と、発泡ポリウレタン等の軟質樹脂からなる複数の軟質部103とを備えるものがある(例えば、特許文献1参照)。このステアリングホイール100では、各硬質部102上に木目模様等の加飾部104が形成されるとともに、各軟質部103に対し、皮革等からなる表皮105が被せられている。
図17に示すように、このステアリングホイール100の芯金106は、リム部101の骨格をなす環状のリム部芯金107と、スポーク部110の骨格をなし、かつリム部芯金107に連結された複数のスポーク部芯金108とを備えている。ここで、複数のスポーク部芯金108のうち下側で隣り合う2つを、他のスポーク部芯金108と区別するために、特定スポーク部芯金108Aというものとする。
上記ステアリングホイール100では、各特定スポーク部芯金108Aのリム部芯金107に対する連結部分(以下、「スポーク部側連結部111」という)と、リム部芯金107の各特定スポーク部芯金108Aに対する連結部分(以下、「リム部側連結部112」という)とが、上記軟質部103によって被覆されている。上述したように、これらのスポーク部側連結部111及びリム部側連結部112の周りの各軟質部103にも表皮105が被せられる。
リム部芯金107について、特定スポーク部芯金108A毎の計2つの軟質部103にて挟まれた箇所は、上記硬質部102によって被覆されている。硬質部102は、その両端部102Aにおいて上記各軟質部103に接している。上述したように、この硬質部102の外表面には、木目模様等の加飾部104が形成されている。
上記構成のステアリングホイール100の製造に際しては、最初に、硬質部成形用の金型に芯金106がセットされる。溶融状態の硬質樹脂がこの金型内に供給され、リム部芯金107において、隣り合うリム部側連結部112によって挟まれる予定の箇所の周りに硬質部102が成形される。次いで、硬質部102の外表面に対し、液圧転写法により木目模様等の加飾部104が形成される。続いて、上記のようにリム部芯金107上に硬質部102及び加飾部104の形成された芯金106が、図15に示すように軟質部成形用の金型120にセットされる。軟質部103の成形材料が金型120の成形空間122に供給されて、上記スポーク部側連結部111の周り及びリム部側連結部112の周りに、上記硬質部102の端部102Aに接した状態で各軟質部103が成形される(図17参照)。
ここで、各軟質部103の成形の際に液体状態又はゲル状態の成形材料が加飾部104に付着して反応(発泡)すると、その加飾部104の外観品質が低下する。そのため、金型120は、これに環状のシール部材121が組み込まれた状態で使用される。そして、金型120の型締めに伴い、シール部材121が、硬質部102の端部102Aの外周面に対し加圧状態で密着させられる。硬質部102と金型120との隙間がシールされ、液体状態又はゲル状態の成形材料がその隙間を通って、硬質部102において端部102Aを除く箇所に到達することが遮断される。その結果、加飾部104に軟質部103の成形材料が付着することに起因する外観品質の低下が抑制される。
特開2000−33877号公報
上記従来のステアリングホイール100では、スポーク部110及びリム部101の繋ぎ部分の外形形状が、スポーク部側連結部111及びリム部側連結部112を被覆する軟質部103によって決定される。このことから、仮に、金型120における軟質部103の成形空間122のうち、スポーク部側連結部111周りの箇所(スポーク部側連結部111用の成形空間123)に対し、シール部材121の一部が入り込んだ状態で配置されると、そのシール部材121の占める箇所では成形材料が供給されず、所望形状の軟質部103が得られない。軟質部103は、硬質部102側(図15の左側)の側面に、シール部材121の入り込みによる凹状部分を有するものとなる。最終的には、軟質部103の外側に表皮105が被せられるとはいえ、表皮105について、軟質部103の凹状部分に対応する箇所と、対応しない箇所とでは、乗員が握ったときの感触が異なり、乗員に違和感を与える。
こうした問題は、シール部材121を、上記スポーク部側連結部111用の成形空間123から硬質部102側へ離れた箇所に配置し、硬質部102側の側面に凹状部分(欠肉部分)のない軟質部103を成形することで解消される。ただし、この場合には、シール部分、すなわち、硬質部102と軟質部103との境界部分113がスポーク部側連結部111から硬質部102側へ離れる。その結果、図17に示すように、リム部側連結部112を被覆する箇所のリム部101の周方向についての長さをL1とし、スポーク部側連結部111を被覆する箇所の同周方向についての長さをL2とすると、ステアリングホイール100の外形形状は、L1>L2の関係を満たすものに制限される。これに伴い、軟質部103に接する硬質部102、特に下側の2つの軟質部103の間の硬質部102は、リム部101の周方向についての長さが短いものとなってしまう。このように、従来のステアリングホイール100では、スポーク部側連結部111及びリム部側連結部112に対応する箇所、すなわち、スポーク部110及びリム部101の繋ぎ部分の外形形状が大きく制約を受けることとなり、デザインの自由度が充分に高いとは言い難い。
これに対しては、スポーク部側連結部111及びリム部側連結部112に関しても、硬質部102と同様に硬質樹脂で被覆することが考えられる。すなわち、硬質部102と同様、リム部芯金107について、隣り合う2箇所の軟質部103のリム部側連結部112によって挟まれる予定の箇所と、スポーク部側連結部111及びリム部側連結部112とを硬質樹脂で一体に形成する構成とすれば、シール部材121の場所が変わるため、上記の問題を解消することが可能である。
一方、ステアリングホイール100では、各特定スポーク部芯金108Aのスポーク部側連結部111に変形予定部114が設定される場合がある(図17参照)。変形予定部114は、スポーク部芯金108の他の箇所よりも変形しやすく形成されている。そして、車両の前面衝突時等にステアリングホイール100が乗員(運転者)から衝撃を受けた場合、変形予定部114においてスポーク部芯金108が変形することで、衝撃を吸収して乗員を保護するようになっている。しかし、上記のようにスポーク部側連結部111及びリム部側連結部112が硬質樹脂によって被覆されると、変形予定部114が硬質樹脂に埋設された状態となり、変形予定部114の変形特性がその周りの硬質樹脂によって阻害されるといった新たな問題が生ずる。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、変形予定部の変形特性を阻害することなく、スポーク部及びリム部の繋ぎ部分の外形形状についてのデザインの自由度を高めることのできるステアリングホイールを提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、リム部の骨格をなす環状のリム部芯金と、スポーク部の骨格をなし、かつ前記リム部芯金に連結された複数のスポーク部芯金とが備えられ、複数の前記スポーク部芯金について隣り合う2つがそれぞれ特定スポーク部芯金とされ、前記特定スポーク部芯金毎の前記リム部芯金に対する連結部分には、衝撃に応じて変形し得る変形予定部が設定され、前記各特定スポーク部芯金の前記リム部芯金に対する連結部分であって前記変形予定部を含むスポーク部側連結部と、前記リム部芯金の前記各特定スポーク部芯金に対する連結部分であるリム部側連結部とが、軟質樹脂により形成された軟質部で被覆され、前記リム部芯金について、前記両軟質部にて挟まれた箇所は、硬質樹脂により形成された硬質部で被覆され、さらに、前記硬質部の外表面には液圧転写法による加飾部が形成されたステアリングホイールにおいて、少なくとも前記各軟質部には、硬質樹脂により中空状に形成されたカバー部材が、同軟質部を覆った状態で装着され、さらに、前記各カバー部材の外側には、軟質層を介して表皮が被せられていることを要旨とする。
上記の構成によれば、少なくとも各軟質部が、硬質樹脂製のカバー部材によって覆われる。ステアリングホイールにおいてスポーク部側連結部及びリム部側連結部に対応する箇所(スポーク部及びリム部の繋ぎ部分)の外形形状は、このカバー部材によって決定され、軟質部によっては決定されない。カバー部材の外形形状は、軟質部を覆うものであればよく、それ以外には特に制約を受けない。従って、ステアリングホイールにおいて、スポーク部側連結部及びリム部側連結部に対応する箇所(スポーク部及びリム部の繋ぎ部分)の外形形状についてのデザインの自由度は、軟質部による制約を受ける場合よりも高くなる。
例えば、請求項5に記載の発明によるように、各カバー部材のうち、スポーク部側連結部を覆う箇所の硬質部側の側面と、リム部側連結部を覆う箇所の硬質部側の側面とが、略同一面上に形成されているようなデザインも可能となる。このデザインを採用した場合には、スポーク部がリム部に対し、今までにない新規な形態で繋がっているように見えるだけでなく、硬質部がリム部の周方向に長いものとなる(リム部の周方向における加飾部の長さが長くなる)。
また、車両の前面衝突時等にステアリングホイールが乗員(運転者)から衝撃を受けた場合、変形予定部においてスポーク部芯金が変形することで、衝撃が吸収されて乗員が保護される。この変形予定部がスポーク部側連結部に設定された請求項1に記載の発明では、同スポーク部側連結部の周りの構造によっては、変形予定部の変形特性が影響を受ける場合がある。この点、カバー部材が中空状に形成されていて、軟質部を覆った状態で装着される請求項1に記載の発明では、軟質部とカバー部材との間に空隙が生ずれば、この空隙が、変形予定部の変形を許容する。従って、上記空隙が生ずるような態様でカバー部材を軟質部に装着することにより、スポーク部側連結部及びリム部側連結部が硬質樹脂によって被覆されて変形予定部が硬質樹脂に埋設された場合や、上記空隙がない場合(中実状態)に比べ、変形予定部の変形を阻害しにくくなる。
なお、表皮は軟質層を介してカバー部材に被せられる。そのため、乗員がこの表皮に触れた場合には、軟質部の外側に直接被覆された表皮に触れた場合と似た軟らかな感触を乗員に感じさせる。この軟らかな感触は、表皮をカバー部材の外側に直接被覆したものでは得られにくい。
上述した請求項1に記載の発明の作用及び効果は、例えば、請求項2に記載の発明によるように、各軟質部が、硬質部側の側面に凹状部分を有しているものであっても得られる。
上述したように軟質部は、硬質樹脂によって中空状に形成されたカバー部材によって覆い隠されるため、軟質部において硬質部側の側面に位置する凹状部分が乗員に見えることがない。また、表皮は軟質部の外表面に直接被せられることはなく、カバー部材に対し軟質層を介して被せられる。このカバー部材には、軟質部とは異なり、シール部材による凹状部分が生じない。これは、カバー部材は軟質部とは別に成形されるものであり、その成形時にはシール部材による影響を受けないからである。従って、凹状部分に表皮を被せた場合に生ずる違和感を乗員に感じさせることもない。
上記請求項2に記載の発明における凹状部分は、請求項3に記載の発明によるように、各軟質部が成形される過程で形成される。すなわち、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明の構成に加え、前記各軟質部は、前記硬質部及び前記加飾部の形成された前記リム部芯金と前記スポーク部芯金とが配置された金型内であって、前記スポーク部側連結部の周りの成形空間及び前記リム部側連結部の周りの成形空間に前記軟質部の成形材料が供給されることにより、前記硬質部に接した状態で成形されるものであり、前記各軟質部の成形は、前記金型内に組み込まれた環状のシール部材を前記硬質部の端部の外周面に密着させた状態で行なわれるものであり、前記凹状部分は、前記シール部材の一部が前記スポーク部側連結部の周りの前記成形空間に入り込んだ状態の前記金型により前記軟質部が成形される過程で形成されるものであることを要旨とする。
上記の構成によれば、各軟質部の成形に際しては、硬質部及び加飾部の形成されたリム部芯金及びスポーク部芯金が金型内に配置される。金型内に組み込まれた環状のシール部材が、硬質部の端部の外周面に密着させられる。シール部材の一部はスポーク部側連結部の周りの成形空間に入り込む。そして、金型において、スポーク部側連結部の周りの成形空間、及びリム部側連結部の周りの成形空間に、軟質部の成形材料が供給される。この供給された成形材料が、金型と硬質部(加飾部)との隙間に入り込むことは、シール部材によって遮断される。この遮断により、成形材料の加飾部に対する付着が抑制される。また、スポーク部側連結部の周りの成形空間において、シール部材が入り込んだ箇所には成形材料が供給されない。従って、成形空間に供給された成形材料の反応が進行することで、スポーク部側連結部の周り、及びリム部側連結部の周りには、硬質部に接した状態の軟質部が成形されるが、この軟質部は、自身の硬質部側の側面に、シール部材の入り込みによる凹状部分を有するものとなる。
なお、請求項1〜3のいずれか1つに記載の発明におけるカバー部材は、請求項4に記載の発明によるように、軟質部に対し、硬質部の軟質部側の端部を覆った状態で装着されるものであってもよい。この場合には、硬質部の軟質部側の端部もカバー部材によって覆い隠されるため、同端部が乗員に見えることがない。そのため、硬質部の端部の外形形状は、カバー部材によって覆われるものであればよく、それ以外には特に限定を受けない。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1つに記載の発明において、前記リム部芯金において、前記各軟質層を挟んで前記硬質部とは反対側となる箇所には、第2表皮により覆われた第2軟質部が形成され、前記第2表皮の前記軟質層側の端部と、前記軟質層上の前記表皮の前記第2軟質部側の端部とは、同軟質層及び前記第2軟質部の境界部分で相互に結合されていることを要旨とする。
上記の構成によれば軟質層の硬度と、第2軟質部の硬度とに差があると、乗員が軟質層上の表皮に触れた場合と、第2軟質部上の第2表皮に触れた場合とでは、異なる感触をその乗員に感じさせる。
一方、表皮と第2表皮とが相互に結合されている箇所に触れた場合には、上記軟質層上の表皮に触れた場合や、第2軟質部上の第2表皮に触れた場合とは異なる感触を乗員に感じさせる。
この点、請求項6に記載の発明によるように、第2表皮の軟質層側の端部と、表皮の第2軟質部側の端部とを、軟質層及び第2軟質部の境界部分で相互に結合させれば、結合部分による感触を、上記境界部分で乗員に感じさせることとなる。そのため、軟質層と第2軟質部との硬度差に起因して乗員に感じさせる感触が異なったとしても、その2種類の感触を、結合部分、すなわち境界部分を挟んだ両側で乗員に感じさせることとなる。この場合には、結合部分と境界部分とが同じ箇所に位置することから、感触が変わる箇所は結合部分(境界部分)の1箇所となる。これに対し、第2表皮の軟質層側の端部と、表皮の第2軟質部側の端部とを、上記境界部分とは異なる箇所で相互に結合させた場合には、結合部分と境界部分とが異なる箇所に位置するため、感触が変わる箇所は2箇所以上となる。従って、感触の変わる箇所を少なくし、乗員に感じさせる感触の相違(違和感)を低減することが可能である。
なお、第2表皮の軟質層側の端部と、表皮の第2軟質部側の端部とは、例えば請求項7に記載の発明によるように縫合によって相互に結合されてもよい。また、上記両端部は、請求項8に記載の発明によるように、軟質部及び第2軟質部の境界部分に形成された溝部に係止されることにより相互に結合されてもよい。この係止の態様は「木目込み」とも呼ばれる。いずれの態様で、第2表皮の軟質層側の端部と、表皮の第2軟質部側の端部とが結合されても、軟質層上の表皮に触れた場合や、第2軟質部上の第2表皮に触れた場合とは異なる感触を乗員に感じさせる。そのため、いずれの結合態様が採用された場合であっても、上述した請求項6に記載の発明の効果が確実に得られる。
本発明のステアリングホイールによれば、変形予定部の変形特性を阻害することなく、スポーク部及びリム部の繋ぎ部分の外形形状についてのデザインの自由度を高めることができる。
本発明を具体化した一実施形態において、パッド部が省略された状態のステアリングホイールを示す概略正面図。 図1のステアリングホイールを側方から見た状態を示す概略側面図。 図1におけるQ−Q線に沿ったリム部の断面構造を示す断面図。 リム部芯金に硬質部が形成された状態を示す概略正面図。 図4におけるR部を拡大して示す部分概略正面図。 図4の状態から、リム部芯金に軟質部及び第2軟質部が形成された状態を示す概略正面図。 図6の状態から、各軟質部にカバー部材が装着されるとともに、第2軟質部に第2表皮が被せられた状態を示す概略正面図。 図1のS−S線に沿った断面構造を拡大して示す断面図。 カバー部材を構成する下カバー構成体及び上カバー構成体を示す側面図。 図1のT−T線に沿った断面構造を拡大して示す断面図。 図1のU−U線に沿った断面構造を拡大して示す断面図。 図11に対応する図であり、溝部に表皮及び第2表皮の各端部を係止する前の状態を示す部分断面図。 ステアリングホイールについて、リム部芯金上に硬質部が形成された芯金が金型内にセットされた後、軟質部の成形材料が供給される前の状態を示す部分断面図。 図13のV−V線に沿った断面構造を示す断面図。 従来のステアリングホイールについて、リム部芯金上に硬質部が形成された芯金が金型内にセットされた後、軟質部の成形材料が供給される前の状態を示す部分断面図。 従来のステアリングホイールを、パッド部が省略された状態で示す概略正面図。 従来のステアリングホイールについて、軟質部上に表皮が被せられる前の状態を示す概略正面図。
以下、本発明を車両用ステアリングホイールに具体化した一実施形態について、図1〜図14を参照して説明する。なお、以下の記載においては、車両の進行方向(前進方向)を前方として説明する。また、左右方向は車両の車幅方向であって車両前進時の左右方向と一致するものとする。
図1、図2及び図10の少なくとも1つに示すように、車両の運転席よりも前方(図2の左方)には操舵軸(ステアリングシャフト)11が運転席側ほど高くなるように傾斜した状態で回転可能に設けられ、その周りにはステアリングコラムカバー12が設けられている。操舵軸11の後端部には本実施形態のステアリングホイール10が取り付けられている。ステアリングホイール10は、リム部(ハンドル部)13、パッド部14(図10参照)及びスポーク部15を備えて構成されている。リム部13は、上記操舵軸11を中心とした円環状をなしている(図1参照)。操舵軸11が上記のように傾斜していることから、ステアリングホイール10もまた下側ほど運転席に近づくように傾斜している(図2参照)。
パッド部14は、表側のアッパカバー16と裏側のロアカバー17(図10参照)とを備えている。ここで、表側とは運転者に近い側(図10の右側)であり、裏側とは運転者から遠い側(図10の左側)である。スポーク部15は、リム部13及びパッド部14を連結するものであり、ここでは複数本(4本)設けられている。
ステアリングホイール10の上記構成部材(リム部13、パッド部14及びスポーク部15)の各内部には、図4及び図5の少なくとも一方に示すように、鉄、アルミニウム、マグネシウム、又はこれらの合金等によって形成された芯金20が配設されている。芯金20はステアリングホイール10の骨格部分をなすものである。この芯金20のうち、リム部13内に位置するものは、乗員(運転手)側から見て円環状をなしており、リム部芯金21と呼ばれる。リム部芯金21はリム部13の骨格をなすものであり、操舵軸11の軸線を含む面におけるリム部13の断面について、その略中心部分に配置されている(図3参照)。
芯金20は、上記リム部芯金21のほかに、そのリム部芯金21により囲まれた空間のやや前方に位置するボス部芯金22を備えるとともに、スポーク部15の骨格をなし、かつボス部芯金22及びリム部芯金21を連結するスポーク部芯金を備えている。
本実施形態では、上記芯金20として、4本のスポーク部芯金23〜26を有するものが用いられている。これらのスポーク部芯金23〜26は、大きくは上側に位置する2本(以下、単に「スポーク部芯金23,24という)と、下側に位置する2本(以下、「特定スポーク部芯金25,26」という)とに分けられる。
スポーク部芯金23,24は略上下方向に幅の広い板状をなし、ボス部芯金22を中心として、車幅方向について互いに反対方向へ延びている。また、両特定スポーク部芯金25,26は、上側のスポーク部芯金23,24よりも略車幅方向に幅の狭い板状をなしていて、略上下方向へ延びている。各特定スポーク部芯金25,26の上端部は、各スポーク部芯金23,24のボス部芯金22側の端部に連結されている。また、両特定スポーク部芯金25,26の下端部は、リム部芯金21の下部であって、同リム部芯金21の周方向に互いに離間した箇所に連結されている。
なお、芯金20は、ボス部芯金22の中心部分から略下方へ延び、途中で2本に分岐して両特定スポーク部芯金25,26に接続されることにより、ボス部芯金22と両特定スポーク部芯金25,26とを繋ぐ連結芯金27を備えている。
そして、上記の構成を有する芯金20は、ボス部芯金22において上記操舵軸11の後端部に一体回転可能に取り付けられている。
ここで、各特定スポーク部芯金25,26とリム部芯金21との連結部分は、次の2つの部分からなる。1つは、図5に示すように、特定スポーク部芯金25,26においてリム部芯金21に連結される部分(以下、「スポーク部側連結部28」という)である。もう1つは、リム部芯金21において各特定スポーク部芯金25,26に連結される部分(以下、「リム部側連結部29」という)である。
各スポーク部側連結部28は、各特定スポーク部芯金25,26のうち、リム部芯金21の近傍部分であって、それらの特定スポーク部芯金25,26の長さ方向(図5の略上下方向)に沿った所定長さを有する直線状の領域からなる。また、リム部側連結部29は、リム部芯金21のうち、各特定スポーク部芯金25,26の近傍であって、リム部芯金21の周方向(図5の略左右方向)に沿った所定長さを有する略円弧状の領域からなる。
前者の各スポーク部側連結部28には、衝撃に応じて変形し得る変形予定部31が設定されている。この変形予定部31の役割等については後述する。
特定スポーク部芯金25,26毎のスポーク部側連結部28及びリム部側連結部29は、図6に示すように、ポリウレタン(PU)等の軟質樹脂によって形成された軟質部35で被覆されている。各軟質部35は、大きくは次の2つの部分に区別することができる。1つは、スポーク部側連結部28を被覆している部分(以下、「スポーク部側軟質部36」という)であり、もう1つは、リム部側連結部29を被覆している部分(以下、「リム部側軟質部37」という)である。軟質部35毎のスポーク部側軟質部36において、スポーク部側連結部28と干渉しない複数箇所(図6では2箇所)には、貫通孔38があけられている。各スポーク部側軟質部36は、後述する硬質部41側の側面36Aに凹状部分39を有している。
また、リム部芯金21について、特定スポーク部芯金25,26毎の両軟質部35によって挟み込まれた箇所は、ポリプロピレン(PP)等の硬質樹脂によって形成された硬質部41で被覆されている。硬質部41は、その大部分を占める略円弧状の本体部41Aと、本体部41Aの軟質部35側の端に位置していて、同本体部41Aよりも小径の一対の端部41Bとからなる。硬質部41では、本体部41A及び端部41Bの外表面に、液圧転写法によって木目模様等の加飾部42が形成されている。
各軟質部35の全体と、硬質部41の軟質部35側の端部41Bとには、図7、図8及び図10の少なくとも1つに示すように、硬質樹脂により中空状に形成されたカバー部材44,45が、同軟質部35と硬質部41の各端部41Bとを覆った状態で装着されている。各カバー部材44,45は、上下2つの部材に分割されている。これらの部材を区別するために、各カバー部材44,45について、裏側(下側)に位置するものを下カバー構成体46といい、表側(上側)に位置するものを上カバー構成体47というものとする。下カバー構成体46及び上カバー構成体47を形成する硬質樹脂としては、例えば、ポリカーボネート(PC)と、アクリロニトリル・ブダジエン・スチレン共重合体(ABS)とをブレンドしたもの、ポリアセタール(POM)等が適している。
図8〜図10の少なくとも1つに示すように、下カバー構成体46の周縁部には係合部48が形成され、上カバー構成体47の周縁部には上記係合部48に係合し得る被係合部49が形成されている。さらに、下カバー構成体46においてリム部側軟質部37の既述した貫通孔38に対応する箇所には、略上方へ延びる突起51が設けられている。また、上カバー構成体47において上記貫通孔38に対応する箇所には、略下方へ延びる突起52が設けられている。そして、突起51が対応する貫通孔38に対し略下方から圧入されるとともに、突起52が対応する貫通孔38に対し略上方から圧入され、さらに、係合部48が被係合部49に係合されることで、下カバー構成体46及び上カバー構成体47が、軟質部35と硬質部41の端部41Bとを覆った状態で同軟質部35に装着されている。
この装着状態では、カバー部材45と軟質部35との間の複数箇所に空隙Gが生じている(図8及び図10参照)。なお、図示はしないが、カバー部材44とその内側の軟質部35との間にも同様の空隙Gが生じている。
一方(図7の左側)のカバー部材44のうち、スポーク部側連結部28を覆う箇所の硬質部41側の側面44Aと、リム部側連結部29を覆う箇所の硬質部41側の側面44Bとは、略同一面上に位置している。また、他方(図7の右側)のカバー部材45のうち、スポーク部側連結部28を覆う箇所の硬質部41側の側面45Aと、リム部側連結部29を覆う箇所の硬質部41側の側面45Bとは、略同一面上に位置している。
各カバー部材44,45は、クロロプレンゴムからなる薄板状の軟質層55によって被覆されている。さらに、その軟質層55は表皮56で覆われている。
図6及び図11の少なくとも一方に示すように、リム部芯金21において、各軟質部35及び各軟質層55を挟んで硬質部41とは反対側となる箇所には、前記軟質部35と同一材料からなる第2軟質部57が形成されている。この第2軟質部57は、軟質部35と一緒に形成されたものであって、皮革等からなる第2表皮58によって覆われている。
図11及び図12に示すように、第2表皮58の軟質層55側(軟質部35側)の端部58Aと、軟質層55上の表皮56の第2軟質部57側の端部56Aとは、同軟質部35及び第2軟質部57の境界部分で相互に結合されている。ここでは、軟質部35及び第2軟質部57の境界部分には、その全周にわたって環状の溝部59が形成されている。そして、第2表皮58の上記端部58Aと、表皮56の上記端部56Aとが、この溝部59内に圧入され、接着剤等によって溝部59の壁面に接着されている。このようにして、両端部56A,58Aが溝部59に係止されて、表皮56及び第2表皮58が、それらの端部56A,58Aにおいて相互に結合されている。
上記ステアリングホイール10では、車両の前面衝突時等にリム部13が乗員(運転者)から衝撃を受けた場合、乗員保護の観点から、リム部13等が傾斜状態(図2の実線参照)から鉛直状態(図2の二点鎖線参照)に近い状態に変位するように、芯金20が所定の変形経路に沿って変形して衝撃を吸収することが要求される。リム部13が上述したように傾斜した状態で配置されていることから、前面衝突時等にリム部13が乗員(運転者)から衝撃を受ける箇所は主としてリム部13の下部13Lである。そして、上記要求に応える変形特性を発揮するように芯金20には、他の箇所よりも剛性が低く、変形しやすい箇所が、既述した変形予定部31として両スポーク部側連結部28に設定されている(図4参照)。そのため、リム部13が上記のように乗員(運転者)から衝撃を受けた場合に、両スポーク部側連結部28の変形予定部31がねじり変形することにより、リム部13が同変形予定部31を支点として、図2において二点鎖線の矢印で示す方向(前方)へ回転するように変位することが可能である。
上記の構成のステアリングホイール10の製造に際しては、最初に、硬質部41成形用の金型に芯金20がセットされる。溶融状態の硬質樹脂が同金型内に供給され、リム部芯金21において、隣り合うリム部側連結部29によって挟まれる予定箇所の周りに硬質部41が成形される。
次いで、上記のようにリム部芯金21上に硬質部41の形成された芯金20が金型から取り出され、硬質部41の外表面に対し液圧転写法により木目模様等の加飾部42が形成される。液圧転写法の実施に際しては、転写フィルムを浮かべた水等の液体中に硬質部41、リム部芯金21等が沈められて転写フィルムが硬質部41等の外表面に付着される。この付着に伴い転写フィルム上の模様層が硬質部41の外表面等に転写される。そして、転写の終期に模様層の端縁が、硬質部41の内周側(操舵軸11の軸線側)で繋ぎ合わされることで、少なくとも硬質部41の外表面全体に加飾部42が形成される。
続いて、上記のように硬質部41及び加飾部42の形成された芯金20が、図13に示すように、軟質部35成形用の金型65にセットされる。このセットにより金型65内には、スポーク部側連結部28の周りに成形空間66が形成されるとともに、リム部側連結部29の周りに成形空間67が形成される。そして、これら両成形空間66,67に対し、軟質部35の液状の成形材料が供給される。この供給された成形材料が反応(発泡)することで、スポーク部側連結部28の周り及びリム部側連結部29の周りに、硬質部41の端部41Bに接した状態で軟質部35が成形される。また、この成形と略同時に、第2軟質部57が軟質部35に繋がった状態で一体に成形される。
ここで、各軟質部35の成形の際に、反応前の液体状態又は反応途中のゲル状態の成形材料が金型65と硬質部41との間の隙間を通って流れ、硬質部41における本体部41A上の加飾部42に付着して反応(発泡)すると、その加飾部42、特に図13において領域Aで示す箇所の外観品質が低下する。そのため、上記金型65は、これに環状のシール部材68が組み込まれた状態で使用される。シール部材68は、図13及び図14の少なくとも一方に示すように、半円環状をなす2つの弧状部材68A,68Bからなり、一方の弧状部材68Bが金型65の固定型65Bに組み込まれ、他方の弧状部材68Aが同金型65の可動型65Aに組み込まれる。
そして、金型65の型締めに伴い、両弧状部材68A,68Bが硬質部41における端部41Bのうち、軟質部35との境界部近傍の外周面に対し加圧状態で密着させられる。また、一方の弧状部材68Aの両端部は他方の弧状部材68Bの両端部に加圧状態で密着させられて、硬質部41の端部41Bの周りで全体として円環状のシール部材68となる。このシール部材68の一部は、スポーク部側連結部28の周りの成形空間66に入り込む。
上記シール部材68により、硬質部41と金型65との隙間がシールされる。図13中、一点鎖線で囲んだ箇所は、シール部材68によるシール部分Bを示している。このシール部分Bにより、液体状態又はゲル状態の成形材料が上記硬質部41と金型65との間を通って本体部41A上の加飾部42に到達することが遮断される。その結果、同加飾部42に成形材料が付着して反応(発泡)することが抑制される。この際、成形材料の付着により外観低下を起こす箇所が、本体部41A上の加飾部42であるのに対し、シール部分Bは端部41Bのうち軟質部35との境界部分に設定されていて、同本体部41A上の加飾部42から軟質部35側、すなわち成形材料の流動方向上流側へ遠ざかっている。そのため、成形材料は、シール部分Bが本体部41A上の加飾部42に近い箇所に設定される場合に比べ、上記領域Aに到達しにくい。
次に、上記両軟質部35及び両第2軟質部57の形成された芯金20が金型65から取り出され、各軟質部35に対し、カバー部材44,45が同軟質部35と硬質部41の端部41Bとを覆った状態で装着される(図7参照)。この装着に際しては、前述したように下カバー構成体46の突起51と、上カバー構成体47の突起52とが軟質部35の貫通孔38に対し、その上下両側から圧入される(図8参照)。また、下カバー構成体46の係合部48が、上カバー構成体47の被係合部49に係合される(図8及び図10参照)。
続いて、各カバー部材44,45における下カバー構成体46及び上カバー構成体47の外側に薄板状の軟質層55が重ねられる(図7参照)。さらに、図12及び図13の少なくとも一方に示すように、軟質層55全体の外側に表皮56が被せられる。また、これとは別に、第2表皮58が第2軟質部57の全体に被せられる(図1参照)。そして、軟質部35と第2軟質部57との境界部分に形成された溝部59内に対し、図12において一点鎖線の矢印で示すように、表皮56の端部56Aと第2表皮58の端部58Aの両者が押し込まれて、図11に示すように溝部59に係止される。
次に、上記のように構成された本実施形態のステアリングホイール10の作用について説明する。
図1及び図7の少なくとも一方に示すように、ステアリングホイール10において、特定スポーク部芯金25,26毎のスポーク部側連結部28及びリム部側連結部29に対応する箇所(スポーク部15及びリム部13の繋ぎ部分)の外形形状は、各軟質部35と硬質部41の端部41Bとを覆う硬質樹脂製のカバー部材44,45によって決定される。同外形形状は、従来技術(図16参照)とは異なり、軟質部35によっては決定されない。カバー部材44,45の外形形状は、軟質部35を覆うものであればよく、それ以外には特に制約を受けない。従って、ステアリングホイール10において、スポーク部側連結部28及びリム部側連結部29に対応する箇所(スポーク部15及びリム部13の繋ぎ部分)の外形形状についてのデザインの自由度は、軟質部35による制約を受ける従来技術よりも大幅に高くなる。
その結果として、本実施形態によるように、カバー部材44,45のうち、スポーク部側連結部28を覆う箇所の硬質部41側の側面44A,45Aと、リム部側連結部29を覆う箇所の硬質部41側の側面44B,45Bとが略同一面上に位置するようなデザインも可能となる。このデザインを採用したことにより、スポーク部15がリム部13に対し、今までにない新規な形態で繋がっているように見えるだけでなく、従来技術に比べ、特に下側の2つの軟質部35の間の硬質部41が、リム部13の周方向に長いものとなる(リム部13の周方向における加飾部42の長さが長くなる)。
このことは、特に、本実施形態のように、軟質部35の成形時にシール部材68を用いて、軟質部35の成形材料の付着による加飾部42の外観品質低下を抑制している場合に有効である。すなわち、本実施形態では、シール部材68の一部をスポーク部側連結部28の周りの成形空間66に入り込ませた配置状態で、同シール部材68を金型65内に組み込んでいる。この配置により、軟質部35は、スポーク部側軟質部36の硬質部41側の側面36Aに凹状部分39を有することとなる(図6参照)。
しかし、上述したように各軟質部35は、硬質樹脂製のカバー部材44,45によって覆い隠されるため、この凹状部分39が乗員に見えることがない。また、表皮56は軟質部35の外側に直接被せられず、軟質層55を介してカバー部材44,45の外側に被せられる。これらのカバー部材44,45には、軟質部35とは異なり、シール部材68による凹状部分39が生じない。これは、各カバー部材44,45は軟質部35とは別に成形されるものであり、その成形時にはシール部材68による影響を受けないからである。従って、凹状部分39を有する軟質部35に直接表皮56を被せた場合に生ずる感触についての違和感を乗員に感じさせることもない。
なお、各カバー部材44,45は、軟質部35の全体だけでなく硬質部41の一方の端部41Bを覆った状態で装着されているため、同端部41Bもカバー部材44,45によって覆い隠され、乗員に見えることがない。そのため、硬質部41の端部41Bの外形形状は、カバー部材44,45によって覆われるものであればよく、それ以外には特に限定を受けることはない。
また、車両の前面衝突時等にステアリングホイール10が乗員(運転者)から衝撃を受けた場合、変形予定部31において特定スポーク部芯金25,26が変形(図2の二点鎖線参照)することで、衝撃が吸収されて乗員が保護される。この変形予定部31がスポーク部側連結部28に設定された本実施形態では、各スポーク部側連結部28の周りの構造によって、変形予定部31の変形特性が影響を受ける。この点、カバー部材44,45が中空状に形成されていて、軟質部35を覆った状態で装着される本実施形態では、軟質部35とカバー部材44,45との間の複数箇所に空隙Gが生じている(図8及び図10参照)。これらの空隙Gは、変形予定部31の変形を許容する。従って、スポーク部側連結部28及びリム部側連結部29が硬質樹脂によって形成されて変形予定部31が硬質樹脂に埋設された場合や、軟質部35とカバー部材44,45との間に上記空隙Gがない場合(中実状態)に比べ、変形予定部31の変形が阻害されにくい。
なお、表皮56は軟質層55を介してカバー部材44,45に被せられる。そのため、乗員がこの表皮56に触れた場合には、カバー部材44,45を使用せず、軟質部35の外側に直接被覆された表皮に触れた場合と似た軟らかな感触を乗員に感じさせる。
ところで、表皮56と第2表皮58とは同一種類の材料(皮革)からなるが、軟質層55の硬度と、第2軟質部57の硬度とに差があると、乗員が表皮56に触れた場合と第2表皮58に触れた場合とでは、軟質層55と第2軟質部57との材料の種類の相違等により、異なる感触をその乗員に感じさせる。
一方、表皮56の端部56Aと第2表皮58の端部58Aとは溝部59に係止されることにより相互に結合されているが、乗員がこの結合箇所に触れた場合には、表皮56及び第2表皮58において溝部59から離れた箇所に触れた場合とは異なる感触を乗員に感じさせる。
この点、例えば、第2表皮58の端部58Aと、表皮56の端部56Aとが、軟質層55及び第2軟質部57の境界部分とは異なる箇所で相互に結合された場合には、結合部分と境界部分とが異なる箇所に位置するため、感触が変わる箇所は2箇所以上となる。
これに対し、本実施形態によるように、軟質層55及び第2軟質部57の境界部分に溝部59が設けられ、表皮56及び第2表皮58の端部56A,58Aが、この溝部59で相互に結合されれば、乗員は結合部分による感触を、上記境界部分(溝部59)で感じることとなる。そのため、軟質層55と第2軟質部57との硬度差に起因して乗員に感じさせる感触が異なったとしても、その2種類の感触を、結合部分、すなわち境界部分を挟んだ両側で乗員に感じさせることとなる。この場合には、結合部分と境界部分(溝部59)とが同じ箇所に位置することから、感触が変わる箇所は結合部分(境界部分)の1箇所となる。
以上詳述した本実施形態によれば、次の効果が得られる。
(1)変形予定部31の設定されたスポーク部側連結部28とリム部側連結部29とを被覆する軟質部35に対し、硬質樹脂により中空状に形成されたカバー部材44,45を、同軟質部35を覆った状態で装着し、軟質部35とカバー部材44,45との間に空隙Gを生じさせている。そのため、変形予定部31の変形特性を阻害することなく、スポーク部側連結部28及びリム部側連結部29に対応する箇所(スポーク部15及びリム部13の繋ぎ部分)の外形形状についてのデザインの自由度を高めることができる。
(2)カバー部材44,45に対し軟質層55を介して表皮56を被せている。そのため、軟質部35の外側に直接被覆された表皮に触れた場合と似た軟らかな感触を、表皮56を通じて乗員に感じさせることができる。この感触は、表皮56をカバー部材44,45の外側に直接被覆したものでは得られにくいものである。
(3)リム部芯金21において、各軟質層55を挟んで硬質部41とは反対側となる箇所に第2軟質部57を形成し、この第2軟質部57上に第2表皮58を被せている。そして、第2表皮58の軟質層55側の端部58Aと、軟質層55上の表皮56の第2軟質部57側の端部56Aとを、軟質層55と第2軟質部57との境界部分(溝部59)で相互に結合している。そのため、感触の変わる箇所を少なくし、乗員に与える違和感を低減することができる。
なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
・第2表皮58の軟質層55側の端部58Aと、表皮56の第2軟質部57側の端部56Aとを、前述した溝部59内に押し込んで係止する構成(木目込み)に代えて、縫合により相互に結合してもよい。この態様で、第2表皮58の端部58Aと、表皮56の端部56Aとが結合されても、両端部56A,58Aを溝部59に係止する上記実施形態と同様に、軟質層55上の表皮56に触れた場合や、第2軟質部57上の第2表皮58に触れた場合とは異なる感触を乗員に感じさせる。そのため、この場合には端部56Aと端部58Aとを、軟質層55と第2軟質部57との境界部分で縫合することが望ましい。このように変更しても、上記実施形態と同様の作用及び効果が得られる。なお、この場合には、溝部59を設けても設けなくてもよい。
・上記実施形態では、カバー部材44,45を、軟質部35の全体だけでなく、硬質部41の端部41Bにも被せる構成としたが、これに代え、軟質部35の全体のみに被せ、硬質部41には被せない構成に変更してもよい。
・液圧転写法による加飾部42の模様は特に限定されず、木目模様とは異なる模様であってもよい。
・本発明は、車両に限らず、航空機、船舶等の他の乗り物における操舵装置のステアリングホイールに適用することもできる。この場合、車両には、自家用車に限らず各種産業車両も含まれる。
10…ステアリングホイール、13…リム部、15…スポーク部、21…リム部芯金、23〜26…スポーク部芯金(うち、25,26は特定スポーク部芯金を構成)、28…スポーク部側連結部、29…リム部側連結部、31…変形予定部、35…軟質部、36A…スポーク部側軟質部の硬質部側の側面、39…凹状部分、41…硬質部、41B,56A,58A…端部、42…加飾部、44,45…カバー部材、55…軟質層、56…表皮、57…第2軟質部、58…第2表皮、59…溝部、65…金型、66,67…成形空間、68…シール部材。

Claims (8)

  1. リム部の骨格をなす環状のリム部芯金と、スポーク部の骨格をなし、かつ前記リム部芯金に連結された複数のスポーク部芯金とが備えられ、複数の前記スポーク部芯金について隣り合う2つがそれぞれ特定スポーク部芯金とされ、
    前記特定スポーク部芯金毎の前記リム部芯金に対する連結部分には、衝撃に応じて変形し得る変形予定部が設定され、
    前記各特定スポーク部芯金の前記リム部芯金に対する連結部分であって前記変形予定部を含むスポーク部側連結部と、前記リム部芯金の前記各特定スポーク部芯金に対する連結部分であるリム部側連結部とが、軟質樹脂により形成された軟質部で被覆され、
    前記リム部芯金について、前記両軟質部にて挟まれた箇所は、硬質樹脂により形成された硬質部で被覆され、さらに、前記硬質部の外表面には液圧転写法による加飾部が形成されたステアリングホイールにおいて、
    少なくとも前記各軟質部には、硬質樹脂により中空状に形成されたカバー部材が、同軟質部を覆った状態で装着され、さらに、前記各カバー部材の外側には、軟質層を介して表皮が被せられていることを特徴とするステアリングホイール。
  2. 前記各軟質部は、前記硬質部側の側面に凹状部分を有している請求項1に記載のステアリングホイール。
  3. 前記各軟質部は、前記硬質部及び前記加飾部の形成された前記リム部芯金と前記スポーク部芯金とが配置された金型内であって、前記スポーク部側連結部の周りの成形空間及び前記リム部側連結部の周りの成形空間に前記軟質部の成形材料が供給されることにより、前記硬質部に接した状態で成形されるものであり、
    前記各軟質部の成形は、前記金型内に組み込まれた環状のシール部材を前記硬質部の端部の外周面に密着させた状態で行なわれるものであり、
    前記凹状部分は、前記シール部材の一部が前記スポーク部側連結部の周りの前記成形空間に入り込んだ状態の前記金型により前記軟質部が成形される過程で形成されるものである請求項2に記載のステアリングホイール。
  4. 前記カバー部材は、前記軟質部に対し、前記硬質部の前記軟質部側の端部を覆った状態で装着される請求項1〜3のいずれか1つに記載のステアリングホイール。
  5. 前記各カバー部材のうち、前記スポーク部側連結部を覆う箇所の前記硬質部側の側面と、前記リム部側連結部を覆う箇所の前記硬質部側の側面とが、略同一面上に形成されている請求項1〜4のいずれか1つに記載のステアリングホイール。
  6. 前記リム部芯金において、前記各軟質層を挟んで前記硬質部とは反対側となる箇所には、第2表皮により覆われた第2軟質部が形成され、
    前記第2表皮の前記軟質層側の端部と、前記軟質層上の前記表皮の前記第2軟質部側の端部とは、同軟質層及び前記第2軟質部の境界部分で相互に結合されている請求項1〜5のいずれか1つに記載のステアリングホイール。
  7. 前記第2表皮の前記軟質層側の端部と、前記表皮の前記第2軟質部側の端部とは、縫合により相互に結合されている請求項6に記載のステアリングホイール。
  8. 前記軟質部及び前記第2軟質部の境界部分には溝部が形成されており、
    前記第2表皮の前記軟質層側の端部と、前記表皮の前記第2軟質部側の端部とは、前記溝部内に係止されることにより相互に結合されている請求項6に記載のステアリングホイール。
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