JP4423986B2 - 定着装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真式の複写機あるいはプリンタ等で用いられ、記録シート上に担持されたトナー像を加熱加圧して定着像とする定着装置に係り、特に、無端状の周面に沿って導電性層を有する定着部材の内部に励磁コイルを有し、前記導電性層に誘導される電流で発熱させる電磁誘導加熱方式の定着装置に関する。
一般に、粉状のトナーを用いる画像形成装置においてトナー像を定着する行程は、トナー像を記録シート上に静電的に転写した後、溶融圧着する方法が広く採用されている。このようにトナー像の定着を行う装置は、表面が加熱される定着部材と、定着部材に圧接された加圧部材とを備えており、定着部材と加圧部材との間に未定着トナー像を担持した記録シートを挟み込んで加熱加圧し、トナー像を記録シートに融着させて定着画像とする。
定着部材としては、円筒状芯金の表面に弾性層および離型層を形成した定着ロールや、耐熱性を有する無端状のフィルム部材等が用いられる。そして、これらの定着部材を加熱する手段として、従来はハロゲンランプ等の発熱体が多く用いられているが、近年になって電磁誘導加熱方式の加熱手段が提案されている。
電磁誘導加熱を行う定着装置には、いくつか形態の異なるものが提案されているが、例えば、特許文献1に開示されているように、導電性のロールを定着部材として用い、その内側にロールの周面に沿って螺旋状に巻き回されたコイルを配置するものがある。この装置では、上記コイルに高周波電流を供給することにより、コイルの中心軸線に沿った磁束が形成される。そして、ロールの周方向に、上記磁界の形成を妨げる方向の渦電流が発生し、ロールの抵抗に応じたジュール発熱が生じる。
このような電磁誘導加熱方式の定着装置では、定着部材を直接に加熱することができ、他の部材の温度を上昇させる必要がないので、極めて短い時間で定着部材を加熱することができる。このため、ハロゲンランプ等の発熱体を用いる場合に比べ、効率良く装置のウォーミングアップを行うことができる。
特開2002−23533号公報
しかしながら、上記のような定着装置では次のような問題点がある。
定着装置に送り込まれる用紙には、大サイズのものや小サイズのものがあり、小サイズの用紙を連続通紙した場合には、定着部材は、通紙領域で用紙に多くの熱が奪われる。そしてこの部分で適正な温度が維持されるように励磁コイルへの電力が供給される。これに対して、非通紙領域では熱を奪われないため、通紙領域より温度が上昇し、極めて高温になってしまうおそれがある。その結果、その後に大サイズの用紙が送られてきたときに画質に欠陥が生じるだけでなく、定着部材に損傷が生じたり、定着部材の耐久性が低下することがある。
これらの問題を解決するために、上記特許文献1に記載の装置では、励磁コイルの内側にブロック状の磁性コアを中心軸線に沿って複数個配置するものとし、小サイズの用紙を用いたときの非通紙領域にはキュリー温度の低いコアを配置し、通紙領域にはキュリー温度の高いコアを配置している。このような定着装置では、非通紙領域で定着部材の温度が上昇すると、磁性コアの温度も上昇し、非通紙領域に配置された磁性コアの温度がキュリー点に達する。そして、コアの磁性が急激に低減され、磁束を集中させる機能が低下して非通紙領域における定着ロールの発熱量が低減される。
しかし、この定着装置では非通紙領域に配置されたキュリー温度の低い全てのコアの磁性が低減され、これらのコアの温度がキュリー点以下であるときと、高周波電流を供給するインバータ電源の負荷が大きく変動することになる。このため、安定して励磁コイルに高周波電流を供給し続けるのが難しくなる。
本願発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、非通紙領域の異常な温度上昇を抑えるとともに、インバータ電源の負荷変動を軽減し、励磁コイルへ安定した高周波電流を供給して適切なトナー像の加熱及び加圧を行う定着装置を提供することである。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、 無端状の周面を有し該周面に沿って導電性層を備える定着部材と、該定着部材に圧接される加圧部材と、前記定着部材を加熱する加熱装置とを有し、該定着部材と前記加圧部材との間にトナー像が担持された記録シートを送り込み、前記記録シート上のトナー像を加熱及び加圧して、該記録シート上に定着する定着装置であって、 前記加熱装置は、前記定着部材の内側に支持され、該定着部材の無端状の周面に沿って螺旋状に巻き回された励磁コイルと、該励磁コイルの内側でその軸線方向に配列された複数のブロック状の磁性コアとを備え、 複数の前記磁性コアは、キュリー温度が画像定着時の磁性コアの温度より高温で、前記励磁コイルの耐熱温度より低温である材料からなる磁性コアAと、キュリー温度が前記磁性コアAより高温となる材料からなる磁性コアBとからなり、磁性コアAと磁性コアBとが規則的に繰り返し同一直線上に配列されている定着装置を提供する。
この定着装置では、励磁コイルへ高周波電流を供給することによって定着部材の導電性層に周方向の渦電流が生じ発熱する。また、磁性コアには残留磁化が生じることから、磁性コアの磁気ヒステリシスによる損失が生じ、磁性コアも発熱する。そして、用いる記録シートが小サイズであるときには、記録シートの幅方向つまり励磁コイルの軸線方向に温度差が生じる。しかし、高温部分の温度が磁性コアAのキュリー温度より高温になると、磁性コアAは急激に磁性を失い、磁束を集める機能が低下する。このため、上記キュリー温度より高温となった部分では、定着部材の発熱量が低下し、温度上昇が抑制される。したがって、高温部分の温度が過度に上昇するのが防止される。
また、磁性コアはキュリー温度の低い磁性コアAと、キュリー温度の高い磁性コアBとが規則的に繰り返し配置されており、温度が上昇して磁性コアAのキュリー点に達したとき磁性コアAのみの磁性が先に低下する。このため、発熱量の抑制が行われるにもかかわらず、インバータ電源の負荷は大きく変動せず、発振停止等の事態を回避して安定した電力供給が可能となる。
なお、上記磁性コアAのキュリー温度は、トナー像定着時における磁性コアの温度より高温に設定されているので、定着部材の表面が定着に適した温度まで上昇され維持されている領域では、定着部材の発熱量が抑制されることはなく、トナー像の定着に支障が生じたり定着不良を起こすことはない。
請求項2に係る発明は、 請求項1に記載の定着装置において、前記磁性コアAと磁性コアBとが規則的に繰り返し配列される範囲は、該定着装置による画像定着が可能な最小サイズの記録シートを用いたときに該記録シートが通過しない領域に限定され、該最小サイズの記録シートが通過する領域には磁性コアBのみが配列されているものとする。
この定着装置では、最小サイズの記録シートを使用するときには、広い範囲が非通紙領域となるが、この範囲にキュリー温度の低い磁性コアAが配置されているので、非通紙領域の温度上昇を有効に抑制することができる。また、最小サイズよりやや大きいサイズの記録シートを用いたときには、通紙領域は広く、非通紙領域は小さくなるが、通紙領域は記録シートに熱を奪われて過度の温度上昇はなく、非通紙領域は温度が上昇するが、磁性コアAの磁性が低下することによって過度の温度上昇が抑制される。したがって、最小サイズの記録シートから最大サイズの記録シートまでのいずれのサイズの記録シート用いたときにも、通紙領域では定着に適切な温度を維持し、非通紙領域では異常な高温になるのが防止される。
以上説明したように、本願発明にかかる定着装置では、定着部材の非通紙領域の異常な温度上昇を抑えるとともに、インバータ電源の負荷変動を小さく抑え、励磁コイルへの安定した高周波電流の供給が可能となる。また、小サイズの記録シートの使用を可能とすることによって非通紙領域が拡大された場合でも、非通紙領域の過度の温度上昇を有効に抑えることができ、多様なサイズの用紙に対応した装置とすることができる。
以下、本願に係る発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本願発明の一実施形態である定着装置を備える画像形成装置の概略構成図である。
この画像形成装置は、一様帯電後に像光を照射することによって表面に静電電位の差による潜像が形成される感光体ドラム1を備えており、この周囲に、感光体ドラム1の表面を一様に帯電させる帯電装置2と、感光体ドラム1に像光を照射して表面に潜像を形成する露光装置3と、感光体ドラム1上の潜像にトナーを選択的に転移させてトナー像を形成する現像装置4と、感光体ドラム1と対向し、記録シートを挟んで感光体ドラム1との間に転写バイアス電界を生成する転写ロール5と、トナー像の転写後に感光体ドラム1に残留するトナーを除去するクリーニング装置6とが設けられている。
そして、感光体ドラム1と転写ロール5との対向部に用紙トレイ(図示しない)から記録シートPを供給するようになっており、下流側には記録シートP上に転写された未定着トナー像を加熱溶融し記録シートPに圧着する定着装置7が設けられている。
感光体ドラム1は、金属製ドラムの表面に有機感光材料、アモルファスセレン系感光材料、アモルファスシリコン系感光材料等からなる感光体層を形成したものを用いることができる。
帯電装置2は、ステンレススチール、アルミニウム等の導電性を有する金属のロールに高抵抗材料のコーティングを施したものであり、感光体ドラム1に当接され、従動回転するようになっている。そして、所定の電圧が印加されることにより、該ロールと感光体ドラム1との接触部近傍における微小間隙内で継続的な放電を生じ、感光体ドラム1の表面をほぼ一様に帯電するものである。
露光装置3は、画像信号に基づいて点滅するレーザー光を発生し、これをポリゴンミラーによって感光体ドラム1の主走査方向にスキャンするものであり、これにより感光体ドラム1の表面に静電潜像を形成する。
現像装置4は、ブラックのトナーを収容しており、感光体ドラム1と近接・対向し、感光体ドラム1上の潜像に対応して選択的にトナーを転移し、可視像を形成するものである。
転写ロール5は、導電性もしくは半導電性のロール状部材からなり、感光体ドラム1との間に転写用バイアス電圧を印加することによって、感光体ドラム1上のトナー像を記録シートPに転写する。
クリーニング装置6は、感光体ドラム1の表面にブレードを圧接し、感光体ドラム1上に残留するトナーを掻き取るように除去するものである。また、ブレードに代えて、ロール状部材によってトナーを掻き取ったり、ブラシによってトナーを掃き出すものであってもよい。
図2は、上記定着装置の概略断面図であり、図3は、図2に示す定着装置で用いられている定着ロール及び電磁誘導加熱装置の軸線方向の断面図であり、図4は、図2に示す定着装置の定着ロールに発生する誘導電流の状態を示す概略図である。
この定着装置7は、本願発明の一実施形態であって、中心軸回りに回転が可能に支持された定着ロール11と、この定着ロール11と平行に圧接されて回転する加圧ロール12と、定着ロール11の内部に配置され、該定着ロール11の周面を加熱する電磁誘導加熱装置13と、この電磁誘導加熱装置に高周波電流を供給する電源装置14と、この電源装置から電磁誘導加熱装置に供給される電流を制御する制御装置15と、定着ロール11の周面の温度を検出する温度検出装置16とで主要部が構成されている。
上記定着ロール11は、導電性を有する金属製の円筒状芯金11aと、該円筒状芯金11aの上に積層された表面離型層11bとで構成されており、図3に示すようにフランジ17によって画像形成装置の本体フレーム18に支持されている。
円筒状芯金11aは、例えば鉄、磁性ステンレス、ニッケルなどの磁性金属、またはこれら主体の合金を、厚さ200μm〜1mmの円筒状に形成したものが用いられ、電磁誘導で十分な発熱が得られるような固有抵抗値となるように材質及び厚さが選択される。本実施例では、円筒状芯金11aは、厚さ0.5mmの鋼によって形成されている。表面離型層11bは、厚さ30μm程度の離型性の高いシート又はコート層であることが好ましく、例えばフッ素樹脂層を用いることができる。
上記加圧ロール12は、金属製の円筒状芯金12aを芯材とし、該芯金12aの表面にスポンジやゴムなどの弾性層12bと、更にその表面にフッ素樹脂等からなる離型層12cとを備えている。
上記温度検出装置16は上記定着ロール11の表面の温度を検出し、この検出値を制御装置15に入力するものとなっている。温度を検知するセンサは熱電対やサーミスタ等の接触式のセンサを用いることができるが、非接触式の赤外線センサ等を用いることもできる。
上記電磁誘導加熱装置13は、定着ロール11の内側で同軸上に支持された円筒状のコイル支持部材(ボビン)13aと、コイル支持部材13aに巻き回された螺旋状の励磁コイル13bと、コイル支持部材13aの内側に、定着ロール11の軸線方向に沿って空間を隔てて配列された複数のブロック状の磁性コア13cとで主要部が構成されている。
励磁コイル13bは、本実施例では、互いに絶縁された銅線材を複数本束ねたリッツ線が用いられており、連続したリッツ線がコイル支持部材13aの周面に巻き回されている。
上記コイル支持部材13aは定着ロール11の内側で、回転する定着ロール11とは隔離され、本体フレーム18によって固定支持されている。コイル支持部材13aは、耐熱性のある非磁性材料を用いることが望ましく、ポリカーボネイト、PPS(ポリフェニレンサルファイド)等の耐熱性樹脂、耐熱ガラス又は液晶ポリマー等が用いられる。
磁性コア13cは、キュリー点温度Tcが画像定着時の磁性コアの温度Toより高温で、励磁コイル13bの耐熱温度より低温である材料からなる磁性コアAと、キュリー温度Tcが磁性コアAより高温である材料からなる磁性コアBとを含むものであり、磁性コアAと磁性コアBとが規則的に繰り返し同一直線上に配列される。図2に示すように、この例では磁性コアAと磁性コアBとが交互に配列され、その範囲は、この定着装置7による画像定着が可能な最小サイズの記録シートを用いたときに、記録シートが通過しない非通紙領域Xに限定されている。そして、通紙領域Yには磁性コアBのみが配列されている。
磁性コアA、Bは、それぞれが定着ロール11の周面の幅方向つまり定着ロール11の軸線方向に一定の長さLを有しており、互いに隣り合うコア間の隙間dは、同じ空間長さとなるように配列されている。この実施の形態では、一つの磁性コアの長さLは約20mmに、隙間dは約2mmに、それぞれ設定されている。
この実施形態では、非通紙領域Xにおいて、磁性コアAと磁性コアBとが一つおきに交互に配置されているが、配置の仕方はこれに限定されるものではなく、磁性コアBを2個又は3個配列する毎に磁性コアAを1個配列するパターンでもよいし、磁性コアBを1個配列する毎に磁性コアAを2個又は3個続けて配置するパターン等であってもよい。また、磁性コアAが通紙領域Yに配置されていてもよい。
磁性コア13cとしては、Mn-Zn系フェライト、Ni-Zn系フェライトおよびMn-Mg系フェライトなどの軟磁性を備えるソフトフェライトや、アモルファス合金または積層鋼板などが用いられ、含有する成分によってキュリー温度Tcの調整がなされたものである。そして、磁性コアAはキュリー温度Tcが低く設定されており、磁性コアBはキュリー温度Tcが磁性コアAより高くされている。ただし、上記磁性コアAのキュリー温度Tcも、定着ロール11の表面がトナー像の定着に適した温度に加熱され維持されているときの磁性コアの温度より高温に設定されている。
上記電源装置14は、上記励磁コイル13bに高周波電流を供給するものであり、電流値、電圧値、周波数等を変更することができるものとなっている。そして、制御装置15が、温度検出装置16による検出値に基づき、電源装置14から出力される電流のON/OFF及び電力値・周波数を制御し、定着ロール11の表面がトナー像の定着に適した温度に維持されるように制御するものとなっている。
このような定着装置7では、未定着のトナー像を担持した記録シートPが搬送されてくると、定着ロール11と加圧ロール12との間に送り込まれる。上記定着ロール11及び加圧ロール12は、駆動モータ(図示しない)により回転駆動されており、さらに定着ロール11は電磁誘導加熱装置13によって周面が所定の温度に加熱される。上記定着ロール11の加熱は次のように行われる。
電源装置14から励磁コイル13bに高周波電流が供給されると、図4に示すように、定着ロール11周面の幅方向(矢印a方向)に磁界が生成消滅を繰り返す。この磁界の変化を妨げる磁界を生じるように円筒状芯金11aには周方向(矢印b方向)の誘導電流が発生し、該円筒状芯金11aの表皮抵抗に比例してジュール発熱する。これにより、定着ロール11の周面が加熱される。定着ロール11の表面温度は、温度検出装置によって検知され、トナー像の定着を行うときには、通紙領域で100℃〜220℃くらいに設定される。
トナー像が担持された記録シートは、上記のように加熱された定着ロール11と加圧ロール12との間に送り込まれ、加熱されるとともに加圧される。これにより、熱可塑性樹脂をバインダとするトナーが溶融し、記録シートに圧着されて定着画像となる。
上記のように定着ロール11と加圧ロール12との間に送り込まれる記録シートとしては、通常複数種のサイズのものが使用される。最大サイズの記録シートに担持されたトナー像を定着するときには、記録シートが定着ロール11の軸線方向のほぼ全域を通過し、励磁コイル13bに高周波電流が供給されることによって、定着ロール11は軸線方向に沿ってほぼ一様に発熱し、定着ロール11表面の温度もほぼ一様に維持されている。したがって、最大サイズの記録シート上に担持されたトナー像は、一様な条件で定着され、良好な定着画像となる。
一方、小サイズの記録シートにトナー像を定着するときには、記録シートが定着ロール11の軸線方向の一部のみを通過する。例えば定着ロール11の幅方向における中央部で記録シートの位置合わせを行うときには中央部付近だけが通紙領域となり、一方の縁で記録シートの位置を合わせる装置では、位置合わせをする側の一部のみが通紙領域となる。そして、その他の非通紙領域は記録シートが通過せず、定着ロール11と加圧ロール12とが直接に圧接されるが、定着ロール11は励磁コイル13bによって形成される磁束にしたがって発熱する。
上記のように小サイズの記録シートに担持されたトナー像の定着時には、通紙領域で温度が測定され、定着に適切な温度に維持されており、通過する記録シート及びトナーに奪われる熱量を充分に補充するように、定着ロールが発熱する。このとき非通紙領域では、記録シート及びトナーに熱が奪われることはなく、供給される熱量が過剰となって非通紙領域に対応する部分の定着ロール及び磁性コアの温度が上昇する。そして、磁性コアの温度が低く設定された磁性コアAの温度がキュリー点に達すると、磁性コアAの磁性が失われ、磁束を集める機能が低下して磁性コアAと対応する部分で定着ロールの発熱量が減少する。したがって、図5に示すように非通紙領域の発熱量は、位置によって一様ではなくなるが、全部のコアが磁性を維持しているとき(図5中に破線で示す曲線イ)に比べて減少する。これにより、定着ロール、励磁コイル及び磁性コアの温度上昇が抑制され、図6に示すように、非通紙領域の温度分布は一様ではなくなるが、許容される温度の範囲に抑えられる。したがって、励磁コイルの損傷等が防止される。
図7は、非通紙領域に配置される全ての磁性コアのキュリー温度を低く設定した比較例の定着装置における発熱量の分布を示したものであり、上記のような本願発明に係る定着装置における定着ロールの発熱量の分布(図6)と比較する。
非通紙領域に配置される全ての磁性コアのキュリー温度を低く設定すると、非通紙領域の温度が上昇し、この温度がキュリー点に達したときの発熱量は、図7中に実線で示すように本願発明に係る定着装置より大きく低減される。しかし、非通紙領域の全域でコアの磁性が失われるために、励磁コイルへの通電によって生成される磁束の分布が大きく変動し、インバータ電源の負荷が大きく変動する。
これに対し、本願発明に係る定着装置における発熱量を低減する効果は、図6に示すように、比較例の定着装置よりは小さい。しかし、散逸する熱量との均衡によって定着ロール等の温度の上昇を抑制することができれば、低減量を過度に大きくする必要はない。また、本願発明に係る定着装置では、非通紙領域に配置されたコアの全部が磁性を失うのではなく、一部のみが磁性を失うものであり、磁束の状態の変化が少なく、インバータ電源の負荷変動を小さく抑えることができる。したがって、キュリー温度の低い磁性コアAとキュリー温度の高い磁性コアBとの配置・配列によって、定着ロールの温度上昇を抑制することと、インバータ電源の負荷変動を小さく抑えることとの両立が可能となるものである。
なお、使用する記録シートのサイズが、最大サイズと最小サイズのとの中間にある中サイズのものであるときには、連続して定着を行うと定着ロール等の軸方向の温度分布が、使用する記録シートのサイズに応じた非通紙領域で上昇し、この部分に配置された磁性コアAのみの磁性が失われる。したがって、定着ロールの発熱量の分布は、図6に破線で示す曲線ロのようになり、非通紙領域では図8に示すような温度分布となるが過度の温度上昇が抑えられる。また、通紙領域ではキュリー温度の低い磁性コアAが配置されていても定着に適切な温度が維持される。
次に、本願発明の他の実施形態について説明する。
図9は本願発明の他の実施形態である定着装置の概略断面図である。
この定着装置は、図2に示す装置の定着ロールに代えて、無端状の定着ベルト21を用いたものであり、この定着ベルト21が加圧ロール22に圧接され、これらの間に未定着トナー像を担持した記録シートが送り込まれる。定着ベルト21は、ポリイミド等の耐熱性樹脂フィルムを基層21aとし、その上に電磁誘導による発熱層21bとして厚さが5μmの銅層が積層されたものである。また、銅層の上にはフッ素樹脂からなる離型層(図示しない)が形成されている。定着ベルト21の内側には円筒状の走行ガイド23が配置されており、この走行ガイド23に支持された圧力パッド24によって定着ベルト21が加圧ロール22に押圧されている。そして、加圧ロール22の回転に従動し、走行ガイド23に案内されて周回移動するものとなっている。
電磁誘導加熱装置25は円筒状の走行ガイド23の内側に配置されており、図1に示す定着装置で用いられるものと同じ構成を備えている。磁性コア25cは複数のブロック状に分割され、コイル支持部材25aの内側に空間を隔てて配列されている。そして、励磁コイル25bに電源装置(図示しない)から交番電流が供給され、定着ベルト21の発熱層21bに周方向の電流を誘導して発熱させるものとなっている。
この定着装置の場合も、図2に示した定着装置と同様に、定着部材の非通紙領域の異常な温度上昇を抑えるとともに、インバータ電源の負荷変動を小さくし、励磁コイルへ高周波電流の供給を安定して行うことが可能となる。
本願発明の一実施形態である定着装置を備える画像形成装置の概略構成図である。 本願発明の一実施形態である定着装置の概略断面図である。 図2に示す定着装置が備える定着ロール及び電磁誘導加熱装置の軸線方向の断面図である。 図2に示す定着装置の定着ロールに発生する誘導電流の状態を示す概略図である。 図2に示す定着装置における、定着ロールの発熱量の分布と磁性コアとの関係を示す概略図である。 図2に示す定着装置における、定着ロールの周面の温度分布と磁性コアとの関係を示す概略図である。 従来の定着装置における、定着ロールの発熱量の分布と磁性コアとの関係を示す概略図である。 図2に示す定着装置に異なるサイズの記録シート連続して通過させたときの、定着ロールの周面の温度分布と磁性コアとの関係を示す概略図である。 本願発明の他の実施形態である定着装置の概略断面図である。
1:感光体ドラム、 2:帯電装置、 3:露光装置、 4:現像装置、 5:転写ロール、 6:クリーニング装置、 7:定着装置、 P:記録シート、 11:定着ロール、 12、22:加圧ロール、 13、25:電磁誘導加熱装置、 13a、25a:コイル支持部材、 13b、25b:励磁コイル、 13c、25c:磁性コア、 A:キュリー温度の低い磁性コア、 B:キュリー温度の高い磁性コア、 14:電源装置、 15:制御装置、 16:温度検出装置、 17:フランジ、 18:本体フレーム、 21:定着ベルト、 23:走行ガイド、 24:圧力パッド

Claims (2)

  1. 無端状の周面を有し該周面に沿って導電性層を備える定着部材と、該定着部材に圧接される加圧部材と、前記定着部材を加熱する加熱装置とを有し、該定着部材と前記加圧部材との間にトナー像が担持された記録シートを送り込み、前記記録シート上のトナー像を加熱及び加圧して、該記録シート上に定着する定着装置であって、
    前記加熱装置は、前記定着部材の内側に支持され、該定着部材の無端状の周面に沿って螺旋状に巻き回された励磁コイルと、該励磁コイルの内側でその軸線方向に配列された複数のブロック状の磁性コアとを備え、
    複数の前記磁性コアは、キュリー温度が画像定着時の磁性コアの温度より高温で、前記励磁コイルの耐熱温度より低温である材料からなる磁性コアAと、キュリー温度が前記磁性コアAより高温となる材料からなる磁性コアBとからなり、磁性コアAと磁性コアBとが規則的に繰り返し同一直線上に配列されていることを特徴とする定着装置。
  2. 前記磁性コアAと磁性コアBとが規則的に繰り返し配列される範囲は、該定着装置による画像定着が可能な最小サイズの記録シートを用いたときに該記録シートが通過しない領域に限定され、該最小サイズの記録シートが通過する領域には磁性コアBのみが配列されていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
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