JP2010175721A - 像加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転体の揺動に伴って温度センサの対向間隔や測定方向が一定に保たれて回転体の表面温度を再現性高く正確に検出できる像加熱装置を提供する。
【解決手段】ベースフレーム20の支柱には、ヒンジ軸24、25と同軸上に配置した管状の支持パイプによって、サーミスタユニット50が揺動可能に支持されている。ベースフレーム20の支柱からヒンジ軸24、25を抜き取ってベルトユニット30をベースフレーム20から取り外した際に、支持パイプに支持されたサーミスタユニット50は、ベースフレーム20の支柱に残る。突き当てバネ56、57がサーミスタフレーム54をベルトユニット30に向かって付勢する一方で、突き当て面58、59が突き当て部40に突き当たることで、サーミスタ53と加圧ベルト13との対向距離が一定に設定される。
【選択図】図3

Description

本発明は、互いに接触する第1および第2回転体によって記録材上のトナー像を加熱する像加熱装置に関し、詳しくは、第1回転体から離間可能な第2回転体の温度を正確に検知するための温度検知部材の配置構造に関する。
第1回転体(ローラ部材又はベルト部材)に第2回転体(ローラ部材又はベルト部材)を接離可能に圧接させて、記録材の加熱ニップを形成する像加熱装置が実用化されている。
例えば、第1回転体と第2回転体とを離間させた状態で個別に異なる温度に温度調整しておき、記録材の搬送直前に第1回転体と第2回転体とを圧接して加熱ニップを形成する画像形成装置が実用化されている。
特許文献1には、定着ローラに対して加圧ベルトを接離可能に圧接して加熱ニップを形成した定着装置が示される。ここでは、所定の揺動中心軸の周りを移動可能な支持部材に支持させた複数のローラに加圧ベルトが掛け渡して支持される。また、加圧ベルトの温度を検知するための温度センサを備え、その温度センサの検知温度に基づいて加圧ベルトの温度調整がされる。
特開平11−194647号公報
特許文献1に開示される像加熱装置のように加圧ベルトの温度を検知する温度センサが設けられる構成では、加圧ベルト破損時等の交換作業性のために、加圧ベルトの温度を検知する温度センサは、加圧ベルトから退避可能である必要がある。
しかしながら、加圧ベルトが定着ローラから離間可能であって、さらに、加圧ベルトの温度を検知する温度センサが加圧ベルトから退避可能な構成とすると、加熱ベルトと温度センサの相対位置が変化し、正確な温度検知が困難になる。
本発明は、加圧ベルトが定着ローラから離間しても、温度センサが加圧ベルトから退避可能であっても、加熱ベルトと温度センサの相対位置を保って正確な温度検知が可能な像加熱装置を提供することを目的としている。
本発明の像加熱装置は、記録材上のトナー像を狭持搬送して加熱するために、互いに接触する第1および第2回転体と、前記第2回転体を所定の揺動中心軸の周りを移動可能に支持する支持部材と、前記所定の揺動中心軸を備え、前記支持部材を介して前記第2回転体を保持するベースフレームと、前記第2回転体を前記所定の揺動中心軸の周りに移動させることで、前記第2回転体を前記第1回転体から退避させる退避手段と、前記第2回転体の温度を検知する温度検知部材と、前記温度検知部材の検知結果に基づいて、前記第2回転体を加熱する加熱手段とを有し、前記第2回転体が前記ベースフレームから取り外し可能なものである。そして、前記温度検知部材は、前記第2回転体が前記ベースフレームから取り外される際に前記第2回転体から退避可能であって、前記第2回転体は、前記所定の揺動中心軸の周りに移動して前記第2回転体から退避する。
本発明の像加熱装置では、第2回転体がベースフレームから取り外される際に、温度検知部材は、第2回転体から退避してベースフレーム側に残るため、第2回転体の交換に際して、交換の必要が無い温度検知部材を取り外したり、交換したりする必要が無い。
そして、支持部材と温度検知部材とは、共通な所定の揺動中心軸の周りで揺動されるので、温度検知部材に対する第2回転体の対向面の方向や間隔が一定に保たれるので温度検知部材の出力変動が発生しにくい。
従って、第1回転体から第2回転体が離間しても、温度検知部材が第2回転体から退避可能であっても、第2回転体と温度検知部材の相対位置を保って、正確な温度検知が可能である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。本発明は、温度センサ支持部材と回転体支持部材とが個別に取り外し可能かつ共通の回動軸の周りで揺動可能である限りにおいて、実施形態の構成の一部または全部を、その代替的な構成で置き換えた別の実施形態でも実施できる。
従って、定着ローラに加圧ベルトを圧接した定着装置に限らず、定着ベルトに加圧ベルトを圧接した定着装置、又は定着ベルトに加圧ローラを圧接した定着装置等でも実施できる。像加熱装置は、トナー像を記録材に定着する定着装置に限らず、定着済み又は半定着画像を加熱加圧する表面処理装置も含む。
像加熱装置が搭載される画像形成装置としては、中間転写ベルトを用いる画像形成装置に限らず、記録材搬送ベルトに担持された記録材へトナー像を転写する画像形成装置でも実施できる。複数の感光ドラムを配置したタンデム型に限らず、ベルト部材に沿って1個の感光ドラムを配置した1ドラム型でも実施できる。
本実施形態では、トナー像の形成/転写に係る主要部のみを説明するが、本発明は、必要な機器、装備、筐体構造を加えて、プリンタ、各種印刷機、複写機、FAX、複合機等、種々の用途で実施できる。
なお、特許文献1に示される像加熱装置、画像形成装置の一般的な事項については、図示を省略して重複する説明を省略する。
<画像形成装置>
図1は画像形成装置の構成の説明図である。
図1に示すように、第1実施形態の画像形成装置510は、中間転写ベルト531に沿って現像色が異なる複数の画像形成部510Y、510M、510C、510Kを配置したタンデム型フルカラープリンタである。
画像形成部510Yでは、感光ドラム511にイエロートナー像が形成されて、中間転写ベルト531に一次転写される。画像形成部510Mでは、感光ドラム511にマゼンタトナー像が形成されて中間転写ベルト531のイエロートナー像に重ねて一次転写される。画像形成部510C、510Kでは、それぞれ感光ドラム511にシアントナー像、ブラックトナー像が形成されて、同様に中間転写ベルト531のトナー像に位置を重ねて順次一次転写される。
中間転写ベルト531に担持された四色のトナー像は、二次転写部T2へ搬送され、中間転写ベルト531に重ねて二次転写部T2を挟持搬送される記録材Pへ一括二次転写される。二次転写部T2でトナー像を二次転写された記録材Pは、定着装置100で加熱加圧を受けて、表面にトナー像を定着された後に、排出ローラ540によってトレイ565に排出される。
カセット520から1枚ずつ引き出された記録材Pは、レジストローラ523で待機し、中間転写ベルト531のトナー像にタイミングを合わせて、二次転写部T2へ送り出される。
画像形成部510Y、510M、510C、510Kは、それぞれに付設された現像装置514で用いるトナーの色がイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックと異なる以外は、ほぼ同一に構成される。以下では、画像形成部510Yについて説明し、他の画像形成部510M、510C、510Kについては、説明中の符号末尾のYを、M、C、Kに読み替えて説明されるものとする。
画像形成部510Yは、感光ドラム511の周囲に、帯電ローラ512、露光装置513、現像装置514、一次転写ローラ515を配置している。
感光ドラム511は、帯電極性が負極性の感光層を表面に形成した金属円筒で構成され、所定のプロセススピードで矢印方向に回転する。
帯電ローラ512は、感光ドラム511に圧接して従動回転し、直流電圧に交流電圧を重畳した振動電圧を印加されて、感光ドラム511の表面を一様な負極性の電位に帯電させる。
露光装置513は、画像データを展開した走査線画像データをON−OFF変調したレーザービームを多面体ミラーで走査して、帯電した感光ドラム511の表面に画像の静電像を書き込む。
現像装置514は、負極性に帯電したトナーを現像スリーブに担持させて感光ドラム511を摺擦し、負極性の直流電圧に交流電圧を重畳した振動電圧を現像スリーブに印加して、感光ドラム511の静電像を反転現像する。
一次転写ローラ515は、中間転写ベルト531を介して感光ドラム511に圧接し、感光ドラム511と中間転写ベルト531との間にトナー像の転写部を形成する。一次転写ローラ515に正極性の直流電圧を印加することにより、負極性に帯電して感光ドラム511に担持されたトナー像が中間転写ベルト531に一次転写される。
二次転写ローラ535は、中間転写ベルト531を介して対向ローラ536に圧接して、中間転写ベルト531と二次転写ローラ535との間にトナー像の二次転写部T2を形成する。中間転写ベルト531に担持されたトナー像は、二次転写ローラ535に正極性の電圧を印加することにより、記録材Pへ二次転写される。
<定着装置>
図2は定着装置の外観の斜視図、図3は定着装置の組み立て構造の斜視図、図4は定着ローラと加圧ベルトの当接状態の説明図、図5は定着ローラと加圧ベルトの離間状態の説明図である。
図2に示すように、定着装置100は、加圧ベルト13を含む交換ユニットが組み立てられたベースフレーム20に、加熱ローラ11を含む加熱ローラユニット60を着脱可能に組み立てて構成される。
第1回転体の一例である加熱ローラ11は、内部のハロゲンランプヒータ12が発する熱を記録材上のトナーTに加圧ベルト13を介して付与するとともに、加圧ベルト13との間に形成される加熱ニップで記録材Pを挟持搬送する。
図3に示すように、定着装置100は、ベースフレーム20に、交換単位であるベルトユニット30と、ベルト温度検知のためのサーミスタユニット50とがヒンジ軸24、25の周りで移動可能に支持される。ベルトユニット30とサーミスタユニット50とは、所定の揺動中心軸の一例である一対のヒンジ軸24、25を介して連結される。
図4に示すように、加熱ローラ11は、外径56mm、内径50mmのアルミニウム円筒管からなる金属性コア11aを有し、金属性コア11a内にハロゲンランプヒータ12を内蔵させている。金属製コア11aの表面には、厚さ2mm、硬度(アスカC)45゜のシリコンゴムからなる弾性層11bが形成され、弾性層11bの表層は、PFAもしくはPTFEの耐熱離型層11cで被覆されている。
第2回転体の一例である加圧ベルト13は、一対の支持回転体の一例である加圧ローラ14と入口ローラ15とに所定の張力(196N)で回転可能に掛け渡されている。
加熱ニップの一例である加熱ローラ11と加圧ベルト13との定着ニップNのニップ域の入口側に対応する加圧ベルト13の内側に、シリコンゴムで形成された加圧パッド18が配置される。加圧パッド18は、所定圧(400N)で加熱ローラ11に押し当てられている。加圧パッド18と加圧ローラ14とが、加圧ベルト13の内側面を押圧することで、加圧ベルト13の外側面と加熱ローラ11との間に連続した加熱ニップの一例である定着ニップNが形成される。
加圧ローラ14は、ステンレスによって外径がφ20の中実に形成され、入口ローラ15は、ステンレスによって外径がφ20、内径φ18の中空に形成される。入口ローラ15は、温度調整手段の一例である温度調整回路551に投入電力を制御された加熱手段の一例であるハロゲンランプヒータ12Bによって内側から加熱されて所定温度に温度調整されている。
従って、温度調整手段(551)は、検出手段(53)の出力に基づいて加熱手段(12B)を制御する。
加圧ローラ14は、定着ニップNの出口側に配設されて加熱ローラ11の弾性層11bを弾性的に歪ませて、記録材の曲率分離に有利な曲率半径の小さな湾曲面を形成する。
加圧ベルト13は、厚さ75μm、幅380mm、周長200mmの無端状に形成されたポリイミドフィルムの表面に、厚さ300μmのシリコンゴムをコーティングしてある。加圧ベルト13は、耐熱性を具備したものであれば適宜選定して差し支えない。
<接離機構>
図3に示すように、ベルトユニット30は、支持部材の一例として、所定の揺動中心軸の一例であるヒンジ軸24、25の周りで移動可能な上側板33、34及び下側板31、32を有する。
一対の上側板33、34は、加圧パッド18を掛け渡して支持するとともに、加圧ローラ14、入口ローラ15の軸端を回転可能に支持する。
一対の下側板31、32は、上側板33、34を押し上げて加熱ローラ11と加圧ベルト13との間にニップ圧を付与する一対のニップバネ35、36を下から支持する。
図6に示すように、一対の調整ネジ37、38は、ニップバネ35、36の内部を貫通して配置され、ニップバネ35、36の圧縮量を調整可能にしている。実線の22、23が定着ニップNが形成された状態を示し、鎖線の22a、23aが定着ニップNが解除されて離間した状態を示す。
図3に示すように、一対の調整ネジ37、38を調整することにより、定着ニップNのニップ圧を個々のベルトユニット30に最適化できる。
交換単位のベルトユニット30は、量産組み立て時には、図2に示す基準のベースフレーム20と加熱ローラユニット60とに組み立てて、調整ネジ37、38の回転位置が調整される。ベルトユニット30は、個々のユニットの組み立て精度、部品ばらつき等に起因する基準ニップ圧との圧力差、基準温調での温度差等をなくした状態で出荷される。
カム軸21は、ベースフレーム20の略端部に回転可能に支持され、ステッピングモータ等の不図示の駆動源から加圧ギア29に駆動を入力することにより回転位置を制御される。カム軸21に固定された退避手段の一例である一対の加圧カム22、23は、調整バネ37、38によって設定された所定の圧縮量までニップバネ35、36を圧縮して、所定の加圧力で加熱ローラ11に加圧ベルト13を圧接する。
カム軸21には角度位置を検知するための検知フラグ120が固定され、フォトインタラプタ121は、検知フラグ120を検知して、一対の加圧カム22、23の所定の回転位置で信号を出力する。
図4は、カム22、23が上死点の最大高さ位置α2に位置してベルトユニット30が押し上げられ、定着ニップ部Nが形成された状態である。図5は、カム22、23が最大高さ位置α2から角度θ回転して下死点位置となり、ベルトユニット30が下降して定着ニップ部Nが解除されて離間した状態である。
図3に示すように、下死点位置から不図示のステッピングモータが作動して加圧ギア29に駆動が入力され、検知レバー120がフォトインタラプタ121により検知された後、所定のパルスだけオーバーランして停止する。その後、加圧ギア29がオーバーランの分だけ逆回転されて検知レバー120がフォトインタラプタ121により検知された後、所定のパルスだけ逆回転して下死点位置に復帰する。
<画像不良>
画像形成装置510においては、トナー画像の発色性や画像品質を向上させるという観点から、記録材として、表面に合成樹脂等のコート層を数μm〜数10μmコーティングしたコート紙が用いられる。
コート紙上に形成された未定着トナー画像を定着装置100において定着させる場合、必要以上の熱量が加えられると、コート層が斑点状にふくらむブリスタ現象が発生することがある。ブリスタ現象は、コート紙に含まれる水分が急速に加熱されて気化する一方で、水蒸気の放散がコート層に阻害される結果、コート層を持ち上げて生ずる。ブリスタ現象が発生すると、画像表面の平滑性が失われて画質障害となる。
また、フルカラー画像のように密度の高い未定着トナー画像が形成されたコート紙を定着装置100によって定着させる場合、コート紙に定着されたトナー層に気泡が発生するトナーブリスタ現象を生じることもある。
トナーブリスタ現象は、トナーに含まれる水分やコート紙中に含まれる水分が急速加熱されて気化する一方で、水蒸気の放散がコート層に阻害される結果、トナー層が存在する部位から集中的に水蒸気が放出されて生ずる。トナーブリスタ現象が発生すると、ブリスタ現象と同様に画質障害となる。
ブリスタ現象やトナーブリスタ現象を防止するために、画像形成装置510では、加圧ベルト13の温度を低下させて、記録材に対する加熱を最小限に抑制する手法を採用している。
図4に示すように、上述した接離機構によって加熱ローラ11に対して加圧ベルト13を接離可能とし、制御部550は、ステッピングモータMを制御して加熱ローラ11と加圧ベルト13とを離間させた状態で記録材を待ち受ける。
制御部550は、温度調整手段の一例である温度調整回路551を制御して加熱ローラ11と加圧ベルト13とを離間状態で個別に温度調整している。具体的には、温度調整手段の一例である温度調整回路551は、定着ローラ11の表面温度を150±2℃に温度調整する一方、加圧ベルト13は100±2℃に温度調整している。
そして、加圧ベルト13の温度を低くした状態で記録材を待ち受けさせ、記録材が搬送されて来る直前に加熱ローラ11と加圧ベルト13とを圧接して、定着ニップNを形成している。また、記録材が定着ニップNを抜けると加熱ローラ11と加圧ベルト13とを離間させて、加圧ベルト13の温度上昇を回避している。
これにより、記録材の表面での十分な加熱を確保しつつ、記録材の裏面を通じた熱流入を抑制して、記録材の組織内での水蒸気発生を抑制している。トナー像に接触する加熱ローラ11には温度低下の余地が無いが、トナー像に接触しない加圧ベルトには温度低下の余地があるからである。
しかし、定着装置100は、加圧ベルト13破損時の交換作業性のため、加圧ベルト13を含むベルトユニット30が、交換ユニットとして、ベースフレーム20側に検出手段(53)を残して取り外し可能である。
この場合、検出手段(53)を支持する検出手段支持部材(50)をベルトユニット30と一体的に設けることはできないので、ベルトユニット30と検出手段支持部材(50)は独立のユニット構成とされる。
この場合、加熱ローラ11と加圧ベルト13とを接離させる方式を採用すると、ベルトユニット30及び検出手段支持部材(50)の接触及び離間時の移動軌跡が異なってしまう。この移動軌跡が異なると、加圧ベルト13と検出手段(53)の相対位置が変化して、温度検知機能の信頼性を著しく損なってしまう。
また、ベルトユニット30を交換した際に、個々の交換ユニットの寸法精度により加熱ローラ11との間に形成される加熱ニップのニップ圧が変化してしまう問題がある。
そこで、定着装置100では、無端ベルトを含む交換ユニットと温度検知部材を含む非交換ユニットとを共通の所定の揺動中心軸の周りで退避させる。これにより、無端ベルトの交換性及び温度検知機能の信頼性を損なうことなく、無端ベルトの交換前後における無端ベルトと加熱ローラとのニップ圧変化を最小限に抑えている。
<実施例1>
図7はサーミスタユニットの取り付け状態の説明図、図8はヒンジ軸の取り付け状態の説明図、図9は実施例1における揺動状態の説明図、図10は比較例における揺動状態の説明図である。
図3に示すように、温度検知部材支持部材の一例であるサーミスタフレーム54は、加圧ベルト13の記録材排出側の曲面部の直近に対向するように温度検知部材の一例であるサーミスタ53を配置している。これにより、サーミスタ53は、加圧ローラ14から退避可能であるとともに、ニップ部Nの近傍にて加圧ベルト13の温度の検知結果を精度良く出すことが可能である。
サーミスタフレーム54の上側に配置された係合穴51、52は、着脱可能なヒンジ軸24、25に係合する。サーミスタフレーム54の両端に配置された突き当て面58、59は、ベルトユニット30の上側板33、34に設けられた突き当て部40と突き当たる。
従って、温度検知部材支持部材(54)は、支持部材(33、34)とは別体に形成されて温度検知部材(53)が配置され、所定の揺動中心軸(24、25)の周りで移動可能である。
付勢部材の一例である突き当てバネ56、57は、ベースフレーム20とサーミスタフレーム54との間に配置される。付勢部材の一例である突き当てバネ56、57は、突き当て構造の一例である突き当て面58、59が突き当て部40に突き当たるまで、サーミスタフレーム54を押し上げる。これにより、上側板33、34が揺動されても、同じ回動軸で上側板33、34に追従するようサーミスタフレーム54が揺動して、サーミスタ53と加圧ベルト13との相対位置関係が一定に維持される。
従って、付勢部材(56、57)は、検出手段(53)が第2回転体(13)へ近付く方向に検出手段支持部材(54)を付勢する。また、突き当たり構造(40、58、59)は、検出手段(53)と第2回転体(13)との間に所定の間隔を形成するように支持部材(33、34)と検出手段支持部材(54)との接近を限界付ける。
図7に示すように、ベースフレーム20には、ヒンジ軸24、25が貫通するためのヒンジ穴20aがヒンジ軸24、25の軸方向の両端部に設けられる。ヒンジ軸24、25の同軸上に、内部に穴を有する管状の支持パイプ500、501が固定されている。
図8の(a)に示すように、組み立て状態では、ヒンジ軸24、25がベースフレーム20、上側板33、34、下側板31、32、サーミスタフレーム54の各穴を貫通して着脱可能に挿入される。これにより、ベースフレーム20には、ベルトユニット30とサーミスタユニット50とが同軸上に連結して組み立てられる。
図8の(b)に示すように、分解状態では、ヒンジ軸24、25がベースフレーム20、上側板33、34、下側板31、32、サーミスタフレーム54の各穴から抜き取られる。これにより、ベースフレーム20からベルトユニット(30:図3)が取り外されるが、支持パイプ500、501に支持されたサーミスタユニット50は、ベースフレーム20に残される。
図2に示すように、加圧ベルト13が寿命、破損等で交換される場合、定着装置100から加熱ローラユニット60が取り外されて、ベルトユニット30が露出する。
図8の(b)に示すように、その後、矢印B方向にヒンジ軸24、25をベースフレーム20から抜くことにより、ベルトユニット30を上方へ取り外す。
図7に示すように、このとき、サーミスタフレーム54は、支持パイプ500、501の外径部に依然支持されているので、ベースフレーム20との連結状態は維持されている。
図2に示すように、新品のベルトユニット30を再度ベースフレーム20上に装着して、図8の(a)に示すように、ヒンジ軸24、25を挿入して元の状態に組み立てる。
図9に示すように、ヒンジ軸24、25によって同一軸線上にサーミスタユニット50とベルトユニット30の回動支点が設定されているので、サーミスタユニット50とベルトユニット30は、同一の回転軌跡を描く。
具体的には、実線に示すニップ形成状態と鎖線に示すニップ解除状態とに関わらず、加圧ベルト13とサーミスタ53との隙間X1、X2は等しく、かつサーミスタ53と加圧ローラ14の中心は一致している。
このため、加圧ベルト13の曲面部分にサーミスタ53が対向配置されていても、加圧ベルト13とサーミスタ53の相対位置関係は、定着ニップ(N:図4)のニップ時、ニップ解除時を問わず常に一定である。従って、サーミスタ53は、定着ニップ(N:図4)のニップ時、ニップ解除時を問わず、加圧ベルト13の温度を精度良く検知できる。
図10に示すように、比較例では、サーミスタユニット50の回転中心がA位置に配置されていて、ベルトユニット30の回転中心であるヒンジ軸24、25と一致していない。比較例の場合、実線に示すニップ形成状態と鎖線に示すニップ解除状態とに関わらず加圧ベルト13とサーミスタ53との隙間X1、X2を等しく設定しても、サーミスタユニット50とベルトユニット30の回転軌跡が異なる。このため、サーミスタ53と加圧ローラ14の中心とにズレΔが生じてしまい、サーミスタ53の検知部と曲率をもつ加圧ベルト13との距離が揺動位置に応じて変化して、検知温度に精度を欠く可能性がある。
以上の構成により、実施例1では、加圧ベルト13を含む交換単位のベルトユニット30と、温度検知サーミスタ53を含む非交換のサーミスタユニット50とを別体で独立のユニット構成とする。これにより、加圧ベルト13の交換に際して加熱ローラ11とのニップ圧変化を最小限に抑えつつ、サーミスタユニット50を外さずにベルトユニット30だけを交換可能に構成した。
そして、加熱ローラ11と加圧ベルト13とを接離させる方式においても、加圧ベルト13の交換性及びサーミスタ53による温度検知機能の信頼性が損なわれないことが可能となった。
<実施例2>
図11は実施例2の定着装置の構成の説明図である。
実施例2では、図3に示す実施例1の加熱ローラ11の代わりに図11に示す定着ベルト111を配置している。定着ベルト111に関する以外は実施例1と共通に構成されるため、図11中、実施例1と共通する構成には図3と共通の符号を付して重複する説明を省略する。
図11に示すように、IHヒータ114は、定着ベルト111の上部表層近傍に配置され、励磁コイル115と磁性体コア116とをホルダー117に保持させている。
励磁コイル115は、長手方向に略楕円形状(横長舟形)をしており、定着ベルト111の上部表層面近傍に沿うように配置されている。励磁コイル115の芯線は、φ0.1〜0.3mmの絶縁被覆電線の細線を略80〜160本程度束ねたリッツ線を用いている。励磁コイル115は、リッツ線を8〜12回巻回して構成したものが使われている。励磁コイル115には励磁回路が接続されており、励磁回路を通じて交流電流を励磁コイル115へ供給できる。
磁性体コア116は、励磁コイル115の巻き中心部と周囲を囲むように構成され、励磁コイル115より発生した交流磁束を効率よく定着ベルト111に導く。磁性体コア116は、フェライト等の高透磁率で残留磁束密度の低いものを用いており、磁気回路の効率を上げるためと磁気遮蔽のために用いられる。
誘導発熱体としての定着ベルト111は、鉄、ニッケル合金等の強磁性の金属(透磁率の高い金属)を使うことで、IHヒータ114から発生する磁束を金属内部により多く拘束できる。磁束密度を高く保つことで、金属表面に渦電流を発生し、効率的に定着ベルト111を発熱させる。
励磁コイル115は、励磁回路から供給される交流電流によって交流磁束を発生し、交流磁束は、励磁コア116に導かれて定着ベルト11に渦電流を発生させる。渦電流は、定着ベルト111の固有抵抗によってジュール熱を発生させるので、励磁コイル115に交流電流を供給すると、定着ベルト111が電磁誘導発熱状態になる。
励磁コイル115に供給される交流電流は、定着ベルト111の表層温度を検知するための図示しない温度検知素子からの温度情報をもとに定着ベルト111表層温度を180〜200℃程度に制御している。
定着ローラ112は、IHヒータ114から発生する磁束を受けて電磁誘導発熱した定着ベルト111が発する熱を、記録材上のトナーに定着ベルト111を介して付与するとともに、記録材を定着ベルト111との間に挟持して搬送する。定着ローラ111は、外径20mm、内径18.5mmのスチール円筒管の表面に厚さ2mm、アスカC硬度45゜のシリコンゴムからなる弾性層を設け、表面をPFAもしくはPTFEの耐熱離型層で被覆してある。
定着ベルト111は、一対の支持回転体である定着ローラ111とテンションローラ113に所定の張力(196N)で循環回転可能に掛け渡されている。定着パッド118は、ステンレスの引抜き材により構成され、加圧ベルト13を介して加圧パッド18とニップ部の一部を形成する。
ベースフレーム20、ヒンジ軸24、25、ベルトユニット30、サーミスタユニット50の構成については実施例1と同じである。
<実施例3>
実施例3では、図4に示す実施例1のサーミスタユニット50に加圧ベルト13のステアリング制御を行うための不図示のベルトセンサを付設した。
ベルトセンサは、回転する加圧ベルト13のベルトエッジに検出部材(回動アーム)を摺擦させて、加圧ローラ14の軸方向におけるベルトエッジ位置に応じた検出部材の傾き角度(回動アームの回動角度)を検知する。このため、ベルトユニット30の揺動と一体にベルトセンサが揺動しないと、回動アームが加圧ベルト13の縁を厚み方向に摺擦して都合が悪い。しかし、ベルトユニット30にベルトセンサを組み込むと、サーミスタ53の場合と同様に、ベルトユニット30と一体にベルトセンサを交換する必要がある。
そこで、実施例3では、ベルトユニット30を取り外した際にベースフレーム20側に残るサーミスタユニット50にベルトセンサを配置した。
これにより、ベルトセンサをベースフレーム20側に残してベルトユニット30の取り外しが可能になり、ベルトユニット30の揺動に伴ってベルトセンサが加圧ベルト13の縁を厚さ方向に摺擦しない。
そして、温度検知部材支持部材でベルトセンサの支持部材を兼用するため、個別に支持部材を設ける必要が無く、像加熱装置における部品点数の削減や小型化に有利である。
このように、加圧ベルト13に固定された位置関係を持って配置される各種のセンサをサーミスタユニット50に組み込むことができる。他の例としては、加圧ベルト13の表面に赤外光を照射して反射光量を検知することにより、加圧ベルト13の摩耗度や汚れ具合を検出する光学式センサを配置できる。
画像形成装置の構成の説明図である。 定着装置の外観の斜視図である。 定着装置の組み立て構造の斜視図である。 定着ローラと加圧ベルトの当接状態の説明図である。 定着ローラと加圧ベルトの離間状態の説明図である。 ニップ圧の調整機構の説明図である。 サーミスタユニットの取り付け状態の説明図である。 ヒンジ軸の取り付け状態の説明図である。 実施例1における揺動状態の説明図である。 比較例における揺動状態の説明図である。 実施例2の定着装置の構成の説明図である。
11 第1回転体(加熱ローラ)
12、12B 加熱手段(ハロゲンランプヒータ)
13 第2回転体(加圧ベルト)
14 加圧ローラ
15 入口ローラ
18 加圧パッド
20 ベースフレーム
20a ヒンジ穴
21 カム軸
22、23 退避手段(加圧カム)
24、25 所定の揺動中心軸(ヒンジ軸)
29 加圧ギア
30 ベルトユニット
31、32 下側板
33、34 上側板
35、36 ニップバネ
37、38 調整ネジ
40 突き当て部
50 サーミスタユニット
51、52 係合穴
53 温度検知部材(サーミスタ)
54 温度検知部材支持部材(サーミスタフレーム)
56、57 突き当てバネ
58、59 突き当て面
60 加熱ローラユニット
100 像加熱装置(定着装置)
120 検知フラグ
121 フォトインタラプタ
500、501 支持パイプ
510 画像形成装置
550 制御部
551 温度調整手段(温度調整回路)
N 定着ニップ

Claims (5)

  1. 記録材上のトナー像を挟持搬送して加熱するために、互いに接触する第1および第2回転体と、
    前記第2回転体を所定の揺動中心軸の周りを移動可能に支持する支持部材と、
    前記所定の揺動中心軸を備え、前記支持部材を介して前記第2回転体を保持するベースフレームと、
    前記第2回転体を前記所定の揺動中心軸の周りに移動させることで、前記第2回転体を前記第1回転体から退避させる退避手段と、
    前記第2回転体の温度を検知する温度検知部材と、
    前記温度検知部材の検知結果に基づいて、前記第2回転体を加熱する加熱手段とを有し、
    前記第2回転体が前記ベースフレームから取り外し可能な像加熱装置において、
    前記温度検知部材は、前記第2回転体が前記ベースフレームから取り外される際に前記第2回転体から退避可能であって、
    前記第2回転体は、前記所定の揺動中心軸の周りに移動して前記第2回転体から退避することを特徴とする像加熱装置。
  2. 前記温度検知部材が前記所定の揺動中心軸の周りを移動可能に前記ベースフレームに保持されている状態で、前記第2回転体は前記ベースフレームから取り外し可能であることを特徴とする請求項1記載の像加熱装置。
  3. 前記ベースフレームに配置されて、前記温度検知部材を前記所定の揺動中心軸の周りを移動可能に支持するための管状の支持パイプと、
    前記支持パイプに着脱可能に挿入されて、前記支持部材を前記所定の揺動中心軸の周りを移動可能に支持するヒンジ軸と、を有することを特徴とする請求項2記載の像加熱装置。
  4. 前記第2回転体は、前記支持部材に支持された複数のローラに掛け渡したベルト部材であって、
    前記支持部材、前記ローラ、及び前記ベルト部材が一体に交換ユニットとして構成され、
    前記ヒンジ軸を取り外すことにより、前記交換ユニットを前記ベースフレームから取り外し可能であることを特徴とする請求項3記載の像加熱装置。
  5. 前記温度検知部材を前記揺動中心軸の周りを移動可能に支持する温度検知部材支持部材と、
    前記ベルト部材の長手方向への寄りの制御のために、回転する前記ベルト部材の前記長手方向の位置を検出するベルトセンサとを備え、
    前記ベルトセンサが、前記温度検知部材支持部材に配置されていることを特徴とする請求項4記載の像加熱装置。
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