JP5325444B2 - 定着装置及びそれを備えた画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式を利用した複写機、プリンタ、ファクシミリ、それらの複合機等の画像形成装置に用いる、用紙上の未定着トナー像を定着させる定着装置及びそれを備えた画像形成装置に関し、特に、電磁誘導加熱方式による定着装置、およびこの定着装置を装えた画像形成装置に関するものである。
定着装置は、定着ローラと、定着ローラを加熱するヒータと、定着ローラに圧接する加圧ローラとを備えて、トナー像を転写された用紙が定着ローラと加圧ローラの定着ニップを通り、両ローラにより加熱、加圧されてトナー像が用紙に定着される。
このような、定着装置に於いては、ローラの長手方向における温度分布を均一にすることが望ましいが、実際にそのような制御は難しい。例えば、加熱源を内包する定着ローラの両端部は開口をもつため、熱がこの開口から逃げてしまいローラ両端の温度が低くなりがちである。このため、特に定着前の定着待機状態から定着動作に入ったばかりの時点でローラ両端にて定着性が不十分となる。また、通紙される用紙のサイズがローラ長に対し小さいと、紙が通過しないローラ面(非通紙部)は熱がローラに蓄積されてしまいローラ温度が異常に昇温する。このため、ローラの周面に接触配置された分離爪、クリーニング手段、ローラのシリコンゴム弾性層、及びフッ素樹脂離型層等が昇温する部分にて熱損傷を受けてしまう。
そこで、特許文献1では、定着ローラの内部には、ヒータとして二本のハロゲンランプが設けられ、第1ヒータは、非通紙側の配熱量が、他の部分より小さく設定されており、これに対し、第2ヒータは逆に非通紙側の配熱量が、他の部分より大きくなるように設定されている。定着待機状態では、第1ヒータをオフとし、第2ヒータのみでローラ温度を保持するように制御して、印字中では、第2ヒータが消灯し、第1ヒータによって、定着ローラが所定の温度になるように制御される。このように制御することによって、定着待機状態においては、定着ローラは第2ヒータで温度制御されているので、端部の配熱量の多い分が端面からの放熱量を補償し、ローラの温度分布は、端部が中央より幾分高くなる。このような状態から大きなサイズの紙で印字を開始すると、第1ヒータで温度制御が始まるので、端部の温度は中央に比べて低下していくが、印字開始時の温度が端部において高められているので、両端部に定着不良が生ずることはない。小さいサイズの紙で印字する場合、非通紙部においては余剰の熱が蓄積されて行く傾向にあるが、第1ヒータの配熱分布が非通紙側において他の部位より配熱量を小さくしているため、ローラ端面からの放熱と相俟って蓄積されるので、非通紙部における昇温は許容される範囲内に留まるようになる。
しかしながら、上述した従来技術では、第1及び第2ヒータの配熱量が通紙側と非通紙側で均一なものでなく、さらに第1ヒータと第2ヒータにおいて、通紙側と非通紙側の配熱量を互いに異ならせなくてはならないので、特別なヒータを製作することになり、製造コストが高くなる。また、定着待機状態と印字開始状態で第1ヒータと第2ヒータとの温度制御を異ならせなくてはならず、制御が煩雑になり、また通紙部と非通紙部との温度を互いに許容範囲にバランスさせることが難しいという不都合があった。
近年、画像形成装置のウォームアップ時間の短縮や省エネルギー化への要求が高まる中で、定着装置の熱源として、ハロゲンヒータに替えて、電磁誘導加熱方式の熱源を採用することが提案されている。しかし、電磁誘導加熱方式においても、ハロゲンランプ等のヒータ方式と同様に、誘導加熱される定着ローラは、その端部を支持する軸受けから装置フレームへの伝熱が生じることや、空気中への放熱の比率が大きいこと等により、中央部(通紙部)に比べて端部の温度が低下しやすく、定着ローラの長手方向の温度分布が不均一となるという問題点があった。
そこで、特許文献2では、中空の定着ローラの内部には、誘導加熱用の励磁コイルを有する誘導加熱部が設けられている。この誘導加熱部は、定着ローラとほぼ等しい長手方向長さを備え、定着ローラの内周面との間に所定の間隔をおいて、定着ローラの中心軸に平行に配置されている。定着ローラの長手方向の両端部における定着ローラ内周面と誘導加熱部の外周面との隙間には、円筒状の非磁性金属からなる磁気遮蔽板が定着ローラの端部から出入り自在に挿入されるようになっている。この磁気遮蔽板は、通紙時に用紙の両側部まで誘導加熱部を覆うことができるようなもので、その長手方向の長さは、最小の通紙部に対応する長さとなっている。そして、ウォームアップ時、待機時及び印字時、さらに印字時には用紙幅に応じて、磁気遮蔽板の長手方向位置を変えるように、ステッピングモータを駆動制御して、定着ローラ端部の加熱温度を調節することにより、定着ローラの長手方向の温度分布を均一にしている。
しかしながら、上述した従来技術では、磁気遮蔽板と、それを駆動するステッピンブモータと、駆動制御手段とを用意する必要があるので、部品数が多くなるという問題があるほか、これらの部材を定着装置に配設すると、装置構造が煩雑になり、大型化するという問題がある。
特開平5−134575号公報(段落[0013]−[0019]、図2) 特開2008−14966号公報(段落[0024]−[0026]、図2)
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、簡単な装置構成で加熱部材の長手方向の端部おける温度低下を抑制した定着装置及びそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、加熱部材と前記加熱部材に圧接する加圧部材とを備え、両部材により形成されるニップ部で未定着トナー像を有する用紙を挟持して、用紙上の未定着トナー像を溶融定着する定着装置において、前記加熱部材に配設される整磁金属材と、前記整磁金属材に対向配置されるとともに磁束を発生させて該磁束によって前記整磁金属材を誘導加熱する誘導加熱部と、前記加熱部材の長手方向の端部と中央部との温度を検知する温度検知部材と、前記誘導加熱部に供給される電流を制御する制御部とを備え、前記制御部は、定着待機時の温度が印字時の温度より大きくなり、かつ定着待機時に、前記加熱部材の中央部と端部とが所定温度差以下で、前記加熱部材の中央部の温度が前記整磁金属材のキュリー温度近傍の該温度より低い温度になるように、前記誘導加熱部に供給される電流を制御することを特徴としている。
この構成によれば、誘導加熱部から発せられる磁束を受けて加熱部材の整磁金属材が発熱させられ、加熱部材が整磁金属材から受ける熱によって加熱されると、ニップ部において、搬送される用紙上の未定着トナー像が溶融定着される。定着待機時には、加熱部材の中央部の温度が整磁金属材のキュリー温度近傍の該温度より低い温度になるように、誘導加熱部に供給される電流を制御することにより、加熱部材の中央部では、キュリー温度近傍の温度になると、整磁金属材の透磁率が急激に減少し、整磁金属材の発熱が低下する。しかし、加熱部材の端部では、周辺部材への伝熱や放熱によって、その中央部より低温であり、キュリー温度近傍の温度に至っていないので、透磁率の変化がなく、その磁束に応じて発熱し、中央部と所定温度差以下になるまで昇温する。
また、請求項2に記載の発明では、前記加熱部材は、前記加圧部材に対向して配置されて前記整磁金属材を有する熱ローラを備え、前記誘導加熱部は前記熱ローラの内側に配置されることを特徴としている。この構成によれば、定着待機時には、熱ローラの中央部の温度が整磁金属材のキュリー温度近傍の該温度より低い温度になるように、誘導加熱部に供給される電流を制御することにより、熱ローラの中央部では、キュリー温度近傍の温度になると、整磁金属材の透磁率が急激に減少し、整磁金属材の発熱が低下するが、発熱しているので、温度が徐々に上昇して、所定温度になる。しかし、熱ローラの中央部が所定温度になっても、加熱部材の端部では、周辺部材への伝熱や放熱によって、その中央部より低温であり、キュリー温度近傍の温度に至っていないので、透磁率の変化がなく、その磁束に応じて発熱し、中央部と所定温度差以下になるまで昇温する。
また、請求項3に記載の発明では、前記加熱部材は、前記加圧部材に対向して配置される定着ローラと、前記整磁金属材を有する熱ローラと、前記定着ローラと前記熱ローラとの間に張架される無端状の定着ベルトとを備え、前記誘導加熱部は前記定着ベルトの外周で前記熱ローラに対向配置されることを特徴としている。この構成によれば、定着待機時には、熱ローラの中央部の温度が整磁金属材のキュリー温度近傍の該温度より低い温度になるように、誘導加熱部に供給される電流を制御することにより、熱ローラの中央部では、キュリー温度近傍の温度になると、整磁金属材の透磁率が急激に減少し、整磁金属材の発熱が低下するが、発熱しているので、温度が徐々に上昇して、所定温度になる。しかし、熱ローラの中央部が所定温度になっても、加熱部材の端部では、周辺部材への伝熱や放熱によって、その中央部より低温であり、キュリー温度近傍の温度に至っていないので、透磁率の変化がなく、その磁束に応じて発熱し、中央部と所定温度差以下になるまで昇温する。
また、請求項4に記載の発明では、上記の構成の定着装置が搭載された画像形成装置である。
請求項1に記載の発明によれば、誘導加熱部から発せられる磁束を受けて加熱部材の整磁金属材が発熱させられ、加熱部材が整磁金属材から受ける熱によって加熱されると、ニップ部において、搬送される用紙上の未定着トナー像が溶融定着される。定着待機時には、加熱部材の中央部の温度が整磁金属材のキュリー温度近傍の該温度より低い温度になるように、誘導加熱部に供給される電流を制御することにより、加熱部材の中央部では、キュリー温度近傍の温度になると、整磁金属材の透磁率が急激に減少し、整磁金属材の発熱が低下する。しかし、加熱部材の端部では、周辺部材への伝熱や放熱によって、その中央部より低温であり、キュリー温度近傍の温度に至っていないので、透磁率の変化がなく、その磁束に応じて発熱し、中央部と所定温度差以下になるまで昇温する。
また、請求項2に記載の発明によれば、定着待機時には、熱ローラの中央部の温度が整磁金属材のキュリー温度近傍の該温度より低い温度になるように、誘導加熱部に供給される電流を制御することにより、熱ローラの中央部では、キュリー温度近傍の温度になると、整磁金属材の透磁率が急激に減少し、整磁金属材の発熱が低下する。しかし、加熱部材の端部では、周辺部材への伝熱や放熱によって、その中央部より低温であり、キュリー温度近傍の温度に至っていないので、透磁率の変化がなく、その磁束に応じて発熱し、中央部と所定温度差以下になるまで昇温する。従って、特別な部材を設けることなく簡単な装置構成で、また定着装置の消費電力を格段に増大させることなく、定着待機時に加熱部材の端部の温度低下を抑制することができる。
また、請求項3に記載の発明によれば、定着待機時には、熱ローラの中央部の温度が整磁金属材のキュリー温度近傍の該温度より低い温度になるように、誘導加熱部に供給される電流を制御することにより、熱ローラの中央部では、キュリー温度近傍の温度になると、整磁金属材の透磁率が急激に減少し、整磁金属材の発熱が低下する。しかし、加熱部材の端部では、周辺部材への伝熱や放熱によって、その中央部より低温であり、キュリー温度近傍の温度に至っていないので、透磁率の変化がなく、その磁束に応じて発熱し、中央部と所定温度差以下になるまで昇温する。従って、特別な部材を設けることなく簡単な装置構成で、また定着装置の消費電力を格段に増大させることなく、定着待機時に加熱部材の端部の温度低下を抑制することができる。
また、請求項4に記載の発明によれば、簡単な装置構成で加熱部材の長手方向の端部における温度低下を抑制した定着装置を備える画像形成装置にすることができる。
以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明するが、本発明は、この実施形態に限定されない。本発明の実施形態は発明の最も好ましい形態を示すものであり、また発明の用途やここで示す用語等はこれに限定されるものではない。
(第1実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係るモノクロ画像を形成する画像形成装置の全体構成を示す概略平面図である。図1に示すように、画像形成装置1は、その下部に配設された給紙部2と、この給紙部2の側方および上方に配設された用紙搬送部3と、この用紙搬送部3の上方に配設された画像形成部4と、この画像形成部4よりも排出側に配設された定着装置5と、これらの画像形成部4、および定着装置5の上方に配設された画像読取部6を備えている。
給紙部2は、用紙9が収容された複数(本実施形態においては4つ)の給紙カセット7を備えており、給紙ローラ8の回転動作により、複数の給紙カセット7のうち選択された給紙カセット7から用紙9が1枚ずつ確実に用紙搬送部3側に送り出される。
用紙搬送部3に送られた用紙9は、用紙供給経路10を経由して画像形成部4に向けて搬送される。この画像形成部4は、電子写真プロセスによって、用紙9にトナー像を形成するものであり、所定の方向(図中の矢印方向)に回転可能に軸支された像担持体である感光体11と、この感光体11の周囲にその回転方向に沿って、帯電装置12、露光装置13、現像装置14、転写装置15、クリーニング装置16、および除電装置17を備えている。
帯電装置12は、高電圧が印加される帯電ワイヤを備えており、この帯電ワイヤからのコロナ放電によって感光体11表面に所定電位を与えると、感光体11表面が一様に帯電させられる。そして、画像読取部6によって読み取られた原稿の画像データに基づく光が、露光装置13により、感光体11に照射されると、感光体11の表面電位が選択的に減衰されて、この感光体11表面に静電潜像が形成される。次いで、現像装置14によって感光体11表面の静電潜像にトナーが付着され、トナー像が形成され、このトナー像が転写装置15によって感光体11と転写装置15との間に供給された用紙9に転写される。
トナー像が転写された用紙9は、画像形成部4の用紙搬送方向の下流側に配置された定着装置5に向けて搬送される。定着装置5では、加熱部材18および加圧部材としての加圧ローラ19によって、用紙9が加熱加圧され、用紙9上にトナー像が溶融定着される。次いで、定着された用紙9は、排出ローラ対20によって排出トレイ21上に排出される。一方、転写装置15による転写後、感光体11表面に残留しているトナーは、クリーニング装置16により除去され、また感光体11表面の残留電荷は、除電装置17により除去される。そして、感光体11は帯電装置12によって再び帯電され、以下同様にして画像形成が行われることになる。
定着装置5について詳しく説明する。図2は、上述の画像形成装置1に用いられる定着装置5の概略の構成を示す断面平面図である。
定着装置5は、電磁誘導加熱方式の熱源を用いたローラ定着方式であり、加熱部材としての熱ローラ29と、熱ローラ29に圧接する加圧ローラ19と、筒状の熱ローラ29の内側に配される誘導加熱部30と、誘導加熱部30に接続される電源41と、熱ローラ29の温度を検知する温度検知部材としてのサーミスタ25、及びサーミスタ25の検知温度に基づいて電源41を調整する制御部43とを備える。加圧ローラ19と熱ローラ29は定着装置5の筐体(図略)の長手方向に回転可能に軸支され、誘導加熱部30及びサーミスタ25は筐体(図略)に固定保持されている。サーミスタ25は熱ローラ29外周面の長手方向の中央部と端部との温度を検知している。
加圧ローラ19は、合成樹脂、金属その他材料から構成される円筒形状の基材19aと、基材19a上に形成されニップ部Nへ弾性を付与する弾性層19bと、この弾性層19bの表面を覆って、ニップ部Nで未定着トナー像を溶融定着する際の離型性を向上させる離型層19cとを備える。本実施形態では、基材19aとして外径20mmのステンレス鋼が用いられ、弾性層19bとして層厚5mmのシリコンソリッドゴムが用いられ、離型層19cとしては層厚20μmのフッ素樹脂が用いられている。
また、熱ローラ29はモータ等の駆動源(図略)によって図2の矢印方向に回転駆動して、さらに加圧ローラ19は熱ローラ29をその中心方向に加圧する。このことにより、加圧ローラ19が熱ローラ29に圧接し、加圧ローラ19が図2の矢印方向に従動回転可能になり、熱ローラ29と加圧ローラ19との互いに逆回転しながら当接する部分にニップ部Nが形成される。このニップ部Nにおいて、用紙9が挟持され、挟持された用紙9を加熱及び加圧させることにより、用紙9上の粉体状態のトナーが溶融定着される。
熱ローラ29は、基材としての整磁金属材29aと、整磁金属材29a上に形成される非磁性層29bと、この非磁性層29bの表面を覆って、ニップ部Nで未定着トナー像を溶融定着する際の離型性を向上させる離型層29cとを備える。本実施形態では、離型層29cに、層厚20μmのフッ素樹脂が用いられている。
整磁金属材29aは、後述する誘導加熱部30から発せられる磁束を貫通させ、その磁束の周りに発生する渦電流によって発熱して、熱ローラ29を所定の温度に昇温させるものである。従って、整磁金属材29aは、マンガン―銅合金、マンガン―亜鉛合金、鉄―ニッケル合金、またはニッケル―銅合金等の透磁率の高い整磁金属が用いられており、その合金組成を調整することにより、整磁金属のキュリー温度が設定されている。本実施形態では、整磁金属材29aとして、鉄―ニッケル合金を用い、その組成を略鉄65%―ニッケル35%にして、キュリー温度が200℃になるように設定し、整磁金属材29aの外径を40mmとして、整磁金属材29aの厚みは、熱容量が大きくならない範囲で且つローラ強度を保持できるように、0.5mmの厚さに設定されている。
非磁性層29bは、アルミニウム、銅、銀等の整磁金属より電気抵抗率の低い金属を用いられ、整磁金属材29aを誘導加熱することによって、整磁金属材29aがキュリー温度以上に上昇し非磁性となったときに、渦電流が非磁性層29b中を流れるようにして、整磁金属材29aの発熱量が減少するように補助するものである。従って、整磁金属材29aでの発熱が抑制されることとなり、熱ローラ29の温度がキュリー温度付近で安定的に保持されることになる。本実施形態では、非磁性層29bとして、整磁金属材29a上に30μm厚の銅層を形成している。
誘導加熱部30は、励磁コイル31とホビン33とコア35とを備え、電磁誘導により熱ローラ29を加熱するものであり、熱ローラ29内での長手方向に延びて、円筒状の熱ローラ29内周全域に対向して配される。
銅線の励磁コイル31は、ホビン33の外周に、熱ローラ29の長手方向に同じコイル巻き密度で熱ローラ29周方向に周回するように巻回されている。また励磁コイル31は、電源41に接続されていて、電源41から供給される高周波電流により磁束を発生させる。励磁コイル31から発せられる磁束は、図2の紙面に垂直な方向に発せられ、熱ローラ29の整磁金属材29aを貫通する。整磁金属材29aの磁束の周りに渦電流が生じ、整磁金属材29a内の電気抵抗によってジュール熱が発生して、熱ローラ29を発熱させることになる。熱ローラ29の発熱特性は、長手方向のコイル巻密度を応じて、熱ローラ29の発熱量が変わり、また長手方向のコイル巻き長さに応じて、熱ローラ29の長手方向の発熱分布が変わり、また、コア35と熱ローラ29と距離に応じて、熱ローラ29の発熱量が変わり、またコア35の密度の大きい部分では熱ローラ29の発熱量が大きくなる。これらのコイル密度と、長手方向のコイル巻き長さと、コアと熱ローラ間距離、及びコアの密度配置が適宜設定することにより、熱ローラ29の発熱量、熱ローラ29の長手方向の発熱分布が決められる。
電源41は、励磁コイル31に高周波電流を供給するものであり、制御部43によって電源電力を制御されることにより、励磁コイル31に供給する高周波電流を調整される。
制御部43は、電源41とサーミスタ25を接続して、所定の温度を記憶する記憶素子を備え、この所定温度とサーミスタ25の検知する温度とに基づいて、所定の温度になるように電源41の電力をPID制御している。また、PID制御に替えて、所定温度において電源41をオンオフ制御するようにしてもよい。ここで、制御部43の制御する温度は、熱ローラ29の長手方向における中央部の中央温度(t0とする)と、中央部の温度と端部の温度(t1とする)の差を示す端部温度差(t0−t1)である。
ここで、印字時と定着待機時との熱ローラ29の従来の表面温度分布状態を説明する。図3は、熱ローラ29の印字時と定着待機時の温度分布を示す図であり、横軸が熱ローラ29の長手方向の位置を示していて、幅Wが画像を形成する範囲を示し、縦軸が熱ローラ29の表面温度を示していて、線Aが定着待機時の温度分布を示し、線Bが印字時及びウォームアップ時の温度分布を示している。
図3に示すように、定着待機時の画像形成範囲Wの温度分布は、熱源からの発熱による熱ローラ29への加熱とともに、熱ローラ29からの外気への放熱及び熱ローラ29から周囲部材への伝熱により、一般的に不均一になり、特に画像形成範囲Wの端部では中央部に対して40〜50°の温度が低下していることがある。この定着待機時における画像形成範囲Wの端部の温度を上昇させ、端部と中央部と温度差を抑え、印字時及びウォームアップ時には、画像形成範囲Wでできる限り一様な温度分布になるようにしなくてはならない。そこで印字開始時において、画像形成範囲Wの端部と中央部との温度差を20°以下に抑えると、印字時の中央部での用紙への伝熱もあり、印字時の画像形成範囲Wの定着性能が許容できるものとなる。従って、定着待機時の中央温度(t0)は、定着待機時の温度差(t0−t1)が20°以下(所定端部温度差TΔ)になるように、熱ローラ29の温度を制御する。この時の所定中央温度(T0)は、印字時の温度180℃より高く、キュリー温度Tc(本実施形態では200℃)よりは低くなるように制御し、概略(Tc−10)℃〜Tc℃の間の温度に設定される。本実施形態では、所定中央温度(T0)は190℃〜200℃の間の温度に設定している。制御部43の記憶素子には、この所定中央部温度T0と所定端部温度差TΔが記憶されている。
そこで、定着待機時に所定中央温度T0と所定端部温度差TΔになるように電源を制御
している。図2、図4、及び図5に基づいて、電源制御による熱ローラの温度変化を説明する。
図4は、熱ローラ29の定着待機時に変化していく温度分布を示す図である。図4の横軸は、熱ローラ29の長手方向の位置を示していて、幅Wが画像形成範囲を示し、縦軸は熱ローラ29の表面温度を示していて、破線Tcは、整磁金属材29aのキュリー温度を示し、本実施形態では200℃である。図4の線As、As´及びAtはウォームアップ完了後の所定時間待機した状態での温度分布を示し、線Atは熱ローラ29が所定中央温度T0と所定端部温度差TΔになった温度分布状態を示している。
図5は整磁金属材の温度変化に対する磁気特性の変化状態を示す図であり、横軸は整磁金属材の温度を示し、縦軸は整磁金属材の透磁率を示す。図5に示すように、整磁金属材29aは、温度を上げると略同じ透磁率を保持し発熱するが、温度(Tb)に至り、さらに昇温すると、透磁率が急激に低下し、透磁率の低下にともない発熱量が徐々に減少して、キュリー温度Tcでは、透磁率が略1になり、磁性特性を失い、発熱が抑制されることになる。
図2に戻り、電源41から励磁コイル31に高周波電流が供給されると、熱ローラ29の整磁金属材29aは発熱し、熱ローラ29表面が昇温する。ウォームアップ直後は、比較的温度分布が均一でるが、その後、熱ローラ29の長手方向の温度分布は、図4の線Asに示すように、熱ローラ29の中央部では、整磁金属材29aの発熱と熱ローラ29からの放熱によって温度t0であるが、熱ローラ29の端部では、整磁金属材29aの発熱と熱ローラ29からの放熱とともに、軸受け等接触する周囲部材への伝熱により中央部のように昇温せずに温度t1である。制御部43が熱ローラ29の温度上昇をサーミスタ25によって検知するとともに、電源41から励磁コイル31に高周波電流を供給するように制御することにより、熱ローラ29の中央部の温度t0とその端部の温度t1が、図4の矢印で示すように上昇して、整磁金属材29aの温度が図5の温度Tbからキュリー温度Tcまでの減衰温度域Tmに入ると、整磁金属材29aの透磁率が急激に低下して、整磁金属材29aの発熱量が徐々に減少していく。整磁金属材29aの中央部の発熱量が徐々に減少するが、整磁金属材29aの端部は発熱しているので、熱ローラ29の端部の温度が徐々に上昇して、中央部と端部の温度差が所定以下になるように、中央部温度を制御する。つまり、熱ローラ29の中央部が所定中央温度T0(190℃〜200℃)に達した当初では、熱ローラ29の端部では、温度上昇するが、周辺部材への伝熱により、中央部ほどに昇温していない(図4の線As´参照)。制御部43が所定中央温度T0を保持するように、電源41のオンオフ制御を続けると、中央部の発熱量は、透磁率の低下にともない、さらに低下していくが、端部は、減衰温度域Tmに至っていないので、透磁率の変化がなく、その磁束に応じた発熱により温度上昇して、中央部と端部の温度差(t0−t1)が所定端部温度差TΔ以下(図4の線At参照)になる。
このように定着可能温度になると、用紙9が、ニップ部Nに搬送され、熱ローラ29と加圧ローラ19によって加熱及び加圧されることにより、用紙9上の粉体状態のトナーが溶融定着される。
上記第1実施形態によれば、定着装置5は、熱ローラ29とこの熱ローラ29に圧接する加圧ローラ19とを備え、両部材により形成されるニップ部Nで未定着トナー像を有する用紙9を挟持して、用紙9上の未定着トナー像を溶融定着する。熱ローラ29に配設される整磁金属材29aと、熱ローラ29の内側に配置されるとともに磁束を発生させて該磁束によって整磁金属材29aを誘導加熱する誘導加熱部30と、熱ローラ29の長手方向の端部と中央部との温度を検知する温度検知部材としてのサーミスタ25と、誘導加熱部30に供給される電流を制御する制御部43とを備える。制御部43は、定着待機時の温度が印字時の温度より大きくなり、かつ定着待機時に、熱ローラ29の中央部と端部とが所定端部温度差TΔ以下で、熱ローラ29の中央部の温度が整磁金属材29aのキュリ
ー温度Tc近傍の該温度より低い温度(減衰温度域Tmの温度)になるように、誘導加熱部30に供給される電流を制御する。
この構成によると、誘導加熱部30から発せられる磁束を受けて熱ローラ29の整磁金属材29aが発熱させられ、熱ローラ29が整磁金属材29aから受ける熱によって加熱されると、ニップ部Nにおいて、搬送される用紙9上の未定着トナー像が溶融定着される。定着待機時には、熱ローラ29の端部の温度が中央部より低くなっているが、熱ローラ29の中央部の温度が減衰温度域Tmの温度になるように、誘導加熱部30に供給される電流を制御することにより、熱ローラ29の中央部では、減衰温度域Tmの温度になると、整磁金属材29aの透磁率が急激に減少し、整磁金属材29aの中央部の発熱が低下するが、端部の発熱は低下していないので、中央部と端部の温度差が小さくなってくる。温度差が所定以下になるような所定中央温度T0まで制御温度を上げる。つまり、熱ローラ29の中央部が所定中央温度T0になっても、熱ローラ29の端部では、周辺部材への伝熱や放熱によって、その中央部より低温であり、キュリー温度Tc近傍の温度Tbに至っていないので、透磁率の変化がなく、その磁束に応じて発熱し、所定端部温度差TΔ以下になるまで昇温する。従って、特別な部材を設けることなく簡単な装置構成で、また定着装置の消費電力を格段に増大させることなく、定着待機時に熱ローラ29の端部の温度低下を抑制することができる。
(第2実施形態)
図6は、本発明の第2実施形態に係るカラー画像を形成する画像形成装置に用いられる定着装置の構成を概略的に示す平面図である。第1実施形態と異なる、定着装置の構成について説明し、以降、第1実施形態と同じ部分の説明を省略する。
定着装置5は、電磁誘導加熱方式の熱源を用いたベルト定着方式であり、加熱部材18と加圧ローラ19を備える。加熱部材18は、無端状の定着ベルト26と、この定着ベルト26に内包される定着ローラ23と、この定着ローラ23とともに定着ベルト26を張架する熱ローラ27と、定着ベルト26の外周で熱ローラ27に対向して配される誘導加熱部30と、誘導加熱部30に接続される電源41と、熱ローラ27の温度を検知する温度検知部材としてのサーミスタ25、及びサーミスタ25の検知温度に基づいて電源41を調整する制御部43とを備える。加圧ローラ19、定着ローラ23及び熱ローラ27は定着装置5の筐体(図略)の長手方向に回転可能に軸支され、誘導加熱部30及びサーミスタ25は筐体(図略)に固定保持されている。サーミスタ25は定着ベルト26外周面の長手方向の中央部と端部との温度を検知している。
加圧ローラ19は、合成樹脂、金属その他材料から構成される円筒形状の基材19aと、基材19a上に形成されニップ部Nへ弾性を付与する弾性層19bと、この弾性層19bの表面を覆って、ニップ部Nで未定着トナー像を溶融定着する際の離型性を向上させる離型層19cとを備える。本実施形態では、基材19aとして外径43mm、厚み2mmの円筒型アルミニウムが用いられ、弾性層19bとして層厚3.5mmのシリコンソリッドゴムが用いられ、離型層19cとして層厚20μmのフッ素樹脂が用いられている。また、加圧ローラ19は、モータ等の駆動源(図略)によって図6の矢印方向に回転駆動して、さらに定着ローラ23をその中心方向に加圧する。このことにより、加圧ローラ19が定着ベルト26を介して定着ローラ23に圧接し、定着ベルト26と定着ローラ23とが図6の矢印方向に従動回転し、定着ベルト26と加圧ローラ19との互いに逆回転しながら当接する部分にニップ部Nが形成される。このニップ部Nにおいて、用紙9が挟持され、挟持された用紙9を加熱及び加圧させることにより、用紙9上の粉体状態のトナーが溶融定着される。
定着ローラ23は、円筒形状の基材23aと、基材23a上に形成されニップ部Nへ弾性を付与する弾性層23bとを備える。本実施形態では、基材23aとして外径27mmのアルミニウムが用いられ、弾性層23bとして層厚9mmのスポンジゴムが用いられている。
定着ベルト26は、定着ローラ23に外接する側から順に、基材26aと、ベルトとして可撓性を与える弾性層26bと、ニップ部Nで未定着トナー像を溶融定着する際の離型性を向上させる離型層26cとが積層されて構成される。本実施形態では、基材26aとして厚み100μmのポリイミド樹脂が用いられ、弾性層26bとして層厚300μmのシリコンゴム層が用いられ、離型層26cとして層厚20μmのフッ素樹脂が用いられている。
熱ローラ27は、基材としての整磁金属材27aと、整磁金属材27a内面に形成される非磁性層27bと、整磁金属材27aの表面を覆って、離型性を向上させる離型層27cとを備える。本実施形態では、離型層27cに、層厚20μmのフッ素樹脂が用いられている。
整磁金属材27aは、後述する誘導加熱部30から発せられる磁束を貫通させ、その磁束の周りに発生する渦電流によって発熱して、熱ローラ27を所定の温度に昇温させるものである。従って、整磁金属材27aは、マンガン―銅合金、マンガン―亜鉛合金、鉄―ニッケル合金、またはニッケル―銅合金等の透磁率の高い整磁金属が用いられており、その合金組成を調整することにより、整磁金属のキュリー温度が設定されている。本実施形態では、整磁金属材27aとして、鉄―ニッケル合金を用い、その組成を略鉄65%―ニッケル35%にして、キュリー温度が200℃になるように設定している。整磁金属材27aの外径を30mmとして、整磁金属材27aの厚みは、熱容量が大きくならない範囲で且つローラ強度を保持できるように、0.2mmの厚さに設定されている。
非磁性層27bは、薄層または板状のアルミニウム、銅、銀等の整磁金属より電気抵抗率の低い金属を用いられ、整磁金属材27aを誘導加熱することによって、整磁金属材27aがキュリー温度以上に上昇し磁性を失ったときに、渦電流が非磁性層27b中を流れるようにして、整磁金属材27aでの発熱量が減少するように補助することになり、熱ローラ27の温度がキュリー温度付近で安定的に保持されることになる。本実施形態では、非磁性層27bとして、整磁金属材27a内面に30μmの銅層を形成している。
誘導加熱部30は、励磁コイル37とホビン38とコア39とを備え、電磁誘導により定着ベルト26を加熱するものであり、熱ローラ27の長手方向に延びて、定着ベルト26の外周で熱ローラ27の半円を囲うように対向して配される。
銅線の励磁コイル37は、ホビン38に巻回され、コア39の中央部の周りを軸方向に周回するように、熱ローラ27外周の半円にわたって渦巻状に配設されている。また励磁コイル37は、電源41に接続されていて、電源41から供給される高周波電流により磁束を発生させる。誘導加熱部30から発せられる磁束は、図6の紙面に平行な方向に発せられ、熱ローラ27の整磁金属材27aを貫通する。整磁金属材27aの磁束の周りに渦電流が生じ、整磁金属材27a内の電気抵抗によってジュール熱が発生して、整磁金属材27aを発熱させることになる。
制御部43は、電源41とサーミスタ25を接続して、所定の温度を記憶する記憶素子を備え、この所定温度とサーミスタ25の検知する温度とに基づいて、所定の温度になるように電源41の電力を第1実施形態と同様に制御している。
上記第2実施形態によれば、定着装置5は、加圧ローラ19に対向して配置される定着ローラ23と、この定着ローラ23と熱ローラ27との間に張架される無端状の定着ベルト26とを備え、定着ベルト26と加圧ローラ19により形成されるニップ部Nで未定着トナー像を有する用紙を挟持して、用紙上の未定着トナー像を溶融定着する。熱ローラ27に配設される整磁金属材27aと、定着ベルト26の外周で熱ローラ27に対向配置されるとともに磁束を発生させて該磁束によって整磁金属材27aを誘導加熱する誘導加熱部30と、熱ローラ27の長手方向の端部と中央部との温度を検知する温度検知部材としてのサーミスタ25と、誘導加熱部30に供給される電流を制御する制御部43とを備える。制御部43は、定着待機時の温度が印字時の温度より大きくなり、かつ定着待機時に、熱ローラ27の中央部と端部とが所定端部温度差TΔ以下で、熱ローラ27の中央部の温度が整磁金属材27aのキュリー温度Tc近傍の該温度より低い温度(減衰温度域Tmの温度)になるように、誘導加熱部30に供給される電流を制御する。
この構成によると、誘導加熱部30から発せられる磁束を受けて熱ローラ27の整磁金属材27aが発熱させられ、熱ローラ27が整磁金属材27aから受ける熱によって加熱されると、ニップ部Nにおいて、搬送される用紙9上の未定着トナー像が溶融定着される。定着待機時には、熱ローラ27の端部の温度が中央部より低くなっているが、熱ローラ27の中央部の温度が減衰温度域Tmの温度になるように、誘導加熱部30に供給される電流を制御することにより、熱ローラ27の中央部では、減衰温度域Tmの温度になると、整磁金属材27aの透磁率が急激に減少し、整磁金属材27aの中央部の発熱が低下するが、端部の発熱は低下していないので、中央部と端部の温度差が小さくなってくる。温度差が所定以下になるような所定中央温度T0まで制御温度を上げる。つまり、熱ローラ27の中央部が所定中央温度T0になっても、熱ローラ27の端部では、周辺部材への伝熱や放熱によって、その中央部より低温であり、キュリー温度Tc近傍の温度Tbに至っていないので、透磁率の変化がなく、その磁束に応じて発熱し、所定端部温度差TΔ以下になるまで昇温する。従って、特別な部材を設けることなく簡単な装置構成で、また定着装置の消費電力を格段に増大させることなく、定着待機時に加熱部材の端部の温度低下を抑制することができる。
本発明は、電子写真方式を利用した複写機、プリンタ、ファクシミリ、それらの複合機等の画像形成装置に用いる、用紙上の未定着トナー像を定着させる定着装置及びそれを備えた画像形成装置に利用することができ、特に、電磁誘導加熱方式による定着装置、およびこの定着装置を装備する画像形成装置に利用することができる。
は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の全体構成を示す概略平面図である。 は、本発明の第1実施形態に係る定着装置の構成を概略的に示す平面図である。 は、本発明の第1実施形態に係る定着装置の加熱部材の印字時と定着待機時の温度分布を示す図である。 は、本発明の第1実施形態に係る定着装置の加熱部材の定着待機時に変化する温度分布を示す図である。 は、本発明の第1実施形態に係る定着装置の整磁金属材の温度変化に対する磁気特性の変化状態を示す図である。 は、本発明の第2実施形態に係る定着装置の構成を概略的に示す平面図である。
符号の説明
1 画像形成装置
5 定着装置
18 加熱部材
19 加圧ローラ(加圧部材)
19a 基材
19b 弾性層
19c 離型層
23 定着ローラ
23a 基材
23b 弾性層
25 サーミスタ(温度検知部材)
26 定着ベルト
26a 基材
26b 弾性層
26c 離型層
27、29 熱ローラ
27a、29a 整磁金属材
27b、29b 非磁性層
27c、29c 離型層
30 誘導加熱部
31、37 励磁コイル
33、38 ホビン
35、39 コア
41 電源
43 制御部

Claims (4)

  1. 加熱部材と前記加熱部材に圧接する加圧部材とを備え、両部材により形成されるニップ部で未定着トナー像を有する用紙を挟持して、用紙上の未定着トナー像を溶融定着する定着装置において、
    前記加熱部材に配設される整磁金属材と、
    前記整磁金属材に対向配置されるとともに磁束を発生させて該磁束によって前記整磁金属材を誘導加熱する誘導加熱部と、
    前記加熱部材の長手方向の端部と中央部との温度を検知する温度検知部材と、
    前記誘導加熱部に供給される電流を制御する制御部と
    を備え、
    前記制御部は、定着待機時、前記加熱部材の端部の温度が前記加熱部材の中央部の温度に対して、定着性能が許容される第1の温度より低い場合、前記加熱部材の中央部の温度を印字時の温度より高く、かつ前記整磁金属材のキュリー温度近傍の該温度より低い温度にし、前記加熱部材の端部の温度が前記第1の温度とは異なる温度であって定着性能が許容される第2の温度まで上昇するように、前記誘導加熱部に供給される電流を制御することを特徴とする定着装置。
  2. 前記加熱部材は、前記加圧部材に対向して配置されて前記整磁金属材を有する熱ローラを備え、前記誘導加熱部は前記熱ローラの内側に配置されることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記加熱部材は、前記加圧部材に対向して配置される定着ローラと、前記整磁金属材を有する熱ローラと、前記定着ローラと前記熱ローラとの間に張架される無端状の定着ベルトとを備え、前記誘導加熱部は前記定着ベルトの外周で前記熱ローラに対向配置されることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の定着装置が搭載された画像形成装置。
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