JP2013050518A - 画像加熱装置及び画像形成装置 - Google Patents
画像加熱装置及び画像形成装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2013050518A JP2013050518A JP2011187164A JP2011187164A JP2013050518A JP 2013050518 A JP2013050518 A JP 2013050518A JP 2011187164 A JP2011187164 A JP 2011187164A JP 2011187164 A JP2011187164 A JP 2011187164A JP 2013050518 A JP2013050518 A JP 2013050518A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- recording material
- magnetic flux
- image
- heating
- belt
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Fixing For Electrophotography (AREA)
Abstract
【課題】熱容量の低い加熱部材を用いても、通紙される記録材のサイズが多種類であっても、非通紙部昇温を充分に回避でき、かつ記録材の画像汚れを起こすことの無い外部IHタイプの画像加熱装置を提供する。
【解決手段】磁束発生手段60と加熱部材41との間の磁束が存在する領域において磁束発生手段から加熱部材に作用する磁束を低減させる磁束遮蔽部材20L・20Rと、加熱部材の回転軸線方向において、磁束遮蔽部材を、装置に通紙可能な最大幅の大サイズ記録材の通紙領域Wmaxの外側である退避位置と、装置に通紙可能な最大幅の大サイズ記録材よりも幅が小さい小サイズ記録材を通紙した際の非通紙部の温度を低下させる有効位置とに移動させる磁束遮蔽部材移動手段90と、を有し、磁束遮蔽部材は有効位置に移動された状態において装置に通紙される記録材の通紙領域Aと重なる部分βの一部に切り欠き部20dが形成されている.
【選択図】図8
【解決手段】磁束発生手段60と加熱部材41との間の磁束が存在する領域において磁束発生手段から加熱部材に作用する磁束を低減させる磁束遮蔽部材20L・20Rと、加熱部材の回転軸線方向において、磁束遮蔽部材を、装置に通紙可能な最大幅の大サイズ記録材の通紙領域Wmaxの外側である退避位置と、装置に通紙可能な最大幅の大サイズ記録材よりも幅が小さい小サイズ記録材を通紙した際の非通紙部の温度を低下させる有効位置とに移動させる磁束遮蔽部材移動手段90と、を有し、磁束遮蔽部材は有効位置に移動された状態において装置に通紙される記録材の通紙領域Aと重なる部分βの一部に切り欠き部20dが形成されている.
【選択図】図8
Description
本発明は、記録材上の画像を加熱する電磁誘導加熱方式の画像加熱装置、及びこれを備えた画像形成装置に関する。
画像加熱装置としては、記録材に形成された未定着画像を定着する定着装置や、記録材に定着された画像を加熱する事により画像の光沢度を向上させる光沢付与装置が挙げられる。
電子写真方式の複写機などの画像形成装置には、搬送される記録媒体である記録材上に形成されたトナー像(未定着画像)のトナー(現像剤)を、熱によって融解して記録材上に融着させる画像加熱装置としての定着装置が設けられている。近年、定着装置については省エネルギー化に伴い、定着ローラなどの加熱部材の低熱容量化が進んでいる。さらに、記録材のサイズの種類が増大し、各々のサイズに対してもスループットダウンすることなく、すなわち非通紙部昇温を回避することが求められるようになった。
画像加熱装置の構成方式の1つとして電磁誘導加熱方式がある。この装置は、磁束(磁場)発生コイルと磁性体コアを備えた磁束(磁場)発生手段と、磁束発生手段から発生される磁束(磁界)の作用により電磁誘導発熱する回転可能な加熱部材と、この加熱部材とニップ部を形成する回転可能な加圧部材と、を有する。そして、ニップ部で画像を担持した記録材を挟持搬送して加熱する。
このような装置において、いわゆる非通紙部昇温現象を抑制するために、特許文献1に記載の構成の装置がある。この装置は、磁束発生手段の磁性体コアを加熱部材に沿う長手方向に複数に分割し、コア移動手段により個々の分割可動コアを加熱部材との距離を変化させる方向に単独で移動可能としている。そして分割可動コアを移動させる個数を装置に導入される記録材の幅サイズによって変更する制御をする。
また、特許文献2に記載の構成の装置がある。この装置は、加熱媒体と誘導加熱源との間に、誘導加熱源から加熱媒体へ届く磁束の一部を遮蔽する磁束遮蔽部材(磁束遮蔽手段)を配置し、磁束遮蔽部材の位置を変化させる変位手段を設けている。この発明にあっては、磁束遮蔽部材を設け移動させることで、必要部分以外は誘導加熱源から届く磁束が遮蔽され加熱媒体の発熱自体が抑えられることにより、発熱範囲の制御が行われ、昇温される加熱媒体の熱分布をコントロールすることが可能となる。
電磁誘導加熱方式の画像加熱装置には内部IHタイプと外部IHタイプがある。内部IHタイプは回転可能な加熱部材(加熱媒体:発熱部材)の内側に磁束発生手段(誘導加熱源)を配設した構成の装置である。外部IHタイプは加熱部材の外側に磁束発生手段を配設した構成の装置である。
近年は、省エネに伴うウォームアップタイムの短縮が求められており、その結果、加熱部材の低熱容量化、小径化などのために、外部IHタイプ構成が進められている。この場合、特許文献2で提案された電磁誘導加熱方式の加熱装置(定着装置)の磁束遮断部材を外部IHに適用すると、該磁束遮蔽部材は、加熱部材の外周面に近接した位置に配置され、通紙される記録材との距離が近くなる。特に記録材の後端がハネる場合においては、記録材の後端が磁束遮蔽部材に接触することにより、画像不良が発生することが懸念される。
そこで本発明は、外部IHタイプ構成で磁束遮蔽部材を具備させた電磁誘導加熱方式の画像加熱装置において、装置に入る記録材の後端ハネに起因する画像不良を低減することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明に係る画像加熱装置の代表的な構成は、電磁誘導発熱する磁性部材で構成される回転可能な加熱部材と、前記加熱部材の外側に配設されていて前記加熱部材に対して磁束を作用させる磁束発生手段と、前記加熱部材とニップ部を形成する加圧部材と、を有し、前記ニップ部で画像を担持した記録材を挟持搬送して加熱する画像加熱装置であって、前記磁束発生手段と前記加熱部材との間の前記磁束が存在する領域において前記磁束発生手段から前記加熱部材に作用する磁束を低減させる磁束遮蔽部材と、前記加熱部材の回転軸線方向において、前記磁束遮蔽部材を、装置に通紙可能な最大幅の大サイズ記録材の通紙領域の外側である退避位置と、装置に通紙可能な最大幅の大サイズ記録材よりも幅が小さい小サイズ記録材を通紙した際の非通紙部の温度を低下させる有効位置とに移動させる磁束遮蔽部材移動手段と、を有し、前記磁束遮蔽部材は前記有効位置に移動された状態において装置に通紙される記録材の通紙領域と重なる部分の一部に切り欠き部が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、熱容量の低い加熱部材を用いても、通紙される記録材のサイズが多種類であっても、非通紙部昇温を充分に回避でき、かつ記録材の画像汚れを起こすことの無い外部IHタイプの画像加熱装置を提供することができる。
以下に、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。なお、これら実施例は、本発明における最良の実施形態の一例ではあるものの、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
[実施例1]
(1)画像形成装置
図1は、本発明に従う画像加熱装置を定着装置として搭載した画像形成装置の一例の構成模型図である。この画像形成装置は電子写真方式を用いたカラー画像形成装置(プリンタ)である。Y・C・M・Kはそれぞれイエロー・シアン・マゼンタ・ブラックの色トナー画像を形成する4つの画像形成部であり、下から上に順に配列してある。各画像形成部Y・C・M・Kは、それぞれ、感光体ドラム1、帯電装置2、現像装置3、クリーニング装置4等を有している。
(1)画像形成装置
図1は、本発明に従う画像加熱装置を定着装置として搭載した画像形成装置の一例の構成模型図である。この画像形成装置は電子写真方式を用いたカラー画像形成装置(プリンタ)である。Y・C・M・Kはそれぞれイエロー・シアン・マゼンタ・ブラックの色トナー画像を形成する4つの画像形成部であり、下から上に順に配列してある。各画像形成部Y・C・M・Kは、それぞれ、感光体ドラム1、帯電装置2、現像装置3、クリーニング装置4等を有している。
画像形成部Yの現像装置3にはイエロートナーが、画像形成部Cの現像装置3にはシアントナーが、画像形成部Mの現像装置3にはマゼンタトナーが、画像形成部Kの現像装置3にはブラックトナーが、それぞれ収容されている。
ドラム1に露光を行うことにより静電潜像を形成する光学系5が上記4色の画像形成部Y・C・M・Kに対応して設けられている。光学系としては、レーザー走査露光光学系を用いている。各画像形成部Y・C・M・Kにおいて、帯電装置2により一様に帯電されたドラム1に対して光学系5より画像データに基づいた走査露光がなされることにより、ドラム表面に走査露光画像パターンに対応した静電潜像が形成される。
それらの静電潜像が現像装置3によりトナー画像として現像される。すなわち、画像形成部Yのドラム1にはイエロートナー画像が、画像形成部Cのドラム1にはシアントナー画像が、画像形成部Mのドラム1にはマゼンタトナー画像が、画像形成部Kのドラム1にはブラックトナー画像が、それぞれ形成される。
各画像形成部Y・C・M・Kのドラム1上に形成された上記の色トナー画像は各ドラム1の回転と同期して、略等速で回転する中間転写体6上へ所定の位置合わせ状態で順に重畳されて一次転写される。これにより中間転写体6上に未定着のフルカラートナー画像が合成形成される。本実施例においては、中間転写体6として、エンドレスの中間転写ベルトを用いており、駆動ローラ7、二次転写ローラ対向ローラ8、テンションローラ9の3本のローラに巻きかけて張架してあり、駆動ローラ7によって駆動される。
各画像形成部Y・C・M・Kのドラム1上からベルト6上へのトナー画像の一次転写手段としては、一次転写ローラ10を用いている。ローラ10に対して不図示のバイアス電源よりトナーと逆極性の一次転写バイアスを印加する。これにより、各画像形成部Y・C・M・Kのドラム1上からベルト6に対してトナー画像が一次転写される。各画像形成部Y・C・M・Kにおいてドラム1上からベルト6への一次転写後、ドラム1上に転写残として残留したトナーはクリーニング装置4により除去される。
上記工程をベルト6の回転に同調して、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色に対して行い、ベルト6上に、各色の一次転写トナー画像を順次重ねて形成していく。なお、単色のみの画像形成(単色モード)時には、上記工程は、目的の色についてのみ行われる。
一方、記録材カセット11内の記録材Pは、給送ローラ12により一枚分離給送され、レジストローラ13により所定のタイミングで、ローラ8に巻きかけられているベルト6部分と二次転写ローラ14との圧接部である二次転写ニップ部に搬送される。ベルト6上に形成された一次転写合成トナー画像は、ローラ14に不図示のバイアス電源より印加されるトナーと逆極性のバイアスにより、記録材P上に一括転写(二次)される。二次転写後にベルト6上に残留した二次転写残トナーは中間転写ベルトクリーニング装置15により除去される。矢印aは記録材搬送方向である。
記録材P上に二次転写されたトナー画像(未定着画像)は、画像加熱装置である定着装置16により記録材P上に溶融混色定着され、フルカラープリントとして排紙パス17を通って排紙トレイ18に送り出される。(2)定着装置16
以下の説明において、定着装置16またはこれを構成している部材の長手方向(若しくは幅方向)とは、回転体の回転軸線方向(スラスト方向)、または記録材搬送路面内において記録材搬送方向に直交する方向又はその方向に並行な方向である。また、短手方向とは記録材搬送方向に並行な方向である。
以下の説明において、定着装置16またはこれを構成している部材の長手方向(若しくは幅方向)とは、回転体の回転軸線方向(スラスト方向)、または記録材搬送路面内において記録材搬送方向に直交する方向又はその方向に並行な方向である。また、短手方向とは記録材搬送方向に並行な方向である。
定着装置16に関し、正面とは装置を記録材入口側から見た面、背面とはその反対側の面(記録材出口側)、左右とは装置を正面から見て左または右である。上下とは重力方向において上または下である。上流側と下流側とは記録材搬送方向に関して上流側と下流側である。記録材サイズ(紙サイズ)あるいは記録材の通紙幅とは記録材面において記録材搬送方向に直交する方向の記録材寸法(幅サイズ)である。
図2は定着装置16の要部の正面模式図、図3は同装置16の要部の縦断正面模式図、図4は図2の(4)−(4)線に沿う拡大右側面図である。
この定着装置16は、加熱部材の外側に磁束発生手段を設けた外部加熱型(外部IHタイプ)の電磁誘導加熱方式の画像加熱装置である。装置16は、加熱部材(加熱回転体)41を含む加熱アセンブリ40、加圧部材(加圧回転体)としての弾性を有する加圧ローラ50を有する。また、磁束発生手段としてのコイルユニット(誘導加熱装置)60、磁束遮蔽部材(磁束調整部材、磁束遮板)20(20L・20R)を有する。また、加圧ローラ50に対する加熱アセンブリ40の加圧・加圧解除機構80、磁束遮蔽部材20のシフト機構90を有する。
上記のアセンブリ40、ローラ50、ユニット60、部材20、各種機構80・90は装置16の装置シャーシ30に対して組み込まれている。
(2−1)加熱アセンブリ40
アセンブリ40は、後述するコイルユニット60から発生される磁界(磁束、磁場)が存在する領域を通過したときに電磁誘導発熱する磁性部材(金属層、導電部材)で構成される回転可能な加熱部材としての円筒状の定着ベルト41を有する。また、ベルト41の内部に挿入された金属製のステー42を有する。ステー42の下面には長手に沿って圧力付与部材としての加圧パッド43が取り付けられている。
アセンブリ40は、後述するコイルユニット60から発生される磁界(磁束、磁場)が存在する領域を通過したときに電磁誘導発熱する磁性部材(金属層、導電部材)で構成される回転可能な加熱部材としての円筒状の定着ベルト41を有する。また、ベルト41の内部に挿入された金属製のステー42を有する。ステー42の下面には長手に沿って圧力付与部材としての加圧パッド43が取り付けられている。
パッド43は、ベルト41とローラ50との間に所定の押圧力を作用させて定着部(定着ニップ部)Nを形成する部材であり、耐熱性樹脂製である。ステー42はニップ部Nに圧力を加えるために剛性が必要であるため、本実施例では鉄製である。また、ステー42の上面側にはユニット60から発生する磁界の作用で金属製であるステー42が誘導加熱して温度上昇するのを防止するための磁気遮蔽部材としての磁気遮蔽コア(内側磁性体コア)44がステー42の長手にわたって配設されている。
ステー42の左右の両端部にはそれぞれ延長腕部42aが設けられていて、その腕部42aがそれぞれベルト41の左右の両端部から外方に突出している。その左右の腕部42aに対してそれぞれ左右対称形状のフランジ部材45L・45Rが嵌着されている。ベルト41は上記のステー42・パッド43・コア44の複合体に対してルーズに外嵌されている。また、そのベルト41の長手方向(左右方向)への移動が左右のフランジ部材45L・45Rのフランジ部45aの内向き面により規制される。
ベルト41は、後述するように、基層41a(図6)が電磁誘導発熱する金属(磁性部材)で構成されている。そのため、回転状態のベルト41の幅方向への寄りを規制するための手段としては、ベルト41の端部を単純に受け止めるだけのフランジ部45aを有するフランジ部材45L・45Rを設ければ十分である。これにより、装置16の構成を簡略化できるという利点がある。
パッド43の長手中央部にはベルト41の温度を検知する温度検知手段(温度検出素子)としてのサーミスタ等の温度センサTHが弾性支持部材46を介して配設されている。センサTHはベルト41の内面に対して部材46により弾性的に当接している。これにより、回転されるベルト41のセンサ当接面が波打つなどの位置変動が生じたとしてもセンサTHがこれに追従してベルト41の内面との良好な接触状態が維持される。
上記のアセンブリ40は装置シャーシ30の左右の側板30L・30R間に左右のフランジ部材45L・45Rの受圧部45bをそれぞれ側板30L・30Rに配設されている縦ガイドスリット部31に係合させて配設されている。したがって、アセンブリ40は左右の側板30L・30R間においてスリット部31に沿って上下方向に移動可能な自由度を有する。
図6はベルト41の層構成を示す模型図である。本実施例では、ベルト41は内径が30mmで電気鋳造法によって製造したニッケル基層(磁性部材、金属層)41aを有している。この基層41aの厚みは40μmである。基層41aの外周には弾性層41bとして耐熱性シリコーンゴム層が設けられている。層41bの厚さは100〜1000μmの範囲内で設定するのが好ましい。
本実施例では、ベルト41の熱容量を小さくしてウォーミングアップタイムを短縮し、かつカラー画像を定着するときに好適な定着画像を得ることを考慮して、層41bの厚みは300μmとされている。層41bのシリコーンゴムは、JIS−A20度の硬度を持ち、熱伝導率は0.8W/mKである。更に層41bの外周には、表面離型層41cとしてフッ素樹脂層(例えばPFAやPTFE)が30μmの厚みで設けられている。
また、基層41aの内面側には、ベルト内面とセンサTHとの摺動摩擦を低下させるために、フッ素樹脂やポリイミドなどの樹脂層(滑性層)41dを10〜50μm設けても良い。本実施例では、この層41dとしてポリイミドを20μm設けた。
ベルト41は全体的に低熱容量で可撓性(弾性)を有し、自由状態においては円筒形状を保持している。ベルト41の金属層41aにはニッケルのほかに鉄合金や銅、銀などの金属を適宜選択可能である。また、樹脂基層にそれら金属を積層させるなどの構成でも良い。金属層41aの厚みは、ユニット60の後述する励磁コイル(磁場発生コイル)62に流す高周波電流の周波数と金属層41aの透磁率・導電率に応じて調整して良く、5〜200μm程度の間で設定すると良い。
(2−2)加圧ローラ50
ローラ50はアセンブリ40の下側において、軸線方向をアセンブリ40の長手方向にほぼ並行にして、左右の側板30L・30R間に軸受51を介して回転可能に配設されている。
ローラ50はアセンブリ40の下側において、軸線方向をアセンブリ40の長手方向にほぼ並行にして、左右の側板30L・30R間に軸受51を介して回転可能に配設されている。
本実施例において、ローラ50は、長手方向中央部の径が20mmで両端部の径が19mmである鉄合金製の芯金50aに弾性層50bとしてシリコーンゴム層を設けた、外径が30mmの弾性ローラである。表面は離型層50cとしてフッ素樹脂層(例えばPFAやPTFE)が30μmの厚みで設けられる。ローラ50の長手方向中央部における硬度は、ASK−C70℃である。芯金50aにテーパー形状をつけているのは、加圧した時にパッド43が撓んでもベルト41とローラ50との圧接で形成される定着ニップ部N内の圧力が長手方向にわたって均一になるようにするためである。
芯金50aの右側の端部にはドライブギア52が固定して配設されている。このギア52に対して制御部(制御手段:制御回路部、CPU)100で制御される定着モータ53の駆動力が伝達手段(不図示)を介して伝達されて、ローラ50が図4において矢印の反時計方向に所定の速度で回転駆動される。
(2−3)加圧・加圧解除機構80
左右の側板30L・30Rには軸受82・82を介してカム軸81が回転可能に配設されている。その軸81の左右の端部にはそれぞれ側板30L・30Rの外側において左右対称で同形状の偏心カム83が同じ位相で固定して配設されている。また、側板30L・30Rの外側にはそれぞれ上記のカム83と係合する加圧レバー84が配設されている。
左右の側板30L・30Rには軸受82・82を介してカム軸81が回転可能に配設されている。その軸81の左右の端部にはそれぞれ側板30L・30Rの外側において左右対称で同形状の偏心カム83が同じ位相で固定して配設されている。また、側板30L・30Rの外側にはそれぞれ上記のカム83と係合する加圧レバー84が配設されている。
また、各レバー84の下面とそれぞれの側のフランジ部材45L・45Rの受圧部45bの上面との間には加圧バネ(弾性部材)85が配設されている。また、軸81の右側の端部には制御部100で制御されるカム軸駆動手段86が伝達手段(不図示)を介して接続されている。カム軸駆動手段86は例えばステッピングモータ、ソレノイドなどを用いることができる。
左右のカム83の大隆起部が下向きの回転角姿勢となるように軸81が駆動手段86により回転されることにより、アセンブリ40がローラ50に対して加圧(荷重)された状態になり、その加圧状態が保持される。即ち、左右のカム83により左右のレバー84がそれぞれ押し下されて左右のバネ85がレバー84と部材45L・45Rの受圧部45bの上面との間に圧縮される。そのバネ85の圧縮反力により左右の部材45L・45Rと共にステー42が押し下げられて、パッド43がベルト41を挟んで弾性層50bの弾性に抗してローラ50に圧接する。
これにより、ベルト41とローラ50との間に記録材搬送方向aに関して所定幅のニップ部Nが形成される。パッド43はニップ部Nの圧プロフィルの形成を補助する。本実施例におけるニップ部Nの幅は、ニップ圧が600Nにおいては、長手方向両端部で約9mm、中央部では約8.5mmである。これは記録材Pの両端部での搬送速度が中央部と比べて速くなるので紙しわ(記録材しわ)が発生しにくくなるという利点がある。
また、左右のカム83の小隆起部が下向きの回転角姿勢となるように軸81が回転されることにより、アセンブリ40がローラ50に対して加圧解除(抜重)された状態になる。即ち、左右のバネ85の圧縮が解除される。これにより、パッド43のローラ50に対する加圧が解除される。
上記の部材81〜86がローラ50に対するアセンブリ40の加圧・加圧解除機構80を構成している。制御部100は、装置16の少なくとも定着動作時には機構80を加圧状態に制御してその状態を保持する。装置16の待機状態時には機構80を加圧解除状態に制御してその状態を保持する。こうすることでローラ50の弾性層50bやベルト41が塑性変形してしまうのを防止することが出来る。
(2−4)コイルユニット60
ユニット60はベルト41を誘導加熱する加熱源(誘導加熱手段)であり、アセンブリ40の上側(ベルト41の外側)において、左右の側板30L・30Rに対して位置が固定されて配設されている。ユニット60はベルト41に沿って長いハウジング61に対して励磁コイル(磁束発生コイル)62、磁性体コア63等を組み付けたものである。
ユニット60はベルト41を誘導加熱する加熱源(誘導加熱手段)であり、アセンブリ40の上側(ベルト41の外側)において、左右の側板30L・30Rに対して位置が固定されて配設されている。ユニット60はベルト41に沿って長いハウジング61に対して励磁コイル(磁束発生コイル)62、磁性体コア63等を組み付けたものである。
ハウジング61は左右方向を長手とする横長箱型の耐熱樹脂成型品(電気絶縁性樹脂のモールド部材)である。ハウジング61の底板61a側がベルト外面に対する対向面である。底板61aは横断面においてベルト41の外周面の略半周範囲に沿うようにハウジング61の内側に湾曲している。ハウジング61は、底板61a側とは反対側が開口部として開放されている。ハウジング61は、底板61a側をベルト41の上面に対して所定のギャップ(隙間)αを存して対面させて、左右端部を左右の側板30L・30Rに対してブラケット66で固定して配設される。
コイル62は、電線として例えばリッツ線を用い、これを、図7に示すように、横長・船底状にしてベルト41の周面と側面の一部に対向するように巻回してなる。そして、ハウジング内側に湾曲している底板61aの内面に当てがわれてハウジング内部に収められている。コイル62には、制御部100で制御される電源装置(励磁回路)64から20〜50kHzの高周波電流が印加される。
コア63は、コイル62によって発生した磁界がベルト41の金属層(導電層)以外に実質漏れないようにコイル62を覆わせた外側磁性体コアである。そして、コア63はベルト41の長手方向に沿って配設されており、かつ、ベルト41の回転軸線方向(記録材搬送方向aに直交する方向)に複数に分割されて並んで配置されており、コイル62の巻き中心部と周囲を囲むように構成されている。
即ち、ベルト41の回転軸線方向を長手方向とした場合に、コア63は、ベルト41の長手方向に沿って配設されている。かつ、コア63は、種々の記録材サイズ、例えばハガキ、A5、B4、A4、A3、A3ノビサイズの小サイズ記録材を通紙した場合の非通紙部昇温の回避に対応できるように、図7のように長手方向で複数に分割されている。そして、個々にベルト41との距離を変化させる方向に単独で移動可能な分割可動コア63aを有している。
そして、制御部100で制御されて、個々のコア63aをベルト41に対して所定に近接している第1の距離位置D(図4)と、位置Dよりもベルト41から離れた第2の距離位置E(図5)とに移動させるコア移動手段(コア移動機構)65を有する。コア移動手段65の具体的な構成は図の煩雑を避けるために省略したけれども、例えば特許文献1に記載のコア移動手段を適用することが出来る。本実施例においては、第1の距離位置Dがコア63aのホームポジションである。
本実施例において、コア63aの記録材搬送方向aに交差する方向の幅寸法(隣接コアとの隙間寸法も含む)は10mmとしている。本実施例の装置16においては、装置16に通紙可能な最小幅サイズの記録材の幅に対応する最小幅領域(最小幅通紙領域)Wminに対応するコア63aについては移動させる必要のないコアとして第1の距離位置Dに位置させてハウジング61に固定されている。上記の幅領域Wmin以外の領域Woutのコア63aについて個々にコア移動手段65により第1の距離位置Dと第2の距離位置Eとに移動制御する構成としている。
コア63aはコイル62より発生した交流磁束を効率よくベルト41に導く役割をする。すなわち、磁気回路(磁路)の効率を上げるためと磁気遮蔽のために用いている。コア63aの材質として、フェライト等の高透磁率残留磁束密度の低いものを用いると良い。
装置に通紙可能な最大幅サイズの記録材よりも小さい幅サイズの記録材(小サイズ記録材)が通紙されたときの非通紙部に対応する領域におけるコア63aについては第1の距離位置Dから第2の距離位置Eに移動制御される。これにより、ベルト1の非通紙部に対応する部分に対する磁束密度が弱められて非通紙部昇温が抑制される。
ここで、本実施例の装置16においては、ベルト41の周方向に関して、コイル62の巻き中心部がニップ部Nとは180°反対の位置よりもベルト回転方向下流側に位置するようにユニット60をニップ部Nの記録材入口側に出来るだけ近寄らせて配設してある。これにより、ユニット60の加熱部で加熱されたベルト部分がベルト41の回転でニップ部Nに至るまでの距離を短くして、その間におけるベルト41の放熱に伴う温度低下を抑制することができて熱効率を向上させることができる。
(2−5)磁束遮蔽部材20L・20R及びそのシフト機構90
磁束遮蔽部材20L・20Rは、ユニット60のコイル62とベルト41との間の磁束が存在する領域において、コイル62からベルト41に作用する磁束を低減させるための部材である。この部材20L・20Rは磁束遮蔽部材移動手段としてのシフト機構90により位置移動制御される。即ち、部材20L・20Rは上記の磁束が存在する領域に位置しない退避位置(ホームポジション)と、装置16に通紙可能な最大幅の大サイズ記録材よりも幅が小さい小サイズ記録材を通紙した際の非通紙部の温度を低下させるための有効位置とに移動される。
磁束遮蔽部材20L・20Rは、ユニット60のコイル62とベルト41との間の磁束が存在する領域において、コイル62からベルト41に作用する磁束を低減させるための部材である。この部材20L・20Rは磁束遮蔽部材移動手段としてのシフト機構90により位置移動制御される。即ち、部材20L・20Rは上記の磁束が存在する領域に位置しない退避位置(ホームポジション)と、装置16に通紙可能な最大幅の大サイズ記録材よりも幅が小さい小サイズ記録材を通紙した際の非通紙部の温度を低下させるための有効位置とに移動される。
部材20L・20Rとしては、アルミニウム、銅、銀、金、真鍮などの非磁性金属やその合金でも良いし、高透磁率部材であるフェライトやパーマロイなどの材料でもよい。部材20L・20Rの配設位置としては、コイル62とコア63aの間、コイル62とベルト41の間、もしくはベルト41とコア44の間などが考えられる。
本実施例の装置16においては、部材20L・20Rはユニット60とベルト41との間に形成されている隙間αにおいてベルト41の左右両端部側に一対配設されている。図8はその左右一対の部材20L・20Rとシフト機構90の斜視模式図である。
本実施例において左右一対の部材20L・20Rは共に帯板状の銅板をベルト41の外周面の略半周範囲に沿うように略半円弧状に曲げ加工した部材である。この部材20L・20Rには記録材搬送方向aに関して上流側である前端部側と下流側である他端部側のそれぞれを外方に延長して前方張出し板部20aと後方張出し板部20bを具備させてある。左側の部材20Lの前方張出し板部10aの左辺には切り起し片20cを具備させてある。また、右側の部材20Lの前方張出し板部10aの右辺には同様の切り起し片20cを具備させてある。
左右の部材20L・20Rの前方張出し板部20aにはそれぞれキャリッジ91L・91Rが連結されている。キャリッジ91L・91Rは左右対称形状の部材であり、それぞれ、脚部91aと、脚部91aの上端部に具備させた、ネジ穴91cを有する頭部91bと、脚部91aの下端部に具備させた半円板状の座部91dを有する。
左側のキャリッジ91Lは左側の部材20Lの前方張出し板部20aに対して、座部91dの欠円部を切り起し片20cの内側において前方張出し板部20aに当接させて座部91dと切り起し片20cとをピン92により連結することで結合されている。これにより、左側の部材20Lは左側のキャリッジ91Lの座部91dに対して回動することなく片持ち支持される。
また、右側のキャリッジ91Rは右側の部材20Rの前方張出し板部20aに対して、座部91dの欠円部を切り起し片20cの内側において前方張出し板部20aに当接させて座部91dと切り起し片20cとをピン92により連結することで結合されている。これにより、右側の部材20Rは右側のキャリッジ91Rの座部91dに対して回動することなく片持ち支持される。
また、ユニット60の前側において、装置シャーシ30の左右の側板30L・30R間には軸受94・94を介してスクリュー軸93が回転可能に配設されている。この軸93は左半部側のネジ部93Lと右半部側のネジ部93Rを互いに逆ネジにしてある。
そして、左側のキャリッジ91Lは頭部91bのネジ穴91cを軸93の左側のネジ部93Lに螺合させてある。また、右側のキャリッジ93Rは頭部91bのネジ穴91cを軸93の右側のネジ部93Rに螺合させてある。即ち、左右の部材20Lと20Rの前方張出し板部20aはそれぞれ左右のキャリッジ91Lと91Rを介してスクリュー軸93に支持される。
また、軸93の下側において左右の側板30L・30R間に軸93と並行に配列してガイド軸96が配設されている。この軸96に対して左右のキャリッジ91Lと91Rの脚部91dの前面側がそれぞれ受け止められている。これにより、左右のキャリッジ91Lと91Rの軸93を中心とする揺動が規制される。
上記の構成において、左側の部材20Lはユニット60とベルト41との間の隙間αにおいてユニット60の底板61aにもベルト41の外面にも非接触の状態でベルト41ベルト41の左端部側に配設されている。右側の部材20Rはユニット60とベルト41との間の隙間αにおいてユニット60の底板61aにもベルト41の外面にも非接触の状態でベルト41の右端部側に配設されている。
軸93の右端部側には制御部100で制御されるスクリュー軸駆動手段95が伝達手段(不図示)を介して接続されている。駆動手段95は例えばステッピングモータである。左右の部材20L・20Rは、それぞれ、ベルト41の左端部側の所定の位置と右端部側所定の位置とを退避位置であるホームポジションとしている。
部材20L・20Rがホームポジションに位置している状態において、軸93が駆動手段95により正回転駆動される。そうすると、キャリッジ91Lと91Rがそれぞれ軸93及び軸96に沿ってベルト41の中央部に向って同じ移動量をもって移動して両者の間隔が中央基準で狭められる。
即ち、左右の部材20L・20Rがそれぞれベルト41の中央部に向って同じ移動量をもって移動して両者の間隔が中央基準で狭められる。そして、軸93の正回転量が制御されることで、部材20L・20Rが、装置16に通紙可能な最大幅の大サイズ記録材よりも幅が小さい小サイズ記録材を通紙した際の非通紙部の温度を低下させるための有効位置に移動される。この部材20L・20Rの移動は隙間α内においてベルト41にもハウジング61の底板61aにも非接触でなされる。
また、左右の部材20L・20Rの間隔が狭められている状態において、軸93が駆動手段95により逆回転駆動される。そうすると、キャリッジ91Lと91Rがそれぞれ軸93及び軸96に沿ってベルト41の左右両端部側のホームポジションに向って同じ移動量をもって移動する。中央部に向って同じ移動量をもって移動して両者の間隔が中央基準で狭められる。即ち、左右の部材20L・20Rの間隔が中央基準で広げられる。この左右の部材20L・20Rの移動は隙間α内においてベルト41にもハウジング61の底板61aにも非接触でなされる。
上記の部材91〜96が部材20L・20Rを退避位置と有効位置とに移動させる磁束遮蔽部材移動手段としてのシフト機構90を構成している。部材20L・20Rの挿入の効果としては、コア63aの移動よりも磁束を弱めベルト41の発熱量を低下する効果が大きい。また、小サイズ記録材の場合に、この部材20L・20Rをコア63aの移動機構65と連動して移動することで、コア63aの分割幅よりも細かく長手発熱分布を制御できる。部材20L・20Rの厚みとしては表皮深さ以上である0.5mmのものを用いる。
部材20L・20Rは上記のようにベルト長手方向においてベルト41の両端部に配置される。それぞれの端部に配置される部材20L・20Rの長手幅(記録材搬送方向と交差する方向の幅)は、磁束遮蔽効果を発揮する十分な幅を持つことが望ましい。また、最大サイズ記録材に対応する最大発熱幅を低減しない幅であることが望ましい。そして、装置16の長手幅も拡大することなく配置出来る幅であることが望ましい。具体的には、本実施例においては20mmとした。
(2−6)定着動作
画像形成装置のスタンバイ状態において、定着装置16は、定着モータ53がOFFにされていてローラ50の回転は停止している。機構80は加圧解除状態にされていてニップ部Nの加圧は解除されている。ユニット60のコイル62に対する給電はOFFにされている。部材20L・20Rは退避位置であるホームポジションに位置している。
画像形成装置のスタンバイ状態において、定着装置16は、定着モータ53がOFFにされていてローラ50の回転は停止している。機構80は加圧解除状態にされていてニップ部Nの加圧は解除されている。ユニット60のコイル62に対する給電はOFFにされている。部材20L・20Rは退避位置であるホームポジションに位置している。
制御部100は、プリントジョブ開始信号(画像形成ジョブ開始信号)の入力に基づいて所定の制御タイミングにて機構80を加圧状態にする。これによりニップ部Nが加圧状態になる。またモータ53をONする。これにより、ローラ50が図4において矢印の反時計方向に所定の速度で回転駆動される。
このローラ50の回転により、ニップ部Nにおけるローラ50の表面とベルト41の表面との摩擦力でベルト41に回転力が作用する。ベルト41はその内面がパッド43の下面に密着して摺動しながらステー42・パッド43・コア44の外周りを矢印の時計方向にローラ50の回転速度と同じ速度で従動回転する。ベルト41の回転に伴うスラスト方向への移動は左右のフランジ部材45L・45Rのフランジ部45aにより規制される。
ベルト41は、少なくとも画像形成実行時には、制御部100で制御されるモータ53によってローラ50が回転駆動されることで上記のように従動回転する。この回転は、二次転写部T2側から搬送されてくる、未定着トナー画像(未定着画像)tを担持した記録材Pの搬送速度とほぼ同一の周速度でなされる。本実施例の場合、ベルト41の表面回転速度が300mm/secで回転し、フルカラーの画像を1分間にA4サイズで80枚、A4Rサイズで58枚定着することが可能である。
制御部100は電源装置64からコイル62に対して、例えば20kHz〜500kHzの交番電流(高周波電流)を供給する。コイル62は交番電流の供給により交番磁束(磁場)を発生する。その交番磁束がコア63により回転しているベルト41の上面側においてベルト41の金属層41aに導かれる。そうすると、金属層41aに渦電流が発生して、その渦電流によるジュール熱により金属層41aが自己発熱(電磁誘導発熱)してベルト41が昇温していく。
即ち、回転するベルト41はユニット60から発生される磁界が存在する領域を通過したときに金属層41aが電磁誘導発熱して全周的に加熱されて昇温する。本実施例において、ベルト41とユニット60のコイル62は厚さ0.5mmのハウジング底板(モールド)61aにより電気絶縁の状態を保つ。そして、ベルト41とコイル62との間隔は1.5mm(底板61aの表面とベルト表面の距離(隙間α)は1.0mm)で一定であり、ベルト41は均一に加熱される。
このベルト41の温度が温度センサTHにより検知される。センサTHはベルト41の通紙領域になる部分の温度を検知し、その検知温度情報が制御部100にフィードバックされる。制御部100の温調機能部(温度制御手段)はこのセンサTHから入力する検知温度(検知される温度に関する情報)が所定の目標温度(定着温度:所定の温度に対応する情報)に維持されるように電源装置64からコイル62に対する供給電力を制御している。
すなわち、ベルト41の検出温度が所定温度に昇温した場合、コイル62への通電が遮断される。本実施例では、ベルト41の目標温度である180℃で一定になるように、センサTHの検出値に基づいて高周波電流の周波数を変化させてコイル62に入力する電力を制御して温度調節を行っている。
上記のようにローラ50が駆動され、ベルト41が所定の定着温度に立ち上がって温調された状態において、ニップ部Nに未定着トナー画像tを有する記録材Pがそのトナー画像担持面側をベルト41側に向けてガイド部材33で案内されて導入される。記録材Pはニップ部Nにおいてベルト41の外周面に密着し、ベルト41と一緒にニップ部Nを挟持搬送されていく。
これにより、主にベルト41の熱が付与され、またニップ部Nの加圧力を受けて未定着トナー画像tが記録材Pの表面に熱圧定着される。ニップ部Nを通った記録材Pはベルト41の外周面からベルト41の表面がニップ部Nの出口部分の変形によって自己分離(曲率分離)して定着装置外へ搬送される。
ユニット60が、高温になるベルト41の内部ではなく外部に配置されているので、コイル62の温度が高温になりにくく、電気抵抗も上昇せず高周波電流を流してもジュール発熱による損失を軽減する事が可能となる。また、コイル62を外部に配置したことでベルト41の小径化(低熱容量化)にも寄与しており、ひいては省エネルギー性にも優れていると言える。
本実施例の定着装置16のウォーミングアップタイムは、非常に熱容量が低い構成であるため、例えばコイル62に1200W入力すると約15秒で目標温度である180℃に到達できる。スタンバイ中の加熱動作が不要であるため、電力消費量を非常に低く抑える事が可能である。
(2−7)非通紙部昇温の抑制
図2において、Wmaxは装置16に通紙可能な最大幅の大サイズ記録材の幅サイズ(通紙領域)である。本実施例においては、大サイズ記録材は13インチ×19インチ紙で、縦送りである。従って、Wmaxは13インチ(330mm)である。
図2において、Wmaxは装置16に通紙可能な最大幅の大サイズ記録材の幅サイズ(通紙領域)である。本実施例においては、大サイズ記録材は13インチ×19インチ紙で、縦送りである。従って、Wmaxは13インチ(330mm)である。
ここで、本実施例においては、ベルト41の幅(長手寸法)は390mm、加圧ローラ50の幅は370mm、均熱ローラ70の幅は350mmとしている。ベルト41を加熱するコイルユニット60の有効加熱幅は最大通紙幅Wmax(330mm)をカバーするように設定されている。
ベルト41の幅(390mm)は最大通紙幅Wmax(330mm)よりも大きいから、ベルト41の最大通紙幅領域Wmaxの左右外側にそれぞれ幅30mmずつの延長幅部がある。このベルト41の左右の延長幅部をそれぞれ前述した左右の部材20L・20R(幅20mm)の退避位置としてのホームポジションとしている。
領域AはWmaxよりも幅が小さい小サイズ記録材(装置16に通紙可能な最小幅サイズの記録材の幅に対応する幅領域Wmin(図7)の幅以上)の通紙領域である。本実施例の装置においては記録材Pの通紙は中央基準搬送にてなされるものとする。Oはその中央基準線(仮想線)である。領域Bは小サイズ記録材を通紙したときに生じるベルト41とローラ50における非通紙領域である。大サイズ記録材の通紙領域Wmaxと、通紙した小サイズ記録材の通紙領域Aの差領域((Wmax−A)/2)であり、通紙領域Aの両側に生じる。
小サイズ記録材を連続的に通紙すると、ベルト41の非通紙領域Bは記録材Pの加熱に熱エネルギーが消費されないにも拘わらず、通紙領域Aに対応する部分と同様に単位長さ当りの所定の発熱量をもって発熱するので蓄熱を生じる。そのため非通紙領域Bに対応するベルト41部分が通紙領域Aに対応する部分よりも温度が上がるいわゆる非通紙部昇温現象を生じる。そして、このベルト41の非通紙部昇温によりベルト41に当接する加圧ローラ50も非通紙部対応部分が通紙部対応部分よりも昇温する。
ここで、加熱部材41を高速昇温させるために、加熱部材41の肉厚を薄くして熱容量を小さくすると、加熱部材41の軸直角断面の断面積がきわめて小さくなるために、軸方向への熱伝導が良好でない。この傾向は薄肉なほど顕著であり、熱伝導率の低い樹脂等の材質ではさらに低くなる。これは、熱伝導率をλ、2点間の温度差をθ1−θ2、長さをLとしたとき、単位時間に伝わる熱量Qは、Q=λ・f(θ1ーθ2)/L、で表されるというフーリエの法則からも明らかである。
このことは、加熱部材41の長手方向長さいっぱいの記録材、すなわち最大通紙幅の記録材(大サイズ記録材)を通紙して定着させる場合には問題ない。しかし、それよりも幅の小さい小サイズ記録材を連続で通紙させる場合には、加熱部材41の非通紙領域における温度が温調温度よりも上昇し、通紙領域における温度と非通紙領域における温度との温度差が極めて大きくなってしまう(非通紙部昇温)。
したがって、このような加熱部材41の非通紙部昇温のために、樹脂材料からなる周辺部材の耐熱寿命が低下したり、熱的損傷を被ったりするおそれがある。さらには、小サイズ記録材を連続で通紙させた直後にそれよりも大きき幅サイズの記録材を通紙したときに、部分的な温度ムラによる紙シワや、定着ムラが生じるおそれがある。
このような通紙領域と非通紙領域との温度差は、搬送される記録材の熱容量が大きく、スループット(単位時間あたりのプリント枚数)を高くするほど広がることになる。このため、薄肉で低熱容量の加熱部材により加熱装置を構成する場合に、スループットの高い複写機などへの適用を困難にしていた。
本実施例においては、小サイズ記録材を通紙する場合における非通紙部昇温を下記のa)とb)の2つの制御により適切に抑制するようにしている。
a)分割可動コア63aの移動制御による非通紙部昇温の抑制
前述のように、ユニット60のコア63は、ベルト41の長手方向に沿って配設されている。そして、各種幅サイズの小サイズ記録材の非通紙部昇温の回避に対応できるように長手方向で複数に分割されて個々にベルト41との距離を変化させる方向に単独で移動可能な分割可動コア63aを有している。そして、制御部100で制御されて、個々のコア63aを移動させるコア移動機構65を有する。
前述のように、ユニット60のコア63は、ベルト41の長手方向に沿って配設されている。そして、各種幅サイズの小サイズ記録材の非通紙部昇温の回避に対応できるように長手方向で複数に分割されて個々にベルト41との距離を変化させる方向に単独で移動可能な分割可動コア63aを有している。そして、制御部100で制御されて、個々のコア63aを移動させるコア移動機構65を有する。
制御部100は、装置に通紙される記録材Pが、小サイズ記録材である場合には、複数の分割可動コア63aのうち、通紙される小サイズ記録材の通紙領域Aに対応するコア63aについては第1の距離位置Dに位置させる。それ以外のコア63aについては第2の距離位置Eに位置させるようにコア移動機構65を制御する。
本実施例においては、個々のコア63aは機構65により、図4のように、コイル41に対して間隔0.5mmで接近している第1の距離位置Dと、図5のように、コイル41に対して間隔10mmと離れている第2の距離位置Eとに移動可能である。コア63aが第1の距離位置Dにあるときはそのコアが対応しているベルト41部分の発熱効率は非常に高い。これに対して、コア63aが第2の距離位置Eにあるときはそのコアが対応しているベルト41部分の発熱効率は低下する。
制御部100は、プリントジョブ(記録材通紙ジョブ)が開始すると、通紙される記録材のサイズ入力値を読み取る。通紙される記録材が大サイズ記録材である場合には、コア63aの全てを第1の距離位置Dに位置させるように機構65を制御する。小サイズ記録材である場合には、コア63aのうち、通紙される小サイズ記録材の通紙領域Aに対応するコア63aについては第1の距離位置Dに位置させ、それ以外のコア63aについては第2の距離位置Eに位置させるように機構65を制御する。
これにより、ベルト41の非通紙領域Bに対応する部分の発熱効率が通紙領域Aに対応する部分よりも低下することにより、ベルト41およびローラ50の非通紙部昇温が抑制される。
b)磁束遮蔽部材20L・20Rの移動制御による非通紙部昇温の抑制
制御部100は、プリントジョブが開始すると、通紙される記録材のサイズ入力値を読み取る。通紙される記録材が大サイズ記録材である場合には、部材20L・20Rを退避位置であるホームポジションに保持させたままとする。小サイズ記録材である場合には、駆動手段95により軸93を正回転駆動させて、部材20L・20Rをそれぞれベルト41の中央部に向う方向に移動させる。そして、部材20L・20Rを両者の間隔が小サイズ記録材の幅にほぼ対応する間隔になる位置まで移動させて軸93の駆動を停止させる。
制御部100は、プリントジョブが開始すると、通紙される記録材のサイズ入力値を読み取る。通紙される記録材が大サイズ記録材である場合には、部材20L・20Rを退避位置であるホームポジションに保持させたままとする。小サイズ記録材である場合には、駆動手段95により軸93を正回転駆動させて、部材20L・20Rをそれぞれベルト41の中央部に向う方向に移動させる。そして、部材20L・20Rを両者の間隔が小サイズ記録材の幅にほぼ対応する間隔になる位置まで移動させて軸93の駆動を停止させる。
この部材20L・20Rをコア63aの移動機構64と連動して移動することで、コア63aの分割幅よりも細かくベルト41の長手発熱分布を制御してベルト41およびローラ50の非通紙部昇温が抑制される。
このa)とb)との併用について更に詳述する。本実施例においては、分割コア63aのベルト長手方向の幅は10mmとしている。記録材Pのサイズに対応してコア63aが移動することで、非通紙領域での昇温を抑制する。幅Aの小サイズ記録材P(例えばA4横送り)を通紙する場合の、コア63aの移動による効果を図9、図10に示す。
図9は記録材Pの幅Aに対してコア63aによって磁束が強められている幅Bが広い時の通紙1枚目(点線)と通紙500枚目(実線)の定着ベルト長手温度分布を示している。これによると、通紙1枚目において通紙領域で均一な温度分布を得ようとすると、通紙500枚目において紙端部の位置においてベルト41は270℃となり非常に大きな昇温をしてしまっているのが分かる。この過昇温はベルト41の耐久破壊を招くため、低減することが必須となる。
次に、図10は記録材Pの幅Aとコア63aによって磁束が強められている幅Bが一致する時の通紙1枚目(点線)と通紙500枚目(実線)の定着ベルト長手温度分布を示している。これによると、通紙500枚目においても、記録材端部での過昇温はベルト41の耐久限界温度以下となっている。しかし、通紙1枚目においても、通紙500枚目においても通紙領域端部で定着可能温度以下になっており、温度ダレが見られる。これでは、トナーに十分な熱量を与えることが出来ず、低温オフセットを誘発してしまう結果となる。
そこで、上記したような記録材端部における過昇温を防止し、かつ、通紙領域端部での温度ダレも防止するために、磁束遮蔽部材20L・20Rを導入する。
図11に各部材の配置の関係を示す。左右の部材20L・20Rは長手方向においてベルト41の両端部に配置される。それぞれの端部に配置される部材20L・20Rの長手幅(記録材搬送方向と交差する方向の幅)は、ベルト41の端部を規制するフランジ部45aとコイル62の長手方向における内径の差分位置に配置できる幅以下の幅とした。
これは、磁束遮蔽効果を発揮する十分な幅を持つこと、最大サイズ記録材に対応する最大発熱幅を低減しないこと、そして、定着装置16の長手幅も拡大することなく配置出来る幅であるといった3つの理由からである。
部材20L・20Rの幅に関して、磁束遮蔽効果を発揮する十分な幅は、図12に示すように、記録材端部での昇温の低減効果がコア63aの幅より小さいところであると小さくなってしまうためで、コア7aの幅以上と規定している。
次に、最大発熱幅を低減せず、また、装置16の長手幅も拡大することもない配置を図11により明示する。この図11は、部材20L・20Rがない場合と、それを側板30L・30Rとコイル62の長手方向における内径の差分位置に配置した場合と、部材20L・20Rの幅がそれ以上の場合に関しての、ベルト41の最大発熱幅を示している。
これによると、部材20L・20Rを側板30L・30Rとコイル62の長手方向における内径の差分位置に配置した場合は部材20L・20Rを配置しない場合と比較して、最大発熱幅がほぼ変わらない。それに対して、部材20L・20Rの幅が広い場合に関しては、長手の最大発熱幅が短くなっているのが分かる。これにより、最大サイズ紙通紙時においては、部材20L・20Rは側板30L・30Rとコイル62の長手方向における内径の差分位置に配置された状態を初期位置A1として配置する。
本実施例における部材20L・20Rの挿入の効果を説明するために実際に検討を行う。条件としては、15℃環境においてA4:105g紙を80ppmで500枚通紙した。コア63a、部材20L・20Rの長手幅はそれぞれX1、Y1である。温調温度はベルト41の中央において180℃とし、ベルト41の耐久破壊温度はベルト41の内面において230℃である。耐久破壊温度よりも定着ベルト温度が高くなってしまうと、耐久通紙可能枚数が大幅に低減してしまう。
図13に、一方の端部(左端部側)における部材20Lの挿入位置と記録材端部の温度との関係図を示す。部材20Lを記録材端部位置まで挿入してしまうと、通紙領域で温度ダレが発生してしまう。それに対し、挿入位置を記録材端部位置外側へ離すほど記録材端部での昇温低減効果は低下しまう。これらを共に回避出来る位置を適正位置(有効位置)としているが、これは環境、紙種や生産性などによらないため、初期設定として位置を設定できる。
本実施例においては、適正領域の中でも記録材端部位置からX1/2外側の位置が最も記録材端部での昇温を低減できるため、この位置を適正位置Z1として部材20Lを挿入する。
部材20Lがない場合(実線)と、適正位置Z1まで部材20Lを挿入した場合(点線)の500枚通紙後の長手温度分布を示したのが図14である。部材20L・20Rがない場合、ベルト41の記録材端部位置の温度は270℃まで昇温してしまったが、部材20L・20Rを用いることによって記録材端部位置の温度は200℃まで緩和され、記録材端部位置での昇温が大きく低減されているのが分かる。
しかし、この部材20L・20Rの挿入位置に常に部材20L・20Rが位置していると、通紙1枚目においてA4紙定着に十分な長手発熱幅が得られないため、通紙初期において部材20L・20Rは記録材端部位置の外側にある退避位置B1まで退避させておく。通紙を重ねると記録材端部位置で昇温してくるため、その温度がある程度上がったところで部材20L・20Rを適正位置Z1まで挿入する。
記録材端部での温度上昇は主に生産性によって決まるため、部材20L・20Rを移動するタイミングに関しては、生産性で場合分けされたテーブルを持つことで、決まった通紙枚数において移動制御される。このテーブル例を図15に示す。
本実施例における15℃環境、A4:105g紙、80ppmの条件であると、通紙10枚目において部材20L・20Rを退避位置B1から適正位置Z1まで移動させる。通紙枚数が10枚よりも早い時点で部材20L・20Rを移動すると通紙領域での温度ダレを誘発してしまうし、それよりも遅い時点で移動すると記録材端部位置での昇温が耐久破壊温度を超えてしまうためである。
これらの流れをまとめたものが図16に示すフローチャートである。また、図16に示すように実際に通紙耐久テストを行ったところ、適切な枚数後に適正位置Z1まで部材20L・20Rを挿入することで、部材20L・20Rがない場合は耐久枚数100kで定着ベルト表層にしわが発生し画像不良が見られた。これに対し、磁束遮蔽部材11がある場合は耐久枚数300k以上においても良好な画像が得られた。
(2−8)後端ハネ
しかし、さらに生産性を上げた画像形成装置においては、小サイズ記録材の非通紙部昇温がさらに厳しくなり、部材20L・20Rを適正位置Z1からさらに紙端部に近づける必要がある。場合によっては部材20L・20Rの端部を、通紙される記録材の左右両端部(記録材の左右両サイド)とオーバーラップする位置まで、移動する必要がある。
しかし、さらに生産性を上げた画像形成装置においては、小サイズ記録材の非通紙部昇温がさらに厳しくなり、部材20L・20Rを適正位置Z1からさらに紙端部に近づける必要がある。場合によっては部材20L・20Rの端部を、通紙される記録材の左右両端部(記録材の左右両サイド)とオーバーラップする位置まで、移動する必要がある。
このような構成の場合、後端ハネした記録材が部材20L・20Rの前方張出し板部20aに接触して記録材上の未定着のトナーが前方張出し板部20aに付着し、画像不良になるという問題が懸念される。後端ハネとは記録材後端側のベルト41に対して凹曲状の反り返りである。
本実施例では、図8の、部材20L・20Rと通紙される小サイズ記録材Pの幅の関係図のように、記録材Pの両サイドと部材20L・20Rとがオーバーラップする領域βにおいて、部材20L・20Rの一部に切り欠き部20dを設けることで対応している。
即ち、通紙される小サイズ記録材の幅に応じて部材20L・20Rが有効位置に移動された状態において部材20L・20Rの記録材通紙領域Aと重なる部分βの一部に切り欠き部20dを形成したものである。これにより、小サイズ記録材Pの通紙時に、後端ハネした記録材Pと部材20L・20Rとの接触を防止している。
本実施例においては、部材20L・20Rの記録材搬送方向上流側の端部である前方張出し板部20aの先端側に上記の切り欠き部20dを設けた。本実施例では、記録材Pの余白分2.5mmを考慮し、切り欠き幅を余白分以上の3mmとした。
上記の構成を用いることにより、紙端における定着装置の昇温を低減し、定着装置に入る記録材の後端ハネによる画像不良を低減することができる。
[実施例2]
装置16の構成によっては、小サイズ記録材の通紙においてニップ部Nを出た先端ハネ或いは後端ハネした記録材が部材20L・20Rの記録材搬送方向下流側の端部である後方張出し板部20bに接触する。これにより、記録材上の定着直後のトナーが擦過されて画像不良になるという問題も懸念される。先端ハネとはニップ部Nを出た記録材先端部のベルト41に対して凹曲状の反り返りである。
装置16の構成によっては、小サイズ記録材の通紙においてニップ部Nを出た先端ハネ或いは後端ハネした記録材が部材20L・20Rの記録材搬送方向下流側の端部である後方張出し板部20bに接触する。これにより、記録材上の定着直後のトナーが擦過されて画像不良になるという問題も懸念される。先端ハネとはニップ部Nを出た記録材先端部のベルト41に対して凹曲状の反り返りである。
そこで、本実施例においては、図17の(a)のように、部材20L・20Rの下流側の端部である後方張出し板部20bの先端側に対して実施例1の場合と同様の切り欠き部20dを設けた。これにより、小サイズ記録材の通紙においてニップ部Nを出た先端ハネ或いは後端ハネした記録材と部材20L・20Rとの接触を防止している。
また、装置16の構成によっては、図17の(b)のように、部材20L・20Rの上流側の端部である前方張出し板部20aと下流側の端部である後方張出し板部20bとの両方にそれぞれ切り欠き部20dを形成したものにすることもできる。
[実施例3]
実施例1や2の切り欠き部20dの代わりに、図18、図19のように、搬送された記録材に触れた際に従動して回転可能な拍車部材20eを部材20L・20Rに取り付けて記録材の後端ハネや前端ハネによる画像不良を低減することができる。拍車部材20eは部材20L・20Rのできるだけ上流側端部または下流側端部に近い位置に取り付けることが望ましい。
実施例1や2の切り欠き部20dの代わりに、図18、図19のように、搬送された記録材に触れた際に従動して回転可能な拍車部材20eを部材20L・20Rに取り付けて記録材の後端ハネや前端ハネによる画像不良を低減することができる。拍車部材20eは部材20L・20Rのできるだけ上流側端部または下流側端部に近い位置に取り付けることが望ましい。
本実施例において拍車部材20eは部材20L・20Rの前方張出し板部20aまたは後方張出し板部20bもしくはその両方の張出し板部20a・20bの内側の縁部に切り起し片20fを具備させる。この切り起し片20fに対して拍車部材20eをピン20gにより回転可能に取り付けてある。後端ハネや前端ハネした記録材は前方張出し板部20aまたは後方張出し板部20bもしくはその両方の張出し板部20a・20bに接する前に拍車部材20eに触れる。そして、拍車部材20eは記録材に触れた際に従動して回転する。即ち、記録材上の画像を擦らないので画像不良を低減することができる
[その他]
本発明の画像加熱装置は実施例の定着装置に限られず、記録材に形成された未定着の画像を仮定着する装置、記録材に定着された画像を加熱することにより画像の光沢を増大させる光沢増大化装置としても有効である。また、インクジェット方式などの染料や顔料を含む液体により画像形成を行う画像形成装置においてインクを速く乾かすための装置としても有効である。
[その他]
本発明の画像加熱装置は実施例の定着装置に限られず、記録材に形成された未定着の画像を仮定着する装置、記録材に定着された画像を加熱することにより画像の光沢を増大させる光沢増大化装置としても有効である。また、インクジェット方式などの染料や顔料を含む液体により画像形成を行う画像形成装置においてインクを速く乾かすための装置としても有効である。
16・・画像加熱装置、41・・加熱部材、41a・・磁性部材、50・・加圧部材、N・・ニップ部、60・・磁束発生手段、P・・記録材、t・・画像、20L・20R・・磁束遮蔽部材、20d・・切り欠き部、90・・磁束遮蔽部材移動手段、Wmax・・大サイズ記録材の通紙領域、A・・小サイズ記録材の通紙領域、β・・重なる部分
Claims (7)
- 電磁誘導発熱する磁性部材で構成される回転可能な加熱部材と、前記加熱部材の外側に配設されていて前記加熱部材に対して磁束を作用させる磁束発生手段と、前記加熱部材とニップ部を形成する加圧部材と、を有し、前記ニップ部で画像を担持した記録材を挟持搬送して加熱する画像加熱装置であって、
前記磁束発生手段と前記加熱部材との間の前記磁束が存在する領域において前記磁束発生手段から前記加熱部材に作用する磁束を低減させる磁束遮蔽部材と、
前記加熱部材の回転軸線方向において、前記磁束遮蔽部材を、装置に通紙可能な最大幅の大サイズ記録材の通紙領域の外側である退避位置と、装置に通紙可能な最大幅の大サイズ記録材よりも幅が小さい小サイズ記録材を通紙した際の非通紙部の温度を低下させる有効位置とに移動させる磁束遮蔽部材移動手段と、
を有し、前記磁束遮蔽部材は前記有効位置に移動された状態において装置に通紙される記録材の通紙領域と重なる部分の一部に切り欠き部が形成されていることを特徴とする画像加熱装置。 - 前記切り欠き部は前記磁束遮蔽部材の記録材搬送方向上流側の端部、または記録材搬送方向下流側の端部、もしくは記録材搬送方向上流側の端部と記録材搬送方向下流側の端部の両方に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像加熱装置。
- 前記磁束発生手段は磁束発生コイルと磁性体コアを備え、前記磁性体コアは、前記加熱部材の回転軸線方向に沿って配設されており、かつ、複数に分割されて個々に前記加熱部材との距離を変化させる方向に単独で移動可能な分割可動コアを有しており、
前記個々の分割可動コアを前記加熱部材に対する第1の距離位置と前記第1の距離位置よりも前記加熱部材から離れた第2の距離位置とに移動させるコア移動手段と、
装置に通紙される記録材が前記小サイズ記録材である場合には、前記複数の分割コアのうち、通紙される小サイズ記録材の通紙領域に対応する分割コアについては前記第1の距離位置に位置させ、それ以外の分割コアについては前記第2の距離位置に位置させるように前記コア移動手段を制御すると共に、前記磁束遮蔽部材を前記退避位置から前記有効位置に位置させるように前記磁束遮蔽部材移動手段を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする請求項1または2に記載の画像加熱装置。 - 電磁誘導発熱する磁性部材で構成される回転可能な加熱部材と、前記加熱部材の外側に配設されていて前記加熱部材に対して磁束を作用させる磁束発生手段と、前記加熱部材とニップ部を形成する加圧部材と、を有し、前記ニップ部で画像を担持した記録材を挟持搬送して加熱する画像加熱装置であって、
前記磁束発生手段と前記加熱部材との間の前記磁束が存在する領域において前記磁束発生手段から前記加熱部材に作用する磁束を低減させる磁束遮蔽部材と、
前記加熱部材の回転軸線方向において、前記磁束遮蔽部材を、装置に通紙可能な最大幅の大サイズ記録材の通紙領域の外側である退避位置と、装置に通紙可能な最大幅の大サイズ記録材よりも幅が小さい小サイズ記録材を通紙した際の非通紙部の温度を低下させる有効位置とに移動させる磁束遮蔽部材移動手段と、
を有し、前記磁束遮蔽部材は、前記有効位置に移動された状態において通紙される記録材に触れた際に従動して回転可能な拍車部材を有することを特徴とする画像加熱装置。 - 前記拍車部材は前記磁束遮蔽部材の記録材搬送方向上流側の端部、または記録材搬送方向下流側の端部、もしくは記録材搬送方向上流側の端部と記録材搬送方向下流側の端部の両方に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の画像加熱装置。
- 前記磁束発生手段は磁束発生コイルと磁性体コアを備え、前記磁性体コアは、前記加熱部材の回転軸線方向に沿って配設されており、かつ、複数に分割されて個々に前記加熱部材との距離を変化させる方向に単独で移動可能な分割可動コアを有しており、
前記個々の分割可動コアを前記加熱部材に対する第1の距離位置と前記第1の距離位置よりも前記加熱部材から離れた第2の距離位置とに移動させるコア移動手段と、
装置に通紙される記録材が前記小サイズ記録材である場合には、前記複数の分割コアのうち、通紙される小サイズ記録材の通紙領域に対応する分割コアについては前記第1の距離位置に位置させ、それ以外の分割コアについては前記第2の距離位置に位置させるように前記コア移動手段を制御すると共に、前記磁束遮蔽部材を前記退避位置から前記有効位置に位置させるように前記磁束遮蔽部材移動手段を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする請求項4または5に記載の画像加熱装置。 - 搬送される記録材に未定着画像を形成する画像形成手段と、前記記録材に担持された前記未定着画像を加熱して定着させる定着手段と、を有する画像形成装置であって、前記定着手段が請求項1乃至6の何れか一項に記載の画像加熱装置であることを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011187164A JP2013050518A (ja) | 2011-08-30 | 2011-08-30 | 画像加熱装置及び画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011187164A JP2013050518A (ja) | 2011-08-30 | 2011-08-30 | 画像加熱装置及び画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013050518A true JP2013050518A (ja) | 2013-03-14 |
Family
ID=48012614
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011187164A Withdrawn JP2013050518A (ja) | 2011-08-30 | 2011-08-30 | 画像加熱装置及び画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2013050518A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20140064806A1 (en) * | 2012-09-06 | 2014-03-06 | Canon Kabushiki Kaisha | Image heating device |
US20140064762A1 (en) * | 2012-09-04 | 2014-03-06 | Canon Kabushiki Kaisha | Fixing apparatus and image forming apparatus |
-
2011
- 2011-08-30 JP JP2011187164A patent/JP2013050518A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20140064762A1 (en) * | 2012-09-04 | 2014-03-06 | Canon Kabushiki Kaisha | Fixing apparatus and image forming apparatus |
US9141044B2 (en) * | 2012-09-04 | 2015-09-22 | Canon Kabushiki Kaisha | Fixing apparatus with movable magnetic flux shielding portion and sheet guide portion, and image forming apparatus |
EP2713218A3 (en) * | 2012-09-04 | 2018-01-24 | Canon Kabushiki Kaisha | Fixing apparatus and image forming apparatus |
US20140064806A1 (en) * | 2012-09-06 | 2014-03-06 | Canon Kabushiki Kaisha | Image heating device |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5812771B2 (ja) | 画像加熱装置 | |
JP5371943B2 (ja) | 像加熱装置 | |
JP5510886B2 (ja) | 定着装置および画像形成装置 | |
JP6108730B2 (ja) | 定着装置 | |
JP2013037056A (ja) | 像加熱装置 | |
JP2014025965A (ja) | 画像処理装置 | |
JP2014025965A5 (ja) | ||
JP2014048624A5 (ja) | ||
JP2013037052A (ja) | 像加熱装置 | |
JP2006259330A (ja) | 画像加熱装置 | |
JP5693196B2 (ja) | 像加熱装置 | |
JP5289175B2 (ja) | 像加熱装置 | |
JP4781457B2 (ja) | 画像加熱装置及びこれを備えた画像形成装置 | |
JP2014098891A (ja) | 画像加熱装置 | |
JP2013054114A (ja) | 画像加熱装置 | |
JP2013050518A (ja) | 画像加熱装置及び画像形成装置 | |
JP5693687B2 (ja) | 像加熱装置 | |
JP5372287B2 (ja) | 像加熱装置 | |
JP2012247759A (ja) | 画像加熱装置 | |
JP2012247760A (ja) | 画像加熱装置 | |
JP2014035373A (ja) | 像加熱装置及び画像形成装置 | |
JP2012113266A (ja) | 画像加熱装置、及びこれを備えた画像形成装置 | |
JP2013190535A (ja) | 画像加熱装置 | |
JP2017068027A (ja) | 画像加熱装置 | |
JP2014052464A (ja) | 像加熱装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20141104 |