JP2012003208A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】非通紙部の過熱を抑制し、通紙部の定着温度を適切に維持可能な電磁誘導加熱方式の定着装置およびこれを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】励磁コイル531を含む磁束発生部53からの磁束により定着ローラ51の電磁誘導発熱層514を発熱させ、通紙されたシート上の未定着画像を熱定着する定着装置であって、磁束発生部53は、励磁コイル531を挟んで定着ローラ51と反対側に定着ローラ51の幅方向に互いに離間して配列された複数のアーチコア532と、これらのうち、特定のサイズのシートの非通紙領域に対応する部分に配され、定着ローラ51との距離が変化する方向に変位可能に保持されたアーチコア532について、1又は隣接する所定の個数を移動単位として変位駆動するアーチコア変位部54と、当該アーチコア532を移動単位毎に順次変位するようにアーチコア変位部54を制御する制御部40とを備える。
【選択図】図6

Description

本発明は、定着装置及び画像形成装置に関し、特に、電磁誘導によって定着回転体における発熱体を加熱してトナーを溶融し、記録シートに定着する定着装置において、小サイズ記録シートを定着する場合における定着回転体の非通紙部の過熱を防止しつつ通紙部の定着温度を適切に維持する技術に関する。
近年、画像形成装置を構成する定着装置に、電磁誘導発熱層を備えた定着回転体(定着ベルトや定着ローラ)を励磁コイルによって電磁誘導加熱する電磁誘導加熱方式が用いられるようになってきた。電磁誘導加熱方式の定着装置は、励磁コイルが発生させた磁束により電磁誘導発熱層を直接発熱させることができるので、特に高いエネルギー効率とウォーミングアップ時間の短縮とを実現することができる。
しかしながら、電磁誘導発熱層は高いエネルギー効率および迅速なウォーミングアップを実現するために低熱容量となるように非常に薄く形成され、そのため厚みに対する横方向(定着回転体の軸方向/幅方向)の熱伝導速度が小さく、小サイズの記録シートを連続通紙した場合など、記録シートが通過する部分(以下、「通紙部」という。)は記録シートによって熱が奪われるのに対して、定着部材の記録シートが通過しない箇所(以下、「非通紙部」という。)は熱が奪われないために温度が過度に上昇する(例えば、220℃以上)。
このように定着部材が過熱した状態で大サイズの記録シートを通紙すると、トナーの過溶融による高温オフセットや光沢むらが発生する原因となる。また、定着装置が更に過熱すると、定着ローラや加圧ローラを被覆するPFA(Perfluoroalkoxy)チューブの溶融、破壊を招くことにもなる。
そこで、非通紙部の発熱量を制御する技術の一つとして、例えば特許文献1には、励磁コイルの長手方向と平行に配された長尺の円柱形状のセンターコアの非通紙部に対応する部分の周面の一部に切欠部を設け、小サイズの記録シートを定着する際には、当該センターコアを回転させて、切欠部を発熱ローラ側に向けることによって、センターコアの発熱ローラの非通紙部に対向している部分の表面と発熱ローラとの距離を大きくして、これらの間の磁気的な結合力を弱め、発熱ローラの非通紙部における発熱を抑制する技術が開示されている。
特許第4264086号公報 特開2004−86205号公報
しかし、非通紙部と通紙部との間の温度差および温度分布状態は、使用する記録シートのサイズや連続通紙する枚数によっても異なる。また、複数サイズの記録シートが連続で通紙される場合には、記録シートサイズの組合せや通紙される順番、および各サイズの記録シートの通紙枚数によっても異なる。さらには、温度の高い非通紙部から温度の低い通紙部への熱の伝導速度も温度差によって異なる。
ところが、特許文献1の構成では、センターコアと発熱ローラとの距離が変更される領域が、現在通紙される記録シートの非通紙領域に対応して一律に規定されているため、通紙サイズ、通紙枚数、通紙順番の組合せの違いによって生じる温度分布の相違に柔軟に対応することができず、適切な温度制御ができない場合がある。
本発明の目的は、上記事情に鑑みてなされたものであって、発熱回転体の軸方向(幅方向)において発熱量をより細かく制御して、非通紙部の過熱を確実に防止すると共に通紙部の定着温度を適切な温度範囲内に維持することができる電磁誘導加熱方式の定着装置およびこれを備えた画像形成装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る定着装置は、電磁誘導により発熱する発熱層を有する発熱回転体の幅方向に沿って、その周面から間隔をおいて離れた位置に配置された励磁コイルを含む磁束発生部からの磁束により前記発熱層を発熱させ、通紙されたシート上の未定着画像を熱定着する定着装置であって、前記磁束発生部は、前記励磁コイルを挟んで前記発熱回転体と反対側に、前記幅方向に互いに離間して配列された複数の磁性体コアと、前記複数の磁性体コアのうち、特定のサイズのシートの非通紙領域に対応する部分に配された磁性体コアを、前記発熱回転体との距離が変化する方向に変位可能に保持する保持手段と、前記変位可能に保持された磁性体コアについて、1又は隣接する所定の個数を移動単位として変位駆動する変位手段と、前記変位可能に保持された磁性体コアを、前記移動単位毎に順次変位するように前記変位手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
上記構成により、変位対象の磁性体コアを一斉に同量変位させる代わりに順次変位させて、発熱層における急激な発熱量の変化を抑制し、温度分布の著しい不均一性や定着温度不足の発生を防いで、良好な定着性を維持することができる。
ここで、前記変位手段は、前記変位可能に保持された磁性体コアを、当該磁性体コアと発熱回転体との距離が、前記特定のサイズのシートの通紙領域に対応する位置にある磁性体コアと発熱回転体との距離に等しい第1の位置と、当該第1の位置から、前記発熱回転体から離れる方向に後退した第2の位置との間で、前記移動単位毎に変位させてもよい。
これにより、非通紙領域に対応する位置にある磁性体コアを、通紙領域に対応する位置にある磁性体コアよりも、発熱回転体から離れる方向に後退させて、非通紙領域における磁路長を長くして磁気抵抗を増加させることにより、当該非通紙領域に対応する位置にある発熱層における発熱量を低減させ、非通紙領域の過熱を抑制することができる。
また、前記変位手段は、前記発熱回転体の幅方向に沿って延びる回転軸と、前記回転軸に取着された複数の偏心カムとを備え、前記複数の偏心カムは、その長径部の位置が、前記磁性体コアの移動単位毎に、前記回転軸の回転方向において順次ずれており、当該回転軸を回転させることにより各偏心カムによる変位作用を受けて、前記変位可能に保持された磁性体コアが、前記移動単位で順次移動するように構成されてなってもよい。
これにより、回転軸と偏心カムという簡便な機構により磁性体コアを順次変位させることができるため、コスト抑制に資することができる。
ここで、また、前記回転軸は、強磁性体材料からなり、前記偏心カムは、非磁性体材料からなってもよい。
これにより、回転軸が強磁性体材料から成るため、回転軸が磁路の一部を形成し、磁束発生部からの磁束をより多く発熱層へ導くことができる。また、磁性体コアが離間位置にあるときには、上記磁路の一部において、当該磁性体コアと発熱層との間に非磁性体のカム部材が位置することになり、カム部材によって磁性体コアと発熱層との間の磁気的な結合力を抑制して発熱層における発熱をより効率よく抑制することができる。
また、ここで、前記複数の磁性体コアは、発熱回転体の回転方向の周面に沿うようにしてそれぞれアーチ形に形成されており、前記回転軸は、当該各アーチ形の磁性体コアの中心位置を結ぶ直線に沿って前記磁性体コアと前記励磁コイルとの間に配設されて、センターコアとして機能してもよい。
これにより、強磁性体材料から成る回転軸が、励磁コイルにより発生した磁束をより効率よく発熱層へと導いて、発熱効率を高めることができる。
また、ここで、前記発熱回転体の前記非通紙領域の表面温度を検出する温度検出手段をさらに備え、前記制御手段は、前記温度検出手段による検出温度に従って前記磁性体コアを前記移動単位毎に順次変位させるように制御してもよい。
これにより、非通紙領域を含む前記幅方向の端部における実際の表面温度に従って磁性体コアを順次変位させて発熱回転体の発熱量を制御するため、より正確に非通紙部の過熱を防止することができる。
また、ここで、前記制御手段は、前記温度検出手段による検出温度が、第1の閾値以上の場合には、前記通紙領域から遠い側の磁性体コアから前記第2の位置へと前記移動単位毎に順次変位させ、前記温度検出手段による検出温度が、前記第1の閾値より低い第2の閾値以下の場合には、前記通紙領域に近い側の磁性体コアから前記第1の位置へと前記移動単位毎に順次変位させてもよい。
これにより、発熱回転体の非通紙部の表面温度が第1の閾値以上の場合には、通紙領域から遠い側から順次発熱回転体の発熱が抑制され、第2の閾値以下の場合には、通紙領域に近い側から順次発熱回転体の発熱が促進されるため、発熱回転体の非通紙領域の表面温度を第1の閾値と第2の閾値との間に維持すると共に、発熱回転体表面における急激な温度変化を抑制して、定着温度不足による定着不良および非通紙領域の過熱を防止することができる。
また、ここで、熱定着するシートの前記幅方向のサイズに関する情報を取得する第1のシートサイズ取得手段をさらに備え、前記制御手段は、前記第1のシートサイズ取得手段により取得されたシートの幅方向サイズにしたがって、当該幅方向サイズのシートについて所定回数の画像形成動作が行われる度に、前記磁性体コアを、前記移動単位毎に変位させてもよい。
これにより、発熱回転体の非通紙領域の表面温度を検出する温度センサ等の温度検出手段を新たに設ける代わりに、シートサイズに関する情報を取得して磁性体コアを変位させるため、コスト抑制に資することができる。
また、ここで、前記制御手段は、前記第1のシートサイズ取得手段により取得されたシートの幅方向サイズが、直前に通紙されたシートの幅方向サイズよりも小さい場合には、第1の位置にある変位可能な磁性体コアのうち当該直前に通紙されたシートの通紙領域から遠い側の磁性体コアから前記第2の位置へと前記移動単位毎に順次変位させる第1の制御と、直前に通紙されたシートの幅方向サイズよりも大きい場合には、当該直前に通紙されたシートの通紙領域に近い側の磁性体コアから前記第1の位置へと前記移動単位毎に順次変位させる第2の制御と、を実行してもよい。
これにより、異なるサイズのシートが連続して通紙される場合に、直前のシートよりも大きなサイズのシートが通紙される場合には、発熱量が大きい領域をより大きくし、小さなサイズのシートが通紙される場合には、発熱量が大きい領域をより小さくして、非通紙領域の過熱を抑制することができる。
また、ここで、前記制御手段は、前記第1のシートサイズ取得手段により取得されたシートの幅方向サイズが、予め設定された所定のシートの幅方向サイズよりも大きい場合には、当該サイズのシートの定着を第1の所定枚数実行した後に、当該サイズの通紙領域に対応する磁性体コアであって第2の位置にあるものを一斉に第1の位置に移動させる第3の制御を実行してもよい。
これにより、余熱の利用により磁性体コアを変位させなくても問題が生じにくい場合には磁性体コアを変位させないため、磁性体コアの変位の頻度を減じて磁性体コアの変位に伴う動作音がユーザに不快感を与える場合においても、ユーザの不快感を軽減することができるとともに、消費電力を抑制することができる。
また、ここで、前記制御手段は、前記第1のシートサイズ取得手段により取得されたシートの幅方向サイズが、予め設定された所定の幅方向サイズと同じである場合には、前記変位可能に保持された磁性体コアのうち、現在そのサイズの非通紙領域に対応するもののみが第2の位置となるように、前記取得されたシートの幅方向サイズの非通紙領域に対応する変位可能な磁性体コアのうち第2の位置にないものを一斉に第2の位置まで後退、または、当該前記取得されたシートの幅方向サイズの通紙領域に対応する変位可能な磁性体コアのうち第2の位置にあるものを一斉に第1の位置側へと移動させる、第4の制御を実行してもよい。
これにより、使用頻度が最も多いと想定されるシートサイズ等、シートサイズが予め設定された所定の幅方向のサイズである場合には、磁性体コアを、当該所定の幅方向のサイズのシートの定着温度を得るのに適した配置まで迅速に変位させて、当該所定の幅方向のサイズのシートについて確実に良好な定着を実現することができる。
また、ここで、前記熱定着のために搬送されて来る予定のシートのうち所定枚数先のシートの前記幅方向のサイズに関する情報を取得する第2のシートサイズ取得手段をさらに備え、前記制御手段は、前記第2のシートサイズ取得手段により取得されたシートの幅方向サイズに従って、前記磁性体コアを移動単位毎に順次変位させてもよい。
これにより、異なるサイズのシートが連続して通紙される場合に、それぞれのサイズのシート1枚目から当該サイズに対して適切な定着温度にすることができる。
また、ここで、前記制御手段は、前記第2のシートサイズ取得手段により取得されたシートの幅方向サイズが、所定サイズ未満である場合には、前記通紙領域から遠い側の前記磁性体コアから前記第2の位置へと順次変位させ、前記所定サイズよりも大きい場合および前記熱定着のために搬送されて来る予定のシートが前記第2の所定枚数未満の場合には、前記通紙領域に近い側の前記磁性体コアから前記第1の位置へと移動単位毎に順次変位させてもよい。
これにより、異なるサイズのシートが連続して通紙される場合に、前もって徐々に適切な定着温度分布となるような磁性体コア配置へと変更するので、発熱回転体表面の急激な温度変化を回避して定着温度分布の著しい不均一の発生を回避しつつそれぞれのサイズのシート1枚目から当該サイズに対して適切な定着温度にすることができる。
また、ここで、前記非磁性体材料は、耐熱性樹脂であってもよい。
これにより、カム部材が高温の定着装置内で使用されても変形や劣化が発生しにくいので、カム部材による磁性体コアの変位を安定的に行うことができる。
また、ここで、前記耐熱性樹脂は、PI(ポリイミド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)のうちいずれか1つ、または、これらの組合せであってもよい。
これにより、汎用性のある耐熱素材を用いてカム部材を形成することができ、製造が容易でコスト抑制に資することができる。
ここで、本発明は、上述の定着装置を備えた画像形成装置としても、同様の効果が得られる。
本発明の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係る画像形成装置の制御部の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る定着装置の概略構成を示す一部切り欠き斜視図である。 本発明の実施の形態に係る定着装置の概略構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る定着装置における温度センサと定着ローラとの位置関係を模式的に示す側面図である。 本発明の実施の形態に係る定着装置におけるアーチコアおよびアーチコア変位機構の概略構成を示す部分断面図であって、第1段階におけるアーチコアの位置関係を示す図である。 第1段階におけるカム部材とそれらに対応するアーチコアとの軸方向から見た位置関係を示す図であって、(a)は幅方向中央側のカム部材とそれに対応するアーチコアとの位置関係を、(b)は幅方向中央側から2番目のカム部材とそれに対応するアーチコアとの位置関係を、(c)は幅方向中央側から3番目のカム部材とそれに対応するアーチコアとの位置関係を、(d)は幅方向端部側のカム部材とそれに対応するアーチコアとの位置関係を示す図である。 本発明の実施の形態に係る定着装置において、第2段階におけるアーチコアの位置関係を示す部分断面図である。 第2段階におけるカム部材とそれらに対応するアーチコアとの軸方向から見た位置関係を示す図であって、(a)は幅方向中央側のカム部材とそれに対応するアーチコアとの位置関係を、(b)は幅方向中央側から2番目のカム部材とそれに対応するアーチコアとの位置関係を、(c)は幅方向中央側から3番目のカム部材とそれに対応するアーチコアとの位置関係を、(d)は幅方向端部側のカム部材とそれに対応するアーチコアとの位置関係を示す図である。 本発明の実施の形態に係る定着装置において、第3段階におけるアーチコアの位置関係を示す部分断面図である。 第3段階におけるカム部材とそれらに対応するアーチコアとの軸方向から見た位置関係を示す図であって、(a)は幅方向中央側のカム部材とそれに対応するアーチコアとの位置関係を、(b)は幅方向中央側から2番目のカム部材とそれに対応するアーチコアとの位置関係を、(c)は幅方向中央側から3番目のカム部材とそれに対応するアーチコアとの位置関係を、(d)は幅方向端部側のカム部材とそれに対応するアーチコアとの位置関係を示す図である。 本発明の実施の形態に係る定着装置において、第4段階におけるアーチコアの位置関係を示す部分断面図である。 第4段階におけるカム部材とそれらに対応するアーチコアとの軸方向から見た位置関係を示す図であって、(a)は幅方向中央側のカム部材とそれに対応するアーチコアとの位置関係を、(b)は幅方向中央側から2番目のカム部材とそれに対応するアーチコアとの位置関係を、(c)は幅方向中央側から3番目のカム部材とそれに対応するアーチコアとの位置関係を、(d)は幅方向端部側のカム部材とそれに対応するアーチコアとの位置関係を示す図である。 本発明の実施の形態に係る定着装置において、第5段階におけるアーチコアの位置関係を示す部分断面図である。 第5段階におけるカム部材とそれらに対応するアーチコアとの軸方向から見た位置関係を示す図であって、(a)は幅方向中央側のカム部材とそれに対応するアーチコアとの位置関係を、(b)は幅方向中央側から2番目のカム部材とそれに対応するアーチコアとの位置関係を、(c)は幅方向中央側から3番目のカム部材とそれに対応するアーチコアとの位置関係を、(d)は幅方向端部側のカム部材とそれに対応するアーチコアとの位置関係を示す図である。 本発明の実施の形態における定着温度メイン制御の処理内容を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態における励磁コイル通電制御の処理内容を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1におけるアーチコア変位制御の処理内容を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2におけるアーチコア変位制御の処理内容を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態3におけるアーチコア変位制御の処理内容を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態4におけるアーチコア変位制御の処理内容を示すフローチャートである。 本発明の変形例1におけるアーチコア変位制御の処理内容を示すフローチャートである。 本発明の変形例2におけるアーチコア変位機構の概略構成を示す部分断面図である。 本発明の変形例11におけるアーチコア変位制御を行った場合の定着ローラ51の表面温度の軸方向(幅方向)における温度分布の状態を示すグラフであって、(a)は、アーチコア変位開始時の温度分布を、(b)はアーチコア変位完了時の温度分布を示すグラフである。
<実施の形態1>
以下、本発明に係る定着装置および画像形成装置の実施の形態を、タンデム型カラーデジタルプリンタ(以下、単に「プリンタ」という。)を例にして説明する。
(1−1.プリンタの全体構成)
図1は、本発明の実施の形態に係るプリンタ100の全体構成を示す概略断面図である。当該プリンタ100は、画像形成部10、給紙部20、転写部30、制御部40、および定着装置50等を備える構成となっている。
このプリンタ100は、ネットワーク(例えばLAN:Local Area Network)に接続されて、外部の端末装置(不図示)からのプリントジョブの実行指示を受け付けると、その指示に基づいてシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの各色のトナー像を形成し、これらを多重転写してフルカラーの画像形成を実行する。
以下、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各再現色をC、M、Y、Kと表し、各再現色に関連する構成部分の番号にこのC、M、Y、Kを添字として付加する。
画像形成部10は、作像部1C、1M、1Y、1K、光学部15、中間転写ベルト31、クリーナブレード14および37などを備えている。
中間転写ベルト31は、無端状のベルトであり、駆動ローラ32と従動ローラ33に張架されて周回駆動される。
クリーナブレード14および37は、それぞれ感光体ドラム11および中間転写ベルト31に対してカウンター方向に当接して配置されており、当該感光体ドラム11および中間転写ベルト31表面の残留トナーや紙粉等のゴミを清掃する。
光学部15は、レーザダイオードなどの発光素子を備え、制御部40からの駆動信号によりC〜K色の画像形成のためのレーザ光L1を発し、感光体ドラム11C〜11Kを露光走査する。この露光走査によって、帯電チャージャ12C〜12Kによりそれぞれ帯電された感光体ドラム11C〜11K上に静電潜像が形成される。各静電潜像の形成は、現像器13C〜13Kによりそれぞれ現像されて感光体ドラム11C〜11K上にC〜K色のトナー像が、中間転写ベルト31上の同じ位置に重ね合わせて1次転写されるようにタイミングをずらして実行される。そして、1次転写ローラ34C〜34Kによって付与される静電力により中間転写ベルト31上に各色のトナー像が順次転写されフルカラーのトナー像が形成され、さらに2次転写位置36方向に移動する。
一方、給紙部20は、シートSを収容する給紙カセット21と、給紙カセット21内のシートSを搬送路23上に1枚ずつ繰り出す繰り出しローラ22と、繰り出されたシートSを2次転写位置36に送り出すタイミングをとるためのタイミングローラ対24などを備えており、中間転写ベルト31上のトナー像の移動タイミングに合わせてこれらのローラを駆動させ、給紙部20からシートSを2次転写位置36に給送して、2次転写ローラ35による静電力の作用により中間転写ベルト31上のトナー像が一括してシートS上に2次転写される。
2次転写位置36を通過したシートSは、さらに定着装置50に搬送され、シートS上のトナー像(未定着画像)が、定着装置50において定着ローラ51および加圧ローラ52により形成された定着ニップ55を通過する際に加熱・加圧によりシートSに定着された後、排出ローラ対61を介して排出トレイ62上に排出される。
また、制御部40は、外部の端末との通信や画像処理、上記各部の駆動制御などを実行する。
プリンタ100の前面上部の操作しやすい位置には、操作パネル2(図2参照)が設けられている。操作パネル2には、コピー枚数を入力するためのテンキー、コピー開始を指示するためのコピースタートキー、画像形成モードを選択するためのキーに加えて、プリンタ100の状態、例えば、ジョブ実行指示を待っている状態(待機中)であることなどを示すメッセージ画面が表示されるタッチパネル式の液晶表示部が備えられており、当該液晶表示部のタッチパネル機能により、給紙トレイの指定やコピー濃度の調整等を受付ける。
(1−2.制御部40の構成)
図2は、制御部40の構成を示すブロック図である。
同図に示すように制御部40は、主な構成要素として、CPU(Central Processing Unit)41、通信インターフェース(I/F)部42、ROM(Read Only Memory)43、RAM(Random Access Memory)44等を備える。
通信I/F部42は、LANカード、LANボードといったLAN(Local Area Network)に接続するためのインターフェースであり、外部からのプリントジョブのデータを受信する。
RAM44は、CPU41のワークエリアとなる。
CPU41は、ROM43から必要なプログラムを読み出し、画像形成部10、給紙部20、転写部30、定着装置50の動作をタイミングを取りながら統一的に制御して、通信I/F部42が受信したプリントジョブのデータに基づくプリントジョブを実行する。
モータ回転制御部45は、CPU41の機能の一部であり、モータ81の回転を制御する。
通紙幅判定部46は、CPU41の機能の一部であり、通信I/F部42が受信したプリントジョブのデータのヘッダ情報、もしくは、ユーザによる操作パネル2上での記録シート(給紙トレイ)の選択入力情報から、画像形成が行われる記録シートのサイズ(通紙幅)を取得し判定する。
また、CPU41は、中央温度センサ71および端部温度センサ72(図5参照)による定着ローラ51の表面温度の検出結果、もしくは、通紙幅判定部46による通紙幅の判定結果に従って、モータ回転制御部45に指示してモータ81を回転させてアーチコア(磁性体コア)532(図3参照)を変位させ、定着ローラ51の電磁誘導発熱層514(図4参照)の発熱を制御する。詳しくは後述する。
(1−3.定着装置50の構成)
図3は、定着装置50の部分断面斜視図であり、図4は、その要部を示す横断面図である。なお、両図においては、定着装置50の構成を判り易く示すために図1に示す姿勢から時計回りに約45°回転させた状態を示している。
両図に示すように、定着装置50は、定着ローラ51、加圧ローラ52および磁束発生部53などを備える。
定着ローラ51と加圧ローラ52は平行に配され、加圧ローラ52を不図示の付勢機構で定着ローラ51側に付勢することにより、両ローラ間に定着ニップ55が形成され、この定着ニップ55をシートSが通過することによりシートS上に形成されたトナー像Tが溶融・加圧されて定着するようになっている。
以下、各部の詳細について説明する。
<磁束発生部>
磁束発生部53は、定着ローラ51に向けて交番磁界を発生させるものであり、励磁コイル531、アーチコア532、圧縮バネ533、裾コア534、コイルボビン535、カバー536、回転軸部材537、カム部材538等を有し、定着ローラ51の軸方向(幅方向)に沿うように配置される。
コイルボビン535は、樹脂などの絶縁材料からなり、内部には励磁コイル531を巻回するための環状の溝部が設けられている。コイルボビン535は、定着ローラ51の表面に対向する部分が定着ローラ51の周方向に沿って円弧状に湾曲するとともに、定着ローラ51の周面との間に所定の間隔、例えば2[mm]の間隔があくように、長手方向両端部が図示しないフレームなどにより固定されている。
励磁コイル531は、例えば、表面を絶縁加工した外径0.17[mm]の銅線からなる線材を100本束ねたリッツ線であって、不図示の耐熱性の樹脂で被覆されており、用紙Sの幅方向に沿って長く延びるとともに、図4に示すように横断面が円弧状の形状になるようにコイルボビン535に、例えば10回、巻かれている。励磁コイル531は、図示しない、公知の高周波インバータを含む励磁コイル駆動回路に接続され、励磁コイル駆動回路から供給される交流電力により、磁束を発生し、定着ローラ51の電磁誘導発熱層514を発熱させる。
アーチコア532は、定着ローラ51の軸に直交する平面による断面がアーチ状に湾曲もしくは屈曲した形状を有しており、アーチの開口側が定着ローラ51の周方向に沿うように、アーチコア532が定着ローラ51の軸方向に互いに所定の間隔を開けて配列されている。
アーチコア532は、定着ローラ51の幅方向に沿って互いに間隔をあけて12本配列されており、破線Cで示される定着ローラ51の幅方向中央側の最小通紙幅W1(図10参照)の範囲(特定のサイズのシートの通紙領域)内に4本のアーチコア532eが配列され、これらのアーチコア532eを挟んで定着ローラ51の幅方向における両端側の領域(特定のサイズのシートの非通紙領域)に、中央に近い側から順に、それぞれ1対のアーチコア532a、532b、532c、532dが配列されている(図6、図10参照)。
1対のアーチコア532a、532b、532c、532dに対向する位置における回転軸部材の周面上には、カム部材538a、538b、538c、538dがそれぞれ設けられている。
なお、アーチコア532e、532d、532c、532b、532aをそれぞれ区別する必要が無い場合には、総称として単に「アーチコア532」という。
また、カム部材538a、538b、538c、538dをそれぞれ区別する必要が無い場合には、これらをまとめて、単に「カム部材538」という。
なお、図3においては、アーチコア532については、定着ローラ51の軸方向における一方の端部側の5本のみ示し、カム部材538については、一方の端部側の4つのみを示している。
回転軸部材537は円柱状の部材であり、定着ローラ51の幅方向に沿って、アーチコア532とコイルボビン535の環状の溝部との間に配され、コイルボビン535の幅方向両端部に穿設された不図示の軸受け部により軸を中心に回転可能に保持されている。
回転軸部材537の幅方向においてアーチコア532a、532b、532c、532dに対向する位置の周面上には、それぞれカム部材538a、538b、538c、538dが設けられており、回転軸部材537の回転に伴って、アーチコア532a、532b、532c、532dを変位させる。詳しくは後述する。
アーチコア532、回転軸部材537および裾コア534は、それぞれ高透磁率のフェライトなどの磁性体から成り、励磁コイル531により発生された磁束を定着ローラ51に導く。なお、本発明においては、特に明記しない限り、「磁性体」とは強磁性体を意味する用語として用いている。
カム部材538は、ポリイミド(PI:Polyimide)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK:Polyetheretherketone)、ポリフェニレンサルファイド(PPS:Polyphenylenesulfide)などの耐熱性を有する樹脂等の非磁性体から成る。なお、本発明においては、特に明記しない限り、「非磁性体」とは強磁性体ではない物質を意味する用語として用いている。
定着ローラ51の表面に導かれた磁束は、定着ローラ51の電磁誘導発熱層514における、磁束発生部53に対向する部分を主として通過し、この部分に渦電流を発生させて電磁誘導発熱層514を発熱させる。ここで発生した熱は、定着ローラ51の回転により定着ニップ55の位置で加圧ローラ52に伝わることにより定着ニップ55の温度が昇温される。
カバー536は、樹脂などの絶縁材料からなり、裾コア534、励磁コイル531およびアーチコア532等を収容したコイルボビン535に蓋をするためのものである。
<定着ローラ>
定着ローラ51は、外径が、例えば20[mm]の円柱状もしくは円筒状の芯金512の周面に弾性体層513を形成してなり、弾性体層513の外周面上には、さらに電磁誘導発熱層514、弾性体層515、離型層516がこの順に積層される。
この定着ローラ51は、芯金512の軸方向両端部に形成された被軸受部(不図示)において、フレーム(不図示)に設けられたボールベアリングなどの軸受部材に軸受けされる。
芯金512は、ステンレス等から成る。弾性体層513は、断熱性の高い弾性材料、例えば、シリコーンスポンジゴム等で構成され、その厚みは、例えば10[mm]である。
電磁誘導発熱層514は、厚みが、例えば40[μm]のニッケルなどからなり、磁束発生部53から発せられる磁束により発熱する。
弾性体層515は、厚みが、例えば0.3[mm]の耐熱性を有するシリコーンゴムなどからなり、用紙Sと定着ローラ51の表面との密着性を高める役割を果たす。
最外層の離型層516は、厚みが、例えば30[μm]のPFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)チューブなどからなり、定着ローラ51の表面の離型性を高める役割をしている。
<加圧ローラ>
加圧ローラ52は、外径が、例えば26[mm]の円柱状の芯金521の周囲に、弾性体層522を介して離型層523が積層されてなり、図示しないバネなどを含む押圧手段により定着ローラ51を押圧して、定着ローラ51との間に定着ニップ55を確保する。芯金521は、ステンレス等から成る。弾性体層522は、シリコーンゴムやシリコーンスポンジゴム等からなり、その厚みは、例えば4[mm]である。また、離型層523は、PFAやPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)チューブ等からなり、その厚みは、例えば30[μm]である。
当該加圧ローラ52は、芯金521の軸方向両端部が図示しないフレームの軸受部材に回転自在に軸受けされ、駆動モータ(不図示)からの駆動力により矢印B方向に回転駆動される。この加圧ローラ52の回転に伴って定着ローラ51が矢印A方向に従動回転する。
また、図5に示すように、定着装置50には、定着ローラ51の幅方向中央部および端部近傍の表面温度をそれぞれ検出するための中央温度センサ71および端部温度センサ72が別途配置されており、制御部40はこれらのセンサの検出信号により定着ローラ51の現在の温度を検出する。
定着装置50は、破線Cで示される定着ローラ51の幅方向中央を基準として記録シートSを通紙しトナー像を定着させる方式(以下、「センター通紙」という。)の定着装置であり、前記幅方向中央を含み、記録シートSが通過する所定の領域が通紙部となり、当該通紙部の定着ローラ51の幅方向における両端側の記録シートSが通過しない領域が非通紙部となる。前記通紙部を規定する所定の領域は、通紙される記録シートSのサイズ(通紙幅)による。
中央温度センサ71および端部温度センサ72は非接触式温度センサであり、具体的には例えば、サーモパイルを用いた赤外線温度センサである。
(1−4.アーチコア532の変位機構)
次に、アーチコア532を変位させる機構について説明する。
図4に示す定着装置50の定着ローラ51の軸および回転軸部材537の軸を通る平面による部分断面図を図6に示す。回転軸部材537の一方の端部にはギヤ539が取着されており、当該ギヤ539を介してモータ81(図2参照)からの回転駆動力を受けて回転駆動される。なお、同図においては、回転軸部材537、カム部材538、ギヤ539については断面ではなく側面を示している。
カバー536の一部は、コイルボビン535側の面が開口したコアケース5361となっており、当該コアケース5361の内部にアーチコア532が1つずつ収容され、それぞれ定着ローラ51との距離が変化する方向に変位可能に保持されている。アーチコア532a、532b、532c、532dをそれぞれ収容するコアケース5361内部には弾性部材である圧縮バネ533がそれぞれ配置されており、アーチコア532a、532b、532c、532dをそれぞれ回転軸部材537に近接する方向に付勢している。アーチコア532eが収容されているコアケース5361内部には圧縮バネ533は配されておらず、アーチコア532eは、それぞれが収容されているコアケース5361に固定されており、変位しない。
コアケース5361と圧縮バネ533とで、アーチコア532を変位可能に保持する保持手段を形成している。
図7は、図6に示す状態(以下、当該状態におけるアーチコア532の配置を「第1段階」という。)において軸方向から見たカム部材538とアーチコア532との位置関係を模式的に示す断面図であって、(a)はカム部材538aとアーチコア532aとの位置関係を、(b)はカム部材538bとアーチコア532bとの位置関係を、(c)はカム部材538cとアーチコア532cとの位置関係を、(d)はカム部材538dとアーチコア532dとの位置関係をそれぞれ示す。図4ではカム部材538が重なり合った状態で表示されているため、それぞれのカム部材の形状がよくわからなかったが、図7各図によりそれが明らかになっている。図7各図に示すように、カム部材538a、538b、538c、538dは、それぞれ軸方向断面が略円形状の部材の一部を切り欠いた略扇状の形状であり、それぞれの扇形の中心部分は回転軸部材537の周面の一部と一致している。扇形の中心角度は、カム部材538a、538b、538c、538dの順に大きくなっており、それぞれの扇形の反時計回り側の辺は軸方向から見た場合にそれぞれ一致する形状となっており、当該辺が回転軸部材の同一回転角度の位置となるようにそれぞれ取着されている。
なお、上記カム部材538a、538b、538c、538dの扇形の反時計回り側の辺は、軸方向から見た場合に必ずしも互いに完全に一致する形状でなくてもよい。所定の回転軸部材537回転角度においてそれぞれのカム部材のカム面が同時にアーチコア532と当接し、図7(d)に示すように、カム部材538dが、その周面において回転軸部材537の周面と一致した部分である扇形の中心部分でアーチコア532dと当接しているときに、カム部材538a、538b、538cもそれぞれの扇形の中心部分において、それぞれアーチコア532a、532b、532cにと右折するような形状であればよい。
図7各図に示すように、第1段階においては、カム部材538a、538b、538c、538dはそれぞれの扇形の中心部分の回転軸部材の周面と一致している箇所において、アーチコア532a、532b、532c、532dとそれぞれ接している。このとき、それぞれのカム部材は、定着ローラ51に最も近接した位置、即ち電磁誘導発熱層514に最も近接した位置に位置している。以下、当該電磁誘導発熱層514に最も近接した位置を「近接位置」(第1の位置)という。
回転軸部材537の回転に伴ってカム部材538a、538b、538c、538dがそれぞれ回転すると、扇形の弧に当たる部分の周面(以下、「カム面」という。)がアーチコア532と当接して圧縮バネ533を圧縮させる方向にアーチコア532を変位させる。このとき、それぞれのカム部材538の扇形の中心角度が異なっているため、カム面がアーチコア532に当接する回転軸部材537の回転角度が異なる。これにより、回転軸部材の回転角度によってそれぞれのアーチコア532の変位の程度が異なる。
回転軸部材537、カム部材538、ギヤ539、およびモータ81は、アーチコア532を変位させる変位手段としてのアーチコア変位部54を構成する。
第1段階から回転軸部材537を時計回りに約90°回転させた状態における定着装置50の定着ローラ51の軸および回転軸部材537の軸を通る平面による部分断面図を図8に示す。なお、同図においては、回転軸部材537、カム部材538、ギヤ539については断面ではなく側面を示し、カバー536および圧縮バネ533については図示を省略している。以下、図10、図12、図14においても同様である。
図9は、図8に示す状態(以下、当該状態におけるアーチコア532の配置を「第2段階」という。)において軸方向から見たカム部材538とアーチコア532との位置関係を模式的に示す断面図であって、(a)はカム部材538aとアーチコア532aとの位置関係を、(b)はカム部材538bとアーチコア532bとの位置関係を、(c)はカム部材538cとアーチコア532cとの位置関係を、(d)はカム部材538dとアーチコア532dとの位置関係をそれぞれ示す。
図8および図9各図に示すように、第2段階においては、定着ローラ51の幅方向両端側のカム部材538dのカム面がアーチコア532dと当接し、これにより、当該アーチコア532dが電磁誘導発熱層514から離間する方向に変位している。以下、当該電磁誘導発熱層514から離間した位置を「離間位置」(第2の位置)という。このとき、カム部材538cの扇形の辺部分の周面がアーチコア532cと当接して、アーチコア532cを近接位置と離間位置の中間の位置まで変位させている。
なお、近接位置と離間位置との間の変位量は、例えば、2〜3[mm]である。
上記のように、アーチコア532が離間位置まで変位すると、アーチコア532と電磁誘導発熱層514との距離が大きくなり、当該アーチコア532を通る磁路長が長くなる。その結果、磁気抵抗が大きくなって、当該アーチコア532を通る磁束による電磁誘導発熱層514における発熱量が低下する。
また、アーチコア532が離間位置にあるとき、アーチコア532と電磁誘導発熱層514との間に非磁性体から成るカム部材538が位置することになり、カム部材538によってアーチコア532と電磁誘導発熱層514との間の磁気的な結合力を抑制して電磁誘導発熱層514における発熱をより効率よく抑制する。
第2段階から回転軸部材537を時計回りに約45°回転させた状態における定着装置50の定着ローラ51の軸および回転軸部材537の軸を通る平面による部分断面図を図10に示す。
図11は、図10に示す状態(以下、当該状態におけるアーチコア532の配置を「第3段階」という。)において軸方向から見たカム部材538とアーチコア532との位置関係を模式的に示す断面図であって、(a)はカム部材538aとアーチコア532aとの位置関係を、(b)はカム部材538bとアーチコア532bとの位置関係を、(c)はカム部材538cとアーチコア532cとの位置関係を、(d)はカム部材538dとアーチコア532dとの位置関係をそれぞれ示す。
図10および図11各図に示すように、第3段階においては、定着ローラ51の幅方向両端側から2つ目までのカム部材538dおよび538cのカム面が、それぞれアーチコア532dおよび532cと当接し、これにより、当該アーチコア532dおよび532cとが離間位置まで変位している。このとき、カム部材538bの扇形の辺部分の周面がアーチコア532bと当接して、アーチコア532bを近接位置と離間位置の中間の位置まで変位させている。
図10に示すように、通紙部中央(破線C)からアーチコア532bまでがA4縦の通紙部内(通紙幅W2=210[mm])に配されており、アーチコア532cおよび532dが非通紙部に配置されている。従って、アーチコア532cおよび532dが離間位置まで変位された当該第3段階が、A4縦通紙時用のアーチコア532の所定の配置となる。
なお、本実施の形態においては、最小通紙幅W1=105[mm](A5縦(特定のサイズ))、最大通紙幅W3=297[mm](A4横、A3縦)とし、変位しないアーチコア532eは、A5縦の通紙領域である最小通紙幅W1の範囲内(特定のサイズのシートの通紙領域)に配置され、変位可能なアーチコア532a、532b、532c、532dは、A5縦の非通紙領域(特定のサイズのシートの非通紙領域)に配置されている。ただし、特定のサイズのシートの通紙幅である最小通紙幅W1はA5縦サイズに限られず、用途に応じて、例えば、はがきサイズ等でもよい。
第3段階から回転軸部材537を時計回りに約45°回転させた状態における定着装置50の定着ローラ51の軸および回転軸部材537の軸を通る平面による部分断面図を図12に示す。
図13は、図12に示す状態(以下、当該状態におけるアーチコア532の配置を「第4段階」という。)において軸方向から見たカム部材538とアーチコア532との位置関係を模式的に示す断面図であって、(a)はカム部材538aとアーチコア532aとの位置関係を、(b)はカム部材538bとアーチコア532bとの位置関係を、(c)はカム部材538cとアーチコア532cとの位置関係を、(d)はカム部材538dとアーチコア532dとの位置関係をそれぞれ示す。
図12および図13各図に示すように、第4段階においては、定着ローラ51の幅方向両端側から3つ目までのカム部材538d、538c、538bのカム面が、それぞれアーチコア532d、532c、532bと当接し、これにより、アーチコア532d、532c、532bが離間位置まで変位している。このとき、カム部材538aの扇形の辺部分の周面がアーチコア532aと当接して、アーチコア532aを近接位置と離間位置の中間の位置まで変位させている。
第4段階から回転軸部材537を時計回りに約45°回転させた状態における定着装置50の定着ローラ51の軸および回転軸部材537の軸を通る平面による部分断面図を図14に示す。
図15は、図14に示す状態(以下、当該状態におけるアーチコア532の配置を「第5段階」という。)において軸方向から見たカム部材538とアーチコア532との位置関係を模式的に示す断面図であって、(a)はカム部材538aとアーチコア532aとの位置関係を、(b)はカム部材538bとアーチコア532bとの位置関係を、(c)はカム部材538cとアーチコア532cとの位置関係を、(d)はカム部材538dとアーチコア532dとの位置関係をそれぞれ示す。
図14および図15各図に示すように、第5段階においては、全てのカム部材538d、538c、538b、538aのカム面が、それぞれアーチコア532d、532c、532b、532aと当接し、これにより、アーチコア532d、532c、532b、538aが離間位置まで変位している。
第5段階から回転軸部材537を時計回りに約135°回転させると、第1段階に戻る。また、各段階から回転軸部材537を反時計回りに約45°ずつ回転させると、それぞれ1段階下の配置にすることができる。
上記のように、モータ回転制御部45の制御によりモータ81を駆動して回転軸部材537を回転させ、その回転角度によってアーチコア532の配置の段階を変更することにより、非通紙部における電磁誘導発熱層の発熱量を制御することができる。
(1−5.定着温度制御)
次に、画像形成動作時における定着ローラ51の定着温度の制御について説明する。
<定着温度メイン制御>
図16は、定着温度メイン制御の内容を示すフローチャートである。制御部40は、励磁コイル531への通電制御およびアーチコア532の変位制御を行って、定着ローラ51表面の通紙部の温度を定着温度に維持する。
プリンタ100の電源がONになると、メインタイマーをスタートさせる(ステップS1)。メインタイマーはルーチンが1周回る時間を規定するもので、例えば、1周200[msec]に設定される。
次に、励磁コイル通電制御の処理を実行する(ステップS2)。具体的には、後述する図17のフローチャートに示される処理である。
励磁コイル通電制御の処理が実行されると、次にアーチコア変位制御の処理を実行する(ステップS3)。具体的には、後述する図18のフローチャートに示される処理である。
アーチコア変位制御の処理が実行されると、メインタイマーのカウントが設定されたカウント数(例えば200[msec])に達しているかどうかを判定する(ステップS4)。
設定されたカウント数に達していない場合には、引き続き当該判定を行う(ステップS4:NO、ステップS4)。
設定されたカウント数に達している場合、メインタイマーをリセットし、ステップS1に戻って再びメインタイマーをスタートさせ(ステップS4:YES、ステップS5、ステップS1)、以下、当該フローを繰り返す。
<励磁コイル通電制御>
次に、図16に示す定着温度メイン制御のフローにおける励磁コイル通電制御のサブルーチンの処理内容を図17に示す。
定着温度メイン制御のフローにおいて当該励磁コイル通電制御のサブルーチンがコールされると、中央温度センサ71による定着ローラ51表面の検出温度T1を取得してT1が180℃より高いかどうかを判定する(ステップS11)。
T1が180℃よりも高い場合、励磁コイル531への通電を行わずに(ステップS11:YES、ステップS12)、定着温度メイン制御のフローにリターンする。
T1が180℃よりも高くない場合、即ち180℃以下の場合、励磁コイル531への通電を行い(ステップS11:YES、ステップS12)、定着温度メイン制御のフローにリターンする。
<アーチコア変位制御>
次に、図16に示す定着温度メイン制御のフローにおけるアーチコア変位制御のサブルーチンの処理内容を図18に示す。
定着温度メイン制御のフローにおいて当該アーチコア変位制御のサブルーチンがコールされると、当該フローに入った回数を示す値であるCOUNTの現在の値に「1」をインクリメントして、次にCOUNTの値が20であるかどうかを判定する(ステップS21、ステップS22)。
COUNTの値が20でない場合には(ステップS22:NO)、定着温度メイン制御のフローにリターンする。
COUNTの値が20である場合、次に端部温度センサ72による定着ローラ51表面の検出温度T2を取得してT2が181℃(第1の閾値)以上であるかどうかを判定する(ステップS22:YES、ステップS23)。
T2が181℃以上である場合、次にアーチコア532の配置が第5段階であるかどうかを判定する(ステップS23:YES、ステップS24)。
アーチコア532の配置が第5段階である場合、COUNTの値を0にリセットして(ステップS24:YES、ステップS29)、定着温度メイン制御のフローにリターンする。
アーチコア532の配置が第5段階でない場合、アーチコア532の配置を1段階UPさせるようにモータ回転制御部45に指示してCOUNTの値を0にリセットし(ステップS24:NO、ステップS27、ステップS29)、定着温度メイン制御のフローにリターンする。
ステップS23において、T2が181℃以上でない場合、即ち181℃未満である場合、次にT2が179℃(第2の閾値)以下であるかどうかを判定する(ステップS23:NO、ステップS25)。
T2が179℃以下でない場合、即ち179℃より高い場合、COUNTの値を0にリセットして(ステップS25:NO、ステップS29)、定着温度メイン制御のフローにリターンする。
T2が179℃以下である場合、次にアーチコア532の配置が第1段階であるかどうかを判定する(ステップS25:YES、ステップS26)。
アーチコア532の配置が第1段階である場合、COUNTの値を0にリセットして(ステップS26:YES、ステップS29)、定着温度メイン制御のフローにリターンする。
アーチコア532の配置が第1段階でない場合、アーチコア532の配置を1段階DOWNさせるようにモータ回転制御部45に指示してCOUNTの値を0にリセットし(ステップS26:NO、ステップS28、ステップS29)、定着温度メイン制御のフローにリターンする。
以上説明したように、本実施の形態においては、励磁コイル通電制御により、定着ローラ51の通紙部中央の表面温度が180℃に維持される。また、所定時間ごと(本実施の形態においては、例えば4秒ごと)に、定着ローラ51の非通紙部の表面温度を端部温度センサ72により検出し、定着ローラ51の非通紙部の表面温度が179℃より低くなるとアーチコア532の配置を1段階ずつ順次DOWNさせ、即ちアーチコア532を定着ローラ51の幅方向中央側から順次近接位置に移動させて、非通紙部の電磁誘導発熱層の発熱量を増加させ、非通紙部の表面温度が181℃より高くなるとアーチコア532の配置を1段階ずつ順次UPさせ、即ちアーチコア532を定着ローラ51の幅方向両端側から順次離間位置に移動させて、非通紙部の電磁誘導発熱層の発熱量を抑制することにより、非通紙部の表面温度が179℃から181℃の間に維持され過熱が防止される。
また、アーチコア変位制御はT2の温度により1段ずつ行われるため、非通紙部の過熱の程度に基づいて電磁誘導発熱層514の発熱量を細かく制御することができる。
なお、定着温度メイン制御のフローは、例えば1周200[msec]に設定されているため、励磁コイル通電制御の処理も、200[msec]毎に実行される。
一方、アーチコア変位制御の処理については、図18のフローに示すように、200[msec]毎にCOUNTが1インクリメントされ、COUNTの値が20になったらステップS23からステップS28へと進み、その後COUNTを0にリセットして定着温度メイン制御のフローにリターンする構成になっているため、実際にアーチコアを変位させる処理であるステップS23からステップS28については4秒ごとに実行されることになる。
ここで、アーチコア変位制御のフローにおいてステップS22で判定されるCOUNTの値は20に限られず、適当な任意の値としてもよい。
<実施の形態2>
上記実施の形態1では、定着ローラ51の通紙部中央および非通紙部の表面温度を温度センサにより検出し、それぞれの検出温度に基づいて電磁誘導発熱層の発熱量を制御する構成について説明した。
定着ローラの通紙部は記録シートが通紙されるたびに記録シートに熱が奪われていくが、非通紙部は記録シートと接触しないため熱が奪われず、非通紙部の過熱を招く。例えばA5縦のような小サイズの記録シートが連続で通紙されると非通紙部も大きいため、非通紙部の過熱も大きいが、例えばA3のような大サイズの記録シートが使用される場合には、小サイズの記録シート使用時には非通紙部となる部分も、大サイズの記録シートでは通紙部となって熱が奪われるために過熱が発生しにくい。
本実施の形態では、定着ローラ51の非通紙部の表面温度に代えて、画像形成が行われる記録シートのサイズ(通紙幅)を取得し、通紙幅に従ってアーチコア変位制御を行い、非通紙部の過熱を防止する構成について説明する。ここでは、オフィス等で通常最も使用頻度が高いと考えられるA4縦サイズを基準として、A4縦と比べて通紙幅が大きいか、小さいか、等しいかを判定してアーチコア532の配置段階を変更する。
また、本実施の形態においては、アーチコアタイマーを使用し、所定時間画像プリント信号の入力がない場合には、アーチコア532の配置を第1段階に戻すようにしている。
なお、説明の重複を避けるため、実施の形態1と同じ構成要素については、同符号を付して、その説明を省略する。
本実施の形態におけるアーチコア変位制御のサブルーチンの処理内容を図19に示す。本サブルーチンは、図16に示す定着温度メイン制御のフローにおいて、当該サブルーチンがコールされるたびに実行される。
先ず、画像プリント信号(1枚分)の入力があったかどうかを判定する(ステップS31)。
画像プリント信号の入力が無い場合には、次にアーチコアタイマーがタイムアップしたかどうか(所定の設定時間が経過したかどうか)を判定する(ステップS31:NO、ステップS40)。
画像プリント信号の入力ありと判定された場合、アーチコアタイマーをリセットする(ステップS31:YES、ステップS32)。
次に、通紙幅Wを判定する(ステップS33)。通紙幅WがA4縦よりも小さい場合、次にアーチコア532の配置が第5段階であるかどうかの判定を行う(ステップS33:W<A4縦、ステップS34)。なお、通紙幅情報の取得および判定は、通紙幅判定部46(第1のシートサイズ取得手段)(図2参照)が、通信I/F部42が受信したプリントジョブのデータのヘッダ情報を読み出すことにより、もしくは、ユーザによる操作パネル2上での記録シート(給紙トレイ)の選択入力を受付けることにより行われる。以下、通紙幅の取得および判定については、特に明記されていない限り同様にして行われる。
アーチコア532の配置が第5段階でない場合、アーチコア532の配置を1段階UPさせるようにモータ回転制御部45に指示して、アーチコアタイマーがタイムアップしたかどうかを判定する(ステップS34:NO、ステップS37、ステップS40)。
アーチコア532の配置が第5段階である場合、それ以上段階を上げられないので、アーチコア532の配置変更は行わず、次に、アーチコアタイマーがタイムアップしたかどうかの判定を行う(ステップS34:YES、ステップS40)。
ステップS33において、通紙幅WがA4縦と等しいと判定された場合、次にアーチコア532の配置が第3段階であるかどうかの判定を行う(ステップS33:W=A4縦、ステップS35)。
アーチコア532の配置が第3段階でない場合、アーチコア532の配置をA4縦通紙時のアーチコア532の基本配置である第3段階へと一斉に移動させるようにモータ回転制御部45に指示して(第4の制御)、アーチコアタイマーがタイムアップしたかどうかの判定を行う(ステップS35:NO、ステップS38、ステップS40)。
アーチコア532の配置が第3段階である場合には、そのままアーチコアタイマーがタイムアップしたかどうかの判定を行う(ステップS35:YES、ステップS40)。
ステップS33において、通紙幅WがA4縦よりも大きいと判定された場合、次にアーチコア532の配置が第1段階であるかどうかの判定を行う(ステップS33:A4縦<W、ステップS36)。
アーチコア532の配置が第1段階でない場合、アーチコア532の配置を1段階DOWNさせるようにモータ回転制御部45に指示して、アーチコアタイマーがタイムアップしたかどうかの判定を行う(ステップS36:NO、ステップS39、ステップS40)。
アーチコア532の配置が第1段階である場合、それ以上段階を下げられないので、アーチコア532の配置変更は行わず、次に、アーチコアタイマーがタイムアップしたかどうかの判定を行う(ステップS36:YES、ステップS40)。
アーチコアタイマーがタイムアップしている場合、アーチコア532の配置を第1段階へと移動させるようにモータ回転制御部45に指示して(ステップS40:YES、ステップS41)、定着温度メイン制御のフロー(図16参照)にリターンする。−
ステップS40において、アーチコアタイマーがタイムアップしていない場合(ステップS40:NO)、そのまま定着温度メイン制御のフローにリターンする。
以上説明したように、本実施の形態の構成によると、通紙される記録シートのサイズ(通紙幅)に基づいて、通紙幅がA4縦の場合には、アーチコア532の配置を第3段階にし(第3段階である場合にはその状態を維持し)、通紙幅がA4縦よりも小さい場合は、記録シートによって熱が奪われる領域(幅)が小さく非通紙部が過熱しやすくなるため、アーチコア532の配置を1段階ずつ順次UPさせ、即ちアーチコア532を定着ローラ51の幅方向両端側から順番に離間位置に移動させて、非通紙部の電磁誘導発熱層の発熱量を抑制し、通紙幅がA4縦よりも大きい場合には、通紙部の領域(幅)が大きく、発熱を抑制すべき非通紙部の領域(幅)が小さくなるため、アーチコア532の配置を1段階ずつ順次DOWNさせ、即ちアーチコア532を定着ローラ51の幅方向中央側から順番に近接位置に移動させて、通紙部のうちA4縦の幅よりも外側(両端側)の部分における電磁誘導発熱層の発熱量を増加させて通紙部において十分な定着温度を確保する。
<実施の形態3>
例えば、A4縦に続いて大サイズの記録シート(例えば、A3)が通紙された場合、即座にアーチコア532の配置段階を下げなくても、定着ローラの持つ余熱で表面温度をある程度の枚数まで定着可能な温度域に維持できるが、それ以上の枚数が通紙されると熱量が不足する。
そこで、本実施の形態では、A4縦(予め設定された所定のシートの幅方向サイズ)よりも通紙幅の広い大サイズの記録シートが通紙される場合、連続して所定のシート枚数(第1の所定枚数。例えば、本実施の形態においては、4枚)通紙されるまではアーチコア532の配置段階を変更せず、所定のシート枚数に達したら一斉に第1段階へと移動させる構成(第3の制御)について説明する。
なお、説明の重複を避けるため、実施の形態1および2と同じ構成要素については、同符号を付して、その説明を省略する。
本実施の形態におけるアーチコア変位制御のサブルーチンの処理内容を図20に示す。本サブルーチンは、図16に示す定着温度メイン制御のフローにおいて、当該サブルーチンがコールされるたびに実行される。
本サブルーチンのフローにおいて、ステップS51からステップS53、および、ステップS53で通紙幅WがA4縦よりも小さいと判定された場合のステップS53からステップS57、ステップS53で通紙幅WがA4縦であると判定された場合のステップS53からステップS58については、それぞれ図19に示す実施の形態2のアーチコア変位制御のフローにおけるステップS31からステップS33、および、ステップS33で通紙幅WがA4縦よりも小さいと判定された場合のステップS33からステップS37、ステップS33で通紙幅WがA4縦に等しいと判定された場合のステップS33からステップS38と同じであるので、ここでは説明を省略する。
ステップS53において、通紙幅WがA4縦よりも大きいと判定された場合、大サイズ記録シートの連続通紙枚数を示す値であるnに「1」をインクリメントし、次に当該nの値が4であるかどうかの判定を行う(ステップS53:A4縦<W、ステップS56、ステップS59)。
nの値が4でない場合、アーチコアタイマーがタイムアップしたかどうかの判定を行う(ステップS59:NO、ステップS63)。
nの値が4である場合、次にアーチコア532の配置が第1段階であるかどうかの判定を行う(ステップS59:YES、ステップS61)。
アーチコア532の配置が第1段階でない場合、アーチコア532の配置を第1段階へと移動させるようにモータ回転制御部45に指示して、nの値を0にリセットし、アーチコアタイマーがタイムアップしたかどうかの判定を行う(ステップS60:NO、ステップS61、ステップS62、ステップS63)。
アーチコア532の配置が第1段階である場合、そのままアーチコアタイマーがタイムアップしたかどうかの判定を行う(ステップS60:YES、ステップS63)。
アーチコアタイマーがタイムアップしている場合、アーチコア532の配置を第1段階へと移動させるようにモータ回転制御部45に指示した後、nの値を0にリセットして(ステップS63:YES、ステップS64、ステップS65)、定着温度メイン制御のフロー(図16参照)にリターンする。
ステップS63において、アーチコアタイマーがタイムアップしていない場合(ステップS63:NO)、そのまま定着温度メイン制御のフローにリターンする。
<実施の形態4>
上記実施の形態2および3においては、実際の定着に合わせてアーチコア532の配置段階を変更しているが、これに限られない。本実施の形態では、通紙される予定の所定枚数先(第2の所定枚数先。本実施の形態においては、5枚先。)の記録シートのサイズ(通紙幅)を取得して、それに合わせてアーチコア532の配置段階を事前に変更する構成について説明する。
なお、説明の重複を避けるため、実施の形態1、2、3と同じ構成要素については、同符号を付して、その説明を省略する。
本実施の形態におけるアーチコア変位制御のサブルーチンの処理内容を図21に示す。本サブルーチンは、図16に示す定着温度メイン制御のフローにおいて、当該サブルーチンがコールされるたびに実行される。
先ず、画像プリント信号(1枚分)の入力があったかどうかを判定する(ステップS71)。
画像プリント信号の入力が無い場合には(ステップS71:NO)、そのまま定着温度メイン制御のフロー(図16参照)にリターンする。
画像プリント信号の入力ありと判定された場合、次に5枚先のプリント待ち画像プリント信号があるかどうかを判定する(ステップS31:YES、ステップS32)。当該5枚先のプリント待ち画像プリント信号があるかどうかの判定および、後述する5枚先のプリント待ち画像プリント信号が実行される記録シートの通紙幅の判定については、通紙幅判定部46(第2のシートサイズ取得手段)(図2参照)が、RAM44(図2参照)に一時的に記憶されているプリント待ち画像プリント信号のデータを参照することによって行われる。
5枚先のプリント待ち画像プリント信号がある場合には、次に当該5枚先のプリント待ち画像プリント信号が実行される記録シートの通紙幅の判定を行う(ステップS72:YES、ステップS73)。
5枚先のプリント待ち画像プリント信号が実行される記録シートの通紙幅WがA4縦(所定サイズ)よりも小さい場合、続いてアーチコア532の配置が第5段階であるかどうかの判定が行われる(ステップS73:W<A4縦、ステップS74)。
アーチコア532の配置が第5段階でない場合、アーチコア532の配置を1段階UPさせるようにモータ回転制御部45に指示して(ステップS74:NO、ステップS77)、定着温度メイン制御のフロー(図16参照)にリターンする。
アーチコア532の配置が第5段階である場合(ステップS74:YES)、それ以上段階を上げられないので、そのまま定着温度メイン制御のフローにリターンする。
ステップS73において、通紙幅WがA4縦と等しいと判定された場合、次にアーチコア532の配置が第3段階であるかどうかの判定を行う(ステップS73:W=A4縦、ステップS75)。
アーチコア532の配置が第3段階でない場合、アーチコア532の配置をA4縦通紙時のアーチコア532の基本配置である第3段階へと移動させるようにモータ回転制御部45に指示して(ステップS75:NO、ステップS78)、定着温度メイン制御のフローにリターンする。
アーチコア532の配置が第3段階である場合には、そのまま定着温度メイン制御のフローにリターンする。
ステップS73において、通紙幅WがA4縦よりも大きいと判定された場合、次にアーチコア532の配置が第1段階であるかどうかの判定を行う(ステップS73:A4縦<W、ステップS76)。
アーチコア532の配置が第1段階でない場合、アーチコア532の配置を1段階DOWNさせるようにモータ回転制御部45に指示して(ステップS76:NO、ステップS79)、定着温度メイン制御のフローにリターンする。
アーチコア532の配置が第1段階である場合(ステップS76:YES)、それ以上段階を下げられないので、そのまま定着温度メイン制御のフローにリターンする。
以上、各実施の形態において説明したように、回転軸部材537の周面に取着されたカム部材538によりアーチコア532を順次変位させて電磁誘導発熱層の発熱量を制御することによって、発熱回転体の軸方向(幅方向)における発熱量をより細かく制御して、非通紙部の過熱を適切に防止すると共に通紙部の定着温度を適切に維持することができる。
また、回転軸部材537が磁性体から成り、各アーチコア532のアーチの中心位置を結ぶ直線に沿って配置されていることにより、回転軸部材537がアーチコア532と定着ローラ51との間の磁束の経路を形成する磁路形成体としてのセンターコアの役割も果たすことができる。
さらに、カム部材538が非磁性体から成ることにより、アーチコア532が離間位置にあるとき、カム部材538がアーチコア532と回転軸部材537との間に介在することにより、アーチコア532と定着ローラ51との磁気的な結合力を抑制する効果がある。
<変形例>
(1)上記実施の形態2、3、4においては、通紙幅がA4縦でアーチコア532の配置が第3段階でない場合には、即座にアーチコア532を第3段階へと移動するようにモータ回転制御部45に指示する構成となっているが、これに限られない。例えば、アーチコア532の配置が第3段階でないと判定された場合に、アーチコア532を1段階ずつUPもしくはDOWNさせるようにしてもよい。
以下、本変形例のアーチコア変位制御の処理内容について、本変形例の構成を実施の形態2に適用した場合を例に説明する。
なお、説明の重複を避けるため、上記各実施の形態と同じ構成要素については、同符号を付して、その説明を省略する。
本変形例におけるアーチコア変位制御のサブルーチンの処理内容を図22に示す。本サブルーチンは、図16に示す定着温度メイン制御のフローにおいて、当該サブルーチンがコールされるたびに実行される。
本サブルーチンのフローにおいて、ステップS81からステップS83、および、ステップS83で通紙幅WがA4縦よりも小さいと判定された場合のステップS83からステップS87まで、ステップS83で通紙幅WがA4縦よりも大きいと判定された場合のステップS83からステップS90まで、ならびに、ステップS91からステップS92については、それぞれ図19に示す実施の形態2のアーチコア変位制御のフローにおけるステップS31からステップS33、および、ステップS33で通紙幅WがA4縦よりも小さいと判定された場合のステップS33からステップS37まで、ステップS33で通紙幅WがA4縦よりも大きいと判定された場合のステップS33からステップS39まで、ならびに、ステップS40からステップS41と同じであるので、ここでは説明を省略する。
ステップS83において、通紙幅WがA4縦であると判定された場合、次にアーチコア532の配置が第何段階であるかどうかの判定を行う(ステップS83:W=A4縦、ステップS85)。
アーチコア532の配置が第3段階よりも低い場合、アーチコア532の配置を1段階UPさせるようにモータ回転制御部45に指示して、アーチコアタイマーがタイムアップしたかどうかを判定する(ステップS85:<第3、ステップS88、ステップS91)。
アーチコア532の配置が第3段階である場合には、そのまま、アーチコアタイマーがタイムアップしたかどうかを判定する(ステップS85:第3、ステップS91)。
アーチコア532の配置が第3段階よりも高い場合、アーチコア532の配置を1段階DOWNさせるようにモータ回転制御部45に指示して、アーチコアタイマーがタイムアップしたかどうかを判定する(ステップS85:第3<、ステップS89、ステップS91)。
上記のような構成にすることにより、A4縦が連続で通紙された場合に、アーチコア532の配置をを1段階ずつUPもしくはDOWNさせて、徐々に第3段階へと移動させることができる。
以上、本変形例のアーチコア変位制御の処理内容について、本変形例の構成を実施の形態2に適用した場合を例に説明したが、本変形例の構成を実施の形態3および4に適用してもよい。
(2)上記各実施の形態および変形例においては、アーチコア532に当接して配置されたカム部材538を周面に備える回転軸部材537を回転させることによって、アーチコア532を順次変位させたが、アーチコア532を順次変位させるための機構はこれらに限られない。例えば、図23に示すように、アーチコア532と接触する側に傾斜面を備えたくさび形部材540を、アーチコア532とコイルボビン535との間に定着ローラ51の軸方向(幅方向)両端側から中央側へと挿入し、軸に沿って移動させることによってアーチコア532を順次変位させてもよい。
(3)上記各実施の形態および変形例においては、専ら定着ローラ51の幅方向中央を基準として記録シートSを通紙し(以下、「センター通紙」という。)、従って、定着ローラ51の幅方向両端部が非通紙部となる場合について説明したが、これに限られず、定着ローラ51の幅方向の一方の端部(以下、「端部A」という。)を基準として記録シートSを通紙してもよい(以下、「片側通紙」という。)。
片側通紙の場合には、端部Aは最小通紙領域を含み、通紙部となり、定着ローラ51の幅方向の他方の端部(以下、「端部B」という。)が非通紙部となるので、端部A側に配設されたアーチコア532は、固定して変位させず、端部B側に配設されたアーチコア532を変位させれば、非通紙部の過熱を防止することができる。
(4)上記各実施の形態および変形例においては、アーチコア532の数は12本としたが、これに限られない。12本よりも多い数としてもよいし、少ない数としてもよい。ただし、大サイズ、小サイズおよびA4縦の記録シートに対応するために少なくとも3本以上であるのが望ましい。
また、変位させるアーチコア532は定着ローラ51の軸方向両端側からそれぞれ4本ずつに限られず、アーチコア532の総数に応じて適宜増減させてもよいし、例えばハガキサイズや名刺サイズのように、通常オフィスで使用が想定される記録シートよりも通紙幅が非常に小さい記録シートや、ポスターサイズのように通紙幅が非常に大きいサイズの記録シートの使用が想定される場合など、使用が想定される記録シートの通紙幅に応じて増減させてもよい。
(5)上記各実施の形態および各変形例においては、励磁コイル通電制御において中央温度センサ71による検出温度T1が180℃より高いかどうかによって励磁コイル531への通電制御を行っているが、通電制御を行う定着温度は180℃に限られない。即ち、使用される記録シートやトナーの種類、光沢の有無等によって、定着不良を引き起こさない範囲内で任意の定着温度に設定することができる。
(6)上記実施の形態1においては、アーチコア変位制御において、端部温度センサ72による検出温度T2が181℃以上であるかどうか、179℃以下であるかどうかによって、アーチコア532の配置を1段階UPもしくはDOWNさせるようにアーチコア変位制御を行っているが、当該制御を行うT2の温度は、179℃および181℃に限られない。即ち、定着不良および過熱を引き起こさない範囲内で任意の温度に設定することができる。
また、場合によってはT1=T2としてもよい。
(7)上記実施の形態2から4においては、通紙幅がA4縦と比較して、小さいか、大きいか、等しいかを判定して、その判定結果に従ってアーチコア変位制御を行っているが、基準となる通紙幅はA4縦に限られない。
また、A4縦といった予め設定された所定のシートの幅方向のサイズ(通紙幅)を基準に判定を行う代わりに、直前に通紙されたシートの幅方向のサイズと比較して、それよりも小さい場合には、直前に通紙されたシートの通紙領域から遠い側のアーチコア532から順次離間位置へと変位させ(第1の制御)、大きい場合には、直前に通紙されたシートの通紙領域に近い側のアーチコア532から順次近接位置へと変位させ(第2の制御)てもよい。
(8)上記各実施の形態および変形例においては、アーチコア532の配置段階が1段階UPもしくはDOWNする際に、1対のアーチコア532のみが変位して残りの全てのアーチコア532は全く変位しないというわけではない。例えば、アーチコア532の配置段階が第1段階から第2段階にUPする場合、図8からも窺えるようにアーチコア532dが離間位置まで変位されると共に、その隣のアーチコア532cも多少変位されて、近接位置と離間位置の中間に位置する。
しかし、これに限られず、アーチコア532の変位は、1段階の変位につき1対のアーチコアのみが変位し、残りのアーチコアは完全に不動となるようにしてもよい。何れの場合においても、アーチコア532の配置段階が順にUPもしくはDOWNする際には、定着ローラ51の軸方向(幅方向)における端部側もしくは中央側から並びの順番に順次アーチコア532が離間位置もしくは近接位置へと変位される。
本発明においては、「順次」という用語は、上記のような1段階の変位につき1対(片側通紙の場合は1本)のアーチコアのみが変位する場合と、上記各実施の形態および変形例のように、1段階の変位につき2対以上(片側通紙の場合は2本以上)のアーチコアをひとつの移動単位として変位する場合の両方を含む意味で用いている。
(9)上記各実施の形態および変形例においては、電磁誘導発熱層を備えた発熱回転体として、定着ローラ51を例に説明したが、これに限られない。例えば、電磁誘導発熱層を定着ローラ51に設けず、定着ローラ51の外側に配設された無端状の定着ベルトに電磁誘導発熱層を設けて当該定着ベルトを発熱回転体とし、定着ローラ51を、定着ベルトの外側から当該定着ベルトを介して加圧ローラ52で押圧して当該定着ベルト表面と加圧ローラ52の間に定着ニップ55を確保して、定着ベルトを磁束発生部53からの磁束により電磁誘導加熱するようにしてもよい。
(10)上記実施の形態4においては、5枚先のプリント待ち画像プリント信号がある場合に、当該5枚先のプリント待ち画像プリント信号が実行される記録シートの通紙幅の判定を行って、判定された通紙幅に従ってアーチコア532の配置を変更する制御を行ったが、通紙幅を判定する記録シートは5枚先に限られず、判定する先の枚数までの画像の定着が問題なく行われる限り、4枚以下でも6枚以上でもよい。
(11)また、上記実施の形態2から4においては、アーチコア532の配置の1段の変更は、所定回数の画像形成動作が行われる間(上記実施の形態2から4においては、1回)に行われるが、これに限られず、連続通紙枚数が多い場合には、同じ通紙幅の記録シートについて、前記所定回数が2回以上であってもよい。
例えば、10枚通紙される間にアーチコア532の配置が1段変更されてもよい。図24は、A4横で100枚通紙後にA4縦を通紙する場合に、アーチコア532の配置段階を第1段階から第3段階へと2段階変更したときの定着ローラ51の表面温度の軸方向(幅方向)における温度分布の状態を示すグラフである。アーチコア532の配置段階変更は、A4横の80枚目から配置変更をスタートし、100枚目が終了するタイミングで配置変更が完了するように制御した。図24(a)は、配置段階変更スタート時の定着ローラ51の表面温度分布状態を示すグラフであり、図24(b)は、配置段階変更完了時の定着ローラ51の表面温度分布状態を示すグラフである。両図において、縦軸は定着ローラ51の表面温度を、横軸は定着ローラ51の軸方向における温度測定位置を示す。横軸における温度測定位置は、定着ローラ51の軸方向(幅方向)における中央(破線C)を基準(0[mm])として、中央からの距離[mm]で表している。直線D1とD2との間の領域がA4横の通紙領域を示し、直線D3とD4との間の領域がA4縦の通紙領域を示す。
A4横の100枚目では、A4縦用のアーチコア配置段階である第3段階の配置でA4横を通紙していることになるが、図24(b)から窺えるように、A4横の通紙領域において、定着ローラ51の表面温度は、170℃から190℃の間であり、定着能力に問題の無い温度であった。このことから、20枚早めにアーチコア配置段階変更をスタートし、20枚通紙する間にアーチコア配置段階を2段階変更させても、定着性能には問題ないことがわかる。
連続通紙される枚数が多い場合には、次のサイズの記録シートが通紙される前に、より早い段階からより長い時間かけてゆっくりとアーチコアの配置段階を変更することにより、定着ローラ51の表面温度の変化をより緩やかにして、不用意な定着温度不足や過昇温の発生を抑制しつつ、次のサイズの記録シートの1枚目が通紙されるときには、当該記録シートに適した定着温度分布となるように温度制御することができる。
なお、本変形例におけるアーチコアの変位は、上記の説明のように、所定枚数が通紙される間に徐々にアーチコア配置段階を1段変更していってもよいし、所定枚数が通紙されるごとに、次のシートが通紙される前にアーチコア配置段階を素早く1段階変更してもよい。
(12)上記各実施の形態および変形例においては、本発明に係る定着装置および画像形成装置をタンデム型カラーデジタルプリンタに適用した場合を例に説明したが、これに限られない。電磁誘導加熱方式の定着装置を備えた画像形成装置であれば、モノクロ/カラーに関わらず、複写機、プリンタ、ファックス、また、これらの機能を備えた複合機(MFP:Multifunction Peripheral)などに適用される。
本発明は、電磁誘導加熱方式の定着装置に適用することができる。
50 定着装置
51 定着ローラ
52 加圧ローラ
53 磁束発生部
54 アーチコア変位部
55 定着ニップ
71 中央温度センサ
72 端部温度センサ
100 プリンタ
512、521 芯金
513、515、522 弾性体層
514 電磁誘導発熱層
516、523 離型層
531 励磁コイル
532、532a、532b、532c、532d、532e アーチコア
533 圧縮バネ
534 裾コア
535 コイルボビン
536 カバー
537 回転軸部材
538、538a、538b、538c、538d カム部材
539 ギヤ
540 くさび形部材
5361 コアケース

Claims (16)

  1. 電磁誘導により発熱する発熱層を有する発熱回転体の幅方向に沿って、その周面から間隔をおいて離れた位置に配置された励磁コイルを含む磁束発生部からの磁束により前記発熱層を発熱させ、通紙されたシート上の未定着画像を熱定着する定着装置であって、
    前記磁束発生部は、
    前記励磁コイルを挟んで前記発熱回転体と反対側に、前記幅方向に互いに離間して配列された複数の磁性体コアと、
    前記複数の磁性体コアのうち、特定のサイズのシートの非通紙領域に対応する部分に配された磁性体コアを、前記発熱回転体との距離が変化する方向に変位可能に保持する保持手段と、
    前記変位可能に保持された磁性体コアについて、1又は隣接する所定の個数を移動単位として変位駆動する変位手段と、
    前記変位可能に保持された磁性体コアを、前記移動単位毎に順次変位するように前記変位手段を制御する制御手段と、を備える
    ことを特徴とする定着装置。
  2. 前記変位手段は、
    前記変位可能に保持された磁性体コアを、
    当該磁性体コアと発熱回転体との距離が、前記特定のサイズのシートの通紙領域に対応する位置にある磁性体コアと発熱回転体との距離に等しい第1の位置と、
    当該第1の位置から、前記発熱回転体から離れる方向に後退した第2の位置との間で、前記移動単位毎に変位させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記変位手段は、
    前記発熱回転体の幅方向に沿って延びる回転軸と、
    前記回転軸に取着された複数の偏心カムとを備え、
    前記複数の偏心カムは、その長径部の位置が、前記磁性体コアの移動単位毎に、前記回転軸の回転方向において順次ずれており、当該回転軸を回転させることにより各偏心カムによる変位作用を受けて、前記変位可能に保持された磁性体コアが、前記移動単位で順次移動するように構成されてなる
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 前記回転軸は、強磁性体材料からなり、
    前記偏心カムは、非磁性体材料からなる
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の定着装置。
  5. 前記複数の磁性体コアは、発熱回転体の回転方向の周面に沿うようにしてそれぞれアーチ形に形成されており、前記回転軸は、当該各アーチ形の磁性体コアの中心位置を結ぶ直線に沿って前記磁性体コアと前記励磁コイルとの間に配設されて、センターコアとして機能する
    ことを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
  6. 前記発熱回転体の前記非通紙領域の表面温度を検出する温度検出手段をさらに備え、
    前記制御手段は、
    前記温度検出手段による検出温度に従って前記磁性体コアを前記移動単位毎に順次変位させるように制御する
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の定着装置。
  7. 前記制御手段は、
    前記温度検出手段による検出温度が、第1の閾値以上の場合には、前記通紙領域から遠い側の磁性体コアから前記第2の位置へと前記移動単位毎に順次変位させ、
    前記温度検出手段による検出温度が、前記第1の閾値より低い第2の閾値以下の場合には、前記通紙領域に近い側の磁性体コアから前記第1の位置へと前記移動単位毎に順次変位させる
    ことを特徴とする請求項6に記載の定着装置。
  8. 熱定着するシートの前記幅方向のサイズに関する情報を取得する第1のシートサイズ取得手段をさらに備え、
    前記制御手段は、
    前記第1のシートサイズ取得手段により取得されたシートの幅方向サイズにしたがって、当該幅方向サイズのシートについて所定回数の画像形成動作が行われる度に、前記磁性体コアを、前記移動単位毎に変位させる
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の定着装置。
  9. 前記制御手段は、
    前記第1のシートサイズ取得手段により取得されたシートの幅方向サイズが、直前に通紙されたシートの幅方向サイズよりも小さい場合には、第1の位置にある変位可能な磁性体コアのうち当該直前に通紙されたシートの通紙領域から遠い側の磁性体コアから前記第2の位置へと前記移動単位毎に順次変位させる第1の制御と、
    直前に通紙されたシートの幅方向サイズよりも大きい場合には、当該直前に通紙されたシートの通紙領域に近い側の磁性体コアから前記第1の位置へと前記移動単位毎に順次変位させる第2の制御と、を実行する
    ことを特徴とする請求項8に記載の定着装置。
  10. 前記制御手段は、
    前記第1のシートサイズ取得手段により取得されたシートの幅方向サイズが、予め設定された所定のシートの幅方向サイズよりも大きい場合には、
    当該サイズのシートの定着を第1の所定枚数実行した後に、当該サイズの通紙領域に対応する磁性体コアであって第2の位置にあるものを一斉に第1の位置に移動させる第3の制御を実行する
    ことを特徴とする請求項9に記載の定着装置。
  11. 前記制御手段は、
    前記第1のシートサイズ取得手段により取得されたシートの幅方向サイズが、予め設定された所定の幅方向サイズと同じである場合には、前記変位可能に保持された磁性体コアのうち、現在そのサイズの非通紙領域に対応するもののみが第2の位置となるように、
    前記取得されたシートの幅方向サイズの非通紙領域に対応する変位可能な磁性体コアのうち第2の位置にないものを一斉に第2の位置まで後退、または、当該前記取得されたシートの幅方向サイズの通紙領域に対応する変位可能な磁性体コアのうち第2の位置にあるものを一斉に第1の位置側へと移動させる、第4の制御を実行する
    ことを特徴とする請求項9に記載の定着装置。
  12. 前記熱定着のために搬送されて来る予定のシートのうち所定枚数先のシートの前記幅方向のサイズに関する情報を取得する第2のシートサイズ取得手段をさらに備え、
    前記制御手段は、
    前記第2のシートサイズ取得手段により取得されたシートの幅方向サイズに従って、前記磁性体コアを移動単位毎に順次変位させる
    ことを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の定着装置。
  13. 前記制御手段は、
    前記第2のシートサイズ取得手段により取得されたシートの幅方向サイズが、所定サイズ未満である場合には、前記通紙領域から遠い側の前記磁性体コアから前記第2の位置へと順次変位させ、
    前記所定サイズよりも大きい場合および前記熱定着のために搬送されて来る予定のシートが前記第2の所定枚数未満の場合には、前記通紙領域に近い側の前記磁性体コアから前記第1の位置へと移動単位毎に順次変位させる
    ことを特徴とする請求項12に記載の定着装置。
  14. 前記非磁性体材料は、耐熱性樹脂である
    ことを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
  15. 前記耐熱性樹脂は、PI(ポリイミド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)のうちいずれか1つ、または、これらの組合せである
    ことを特徴とする請求項14に記載の定着装置。
  16. 請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の定着装置を備えた画像形成装置。
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