JP2018155848A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】加熱回転体が非回転状態または低速回転状態であっても、加熱回転体を誘導加熱する際の温度ムラを抑制できる定着装置を提供する。【解決手段】定着装置は、誘導電流により発熱する加熱回転体11と、加熱回転体11の外部に配置された励磁コイル122と、トナー像が現像された用紙を加熱回転体11との間で挟持しながら回転する加圧ローラー10と、励磁コイル122と加熱回転体11との相対位置を、トナー像を用紙に定着させるときには第1相対位置に変化させ、トナー像を用紙に定着させないときには第2相対位置に変化させる相対位置変更部とを備える。加熱回転体11の回転軸に垂直な断面において、加熱回転体11の外周面における加圧ローラー10に最も近い点から励磁コイル122までの距離は、第1相対位置よりも第2相対位置の方が短い。【選択図】図7

Description

本開示は、誘導加熱型の定着装置およびそれを用いた画像形成装置に関する。
複写機などの画像形成装置は、用紙に転写されたトナー像を用紙に定着させるための定着装置を備える。定着装置として、トナーを溶融させる加熱回転体と、加熱回転体に圧接させて用紙を押圧する加圧ローラーと、加熱回転体を加熱するための励磁コイルとを備えた誘導加熱型定着装置が知られている。
たとえば、特開2011−53452号公報(特許文献1)および特開2016−24367号公報(特許文献2)には、加熱回転体の内部に励磁コイルを配置した定着装置が開示されている。
しかしながら、加熱回転体の内部に励磁コイルを配置する場合、加熱回転体が交換時期に達した場合に、加熱回転体とともに励磁コイルも同時に交換することになり、コストが高くなる。
そこで、特開2014−163958号公報(特許文献3)には、加熱回転体の外部に励磁コイルが配置された定着装置が開示されている。これにより、加熱回転体を交換する場合でも、励磁コイルを交換する必要がない。
図15は、加熱回転体の外部に励磁コイルを配置した定着装置の従来例を示す断面図である。図15に示されるように、定着装置は、加熱回転体511と、加圧ローラー510と、磁束発生装置512と、温度センサー525と、高周波電源回路519とを備えている。
高周波電源回路519は、温度センサー525の検知温度に応じた電流を、磁束発生装置512の励磁コイル522に流す。励磁コイル522により発生した磁束によって、金属製の加熱回転体511に渦電流が誘起され、ジュール熱が発生する。このようにして、加熱回転体511が誘導加熱される。加熱回転体511は、加圧ローラー510の回転に伴って従動回転する。加圧ローラー510と加熱回転体511との間に用紙Pが挟持搬送され、用紙P上のトナーTが用紙Pに定着される。
特開2011−53452号公報 特開2016−24367号公報 特開2014−163958号公報
図15に示されるように、加熱回転体511の外部に磁束発生装置512を配置する場合、磁束発生装置512は、用紙Pの搬送路を避けて配置される。具体的には、磁束発生装置512は、加熱回転体511に対して、加圧ローラー510とは反対側に配置され、加熱回転体511の外周面の略半分の領域を局所的に加熱する。そのため、加熱回転体511が非回転状態または低速回転状態であるときに磁束発生装置512が磁束を発生させると、加熱回転体511の温度ムラが大きくなる。そこで、用紙Pが搬送されていない状態において加熱回転体511を予熱させる場合にも、加圧ローラー510を回転させ、加熱回転体511を従動回転させる必要がある。これにより、印刷していない状態であっても、加圧ローラー510および加熱回転体511の回転に伴う動作音が発生したり、加圧ローラー510を回転駆動させるために消費電力が高くなるという問題が生じる。
本開示は上述のような問題点を解決するためになされたものであって、ある局面における目的は、加熱回転体が非回転状態または低速回転状態であっても、加熱回転体を誘導加熱する際の温度ムラを抑制できる定着装置および画像形成装置を提供することである。
ある局面に従うと、定着装置は、誘導電流により発熱する加熱回転体と、加熱回転体の外部に配置された励磁コイルと、トナー像が現像された用紙を加熱回転体との間で挟持しながら回転する加圧ローラーと、励磁コイルと加熱回転体との相対位置を、トナー像を用紙に定着させるときには第1相対位置に変化させ、トナー像を用紙に定着させないときには第2相対位置に変化させる相対位置変更部とを備える。加熱回転体の回転軸に垂直な断面において、加熱回転体の外周面における加圧ローラーに最も近い点から励磁コイルまでの距離は、第1相対位置よりも第2相対位置の方が短い。
好ましくは、加熱回転体は、無端ベルトである。定着装置は、加熱回転体の内部に配置された、加熱回転体よりも透磁率の高い少なくとも1つの磁性コアをさらに備える。
好ましくは、定着装置は、加熱回転体の内部に、加熱回転体を加圧ローラーに押圧する押圧部材をさらに備える。少なくとも1つの磁性コアは、押圧部材を覆う第1磁性コアを含む。
好ましくは、少なくとも1つの磁性コアは、押圧部材に対して加圧ローラーとは反対側に配置される第2磁性コアを含む。
好ましくは、少なくとも1つの磁性コアは、加熱回転体の内部において移動可能である。
好ましくは、用紙の搬送方向から見たとき、励磁コイルは、励磁コイルおよび加熱回転体が第1相対位置にあるとき、第2磁性コアと重なり、かつ、第1磁性コアと重ならず、励磁コイルおよび加熱回転体が第2相対位置にあるとき、第1磁性コアおよび第2磁性コアと重なる。
好ましくは、励磁コイルおよび加熱回転体が第2相対位置にあるときの加熱回転体の回転速度は、0、もしくは、励磁コイルおよび加熱回転体が第1相対位置にあるときの加熱回転体の回転速度よりも遅い。
好ましくは、相対位置変更部は、加熱回転体を移動させることにより、励磁コイルと加熱回転体との相対位置を変更する。
好ましくは、相対位置変更部は、励磁コイルを移動させることにより、励磁コイルと加熱回転体との相対位置を変更する。
好ましくは、定着装置は、加熱回転体から用紙を分離させる分離部材をさらに備える。分離部材は、励磁コイルおよび加熱回転体が第1相対位置にあるときに第1位置に位置し、励磁コイルおよび加熱回転体が第2相対位置にあるときに第2位置に位置するように移動可能である。
好ましくは、加圧ローラーは、励磁コイルおよび加熱回転体が第2相対位置にあるとき、加熱回転体から離れる。
好ましくは、励磁コイルの巻回軸は、加熱回転体の回転軸および加圧ローラーの回転軸に直交する。相対位置変更部は、励磁コイルおよび加熱回転体の少なくとも一方を巻回軸に沿って移動させることにより、励磁コイルと加熱回転体との相対位置を変更する。
好ましくは、定着装置は、励磁コイルとして、巻回軸が加熱回転体の回転軸に直交する第1および第2の励磁コイルを備える。相対位置変更部は、第1および第2の励磁コイルの少なくとも1つを加熱回転体の回転軸を中心に回転移動させることにより、励磁コイルと加熱回転体との相対位置を変更する。
好ましくは、加熱回転体は、無端ベルトまたは筒状体である。定着装置は、加熱回転体の内部に配置された温度センサーと、温度センサーによる検知温度に従って励磁コイルに供給する電力を制御する電源回路とをさらに備える。
別の局面に従えば、画像形成装置は、上記の定着装置を備える。
ある局面において、加熱回転体が非回転状態または低速回転状態であっても、加熱回転体を誘導加熱する際の温度ムラを抑制できる定着装置および画像形成装置を提供できる。
実施の形態1に係る画像形成装置の内部構成を示す断面図である。 実施の形態1に係る定着装置の構成を示す部分破断斜視図である。 図2の矢印Dの方向からみたときの定着装置の側面図である。 図2のIV−IV線に沿った矢視断面図である。 加熱回転体の断面図である。 実施の形態1に係る定着装置の構成を示す平面図である。 予備加熱モードのときの実施の形態1に係る定着装置の断面図である。 実施の形態2に係る定着装置を示す断面図である。 実施の形態3に係る定着装置の加熱回転体の内部構成を示す断面図である。 実施の形態3に係る定着装置を示す断面図である。 予備加熱モードのときの実施の形態4に係る定着装置を示す断面図である。 予備加熱モードのときの変形例に係る定着装置を示す断面図である。 定着モードのときの実施の形態5に係る定着装置を示す断面図である。 予備加熱モードのときの実施の形態5に係る定着装置を示す断面図である。 定着装置の従来例を示す断面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明に従う各実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらについての詳細な説明は繰り返さない。なお、以下で説明される各実施の形態および各変形例は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
<実施の形態1>
(画像形成装置の内部構成)
図1は、実施の形態1における画像形成装置100の内部構成を示す断面図である。画像形成装置100は、内部の略中央部にベルト部材として中間転写ベルト1を備えている。中間転写ベルト1の下部水平部の下には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色にそれぞれ対応する4つの作像ユニット2Y、2M、2C、2Kが中間転写ベルト1に沿って並んで配置され、感光体ドラム3Y、3M、3C、3Kをそれぞれ有している。
各感光体ドラム3Y、3M、3C、3Kの周囲には、その回転方向に沿って順に、帯電器4Y、4M、4C、4Kと、プリントヘッド部5Y、5M、5C、5Kと、現像器6Y、6M、6C、6Kと、中間転写ベルト1を挟んで各感光体ドラム3Y、3M、3C、3Kと対向する1次転写ローラー7Y、7M、7C、7Kがそれぞれ配置されている。
中間転写ベルト1の中間転写ベルト駆動ローラー8で支持された部分には、2次転写ローラー9が圧接されており、2次転写ローラー9と中間転写ベルト1とのニップ部が、2次転写領域n1になっている。2次転写領域n1後方の搬送路R1の下流位置には、加圧ローラー10、加熱回転体11、磁束発生装置12および分離部材13を有する定着装置20が配置されている。加圧ローラー10と加熱回転体11との圧接部が定着ニップ領域n2となっている。
画像形成装置100の下部には、給紙カセット30が着脱可能に配置される。給紙カセット30内に積載収容された用紙Pは、給紙ローラー31の回転によって最上部のものから1枚ずつ搬送路R1に送り出される。中間転写ベルト1の最下流側の作像ユニット2Kと2次転写領域n1との間には、レジストセンサを兼用するAIDC(Auto Image Density Control:自動画像濃度制御)センサー40が設置されている。搬送路R1における定着装置20の下流側には、排紙ローラー50が設置される。画像形成装置100の上面には、排紙トレイ60が形成される。
(画像形成装置の概略動作)
次に、画像形成装置100の概略動作について説明する。外部装置(たとえば、パソコン等)から画像形成装置100の画像信号処理部(図示せず)に画像信号が入力されると、画像信号処理部ではこの画像信号をイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックに色変換したデジタル画像信号を作成し、当該デジタル画像信号に基づいて、各作像ユニット2Y、2M、2C、2Kの各プリントヘッド部5Y、5M、5C、5Kを発光させて露光を行なう。
これにより、各感光体ドラム3Y、3M、3C、3K上に形成された静電潜像は、各現像器6Y、6M、6C、6Kによりそれぞれ現像されて各色のトナー像となる。各色のトナー像は、各1次転写ローラー7Y、7M、7C、7Kの作用により、図1中の矢印A方向に移動する中間転写ベルト1上に順次重ね合わせて1次転写される。
このようにして中間転写ベルト1上に形成されたトナー像は、中間転写ベルト1の移動にしたがって2次転写領域n1に達する。この2次転写領域n1において、重ね合わされた各色トナー像は、2次転写ローラー9の作用により、用紙Pに一括して2次転写される。
トナー像が2次転写された用紙Pは、加熱回転体11の表面温度が所定の定着温度範囲内に制御された定着装置20の定着ニップ領域n2に達する。このとき、用紙Pにおけるトナー像が形成された面(未定着トナー像担持面)が加熱回転体11に接触する。定着ニップ領域n2に導入された用紙Pは、挟持搬送される。定着ニップ領域n2において、未定着のトナー像は、磁束発生装置12によって誘導発熱する加熱回転体11と加圧ローラー10との作用により、用紙Pに溶融定着される。トナー像が定着された用紙Pは、排紙ローラー50の回転によって、排紙トレイ60に排出される。
(定着装置の構成)
次に、図2〜図6を参照して、定着装置20の構成について説明する。図2は、定着装置20の構成を示す部分破断斜視図である。図2には、加圧ローラー10および磁束発生装置12が部分的に破断された状態が示される。また、図2において、分離部材13の図示を省略している。図3は、図2の矢印Dの方向からみたときの定着装置20の側面図である。ただし、図3において、磁束発生装置12のカバー123(図2参照)の図示を省略している。図4は、図2のIV−IV線に沿った矢視断面図である。図5は、加熱回転体11の断面図である。図6は、定着装置20の構成を示す平面図である。ただし、図6において、磁束発生装置12の図示を省略している。
定着装置20は、加圧ローラー10と、加熱回転体11と、磁束発生装置12と、分離部材13と、一対の支持部材14,14と、一対のガイド部材15,15と、押圧部材16と、第1磁性コア17と、第2磁性コア18と、高周波電源回路19と、一対のバネ21,21と、一対の偏心カム22,22と、モーター24と、温度センサー25と、制御部26とを備えている。一対のガイド部材15,15と、一対のバネ21,21と、一対の偏心カム22,22と、モーター24とは、加熱回転体11を移動させる移動機構を構成する。
(加圧ローラー)
加圧ローラー10は、図2に示すように、長尺で円柱状の芯金101の周囲に、弾性層102を介して離型層103が積層されてなる。加圧ローラー10は、バネなどを用いた図示しない加圧機構により加熱回転体11の回転軸11aの方向に付勢される。加圧ローラー10は、所定の押圧力で加熱回転体11に圧接して、加熱回転体11の表面との間に定着ニップ領域n2を確保する。
芯金101は、アルミニウム等からなり、弾性層102は、シリコーンスポンジゴム等からなり、離型層103は、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)やPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)コート等からなる。
加圧ローラー10は、芯金101の軸方向両端部が図示しないフレームに軸受部材などを介して回転自在に支持される。加圧ローラー10は、駆動モーター(不図示)からの駆動力が伝達されることにより、図2中に示す矢印A方向に所定のプロセス速度で回転駆動される。
(加熱回転体)
加熱回転体11は無端ベルトである。加熱回転体11は、回転軸11aが加圧ローラー10の回転軸10a(図4参照)に平行になるように設置される。加熱回転体11は、加圧ローラー10の回転に伴い、定着ニップ領域n2における摩擦力によって図2中の矢印B方向に従動回転する。
図5に示されるように、加熱回転体11は、離型層111と、弾性層112と、発熱層113とが、この順に離型層111が表面側になるように積層されてなる。離型層111は、厚みがたとえば約20μmのPFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)などからなる。弾性層112は、厚みがたとえば約200μmのシリコーンゴムなどからなる。発熱層113は、ニッケルに銅を積層し、さらにニッケルメッキされた層であり、厚みがたとえば約10μmである。発熱層113は、磁束発生装置12から発せられる磁束により発熱する。なお、加熱回転体11は、これらの材料に限定されるものでない。たとえば、発熱層113は、ポリイミドに銅メッキされた層や、SUS基材からなる層であってもよい。
(支持部材)
一対の支持部材14,14は、加熱回転体11の両端にそれぞれ設置され、加熱回転体11の端部を回転可能に支持する。図2および図6に示されるように、支持部材14は、円板部141と、挿入部142(図2では図示せず)と、スライド軸部143とを有する。円板部141、挿入部142およびスライド軸部143は、一体に形成される。
円板部141は、加熱回転体11の端部に配置され、加熱回転体11の外径よりも大きい直径を有する。これにより、加熱回転体11が回転するときの、用紙Pの幅方向(搬送方向に垂直な用紙Pの面内方向)の寄りを規制することができる。
挿入部142は、円板部141における加熱回転体11側の面に形成された円柱であり、加熱回転体11の内側に挿入される。挿入部142の直径は、加熱回転体11の内径よりもわずかに小さい。挿入部142は、外周面において、周方向に回転可能に加熱回転体11を支持する。
スライド軸部143は、円柱状の凸部であり、円板部141における加熱回転体11とは反対側の面に形成される。スライド軸部143は、図2および図6に示す矢印C方向に沿ってスライド可能にガイド部材15に支持される。矢印C方向は、加熱回転体11の回転軸11aと加圧ローラー10の回転軸10aとを含む平面上における、加熱回転体11の回転軸11aに垂直な方向である。
(分離部材)
分離部材13は、定着ニップ領域n2を通過した用紙Pを加熱回転体11から分離する。定着ニップ領域n2を通過した用紙Pの先端が分離部材13に接触することにより、用紙Pは、加熱回転体11から分離される。
(磁束発生装置)
磁束発生装置12は、加熱回転体11の発熱層113を誘導発熱させるための磁束を発生する装置である。磁束発生装置12は、加熱回転体11の外周面の外側であり、加熱回転体11を挟んで加圧ローラー10と対向する位置に配置される。図2〜図4に示されるように、磁束発生装置12は、コイルボビン121と、励磁コイル122と、カバー123とを有する。
コイルボビン121は、断面略U字状に折り曲げられた板状部材であり、画像形成装置100の図示しないフレームなどに固定されている。
コイルボビン121は、加熱回転体11の回転軸11aよりも用紙Pの搬送方向上流側に位置する第1平板部121aと、加熱回転体11の回転軸11aよりも用紙Pの搬送方向下流側に位置する第2平板部121bと、第1平板部121aと第2平板部121bとを連結する連結部121cとから構成される。
第1平板部121aと第2平板部121bとは、加熱回転体11の回転軸11aと加圧ローラー10の回転軸10aとを含む平面に略平行である。連結部121cは、加熱回転体11の外周面に沿って円弧状に湾曲してなり、第1平板部121aと第2平板部121bとにおける搬送路R1と反対側の端面同士を連結する。
コイルボビン121には、高耐熱の耐熱絶縁性樹脂材料が用いられている。たとえば、コイルボビン121には、定着温度に至ったときの熱による反りを軽減するために、LCP(liquid crystal polymer)が用いられる。
励磁コイル122は、図2〜図4に示されるように、コイルボビン121の表面に沿って導線が巻かれた構造を有している。図3および図4に示されるように、励磁コイル122の巻回軸122aは、加熱回転体11の回転軸11aおよび加圧ローラー10の回転軸10aに直交する。言い換えると、励磁コイル122の巻回軸122aは、加熱回転体11の回転軸11aおよび加圧ローラー10の回転軸10aを含む平面上にあり、加熱回転体11の回転軸11aおよび加圧ローラー10の回転軸10aに垂直である。
励磁コイル122は、高周波電源回路19に接続されて20kHz〜90kHz、100W〜2000Wの高周波電力が供給されるため、耐熱性の樹脂で被覆した細い線を数十本から数百本を束ねたリッツ線を用いる。リッツ線表層には融着層が形成される。励磁コイル122を巻き固める際に加熱し融着層を溶かし接着することで、励磁コイル122は、コイル形状を保つとともに、コイルボビン121に固定される。
カバー123は、コイルボビン121における励磁コイル122が固定された面を覆う部材である。カバー123は、コイルボビン121と同様に、高耐熱の耐熱絶縁性樹脂材料により形成される。
図示していないが、カバー123と励磁コイル122との間には磁性コアが配置される。これにより、励磁コイル122と加熱回転体11の発熱層113との間の磁気回路の効率を上げ、磁束がカバー123の外側に漏れるのを遮蔽している。磁性コアの材料は、高透磁率かつ低損失のものを用いる。たとえば、フェライト、パーマロイのような合金を用いると良い。
(加熱回転体の内側に配置される構成)
図4に示されるように、加熱回転体11の内側には、押圧部材16と、第1磁性コア17と、第2磁性コア18と、温度センサー25とが配置される。
押圧部材16は、加熱回転体11を内側から加圧ローラー10に対して押圧するパッドであり、支持部材14に固定されている。押圧部材16は、用紙PのトナーTを定着させるために加圧ローラー10からの加重に耐えうる程度の強度を有する。そのため、押圧部材16は、鉄、SUS、アルミニウムなどの金属によって構成される。
第1磁性コア17は、押圧部材16の周囲を覆うように押圧部材16の近傍に配置される。第1磁性コア17は、支持部材14に固定されている。具体的には、第1磁性コア17は、断面略U字状であり、押圧部材16における加圧ローラー10に対向する面と、押圧部材16における用紙Pの搬送方向の上流側および下流側の面とを覆う。第1磁性コア17は、押圧部材16における加圧ローラー10に対向する面を覆うため、押圧部材16と加熱回転体11との間に挟まれる。
第1磁性コア17は、高透磁率のフェライトコアからなる。これにより、第1磁性コア17は、押圧部材16を通る磁束を低減することができる。上述したように、押圧部材16は、金属で構成されるため、磁束を受けると誘導加熱により発熱する。押圧部材16から用紙Pへ伝熱されにくいため、押圧部材16を発熱させることは無駄な電力を消費することにつながる。しかしながら、第1磁性コア17を押圧部材16の周囲に配置することにより、励磁コイル122によって発生される磁束によって押圧部材16が発熱することを抑制することができる。すなわち、用紙Pへの伝熱に対する寄与の小さい押圧部材16の発熱を抑制することができる。その結果、加熱回転体11の発熱に電力を集中させることができる。
第2磁性コア18は、押圧部材16に対して加圧ローラー10とは反対側に配置される。言い換えると、第2磁性コア18は、加熱回転体11の内部において、押圧部材16よりも励磁コイル122に近い位置に配置される。第2磁性コア18は、支持部材14に固定されている。
第2磁性コア18は、高透磁率のフェライトコアからなる。これにより、第2磁性コア18は、励磁コイル122が発生した磁束を引き寄せることができる。その結果、加熱回転体11を通る磁束が増大し、加熱回転体11の発熱量を増やすことができる。
温度センサー25は、加熱回転体11の内部に配置され、支持部材14に固定されている。温度センサー25は、加熱回転体11の内部における励磁コイル122に対向する位置に配置される。温度センサー25は、たとえば接触式温度センサであり、加熱回転体11近傍の温度を検知し、その結果を高周波電源回路19に出力する。
(高周波電源回路)
高周波電源回路19は、励磁コイル122に電流を流す回路である。高周波電源回路19は、たとえば20kHz〜90kHz、100W〜2000Wの高周波電力を励磁コイル122に出力する。高周波電源回路19は、温度センサー25により検知された温度が目標温度に近づくように、励磁コイル122に出力する電力を制御する。
(加熱回転体を移動させる移動機構)
次に、加熱回転体11を移動させる移動機構について説明する。移動機構は、上述したように、一対のガイド部材15,15と、一対のバネ21,21と、一対の偏心カム22,22と、モーター24とから構成される。
図2および図6に示されるように、一対のガイド部材15,15は、加熱回転体11の端部を支持する一対の支持部材14,14をそれぞれスライド可能に支持する。
ガイド部材15は、第1平板部152と第2平板部153とから構成され、画像形成装置100の図示しないフレームなどに固定される。
第1平板部152は、加熱回転体11の回転軸11aに垂直な板状部材であり、矢印C方向を長手方向とする長穴151が形成される。長穴151には、支持部材14のスライド軸部143が挿入される。長穴151の短径は、スライド軸部143の直径よりもわずかに大きい。そのため、第1平板部152は、長穴151の短手方向へのスライド軸部143の移動を規制するとともに、スライド軸部143を矢印C方向にスライド可能に支持する。
第2平板部153は、第1平板部152の加圧ローラー10側の端部から加熱回転体11に向かって延びる板状部材であり、第1平板部152と一体化される。第2平板部153は、長穴151の長手方向に垂直である。
一対のバネ21,21は、一対のガイド部材15,15に対応してそれぞれ設置される。バネ21は、対応するガイド部材15の第2平板部153と、対応するガイド部材15の長穴151に挿入されたスライド軸部143との間に縮んだ状態で配置される。そのため、バネ21は、スライド軸部143に対して、加圧ローラー10から離れる方向(図6の矢印E方向)の付勢力を与える。
一対の偏心カム22,22は、一対のガイド部材15,15に対応してそれぞれ設置される。偏心カム22は、スライド軸部143におけるバネ21が配置されている側の反対側に外周面が接するように設置される。偏心カム22の軸22aは、画像形成装置100の図示しないフレームに設けられた軸受部材によって回転可能に支持される。スライド軸部143が長穴151における加圧ローラー10側の端に位置しているときに偏心カム22の外周面における軸22aから最も離れた点がスライド軸部143に接するように、偏心カム22の軸22aの位置が設定される。
モーター24は、制御部26からの指示に従って、偏心カム22の軸22aを回転させる。
(制御部)
制御部26は、画像形成装置100の各部の動作を制御する。制御部26による定着装置20の制御の詳細については後述する。
制御部26は、OSを含む各種プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)と、各種データを格納するROM(Read Only Memory)と、CPUでのプログラムの実行に必要なデータを格納するための作業領域を提供するRAM(Random Access Memory)と、CPUで実行されるプログラムなどを不揮発的に格納するハードディスク(HDD)とにより構成される。
(移動機構による加熱回転体の移動)
次に、図6を参照して、移動機構による加熱回転体11の移動について説明する。図6(a)には、偏心カム22の外周面における軸22aから最も離れた点がスライド軸部143に接しているときの定着装置20の状態が示される。このとき、スライド軸部143は、バネ21の付勢力に抗って、偏心カム22によって、長穴151における加圧ローラー10側の端まで押される。これにより、スライド軸部143を含む支持部材14によって支持される加熱回転体11は加圧ローラー10に接する。
図6(a)に示す状態から偏心カム22が回転すると、スライド軸部143は、バネ21の付勢力に従って、加圧ローラー10から離れる方向に移動する。図6(b)には、偏心カム22が180度回転したときの定着装置20の状態が示される。このとき、スライド軸部143は、長穴151における加圧ローラー10とは反対側の端に達している。
このようにして、偏心カム22を回転させることにより、スライド軸部143を含む支持部材14によって支持される加熱回転体11を、矢印C方向に沿って移動させることができる。
上述したように、矢印C方向は、加熱回転体11の回転軸11aと加圧ローラー10の回転軸10aとを含む平面上における、加熱回転体11の回転軸11aに垂直な方向である。そのため、矢印C方向は、励磁コイル122の巻回軸122aに平行である。したがって、移動機構は、励磁コイル122の巻回軸122aに沿って加熱回転体11を移動させると言える。
(定着装置に対する制御の詳細)
図4、図6および図7を参照して、定着装置20に対する制御部26の制御の詳細について説明する。図7は、加熱回転体11が図6(b)に示す位置にあるときの定着装置の断面図である。なお、図4には、加熱回転体11が図6(a)に示す位置にあるときの定着装置の断面図が示される。以下では、図4に示される加熱回転体11と励磁コイル122との相対位置を第1相対位置といい、図7に示される加熱回転体11と励磁コイル122との相対位置を第2相対位置という。
制御部26は、定着モード、予備加熱モード、待機モードのいずれかのモードに応じて、定着装置20を制御する。制御部26は、印刷指示を受けてから印刷完了するまでの間、定着モードに従って定着装置20を制御する。制御部26は、画像形成装置100の起動直後から所定時間経過するまでの期間、および、印刷完了してから所定時間経過するまでの期間、予備加熱モードに従って定着装置20を制御する。制御部26は、予備加熱モードの制御を行なっているときに印刷指示がない場合、当該予備加熱モードの期間終了後に、待機モードに従って定着装置20を制御する。
制御部26は、定着モードのとき、加熱回転体11および励磁コイル122が第1相対位置(図4参照)となるようにモーター24を制御して加熱回転体11を移動させるとともに、加圧ローラー10を所定のプロセス速度になるように回転させる。さらに、制御部26は、温度センサー25の検知温度が所定の定着温度範囲内になるように高周波電源回路19を制御する。
加熱回転体11および励磁コイル122が第1相対位置にあるとき、加熱回転体11と加圧ローラー10とが接する。そのため、加圧ローラー10を回転させることにより、加熱回転体11は従動回転する。
ここで、加熱回転体11の回転軸11aおよび加圧ローラー10の回転軸10aを含む面に垂直であり、かつ、加熱回転体11の回転軸11aを含む平面を平面S1(図4参照)とする。平面S1は、用紙Pの搬送方向に平行である。
図4に示されるように、定着モードにおいて、励磁コイル122は、加熱回転体11における平面S1よりも磁束発生装置12側の半円部分を覆う。用紙Pの搬送方向から見たとき、励磁コイル122は、第1磁性コア17および押圧部材16と重ならず、第2磁性コア18と重なる。そのため、励磁コイル122によって発生された磁束は、第2磁性コア18に引き寄せられ、加熱回転体11における平面S1よりも磁束発生装置12側の半円部分を通る。なお、図4には、励磁コイル122によって発生された磁束の一部である磁力線70を示している。
励磁コイル122による磁束が加熱回転体11の半分の領域のみを通るため、仮に加熱回転体11が回転していない場合、加熱回転体11に温度ムラが生じる。しかしながら、定着モードでは加熱回転体11が加圧ローラー10の回転に応じて従動回転するため、加熱回転体11を均一に加熱することができる。
制御部26は、予備加熱モードのとき、加熱回転体11および励磁コイル122が第2相対位置(図7参照)に存在するようにモーター24を制御して加熱回転体11を移動させるとともに、加圧ローラー10の回転を停止する。さらに、制御部26は、温度センサー25の検知温度が所定の予熱温度範囲(定着温度範囲よりも低い温度)になるように高周波電源回路19を制御する。
図6(b)、図7には、予備加熱モードに従って制御されているときの定着装置20が示される。図6(b)、図7に示されるように、加熱回転体11および励磁コイル122が第2相対位置にあるとき、励磁コイル122は、第1相対位置と比べて、加熱回転体11における加圧ローラー10の回転軸10aに最も近い点Qに近づく。具体的には、励磁コイル122は、平面S1に対して略対称な位置にあり、加熱回転体11の外周面の略全体を覆う。これにより、励磁コイル122によって発生された磁束は、加熱回転体11の略全周域を通る。その結果、加熱回転体11を回転させなくても、加熱回転体11を均一に加熱することができる。言い換えると、加熱回転体11における温度ムラを抑制することができる。
また、加熱回転体11および励磁コイル122が第2相対位置にあるとき、加熱回転体11は、加圧ローラー10から離れる。これにより、加熱回転体11から加圧ローラー10に熱が逃げないため、加熱回転体11を効率よく加熱することができる。その結果、加熱回転体11の温度を予熱温度範囲内にするために要する時間が短くなる。さらに、加圧ローラー10の回転を停止するため、消費電力を低減することができる。
制御部26は、待機モードのとき、加熱回転体11および励磁コイル122が第2相対位置に存在するようにモーター24を制御するとともに、加圧ローラー10の回転を停止する。さらに、制御部26は、高周波電源回路19から磁束発生装置12への電力供給を停止させる。これにより、加熱回転体11の加熱が停止され、消費電力をさらに低減することができる。
なお、制御部26は、印刷完了後、連続して印刷指示を受ける可能性を考慮して、定着モードの制御を所定時間だけ引き続き行なってもよい。すなわち、制御部26は、トナー像を用紙Pに定着させないときにも定着モードに従った制御を行なってもよい。言い換えると、制御部26は、トナー像を用紙Pに定着させない間、常に予備加熱モードまたは待機モードに従った制御を行なわず、定着モードの終了後に予備加熱モードに従った制御を行なえばよい。
(利点)
以上のように、定着装置20は、誘導電流により発熱する加熱回転体11と、加熱回転体11の外部に配置された励磁コイル122と、トナー像が現像された用紙Pを加熱回転体11との間で挟持しながら回転する加圧ローラー10とを備える。定着装置20は、さらに、加熱回転体11と励磁コイル122との相対位置を、トナー像を用紙Pに定着させる定着モードのときには第1相対位置に変化させ、トナー像を用紙Pに定着させない予備加熱モードのときには第2相対位置に変化させる移動機構(相対位置変更部)を備える。加熱回転体11における加圧ローラー10に最も近い点Qから励磁コイル122までの距離は、第1相対位置よりも第2相対位置の方が短い。
なお、移動機構は、一対のガイド部材15,15と、一対のバネ21,21と、一対の偏心カム22,22と、モーター24とによって構成される。
加熱回転体11における加圧ローラーの回転軸10aに最も近い点Qは、定着モードのときに用紙Pを接触する。そのため、定着モードのとき、点Qの周辺付近には、用紙Pの搬送路R1と干渉するために、磁束発生装置12を配置することができず、加熱回転体11における点Qの周辺付近を加熱することができない。したがって、定着モードと予備加熱モードとにおいて、加熱回転体11と励磁コイル122との相対位置を変更しない場合、加熱回転体11の温度ムラを抑制するために、予備加熱モードであっても加熱回転体11を回転させる必要がある。
しかしながら、実施の形態1の定着装置20では、点Qから励磁コイル122までの距離が定着モードのときよりも予備加熱モードのときに短くなるように、加熱回転体11と励磁コイル122との相対位置が変更される。これにより、予備加熱モードのときに、点Qの周辺付近も加熱することができる。その結果、加熱回転体11が非回転状態または低速回転状態であっても、加熱回転体11を誘導加熱する際の温度ムラを抑制できる。
加熱回転体11は無端ベルトである。定着装置20は、加熱回転体11の内部に配置された、加熱回転体11よりも透磁率の高い第1磁性コア17および第2磁性コア18をさらに備える。
これにより、励磁コイル122によって発生された磁束を加熱回転体11の内部に引き寄せることができる。その結果、加熱回転体11を通る磁束を増大させることができ、加熱回転体11を効率よく加熱することができる。
さらに、定着装置20は、加熱回転体11の内部に、加熱回転体11を加圧ローラー10に押圧する押圧部材16を備える。第1磁性コア17は、押圧部材16を覆う。
これにより、励磁コイル122によって発生された磁束が第1磁性コア17に引き寄せられ、押圧部材16を通る磁束が減少する。その結果、金属製の押圧部材16が誘導加熱されず、無駄な電力消費を抑制することができる。
また、第2磁性コア18は、押圧部材16に対して加圧ローラー10とは反対側に配置される。上述したように、定着モードのとき、点Qの周辺付近には、用紙Pの搬送路R1と干渉するために、磁束発生装置12を配置することができない。そのため、定着モードのとき、磁束発生装置12は、用紙Pの搬送路R1と干渉しない領域、すなわち、加圧ローラー10から遠い領域において、加熱回転体11を覆うように配置される。そのため、第2磁性コア18を押圧部材16に対して加圧ローラー10とは反対側に配置することにより、励磁コイル122によって発生された磁束を加熱回転体11の方向に引き寄せやすくなる。その結果、加熱回転体11を効率よく加熱することができる。
具体的には、用紙Pの搬送方向から見たとき、励磁コイル122は、加熱回転体11および励磁コイル122が第1相対位置にあるとき、第2磁性コア18と重なり、かつ、第1磁性コア17と重ならない。また、励磁コイル122は、加熱回転体11および励磁コイル122が第2相対位置にあるとき、第1磁性コア17および第2磁性コア18と重なる。
これにより、加熱回転体11および励磁コイル122が第2相対位置にあるとき、すなわち、予備加熱モードのときに、励磁コイル122によって発生された磁束を第1磁性コア17および第2磁性コア18によって加熱回転体11の方向により引き寄せやすくなる。その結果、加熱回転体11を通る磁束をさらに増大させることができ、加熱回転体11を効率よく加熱することができる。
また、加熱回転体11および励磁コイル122が第2相対位置にあるとき、加熱回転体11は、加圧ローラー10に接触せず、回転しない。これにより、予備加熱モードにおいて、加圧ローラー10および加熱回転体11の回転による振動音が発生することがなく、印刷していないときの画像形成装置100の動作音を低減することができる。
加熱回転体11と加圧ローラー10とが離れていることにより、加熱回転体11から加圧ローラー10への伝熱および加圧ローラー10を介した周囲への放熱を抑制し、加熱回転体11を所定の予熱温度範囲まで加熱するのに要する時間を短縮することができる。
さらに、定着装置20は、加熱回転体11の内部に配置された温度センサー25と、温度センサー25による検知温度に従って励磁コイル122に供給する電力を制御する高周波電源回路19とを備える。これにより、加熱回転体11の温度が精度良く検知される。さらに、検知温度に従って、加熱回転体11の温度を目標温度範囲に維持することができる。
励磁コイル122の巻回軸122aは、加熱回転体11の回転軸11aおよび加圧ローラー10の回転軸10aに直交する。移動機構は、加熱回転体11を励磁コイル122の巻回軸122aに沿って移動させることにより、励磁コイル122と加熱回転体11との相対位置を変更する。これにより、加熱回転体11をスライド移動させるだけで、励磁コイル122と加熱回転体11との相対位置を容易に変更することができる。
(変形例)
加熱回転体11を移動させる移動機構は、上記の構成に限定されるものではない。たとえば、加熱回転体11を移動させる移動機構は、ラックアンドピニオンによって構成されてもよい。
<実施の形態2>
図8を参照して、本開示の実施の形態2に係る定着装置について説明する。図8は、実施の形態2に係る定着装置20Aを示す断面図である。図8(a)には、定着モードのときの定着装置20Aが示され、図8(b)には、予備加熱モードのときの定着装置20Aが示される。
図8に示されるように、定着装置20Aは、加熱回転体11の代わりに加熱回転体211を備え、かつ、加熱回転体211の内部に押圧部材16,第1磁性コア17および第2磁性コア18を備えない点でのみ、実施の形態1に係る定着装置20と異なる。
加熱回転体211は、加熱回転体11より厚い筒状の金属ローラー(筒状体)であり、十分な強度を有している。そのため、加熱回転体211の内部に押圧部材16を設ける必要がない。加熱回転体211の材料は、たとえば鉄などであり、加熱回転体211の厚みは、たとえば0.7〜1mm程度である。
加熱回転体211は、金属ローラーであるため、励磁コイル122により発生される磁束によって誘導電流が発生しやすく、加熱されやすい。さらに、加熱回転体211は、実施の形態1の加熱回転体11よりも厚いため、加熱回転体11よりも熱伝導性に優れる。そのため、加熱回転体211の内部に磁性コアがなくても、実施の形態1と同様に加熱回転体211を移動させることにより、予備加熱モードにおいて、加熱回転体211を均一に加熱させることができる。その結果、予備加熱モードにおいて、加熱回転体211を回転させなくても、加熱回転体211の温度ムラを低減することができる。
なお、加熱回転体211が金属ローラーであるため、加圧ローラー10と加熱回転体211とのニップ領域の圧力は、実施の形態1に比べて大きくなる。複数種類のトナーを用いたカラーのトナー像を用紙Pに定着させる場合、比較的弱い圧力でトナー像を用紙Pに押すことが好ましい。そのため、実施の形態2に係る定着装置20Aは、複数種類のトナーを用いたカラー画像を形成する画像形成装置ではなく、モノクロ画像のみを形成する画像形成装置に好適である。
<実施の形態3>
図9および図10を参照して、本開示の実施の形態3に係る定着装置について説明する。図9は、実施の形態3に係る定着装置20Bの加熱回転体11の内部の構成を示す断面図である。図10は、実施の形態3に係る定着装置20Bを示す断面図である。図10(a)には、図9に示す磁性コア18cの位置における断面図が示され、図10(b)には、図9に示す磁性コア18aの位置における断面図が示される。
図9に示されるように、実施の形態3に係る定着装置20Bは、加熱回転体11の内部において、第2磁性コア18の代わりに磁性コア18a〜18cを備えるとともに、磁性コア18a〜18cにそれぞれ接続された支持棒26a〜26cを備える点で、実施の形態1に係る定着装置20と異なる。
磁性コア18aは、加熱回転体11の内部において、用紙Pの幅方向の中央部に配置される。磁性コア18aは、支持棒26aによって支持される。一対の磁性コア18bは、用紙Pの幅方向における磁性コア18aの一方端と他方端との外側にそれぞれ配置される。磁性コア18bは、支持棒26bによって支持される。一対の磁性コア18cは、一対の磁性コア18bのさらに外側にそれぞれ配置される。磁性コア18cは、支持棒26cによって支持される。すなわち、磁性コア18c、磁性コア18b、磁性コア18a、磁性コア18b、磁性コア18cは、加熱回転体11の内部において、用紙Pの幅方向に沿ってこの順に配置される。
支持棒26a〜26cは、矢印C方向に沿ってスライド可能である。なお、支持棒26aは、スライドしたときに磁性コア18b,18cと干渉しないように適宜折り曲げられている。同様に、支持棒26bは、スライドしたときに磁性コア18a,18cに干渉しないように適宜折り曲げられている。支持棒26cは、スライドしたときに磁性コア18a,18bに干渉しないように適宜折り曲げられている。
支持棒26a〜26cを移動させる移動機構は、特に限定されるものではなく、たとえば加熱回転体11を移動させる移動機構と同様の構成からなる。
制御部26は、定着モードのときに、搬送される用紙Pのサイズに合わせて、磁性コア18a〜18cの位置を制御する。具体的には、制御部26は、用紙Pと重なる位置に存在する磁性コアを加圧ローラー10に近づけるように移動させる。逆に、制御部26は、用紙Pと重ならない位置に存在する磁性コアを加圧ローラーから遠ざけるように移動させる。
図10には、用紙Pが磁性コア18a,18bと重なり、用紙Pが磁性コア18cと重ならない場合の定着装置20Bの断面図が示される。図10(a)に示されるように、制御部26は、加圧ローラー10から遠ざかるように磁性コア18cを移動させる。逆に、図10(b)に示されるように、制御部26は、加圧ローラー10に近づくように磁性コア18aを移動させる。制御部26は、磁性コア18aと同様に加圧ローラー10に近づくように磁性コア18bも移動させる。
用紙Pが通過する領域では、加熱回転体11から用紙Pに熱が逃げ、温度が下がりやすい。透磁率の高い磁性コア18a,18bには、励磁コイル122により発生した磁束が集中しやすい。そのため、用紙Pと重なる磁性コア18a,18bを加圧ローラー10に近づくように移動させることにより、加熱回転体11を通り抜ける磁束が多くなる。つまり、励磁コイル122と加熱回転体11との磁気結合が強くなる。その結果、加熱回転体11の発熱効率が高くなり、用紙Pに熱が逃げたとしても、加熱回転体11の温度の所定の温度範囲内に維持することができる。
逆に、用紙Pが通過しない領域では、加熱回転体11に熱が溜まりやすく、高温になりやすい。高温になりすぎると、加熱回転体11を構成する離型層111および弾性層112が劣化しやすくなる。そこで、用紙Pと重ならない磁性コア18cを加圧ローラー10から遠ざけるように移動させることにより、加熱回転体11を通り抜ける磁束が少なくなる。その結果、加熱回転体11における発熱量が低下し、加熱回転体11が高温になりすぎることを防止できる。
このように、定着装置20Bにおいて、磁性コア18a〜18cは、加熱回転体11の内部において移動可能である。これにより、加熱回転体11を通り抜ける磁束を変更することができ、加熱回転体11における発熱量を適宜調整することができる。
なお、上記の説明では、磁性コア18a〜18cを移動させているが、第1磁性コア17も合わせて移動させてもよい。
<実施の形態4>
図11を参照して、本開示の実施の形態4に係る定着装置について説明する。図11は、予備加熱モードのときの実施の形態4に係る定着装置20Cを示す断面図である。
実施の形態4に係る定着装置20Cは、加熱回転体11ではなく磁束発生装置12を移動させることにより、加熱定着モードと予備加熱モードとの間で加熱回転体11と励磁コイル122との相対位置を変更する点で実施の形態1に係る定着装置20と異なる。すなわち、実施の形態4に係る定着装置20Cは、加熱回転体11を移動させる移動機構(ガイド部材15、偏心カム22、バネ21およびモーター24)の代わりに、磁束発生装置12を移動させる移動機構を備える。
定着装置20Cにおいて、分離部材13は、先端が加熱回転体11の表面に接触する分離爪132と、分離爪132を回転可能に支持する軸支部131とを有する。
磁束発生装置12を移動させる移動機構としては、たとえば加熱回転体11を移動させる移動機構と同様の構成を用いればよい。すなわち、磁束発生装置12と一体化された軸部と、当該軸部をスライド可能に支持するガイド部材と、当該軸部に付勢力を付与するバネと、当該軸部に当接し、バネの付勢力の抗って当該軸部をスライドさせる偏心カムと、偏心カムを回転させるモーターとによって、磁束発生装置12を移動させる移動機構を構成すればよい。ただし、磁束発生装置12を移動させる移動機構は、これに限定されるものではなく、たとえばラックアンドピニオンによって構成されてもよい。
実施の形態4においても、定着モードにおける加熱回転体11と励磁コイル122との相対位置は、図4に示される状態となる。このとき、加熱回転体11を回転させながら、励磁コイル122による磁束によって加熱回転体11を誘導加熱する。これにより、加熱回転体11は、均一に加熱される。
一方、図11に示されるように、予備加熱モードになると、制御部26は、加熱回転体11に近づけるように、励磁コイル122の巻回軸122aに沿って磁束発生装置12を移動させる。これにより、加熱回転体11と励磁コイル122との相対位置は、図7に示す実施の形態1における第2相対位置と同一になる。これにより、加熱回転体11の回転を停止した場合、もしくは、回転速度を遅くした場合であっても、加熱回転体11における温度ムラを抑制することができる。
なお、定着モードにおける分離部材13の位置(図4参照)と、予備加熱モードにおける磁束発生装置12の位置(図11参照)とが重なる。そのため、制御部26は、予備加熱モードのときに、磁束発生装置12と干渉しないように、分離部材13を移動させる。具体的には、制御部26は、軸支部131を中心に分離爪132を回転させる。
以上のように、定着装置20Cでは、励磁コイル122を移動させることにより、励磁コイル122と加熱回転体11との相対位置が変更される。そのため、予備加熱モードのときにも加圧ローラー10が加熱回転体11に接触したままとなる。ただし、上述したように、予備加熱モードでは、加熱回転体11の回転を停止した場合、もしくは、回転速度を遅くした場合であっても、加熱回転体11における温度ムラを抑制することができる。そのため、予備加熱モードにおける加圧ローラー10の回転速度は、定着モードにおける加圧ローラー10の回転速度よりも遅くすることができる。予備加熱モードにおける加圧ローラー10の回転速度は0であってもよい。
定着装置20Cにおいて、分離部材13は、加熱回転体11および励磁コイル122が第1相対位置にあるときに図4に示す位置にあり、加熱回転体11および励磁コイル122が第2相対位置にあるときに図11に示す位置にあるように、移動可能である。これにより、定着モードにおいて分離部材13が存在していた位置(図4参照)まで、予備加熱モードにおいて磁束発生装置12を移動させることができる。その結果、予備加熱モードにおいて、励磁コイル122は、加熱回転体11の外周のより広い領域を覆うことができる。
(変形例)
図12を参照して、実施の形態4に係る定着装置20Cの変形例を説明する。図12は、予備加熱モードのときの当該変形例に係る定着装置20Cを示す断面図である。
上述したように、予備加熱モードのとき、加熱回転体11と励磁コイル122との相対位置は、図7に示す実施の形態1における第2相対位置と同一になる。これにより、加熱回転体11における温度ムラを抑制することができる。そのため、予備加熱モードにおいて、加熱回転体11を回転させる必要がない。
そこで、図12に示されるように、制御部26は、予備加熱モードのときに、加熱回転体11から離れるように加圧ローラー10を移動させる。これにより、加熱回転体11から加圧ローラー10への熱伝導がなくなり、加熱回転体11を効率よく加熱することができる。その結果、消費電力を低減することができる。
この場合、定着装置20Cは、加圧ローラー10を移動させる移動機構をさらに備える。加圧ローラー10を移動させる移動機構は、たとえば加熱回転体11を移動させる移動機構と同様の構成やラックアンドピニオンによって実現される。
また、磁束発生装置12だけでなく加熱回転体11も移動させることにより、加熱回転体11と励磁コイル122との相対位置が変更されてもよい。
<実施の形態5>
図13および図14を参照して、本開示の実施の形態5に係る定着装置20Dについて説明する。図13は、定着モードのときの定着装置20Dを示す断面図である。図14は、予備加熱モードのときの定着装置20Dを示す断面図である。
図13および図14に示されるように、定着装置20Dは、磁束発生装置12の代わりに磁束発生装置212、312を備える点で実施の形態1の定着装置20と相違する。
磁束発生装置212は、加熱回転体11の回転軸11aと加圧ローラー10の回転軸10aとを含む平面S2よりも、用紙Pの搬送方向下流側に配置される。磁束発生装置212は、加熱回転体11の外周面に沿った断面円弧の形状を有する。
励磁コイル222は、磁束発生装置212の内部に収容され、加熱回転体11を通る磁束を発生させる。なお、図13および図14には、励磁コイル222によって発生された磁束の一部である磁力線71を示している。励磁コイル222の巻回軸222aは、加熱回転体11の回転軸に直交する。
磁束発生装置312は、平面S2よりも用紙Pの搬送方向上流側に配置される。磁束発生装置312は、加熱回転体11の外周面に沿った断面円弧の形状を有する。
励磁コイル322は、磁束発生装置312の内部に収容され、加熱回転体11を通る磁束を発生させる。なお、図13および図14には、励磁コイル322によって発生された磁束の一部である磁力線72を示している。励磁コイル322の巻回軸322aは、加熱回転体11の回転軸に直交する。
図13に示されるように、定着モードのとき、平面S1に対して加圧ローラー10とは反対側に励磁コイル222の中心が位置するように、磁束発生装置212が配置される。同様に、定着モードのとき、平面S1に対して加圧ローラー10とは反対側に励磁コイル322の中心が位置するように、磁束発生装置312が配置される。
定着モードのとき、励磁コイル222,322は、加熱回転体11における、平面S1に対して加圧ローラー10とは反対側の部分を集中して加熱する。ただし、加熱回転体11は、加圧ローラー10とともに回転するため、均一に加熱される。
一方、図14に示される予備加熱モードのとき、磁束発生装置212は、加熱回転体11における加圧ローラー10に最も近い点Qに励磁コイル222が近づくように、加熱回転体11の回転軸11aを中心に回転移動する。具体的には、磁束発生装置212は、励磁コイル222が平面S1に対して略対称となる位置に回転移動する。このとき、励磁コイル222の巻回軸222aは、平面S1上にある。
同様に、磁束発生装置312は、点Qに励磁コイル322が近づくように、加熱回転体11の回転軸11aを中心に回転移動する。具体的には、磁束発生装置312は、励磁コイル322が平面S1に対して略対称となる位置に回転移動する。このとき、励磁コイル322の巻回軸322aは、平面S1上にある。
これにより、予備加熱モードのとき、加熱回転体11は、励磁コイル222,322によって均一に誘導加熱される。その結果、加熱回転体11の回転を停止した場合、もしくは、回転速度を遅くした場合であっても、加熱回転体11における温度ムラを抑制することができる。
なお、磁束発生装置212および磁束発生装置312を回転移動させる移動機構として、公知の様々な機構を用いることができる。たとえば、移動機構は、加熱回転体11の回転軸11aを中心に回転可能な一対の円板と、当該一対の円板を互いに反対方向に回転させるモーターとを含み、当該一対の円板に磁束発生装置212,312がそれぞれ支持される。これにより、磁束発生装置212および磁束発生装置312を容易に回転移動させることができる。
また、定着モードにおける分離部材13の位置(図13参照)と、予備加熱モードにおける磁束発生装置212の位置(図14参照)とが重なる。そのため、制御部26は、予備加熱モードのときに、磁束発生装置212と干渉しないように、分離部材13を移動させる。具体的には、制御部26は、実施の形態4と同様に、軸支部131を中心に分離爪132を回転させる。
以上のように、定着装置20Dは、巻回軸222aが加熱回転体11の回転軸11aに直交する励磁コイル(第1の励磁コイル)222と、巻回軸322aが加熱回転体11の回転軸11aに直交する励磁コイル(第2の励磁コイル)322とを備える。励磁コイル222,322を加熱回転体11の回転軸11aを中心に回転移動させることにより、励磁コイル222,322と加熱回転体11との相対位置が変更される。すなわち、定着モードのとき、加熱回転体11と励磁コイル222,322とは図13に示される相対位置(第1相対位置)となり、予備加熱モードのとき、加熱回転体11と励磁コイル222,322とは図14に示される相対位置(第2相対位置)となる。これにより、予備加熱モードのとき、加熱回転体11の回転を停止した場合、もしくは、回転速度を遅くした場合であっても、加熱回転体11における温度ムラを抑制することができる。
なお、実施の形態4の変形例と同様に、予備加熱モードのときに、加圧ローラー10を加熱回転体11から離してもよい。
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 中間転写ベルト、2Y,2M,2C,2K 作像ユニット、3Y,3M,3C,3K 感体ドラム、4Y,4M,4C,4K 帯電器、5Y,5M,5C,5K プリントヘッド部、6Y,6M,6C,6K 現像器、7Y,7M,7C,7K 1次転写ローラー、8 中間転写ベルト駆動ローラー、9 2次転写ローラー、10,510 加圧ローラー、10a,11a 回転軸、11,211,511 加熱回転体、12,212,312,512 磁束発生装置、13 分離部材、14 支持部材、15 ガイド部材、16 押圧部材、17 第1磁性コア、18 第2磁性コア、18a〜18c 磁性コア、19,519 高周波電源回路、20,20A〜20D 定着装置、21 バネ、22 偏心カム、22a 軸、24 モーター、25,525 温度センサー、26 制御部、26a〜26c 支持棒、30 給紙カセット、31 給紙ローラー、40 AIDCセンサー、50 排紙ローラー、60 排紙トレイ、70〜72 磁力線、100 画像形成装置、101 芯金、102,112 弾性層、103,111 離型層、113 発熱層、121 コイルボビン、121a,152 第1平板部、121b,153 第2平板部、121c 連結部、122,222,322,522 励磁コイル、122a,222a,322a 巻回軸、123 カバー、131 軸支部、132 分離爪、141 円板部、142 挿入部、143 スライド軸部、151 長穴、P 用紙、R1 搬送路、S1,S2 平面、T トナー、n1 次転写領域、n2 定着ニップ領域。

Claims (15)

  1. 誘導電流により発熱する加熱回転体と、
    前記加熱回転体の外部に配置された励磁コイルと、
    トナー像が現像された用紙を前記加熱回転体との間で挟持しながら回転する加圧ローラーと、
    前記励磁コイルと前記加熱回転体との相対位置を、前記トナー像を前記用紙に定着させるときには第1相対位置に変化させ、前記トナー像を前記用紙に定着させないときには第2相対位置に変化させる相対位置変更部とを備え、
    前記加熱回転体の回転軸に垂直な断面において、前記加熱回転体の外周面における前記加圧ローラーに最も近い点から前記励磁コイルまでの距離は、前記第1相対位置よりも前記第2相対位置の方が短い、定着装置。
  2. 前記加熱回転体は、無端ベルトであり、
    前記定着装置は、前記加熱回転体の内部に配置された、前記加熱回転体よりも透磁率の高い少なくとも1つの磁性コアをさらに備える、請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記定着装置は、前記加熱回転体の内部に、前記加熱回転体を前記加圧ローラーに押圧する押圧部材をさらに備え、
    前記少なくとも1つの磁性コアは、前記押圧部材を覆う第1磁性コアを含む、請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記少なくとも1つの磁性コアは、前記押圧部材に対して前記加圧ローラーとは反対側に配置される第2磁性コアを含む、請求項3に記載の定着装置。
  5. 前記少なくとも1つの磁性コアは、前記加熱回転体の内部において移動可能である、請求項2から4のいずれか1項に記載の定着装置。
  6. 前記用紙の搬送方向から見たとき、前記励磁コイルは、前記励磁コイルおよび前記加熱回転体が前記第1相対位置にあるとき、前記第2磁性コアと重なり、かつ、前記第1磁性コアと重ならず、前記励磁コイルおよび前記加熱回転体が前記第2相対位置にあるとき、前記第1磁性コアおよび前記第2磁性コアと重なる、請求項4に記載の定着装置。
  7. 前記励磁コイルおよび前記加熱回転体が前記第2相対位置にあるときの前記加熱回転体の回転速度は、0、もしくは、前記励磁コイルおよび前記加熱回転体が前記第1相対位置にあるときの前記加熱回転体の回転速度よりも遅い、請求項1から6のいずれか1項に記載の定着装置。
  8. 前記相対位置変更部は、前記加熱回転体を移動させることにより、前記励磁コイルと前記加熱回転体との相対位置を変更する、請求項1から7のいずれか1項に記載の定着装置。
  9. 前記相対位置変更部は、前記励磁コイルを移動させることにより、前記励磁コイルと前記加熱回転体との相対位置を変更する、請求項1から7のいずれか1項に記載の定着装置。
  10. 前記定着装置は、前記加熱回転体から用紙を分離させる分離部材をさらに備え、
    前記分離部材は、前記励磁コイルおよび前記加熱回転体が前記第1相対位置にあるときに第1位置に位置し、前記励磁コイルおよび前記加熱回転体が前記第2相対位置にあるときに第2位置に位置するように移動可能である、請求項9に記載の定着装置。
  11. 前記加圧ローラーは、前記励磁コイルおよび前記加熱回転体が前記第2相対位置にあるとき、前記加熱回転体から離れる、請求項9または10に記載の定着装置。
  12. 前記励磁コイルの巻回軸は、前記加熱回転体の回転軸および前記加圧ローラーの回転軸に直交し、
    前記相対位置変更部は、前記励磁コイルおよび前記加熱回転体の少なくとも一方を前記巻回軸に沿って移動させることにより、前記励磁コイルと前記加熱回転体との相対位置を変更する、請求項1から7のいずれか1項に記載の定着装置。
  13. 前記定着装置は、前記励磁コイルとして、巻回軸が前記加熱回転体の回転軸に直交する第1および第2の励磁コイルを備え、
    前記相対位置変更部は、前記第1および第2の励磁コイルの少なくとも1つを前記加熱回転体の回転軸を中心に回転移動させることにより、前記励磁コイルと前記加熱回転体との相対位置を変更する、請求項9から11のいずれか1項に記載の定着装置。
  14. 前記加熱回転体は、無端ベルトまたは筒状体であり、
    前記定着装置は、
    前記加熱回転体の内部に配置された温度センサーと、
    前記温度センサーによる検知温度に従って前記励磁コイルに供給する電力を制御する電源回路とをさらに備える、請求項1に記載の定着装置。
  15. 請求項1から14のいずれか1項に記載の定着装置を備える、画像形成装置。
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