JP5183350B2 - 定着装置及びそれを備えた画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式を利用した複写機、プリンタ、ファクシミリ、それらの複合機に用いる定着装置及びそれを備えた画像形成装置に関するものである。
定着装置は、定着ローラと、定着ローラを加熱するヒータと、定着ローラに圧接する加圧ローラとを備えて、トナー像を転写した用紙が定着ローラと加圧ローラの定着ニップを通り、両ローラにより加熱、加圧されてトナー像が用紙に定着される。
このような、定着装置においては、定着ローラの長手方向における温度分布を均一にすることが望ましいが、実際にそのような制御は難しい。例えば、加熱源を内包するローラの両端部は開口をもつため、熱がこの開口から逃げてしまいローラ両端の温度が低くなりがちである。このため、特に定着前の待機状態から定着動作に入ったばかりの時点でローラ両端にて定着性が不十分となる。また、通紙される用紙のサイズがローラ長に対し小さいと、紙が通過しないローラ面(非通紙部)では、熱がローラに蓄積されてしまいローラ温度が異常に昇温する。このため、ローラの周面に接触配置された分離爪、クリーニング手段、またシリコンゴム等からなる弾性層やフッ素樹脂等からなる離型層が異常昇温する部分にて熱損傷を受けてしまう。
そこで、特許文献1では、定着ローラの内部に、ヒータとして二本のハロゲンランプが設けられ、第1ヒータは非通紙側の配熱量を他の部分より小さく設定されていて、これに対し、第2ヒータは逆に非通紙側の配熱量を他の部分より大きく設定されている。待機状態では、第1ヒータが消灯し、第2ヒータのみでローラ温度を維持するように制御して、印刷中では、第2ヒータが消灯し、第1ヒータによって、定着ローラが所定の温度になるように制御される。このように制御することによって、待機状態においては、定着ローラは第2ヒータで温度制御されているので、ローラ端部の配熱量の余分量がローラ端面からの放熱量を補償し、ローラの温度分布は、ローラの端部が中央より幾分高くなる。このような状態から大きなサイズの紙で印刷を開始すると、第1ヒータで温度制御が始まるので、ローラの端部の温度は中央に比べて低下していくが、印刷開始時の温度がローラ端部において高められているので、ローラ端部に定着不良が生ずることはない。小さいサイズの紙で印刷する場合、非通紙部においては余剰の熱が蓄積されて行く傾向にあるが、第1ヒータの配熱分布が非通紙側において他の部分より配熱量を小さくしているため、ローラ端面からの放熱と相俟って蓄積されるので、非通紙部における昇温は許容される範囲内に留まるようになる。
しかしながら、上述した従来技術では、第1及び第2ヒータの配熱量が長手方向に均一なものでなく、さらに第1ヒータと第2ヒータにおいて、中央部と端部の配熱量を互いに異ならせなくてはならないので、特別なヒータを製作することになり製造コストが高くなる。また、画像形成の待機状態と印刷開始状態で第1ヒータと第2ヒータとの温度制御を異ならせなくてはならず、制御が煩雑になり、また通紙部と非通紙部との温度を互いに許容範囲にバランスさせることが難しいという不都合があった。
近年、画像形成装置のウォームアップ時間の短縮や省エネルギー化への要求が高まる中で、定着装置の熱源として、ハロゲンヒータに替えて、電磁誘導加熱方式の熱源を採用することが提案されている。しかし、電磁誘導加熱方式においても、ハロゲンランプ等のヒータ方式と同様に、誘導加熱される定着ローラは、その端部を支持する軸受けから装置フレームへの伝熱が生じることや、空気中への放熱の比率が大きいこと等により、ローラの中央部(通紙部)に比べて端部の温度が低下しやすく、定着ローラの軸方向(長手方向)の温度分布が不均一となるという問題点があった。
そこで、特許文献2では、中空の定着ローラの内部に、誘導加熱用の励磁コイルを有する誘導加熱部が設けられ、定着ローラ周面に、誘導加熱部の発生させる磁束によって誘導加熱される磁性誘導発熱材が設けられている。この誘導加熱部は、定着ローラの磁性誘導発熱材とほぼ等しい軸方向長さを備え、定着ローラの内周面との間に所定の間隔をおいて、定着ローラの中心軸に平行に配置されている。定着ローラの内周面と誘導加熱部の外周面との隙間には、円筒状の非磁性金属からなる磁気遮蔽板が定着ローラの端部から出入り自在に挿入されるようになっている。この磁気遮蔽板は、通紙時に用紙の両側部まで誘導加熱部を覆い、磁性誘導発熱材の誘導加熱を抑制することができるようなもので、その軸方向の長さは、最小の通紙部に対応する長さとなっている。そして、ウォームアップ時、待機時及び印刷時、さらに印刷時には用紙幅に応じて、磁気遮蔽板の軸方向位置を変ることができるように、ステッピングモータを駆動制御して、定着ローラ端部の加熱温度が調節されることにより、定着ローラの軸方向の温度分布を均一にしている。
しかしながら、上述した従来技術では、磁気遮蔽板と、それを駆動するステッピンブモータと、駆動制御手段とを用意する必要があるので、部品数が多くなるという問題があるほか、これらの部材を定着装置に配設すると、装置構造が煩雑になり、大型化するという問題がある。ここまで、ローラ方式の定着装置における課題を説明してきたが、ローラ方式以外でも、例えば無端状の定着ベルトをローラによって張架し、定着ベルトと加圧ローラにより、未定着トナー像を用紙に溶融定着する定着方式においても、ローラ方式と同じような課題がある。
特開平5−134575号公報(段落[0013]−[0019]、図2) 特開2008−14966号公報(段落[0024]−[0026]、図2)
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、簡単な装置構成でウォームアップ時間を短くし、また定着時に加熱部の長手方向の温度分布を均一にする定着装置及びそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、熱源によって加熱される熱ローラを有する加熱部と前記加熱部に圧接する加圧部とを備え、前記加熱部と前記加圧部により形成されるニップ部で用紙に転写されたトナー像を溶融定着する定着装置において、前記熱ローラは、熱伝導率の大きい内部ローラと、前記内部ローラの外周部に対面する外部ローラとを備え、前記内部ローラの線膨張係数は前記外部ローラの線膨張係数より大きく、且つ前記外部ローラの内周部は、ウォームアップ開始時、前記内部ローラの外周部に隙間を有して対面するとともに、前記熱ローラの長手方向端部の前記隙間は長手方向中央部の前記隙間より小さいことを特徴としている。
この構成によれば、装置の電源オンにより熱源が駆動されると、熱ローラは昇温していく。ウォームアップ開始の熱ローラの温度が低いときには、外部ローラは隙間を有する内部ローラとは独立して昇温する。熱ローラが定着温度等の所定の温度になると、外部ローラと内部ローラの線膨張係数の差に応じて、内部ローラの外周部が外部ローラの内周部に当接する。内部ローラは外部ローラに当接すると、内部ローラは熱伝導率が大きいので、外部ローラの高温部の熱が内部ローラに移動、蓄積される。
た、熱ローラが昇温していくと、内部ローラの端部は内部ローラの中央部より低い温度で外部ローラに当接し、外部ローラの端部の熱が内部ローラに移動、蓄積される。
また、本発明は、上記構成の定着装置において、前記隙間は、1mm以下であることを特徴としている。この構成によれば、定着温度近傍より低い温度では、外部ローラの内周部は内部ローラの外周部に対して隙間を有し、定着温度近傍の温度を超えると、内部ローラの外周部が外部ローラの内周部に当接する。
また、本発明は、上記構成の定着装置において、前記加熱部は、前記加圧部に対向して配置される定着部材と、前記定着部材と前記外部ローラとの間に張架される無端状の定着ベルトとを備え、前記定着ベルトと前記加圧部がニップ部を形成することを特徴としている。
また、本発明は、上記構成の定着装置において、前記外部ローラは磁性誘導発熱材からなり、前記熱源は、磁束を発生させて該磁束によって前記磁性誘導発熱材を誘導加熱する誘導加熱部を備え、前記誘導加熱部は前記定着ベルトの外周で前記熱ローラに対向配置されることを特徴としている。
また、本発明は、上記構成の定着装置において、前記外部ローラは前記加圧部に対向して配置され、前記外部ローラと前記加圧部がニップ部を形成することを特徴としている。
また、本発明は、上記構成の定着装置において、前記外部ローラは磁性誘導発熱材からなり、前記熱源は、磁束を発生させて該磁束によって前記磁性誘導発熱材を誘導加熱する誘導加熱部を備え、前記誘導加熱部は前記熱ローラの内側に配置されることを特徴としている。
また、本発明の画像形成装置は、上記の構成の定着装置が搭載されたことを特徴としている
請求項1に記載の発明によれば、装置の電源オンにより熱源が駆動されると、熱ローラは昇温していく。ウォームアップ開始の熱ローラの温度が低いときには、外部ローラは、隙間を有する内部ローラとは独立して、熱源によって昇温させられるので、早く昇温して、ウォームアップ時間を短くすることができる。熱ローラが定着温度近傍の温度になると、外部ローラと内部ローラの線膨張係数の差に応じて、内部ローラの外周部が外部ローラの内周部に当接する。内部ローラは外部ローラに当接すると、内部ローラは熱伝導率が大きいので、外部ローラの高温部の熱が内部ローラに移動、蓄積され、外部ローラの温度ムラが抑制され、定着時に加熱部の長手方向の温度分布を均一にすることができる。
また、請求項に記載の発明によれば、熱ローラが昇温していくと、内部ローラの長手方向端部は内部ローラ長手方向中央部より低い温度で外部ローラに当接し、外部ローラの端部の熱が内部ローラに移動、蓄積されるので、小さいサイズの紙で印刷する場合、端部の過昇温を防止することができる。
また、請求項に記載の発明によれば、定着温度近傍より低い温度では、外部ローラの内周部は内部ローラの外周部に対して隙間を有し、定着温度近傍の温度を超えると、内部ローラの外周部が外部ローラの内周部に当接するので、ウォームアップ時間を短縮させることができ、外部ローラの温度分布の均一化に支障をきたすおそれがない。
また、請求項に記載の発明によれば、装置の電源オンにより熱源が駆動されると、熱ローラ及び定着ベルトは昇温していく。ウォームアップ開始の熱ローラの温度が低いときには、外部ローラは隙間を有する内部ローラとは独立して昇温するので、外部ローラ及び定着ベルトは早く昇温して、ウォームアップ時間を短くすることができる。熱ローラが定着温度等の所定の温度になると、外部ローラと内部ローラの線膨張係数の差に応じて、内部ローラの外周部が外部ローラの内周部に当接する。内部ローラは外部ローラに当接すると、内部ローラは熱伝導率が大きいので、外部ローラの高温部の熱が内部ローラに移動、蓄積され、外部ローラの温度ムラが抑制され、外部ローラ及び定着ベルトの長手方向の温度分布を均一にすることができる。
また、請求項に記載の発明によれば、外部ローラは磁性誘導発熱材からなり、熱源は、磁束を発生させて該磁束によって磁性誘導発熱材を誘導加熱する誘導加熱部を備え、誘導加熱部は定着ベルトの外周で前記熱ローラに対面配置されるので、ウォームアップ時間の短縮や省電力にすることができる。
また、請求項に記載の発明によれば、装置の電源オンにより熱源が駆動されると、熱ローラは昇温していく。ウォームアップ開始の熱ローラの温度が低いときには、外部ローラは隙間を有する内部ローラとは独立して昇温するので、外部ローラは早く昇温して、ウォームアップ時間を短くすることができる。熱ローラが定着温度等の所定の温度になると、外部ローラと内部ローラの線膨張係数の差に応じて、内部ローラの外周部が外部ローラの内周部に当接する。内部ローラは外部ローラに当接すると、内部ローラは熱伝導率が大きいので、外部ローラの高温部の熱が内部ローラに移動、蓄積され、外部ローラの温度ムラが抑制され、外部ローラの長手方向の温度分布を均一にすることができる。
また、請求項に記載の発明によれば、外部ローラは磁性誘導発熱材からなり、熱源は、磁束を発生させて該磁束によって磁性誘導発熱材を誘導加熱する誘導加熱部を備え、誘導加熱部は熱ローラの内側に配置されるので、ウォームアップ時間の短縮や省電力にすることができる。
また、請求項に記載の発明によれば、簡単な装置構成でウォームアップ時間を短くし、また定着時に加熱部の長手方向の温度分布を均一にする定着装置を備える画像形成装置にすることができる。
以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明するが、本発明は、この実施形態に限定されない。本発明の実施形態は発明の最も好ましい形態を示すものであり、また発明の用途やここで示す用語等はこれに限定されるものではない。
(第1実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係るモノクロ画像を形成する画像形成装置の全体構成を示す概略平面図である。図1に示すように、画像形成装置1は、その下部に配設された給紙部2と、この給紙部2の右方に配設された用紙搬送部3と、この用紙搬送部3の上方に配設された画像形成部4と、この画像形成部4の左方に配設された定着装置5と、これらの画像形成部4及び定着装置5の上方に配設された画像読取部6を備えている。
給紙部2は、用紙9が収容された複数(本実施形態においては4つ)の給紙カセット7を備えており、給紙ローラ8の回転動作により、複数の給紙カセット7のうち選択された給紙カセット7から用紙9が1枚ずつ確実に用紙搬送部3側に送り出される。
用紙搬送部3に送られた用紙9は、用紙供給経路10を経由して画像形成部4に向けて搬送される。この画像形成部4は、電子写真方式によって、用紙9にトナー像を形成するものであり、所定の方向(図中の矢印方向)に回転可能に軸支された像担持体である感光体11と、この感光体11の周囲にその回転方向に沿って、帯電装置12、露光装置13、現像装置14、転写装置15、クリーニング装置16及び除電装置17を備えている。
帯電装置12は、高電圧が印加される帯電ワイヤを備えており、この帯電ワイヤからのコロナ放電によって感光体11表面に所定電位を与えると、感光体11表面が一様に帯電させられる。そして、画像読取部6によって読み取られた原稿の画像データに基づく光が、露光装置13により、感光体11に照射されると、感光体11の表面電位が選択的に減衰されて、この感光体11表面に静電潜像が形成される。次いで、現像装置14によって感光体11表面の静電潜像にトナーが付着され、トナー像が形成される。このトナー像が転写装置15によって感光体11と転写装置15との間に供給された用紙9に転写される。
トナー像が転写された用紙9は、画像形成部4の用紙搬送方向の下流側に配置された定着装置5に向けて搬送される。定着装置5では、加熱部及び加圧部によって、用紙9が加熱加圧され、用紙9上にトナー像が溶融定着される。次いで、定着された用紙9は、排出ローラ対20によって排出トレイ21上に排出される。一方、転写装置15による転写後、感光体11表面に残留しているトナーは、クリーニング装置16により除去され、また感光体11表面の残留電荷は、除電装置17により除去される。そして、感光体11は帯電装置12によって再び帯電され、以下同様にして画像形成が行われることになる。
定着装置5について詳しく説明する。図2は、上述の画像形成装置1に用いられる定着装置5の概略の構成を示す断面平面図である。
定着装置5は、電磁誘導加熱方式を用いたベルト定着方式であり、加圧部としての加圧ローラ19と、加圧ローラ19に対面して配置される加熱部18を備える。加熱部18は、無端状の定着ベルト26と、この定着ベルト26に内包される定着ローラ23と、この定着ローラ23とともに定着ベルト26を張架する熱ローラ50とを備える。
また、定着装置5は、定着ベルト26の外周で熱ローラ50に対向して配される熱源としての誘導加熱部30と、誘導加熱部30に接続される電源41と、定着ベルト26の外周面の温度を検知するサーミスタ25及びサーミスタ25の検知温度に基づいて電源41を調整する制御部43とを備える。加圧ローラ19と、定着ローラ23及び熱ローラ50は定着装置5の筐体(図略)に回転可能に軸支され、誘導加熱部30及びサーミスタ25は筐体(図略)に固定保持されている。
加圧ローラ19は、モータ等の駆動源(図略)によって図2の矢印方向に回転駆動して、さらに定着ローラ23をその中心方向に加圧する。これにより、加圧ローラ19が定着ベルト26を介して定着ローラ23に圧接し、定着ベルト26と定着ローラ23とが図2の矢印方向に回転し、定着ベルト26と加圧ローラ19との当接する部分にニップ部Nが形成される。このニップ部Nにおいて、用紙9が挟持され、挟持された用紙9を加熱及び加圧させることにより、用紙9上の粉体状態のトナーが溶融定着される。
誘導加熱部30は、励磁コイル37とホビン38とコア39とを備え、電磁誘導により熱ローラ50及び定着ベルト26を加熱するものであり、熱ローラ50の長手方向に延びて、定着ベルト26の外周で熱ローラ50の半円を囲うように対向して配される。
銅線の励磁コイル37は、ホビン38に巻回され、コア39の中央部の周りを長手方向に周回するように、熱ローラ50外周の半円にわたって渦巻状に配設されている。また励磁コイル37は、電源41に接続されていて、電源41から供給される高周波電流により磁束を発生させる。励磁コイル37から発せられる磁束は、図2の紙面に平行な方向に発せられ、熱ローラ50及び定着ベルト26の後述する各磁性誘導発熱材を貫通する。磁性誘導発熱材の磁束の周りに渦電流が生じ、磁性誘導発熱材内の電気抵抗によってジュール熱が発生して、磁性誘導発熱材が発熱することになる。磁性誘導発熱材の発熱によって、熱ローラ50及び定着ベルト26が加熱される。制御部43は、電源41とサーミスタ25を接続して、サーミスタ25の検知する温度に基づいて、定着ベルト26が所定の温度になるように電源41の電力を制御している。
加圧ローラ19は、合成樹脂、金属その他材料から構成される円筒形状の基材19aと、基材19a上に形成されニップ部Nへ弾性を付与するシリコンゴムの弾性層19bと、この弾性層19bの表面を覆って、ニップ部Nで未定着トナー像を溶融定着する際の離型性を向上させるフッ素樹脂製の離型層19cとを備える。
定着ローラ23は、ステンレス鋼製で円筒形状の基材23aと、基材23a上に形成されニップ部Nへ弾性を付与するスポンジゴム製の弾性層23bとを備える。
定着ベルト26は、定着ローラ23に接する側から順に、磁性誘導発熱層26aと、弾性層26b及び離型層26cとが積層されて構成される。磁性誘導発熱層26aはニッケルで形成され、定着ベルト26に可撓性を付与する。また、磁性誘導発熱層26aは、誘導加熱部30から発せられる磁束を貫通させ、その磁束の周りに発生する渦電流によって発熱して、定着ベルト26を所定の温度に昇温させる。弾性層26bは定着ベルト26に弾性を付与するシリコンゴムで形成され、離型層26cは、ニップ部Nで未定着トナー像を溶融定着する際の離型性を向上させるのに、フッ素樹脂で形成される。
熱ローラ50は外部ローラ51と内部ローラ52を備える。熱ローラ50を図3に基づいて詳しく説明する。図3は、熱ローラの軸線から上側半分の構成を概略的に示す断面側面図であり、下側半分も上側部と同じ構成である。
熱ローラ50は、磁性誘導発熱材からなる外部ローラ51と、熱伝導率の大きい材料からなる内部ローラ52と、外部ローラ51と内部ローラ52を保持する保持部材53を備える。
外部ローラ51は、磁性誘導発熱材である鉄によって円筒形状に形成され、その外側部51bで定着ベルト26を張架し、その内周部51aの両端部で保持部材53のフランジ部53aに保持される。磁性誘導発熱部材(鉄材)は、誘導加熱部30(図2参照)から発せられる磁束を貫通させ、その磁束の周りに発生する渦電流によって発熱して、外部ローラ51は所定の温度に昇温する。
内部ローラ52は、前述のように熱伝導性の大きく、且つ外部ローラ51より線膨張係数の大きい、例えばアルミニウム等の金属で形成される。また、内部ローラ52は、段差のある円筒形状に形成され、外周部52aと保持部52bを有する。外周部52aは、内部ローラ52の長手方向の中央部から側部における、定着する用紙幅Wの範囲に設けられ、保持部52bは、外周部52aより外径が小さく、内部ローラ52の両端側に設けられる。
保持部52bは保持部材53のフランジ部53bに保持される。尚、保持部材53は、弾性変形の大きいプラスチックで形成され、外部ローラ51と内部ローラ52の熱膨張によって径方向に寸法変化があっても、弾性変形の範囲内で保持しうるように、外部ローラ51と内部ローラ52を嵌装している。また、保持部材53の側面部53cは定着ベルト26の回転時の蛇行を防止している。
内部ローラ52の外周部52aは、外部ローラ51の内周部51aと隙間Dを有して対面している。この隙間Dは、内周部51a(外部ローラ51)と外周部52a(内部ローラ52)との直径の寸法差である。ウォームアップ開始時の常温状態において、この隙間Dは所定の寸法に設定される。熱ローラ50は誘導加熱部30(図2参照)によって、ウォームアップ開始時から徐々に加熱され、外部ローラ51と内部ローラ52は、隙間D離間していると、それぞれ独立して昇温する。外部ローラ51は、誘導加熱部30(図2参照)による磁性誘導によって発熱し、昇温していく。内部ローラ52は外部ローラ51の昇温にともなう放熱によって昇温していく。
ウォームアップ開始時の常温状態から定着温度近傍まで昇温していくと、内部ローラ52と外部ローラ51の線膨張係数の差異に応じて、隙間Dが徐々に小さくなり、定着温度近傍の所定温度になると、外周部52aは内周部51aに当接する。
内部ローラ52が外部ローラ51に当接すると、内部ローラ52の熱伝導率が相対的に大きいので、外部ローラ51に温度の高い部位があると、外部ローラ51の高温部の熱が内部ローラ52に移動し、内部ローラ52はその熱を蓄積し、外部ローラ51の長手方向の温度ムラが抑制される。
上記第1実施形態によれば、定着装置5は、誘導加熱部30によって加熱される熱ローラ50と、加圧ローラ19に圧接される定着ローラ23と、定着ローラ23と熱ローラ50との間に張架される無端状の定着ベルト26とを備え、定着ベルト26と加圧ローラ19により形成されるニップ部Nで用紙9に転写されたトナー像を溶融定着する。熱ローラ50は、熱伝導率の大きい内部ローラ52と、この内部ローラ52の外周部52aに対面する外部ローラ51とを備え、内部ローラ52の線膨張係数は外部ローラ51の線膨張係数より大きく、且つ外部ローラ51の内周部51aは、ウォームアップ開始時、内部ローラ52の外周部52aに隙間Dを有して対面する。
この構成によると、装置の電源オンにより誘導加熱部30が駆動されると、熱ローラ50は昇温していく。ウォームアップ開始時の熱ローラ50の温度が低いときには、外部ローラ51は、隙間Dを有する内部ローラ52とは独立して、誘導加熱部30によって昇温させられるので、早く昇温して、ウォームアップ時間を短くすることができる。熱ローラ50が定着温度近傍の温度になると、外部ローラ51と内部ローラ52の線膨張係数の差に応じて、内部ローラ52の外周部52aが外部ローラ51の内周部51aに当接する。内部ローラ52が外部ローラ51に当接すると、内部ローラ52は熱伝導率が大きいので、外部ローラ51の高温部の熱が内部ローラ52に移動、蓄積され、外部ローラ51の長手方向の温度ムラが抑制されることにより、外部ローラ51の長手方向の温度分布を均一にすることができる。
尚、上記第1第実施形態では、ベルト定着方式において、熱源としての誘導加熱部30が熱ローラ50の外周側に配置される構成を示したが、本発明はこれに限らず、ベルト定着方式において、熱源としての誘導加熱部が熱ローラの内側に配置される構成してもよい。
(第2実施形態)
図4は、本発明の第2実施形態に係る熱ローラの構成を概略的に示す断面側面図である。尚、図4は、熱ローラの定着用紙幅の範囲で、熱ローラの軸線から上側半分の構成を概略的に示す断面側面図であり、下側半分も上側部と同じ構成である。第1実施形態と異なる、下部ローラの構成について主に説明し、以降、第1実施形態と同じ部分の説明を省略する。
熱ローラ50は、磁性誘導発熱材からなる外部ローラ51と、熱伝導率の大きい材料からなる内部ローラ52とを備え、外部ローラ51と内部ローラ52は図示しない保持部材に保持される。
外部ローラ51は、磁性誘導発熱材である鉄によって円筒形状に形成され、その外側部51bで定着ベルト26を張架する。磁性誘導発熱部材は、誘導加熱部30(図2参照)から発せられる磁束を貫通させ、その磁束の周りに発生する渦電流によって発熱して、外部ローラ51は所定の温度に昇温する。
内部ローラ52は、熱伝導性の大きく、且つ外部ローラ51より線膨張係数の大きい、例えばアルミニウム等の金属で円筒形状に形成される。外周部52aは、定着する用紙幅の範囲に設けられ、長手方向端部の外径が中央部の外径より大きいクラウン形状をなし、長手方向端部で隙間D1を有して、また中央部で隙間D2を有して、外部ローラ51の内周部51aと対面している。隙間D1は隙間D2より小さい。
熱ローラ50は誘導加熱部30(図2参照)によって、ウォームアップ開始時から徐々に加熱され、外部ローラ51と内部ローラ52は、隙間D1、D2離間していると、それぞれ独立して昇温する。外部ローラ51は、誘導加熱部30(図2参照)による磁性誘導によって発熱し、昇温していく。内部ローラ52は外部ローラ51の昇温にともなう放熱によって昇温していく。
ウォームアップ開始時の常温状態から定着温度近傍まで昇温していくと、内部ローラ52と外部ローラ51の線膨張係数の差異に応じて、隙間D1、D2が徐々に小さくなり、定着温度近傍の所定温度になると、外周部52aは、まず長手方向端部が外部ローラ51の内周部51aに当接し、熱ローラ50の温度上昇とともに、徐々に中央部に向けて、内周部51aに当接する。
内部ローラ52の端部が外部ローラ51に当接すると、内部ローラ52の熱伝導率が相対的に大きいので、内部ローラ52の端部では、外部ローラ51の端部に蓄積された熱を内部ローラ52に移動させる。そして、熱ローラ50の温度上昇とともに、外部ローラ51が徐々に中央部に向けて、内部ローラ52に当接すると、外部ローラ51の中央部側に蓄積された熱を内部ローラ52に移動させ、外部ローラ51の長手方向の温度ムラが抑制される。
(第3実施形態)
図5は、本発明の第3実施形態に係る熱ローラの構成を概略的に示す断面側面図である。尚、図5は、熱ローラの定着用紙幅の範囲で、熱ローラの軸線から上側半分の構成を概略的に示す断面側面図であり、下側半分も上側部と同じ構成である。
熱ローラ50は、磁性誘導発熱材からなる外部ローラ51と、熱伝導率の大きい材料からなる内部ローラ52とを備え、外部ローラ51と内部ローラ52は図示しない保持部材に保持される。
外部ローラ51は、磁性誘導発熱材である鉄によって円筒形状を形成され、その外側部51bで定着ベルト26を張架する。磁性誘導発熱部材は、誘導加熱部30(図2参照)から発せられる磁束を貫通させ、その磁束の周りに発生する渦電流によって発熱して、外部ローラ51は所定の温度に昇温する。
内部ローラ52は、熱伝導性の大きく、且つ外部ローラ51より線膨張係数の大きい、例えばアルミニウム等の金属で円筒形状に形成される。外周部52aは、定着する用紙幅の範囲に設けられ、長手方向端部の外径が中央部の外径より大きい段差を有し、長手方向端部で隙間D1を有して、また中央部で隙間D2を有して、外部ローラ51の内周部51aと対面している。隙間D1は隙間D2より小さい。
熱ローラ50は誘導加熱部30(図2参照)によって、ウォームアップ開始時から徐々に加熱され、外部ローラ51と内部ローラ52は、隙間D1、D2離間していると、それぞれ独立して昇温する。外部ローラ51は、誘導加熱部30(図2参照)による磁性誘導によって発熱し、昇温していく。内部ローラ52は外部ローラ51の昇温にともなう放熱によって昇温していく。
ウォームアップ開始時の常温状態から定着温度近傍まで昇温していくと、内部ローラ52と外部ローラ51の線膨張係数の差異に応じて、隙間D1、D2が徐々に小さくなり、定着温度近傍の所定温度になると、外周部52aは、まず長手方向端部が外部ローラ51の内周部51aに当接し、熱ローラ50がさらに温度上昇すると、外周部52aの中央部が内周部51aに当接する。
内部ローラ52の端部が外部ローラ51に当接すると、内部ローラ52の熱伝導率が相対的に大きいので、内部ローラ52の端部では、外部ローラ51の端部に蓄積された熱を内部ローラ52に移動させる。そして、熱ローラ50の温度上昇とともに、外部ローラ51の中央部が内部ローラ52に当接すると、外部ローラ51の中央部の蓄積された熱を内部ローラ52に移動させ、外部ローラ51の長手方向の温度ムラが抑制される。
次に、熱ローラ50の昇温により、外部ローラ51と内部ローラ52との隙間Dが小さくなって当接するが、そのことについて図6に基づいて詳しく説明する。図6は、熱ローラの昇温によって、外部ローラの内径寸法と内部ローラの外径寸法とが変化する状態を示すグラフである。図4のグラフの横軸は熱ローラの温度(℃)を示し、その縦軸は熱ローラの直径(外部ローラの内径、内部ローラの外径、単位はmm)を示す。
外部ローラに対して3通りのサイズの内部ローラを用意した。外部ローラの内径を29mmに設定し、内部ローラAは外径28.5mmに設定し、内部ローラBは外径28.4mmに設定し、内部ローラCは外径28.3mmに設定した。さらに各内部ローラA〜Cは長手方向の中央部にクラウン量0.1mm(中央部が外径で0.1mm小さい)設定してある。尚、これらの外部及び内部ローラの寸法は、ウォームアップ開始時(20℃)のものである。このとき、外部ローラとの各隙間D(直径の寸法差)は、内部ローラAで0.5mm、内部ローラBで0.6mm、内部ローラCで0.7mmとなる。外部ローラは鉄製で、内部ローラA〜Cはアルミニウム製である。
図6から明らかなように、昇温していくと、内部ローラAは略160℃で外部ローラに当接し、内部ローラBは略180℃で外部ローラに当接し、内部ローラCは略200℃で外部ローラに当接することになる。
この結果、外部ローラと内部ローラBを組み合わせた熱ローラを用いた定着装置は、外部ローラと内部ローラをウォームアップ開始時から当接させた熱ローラを用いた装置に比べて、ウォームアップ時間を略15秒短縮することができ、またA5サイズ用紙を500枚定着したとき、外部ローラ端部の過昇温を略10℃下げることができる。
内部ローラBのように、略180℃(定着温度)で外部ローラに当接し、ウォームアップ時間の短縮とローラ端部過昇温の抑制との両方を満足させるのがよいが、画像形成装置の製品仕様によっては、ウォームアップ時間を一層短縮すること、または、種々の用紙サイズに対してもローラ温度分布を一層均一にすることの、どちらかを優先して要求されることがある。この場合には、内部ローラと外部ローラの当接する温度を略180℃から所定の範囲で設定するのがよい。
ウォームアップ時間の短縮を優先させるときは、内部ローラと外部ローラの当接する温度を略180℃より上昇させるのがよい。そのために隙間Dを大きくする。隙間Dを1mm以下の範囲で大きくするのなら、ウォームアップ時間を一層短縮することができ、外部ローラの温度分布の均一化に支障をきたすおそれがない。
一方、ローラ温度分布の均一化を優先させるときは、内部ローラと外部ローラの当接する温度を略180℃より下げるのがよい。そのために隙間Dを小さくする。隙間Dを0.5mm以上の範囲で小さくするのなら、ローラ温度分布の均一化が一層図られ、ウォームアップ時間の短縮に支障をきたすおそれがない。
上記第2及び第3実施形態によれば、長手方向端部の隙間D1は長手方向中央部の隙間D2より小さい。
この構成によると、熱ローラ50が昇温していくと、内部ローラ52の長手方向端部は内部ローラ52長手方向中央部より低い温度で外部ローラ51に当接し、外部ローラ51の端部の熱が内部ローラ52に移動、蓄積されるので、小さいサイズの紙で印刷する場合、端部の過昇温を防止することができる。
尚、上記第2及び第3実施形態では、長手方向端部の隙間D1が長手方向中央部の隙間D2より小さくなるように、外部ローラ51を円筒形状にし、内部ローラ52の外周部52aをクラウン形状、または段差を有する形状にする構成を示したが、本発明はこれに限らず、内部ローラを円筒形状にし、外部ローラの内周部をクラウン形状または段差を有する形状にしてもよい。この場合も上記同様の効果を奏する。
(第4実施形態)
第4実施形態は、第1〜第3実施形態における電磁誘導加熱方式を用いたベルト定着方式に替えて、電磁誘導加熱方式を用いたローラ定着方式に適用したものである。図7は、本発明の第4実施形態に係る定着装置の構成を概略的に示す断面平面図である。図8は、定着装置の熱ローラの構成を概略的に示す断面側面図である。
定着装置5は、加圧ローラ19と、加圧ローラ19に対向して配置される加熱部18を備える。加熱部18は熱ローラ60で構成される。
また、定着装置5は、筒状の熱ローラ60の内側に配される熱源としての誘導加熱部30と、誘導加熱部30に接続される電源41と、熱ローラ60の温度を検知するサーミスタ25及びサーミスタ25の検知温度に基づいて電源41を調整する制御部43とを備える。加圧ローラ19と熱ローラ60は定着装置5の筐体(図略)に回転可能に軸支され、誘導加熱部30及びサーミスタ25は筐体(図略)に固定保持されている。
加圧ローラ19は、モータ等の駆動源(図略)によって図7の矢印方向に回転駆動して、さらに熱ローラ60をその中心方向に加圧する。これにより、加圧ローラ19が熱ローラ60に圧接し、熱ローラ60が図7の矢印方向に回転し、熱ローラ60と加圧ローラ19との当接する部分にニップ部Nが形成される。このニップ部Nにおいて、用紙9が挟持され、挟持された用紙9を加熱及び加圧させることにより、用紙9上の粉体状態のトナーが溶融定着される。
誘導加熱部30は、励磁コイル31とホビン33とコア35とを備え、電磁誘導により熱ローラ60を加熱するものであり、熱ローラ60内での長手方向に延びて、円筒状の熱ローラ60の内周全域に対向して配される。
銅線の励磁コイル31は、ホビン33の外周に、熱ローラ60の長手方向に同じコイル巻き密度で熱ローラ60周方向に周回するように巻回されている。また励磁コイル31は、電源41に接続されていて、電源41から供給される高周波電流により磁束を発生させる。励磁コイル31から発せられる磁束は、図7の紙面に垂直な方向に発せられ、熱ローラ60の後述する磁性誘導発熱材を貫通する。磁性誘導発熱材の磁束の周りに渦電流が生じ、磁性誘導発熱材内の電気抵抗によってジュール熱が発生して、磁性誘導発熱材が発熱することになる。磁性誘導発熱材の発熱によって、熱ローラ60が加熱される。制御部43は、電源41とサーミスタ25を接続して、サーミスタ25の検知する温度に基づいて、熱ローラ60が所定の温度になるように電源41の電力を制御している。
加圧ローラ19は、合成樹脂、金属その他材料から構成される円筒形状の基材19aと、基材19a上に形成されニップ部Nへ弾性を付与するシリコンゴムの弾性層19bと、この弾性層19bの表面を覆って、ニップ部Nで未定着トナー像を溶融定着する際の離型性を向上させるフッ素樹脂製の離型層19cとを備える。
熱ローラ60は外部ローラ61と内部ローラ62を備える。熱ローラ60を図8に基づいて詳しく説明する。図8は、熱ローラの軸線から上側半分の構成を概略的に示す断面側面図であり、下側半分も上側部と同じ構成である。
熱ローラ60は、磁性誘導発熱材からなる外部ローラ61と、熱伝導率の大きい材料からなる内部ローラ62と、外部ローラ61と内部ローラ62を保持する保持部材63を備える。
外部ローラ61は、磁性誘導発熱材である鉄によって円筒形状に形成され、その外側部61bで加圧ローラ19(図7参照)に圧接し、その内周部61aの両端部で保持部材63のフランジ部63aに保持される。磁性誘導発熱部材(鉄材)は、誘導加熱部30(図7参照)から発せられる磁束を貫通させ、その磁束の周りに発生する渦電流によって発熱して、外部ローラ61は所定の温度に昇温する。
内部ローラ62は、前述のように熱伝導性の大きく、且つ外部ローラ61より線膨張係数の大きい、例えばアルミニウム等の金属で形成される。また、内部ローラ62は、段差のある円筒形状に形成され、外周部62aと保持部62bを有する。外周部62aは、長手方向の中央部から側部における、定着する用紙幅Wの範囲に設けられ、保持部62bは、外周部62aより外径が小さく、内部ローラ62の両端側に設けられる。
保持部62bは保持部材63のフランジ部63bに保持される。尚、保持部材63は、弾性変形の大きいプラスチックで形成され、外部ローラ61と内部ローラ62の熱膨張によって径方向に寸法変化があっても、弾性変形の範囲内で保持しうるように、外部ローラ61と内部ローラ62を嵌装している。
内部ローラ62の外周部62aは、外部ローラ61の内周部61aと隙間Dを有して対面している。この隙間Dは、内周部61a(外部ローラ61)と外周部62a(内部ローラ62)との直径の寸法差である。ウォームアップ開始時の常温状態において、この隙間Dは所定の寸法に設定される。熱ローラ60は誘導加熱部30(図7参照)によって、ウォームアップ開始時から徐々に加熱され、外部ローラ61と内部ローラ62は、隙間D離間していると、それぞれ独立して昇温する。外部ローラ61は、誘導加熱部30(図7参照)による磁性誘導によって発熱し、昇温していく。内部ローラ62は外部ローラ61の昇温にともなう放熱によって昇温していく。
ウォームアップ開始時の常温状態から定着温度近傍まで昇温していくと、内部ローラ62と外部ローラ61の線膨張係数の差異に応じて、隙間Dが徐々に小さくなり、定着温度近傍の所定温度になると、外周部62aは外部ローラ61の内周部61aに当接する。
内部ローラ62が外部ローラ61に当接すると、内部ローラ62の熱伝導率が相対的に大きいので、外部ローラ61に温度の高い部位があると、外部ローラ61の高温部の熱が内部ローラ62に移動し、内部ローラ62はその熱を蓄積し、外部ローラ61の長手方向の温度ムラが抑制される。
上記第4実施形態によれば、定着装置5は、誘導加熱部30によって加熱される熱ローラ60と熱ローラ60に圧接する加圧ローラ19とを備え、熱ローラ60と加圧ローラ19により形成されるニップ部Nで用紙9に転写されたトナー像を溶融定着する。熱ローラ60は、熱伝導率の大きい内部ローラ62と、この内部ローラ62の外周部62aに対面する外部ローラ61とを備え、内部ローラ62の線膨張係数は外部ローラ61の線膨張係数より大きく、且つ外部ローラ61の内周部61aは、ウォームアップ開始時、内部ローラ62の外周部62aに隙間Dを有して対面する。
この構成によると、装置の電源オンにより誘導加熱部30が駆動されると、熱ローラ60は昇温していく。ウォームアップ開始の熱ローラ60の温度が低いときには、外部ローラ61は、隙間Dを有する内部ローラ62とは独立して、誘導加熱部30によって昇温させられるので、早く昇温して、ウォームアップ時間を短くすることができる。熱ローラ60が定着温度近傍の温度になると、外部ローラ61と内部ローラ62の線膨張係数の差に応じて、内部ローラ62の外周部62aが外部ローラ61の内周部61aに当接する。内部ローラ62は外部ローラ61に当接すると、内部ローラ62は熱伝導率が大きいので、外部ローラ61の高温部の熱が内部ローラ62に移動、蓄積され、外部ローラ61の長手方向の温度ムラが抑制されることにより、外部ローラ61の長手方向の温度分布を均一にすることができる。
尚、上記第4実施形態では、外部ローラ61の内周部61aと内部ローラ62の外周部62aは、長手方向に均一に隙間Dを有して対面する構成を示したが、本発明はこれに限らず、外部ローラの内周部と内部ローラの外周部のどちらかをクラウン形状、または段差を有する形状にして、長手方向の端部の隙間が中央部の隙間より小さくなる構成にしてもよい。この場合も、小さいサイズの紙で印刷する場合、端部の過昇温を防止することができる。
上記実施形態では、熱源を誘導加熱部30で構成したが、本発明はこれに限らず、熱源としてハロゲンヒータを用い、ベルト定着方またはローラ定着方式等において、熱源によって、熱ローラの外部ローラを主に加熱するように構成してもよい。
本発明は、電子写真方式を利用した複写機、プリンタ、ファクシミリ、それらの複合機に用いる定着装置及びそれを備えた画像形成装置に利用することができる。
は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の全体構成を示す概略平面図である。 は、本発明の第1実施形態に係る定着装置の構成を概略的に示す平面図である。 は、本発明の第1実施形態に係る定着装置の熱ローラの構成を概略的に示す断面側面図である。 は、本発明の第2実施形態に係る熱ローラの要部構成を概略的に示す断面側面図である。 は、本発明の第3実施形態に係る熱ローラの要部構成を概略的に示す断面側面図である。 は、本発明の第2、第3実施形態に係る温度による熱ローラの直径寸法変化を示す図である。 は、本発明の第4実施形態に係る定着装置の構成を概略的に示す断面平面図である。 は、本発明の第4実施形態に係る定着装置の熱ローラの構成を概略的に示す断面側面図である。
符号の説明
1 画像形成装置
5 定着装置
18 加熱部
19 加圧ローラ(加圧部)
23 定着ローラ(定着部材)
25 サーミスタ
26 定着ベルト
30 誘導加熱部(熱源)
50、60 熱ローラ
51、61 外部ローラ
51a、61a 内周部
52、62 内部ローラ
52a、62a 外周部
52b、62b 保持部
53、63 保持部材
53a、53b、63a、63b フランジ部
D 隙間

Claims (7)

  1. 熱源によって加熱される熱ローラを有する加熱部と前記加熱部に圧接する加圧部とを備え、前記加熱部と前記加圧部により形成されるニップ部で用紙に転写されたトナー像を溶融定着する定着装置において、
    前記熱ローラは、熱伝導率の大きい内部ローラと、前記内部ローラの外周部に対面する外部ローラとを備え、
    前記内部ローラの線膨張係数は前記外部ローラの線膨張係数より大きく、且つ前記外部ローラの内周部は、ウォームアップ開始時、前記内部ローラの外周部に隙間を有して対面するとともに、前記熱ローラの長手方向端部の前記隙間は長手方向中央部の前記隙間より小さいことを特徴とする定着装置。
  2. 前記隙間は、1mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記加熱部は、前記加圧部に対向して配置される定着部材と、前記定着部材と前記外部ローラとの間に張架される無端状の定着ベルトとを備え、前記定着ベルトと前記加圧部とがニップ部を形成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記外部ローラは磁性誘導発熱材からなり、前記熱源は、磁束を発生させて該磁束によって前記磁性誘導発熱材を誘導加熱する誘導加熱部を備え、前記誘導加熱部は前記定着ベルトの外周で前記熱ローラに対向配置されることを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  5. 前記外部ローラは前記加圧部に対向して配置され、前記外部ローラと前記加圧部とがニップ部を形成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の定着装置。
  6. 前記外部ローラは磁性誘導発熱材からなり、前記熱源は、磁束を発生させて該磁束によって前記磁性誘導発熱材を誘導加熱する誘導加熱部を備え、前記誘導加熱部は前記熱ローラの内側に配置されることを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の定着装置が搭載された画像形成装置。
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