JP2010178655A - 結晶性カロテノイド色素の変色抑制方法 - Google Patents

結晶性カロテノイド色素の変色抑制方法 Download PDF

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Abstract

【課題】親油性成分を含む蒲鉾等の飲食品を、リコピンやβ-カロチン等の結晶性カロテノイド色素を用いて着色する際の変色を抑制する。
【解決手段】
セルロースを結晶性カロテノイド色素と併用して、飲食品を調製する。
【選択図】図1

Description

本発明は、蒲鉾のような水産練り製品を明るい赤色に着色する方法に関する。詳細には、脂質のような親油性成分を含む食品を、トマト色素(リコピン)、ニンジン色素、デュナリエラカロチン(β−カロチン、α−カロチン)、マリーゴールド色素(ルテイン)などの天然物より抽出・精製したもの、カンタキサンチン、β−カロチン、β−アポカロテナールなどの合成品・半合成品等の結晶性カロテノイド色素を用いて着色する際に生じる、該色素の変色を抑制する方法に関する。
従来から様々な食品等の着色に広く用いられている色素の一つに、カロテノイド色素がある。カロテノイド色素は植物や動物、微生物界に広く存在している黄色、橙色、赤色を呈する油溶性の色素であり、ニンジンカロテン色素、パプリカ色素やトマト色素などが知られている。
特にトマト色素の主成分はリコピンとよばれ、鮮やかな赤色を呈し、抗酸化機能を有していることが知られている。かかる色素を用いて食品を着色することが広く行われているが、リコピンは油溶性であるためそのままでは食品の製造に不向きであるため、適当な乳化剤等と用いて水中油型乳化製剤として利用されている。しかしながら、リコピン等の結晶性カロテノイド色素は、水中では不安定であり、乳化製剤としても蛍光灯などによる光劣化、酸化による劣化や経時的な劣化が生じ、乳化状態が壊れ食品製造に支障を来すことが問題となっている。このような結晶性カロテノイド色素を含む乳化製剤の安定性を向上させるために、様々な技術が検討され開示されている。具体的には、次のような技術が挙げられる;
蝶豆から水および/または水溶性有機溶剤で抽出してなる抽出物と、色素を混合する方法(特許文献1)、リコピンが含有されている色素と、ビタミンK2とを含有する方法(特許文献2)、羅布麻抽出物を退色抑制剤の有効成分として用いる方法(特許文献3)、ヒドロキシチロソールを有効成分として用いる退色抑制剤(特許文献4)、セリ科植物、特にアニス、クミン、コリアンダー及びキャラウェイよりなる群から選択される植物の1種以上の溶媒抽出物を退色抑制剤の有効成分として用いる方法(特許文献5)、βカロテン等の着色料で着色されたコンニャク等の食品において、重合リン酸塩、クエン酸塩アミノ酸、さらに好ましくはアミノ酸の高次構造体であるペプチドや蛋白質、を添加する方法(特許文献6)、琥珀粉末を含有することを特徴とする色素の変退色防止剤(特許文献7)、緑豆等の豆の抽出物を退色抑制剤として用いる方法(特許文献8)、澱粉由来の1,5−D−アンヒドロフルクトースをカロチノイド系色素等などとともに飲食品などに添加して色素の安定化をはかる方法(特許文献9)、乳蛋白質加水分買う物を含有させることにより安定性が高く退色安定性の優れた水溶性退色防止剤(特許文献10)、クマツヅラ科の植物抽出物を有効成分として、また必要に応じて酸化防止剤を含有することを特徴とする色素の退色抑制剤(特許文献11)、フェニルプロパノイド類を有効成分として含有することを特徴とする色素の退色抑制剤(特許文献12)、藤茶抽出物を有効成分として含有することを特徴とする色素の退色防止剤(特許文献13)、ペカンナッツ抽出物又はこれとビタミンEを有効成分とするカロチノイド系色素の褪色防止剤(特許文献14)、紅花の葉及び/又は茎を水又は含水アルコールで抽出して得られる成分を有効成分とする水溶性抗酸化剤及び該水溶性抗酸化剤からなる天然色素の褪色防止剤(特許文献15)、ミロバラン、アカメガシワ、ザクロおよび五倍子からなる群より選ばれる少なくとも1種の天然物の溶媒抽出物を含有するカロテノイド系色素またはクルクミンの退色防止剤(特許文献16)、カロチノイド系色素等の色素と、マルトオリゴ糖とを接触・共存させる方法(特許文献17)、ニゲロオリゴ糖、マルトオリゴ糖及びパノースの1種以上を有効成分としてなる色素の退色防止剤(特許文献18)、天然色素と炭素数1〜5のα−ヒドロキシ酸及び/又はその塩の少なくとも1種を含有する天然色素の退色防止方法(特許文献19)、柑橘類由来の抗酸化性成分エリオシトリンを含有する色素の退色防止方法(特許文献20)、脱脂卵黄の加水分解物と水溶性抗酸化剤とを有効成分とするカロチノイド系色素含有材料の退色防止方法(特許文献21)、可溶性卵殻膜と水溶性抗酸化剤とを有効成分とするカロチノイド系色素含有材料の退色防止剤(特許文献22)、ヒマワリ種子抽出物及び茶抽出物を有効成分として含有するカロチノイド系色素用褪変色防止剤(特許文献23)、南天の葉の抽出エキスを有効成分として含有することを特徴とするカロチノイド系色素の退色防止剤(特許文献24)、カロチノイド系色素を含む食品にγ−オリザノールを添加することによって、該食品の退色を防止する方法(特許文献25)、ヒマワリの種子またはその搾油粕を水もしくは含水アルコールで抽出して得られる成分を有効成分として含有する天然色素の退色防止剤(特許文献26)、カロチノイド系色素の油溶物又はその油−水型乳化液を使用して食品その他の被着色物を黄赤色に着色するにあたって、ケルセチン、アピゲニン、ナリンゲニンその他のフラボノイド系物質を併用する黄赤色の退色防止法(特許文献27)などが挙げられる。
特開2005−330418号公報 特開2005−162952号公報 特開2005−87147号公報 特開2005−60534号公報 特開2004−180号公報 特開2004−215570号公報 特開2004−83477号公報 特開2004−33106号公報 特開2003−327861号公報 特開2002−238493号公報 特開2002−233330号公報 特開2002−173608号公報 特開2002−65201号公報 特開2002−53857号公報 特開2002−38151号公報 特開2001−342460号公報 特開2001−294768号公報 特開2000−336354号公報 特開2001−233726号公報 特開2001−11333号公報 特開2000−106843号公報 特開平11−215968号公報 特開平10−94381号公報 特開平08−224068号公報 特開平04−166061号公報 特開平04−110391号公報 特開昭62−243655号公報
前述の技術によって、カロテノイド色素の熱や光による退色を防止することが可能となっても、水産練り製品のように親油性成分を含有する飲食品を結晶性カロテノイド色素の一種であるリコピンを用いて着色する場合、当該飲食品を製造する際に行う加熱殺菌処理によって、リコピンの明赤色が黄〜橙色に変色する事が知られている。これは、リコピンが加熱されて飲食品中の脂質成分に溶解し、鮮やかな赤色が黄〜橙色に変色しているためと考えられる。このことは前述の技術によっても防止できず、食品の外観にも影響を与え食品の嗜好性やイメージの低下を生じるため、解決策が求められていた。
かかる課題を解決するために本願発明者は鋭意研究を行い、親油性成分を含有する飲食品に、結晶性カロテノイド色素とともにメチルセルロース、セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、結晶セルロース、微結晶セルロース、発酵セルロース等のセルロースを添加することにより、結晶性カロテノイド色素の存在下加熱殺菌処理を行っても色素の変色が生じず、食品設計時に想定された通りの鮮やかな色調に着色できるとの知見を得て、本発明に至った。
尚、結晶性カロテノイド色素の一種であるリコピンとセルロースを組み合わせて使用することが先行技術に開示されているが、本願発明はこれらとは異なる技術であり、またこれらに示唆されているものでもない。
例えば特開2005−239953号には、カロテノイド系色素を溶解および/または均一分散する際に、セルロースをアルカリで可溶化して均一に混合した後中和する糖質−カロテノイド系色素固溶体の製造方法が開示されている。具体的には、請求項18にセルロースが例示されているが、液中に色素が均一に、かつ安定に存在する状態とすることが目的であり、具体例としてクチナシ黄色素に糖質ラップをすることで退色が効果的に抑制されるとの記載が段落0033にあるが、結晶性カロテノイド色素の変色を抑制するとの記載はなく、本発明ではメチルセルロースをアルカリで可溶化しておらず、混合後の中和も不要である。
特表2005−528448号には、色素添加物に油性溶液を調製するためにエチルセルロースといった親油性分散剤等を加えて混合する工程等が開示されているが、本発明で得られる着色料製剤とはその調製方法が異なり、「改善された着色効果をもたらす」(段落0009)ことが目的とされているが、変色抑制の記載はない。また、実施例5ではリコピンの色調がどのように改善されたのか、記載されていない。
特開2000−302995号では、水性懸濁トマト色素(リコピン)を乳化処理した後にセルロース系乳化安定剤を添加することによってリコピンを主成分とする色調が良く、しかも着色料が沈降・分離することなく安定に保持し得る、乳化トマト色素の製造方法が開示されている。一方の本発明は、リコピンの着色料の色調を良くすることが目的ではなく、親油性成分を含む例えば水産練り製品のような食品を着色する際に問題となる、リコピン等の変色を抑制する技術であり、この点に関しては当該公報には一切記載されていない。
特許第3302999号では、油性溶剤中のカロテノイドと、水に可分散のマトリックスと安定剤(セルロース)を含む分散体と、乳化剤を含むカロチノイド・コンポジションが開示されている。当該技術により得られる効果は、「エマルション中の油性小球体の寸法の減少化のために均一化され、それにより安定性が向上し、特に、例えば飲料製品の表面での色のリンギングを止めるのに役立つ(公報第4ページ左欄28〜31行)」とされており、本願発明のような変色を抑制するとの記載も示唆もされていない。
特表2004−514419号公報では、水分散性粒状化カロチノイド製剤を製造する方法が記載されており、その中でメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースで噴霧被覆するとされている(請求項17等)が、本願発明では噴霧被覆という手段は用いておらず製剤の状態が異なるものであり、カロテノイドの変色を抑制するとの記載もない。
特開平11−60980号公報にはカロテノイド色素と共に、大豆抽出繊維を有効成分とする分散安定剤を含むことによりカロテノイド色素の分散安定化を図る技術が開示されているが、水系組成物中に特化された技術であり、リコピンの変色を抑制するとの効果は開示されていない。
以上のように、本発明のような結晶性カロテノイド色素の変色を抑制する技術は、従来にない技術である。
本発明で変色が抑制される結晶性カロテノイド色素は、飲食品に通常利用できるカロテノイド系色素の結晶成分を制限無く利用できる。具体的なカロテノイド系色素としては、トマト色素(リコピン)、ニンジン色素、デュナリエラカロチン(β−カロチン、α−カロチン)、マリーゴールド色素(ルテイン)、ヘマトコッカス藻色素(アスタキサンチン)などの天然物由来の色素より抽出・精製したもの、カンタキサンチン、β−カロチン、β−アポカロテナールなどの合成品・半合成品など、一般に入手可能なものが例示でき、これらを単独又は複数を組み合わせて用いることができる。
上記結晶性カロテノイド色素は、飲食品へ添加する際、或いは公知の乳化剤等を用いて調製する際に微細化処理を行っておいてもよい。微細化処理は、適当な溶媒に結晶性カロテノイド色素を入れ、或いは溶媒へ添加する前に予め微細化されていても良い。微細化の方法は公知の技術である粉砕器、乳化器等を利用すれば良く、結果として固形物の粒子径が0.1〜1μmの範囲となるのが好ましい。
次いで、本発明で使用するセルロースとは、食品製造に使用されるセルロース及びその誘導体を利用できる。具体的には、セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、結晶セルロース、微結晶セルロース、発酵セルロースの1種以上を使用することができる。
結晶性カロテノイド色素及びセルロースの添加量、配合割合は、添加する飲食品や目的とする色調に応じて適宜調節すればよいが、一例として結晶性カロテノイド色素とセルロースの配合割合として重量比で1:1以上、好ましくは1:10以上が例示できる。この割合からセルロースの添加量が少なくなると、結晶性カロテノイド色素の変色を充分に抑制することができない。また、添加量を多くすると飲食品の食感に影響が及ぶおそれがあるため、セルロースの添加量を例示すると、飲食品に対し0.01〜2質量%、好ましくは0.05〜1.0質量%がよい。
本発明にある親油性成分を含有する飲食品とは、食品の組成中に脂肪質や精油、油溶性色素といった親油性の成分を含む食品を指す。親油性成分は、食品の原料に本来的に含まれているもの(具体的には、食肉・魚肉中の脂肪分等)の他に、食品製造のために添加する各種製剤に含まれているもの(具体的には色素製剤に含まれる油溶性色素や溶媒、香料製剤に含まれる精油や溶媒、調味料に含まれるオイル成分等)、コーン油や大豆油、ラード等の油脂が例示できる。これらの親油性成分が加熱により溶解し、併存するリコピン等の結晶性カロテノイド色素が溶解することにより生じる色調の変化を、本発明は抑制するのである。
本発明が対象とする飲食品は、一般の食品や飲料をいい、上述のように親油性成分を含むもの全てが対象となる。具体的には、魚肉ハム、魚肉ソーセージ、魚肉すり身、蒲鉾や竹輪、はんぺん、薩摩揚げ、伊達巻き、鯨ベーコン等の水畜産練製品;ハム、ソーセージ、焼き豚等の畜肉加工品;乳飲料、乳酸菌飲料、果汁入り清涼飲料、炭酸飲料、果汁飲料等の飲料類;アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、シャーベット、氷菓等の冷菓;ハードビスケット、クッキー、おかき、せんべい等の焼き菓子;ハードキャンディー、ソフトキャンディー、ドロップ、タフィ、キャラメル、グミキャンディー、ヌガー、ボンボン、バターボール、マーブル、マシュマロ等のキャンディー類;ゼラチンゼリー、ペクチンゼリー、寒天ゼリー等のゼリー類が例示できる。好ましくは水畜産練製品、畜肉加工品、飲料である。また、食品以外にも医薬品、医薬部外品においても利用可能である。尚、食品には、カロテノイド色素を油溶性溶媒に溶解した油溶性の色素製剤、或いは該油溶性の色素製剤を乳化した製剤、カロテノイド色素を黄〜橙色に発色させて使用する食品(具体的にはバターやマーガリン等)があるが、本願発明はこれらとは異なり、リコピンやβ−カロチン等の結晶性カロテノイド色素の結晶が有している色調である鮮やかな赤色を、添加した飲食品においても発色させることを目的としている。
以下に本発明について更に詳細に説明する。
A.結晶性カロテノイド色素の変色防止方法
本発明は、結晶性カロテノイド色素を用いて親油性成分を含有する飲食品を着色する際に問題となる、結晶性カロテノイド色素の変色を防止する方法に関する。
当該変色防止方法は、親油性成分を含有する飲食品に、結晶性カロテノイド色素に加えセルロースを原材料の一つとして添加することで達成できる。セルロースを添加する時期は、結晶性カロテノイド色素が飲食品の加熱処理時を受けて変色するという事実に応じるため、飲食品が加熱処理を受けるまでに添加混合しておく必要がある。加熱処理までに結晶性カロテノイド色素と混合された状態にあることで、本願発明の効果を発揮することができる。
添加する結晶性カロテノイド色素、セルロースの種類、添加量については上述の通りである。
B.飲食品の着色方法
本発明は、結晶性カロテノイド色素を用いて親油性成分を含有する飲食品を着色する方法に関する。
当該着色方法は、親油性成分を含有する飲食品を結晶性カロテノイド色素を用いて着色する際に、結晶性カロテノイド色素が加熱により変色するという問題を解決するものである。具体的な解決手段としては、飲食品の加熱殺菌工程などの加熱処理までに、セルロースを飲食品の原料として添加混合するものである。セルロースを飲食品の原料として添加する方法については特に制限されないが、セルロースを単独で添加する、結晶性カロテノイド色素と予め混合したものを添加する、適当な溶媒に結晶性カロテノイド色素とセルロースを分散させ噴霧乾燥等により粉末化したものを別途調製し添加しても良い。
以下に、飲食品の着色方法について例示するが、本発明はこれらの方法に制限されるものではない。
<水産練製品類の着色方法>
魚肉の肉片等を塩漬けあるいは擦りつぶしたものに調味料、でんぷん、食塩、食用油脂、つなぎ等を添加し、更に、本発明に係る結晶性カロテノイド色素およびセルロースの1種以上を加え、ケーシングに充填または成形した後、蒸したり油で揚げて調製する。水産練製品の例としては、魚肉ハム、魚肉ソーセージ、魚肉すり身、蒲鉾、竹輪、はんぺん、薩摩揚げ、伊達巻き、鯨ベーコン等が挙げられる。
<畜肉加工品の着色方法>
豚肉、牛肉等に植物性タンパク、調味料、食塩等と本発明に係る結晶性カロテノイド色素およびセルロースの1種以上を混合し、加熱し畜肉加工品を作る。ここでいう畜肉加工品とは、例えばハム、ソーセージ、焼き豚等が挙げられる。
<飲料類の着色方法>
糖類、果汁、酸類、牛乳を主原料とし、これに安定剤、香料(精油分を含む)等を加え飲料を調製する。調製した混合液に本発明に係る結晶性カロテノイド色素およびセルロースの1種以上を添加混合した後、殺菌、充填する。ここでいう飲料類とは、例えば乳飲料、乳酸菌飲料、果汁入り清涼飲料、炭酸飲料、果汁飲料等が挙げられる。
<冷菓類の着色方法>
牛乳、クリーム、練乳、粉乳、糖類、果実、餡等を主原料とし、これに酸類、乳化剤、安定剤、香料等を加え冷菓ミックス液を調製する。このミックス液に本発明に係る結晶性カロテノイド色素およびセルロースの1種以上を添加混合した後、殺菌、冷却後フリージングし容器に充填する。このものを0℃以下に冷却し凍結して仕上がりとする。ここでいう冷菓とは、例えばアイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、シャーベット、氷菓等が挙げられる。
<焼き菓子類の着色方法>
小麦粉、バター、卵等を主原料とし、これに香料、膨張剤等を加え焼き菓子の生地を作る。本発明に係る結晶性カロテノイド色素およびセルロースの1種以上を加え練合する。次に圧延ローラーを通して適当な厚さにし成形する。油で揚げるかまたはオーブンで焼く。ここでいう焼き菓子とは、例えばハードビスケット、クッキー、おかき、煎餅などである。
<キャンディー類の着色方法>
砂糖、水飴等の主原料に水を加え約150℃まで加熱し溶解する。これを130℃まで放冷した後、副材料の精油分含有した香料などと、本発明に係る結晶性カロテノイド色素およびセルロースの1種以上を加え、成形し、室温まで冷却してキャンディーを調製する。ここでいうキャンディー類にはハードキャンディー、ソフトキャンディー、ドロップ、タフィなどがあり、例えばキャラメル、グミキャンディー、ヌガー、ボンボン、バターボール、マーブル、マシュマロ等があげられる。
<ゼリー類の着色方法>
主原料の砂糖、水飴、精油分を含有する香料等に凝固剤としてペクチン、寒天、ゼラチン、カラギーナン等を適当な割合で混合し、次に本発明に係る結晶性カロテノイド色素およびセルロースの1種以上を加え加熱溶解した後、容器に充填し、殺菌後5℃1時間冷却してゼリーを作る。ここでいうゼリー類とは、例えばゼラチンゼリー、ペクチンゼリー、寒天ゼリー等が挙げられる。
C.飲食品
本発明は、親油性成分を含有する飲食品を、結晶性カロテノイド色素を用いて着色する際に生じる変色が抑えられた飲食品に関する。その解決手段として、飲食品の製造原料としてセルロースを添加することにより、結晶性カロテノイド色素が加熱殺菌工程等の加熱工程を経る際に、飲食品に含まれる脂質等の親油性成分に溶解し、色調が著しく変化する問題が解決される。
本発明で対象となる食品は、脂質や精油成分といった親油性成分を含む飲食品、具体的には、魚肉ハム、魚肉ソーセージ、魚肉すり身、蒲鉾や竹輪、はんぺん、薩摩揚げ、伊達巻き、鯨ベーコン等の水畜産練製品;ハム、ソーセージ、焼き豚等の畜肉加工品;乳飲料、乳酸菌飲料、果汁入り清涼飲料、炭酸飲料、果汁飲料等の飲料類;アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、シャーベット、氷菓等の冷菓;ハードビスケット、クッキー、おかき、せんべい等の焼き菓子;ハードキャンディー、ソフトキャンディー、ドロップ、タフィ、キャラメル、グミキャンディー、ヌガー、ボンボン、バターボール、マーブル、マシュマロ等のキャンディー類;ゼラチンゼリー、ペクチンゼリー、寒天ゼリー等のゼリー類が例示できる。
本発明で得られた飲食品は、添加した結晶性カロテノイド色素が本来有する鮮やかな赤色の色調に着色されており、加熱工程を経ても製造者が当初想定した色調を保持したものが得られる。
当該飲食品の製造は、それぞれの飲食品公知の製造方法を採用すれば良く、セルロースを追加することにより本発明の効果を簡便に享受できるため、製造設備の増設や詳細な条件の設定が必要なく経済的にも有意である。
D.飲食品用着色料製剤
本発明は、親油性成分を含有する飲食品を着色した際に生じる結晶性カロテノイド色素の変色を、効果的に抑制する飲食品用着色料製剤を提供するものである。
本発明にかかる着色料製剤は、結晶性カロテノイド色素とセルロースを重量比で1:1以上、好ましくは1:10以上の割合で含むことを特徴とするものであり、各成分を混合したもの、適当な溶媒に結晶性カロテノイド色素とセルロースを分散させたもの、さらには分散させた溶液を噴霧乾燥等により粉末化したもの等、従来公知の方法によって製剤化されたものでよい。かかる製剤化には、本発明の効果を妨げない範囲で従来使用されている公知の成分を併用することができる。具体的にはショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、レシチン、サポニン、キラヤ抽出物等の乳化剤;アラビアガム、ガティガム、グァーガム、ペクチン、キサンタンガム等の増粘多糖類;砂糖、果糖、ブドウ糖、水飴、還元水飴、はちみつ、異性化糖、転化糖、オリゴ糖(イソマルトオリゴ糖、還元キシロオリゴ糖、還元ゲンチオオリゴ糖、キシロオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、ニゲロオリゴ糖、デアンデオリゴ糖等)、トレハロース、糖アルコール(マルチトール、エリスリトール、ソルビトール、パラチニット、キシリトール、ラクチトール等)等の甘味料;アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、アリテーム、ネオテーム、カンゾウ抽出物(グリチルリチン)、サッカリン、サッカリンナトリウム、ステビア抽出物、ステビア末等の甘味成分;デキストリン、化工・加工澱粉等の澱粉類;カゼイン、ゼラチン等の蛋白質のほか、香料、着色料、ビタミン類、ミネラル類、機能性素材、ココア末、ピューレ、チョコレート、乳成分、果汁やエキス類等が挙げられる。
本願発明が示すように、親油性成分を含む飲食品等をリコピンのような結晶性カロテノイド色素によって着色する際、メチルセルロース等のセルロースを添加して食品を調製することにより、加熱殺菌によっても結晶性カロテノイド色素に由来する鮮やかな赤色が失われない食品を提供することが可能となる。
以下に実施例を用いて本発明を説明する。尚、処方中の「*」は、親油性成分を含有するものであることを示す。
以下の処方に基づいて着色料製剤を調製し、加熱殺菌工程前後の色調の変化を目視で確認した。
<色素製剤の調製>
試料:
・着色料製剤A 着色料製剤「リコピンベースNO.34824(三栄源エフ・エフ・アイ(株)製」(リコピン結晶をアラビアガムで分散した製剤。リコピン含有量1%)
・着色料製剤B 着色料製剤「リコピンベースNO.35153(三栄源エフ・エフ・アイ(株)製」(リコピン結晶をグリセリン脂肪酸エステルで分散した製剤。リコピン含有量2.5%)
・着色料製剤C 着色料製剤
調製方法:結晶のリコピン50gをエタノール950gに添加混合し、湿式摩砕機ダイノミル(WAB社製ダイノミルKDL)を用い粉砕し、これを水3750gにメチルセルロース250gを配合して溶解したものに添加し、高圧ホモジナイザーにて圧力350kg/cm2で分散均一化処理して、着色料製剤Cを調製した。着色料製剤Cの粒度分布をレーザー解析式粒度分布計(SALD−2100 島津製作所社製)にて測定したところ0.60μmであった。リコピン含量は1%であった。
・着色料製剤D カロチン製剤
調製方法:水740gにアラビアガム150g、プロピレングリコール100gを配合して溶解し、水相成分を調製した水相成分に結晶のβ-カロチン10gを添加混合し、湿式摩砕機ダイノミル(WAB社製ダイノミルKDL)を用い粉砕し、着色製剤Dを調製した。着色製剤Dの粒度分布をレーザー解析式粒度分布計(SALD−2100 島津製作所社製)にて測定したところ0.48μmであった。β-カロチン含量は1%であった。
<魚肉ソーセージ着色試験>
下記魚肉ソーセージ処方に準じて、冷凍すり身を解凍した後、サイレントカッターに入れ、粗ずりした後、食塩を加えて塩ずりした。これにグルタミン酸ナトリウムを加え、氷水に分散させた馬鈴薯澱粉を加えて混合し、更にコーンサラダ油を加え、すり身を調製した。
(魚肉ソーセージの処方)
冷凍すけそうすり身* 100g
食塩 1.6g
L-グルタミン酸ナトリウム 0.4g
氷水 24g
馬鈴薯澱粉 3.2g
コーンサラダ油* 8g
表1の配合量に準じて添加し、表に従い調整した魚肉ソーセージに着色料製剤およびメチルセルロースまたはヒドロキシプロピルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース水溶液を混合したものを添加し均一に着色した。着色した魚肉ソーセージを塩化ビニリデンケーシングに充填し、高温高圧調理殺菌装置にて121℃、20分間レトルト殺菌した。魚肉ソーセージの色調を殺菌前後で比較した。
Figure 2010178655
MC:メチルセルロース
HPC:ヒドロキシプロピルセルロース
HPMC:ヒドロキシプロピルメチルセルロース
Figure 2010178655
表1のうち、比較例1の未殺菌状態の魚肉ソーセージと、実施例3及び比較例1を用いて着色し加熱殺菌処理を行った魚肉ソーセージの色調変化を示す写真を図1に示す。
<各種飲食品の調製>
実施例11 蒲鉾
下記蒲鉾処方に準じて、冷凍すり身を解凍した後、サイレントカッターに入れ、粗ずりした後、食塩を加えて塩ずりする。これにグルタミン酸ナトリウム及びソルビン酸カリウムを加え、氷水に分散させた馬鈴薯澱粉を加えて混合し、すり身を調製した。
このすり身に着色料製剤Bおよび5%(W/V)メチルセルロース水溶液を混合したものを、すり身20gに添加した。残りのすり身を蒲鉾状に成形したものに重層し、包装後、95℃、40分蒸し蒲鉾を作った。着色した蒲鉾を加熱前後で肉眼観察した。
(蒲鉾の処方)
冷凍すり身(脂質含有量 1%以上)* 100g
食塩 3g
L-グルタミン酸ナトリウム 1g
ソルビン酸カリウム 0.2g
馬鈴薯澱粉 10g
砂糖 2g
氷水 60g
着色料製剤B 0.05g
5%(W/V)メチルセルロース水溶液 0.5g
比較例4 蒲鉾
実施例11とメチルセルロースを添加しない以外は同様の方法で蒲鉾を作り、加熱前後の色調を比較した。
■結果
色調:着色した蒲鉾を肉眼で観察した。
結果:比較例4はオレンジ色を呈し、加熱前後での変色が認められた。実施例11は赤色を呈し、加熱前後での色調差は認められなかった。
実施例12 カニ風味蒲鉾
下記カニ風味蒲鉾処方に準じて、冷凍すり身を解凍した後、サイレントカッターに入れ、粗ずりした後、食塩を加えて塩ずりする。これにグルタミン酸ナトリウム及びソルビン酸カリウムを加え、氷水に分散させた馬鈴薯澱粉を加え、調味料、フレーバーを加え混合し、カニ風味蒲鉾すり身を調製した。
(カニ風味蒲鉾すり身の処方)
冷凍すり身(脂質含有量 1%以上)* 100g
食塩 2.5g
L-グルタミン酸ナトリウム 1g
ソルビン酸カリウム 0.2g
調味料(エビ、カニ用)* 1.5g
フレーバー(エビ、カニ用)* 7g
氷水 50g
材料と練り合し整形したすり身95gに、カニ風味蒲鉾の着色部処方に準じて、着色料製剤Aおよび5%(W/V)メチルセルロース水溶液をすり身一部に混合したものを塗布(またはフィルム塗布後転写)方式で着色した。95℃、40分間蒸し、カニ風味蒲鉾を作った。
(カニ風味蒲鉾の着色部処方)
カニ風味蒲鉾すり身* 5g
卵白 10g
着色料製剤A 0.5g
5%(W/V)メチルセルロース水溶液 1g
比較例5 カニ風味蒲鉾
実施例12とメチルセルロースを添加しない以外は同様の方法でカニ風味蒲鉾を作り、加熱前後の色調を比較した。
■結果
色調:着色したカニ風味蒲鉾を肉眼で観察した。
結果:比較例5はオレンジ色を呈し、加熱前後での変色が認められた。実施例12は赤色を呈し、加熱前後での色調差は認められなかった。
実施例13 ウインナーソーセージ
下記ウインナーソーセージ処方により添加し練り合わせた後、豚腸に充填し70℃30分間加熱しウインナーソーセージを調製し、加熱前後の色調を比較した。
(ウインナーソーセージ処方)
豚肉* 600g
豚油* 260g
水 140g
調味料 2g
砂糖 2g
食塩 16g
着色料製剤B 0.3g
5%(W/V)メチルセルロース水溶液 3g
比較例6 ウインナーソーセージ
実施例13とメチルセルロースを添加しない以外は同様の方法でウインナーソーセージを作り、加熱前後の色調を比較した。
■結果
色調:着色したウインナーソーセージを肉眼で観察した。
結果:比較例6はオレンジ色を呈していたが、実施例13は赤味の強い色調を呈していた。
実施例14 苺乳飲料
下記苺乳飲料の処方に準じて、3を75℃まで加温した後、1と2(三菱化学フーズ(株)製)を混合したものを添加した。75℃10分間で溶解した後、室温まで冷却した。5と6を混合し、これに7を添加、70℃10分間加熱溶解した後、室温まで冷却した。1、2、3に2および5、6、7さらに9,10,11,12を順に添加混合し、水にて全量を100gとした。この液を75℃まで加熱し、20MPaでホモジナイズ処理し、UHT殺菌(143℃30秒)を行い、色調を比較した。
(苺乳飲料の処方)
1 砂糖 3.5g
2 乳化剤(エステルP-1670) 0.05g
3 水 45.0g
4 牛乳* 17.0g
5 砂糖 3.5g
6 脱脂粉乳 6.8g
7 水 15.9g
8 イチゴ濃縮透明果汁(1/5) 1.8g
9 10%(w/v)ビタミンC水溶液 0.2g
10 10%(w/v)重曹水 2.4g
11 着色料製剤B 0.05g
12 5%(W/V)メチルセルロース水溶液 0.5g
精製水にて全量を100gとする。
比較例7 苺乳飲料
実施例14とメチルセルロースを添加しない以外は同様の方法で苺乳飲料を作り、色調を比較した。
■結果
色調:着色した苺乳飲料を肉眼で観察した。
結果:比較例7は黄色味の強いオレンジ色の色調を呈していたが、実施例14は赤色を呈していた。
実施例15 オレンジシャーベット
下記オレンジシャーベット処方に準じて、1〜4を混合し、水に添加し、撹拌下5を添加し75℃まで加熱した。これを15MPaでホモジナイズ処理し、6〜11を添加した。95℃15秒取り出し温度7℃の条件でプレート殺菌し、さらに5℃まで冷却した。これをカップに充填し硬化させ色調を評価した。
(オレンジシャーベット飲料の処方)
1 砂糖 15g
2 粉末水飴 6g
3 脱脂粉乳 2g
4 サンナイスSHM-2(三栄源エフ・エフ・アイ(株)製) 0.6g
5 精製やし油* 1g
6 5倍濃縮オレンジ果汁 4g
7 クエン酸(結晶) 0.2g
8 オレンジフレーバー* 0.2g
9 10%(w/v)ビタミンC水溶液 0.2g
10 着色料製剤D 0.05g
11 5%(W/V)メチルセルロース水溶液 1.0g
精製水にて全量を100gとする。
比較例8 オレンジシャーベット
実施例15とメチルセルロースを添加しない以外は同様の方法でオレンジシャーベットを作り、色調を比較した。
■結果
色調:着色したオレンジシャーベットを肉眼で観察した。
結果:比較例8は、黄色を呈していたが、実施例15はオレンジ色であった。
実施例16 ハードビスケット
下記処方のように添加し、練り上げた後、圧延、成形後、約180℃、40分程度で焼機にて焼き上げハードビスケットを作った。
(ハ−ドビスケットの処方)
小麦粉(強力粉) 50g
粉糖 20g
炭酸ナトリウム 0.25g
水 16.3g
炭酸アンモニウム 0.25g
ショートニング* 12.5g
全脂粉乳* 0.9g
着色料製剤B 0.2g
5%(W/V)メチルセルロース水溶液 1.0g
精製水で全量を100gにする
比較例9 ハードビスケット
実施例16とメチルセルロースを添加しない以外は同様の方法でハ−ドビスケットを作り、色調を比較した。
■結果
色調:着色したハ−ドビスケットを肉眼で観察した。
結果:比較例9は黄色味の強いオレンジ色を呈していたが、実施例16は赤味の強いオレンジ色を呈し、比較例9に比べ赤味が強い色調であった。
実施例17 フルーツ風味ゼリー
下記フルーツ風味ゼリーの処方に準じて、試料を添加し、全量を水で100mlにし80℃、10分加熱溶解したものに添加した後、着色料製剤Bと5%(W/V)メチルセルロース水溶液を混合したものおよびグレープフルーツ香料を添加混合した。これを容器に充填し85℃にて20分間殺菌した。殺菌前後の色調を比較した。
(フルーツ風味ゼリーの処方)
砂糖 14.25g
クエン酸(無水) 0.2g
クエン酸三ナトリウム 0.19g
ビタミンC 0.02g
カラギーナン 1g
着色料製剤B 0.15g
8%(W/V)メチルセルロース水溶液 5.0g
グレープフルーツ香料(精油含有量10%)* 1g
全量を精製水で100mlにする
比較例10 フルーツ風味ゼリー
実施例17とメチルセルロースを添加しない以外は同様の方法でフルーツ風味ゼリーを作り、色調を比較した。
■結果
着色したフルーツ風味ゼリーの色調を殺菌前後で肉眼にて観察した。
結果:比較例10は、殺菌後は殺菌前に比べ明らかに黄色に変色し、黄色味の強いオレンジ色であったが、実施例17では黄色への変色は抑えられ、赤味が強いオレンジ色でであった。色調の違いを図2に示す。
実施例18 ハードキャンディー
下記ハードキャンディーの処方に準じて、1、2、7を155℃まで加熱し、120℃まで冷却し、3〜9を加え混合後、成形した。色調を観察した。
(ハードキャンディーの処方)
1 砂糖 65.0g
2 水飴 45.0g
3 ショートニング* 2.0g
4 DKクリーマーE−40(第一工業製薬(株))0.1g
5 クエン酸 1.2g
6 香料* 0.2g
7 水 30.0g
8 着色料製剤D 0.3g
9 8%(W/V)メチルセルロース水溶液 3.0g
比較例11 ハードキャンディー
実施例18とメチルセルロースを添加しない以外は同様の方法でハードキャンディーを作り、色調を比較した。
■結果
着色したハードキャンディーの色調を肉眼にて観察した。
結果:比較例11は、殺菌後は殺菌前に比べ黄色に変色していたが、実施例18は、変色が抑えられオレンジ色であった。
表1のうち、比較例1の未殺菌状態の魚肉ソーセージと、実施例3及び比較例1を用いて着色し加熱殺菌処理を行った魚肉ソーセージの色調変化を示す写真を図1に示す。写真中、左から未殺菌品、比較例1品、実施例3品を示す。 実施例17と比較例10で得られたフルーツ風味ゼリーの殺菌前後の色調を示す。写真の左から未加熱品、比較例10、実施例17を示す。

Claims (12)

  1. 結晶性カロテノイド色素と親油性成分を含有する飲食品において、セルロースを配合することを特徴とする結晶性カロテノイド色素の変色抑制方法。
  2. 結晶性カロテノイド色素とセルロースの配合割合が1:1以上である請求項1に記載の結晶性カロテノイド色素の変色抑制方法。
  3. 結晶性カロテノイド色素がリコピン、β-カロチン、ルテイン、β-アポカロテナール、カンタキサンチン、アスタキサンチンの一種以上である、請求項1又は2に記載の結晶性カロテノイド色素の変色抑制方法。
  4. 結晶性カロテノイド色素とセルロースを添加することを特徴とする、親油性成分を含有する飲食品の着色方法。
  5. 結晶性カロテノイド色素とセルロースの配合割合が1:1以上である請求項4に記載の飲食品の着色方法。
  6. 結晶性カロテノイド色素がリコピン、β-カロチン、ルテイン、β-アポカロテナール、カンタキサンチン、アスタキサンチンの一種以上である請求項4又は5に記載の飲食品の着色方法。
  7. 結晶性カロテノイド色素とセルロースを含有することを特徴とする、結晶性カロテノイド色素の変色が抑制された親油性成分を含む飲食品。
  8. 結晶性カロテノイド色素とセルロースの配合割合が1:1以上である請求項7に記載の飲食品。
  9. 結晶性カロテノイド色素がリコピン、β-カロチン、ルテイン、β-アポカロテナール、カンタキサンチン、アスタキサンチンの一種以上である請求項7又は8に記載の飲食品。
  10. セルロースを含有することを特徴とする結晶性カロテノイド色素の変色抑制効果を有する親油性成分含有飲食品用着色料製剤。
  11. 結晶性カロテノイド色素とセルロースの配合割合が1:1以上である、請求項10に記載の着色料製剤。
  12. 結晶性カロテノイド色素がリコピン、β-カロチン、ルテイン、β-アポカロテナール、カンタキサンチン、アスタキサンチンの一種以上である請求項10又は11に記載の着色料製剤。
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