JP2014052464A - 像加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】加熱回転体としての定着ベルト1の広い領域で破損検知を行える構造を実現する。
【解決手段】移動部材としての磁束遮蔽板52は、定着ベルト1の外周面に近接して、定着ベルト1の母線方向に沿って第1位置と第2位置との間を移動可能である。位置検知センサ54は、磁束遮蔽板52が第1位置に位置することを検知する。制御手段としての制御部103は、磁束遮蔽板52を現在位置から第2位置を経由して第1位置に移動させ、設定した時間内に位置検知センサ54が磁束遮蔽板52を検知しない場合に、エラー信号を出力する。定着ベルト1に破損が生じた場合には、磁束遮蔽板52の移動が妨げられるため、これにより、定着ベルト1の破損検知を行える。
【選択図】図5

Description

本発明は、例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらの複合機などの画像形成装置に設けられた、記録材に形成された画像を加熱する像加熱装置に関する。
電子写真方式などにより画像を形成する画像形成装置は、画像形成部により形成されたトナー画像を記録材に転写し、トナー画像が転写された記録材を像加熱装置としての定着装置で加熱して、トナー画像を記録材に定着させる。また、このような像加熱装置としての定着装置に、定着画像が形成された記録材を通すことにより、光沢度を調整する構造もある。
このような定着装置は、例えば、加熱回転体としての定着ローラと、ニップ形成部材としての加圧ローラとの間にニップ部で記録材を挟持して、加熱・加圧しながら搬送することにより、記録材に形成された画像を加熱する。また、定着装置として、高速昇温させるために、定着ローラを薄肉小径化したもの、樹脂フィルムの回転体に対しその内側から加熱体を圧接したもの、薄肉金属の回転体を誘導加熱により加熱するものなどが知られている。これらは何れも加熱回転体の熱容量を小さくし、加熱効率の良い熱源で加熱しようとしたものである。また、非接触の加熱源を用いたものもあるが、コストやエネルギー効率の点から、複写機などの画像形成装置では、薄肉の回転体を記録材に接触させて記録材上の現像剤を加熱溶融させるタイプの定着装置が多く提案されている。
このような薄肉の回転体を使用した構造として、加熱回転体をフィルムとした構成が知られている(特許文献1)。この特許文献1に記載された構造の場合、フィルムの端部にマーキングを施すことで、フィルムの回転速度の検知を行っている。
また、加熱回転体として、このような薄肉の回転体を使用した場合、使用を繰り返すことにより破損が生じる場合があり、その破損検知の重要性が増大している。破損検知の構成としては、加熱回転体の内周面に設けられた温度センサが、加熱回転体の破損による温度異常を検知することで行う構成が知られている。
特開2002−287541号公報
上述のように、温度センサの検知により加熱回転体の破損を検知する構成の場合、温度センサが配置されていない部分の破損を検知することはできない。また、特許文献1に記載された構造の場合、マーキングが施されている部分で加熱回転体が破損すれば、マーキングが検知できなくなるため、加熱回転体の破損を検知できるが、やはり、マーキングが施されていない部分の破損を検知することはできない。
本発明は、このような事情に鑑み、加熱回転体の広い領域で破損検知を行える構造を実現すべく発明したものである。
本発明は、回転して記録材上のトナー画像を加熱する加熱回転体と、前記加熱回転体の外周面に近接して、前記加熱回転体の母線方向に沿って第1位置と第2位置との間を移動可能な移動部材と、前記移動部材が前記第1位置に位置することを検知する位置検知センサと、前記移動部材を現在位置から前記第2位置を経由して前記第1位置に移動させ、設定した時間内に前記位置検知センサが前記移動部材を検知しない場合に、エラー信号を出力する制御手段と、を備えた、ことを特徴とする像加熱装置にある。
本発明によれば、移動部材を現在位置から第2位置を経由して第1位置に移動させ、設定した時間内に位置検知センサが移動部材を検知しなければ、加熱回転体に破損が生じた可能性が高いことを分かる。このため、第1位置及び第2位置を適宜設定することで、加熱回転体の広い領域で破損検知を行える。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略構成断面図。 本実施形態に係る定着装置の概略構成横断面図。 定着ベルトの層構造図。 定着装置の概略構成縦断面図。 磁束遮蔽板がホームポジションに位置する状態の定着装置の構成を分解して示す模式図。 磁束遮蔽板を記録材のサイズに応じた位置に移動させた状態の定着装置の構成を分解して示す模式図。 定着装置を一部を分解して図2の上方から見た斜視図。 磁束遮蔽板の可動部の構成を示す斜視図。 磁束遮蔽板の移動制御に関するブロック図。 磁束遮蔽板の移動制御の流れの一例を示すフローチャート。 ベルト破損検知シーケンスの一例を示すフローチャート。
本発明の実施形態について、図1ないし図11を用いて説明する。まず、本実施形態の画像形成装置の概略構成について、図1を用いて説明する。
[画像形成装置]
図1に示す画像形成装置100は、電子写真方式を用いたカラー画像形成装置である。PY、PC、PM、PKは、それぞれイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの色トナー画像を形成する4つの画像形成部であり、図の下から上に順に配列してある。各画像形成部PY、PC、PM、PKは、それぞれ、像担持体体としての感光ドラム(感光体)21、帯電装置22、現像装置23、クリーニング装置24などを有している。
画像形成部PYの現像装置23にはイエロートナーを、画像形成部PCの現像装置23にはシアントナーを、画像形成部PMの現像装置23にはマゼンタトナーを、画像形成部PKの現像装置23にはブラックトナーを、それぞれ収容させている。
また、感光ドラム21に露光を行うことにより静電潜像を形成する露光装置25が、上記4色の画像形成部PY、PC、PM、PKに対応して設けられている。露光装置25としては、レーザー走査露光光学系を用いている。
各画像形成部PY、PC、PM、PKにおいて、帯電装置22により一様に帯電された感光ドラム21に対して露光装置25より画像データに基づいた走査露光がなされる。これにより、各画像形成部PY、PC、PM、PKのそれぞれの感光ドラム21の表面に、各色の走査露光画像パターンに対応した静電潜像が形成される。
そして、これらの静電潜像が現像装置23によりトナー画像として現像される。即ち、画像形成部PYの感光ドラム21にはイエロートナー画像が、画像形成部PCの感光ドラム21にはシアントナー画像が形成される。また、画像形成部PMの感光ドラム21にはマゼンタトナー画像が、画像形成部PKの感光ドラム21にはブラックトナー画像が形成される。
各画像形成部PY、PC、PM、PKの感光ドラム21上に形成された各色トナー画像は、各感光ドラム21の回転と同期して、略等速で回転する中間転写体としての中間転写ベルト26上へ所定の位置合わせ状態で順に重畳されて一次転写される。これにより中間転写ベルト26上に未定着のフルカラートナー画像が合成形成される。本実施形態においては、中間転写ベルト26として、エンドレスベルトを用いており、駆動ローラ27、二次転写対向ローラ28、テンションローラ29の3本のローラに巻きかけて張架してあり、駆動ローラ27によって駆動される。
各画像形成部PY、PC、PM、PKの感光ドラム21上から中間転写ベルト26上へのトナー画像の一次転写手段としては、一次転写ローラ30を用いている。一次転写ローラ30に対して不図示のバイアス電源よりトナーと逆極性の一次転写バイアスを印加する。これにより、各画像形成部PY、PC、PM、PKの感光ドラム21上から中間転写ベルト26に対してトナー画像が一次転写される。各画像形成部PY、PC、PM、PKにおいて感光ドラム21上から中間転写ベルト26への一次転写後、感光ドラム21上に転写残として残留したトナーは、クリーニング装置24により除去される。
上述のような工程を中間転写ベルト26の回転に同調して、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対して行い、中間転写ベルト26上に、各色の一次転写トナー画像を順次重ねて形成していく。なお、単色のみの画像形成(単色モード)時には、上記工程は、目的の色についてのみ行われる。
一方、記録材カセット31内の記録材Pは、給送ローラ32により一枚ずつ分離給送される。そして、レジストローラ33により所定のタイミングで、二次転写対向ローラ28に巻きかけられている中間転写ベルト26部分と二次転写ローラ34との圧接部である二次転写部T2に搬送される。
中間転写ベルト26上に形成された一次転写合成トナー画像は、二次転写ローラ34に不図示のバイアス電源より印加されるトナーと逆極性のバイアスにより、記録材P上に一括転写される。二次転写後に中間転写ベルト26上に残留した二次転写残トナーは中間転写ベルトクリーニング装置35により除去される。
記録材上に二次転写されたトナー画像は、像加熱装置としての定着装置Aにより、記録材上に溶融混色定着され、フルカラープリントとして排紙パス41を通って排紙トレイ42に送り出される。
[定着装置]
次に、上述の定着装置Aについて、図2ないし図8を用いて説明する。なお、以下の説明において、定着装置またはこれを構成している部材の長手方向(母線方向、幅方向)とは、記録材搬送路面内において記録材搬送方向に直交する方向である。また短手方向とは、記録材搬送方向に平行な方向である。定着装置に関し、正面とは装置を記録材入口側からみた面、背面とはその反対側の面(記録材出口側)、左右とは装置を正面から見て左または右である。上流側と下流側とは記録材搬送方向に関して上流側と下流側である。
定着装置Aは、図2に示すように、加熱回転体としての定着ベルト1と、ニップ形成部材としての加圧ローラ2と、磁束発生手段としての誘導加熱装置70とを備える。定着ベルト1は、金属層を有する無端状の加熱ベルトにより構成される。加圧ローラ2は、定着ベルト1の外周と接するように配設された加圧回転体である。
定着ベルト1は、図3に示すように、例えば内径が30mmで電気鋳造法によって製造したニッケルの基層(金属層、発熱層)1aを有している。この基層1aの厚みは40μmである。基層1aの外周には弾性層1bとして耐熱性シリコーンゴム層が設けられている。シリコーンゴム層の厚さは100〜1000μmの範囲内で設定するのが好ましい。本実施形態では、定着ベルト1の熱容量を小さくしてウォーミングアップタイムを短縮し、かつカラー画像を定着するときに好適な定着画像を得ることを考慮して、シリコーンゴム層の厚みは300μmとされている。このシリコーンゴムは、JIS−A20度の硬度を持ち、熱伝導率は0.8W/mKである。更に弾性層1bの外周には、表面離型層1cとしてフッ素樹脂層(例えばPFAやPTFE)が30μmの厚みで設けられている。
基層1aの内面側には、定着ベルト内面と後述する温度センサTH1(図2)との摺動摩擦を低下させるために、フッ素樹脂やポリイミドなどの樹脂層(滑性層)1dを10〜50μm設けても良い。本実施形態では、この層1dとしてポリイミドを20μm設けた。
なお、定着ベルト1の基層1aにはニッケルのほかに鉄合金や銅、銀などを適宜選択可能である。また、樹脂基層にそれら金属を積層させるなどの構成でも良い。基層1aの厚みは、後で説明する励磁コイルに流す高周波電流の周波数と金属層の透磁率・導電率に応じて調整して良く、5〜200μm程度の間で設定すると良い。
加圧ローラ2は、図2に示すように、例えば、外径が30mmで長手方向中央部の径が20mmで両端部の径が19mmである鉄合金製の芯金2aに、弾性層2bとしてシリコーンゴム層が設けてある。表面は、離型層2cとしてフッ素樹脂層(例えばPFAやPTFE)が30μmの厚みで設けられる。加圧ローラ2の長手方向中央部における硬度は、ASK−C70℃である。芯金2aにテーパー形状をつけているのは、加圧した時に後述する圧力付与部材3が撓んでも、定着ベルト1と加圧ローラ2で挟まれる定着ニップ内の圧力が長手方向にわたって均一にするためである。
本実施形態における定着ベルト1と加圧ローラ2との定着ニップ部Nの回転方向の幅は、定着ニップ圧が600Nにおいては、長手方向両端部で約9mm、中央部では約8.5mmである。これは記録材Pの両端部での搬送速度が中央部と比べて速くなるので紙しわが発生しにくくなるという利点がある。
また、定着ベルト1内には、定着ベルト1と加圧ローラ2との間に押圧力を作用させて定着ニップ部Nを形成する圧力付与部材3を長手方向に配置している。圧力付与部材3は、長手方向に配設された金属製のステー4に保持されている。また、ステー4の誘導加熱装置70側には、誘導加熱による温度上昇を防止するための磁気遮蔽部材としての磁気遮蔽コア5が設けられている。
このようなステー4は、図4に示す定着フランジ10により長手方向両端部を支持されている。定着フランジ10は、定着ベルト1の長手方向移動および周方向の形状を規制する規制部材として、定着ベルト1の長手方向両端部に配置さている。12は定着ベルト1を支持するための支持側板であり、定着フランジ10は支持側板12に支持されている。そして、支持側板12により、定着フランジ10を介して定着ベルト1の長手方向の位置が規制されている。回転する定着ベルト1は、基層が金属で構成されている。このため、回転状態にあっても幅方向への寄りを規制するための手段としては、定着ベルト1の端部を単純に受け止めるだけの定着フランジ10を設ければ十分であり、これにより、定着装置の構成を簡略化できるという利点がある。
また、定着フランジ10内に挿通して配設したステー4の両端部と、装置シャーシ側のバネ受け部材9aとの間にステー加圧バネ9bを縮設することでステー4に加圧ローラ2に向かう力を作用させている。これにより、圧力付与部材3と加圧ローラ2の外周面とが定着ベルト1を挟んで圧設して所定幅の定着ニップ部Nが形成される。
圧力付与部材3は、耐熱性樹脂であり、ステー4は圧接部に圧力を加えるために剛性が必要であるため、本実施形態では鉄製である。また、圧力付与部材3は特に両端部で後述する励磁コイル38と接近しており、圧力付与部材3の発熱を防止するために励磁コイル38で生じる磁界を遮蔽するために、圧力付与部材3の上面に長手方向にわたって磁気遮蔽コア5を配置してある。
誘導加熱装置70は、定着ベルト1を電磁誘導(IH)により加熱する加熱源(誘導加熱手段)である。この誘導加熱装置70は、励磁コイル38と外側磁性体コア37とを有する。励磁コイル38は、電線として例えばリッツ線を用い、これを横長・船底状にして定着ベルト1の周面と側面の一部に対向するように巻回してなる。外側磁性体コア37は、励磁コイル38によって発生した磁界が定着ベルト1の金属層(導電層)以外に実質漏れないように励磁コイル38を覆うように配置されている。外側磁性体コア37は、複数のコア素子37T、37Rにより構成される。複数のコア素子37T、37Rは、後述する図7に示すように、定着ベルト1の長手方向に分割して配置される。なお、外側磁性体コア37は、複数のコア素子37T、37Rを一体形状として構成しても良い。このような励磁コイル38及び外側磁性体コア37は、コイル保持部材36により電気絶縁性の樹脂によって支持される。励磁コイル38により発生した磁束は、外側磁性体コア37により定着ベルト1に導かれ、定着ベルト1の基層1aが磁束の通過により発熱する。
このような誘導加熱装置70は、定着ベルト1の外周面の上側において、定着ベルト1に所定のギャップ(隙間)を存して対面させて配設してある。即ち、誘導加熱装置70は、定着ベルト1の外周面に近接して配置されている。定着ベルト1の外周面と誘導加熱装置70との隙間は、例えば、2mm程度である。また、外側磁性体コア37は、複数のコア素子37T、37Rが、定着ベルト1に対して遠近動自在に配置されている。そして、定着ニップ部Nの長手方向に関して記録材が通過しない非通紙部で、定着ベルト1と外側磁性体コア37との隙間を広げることで、定着ベルト1を通過する磁束密度を低め、定着ベルト1の発熱量を低下させようにしている。
誘導加熱装置70の構成について、より具体的に説明する。本実施形態では、定着ベルト1と誘導加熱装置70の励磁コイル38は肉厚2mm程度のモールドにより電気絶縁の状態を保つ。そして、定着ベルト1と励磁コイル38との間隔が一定距離とされ、定着ベルト1は均一に加熱される。
励磁コイル38には、20〜60kHzの高周波電流が印加されて、定着ベルト1の基層1aが誘導発熱する。そして、定着ベルト1の目標温度である180℃で一定になるように、温度センサTH1の検出値に基づいて高周波電流の周波数を変化させて励磁コイル38に入力する電力を制御して温度調節される。
即ち、定着ベルト1の回転状態において、誘導加熱装置70の励磁コイル38には電源装置(励磁回路)101から20〜60kHzの高周波電流が印加される。そして、励磁コイル38によって発生した磁界により定着ベルト1の金属層(導電層)が誘導発熱する。温度検知手段としての温度センサTH1は、例えばサーミスタ等の温度検出素子であり、定着ベルト1の幅方向中央内面部(母線方向中央部の内周面側)の位置に当接させて配設してある。具体的には、温度センサTH1は、圧力付与部材3に弾性支持部材を介して取り付けられており、定着ベルト1の当接面が波打つなどの位置変動が生じたとしてもこれに追従して良好な接触状態が維持されるように構成されている。本実施形態では、図5に示すように、幅方向中央部に3個の温度センサTH1を配置しており、これらの平均値で温度制御を行うようにしている。なお、温度センサTH1の数は、これに限らず、例えば1個でも良い。
この温度センサTH1は、記録材の通紙域になる定着ベルト1の部分の温度を検知し、その検知温度情報が制御手段としての制御回路部102にフィードバックされる。制御回路部102はこの温度センサTH1から入力する検知温度が所定の目標温度(定着温度)に維持されるように電源装置101から励磁コイル38に入力する電力を制御している。即ち、定着ベルトの検出温度が所定温度に昇温した場合、励磁コイル38への通電が遮断される。本実施形態では、定着ベルト1の目標温度である180℃で一定になるように、温度センサTH1の検出値に基づいて高周波電流の周波数を変化させて励磁コイル38に入力する電力を制御して温度調節を行っている。
本実施形態では、励磁コイル38を含む誘導加熱装置70が、高温になる定着ベルト1の内部ではなく外部に配置されている。このため、励磁コイル38の温度が高温になりにくく、電気抵抗も上昇せず高周波電流を流してもジュール発熱による損失を軽減する事が可能となる。また、励磁コイル38を外部に配置したことで定着ベルト1の小径化(低熱容量化)にも寄与しており、延いては省エネルギー性にも優れていると言える。本実施形態の定着装置Aのウォーミングアップタイムは、非常に熱容量が低い構成であるため、例えば励磁コイル38に1200W入力すると約15秒で目標温度である180℃に到達できる。このため、スタンバイ中の加熱動作が不要であるため、電力消費量を非常に低く抑える事が可能である。
定着ベルト1は、少なくとも画像形成実行時には、制御回路部102で制御されるモータ(駆動手段)M1によって加圧ローラ2が回転駆動されることで、従動回転する。そして、図1の二次転写部T2側(記録材搬送方向上流側)から搬送されてくる、未定着トナー画像Tを担持した記録材Pの搬送速度とほぼ同一の周速度で回転駆動される。本実施形態の場合、定着ベルト1の表面回転速度が、200mm/secで回転し、フルカラーの画像を1分間にA4サイズで50枚、A4Rサイズで32枚定着することが可能である。
未定着トナー画像Tを有する記録材Pは、図2に示すように、そのトナー画像担持面側を定着ベルト1側に向けて不図示のガイド部材で案内されて、定着ニップ部Nに導入される。そして、定着ニップ部Nにおいて定着ベルト1の外周面に密着し、定着ベルト1と一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。これにより、主に定着ベルト1の熱が付与され、また定着ニップ部Nの加圧力を受けて未定着トナー画像Tが記録材Pの表面に熱圧定着される。定着ニップ部Nを通った記録材Pは、定着ベルト1の外周面から定着ベルト1の表面が定着ニップ部Nの出口部分の変形によって自己分離されて定着装置外へ搬送される。
[磁束遮蔽板]
上述のような定着装置Aの定着ニップ部Nに、小サイズの記録材を連続して通紙して多量に像加熱処理した場合、いわゆる非通紙部昇温が発生する。即ち、記録材が通過する部分は記録材に熱が奪われるのに対して、記録材が通過しない非通紙部は熱が奪われないため、この非通紙部で昇温が生じる。本実施形態の場合、図2及び図5ないし図8に示すように、このような非通紙部昇温に対応すべく、各種記録材のサイズに応じて、定着装置Aの長手方向の発熱分布を制御する磁束調整部材として磁束遮蔽板52を有する。磁束遮蔽板52は、誘導加熱装置70と定着ベルト1との間に進入自在に設けられ、誘導加熱装置70から定着ベルト1に流れる磁束を調整する。このような磁束遮蔽板52は、アルミニウム、銅、銀、金、真鍮などの非磁性金属やその合金、高透磁率部材であるフェライトやパーマロイなどの材料により構成される。そして、励磁コイル38と定着ベルト1との間に進入することで、励磁コイル38で発生した磁束が定着ベルト1を通過することを低減若しくは遮蔽する。
本実施形態の定着装置Aに対する記録材Pの通紙は、定着ニップ部Nの長手方向の中央基準で行われる。図5及び図6は、それぞれ、記録材Pの最大サイズW1、最小サイズW2を通紙する際の定着装置Aの説明図である。前述したように、複数のコア素子37T、37Rが、定着ベルト1に対して遠近動自在に配置されている。そして、定着ニップ部Nの長手方向に関して記録材が通過しない非通紙部で、定着ベルト1と外側磁性体コア37との隙間を広げることで、定着ベルト1を通過する磁束密度を低め、定着ベルト1の発熱量を低下させようにしている。
このため、最大幅の記録材Pを通紙する場合には、図5に示すように、複数のコア素子37T、37Rの全てを定着ベルト1側に移動させて、定着ベルト1の発熱幅を最大にしている。このときの外側磁性体コア37の長手方向の幅は、W1となる。一方、最小幅の記録材Pを通紙する場合には、図6に示すように、長手方向両端部のコア素子37T、37Rを定着ベルト1から遠ざけて、定着ベルト1の発熱幅を最小にしている。このときの外側磁性体コア37の長手方向の幅は、W2となる。
更に本実施形態では、上述の磁束遮蔽板52を定着ベルト1の長手方向(母線方向)に沿って移動させて、励磁コイル38で発生した磁束が定着ベルト1を通過することを低減若しくは遮蔽することで、非通紙部昇温を低減するようにしている。即ち、上述のコア素子37T、37Rの移動に加えて、磁束遮蔽板52を長手方向に移動させることにより、記録材のサイズに応じた長手方向の発熱分布を制御する。
このような磁束遮蔽板52は、定着ベルト1の長手方向中央部の両側にそれぞれ移動可能に2個配置されている。それぞれの磁束遮蔽板52の長手幅52Wは、定着ベルト1の支持側板12と外側磁性体コア37の長手方向端部における内径の差分位置に配置できる幅以下の幅とした。このようにしたのは、磁束遮蔽効果を発揮する十分な幅を持つこと、最大サイズ紙に対応する最大発熱幅W1を低減しないこと、そして、定着装置の長手幅も拡大することなく配置出来る幅であるといった3つの理由からである。
また、磁束遮蔽効果を十分に発揮させるために、長手方向に関して、磁束遮蔽板52の長手幅52Wと外側磁性体コア37の長手幅37Wの関係は以下のようにする。
52W>37W
上記の条件を満たさないと、磁束遮蔽板52による記録材端部での昇温の低減効果が、外側磁性体コア37の幅よりも狭いとこで低くなってしまう。このため、磁束遮蔽板52の幅52Wは、外側磁性体コア37の幅37Wよりも大きくなるように規定している。
磁束遮蔽板52は、通紙する記録材のサイズが最大である場合には、図5に示すように、最大サイズW1の領域外に配置され、最大サイズW1に対応した発熱分布を確保する。この配置を初期位置A1とする。一方、通紙する記録材のサイズが最小である場合、磁束遮蔽板52を、図5に示す位置から矢印方向C移動させ、図6に示す位置まで移動させる。図6において、磁束遮蔽板52が外側磁性体コア37の両端部の内径側に挿入されることにより、定着ベルト1を通過する磁束を弱まり、記録材の最小サイズW2に対応する発熱分布を形成する。
[移動機構]
上述のように移動する磁束遮蔽板52の移動機構500に関して説明する。移動機構500は、リードネジ部材50と、スライド部材51と、ストッパー部材53、モータM2とを備える。図2に示したように、磁束遮蔽板52は、定着ベルト1と励磁コイル38の間に配置され、長手方向に移動するスライド部材51に、移動時に定着ベルト1と接触しないように保持されている。また、コイル保持部材36のスライド部材51が配置されている側と反対側には、磁束遮蔽板52が定着ベルト1側に接触を防止するストッパー部材53が設けられている。なお、磁束遮蔽板52の保持方法としては、スライド部材51と磁束遮蔽板52とを一体化しても、別体のものを結合するものであっても良い。また、定着ベルト1からのクリアランスを確保すべく、磁束遮蔽板52をコイル保持部材36側に当接させても良い。また、図5に示すように、スライド部材51は記録材Pの通紙の中央基準に対し、長手方向の両端部に対称配置されている。
このようなスライド部材51は、図7に示すように、リードネジ部材50に支持されている。図7に示すように、リードネジ部材50は、一方端側と他方端側の軸部は互いに反対方向にネジが切られたネジ部50a、50bとしている。リードネジ部材50は、コイル保持部材36と平行に、定着ベルト1の長手方向に配設されている。そして、一方側と他方側の軸端部50c、50dが、それぞれコイル保持部材36の両端部の軸受部36a、36bに回転自在に支持されている。軸受部36a、36bは耐久性のある軸受け部材を別に設けても良い。
ネジ部50a、50bは、リードネジ部材50の軸端部50c、50dよりも長手方向中央寄り部分から長手方向中央部の所定位置(第2位置)まで形成されている。リードネジ部材50の長手方向中央部で、上述した温度センサTH1が配置されている位置には、ネジ部50a、50bが形成されていない。言い換えれば、ネジ部50a、50bの間部分に温度センサTH1が配置されている。
リードネジ部材50は、駆動手段としてのモータM2により正逆両方向に回転駆動される。磁束遮蔽板52を保持するスライド部材51は、リードネジ部材50がモータM2により回転駆動されることにより、記録材Pの通紙の中央基準線に対し、線対称に移動する。即ち、リードネジ部材50が、図7に示す回転方向Eに回転駆動することで、両端部に配置された磁束遮蔽板52が、矢印方向Cに互いに近づく方向に移動する。一方、リードネジ部材50が、回転方向Fに回転駆動することで、両端部に配置された磁束遮蔽板52が、矢印方向Dに互いに離れる方向に移動する。
このようにリードネジ部材50の回転によりスライド部材51を移動させるべく、図8に示すように、リードネジ部材50のネジ部50a、50bには、それぞれスライド部材51の円筒部51c、51dを外嵌させている。そして、スライド部材51のボス部51bをネジ部50a、50bに係合させている。ここで、ネジ部50a、50bに外嵌する円筒部51c、51dは、ネジ部50a、50bとの接触部面積を減らすために、3点以上接触する形状であっても良い。何れにしても、リードネジ部材50が回転することで、ボス部51bとネジ部50a、50bとの係合に基づき、スライド部材51がネジ部50a、50bに沿って移動する。
なお、本実施形態では、磁束遮蔽板52の長手方向への移動機構として、スライド部材51とリードネジ部材50を用いたが、他の機構としても良い。例えば、磁束遮蔽板52を、長手方向に配置された支持部材に移動自在に支持すると共に、磁束遮蔽板52に一端部を固定したワイヤーを巻き取ることで移動させるようにしても良い。要は、記録材Pの通紙の中央基準に対し、長手方向の両端部に対称移動する移動構成であれば良い。
[磁束遮蔽板の移動]
次に、記録材のサイズ(W1〜W2)に対する磁束遮蔽板52の動作の制御を説明する。図5及び図6に示すように、磁束遮蔽板52のホームポジションに隣接した第1位置に位置することを検知する位置検知センサ54を有する。磁束遮蔽板52の移動を制御する制御手段としての制御部103は、位置検知センサ54の信号に基づいて、リードネジ部材50を駆動するモータM2の動作を制御する。
位置検知センサ54は、発光部と発光部の光を受光する受光部とを有するフォトイタラプタである。そして、スライド部材51に設けたフラグ部51aが発光部と受光部との間に進入して発光部からの光を遮ること(ON)で、磁束遮蔽板52が第1位置に位置することを検知する。一方、フラグ部51aが発光部と受光部との間から退避して、受光部が発光部からの光を検知すること(OFF)で、磁束遮蔽板52が第1位置から移動したことを検知する。本実施形態では、モータM2からリードネジ部材50に伝達するバックラッシュ等の駆動のばらつきを考慮し、位置検知センサ54でフラグ部51aのエッジを検知し、磁束遮蔽板52の位置制御を行う。なお、第1位置は、後述するように、ホームポジションから長手方向中央側にX0寄った位置であるが、この第1位置をホームポジションとしても良い。即ち、位置検知センサ54がフラグ部51aを検知した時点をホームポジションとしても良い。
制御部103は、図9に示すように、画像形成装置に設置されている不図示の操作部や、画像形成装置に接続されるパーソナルコンピュータなどの外部端末などの記録材サイズ入力部104の信号を読み取る。そして、位置検知センサ54の信号をもとにモータM2を制御して、磁束遮蔽板52を記録材のサイズに応じた位置に移動する。なお、制御部103は、制御回路部102を兼ねるようにしても良いし、別途設けるようにしても良い。また、制御部103が画像形成装置全体の制御を行うようにしても良い。
図10を用いて、記録材Pのサイズが最小サイズW2の時を例にして、磁束遮蔽板52の動作を説明する。プリントジョブが開始されると(S1)、制御部103が、記録材サイズ入力部104から記録材のサイズの入力値を読み取る(S2)。記録材のサイズの入力値に合わせた目標位置に磁束遮蔽板52を移動させるべく、制御部103が演算を行い、初期位置A1(ホームポジション)から目標位置までの移動量に見合ったモータM2へ入力するパルス数C1を決定する(S3)。
制御部103は、位置検知センサ54の信号を読み取り、ON/OFF状態に応じて、モータM2を駆動し、磁束遮蔽板52をホームポジション(初期位置A1)に戻す(S4)。具体的には、位置検知センサ54の信号がOFF状態であると、磁束遮蔽板52がホームポジションにおらず、記録材搬送方向と直交方向(長手方向、母線方向)の中央側に寄った位置に存在する。このため、磁束遮蔽板52を図5ないし図7の矢印方向Dに移動させる(S5)。そして、磁束遮蔽板52を保持するスライド部材51に設けたフラグ部51aが、位置検知センサ54の検知位置(第1位置)を通過した(位置検知センサ54の信号がOFFからONになった)ことを検知する(S6)。その後、モータM2に所定パルスD1を入力させることにより、更に磁束遮蔽板52を矢印方向DにX0移動させ(S7)、その位置で磁束遮蔽板52の移動を終了し、磁束遮蔽板52をホームポジションに配置する(S8)。
一方、S4で、位置検知センサ54の信号がON状態であると、磁束遮蔽板52を矢印方向Cに移動させる(S9)。そして、位置検知センサ54の信号が切替ったこと(ON⇒OFF)を認識すると(S4)、モータM2を逆回転させ、磁束遮蔽板52を矢印方向Dに移動させる(S5)。その後、S6及びS7を経て、磁束遮蔽板52をホームポジションに配置する(S8)。
磁束遮蔽板52がホームポジションに位置したならば、モータM2を回転させ、磁束遮蔽板52を矢印方向Cに移動させる(S10)。そして、スライド部材51に設けたフラグ部51aが位置検知センサ54の検知位置を通過した(位置検知センサ54の信号がONからOFFになった)ことを検知する(S11)。その後、モータM2に、上述のように演算したパルス数C1を入力する(S12)。これにより、磁束遮蔽板52を、図6に示すようにX1移動させて、最小サイズW2に見合った位置に配置する(S13)。磁束遮蔽板52の移動が終了したら、プリントが開始され(S14)、磁束遮蔽板52の移動の制御が終了する。これにより、最小サイズW2に対応した非通紙部昇温や端部定着不良を誘発させることのない発熱分布を形成することができる。
なお、記録材のサイズが最大サイズW1の時は、モータM2への入力パルス数C1=0とし、磁束遮蔽板52をホームポジションから動かさずに、プリントが開始される。また、定着装置Aに通紙する記録材の長手幅がW(W1>W>W2)の記録材に対しては、以下のように対応する。即ち、記録材の長手幅Wの入力値に合わせて制御部103の演算により、モータM2の位置検知センサ54からの所定のパルス数C1を設定する。そして、上述した場合と同様に、磁束遮蔽板52を記録材の長手幅Wに見合った位置に配置する。これにより、上記と同様に記録材の長手幅Wに対応した非通紙部昇温や端部定着不良を誘発させることのない発熱分布を形成することができる。
[ベルト破損検知シーケンス]
次に、ベルト破損検知シーケンスについて説明する。この破損検知シーケンスは、磁束遮蔽板52を定着ベルト1の近傍を母線方向に定期的に移動させることで、定着ベルト1の破損を検知するものである。即ち、回転している定着ベルト1に破損のきっかけであるクラックが生じると、破損が進む過程で、定着ベルト1の回転により遠心力が作用して、定着ベルト1の径方向外方に破損片が広がっていく。このため、その破損片に、移動している磁束遮蔽板52が干渉すると、磁束遮蔽板52の移動が妨げられる。特に、本実施形態のように、定着ベルト1の外周面と、その外側に位置する誘導加熱装置70との隙間が小さい構成では、定着ベルト1の破損片が誘導加熱装置70にまで到達してこの隙間の一部を遮ってしまう可能性がある。そして、誘導加熱装置70と定着ベルト1の外周面との間を移動する磁束遮蔽板52がこのような破損片に当たると、磁束遮蔽板52の移動が停止してしまう。このため本実施形態では、この磁束遮蔽板52の移動が妨げられることを検知することで、定着ベルト1の破損を検知するようにしている。
具体的には、移動部材としての磁束遮蔽板52は、定着ベルト1の外周面に近接して、定着ベルト1の母線方向(長手方向)に沿って第1位置と第2位置との間を移動可能としている。ここで、磁束遮蔽板52と定着ベルト1の外周面との間隔は、1mm程度(好ましくは1mm以下)である。即ち、誘導加熱装置70と定着ベルト1の外周面との隙間(例えば2mm)に、例えば0.2〜0.3mm程度の厚さの磁束遮蔽板52を配置した状態で、磁束遮蔽板52と定着ベルト1の外周面との間隔を1mm程度としている。
また、第1位置とは、定着ベルト1の母線方向端部に対応する位置で、前述したように、位置検知センサ54が磁束遮蔽板52を検知する位置である。即ち、磁束遮蔽板52を保持するスライド部材51のフラグ部51aが位置検知センサ54の検知位置を通過した時点の位置である。本実施形態では、図5のホームポジションから長手方向中央側にX0寄った位置である。なお、位置検知センサ54がフラグ部51aを検知した時点の位置をホームポジションに設定した場合、位置検知センサ54はホームポジションセンサであり、第1位置はホームポジションとなる。
第2位置とは、前述したように、リードネジ部材50のネジ部50a、50bの中央側の端部まで磁束遮蔽板52が移動した位置である。言い換えれば、定着ベルト1の母線方向中央部で、温度センサTH1の位置よりも定着ベルト1の母線方向外側に隣接する位置が、第2位置である。
ベルト破損検知シーケンスでは、制御部103が、磁束遮蔽板52を現在位置から上述の第2位置を経由して第1位置に移動させる。そして、設定した時間内に位置検知センサ54が磁束遮蔽板52を検知しない場合に、制御部103がエラー信号を出力し、例えば、画像形成装置の不図示の表示部に表示したり、警報音を出したりして、ユーザに定着ベルト1が破損したことを知らせる。即ち、設定した時間内に磁束遮蔽板52がホームポジションに戻らなければ、定着ベルト1に破損が生じて、その破損片と磁束遮蔽板52とが干渉している可能性が高いため、ユーザに定着ベルト1が破損している可能性が高いことを知らせる。
また、設定した時間(設定時間)とは、磁束遮蔽板52が現在位置から第2位置を経由して第1位置まで移動するまでの時間(移動時間)である。即ち、磁束遮蔽板52は、モータM2の駆動により或る移動速度で移動する。したがって、この移動速度と磁束遮蔽板52が移動する距離とから上述の移動時間を求められる。なお、この移動速度は、モータM2の駆動開始から回転方向の逆転、駆動の停止で加減速するが、この移動速度の変化をモニタすれば、上述の移動時間の算出は可能である。また、移動速度の平均値から移動時間を求めるようにしても良い。
また、設定時間は、このように所定の移動速度と磁束遮蔽板52が移動する距離から求められる移動時間に、移動速度誤差などを考慮した時間を加えるようにしても良い。また、磁束遮蔽板52の現在位置に拘らず、磁束遮蔽板52の最大移動距離に応じた移動時間を設定時間としても良い。即ち、磁束遮蔽板52の現在位置に拘らず、この設定時間を超えたら、エラーを出力するようにしても良い。
例えば、磁束遮蔽板52の現在位置が第1位置であれば、磁束遮蔽板52を第1位置と第2位置との間を往復移動させる。このとき、磁束遮蔽板52が第1位置と第2位置との間を移動するのにかかる時間を、上述の移動速度と、第1位置と第2位置との距離から算出し、これを設定時間とする。そして、この設定時間内に位置検知センサ54が磁束遮蔽板52を検知しない、即ち、磁束遮蔽板52を保持するスライド部材51のフラグ部51aが位置検知センサ54の検知位置を通過しない場合に、制御部103はエラー信号を出力する。
また、磁束遮蔽板52の現在位置が第1位置よりも長手方向中央側であれば、その位置から第2位置まで移動させ、更に第2位置から第1位置まで移動させる。このとき、磁束遮蔽板52が現在位置から第2位置を経由して第1位置まで移動するのにかかる時間を、上述の所定の移動速度と、このときの移動距離から算出し、これを設定した時間とする。そして、この設定した時間内に位置検知センサ54が磁束遮蔽板52を検知しない場合に、制御部103はエラー信号を出力する。
なお、磁束遮蔽板52の現在位置が、第1位置やホームポジションでない場合、磁束遮蔽板52が記録材のサイズに応じて移動していることから、その位置を特定可能である。また、磁束遮蔽板52の現在位置がホームポジションである場合も、上述のように位置検知センサ54が検知してからX0移動させているため、当然、位置の特定は可能である。したがって、制御部103は、現在位置を記憶しておくメモリを有する。
また、本実施形態では、磁束遮蔽板52を第1位置と第2位置との間を移動させることで、この範囲での定着ベルト1の破損を検知可能である。一方、この範囲から外れた定着ベルト1の長手方向中央部には、温度センサTH1が配置されている。したがって、この部分で定着ベルト1の破損が生じた場合には、温度センサTH1の検知温度が異常となり、破損検知が可能である。
図11を用いて、このようなベルト破損検知シーケンスの一例について説明する。プリントジョブとしてN枚の画像形成をスタートすると(S21)、プリント枚数(画像形成枚数)の積算をスタートする(S22)。即ち、画像形成枚数をカウントする。そして、積算枚数Mが1000枚に達すると(S23)、ベルト破損検知シーケンスを実行する(S24)。即ち、1000枚時点での磁束遮蔽板52の位置(現在位置)から第2位置まで磁束遮蔽板52を移動させ、更に第2位置から第1位置に向けて磁束遮蔽板52を移動させ、位置検知センサ54が磁束遮蔽板52を検知するまでモータM2を駆動する。具体的には、1000枚時点での磁束遮蔽板52の位置(現在位置)を記憶し、磁束遮蔽板52が現在位置から長手方向中央側の第2位置まで移動するためのパルス数を演算して、モータM2に入力する。続いて、磁束遮蔽板52が第2位置から長手方向端部側の第1位置まで移動するためのパルス数を、モータM2に入力する。このとき、現在位置から第2位置を経由して第1位置まで磁束遮蔽板52が移動する時間を求めておき、設定時間とする。
そして、制御部103が、この動作で、設定時間内に位置検知センサ54がONしたかどうかを判定する(S25)。位置検知センサ54が設定時間内にONしない場合は、エラー表示を出す(S26)。一方、S25で、位置検知センサ54が設定時間内にONしたら、磁束遮蔽板52を1000枚時点での位置(現在位置)に戻し、積算枚数をリセットして(S27)、S23に移行する。
S23で、積算枚数Mが1000枚に達せずに、プリントジョブとしてのN枚が終了した場合(S28)、プリントジョブを終了する(S29)。なお、このときの積算枚数はメモリに保存しておく。
図11のシーケンスでは、ベルト破損検知シーケンスを開始するタイミングを、プリントの積算枚数Mが1000枚に達したときとした。この開始タイミングを1000枚とした理由は次の通りである。即ち、定着ベルト1に破損のきっかけであるクラックを生じさせ、回転数204rpmで回転させた時の破損が進行する速度を実験的に求めた。この結果、1000枚通紙であれば、機械にダメージを与えないことや、端部破損の場合、通紙した紙に汚れが付着するなどの問題が生じないことから、上述のタイミングを決定した。なお、ベルト破損検知シーケンスの開始タイミングは、その他の積算枚数としても良く、積算枚数以外に、電源投入後の時間により決めても良い。また、画像形成ジョブの開始時又は終了時に、毎回行うようにしても良い。何れにしても、所定のタイミングで、ベルト破損検知シーケンスを実行する。
なお、このシーケンスが動作している間は、磁束遮蔽板52が定着ベルト1の母線方向を移動するため、この動作が定着ベルト1の温度分布に与える影響が無視できないような構成の場合は、通紙を停止して行うことが望ましい。無視できるような構成の場合は、連続通紙の最中にこのベルト破損検知シーケンスを行って良い。また、無視できないような構成の場合は、画像形成装置本体が画像調整中(帯電シャッターの清掃ジョブなど)に入ったタイミングにベルト破損検知シーケンスを行うことで、生産性に影響なく検知が可能となる。
上述のように、本実施形態の場合、磁束遮蔽板52を現在位置から第2位置を経由して第1位置に移動させ、設定した時間内に位置検知センサ54が磁束遮蔽板52を検知しなければ、定着ベルト1に破損が生じた可能性が高いことを分かる。このため、第1位置及び第2位置を適宜設定することで、定着ベルト1の広い領域で破損検知を行える。特に、本実施形態では、温度センサTH1による破損検知が行えない領域、即ち、第1位置と第2位置との間の定着ベルト1の破損検知を行える。この結果、定着ベルト1の長手方向の何れの部分で破損が生じても、比較的短時間でこの破損の検知が可能である。
即ち、前述の特許文献1に記載された構造の場合、マーキング領域の全てで破損してマーキングが消失しない限り破損を検知できないため、破損し始めてから検知できるまでの時間が長くなる。このため、その間に、装置にダメージを与えたり、定着ベルトが消失した領域を記録材が通過することにより、記録材に汚れが付着したりする可能性がある。これに対して本実施形態では、磁束遮蔽板52を移動させることで定着ベルト1の破損を検知するため、ベルト破損検知シーケンスを実行すれば、すぐに定着ベルト1の破損を検知できる。言い換えれば、ベルト破損検知シーケンスを適切なタイミングで実行することにより、比較的短時間で定着ベルト1の破損を検知できる。この結果、破損した場合の機械へのダメージが少ないことや、汚れた紙の排出が少ないといった効果を得られる。
なお、磁束遮蔽板52は、累積通紙枚数が1000枚に達していなくても、通常の通紙においても、次のような場合は破損検知可能である。磁束遮蔽板52は、破損検知シーケンスが作動しなくても、画像形成ジョブをスタートすると、通紙される記録材の幅に対応した位置(現在位置)に移動し、画像形成ジョブの終了後にはホームポジションに戻る。このため、所定時間内に磁束遮蔽板52がホームポジションに隣接する位置検知センサ54により検知されなければ、エラー表示を行える。この場合、現在位置と第2位置とが同じとなる。このため、記録材の幅に対応した位置よりも長手方向端部側で定着ベルト1の破損が発生した場合には、このような動作で検知が可能となり、例えば、定着ベルト1の端部側の破損検知は、毎回の画像形成ジョブごとに可能である。
<他の実施形態>
上述の実施形態では、端部昇温対策として配置している磁束遮蔽板を移動部材として用いたが、ベルト破損検知専用の移動部材を設けても良い。即ち、磁束の遮蔽効果のない、例えば、樹脂製の移動板を定着ベルト1の外周面に近接させて移動させる。この場合、磁束を遮蔽する部材でないため、いつでも移動させることができ、さらに短い時間間隔で、ベルト近傍をベルト母線方向に往復させることで、更に早く検知することができる。
また、移動部材として磁束遮蔽板を使用しなければ、1個の移動部材を定着ベルト1の長手方向一端部から他端部まで移動させることで、定着ベルト1の破損を検知できる。この場合、長手方向両端部に位置検知センサを設け、ベルト破損検知シーケンスごとに、移動方向を切り替えれば、移動部材の移動量を最小限にして、短時間での検知が可能となる。
更に、本発明は、上述したような、定着ベルトと誘導加熱装置を用いた構成以外にも勿論適用可能である。例えば、定着ベルトを、内部に配置されたセラミックヒータなどの加熱源で加熱する構成にも適用可能である。
1・・・定着ベルト(加熱回転体)、2・・・加圧ローラ、50・・・リードネジ部材、51・・・スライド部材、52・・・磁束遮蔽板(移動部材、磁束調整部材)、54・・・位置検知センサ、70・・・誘導加熱装置(磁束発生手段)、103・・・制御部(制御手段)、500・・・移動機構、M2・・・モータ、TH1・・・温度センサ(温度検知手段)

Claims (5)

  1. 回転して記録材上のトナー画像を加熱する加熱回転体と、
    前記加熱回転体の外周面に近接して、前記加熱回転体の母線方向に沿って第1位置と第2位置との間を移動可能な移動部材と、
    前記移動部材が前記第1位置に位置することを検知する位置検知センサと、
    前記移動部材を現在位置から前記第2位置を経由して前記第1位置に移動させ、設定した時間内に前記位置検知センサが前記移動部材を検知しない場合に、エラー信号を出力する制御手段と、を備えた、
    ことを特徴とする像加熱装置。
  2. 前記設定した時間は、前記移動部材が前記現在位置から前記第2位置を経由して前記第1位置まで移動するまでの時間である、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の像加熱装置。
  3. 前記加熱回転体の母線方向中央部の内周面側に、前記加熱回転体の温度を検知する温度検知手段を有し、
    前記移動部材は、前記加熱回転体の母線方向中央部の両側にそれぞれ移動可能に2個配置され、
    前記2個の移動部材は、それぞれ、前記加熱回転体の母線方向端部に対応する前記第1位置と、前記加熱回転体の母線方向中央部で、前記温度検知手段の位置よりも前記加熱回転体の母線方向外側に隣接する前記第2位置との間を移動する、
    ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の像加熱装置。
  4. 前記加熱回転体の外周面に近接して配置され、磁束を発生する磁束発生手段を有し、
    前記加熱回転体は、前記磁束発生手段により発生した磁束が通過することにより発熱する発熱層を有する無端状の加熱ベルトである、
    ことを特徴とする、請求項1ないし3のうちの何れか1項に記載の像加熱装置。
  5. 前記磁束発生手段と前記加熱回転体との間に進入自在に設けられ、前記磁束発生手段から前記加熱回転体に流れる磁束を調整する磁束調整部材を有し、
    前記移動部材は、前記磁束調整部材である、
    ことを特徴とする、請求項4に記載の像加熱装置。
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