しかしながら、このようなパチンコ遊技機にあっては、メイン制御基板から送信されるコマンドに基づいて、VDPに接続された液晶表示器への演出の表示が、図13に示す流れで行われるようになっている。すなわち、遊技盤の始動入賞口に遊技球が入賞(S11)すると、メイン制御基板で、始動入賞口への入賞により取得した大当たり乱数に基づく「当たり」「ハズレ」の抽選と、始動入賞口への入賞により取得した変動パターン乱数に基づく変動パターンの抽選(S12)が行われる。
そして、ステップS12で抽選が行われると、この抽選結果に基づく前記変動パターンに関するコマンドと、液晶表示器に表示される「当たり」や「ハズレ」の図柄(特別図柄)に関するコマンド、及び遊技状態が、通常遊技状態、大当たり遊技状態、時短遊技状態、確変遊技状態の何れかであるかを示すコマンドが演出制御用CPUに送信(S13)される。ここで、通常遊技状態とは、特別図柄当選確率や普通図柄当選確率、普通図柄変動時間、電動チューリップ(電チューという)開放時間が所定に設定された普通の遊技状態であり、前記大当たり遊技状態とは、「当たり」「ハズレ」の抽選で「当たり」の場合の遊技状態である。また、前記時短遊技状態とは、前記大当たり遊技状態が終了した後に、液晶表示器による特別図柄の表示時間や普通図柄表示器による普通図柄の表示時間を短縮させた遊技状態であり、通常普通図柄当選確率が高確率となり普通図柄変動時間が短く設定され、かつ電チュー開放時間が長く設定される。また、前記確変遊技状態とは、前記大当たり遊技状態で停止した特別図柄が例えば奇数である場合の遊技状態で、通常特別図柄当選確率と普通図柄当選確率が高く設定されると共に、普通図柄変動時間が短く、かつ電チュー開放時間が長く設定される。
そして、演出制御用CPUは、ステップS13でメイン制御基板からコマンドが送信されると、このコマンドに基づく抽選により、テーブル取得及び演出選択を行って演出表示用情報を取得(S14)し、この取得した演出表示用情報を画像・音声制御用CPU(図では画像制御用CPU)に送信する。画像・音声制御用CPUは、演出表示用情報を取得したら、該情報に基づき表示処理(S15)してVDPを介して液晶表示器に所定の演出表示をする。
そして、前記演出制御用CPUによるテーブルの取得は、図14に示すようにして行われる。すなわち、プログラムがスタート(S1011)すると、前記ステップS12で抽選された変動パターンが変動パターン1か否かが判断(S1012)され、この判断S1012で「YES」の場合は、変動パターン1用テーブルを選択(S1015)し、「NO」の場合は変動パターン2か否かが判断(S1013)される。この判断S1013で「YES」の場合は、変動パターン2用テーブルを選択(S1016)し、「NO」の場合は次の変動パターンか否かが判断される。
このような判断を変動パターンの数(例えば200)だけ繰り返し、変動パターンが200か否かが判断(S1014)され、この判断S1014で「YES」の場合は、変動パターン200用テーブルを選択(S1017)し、「NO」の場合はリターン(S1018)となる。これにより、変動パターンのテーブルが取得される。なお、変動パターンのテーブルは、例えば図15に示すように、分母を255とし、所定の乱数が割り当てられたステップ1〜5からなるグループ1と小キャラA〜Eからなるグループ2等によって構成されている。このとき、グループ1のステップ1は、例えばキャラクターとしての隊員が通過して終了するステップであり、ステップ2は、隊員が何かを見つけるもそこに誰もいない状態で終了するステップであり、ステップ3は、隊員が何かを見つける宇宙人を発見して終了するステップであり、ステップ4は、宇宙人の背後から怪獣が登場して終了するステップであり、ステップ5は、隊員が変身するステップである。つまり、グループ1のステップ1〜5によって液晶表示器に所定のストーリが表示されることになる。また、グループ2の小キャラA〜Eとは、前記隊員や図18に示すキャラクタKのように、液晶表示器に表示されるキャラクタの種類に関するテーブルである。
また、演出制御用CPUは、変動パターンのテーブルを取得すると、図16に示すようにして、演出を選択する。すなわち、プログラムがスタート(S2011)すると、グループ1演出用の乱数を取得(S2012)し、ステップ1に当選したか否かが判断(S2013)され、この判断S2013で「YES」の場合は、ステップ1選択フラグをON(S2017)とし、「NO」の場合はステップ2に当選したか否かが判断(S2014)される。判断S2014で「YES」の場合は、ステップ2選択フラグをON(S2018)とし、「NO」の場合は次のステップ3に当選したか否かが判断される。このような判断をステップ5まで繰り返し、グループ2演出用乱数を取得(S2015)して、ステップ1〜5と同様に、小キャラA〜Eに当選したか否かがそれぞれ判断され、小キャラEに当選したか否かの判断(S2016)で「YES」の場合は小キャラE選択フラグをON(S2019)とし、「NO」の場合はリターン(S2020)となる。
さらに、演出制御用CPUは、図17に示すようにして演出表示用情報を取得する。すなわち、プログラムがスタート(S3011)すると、ステップ1選択フラグがONか否かが判断(S3012)され、この判断S3012で「YES」の場合はステップ1演出表示用情報を取得して画像・音声制御用CPUに送信(S3015)し、「NO」の場合は、ステップ2選択フラグがONか否かが判断(S3013)される。この判断S3013で「YES」の場合は、ステップ2演出表示用情報を取得し画像・音声制御用CPUに送信(S3016)する。
このような動作をステップ3〜5及び小キャラA〜Dまで行い、小キャラE選択フラグがONか否かの判断S3014で「YES」の場合は、小キャラE演出表示用情報を取得して送信(S3017)し、「NO」の場合はリターン(S3018)となる。なお、演出表示用情報としては、図18に示すように、どのキャラクタKを表示するかのキャラクタ情報J1と、キャラクタKの画面上におけるX座標とY座標からなる位置を示す位置情報J2と、キャラクタKの表示する大きさを示すサイズ情報J3と、キャラクタKの透過状態を示す透過情報J4と、このようなキャラクタKを何フレーム表示するかを示す表示時間情報J5が使用される。
そして、このようにして演出表示用情報が演出制御用CPUから画像・音声制御用CPUに送信されると、画像・音声制御用CPUは、図19に示すように動作する。すなわち、プログラムがスタート(S4011)すると、表示するキャラクタ情報J1を取得したか否かが判断(S4012)され、この判断S4012で「YES」の場合は、キャラクタの位置情報J2を取得したか否かが判断(S4013)される。この判断S4013で「YES」の場合は、キャラクタのサイズ情報J3を取得した否かが判断(S4014)され、同様に、キャラクタの透過情報J4を取得したか否かが判断(S4015)され、その後、キャラクタの表示時間情報J5を取得したか否かが判断(S4016)される。これらの判断S4012〜S4016で「YES」となり、5つの情報J1〜J5を全て取得した場合に、受信した情報J1〜J5を元にVDPを介して液晶表示器に表示(S4017)してリターン(S4018)となる。
つまり、演出制御用CPUにより、メイン制御基板から送信される変動パターン、図柄、遊技状態のコマンドから、テーブル取得及び演出選択により表示用の演出が選択され、この選択された演出に関する5つの演出表示用情報J1〜J5が画像・音声制御用CPUに送信される。そして、画像・音声制御用CPUは、演出制御用CPUから送信された5つの演出表示用情報J1〜J5に基づいて液晶表示器に演出表示を行うことになる。
そのため、演出制御用CPUと画像・音声制御用CPUにおける演出画像を表示するための作業負担割合が、図7(b)に示すように、演出制御用CPUが80%で画像・音声制御用CPU(図では画像制御用CPU)が20%となり、演出制御用CPUへの作業が集中してその負担が大きくなる。その結果、演出制御用CPUとして高速、高容量、高コストのCPUを使用する必要がありコスト的に不利になり易い。また、キャラクタを描画するたびに両CPU間で通信する必要があり、通信回数が増えて制御が複雑化すると共に、演出制御用CPUが実装された基板を外注化する場合等に、演出制御用CPUに格納されている多量の情報の気密保持を十分に行うことが難しい等の問題点を有している。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、演出制御用CPUと画像制御用CPUの作業負担割合を均等化して、コスト的に有利なCPUの使用が可能になると共に、演出制御用CPUに格納されている情報の気密保持に十分に対応できる等のパチンコ遊技機を提供することにある。
かかる目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、遊技の進行を制御するメイン制御手段(25)と、複数の図柄を変動表示させる図柄表示装置(9)と、前記メイン制御手段からの信号に基づき前記図柄表示装置による表示を制御する演出制御手段(27)と、を備え、前記図柄表示装置の図柄が予め定められた配列で揃って停止したときに、大当たり状態が発生するパチンコ遊技機(1)において、前記演出制御手段(27)は、前記メイン制御手段(25)のメインCPU(25a)に接続されて演出に関する信号を処理する演出制御用CPU(36)と、該演出制御用CPU(36)に接続されると共にVDP(38)が接続されて画像に関する信号を処理する画像制御用CPU(37)を備え、前記演出制御用CPU(36)は、変動パターンからテーブルを取得する制御と、取得したテーブルから演出を選択する制御、及び選択した演出に関するコマンドを画像制御用CPU(37)に送信する制御を行い、前記画像制御用CPU(37)は、演出制御用CPU(36)から送信されるコマンドに基づき選択されたフラグから演出表示用情報(J1〜J5)を取得する制御と、取得した情報に基づき表示処理する制御を行うことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記演出表示用情報が、表示するキャラクタ情報(J1)、キャラクタの位置情報(J2)、キャラクタのサイズ情報(J3)、キャラクタの透過情報(J4)、キャラクタの表示時間情報(J5)であることを特徴とする。また、請求項3に記載の発明は、前記演出制御用CPU(36)が、前記VDP(38)からVBLANK割り込みが行われることにより、前記画像制御用CPU(37)と同期して動作することを特徴とする。
本発明のうち請求項1に記載の発明によれば、演出制御手段が演出制御用CPUと画像制御用CPUを備え、演出制御用CPUがテーブルの取得と演出の選択及びコマンド送信に関する制御を行い、画像制御用CPUが演出表示用情報の取得と表示処理を行うため、従来演出制御用CPUで行っていた演出表示用情報の取得を画像制御用CPUで行うことができ、両CPUの作業負担割合を均等化して、例えば演出制御用CPUとしてコスト的に有利なCPUを使用することができる。また、演出制御用CPUに演出に関する全ての情報が格納されないため、演出制御基板を外注化する場合等の情報の気密保持に十分に対応できると共に、技術習得範囲が狭くなり作業分担がし易くなったり、演出制御用CPUの作業量が減るため、マージミス防止になる。さらに、デバックが容易になったり、開発を容易に行うこと等ができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、演出表示用情報として、表示するキャラクタ情報、キャラクタの位置、サイズ、透過及び表示時間の5つの情報が使用されるため、キャラクタを画面上に効果的に演出表示することができる。
また、請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の発明の効果に加え、演出制御用CPUにVDPからVBLANK割り込みが行われるため、画像制御用CPUによる制御と図柄表示装置の表示とを同期させることができて、例えば演出ボタンの操作と表示画像との間にずれがなくなり、パチンコ遊技の興趣を高めることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜図12は、本発明を適用したパチンコ遊技機の一実施形態を示している。図1に示すように、パチンコ遊技機1は、外枠2の前面にガラス扉3を有する前面枠4が開放可能に配設され、この前面枠4の内側には遊技盤5が配設されている。また、前面枠4は、その下方右隅部に発射ハンドル6が配設されると共に中央下部に打球供給皿7が配設されている。前記遊技盤5は、その遊技領域中の略中央部に、図柄表示装置としてのカラーの液晶表示器9が配設されている。
この液晶表示器9の中央位置の下方には始動入賞口10が配設されると共に、その両側に普通入賞口11やゲート12が配設され、さらに始動入賞口10の下方には、電動チューリップ13と大入賞口14が開放可能に配設されている。また、液晶表示器9の左右は後述する盤ランプ31等が内蔵された装飾カバー15で覆われると共に、液晶表示器9の上部には役物装置16が配設されている。さらに、打球供給皿7の例えば正面には演出ボタン17が配設され、また、遊技盤5の下方右隅部には、特別図柄保留ランプ18、普通図柄保留ランプ19、特別図柄表示器20、普通図柄表示器21(図2参照)等が配設されている。
図2は、前記パチンコ遊技機1の制御系のブロック図を示している。以下、これについて説明する。パチンコ遊技機1は、パチンコ遊技の基本的な動作(遊技の進行)を制御し始動条件成立時に図柄変動コマンドや各種コマンドを出力するメイン制御基板25(メイン制御手段)と、このメイン制御基板25に接続されたサブ制御基板26を備えている。サブ制御基板26は、メイン制御基板25から入力されるコマンドに基づいて液晶表示器9で表示される図柄の変動等を制御したりスピーカ32から発せられる音声を制御する演出制御基板27(演出制御手段)と、メイン制御基板25から入力されるコマンドデータに基づいて遊技球の払出を制御する払出制御基板28と、枠ランプ30や盤ランプ31の点灯を制御するランプ制御基板29等で構成されている。
なお、前記メイン制御基板25は、メインCPU25a、ROM25b、RAM25cを有し、その入力側に、前記始動入賞口10に配設された始動口スイッチ10a、前記普通入賞口11に配設された普通入賞口スイッチ11a、前記ゲート12に配設されたゲートスイッチ12a、前記大入賞口14に配設された大入賞口スイッチ14a等が接続されている。また、メイン制御基板25の出力側には、前記電動チューリップ13に配設された電チューソレノイド13a、前記大入賞口14に配設された大入賞口ソレノイド14b、前記特別図柄保留ランプ18、普通図柄保留ランプ19、特別図柄表示器20及び普通図柄表示器21等が接続されている。
前記払出制御基板28は、払出CPU28a、ROM28b、RAM28cを有し、その出力側には払出駆動モータ33が接続されている。また、前記ランプ制御基板29は、ランプCPU29a、ROM29b、RAM29cを有し、その出力側に枠ランプ30と盤ランプ31が接続されると共に前記役物装置16が接続されている。
前記演出制御基板27は、図3に示すように、メイン制御基板25のメインCPU25aに図示しないI/Oポートを介して(以下同じ)に一方向通信可能に接続された演出制御用CPU36と、この演出制御用CPU36に双方向通信可能に接続された画像・音声制御用CPU37と、この画像・音声制御用CPU37に双方向通信可能に接続されたVDP38及び音声チップ39等を備えている。また、VDP38は、演出制御用CPU36に一方向通信可能に接続され、また、演出制御用CPU33にはランプ制御基板29のランプCPU29aが一方向通信可能に接続されている。なお、演出制御用CPU36には、ROM40、RAM41、RTC42が接続されると共に前記演出ボタン17が接続され、また、画像・音声制御用CPUには、ROM43、RAM44が接続されている。
なお、前記演出制御用CPU36は、予告等の抽選を行ったり、メイン制御基板25から受信したコマンドを処理してプログラミングを含む各制御部にコマンドを送信したり、あるいは時計専用のチップである前記RTC42の時間(日時)をチェックする等の働きを主にするようになっている。また、前記画像・音声制御用CPU37は、演出制御用CPU36から受信したコマンドを解析・処理して指令を送ったり、演出制御用CPU36から変動開始時に受信したコマンドに沿ってタイミング良くVDP38に指令を送り、例えばステップアップのランプの開始タイミングを指令したり、スーパーリーチの開始タイミングを指令する等の働きを主にするようになっている。さらに、前記VDP38は、画像・音声制御用CPU37からブログラム等により受信したコマンド等の指令に沿って実際に絵を描く働きをするようになっている。
そして、前記演出制御基板27は、図4に示すようにして演出表示を行う。すなわち、遊技盤5の始動入賞口10に遊技球が入賞(S1)すると、メイン制御基板25のメインCPU25aで「当たり」「ハズレ」と変動パターンの抽選(S2)が行われ、その抽選結果に基づいて変動パターンと図柄及び遊技状態がコマンドとして演出制御基板27の演出制御用CPU36に送信(S3)される。演出制御用CPU36は、メイン制御基板25からコマンドが送信されると、このコマンドに基づいて変動パターンからテーブルを所得すると共に、選択したテーブルから演出を選択して、その選択情報を画像・音声制御用CPU37に送信(S4)する。また、画像・音声制御用CPU37(図では画像制御用CPU)は、演出制御用CPU36から送信されるコマンドに基づき、選択したフラグから演出表示用情報を取得すると共に、表示処理(S5)を行う。
前記ステップS4における変動パターンからテーブルを取得するフローは、図14と同様に行われ、使用されるテーブルとしては、例えば図15に示すものが使用される。そして、演出制御用CPU36でテーブルが取得されると、該演出制御用CPU36は、図5に示すように演出選択してその情報を画像・音声制御用CPU37に送信する。すなわち、プログラムがスタート(S201)すると、ステップ1用演出用乱数を取得(S202)し、ステップ1に当選したか否かが判断(S203)される。
この判断S203で「YES」の場合は、ステップ1を選択情報として画像・音声制御用CPUに送信(S208)し、「NO」の場合は、ステップ2用演出用乱数を取得(S204)し、ステップ2に当選したか否かが判断(S205)される。そして、この判断S205で「YES」の場合は、ステップ2を選択情報として送信(S209)し、このような判断をステップ3〜5及び小キャラA〜Dまで行い、小キャラE用演出用乱数を取得(S206)し、小キャラEに当選したか否かが判断(S207)される。そして、この判断S207で「YES」の場合は、小キャラEを選択情報として送信(S210)し、「NO」の場合はリターン(S211)となる。これにより、演出制御用CPU36で選択されたテーブルに基づき演出選択が行われることになる。
そして、選択された演出情報が前記画像・音声制御用CPU37に送信されると、画像・音声制御用CPU37は、図6に示すようにして演出表示用情報を取得する。すなわち、プログラムがスタート(S301)すると、ステップ1の選択情報を受信したか否かが判断(S302)され、この判断S302で「YES」の場合は、ステップ1演出表示用情報を取得(S305)し、「NO」の場合は、ステップ2の選択情報を受信したか否かが判断(S303)される。この判断S303で「YES」の場合は、ステップ2演出表示用情報を取得(S306)する。
このようなステップをステップ3〜5及び小キャラA〜Dまで行い、小キャラEの選択情報を受信したか否かが判断(S304)され、この判断S304で「YES」の場合は、小キャラE演出表示用情報を取得(S307)し、「NO」の場合はリターン(S308)となる。これにより、画像・音声制御用CPU37で、演出表示用情報が取得されることになる。なお、演出表示用情報としては、図18に示す、前記キャラクタ情報J1、位置情報J2、サイズ情報J3、透過情報J4及び表示時間情報J5が使用される。
また、前記画像・音声制御用CPU37は、演出表示用の情報を取得すると、その情報に基づいて図19と同じフローにより、表示処理を行う。つまり、前記演出制御基板27の場合、演出制御用CPU36で行う作業が、テーブルの取得と演出の選択となり、また、画像・音声制御用CPU37で行う作業が演出表示用情報の取得と表示処理となる。これにより、図7(a)に示すように、演出制御用CPU36と画像・音声制御用CPU37における演出表示のための作業負担割合が例えば共に50%の略均等となる。
ところで、図3に示すように、前記演出制御基板27は、VDP38と演出制御用CPU36が一方向通信可能に接続されており、VDP38からVBLANK割り込みが演出制御用CPU36と画像・音声制御用CPU37に同時に行われるようになっている。このVBLANK割り込みにより、演出制御用CPU36の周期(4ms)と画像・音声制御用CPU37の周期(33.33ms)を同期させることができる。以下、このVBLANK割り込み処理を、図8〜図12に基づいて説明する。
前記VDP38は、演出制御用CPU36に一方向通信可能に接続されることにより、図8に示すように、演出制御用CPU36と画像・音声制御用CPU37に、VBLANK割り込みS1が同時に入るように構成されている。そして、演出制御用CPU36は、図9に示すように動作するようなっている。すなわち、メインループが開始(S501)されると、先ず、VBLANK割り込みが有りか否かが判断(S502)され、この判断S502は「YES」になるまで繰り返される。
なお、VBLANK割り込みとは、液晶表示器9の描画を更新するために、液晶表示器9の画面上に何も描画(表示)しない垂直帰線期間(VBLANK)内に行われる割り込みである。このVBLANK割り込みは、図10に示すように、画像・音声制御用CPU37の指令でVDP38により液晶表示器9に実際に描かれる描画が、例えば10msの描画G1から20msの描画G2と変化しメインループの周期である33.33msの描画G3が終了する毎に発生するようになっている。
そして、図9に示す前記判断S502で「YES」になると、すなわち、図10に示す描画G3のようにVDP38により液晶表示器9の描画が終了し、VBLANK割り込みが発生すると、コマンドの受信処理(S503)を行う。その後、アニメーション制御処理(S504)を行う共に音声再生用処理(S505)行って、液晶表示器9に画像表示を行うと共にスピーカ32により音声を再生(S506)し、このステップS506の画像表示において図19の表示処理が実行される。ステップS506が実行されると、メインループが終了(S507)し、ステップS501に戻り、次のVBLANK割り込みの発生を待つことになる。
このような構成により、図11に示すように、VDP38から33.33ms(1フレーム)の周期で、画像・音声制御用CPU37と演出制御用CPU36にVBLANK割り込みS1が同時に入り、画像・音声制御CPU37の周期と演出制御用CPU36の周期を同期させることができる。したがって、例えば100フレーム毎に演出制御用CPU36から画像・音声制御用CPU37にコマンドを送る場合、図12に示すように、VDP38からのVBLNK割り込みS1をカウントアップし、そのカウント数が100となった位置(つまり33.33×100=3333ms)で演出制御用CPU36から画像・音声制御用CPU37にコマンドが送信される。これにより、演出制御用CPU36の周期を画像・音声制御用CPU37(VDP38)の周期と同期させることができる。
このように、前記パチンコ遊技機1によれば、演出制御基板27が演出制御用CPU36と画像・音声制御用CPU37を備え、演出制御用CPU36がテーブルの取得と演出の選択及びコマンド送信に関する制御を行い、画像・音声制御用CPU37が演出表示用情報の取得と表示処理を行うため、従来演出制御用CPU36で行っていた演出表示用情報の取得を画像・音声制御用CPU37で行うことができる。その結果、両CPU36、37の作業負担割合を略均等化して、例えば演出制御用CPU36として低速、低容量、低コストのCPUを使用することができる。
また、演出制御用CPU36に演出表示のための情報が集中していないため、演出に関するバグの修正時に、演出制御用CPU36と画像・音声制御用CPU37のどちらか一方の修正のみで対応することができると共に、演出制御用CPU36に対する技術習得範囲が狭くなり、設計や製造における作業分担がし易くなる。また、製造段階における演出制御基板27の検査等も容易に行うことができると共に、演出制御用CPU36の作業量が減るため、マージミスを防止することもできる。
さらに、プログラムは機種毎に異なるものの、演出制御用CPU36の関数を使い回すことができたり、割り振り数値を変えなくても見たい演出を選択できるため、新機種のパチンコ遊技機の開発を容易に行うことができる。また、例えばデバック用の演出制御用CPUの使用によるシュミレータで、複数のコマンドの組み合わせによるバグを修正でき、デバックを容易に行うことができる。これらのことから、前記CPU自体の低コスト化と合わせ、コスト的に有利な演出制御基板27(パチンコ遊技機1)を提供することが可能となる。
また、演出制御用CPU36が、抽選(当選)結果を画像・音声制御用CPU37に送信することにより、画像・音声制御用CPU37でキャラクタの描画が行われるため、従来のようにキャラクタの描画毎に画像・音声制御用CPU37に情報を送信する必要がなくなり、通信回数を減らすことができる。また、演出に関する情報の略全てが従来のように演出制御用CPU36に集中して格納されないため、演出制御基板27を外注化する場合等に、格納されている情報の気密保持を確実に行うことができる。
またさらに、演出表示用情報として、表示するキャラクタ情報J1、キャラクタの位置情報J2、サイズ情報J3、透過情報J4及び表示時間情報J5の5つの情報が使用されるため、所望のキャラクタを画面上に効果的に演出表示することができて、パチンコ遊技の興趣を高めることができる。
また、演出制御基板27のVDP38が、画像・音声制御用CPU37に双方向通信可能に接続されると共に演出制御用CPU36に一方向通信可能に接続され、このVDP38からVBLANK割り込みS1が演出制御用CPU36と画像・音声制御用CPU37に同時に行われるため、演出制御用CPU36と画像・音声制御用CPU37(VDP38)の周期のずれを防止することができ、演出制御用CPU36による制御とVDP38による液晶表示器9の表示画像とを同期させることができて、演出制御基板27から送信されるコマンドに応じて液晶表示器9に画像をずれなく表示することができる。
特に、演出制御用CPU36がVBLANK割り込みの数S1をカウントアップし、その数が予め設定した所定フレーム数となった際に画像・音声制御用CPU37を介してVDP38に所定のコマンドを送信するようにすれば、例えばVDP38の1フレーム毎にVBLANK割り込みを行うことができて、演出と画像のずれを確実に防止することができる。これにより、例えば演出ボタン17による操作と表示との間にずれがなくなり、遊技者に遊技中に違和感や不快感を与えることを抑制することができて、パチンコ遊技の興趣を十分に高めることが可能となる。
また、VDP38が演出制御用CPU36に直接一方向通信可能に接続されているため、配線構造を簡略して演出制御基板27を安価に形成することができる。またさらに、演出制御基板27に演出制御用CPU36とROM40等が実装されると共に、画像・音声制御用CPU37と画像チップ38やROM43等が実装されているため、1枚の基板27上に、従来の演出制御基板と画像・音声制御基板が一体化された状態となっており、基板の枚数を低減して、パチンコ遊技機1のコストダウンを図ることが可能となる。
なお、前記実施形態においては、演出制御基板27上に、画像と音声を処理可能な画像・音声制御用CPU37を配設したが、本発明は、画像・音声制御用CPU37を画像専用のCPUと音声専用のCPUに分割した構成としても良い。また、前記実施形態においては、VDP38から演出制御用CPU36に直接一方向通信可能に接続したが、例えば、音声・画像制御用CPU37を介して、演出制御用CPU36に一方向通信可能に接続する構成を採用することもできるし、VDP38から演出制御用CPU36への接続を無くしてVBLANK割り込みを同時にしない構成とすることもできる。さらに、前記実施形態においては、演出制御用CPU36と画像・音声制御用CPU37を1枚の基板上に実装したが、例えば演出制御用CPU36とそれに関する部品が実装された基板と、画像・音声制御用CPU37とそれに関する部品が実装された基板とで演出制御基板27を構成することも勿論可能である。