JP5663518B2 - 定着装置及びそれを備えた画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、定着装置及びそれを備えた画像形成装置に関し、特に、電磁誘導加熱方式の定着装置及びそれを備えた画像形成装置に関するものである。
従来、電磁誘導加熱方式の定着装置は、励磁コイルによる磁束で加熱部材内に設けた誘導発熱層に渦電流を発生させ、これによって発生するジュール熱により加熱部材を発熱させ加熱部材を所定の定着温度に加熱するものである。この種の定着装置では、加熱部材の熱容量を小さくできるので、ウォームアップ時間が短縮され、コンパクトで高い熱変換効率が得られるが、用紙が通過する通紙領域では加熱部材の表面から用紙に熱が奪われることにより、用紙が通過しない非通紙領域と比べて低温になりやすい。したがって、定着処理される用紙のサイズが小さい場合、特に連続的に小サイズの用紙を定着処理する場合、加熱部材の通紙領域を定着処理温度に維持すると、非通紙領域で加熱部材の温度が過度に上昇し、加熱部材や励磁コイルの温度が耐熱限界を越えて破損するといった不具合が発生する。
そこで、例えば特許文献1、2に記載されるように、定着処理温度よりもやや高い温度に設定されたキュリー温度をもつ磁性体コアと、この磁性体コアによって加熱部材を誘導加熱する磁束を発生させるコイルと、を備えた定着装置が提案されている。そして、この定着装置では、小サイズ用紙を連続して定着処理した場合、通紙領域と非通紙領域とで大きな温度差が生じるのを防ぐために、磁性体コアは、用紙搬送方向に直交する方向にキュリー温度が異なる構成となっている。小サイズ用紙の通紙時の非通紙領域に相当する両端部分の端部磁性体コアは、小サイズ用紙の通紙領域である中央部磁性体コアに比べてキュリー温度が低いものを用いている。小サイズ用紙を定着処理する場合、加熱部材の非通紙領域の温度が過大に上昇して、加熱部材からの熱放射或いは熱伝導によって端部磁性体コアがキュリー温度以上になると、端部磁性体コアの透磁率の低下によって、非通紙領域に対応した加熱部材の発熱量が減少する。この結果、加熱部材の非通紙領域の温度が下がるようになっている。
また、特許文献3に記載の定着装置では、磁性体コアは、誘導加熱するための磁束を発生させるコイルを覆うように用紙搬送方向に直交する方向に複数配列された台形状の第1磁性体コアと、ループ状に巻回されたコイルの輪が形成する隙間に用紙搬送方向に直交する方向に複数配列された第2磁性体コアとを有する構成となっている。第2磁性体コアの非通紙領域に対応する端部磁性体コアのキュリー温度が第1磁性体コアのキュリー温度に比べて低く設定されている。そして端部磁性体コアは、第1磁性体コアに対して別体として配置されているので、第1磁性体コアに比して熱容量が小さくなっている。このために、非通過領域に対応した加熱部材の温度が過大に上昇したとき、加熱部材から端部磁性体コアへの熱放射或いは熱伝導によって、端部磁性体コアの温度が比較的早くキュリー温度以上に上昇し、非通紙領域に対応した加熱部材の過昇温を解消するようにしている。
しかしながら、特許文献1、2記載の定着装置では、端部磁性体コアが加熱部材の温度変化に対して良好な温度追随性を有するものではなく、また特許文献3記載の定着装置では、加熱部材の温度変化に対する端部磁性体コアの温度追随性がまだ不十分であった。
加熱部材の温度変化に対する端部磁性体コアの温度追随性が不十分であると、小サイズ用紙を連続通紙した非通紙領域に対応する端部磁性体コアの温度がキュリー温度を超えた後に小サイズ用紙より大きい定形サイズ紙が通紙された場合、非通紙領域での加熱が不足し、定形サイズ紙全面に亘って均一に加熱定着することが出来ず、定着不良が発生するおそれがある。
そこで、特許文献4記載の定着装置は、コイルに流れる過電流を測定することで磁性体コアの温度がキュリー温度を超えているか否かを検知している。コイルへの過電流を検知した場合、つまり、磁性体コアの温度がキュリー温度を超えた場合には、該キュリー温度に達した時刻からの経過時間を測定し、経過時間が所定の時間以上であれば、ニップ部が十分温まっていると判断して定形サイズ紙の定着処理を行う。一方、該キュリー温度に達した時刻からの経過時間が所定の時間未満であれば、ニップ部はまだ十分に温まっていないと判断し、所定の通紙間隔をあけて定形サイズの定着処理を実行している。
特開2000−162912号公報(段落[0050]〜[0054]、第2図) 特開2001−318545号公報(段落[0045]〜[0047]、第5図) 特開2009−198665号公報(段落[0046]〜[0058]、第4図、第5図) 特開平10−104974号公報(段落[0042]〜[0047]、第8図)
しかしながら、特許文献4に記載の定着装置では、磁性体コアのキュリー温度を測定する部材が必要となり、また、小サイズ用紙を定着処理した後、定形サイズ紙を定着処理するまでの待ち時間が長くなるという問題があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、端部の磁性体コアが加熱部材の温度変化に対して良好な温度追随性を有し、また小サイズの記録媒体を定着処理した後、大サイズの記録媒体を定着処理するまでの待ち時間を短くした定着装置及びそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために第1の発明は、加熱部材と該加熱部材に圧接される加圧部材とにより形成されるニップ部で未定着トナー像を担持した記録媒体を挟持して、記録媒体上の未定着トナー像を溶融定着する定着装置において、前記加熱部材の幅方向に沿ってループ状に巻回され前記加熱部材を誘導加熱する磁束を発生させるコイルと、前記コイルの近傍に記録媒体の搬送方向に直交する方向に配設され前記加熱部材の誘導発熱層に磁束を導く磁性体コアと、を備え、前記磁性体コアは、前記コイルを囲み記録媒体の搬送方向に直交する方向に複数配列される第1のコア部と、前記コイルのループが形成する中空部内で記録媒体の搬送方向に直交する方向の両端部に配設される第2のコア部と、を有し、前記第2のコア部は、前記第1のコア部に比べてキュリー温度が低く且つ熱容量が小さく構成されてなり、前記加熱部材の幅方向の中央部の第1表面温度を検知する第1温度検知部と、定着可能な最大幅の記録媒体より小さい幅の第1の記録媒体によって前記加熱部材の幅方向の両端部に形成される非通過領域の第2表面温度を検知する第2温度検知部と、前記第1表面温度が所定の定着可能温度に到達するように前記コイルに供給する高周波電流を制御するとともに、前記第1温度検知部と前記第2温度検知部との各検知温度に基づいて、連続して送られる複数の記録媒体の前記ニップ部への挿通タイミングを制御する制御部と、を更に備え、前記制御部は、前記第1の記録媒体が定着処理されて前記第2表面温度が上限定着可能温度よりも上昇した後、前記第1の記録媒体より大きい幅の第2の記録媒体が定着処理される場合、前記第2表面温度が上限定着可能温度まで下降したとき、前記第2の記録媒体を前記ニップ部に挿通することを特徴としている。
また、第2の発明では、上記の定着装置において、前記制御部は、前記第1の記録媒体が定着処理された後、前記第2の記録媒体が連続して定着処理される場合、前記第2表面温度が下限定着可能温度から所定温度上昇すると、後続の第2の記録媒体を前記ニップ部に挿通することを特徴としている。
また、第3の発明では、上記の定着装置において、前記コイルを冷却する冷風を前記コイルの幅方向に向かって送る冷却手段を備え、前記第2温度検知部は、前記冷却手段による送風方向に対して前記加熱部材の幅方向の下流側の端部に配設されることを特徴としている。
また、第4の発明では、前記構成の定着装置を備えた画像形成装置である。
第1の発明によれば、小さい幅の記録媒体が定着処理された後、大きい幅の記録媒体が定着処理される場合、加熱部材の中央部が定着可能な温度にあり、その端部が上限定着可能温度よりも上昇した後、上限定着可能温度まで下降したとき、大きい幅の記録媒体はニップ部に挿通され、定着処理が実行される。このため、小さい幅の記録媒体の定着処理後、第2のコア部の温度がキュリー温度に到達しているか否かに関わらず、大きい幅の記録媒体が定着処理されることで、該定着処理までの待ち時間が短縮され、光沢ムラ等を抑えた良好な画像が得られる。
本発明の実施形態に係る定着装置を備えた画像形成装置の概略構成を示す図 実施形態に係る誘導加熱部を備えた定着装置を示す側面断面図 実施形態に係る誘導加熱部を示す側面断面図 実施形態に係る誘導加熱部のアーチコアの配置を示す平面図 実施形態に係る誘導加熱部の端部センターコアの配置を示す平面図 実施形態に係る連続通紙時の加熱部材の表面温度に基づいた通紙間隔の制御を示す図 実施形態に係る誘導加熱部を冷却する排気ファン及び通風ダクトを示す平面断面図 実施形態に係る温度検知部の配置を示す平面図
以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明するが、本発明は、この実施形態に限定されない。また発明の用途やここで示す用語等はこれに限定されるものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る定着装置を備えた画像形成装置の概略構成を示す図である。画像形成装置1は、その下部に配設された給紙部2と、この給紙部2の側方に配設された用紙搬送部3と、この用紙搬送部3の上方に配設された画像形成部4と、この画像形成部4よりも図1において左方に配設された定着装置5と、画像形成部4及び定着装置5の上方に配設された画像読取部6とを備えている。
給紙部2は、記録媒体である用紙9を収容する複数の給紙カセット7を備えており、給紙ローラー8の回転により、複数の給紙カセット7のうち選択された給紙カセット7から用紙9を1枚ずつ用紙搬送部3に送り出す。
用紙搬送部3に送られた用紙9は、用紙搬送部3に備えられた用紙搬送経路10を経由して画像形成部4に向けて搬送される。画像形成部4は、電子写真プロセスによって、用紙9にトナー像を形成するものであり、図1の矢印方向に回転可能に支持された感光体11と、この感光体11の周囲にその回転方向に沿って、帯電部12、露光部13、現像部14、転写部15、クリーニング部16、及び除電部17を備えている。
帯電部12は、高電圧を印加される帯電ワイヤーを備えており、この帯電ワイヤーからのコロナ放電によって感光体11表面に所定電位を与えると、感光体11表面が一様に帯電させられる。そして、画像読取部6によって読み取られた原稿の画像データに基づく光が、露光部13により感光体11に照射されると、感光体11の表面電位が選択的に減衰され、感光体11表面に静電潜像が形成される。
次いで、現像部14が感光体11表面の静電潜像を現像し、感光体11表面にトナー像が形成される。このトナー像が転写部15によって感光体11と転写部15との間に供給される用紙9に転写される。
トナー像が転写された用紙9は、画像形成部4の用紙搬送方向の下流側に配置された定着装置5に向けて搬送される。定着装置5では用紙9が加熱加圧され、用紙9上にトナー像が溶融定着される。次いで、トナー像が定着された用紙9は、排出ローラー対20によって排出トレイ21上に排出される。
転写部15による用紙9へのトナー像の転写後、感光体11表面に残留しているトナーは、クリーニング部16により除去され、また感光体11表面の残留電荷は除電部17により除去される。そして、感光体11は帯電部12によって再び帯電され、以下同様にして画像形成が行われる。
定着装置5は図2に示すように構成される。図2は定着装置を概略的に示す側面断面図である。
定着装置5は、電磁誘導加熱方式を用いた定着方式を採用しており、加熱部材である発熱ベルト26と、加圧部材である加圧ローラー19と、発熱ベルト26を一体的に取り付けた定着ローラー18と、発熱ベルト26に磁束を供給する誘導加熱部30と、温度検知部25と、温度検知部25及び誘導加熱部30に接続される制御部62と、誘導加熱部30のコイルに高周波電流を供給する電源61と、を備える。加圧ローラー19及び定着ローラー18は定着装置5のハウジング(図略)の長手方向に回転可能に支持され、誘導加熱部30及びサーミスター25はハウジングに固定支持される。
発熱ベルト26は、無端状の耐熱ベルトであり、内周側から順に、例えば厚み30〜50μmの電鋳ニッケルからなる誘導発熱層26aと、例えば厚み200〜500μmのシリコーンゴム等からなる弾性層26bと、フッ素樹脂等からなりニップ部Nで未定着トナー像を溶融定着する際の離型性を向上させる離型層26cと、が積層されて構成される。
定着ローラー18は、発熱ベルト26を一体回転可能とするために、発熱ベルト26の内周面を張架している。例えば、定着ローラー18は、外径39.8mmに設定され、ステンレス鋼の芯金18a上に厚み5〜10mmのシリコーンゴム製の弾性層18bを有し、弾性層18bは発熱ベルト26を張架している。
加圧ローラー19は、円筒型の芯金19aと、芯金19a上に形成される弾性層19bと、弾性層19bの表面を覆う離型層19cと、を備える。例えば、加圧ローラー19は、外径35mmに設定され、ステンレス鋼の芯金19a上に厚み2〜5mmのシリコーンゴム製の弾性層19bを有し、弾性層19b上にフッ素樹脂等からなる離型層19cを有する。また、加圧ローラー19は図示しないモーター等の駆動源によって回転駆動させられ、加圧ローラー19の回転によって発熱ベルト26は従動回転する。加圧ローラー19と発熱ベルト26との圧接する部分にニップ部Nが形成され、ニップ部Nでは、画像形成部4から送られた用紙9上の未定着トナー像が加熱及び加圧され用紙9上にトナー像が定着される。
誘導加熱部30は、コイル37と、ボビン38と、磁性体コア39とを備え、電磁誘導により発熱ベルト26を発熱させるものである。誘導加熱部30は、長手方向(図2の紙面の表裏方向)に延びて、発熱ベルト26の外周の略半分を囲うように発熱ベルト26に対向して配設される。
コイル37は、発熱ベルト26の幅方向(図2の紙面の表裏方向)に沿ってループ状に複数回巻回してボビン38に取り付けられる。またコイル37は、電源61に接続され、電源61から供給される高周波電流により交流磁束を発生させる。コイル37からの磁束は磁性体コア39を通過し、図2の紙面に平行な方向に導かれ、発熱ベルト26の誘導発熱層26aに沿って通過する。誘導発熱層26aを通過する磁束の交流的な強さの変化によって誘導発熱層26aには渦電流が生じる。誘導発熱層26aに渦電流が流れると、誘導発熱層26aの電気抵抗によってジュール熱が発生して、発熱ベルト26が発熱(自己発熱)することになる。
温度検知部25は、第1温度検知部である非接触温度検知素子25aと、第2温度検知部であるサーミスター25bを備え、発熱ベルト26の表面の温度を検知するために配設される。非接触温度検知素子25aは、発熱ベルト26の幅方向の略中央部に配置され、通紙領域B(図5参照)に対応する表面温度を検知している。一方、サーミスター25bは、発熱ベルト26の軸方向の一方の端部側に配置され、非通紙領域C(図5参照)に対応する表面温度を検知している。
制御部62は、マイクロコンピューターとRAM及びROM等の記憶素子等で構成され、非接触温度検知素子25a及びサーミスター25bによって検知された発熱ベルト26の表面温度に基づいて、電源61からコイル37に供給される高周波電流を制御することで、ニップ部Nに送られた用紙9を適切に定着処理する。また、制御部62は、非接触温度検知素子25a及びサーミスター25bの各検知温度に基づいて、ニップ部Nに連続して送られる用紙9の通紙間隔を制御する。
発熱ベルト26が加熱され定着可能温度に昇温すると、ニップ部Nで挟持された用紙9が加熱されるとともに、加圧ローラー19によって加圧されることにより、用紙9上の粉体状態のトナーが用紙9に溶融定着される。このように、発熱ベルト26は薄肉の熱伝導性の良好な材質からなり熱容量が小さいため、短時間で定着装置5のウォーミングアップを行なうことができ、画像形成が迅速に開始される。
誘導加熱部30の詳しい構成を図3に示す。図3は誘導加熱部30を示す側面断面図である。
誘導加熱部30は前述のようにコイル37と支持部材であるボビン38と磁性体コア39とを備え、磁性体コア39は第1コアであるアーチコア41と、第2コアである端部センターコア42、及びサイドコア43からなる。さらに誘導加熱部30は、アーチコア41を取り付けるためのアーチコアホルダー45と、磁性体コア39とコイル37を覆うカバー部材47と、を備える。
ボビン38は、発熱ベルト26の表面と所定の間隔を隔てて定着ローラー18の回転中心軸と同心に配置され、発熱ベルト26の円周表面の略半分を囲う円弧部38iと、円弧部38iの両端に延設されるフランジ部38dとを有する。円弧部38iとフランジ部38dは、ボビン38の主たる骨格を構成し、その骨格部における強度を維持するために例えば厚み1〜2mm、望ましくは厚み1.5mmであって、また、発熱ベルト26からの放熱に耐えるためにLCP樹脂(液晶ポリマー樹脂)、PET樹脂(ポリエチレンテレフタレート樹脂)、PPS樹脂(ポリフェニレンサルファイド樹脂)等の耐熱性樹脂によって形成される。
ボビン38の円弧部38iは、発熱ベルト26の表面と所定の間隔を隔てて対向する対向面38aと、この対向面38aの反対側に位置する円弧状の取り付け面38bとを有する。取り付け面38bの略中央、つまり、定着ローラー18と加圧ローラー19(図2参照)の各回転中心軸を結ぶ直線上には、一対の端部センターコア42が接着剤によって取り付けられる。端部センターコア42の周囲には、取り付け面38bから立設する立ち壁部38cが長手方向(図3の紙面の表裏方向)に延びて形成される。また、取り付け面38bにはコイル37が取り付けられる。発熱ベルト26の表面とボビン38の対向面38aとの間隔は、発熱ベルト26が回転するときに接触しないように、例えば1.5〜3mmに設定され、端部センターコア42が発熱ベルト26表面から4mm離間して配置される。
コイル37は、エナメル線に融着層をコートした線を複数本に撚り合せたものを用い、例えば、耐熱温度が略200℃であるAIW線を用いる。コイル37は、取り付け面38bに沿った断面視円弧状で長手方向(図3の紙面の表裏方向)の周りをループ状に巻回した状態で加熱することで融着層を溶融させ、その後冷却することで所定の形状(ループ状)に成形される。所定形状に固化されたコイル37は、ボビン38の立ち壁部38cの周りに配置されてシリコン接着剤等によって取り付け面38b上に取り付けられる。
各フランジ部38d、38dの円弧部38i側には、長手方向に複数個配列されたサイドコア43が接着剤によって取り付けられる。またフランジ部38dの外縁側には、アーチコアホルダー45が取り付けられる。
アーチコアホルダー45は、ボビン38のフランジ部38dに取り付けられるホルダーフランジ部45aと、各ホルダーフランジ部45aからアーチ状に形成され長手方向に複数個形成されるコア装着部45bと、を有する。各コア装着部45bには、コア装着部45bと略同じアーチ形状のアーチコア41が接着剤によって取り付けられる。
従って、上述のようにアーチコア41と端部センターコア42及びサイドコア43が夫々ボビン38及びアーチコアホルダー45の所定の位置に取り付けられると、アーチコア41とサイドコア43はコイル37の外側を囲むことになり、また、端部センターコア42はアーチコア41に比べて発熱ベルト26の表面に近接して配置されることになる。さらに、コイル37は、発熱ベルト26の表面と、サイドコア43と、アーチコア41、及び端部センターコア42により取り囲まれることになる。コイル37に高周波電流が供給されると、コイル37から発生した磁束は、サイドコア43、アーチコア41及び端部センターコア42に導かれ発熱ベルト26に沿って流れる。このとき発熱ベルト26の誘導発熱層26aには渦電流が生じることで、誘導発熱層26aの電気抵抗によって誘導発熱層26aにジュール熱が発生し、発熱ベルト26が発熱することになる。
カバー部材47は、誘導加熱部30から発せられる磁束をシールドするものであり、例えばアルミニウム製の板材によってコイル37と磁性体コア39をボビン38の反対側から四囲を覆うように構成される。カバー部材47の取り付けは、ボビン38のフランジ部38d上にアーチコアホルダー45のホルダーフランジ部45aとカバー部材47のフランジ部とを順に積み重ねた状態で、ネジ51をナット52に締結することによって行われる。
図4、図5にコイル37と磁性体コア39の詳しい配置を示す。図4は、図3の下側(ボビン38側)から見たアーチコアホルダー45に対するアーチコア41の配置を示す平面図である。図5は、図3の上側(アーチコアホルダー45側)から見たボビン38に対するコイル37と端部センターコア42及びサイドコア43の配置を示す平面図である。
図4に示すように、アーチコアホルダー45には、アーチコア41を所定の位置に取り付けるためのコア装着部45bが形成される。コア装着部45bは幅方向X(用紙搬送方向に直交する方向)に略等間隔で複数個形成される。隣接するコア装着部45bの間にはホルダー開口部45cが形成され、またコア装着部45bの周りには、アーチコアホルダー45をボビン38(図3参照)に取り付けるためのネジ51(図3参照)を嵌装する複数のネジ孔45dが形成される。
アーチコア41は、MnZn合金系等の高透磁率のフェライトによって断面視矩形でアーチ状に形成される。アーチコア41のキュリー温度は、ニップ部Nが定着可能温度になった時のアーチコア41の温度に対応する温度以上に設定されている。アーチコア41の温度がそのキュリー温度を超えるとアーチコア41の透磁率が急激に低下して、磁性体として作用しなくなる。アーチコア41のキュリー温度は、MnZn合金のMnとZnの割合を調節することで、所定の温度に設定される。アーチコア41のサイズは、例えば幅(幅方向Xの長さ)が10mmで、厚みが4.5mmに設定され、アーチコア41はコイル37(図5参照)の幅方向Xの長さ内に収められ、例えば長さ310mmの区間に13個等間隔に配置される。アーチコア41のサイズと比重及び比熱から熱容量を算出すると、一つのアーチコア41の熱容量は、15J/Kとなる。アーチコア41は、アーチ形状等の構成のために熱容量が比較的に大きくなり、また、発熱ベルト26から比較的に離間して配置されるために、発熱ベルト26の温度変化に対する温度の追随性が端部センターコア42に比べると劣ることになる。
図5に示すように、ボビン38には、取り付け面38bから立設した立ち壁部38cと、フランジ部38dと、ネジ51(図3参照)を嵌装する複数のネジ孔38eとが形成されている。フランジ部38dには複数のサイドコア43が取り付けられる。
サイドコア43は、MnZn合金系等の高透磁率のフェライトによって直方体状に形成され、そのキュリー温度は、ニップ部Nが定着可能温度になった時のサイドコア43の温度以上に設定されている。サイドコア43の温度がキュリー温度を超えるとサイドコア43の透磁率が急激に低下して、磁性体として作用しなくなる。サイドコア43のキュリー温度は、MnZn合金の割合を調節することで、所定の温度に設定される。サイドコア43のサイズは、例えば長さ(幅方向Xの長さ)が57mmで、幅(Y方向の長さ)が12mmで、厚みが3.5mmに設定され、ボビン38の一方のフランジ部38dに幅方向Xに互いに側面を接触して6個配置され、また、他方のフランジ部38dに幅方向Xに互いに側面を接触して6個配置される。サイドコア43のサイズと比重及び比熱から熱容量を算出すると、一つのサイドコア43の熱容量は、10J/Kとなる。サイドコア43は、そのサイズ及び夫々接触して配置される構成のために熱容量が比較的に大きくなり、発熱ベルト26の温度変化に対する温度の追随性が端部センターコア42に比べると劣ることになる。
ボビン38の立ち壁部38cは、幅方向Xに延びて互いに対向する壁部と、該対向する壁部に延在し幅方向Xの両端部の外縁を形成する円弧状の壁部とを有する。
立ち壁部38cの外縁は、巻回したコイル37のループ内に形成された中空部37aと略同じ形状で構成され、コイル37の中空部37aを嵌め込んで取り付けることを可能にする。例えば、コイル37の中空部37aは幅方向Xに330mmで、幅方向Xと直交するY方向(用紙搬送方向)に10mmに設定される。一方、立ち壁部38cの外縁は幅方向Xに329mmでY方向に9.4mmに設定される。
立ち壁部38cの内縁には、一対の端部センターコア42を配置するための矩形の空間が形成される。この矩形の空間は、幅方向Xにおいて定着可能な最大サイズの用紙9の通紙領域Aより長く設けられる。立ち壁部38cの厚みは、励磁したコイル37の熱が端部センターコア42へ放射、伝導するのを抑制するように設定され、例えば立ち壁部38cの厚み(外縁から内縁までの長さ)を1.5mmとし、矩形空間のY方向長さを6.4mmに設定している。
立ち壁部38cの矩形空間には一対の端部センターコア42、42が取り付けられる。一対の端部センターコア42、42は、最大サイズの用紙9より小サイズの用紙9がニップ部Nに通紙されたときに、小サイズの用紙9の通紙領域Bの両端部に形成される非通紙領域Cに対応するように配置される。
端部センターコア42は、MnZn合金系等の高透磁率のフェライトによって直方体状に形成され、また、そのキュリー温度は、ニップ部Nが定着可能温度になった時の端部センターコア42の温度(例えば100℃)以上であって、アーチコア41(図4参照)のキュリー温度よりも低い温度に設定されている。端部センターコア42の温度がキュリー温度を超えると端部センターコア42の透磁率が急激に低下して、磁性体として作用しなくなる。端部センターコア42のキュリー温度は、MnZn合金の割合を調節することで、例えば130℃に設定される。また、端部センターコア42の熱容量はアーチコア41より小さく設定されている。端部センターコア42のサイズは、例えば長さ(幅方向Xの長さ)が18mmで、幅(Y方向の長さ)が5mmで、高さが7mmに設定され、端部センターコア42のサイズと比重及び比熱から端部センターコア42の熱容量を算出すると、一つの端部センターコア42の熱容量は、2.7J/Kとなる。端部センターコア42は、アーチコア41に比べて熱容量が小さく、また発熱ベルト26に接近して配置されているために、発熱ベルト26の温度変化に対する温度の追随性がアーチコア41に比べると良好である。発熱ベルト26の温度上昇に対する端部センターコア42の温度追随性が良好であると、非通紙領域Cにおいて発熱ベルト26が温度上昇しても、端部センターコア42に設定されるキュリー温度では、発熱ベルト26を熱破壊させることはない。
また、端部センターコア42のキュリー温度は、コイル37の冷却設定温度(略160℃)以下に設定される。コイル37の耐熱温度は200℃であるが、冷却設定温度は、コイル37の融着層の耐熱温度(180℃)を加味して設定される温度であり、融着層の耐熱温度を超えるとコイル37が変形するおそれがある。端部センターコア42のキュリー温度を冷却設定温度以下とすることで、発熱ベルト26の非通紙領域Cが過昇温した場合でも、端部センターコア42が適切にキュリー温度になってその磁性を消失し、発熱ベルト26の熱による破損を防いでいる。
本実施形態の定着装置5では、コイル37から発生した磁束は、通紙領域Bでは、発熱ベルト26の誘導発熱層26a、サイドコア43、及びアーチコア41で形成される磁路を通る。これにより、電磁誘導によって発熱ベルト26の誘導発熱層26aに渦電流が流れて、発熱ベルト26の誘導発熱層26aが発熱する。一方、非通紙領域Cでは、コイル37から発生した磁束は、端部センターコア42、発熱ベルト26の誘導発熱層26a、サイドコア43、及びアーチコア41で形成される磁路を通る。これにより、電磁誘導によって発熱ベルト26の誘導発熱層26aに渦電流が流れて、発熱ベルト26の誘導発熱層26aが発熱する。発熱ベルト26によってニップ部Nで挟持された用紙9が加熱されるとともに、加圧ローラー19によって加圧されることにより、用紙9上の粉体状態のトナーが用紙9に溶融定着される。
図6は、連続通紙時の発熱ベルト26の表面温度に基づいた通紙間隔の制御を示す図であり、横軸に時間(単位:秒)、縦軸に温度(単位:℃)をとったグラフである。図6(a)は発熱ベルト26の表面温度の変化を示し、図6(b)は端部センターコア42の温度の変化を示す。図6(a)において、表面温度T1は非接触温度検知素子25a(図2参照)によって検知される温度であり、表面温度T2はサーミスター25b(図2参照)によって検知される温度である。発熱ベルト26の表面温度が上限定着可能温度TA(例えば、200℃)と下限定着可能温度TB(例えば、165℃)との間にあると、光沢ムラ等を抑えた良好な画像が得られる。図6(b)において、TCは端部センターコア42の温度を示し、TDは端部センターコア42のキュリー温度を示し、TEは待機時の端部センターコア42の温度(例えば、100℃)を示す。
制御部62(図2参照)は非接触温度検知素子25a、サーミスター25bから入力される第1及び第2表面温度T1、T2に基づいて下記のように制御する。
時間s1において、第1及び第2表面温度T1、T2が定着可能温度、例えば170〜180℃の所定の温度(例えば、180℃)に到達し、第1の記録媒体である小サイズの用紙9がニップ部Nにてs1〜s2時間だけ定着処理される。このs1〜s2時間、及び以後の通紙においても、第1表面温度T1が所定の定着可能温度(例えば、180℃)に制御される。小サイズの用紙9を定着するため、発熱ベルト26の非通紙領域C(図5参照)ではs1〜s2時間において温度が上昇し、例えば発熱ベルト26の耐熱温度230℃近傍まで上昇する。また、端部センターコア温度TCは、待機時の端部センターコア温度TEから端部センターコアキュリー温度TDを超えて上昇する。定着処理が完了(時間s2)すると、第2表面温度T2は急速に下降するが、端部センターコア温度TCは徐々に下降する。
第2表面温度T2が上限定着可能温度TAまで下降すると(時間s3)、良好な画像が得られるために、端部センターコア温度TCの温度に関わらずに、第2の記録媒体である大サイズの用紙9をニップNに通紙し定着処理を実行する。大サイズの用紙9の定着処理が実行される時間s3〜s4では、第1表面温度T1は所定の定着可能温度に制御され、また第2表面温度T2は、上限定着可能温度TAと下限定着可能温度TBとの温度範囲にある。従って、大サイズの用紙9の定着処理では、光沢ムラ等を抑えた良好な画像が得られ、また、小サイズの用紙9の定着処理の完了後、直ちに大サイズの用紙9の定着処理が開始され、定着処理までの待ち時間が短縮される。
大サイズの用紙9の定着処理にともなって、第2表面温度T2が下降していくが、端部センターコア温度TCも下降し、端部センターコア42が端部センターコアキュリー温度TDより下降する(時間s4)。端部センターコア42が端部センターコアキュリー温度TDより下降することで、発熱ベルト26の非通紙領域Cに対応する領域に形成される磁路によって、発熱ベルト26の非通紙領域C周辺が発熱し、第2表面温度T2が上昇する。そして、第2表面温度T2が下限定着可能温度TBから所定温度TF、例えば5℃だけ高い温度になると(時間s5)、後続する第2の記録媒体である大サイズの用紙9をニップNに挿通し定着処理を実行する。尚、所定温度TFは温度検知のバラツキ等があっても定着可能温度範囲にて確実に定着処理を実行するためである。
従って、2回目の大サイズの用紙9の定着処理では、低温オフセットによる定着不良を抑えた良好な画像が得られ、また、1回目の大サイズの用紙9の定着処理の完了後(時間s4)、直ちに2回目の大サイズの用紙9の定着処理が開始され(時間s5)、定着処理までの待ち時間が短縮される。
図7は、誘導加熱部30の熱を排気する構成を示すものであり、カバー部材47を幅方向Xで断面した平面図である。尚、図7では、カバー部材47内に収容されているコイル37、磁性体コア39等を省略している。
コイル37(図3参照)が磁束を発生させるために通電されると、コイル37は自己発熱し、カバー部材47内の温度が上昇するが、コイル37の温度上昇を抑えるために、第1吸気ダクト55と、通気路である排気ダクト56、及び排気ファン57が設けられる。
カバー部材47の上面部には上面開口47a及び排気開口47bが形成される。上面開口47a及び排気開口47bは夫々カバー部材47の幅方向Xの両端側に設けられる。上面開口47aに対向させて第1吸気ダクト55が設けられ、また、排気開口47bに対向させて排気ダクト56が設けられる。排気ダクト56は、その一端側の開口が排気開口47bに対向し、その他端側の開口が排気ファン57に対向して取り付けられる。排気ファン57は排気ダクト56に対向して設けられる。
排気ファン57が回転駆動すると、第1吸気ダクト55から上面開口47aを介してカバー部材47内に外部の空気が入る。排気ファン57が形成する空気流によって、コイル37(図3参照)から発生する熱が排気開口47bを介して排気ダクト56から外部に排気される。
図8は、非接触温度検知素子25a、及びサーミスター25bの配置を示す平面図である。非接触温度検知素子25aは、発熱ベルト26の幅方向の略中央部に配置される。サーミスター25bは、通紙される用紙9の幅に応じて複数個配置される。サーミスター25b1はA5サイズの用紙9の幅方向の外側に配置され、またサーミスター25b2はA4Tサイズの用紙9の幅方向の外側に配置され、さらにサーミスター25b3はA4Yサイズの用紙9の幅方向の外側に配置される。サーミスター25b1〜25b3は、排気ファン57によって送風される方向(図8の矢印方向)に対して、発熱ベルト26の幅方向Xの下流側の端部に配設される。この構成によって、排気ファン57の送風によって、排気ファン57の送風方向の下流側端部の温度が高くなりやすく、また、サーミスター25b1〜25b3が送風方向の下流側端部の温度を検知して発熱ベルト26の温度を制御するために、発熱ベルト26の上流側端部の温度が過剰に高くなるのを防止することができる。
尚、上記実施形態では、発熱ベルト26が定着ローラー18に張架される定着装置5に適用した例を示したが、本発明はこれに限らず、誘導加熱部に対向配置されるヒートローラーと加圧ローラーを圧接させる定着ローラーとの間で、無端状の発熱ベルトが張架される定着処置に適用してもよい。また、無端状の発熱ベルトを加熱する誘導加熱部と、発熱ベルトの外周面を圧接させる加圧ローラーと、発熱ベルトの内周面に配設され加圧ローラーとの間で用紙と発熱ベルトとを圧接させる押圧部材と、を備える定着装置に適用してもよい。さらに、加圧ローラーと加圧ローラーに圧接される加熱ローラーとを備え、加熱ローラーが誘導発熱層を内包するとともに誘導加熱部に対向配置される定着装置等、誘導加熱部を備える種々の定着装置に適用することができる。
また、上記実施形態では、アーチコア41とサイドコア43とを夫々別設する構成を示したが、本発明はこれに限らず、アーチコア41をサイドコア43側にさらに延ばし、サイドコア43の機能をアーチコア41に代用させるように構成してもよい。
また、上記実施形態では、アーチコア41はアーチコアホルダー45を介してボビン38に取り付ける構成を示したが、本発明はこれに限らず、アーチコア41はボビン38に直接取り付けられる構成であってもよい。
本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ、それらの複合機等に用いる定着装置及びそれを備えた画像形成装置に利用することができ、特に、電磁誘導加熱方式の定着装置及びそれを備えた画像形成装置に利用することができる。
1 画像形成装置
5 定着装置
18 定着ローラー
19 加圧ローラー(加圧部材)
25 温度検知部
25a 非接触温度検知素子(第1温度検知部)
25b サーミスター(第2温度検知部)
26 発熱ベルト(加熱部材)
26a 誘導発熱層
30 誘導加熱部
37 コイル
37a 中空部
38 ボビン(支持部材)
38a 対向面
38b 取り付け面
38c 立ち壁部
38d フランジ部
38e ネジ孔
38f 突起部
38i 円弧部
39 磁性体コア
41 アーチコア(第1のコア部)
42 端部センターコア(第2のコア部)
43 サイドコア
45 アーチコアホルダー
45a ホルダーフランジ部
45b コア装着部
45d ネジ孔
47 カバー部材
47a 上面開口
47b 排気開口
51 ネジ
52 ナット
55 第1吸気ダクト
56 排気ダクト(通気路)
57 排気ファン
61 電源
62 制御部
A 最大サイズ用紙の通紙領域
B 小サイズ用紙の通紙領域
C 非通紙領域
T1 第1表面温度
T2 第2表面温度
TA 上限定着可能温度
TB 下限定着可能温度
TC 端部センターコア温度
TD 端部センターコアキュリー温度
TE 待機時の端部センターコア温度
TF 所定温度

Claims (3)

  1. 加熱部材と該加熱部材に圧接される加圧部材とにより形成されるニップ部で未定着トナー像を担持した記録媒体を挟持して、記録媒体上の未定着トナー像を溶融定着する定着装置において、
    前記加熱部材の幅方向に沿ってループ状に巻回され前記加熱部材を誘導加熱する磁束を発生させるコイルと、
    前記コイルの近傍に記録媒体の搬送方向に直交する方向に配設され前記加熱部材の誘導発熱層に磁束を導く磁性体コアと、を備え、
    前記磁性体コアは、前記コイルを囲み記録媒体の搬送方向に直交する方向に複数配列される第1のコア部と、前記コイルのループが形成する中空部内で記録媒体の搬送方向に直交する方向の両端部に配設される第2のコア部と、を有し、
    前記第2のコア部は、前記第1のコア部に比べてキュリー温度が低く且つ熱容量が小さく構成されてなり、
    前記加熱部材の幅方向の中央部の第1表面温度を検知する第1温度検知部と、
    定着可能な最大幅の記録媒体より小さい幅の第1の記録媒体によって前記加熱部材の幅方向の両端部に形成される非通過領域の第2表面温度を検知する第2温度検知部と、
    前記第1表面温度が所定の定着可能温度に到達するように前記コイルに供給する高周波電流を制御するとともに、前記第1温度検知部と前記第2温度検知部との各検知温度に基づいて、連続して送られる複数の記録媒体の前記ニップ部への挿通タイミングを制御する制御部と、を更に備え、
    前記制御部は、前記第1の記録媒体が定着処理されて前記第2表面温度が上限定着可能温度よりも上昇した後、前記第1の記録媒体より大きい幅の第2の記録媒体が定着処理される場合、前記第2表面温度が上限定着可能温度まで下降したとき、前記第2の記録媒体を前記ニップ部に挿通し、その後、前記第2のコア部の温度が前記第2のコア部のキュリー温度よりも下降した後で、前記第1の記録媒体が定着処理された後、前記第2の記録媒体が連続して定着処理される場合、前記第2表面温度が下限定着可能温度から所定温度高い温度になると、後続の第2の記録媒体を前記ニップ部に挿通することを特徴とする定着装置。
  2. 前記コイルを冷却する冷風を前記コイルの幅方向に向かって送る冷却手段を備え、
    前記第2温度検知部は、前記冷却手段による送風方向に対して前記加熱部材の幅方向の下流側の端部に配設されることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の定着装置を備えた画像形成装置。
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