JP2013037055A - 像加熱装置 - Google Patents

像加熱装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2013037055A
JP2013037055A JP2011170802A JP2011170802A JP2013037055A JP 2013037055 A JP2013037055 A JP 2013037055A JP 2011170802 A JP2011170802 A JP 2011170802A JP 2011170802 A JP2011170802 A JP 2011170802A JP 2013037055 A JP2013037055 A JP 2013037055A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording material
image heating
temperature
image
coil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2011170802A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuaki Hara
伸明 原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2011170802A priority Critical patent/JP2013037055A/ja
Priority to US13/564,157 priority patent/US20130034363A1/en
Publication of JP2013037055A publication Critical patent/JP2013037055A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/20Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat
    • G03G15/2003Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat
    • G03G15/2014Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat using contact heat
    • G03G15/2039Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat using contact heat with means for controlling the fixing temperature
    • G03G15/2046Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat using contact heat with means for controlling the fixing temperature specially for the influence of heat loss, e.g. due to the contact with the copy material or other roller
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G2215/00Apparatus for electrophotographic processes
    • G03G2215/20Details of the fixing device or porcess
    • G03G2215/2003Structural features of the fixing device
    • G03G2215/2045Variable fixing speed

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Fixing For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】画像形成に際して指定された記録材と実際に給送された記録材とが違っていても、定着ベルトの加熱領域の両端部に大きな非通紙部昇温が発生しないで済む像加熱装置を提供する。
【解決手段】誘導加熱装置70は、定着ベルト1の回転軸線方向における誘導加熱の加熱領域を記録材の搬送方向に直角な搬送幅方向の記録材長さに応じて設定して定着ベルト1を誘導加熱し、定着ベルト1の温度を所定値に保つように投入電力が制御される。制御部102は、画像形成に際して指定された記録材の種類に応じた単位時間当たり数量で記録材を加熱ニップNへ給送させる。制御部102は、励磁コイル6に対する供給電力のリミット値を、画像形成に際して指定された記録材の単位面積当たり重量が大きいほど大きく設定して、リミット値を超えて定着ベルト1を誘導加熱しないように誘導加熱装置70を制御する。
【選択図】図2

Description

本発明は、記録材上の画像を加熱する像加熱手段がコイルの磁束によって加熱される像加熱装置、詳しくは像加熱手段の両端部に発生する局所的な昇温を抑制する制御に関する。
給送部から画像形成部へ記録材を給送してトナー像を転写した後に、トナー像が転写された記録材を、定着装置の像加熱手段(定着ローラ又は定着ベルト)の加熱ニップで挟持搬送して画像を記録材に定着させる画像形成装置が広く用いられている。像加熱手段の加熱源として誘導加熱装置を用いた像加熱装置も実用化されている(特許文献1、2)。
誘導加熱装置を用いた像加熱装置では、像加熱手段の回転軸線方向の長さよりも小さいサイズの記録材を連続して通紙すると、両端部の非通紙領域の温度が上昇する現象が生ずる。この非通紙部の温度が上昇する現象を以下では非通紙部昇温と言う。
特許文献1では、像加熱手段(定着ベルト)の回転軸線方向に複数の磁性体コアを配置し、両端部の磁性体コアについて、像加熱手段に対する対向間隔を拡大させることにより、非通紙部昇温を回避している。
特許文献2では、像加熱手段(定着ローラ)の端部をカバーする磁束遮蔽板のサイズを切り替えて、記録材のサイズが変化しても記録材の外側位置の加熱範囲を一定幅に保つことにより、非通紙部昇温を回避している。また、像加熱手段の端部に温度センサを配置して非通紙部昇温を実測し、給送部による単位時間当たりの記録材の給送枚数を制御している。
特開2001−194940号公報 特開2006−120533号公報
特許文献1や特許文献2では、像加熱手段の回転軸線方向における記録材のサイズと磁束密度が高く設定される領域とが不一致の場合に非通紙部昇温が問題となる。即ち、記録材のサイズの外側の非通紙領域が記録材の通紙領域と同じような磁束分布の場合に、磁束が調整されていない非通紙領域で局所的な非通紙部昇温が生ずる。このような誘導加熱装置において、記録材の坪量が大きくなると、この非通紙部昇温が大きくなる傾向があるため、この領域の非通紙部昇温を抑制することが望ましい。
本発明は、像加熱手段の回転軸線方向における磁束分布を調整することで非通紙部昇温を低減する構成において、坪量が異なる場合であっても、非通紙部昇温を抑制することを目的としている。
本発明の像加熱装置は、磁束を生ずるコイルと、前記コイルの磁束により加熱されつつ回転して、記録材に形成された画像を加熱する像加熱手段と、前記像加熱手段の回転軸線方向における前記コイルから前記像加熱手段へ向かう磁束分布を調整する調整手段と、前記像加熱手段の温度が予め設定した像加熱温度になるように前記コイルへの電力供給を制御する通電制御手段と、記録材の坪量に関する情報が入力される入力部とを有し、通紙可能な最大サイズの記録材よりも前記回転軸線方向の長さが小さい記録材を通紙する際に、前記調整手段は、通紙領域を含む前記回転軸線方向の所定領域の磁束密度を前記所定領域外の磁束密度よりも大きくなるように磁束分布を調整可能としたものである。そして、前記調整手段を動作させているときの第一の坪量の記録材を通紙する際の前記通電制御手段による前記コイルに印加する最大電力値は、前記調整手段を動作させているときの前記第一の坪量よりも小さい第二の坪量の記録材を通紙する際の前記通電制御手段による前記コイルに印加する最大電力値よりも小さく設定する設定手段を有する。
本発明の像加熱装置では、コイルに印加する電力に最大電力値を設定してそれ以上の加熱を行わないから、非通紙部昇温の温度ピーク値を制御できる。そして、坪量が大きい記録材を通紙する場合には、坪量が小さい記録材を通紙する場合よりもコイルに印加する最大電力値を小さく設定するので、坪量が異なる場合であっても、非通紙部昇温が過剰になることを阻止できる。
画像形成装置の構成の説明図である。 定着装置の要部の構成の説明図である。 定着装置を二次転写部側から見た縦断面図である。 定着ベルト1の層構成の説明図である。 磁性体コアの移動の説明図である。 磁性体コアの移動機構の説明図である。 定着装置の斜視図である。 非通紙部昇温の発生位置の説明図である。 誘導加熱装置の回路図である。 普通紙の設定時に普通紙が給送された場合の定着ベルトの通紙部と非通紙部の温度変化の説明図である。 500枚の連続画像形成後の温度分布の説明図である。 厚紙の設定時に厚紙が給送された場合の定着ベルトの通紙部と非通紙部の温度変化の説明図である。 500枚の連続画像形成後の温度分布の説明図である。 普通紙の設定時に厚紙が給送された場合の比較例における定着ベルトの通紙部と非通紙部の温度変化の説明図である。 500枚の連続画像形成後の温度分布の説明図である。 普通紙の設定時に厚紙が給送された場合の実施例1における定着ベルトの通紙部と非通紙部の温度変化の説明図である。 500枚の連続画像形成後の温度分布の説明図である。 実施例2の制御のフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。本発明は、記録材の1枚当たり定着必要熱量が大きいほど生産性を低下させる構成において誘導加熱の電力が限界付けられている限りにおいて、実施形態の構成の一部または全部を、その代替的な構成で置き換えた別の実施形態でも実施できる。
従って、像加熱装置は、トナー像を転写された記録材を加熱処理して記録材にトナー像を定着させる定着装置のみならず、半定着又は定着済みトナー像を加熱処理して画像に所望の表面性を付与する画像調整装置を含む。記録材に定着された画像を再加熱して画像の光沢度を向上させる光沢付与装置もある。像加熱手段は、ベルト部材とローラ部材のいずれでもよい。
加熱領域を可変に設定する構成は、磁性体コアを励磁コイルに対して接離方向に移動される構成には限らず、特許文献2に示されるように磁束遮蔽板を移動させて設定する構成としてもよい。
画像形成装置は、モノクロ/フルカラー、枚葉型/記録材搬送型/中間転写型、トナー像形成方式、転写方式の区別無く本発明の像加熱装置を搭載できる。本実施形態では、トナー像の形成/転写/定着に係る主要部のみを説明するが、本発明は、必要な機器、装備、筐体構造を加えて、プリンタ、各種印刷機、複写機、FAX、複合機等、種々の用途の画像形成装置で実施できる。
<画像形成装置>
図1は画像形成装置の構成の説明図である。図1に示すように、画像形成部の一例である中間転写ベルト26は、トナー像を形成して記録材に転写する。画像形成装置Eは、中間転写ベルト26に沿ってイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの画像形成部PY、PC、PM、PKを配列したタンデム型中間転写方式のフルカラープリンタである。画像形成部の一例である中間転写ベルト26は、トナー像を形成して記録材Pに転写する。
画像形成部PYでは、感光ドラム21(Y)にイエロートナー像が形成されて中間転写ベルト26に転写される。画像形成部PCでは、感光ドラム21(C)にシアントナー像が形成されて中間転写ベルト26に転写される。画像形成部PM、PKでは、感光ドラム21(M)、21(K)にそれぞれマゼンタトナー像、ブラックトナー像が形成されて中間転写ベルト26に転写される。
中間転写ベルト26は、無端状の樹脂ベルトで構成され、駆動ローラ27、二次転写対向ローラ28、テンションローラ29に張架されて、駆動ローラ27によって駆動される。
記録材Pは、給送部の一例である記録材カセット31から給紙ローラ32により1枚ずつ取り出されてレジストローラ33で待機する。記録材Pは、レジストローラ33によって二次転写部T2へ給送されて、中間転写ベルト26からトナー像を転写される。四色のトナー像を転写された記録材Pは、定着装置Aへ搬送され、定着装置Aで加熱加圧を受けて表面にトナー像を定着された後に、排出搬送路36を通じて外部トレイ37へ排出される。なお、単色のみの画像形成(単色モード)時には、目的の色についてのみトナー像が形成されて中間転写ベルト26に担持させて記録材Pに転写される。
画像形成部PY、PC、PM、PKは、現像装置23(Y)、23(C)、23(M)、23(K)で用いるトナーの色がイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックと異なる以外は、実質的に同一に構成される。以下では、画像形成部PYについて説明し、画像形成部PC、PM、PKに関する重複した説明を省略する。
画像形成部PYは、感光ドラム21の周囲に、帯電ローラ22、露光装置25、現像装置23、転写ローラ30、及びドラムクリーニング装置24を配置している。帯電ローラ22は、感光ドラム21の表面を一様な電位に帯電させる。露光装置25は、レーザービームを走査して感光ドラム21に画像の静電像を書き込む。現像装置23は、静電像を現像して感光ドラム21にトナー像を形成する。転写ローラ30は、直流電圧を印加されて感光ドラム21のトナー像を中間転写ベルト26へ転写させる。
<定着装置>
図2は定着装置の要部の構成の説明図である。図3は定着装置を二次転写部側から見た縦断面図である。図4は定着ベルト1の層構成の説明図である。
以下の説明において、定着装置または定着ローラの短手方向とは、記録材の搬送方向と平行な方向である。また、定着装置の正面とは、定着装置を記録材入口側からみた面、背面とはその反対側の記録材出口側から見た面である。定着装置の左右とは、定着装置を正面から見て左または右である。上流側は記録材の搬送方向の上流側、下流側は記録材の搬送方向の下流側である。
図2に示すように、加圧ローラ2は、中央部の径が20mmで両端部の径が19mmである鉄合金製の芯金2aに、厚さがほぼ5mmのシリコーンゴム層の弾性層2bを設けてある。弾性層2bの表面は、30μmの厚みでフッ素樹脂層(例えばPFAやPTFE)の離型層2cが設けられている。加圧ローラ2の中央部における硬度は、ASK−C70℃である。芯金2aにテーパー形状をつけているのは、加圧した時に圧力付与部材3が撓んでも、定着ベルト1と加圧ローラ2で挟まれる定着ニップ部N内の圧力が定着ベルト1の回転軸線方向に均一に確保できるからである。定着ベルト1は内径が30mmである。
芯金2aにテーパー形状をつけて中央部と両端部とで弾性層2bの厚さが異なるため、定着ベルト1と加圧ローラ2の定着ニップ部Nの搬送方向長さは、定着ニップ圧が600Nにおいては、両端部で約9mm、中央部では約8.5mmである。これにより、記録材Pの両端部での搬送速度が中央部と比べて速くなるので、紙しわが発生しにくくなるという利点がある。
圧力付与部材3は、その内側面を金属製のステー4に保持されて、その外側面で定着ベルト1の内側面を支持する。圧力付与部材3は、定着ベルト1を介して加圧ローラ2に押圧力を作用させて、定着ベルト1と加圧ローラ2の間に定着ニップ部Nを形成する。圧力付与部材3は、耐熱性樹脂である。圧力付与部材3は、ステー4の励磁コイル6側には、誘導加熱による温度上昇を防止するための磁束遮蔽部材としての磁束遮蔽コア5が設けられている。
図3に示すように、ステー4は、定着ベルト1と加圧ローラ2の圧接部に圧力を加えるために剛性が必要であるため、鉄製である。ステー4は、特に両端部で励磁コイル6と接近しており、ステー4の発熱を防止するために、励磁コイル6で生じる磁界を遮蔽するために、ステー4の上面に磁束遮蔽コア5を配置してある。
定着フランジ10は、定着ベルト1の回転軸線方向移動および周方向の形状を規制する左右の規制部材である。定着フランジ10内に挿通して配設したステー4の両端部と装置シャーシ側のバネ受け部材9aとの間にステー加圧バネ9bを縮設することで、ステー4に押し下げ力を作用させている。これにより、圧力付与部材3の下面と加圧ローラ2の上面とが定着ベルト1を挟んで圧設して、記録材の画像の定着ニップ部Nが形成される。
回転する定着ベルト1は、基層が金属で構成されているので、回転状態にあっても幅方向への寄りを規制するための手段としては、定着ベルト1の端部を単純に受け止めるだけの定着フランジ10を設ければ十分である。これにより、定着装置Aの構成を簡略化できるという利点がある。
図4に示すように、定着ベルト1は、電気鋳造法によって製造した厚み40μmのニッケルの基層(金属層)1aを有している。基層1aには、ニッケルのほかに、鉄合金や銅、銀などを適宜選択可能である。また、樹脂基層にそれら金属を積層させるなどの構成でも良い。金属層1aの厚みは、後で説明する励磁コイルに流す高周波電流の周波数と金属層の透磁率・導電率に応じて調整して良く、5〜200μm程度の間で設定すると良い。
基層1aの外周には、耐熱性シリコーンゴム層の弾性層1bが設けられている。弾性層1bの厚さは100〜1000μmの範囲内で設定するのが好ましい。ここでは、定着ベルト1の熱容量を小さくしてウォーミングアップタイムを短縮し、かつカラー画像を定着するときに好適な定着画像を得ることを考慮して、弾性層1bの厚さは300μmである。弾性層1bのシリコーンゴムは、JIS−A20度の硬度を持ち、熱伝導率は0.8W/mKである。弾性層1bの外周には、フッ素樹脂層(例えばPFAやPTFE)の離型層1cが30μmの厚みで設けられている。基層1aの内面側には、定着ベルト内面と中央サーミスタ(TH1:図2)との摺動摩擦を低下させるために、フッ素樹脂やポリイミドなどの樹脂層による滑性層1dを10〜50μm設けている。滑性層1dは、ポリイミドを20μm設けた。
<誘導加熱装置>
図2に示すように、誘導加熱装置70は、定着ベルト1を誘導加熱する加熱源である。誘導加熱装置70は、定着ベルト1の外周面の上面側において、定着ベルト1に所定のギャップ(隙間)を存して対面させて配設してある。
励磁コイル6は、電線として例えばリッツ線を用い、これを横長・船底状にして定着ベルト1の周面と側面の一部に対向するように巻回してなる。励磁コイル6の長手方向における内径は352mm、外径は392mmである。
磁性体コア7aは、励磁コイル6によって発生した磁界が定着ベルト1の金属層(導電層)以外に実質漏れないように、励磁コイル6を覆わせている。磁性体コア7aは、励磁コイル6より発生した交流磁束を効率よく定着ベルト1に導く役割をする。交流磁束の磁気回路の効率を上げるためと、周囲へ磁束を漏らして周辺部材を誘導加熱することを回避する磁束遮蔽のために用いている。磁性体コア7aの材質として、フェライト等の高透磁率かつ残留磁束密度の低いものを用いると良い。
モールド部材7cは、励磁コイル6と磁性体コア7aとを電気絶縁性の樹脂によって支持する。定着ベルト1と励磁コイル6は、0.5mmのモールドにより電気絶縁の状態を保つ。定着ベルト1と励磁コイル6の間隔は1.5mm(モールド表面と定着ベルト表面の距離は1.0mm)で一定である。
定着ベルト1の回転状態において、誘導加熱装置70の励磁コイル6には、電源装置(励磁回路)101から20〜50kHzの高周波電流が印加されて、励磁コイル6によって発生した磁界により定着ベルト1の金属層(導電層)が誘導発熱する。
中央サーミスタTH1は、温度センサ(温度検出素子)であり、定着ベルト1の幅方向中央部の位置に当接させて配設してある。中央サーミスタTH1は、圧力付与部材3に対して弾性支持部材を介して取り付けられているので、定着ベルト1の当接面が波打つなどの位置変動が生じたとしても、これに追従して良好な接触状態が維持される。
中央サーミスタTH1は、記録材の搬送紙域のほぼ中央で、定着ベルト1の内側面の温度を検知し、その検知温度情報が制御部102にフィードバックされる。
制御部102は、中央サーミスタTH1から入力する検知温度が所定の目標温度(定着温度)に維持されるように、電源装置101から励磁コイル6に入力する電力を制御している。制御部102は、定着ベルト1の検出温度が所定温度に昇温した場合、励磁コイル6への通電を遮断する。制御部102は、定着ベルト1の検出温度が、定着ベルト1の目標温度である180℃で一定になるように、中央サーミスタTH1の検出値に基づいて、高周波電流の周波数を変化させることにより、励磁コイル6に入力する電力を制御して温度調節を行っている。電源装置101に接続された誘導加熱装置70の励磁コイル6は、制御部102で制御され、定着ベルト1は、所定の定着温度に加熱される。
前述したように、励磁コイル6には、20〜50kHzの高周波電流が印加されて、定着ベルト1の金属層1aが誘導発熱する。温度調節は、定着ベルト1の目標温度である180℃で一定になるように、中央サーミスタTH1の検出値に基づいて高周波電流の周波数を変化させて励磁コイル6に入力する電力を制御する。
励磁コイル6を含む誘導加熱装置70が、高温になる定着ベルト1の内部ではなく外部に配置されているので、励磁コイル6の温度が高温になりにくい。また、電気抵抗も上昇せず高周波電流を流してもジュール発熱による損失を軽減する事が可能となる。また、励磁コイル6を外部に配置したことで定着ベルト1の小径化(低熱容量化)にも寄与しており、しいては省エネルギー性にも優れていると言える。
本実施例の定着装置のウォーミングアップタイムは、非常に熱容量が低い構成であるため、例えば励磁コイル6に1200W入力すると約15秒で目標温度である165℃に到達できる。スタンバイ中の加熱動作が不要であるため、電力消費量を非常に低く抑える事が可能である。
定着ベルト1は、制御部102で制御されるモータM1によって加圧ローラ2が回転駆動されることで、画像形成時には、図1の二次転写部T2から搬送されてくる記録材Pの搬送速度とほぼ同一の周速度で回転駆動される。定着装置Aでは、定着ベルト1の表面回転速度が300mm/secであって、A4サイズ横送りのフルカラー画像であれば1分間に80枚、同じくA4サイズ縦送りであれば1分間に58枚を連続的に定着可能である。
未定着トナー画像Tを有する記録材Pは、そのトナー画像担持面側を定着ベルト1側に向けて、ガイド部材7で案内されて、定着ベルト1と加圧ローラ2とで加圧形成される定着ニップ部Nに導入される。記録材Pは、定着ニップ部Nにおいて、定着ベルト1の外周面に密着し、定着ベルト1と一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。
定着ベルト1の熱が付与されつつ定着ニップ部Nの加圧力を受けて、未定着トナー像Tは、記録材Pの表面に定着される。定着ニップ部Nを通った記録材Pは、定着ベルト1の表面が定着ニップ部Nの出口部分で変形するため、定着ベルト1の外周面から記録材Pが自己分離して定着装置A外へ搬送される。
<磁性体コアの移動機構>
図5は磁性体コアの移動の説明図である。図6は磁性体コアの移動機構の説明図である。図7は定着装置の斜視図である。
図2に示すように、像加熱手段の一例である定着ベルト1は、コイルの一例である励磁コイル6の磁束により加熱されつつ回転して、記録材に形成された画像を加熱する。通電制御手段の一例である電源装置101は、定着ベルト1の温度が予め設定した像加熱温度になるように励磁コイル6への電力供給を制御する。電源装置101は、定着ベルト1の温度をトナー像の定着に必要な所定の温度範囲に保つように励磁コイル6への電力供給を制御する。複数個の磁性体コア7aは、定着ベルト1の回転軸線方向に配列して励磁コイル6が発生する磁束をそれぞれの領域で定着ベルト1に案内する。
図3に示すように、磁性体コア7aは、定着ベルト1の回転軸線方向に分割され、1個の回転軸線方向の長さは10mm、それぞれ1.0mmの間隔を開けて配置されている。通紙部においては、励磁コイル6と磁性体コア7aの隙間を狭くすることで、定着ベルト1を通過する磁束密度を高めて、定着ベルト1の発熱量を高くする。これに対して、非通紙部においては、励磁コイル6と磁性体コア7aの隙間を広げることで、定着ベルト1を通過する磁束密度を低下させて定着ベルト1の発熱量を低くする。
図5の(a)に示すように、通紙領域においては、励磁コイル6と磁性体コア7aの間隔は0.5mmである。図5の(b)に示すように、非通紙領域においては、励磁コイル6と磁性体コア7aの間隔は10mmまで離間する。
図6に示すように、調整手段の一例であるコア移動機構71は、定着ベルト1の回転軸線方向における励磁コイル6から定着ベルト1へ向かう磁束分布を調整する。コア移動機構71は、定着ベルト1の回転軸線方向における記録材の長さに応じた個数の磁性体コア7aを他の磁性体コアよりも定着ベルト1に近付けて像加熱温度の領域を設定する。コア移動機構71は、通紙可能な最大サイズの記録材よりも定着ベルト1の回転軸線方向の長さが小さい記録材を通紙する際に、通紙領域を含む所定領域の磁束密度を、図8に示すように所定領域外の磁束密度よりも大きくなるように磁束分布を調整可能である。
複数個の磁性体コア7aを定着ベルト1に対して接離する方向へ移動可能である。複数個の磁性体コア7aは、定着ベルト1の回転軸線方向に配列して励磁コイル6が発生する磁束をそれぞれの領域で定着ベルト1に案内する。制御部102は、記録材の幅方向の長さに応じた個数の磁性体コア7aを他の磁性体コア7aよりも定着ベルト1に近付けて像加熱温度の領域を設定する。
磁性体コア7aは、磁性体コアホルダ77に保持されてハウジング76内に収まっている。磁性体コアホルダ77は、磁性体コア7aと励磁コイル6との間隙を変化させる方向に移動可能になっている。リンク部材75は、回転軸78周りに回転可動に組み立てられ、端部の長穴部が磁性体コアホルダ77と連結されている。リンク部材75が回転軸78周りにQ1方向へ回転すると、磁性体コアホルダ77と磁性体コア7aがP1方向へ移動する。リンク部材75がQ2方向へ回転すると、磁性体コアホルダ77と磁性体コア7aがP2方向へ移動する。リンク部材75は、励磁コイルばね74によってQ1方向へ回転する方向へ付勢されているが、規制部材73によって、リンク部材75のQ1方向への回転が規制されている。
規制部材73によってリンク部材75が押し込まれている状態では、リンク部材75は、励磁コイルばね74に逆らってQ2方向へ回動している。このとき、磁性体コアホルダ77が矢印P2方向へ移動して磁性体コア7aが励磁コイル6に近付いている。
規制部材73による押し込みが解除されると、リンク部材75は、励磁コイルばね74に付勢されてQ1方向へ回動してフレーム79に突き当たって停止する。これにより、磁性体コアホルダ77が矢印P1方向へ移動して磁性体コア7aが励磁コイル6から遠ざかる。
図7に示すように、規制部材73は、中央のピニオンギア80と連結され、ピニオンギア80の回転運動により、記録材の搬送方向に直角な幅方向(Y1、Y2方向)へ移動可能となっている。規制部材73がY1方向へ移動すると、端部側のリンク部材75から順番に規制部材73による押し込みが解除され、端部側から中央側へ向かって順番に磁性体コア7aが励磁コイル6から遠ざかる。図7では、端部側から4個の磁性体コアホルダ77について規制部材73による押し込みが解除されて、磁性体コア7aと励磁コイル6との間隙が広がっている。
<非通紙部昇温>
図8は非通紙部昇温の発生位置の説明図である。定着装置の起動時の高速昇温を可能にするため、従来から、定着ローラを薄肉小径化したもの、定着ベルトの内側からヒーター加熱するもの、薄肉金属の定着ベルトを誘導加熱するもの等が提案されている。材料コストやエネルギー効率の点からも、薄肉の像加熱手段を採用して熱容量を小さくし、加熱効率の良い誘導加熱装置で加熱することは望ましい傾向である。
しかし、薄肉の像加熱手段を使用する場合、軸直角断面の断面積がきわめて小さくなるために、軸方向の熱移動率が良好でない。この傾向は薄肉なほど顕著であり、熱伝導率の低い樹脂等の材質ではさらに低くなる。これは、熱伝導率をλ、2点間の温度差をθ1−θ2、長さをLとしたとき、単位時間に伝わる熱量Qは、次式で表されるというフーリエの法則からも明らかである。
Q=λ・f(θ1−θ2)/L
薄肉の像加熱手段を使用して軸方向の熱移動率が良好でない状態で、小さいサイズの記録材を連続で通紙させると、像加熱手段の非通紙領域の温度が通紙領域よりも上昇して像加熱手段の回転軸線方向に温度ムラが生じるいわゆる非通紙部昇温の問題が発生する。非通紙部昇温が発生すると、小さいサイズの記録材を連続で加熱処理した直後に大形サイズの記録材を加熱処理すると、記録材上で加熱ムラが発生して、紙シワや定着ムラの原因となる。著しい非通紙部昇温が発生した場合、樹脂材料からなる周辺部材の寿命を低下させる場合がある。
非通紙部昇温は、搬送される記録材の熱容量が大きく、単位時間あたりのプリント枚数を高くするほど広がるため、生産性の高い複写機では、薄肉の回転体と加熱効率の良い誘導加熱装置を組み合わせた定着装置を採用できなかった。生産性の高い複写機では、多くの場合、ハロゲンランプヒータや抵抗発熱体を分割して記録材サイズに応じた領域を加熱することで、非通紙部昇温を回避していた。
上述した特許文献1のように、薄肉の像加熱手段と加熱効率の良い誘導加熱装置を組み合わせた定着装置においても、像加熱手段の回転軸線方向の加熱領域を記録材サイズに応じて設定できる例が提案されている。しかし、誘導加熱装置を複数設けたり分割したりすれば、その分だけ制御回路も複雑でコストが高くなる。薄肉の像加熱手段の場合、分割された加熱領域の境目付近で温度分布が不連続になって、像加熱手段が必要な温度均一性を満たせなくなる問題もある。
そこで、定着装置Aでは、定着ベルト1と励磁コイル6との間に、励磁コイル6から定着ベルト1へ導く磁束を10mmごとの領域で可変に設定できる磁性体コア7aを配置している。記録材の各種サイズに対応するため、磁性体コア7aが記録材の搬送方向に直角な搬送幅方向に分割され、コア移動機構71により移動可能として、移動距離を記録材のサイズによって異ならせる。磁性体コア7aを記録材の搬送幅方向サイズに応じた個数だけ移動させることで、加熱の必要な領域以外は誘導加熱装置70から届く磁束が少なくなって、定着ベルト1の発熱自体が抑えられる。これにより、加熱領域の制御が行われ、昇温される定着ベルト1の温度分布を精密にコントロールすることが可能となっている。
図6に示すように、制御部102は、コア移動機構71を制御して、磁性体コアホルダ77のうちで記録材の搬送幅方向に応じて定めた個数のものについて規制部材73による押し込みを解除する。これにより、記録材の外側に位置する磁性体コア7aと励磁コイル6との間隙を拡大させて、非通紙部昇温を防止している。ハガキサイズ、A5、B4、A3、A3ノビサイズ等、各種の記録材サイズに対応するため、規制部材73の位置を記録材のサイズによって異ならせて、各記録材のサイズに応じた加熱領域を設定して非通紙部昇温を抑制している。
しかし、誘導加熱装置70を用いた定着装置Aにおいては、次のような問題点がある。図8に示すように、定着装置Aにおいては、各サイズの記録材1、2、3を通した場合、定着ベルト1の長手温度分布は、(a)、(b)、(c)に示すようになる。記録材1、2、3の場合において、それぞれ「●」を付した位置が、最高温度部になるが、最高温度部は、記録材1、2、3の搬送幅方向サイズの若干外側になる。つまり、記録材の搬送幅方向サイズによって、定着ベルト1の回転軸線方向のどの部分で最高温度部をとるかは、異なる。
したがって、様々なサイズの記録材を流すことができる画像形成装置Eにおいては、定着ベルト1の最高温度部の温度をつねに検知することは、困難である。記録材のサイズの数だけ温度検知素子を設ければ、定着ベルト1の最高温度部の温度を検知することも不可能ではないが、コストや配置スペースの点から考えて現実的でない。
このように構成された定着装置Aにおいて、何らかの理由によって、定着ベルト1の最高温度部が、想定外の温度になってしまった場合、定着ベルト1が設計温度を超えた温度に晒されて耐久寿命が短くなる可能性がある。
例えば、単位面積当たり重量(坪量)80g/mの普通紙の記録材を想定して75枚/分の間隔で画像形成を開始したところ、単位面積当たり重量160g/mの厚紙の記録材が給送部から給送されてしまう場合がある。このとき、誘導加熱装置70は、厚紙によって冷却される熱量を補うために加熱領域の全体を普通紙の場合よりも強く加熱することになり、非通紙部昇温も普通紙の場合よりも高くなる。
そこで、以下の実施例では、非通紙部昇温が設計温度を超えない水準に、誘導加熱装置70の出力リミッタを設定して、定着ベルト1の最高温度部の温度が想定外に上がって設計温度を超えることを防止している。
<実施例1>
図9は誘導加熱装置の回路図である。図2に示すように、入力部の一例である操作部103は、記録材の坪量に関する情報が入力される。設定手段の一例である制御部102は、第一の坪量の記録材を通紙する際の励磁コイル6に印加する最大電力値を、第一の坪量よりも小さい第二の坪量の記録材を通紙する際の励磁コイル6に印加する最大電力値よりも小さく設定する。
図9に示すように、誘導加熱装置70は、定着ベルト1の温度を所定値に保つように投入電力が制御される。電源部の一例である電源装置101は、設定された電力値以下の電力で誘導加熱装置70に定着ベルト1を誘導加熱させる。励磁回路310は、誘導加熱装置70の励磁コイル6へ高周波電流の交番電流を供給する。励磁コイル6は、励磁回路310におけるスイッチ素子303、304の接続点とコンデンサ305、306の接続点との間に接続されている。励磁コイル6は、磁束を発生して定着ベルト1を誘導加熱する。
図2に示すように、制御部102は、画像形成に際して操作部103を通じて指定された記録材の種類に応じた単位時間当たり数量の一例である毎分処理枚数(ppm)と最大電力値(W)の組み合わせを記録材カセット31と電力制御部313に設定する。本発明では、毎分処理枚数と電力値の組み合わせは、搬送幅方向における加熱領域の内側の記録材に接しない非通紙部の温度が所定の温度状態よりも高い所定の設計温度以下を保つ組み合わせである。
電源装置101は、ダイオードブリッジ301と、フィルタコンデンサ302とで整流平滑回路を構成して直流電圧を発生させる。電力制御部313は、駆動部312を介してスイッチ素子303、304を交互に作動させて、励磁コイル6に交流電圧を印加する。コンデンサ305、306は、励磁コイル6とともに共振回路を形成する共振コンデンサである。駆動部312は、2つのスイッチ素子303、304を同期させてそれぞれ駆動する。
温度センサとして機能する中央サーミスタTH1は、導電性発熱体である定着ベルト1の内側面に接触状態で配置され、定着ベルト1の温度を検出する。電力検出部311は、電源装置101の入力電力を検出する。
電力制御部313は、制御部102の指示に基づいて電源装置101を制御して誘導加熱装置70を作動/停止させる。電力制御部313は、制御部102から指示された温調温度に中央サーミスタTH1の検出温度を収束させるように駆動部312が出力する電力条件を決定する。電力制御部313は、制御部102から指示された最大電力の設定値を、電力検出部311の検出出力が超えないように駆動部312が出力する電力条件を決定する。駆動部312は、電力制御部313で決定された電力条件に従って、2つのスイッチ素子303、304を駆動する。
表1に示すように、制御部102は、記録材の坪量の範囲ごとに、温調温度、記録材の単位時間当たり加熱処理枚数、最大電力の各設定値が記憶されている。毎分処理枚数(生産性)と電力値(最大電力設定)の組み合わせは、画像形成に際して指定された記録材の単位面積当たり重量が異なっても、連続画像形成における非通紙部の温度が設計温度に収束するように設定されている。特に、実施例1では、生産性は、非通紙部の温度が設計温度に保たれるように、指定された記録材に応じて設定される。しかし、最大電力設定は、指定された記録材にかかわらず概ね一定に設定される。
Figure 2013037055
図1に示すように、ユーザーが画像形成装置Eの操作パネル、又は外部コンピュータのモニタ画面を通じて画像形成のジョブを入力する際に、自分の使用する記録材の坪量を設定する。これにより、画像形成装置Eは、制御部102に記憶された温調温度、記録材の単位時間当たり加熱処理枚数、最大電力にて、定着装置Aにおける記録材の加熱処理を実行することになる。
次に、最大電力の設定を行わない比較例と、最大電力の設定を行う実施例1とについて、以下の実験1〜3の条件で画像形成を行って、非通紙部昇温の発生状態を比較した。
<実験1>
図10は普通紙の設定時に普通紙が給送された場合の定着ベルトの通紙部と非通紙部の温度変化の説明図である。図11は500枚の連続画像形成後の温度分布の説明図である。実験1は、坪量80g/mの記録材の設定がされた画像形成ジョブにおいて、実際に坪量80g/mの記録材が給送された「坪量設定適正時」である。
図10に示すように、起動後、180℃への温度の立ち上がり、立ち上がり後の電力低下を経て、通紙時には、定着ベルト1の通紙部の温度を160℃に保つように温調がされる。この状態で、300mm/secのプロセススピードに対して240mmの画像間隔が設定されて、A4サイズの記録材が75枚/minの処理枚数で流れる。
通紙部の温度は、定着ベルト1の長手中央の記録材通過部分の温度測定値、非通紙部の温度は、定着ベルト1の記録材通過部分の外側の、定着ベルト1の温度が高くなっている部分の温度測定値である。記録材の給送とともに実線で示す通紙部の温度は160℃まで低下し、破線で示す非通紙部には200℃の非通紙部昇温が発生したが、点線で示すように、励磁コイル6への投入電力は900Wとなり上限値1000Wに達しなかった。
図11に示すように、500枚通紙後に定着ベルト1の回転軸線方向には、通紙部の外側に200℃の非通紙部昇温が発生していた。実験1の実験結果を表2にまとめる。
Figure 2013037055
表2に示すように、実験1では、実施例1でも、比較例1でも、通紙部の温度が温調温度160℃に保たれ、非通紙部昇温は設計温度220℃以下の200℃に保たれているため、特に問題は発生しない。
<実験2>
図12は厚紙の設定時に厚紙が給送された場合の定着ベルトの通紙部と非通紙部の温度変化の説明図である。図13は500枚の連続画像形成後の温度分布の説明図である。実験2は、坪量160g/mの記録材の設定がされた画像形成ジョブにおいて、実際に坪量160g/mの記録材が給送された「坪量設定適正時」である。
図12に示すように、定着ベルト1の通紙部を160℃に温調した状態で、300mm/secのプロセススピードに対して300mmの画像間隔が設定されて、A4サイズの記録材が60枚/minの処理枚数で流れる。実線で示す通紙部の温度は160℃まで低下し、破線で示す非通紙部には200℃の非通紙部昇温が発生したが、点線で示すように、生産性を低下させたために、励磁コイル6への投入電力は900Wとなり上限値1000Wに達しなかった。
図13に示すように、投入電力が900Wに保たれたため、500枚通紙後に定着ベルト1の回転軸線方向の通紙部の外側に発生していた非通紙部昇温は、実験1と同様に200℃であった。実験2の実験結果を表3にまとめる。
Figure 2013037055
表3に示すように、実験2では、実施例1でも比較例1でも通紙部の温度が温調温度160℃に保たれ、非通紙部昇温は設計温度220℃以下の200℃に保たれているため、特に問題は発生しない。
<実験3>
図14は普通紙の設定時に厚紙が給送された場合の比較例における定着ベルトの通紙部と非通紙部の温度変化の説明図である。図15は500枚の連続画像形成後の温度分布の説明図である。図16は普通紙の設定時に厚紙が給送された場合の実施例1における定着ベルトの通紙部と非通紙部の温度変化の説明図である。図17は500枚の連続画像形成後の温度分布の説明図である。実験3は、坪量80g/mの記録材の設定がされた画像形成ジョブにおいて、誤って坪量160g/mの記録材が給送された「坪量設定間違い時」である。
図14に示すように、定着ベルト1の通紙部の温度を160℃に温調した状態で、300mm/secのプロセススピードに対して240mmの画像間隔が設定されて、A4サイズの記録材が75枚/minの処理枚数で流れる。
比較例では、最大電力の制約が無いため、励磁コイル6へ無制限に電力供給を行って、通紙時の通紙部の温度は160℃を保つが、160℃を保つために1500Wの電力供給がされた結果、破線で示す非通紙部には240℃の非通紙部昇温が発生した。
図15に示すように、比較例1では、投入電力が1500Wの状態が続いたため、実験1、2に比較して定着ベルト1には過剰な誘導加熱がされて、500枚通紙後に定着ベルト1の回転軸線方向の通紙部の外側に発生していた非通紙部昇温は、240℃であった。
これに対して、図16に示すように、実施例1では、励磁コイル6への投入電力を1000Wに限界付けるため、定着ベルト1の通紙部の温度を160℃に保つことができなくなり、通紙時の通紙部の温度は145℃まで低下した。しかし、比較例では、励磁コイル6へ1000W以上の電力供給を行わないため、破線で示す非通紙部の非通紙部昇温は200℃に収まった。
図17に示すように、実施例1では、励磁コイル6への投入電力を1000Wに限界付けるため、500枚通紙後に通紙部の温度は160℃を割り込んでいたが、定着ベルト1の回転軸線方向の通紙部の外側に発生していた非通紙部昇温は200℃であった。実験3の実験結果を表4にまとめる。
Figure 2013037055
表4に示すように、比較例の制御では、非通紙部昇温が定着ベルト1の設計温度220℃を超える240℃に保たれるため、定着ベルト1の耐久寿命が短くなる可能性がある。これに対して、実施例1の制御では、非通紙部昇温が定着ベルト1の設計温度220℃未満の200℃に保たれるため、定着ベルト1の耐久寿命が短くなる心配が無い。
以上より、実施例1の制御によれば、記録材の坪量の設定を、間違えてしまった場合にも、励磁コイル6への投入電力を制限することで、定着ベルト1が設計温度を超える温度に晒されることがないようにすることが可能である。
また、励磁コイル6に投入する最大電力の設定は、表5に示すように、記録材のつぼ量だけでなく、画像形成装置Eの置かれている環境温度によっても決定することで、より正確な制御を行うことが可能である。画像形成に際して指定された記録材の種類に応じた電力値は、環境温度が低いほど大きくする。
Figure 2013037055
実施例1の制御によれば、ユーザーが、記録材のつぼ量の設定を間違えた場合にも、定着ベルト1の、耐久寿命が低下することを防止することができる。
<実施例2>
図18は実施例2の制御のフローチャートである。実施例2では、誘導加熱の投入電力が最大電力の設定値に達した状態で通紙部の温度が設計温度を割り込むと画像形成を中止する。
図2に示すように、実施例1では、記録材の坪量の設定を間違った場合であっても、定着ベルト1を設計温度を超えない範囲で使うことが可能である。しかし、実験3で説明したように、普通紙設定で厚紙を通紙すると、定着ベルト1の通紙部の温度が、トナー像の定着に必要な設計温度150℃を割り込んでしまうため、出力画像に定着不良が発生する可能性がある。
そこで、実施例2では、検出手段の一例である中央サーミスタTH1は、定着ベルト1が記録材に接する搬送幅方向の範囲で定着ベルト1の温度を検出する。制御部102は、中央サーミスタTH1による検出温度が所定値を割り込んで維持できない場合には、記録材カセット31による記録材の給送を停止させる。
制御部102は、励磁コイル6の投入電力を、最大電力の設定値まで投入しても、定着ベルト1の測定温度が、設計温度にならない場合は、画像形成を停止する。このことで、定着ベルト1を耐熱限界温度を越えないで使うことができ、かつ十分にトナーを定着できない画像を作ることを防止することができる。
図18に示すように、画像形成ジョブが入力されると、定着装置Eの立ち上げが実行される(S101)。制御部102は、指定された記録材と画像形成の情報を取得し(S102)、これらの情報にしたがって表1に示されるように各種設定を実行する(S103)。
制御部102は、画像形成を開始し(S104)、励磁コイル6の投入電力が最大値に達しなければ(S105のY)、画像形成を継続する(S106のY、S104)。制御部102は、プリント枚数の設定が終了すると(S106のN)、画像形成を終了する(S106)。
制御部102は、励磁コイル6の投入電力が最大値に達した状態で通紙部の温度が定着可能な下限の設計温度を下回ると(S105のN)、画像形成を中断する(S110)。
実施例2の制御によれば、ユーザーが、記録材のつぼ量の設定を間違えた場合にも、定着ベルト1の、耐久寿命が低下することを防止することができるとともに、通紙部の温度低下による出力画像の定着不良を防止できる。励磁コイル6の投入電力が一時的に最大値に達しただけで定着性能を十分に確保できている場合を除いて、定着性能を満たせない場合を確実に検出できる。オペレータに記録材カセット31に収納された記録材の再確認を求めて、また、画像形成ジョブにおける記録材の設定の再確認を求めて、無駄な画像形成がされることを阻止できる。
1 定着ベルト、2 加圧ローラ、3 圧力付与部材、4 ステー
5 磁気遮蔽コア、6 励磁コイル、7a 磁性体コア
8 モールド部材、9a バネ受け部材、9b ステー加圧バネ
10 定着フランジ、11 外側磁性体コア、12 支持側板
21 感光ドラム、23 現像装置、26 中間転写ベルト
31 記録材カセット、33 レジストローラ
70 誘導加熱装置、71 コア移動機構、101 電源装置
102 制御部、103 操作部
PY、PM、PC、PK 画像形成部、TH1 中央サーミスタ

Claims (5)

  1. 磁束を生ずるコイルと、
    前記コイルの磁束により加熱されつつ回転して、記録材に形成された画像を加熱する像加熱手段と、
    前記像加熱手段の回転軸線方向における前記コイルから前記像加熱手段へ向かう磁束分布を調整する調整手段と、
    前記像加熱手段の温度が予め設定した像加熱温度になるように前記コイルへの電力供給を制御する通電制御手段と、
    記録材の坪量に関する情報が入力される入力部と、を有し、
    通紙可能な最大サイズの記録材よりも前記回転軸線方向の長さが小さい記録材を通紙する際に、前記調整手段は、通紙領域を含む前記回転軸線方向の所定領域の磁束密度を前記所定領域外の磁束密度よりも大きくなるように磁束分布を調整可能である像加熱装置において、
    前記調整手段を動作させているときの第一の坪量の記録材を通紙する際の前記通電制御手段による前記コイルに印加する最大電力値は、前記調整手段を動作させているときの前記第一の坪量よりも小さい第二の坪量の記録材を通紙する際の前記通電制御手段による前記コイルに印加する最大電力値よりも小さく設定する設定手段を有することを特徴とする像加熱装置。
  2. 記録材の坪量が大きいほど少ない単位時間当たり数量で前記像加熱手段へ記録材を通紙させる給送部を有し、
    前記給送部は、前記コイルに印加する最大電力値が前記設定手段に設定された最大電力値に達すると前記像加熱手段への通紙を停止させることを特徴とする請求項1記載の像加熱装置。
  3. 前記最大電力値は、環境温度が低いほど大きく設定されることを特徴とする請求項1乃至2のいずれか1項に記載の像加熱装置。
  4. 前記調整手段は、前記像加熱手段の前記回転軸線方向に配列して前記コイルの磁束をそれぞれの領域で前記像加熱手段に案内する複数個の磁性体コアと、前記複数個の磁性体コアを前記像加熱手段に対してそれぞれ接離する方向へ移動させるコア移動機構と、を有し、
    前記コア移動機構は、前記所定領域に位置する前記磁性体コアを前記所定領域外に位置する前記磁性体コアよりも前記像加熱手段に近付けることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の像加熱装置。
  5. 磁束を生ずるコイルと、
    前記コイルの磁束により加熱されつつ回転して、記録材に形成された画像を加熱する像加熱手段と、
    前記像加熱手段の回転軸線方向における前記コイルから前記像加熱手段へ向かう磁束分布を調整する調整手段と、
    前記像加熱手段の温度が予め設定した像加熱温度になるように前記コイルへの電力供給を制御する通電制御手段と、
    記録材の坪量に関する情報が入力される入力部と、を有し、
    通紙可能な最大サイズの記録材よりも前記回転軸線方向の長さが小さい記録材を通紙する際に、前記調整手段は、通紙領域を含む前記回転軸線方向の所定領域の磁束密度を前記所定領域外の磁束密度よりも大きくなるように磁束分布を調整可能である像加熱装置において、
    記録材の坪量が大きいほど少ない単位時間当たり数量で前記像加熱手段へ記録材を通紙させる給送部と、
    前記調整手段を動作させているときの第一の坪量の記録材を通紙する際の前記通電制御手段による前記コイルに印加する最大電力値は、前記調整手段を動作させているときの前記第一の坪量よりも小さい第二の坪量の記録材を通紙する際の前記通電制御手段による前記コイルに印加する最大電力値と等しく設定する設定手段を有することを特徴とする像加熱装置。
JP2011170802A 2011-08-04 2011-08-04 像加熱装置 Withdrawn JP2013037055A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011170802A JP2013037055A (ja) 2011-08-04 2011-08-04 像加熱装置
US13/564,157 US20130034363A1 (en) 2011-08-04 2012-08-01 Image heating apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011170802A JP2013037055A (ja) 2011-08-04 2011-08-04 像加熱装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013037055A true JP2013037055A (ja) 2013-02-21

Family

ID=47627020

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011170802A Withdrawn JP2013037055A (ja) 2011-08-04 2011-08-04 像加熱装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US20130034363A1 (ja)
JP (1) JP2013037055A (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5518238B2 (ja) * 2012-07-31 2014-06-11 キヤノン株式会社 画像加熱装置
JP6021494B2 (ja) * 2012-07-31 2016-11-09 キヤノン株式会社 画像加熱装置
JP6108730B2 (ja) 2012-09-04 2017-04-05 キヤノン株式会社 定着装置
JP5631466B2 (ja) 2012-10-18 2014-11-26 キヤノン株式会社 画像加熱装置

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0736233A (ja) * 1993-07-16 1995-02-07 Canon Inc 画像形成装置
US6466751B2 (en) * 2001-03-30 2002-10-15 Toshiba Tec Kabushiki Kaisha Image forming apparatus having a controller for controlling paper feed intervals
JP4110046B2 (ja) * 2003-06-10 2008-07-02 キヤノン株式会社 像加熱装置
JP4562494B2 (ja) * 2004-01-28 2010-10-13 株式会社沖データ 定着装置及び画像形成装置
WO2006100954A1 (ja) * 2005-03-23 2006-09-28 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 定着装置及び画像形成装置
US20090269090A1 (en) * 2007-08-31 2009-10-29 Kabushiki Kaisha Toshiba Image forming apparatus and printing method therefor
JP5398172B2 (ja) * 2008-05-27 2014-01-29 キヤノン株式会社 定着装置

Also Published As

Publication number Publication date
US20130034363A1 (en) 2013-02-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6108837B2 (ja) 画像加熱装置
JP4917903B2 (ja) 加熱装置、定着装置、加熱部材の温度制御方法及び画像形成装置
US7620338B2 (en) Fixing apparatus having a curie point heater and image forming apparatus
JP2013037056A (ja) 像加熱装置
JP5062981B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP5875417B2 (ja) 像加熱装置
JP2013037052A (ja) 像加熱装置
JP2011085845A (ja) 像加熱装置
JP2014025965A (ja) 画像処理装置
JP5743577B2 (ja) 像加熱装置
US10503104B2 (en) Fixing apparatus and image forming apparatus having a pad that presses an endless belt
JP2007334081A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2013037055A (ja) 像加熱装置
JP4878745B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2011100050A (ja) 画像形成装置、及び像加熱装置
JP2007163929A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP5656376B2 (ja) 電磁誘導加熱方式の加熱装置
JP2007047224A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2014052452A (ja) 画像形成装置
JP2014052454A (ja) 画像加熱装置
JP6099905B2 (ja) 画像形成装置
JP2006011144A (ja) 発熱部材、定着装置、及び、画像形成装置
JP2011081223A (ja) 像加熱装置
JP5451413B2 (ja) 像加熱装置
JP2011123340A (ja) 画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20130228

A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20141007