JP2005092069A - 定着装置 - Google Patents

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茂彦 長谷波
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Abstract

【課題】 無端状の周面を有する定着部材を電磁誘導加熱装置により加熱を行う定着装置において、複数の小サイズの磁性体コアを励磁コイルの内側に配列し、加熱装置の発熱量及び発熱効率を最適にする。また、定着部材の表面温度を適切に制御し、良好な定着を行い欠陥のないトナー像を得る。
【解決手段】 この定着装置では、複数のブロック状の磁性体コア16を励磁コイル13bの内側に一定の間隔をもって同一直線上に配列することにより、励磁コイルのインピーダンスの調整を可能にし、発熱量及び発熱効率を最適にできる。また、温度検知センサ17を定着部材11の幅方向における一つのコア寸法の中心と対応する位置dに配置することにより、定着部材の表面温度を適切に制御でき、良好なトナー像を得ることができるだけでなく、高温による定着部材の損傷を防止することができる。
【選択図】 図3

Description

本願に係る発明は、電子写真式の複写機あるいはプリンター等で用いられ、記録媒体上に担持されたトナー像を加熱加圧して定着像とする定着装置に係り、特に、無端状の周面に沿って導電性層を有する定着部材の内部又は外部に励磁コイル有し、前記導電性層に誘導される電流で発熱させる電磁誘導加熱方式の定着装置に関する。
一般に、粉状のトナーを用いる画像形成装置においてトナー像を定着する工程は、トナー像を記録媒体上に静電的に転写した後、定着装置によってトナー像を記録媒体に溶融圧着する方法が広く採用されている。前記定着装置は、表面が加熱される定着部材と、定着部材に圧接された加圧部材とで構成されており、定着部材と加圧部材との間に未定着トナー像を担持した記録媒体を挟み込んで加熱加圧し、トナー像を記録媒体に融着させて定着画像を形成する。定着部材としては、円筒状芯金の表面に弾性層及び離型層を形成した定着ロールや、耐熱性を有する無端状のフィルム部材であって内側に圧接部材が設けられているもの、又は複数の支持ロールに掛け回された無端状の定着ベルト等が用いられる。これらの定着部材の内側にはハロゲンランプ等の発熱体が配置されており、この発熱体の輻射熱又は接触熱によって、定着部材の周面がトナー像を加熱溶融するのに適切な温度に加熱される。しかし、ハロゲンランプ等の発熱体を用いる場合、発熱体に電力を投入後、該発熱体の熱が定着部材の芯金や各層に伝達し、定着部材の表面が所定の温度に達するまでに時間を要する。このため、装置が起動する時や待機状態から復帰する時、定着部材のウォーミングアップに時間を要するとともに消費電力が大きくなってしまう。
このような事情から、定着部材を加熱する手段として、定着部材に導電性層を設け、電磁誘導加熱によって該導電性層を発熱させるものが知られている。電磁誘導による加熱を行なう装置には、変動磁界を発生する励磁コイルを導電性層と対向するように配置し、励磁コイルの対向領域の周辺部で導電性層に渦電流を発生させるものと、無端状となった定着部材の内側に、周面に沿って螺旋状に巻き回された励磁コイルを配置し、導電性層の周方向に誘導電流を発生させるものとが提案されている。これらはいずれも誘導された電流によって導電性層がジュール発熱するものであり、電磁誘導加熱によれば、極めて短い時間で定着部材を直接に加熱することができる。このため、ハロゲンランプ等の発熱体を用いる場合に比べ、効率良く装置のウォーミングアップを行うことができる。
また、電磁誘導加熱方式の定着装置において、定着ロールを加熱するために、高周波磁界を発生させる励磁コイルと、鎖交磁束を増大させるフェライト等からなる磁性体コアとを備え、励磁コイルの高インダクタンス化を図り、発熱効率を向上させた定着装置が提案されている(特許文献1)。この定着装置では、小サイズの磁性体コアを空間を隔てて配列する構成とされているが、搬送されてくる記録用紙が小サイズの場合、コイルの両端側に配置した磁性体コアを駆動装置によって定着部材の通紙領域に移動させ通紙領域の発熱量を増加させるものとなっている。このような構成では、つくられる磁束が複雑に分布し、定着部材周面における温度も大きな高低差が生じ易くなる。
特開2002−229380
上記のように、無端状の周面を有する定着部材を電磁誘導加熱により加熱を行う定着装置では、次のような解決が望まれる課題がある。
高透磁率、高抵抗率であるフェライト等からなる磁性体コアは、定着部材の周面の幅方向の全域にわたって連続するものを用いると、定着部材の表面を幅方向にほぼ均等に加熱することができる。しかし、長い棒状のコアを製作する必要があり、磁性体コアの製作費用が多大となる。一方、励磁コイルを保持するボビン内に、複数のブロック状の磁性体コアを配置する構成をとれば、磁性体コアを汎用的に用いることができ、安価に構成することができる。しかし、ブロック状の磁性体コアが間隔を隔てて配置されていると、磁束が複雑に分布し、定着部材の周面で温度分布にムラが生じる。その結果、定着部材の周面温度を適切にモニタすることが難しくなり、画質欠陥や定着部材の寿命が短くなるおそれがある。
本願に係る発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、励磁コイルに磁性体コアを用いた電磁誘導加熱方式の定着装置において、適切な温度検出をすることにより定着部材の表面の温度を制御し、良好に定着されたトナー画像を得ることである。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、無端状の周面を有し、該周面が周回移動するように支持された定着部材と、 前記定着部材の周面を加熱する加熱装置と、 前記定着部材の外周面に当接され、該定着部材の周面の幅方向にほぼ均等な力で押圧される加圧部材と、 前記定着部材の表面温度を検知する温度検知センサと、 該温度検知センサにより検知された温度により前記加熱装置の出力を制御する制御装置とを有し、 前記定着部材と前記加圧部材との間を通過する記録媒体上の未定着トナー像を、加熱及び加圧して該記録媒体に定着する定着装置であって、 前記加熱装置は、前記定着部材の内部又は外部に配置され、該定着部材が有する導電性層に電流を誘導して発熱させる励磁コイルを有し、該励磁コイルの内側には、複数のブロック状の磁性体コアが前記定着部材周面の幅方向に各々空間を隔ててほぼ同一直線上に配列されており、 前記温度検知センサは、前記定着部材周面の幅方向における一つの磁性体コア寸法の略中心と対応する位置に配置されていることを特徴とする定着装置を提供する。
上記定着装置が有する励磁コイルに高周波電流を供給すると、励磁コイルの周辺に磁束が生成消滅を繰り返し、定着部材が有する導電性層に誘導電流を生じる。この誘導電流によって導電性層がジュール発熱し、定着部材が加熱される。
このとき、励磁コイルの巻き回された巻線の内側に磁性体コアが配置されていると、磁束が磁性体コアに誘導され、効率の良い加熱が可能となるが、供給される電流値又は周波数が大きい場合に磁気飽和が発生し、磁性体コアに残留磁化が生じることから磁性体コアの磁気ヒステリシスによる損失が生じて磁性体コアが発熱する。このような磁気ヒステリシスによる損失を解消し、効率の良い加熱を行うためには、磁性体コアの形態を変更して励磁コイルのインダクタンスを調整することが有効であり、複数のブロック状の磁性体コアを一列に並べた配置では容易にインダクタンスの調整が可能となる。これにより、励磁コイルに高周波電流を供給する励磁回路の発信器との共振条件を調整することもでき、発熱量及び発熱効率の最適化を図ることが可能となる。
また、本発明の定着装置における加熱装置では、定着部材の周面の幅方向に配列された磁性体コアのそれぞれの間に空間が設けられているので、定着部材の幅方向に形成される磁束の密度が均一ではなくなる。つまり、磁性体コアに対応した部分では磁束密度が高く、これに対応した部分では定着部材の導電性層に多くの誘導電流が生じ、発熱量が多くなる。これに対し、磁性体コア間の空隙部分と対応した部分では定着部材の導電性層に生じる誘導電流の量が少なく発熱量が少なくなる。したがって、定着部材の周面の幅方向における温度分布に高低差が生じる。
これに対し、本発明の定着装置では、温度検知センサが、複数が配列された磁性体コアの1つの中心に対応する位置、つまり、誘導電流が多く発生している位置に配置した構成とされているので、定着部材の周面の温度が高くなる位置において温度を測定することができる。そして、検知される温度の上限をあらかじめ設定しておき、加熱装置の出力を制御することにより、定着部材の周面が過度に加熱されるのを防止し、高温度に起因する画質欠陥や、定着部材の熱劣化を防止することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の定着装置において、前記温度検出センサは、複数が配置され、第一の温度検知センサは、通紙領域における一つの磁性体コア寸法の略中心と対応する位置に配置され、第二の温度検知センサは、非通紙領域における一つの磁性体コア寸法の中心と対応する位置に配置されているものとする。
この定着装置では、定着部材周面の通紙領域の最高温度と、非通紙領域の最高温度を比較制御することができる。つまり、非通紙領域は送り込まれた記録シートに熱を奪われることがなく、ここに配置された第二の温度検知センサは、通紙領域よりも高い温度を検知することになるが、予め設定されている定着部材の耐熱温度以上の温度を検知すると出力電力を低減又は電力供給を停止するよう制御されている。そして、第一の温度検知センサが定着部材の通紙領域の周面温度を検知し、検出値がトナーを溶融、定着するために必要な温度以下になったときには、出力電力を増加又は停止していた電力供給を再開するように制御することができる。また、通紙領域・非通紙領域の一方又は双方が、上記条件を満たさない状態となった場合、プリントの停止やプリント枚数の削減を行うように制御することもできる。
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の定着装置において、前記制御装置は、前記温度検出センサによって検出される温度Aと複数が配列された磁性体コア間の中心と対応する位置の定着部材表面温度との推定温度差ΔAがあらかじめ設定されており、 検出される温度Aから前記推定温度差ΔAを減じた値(A−ΔA)が、トナー像定着の下限温度以上となるように制御するものとする。
前記磁性体コアは間隔をおいて複数が配列されているので、誘導電流が多く発生する磁性体コアと対応する位置と誘導電流が少ない磁性体コア間の空間とに対応する位置とで定着部材周面の温度に差が生じる。そこで、前記温度検出センサによって検出される温度Aと磁性体コア間の空間と対応する定着部材表面の温度との差ΔAを予め実験等によって調査して設定しておけば、A−ΔAにより得られる値をトナー像の溶融及び定着に必要な最低温度以上に制御することによって、定着部材の全域で必要な最低温度以上に維持することができる。これにより、定着部材周面に温度差が生じても、トナー像の定着を確実なものとすることができる。
請求項4に係る発明は、無端状の周面を有し、該周面が周回移動するように支持された定着部材と、 前記定着部材の周面を加熱する加熱装置と、 前記定着部材の外周面に当接され、該定着部材の周面の幅方向にほぼ均等な力で押圧される加圧部材と、 前記定着部材の表面温度を検知する温度検知センサと、 該温度検知センサにより検知された温度により前記加熱装置の出力を制御する制御装置とを有し、 前記定着部材と前記加圧部材との間を通過する記録媒体上の未定着トナー像を、加熱及び加圧して該記録媒体に定着する定着装置であって、 前記加熱装置は、前記定着部材の内部又は外部に配置され、該定着部材が有する導電性層に電流を誘導して発熱させる励磁コイルを有し、該励磁コイル内には、複数のブロック状の磁性体コアが前記定着部材周面の幅方向に各々空間を隔ててほぼ同一直線上に配列されており、 前記温度検出センサは、定着部材周面の幅方向における温度分布で、最も高温となる位置に配置されていることを特徴とする定着装置を提供する。
上記温度検出センサは、定着部材周面の幅方向における最も高温となる位置に配置されているので、予め設定しておいた定着部材の耐熱温度以上の値を検出した場合は、前記加熱装置の出力を制御することができる。これにより、定着部材の熱耐性を損なうことなく寿命を短くすることがない。また良質のトナー像の定着ができ画質欠陥を防止できる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記温度検出センサは、複数が配置され、第一の温度検知センサは、通紙領域で最も高温となる位置に配置され、第二の温度検知センサは、非通紙領域で最も高温となる位置に配置されるものとする。
ふたつの温度検知センサが定着部材のそれぞれ通紙領域及び非通紙領域の最も高温となる位置に配置されるので、定着部材の通紙領域の周面の最高温度及び非通紙領域の最高温度を検知することができる。これにより、非通紙領域で定着部材が過度に加熱され、定着部材に損傷が生じたり、耐久性が劣化するのを防止するとともに、通紙領域では、定着に適切な温度に制御することができる。
上記記載のように、本願発明に係る定着装置では、複数の磁性体コアが空間を隔てて一列に配列されることから実効的な飽和磁界が大きくなるので、励磁コイルに大きい電流を供給することが可能となり、加熱装置の発熱量を増やすことができる。また、小さいサイズの磁性体コアが汎用的に使用可能となり安価に製造することができる。さらに、複数の磁性体コア間の空間を適切に設定して配列することにより、励磁コイルのインピーダンスの調整が可能となり、加熱装置の発熱量及び発熱効率を最適にすることができる。
また、温度検知センサを定着部材の適切な位置に配置するため、定着部材の表面温度を適切に制御でき良好な定着を行って欠陥のないトナー像を得ることができる。
以下、本願に係る発明の実施形態を図に基づいて説明する。
図1は、本願に係る発明の一実施形態である定着装置を備える画像形成装置の概略構成図である。この画像形成装置は、一様帯電後に像光を照射することにより表面に静電電位の差による潜像が形成される感光体ドラム1を備えており、この周囲に、感光体ドラム1の表面を一様に帯電させる帯電装置2と、感光体ドラム1に像光を照射して表面に潜像を形成する露光装置3と、感光体ドラム1上の潜像にトナーを選択的に転移させてトナー像を形成する現像装置4と、感光体ドラム1と対向し、記録紙を挟んで感光体ドラム1との間に転写バイアス電界を生成する転写ロール5と、トナー像の転写後に感光体ドラム1に残留するトナーを除去するクリーニング装置6とが設けられている。そして、感光体ドラム1と転写ロール5との対向部の上流側から記録紙Pを供給するようになっており、下流側には記録紙P上に転写された未定着トナー像を加熱溶融し記録紙Pに圧着する定着装置7が設けられている。
前記感光体ドラム1は、金属製ドラムの表面に有機感光材料、アモルファスセレン系感光材料、アモルファスシリコン系感光材料等からなる感光体層を形成したものを用いることができる。
前記帯電装置2は、ステンレススチール、アルミニウム等の導電性を有する金属のロールに高抵抗材料のコーティングを施したものであり、感光体ドラム1に当接され、従動回転するようになっている。そして、所定の電圧が印加されることにより、該ロールと感光体ドラム1との接触部近傍における微小間隙内で継続的な放電を生じ、感光体ドラム1の表面をほぼ一様に帯電するものである。
前記露光装置3は、画像信号に基づいて点滅するレーザー光を発生し、これをポリゴンミラーによって感光体ドラム1の主走査方向にスキャンするものであり、これにより感光体ドラム1の表面に静電潜像を形成する。
前記現像装置4はブラックのトナーを収容しており、感光体ドラム1と近接・対向し、感光体ドラム1上の潜像に対応してトナーを転移し、可視像を形成するものである。
前記転写ロール5は、導電性もしくは半導電性のロール状部材からなり、感光体ドラム1との間に転写用バイアス電圧を印加することによって、感光体ドラム1上のトナー像を記録紙Pに転写する。
前記クリーニング装置6は、感光体ドラム1の表面にブレードを圧接し、感光体ドラム1上に残留するトナーを掻き取るように除去するものである。また、ブレードに代えて、ロール状部材によってトナーを掻き取ったり、ブラシによってトナーを掃き出すものであってもよい。
次に前記定着装置7を、図2及び図3に基づいて説明する。図2は、定着装置7の断面図であり、図3は定着ロール11及び電磁誘導加熱装置13の軸線方向の断面図である。
この定着装置7は、中心軸回りに回転が可能に支持された定着ロール11と、該定着ロール11の軸線と平行に圧接される加圧ロール12と、定着ロール11の内部に配置され、該定着ロール11の周面を加熱する電磁誘導加熱装置13と、定着ロール11の周面に当接するように配置され、定着ロールの表面温度を検知する温度検知センサ17とで主要部が構成されている。
前記定着ロール11は、導電性を有する金属製の円筒状芯金11aと、該円筒状芯金11aの上に積層された表面離型層11bとで構成されており、フランジ14によって画像形成装置の本体フレーム15に支持されている。円筒状芯金11aは、例えば鉄、磁性ステンレス、ニッケルなどの磁性金属、またはこれら主体の合金を、厚さ200μm〜1mmで形成したものが用いられ、電磁誘導で十分な発熱が得られるような固有抵抗値となるように材質が選択される。本実施例では、円筒状芯金11aは、厚さ0.5mmの鋼によって形成されている。表面離型層11bは、厚さ30μm程度の離型性の高いシート又はコート層であることが好ましく、例えばフッ素樹脂層を用いることができる。
前記加圧ロール12は、金属製の円筒状芯金12aを芯材とし、該芯金12aの表面にスポンジやゴムなどの弾性層12bと、さらにその表面にフッ素樹脂等からなる離型層12cとを備えている。
前記電磁誘導加熱装置13は、定着ロール11の内側で同軸上に支持された円筒状のコイル支持部材(ボビン)13aと、コイル支持部材13aに巻き回された螺旋状の励磁コイル13bと、コイル支持部材13aの内側に各々空間を隔てて配列された複数のソフトフェライトからなるコア16と、励磁コイル13bに交流電流を供給する励磁回路13cとで主要部が構成されており、励磁回路13cは、制御装置18によって出力又は電流供給のON/OFFが制御されるものとなっている。
励磁コイル13bは、本実施例では、互いに絶縁された銅線材を複数本束ねたリッツ線が用いられており、連続したリッツ線がコイル支持部材13aの周面に巻き回されている。
前記コイル支持部材(ボビン)13aは定着ロール11の内側で、回転する定着ロール11とは隔離され、本体フレーム15によって固定支持されている。コイル支持部材13aは、耐熱性のある非磁性材料を用いることが望ましく、ポリカーボネイト、PPS(ポリフェニレンサルファイド)等の耐熱性樹脂、耐熱ガラス又は液晶ポリマー等を用いることができる。
複数の磁性体コア16は、図4に示すように、それぞれが定着ロールの周面の幅方向に一定の長さbを有しており、互いに隣接するコア間の空間aは、同じ空間長さとなるように配列されている。なお、前記磁性体コア16は、ソフトフェライト・アモルファス合金・積層鋼板などを用いることができる。ソフトフェライトにも、Znフェライトを初め、Mn-Znフェライト・Ni-Znフェライト・Mn-Mgフェライトがあり、各々のソフトフェライトの特性、すなわち、透磁率の強さによって適宜選定することができる。
前記温度検知センサ17は、励磁コイル13bの内側に各々空間を隔てて配列した複数のコア16中の、1つのコア16aの中心と対応する位置で定着ロール11の周面に当接するように配置されている。つまり、定着ロールの軸線方向において、一つの磁性体コアの寸法の中心と対応する位置で定着ロール表面の温度を検知するものとなっている。本実施例では、接触型温度センサを用いているが、非接触型温度センサを用いても良い。
次に、前記画像形成装置の動作について説明する。まず、感光体ドラム1の表面が帯電装置2でほぼ一様に帯電され、次いで露光装置3から像光が照射される。これにより、露光部は感光体ドラム1表面の帯電電位が減衰し、静電電位の差による潜像が形成される。そして、感光体ドラム1の露光された部分が現像装置4と対向する位置に回転移動し、現像装置4からトナーが選択的に転移されてトナー像が形成され、転写ロール5と対向する位置に搬送される。感光体ドラム1と転写ロール5との間には転写用バイアス電圧が印加されており、タイミングを合わせて送り込まれた記録紙Pに感光体ドラム上のトナー像が転写される。未定着のトナー像を担持した記録紙Pは定着装置7へ搬送され、定着装置7が有する定着ロール11と加圧ロール12との間で加熱加圧され、トナー像が記録紙Pに溶融圧着して定着画像が形成される。一方、トナー像転写後に感光体ドラム上に残留するトナーはクリーニング装置6により除去され、感光体ドラム1の周面は再び帯電装置2との対向位置に移動する。
前記定着ロール11及び加圧ロール12は、駆動モータ(図示しない)により回転駆動されており、電磁誘導加熱装置13によって定着ロール11の周面が所定の温度まで加熱される。前記励磁回路13cから励磁コイル13bに交流電流が供給されると、図5に示すように、定着ロール11周面の幅方向(矢印A方向)に磁界が生成消滅を繰り返す。そして、この磁界の変化を妨げる磁界を生じるように定着ロール11の周方向(矢印B方向)に誘導電流が発生し、該定着ロール11の表皮抵抗に比例してジュール発熱する。これにより、定着ロール11の周面が所定の温度まで加熱される。
上記のような電磁誘導加熱装置13による定着ロール11の加熱動作においては、磁性体コア16の配列によって磁束密度が異なることになり、定着ロール11の軸線方向で誘導電流の量が異なることになる。このため発熱量が異なり軸線方法に温度差が生じる。図6は、所定温度まで加熱された定着ロール11の軸線方向における周面の温度分布と磁性体コア16の配置との関係を示すものである。
一つの磁性体コアと隣接する磁性体コアとの間にある空間aと対応する位置では、コアの幅方向の中心と対応する位置dより磁束の本数が少なく、誘導電流も少なくなってジュール発熱に差が生じる。このため、定着ロールの周面の幅方向における温度分布には温度差ΔAが発生する。これに対し、上記定着装置では、磁性体コアの幅方向における中心と対応する位置dで温度を検知しているので、定着ロールの最高温度を検知することができ、高温に起因する画像欠陥、定着ロールの破損等が生じないように制御することができる。
一方、定着ロールの表面における温度差ΔAは、複数が配列された磁性体コア16のそれぞれの間の距離と関係しており、これらの関係を図7に示す。この図に示す関係は、実験によって測定されたものであり、配列された磁性体コア間の距離aが大きくなるにしたがって定着ロールの表面の温度差ΔAが大きくなることがわかる。
したがって、上記関係から磁性体コアの中心と対応した位置dにおける定着ロールの温度と磁性体コア間の空間部分と対応した位置における定着ロールの温度との差を予め設定しておくことにより、上記温度センサの検知温度によって定着ロールの最低温度が定着に充分な温度に維持されるように制御することが可能となる。つまり、磁性体コアの中心と対応する位置で検知された温度から設定された温度差ΔAを引いた値(A−ΔA)が、定着に必要な最低温度を下回ることがないように励磁コイルへの電力供給を行うことによって、定着ロールはいずれの位置においても定着に必要な温度を維持することができ良好な画像の定着が行われる。
次に、図8及び図9に基づいて、請求項2及び請求項5に係る発明の実施形態である定着装置について説明する。
この定着装置は、少なくとも2つの温度検知センサを備えており、第1の温度検知センサ21は、通紙領域における磁性体コアの中心と対応する位置dで定着ロールの表面に当接されており、第2の温度検知センサ22は非通紙領域における磁性体コアの中心と対応する位置eで定着ロールの表面と当接する位置に設けられている。
この定着装置が有する定着ロール11、加圧ロール12、電磁誘導加熱装置13は、図1に示す定着装置で用いられているものと同じものであり、図1に示す画像形成装置において使用することができるものである。
この定着装置において、小さいサイズの記録紙へのトナー像の定着を連続して行うと、通紙領域では定着ロールから記録紙に熱が奪われるが、非通紙領域では記録紙に熱が奪われることがなく、図9に示すように非通紙領域の温度が上昇する。そして、第2の温度検知センサは、温度が上昇する非通紙領域で磁性体コアの中心と対応する位置eの温度Bを検出するので、定着ロール表面の最高温度を検出する。この検出温度に対して予め設定された上限温度を超えないように制御することによって、小サイズの記録紙への定着を連続して行う場合にも定着ロールの一部が高温となることによる定着ロールの破損を防止することができる。また、通紙領域では第1の温度センサによって磁性体コアの中心と対応する位置dの温度Aが検出されており、図2に示す定着装置と同様に通紙領域の温度を制御して適切な定着を行うことができる。
なお、以上に説明した実施の形態では、定着部材として定着ロールを用いているが、定着部材は薄膜のベルトを用いても良い。更に、励磁コイルは定着ロール内部に配置しているが、定着ロールの外側で定着部材の周面と対向するように配置しても、同じ効果が得られる。
本願に係る発明の一実施形態である定着装置が用いられている画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本願に係る発明の一実施形態である定着装置の概略断面図である。 図2に示す定着装置が有する定着ロール及び電磁誘導加熱装置の軸線方向の断面図である。 図2に示す定着装置が有する磁性体コアの配置の概略図である。 図2に示す定着装置の定着ロールに発生する誘導電流の状態を示す概略図である。 図2に示す定着装置の定着ロール周面の幅方向の温度分布と磁性体コアとの関係を示す概略図である。 図2に示す定着装置の、磁性体コア間の距離と、定着ロール周面の温度差との関係を示す図である。 請求項2及び請求項5に係る発明の一実施形態である定着装置が有する定着ロール及び電磁誘導加熱装置の軸線方向の断面図である。 図8に示す定着ロールの周面の温度分布と磁性体コアとの関係を示す概略図である。
符号の説明
1. 感光体ドラム
2. 帯電装置
3. 露光装置
4. 現像装置
5. 転写ロール
6. クリーニング装置
7. 定着装置
11. 定着ロール
12. 加圧ロール
13. 電磁誘導加熱装置
13a コイル支持部材(ボビン)
13b 励磁コイル
13c 励磁回路
14. フランジ
15. 本体フレーム
16. 磁性体コア
17. 温度検知センサ
18. 制御装置
21,22. 温度検知センサ

Claims (5)

  1. 無端状の周面を有し、該周面が周回移動するように支持された定着部材と、
    前記定着部材の周面を加熱する加熱装置と、
    前記定着部材の外周面に当接され、該定着部材の周面の幅方向にほぼ均等な力で押圧される加圧部材と、
    前記定着部材の表面温度を検知する温度検知センサと、
    該温度検知センサにより検知された温度により前記加熱装置の出力を制御する制御装置とを有し、
    前記定着部材と前記加圧部材との間を通過する記録媒体上の未定着トナー像を、加熱及び加圧して該記録媒体に定着する定着装置であって、
    前記加熱装置は、前記定着部材の内部又は外部に配置され、該定着部材が有する導電性層に電流を誘導して発熱させる励磁コイルを有し、該励磁コイルの内側には、複数のブロック状の磁性体コアが前記定着部材周面の幅方向に各々空間を隔ててほぼ同一直線上に配列されており、
    前記温度検知センサは、前記定着部材周面の幅方向における一つの磁性体コア寸法の略中心と対応する位置に配置されていることを特徴とする定着装置。
  2. 前記温度検出センサは、複数が配置され、第一の温度検知センサは、通紙領域における一つの磁性体コア寸法の中心と対応する位置に配置され、第二の温度検知センサは、非通紙領域における一つの磁性体コア寸法の略中心と対応する位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記制御装置は、前記温度検出センサによって検出される温度Aと複数が配列された磁性体コア間の中心と対応する位置の定着部材表面温度との推定温度差ΔAがあらかじめ設定されており、
    検出される温度Aから前記推定温度差ΔAを減じた値(A−ΔA)が、トナー像定着の下限温度以上となるように制御するものであることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  4. 無端状の周面を有し、該周面が周回移動するように支持された定着部材と、
    前記定着部材の周面を加熱する加熱装置と、
    前記定着部材の外周面に当接され、該定着部材の周面の幅方向にほぼ均等な力で押圧される加圧部材と、
    前記定着部材の表面温度を検知する温度検知センサと、
    該温度検知センサにより検知された温度により前記加熱装置の出力を制御する制御装置とを有し、
    前記定着部材と前記加圧部材との間を通過する記録媒体上の未定着トナー像を、加熱及び加圧して該記録媒体に定着する定着装置であって、
    前記加熱装置は、前記定着部材の内部又は外部に配置され、該定着部材が有する導電性層に電流を誘導して発熱させる励磁コイルを有し、該励磁コイル内には、複数のブロック状の磁性体コアが前記定着部材周面の幅方向に各々空間を隔ててほぼ同一直線上に配列されており、
    前記温度検出センサは、定着部材周面の幅方向における温度分布で、最も高温となる位置に配置されていることを特徴とする定着装置。
  5. 前記温度検出センサは、複数が配置され、第一の温度検知センサは、通紙領域で最も高温となる位置に配置され、第二の温度検知センサは、非通紙領域で最も高温となる位置に配置されたことを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019091087A (ja) * 2019-03-01 2019-06-13 キヤノン株式会社 定着装置
JP2019124950A (ja) * 2019-03-01 2019-07-25 キヤノン株式会社 定着装置

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