JP2009265457A - 定着装置及びそれを備えた画像形成装置 - Google Patents

定着装置及びそれを備えた画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009265457A
JP2009265457A JP2008116691A JP2008116691A JP2009265457A JP 2009265457 A JP2009265457 A JP 2009265457A JP 2008116691 A JP2008116691 A JP 2008116691A JP 2008116691 A JP2008116691 A JP 2008116691A JP 2009265457 A JP2009265457 A JP 2009265457A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
induction heating
heat
fixing
roller
belt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008116691A
Other languages
English (en)
Inventor
Kanehiro Gon
鐘浩 権
Yuzuru Nanjo
譲 南條
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Document Solutions Inc
Original Assignee
Kyocera Mita Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Mita Corp filed Critical Kyocera Mita Corp
Priority to JP2008116691A priority Critical patent/JP2009265457A/ja
Publication of JP2009265457A publication Critical patent/JP2009265457A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】簡単な装置構成で製造コストを抑えて、熱ローラの軸方向の温度分布を均一にする定着装置及びそれを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】定着装置5は、加圧ローラ19に対向して配置される定着ローラ23と、誘導発熱部材27bを有する熱ローラ27と、定着ローラ23と熱ローラ27との間に張架される無端状の定着ベルト26と、用紙9を定着ベルト26と加圧ローラ19とで挟持して、用紙9上の未定着トナー像を溶融定着するニップ部Nと、定着ベルト26の外周で熱ローラ27に対向配置されるとともに磁束を発生させて該磁束によって誘導発熱部材27bを誘導加熱する誘導加熱部30とを備える。定着ベルト26は、誘導加熱部30により誘導加熱されるベルト誘導発熱部材を有し、熱ローラ27は、誘導加熱部30側から順に誘導発熱部材27bと、熱伝導率の大きい均熱部27aとを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子写真方式を利用した複写機、プリンタ、ファクシミリ、それらの複合機等の画像形成装置に用いる、用紙上の未定着トナー像を定着させる定着装置及びそれを備えた画像形成装置に関し、特に、電磁誘導加熱方式による定着装置、およびこの定着装置を装備する画像形成装置に関するものである。
定着装置は、定着ローラと、定着ローラを加熱するヒータと、定着ローラに圧接する加圧ローラとを備えて、トナー像を転写された用紙が定着ローラと加圧ローラの定着ニップを通り、両ローラにより加熱、加圧されてトナー像が用紙に定着される。
このような、定着装置においては、定着ローラの長手方向における温度分布を均一にすることが望ましいが、実際にそのような制御は難しい。例えば、加熱源を内包するローラの両端部は開口をもつため、熱がこの開口から逃げてしまいローラ両端の温度が低くなりがちである。このため、特に定着前の待機状態から定着動作に入ったばかりの時点でローラ両端にて定着性が不十分となる。また、通紙される用紙のサイズがローラ長に対し小さいと、紙が通過しないローラ面(非通紙部)は熱がローラに蓄積されてしまいローラ温度が異常に昇温する。このため、ローラの周面に接触配置された分離爪、クリーニング手段、シリコンゴム等からなる弾性層やフッ素樹脂等からなる離型層等が昇温する部分にて熱損傷を受けてしまう。
そこで、特許文献1では、定着ローラの内部には、ヒータとして二本のハロゲンランプが設けられ、第1ヒータは、非通紙側の配熱量が、他の部分より小さく設定されており、これに対し、第2ヒータは逆に非通紙側の配熱量が、他の部分より大きくなるように設定されている。待機状態では、第1ヒータをオフとし、第2ヒータのみでローラ温度を維持するように制御して、印字中では、第2ヒータが消灯し、第1ヒータによって、定着ローラが所定の温度になるように制御される。このように制御することによって、待機状態においては、定着ローラは第2ヒータで温度制御されているので、端部の配熱量の多い分が端面からの放熱量を補償し、ローラの温度分布は、端部が中央より幾分高くなる。このような状態から大きなサイズの紙で印字を開始すると、第1ヒータで温度制御が始まるので、端部の温度は中央に比べて低下していくが、印字開始時の温度が端部において高められているので、両端部に定着不良が生ずることはない。小さいサイズの紙で印字する場合、非通紙部においては余剰の熱が蓄積されて行く傾向にあるが、第1ヒータの配熱分布が非通紙側において他の部位より配熱量を小さくしているため、ローラ端面からの放熱と相俟って蓄積されるので、非通紙部における昇温は許容される範囲内に留まるようになる。
しかしながら、上述した従来技術では、第1及び第2ヒータの配熱量が通紙側と非通紙側で均一なものでなく、さらに第1及ヒータと第2ヒータにおいて、通紙側と非通紙側の配熱量を互いに異ならせなくてはならないので、特別なヒータを製作することになり製造コストが高くなる。また、画像形成の待機状態と印字開始状態で第1ヒータと第2ヒータとの温度制御を異ならせなくてはならず、制御が煩雑になり、また通紙部と非通紙部との温度を互いに許容範囲にバランスさせることが難しいという不都合があった。
近年、画像形成装置のウォームアップ時間の短縮や省エネルギー化への要求が高まる中で、定着装置の熱源として、ハロゲンヒータに替えて、電磁誘導加熱方式の熱源を採用することが提案されている。しかし、電磁誘導加熱方式においても、ハロゲンランプ等のヒータ方式と同様に、誘導加熱される定着ローラは、その端部を支持する軸受けから装置フレームへの伝熱が生じることや、空気中への放熱の比率が大きいこと等により、中央部(通紙部)に比べて端部の温度が低下しやすく、定着ローラの軸(長手)方向の温度分布が不均一となるという問題点があった。
そこで、特許文献2では、中空の定着ローラの内部には、誘導加熱用の励磁コイルを有する誘導加熱部が設けられ、定着ローラ周面には、誘導加熱部の発生させる磁束によって誘導加熱される磁性金属を有している。この誘導加熱部は、定着ローラの磁性金属とほぼ等しい軸方向長さを備え、定着ローラの内周面との間に所定の間隔をおいて、定着ローラの中心軸に平行に配置されている。定着ローラの軸方向の両端部における定着ローラ内周面と誘導加熱部の外周面との隙間には、円筒状の非磁性金属からなる磁気遮蔽板が定着ローラの端部から出入り自在に挿入されるようになっている。この磁気遮蔽板は、通紙時に用紙の両側部まで誘導加熱部を覆い、磁性金属の誘導加熱を抑制することができるようなもので、その軸方向の長さは、最小の通紙部に対応する長さとなっている。そして、ウォームアップ時、待機時及び印字時、さらに印字時には用紙幅に応じて、磁気遮蔽板の軸方向位置を変えるように、ステッピングモータを駆動制御して、定着ローラ端部の加熱温度を調節することにより、定着ローラの軸方向の温度分布を均一にしている。
しかしながら、上述した従来技術では、磁気遮蔽板と、それを駆動するステッピンブモータと、駆動制御手段とを用意する必要があるので、部品数が多くなるという問題があるほか、これらの部材を定着装置に配設すると、装置構造が煩雑になり、大型化するという問題がある。
特開平5−134575号公報(段落[0013]−[0019]、図2) 特開2008−14966号公報(段落[0024]−[0026]、図2)
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、簡単な装置構成で製造コストを抑えて、熱ローラの軸方向の温度分布を均一にする定着装置及びそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、加圧回転体に対向して配置される定着部材と、誘導発熱部材を有する熱ローラと、前記定着部材と前記熱ローラとの間に張架される無端状の定着ベルトと、用紙を前記定着ベルトと前記加圧回転体とで挟持して、用紙上の未定着トナー像を溶融定着するニップ部と、前記定着ベルトの外周で前記熱ローラに対向配置されるとともに磁束を発生させて該磁束によって前記誘導発熱部材を誘導加熱する誘導加熱部とを備える定着装置において、前記定着ベルトは、前記誘導加熱部により誘導加熱されるベルト誘導発熱部材を有し、前記熱ローラは、前記誘導加熱部側から順に前記誘導発熱部材と、熱伝導率の大きい均熱部とを有することを特徴としている。
この構成によれば、誘導加熱部から発せられる磁束を受けて熱ローラの誘導発熱部材、及び定着ベルトのベルト誘導発熱部材が発熱させられ、定着ベルトは、それらの誘導発熱部材の発熱によって熱ローラを介して加熱され、所定温度に昇温すると、ニップ部において、搬送される用紙上の未定着トナー像が溶融定着される。この誘導加熱しているときに、熱ローラが誘導発熱部材の内側に熱伝導率の大きい均熱部を有するので、誘導発熱部材から発熱した一部の熱が均熱部の軸方向に均一に蓄積され、この蓄積した熱が熱ローラを介して定着ベルトの軸方向に伝わり、定着ベルトの軸方向の温度分布ムラが低減される。
また、請求項2に記載の発明では、前記誘導発熱部材は鉄で形成され、前記均熱部はアルミニウムで形成されることを特徴としている。この構成によれば、誘導発熱部材が鉄であると、誘導発熱部材の発熱の立ち上がり時間が早い。
また、請求項3に記載の発明では、前記誘導発熱部材はニッケルで形成され、前記均熱部はアルミニウムで形成されることを特徴としている。この構成によれば、誘導発熱部材がニッケルであると、誘導発熱部材の発熱の立ち上がり時間が早い。
また、請求項4に記載の発明では、前記誘導発熱部材は、前記均熱部周面に接合されることを特徴としている。
また、請求項5に記載の発明では、前記誘導発熱部材は、前記均熱部に嵌め合わされることを特徴としている。
また、請求項6に記載の発明では、前記ベルト誘導発熱部材は、ニッケル、または前記定着ベルトの基材に分散される銀で形成されることを特徴としている。この構成によれば、ベルトの可撓性を確保しながら、ベルト誘導発熱部材の発熱の立ち上がり時間が早くなる。
また、請求項7に記載の発明では、上記の構成の定着装置が搭載された画像形成装置である。
請求項1に記載の発明によれば、誘導加熱部から発せられる磁束を受けて熱ローラの誘導発熱部材、及び定着ベルトのベルト誘導発熱部材が発熱させられ、定着ベルトは、それらの誘導発熱部材の発熱によって熱ローラを介して加熱され、所定温度に昇温すると、ニップ部において、搬送される用紙上の未定着トナー像が溶融定着される。この誘導加熱しているときに、熱ローラが誘導発熱部材の内側に熱伝導率の大きい均熱部を有するので、誘導発熱部材から発熱した一部の熱が均熱部の軸方向に均一に蓄積され、この蓄積した熱が熱ローラを介して定着ベルトの軸方向に伝わり、定着ベルトの軸方向の温度分布ムラが低減される。従って、特別な部材を設けることなく簡単な装置構成で製造コストを抑えて、ウォームアップ時、待機時及び印字時、さらに印字時には用紙幅に係らずに定着ベルトの軸方向の温度分布を均一することができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、誘導発熱部材が鉄であり、均熱部がアルミニウムで形成されると、誘導発熱部材の発熱の立ち上がり時間が早くなるので、定着装置のウォームアップ時間を短縮することができ、また熱ローラコストを低くすることができる。
また、請求項3に記載の発明によれば、誘導発熱部材がニッケルであり、均熱部がアルミニウムで形成されると、誘導発熱部材の発熱の立ち上がり時間が早くなるので、定着装置のウォームアップ時間を短縮することができ、また熱ローラコストを低くすることができる。
また、請求項4に記載の発明によれば、誘導発熱部材は、熱ローラの均熱部周面に接合されるので、熱ローラとしての所望の形状に容易に加工することができる。
また、請求項5に記載の発明によれば、誘導発熱部材は、均熱部に嵌め合わされるので、誘導発熱部材は簡単に均熱部に取り付けることができる。
また、請求項6に記載の発明によれば、ベルト誘導発熱部材がニッケル、または前記定着ベルトの基材に分散される銀で形成されると、ベルトの可撓性を確保しながら、ベルト誘導発熱部材の発熱の立ち上がり時間が早くすることができる。
また、請求項7に記載の発明によれば、簡単な装置構成で製造コストを抑えて、熱ローラの軸方向の温度分布を均一にする定着装置を備える画像形成装置にすることができる。
以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明するが、本発明は、この実施形態に限定されない。本発明の実施形態は発明の最も好ましい形態を示すものであり、また発明の用途やここで示す用語等はこれに限定されるものではない。
(第1実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体構成を示す概略平面図である。図1に示すように、画像形成装置1は、その下部に配設された給紙部2と、この給紙部2の側方および上方に配設された用紙搬送部3と、この用紙搬送部3の上方に配設された画像形成部4と、この画像形成部4よりも排出側に配設された定着装置5と、これらの画像形成部4、および定着装置5の上方に配設された画像読取部6を備えている。
給紙部2は、用紙9が収容された複数(本実施形態においては4つ)の給紙カセット7を備えており、給紙ローラ8の回転動作により、複数の給紙カセット7のうち選択された給紙カセット7から用紙9が1枚ずつ確実に用紙搬送部3側に送り出される。
用紙搬送部3に送られた用紙9は、用紙供給経路10を経由して画像形成部4に向けて搬送される。この画像形成部4は、電子写真プロセスによって、用紙9にトナー像を形成するものであり、所定の方向(図中の矢印方向)に回転可能に軸支された像担持体である感光体11と、この感光体11の周囲にその回転方向に沿って、帯電装置12、露光装置13、現像装置14、転写装置15、クリーニング装置16、および除電装置17を備えている。
帯電装置12は、高電圧が印加される帯電ワイヤを備えており、この帯電ワイヤからのコロナ放電によって感光体11表面に所定電位を与えると、感光体11表面が一様に帯電させられる。そして、画像読取部6によって読み取られた原稿の画像データに基づく光が、露光装置13により、感光体11に照射されると、感光体11の表面電位が選択的に減衰されて、この感光体11表面に静電潜像が形成される。次いで、現像装置14によって感光体11表面の静電潜像にトナーが付着され、トナー像が形成され、このトナー像が転写装置15によって感光体11と転写装置15との間に供給された用紙9に転写される。
トナー像が転写された用紙9は、画像形成部4の用紙搬送方向の下流側に配置された定着装置5に向けて搬送される。定着装置5では、加熱部材18および加圧回転体としての加圧ローラ19によって、用紙9が加熱加圧され、用紙9上にトナー像が溶融定着される。次いで、定着された用紙9は、排出ローラ対20によって排出トレイ21上に排出される。一方、転写装置15による転写後、感光体11表面に残留しているトナーは、クリーニング装置16により除去され、また感光体11表面の残留電荷は、除電装置17により除去される。そして、感光体11は帯電装置12によって再び帯電され、以下同様にして画像形成が行われることになる。
定着装置5について詳しく説明する。図2は、上述の画像形成装置1に用いられる定着装置5の概略の構成を示す断面平面図である。
定着装置5は、電磁誘導加熱方式の熱源を用いたベルト定着方式であり、加熱部材18と加圧ローラ19を備える。加熱部材18は、無端状の定着ベルト26と、この定着ベルト26に内包される定着部材としての定着ローラ23と、この定着ローラ23とともに定着ベルト26を張架する熱ローラ27と、定着ベルト26の外周で熱ローラ27に対向して配される誘導加熱部30と、誘導加熱部30に接続される電源41と、熱ローラ27の温度を検知するサーミスタ25、及びサーミスタ25の検知温度に基づいて電源41を調整する制御部43とを備える。加圧ローラ19、定着ローラ23及び熱ローラ27は定着装置5の筐体(図略)の長手方向に回転可能に軸支され、誘導加熱部30及びサーミスタ25は筐体(図略)に固定保持されている。サーミスタ25は定着ベルト26外周面の温度を検知している。
加圧ローラ19は、合成樹脂、金属その他材料から構成される円筒形状の基材19aと、基材19a上に形成されニップ部Nへ弾性を付与する弾性層19bと、この弾性層19bの表面を覆って、ニップ部Nで未定着トナー像を溶融定着する際の離型性を向上させる離型層19cとを備える。本実施形態では、基材19aとして円筒型ステンレス鋼が用いられ、弾性層19bとして厚み2〜5mmのシリコンゴムが用いられ、離型層19cとしてフッ素樹脂が用いられている。また、加圧ローラ19は、モータ等の駆動源(図略)によって図2の矢印方向に回転駆動して、さらに定着ローラ23をその中心方向に加圧する。このことにより、加圧ローラ19が定着ベルト26を介して定着ローラ23に圧接し、定着ベルト26と定着ローラ23とが図2の矢印方向に従動回転し、定着ベルト26と加圧ローラ19との互いに逆回転しながら当接する部分にニップ部Nが形成される。このニップ部Nにおいて、用紙9が挟持され、挟持された用紙9を加熱及び加圧させることにより、用紙9上の粉体状態のトナーが溶融定着される。
定着ローラ23は、円筒形状の基材23aと、基材23a上に形成されニップ部Nへ弾性を付与する弾性層23bとを備える。本実施形態では、基材23aとして円筒型ステンレス鋼が用いられ、弾性層23bとして厚み5〜10mmのスポンジゴムが用いられている。
定着ベルト26は、定着ローラ23に外接する側から順に、基材26aと、弾性層26bと、ニップ部Nで未定着トナー像を溶融定着する際の離型性を向上させる離型層26cとが積層されて構成される。本実施形態では、定着ベルト26の可撓性は、基材26aの厚みに依存するので、この厚みを大きくすることはできない。基材26aがベルト誘導発熱部材としてニッケル基材である場合には、厚み略30〜50μm程度の基材を用いる。弾性層26bとして厚み200〜500μmのシリコンゴムが用いられ、離型層26cとしてフッ素樹脂が用いられている。
熱ローラ27は、基材としての均熱部27aと、均熱部27a周面に形成される誘導発熱部材27bと、誘導発熱部材27b周面を覆って、離型性を向上させるフッ素樹脂からなる離型層27cとを備える。
誘導発熱部材27bは、後述する誘導加熱部30から発せられる磁束を貫通させ、その磁束の周りに発生する渦電流によって発熱して、熱ローラ27を所定の温度に昇温させるものである。従って、誘導発熱部材27bは、鉄、ニッケル等の透磁率の高い金属が用いられる。
均熱部27aは、誘導発熱部材27bから発熱した一部の熱を蓄積し、蓄積した熱を均熱部21a内の温度の低い部分へ熱移動させるもので、アルミニウムや銅等の熱伝導性に優れた金属で形成される。例えば熱ローラ27と定着ベルト27の軸方向に温度差があると、誘導発熱部材27bの熱を均熱部27aに伝熱し、均熱部27a内で軸方向に熱移動させて、熱ローラ27と定着ベルト26の軸方向の温度分布を均一にする。
誘導加熱部30は、励磁コイル37とホビン38とコア39とを備え、電磁誘導により熱ローラ27及び定着ベルト26を加熱するものであり、熱ローラ27の軸方向に延びて、定着ベルト26の外周で熱ローラ27の半円を囲うように対向して配される。
銅線の励磁コイル37は、ホビン38に巻回され、コア39の中央部の周りを軸方向に周回するように、熱ローラ27外周の半円にわたって渦巻状に配設されている。また励磁コイル37は、電源41に接続されていて、電源41から供給される高周波電流により磁束を発生させる。誘導加熱部30から発せられる磁束は、図2の紙面に平行な方向に発せられ、熱ローラ27及び定着ベルト26の誘導発熱部材を貫通する。誘導発熱部材27bの磁束の周りに渦電流が生じ、誘導発熱部材27b内の電気抵抗によってジュール熱が発生して、誘導発熱部材27bを発熱させることになる。誘導発熱部材27bの発熱によって、熱ローラ27が加熱される。
制御部43は、電源41とサーミスタ25を接続して、サーミスタ25の検知する温度に基づいて、所定の温度になるように電源41の電力を制御している。
上記実施形態によれば、定着装置5は、加圧ローラ19に対向して配置される定着ローラ23と、誘導発熱部材27bを有する熱ローラ27と、定着ローラ23と熱ローラ27との間に張架される無端状の定着ベルト26と、用紙9を定着ベルト26と加圧ローラ19とで挟持して、用紙9上の未定着トナー像を溶融定着するニップ部Nと、定着ベルト26の外周で熱ローラ27に対向配置されるとともに磁束を発生させて該磁束によって誘導発熱部材27b及び定着ベルト26を誘導加熱する誘導加熱部30とを備える。熱ローラ27は、誘導加熱部30側から順に誘導発熱部材27bと、熱伝導率の大きい均熱部27aとを有する。
この構成によると、定着前の待機状態から定着動作が可能となる定着可能温度になるまで、誘導加熱部30の誘導加熱によって、熱ローラ27及び定着ベルト26の誘導発熱部材が発熱して、この発熱によって熱ローラ27及び定着ベルト26が加熱して、熱ローラ27及び定着ベルト26が昇温する。このときに、定着ベルト26の端部から熱が外部に逃げても、熱ローラ27の均熱部27aが誘導発熱部材27bから発熱した一部の熱を軸方向に均一に蓄積し、その蓄積した熱が熱ローラ27と、熱ローラ27表面から定着ベルト26の端部にも伝導されるので、定着ベルト27端部まで迅速に定着可能温度になる。この定着可能温度において、用紙9が、ニップ部Nに搬送され、定着ベルト27と加圧ローラ19によって加熱及び加圧されることにより、用紙9上の粉体状態のトナーが溶融定着される。このときに、通紙される用紙のサイズが定着ベルト26幅に対し小さいと、非通紙部の定着ベルト26の温度が異常に昇温することになるが、熱ローラ27の均熱部27aが非通紙部の定着ベルト26の熱を蓄積し、蓄積した熱を均熱部27a内の温度の低い部分(通紙部側)へ熱移動させ、その熱を定着ベルト26の通紙部に伝えて、定着ベルト26の温度を均一にする。
また、ベルト誘導発熱部材としてニッケルの厚みは、30〜50μmの範囲にあると、定着ベルトの可撓性を損なうおそれがなく、また誘導発熱により効率よく発熱させることができる。
つまり、電源41から誘導加熱部30への高周波電流の供給によって、ベルト誘導発熱部材の誘導加熱部30側の面(表皮)に集中して磁束が発生し、磁束の周りに渦電流が生じるが、表皮の電気抵抗に比例した電力で発熱を生じる。ここで、高周波電流の駆動周波数をf(単位Hz)、ベルト誘導発熱部材の透磁率をμ(単位H/m)、誘電率をε(単位s/m)とすると、発生した磁束によって発熱するベルト誘導発熱部材の表面からの深さδ(表皮深さ、単位m)は次式で表される。
δ=1/(πfμε)1/2 ・・・式(1)
この式(1)から、表皮深さδは、高周波電流の駆動周波数、ベルト誘導発熱部材の透磁率及び誘電率に依存し、ベルト誘導発熱部材がニッケルである場合には、高周波電流の駆動周波数に対して図3に示す関係にある。図3の横軸は高周波電流の駆動周波数(単位kHz)を示し、縦軸は表皮深さ(単位μm)を示す。
図3に示すように、電源として供される駆動周波数として比較的よく使われる30kHz付近における表皮深さδは、50μm以上であり、ベルト誘導発熱部材の厚みがこの表皮深さより大きければ、磁束がベルト誘導発熱部材に良好に捕捉される。しかし、ベルト誘導発熱部材としてニッケルを用いる場合には、その厚みが30〜50μmであると、先の表皮深さδ以下の値となってしまう。従って、定着ベルトの誘導発熱層のみでは、発熱が不十分となるため、熱ローラにも誘導発熱層を設け、両方の誘導発熱層で効率よく発熱させることができる。
上記実施形態によれば、定着装置5は、加圧ローラ19に対向して配置される定着ローラ23と、誘導発熱部材27bを有する熱ローラ27と、定着ローラ23と熱ローラ27との間に張架される無端状の定着ベルト26と、用紙9を定着ベルト26と加圧ローラ19とで挟持して、用紙9上の未定着トナー像を溶融定着するニップ部Nと、定着ベルト26の外周で熱ローラ27に対向配置されるとともに磁束を発生させて該磁束によって誘導発熱部材27bを誘導加熱する誘導加熱部30とを備える。熱ローラ27は、誘導加熱部30側から順に誘導発熱部材27bと、熱伝導率の大きい均熱部27aとを有し、定着ベルト26は、基材26aに誘導加熱部30により誘導加熱されるベルト誘導発熱部材を有する。
この構成によると、定着前の待機状態から定着動作が可能となる定着可能温度になるまで、誘導加熱部30の誘導加熱によって、熱ローラ27の誘導発熱部材27bとともに定着ベルト26のベルト誘導発熱部材が発熱して、これらの発熱によって熱ローラ27及び定着ベルト26が加熱して、熱ローラ27が昇温するとともに定着ベルト26が昇温する。このときに、定着ベルト26の端部から熱が外部に逃げても、熱ローラ27の均熱部27aが誘導発熱部材27b及び定着ベルト26のベルト誘導発熱部材から発熱した一部の熱を軸方向に均一に蓄積し、その蓄積した熱が熱ローラ27と、熱ローラ27表面から定着ベルト26の端部にも伝導されるので、定着ベルト27端部まで迅速に定着可能温度になる。この定着可能温度において、用紙9が、ニップ部Nに搬送され、定着ベルト27と加圧ローラ19によって加熱及び加圧されることにより、用紙9上の粉体状態のトナーが溶融定着される。このときに、通紙される用紙のサイズが定着ベルト26幅に対し小さいと、非通紙部の定着ベルト26の温度が異常に昇温することになるが、熱ローラ27の均熱部27aが非通紙部の定着ベルト26の熱を蓄積し、蓄積した熱を均熱部27a内の温度の低い部分(通紙部側)へ熱移動させ、その熱を定着ベルト26の通紙部に伝えて、定着ベルト26の温度を均一にする。
(第2実施形態)
第2実施形態は、第1実施形態における定着ベルト26の基材26aを形成するニッケルに替えて、基材26aをポリイミド樹脂ベルトの銀を分散させて形成したものである。第1実施形態と異なる、定着ベルト26について説明し、以降、第1実施形態と同じ部分の説明を省略する。
定着ベルト26は、基材26aと、弾性層26bと、ニップ部Nで未定着トナー像を溶融定着する際の離型性を向上させる離型層26cとが積層されて構成される。ベルトの可撓性は、基材の厚みに依存するのであまり厚みを大きくすることはできない。ポリイミド基材に銀を分散させたベルトの場合には、厚み70〜200μm程度の基材を用いる。弾性層26bとして厚み200〜500μmのシリコンゴムが用いられ、弾性層26bとして厚み200〜500μmのシリコンゴムが用いられ、離型層26cとしてフッ素樹脂が用いられている。
ベルト誘導発熱部材は、誘導加熱部30から発せられる磁束を貫通させ、その磁束の周りに発生する渦電流によって発熱して、熱ローラ27の誘導発熱部材27bとともに定着ベルト26を所定の温度に昇温させるものである。
以下、本発明の実施形態をさらに具体化した実施例1〜6を表1に示す。
Figure 2009265457
実施例1は、定着ベルト26の基材26aに電鋳加工されたニッケル(ベルト誘導発熱部材)を用いて、熱ローラ27の誘導発熱部材27bとして厚み0.2mmの鉄を用い、均熱部27aとして厚み0.5mmのアルミニウムを用いて、誘導発熱部材27bを均熱部27a周面に被覆して接合し熱ローラ27を形成している。
実施例2は、定着ベルト26の基材26aに電鋳加工されたニッケル(ベルト誘導発熱部材)を用いて、熱ローラ27の誘導発熱部材27bとして厚み0.2mmの鉄を用い、均熱部27aとして厚み0.5mmのアルミニウムを用いて、誘導発熱部材27bを均熱部27a周面に嵌め合わせて熱ローラ27を形成している。
実施例3は、定着ベルト26の基材26aに電鋳加工されたニッケル(ベルト誘導発熱部材)を用いて、熱ローラ27の誘導発熱部材27bとして厚み30μmのニッケルメッキを施し、均熱部27aとして厚み0.5mmのアルミニウムを用いている。
実施例4は、定着ベルト26の基材26aに銀(ベルト誘導発熱部材)を分散させて、熱ローラ27の誘導発熱部材27bとして厚み0.2mmの鉄を用い、均熱部27aとして厚み0.5mmのアルミニウムを用いて、誘導発熱部材27bを均熱部27a周面に被覆して接合し熱ローラ27を形成している。
実施例5は、定着ベルト26の基材26aに銀(ベルト誘導発熱部材)を分散させて、熱ローラ27の誘導発熱部材27bとして厚み0.2mmの鉄を用い、均熱部27aとして厚み0.5mmのアルミニウムを用いて、誘導発熱部材27bを均熱部27a周面に嵌め合わせて熱ローラ27を形成している。
実施例6は、定着ベルト26の基材26aに銀(ベルト誘導発熱部材)を分散させて、熱ローラ27の誘導発熱部材27bとして厚み30μmのニッケルメッキを施し、均熱部27aとして厚み0.5mmのアルミニウムを用いている。
本発明は、電子写真方式を利用した複写機、プリンタ、ファクシミリ、それらの複合機等の画像形成装置に用いる、用紙上の未定着トナー像を定着させる定着装置及びそれを備えた画像形成装置に利用することができ、特に電磁誘導加熱方式による定着装置、およびこの定着装置を装備する画像形成装置に利用することができる。
は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の全体構成を示す概略平面図である。 は、本発明の第1実施形態に係る定着装置の構成を概略的に示す平面図である。 は、本発明の第2実施形態に係る定着装置のベルト誘導発熱部材の電流駆動周波数と表皮深さの関係を示す図である。
符号の説明
1 画像形成装置
5 定着装置
18 加熱部材
19 加圧ローラ
23 定着ローラ
23a 基材
23b 弾性層
25 サーミスタ
26 定着ベルト
26a 基材
26b 弾性層
26c 離型層
27 熱ローラ
27a 均熱部
27b 誘導発熱部材
27c 離型層
30 誘導加熱部
37 励磁コイル
38 ホビン
39 コア
41 電源
43 制御部

Claims (7)

  1. 加圧回転体に対向して配置される定着部材と、誘導発熱部材を有する熱ローラと、前記定着部材と前記熱ローラとの間に張架される無端状の定着ベルトと、用紙を前記定着ベルトと前記加圧回転体とで挟持して、用紙上の未定着トナー像を溶融定着するニップ部と、前記定着ベルトの外周で前記熱ローラに対向配置されるとともに磁束を発生させて該磁束によって前記誘導発熱部材を誘導加熱する誘導加熱部とを備える定着装置において、
    前記定着ベルトは、前記誘導加熱部により誘導加熱されるベルト誘導発熱部材を有し、前記熱ローラは、前記誘導加熱部側から順に前記誘導発熱部材と、熱伝導率の大きい均熱部とを有することを特徴とする定着装置。
  2. 前記誘導発熱部材は鉄で形成され、前記均熱部はアルミニウムで形成されることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記誘導発熱部材はニッケルで形成され、前記均熱部はアルミニウムで形成されることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  4. 前記誘導発熱部材は、前記均熱部周面に接合されることを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  5. 前記誘導発熱部材は、前記均熱部に嵌め合わされることを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  6. 前記ベルト誘導発熱部材は、ニッケル、または前記定着ベルトの基材に分散される銀で形成されることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の定着装置。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の定着装置が搭載された画像形成装置。
JP2008116691A 2008-04-28 2008-04-28 定着装置及びそれを備えた画像形成装置 Pending JP2009265457A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008116691A JP2009265457A (ja) 2008-04-28 2008-04-28 定着装置及びそれを備えた画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008116691A JP2009265457A (ja) 2008-04-28 2008-04-28 定着装置及びそれを備えた画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009265457A true JP2009265457A (ja) 2009-11-12

Family

ID=41391369

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008116691A Pending JP2009265457A (ja) 2008-04-28 2008-04-28 定着装置及びそれを備えた画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009265457A (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001230064A (ja) * 2000-02-14 2001-08-24 Canon Inc 加熱装置、加熱定着装置および画像形成装置
JP2001242732A (ja) * 1999-12-22 2001-09-07 Matsushita Electric Ind Co Ltd 定着装置
JP2006126410A (ja) * 2004-10-28 2006-05-18 Matsushita Electric Ind Co Ltd 加熱装置、定着装置および画像形成装置
JP2006267419A (ja) * 2005-03-23 2006-10-05 Kyocera Mita Corp 定着装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001242732A (ja) * 1999-12-22 2001-09-07 Matsushita Electric Ind Co Ltd 定着装置
JP2001230064A (ja) * 2000-02-14 2001-08-24 Canon Inc 加熱装置、加熱定着装置および画像形成装置
JP2006126410A (ja) * 2004-10-28 2006-05-18 Matsushita Electric Ind Co Ltd 加熱装置、定着装置および画像形成装置
JP2006267419A (ja) * 2005-03-23 2006-10-05 Kyocera Mita Corp 定着装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4936430B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP6108837B2 (ja) 画像加熱装置
JP2006047988A (ja) 像加熱装置
JP2013037056A (ja) 像加熱装置
JP5228309B2 (ja) 定着装置、および画像形成装置
JP2013037052A (ja) 像加熱装置
JP2005121899A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2008299288A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP5865853B2 (ja) 定着装置及びそれを備えた画像形成装置
JP4962201B2 (ja) 定着装置及び発熱ローラ並びにそれを用いた画像形成装置
JP4878745B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2013037055A (ja) 像加熱装置
JP4526019B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP5325444B2 (ja) 定着装置及びそれを備えた画像形成装置
JP5331910B2 (ja) 定着装置及びそれを備えた画像形成装置
JP5049826B2 (ja) 定着装置及びそれを備えた画像形成装置
JP5183350B2 (ja) 定着装置及びそれを備えた画像形成装置
JP2007047224A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2009265457A (ja) 定着装置及びそれを備えた画像形成装置
JP4423986B2 (ja) 定着装置
JP5663518B2 (ja) 定着装置及びそれを備えた画像形成装置
JP5836226B2 (ja) 定着装置及びそれを備えた画像形成装置
JP2010078916A (ja) 定着装置及びそれを備えた画像形成装置
JP2010078917A (ja) 定着装置及びそれを備えた画像形成装置
JP2011138155A (ja) 定着装置及び画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101221

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120703

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120710

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120906

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130108