JP5273924B2 - 定着装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真プロセスや静電記録プロセスを用いた画像形成装置に搭載される電磁誘導加熱方式の定着装置に関する。
電子写真方式の複写機・プリンタ・ファクシミリ等の画像形成装置は、被加熱材である記録紙・転写材等の記録材上に形成された未定着のトナー像(現像剤像)を記録材に加熱定着させるための加熱装置を備えている。この加熱装置は、一般に、記録材上のトナーを熱溶融させる加熱ローラ若しくはエンドレスベルトより成る加熱ベルトと、該加熱ローラ又は加熱ベルトに圧接されて記録材を挟持する加圧手段とを有している。
加熱ローラは、発熱体によって内部又は外部より直接若しくは間接的に加熱される。発熱体としては、例えばハロゲンヒータや抵抗発熱体等が挙げられる。特に近年、画像形成装置の省エネルギー化と、ユーザーの操作性向上(クイックプリント、ウォームアップ時間の短縮)との両立を図ることが重視されている。このことから、特許文献1〜3等に開示されているように、発熱効率の高い誘導加熱方式を用いた誘導加熱装置が提案されている。
この誘導加熱装置は、金属導体から成る中空の加熱ローラに誘導電流(渦電流)を発生させ、加熱ローラ自体の表皮抵抗によって加熱ローラそのものをジュール発熱させるものである。これによれば、発熱効率が極めて向上するため、ウォームアップ時間の短縮が可能となる。
特許文献2の装置は、磁束発生手段から発熱部材へ届く磁束の一部を遮蔽する磁束調整部材を配置している。そして、この磁束調整部材の位置を発熱部材における記録材の通紙範囲に応じて変位手段により変化させることで発熱部材の非通紙部領域における温度上昇を抑制する磁束調整手段を具備させている。
ここで、非通紙部昇温とは、装置に通紙可能な最大幅サイズの記録材よりも幅が小さい記録材が通紙されると、加熱部において記録材により熱が奪われない領域(非通紙部領域)が生じる。そのため、その非通紙部領域に対応する加熱ローラ部分の温度が通紙部領域に対応する加熱ローラ部分の温度よりも上昇する現象である。
特許文献3には、端部温度ダレの対策として、励磁コイルを加熱源とした加熱装置において、加熱源を分割して選択的に通電する構成が提案されている。
特開昭59−033787号公報 特開平10−74009号公報 特開平8−016006号公報
このような誘導加熱装置においては、印加する高周波電流の周波数、加熱ローラの透磁率及び固有抵抗値とから決定される表皮抵抗に比例した電力で加熱ローラが発熱する。従って、加熱ローラの厚みが厚くても発熱量は変わらない。このため、加熱ローラの厚さが厚い場合、却って発熱効率が低下してしまい、ウォームアップ時間短縮の効果を得ることが困難となる。
一方、加熱ローラの厚さが薄過ぎてしまうと、磁束が加熱ローラを突き抜けてしまい、発熱効率が低下したり、加熱ローラ周辺の金属部材を加熱したりしてしまう。従って、加熱ローラの厚さは略20〜3000μm程度が望ましい。
ところが、熱容量を小さくするために薄肉の加熱ローラを使用する場合、軸直角断面の断面積が極めて小さくなるために軸方向への熱移動率が良好でない。この傾向は断面積が小さいほど顕著であり、熱伝導率の低い樹脂等の材質では更に低くなる。これは、熱伝導率をλ、2点間の温度差を(θ1−θ2)、長さをLとしたとき、単位時間に伝わる熱量Qは、
Q=λ・f(θ1−θ2)/L
で表されるというフーリエの法則からも明らかである。
一般的に定着動作を行わないスタンバイ状態の時は、加熱ローラの長手方向の中央部と両端部の温度差をできるだけ少なくするよう温度均一化させようとする。しかし、上述した薄肉の加熱ローラを使用する場合、その肉厚の薄さのため、加圧ローラで加圧されると長手方向中央部がたわみ、またつぶれやすくなる。そのため加熱ローラ長手方向端部に対し中央部のニップが狭くなり、さらにはニップ部圧力も低くなってしまう。そこで、薄肉の加熱ローラを使用する場合は、スタンバイ状態の時は、加熱ローラの長手方向の中央部温度を、両端部の温度よりも若干高くするようにして温度分布の最適化を図っている。
しかし、装置に通紙可能な最大幅の記録材(最大サイズ記録材)の定着処理をする場合、加熱ローラの長手方向での熱移動が少なく、又、加熱ローラ長手方向の両端部においては中央部よりも放熱量が大きい。このことから、特に通紙開始直後は加熱ローラ長手方向中央部と比較して両端部の温度が極端に低くなってしまう(以下、「端部温度ダレ」と称する)。
その結果、最大サイズ記録材を連続で定着させる場合や厚手の記録材への定着の場合に、加熱ローラの長手方向の両端部において定着不良が発生してしまうという問題がある。又、定着不良が発生しないように定着温度を高くした場合、消費エネルギーが増加するとともに、加熱ローラ長手方向中央部と両端部とで定着画像の光沢が異なってしまうという問題もある。
また、加熱ローラ長手方向両端部の温度が下がり、加熱ローラ、及び加熱ローラに圧接される加圧ローラの表層を構成するゴム材が熱収縮してしまい、加熱ローラ及び加圧ローラの両端部の直径が小さくなってしまう。それにより、両端部の記録材搬送速度が減少してしまい、いわゆるしわ取り効果が失われ、しわが発生していまうという問題が発生していた。
端部温度ダレの対策として、特許文献3のように、加熱源を複数設けたり分割したりすれば、その分だけ制御回路も複雑となってコストも高くなる。しかも、薄肉の回転体を加熱体にすると、分割した場合の境目付近の温度分布が不連続且つ不均一で定着性能に影響を及ぼす可能性がある。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものである。その目的とする処は、誘導発熱体の長手方向の温度分布をほぼ均一、または端部高とし、例えば画像形成装置においてのしわ発生等の問題を解決することができる電磁誘導加熱方式の定着装置を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明に係る定着装置の代表的な構成は、定着ローラと、前記定着ローラの中空部に設けられ前記定着ローラを電磁誘導発熱させる励磁コイルと、前記定着ローラと同軸的に設けられ、前記励磁コイルから前記定着ローラの所定の領域に向かう磁束のうち前記定着ローラの長手方向中央部に向かう磁束を選択的に少なくなるように調整する磁束調整位置と、前記励磁コイルから前記定着ローラの所定の領域に向かう磁束の調整を行わない退避位置と、の間を回動可能な磁束調整板と、前記定着ローラの長手方向中央部の温度を検知する第1のセンサと、装置に使用可能な幅が最大の記録紙を通紙する際には通紙域となり且つ前記最大の記録紙よりも幅狭の所定の記録紙を通紙する際には非通紙域となる前記定着ローラの長手方向端部側の温度を検知する第2のセンサと、前記定着ローラの長手方向中央部の温度が目標温度となるように前記第1のセンサの出力に応じて前記励磁コイルへの通電を制御する制御手段と、前記磁束調整板を回動させる駆動手段であって、スタンバイ時においては前記磁束調整板を前記退避位置に位置させ、前記最大の記録紙の通紙時においては前記定着ローラの長手方向両端部の温度が中央部よりも高くなるように前記第2のセンサの出力に応じて前記磁束調整板を前記磁束調整位置と前記退避位置とに交互に繰り返し位置させる駆動手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、最大サイズ記録材の通紙中における誘導発熱体の長手方向の温度分布をほぼ均一、または端部高とし、しわ発生等の問題を解決することができる。
(1)画像形成装置
図1は本発明に従う画像加熱装置を記録材上の未定着画像を定着する定着装置として用いた画像形成装置の一例の概略構成図である。この画像形成装置は電子写真方式の複合機能機であり、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置として機能する。
Aは画像出力部、Bは画像出力部Aの上部に配設した画像読取部である。画像読取部Bは原稿の画像情報を光電読取りするイメージリーダであり、原稿台ガラス1の上に、原稿Oを画像面を下向きにして所定の載置基準に従って載置し、原稿押え板2を被せる。操作パネル(ユーザーパネル)3のスタートキーが押されると画像読取機構4が動作してガラス1上の原稿Oの下向きの画像面が光電読取りされる。画像読取機構4は光学系移動型であり、原稿照明光源5、反射ミラー6〜8、結像レンズ9、CCDアレイ等の画像読取素子10等を有する。画像読取素子10で光電読取りされた原稿画像の電気的情報が制御ユニット(CPU:制御手段)Cに入力し、画像処理部で画像変調されてデジタル画像信号(コード化された画像データ)となる。
制御ユニットCは画像出力部A及び画像読取部Bにおける各種負荷の駆動、センサ類の情報収集解析、操作パネル3や外部機器(パーソナルコンピュータ・相手方ファクシミリ装置等)Dとのデータの交換等の役割を担っている。即ち、画像形成装置はこの制御ユニットCによって統括的に制御される。
制御ユニットCは画像形成装置が複写機モードにされている場合には、上記のように画像読取部Bから伝送されて画像処理部で所定の画像処理を施した画像信号を画像出力部Aのレーザースキャナ11に伝送する。また、制御ユニットCは、画像形成装置がファクシミリ送信モードにされている場合は、上記のように画像読取部Bから伝送されて画像処理部で所定の画像処理を施した画像信号を外部機器Dである相手方ファクシミリ装置に伝送する。また、制御ユニットCは、外部機器Dであるパーソナルコンピュータ等からの出力信号が入力したときは、画像形成装置をプリンタモードにして、その出力信号をレーザースキャナ11に入力する。また、制御ユニットCは、外部機器Dである相手方ファクシミリ装置からの送信信号が入力したときは、画像形成装置をファクシミリ受信モードにして、その送信信号をレーザースキャナ11に入力する。
すなわち、この画像形成装置は、レーザースキャナ11に、画像読取部Bからの原稿読取処理信号を入力すれば複写機として機能し、パーソナルコンピュータ等の出力信号を入力すればプリンタとして機能する。また、他機のファクシミリ装置からの送信信号をレーザースキャナ11に入力したり、画像読取部Bからの原稿読取信号を他機のファクシミリ装置に送信したりすれば、ファクシミリ装置として機能する。
画像出力部Aは、ドラム型の電子写真感光体(像担持体:以下、感光ドラムと記す)12を有する。この感光ドラム12は矢印の時計方向に所定の速度で回転駆動され、その回転過程で、周面が一次帯電器13により所定の極性・電位に一様に帯電処理される。その一様帯電処理面に対して、レーザースキャナ11により、該スキャナに伝送された画像情報信号に対応して変調されたレーザー光Lによる走査露光がなされる。これにより、感光ドラム12の面に走査露光した画像情報パターンに対応した静電潜像が形成される。その静電潜像が現像器14により現像剤像(トナー像)として反転現像または正規現像される。そして、その現像剤像が、感光ドラム12と転写ローラ15との当接部である転写ニップ部において、該ニップ部へ、カセット給紙部16又は手差し給紙部(マルチ・パーパス・トレイ)17から給紙された記録媒体としての記録材Pに順次に転写される。
カセット給紙部16は、それぞれサイズの異なる記録材を積載して収納した複数の給紙カセットを有する。本実施例の画像形成装置においては第1〜第3の上下3段の給紙カセット16a・16b・16cを有し、選択された段位のカセットからの記録材Pの1枚分離給紙動作が所定の制御タイミングで行われる。あるいは、手差し給紙部17からのシートPの1枚分離給紙動作が所定の制御タイミングで行われる。
カセット給紙部16の選択された給紙カセットから給紙された記録材P、又は手差し給紙部17から給紙された記録材Pは、シートパス18によりレジストローラ19へ搬送される。その時、レジストローラ19は停止しており、記録材Pの先端はニップ部に突き当たる。その後、所定の制御タイミングで、感光ドラム12に対するレーザースキャナ11による走査露光Lが開始されて、感光ドラム12に対する現像剤像の形成が行われる。レジストローラ19の回転開始のタイミングは、記録材Pの先端部と、感光ドラム12上に形成された画像の先端部が転写ニップ部において丁度一致するように設定されている。
転写ニップ部を通った記録材Pは感光ドラム面から分離され、搬送ガイド21によって定着装置F内に導入される。
記録材分離後の感光ドラム12の面はクリーニング器20により転写残現像剤等の残留物の除去を受けて清掃されて、繰り返して作像に供される。
定着装置F内に導入された記録材Pは、記録材上の未定着の現像剤像が加熱および加圧されて固着画像として定着される。そして、記録材Pは定着装置Fを出て、排紙ローラ対22を通って、排紙口23から排紙トレイ24に排出される。
ここで、記録材Pに関して、幅とは、記録材Pの平面において記録材搬送方向に直交する方向の記録材寸法である。そして、画像形成装置に通紙使用することができる最大幅の記録材を最大サイズ記録材とする。また、この最大サイズ記録材の幅よりは小さく、設定した或る下限幅以上の幅範囲の記録材を中サイズ記録材とする。また、その中サイズ記録材の下限幅よりも小さい幅の記録材を小サイズ記録材とする。
本例の画像形成装置においては、最大サイズ記録材はA3(420mm×297mm:縦送り)である。中サイズ記録材は下限幅240mm以上の、B4(364mm×257mm:縦送り)、B5Y(257mm×182mm:横送り)等である。小サイズ記録材はA4R(297mm×210mm:縦送り)、B5R(257mm×182mm:縦送り)、A5R(210mm×148mm:縦送り)等である。
S1・S2・S3は第1〜第3のカセットサイズ検知手段であり、カセット給紙部16の第1〜第3の給紙カセット16a・16b・16cの各装着段位に配設してある。このカセットサイズ検知手段S1・S2・S3は、それぞれ、対応する段位に装着された給紙カセットが何サイズの記録材を収容しているカセットであるかを検知する。そして、その検知情報が制御ユニットCに入力する。制御ユニットCはその入力情報により、操作パネル3の表示部に第1〜第3の給紙カセット16a・16b・16cにそれぞれ何サイズの記録材が収容されているかを表示する。
S4は記録材搬送時サイズ検知手段であり、レジストローラ19よりも記録材搬送方向上流側に配設してある。この検知手段S4は手差し給紙部17から給紙されてレジストローラ19に搬送された記録材の幅サイズを検知する。また、カセット給紙部16の選択された給紙カセットから給紙されてレジストローラ19に搬送された記録材の幅サイズを検知する。そして、その検知情報が制御ユニットCに入力する。
第1〜第3のカセットサイズ検知手段S1・S2・S3、記録材搬送時サイズ検知手段S4は超音波センサ等によって構成されている。
図2の制御系統のブロック図において、25は記録材サイズ検知手段であり、例えば操作パネル3の複数のプッシュスイッチの入力された信号の組み合わせによって記録材サイズを判断する。記録材サイズ検知手段25は、操作パネル3と、第1〜第3のカセットサイズ検知手段S1・S2・S3と、記録材搬送時サイズ検知手段S4とで構成されている。制御ユニットCは、操作パネル3或いは外部機器Dから使用者が選択指定した記録材サイズによる信号により通紙される記録材の幅サイズを認識する。また、記録材搬送時サイズ検知手段S4により手差し給紙部17から給紙された記録材の幅サイズを認識する。また、記録材搬送時サイズ検知手段S4によりカセット給紙部16の選択された給紙カセットから給紙された実際の記録材の幅サイズを認識する。使用者の誤操作、給紙カセットへの記録材サイズ誤挿入を避けるために、カセットサイズ検知手段S1・S2・S3の検知情報と、記録材搬送時サイズ検知手段S4の検知情報を組み合わせ併用しても良い。
(2)定着装置F
ここで、本実施例の以下の説明において、定着装置Fに関して装置正面とは記録材入口側の面である。左右とは装置を正面から見て左又は右である。また、長手方向とは記録材の搬送路面において記録材の搬送方向に直交する方向に並行な方向である。また、上流側と下流側とは記録材搬送方向に関して上流側と下流側である。
図3は本実施例における定着装置Fの要部の拡大横断左側面模型図、図4は同じく正面模型図、図5は同じく縦断正面模型図である。
この定着装置Fは電磁誘導加熱方式の加熱ローラ型の画像加熱装置であり、誘導発熱体としての定着ローラ31と、加圧部材としての弾性加圧ローラ32を有する。
定着ローラ31は中空金属導体(中空の回転体)であり、例えば鉄・ニッケル・SUS430等の導電性磁性材料から形成される金属層(導電層)を有している。定着ローラ31の外表面には、フッ素樹脂等より成る耐熱性の高い離型層(伝熱材)31aが形成されている。本実施例で用いた定着ローラ31の金属層の厚さは20μm〜3.0mmである。この定着ローラ31はその左右両端部を装置の左右の第1側板51L・51R間に軸受部材52を介して回転可能に支持させて配設してある。
加圧ローラ32は、芯金32aと、該芯金32aの周囲にローラ状に形成された耐熱ゴム層32bを有する。耐熱ゴム層32bの外表面には、フッ素樹脂等より成る耐熱性の高い離型層32cが形成されている。この加圧ローラ32は定着ローラ31の下側において定着ローラ31にほぼ並行に配列し、芯金32aの左右両端部を装置の左右の第1側板51L・51R間に軸受部材53を介して回転可能に支持させて配設してある。そして、この加圧ローラ32を定着ローラ31の下面に対して押上げ手段(不図示)によりゴム層32bの弾性に抗して所定の押圧力にて圧接させて加熱部としての定着ニップ部Nを形成させている。
定着ローラ31の左側の端部には定着ローラ駆動ギアG1を外嵌して固着させて配設してある。このギアG1にモータを含む定着ローラ駆動手段61より駆動力が伝達されることで、定着ローラ31は図3において矢印の時計方向に所定の速度で回転駆動される。定着ローラ駆動手段61は制御ユニットCにより制御される。この定着ローラ31の回転駆動に伴い、定着ニップ部Nにおける定着ローラ31との摩擦力で加圧ローラ32に回転トルクが作用して加圧ローラ32が矢印の反時計方向に従動回転する。
定着ローラ31の中空部には、定着ローラ31に誘導電流(渦電流)を誘起させてジュール発熱させるための高周波磁界を生じる磁束発生手段としてのコイルアセンブリ33を挿入して非回転に支持させて配置してある。磁束発生手段は、少なくとも、磁束を発生する励磁コイル及びがイ励磁コイルの巻き中心付近に配置され、励磁コイルが発生した磁束を導く磁性コアを有する。
図6は本実施例における磁束発生手段としてのコイルアセンブリ33の分解斜視図である。このコイルアセンブリ33は、横断面略半円状で左右方向に長いボビン34と、このボビン34の外側にボビン長手に沿って銅線(リッツ線)を舟形に巻回して構成した励磁コイル35と、ボビン34の内側に保持させた左右方向に長い磁性コア36を有している。ボビン34は、耐熱性・電気絶縁性エンジニアリング・プラスチックの成形品であり、内側には磁性コア36を挿入するための通孔が形成されており、励磁コイル35と磁性コア36とを絶縁する絶縁部としても機能する。磁性コア36は透磁率が大きく自己損失の小さいものが望ましく、例えばフェライト、パーマロイ、センダスト、アモルファス、珪素鋼板等が適している。本実施例においてこの磁性コア36は横断面T字型コアであり、T字の縦部に相当するセンターコア36aと、T字の横部に相当する上流側と下流側のサイドコア36bと36cとを組み合わせて構成されている。センターコア36aは励磁コイル35の巻き中心付近に配置される。
上記のコイルアセンブリ33をステー37に励磁コイル35側を外側にして固定して支持させてある。コイルアセンブリ33のステー37に対する固定は例えば熱収縮チューブを用いてなされる。ステー37はコイルアセンブリ33よりも長い板状の剛性部材であり、エンジニアリング・プラスチックの成形品である。
コイルアセンブリ33を固定支持させたステー37を定着ローラ31の中空部に挿入する。そして、コイルアセンブリ33を下向きにし、かつコイルアセンブリ33を定着ローラ31とほぼ同心に位置させて、ステー37の左右両端部を装置の左右の第2側板54L・54R間に非回転に固定して支持させて配設してある。これにより、コイルアセンブリ33はステー37によって定着ローラ31の内面と励磁コイル35の外面との間に所定の一定のギャップ(隙間:間隔)を保って保持されている。また、コイルアセンブリ33は定着ローラ31の外部に露呈しないように定着ローラ中空部に収納されている。
励磁コイル35はそのリード線部分35a・35bを定着ローラ31の左側の端部開口から外部に引き出して、励磁コイル35に高周波電流を供給する励磁コイル駆動電源(励磁回路)62に電気的に接続してある。励磁コイル駆動電源62は制御ユニットCにより制御される。
また、定着ローラ31の中空部には、定着ローラ31の内面に沿うようにしてローラ周方向に可動な磁束遮蔽板38を配設してある。この磁束遮蔽板38は、励磁コイル35から定着ローラ31に対する作用磁束に対して、記録材搬送方向に直交する加熱部長手方向に関する磁束密度分布を変化させる磁束調整手段である。この磁束遮蔽板3の位置を定着ローラ周方向に変化させることによって、励磁コイル35から定着ローラ31へ届く磁束の一部を遮蔽して定着ローラ長手方向に関する温度分布を調整する。磁束遮蔽板38は少なくとも非磁性金属材料又は非磁性金属材料を含む合金で構成される。具体的には、導電体であって固有抵抗の小さい非磁性金属材料である銅、アルミニウム、銀若しくはその合金等が適している。
上記の磁束遮蔽板38は、磁束遮蔽板変位制御を行う駆動手段によって、上記の磁束密度分布を変化させる遮蔽位置と、磁束密度分布を変化させない非遮蔽位置(退避位置)にそれぞれ移動可能である。即ち、磁束遮蔽板38は、定着ローラ31と同軸的に設けられ、励磁コイル35から定着ローラ31の所定の領域に向かう磁束のうち定着ローラの長手方向中央部に向かう磁束を選択的に少なくなるように調整する遮蔽位置(磁束調整位置)と、励磁コイル35から定着ローラ31の所定の領域に向かう磁束の調整を行わない退避位置と、の間を回動可能な磁束調整板である。
本実施例においては、定着ローラ31とコイルアセンブリ33の励磁コイル35との間に、定着ローラ31の内面に沿うように移動可能で、励磁コイル35から定着ローラ31へ届く磁束の一部を遮蔽する磁束調整手段としての磁束遮蔽板38が設けられている。そして、磁束遮蔽板駆動手段63により磁束遮蔽板38の位置を定着ローラ31の周方向に変化させることによって、記録材サイズ検知手段25と連動して定着ローラ長手方向の渦電流による発熱範囲を制御することができるよう構成されている。より具体的には、磁束遮蔽板38をコイルアセンブリ33の上流側磁性コア36b又は下流側磁性コア36cと定着ローラ31の内面との間に挿入するように移動させることによって定着ローラ(加熱部)長手方向に関する作用磁束の密度分布を変化させている。
上記の磁束遮蔽板38とその移動制御については後記の(3)項で詳述する。
励磁コイル駆動電源62は制御ユニットCからの信号により励磁コイル35に高周波電流(交番電流)を供給する。励磁コイル35は駆動電源62から供給される高周波電流によって高周波磁界(交番磁束)を定着ローラ長手方向に発生させ、その発生磁束である交番磁束は磁性コア36に導かれて定着ローラ31に渦電流を発生させる。その渦電流は定着ローラ31の固有抵抗によってジュール熱を発生させる。これにより定着ローラ31が電磁誘導発熱状態になる。そして、定着ローラ31は回転駆動されることによって表面温度が均一化される。
図7は上記のような系における定着ローラ31の発熱の状態を定着ローラ31の横断面模型図で示したもので、コイルアセンブリ33から定着ローラ31への主たる磁束作用領域と、それに対応する定着ローラ部分の円周方向発熱量分布の説明図である。コイルアセンブリ33の励磁コイル35は交番電流が流されることで交番磁束を発生する。定着ローラ31は前記のように磁性金属または磁性材料を用いており、定着ローラ31の肉厚内では磁界を打ち消すように誘導電流(渦電流)が発生する。この誘導電流によるジュール熱により定着ローラ31自体が発熱し、昇温していくことになる。本実施例の構成においては、コイルアセンブリ33の、励磁コイル35と磁性コア36a・36b・36cを組み込んだボビン34の半円筒外面側が、コイルアセンブリ33から定着ローラ31への主たる磁束作用領域である。すなわち、励磁コイル35及び定着ローラ31、磁性コア36a・36b・36cで構成される磁気回路部(不図示)であり、この磁束作用領域において定着ローラ31の誘導加熱がなされる。そして、定着ローラ31の円周方向において、その主たる磁束作用領域に対応する定着ローラ部分にて発熱する発熱量分布は模式図に示すように、2ヶ所に発熱量の多い部分H・Hが存在する。
定着ローラ31の外周上には、図4のように定着ローラ31の温度を検出する第1〜第3の温度検知手段(温度センサ)TH1・TH2・TH3が設けられている。これらの温度検知手段TH1・TH2・TH3は、定着ローラ31を隔てて内部の励磁コイル35に向かい合うように、定着ローラ31の表面に圧接または近接されている。これらの温度検知手段TH1・TH2・TH3は、例えば、サーミスタやサーモパイル、熱電対などの一般的な温度検知手段である。そして、これらの温度検知手段TH1・TH2・TH3でそれぞれ検知される定着ローラ31の温度情報が制御ユニットCに入力する。
第1の温度検知手段TH1(第一温度検知部材:第1のセンサ)は定着ローラ31の温調制御用のメインサーミスタであり、定着ローラ長手方向の略中央部(定着ローラの長手方向中央部)に対応する位置(記録材中央通紙基準線に略対応する位置)に配設してある。制御ユニットCはこの第1の温度検知手段TH1から入力する定着ローラ31の温度情報に基づいて励磁コイル駆動電源62を制御する。すなわち、第1の温度検知手段TH1から入力する定着ローラ温度が所定の定着温度(目標温度)に維持されるように励磁コイル駆動電源61から励磁コイル35への供給電力量を制御する。つまり、制御ユニットCが第1の温度検知手段TH1の出力に応じて励磁コイル35への通電量を制御する通電制御手段である。
第2の温度検知手段TH2は小サイズ記録材を通紙した時の定着ローラ31の非通紙部昇温を検知する小サイズ用サーミスタ、第3の温度検知手段TH3は中サイズ記録材を通紙した時の定着ローラ31の非通紙部昇温を検知する中サイズ用サーミスタである。第2と第3の温度検知手段TH2とTH3が第一温度検知部材である第1の温度検知手段TH1よりも外側の位置の定着ローラの温度を検知する第二温度検知部材である。上記の第1〜第3の温度検知手段TH1・TH2・TH3は、励磁コイル35に向かい合うように定着ローラ31の内面に圧接または近接して配置してもよい。
また定着ローラ31には、さらに温度異常上昇時の保安素子として、サーモスタットTH−SWが設けられている。このサーモスタットTH−SWは、定着ローラ長手方向の略中央部に対応する位置(記録材中央通紙基準線に略対応する位置)に、定着ローラ31の表面に接触または近接して配置されている。そして、このサーモスタットTH−SWは、熱暴走により定着ローラ31が予め設定された許容温度以上の高温に加熱されると接点を開放して励磁コイル35への通電を緊急切断する。
定着ローラ31および加圧ローラ32が回転され、また定着ローラ31がコイルアセンブリ33により電磁誘導加熱されて所定の定着温度に温調される。この状態において、図3のように、未定着の現像剤像tが転写されている記録材(被加熱材)Pが矢印aで示す方向から定着ニップ部Nに導入されて挟持搬送される。その搬送過程で記録材Pには、加熱された定着ローラ31の熱と、加圧ローラ32から作用する圧力とが加えられる。これにより、記録材P上には現像剤像tが固着され、定着画像が形成される。定着ニップ部Nを通過した記録材Pは、先端部が定着ローラ31の表面に当接する分離爪39により定着ローラ31から剥離されて図3において左方向に搬送される。分離爪39は、耐熱性および電気絶縁性エンジニアリング・プラスチックから形成されている。
本実施例の画像形成装置及び定着装置において、記録材Pの通紙は記録材幅中心の中央基準である。図4において、Sはその記録材中央通紙基準線(仮想線)である。すなわち、幅を大小異にするどのサイズの記録材もその幅中心が記録材中央通紙基準線Sにほぼ一致して搬送される。PW1は最大サイズ記録材の通紙域幅である。この通紙域幅PW1は、図5のように、コイルアセンブル33のセンターコア36aの長さ寸法に略対応している。具体的には、A3幅(297mm)の記録材に対応する幅となっている。即ち、A3幅よりも多少大きい値、302mmである。PW2は中サイズ記録材の通紙域幅である。具体的には、B4幅(257mm)の記録材に対応する幅となっている。即ち、B4幅よりも多少大きい値、262mmである。PW3は小サイズ記録材の通紙域幅である。具体的には、B5R幅(182mm)の記録材に対応する幅となっている。即ち、B5R幅よりも多少大きい値、187mmである。
(3)磁束遮蔽板38とその移動制御
図8は磁束遮蔽板38の外観斜視模型図、図9は磁束遮蔽板38の展開平面図である。
磁束遮蔽板38は横断面においては定着ローラ31の内周面に沿った円弧曲面板部材であり、長手方向においては記録材中央通紙基準線Sを基準として左右略対称形状であって、磁束調整部としての、中央遮蔽部38aと中サイズ遮蔽部38bと小サイズ遮蔽部38cを備えている。
磁束遮蔽板38は定着ローラ31の中空部に挿入して、左右両端の外方延長部38dを、装置の左右の第3側板55L・55Rにそれぞれ軸部57・58を中心に回転可能に設けた磁束遮蔽板駆動ギアG2と円板56に対してそれぞれ固定して支持させている。駆動ギアG2と円板56の回転中心軸線は定着ローラ31の回転中心軸線に一致させている。
磁束遮蔽板駆動手段63により駆動ギアG2が回転されると、磁束遮蔽板38は定着ローラ31の内周面に沿って定着ローラと同心にローラ周方向に回動する。磁束遮蔽板駆動手段63はモータを有しており、このモータの駆動力を駆動ギアG2に伝達することにより磁束遮蔽板38を定着ローラ31の内周方向に回転させることができる。モータには、例えばステッピングモータ等が使用される。尚、磁束遮蔽板駆動手段63はこのような構成に限定されるものではなく、例えば、モータの代わりにベルトを使用したり、スクリューねじにより回転駆動させたりする構成としても良い。
図9のように、定着ローラ31の温度を検出する第1の温度検知手段(メインサーミスタ)TH1は磁束遮蔽板38の中央遮蔽部38aに対応するように配置されている。第2の温度検知手段(小サイズ用サーミスタ)TH2は磁束遮蔽板38の小サイズ遮蔽部38cに対応するように配置されている。第3の温度検知手段(中サイズ用サーミスタ)TH2は磁束遮蔽板38の中サイズ遮蔽部38bに対応するように配置されている。
制御ユニットCは、定着装置Fが記録材を加熱可能な状態時(定着動作を行わないスタンバイ状態時)においては、磁束遮蔽板駆動手段63を制御して、磁束遮蔽板38を、図10のように、定着ローラ内空部の上側に移動させた回転角度位置に保持させる。この磁束遮蔽板38の回転角位置は、ステー37を中にして、コイルアセンブリ33とは180°反対側の位置であり、磁束遮蔽板38は定着ローラ31の内面とコイルアセンブリ33との対向隙間部からは全体に抜けている。すなわち、磁束遮蔽板38は、励磁コイル35及び定着ローラ31、磁性コア36a・36b・36cで構成される磁気回路部(磁束作用領域)から全体に抜けている。この磁束遮蔽板38の回転角位置は、定着ローラ31の加熱部長手方向に関する磁束路度を変化させない磁束遮蔽板38の非遮蔽位置(退避位置)である。従って、定着ローラ31はその長手方向の温度分布が略均一にされる。
また、制御ユニットCは、記録材サイズ検知手段25から入力する使用記録材のサイズ情報が4・B5Y等の中サイズ記録材であるときには、磁束遮蔽板駆動手段63を制御して、磁束遮蔽板38を、図11の回転角位置に移動させる。即ち、磁束遮蔽板38を図10の退避位置から時計方向に回動させて、中サイズ遮蔽部38bの部分を定着ローラ31の内面とコイルアセンブリ33の上流側磁性コア36bとの間の第1遮蔽位置K1(作用位置)に挿入させた回転角位置に移動させ、その位置に保持させる動作制御を行う。これにより、定着ローラ31の加熱部長手方向に関する磁束密度分布が、中サイズ遮蔽部38bに対応する定着ローラ部分に対する作用磁束が遮蔽されることにより変化する。すなわち、中サイズ記録材の非通紙部領域に対応する定着ローラ部分の発熱量が減少されて、定着ローラ31の非通紙部昇温が低減される。
また、制御ユニットCは、記録材サイズ検知手段25から入力する使用記録材のサイズ情報がA4R・B5R・A5R等の小サイズ記録材であるときには、磁束遮蔽板駆動手段63を制御して、磁束遮蔽板38を、図12の回転角位置に移動させる。即ち、磁束遮蔽板38を図10の退避位置から時計方向に回動させて、小サイズ遮蔽部38cの部分を定着ローラ31の内面とコイルアセンブリ33の上流側磁性コア36bとの間の第1遮蔽位置K1(作用位置)に挿入させた回転角位置に移動させ、その位置に保持させる動作制御を行う。これにより、定着ローラ31の加熱部長手方向に関する磁束密度分布が、小サイズ遮蔽部38cに対応する定着ローラ部分に対する作用磁束が遮蔽されることにより変化する。すなわち、小サイズ記録材の非通紙部領域に対応する定着ローラ部分の発熱量が減少されて、定着ローラ31の非通紙部昇温が低減される。
また、制御ユニットCは、記録材サイズ検知手段25から入力する使用記録材のサイズ情報がA3等の最大サイズ記録材であるときには、磁束遮蔽板駆動手段63を制御して、磁束遮蔽板38を、図13の回転角位置に移動させる。即ち、磁束遮蔽板38を図10の退避位置から反時計方向に回動させて、中央遮蔽部38aの部分を定着ローラ31の内面とコイルアセンブリ33の下流側磁性コア36cとの間の第2遮蔽位置K2(作用位置)に挿入させた回転角位置に移動させ、その位置に保持させる動作制御を行う。これにより、定着ローラ31の長手中央部の発熱量を減少させることによって、定着ローラ31の両端部の温度を端部高の分布にしている。
最大サイズ記録材であるA3通紙時における磁束遮蔽板38の動作シーケンスを図14に基づいて説明する。
制御ユニットCが定着装置Fに記録材の加熱動作を開始する命令を出力すると(S101)、記録材サイズ検知手段25は通紙使用される記録材Pのサイズを検知し、記録材PのサイズがA3であるかどうかを判断する(S102)。
A3サイズでなければ、後述する図16に示すA3通紙時以外の磁束遮蔽板38の動作シーケンスに基づいて動作する(S401)。
検知した記録材のサイズがA3サイズであれば、磁束遮蔽板38を中央部遮蔽位置(図13)に配置する(S103)。これにより、定着ローラ31の長手方向の温度分布は端部高の分布に制御される。
制御ユニットCから定着装置Fに定着動作開始命令が発生する(S104)と、中サイズ用サーミスタTH3の温度Tmを検知(S105)する。中サイズ用サーミスタTH3の検知温度Tmが所定温度範囲内(本実施例では、185℃≦Tm≦210℃)の場合は、磁束遮蔽板38は動作を行わない。
中サイズ用サーミスタTH3の検知温度Tmが所定温度を超えた場合(本実施例では、Tm>210℃)、磁束遮蔽板38は図10に示される非遮蔽位置に移動する(S106)。磁束遮蔽板38は図10に示される非遮蔽位置に移動すると、両端部の温度が端部温度ダレ現象により下がり始める。
そこで再び中サイズ用サーミスタTH3の温度Tmを検知し始める。そして、中サイズ用サーミスタTH3の検知温度Tmが所定温度よりも低くなった場合(本実施例では、Tm<185℃)は、磁束遮蔽板38は、図13に示される中央部遮蔽位置に移動(S107)する。これにより、定着ローラ31の長手方向の温度分布は端部高の分布に制御される。再び中サイズ用サーミスタTH3の温度Tmを検知する。
以上のシーケンスを、制御ユニットCから定着装置Fに出力終了命令が発生される(S108)まで、繰り返し行う。
そして、制御ユニットCから出力終了命令が発生されると、磁束遮蔽板38は、図10に示される非遮蔽位置に移動し(S109)、加熱定着動作を終了する(S110)。
即ち、最大サイズ記録材の通紙開始時は、磁束遮蔽板38により、定着ローラ31の加熱部長手方向に関して中央部における磁束密度を端部における磁束密度よりも少なくなるように磁束密度分布を変化させる制御をする(S103:図13)。そして、最大サイズ記録材の通紙中は、この磁束密度分布を変化させる制御(S107:図13)と、磁束遮蔽板38により磁束密度分布を変化させない制御(S106:図10)とを選択する制御をするものである。
つまり、本実施例において制御ユニットCで制御されて磁束遮蔽板38を回動させる磁束遮蔽板駆動手段63は、装置のスタンバイ時においては磁束遮蔽板38を退避位置に位置させ、最大の記録紙の通紙時においては定着ローラ31の長手方向両端部の温度が中央部よりも高くなるように中サイズ用サーミスタTH3の出力に応じて磁束遮蔽板38を遮蔽位置と退避位置とに交互に繰り返し位置させる。本実施例においては、中サイズ用サーミスタTH3が、装置に使用可能な幅が最大の記録紙を通紙する際には通紙域となり且つ最大の記録紙よりも幅狭の所定の記録紙を通紙する際には非通紙域となる定着ローラ31の長手方向端部側の温度を検知する第2のセンサである。
本実施例の最大サイズ記録材であるA3通紙時において、上記のように磁束遮蔽板38の配置を変化させたときの定着ローラ31の長手方向の温度分布を図15に示す。また、比較例として、本実施例の構成において、磁束遮蔽板38を配置を変化させないときの定着ローラ31の長手方向の温度分布も図15に示す。
本実施例において、スタンバイ中は定着ローラ31の長手方向の温度分布は長手中央部が190℃であるのに対し、両端部が185℃で、中央部温度が若干高くしている。これにより本実施例のような薄肉の定着ローラ31においても、良好な中央部定着性を確保している。そして、最大サイズ記録材であるA3通紙時においては、定着ローラ31の両端部の温度が中央部のよりも上昇している。そのため、定着ローラ31、及び加圧ローラ32の両端部外径は熱膨張により増え、両端部の搬送速度が中央部よりも増加する。よって、しわ取り効果が向上している。
一方、磁束遮蔽板の配置を変化させない比較例においては、最大サイズ記録材であるA3通紙時において端部温度ダレが生じている。そのため、定着ローラ31、及び加圧ローラ32の両端部外径は膨収縮により減り、両端部の搬送速度が中央部よりも減少する。よって、しわ取り効果を発揮することが出来ず、しわが発生してしまう。
次に、本実施例におけるA3サイズ以外の記録紙通紙時における、磁束遮蔽板38の動作シーケンスを図16に基づいて説明する。
制御ユニットCから定着装置Fに定着動作開始命令が発生する(S401)と、中サイズ用サーミスタTH3の温度Tmを検知(S402)する。中サイズ用サーミスタTH3の検知温度Tmが所定温度範囲内(本実施例では、165℃≦Tm≦220℃)の場合は、磁束遮蔽板38は動作を行わない。そして、中サイズ用サーミスタTH3の検知温度Tmが所定温度を超えた場合(本実施例では、Tm>220℃)、磁束遮蔽板38は図11に示される中サイズ遮蔽位置に移動する(S403)。又、中サイズ用サーミスタTH3の検知温度Tmが所定温度よりも低い場合(本実施例では、Tm<165℃)は、磁束遮蔽板38は図10に示される非遮蔽位置に移動(S404)し、再び中サイズ用サーミスタTH3の温度Tmを検知する。
次に、小サイズ用サーミスタTH2の温度Tsを検知(S405)する。小サイズ用サーミスタTH2の検知温度Tsが所定温度範囲内(本実施例では、170℃≦Ts≦215℃)の場合は、磁束遮蔽板38は動作を行わない。そして、再び中サイズ用サーミスタTH2の温度Tmを検知する。ここで、小サイズ用サーミスタTH2の検知温度Tsが所定温度を超えた場合(本実施例では、Ts>215℃)、磁束遮蔽板38は、図12に示される小サイズ遮蔽位置に移動する(S406)。又、小サイズ用サーミスタTH2の検知温度Tsが所定温度よりも低い場合(本実施例では、Ts<170℃)は、磁束遮蔽板38は図10に示される非遮蔽位置に移動し(S404)、再び中サイズ用サーミスタTH3の温度Tmを検知する。
以上のシーケンスを、制御ユニットCから定着装置Fに出力終了命令が発生される(S407)まで、繰り返し行う。
そして、制御ユニットCから出力終了命令が発生されると、磁束遮蔽板38は、図10に示される非遮蔽位置に移動し(S408)、加熱定着動作を終了する(S409)。
而して、本実施例に係る定着装置Fによれば、非通紙部領域及びその付近の定着ローラ31の温度を検知しつつ、磁束遮蔽板38を温度に対応した部分のみ動作させる。そのため、様々な紙種が混載した連続定着であっても、磁束遮蔽板38の動作を少なく抑えつつ定着ローラ31の長手方向の非通紙部昇温を防止することが可能となる。
上記の実施例では記録材の通紙が中央基準である場合にて説明しているが、片側基準においても同様の効果が得られる。また磁束発生手段であるコイルアセンブリ33を発熱体である定着ローラ31の内部に配置した装置構成で説明を行っているが、コイルアセンブリ33を定着ローラ1の外部に配置した構成とすることもできる。この場合も、磁束遮蔽板38を定着ローラとコイルアセンブリの間に挿入すれば同様の効果が得られる。
本発明の電磁誘導加熱方式の画像加熱装置は、実施例の画像加熱定着装置に限られず、未定着画像を記録材に仮定着する仮定着装置、定着画像を担持した記録材を再加熱してつや等の画像表面性を改質する表面改質装置等の画像加熱装置としても有効である。
画像形成装置の一例の概略構成模型図である。 制御系統のブロック図である。 定着装置の要部の拡大横断左面模型図である。 同じく正面模型図である。 同じく縦断面正面模型図である。 コイルアセンブリの分解斜視模型図である。 コイルアセンブリから定着ローラへの主たる磁束作用領域と、それに対応する定着ローラ部分の円周方向発熱量分布の説明図である。 磁束遮蔽板の外観斜視模型図である。 磁束遮蔽板の展開平面図である。 磁束遮蔽板の非遮蔽位置(退避位置)の説明図である。 磁束遮蔽板の中サイズ遮蔽位置(中サイズ記録材通紙時)の説明図である。 磁束遮蔽板の小サイズ遮蔽位置(小サイズ記録材通紙時)の説明図である。 磁束遮蔽板の中央遮蔽位置(A3サイズ記録材通紙時)の説明図である。 A3サイズ通紙時における磁束遮蔽板の動作シーケンス図である。 実施例の定着装置の温度分布を比較例と対比して示す図である。 A3サイズ(最大サイズ)以外の記録材の通紙時における磁束遮蔽板の動作シーケンス図である。
符号の説明
F・・定着装置(画像加熱装置)、31・・定着ローラ(誘導発熱体)、32・・加圧ローラ、33・・コイルアセンブリ、34・・ボビン、35・・励磁コイル(磁束発生手段)、36・・磁性コア、37・・ステー、38・・磁束遮蔽板(磁束調整手段)、39・・分離爪、TH1〜TH3・・温度センサ、TH−SW・・サーモスタット、P・・記録材(被加熱材)、t・・未定着画像(トナー画像)、C・・制御ユニット(CPU)、62・・励磁コイル駆動電源、25・・記録材サイズ検知手段、63・・磁束遮蔽板駆動手段

Claims (1)

  1. 定着ローラと、
    前記定着ローラの中空部に設けられ前記定着ローラを電磁誘導発熱させる励磁コイルと、
    前記定着ローラと同軸的に設けられ、前記励磁コイルから前記定着ローラの所定の領域に向かう磁束のうち前記定着ローラの長手方向中央部に向かう磁束を選択的に少なくなるように調整する磁束調整位置と、前記励磁コイルから前記定着ローラの所定の領域に向かう磁束の調整を行わない退避位置と、の間を回動可能な磁束調整板と、
    前記定着ローラの長手方向中央部の温度を検知する第1のセンサと、
    装置に使用可能な幅が最大の記録紙を通紙する際には通紙域となり且つ前記最大の記録紙よりも幅狭の所定の記録紙を通紙する際には非通紙域となる前記定着ローラの長手方向端部側の温度を検知する第2のセンサと、
    前記定着ローラの長手方向中央部の温度が目標温度となるように前記第1のセンサの出力に応じて前記励磁コイルへの通電を制御する制御手段と、
    前記磁束調整板を回動させる駆動手段であって、スタンバイ時においては前記磁束調整板を前記退避位置に位置させ、前記最大の記録紙の通紙時においては前記定着ローラの長手方向両端部の温度が中央部よりも高くなるように前記第2のセンサの出力に応じて前記磁束調整板を前記磁束調整位置と前記退避位置とに交互に繰り返し位置させる駆動手段と、
    を有することを特徴とする定着装置。
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