JP2009098255A - 画像加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ベルト定着方式・IH方式の画像加熱装置において、温度検知センサと、温度検知するベルト表面の位置関係を安定に保ち、ニップ直前のベルト表面温度を精度よく検知する。
【解決手段】ベルトとの距離を安定して保っているIHユニットに温度検知センサを取り付けて、ベルト表面温度を検知する。
【選択図】図1

Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式・静電記録方式・磁気記録方式等を採用した画像形成装置に用いられる、記録材上の画像を加熱する、誘導加熱(電磁加熱)方式の画像加熱装置に関する。
この画像加熱装置としては、例えば、記録材上の未定着画像を定着する定着装置や、記録材に定着された画像を加熱することにより画像の光沢を増大させる光沢増大化装置等を挙げることができる。また、インクジェット方式などの染料や顔料を含む液体により画像形成を行う画像形成装置においてインクを速く乾かすための装置を挙げることができる。
未定着トナー画像を加熱溶融定着する定着装置として、内部にヒータを有する定着ローラに加圧ローラを圧接してニップを形成し、定着を行うローラ定着方式が一般的である。
高光沢な画像を出力するためには、記録材のニップ通過時間を長くし、トナーを充分に溶融する必要がある。ところが、ローラ定着方式では、ニップを広げようとするとローラ径を大きくしなければならず、装置が大きなものになってしまう。また、ローラ回転速度を遅くすることで、トナーを充分に溶融することができるが、それでは高速化が困難である。
そこで、ローラ定着方式に対して、装置の小型化、高速化対応を達成しつつ、充分なニップ領域が得られる上下ベルト定着方式が特許文献1で提案されている。充分なニップ領域が確保できるため、高速化対応が可能となる。
また、ベルト定着方式では、ベルトの幅方向への寄りによってベルトが破損するのを防止するため、寄り制御を行う場合があり、寄り制御はベルトを張架するローラ等の位置を変化させることで行っている。
誘導加熱(induction heating:以下、IHと記す)を用いた外部加熱定着装置において、不均一な温度分布又は接触による傷等が発生しないように、IHユニットに対向する被加熱体との間隔を所定の間隔に保つ必要がある。しかし、寄り制御等で被加熱体であるベルトを張架するローラやベルト位置が大きく変化する場合、被加熱体との間隔も変化してしまう。そのため、変位させるローラ軸にIHユニットを支持させ、一定の間隔を保つことで、傷や光沢ムラ等の画像不良の発生を防止している。
特開2006−171069号公報
本来、ニップ直前のベルトやローラの表面の温度を検知し、記録材に熱を与える直前の表面温度が、所定の温度になるように温度制御することで安定した光沢度や定着性能を得ることが可能となる。
しかしながら、特にベルトを張架する部材を揺動させることにより寄り制御を行う定着装置の場合には次のような問題があった。即ち、ニップに近い部分での正確な表面温度を検知しようとすると、ベルトの寄り制御によりベルトの位置が変化しているので、温度検知手段によるベルト表面の正確な温度検知ができない。
そのため、温度検知手段の検知結果に応じてベルト表面温度を制御すると、実際のベルト表面温度とのずれが生じ、不良画像の発生や所望の光沢がでないといった問題が発生する。
そこで、本発明の目的は、温度検知手段と、温度検知するベルト表面の位置関係を安定して保ち、ニップ直前のベルト表面温度を高精度で検知することができる、ベルト加熱方式・IH方式の画像加熱装置を提供することである。
上記目的を達成するための本発明に係る画像加熱装置の代表的な構成は、複数のベルト懸架部材間に懸回張設されて回転し、記録材上の画像をニップ部にて加熱するための無端状のベルトと、前記ベルトの外面に対向して配置され、前記ベルトを誘導加熱する誘導加熱手段と、前記複数のベルト懸架部材のうちの1つのベルト懸架部材を変位させて前記ベルトを幅方向に揺動させるベルト寄り制御手段と、前記ベルトの表面温度を検知する温度検知手段と、を有し、前記誘導加熱手段は、前記の変位されるベルト懸架部材が揺動されても前記ベルトとの対向間隔が所定に保たれるように、前記の変位されるベルト懸架部材の揺動に追従して揺動するように配設されており、前記温度検知手段(は、前記誘導加熱手段のベルト回転方向下流側の位置において該誘導加熱手段に対して配設されていることを特徴とする。
本発明によれば、温度検知手段と温度検知するベルト表面との位置関係を安定して保つことができるので、ベルト表面の温度検知精度が向上し、画質の向上が図れる。
以下に、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。なお、これら実施例は、本発明を適用できる実施形態の一例ではあるものの、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではなく本発明の思想の範囲内において種々の変形が可能である。
[実施例]
(1)画像形成部
図13は、本発明に従う画像加熱装置を定着装置Aとして搭載した画像形成装置の一例の概略構成を示す断面模式図である。
この画像形成装置1は電子写真方式レーザープリンタであり、パーソナルコンピュータ等の外部ホスト装置(不図示)から制御回路部(制御手段)100に入力する電気的画像情報に対向した画像を記録材(シート)Sに形成して出力する。この画像形成装置1は、潜像を担持する像担持体として感光体ドラム2を備えている。感光体ドラム2は矢印の時計方向に所定の速度で回転駆動され、その外面が帯電器3によって所定の極性・電位に一様に帯電される。その一様帯電面に対してレーザースキャナ(光学装置)4により画像情報のレーザー走査露光5がなされる。これにより、感光体ドラム2の面には走査露光した画像情報の静電潜像が形成される。その静電潜像が現像器6によってトナー画像として現像される。そのトナー画像が、感光体ドラム2と転写ローラ7との当接部である転写部において、該転写部に導入された記録材Sに対して順次に転写される。
記録材Sは装置下部の給紙カセット9内に積載収納されている。所定の給紙タイミングで給紙ローラ10が駆動されると、給紙カセット9内の記録材Sが1枚分離給紙されて、搬送路10aを通ってレジストローラ対11に至る。レジストローラ対11は記録材Sの先端部を受け止めて記録材の斜行修正をする。また、感光体ドラム上のトナー画像の先端部が転写部に到達したときに記録材の先端部も転写部に丁度到達するタイミングとなるように、感光体ドラム上のトナー画像と同期をとって、記録材Sを転写部に給送する。
転写部を通った記録材Sは感光体ドラム2の面から分離されて、定着装置Aへと搬送される。この定着装置Aにより記録材S上の未定着トナー画像が加熱・加圧により固着画像として記録材面に定着される。そして、その記録材が搬送路10bを通って排出ローラ対12によって装置上部の排出トレイ13へと排出、積載される。
また、記録材分離後の感光体ドラム2の面はクリーニング装置8によって転写残トナー等の残留付着物が除去されて清掃され、繰り返して作像に供される。
(2)定着装置A
図1は本実施例における定着装置Aの要部の断面模式図と、制御系統のブロック回路図である。この定着装置Aは、ベルト加熱方式・IH方式の画像加熱装置であり、金属層(導電層)を有し、記録材上の画像をニップ部N(定着ニップ部)にて加熱する第1のエンドレスベルト(無端状のベルト)としての定着ベルト(定着手段)21を備えている。また、この定着ベルト21と定着ニップ部Nを形成する第2のエンドレスベルトとしての加圧ベルト(加圧手段)22を備えている。
定着ベルト21は、複数のベルト懸架部材間に懸回張設されている。本実施例では、定着ベルト21は、定着ローラ23とテンションローラ24の2本のローラをベルト懸架部材として、該両ローラ間に懸回張設されている。また、加圧ベルト22も、加圧ローラ25とテンションローラ26との2本のローラをベルト懸架部材として、該両ローラ間に懸回張設されている。そして、定着ローラ23と加圧ローラ25とを、該両ローラ間に定着ベルト21と加圧ベルト22とを挟ませて加圧して定着ベルト21と加圧ベルト22との圧接部を形成させることで、記録材搬送方向において所定幅の定着ニップ部Nを形成させている。
27は定着ベルト21及びテンションローラ24を誘導加熱する誘導加熱手段(外部加熱手段)としてのIHユニットであり、定着ベルト21の上側に、定着ベルト21の外面との間に所定の対向間隔(隙間、ギャップ)をあけて非接触に対向して配設されている。
定着ローラ23は駆動ローラとして駆動源M(モータ)から駆動ギア列(不図示)を介して入力された駆動力により矢印の時計方向に所定の速度で回転駆動される。この定着ローラ23の回転により、定着ベルト21及びテンションローラ24が従動回転する。また、定着ベルト21の回転に伴い、定着ニップ部Nにおける定着ベルト21と加圧ベルト22との接触摩擦力で加圧ベルト22に回転トルクが作用して、加圧ベルト22、加圧ローラ25、テンションローラ26が矢印の反時計方向に従動回転する。加圧ローラ25を駆動ローラにして、或いは定着ローラ23と加圧ローラ25の両方を駆動ローラにして、定着ベルト21と加圧ベルト22を回転させる構成にすることもできる。
制御回路部100は、画像形成開始信号に基いて、駆動源Mをオンにして定着ローラ23を回転駆動させる、即ち、定着ベルト21と加圧ベルト22を回転させると共に、IHユニット27の励磁コイル28に対して励磁回路200から高周波電流を流す。そうすると、励磁コイル28に生じる交番磁界(磁束)により、被加熱体としての定着ベルト21とテンションローラ26が電磁誘導で発熱して昇温していく。そして、定着ベルト21の表面温度が、定着ベルト21に対して非接触に所定に対向させて配置した温度検知センサ(温度検知手段)THにより検知され、その温度に関する電気的情報が制御回路部100に入力する。制御回路部100はこの温度検知センサTHからの温度に関する電気的情報が所定のほぼ一定値に維持されるように励磁回路200から励磁コイル28に対する供給電力を制御する。これにより、定着ベルト21の表面温度が所定の目標温度(定着温度)に温調制御される。
この定着装置状態において、転写部側から定着装置Aに対して未定着トナー画像を担持した記録材Sが導入され、進入ガイド29にガイドされて定着ニップ部Nに進入する。記録材は定着ニップ部Nで挟持搬送されていく過程で、記録材上の未定着トナー画像が定着ベルト21の熱とニップ部圧で加熱加圧されて固着像として定着される。
定着装置Aの記録材入口側と記録材出口側にはそれぞれ記録材の有無を検知する第1と第2のシートセンサSW1とSW2が配設されている。この第1と第2のシートセンサSW1とSW2はそれぞれ回動フラグと光透過型センサの組み合わせである。第1と第2のシートセンサSW1とSW2の記録材有無検知情報が制御回路100に入力する。制御回路100はその入力情報と、記録材の搬送速度とから、記録材が定着装置A内を正常に搬送されているか、ジャムを発生したかを判断する。制御回路100はジャムを発生したと判断したときは画像形成装置の動作を緊急停止させると共に、その旨のメッセージを表示部に表示する。
定着ベルト1は、厚み75μmのNi層を基層とし、この基層の外周には300μmの弾性層が設けられている。基層は、IHユニット27で発生する磁束の作用により誘導発熱する金属層である。弾性層の材料としては、公知の弾性材料を使用することができ、例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴム等を用いることができる。この弾性層の定着ニップ部Nにおける圧縮変形によって、定着ベルト21への記録材の巻きつきを防止し、定着ニップ部Nの記録材出口部における記録材の定着ベルト21からの良好な分離性能を得ることができる。本実施例では、シリコーンゴムを用い、硬度はJIS−A20度、熱伝導率は0.8W/mKである。更に、この弾性層の外周には、表面離型層として、フッ素樹脂層(例えばPFAやPTFE)が30μmの厚みで設けられている。この定着ベルト21は可撓性を有する。
定着ローラ23は、外径が20mmで、径が18mmである鉄系合金の芯金に、弾性層としてのシリコーンゴム層が設けられた弾性ローラである。弾性層を設けることによって摩擦伝達力が生じ、駆動源Mから駆動ギア列を介して入力された駆動力を定着ベルト21へ良好に伝達することができる。シリコーンゴムの硬度はJIS−A15度、熱伝導率は0.8W/mKである。シリコーンゴム層によって、芯金への熱伝導も少なくなるためウォームアップタイムの短縮にも効果がある。
テンションローラ24は、外径が20mmで、内径が18mmである厚さ1mmの鉄製の中空ローラである。本実施例においては、このテンションローラ24も、金属層である鉄製の中空ローラ自体がIHユニット27で発生する磁束の作用により誘導発熱する被加熱体としている。
加圧ベルト22は、基層として、厚さが90μm程度のポリイミド等の耐熱性樹脂ベルトを用いている。そして、この基層の外側(外周面)に、離型層として、厚さ30μm程度のPFAやPTFEコーティング加工を施し、或いはPFAチューブを被覆している。この加圧ベルト22は可撓性を有する。
加圧ローラ25とテンションローラ26は、定着ベルト21側の定着ローラ23とテンションローラ24と同じ構成のものを用いた。
図2は、定着ベルト21、定着ローラ23、テンションローラ24、IHユニット27のアセンブリ部分の長手途中部分を省略した平面模型図である。ここで、定着装置A或いはその構成部材に関して、手前側(前側)と奥側(後側)とは、定着ローラ23の長手方向(軸線方向)において一端側と他端側である。
図3は、図2においてIHユニット27を取り除いた状態の図である。図4は、図2の手前側の側面模型図である。図5は、図2の(5)−(5)矢視断面図である。図6は、図2の奥側の側面模型図である。図7乃至図9は、それぞれ、図2の(7)−(7)矢視断面図、(8)−(8)矢視断面図、(9)−(9)矢視断面図である。
定着ローラ23はその手前側と奥側の軸部23L・23Rが、それぞれ、軸受部材51L・51Rを介して、定着装置筐体の手前側と奥側の固定側板52L・52R間に回転可能に支持されている。奥側の軸部23Lには駆動ギアGが固着されており、この駆動ギアGに駆動源Mから駆動ギア列を介して駆動力が入力されて定着ローラ23の回転駆動がなされる。
手前側と奥側の固定側板52L・52Rには、それぞれ、長穴53とピン軸54により固定側板52L・52Rの外面に沿ってスライド移動可能な可動側板55L・55Rが配設されている。テンションローラ24はその手前側と奥側の軸部24L・24Rが、それぞれ、軸受部材56L・56Rを介して、上記の手前側と奥側の可動側板55L・55R巻に回転可能に支持されている。
手前側と奥側の可動側板55L・55Rは、それぞれ、対応する手前側と奥側の固定側板52L・52Rとの間に介在させた突っ張りばね(張架ばね)70L・70Rにより、テンションローラ24が定着ローラ23から離間する方向に常時移動付勢されている。これにより、定着ローラ23とテンションローラ24との間に懸回されている定着ベルト21が常時張っている状態に保持されている。
本実施例においては、定着ローラ23に対してテンションローラ24を変位させて定着ベルト21を幅方向に揺動させることで、定着ベルト21の寄り制御を行うようにしている。即ち、テンションローラ24の奥側の軸部24Rを保持している奥側の軸受部材56Rは、奥側の可動側板55Rに形成された下向きU字溝57に対して嵌合されている。これにより、この軸受部材56Rは下向きU字溝57にガイドされて可動側板55Rに対して上下方向にスライド移動する自由度を有している。即ち、テンションローラ24の奥側の軸部24Rは揺動側として、奥側の可動側板55Rに対して上下方向に揺動する自由度を有している。そして、この軸部24Rは、ベルト寄り制御手段としてのベルト寄り制御アーム58により上下動される。このアーム58はパルスモータ60の出力軸59に固定して支持されており、軸部24Rを持ち上げる方向と軸部24Rを持ち下げる方向とに回動制御される。テンションローラ24の手前側の軸部24Lは固定側として定置に保持されている。
定着ベルト21が、その回転過程において、懸架部材である定着ローラ23・テンションローラ24に沿って手前側へ寄り移動すると、その寄り移動が手前側のベルト寄り検知手段61Lで検知される。その検知信号が制御回路部100に入力する。また、定着ベルト21が、その回転過程において、懸架部材である定着ローラ23・テンションローラ24に沿って奥側へ寄り移動すると、その寄り移動が奥側のベルト寄り検知手段61Rで検知される。その検知信号が制御回路部100に入力する。
ベルト寄り検知手段61L・62Rは適宜のセンサを用いることができる。例えば、回動フラグと光透過型のセンサを組み合わせて、回動フラグのアクチュエー部をベルト端部にばねで付勢してベルト寄りを検知する構成にすることができる。
制御回路部100は、手前側の検知手段61Lでベルト寄りが検知されると、テンションローラ24の奥側の軸部24Rを持ち上げる方向U(図12)にアーム58が所定の角度回動するように、パルスモータ60を予め定めた値だけ正転駆動する。そうすると、定着ベルト21は奥側に戻り移動する。また、制御回路部100は、奥側の検知手段61Rでベルト寄りが検知されると、テンションローラ24の奥側の軸部24Rを持ち下げる方向D(図12)にアーム58が所定の角度回動するように、パルスモータ60を予め定めた値だけ逆転駆動する。そうすると、定着ベルト21は手前側に戻り移動する。このような動作の繰り返しにより、定着ベルト21の端部が他部材と圧接することが無いように、定着ベルト21の寄り移動が所定の許容範囲内に収まるように制御される。このベルト寄り制御手段によるベルト移動量は定着性に影響を及ぼさない範囲で、ベルト寄り制御が可能な値を選択する。ベルト寄り制御は定着ベルト21をねじる作用が働くため、ベルトへの負荷がかかる。そのためベルトの耐久性を考えて、定着性を損なわない範囲で出来るだけ小さな値を選択するのが好ましい。本実施例ではテンションローラ24の揺動側である奥側軸部24Rの上下方向の移動量を±0.5mmと設定した。ベルト寄り制御のために揺動(変位)されるベルト懸架部材は回転ローラの形態でも、回転しないガイド部材の形態でも良い。
なお、図には省略したけれども、加圧ベルト22の懸架部材である加圧ローラ25とテンションローラ26も、上記の定着ローラ23とテンションローラ24の場合と同様に、手前側と奥側の固定及び可動の側板間に軸受部材を介して支持されている。また、加圧ベルト22は、上記の定着ベルト21の場合と同様に、張設され、且つベルト寄り制御手段により寄り制御がなされる。定着ベルト21と加圧ベルト22の接触領域を大きくして、定着ニップ部Nを記録材搬送方向により幅広にした装置構成にすることもできる。また加圧手段は、加圧ベルトでなく、加圧ローラにした装置構成にすることもできる。
図10はIHユニット27を手前側から見た斜視図、図11は奥側から見た斜視図である。IHユニット27は、励磁コイル28(図1)、この励磁コイル28を収容させたコイルケース62(絶縁支持体)、コイルケース62を保持するステイ63等を有する。また、IHユニット27は、図には省略したけれども、励磁コイル28から発生する磁束を集中させるための磁性コアを有する。
励磁コイル28は、銅線を横長・扁平のシート状渦巻きコイルに巻回して所定の断面形状に成形加工したものである。銅線はリッツ線であり、被覆には耐熱温度の高いものを使用することが望ましい。励磁コイル28は、図1のように、被加熱体である定着ベルト21の平坦部及びテンションローラ24に懸架された定着ベルト21の外周面に沿う形状に成形されている。本実施例においては、励磁コイル28と定着ベルト21との距離(誘導加熱手段と定着ベルトとの対向間隔)は次ぎの様に設定している。即ち、IHユニット27が、後述するように所定に装着された状態において、定着ベルト21の平坦部で約3.5mm、テンションローラ24に懸架された曲面部で約2.5mmである。
磁性コアとしては、透磁率が大きく自己損失の小さい材料が良く、例えばフェライト、パーマロイ、センダスト等が適している。
コイルケース62とステイ63は、励磁コイル28自体の発熱と定着部の雰囲気温度に耐える必要があるため、LCP(Liquid Crystalline Polymer)などの高耐熱性且つ寸法安定性の高い樹脂を用いるのが好ましい。
誘導加熱手段であるIHユニット27は、ベルト寄り制御のために変位されるベルト懸架部材であるテンションローラ24が揺動されても定着ベルト21との対向間隔が所定に保たれるようにテンションローラ24の揺動に追従して揺動するように配設されている。即ち、ステイ63の手前側と奥側の側面板63Lと63Rには、それぞれ、C形爪部64Lと64Rを具備させてある。テンションローラ24の手前側と奥側の軸部24Lと24Rには、それぞれ、上記の手前側と奥側のC形爪部64Lと64Rが外嵌するベアリング65Lと65Rを回動自在に外嵌させて具備させてある。また、ステイ63の手前側の側面には係合用の穴部66を具備させてある。手前側の固定側板52Lには、上記の穴部66に嵌入する、内向きの位置決め軸(位置決め部材)67を具備させてある。
IHユニット27は、ステイ63の手前側と奥側のC形爪部64Lと64Rの内径部を、それぞれ、手前側と奥側のベアリング65Lと65Rの外径部に嵌合させてある。これにより、IHユニット27は、テンションローラ34の手前側と奥側の軸部24Lと24Rに対してベアリング65Lと65Rを介して回動自在に軸支される。また、ステイ63の手前側の側面に具備させた係合用の穴部66に、手前側の固定側板52Lに内向きに具備させた位置決め軸67を嵌入させて、IHユニット27と固定側板52Lとを係合させている。即ち、IHユニット27は、上記の手前側と奥側のアリング65Lと65Rと、位置決め軸67との3点で保持されて、テンションローラ34の上側に配設されている。
IHユニット27は、ステイ63の手前側と奥側のC形爪部64Lと64Rの内径部を、それぞれ、手前側と奥側のベアリング65Lと65Rの外径部に嵌合させてある。そのため、テンションローラ24と励磁コイル28の距離(対向間隔)をテンションローラ24のアライメントに関係なく一定に保つことができる。
位置決め軸67は、テンションローラ24をベルト寄り制御手段で揺動させない固定側(手前側の固定側板)に設けている。テンションローラ24をベルト寄り制御手段で揺動させる揺動側とIHユニット27のコイル平坦部の自由端側を同一にすることで、IHユニット27にねじれを生じさせることなくベルト寄り制御動作をすることができる。即ち、テンションローラ24を揺動させない側は位置決めして、揺動させる側はフリーにすることでねじれを生じさせない。
位置決め軸67は、図5のように、テンションローラ24から見て定着ローラ23寄りの位置に配置し、テンションローラ24と位置決め軸67の軸間距離bを定着ローラ23とテンションローラ24の軸間距離aの1/2以上となる位置に配置してある。このことから、IHユニット4のコイル平坦部の自由端側の位置変動は、ベルト寄り制御によってテンションローラ34を略垂直(Y方向)に移動させたときの移動量の1/2以下に収めることができる。
IHユニット27側の係合用の穴部66は定着ベルト21と略平行に長軸を持つ長丸穴にしてある。IHユニット27は、位置決め軸67をこの長丸穴66で受けている。これにより、ベルト寄り制御においてテンションローラ24を上下動させたときに生じるテンションローラ24と位置決め軸67の軸間距離の変動を吸収している。長丸穴66の長軸はベルト寄り制御の揺動角度の中立点と平行であるのが好ましい。ここで、揺動角度の中立点とは、テンションローラ24と定着ローラ23が平行な位置となるホームポジション時におけるテンションローラ24と定着ローラ23の軸を結んだ直線である。そこを中心に上下均等にテンションローラ24を揺動させる。
なお、位置決め軸67を定着ローラ23自身が担うか、定着ローラ23と同軸に配置する構成がより好ましい。ベルト寄り制御でテンションローラ24を揺動させてもIHユニット27と定着ベルト21は定着ローラ23を基準に回動するため、IHユニット27と定着ベルト21の間の距離も一定に保つことが出来る。位置決め軸67をIHユニット27側に持たせ、その係合用の穴部66を手前側の固定側板52L側にもたせてもよい。
本実施例では、定着ベルト21の表面温度を検知する温度検知手段である温度検知センサTHは、IHユニット27の定着ベルト回転方向下流側の位置において、定着ベルト表面に対向するよう非接触で、IHユニット27に対して配設されている。
IHユニット27の定着ベルト回転方向上流側の位置で検知した定着ベルト表面温度で、定着ベルトを温調制御しようとすると、記録材に熱を与える直前の定着ベルト表面温度が制御できない。これは、IHユニット27で加熱された後の記録材に熱を与える直前の定着ベルト表面温度は、定着ベルトの回転速度やIHユニット27に投入する電力によって変化するためである。
IHユニット27の定着ベルト21の回転方向下流側の位置で定着ベルト温度を検知することで、記録材に熱を与える直前の定着ベルト表面温度をより正確に検知できる。
また、非接触の温度検知センサTHを用いることで、定着ベルト21の表面の傷や削れが発生しないので、長寿命化に繋がる。非接触の温度検知センサTHとしてはサーモパイルを用いた。
温度検知センサTHが励磁コイル28から発生する磁気の影響で誤検知、誤動作する可能性がある場合は、IHユニット27と温度検知センサTHの間に、図1・図5のように、磁気遮蔽部材80(例えばフェライトコア)を配置するとよい。
サーモパイルのような非接触温度センサにおいては、測定する対象物との距離や角度が変化することで測定値がすれてしまう。検知温度のずれが生じると実際の所望の定着ベルト表面温度と違う温度に制御することになり、不安定な光沢や画像不良等が発生するため、測定対象物との距離や角度を一定に保つ必要がある。本実施例では、被加熱体であるテンションローラ24とそれに巻きついている定着ベルト21の距離を一定に保っているIHユニット27に非接触温度検知センサであるサーモパイルTHを取り付けている。そのため、サーモパイルTHと定着ベルト21の表面との距離や角度も一定に保つことができる。
以上説明したように、定着ベルト21との距離(対向間隔)を安定して保っているIHユニット27に温度検知センサTHを取り付けて、定着ベルト表面温度を検知している。そのため、温度検知センサTHと、温度検知する定着ベルト21の表面との位置関係も安定して保つことができ、定着ベルト表面の温度検知精度が向上し、画質の向上が図れる。
実施例における定着装置の要部の断面模式図と、制御系統のブロック回路図である。 定着ベルト、定着ローラ、テンションローラ、IHユニットのアセンブリ部分の長手途中部分省略の平面図である。 図2においてIHユニットを取り除いた図である。 図2の手前側の側面図である。 図2の(5)−(5)矢視断面図である。 図2の奥側の側面図である。 図2の(7)−(7)矢視断面図である。 図2の(8)−(8)矢視断面図である。 図2の(9)−(9)矢視断面図である。 IHユニットを手前側から見た斜視図である。 IHユニットを奥側から見た斜視図である。 定着ベルトの寄り制御機構の概念図である。 画像形成装置の一例の概略構成を示す断面模式図である。
符号の説明
A・・・定着装置(画像加熱装置)
21・・・定着ベルト
22・・・加圧ベルト
23・・・定着ローラ
24・・・テンションローラ
25・・・加圧ローラ
26・・・テンションローラ
27・・・IHユニット
28・・・励磁コイル
62・・・コイルカバー
63・・・ステイ
65L・65R・・・ベアリング
67・・・位置決め軸
52L・52R・・・固定側板
55L・55R・・・可動側板
70L・70R・・・張架ばね
58・・・ベルト寄り制御アーム
60・・・パルスモータ
61L・61R・・・ベルト寄り検知手段

Claims (3)

  1. 複数のベルト懸架部材間に懸回張設されて回転し、記録材上の画像をニップ部にて加熱するための無端状のベルトと、
    前記ベルトの外面に対向して配置され、前記ベルトを誘導加熱する誘導加熱手段と、
    前記複数のベルト懸架部材のうちの1つのベルト懸架部材を変位させて前記ベルトを幅方向に揺動させるベルト寄り制御手段と、
    前記ベルトの表面温度を検知する温度検知手段と、
    を有し、前記誘導加熱手段は、前記の変位されるベルト懸架部材が揺動されても前記ベルトとの対向間隔が所定に保たれるように、前記の変位されるベルト懸架部材の揺動に追従して揺動するように配設されており、前記温度検知手段は、前記誘導加熱手段のベルト回転方向下流側の位置において該誘導加熱手段に対して配設されていることを特徴とする画像加熱装置。
  2. 前記温度検知手段は、前記ベルトに対して非接触の温度検知手段であることを特徴とする請求項1に記載の画像加熱装置。
  3. 前記温度検知手段(TH)と前記誘導加熱手段との間に磁気遮蔽部材を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像加熱装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015176061A (ja) * 2014-03-17 2015-10-05 株式会社リコー 定着装置および画像形成装置
JP2015219486A (ja) * 2014-05-21 2015-12-07 キヤノン株式会社 画像形成装置および制御装置
JP2021056292A (ja) * 2019-09-27 2021-04-08 株式会社リコー 回転装置及び画像形成装置

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