JP2010190270A - 繊維補強複合管および繊維補強複合管の端末処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 保護層のみを容易に除去可能であり、繊維補強層の厚みを厚くすることなく、耐内圧特性に優れた繊維補強複合管を提供する。
【解決手段】 樹脂管3の外周には、繊維補強層5が設けられる。繊維補強層5は、繊維補強シート9により構成される。繊維補強シート9は、高張力繊維13が繊維補強シート9の長さ方向に複数平行に並べて配置され、フィルム11a、11bによって挟まれて形成される。繊維補強層5の外周には保護層7が設けられる。フィルム11a、11b同士は、保護層7と繊維補強層5との付着力よりも強固に接着される。
【選択図】図1

Description

本発明は、繊維補強層の外部に保護層が設けられた、繊維補強管複合管および繊維補強複合管の端末処理方法に関するものである。
従来、上水道や農水、工業配管、消火配管等に供される樹脂管は、鋼管等の金属管よりも耐内圧特性が低いため、高圧管としては使用することができなかった。そこで、金属管と同等の圧力で使用することができるように、樹脂管の周囲に内圧補強層としてステンレス等の金属テープを巻きつけて使用されていた。通常、内圧補強層の外周は、水や異物の混入を防ぐため、保護層が設けられる。
一方、補強管の軽量化や耐食性の向上のため、ステンレステープに代えて高張力繊維等の繊維による補強管も使用されている。これは、樹脂管の周方向に繊維を巻きつけた構造であり、内圧に対しては繊維層が内圧補強層の役割を果たす。繊維補強管は、軽量化、耐食化が計れる。
しかし、繊維補強管は、管の接続やメンテナンス時には、外部の保護層を除去する必要がある。しかし、保護層は、内圧補強層や樹脂管と張り付いてしまい、その除去(剥離)作業が非常に困難であった。そこで、このような保護層の除去作業が容易な繊維補強複合管が要求されている。
このような補強管としては、たとえば、熱可塑性合成樹脂管と繊維強化樹脂層の間に、両者間の接着力を低下させる離型層を設ける繊維補強複合管がある(特許文献1)。
また、熱可塑性合成樹脂管と繊維強化樹脂層との間に、熱可塑性合成樹脂フィ
ルム又はシート、又はこれらを延伸したフィルム又はシートが積層されている繊維補強複合管がある(特許文献2)。
特開2001−21090号公報 特開2003−194262号公報
しかし、特許文献1および特許文献2に記載の繊維補強複合管は、補強層として繊維補強樹脂層が設けられるため、補強の厚みが厚くなり、また、繊維補強樹脂層と熱可塑性合成樹脂管との間の離型性のみが考慮され、常に繊維補強樹脂層自体が除去される熱可塑性合成樹脂管から繊維補強樹脂層を剥離する際の剥離性をよくするために離型剤を設けたものを開示しているが、本発明は繊維補強層と保護層との間の剥離性をよくすることを目的としている。
また、高張力繊維の一部を切断する必要がある場合、繊維のほつれなどが生じる恐れがある。また、メンテナンス後に保護層を元に戻す際に、繊維補強樹脂層を元の状態に戻すことは困難であるという問題がある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、保護層のみを容易に除去可能であり、繊維補強層の厚みを厚くすることなく、耐内圧特性に優れた繊維補強複合管および繊維補強複合管の端末処理方法を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するため、第1の発明は、樹脂管と、前記樹脂管の外部に設けられた繊維補強層と、前記繊維補強層の外部に設けられた保護層と、を具備し、前記繊維補強層は、内面側に設けられる第1のフィルムと外面側に設けられる第2のフィルムとで高張力繊維が挟まれた繊維補強シートで形成され、前記第1および第2のフィルム同士の接着力は、前記保護層と前記繊維補強層との間の接着力よりも強いことを特徴とする繊維補強複合管である。
なお、ここでいう接着力とは、接着剤による接着のみならず、その他種々の方法で付着、融着する場合による付着力や融着力等をも含むものである。すなわち、接着力が強いとは、二つの部材がくっついた状態から、剥がすのにより大きな力が必要であることを意味するものとする。
前記第2のフィルムの外面には離型剤が塗布されることが望ましい。また、前記第2のフィルムの外部に、さらに第3のフィルムが設けられ、前記第1および第2のフィルム同士の接着力は、前記第2および第3のフィルム同士の接着力よりも強いことが望ましい。
前記保護層は、ポリエチレン押出被覆層または自己融着性ポリエチレンテープ層であり、前記第1のフィルムおよび前記第2のフィルムおよび/または前記第3のフィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルムであることが望ましい。また、前記繊維補強シートは、前記第1のフィルムと前記第2のフィルムの間に設けられる高張力繊維がポリアリレート繊維やアラミド繊維からなることが望ましい。
第1の発明によれば、繊維補強層が一対のフィルムで補強繊維を挟み込んだ繊維補強シートにより形成されるため、極めて薄い補強層を得ることができる。また、補強繊維を挟み込んだフィルム同士の接着力が、外部の保護層と繊維補強シートとの接着力よりも強いため、保護層を除去する際に、補強層を形成するフィルム同士がはがれることがなく、容易に保護層を除去することができる。
また、保護層を除去後も、繊維補強シートで形成された繊維補強層は、内部の樹脂管に巻きつけられた状態を維持するため、保護層を除去した部分の耐内圧特性を低下させることがなく、また、保護層を元の状態に戻せば、そのまま使用を継続することもできる。
補強層と保護層との剥離性は、繊維補強シートを構成する外周側のフィルムの外面に離型剤を塗布することでより高くすることができる。
また、繊維補強シートの外面にさらにフィルムを設けることで、繊維補強シートと外面に追加されたフィルムとが容易に剥離できれば、外部の保護層をさらに容易に剥離することができる。
第2の発明は、第1の発明の繊維補強複合管を用い、前記繊維補強複合管の端部の前記保護層を前記繊維補強層から剥離し、巻きつけられた前記繊維補強層を一旦前記樹脂管からほどき、前記樹脂管を剥き出しにした状態で、前記繊維補強複合管の端部を管継手に接続し、前記繊維補強複合管と前記継手との接合部近傍に、再度、前記繊維補強層巻き戻し、外周に新たに保護層を設けることを特徴とする繊維補強複合管の端末処理方法である。
第2の発明によれば、前記樹脂管の接続後、前記繊維補強層を前記樹脂管に巻き戻し、固定するため、保護層を除去しても繊維補強層が管体の全周にわたり維持されるため、耐内圧特性を維持したまま、繊維補強複合管の端末加工を行うことができる。
本発明によれば、保護層のみを容易に除去可能であり、繊維補強層の厚みを厚くすることなく、耐内圧特性に優れた繊維補強複合管および繊維補強複合管の端末処理方法を提供することができる。
繊維補強複合管1を示す図で、(a)は斜視図、(b)は断面図である。 繊維補強シート9を示す図で、(a)は構造を示す斜視図、(b)は(a)のA−A線断面図である。 繊維補強複合管1の保護層7を剥離した状態を示す図で、(a)は断面図、(b)は(a)のB部拡大図である。 繊維補強複合管20の断面図である。 繊維補強シート30を示す図である。 繊維補強複合管31の保護層7を剥離した状態を示す図で、(a)は断面図、(b)は(a)のB部拡大図である。 保護層と補強繊維層との接着力を示す図である。
以下図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、繊維補強複合管1を示す図であり、図1(a)は斜視図、図1(b)は断面図である。繊維補強複合管1は、主に樹脂管3、繊維補強層5、保護管7等から構成される。
樹脂管3は、例えばポリエチレン製であり、可撓性を有する。樹脂管3内部に輸送物が流れされる。樹脂管3の外周には、繊維補強層5が設けられる。樹脂管3のみでは、内部からの圧力に対する耐内圧特性が高くないため、単体で高圧流体を輸送することはできないが、繊維補強層5によって、樹脂管3の耐内圧特性を高め、高圧管として利用することができる。
繊維補強層5は、後述する高張力繊維を有する繊維補強シートから構成される。繊維補強層5は、樹脂管3の外周に繊維補強シートが巻きつけられることで形成される。繊維補強シートの詳細については後述する。
繊維補強層5の外周には保護層7が設けられる。保護層7は、例えばポリエチレン製の被覆層であり、繊維補強層5や樹脂管3を外部からの損傷や紫外線から保護するためのものである。
保護層7は、樹脂管3のサイズによってその成型方法を変える場合がある。たとえば、50〜100φ程度の比較的小径の樹脂管3の場合は、押出し被覆により形成される。この場合、極めて容易に保護層7を形成することができる。一方、150〜200φ程度の比較的大径の樹脂管3の場合には、自己融着性ポリエチレン保護テープ等を繊維補強層5の外周に巻きつけて形成される。
次に、繊維補強シートについて説明する。図2は、繊維補強シート9を示す図であり、図2(a)は繊維補強シート9の斜視図、図2(b)は図2(a)のA−A線断面図である。
繊維補強シート9は、主にフィルム11a、11b、および高張力繊維13等から構成される。高張力繊維13は、繊維補強シート9の長さ方向に複数平行に並べて配置され、フィルム11a、11bによって挟まれている。繊維補強シート9が樹脂管3に巻きつけられた際には、高張力繊維13は樹脂管3の周方向に配置される。なお、図示を省略するが、高張力繊維13を整列させるために、あらかじめポリエステル繊維等に高張力繊維13を編みこんでおくことが望ましい。この場合、フィルム11a、11bには、ポリエステル繊維および高張力繊維13が挟まれた構造となる。
高張力繊維13としては、ある程度のやわらかさとヤング率を備えていれば良く、例えばポリアリレート繊維やポリアラミド繊維等が使用できる。ここで、繊維補強層の厚さを抑えるために100〜9000dtexのフィラメントを配列するものを使用すれば良い。繊維補強層の繊維の配置が100dtexより少ない場合は、補強に必要な繊維本数が多くなり、コストアップやシート製造時のボビン数が多くなりすぎ製造性の低下をまねく。また、9000dtexより大きい場合は、繊維補強層の厚さが増し管径が大きくなってしまう。さらに、高張力繊維13は1100〜3300dtex程度のフィラメントを配置されることが望ましく、例えば、60mm幅の繊維補強シート9に対して、50本程度配置すればよい。
フィルム11a、11bは、高張力繊維13を挟み込んで互いに接着剤等により接着している。接着方法としては、例えば、ポリアミド系の接着剤による接着や、熱ラミネートなどの方法が使用できる。なお、フィルム11a、11bの接着強度は、保護層7と繊維補強層5との接着力よりも強固であることが望ましい。
また、フィルム11a、11bは、ある程度のやわらかさがあれば良く、例えば厚さ25μm程度の樹脂製である。なお、繊維補強層5の外周に保護層7を押し出し被覆する場合には、被覆時に繊維補強シート9に熱が加わる。このため、繊維補強シート9に熱が加わるような場合には、フィルム11a、11bを例えば耐熱性を有するポリエチレンテレフタレート等の高融点フィルムとすることが望ましい。
次に、繊維補強複合管1の使用時における保護層7の剥離について説明する。繊維補強複合管1は、例えば接続部等において、端末加工を施す必要がある。端末加工は、繊維補強複合管1の外層である保護層7を一度剥離して、継手等と接合した後、再度保護層によって継手部が被覆される。また、繊維補強複合管1に異常が見られた場合に、繊維補強複合管1の補修部についても同様に保護層7を剥離する必要がある。補修が終了した後、保護層によって再び被覆される。
このように、繊維補強複合管1は、保護層7を剥離する必要がある場合がある。このような場合において、保護層7が補強繊維と貼りついてしまうと、保護層7の剥離の際に繊維補強層5までもが剥離する恐れがある。繊維補強層5は前述の通り樹脂管3に巻きつけられているため、一度破断等してしまうと補修が困難である。また、保護層7と高張力繊維が一体化してしまうと、保護層7の剥離が非常に困難となる。
図3は、本実施形態の繊維補強複合管1に対して、保護層7を剥離した状態を示す図であり、図3(a)は保護層7の一部を剥離した状態の断面図、図3(b)は図3(a)のB部拡大図である。
繊維補強複合管1では、高張力繊維13(図示せず)はフィルム11a、11b(図示せず)によって挟まれている。したがって、高張力繊維13と保護層7とは直接に接触しない。また、保護層7と繊維補強層5との間は、押出し被覆や自己融着性ポリエチレンテープ等により接着している。一方、フィルム11a、11b同士の接着力は、保護層7と繊維補強層5との付着力よりも強固である。
したがって、図3(b)に示すように、保護層7は繊維補強層5のフィルム11b(繊維補強層5の外周側のフィルム)との間で剥離する。すなわち、保護層7を剥離した状態では、繊維補強層5は損傷を受けず、高張力繊維13等が破断したり、高張力繊維13の配置が乱れたりするようなことがない。
以上説明したように、第1の実施形態にかかる繊維補強複合管1によれば、繊維補強層5が一対のフィルム11a、11bで高張力繊維13を挟み込んだ繊維補強シート9により形成されるため、極めて薄い補強層5を得ることができる。また、高張力繊維13を挟み込んだフィルム11a、11b同士の接着力が、外周の保護層7と繊維補強シート9との接着力よりも強いため、保護層7を除去する際に、繊維補強層5を形成するフィルム11a、11b同士がはがれることがなく、容易に保護層7を除去することができる。このため、保護層7を剥離する際に、フィルム11a、11b同士が剥離することがなく、このため高張力繊維13が破断したり乱れたりすることがない。
また、保護層7を除去後も、繊維補強シート9で形成された繊維補強層5は、内部の樹脂管3に巻きつけられた状態を維持するため、保護層7を除去した部分の耐内圧特性を低下させることがない。例えば、保護層7のみを除去した後、繊維補強層5をほどくことで、樹脂管3を露出させることで容易に管継手等との接続を行うことができ、また、この際、繊維補強層5が損傷を受けないので、繊維補強層5を巻き戻せば、容易に耐内圧特性を元に戻すことができる。さらにこの上に、新たに保護層を巻きつけることで、耐内圧特性を低下させることなく、容易に管体の端末加工を行うことができる。
また、保護層7が押出し被覆等で形成される場合のように熱が加わる場合には、フィルム11a、11bをポリエチレンテレフタレートなどの高融点フィルムとすることで、熱によって溶融等することがない。なお、保護層7が自己融着性ポリエチレンテープ層であれば、熱が加わることがないため、フィルム11a、11bに耐熱性は不要である。また、補修等においても再度自己融着性ポリエチレンテープを巻きつければよいため作業が容易である。
次に、第2の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態において、図1〜図3に示す繊維補強複合管1等と同一の機能を果たす構成要素には、図1〜図3と同一番号を付し、重複した説明を避ける。
図4は、第2の実施の形態にかかる繊維補強複合管20を示す図である。繊維補強複合管20は、繊維補強複合管1に対して更に離型層21を有する点で異なる。繊維補強複合管20は、繊維補強層5と保護層7との間に離型層21が設けられる。
離型層21は、離型剤を塗布した層である。例えば繊維補強層5の外周に位置するフィルムの外周面にあらかじめ離型剤を塗布しておき、離型剤の上から保護層7を被覆する。離型層21は、保護層7が繊維補強層5と強固に接着することを防ぎ、保護層7の剥離性を高めるためのものである。離型剤としては、例えばシリコーン樹脂が使用できる。
第2の実施の形態にかかる繊維補強複合管20によれば、繊維補強複合管1と同様の効果を得ることができる。また、離型層21を有するため、保護層7と繊維補強層5との剥離性が高まる。このため、繊維補強層5を構成するフィルム11a、11b同士の接着が保護層7の剥離の際にはがれることがなく、高張力繊維13の破断や乱れをより確実に防止することができる。また、保護層7と線補強層5との接着力が小さくなるため、保護層7の剥離が極めて容易である。
次に、第3の実施の形態にかかる繊維補強シート30について説明する。繊維補強シート30は、繊維補強シート9に対して、さらにフィルム11cが貼り付けられる点で異なる。繊維補強シート30は、フィルム11cが最外周に来るように樹脂管3に巻きつけられる。すなわち、繊維補強層5は、内側から、フィルム11a、高張力繊維13、フィルム11b、フィルム11cの順に構成される。
フィルム11bとフィルム11cとは容易にはがせる程度の接着力を有すれば良く、接着剤等を使用しなくともよい。なお、フィルム11cは、樹脂管3の外周にフィルム11a、11bからなる繊維補強シート9を巻きつけたのち、さらに外周にフィルム11cを巻きつけてもよい。
図6は、本実施形態の繊維補強複合管31に対して、保護層7を剥離した状態を示す図であり、図6(a)は保護層7の一部を剥離した状態の断面図、図6(b)は図6(a)のB部拡大図である。
図6(b)に示すように、保護層7を剥離した際に、保護層7はフィルム11cとともにはがされるが、フィルム11bおよびフィルム11aの接着は剥がれない。すなわち、フィルム11bとフィルム11cとの接着力が極めて小さいため、保護層7の剥離時には、フィルム11b、11c間で剥離し、フィルム11a、11b間の接着が剥離することはない。
第3の実施の形態にかかる繊維補強複合管31によれば、繊維補強複合管1と同様の効果を得ることができる。また、フィルム11cを有するため、保護層7と繊維補強層5との剥離性が高まる。このため、繊維補強層5を構成するフィルム11a、11b同士の接着が保護層7の剥離の際にはがれることがなく、高張力繊維13の破断や乱れをより確実に防止することができる。また、保護層7の剥離が極めて容易である。
本発明にかかる繊維補強複合管1および繊維補強複合管20等に使用される保護層と繊維補強層を構成するフィルムとの接着強度および、繊維補強層を構成するフィルム同士の接着強度を調査した。
保護層としては、自己融着性ポリエチレンテープを用いた。自己融着性ポリエチレンテープは、時間の経過とともに接着力が強くなるため、接着強度の経時変化についても合わせて調査した。
フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート製のフィルムを用いた。また、離型剤としてはシリコーン樹脂を用いた。離型剤を使用する場合には、あらかじめフィルム上に離型剤を塗布し、その上から自己融着性ポリエチレンテープを張り付けた。
フィルム同士の接着にはポリアミド系の接着剤を用いた。なお、接着剤を使用しない状態でのフィルム同士は、静電気による張り付きはあるものの、接着力はほとんど有さないため、試験から除外した。
接着力の試験はJIS K6854−3「接着剤−はく離接着強さ試験方法−第3部:T型剥離」に規定された剥離試験に準じて行った。各試験片は幅25mmとし、各試験対象の接着面を2kgのローラにて1往復させて接着した。剥離速度は10mm/分として、15分間剥離を行った。剥離試験における平均剥離力を接着強度として求めた。
結果を図7に示す。図7は、剥離試験を行った結果の接着強度について接着後の径時変化を調査したものである。図中Cはフィルム同士の接着、Dは自己融着性ポリエチレンテープとフィルムとの接着、Eは自己融着性ポリエチレンテープとフィルムとの間に離型剤を塗布した場合の接着を示す。なお、フィルム同士の接着を行わない場合には、接着力は略0となる。
結果より、フィルム同士の接着(C)は径時変化がなく、高い接着力を示した。これに対し、自己融着性ポリエチレンテープとフィルムとの接着(D、E)は、日数が経過するにつれて徐々に接着強度が高くなるが、フィルム同士の接着に比べて接着力は低かった。したがって、自己融着性ポリエチレンテープをはがすと、フィルム同士の接着が剥がれるよりも先に、自己融着性ポリエチレンテープとフィルムとの接着がはがれることが分かる。
また、DとEとを比較すると、離型剤を塗布したEの方がより接着強度が低くなった。このため、離型剤を塗布することにより、より確実にフィルム同士の接着が剥離することを防止できることが分かった。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1、20、31………繊維補強複合管
3………樹脂層
5………繊維補強層
7………保護層
9、30………繊維補強シート
11a、11b、11c………保護層
13………高張力繊維
21………離型層

Claims (6)

  1. 樹脂管と、
    前記樹脂管の外部に設けられた繊維補強層と、
    前記繊維補強層の外部に設けられた保護層と、
    を具備し、
    前記繊維補強層は、内面側に設けられる第1のフィルムと外面側に設けられる第2のフィルムとで高張力繊維が挟まれた繊維補強シートで形成され、
    前記第1および第2のフィルム同士の接着力は、前記保護層と前記繊維補強層との間の接着力よりも強いことを特徴とする繊維補強複合管。
  2. 前記第2のフィルムの外面には離型剤が塗布されることを特徴とする請求項1記載の繊維補強複合管。
  3. 前記第2のフィルムの外部に、さらに第3のフィルムが設けられ、前記第1および第2のフィルム同士の接着力は、前記第2および第3のフィルム同士の接着力よりも強いことを特徴とする請求項1記載の繊維補強複合管。
  4. 前記保護層は、ポリエチレン押出被覆層または自己融着性ポリエチレンテープ層であり、前記第1のフィルムおよび前記第2のフィルムおよび/または前記第3のフィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の繊維補強複合管。
  5. 前記繊維補強シートは、前記第1のフィルムと前記第2のフィルムの間に設けられる高張力繊維がポリアリレート繊維やアラミド繊維からなることを特徴とする請求項4に記載の繊維補強複合管。
  6. 請求項1〜請求項5の繊維補強複合管を用い、前記繊維補強複合管の端部の前記保護層を前記繊維補強層から剥離し、巻きつけられた前記繊維補強層を一旦前記樹脂管からほどき、前記樹脂管を剥き出しにした状態で、前記繊維補強複合管の端部を管継手に接続し、前記繊維補強複合管と前記継手との接合部近傍に、再度、前記繊維補強層巻き戻し、外周に新たに保護層を設けることを特徴とする繊維補強複合管の端末処理方法。
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