JP2012247759A - 画像加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】、熱容量の低い加熱部材を用いても、小サイズ記録材通紙時における非通紙部昇温を十分に抑制することができ、記録材の画像汚れを起こすことの無い電磁誘導加熱方式の画像加熱装置を提供する。
【解決手段】分割可動コアを移動させる個数を装置に導入される記録材の幅サイズによって変更する制御をするとともに、装置に導入される記録材の坪量及び単位時間あたりの通過枚数によって、分割可動コアを移動させると共に、離型性樹脂層を有する均熱部材を加熱部材あるいは加圧部材に当接させる第1の制御モードと、分割可動コアを移動させるが、均熱部材を加熱部材あるいは加圧部材に当接させる第1の制御モードとかつ均熱部材を加熱部材あるいは加圧部材に当接させない第2の制御モードと、を選択して実行する。
【選択図】図14

Description

本発明は、記録材上の画像を加熱する電磁誘導加熱方式の画像加熱装置に関する。画像加熱装置としては、記録材に形成された未定着画像を定着する定着装置や、記録材に定着された画像を加熱する事により画像の光沢度を向上させる光沢付与装置が挙げられる。
電子写真方式の複写機などの画像形成装置には、搬送される記録媒体である記録材上に形成されたトナー像(未定着画像)を熱によって融解して記録材上に融着させる画像加熱装置としての定着装置が設けられている。
画像加熱装置の構成方式の1つとして電磁誘導加熱方式がある。この装置は、磁場発生コイルと磁性体コアを備えた磁場発生手段と、磁場発生手段から発生される磁界の作用により電磁誘導発熱する回転可能な加熱部材と、この加熱部材とニップ部を形成する回転可能な加圧部材と、を有する。そして、ニップ部で画像を担持した記録材を挟持搬送して加熱する。
このような装置において、いわゆる非通紙部昇温現象を抑制するために、特許文献1に記載の構成の装置がある。この装置は、磁場発生手段の磁性体コアを加熱部材に沿う長手方向に複数に分割し、コア移動手段により個々の分割可動コアを加熱部材との距離を変化させる方向に単独で移動可能としている。そして分割可動コアを移動させる個数を装置に導入される記録材の幅サイズによって変更する制御をする。
また、特許文献2には、非通紙部昇温を抑制するために、加熱部材とほぼ同じ長手寸法をもつ均熱部材を加熱部材に対して当接・離間制御する定着器が提案されている。
特開2011−053597号公報 特開2000−137399号公報
特許文献1の装置に対して、更に特許文献2の均熱部材方式を適用して非通紙部昇温をより一層抑制することが考えられる。しかしながら、実際の試行においては、均熱部材にトナーの離型層であるフッ素樹脂層を設けている場合、記録材の幅方向両端部(コバ部)に対応するフッ素樹脂層部分の摩耗が顕著になる。そのため、離型層の磨耗に起因する離型性の低下で均熱部材に付着したトナーが、記録材に戻り画像汚れを起こすという問題が生じた。
これは、記録材の端部においてもトナーを定着するのに十分な発熱量を要するが、通紙するにつれ、加熱部材の通紙域に対して、記録材端部に対応する加熱部材部分では記録材に奪われる熱量が小さい。そのため、非通紙域の記録材端部寄りの加熱部材部分が過昇温し、その結果、均熱部材のトナー離型樹脂層に磨耗が生じる。このような現象は、加熱部材として低熱容量フィルムを用いた定着ベルトにおいてより顕著に現れる。
本発明はこの問題を解消して、熱容量の低い加熱部材を用いても、小サイズ記録材を通紙したときの非通紙部昇温を十分に抑制することができ、かつ記録材の画像汚れを起こすことの無い電磁誘導加熱方式の画像加熱装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明に係る画像加熱装置の代表的な構成は、磁場発生コイルと磁性体コアを備えた磁場発生手段と、前記磁場発生手段から発生される磁界が存在する領域を通過したときに電磁誘導発熱する磁性部材で構成される回転可能な加熱部材と、前記加熱部材とニップ部を形成する回転可能な加圧部材と、前記加熱部材の通紙域の温度を検知する温度検知手段と、前記温度検知手段で検知される温度に関する情報が所定の温度に対応する情報に維持されるように前記磁場発生コイルに対する供給電力を制御する温度制御手段と、を有し、前記ニップ部で画像を担持した記録材を挟持搬送して加熱する画像加熱装置であって、記録材搬送方向に直交する方向を長手方向とした場合に、前記磁性体コアは、前記加熱部材の長手方向に沿って配設されており、かつ、長手方向で複数に分割されて個々に前記加熱部材との距離を変化させる方向に単独で移動可能な分割可動コアを有しており、前記個々の分割可動コアを前記加熱部材に対する第1の距離位置と前記第1の距離位置よりも前記加熱部材から離れた第2の距離位置とに移動させるコア移動手段と、表面にトナー離型樹脂層が設けられ、前記加熱部材あるいは前記加圧部材と同じ長手方向の寸法をもつ均熱部材と、前記均熱部材を前記加熱部材あるいは前記加圧部材に対して当接した第1の位置と前記加熱部材あるいは前記加圧部材から離間した第2の位置に移動させる均熱部材移動手段と、装置に通紙される記録材が、装置に通紙可能な最大幅の大サイズ記録材よりも幅が小さい小サイズ記録材である場合には、前記分割可動コアのうち、通紙される小サイズ記録材の通紙域に対応する分割可動コアについては前記第1の距離位置に位置させ、それ以外の分割可動コアについては前記第2の距離位置に位置させるように前記コア移動手段を制御する共に、通紙される小サイズ記録材の坪量及び単位時間あたりの通過枚数によって、前記均熱部材を前記第1の位置に移動するように前記均熱部材移動手段を制御する第1の制御モードと、前記均熱部材を前記第2の位置に移動するように均熱部材移動手段を制御する第2の制御モードと、を選択して実行する制御手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、熱容量の低い加熱部材を用いても、小サイズ記録材を通紙したときの非通紙部昇温を十分に抑制することができ、かつ記録材の画像汚れを起こすことの無い電磁誘導加熱方式の画像加熱装置を提供することができる。
画像形成装置例の概略構成である 搭載した定着装置の要部の正面模式図である。 同装置の要部の縦断正面模式図である。 図2の(4)−(4)線に沿う拡大右側面図である。 コイルユニットの分割可動コアが第2距離位置に移動している状態時の図である。 定着ベルトの層構成模型図である コイルユニットのコイルとコアの分解斜視図である。 <実験1>における80g紙を通紙した時の分割可動コアの紙幅の長手位置関係、及び通紙時の定着ベルト長手温度分布の関係の模式図である。 <実験1>における80g紙を通紙した時の時間に対する定着ベルトの通紙部と非通紙部の温度推移の様子を表した図である。 <実験1>における300g紙を通紙した時の分割可動コア紙の幅の長手位置関係、及び通紙時の定着ベルト長手温度分布の関係の模式図である。 <実験1>における300g紙を通紙した時の時間に対する定着ベルトの通紙部と非通紙部の温度推移の様子を表した図である。 <実験2>における300g紙を通紙した時の分割可動コア紙の幅の長手位置関係、及び通紙時の定着ベルト長手温度分布の関係の模式図である。 <実験2>における300g紙を通紙した時の時間に対する定着ベルトの通紙部と非通紙部の温度推移の様子を表した図である 制御モード選択のフローチャート図である
以下、本発明の実施例について説明する。
[実施例]
(1)画像形成装置
図1は、本発明に従う画像加熱装置を定着装置として搭載した画像形成装置の一例の構成模型図である。この画像形成装置は電子写真方式を用いたカラー画像形成装置(プリンタ)である。Y・C・M・Kはそれぞれイエロー・シアン・マゼンタ・ブラックの色トナー画像を形成する4つの画像形成部であり、下から上に順に配列してある。各画像形成部Y・C・M・Kは、それぞれ、感光体ドラム1、帯電装置2、現像装置3、クリーニング装置4等を有している。
画像形成部Yの現像装置3にはイエロートナーが、画像形成部Cの現像装置3にはシアントナーが、画像形成部Mの現像装置3にはマゼンタトナーが、画像形成部Kの現像装置3にはブラックトナーが、それぞれ収容されている。
ドラム1に露光を行うことにより静電潜像を形成する光学系5が上記4色の画像形成部Y・C・M・Kに対応して設けられている。光学系としては、レーザー走査露光光学系を用いている。各画像形成部Y・C・M・Kにおいて、帯電装置2により一様に帯電されたドラム1に対して光学系5より画像データに基づいた走査露光がなされることにより、ドラム表面に走査露光画像パターンに対応した静電潜像が形成される。
それらの静電潜像が現像装置3によりトナー画像として現像される。すなわち、画像形成部Yのドラム1にはイエロートナー画像が、画像形成部Cのドラム1にはシアントナー画像が、画像形成部Mのドラム1にはマゼンタトナー画像が、画像形成部Kのドラム1にはブラックトナー画像が、それぞれ形成される。
各画像形成部Y・C・M・Kのドラム1上に形成された上記の色トナー画像は各ドラム1の回転と同期して、略等速で回転する中間転写体6上へ所定の位置合わせ状態で順に重畳されて一次転写される。これにより中間転写体6上に未定着のフルカラートナー画像が合成形成される。本実施例においては、中間転写体6として、エンドレスの中間転写ベルトを用いており、駆動ローラ7、二次転写ローラ対向ローラ8、テンションローラ9の3本のローラに巻きかけて張架してあり、駆動ローラ7によって駆動される。
各画像形成部Y・C・M・Kのドラム1上からベルト6上へのトナー画像の一次転写手段としては、一次転写ローラ10を用いている。ローラ10に対して不図示のバイアス電源よりトナーと逆極性の一次転写バイアスを印加する。これにより、各画像形成部Y・C・M・Kのドラム1上からベルト6に対してトナー画像が一次転写される。各画像形成部Y・C・M・Kにおいてドラム1上からベルト6への一次転写後、ドラム1上に転写残として残留したトナーはクリーニング装置4により除去される。
上記工程をベルト6の回転に同調して、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色に対して行い、ベルト6上に、各色の一次転写トナー画像を順次重ねて形成していく。なお、単色のみの画像形成(単色モード)時には、上記工程は、目的の色についてのみ行われる。
一方、記録材カセット11内の記録材Pは、給送ローラ12により一枚分離給送され、レジストローラ13により所定のタイミングで、ローラ8に巻きかけられているベルト6部分と二次転写ローラ14との圧接部である二次転写ニップ部に搬送される。ベルト6上に形成された一次転写合成トナー画像は、ローラ14に不図示のバイアス電源より印加されるトナーと逆極性のバイアスにより、記録材P上に一括転写(二次)される。二次転写後にベルト6上に残留した二次転写残トナーは中間転写ベルトクリーニング装置15により除去される。矢印aは記録材搬送方向である。
記録材P上に二次転写されたトナー画像は、画像加熱装置である定着装置16により記録材P上に溶融混色定着され、フルカラープリントとして排紙パス17を通って排紙トレイ18に送り出される。
(2)定着装置16
図2は定着装置16の要部の正面模式図、図3は同装置16の要部の縦断正面模式図、図4は図2の(4)−(4)線に沿う拡大右側面図である。以下の説明において、定着装置16またはこれを構成している部材の長手方向とは、回転体の軸線方向(スラスト方向)、又は記録材搬送路面内において記録材搬送方向aに直交する方向又はその方向に並行な方向である。また、短手方向とは記録材搬送方向aに並行な方向である。
また、定着装置16に関して、正面とは装置16を記録材入口側からみた面、背面とはその反対側の面(記録材出口側)、左右とは装置を正面から見て左または右である。上又は下とは重力方向において上又は下である。上流側と下流側とは記録材搬送方向に関して上流側と下流側である。記録材サイズあるいは記録材の通紙幅とは、記録材面において記録材搬送方向aに直交する方向の記録材寸法(幅サイズ)である。
この定着装置16は、加熱部材の外側に磁場発生手段を設けた外部加熱型の電磁誘導加熱方式の画像加熱装置である。装置16は、大別して、装置シャーシ30の左右の側板30L・30R間に、加熱アセンブリ40、加圧部材(加圧回転体)としての弾性を有する加圧ローラ50、磁場発生手段としてのコイルユニット60、均熱ユニット70、を有する。また、加圧ローラ50に対する加熱アセンブリ40の加圧・加圧解除機構80、均熱ユニット70のシフト機構90、を有する。
(2−1)加熱アセンブリ40
加熱アセンブリ40は、後述するコイルユニット60から発生される磁界が存在する領域を通過したときに電磁誘導発熱する磁性部材(金属層、導電部材)で構成される回転可能な加熱部材(加熱回転体)としての円筒状の定着ベルト41を有する。また、ベルト41の内部に挿入した金属製のステー42を有する。ステー42の下面にはステー長手に沿って圧力付与部材としての加圧パッド43が取り付けられている。
パッド43は、ベルト41と加圧ローラ50との間に押圧力を作用させて定着ニップ部Nを形成する部材であり、耐熱性樹脂製である。ステー42はニップ部Nに圧力を加えるために剛性が必要であるため、本実施例では鉄製である。また、ステー42の上面側にはコイルユニット60から発生される磁界磁場の作用でステー42が誘導加熱して温度上昇するのを防止するための磁気遮蔽部材としての磁気遮蔽コア44がステー長手にわたって配設されている。
ステー42の左右の両端部にはそれぞれ延長腕部42aが設けられていて、その延長腕部42aがそれぞれベルト41の左右の両端部から外方に突出している。そして、その左右の延長腕部42aに対してそれぞれ左右対称形状のフランジ部材45L・45Rが嵌着されている。ベルト41は上記のステー42・パッド43・コア44に対してルーズに外嵌されており、また、長手方向(左右方向)への移動が左右のフランジ部材45L・45Rのフランジ部45aにより規制される。
パッド43の長手中央部にはベルト41の温度を検知する温度検知手段(温度検出素子)としてのサーミスタ等の温度センサTHが弾性支持部材46を介して配設されている。センサTHはベルト41の内面に対して部材46により弾性的に当接している。これにより、ベルト41のセンサ当接面が波打つなどの位置変動が生じたとしてもセンサTHがこれに追従して良好な接触状態が維持される。
上記の加熱アセンブリ40は左右の側板30L・30R間に左右のフランジ部材45L・45Rの受圧部45bをそれぞれ側板30L・30Rに配設されている縦ガイドスリット部31に係合させて配設されている。したがって、加熱アセンブリ40は左右の側板30L・30R間において縦ガイドスリット部31に沿って上下方向に移動自由度を有する。
図6はベルト41の層構成を示す模型図である。本実施例では、ベルト41は内径が30mmで電気鋳造法によって製造したニッケル基層(磁性部材、金属層)41aを有している。この基層41aの厚みは40μmである。基層41aの外周には弾性層41bとして耐熱性シリコーンゴム層が設けられている。シリコーンゴム層の厚さは100〜1000μmの範囲内で設定するのが好ましい。
本実施例では、ベルト41の熱容量を小さくしてウォーミングアップタイムを短縮し、かつカラー画像を定着するときに好適な定着画像を得ることを考慮して、シリコーンゴム層41bの厚みは300μmとされている。このシリコーンゴムは、JIS−A20度の硬度を持ち、熱伝導率は0.8W/mKである。更に弾性層41bの外周には、表面離型層41cとしてフッ素樹脂層(例えばPFAやPTFE)が30μmの厚みで設けられている。
また、基層41aの内面側には、ベルト内面と温度検知手段としての温度センサTH1との摺動摩擦を低下させるために、フッ素樹脂やポリイミドなどの樹脂層(滑性層)1dを10〜50μm設けても良い。本実施例では、この層1dとしてポリイミドを20μm設けた。
ベルト41は全体的に低熱容量で可撓性(弾性)を有し、自由状態においては円筒形状を保持している。ベルト41の金属層41aにはニッケルのほかに鉄合金や銅、銀などの金属を適宜選択可能である。また、樹脂基層にそれら金属を積層させるなどの構成でも良い。金属層41aの厚みは、後述する励磁コイル(磁場発生コイル)62に流す高周波電流の周波数と金属層41aの透磁率・導電率に応じて調整して良く、5〜200μm程度の間で設定すると良い。
(2−2)加圧ローラ50
加圧ローラ50は加熱アセンブリ40の下側において、軸線方向をアセンブリ40の長手方向にほぼ並行にして、左右の側板30L・30R間に軸受51を介して回転可能に配設されている。
本実施例において、ローラ50は、長手方向中央部の径が20mmで両端部の径が19mmである鉄合金製の芯金50aに、弾性層50bとしてシリコーンゴム層が設けてある、外径が30mmの弾性ローラである。表面は離型層50cとしてフッ素樹脂層(例えばPFAやPTFE)が30μmの厚みで設けられる。ローラ50の長手方向中央部における硬度は、ASK−C70℃である。芯金50aにテーパー形状をつけているのは、加圧した時にパッド43が撓んでもベルト41とローラ50との圧接で形成される定着ニップ部N内の圧力が長手方向にわたって均一になるようにするためである。
芯金50aの右側の端部にはドライブギア52が固定して配設されている。このギア52に対して制御回路部100で制御される定着モータ53の駆動力が伝達手段(不図示)を介して伝達されて、ローラ50が図4において矢印の反時計方向に所定の速度で回転駆動される。
(2−3)加圧・加圧解除機構80
左右の側板30L・30Rには軸受82・82を介してカム軸81が回転可能に配設されている。カム軸81の左右の端部にはそれぞれ側板30L・30Rの外側において左右対称で同形状の偏心カム83が同じ位相で固定して配設されている。側板30L・30Rの外側にはそれぞれ上記のカム83と係合する加圧レバー84が配設されている。
また、各レバー84の下面とそれぞれの側のフランジ部材45L・45Rの受圧部45bの上面との間には加圧バネ(弾性部材)85が配設されている。また、カム軸81の右側の端部には制御回路部100で制御されるカム軸駆動手段86が伝達手段(不図示)を介して接続されている。カム軸駆動手段86は例えばステッピングモータ、ソレノイドなどを用いることができる。
左右のカム83の大隆起部が下向きの回転角姿勢となるようにカム軸81が駆動手段86により回転されることにより、アセンブリ40がローラ50に対して加圧(荷重)された状態になり、その加圧状態が保持される。
即ち、左右のカム83により左右のレバー84がそれぞれ押し下されて左右のバネ85がレバー84とフランジ部材45L・45Rの受圧部45bの上面との間に圧縮される。そのバネ85の圧縮反力により左右のフランジ部材45L・45Rと共にステー42が押し下げられて、パッド43がベルト41を挟んで弾性層50bの弾性に抗してローラ50に圧接する。これにより、ベルト41とローラ50との間に記録材搬送方向に関して所定幅の定着ニップ部Nが形成される。パッド43はニップ部Nの圧プロフィルの形成を補助する。
本実施例におけるニップ部Nの幅は、ニップ圧が600Nにおいては、長手方向両端部で約9mm、中央部では約8.5mmである。これは記録材Pの両端部での搬送速度が中央部と比べて速くなるので紙しわが発生しにくくなるという利点がある。
また、左右のカム83の小隆起部が下向きの回転角姿勢となるようにカム軸81が駆動手段86により回転されにより、アセンブリ40がローラ50に対して加圧解除(抜重)された状態になる。即ち、左右のバネ85の圧縮が解除される。これにより、パッド43のローラ50に対する加圧が解除される。
上記の部材81〜86がローラ50に対するアセンブリ40の加圧・加圧解除機構80を構成している。制御回路部100は、装置の少なくとも定着動作時には機構80を加圧状態に制御して保持する。待機状態時には機構80を加圧解除状態に制御して保持する。こうすることでローラ50の弾性層50bやベルト41が塑性変形してしまうのを防止することが出来る。
(2−4)コイルユニット60
コイルユニット60はベルト41を誘導加熱する加熱源(誘導加熱手段)であり、アセンブリ40の上面側、即ちアセンブリ40のローラ50側とは180°反対側において、左右の側板30L・30Rに対して位置が固定されて配設されている。ユニット60はベルト41に沿って長いハウジング61に対して励磁コイル62、磁性体コア63等を組み付けたものである。
ハウジング61は左右方向を長手とする横長箱型の耐熱樹脂成型品(電気絶縁性樹脂のモールド部材)である。ハウジング61の底板61a側がベルト41に対する対向面である。底板61aは横断面においてベルト41の外周面の略半周範囲に沿うようにハウジング61の内側に湾曲している。ハウジング61は、底板61a側とは反対側が開口部として開放されている。ハウジング61は、底板61a側をベルト41の上面に対して所定のギャップ(隙間)αを存して対面させて、左右端部を左右の側板30L・30Rに対してブラケット66で固定して配設される。
コイル62は、電線として例えばリッツ線を用い、これを、図7に示すように、横長・船底状にしてベルト41の周面と側面の一部に対向するように巻回してなる。そして、ハウジング内側に湾曲しているハウジング底板61aの内面に当てがわれてハウジング内部に収められている。コイル62には、制御回路部100で制御される電源装置(励磁回路)64から20〜50kHzの高周波電流が印加される。
コア63は、コイル62によって発生した磁界がベルト41の金属層(導電層)以外に実質漏れないようにコイル62を覆わせた外側磁性体コアである。そして、コア63はベルト41の長手方向に沿って配設されており、かつ、記録材搬送方向に直交する方向に複数に分割されて並んで配置されており、コイル62の巻き中心部と周囲を囲むように構成されている。
即ち、記録材搬送方向aに直交する方向を長手方向とした場合に、コア63は、ベルト41の長手方向に沿って配設されている。かつ、図7のように長手方向で複数に分割されて個々にベルト41との距離を変化させる方向に単独で移動可能な分割可動コア63aを有している。そして制御回路部100で制御されて、個々のコア63aをベルト41に対して所定に近接している第1の距離位置D(図4)と、位置Dよりもベルト41から離れた第2の距離位置E(図5)とに移動させるコア移動手段(コア移動機構)65を有する。
コア移動手段65の具体的な構成は図の煩雑を避けるために省略したけれども、例えば特許文献1に記載のコア移動手段を適用することが出来る。
(2−5)均熱ユニット70
均熱ユニット70は、加熱部材であるベルト41あるいは加圧部材であるローラ50に当接して、ベルト41あるいはローラ50の長手方向(軸線方向)における温度を均一化することで非通紙部昇温を緩和する均熱部材を有する。本実施例において、ユニット70は左右の側板30L・30Rの間でローラ50の下方に配設されている。
このユニット70は、ローラ50に沿って長いハウジング71の内部に、ローラ50の下面に対して当接離間可能(脱着可能)な均熱部材としての表面にトナー離型樹脂僧2bが設けられている均熱ローラ72を有する。また、このローラ72を清掃するためのトナー清掃部材としての清掃ローラ73(クリーニングローラ)を有する。
ローラ72は、熱伝導率がよく、熱容量が小さい部材により作られる。本実施例において、ローラ72は中実22φのアルミニウム芯金(金属芯金)72aにトナー離型樹脂層72bとして12μmのPFAコート層を設けたものである。ローラ72はローラ50とほぼ同じ長手方向の寸法(同一寸法である他、多少長いまたは短い寸法も含む:以下同じ)をもっている。ローラ72は両端側の軸部をハウジング71の左右の側板間に回転可能に軸受させてハウジングン内に配設されている。ハウジング71の上面側は開口部として開放されており、ローラ72の上面はその開口部に臨んでいる。
本実施例において、ローラ73は中実8φの芯金73aにクリーニング層73bとして5mmの厚みのシリコンスポンジ層を設けた硬度30°(Asker−C 1kgf)のローラである。そして、ローラ72とほぼ同じ長手方向の寸法をもっている。ローラ73はローラ72に対して20Nで押し当てられて並行に配列され、両端側の軸部をハウジング71の左右の側板間に回転可能に軸受させて配設されている。
ユニット70はシフト機構90により所定に上げ移動される。これにより、ローラ72がローラ50に所定に当接した状態の第1の位置F(図4の実線示位置)に移動された状態に保持される。また、ユニット70はシフト機構90により所定に下げ移動される。これにより、ローラ72がローラ50から離間した状態の第2の位置G(図4の2点鎖線示位置)に移動されて保持される。
即ち、ユニット70はハウジング71の左右側の被ガイド部71aがそれぞれ左右の側板30L・30Rに設けられている縦方向ガイドスリット部32に係合させて配設されている。したがって、ユニット70は左右の側板30L・30R間において縦ガイドスリット部32に沿って上下方向に移動自由度を有する。
ユニット70の下方において、左右の側板30L・30Rには軸受92・92を介してカム軸91が回転可能に配設されている。カム軸91の左右側にはそれぞれ側板30L・30Rの内側において左右対称で同形状の偏心カム93が同じ位相で固定して配設されている。また、カム軸81の右側の端部には制御回路部100で制御されるカム軸駆動手段94が伝達手段(不図示)を介して接続されている。駆動手段94は例えばステッピングモータ、ソレノイドなどを用いることができる。
上記の部材91〜94がローラ73をローラ50に対して当接方向と離間方向に移動させる均熱部材移動手段90を構成している。左右のカム93の大隆起部が上向きの回転角姿勢となるようにカム軸91が駆動手段94により回転されることにより、ユニット70が所定に上昇移動する。これにより、ローラ72がローラ50に対して本実施例においては100Nの荷重で当接した状態の第1の位置Fに保持される。
また、左右のカム93の小隆起部が上向きの回転角姿勢となるようにカム軸91が駆動手段94により回転されることにより、ユニット70が所定に下降移動する。これにより、ローラ72がローラ50から離間した状態の第2の位置Gに保持される。
本実施例において、ローラ72はローラ50に当接された状態において、ローラ50の回転に従動して回転する。定着装置16に非通紙部昇温が生じる状況下においてローラ72をローラ50に当接させることで、ローラ50およびベルト41の非通紙部昇温を抑えることが可能となる。ローラ73はローラ72の回転に従動して回転して、ローラ72に付着しているトナーをスポンジ層73に取り込んで除去する。
ここで、ローラ72はローラ50との当接部においてローラ50の回転に順方向で周速がローラ50と同じになるように駆動機構(不図示)により駆動する構成にすることもできる。ローラ73もローラ72との当接部においてローラ72と周速差をもって同じ方向または逆方向に回転(摺擦回転)するように駆動機構(不図示)により駆動する構成にすることもできる。また、ローラ73をリクリーニングするブレードやブラシなどのリクリーニング部材を配設することもできる。
(2−6)定着動作
画像形成装置のスタンバイ状態においては、定着装置16は、定着モータ53がOFFにされていてローラ50の回転は停止している。機構80は加圧解除状態にされていてニップ部Nの加圧は解除されている。ユニット60のコイル62に対する給電はOFFにされている。ユニット70は下降移動していてローラ72はローラ50から離間した状態の第2の位置Gに保持されている。
制御回路部100は、画像形成スタート信号の入力に基づいて所定の制御タイミングにて機構80を加圧状態にする。これによりニップ部Nが加圧状態になる。またモータ53をONする。これにより、ローラ50が図4において矢印の反時計方向に所定の速度で回転駆動される。
このローラ50の回転により、ニップ部Nにおけるローラ50の表面とベルト41の表面との摩擦力でベルト41に回転力が作用する。ベルト41はその内面がパッド43の下面に密着して摺動しながらステー42・パッド43・コア44の外周りを矢印の時計方向に加圧ローラ50の回転速度と同じ速度で従動回転する。ベルト41の回転に伴うスラスト方向への移動は左右のフランジ部材45L・45Rのフランジ部45aにより規制される。
ベルト41は、少なくとも画像形成実行時には、制御回路部100で制御されるモータ53によってローラ50が回転駆動されることで上記のように従動回転する。この回転は、二次転写ニップ部側から搬送されてくる、未定着トナー画像tを担持した記録材Pの搬送速度とほぼ同一の周速度でなされる。本実施例の場合、ベルト41の表面回転速度が321mm/secで回転し、フルカラーの画像を1分間にA4サイズで80枚、A4Rサイズで58枚定着することが可能である。
制御回路部100は電源装置64からコイル62に対して、例えば20kHz〜500kHzの交番電流(高周波電流)を供給する。コイル62は交番電流の供給により交番磁束(磁場)を発生する。その交番磁束がコア63により回転しているベルト41の上面側においてベルト41の金属層1aに導かれる。そうすると、金属層1aに渦電流が発生して、その渦電流によるジュール熱により金属層1aが自己発熱(電磁誘導発熱)してベルト41が昇温していく。
即ち、回転するベルト41はコイルユニット60から発生される磁界が存在する領域を通過したときに金属層1aが電磁誘導発熱して全周的に加熱されて昇温する。本実施例において、ベルト41とユニット60のコイル62は厚さ0.5mmのハウジング底板(モールド)61aにより電気絶縁の状態を保つ。そして、ベルト41とコイル62との間隔は1.5mm(ハウジング底板61aの表面とベルト表面の距離(隙間α)は1.0mm)で一定であり、ベルト41は均一に加熱される。
このベルト41の温度が温度センサTHにより検知される。温度センサTHはベルト41の通紙域になる部分の温度を検知し、その検知温度情報が制御回路部100にフィードバックされる。制御回路部(温度制御手段)100はこの温度センサTHから入力する検知温度(検知される温度に関する情報)が所定の目標温度(定着温度:所定の温度に対応する情報)に維持されるように電源装置64からコイル62に対する供給電力を制御している。
すなわち、ベルト41の検出温度が所定温度に昇温した場合、コイル62への通電が遮断される。本実施例では、ベルト41の目標温度である180℃で一定になるように、温度センサTHの検出値に基づいて高周波電流の周波数を変化させてコイル62に入力する電力を制御して温度調節を行っている。
上記のようにローラ50が駆動され、ベルト41が所定の定着温度に立ち上がって温調された状態において、ニップ部Nに未定着トナー画像tを有する記録材Pがそのトナー画像担持面側をベルト41側に向けてガイド部材33で案内されて導入される。記録材Pはニップ部Nにおいてベルト41の外周面に密着し、ベルト41と一緒にニップ部Nを挟持搬送されていく。
これにより、主にベルト41の熱が付与され、またニップ部Nの加圧力を受けて未定着トナー画像tが記録材Pの表面に熱圧定着される。ニップ部Nを通った記録材Pはベルト41の外周面からベルト41の表面がニップ部Nの出口部分の変形によって自己分離(曲率分離)して定着装置外へ搬送される。
コイルユニット60が、高温になるベルト41の内部ではなく外部に配置されているので、コイル62の温度が高温になりにくく、電気抵抗も上昇せず高周波電流を流してもジュール発熱による損失を軽減する事が可能となる。また、コイル62を外部に配置したことでベルト41の小径化(低熱容量化)にも寄与しており、ひいては省エネルギー性にも優れていると言える。
本実施例の定着装置16のウォーミングアップタイムは、非常に熱容量が低い構成であるため、例えばコイル62に1200W入力すると約15秒で目標温度である180℃に到達できる。スタンバイ中の加熱動作が不要であるため、電力消費量を非常に低く抑える事が可能である。
(2−7)非通紙部昇温の抑制
図2において、Wmaxは装置16に通紙可能な最大幅の大サイズ記録材の幅サイズ(通紙域)である。本実施例においては、大サイズ記録材は13インチ×19インチ紙で、縦送りである。従って、Wmaxは13インチ(330mm)である。
領域AはWmaxよりも幅が小さい小サイズ記録材の通紙域である。本実施例の装置においては記録材Pの通紙は中央基準搬送にてなされるものとする。Oはその中央基準搬送である。領域Bは小サイズ記録材を通紙したときに生じるベルト41とローラ50における非通紙域である。大サイズ記録材の通紙域Wmaxと、通紙した小サイズ記録材の通紙域Aの差領域((Wmax−A)/2)であり、通紙域Aの両側に生じる。
小サイズ記録材を連続的に通紙すると、ベルト41の非通紙域Bは記録材Pの加熱に熱エネルギーが消費されないにも拘わらず、通紙域Aに対応する部分と同様に単位長さ当りの所定の発熱量をもって発熱するので蓄熱を生じる。そのため非通紙域Bに対応するベルト41部分が通紙域Aに対応する部分よりも温度が上がるいわゆる非通紙部昇温現象を生じる。そして、このベルト41の非通紙部昇温によりベルト41に当接する加圧ローラ50も非通紙部対応部分が通紙部対応部分よりも昇温する。
加熱部材を高速昇温させるために、加熱部材の肉厚を薄くして熱容量を小さくすると、加熱部材の軸直角断面の断面積がきわめて小さくなるために、軸方向への熱伝導が良好でない。この傾向は薄肉なほど顕著であり、熱伝導率の低い樹脂等の材質ではさらに低くなる。これは、熱伝導率をλ、2点間の温度差をθ1−θ2、長さをLとしたとき、単位時間に伝わる熱量Qは、Q=λ・f(θ1ーθ2)/L、で表されるというフーリエの法則からも明らかである。
このことは、加熱部材の長手方向長さいっぱいの記録材、すなわち最大通紙幅の記録材(大サイズ記録材)を通紙して定着させる場合には問題ない。しかし、それよりも幅の小さい小サイズの記録材を連続で通紙させる場合には、加熱部材の非通紙域における温度が温調温度よりも上昇し、通紙域における温度と非通紙域における温度との温度差が極めて大きくなってしまう(非通紙部昇温)。
したがって、このような加熱部材の非通紙部昇温のために、樹脂材料からなる周辺部材の耐熱寿命が低下したり、熱的損傷を被ったりするおそれがある。さらには、小サイズの記録材を連続で通紙させた直後にそれよりも大きき幅サイズの記録材を通紙したときに、部分的な温度ムラによる紙シワや、定着ムラが生じるおそれがある。
このような通紙域と非通紙域との温度差は、搬送される記録材の熱容量が大きく、スループット(単位時間あたりのプリント枚数)を高くするほど広がることになる。このため、薄肉で低熱容量の加熱部材により加熱装置を構成する場合に、スループットの高い複写機などへの適用を困難にしていた。
本実施例においては、小サイズ記録材を通紙する場合に、ユニット60の分割可動コア63aの選択的な移動制御と、加圧ローラ50に対する均熱ローラ72の脱着制御とを組み合わせて非通紙部昇温を適切に抑制するようにしている。以下、これについて説明する。
a)分割可動コア63aの移動制御による非通紙部昇温の抑制
前述したように、ユニット60のコア63は、ベルト41の長手方向に沿って配設されており、かつ、図7のように長手方向で複数に分割されて個々にベルとの距離を変化させる方向に単独で移動可能な分割可動コア63aを有している。そして、制御回路部100で制御されて、個々の分割可動コア63aを移動させるコア移動機構65を有する。
そして、制御回路部100は、装置に通紙される記録材が、小サイズ記録材である場合には、分割可動コア63aのうち、通紙される小サイズ記録材の通紙域Aに対応する分割可動コアについては第1の距離位置Dに位置させる。それ以外の分割可動コアについては第2の距離位置Eに位置させるようにコア移動機構65を制御する。
本実施例においては、個々のコア63aは機構65により、図4のように、コイル41に対して間隔0.5mmで接近している第1の距離位置Dと、図5のように、コイル41に対して間隔10mmと離れている第2の距離位置Eとに移動可能である。コア63aが第1の距離位置Dにあるときはそのコアが対応しているベルト41部分の発熱効率は非常に高い。これに対して、コア63aが第2の距離位置Eにあるときはそのコアが対応しているベルト41部分の発熱効率は低下する。
制御回路部100は、プリントジョブが開始すると、通紙される記録材のサイズ入力値を読み取る。通紙される記録材が大サイズ記録材である場合には、分割可動コア63aの全てを第1の距離位置Dに位置させるように機構65を制御する。小サイズ記録材である場合には、分割可動コア63aのうち、通紙される小サイズ記録材の通紙域Aに対応する分割可動コアについては第1の距離位置Dに位置させ、それ以外の分割可動コアについては第2の距離位置Eに位置させるように機構65を制御する。
これにより、ベルト41の非通紙域Bに対応する部分の発熱効率が通紙部Aに対応する部分よりも低下することにより、ベルト41およびローラ50の非通紙部昇温が抑制される。
b)均熱ローラ72の脱着制御による非通紙部昇温の抑制
制御回路部100は、プリントジョブが開始すると、通紙される記録材のサイズ入力値を読み取る。そして、大サイズ記録材であるときは、ローラ72をローラ50から離間させた第2の位置Gに移動するように機構90を制御する。
小サイズ記録材であるときは、ローラ72をローラ50に当接させた第1の位置Fに移動するように機構90を制御する。ローラ50に当接したローラ72はローラ50の長手方向の温度の均一化を促し、ベルト41およびローラ50の非通紙部昇温が抑制される。
c)制御モードの選択
本発明においては、制御回路部100は、装置に通紙される記録材が、小さい小サイズ記録材である場合には、通紙される小サイズ記録材の坪量及び単位時間あたりの通過枚数によって、次の第1の制御モードと、第2の制御モードと、を選択して実行する。
第1の制御モードは、上記a)のように分割可動コア63aの移動制御による非通紙部昇温の抑制を行うと共に、ローラ72をローラ50に当接させた第1の位置Fに移動するように機構90を制御するものである。即ち、コア63aによる非通紙部昇温の抑制と均熱ローラ72による非通紙部昇温の抑制を一緒に行う制御である。
第2の制御モードは、上記a)のように分割可動コア63aの移動制御による非通紙部昇温の抑制を行うけれども、ローラ72をローラ50から離間させた第2の位置Gに移動するように機構90を制御するものである。即ち、均熱ローラ72による非通紙部昇温の抑制は行わない制御である。
ここで、個々の分割可動コア63aの長手長さ(コア幅)をCとする。本実施例においてはC=15mmとする。また、記録材の坪量は80g/m2であり、定着可能ベルト温度を160℃、定着ベルト耐熱限界温度を220℃とする。
また、ベルト41の内側に配置された温度センサTHの温度よりも、ベルト表面温度は、非通紙時には−10℃、連続通紙時には−15℃になることがわかっている。以下の説明では、わかりやすいように定着ベルト表面温度を使って説明するが、実際の定着ベルト温調温度は、定着ベルト内側の長手中央部に配置された温度センサTHを使用しているので、前記の値をオフセットさせて温調温度を決定すれば良い。
以下において、大サイズ記録材は13インチ×19インチ紙で、縦送りである。従って、その通紙域Wmaxの幅は330mmである。また、小サイズ記録材はA4サイズの記録材で、横送りである。従って、その通紙域Aの幅は297mmである。記録材の坪量は80g/m2(80g紙)と300g/m2(300g紙)の2種類とする。そして、A4サイズ紙であって、80g紙と300g紙とを2:1の枚数比で通紙した場合に、画像汚れが出るまでの枚数を比較した実験を行う。
<実験1>
1)80g紙の記録材
本実験1においては、坪量80gの記録材Pを単位時間あたりの通過枚数80ppmで通紙する。この場合、ベルト41の回転速度は321mm/sに設定されている。この場合における、個々の分割可動コア63aの長手位置と紙幅、及び通紙した場合の定着ベルト温度分布の関係の模式図を図8に示す。なお、図8は模式図であり、通紙域Aと非通紙域Bの幅の比率、及び通紙域Aと非通紙域Bにおける分割可動コア63aの個数は実際と整合しているものではない。図10、図12も同様である。
本実験1においては、通紙中、均熱ローラ72は加圧ローラ50に当接している。さらに、通紙域Aに対応しているコア63aは第1の距離位置Dに移動されており、非通紙域Bに対応しているコア63aは第2の距離位置Eに移動されている。即ち、第1の制御モードにより非通紙部昇温の抑制をしている。個々の分割可動コア63aは、通紙される記録材の紙幅に対して適切な位置関係に移動されている。
これにより、通紙部温度(温度1)を定着可能ベルト温度160℃よりも、5℃高い165℃に保ちつつ、非通紙部昇温部の(温度2)を耐熱限界温度220℃以下の210℃に抑えることができている。経過時間に対する定着ベルト温度推移は図9の様になっている。
2)300g紙の記録材
本実験1においては、坪量300gの記録材は26ppmで通紙する。この場合、ベルト41の回転速度は107mm/sの設定されている。この場合における、個々の分割可動コア63aの長手位置と紙幅、及び通紙した場合の定着ベルト温度分布の関係の模式図を図10に示す。
本実験1においては、通紙中、均熱ローラ72は加圧ローラ50に当接している。さらに、通紙域Aに対応しているコア63aは第1の距離位置Dに移動されており、非通紙域Bに対応しているコア63aは第2の距離位置Eに移動されている。即ち、この場合も第1の制御モードにより非通紙部昇温の抑制をしている。個々の分割可動コア63aは、さらに外側磁性体コアは、紙幅に対して適切な位置関係に移動されている。
これにより、通紙部温度(温度1)を定着可能ベルト温度160℃よりも、5℃高い165℃に保ちつつ、非通紙部昇温部の(温度2)を耐熱限界温度220℃以下の190℃以下に抑えることができている。経過時間に対する定着ベルト温度推移は図11の様になっている。
本実験1では、以上説明したように、80g紙でも300g紙でも均熱ローラ73を加圧ローラ50に当接させ、80g紙を2000枚、300g紙を1000枚交互に流していった。その結果、均熱ローラ73の表層のフッ素樹脂層73bが摩耗することにより20万枚で、画像汚れが発生した。
前述したように、小サイズ記録材の端部においてもトナーを定着するのに十分な発熱量を要するが、通紙するにつれ、加熱部材であるベルト41の通紙域Aに対して、記録材端部に対応するベルト部分では記録材Pに奪われる熱量が小さい。そのため、非通紙域Bの記録材端部寄りのベルト部分が通紙域Aよりも昇温(温度2)する。そして、昇温部分に対応する均熱ローラ部分のフッ素樹脂層部分の摩耗が顕著になる。そのため、離型層の磨耗に起因する離型性の低下で均熱部材に付着したトナーが、記録材に戻り画像汚れを起こす。
<実験2>
本実験2においては、坪量80gの記録材Pを80ppmで通紙し、均熱ローラ73を加圧ローラ50に当接させ、分割可動コア63aを移動させて、記録材Pを通紙するのは実験1と同様である。即ち、第1の制御モードにより非通紙部昇温の抑制をしている。
これに対して、300g紙は、26ppmで通紙するとき、分割可動コア63aは移動させるが、均熱ローラ73は加圧ローラ50に当接させない。即ち、第2の制御モードにより非通紙部昇温の抑制をしている。
この場合における、個々の分割可動コアの長手位置と紙幅、及び通紙した場合の定着ベルト温度分布の関係の模式図を図12に示す。この場合、個々の分割可動コア63aは、紙幅に対して適切な位置関係に移動される。これにより、均熱ローラ73を加圧ローラ50に当接させなくても、通紙部温度(温度1)を定着可能ベルト温度160℃よりも、5℃高い165℃に保ちつつ、非通紙部昇温部の(温度2)を耐熱限界温度220℃以下の200℃以下に抑えることができている。経過時間に対する定着ベルト温度推移は図13の様になっている。
80g紙を80ppmで通す場合に比べて、300g紙を26ppmでゆっくり流しているために、均熱ローラ73を加圧ローラ50に当接させなくても、非通紙部Bのベルト温度は耐熱限界温度の220℃を越えることはない。
本実験2では、以上説明したように、80g紙では均熱ローラ73を加圧ローラ50に当接させる(第1の制御モード)。300g紙では均熱ローラ73を加圧ローラ50に当接させない(第2の制御モード)。そして、80g紙を2000枚、300g紙を1000枚交互に流していった。その結果、均熱ローラ73の表層のフッ素樹脂層73bが摩耗するが、実験1に比べれば、均熱ローラ73を加圧ローラ50に当接している時間が短いので、30万枚で、画像汚れが発生することがわかった。
従って、制御回路部100は、図14に示すようなフローチャートに従って、記録材の坪量と単位時間あたりの通過枚数によって、均熱ローラ73の加圧ローラ50に対する当接の有無を決める(第1の制御モードと第2の制御モードの選択)を行う。これにより、均熱ローラ表層の摩耗を抑制し、より長く画像汚れを発生させないようにすることができることが分かった。
図14のフローチャートを説明する。ステップS1において、通紙される記録材が小サイズ記録材であるA4紙であるか、大サイズ記録材である[13”×19”]紙であるか、が判別される。A4紙である場合には、次にS2において、その記録材の坪量が80g紙であるか、300g紙であるかが判別される。通紙される記録材のサイズおよび坪量の情報は画像形成装置の操作部(不図示)やホスト装置(不図示)から制御回路部100に使用者により予め入力される。
80g紙である場合には、S3において単位時間あたりの通過枚数ppmが80ppmに設定される。また、S3において制御モードが第1の制御モードに設定される。すなわち、非通紙部Bに対応している分割可動コア63aが第2の距離位置Eに移動される。また、均熱ローラ72がローラ50に当接される。この状態において、設定された所定の画像形成ジュブが実行される(S5〜S7)。画像形成動作が終了したら(S7)、均熱ローラ72は加圧ローラ50から離間される(S8、S9)。
S2において、300g紙である場合には、S10においてppmが26ppmに設定される。また、S11において制御モードが第2の制御モードに設定される。すなわち、非通紙部Bに対応している分割可動コア63aが第2の距離位置Eに移動されるが、均熱ローラ72がローラ50から離間させた状態に保持される。この状態において、設定された所定の画像形成ジュブが実行されて、画像形成動作が終了となる(S5〜S7)。
S1において[13”×19”]紙である場合には、次にS12において、その記録材の坪量が80g紙であるか、300g紙であるかが判別される。80g紙である場合には、S13においてppmが80ppmに設定される。また、300g紙である場合には、S14においてppmが26ppmに設定される。
そして、80g紙である場合も300g紙である場合の何れの場合も、全ての分割可動コア63aが第1の距離位置Dに移動される。均熱ローラ72はローラ50から離間している状態に保持される(S15)。この状態において、設定された所定の画像形成ジュブが実行されて、画像形成動作が終了となる(S5〜S7)。
図14のフローチャートは、大サイズ記録材が[13”×19”]紙であり、小サイズ記録材がA4紙である。また、坪量が80g/cm2と300g/cm2であり、単位時間あたり当たりの通過枚数が80ppmと26ppmである場合の例である。これは一例であって、これに限られるものではない。即ち、制御基準となる記録材のサイズ、坪量、ppmは任意に設定した参照テーブルとして制御回路部100のメモリ(不図示)に予め記憶させて装置制御を実行させることが出来る。
[その他の装置構成]
1)実施例においては、均熱ローラ73を加圧部材である加圧ローラ50に対して当接離間させる構成であるが、加熱部材であるベルト41に対して当接離間させる装置構成とすることもできる。
2)加熱部材41はローラ体であってもよい。また複数の張架部材間に懸回張設して循環移動される可撓性を有するエンドレスベルト体にすることもできる。
3)加熱部材41の内側に磁場発生手段60を配設した構成にすることもできる。また、磁場発生手段60のコイル62とコア63の何れか一方を加熱部材41の外側に、他方を内側に配設した構成にすることもできる。
4)加圧部材50をエンドレスベルト体にした構成にすることもできる。
5)本発明に係る画像加熱装置は、実施形態の定着装置16としての使用に限られない。記録材に定着された画像を加熱することにより画像の光沢を増大させる光沢増大装置(画像改質装置)としても有効に使用することができる。
16・・画像加熱装置、41・・加熱部材、41a・・磁性部材、50・・加圧部材、N・・ニップ部、60・・磁場発生手段、62・・磁場発生コイル、63・・磁性体コア、63a・・分割可動コア、65・・コア移動手段、72・・均熱部材、90・・均熱部材移動手段、TH・・温度検知手段、100・・制御手段、温度制御手段、P・・記録材、t・・トナー像

Claims (4)

  1. 磁場発生コイルと磁性体コアを備えた磁場発生手段と、前記磁場発生手段から発生される磁界が存在する領域を通過したときに電磁誘導発熱する磁性部材で構成される回転可能な加熱部材と、前記加熱部材とニップ部を形成する回転可能な加圧部材と、前記加熱部材の通紙域の温度を検知する温度検知手段と、前記温度検知手段で検知される温度に関する情報が所定の温度に対応する情報に維持されるように前記磁場発生コイルに対する供給電力を制御する温度制御手段と、を有し、前記ニップ部で画像を担持した記録材を挟持搬送して加熱する画像加熱装置であって、
    記録材搬送方向に直交する方向を長手方向とした場合に、前記磁性体コアは、前記加熱部材の長手方向に沿って配設されており、かつ、長手方向で複数に分割されて個々に前記加熱部材との距離を変化させる方向に単独で移動可能な分割可動コアを有しており、
    前記個々の分割可動コアを前記加熱部材に対する第1の距離位置と前記第1の距離位置よりも前記加熱部材から離れた第2の距離位置とに移動させるコア移動手段と、
    表面にトナー離型樹脂層が設けられ、前記加熱部材あるいは前記加圧部材と同じ長手方向の寸法をもつ均熱部材と、
    前記均熱部材を前記加熱部材あるいは前記加圧部材に対して当接した第1の位置と前記加熱部材あるいは前記加圧部材から離間した第2の位置に移動させる均熱部材移動手段と、
    装置に通紙される記録材が、装置に通紙可能な最大幅の大サイズ記録材よりも幅が小さい小サイズ記録材である場合には、前記分割可動コアのうち、通紙される小サイズ記録材の通紙域に対応する分割可動コアについては前記第1の距離位置に位置させ、それ以外の分割可動コアについては前記第2の距離位置に位置させるように前記コア移動手段を制御する共に、通紙される小サイズ記録材の坪量及び単位時間あたりの通過枚数によって、前記均熱部材を前記第1の位置に移動するように前記均熱部材移動手段を制御する第1の制御モードと、前記均熱部材を前記第2の位置に移動するように均熱部材移動手段を制御する第2の制御モードと、を選択して実行する制御手段と、
    を有することを特徴とする画像加熱装置。
  2. 装置に通紙される記録材が前記大サイズ記録材である場合には、前記制御手段は、前記分割可動コアの全てを前記第1の距離位置に位置させるように前記コア移動手段を制御する共に、前記均熱部材を前記第2の位置に移動するように前記均熱部材移動手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像加熱装置。
  3. 前記均熱部材は金属芯金の表面にトナー離型樹脂層が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の画像加熱装置。
  4. 前記均熱部材に対してトナー清掃部材が当接されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の画像加熱装置。
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