JP2011138155A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の記録媒体を連続的に定着した場合であっても、加熱部材や定着部材の幅方向両端における温度上昇を確実に抑止することができる、定着装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】トナー像Tを記録媒体Pに定着させる定着装置20であって、磁束を発生させる磁束発生手段24と、磁束によって誘導加熱される加熱部材22、23と、加熱部材22、23に作用する磁束を幅方向の所定の調整範囲について低下させる磁束調整部材29と、磁束調整部材29を駆動して磁束を低下させる調整範囲を可変する可変手段と、を備える。この可変手段は、複数の記録媒体Pに対して連続的にトナー像Tの定着をおこなっている間に,磁束調整部材29を駆動制御する。
【選択図】図2
【解決手段】トナー像Tを記録媒体Pに定着させる定着装置20であって、磁束を発生させる磁束発生手段24と、磁束によって誘導加熱される加熱部材22、23と、加熱部材22、23に作用する磁束を幅方向の所定の調整範囲について低下させる磁束調整部材29と、磁束調整部材29を駆動して磁束を低下させる調整範囲を可変する可変手段と、を備える。この可変手段は、複数の記録媒体Pに対して連続的にトナー像Tの定着をおこなっている間に,磁束調整部材29を駆動制御する。
【選択図】図2
Description
この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の電子写真方式を用いた画像形成装置とそこに設置される定着装置とに関し、特に、電磁誘導加熱方式を用いた定着装置及び画像形成装置に関するものである。
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置において、装置の立ち上がり時間を低減して省エネルギー化することを目的とした、電磁誘導加熱方式による定着装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1等において、電磁誘導加熱方式の定着装置は、主として、支持ローラ(加熱ローラ)、定着補助ローラ(定着ローラ)、支持ローラと定着補助ローラとによって張架された定着ベルト(耐熱性ベルト)、支持ローラに定着ベルトを介して対向する磁束発生手段、定着補助ローラに定着ベルトを介して対向する加圧ローラ等で構成される。磁束発生手段は、幅方向(記録媒体の搬送方向に直交する方向である。)に延設されたコイル部や、コイル部に対向するコア部(励磁コイルコア)等で構成される。
そして、定着ベルトは、磁束発生手段との対向位置で加熱される。加熱された定着ベルトは、定着補助ローラ及び加圧ローラの位置に搬送される記録媒体上のトナー像を加熱して定着する。詳しくは、コイル部に高周波の交番電流を流すことで、コイル部の周囲に磁界が形成されて、支持ローラ表面に渦電流が生じる。支持ローラに渦電流が生じると、支持ローラ自身の電気抵抗によってジュール熱が発生する。このジュール熱によって、支持ローラに巻装された定着ベルトが加熱される。
このような電磁誘導加熱方式を用いた定着装置は、少ないエネルギー消費で短い立ち上げ時間にて、定着ベルトの表面温度(定着温度)を所望の温度まで昇温できることが知られている。
このような電磁誘導加熱方式を用いた定着装置は、少ないエネルギー消費で短い立ち上げ時間にて、定着ベルトの表面温度(定着温度)を所望の温度まで昇温できることが知られている。
一方、特許文献2や特許文献3等には、電磁誘導加熱方式を用いた定着装置であって、定着ローラ(加熱媒体)における非通紙領域の昇温を抑制することを目的として、定着ローラに内設した磁束発生手段(誘導コイル)から発生される磁束の一部を遮蔽する磁束遮蔽手段を設ける技術が開示されている。
詳しくは、磁束遮蔽手段は、定着ローラにおける通紙領域に応じてその位置を変化させて、磁束を遮蔽する範囲を可変する。この技術は、定着ローラに届く磁束を非通紙領域において遮蔽して、非通紙領域における昇温を抑止することを目的としたものである。
詳しくは、磁束遮蔽手段は、定着ローラにおける通紙領域に応じてその位置を変化させて、磁束を遮蔽する範囲を可変する。この技術は、定着ローラに届く磁束を非通紙領域において遮蔽して、非通紙領域における昇温を抑止することを目的としたものである。
上述した従来の技術は、幅方向サイズの短い記録媒体を連続的に定着した場合等に生じる、加熱部材(又は定着部材)の幅方向両端部における温度上昇を確実に抑止することができなかった。
詳しくは、次の通りである。
一般的な画像形成装置は、幅方向のサイズが異なる数種類の記録媒体に対して、画像形成ができるように構成されている。ここで、幅方向サイズの異なる記録媒体とは、JIS寸法のA列やB列における種々の定形サイズの記録媒体の他に、不定形サイズの記録媒体も含まれる。また、同一サイズ(例えば、A4サイズである。)の記録媒体であっても、長手方向を搬送方向にした場合と、短手方向(長手方向に直交する方向である。)を搬送方向にした場合とでは、幅方向サイズの異なる記録媒体を扱っていることになる。
一般的な画像形成装置は、幅方向のサイズが異なる数種類の記録媒体に対して、画像形成ができるように構成されている。ここで、幅方向サイズの異なる記録媒体とは、JIS寸法のA列やB列における種々の定形サイズの記録媒体の他に、不定形サイズの記録媒体も含まれる。また、同一サイズ(例えば、A4サイズである。)の記録媒体であっても、長手方向を搬送方向にした場合と、短手方向(長手方向に直交する方向である。)を搬送方向にした場合とでは、幅方向サイズの異なる記録媒体を扱っていることになる。
このような幅方向サイズの異なる記録媒体を定着装置で定着する場合には、記録媒体の幅方向サイズに応じて、定着ベルトの幅方向の温度分布が変動して、温度ムラが生じてしまうことがあった。例えば、幅方向サイズの小さな記録媒体を通紙して定着する場合には、その記録媒体の幅方向サイズに対応する定着ベルトの位置(通紙領域である。)では熱が多く奪われて、その他の位置(非通紙領域である。)に比べて定着温度が低くなる。このような現象は、幅方向サイズの小さな記録媒体を連続的に通紙するような場合に、特に顕著になる。
したがって、定着ベルトの幅方向中央部の定着温度を基準として定着ベルトの幅方向全域の定着温度を制御しようとすると、定着ベルトの幅方向中央部の定着温度は所望の温度に制御できるものの、幅方向両端部の定着温度が上昇してしまうことになる。このように、定着ベルトの幅方向両端部の定着温度が上昇した状態で、幅方向サイズの大きな記録媒体を定着すると、温度上昇位置に対応した記録媒体上にホットオフセットが発生してしまう。さらに、幅方向両端部の定着温度が定着ベルトの耐熱温度を超えた場合には、定着ベルトに熱的破損が生じてしまうことも考えられる。
これに対して、定着ベルトの幅方向両端部の定着温度を基準として定着ベルトの幅方向全域の定着温度を制御しようとすると、定着ベルトの幅方向両端部の定着温度は所望の温度に制御できるものの、幅方向中央部の定着温度が下降してしまうことになる。このように、定着ベルトの幅方向中央部の定着温度が下降した状態で記録媒体を定着すると、温度下降位置に対応した記録媒体上に定着不良やコールドオフセットが発生してしまう。
このような問題を解決するために、上述の特許文献2や特許文献3等では、記録媒体のサイズに応じて磁束遮蔽手段の位置を変化させて非通紙領域における磁束を遮蔽しているので、幅方向サイズが小さな記録媒体を連続的に通紙する場合であっても非通紙領域の温度上昇を抑止する効果がある程度期待できる。
しかし、本願発明者は、研究を重ねた結果、次の事項を知るに至った。
記録媒体のサイズに応じて磁束遮蔽手段の位置を変化させて非通紙領域における磁束を遮蔽しても、幅方向サイズが小さな記録媒体を連続的に通紙する場合に、加熱部材(又は定着部材)における通紙領域の熱が非通紙領域に徐々に伝熱されて非通紙領域の温度上昇が生じてしまう。すなわち、通紙時間(加熱時間)が増加するのにともない、積極的に加熱される通紙領域から加熱を予定していない非通紙領域に伝熱されて、非通紙領域における温度上昇が生じてしまう。
記録媒体のサイズに応じて磁束遮蔽手段の位置を変化させて非通紙領域における磁束を遮蔽しても、幅方向サイズが小さな記録媒体を連続的に通紙する場合に、加熱部材(又は定着部材)における通紙領域の熱が非通紙領域に徐々に伝熱されて非通紙領域の温度上昇が生じてしまう。すなわち、通紙時間(加熱時間)が増加するのにともない、積極的に加熱される通紙領域から加熱を予定していない非通紙領域に伝熱されて、非通紙領域における温度上昇が生じてしまう。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、複数の記録媒体を連続的に定着した場合であっても、加熱部材や定着部材の幅方向両端における温度上昇を確実に抑止することができる、定着装置及び画像形成装置を提供することにある。
この発明の請求項1記載の発明にかかる定着装置は、トナー像を記録媒体に定着させる定着装置であって、磁束を発生させる磁束発生手段と、前記磁束によって誘導加熱される加熱部材と、前記加熱部材に作用する前記磁束を幅方向の所定の調整範囲について低下させる磁束調整部材と、前記磁束調整部材を駆動して前記磁束を低下させる前記調整範囲を可変する可変手段と、を備え、前記可変手段は、複数の記録媒体に対して連続的にトナー像の定着をおこなっている間に前記磁束調整部材を駆動制御するものである。
また、請求項2記載の発明にかかる定着装置は、上記請求項1に記載の発明において、前記加熱部材に対応する前記記録媒体の幅方向の範囲を検知する検知手段を備え、前記可変手段は、トナー像の定着が開始されるときに前記検知手段で検知した範囲に基いて前記調整範囲を可変するものである。
また、請求項3記載の発明にかかる定着装置は、上記請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記複数の記録媒体に対して連続的にトナー像の定着をおこなうときの加熱時間又は/及び当該複数の記録媒体の枚数をカウントするカウント手段を備え、前記可変手段は、前記カウント手段のカウント値に基いて前記調整範囲を可変するものである。
また、請求項4記載の発明にかかる定着装置は、上記請求項3に記載の発明において、前記可変手段は、前記カウント値が所定値に達した場合に前記調整範囲が長くなるように前記磁束調整部材を駆動制御するものである。
また、請求項5記載の発明にかかる定着装置は、上記請求項4に記載の発明において、前記加熱部材に対応する前記記録媒体の幅方向の範囲を検知する検知手段を備え、前記可変手段は、トナー像の定着が開始されるときに前記検知手段で検知された範囲の外側の範囲に対して前記調整範囲が短くなるように前記磁束調整部材を駆動制御するものである。
また、請求項6記載の発明にかかる定着装置は、上記請求項4又は請求項5に記載の発明において、前記加熱部材に対応する前記記録媒体の幅方向の範囲を検知する検知手段を備え、前記可変手段は、前記カウント値が所定値に達した場合に前記検知手段で検知された範囲の外側の範囲に対して前記調整範囲が長くなるように前記磁束調整部材を駆動制御するものである。
また、請求項7記載の発明にかかる定着装置は、上記請求項4〜請求項6のいずれかに記載の発明において、前記可変手段は、前記カウント値の増加に応じて段階的に前記磁束調整部材を駆動制御するものである。
また、請求項8記載の発明にかかる定着装置は、上記請求項1〜請求項7のいずれかに記載の発明において、前記加熱部材の温度を直接的又は間接的に検出する温度検出手段を備え、前記可変手段は、前記温度検出手段で検出した温度に基いて前記調整範囲を可変するものである。
また、請求項9記載の発明にかかる定着装置は、上記請求項8に記載の発明において、前記温度検出手段は、前記調整範囲が可変されても当該調整範囲内とならない位置に配設されたものである。
また、請求項10記載の発明にかかる定着装置は、上記請求項8に記載の発明において、前記温度検出手段は、前記調整範囲が可変されても常に当該調整範囲内となる位置に配設されたものである。
また、請求項11記載の発明にかかる定着装置は、上記請求項8〜請求項10のいずれかに記載の発明において、前記可変手段は、前記温度が所定値以上になった場合に前記調整範囲が長くなるように前記磁束調整部材を駆動制御するものである。
また、請求項12記載の発明にかかる定着装置は、上記請求項8〜請求項11のいずれかに記載の発明において、前記可変手段は、前記温度が所定値以下になった場合に前記調整範囲が短くなるように前記磁束調整部材を駆動制御するものである。
また、請求項13記載の発明にかかる定着装置は、上記請求項8〜請求項12のいずれかに記載の発明において、温度検出手段を、前記加熱部材によって加熱される被加熱部材の温度を検出する手段としたものである。
また、請求項14記載の発明にかかる定着装置は、上記請求項1〜請求項13のいずれかに記載の発明において、前記調整範囲は、前記加熱部材に対応する前記記録媒体の幅方向の範囲の外側の範囲の一部又は全部を含むものである。
また、請求項15記載の発明にかかる定着装置は、上記請求項1〜請求項14のいずれかに記載の発明において、前記磁束発生手段は、前記加熱部材に対向するように幅方向に延設されたコイル部と、前記加熱部材を介して前記コイル部に対向する内部コアと、を備え、前記磁束調整部材を、前記コイル部と前記内部コアとの間に配設された磁束遮蔽部材としたものである。
また、請求項16記載の発明にかかる定着装置は、上記請求項15に記載の発明において、前記磁束遮蔽部材は、前記コイル部に対向する前記内部コアの外周を覆う範囲を漸増又は漸減できるように形成されたものである。
また、請求項17記載の発明にかかる定着装置は、上記請求項16に記載の発明において、前記可変手段を、前記内部コアの外周を覆う範囲を漸増又は漸減するように前記磁束遮蔽部材を駆動する手段としたものである。
また、請求項18記載の発明にかかる定着装置は、上記請求項15〜請求項17のいずれかに記載の発明において、前記磁束発生手段は、前記コイル部が前記加熱部材と対向しない側で当該コイル部に対向するとともにセンターコアを有するコア部を備え、前記磁束遮蔽部材は、前記センターコアに対向する前記内部コアの外周を覆うものである。
また、請求項19記載の発明にかかる定着装置は、上記請求項1〜請求項18のいずれかに記載の発明において、前記加熱部材は、トナー像を溶融する定着部材を加熱するものである。
また、請求項20記載の発明にかかる定着装置は、上記請求項19に記載の発明において、前記定着部材は、定着ベルトであって、前記加熱部材は、定着補助ローラとともに前記定着ベルトを張架する支持ローラであって、前記磁束発生手段は、前記定着ベルトに対向するように配設されたものである。
また、請求項21記載の発明にかかる定着装置は、上記請求項20に記載の発明において、前記定着補助ローラは、搬送される記録媒体を加圧する加圧ローラに対して前記定着ベルトを介して当接するように配設されたものである。
また、請求項22記載の発明にかかる定着装置は、上記請求項1〜請求項21のいずれかに記載の発明において、前記加熱部材を、トナー像を溶融する定着部材としたものである。
また、請求項23記載の発明にかかる定着装置は、上記請求項22に記載の発明において、前記定着部材は、定着ベルトであって、前記磁束発生手段は、前記定着ベルトに対向するように配設されたものである。
また、請求項24記載の発明にかかる定着装置は、上記請求項23に記載の発明において、前記定着ベルトは、支持ローラと定着補助ローラとに張架され、前記定着補助ローラは、搬送される記録媒体を加圧する加圧ローラに対して前記定着ベルトを介して当接するように配設されたものである。
また、請求項25記載の発明にかかる定着装置は、上記請求項22に記載の発明において、前記定着部材は、搬送される記録媒体を加圧する加圧ローラに当接する定着ローラであって、前記磁束発生手段は、前記定着ローラに対向するように配設されたものである。
また、請求項26記載の発明にかかる画像形成装置は、請求項1〜請求項25のいずれかに記載の定着装置を備えたものである。
本発明は、複数の記録媒体を連続的に定着している間に、加熱部材に作用する磁束を低下させる調整範囲を可変している。これによって、加熱部材や定着部材の幅方向両端における温度上昇を確実に抑止することができる、定着装置及び画像形成装置を提供することができる。
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
実施の形態1.
図1〜図8にて、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
まず、図1にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は画像形成装置としてのレーザープリンタの装置本体、3は画像情報に基いた露光光Lを感光体ドラム18上に照射する露光部、4は装置本体1に着脱自在に設置される作像部としてのプロセスカートリッジ、7は感光体ドラム18上に形成されたトナー像を記録媒体Pに転写する転写部、10は出力画像が載置される排紙トレイ、11、12は転写紙等の記録媒体Pが収納された給紙部、13は記録媒体Pを転写部7に搬送するレジストローラ、15は手差し給紙部、20は記録媒体P上の未定着画像を定着する定着装置を示す。
図1〜図8にて、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
まず、図1にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は画像形成装置としてのレーザープリンタの装置本体、3は画像情報に基いた露光光Lを感光体ドラム18上に照射する露光部、4は装置本体1に着脱自在に設置される作像部としてのプロセスカートリッジ、7は感光体ドラム18上に形成されたトナー像を記録媒体Pに転写する転写部、10は出力画像が載置される排紙トレイ、11、12は転写紙等の記録媒体Pが収納された給紙部、13は記録媒体Pを転写部7に搬送するレジストローラ、15は手差し給紙部、20は記録媒体P上の未定着画像を定着する定着装置を示す。
図1を参照して、画像形成装置における、通常の画像形成時の動作について説明する。
まず、露光部3(書込部)から、画像情報に基づいたレーザ光等の露光光Lが、プロセスカートリッジ4の感光体ドラム18上に向けて発せられる。感光体ドラム18は図中の反時計方向に回転しており、所定の作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程)を経て、感光体ドラム18上に画像情報に対応したトナー像が形成される。
その後、感光体ドラム18上に形成されたトナー像は、転写部7で、レジストローラ13により搬送された記録媒体P上に転写される。
まず、露光部3(書込部)から、画像情報に基づいたレーザ光等の露光光Lが、プロセスカートリッジ4の感光体ドラム18上に向けて発せられる。感光体ドラム18は図中の反時計方向に回転しており、所定の作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程)を経て、感光体ドラム18上に画像情報に対応したトナー像が形成される。
その後、感光体ドラム18上に形成されたトナー像は、転写部7で、レジストローラ13により搬送された記録媒体P上に転写される。
一方、転写部7に搬送される記録媒体Pは、次のように動作する。
まず、画像形成装置本体1の複数の給紙部11、12、15のうち、1つの給紙部が自動又は手動で選択される(例えば、最上段の給紙部11が選択されたものとする。)。なお、複数の給紙部11、12には、それぞれ、異なるサイズの記録媒体Pや、搬送方向の異なる同一サイズの記録媒体Pが、収納されている。
まず、画像形成装置本体1の複数の給紙部11、12、15のうち、1つの給紙部が自動又は手動で選択される(例えば、最上段の給紙部11が選択されたものとする。)。なお、複数の給紙部11、12には、それぞれ、異なるサイズの記録媒体Pや、搬送方向の異なる同一サイズの記録媒体Pが、収納されている。
そして、給紙部11に収納された記録媒体Pの最上方の1枚が、搬送経路Kの位置に向けて搬送される。その後、記録媒体Pは、搬送経路Kを通過してレジストローラ13の位置に達する。そして、レジストローラ13の位置に達した記録媒体Pは、感光体ドラム18上に形成されたトナー像と位置合わせをするためにタイミングを合わせて、転写部7に向けて搬送される。
そして、転写工程後の記録媒体Pは、転写部7の位置を通過した後に、搬送経路を経て定着装置20に達する。定着装置20に達した記録媒体Pは、定着ベルトと加圧ローラとの間に送入されて、定着ベルトから受ける熱と加圧ローラから受ける圧力とによってトナー像が定着される。トナー像が定着された記録媒体Pは、定着ベルトと加圧ローラとの間から送出された後に、出力画像として画像形成装置本体1から排出されて、排紙トレイ10上に載置される。
こうして、一連の画像形成プロセスが完了する。
こうして、一連の画像形成プロセスが完了する。
次に、図2にて、画像形成装置本体1に設置される定着装置20の構成・動作について詳述する。
図2に示すように、定着装置20は、主として、定着補助ローラ21、定着ベルト22、支持ローラ23(加熱ローラ)、誘導加熱部24、加圧ローラ30、サーモパイル37、サーミスタ38、オイル塗布ローラ34、ガイド板35、分離板36等で構成される。
図2に示すように、定着装置20は、主として、定着補助ローラ21、定着ベルト22、支持ローラ23(加熱ローラ)、誘導加熱部24、加圧ローラ30、サーモパイル37、サーミスタ38、オイル塗布ローラ34、ガイド板35、分離板36等で構成される。
ここで、定着補助ローラ21は、その表面にシリコーンゴム等の弾性層が形成されていて、不図示の駆動部によって図2の反時計方向に回転駆動される。
支持ローラ23は、SUS304等の非磁性材料からなる円筒体であって、図の反時計方向に回転する。支持ローラ23の内部には、フェライト等の強磁性体からなる内部コア28と、内部コア28の外周の一部を覆う磁束遮蔽部材29と、が回転自在に設置されている。内部コア28は、定着ベルト22及び支持ローラ23を介してコイル部25に対向している。内部コア28及び磁束遮蔽部材29の回転駆動は、支持ローラ23の回転駆動とは別におこなわれる。内部コア28及び磁束遮蔽部材29を内設した支持ローラ23の構成・動作については、後で詳しく説明する。
支持ローラ23は、SUS304等の非磁性材料からなる円筒体であって、図の反時計方向に回転する。支持ローラ23の内部には、フェライト等の強磁性体からなる内部コア28と、内部コア28の外周の一部を覆う磁束遮蔽部材29と、が回転自在に設置されている。内部コア28は、定着ベルト22及び支持ローラ23を介してコイル部25に対向している。内部コア28及び磁束遮蔽部材29の回転駆動は、支持ローラ23の回転駆動とは別におこなわれる。内部コア28及び磁束遮蔽部材29を内設した支持ローラ23の構成・動作については、後で詳しく説明する。
定着部材としての定着ベルト22は、支持ローラ23と定着補助ローラ21とに張架・支持されている。定着ベルト22は、基材上に加熱層、弾性層、離型層が形成された、多層構造の無端ベルトである。
定着ベルト22の基材は、耐熱樹脂材料からなり、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PES(ポリエーテルスルフォン)、PPS(ポリフェニレンスルフィド)、フッ素樹脂等を用いることができる。加熱層としては、ニッケル、ステンレス、鉄、銅、コバルト、クロム、アルミニウム、金、白金、銀、スズ、パラジウム、これらのうち複数の金属からなる合金、等を用いることができる。弾性層としては、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム等を用いることができる。離型層としては、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体(FEP)等のフッ素樹脂、又はこれらの樹脂の混合物等を用いることができる。
定着ベルト22の基材は、耐熱樹脂材料からなり、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PES(ポリエーテルスルフォン)、PPS(ポリフェニレンスルフィド)、フッ素樹脂等を用いることができる。加熱層としては、ニッケル、ステンレス、鉄、銅、コバルト、クロム、アルミニウム、金、白金、銀、スズ、パラジウム、これらのうち複数の金属からなる合金、等を用いることができる。弾性層としては、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム等を用いることができる。離型層としては、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体(FEP)等のフッ素樹脂、又はこれらの樹脂の混合物等を用いることができる。
なお、本実施の形態1では、定着ベルト22の基材と加熱層とを混成層としている。具体的には、ポリイミドからなる基材中に銀からなる3つの加熱層を間をあけて形成している。そして、その混成層上に弾性層、離型層を順次形成している。
磁束発生手段としての誘導加熱部24は、コイル部25、コア部26、コイルガイド27等で構成される。
ここで、コイル部25は、支持ローラ23に巻装された定着ベルト22の外周面を覆うように、細線を束ねたリッツ線を巻回して幅方向(図2の紙面垂直方向である。)に延設したものである。コイルガイド27は、耐熱性の高い樹脂材料等からなり、コイル部25を保持するとともに、誘導加熱部24のフレームとして機能する。コア部26は、比透磁率が2500程度のフェライト等の強磁性体からなり、センターコア部26aやサイドコア26bが設けられている。コア部26は、幅方向に延設されたコイル部25に対向するように設置される。センターコア26aは、コイル部25の周方向のほぼ中央位置にあって、コイル部25の周囲に形成される磁束の密度が最も大きくなる位置である。コイル部25は、不図示の高周波電源部に接続されていて、高周波電源部から10k〜1MHzの交番電流が印加される。
ここで、コイル部25は、支持ローラ23に巻装された定着ベルト22の外周面を覆うように、細線を束ねたリッツ線を巻回して幅方向(図2の紙面垂直方向である。)に延設したものである。コイルガイド27は、耐熱性の高い樹脂材料等からなり、コイル部25を保持するとともに、誘導加熱部24のフレームとして機能する。コア部26は、比透磁率が2500程度のフェライト等の強磁性体からなり、センターコア部26aやサイドコア26bが設けられている。コア部26は、幅方向に延設されたコイル部25に対向するように設置される。センターコア26aは、コイル部25の周方向のほぼ中央位置にあって、コイル部25の周囲に形成される磁束の密度が最も大きくなる位置である。コイル部25は、不図示の高周波電源部に接続されていて、高周波電源部から10k〜1MHzの交番電流が印加される。
加圧ローラ30は、アルミニウム、銅、ステンレス等からなる円筒部材上にフッ素ゴム、シリコーンゴム等の弾性層が形成されたものである。加圧ローラ30の弾性層は、肉厚が1〜5mmで、アスカー硬度が20〜50度となるように形成されている。加圧ローラ30は、定着ベルト22を介して定着補助ローラ21に当接している。そして、定着ベルト22と加圧ローラ30との当接部(定着ニップ部である。)に、記録媒体Pが搬送される。
定着ベルト22と加圧ローラ30との当接部の入口側には、記録媒体Pの搬送を案内するガイド板35が配設されている。
定着ベルト22と加圧ローラ30との当接部の出口側には、記録媒体Pの搬送を案内するとともに定着ベルト22に対する記録媒体Pの分離を促進する分離板36が配設されている。
定着ベルト22と加圧ローラ30との当接部の出口側には、記録媒体Pの搬送を案内するとともに定着ベルト22に対する記録媒体Pの分離を促進する分離板36が配設されている。
定着ベルト22の外周面の一部には、オイル塗布ローラ34が当接している。オイル塗布ローラ34は、定着ベルト22上にシリコーンオイル等のオイルを供給する。これにより、定着ベルト22上におけるトナー離型性がさらに担保される。なお、オイル塗布ローラ34には、その表面上の汚れを除去するクリーニングローラ33が当接されている。
定着ベルト22の外周面に対向する位置であって、幅方向の中央部(後述する調整範囲とならない位置である。)には、非接触型の温度検出手段としてのサーモパイル37が設置されている。また、定着ベルト22の外周面に当接する位置であって、幅方向の端部(後述する調整範囲となる位置である。)には、温度検出手段としてのサーミスタ38が設置されている。
そして、サーモパイル37及びサーミスタ38によって、定着ベルト22上の表面温度(定着温度)が検出されて、インバータ回路を備えた誘導加熱部24における出力が調整される。こうして、定着ベルト22上の定着温度が一定に保たれる。さらに、サーモパイル37及びサーミスタ38で検出した温度に基いて、支持ローラ23の幅方向両端に作用する磁束が調整される。これについては、後で詳しく説明する。
そして、サーモパイル37及びサーミスタ38によって、定着ベルト22上の表面温度(定着温度)が検出されて、インバータ回路を備えた誘導加熱部24における出力が調整される。こうして、定着ベルト22上の定着温度が一定に保たれる。さらに、サーモパイル37及びサーミスタ38で検出した温度に基いて、支持ローラ23の幅方向両端に作用する磁束が調整される。これについては、後で詳しく説明する。
このように構成された定着装置20は、通常時に次のように動作する。
定着補助ローラ21の回転駆動によって、定着ベルト22は図2中の矢印方向に周回するとともに、支持ローラ23も反時計方向に回転して、加圧ローラ30も矢印方向に回転する。定着ベルト22は、誘導加熱部24との対向位置で加熱される。詳しくは、コイル部25に高周波の交番電流を流すことで、コア部26と内部コア28との間に磁力線が双方向に交互に切り替わるように形成される。このとき、支持ローラ23表面と定着ベルト22の加熱層とに渦電流が生じて、支持ローラ23及び加熱層の電気抵抗によってジュール熱が発生する。こうして、定着ベルト22は、発熱した支持ローラ23から受ける熱と、自身の加熱層の発熱と、によって加熱される。すなわち、支持ローラ23は加熱部材として機能して、定着ベルト22は加熱部材として機能するとともに被加熱部材としても機能する。
定着補助ローラ21の回転駆動によって、定着ベルト22は図2中の矢印方向に周回するとともに、支持ローラ23も反時計方向に回転して、加圧ローラ30も矢印方向に回転する。定着ベルト22は、誘導加熱部24との対向位置で加熱される。詳しくは、コイル部25に高周波の交番電流を流すことで、コア部26と内部コア28との間に磁力線が双方向に交互に切り替わるように形成される。このとき、支持ローラ23表面と定着ベルト22の加熱層とに渦電流が生じて、支持ローラ23及び加熱層の電気抵抗によってジュール熱が発生する。こうして、定着ベルト22は、発熱した支持ローラ23から受ける熱と、自身の加熱層の発熱と、によって加熱される。すなわち、支持ローラ23は加熱部材として機能して、定着ベルト22は加熱部材として機能するとともに被加熱部材としても機能する。
その後、誘導加熱部24によって加熱された定着ベルト22表面は、サーミスタ38の位置を通過した後に、加圧ローラ30との当接部に達する。そして、搬送される記録媒体P上のトナー像Tを加熱して溶融する。
詳しくは、先に説明した作像プロセスを経てトナー像Tを担持した記録媒体Pが、ガイド板35に案内されながら定着ベルト22と加圧ローラ30との間に送入される(矢印Yの搬送方向の移動である。)。そして、定着ベルト22から受ける熱と加圧ローラ30から受ける圧力とによってトナー像Tが記録媒体Pに定着されて、記録媒体Pは定着ベルト22と加圧ローラ30との間から送出される。
詳しくは、先に説明した作像プロセスを経てトナー像Tを担持した記録媒体Pが、ガイド板35に案内されながら定着ベルト22と加圧ローラ30との間に送入される(矢印Yの搬送方向の移動である。)。そして、定着ベルト22から受ける熱と加圧ローラ30から受ける圧力とによってトナー像Tが記録媒体Pに定着されて、記録媒体Pは定着ベルト22と加圧ローラ30との間から送出される。
加圧ローラ30の位置を通過した定着ベルト22表面は、オイル塗布ローラ34、サーモパイル37の位置を順次通過した後に、再び誘導加熱部24との対向位置に達する。
このような一連の動作が連続的に繰り返されて、画像形成プロセスにおける定着工程が完了する。
このような一連の動作が連続的に繰り返されて、画像形成プロセスにおける定着工程が完了する。
図3にて、支持ローラ23の構成・動作について、詳しく説明する。
図3は、図2の定着装置20に設置された支持ローラ23を、誘導加熱部24側から幅方向にみた正面図である。
図3に示すように、支持ローラ23の円筒体内には、内部コア28と磁束遮蔽部材29とが回転自在に設置されている。
図3は、図2の定着装置20に設置された支持ローラ23を、誘導加熱部24側から幅方向にみた正面図である。
図3に示すように、支持ローラ23の円筒体内には、内部コア28と磁束遮蔽部材29とが回転自在に設置されている。
強磁性体からなる円柱状の内部コア28の幅方向両端部には、銅等の反磁性体からなる磁束遮蔽部材29が一体的に設置されている。磁束遮蔽部材29は、内部コア28の外周面を遮蔽する範囲を端面側から漸減(又は漸増)するように傾斜部29aが形成されている。これにより、内部コア28を磁束遮蔽部材29とともに回転させることによって、誘導加熱部24のコイル部25に対向する内部コア28の幅方向の遮蔽範囲(調整範囲)を可変することができる。
詳しくは、図4を参照して、誘導加熱部24のセンターコア26a(磁束密度が最も高くなる位置である。)と内部コア28との間に磁束遮蔽部材29が介在する場合には、磁束遮蔽部材29がないときに形成される正規の磁束(図4中の破線Bで示すものである。)が弱められる。これにより、磁束遮蔽部材29を配置した支持ローラ23の位置では、作用する磁束の低下にともない加熱効率が低下する。
ここで、磁束を低下させる幅方向の範囲(調整範囲)は、コイル部25に対向する磁束遮蔽部材29の姿勢を変化させることで可変することができる。具体的に、磁束遮蔽部材29を内部コア28とともに回転駆動(駆動制御)することで、磁束を低下させる調整範囲を図3のL1〜L2の範囲で可変することができる。すなわち、調整範囲(遮蔽範囲)の長さを、0〜(L1−L2)に変化させることができる。このように、磁束遮蔽部材29は、支持ローラ23(又は定着ベルト22)に作用する磁束を幅方向の調整範囲について低下させる磁束調整部材として機能することになる。
なお、内部コア28及び磁束遮蔽部材29の回転駆動(駆動制御)は、内部コア28の軸部に連結された可変手段としてのステッピングモータ(不図示である。)によっておこなわれる。このステッピングモータは、定着補助ローラ21、定着ベルト22、支持ローラ23等を駆動する駆動モータ(不図示である。)とは別の駆動系となる。
具体的に、内部コア28及び磁束遮蔽部材29を周方向に所定角度回転させて、磁束遮蔽部材29の最大範囲をセンターコア26aに対向させる。このとき、磁束が低下される調整範囲が最大になって、その調整範囲外(中央の幅L2の領域である。)が定着ベルト22の主たる加熱範囲となる。この状態は、幅方向サイズがL2の記録媒体Pを定着する場合に適している。
これに対して、内部コア28及び磁束遮蔽部材29を周方向にさらに所定角度回転させて、磁束遮蔽部材29がセンターコア26aに対向しないようにする。このとき、磁束が低下される調整範囲がゼロになって、すべての範囲(幅L1の領域である。)が定着ベルト22の主たる加熱範囲となる。
これに対して、内部コア28及び磁束遮蔽部材29を周方向にさらに所定角度回転させて、磁束遮蔽部材29がセンターコア26aに対向しないようにする。このとき、磁束が低下される調整範囲がゼロになって、すべての範囲(幅L1の領域である。)が定着ベルト22の主たる加熱範囲となる。
このように構成された定着装置20は、複数の記録媒体Pに対して連続的にトナー像Tの定着をおこなう場合(連続通紙時、連続定着時である。)に、その通紙中にも磁束遮蔽部材29による調整範囲を可変する。
以下、図5のフローチャートに基いて、適宜に図6〜図8を参照して、連続通紙時の制御について詳述する。
なお、図6は、磁束遮蔽部材29が駆動制御されたときの、磁束遮蔽部材29、センターコア26a、記録媒体P、調整範囲N及び加熱範囲Mの幅方向の位置関係を示す模式図である。
以下、図5のフローチャートに基いて、適宜に図6〜図8を参照して、連続通紙時の制御について詳述する。
なお、図6は、磁束遮蔽部材29が駆動制御されたときの、磁束遮蔽部材29、センターコア26a、記録媒体P、調整範囲N及び加熱範囲Mの幅方向の位置関係を示す模式図である。
まず、装置本体1の電源がオンされると(ステップS1、S2)、磁束調整部材としての磁束遮蔽部材29のホームポジション検知がおこなわれる(ステップS3)。すなわち、磁束遮蔽部材29の位置(姿勢)が初期位置(ホームポジション)に一致するように駆動制御される。具体的には、図6(A)を参照して、磁束遮蔽部材29のホームポジションは、内部コアの全幅を開放する位置であって、このとき調整範囲Nはゼロであって全幅が加熱範囲Mとなる。
その後に、定着装置20のインバータ電源(高周波電源部)のスイッチがオンされて、誘導加熱部24による加熱が開始される(ステップS4)。そして、リロードをおこなった後に(ステップS5)、プリント要求(ユーザーによるプリントの指令である。)があるかが判断される(ステップS6)。
その結果、プリント要求がないと判断された場合には、待機状態を経て(ステップS7)、再度ステップS6以降のフローがおこなわれる。
その結果、プリント要求がないと判断された場合には、待機状態を経て(ステップS7)、再度ステップS6以降のフローがおこなわれる。
これに対して、プリント要求があると判断された場合には、そのプリント要求に合致した記録媒体Pのサイズが検知手段によって検知される(ステップS8)。すなわち、連続通紙(連続定着)される記録媒体Pの幅方向サイズ(又は、サイズ及び搬送方向)が、検知手段によって検知される。ここで、検知手段によって検知された記録媒体Pの幅方向サイズは、支持ローラ23や定着ベルト22に対応する記録媒体Pの幅方向範囲(通紙領域)を特定するものである。すなわち、支持ローラ23や定着ベルト22において、過昇温する可能性のある非通紙領域が特定される。また、検知手段は、給紙部11、12、15に設置されたサイズ検知センサやユーザーによって操作要求された入力情報等に基いて、記録媒体Pの幅方向サイズを検知する。
その後、検知手段によって検知された記録媒体Pのサイズに基いて、磁束遮蔽部材29が駆動制御される(ステップS9)。このとき、磁束遮蔽部材29によって可変される調整範囲Nは、検知手段で検知された記録媒体Pの範囲の外側の範囲(非通紙領域)に対して短くなるように制御される。すなわち、図6(B)を参照して、調整範囲Nが通紙される記録媒体Pの端部から所定長さX2だけ短く設定されて、加熱範囲Mが長めに設定される。
これは、加熱開始直後に支持ローラ23及び定着ベルト22における非通紙領域が昇温することはなく、非通紙領域の全部について磁束を低下させてしまうとかえって通紙領域との境界近傍の温度が低くなり過ぎてしまうためである。
その後、連続通紙が開始される(ステップS10)。このとき、カウント手段によって、連続通紙における加熱時間(高周波電源部から誘導加熱部に電力が供給される累積時間である。)と、累積の通紙枚数と、がカウントされる。
そして、カウント手段によってカウントされたカウント値(加熱時間又は通紙時間)が所定値に達したときに、加熱開始時に設定した調整範囲Nが長くなる(加熱範囲Mが短くなる。)ように、磁束遮蔽部材29を駆動制御する(ステップS11)。
そして、カウント手段によってカウントされたカウント値(加熱時間又は通紙時間)が所定値に達したときに、加熱開始時に設定した調整範囲Nが長くなる(加熱範囲Mが短くなる。)ように、磁束遮蔽部材29を駆動制御する(ステップS11)。
具体的には、加熱開始時に図6(B)の位置に設定された磁束遮蔽部材29は、カウント値の増加にともない段階的に調整範囲Nの長さが長くなるように駆動制御される。そして、所定のカウント値を境にして、調整範囲Nが非通紙領域よりも長くなって、加熱範囲Mが通紙領域よりも短くなる。図6(C)では、調整範囲Nが非通紙領域よりも長さX3だけ長くなっている。
図7を参照して、カウント値と調整範囲Nとの関係は、予め制御部にテーブルとして記憶されている。すなわち、通紙枚数や加熱時間が増加するのにともない、調整範囲Nの長さが段階的に長くなるように、磁束遮蔽部材29が駆動制御される。
図7を参照して、カウント値と調整範囲Nとの関係は、予め制御部にテーブルとして記憶されている。すなわち、通紙枚数や加熱時間が増加するのにともない、調整範囲Nの長さが段階的に長くなるように、磁束遮蔽部材29が駆動制御される。
これは、連続的な通紙が開始されて加熱時間(又は通紙枚数)が増えるのにともない、積極的に加熱されない調整範囲Nに加熱範囲Mの熱が徐々に伝熱されることによる。すなわち、連続通紙時に磁束が低下される調整範囲Nを固定した場合には、調整範囲Nにおいて加熱範囲Mに近い位置で過昇温が生じることになる。
本実施の形態1では、加熱時間(又は通紙枚数)に応じて、調整範囲Nが徐々に長くなるように制御しているので、加熱範囲Mからの伝熱による非通紙領域の過昇温を抑止することができる。
本実施の形態1では、加熱時間(又は通紙枚数)に応じて、調整範囲Nが徐々に長くなるように制御しているので、加熱範囲Mからの伝熱による非通紙領域の過昇温を抑止することができる。
その後、連続通紙が終了すると(ステップS12)、再び磁束遮蔽部材29のホームポジション検知がおこなわれる(ステップS13)。そして、インバータ電源(高周波電源部)のスイッチがオフされて、誘導加熱部24による加熱が停止される(ステップS14)。こうして、一連の制御フローが終了する(ステップS15)。
図8は、本実施の形態1の定着装置における、定着ベルト22上の幅方向の温度分布を示すグラフである。
図8において、横軸は定着ベルト22における幅方向の位置を示し、縦軸は定着ベルト22表面の温度(定着温度)を示す。ここで、横軸の幅方向位置の「0」は、定着ベルト22の幅方向中央位置を示す。実線R1は、幅方向サイズがL1の記録媒体Pを連続通紙した場合の温度分布を示す。実線R2は、幅方向サイズがL2の記録媒体Pを連続通紙した場合の温度分布を示す。
図8において、横軸は定着ベルト22における幅方向の位置を示し、縦軸は定着ベルト22表面の温度(定着温度)を示す。ここで、横軸の幅方向位置の「0」は、定着ベルト22の幅方向中央位置を示す。実線R1は、幅方向サイズがL1の記録媒体Pを連続通紙した場合の温度分布を示す。実線R2は、幅方向サイズがL2の記録媒体Pを連続通紙した場合の温度分布を示す。
磁束遮蔽部材29による調整範囲Nを経時で微調整することによって、連続通紙時の経時においても定着ベルト22の温度分布を図8のように維持することができる。これにより、記録媒体Pの通紙幅を超えた範囲において、定着ベルト22の温度上昇が生じないで、定着ベルト22の熱的破損が抑止される。
以上説明したように、本実施の形態1では、複数の記録媒体Pを連続的に定着している間に(連続通紙中に)、定着ベルト22及び支持ローラ23に作用する磁束を低下させる調整範囲Nを可変している。これによって、定着ベルト22や支持ローラ23の幅方向両端における温度上昇を確実に抑止することができる。
なお、本実施の形態1では、加熱層を有する定着ベルト22と、支持ローラ23と、を加熱部材として用いた。これに対して、定着ベルト22及び支持ローラ23のうちいずれか一方のみを加熱部材として用いることもできる。その場合も、加熱開始時から通紙が完了するまで磁束遮蔽部材29による調整範囲Nを最適化することで、本実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態1において、加圧ローラ30の内部にハロゲンヒータを設置することもできる。また、加圧ローラ30の外周面に、サーミスタやオイル塗布ローラを当接させることもできる。また、本実施の形態1では、モノクロの画像形成装置1に対して本発明を適用したが、当然にカラーの画像形成装置に対しても本発明を適用することができる。これらの場合にも、本実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
実施の形態2.
図9にて、この発明の実施の形態2について詳細に説明する。
図9は、実施の形態2における定着装置20でおこなわれる制御を示すフローチャートである。本実施の形態2は、温度検出手段としてのサーモパイル37で検出された温度に基いて磁束遮蔽部材29を駆動制御している点が、カウント手段でカウントされたカウント値に基いて磁束遮蔽部材29を駆動制御している前記実施の形態1のものとは相違する。
図9にて、この発明の実施の形態2について詳細に説明する。
図9は、実施の形態2における定着装置20でおこなわれる制御を示すフローチャートである。本実施の形態2は、温度検出手段としてのサーモパイル37で検出された温度に基いて磁束遮蔽部材29を駆動制御している点が、カウント手段でカウントされたカウント値に基いて磁束遮蔽部材29を駆動制御している前記実施の形態1のものとは相違する。
図9のフローチャートにおいて、ステップS1〜ステップS10までの制御フローは、前記実施の形態1の図5で説明したものと同様である。
ステップS10にて、連続通紙が開始された後に、連続通紙中における定着ベルト22上の温度がサーモパイル37によって検出される(ステップS21)。ここで、サーモパイル37は、定着ベルト22の幅方向のほぼ中央に対向している。この位置は、その後の制御で調整範囲Nが変化しても、その調整範囲Nに含まれない位置である。これにより、調整範囲N外の定着ベルト22の温度変動を検出することができる。
ステップS10にて、連続通紙が開始された後に、連続通紙中における定着ベルト22上の温度がサーモパイル37によって検出される(ステップS21)。ここで、サーモパイル37は、定着ベルト22の幅方向のほぼ中央に対向している。この位置は、その後の制御で調整範囲Nが変化しても、その調整範囲Nに含まれない位置である。これにより、調整範囲N外の定着ベルト22の温度変動を検出することができる。
その後、サーモパイル37の検出温度が、所定値D以下であるかが判断される(ステップS22)。その結果、検出温度が所定値D以下であるものと判断された場合には、ステップS9で調整した調整範囲Nよりも短くなるように磁束遮蔽部材29を駆動制御する(ステップS23)。これによって、加熱範囲Mの熱が調整範囲N側に伝えられて、非通紙領域の過昇温が抑止されつつ、通紙領域両端における温度低下が抑止される。
その後、プリント要求された通紙枚数が終了したが判断される(ステップS26)。その結果、要求された通紙枚数が終了していないと判断された場合には、ステップS21以降のフローが繰り返される。これに対して、要求された通紙枚数が終了したと判断された場合には、前記実施の形態1と同様のステップS12以降のフローがおこなわれて、本制御フローを終了する(ステップS15)。
また、ステップS22にて、検出温度が所定値D以下ではないものと判断された場合には、さらに検出温度が所定値E以上であるかが判断される(ステップS24)。なお、所定値Eは、所定値Dよりも大きい。
その結果、検出温度が所定値E以上であるものと判断された場合には、ステップS9で調整した調整範囲Nよりも長くなるように磁束遮蔽部材29を駆動制御する(ステップS25)。これによって、加熱範囲Mの熱が調整範囲N側に伝えられる割合が小さくなって、非通紙領域の過昇温が抑止される。
その結果、検出温度が所定値E以上であるものと判断された場合には、ステップS9で調整した調整範囲Nよりも長くなるように磁束遮蔽部材29を駆動制御する(ステップS25)。これによって、加熱範囲Mの熱が調整範囲N側に伝えられる割合が小さくなって、非通紙領域の過昇温が抑止される。
その後、プリント要求された通紙枚数が終了したが判断される(ステップS26)。同様に、ステップS24で、検出温度が所定値E以上ではないものと判断された場合にも、プリント要求された通紙枚数が終了したが判断される(ステップS26)。
その結果、要求された通紙枚数が終了していないと判断された場合には、ステップS21以降のフローが繰り返される。これに対して、要求された通紙枚数が終了したと判断された場合には、前記実施の形態1と同様のステップS12以降のフローがおこなわれて、本制御フローを終了する(ステップS15)。
その結果、要求された通紙枚数が終了していないと判断された場合には、ステップS21以降のフローが繰り返される。これに対して、要求された通紙枚数が終了したと判断された場合には、前記実施の形態1と同様のステップS12以降のフローがおこなわれて、本制御フローを終了する(ステップS15)。
以上説明したように、本実施の形態2では、複数の記録媒体Pを連続的に定着している間に(連続通紙中に)、定着ベルト22及び支持ローラ23に作用する磁束を低下させる調整範囲Nを、定着ベルト22の幅方向中央部の温度変動に基いて可変している。これによって、定着ベルト22や支持ローラ23の幅方向両端における温度上昇を確実に抑止することができる。
なお、本実施の形態2では、加熱部材としての定着ベルト22の温度を直接的に検出してその検出結果に基いて調整範囲Nを可変したが、加熱部材としての支持ローラ23の温度を直接的に検出してその検出結果に基いて調整範囲Nを可変することもできる。
さらに、定着ベルト22が被加熱部材としてのみ機能する場合(加熱層が設けられていない場合である。)に、定着ベルト22の温度を検出してその検出結果に基いて調整範囲Nを可変することもできる。その場合、加熱部材の温度を間接的に検出していることになる。
さらに、定着ベルト22が被加熱部材としてのみ機能する場合(加熱層が設けられていない場合である。)に、定着ベルト22の温度を検出してその検出結果に基いて調整範囲Nを可変することもできる。その場合、加熱部材の温度を間接的に検出していることになる。
実施の形態3.
図10及び図11にて、この発明の実施の形態3について詳細に説明する。
図10は、実施の形態3における定着装置20でおこなわれる制御を示すフローチャートである。本実施の形態3は、定着ベルト22の幅方向端部における温度変動に基いて磁束遮蔽部材29を駆動制御している点が、定着ベルト22の幅方向中央部における温度変動に基いて磁束遮蔽部材29を駆動制御している前記実施の形態2のものとは相違する。
図10及び図11にて、この発明の実施の形態3について詳細に説明する。
図10は、実施の形態3における定着装置20でおこなわれる制御を示すフローチャートである。本実施の形態3は、定着ベルト22の幅方向端部における温度変動に基いて磁束遮蔽部材29を駆動制御している点が、定着ベルト22の幅方向中央部における温度変動に基いて磁束遮蔽部材29を駆動制御している前記実施の形態2のものとは相違する。
図10のフローチャートにおいて、ステップS1〜ステップS10までの制御フローは、前記実施の形態2の図9で説明したものと同様である。
ステップS10にて、連続通紙が開始された後に、連続通紙中における定着ベルト22上の温度がサーミスタ38によって検出される(ステップS31)。ここで、サーミスタ38は、定着ベルト22の幅方向端部に当接している。この位置は、その後の制御で調整範囲Nが変化しても、常に調整範囲Nに含まれる位置である。これにより、常に調整範囲N内の定着ベルト22の温度変動を検出することができる。
ステップS10にて、連続通紙が開始された後に、連続通紙中における定着ベルト22上の温度がサーミスタ38によって検出される(ステップS31)。ここで、サーミスタ38は、定着ベルト22の幅方向端部に当接している。この位置は、その後の制御で調整範囲Nが変化しても、常に調整範囲Nに含まれる位置である。これにより、常に調整範囲N内の定着ベルト22の温度変動を検出することができる。
その後、サーミスタ38の検出温度が、所定値F以上であるかが判断される(ステップS32)。その結果、検出温度が所定値F以上であるものと判断された場合には、ステップS9で調整した調整範囲Nよりも長くなるように磁束遮蔽部材29を駆動制御する(ステップS33)。これによって、加熱範囲Mの熱が調整範囲N側に伝えられる割合が小さくなって、非通紙領域の過昇温が抑止される。
その後、プリント要求された通紙枚数が終了したが判断される(ステップS26)。その結果、要求された通紙枚数が終了していないと判断された場合には、ステップS31以降のフローが繰り返される。これに対して、要求された通紙枚数が終了したと判断された場合には、前記実施の形態2と同様のステップS12以降のフローがおこなわれて、本制御フローを終了する(ステップS15)。
また、ステップS32にて、検出温度が所定値F以上ではないものと判断された場合には、さらに検出温度が所定値G以下であるかが判断される(ステップS34)。なお、所定値Fは、所定値Gよりも大きい。
その結果、検出温度が所定値G以下であるものと判断された場合には、ステップS9で調整した調整範囲Nよりも短くなるように磁束遮蔽部材29を駆動制御する(ステップS35)。これによって、加熱範囲Mの熱が調整範囲N側に伝えられて、非通紙領域の過昇温が抑止されつつ、通紙領域両端における温度低下が抑止される。
その結果、検出温度が所定値G以下であるものと判断された場合には、ステップS9で調整した調整範囲Nよりも短くなるように磁束遮蔽部材29を駆動制御する(ステップS35)。これによって、加熱範囲Mの熱が調整範囲N側に伝えられて、非通紙領域の過昇温が抑止されつつ、通紙領域両端における温度低下が抑止される。
その後、プリント要求された通紙枚数が終了したが判断される(ステップS26)。同様に、ステップS34で、検出温度が所定値G以下ではないものと判断された場合にも、プリント要求された通紙枚数が終了したが判断される(ステップS26)。
その結果、要求された通紙枚数が終了していないと判断された場合には、ステップS31以降のフローが繰り返される。これに対して、要求された通紙枚数が終了したと判断された場合には、前記実施の形態2と同様のステップS12以降のフローがおこなわれて、本制御フローを終了する(ステップS15)。
その結果、要求された通紙枚数が終了していないと判断された場合には、ステップS31以降のフローが繰り返される。これに対して、要求された通紙枚数が終了したと判断された場合には、前記実施の形態2と同様のステップS12以降のフローがおこなわれて、本制御フローを終了する(ステップS15)。
図11は、磁束遮蔽部材29を設置しない場合の、連続通紙枚数(横軸)と定着温度(縦軸)との関係の一例を示すグラフである。図11において、実線S1は通紙領域(幅方向中央部である。)における定着温度の経時変動を示し、実線S2は非通紙領域(幅方向端部である。)における定着温度の経時変動を示す。
図11において、通紙領域では、加熱開始時には定着温度が低いが、その後に定着温度は安定している。これに対して、非通紙領域では、加熱開始時には定着温度が低く、その後も定着温度が安定しない。
本実施の形態3の制御は、このような傾向が大きくなる場合に、特に有効な制御となる。すなわち、定着温度の安定しない幅方向端部の温度変動に基いて調整範囲Nを可変することで、幅方向両端の定着温度を安定化して過昇温を抑止することができる。
図11において、通紙領域では、加熱開始時には定着温度が低いが、その後に定着温度は安定している。これに対して、非通紙領域では、加熱開始時には定着温度が低く、その後も定着温度が安定しない。
本実施の形態3の制御は、このような傾向が大きくなる場合に、特に有効な制御となる。すなわち、定着温度の安定しない幅方向端部の温度変動に基いて調整範囲Nを可変することで、幅方向両端の定着温度を安定化して過昇温を抑止することができる。
以上説明したように、本実施の形態3では、複数の記録媒体Pを連続的に定着している間に、定着ベルト22及び支持ローラ23に作用する磁束を低下させる調整範囲Nを、定着ベルト22の幅方向端部の温度変動に基いて可変している。これによって、定着ベルト22や支持ローラ23の幅方向両端における温度上昇を確実に抑止することができる。
実施の形態4.
図12にて、この発明の実施の形態4について詳細に説明する。
図12は、実施の形態4における定着装置の支持ローラ23を示す図であって、前記実施の形態1における図3に相当する図である。本実施の形態4の支持ローラ23は、内部に設けられた磁束遮蔽部材29の形状が、前記実施の形態1のものとは相違する。
図12にて、この発明の実施の形態4について詳細に説明する。
図12は、実施の形態4における定着装置の支持ローラ23を示す図であって、前記実施の形態1における図3に相当する図である。本実施の形態4の支持ローラ23は、内部に設けられた磁束遮蔽部材29の形状が、前記実施の形態1のものとは相違する。
図12に示すように、支持ローラ23の内部には、内部コア28と磁束遮蔽部材29とが設置されている。本実施の形態4の磁束遮蔽部材29は、前記実施の形態1のものとは異なり、幅方向の長さが異なる複数の銅材からなる。この磁束遮蔽部材29は、内部コア28の外周面に貼着されている。磁束遮蔽部材29における幅方向長さの異なる銅材は、内部コア28の外周面を遮蔽する範囲を端面側から段階的に漸減(又は漸増)するように形成されたものである。これにより、前記各実施の形態と同様に、内部コア28を磁束遮蔽部材29とともに回転させることによって、誘導加熱部24のコイル部25に対向する内部コア28の幅方向の遮蔽範囲(調整範囲)を可変することができる。
以上説明したように、本実施の形態4でも、前記各実施の形態と同様に、複数の記録媒体Pを連続的に定着している間に、定着ベルト22及び支持ローラ23に作用する磁束を低下させる調整範囲Nを可変している。これによって、定着ベルト22や支持ローラ23の幅方向両端における温度上昇を確実に抑止することができる。
実施の形態5.
図13にて、この発明の実施の形態5について詳細に説明する。
図13は、実施の形態5における支持ローラ23の磁束遮蔽部材29を示す展開図である。本実施の形態5は、磁束遮蔽部材29の形状が、前記実施の形態1のものとは相違する。
図13にて、この発明の実施の形態5について詳細に説明する。
図13は、実施の形態5における支持ローラ23の磁束遮蔽部材29を示す展開図である。本実施の形態5は、磁束遮蔽部材29の形状が、前記実施の形態1のものとは相違する。
図13に示すように、本実施の形態5の磁束遮蔽部材29は、調整範囲Nを可変するための斜面部29aが段状に形成されている。この磁束遮蔽部材29も、前記各実施の形態のものと同様に、内部コア28の外周面を遮蔽する範囲を端面側から段階的に漸減(又は漸増)するように形成されたものである。
そして、本実施の形態5でも、前記各実施の形態と同様に、加熱時間や定着ベルト22の温度等に応じて、磁束を低下させる幅方向の調整範囲Nを微調整するように磁束遮蔽部材29が駆動制御される。
そして、本実施の形態5でも、前記各実施の形態と同様に、加熱時間や定着ベルト22の温度等に応じて、磁束を低下させる幅方向の調整範囲Nを微調整するように磁束遮蔽部材29が駆動制御される。
以上説明したように、本実施の形態5でも、前記各実施の形態と同様に、複数の記録媒体Pを連続的に定着している間に、定着ベルト22及び支持ローラ23に作用する磁束を低下させる調整範囲Nを可変している。これによって、定着ベルト22や支持ローラ23の幅方向両端における温度上昇を確実に抑止することができる。
実施の形態6.
図14にて、この発明の実施の形態6について詳細に説明する。
図14は、実施の形態6における支持ローラ23の磁束遮蔽部材29を示す展開図である。本実施の形態6は、磁束遮蔽部材29の形状が、前記実施の形態1のものとは相違する。
図14にて、この発明の実施の形態6について詳細に説明する。
図14は、実施の形態6における支持ローラ23の磁束遮蔽部材29を示す展開図である。本実施の形態6は、磁束遮蔽部材29の形状が、前記実施の形態1のものとは相違する。
図14に示すように、本実施の形態6の磁束遮蔽部材29は、調整範囲Nを可変するために幅方向長さの異なる複数の銅材を支持ローラ23に貼着したものである。複数の銅材の傾斜部29aは、テーパ状に形成されている。この磁束遮蔽部材29も、前記各実施の形態のものと同様に、内部コア28の外周面を遮蔽する範囲を端面側から段階的に漸減(又は漸増)するように形成されたものである。
そして、本実施の形態6でも、前記各実施の形態と同様に、加熱時間や定着ベルト22の温度等に応じて、磁束を低下させる幅方向の調整範囲Nを微調整するように磁束遮蔽部材29が駆動制御される。
そして、本実施の形態6でも、前記各実施の形態と同様に、加熱時間や定着ベルト22の温度等に応じて、磁束を低下させる幅方向の調整範囲Nを微調整するように磁束遮蔽部材29が駆動制御される。
以上説明したように、本実施の形態6でも、前記各実施の形態と同様に、複数の記録媒体Pを連続的に定着している間に、定着ベルト22及び支持ローラ23に作用する磁束を低下させる調整範囲Nを可変している。これによって、定着ベルト22や支持ローラ23の幅方向両端における温度上昇を確実に抑止することができる。
実施の形態7.
図15にて、この発明の実施の形態7について詳細に説明する。
図15は、実施の形態7における定着装置20を示す断面図である。本実施の形態7の定着装置は、加熱部材及び定着部材として定着ローラ31を用いている点が、加熱部材として支持ローラ及び定着ベルトを用いて定着部材として定着ベルトを用いている前記実施の形態1のものとは相違する。
図15にて、この発明の実施の形態7について詳細に説明する。
図15は、実施の形態7における定着装置20を示す断面図である。本実施の形態7の定着装置は、加熱部材及び定着部材として定着ローラ31を用いている点が、加熱部材として支持ローラ及び定着ベルトを用いて定着部材として定着ベルトを用いている前記実施の形態1のものとは相違する。
図15に示すように、実施の形態7の定着装置20は、主として、定着ローラ31(定着部材)、加圧ローラ30、誘導加熱部24等で構成される。
定着ローラ31は、発熱層31a、シリコーンゴム等からなる弾性層、フッ素化合物等からなる離型層、等で構成される。定着ローラ31の内部は、中空構造になっていて、内部コア28及び磁束遮蔽部材29が回転自在に設置されている。
定着ローラ31は、発熱層31a、シリコーンゴム等からなる弾性層、フッ素化合物等からなる離型層、等で構成される。定着ローラ31の内部は、中空構造になっていて、内部コア28及び磁束遮蔽部材29が回転自在に設置されている。
誘導加熱部24は、前記実施の形態1と同様に、コイル部25、コア部26、コイルガイド27等からなる。そして、コイル部25に10k〜1MHzの交番電流が供給されることで、コア部26と内部コア28との間に磁力線が形成されて、電磁誘導により定着ローラ31が加熱される。このようにして、加熱された定着ローラ31は、矢印Y方向から搬送される記録媒体P上のトナー像を加熱・溶融して記録媒体Pに定着する。
そして、本実施の形態7でも、前記各実施の形態と同様に、加熱時間や定着ローラ31の温度等に応じて、磁束を低下させる幅方向の調整範囲Nを微調整するように磁束遮蔽部材29が駆動制御される。
そして、本実施の形態7でも、前記各実施の形態と同様に、加熱時間や定着ローラ31の温度等に応じて、磁束を低下させる幅方向の調整範囲Nを微調整するように磁束遮蔽部材29が駆動制御される。
以上説明したように、本実施の形態7では、複数の記録媒体Pを連続的に定着している間に、定着ローラ31に作用する磁束を低下させる調整範囲Nを可変している。これによって、定着ローラ31の幅方向両端における温度上昇を確実に抑止することができる。
なお、本発明が上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、上記各実施の形態の中で示唆した以外にも、上記各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記各実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
1 画像形成装置本体(装置本体)、
20 定着装置、 21 定着補助ローラ、
22 定着ベルト(加熱部材、定着部材、被加熱部材)、
23 支持ローラ(加熱部材)、
24 誘導加熱部(磁束発生手段)、 25 コイル部、
26 コア部、 26a センターコア、 26b サイドコア、
28 内部コア、
29 磁束遮蔽部材(磁束調整部材)、 30 加圧ローラ、
31 定着ローラ(加熱部材、定着部材)、
37 サーモパイル(温度検出手段)、 38 サーミスタ(温度検出手段)、
N 調整範囲、 P 記録媒体。
20 定着装置、 21 定着補助ローラ、
22 定着ベルト(加熱部材、定着部材、被加熱部材)、
23 支持ローラ(加熱部材)、
24 誘導加熱部(磁束発生手段)、 25 コイル部、
26 コア部、 26a センターコア、 26b サイドコア、
28 内部コア、
29 磁束遮蔽部材(磁束調整部材)、 30 加圧ローラ、
31 定着ローラ(加熱部材、定着部材)、
37 サーモパイル(温度検出手段)、 38 サーミスタ(温度検出手段)、
N 調整範囲、 P 記録媒体。
Claims (26)
- トナー像を記録媒体に定着させる定着装置であって、
磁束を発生させる磁束発生手段と、
前記磁束によって誘導加熱される加熱部材と、
前記加熱部材に作用する前記磁束を幅方向の所定の調整範囲について低下させる磁束調整部材と、
前記磁束調整部材を駆動して前記磁束を低下させる前記調整範囲を可変する可変手段と、を備え、
前記可変手段は、複数の記録媒体に対して連続的にトナー像の定着をおこなっている間に前記磁束調整部材を駆動制御することを特徴とする定着装置。 - 前記加熱部材に対応する前記記録媒体の幅方向の範囲を検知する検知手段を備え、
前記可変手段は、トナー像の定着が開始されるときに前記検知手段で検知した範囲に基いて前記調整範囲を可変することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。 - 前記複数の記録媒体に対して連続的にトナー像の定着をおこなうときの加熱時間又は/及び当該複数の記録媒体の枚数をカウントするカウント手段を備え、
前記可変手段は、前記カウント手段のカウント値に基いて前記調整範囲を可変することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定着装置。 - 前記可変手段は、前記カウント値が所定値に達した場合に前記調整範囲が長くなるように前記磁束調整部材を駆動制御することを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
- 前記加熱部材に対応する前記記録媒体の幅方向の範囲を検知する検知手段を備え、
前記可変手段は、トナー像の定着が開始されるときに前記検知手段で検知された範囲の外側の範囲に対して前記調整範囲が短くなるように前記磁束調整部材を駆動制御することを特徴とする請求項4に記載の定着装置。 - 前記加熱部材に対応する前記記録媒体の幅方向の範囲を検知する検知手段を備え、
前記可変手段は、前記カウント値が所定値に達した場合に前記検知手段で検知された範囲の外側の範囲に対して前記調整範囲が長くなるように前記磁束調整部材を駆動制御することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の定着装置。 - 前記可変手段は、前記カウント値の増加に応じて段階的に前記磁束調整部材を駆動制御することを特徴とする請求項4〜請求項6のいずれかに記載の定着装置。
- 前記加熱部材の温度を直接的又は間接的に検出する温度検出手段を備え、
前記可変手段は、前記温度検出手段で検出した温度に基いて前記調整範囲を可変することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の定着装置。 - 前記温度検出手段は、前記調整範囲が可変されても当該調整範囲内とならない位置に配設されたことを特徴とする請求項8に記載の定着装置。
- 前記温度検出手段は、前記調整範囲が可変されても常に当該調整範囲内となる位置に配設されたことを特徴とする請求項8に記載の定着装置。
- 前記可変手段は、前記温度が所定値以上になった場合に前記調整範囲が長くなるように前記磁束調整部材を駆動制御することを特徴とする請求項8〜請求項10のいずれかに記載の定着装置。
- 前記可変手段は、前記温度が所定値以下になった場合に前記調整範囲が短くなるように前記磁束調整部材を駆動制御することを特徴とする請求項8〜請求項11のいずれかに記載の定着装置。
- 温度検出手段は、前記加熱部材によって加熱される被加熱部材の温度を検出する手段であることを特徴とする請求項8〜請求項12のいずれかに記載の定着装置。
- 前記調整範囲は、前記加熱部材に対応する前記記録媒体の幅方向の範囲の外側の範囲の一部又は全部を含むことを特徴とする請求項1〜請求項13のいずれかに記載の定着装置。
- 前記磁束発生手段は、前記加熱部材に対向するように幅方向に延設されたコイル部と、前記加熱部材を介して前記コイル部に対向する内部コアと、を備え、
前記磁束調整部材は、前記コイル部と前記内部コアとの間に配設された磁束遮蔽部材であることを特徴とする請求項1〜請求項14のいずれかに記載の定着装置。 - 前記磁束遮蔽部材は、前記コイル部に対向する前記内部コアの外周を覆う範囲を漸増又は漸減できるように形成されたことを特徴とする請求項15に記載の定着装置。
- 前記可変手段は、前記内部コアの外周を覆う範囲を漸増又は漸減するように前記磁束遮蔽部材を駆動する手段であることを特徴とする請求項16に記載の定着装置。
- 前記磁束発生手段は、前記コイル部が前記加熱部材と対向しない側で当該コイル部に対向するとともにセンターコアを有するコア部を備え、
前記磁束遮蔽部材は、前記センターコアに対向する前記内部コアの外周を覆うことを特徴とする請求項15〜請求項17のいずれかに記載の定着装置。 - 前記加熱部材は、トナー像を溶融する定着部材を加熱することを特徴とする請求項1〜請求項18のいずれかに記載の定着装置。
- 前記定着部材は、定着ベルトであって、
前記加熱部材は、定着補助ローラとともに前記定着ベルトを張架する支持ローラであって、
前記磁束発生手段は、前記定着ベルトに対向するように配設されたことを特徴とする請求項19に記載の定着装置。 - 前記定着補助ローラは、搬送される記録媒体を加圧する加圧ローラに対して前記定着ベルトを介して当接するように配設されたことを特徴とする請求項20に記載の定着装置。
- 前記加熱部材は、トナー像を溶融する定着部材であることを特徴とする請求項1〜請求項21のいずれかに記載の定着装置。
- 前記定着部材は、定着ベルトであって、
前記磁束発生手段は、前記定着ベルトに対向するように配設されたことを特徴とする請求項22に記載の定着装置。 - 前記定着ベルトは、支持ローラと定着補助ローラとに張架され、
前記定着補助ローラは、搬送される記録媒体を加圧する加圧ローラに対して前記定着ベルトを介して当接するように配設されたことを特徴とする請求項23に記載の定着装置。 - 前記定着部材は、搬送される記録媒体を加圧する加圧ローラに当接する定着ローラであって、
前記磁束発生手段は、前記定着ローラに対向するように配設されたことを特徴とする請求項22に記載の定着装置。 - 請求項1〜請求項25のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9389550B2 (en) | 2013-03-15 | 2016-07-12 | Ricoh Company, Ltd. | Fixing device, image forming apparatus, and fixing method |
Citations (3)
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JPH1074009A (ja) * | 1996-08-30 | 1998-03-17 | Minolta Co Ltd | 定着装置 |
JP2002083676A (ja) * | 2000-09-08 | 2002-03-22 | Canon Inc | 加熱装置及び画像形成装置 |
JP2006071960A (ja) * | 2004-09-02 | 2006-03-16 | Ricoh Co Ltd | 定着装置及び画像形成装置 |
-
2011
- 2011-02-21 JP JP2011034198A patent/JP2011138155A/ja not_active Withdrawn
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