JP2008003369A - 画像加熱装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】超音波振動を用いてベルト駆動する画像加熱装置における、超音波振動のベルト表層への伝播による画像の乱れ、および、ベルトと超音波振動子間の磨耗を抑制する。
【解決手段】ベルト加熱源に非接触加熱方式を用いて、ベルトに弾性層を設けて超音波振動の伝播を抑制しニップ部の圧力最小値を0.05MPa以上とした。
【選択図】図1
【解決手段】ベルト加熱源に非接触加熱方式を用いて、ベルトに弾性層を設けて超音波振動の伝播を抑制しニップ部の圧力最小値を0.05MPa以上とした。
【選択図】図1
Description
本発明は、記録材上の画像を加熱する画像加熱装置に関する。
この画像加熱装置としては、例えば、記録材上の未定着画像を永久固着画像として定着する定着装置や、記録材上に定着された画像を加熱することにより画像の光沢を増大させる光沢増大化装置等を挙げることができる。
電子写真装置、静電記録装置などの画像形成装置においては、シート状の記録材上にトナー画像を形成し、これを加熱、加圧して定着させることにより画像を形成している。このような定着装置として、内部にヒータを有する定着ローラに加圧ローラを圧接して定着ニップ部を形成し、その定着ニップ部で記録材を挟持搬送して、トナー画像を加熱、加圧して定着を行うローラ定着方式が従来より採用されている。
ところで、画像の高光沢化や画像形成の高速化を図るためには、記録材の定着ニップ部通過時間を長くし、トナーを充分に溶融するのが好ましい。ローラ定着方式の場合、これを達成するためにはローラ径を大きくしなければならず、定着装置が大型化してしまう。
そこで、特許文献1には、ローラ定着方式に比して、装置の小型化、高速化対応を達成しつつ、充分な定着ニップ部幅(記録材搬送方向の長さ)を得ることができるベルト定着方式が提案されている。この提案においては、互いに対向する定着ベルトと加圧ベルトを設け、これら両ベルト間で記録材を挟持搬送しながら定着を行う構成とされていて、充分なニップ幅を得ている。
特許文献2には、ベルトを用いてローラ部材を使用せずに記録材の搬送を可能とした、超音波振動方式の装置が提案されている。これは、記録材に対して振幅方向が垂直な成分と平行な成分の超音波振動を定着ベルトを介して記録材に与えて、記録材を加熱および搬送する方式の定着装置である。
特許文献3にも、超音波振動方式の装置が提案されている。これは、円筒状圧電素子層の全周にわたって高硬度のシリコーンソリッドゴム層を配設し、その上に回転可能な円筒状トナー離型層を設けている。そして、圧電素子から生じる超音波振動エネルギーにより、記録材を搬送させる進行波が生じることが開示されている。
特開2004−341346号公報
特開2002−229358号公報
特開平06−194991号公報
しかしながら、特許文献1の構成の場合には以下のような不具合がある。即ち、定着ベルトおよび加圧ベルトを駆動させるために各々に駆動ローラを設けて更に定着ローラおよび加圧ローラとを備えている。そのために、定着ベルトと加圧ベルト以外に少なくとも4本のローラ部材が必要となる。更に定着ベルトと加圧ベルトのニップ部におけるベルト間の密着性を確保するために裏打ち部材を設けている。その結果、定着装置の熱容量が大きくなってしまい、定着装置の立上げ時間(ウォームアップタイム)が長くなってしまう。また、定着装置を加熱するために必要な電力も大きくなってしまう。
特許文献2では、超音波振動エネルギーによりトナーを加熱溶融する構成であるために、直接トナーに超音波振動を伝える構成にするとニップ内においてトナー画像に乱れが生じて画質が低下してしまう。また、超音波振動を熱エネルギーに変換して伝熱によりトナーを加熱する構成にすると、ベルト内面に大きな超音波振動を与える必要が生じるため、ベルトや超音波振動子の磨耗により定着装置が短寿命となってしまう。
特許文献3では、定着ニップ部において、高硬度シリコーンソリッドゴム層と回転可能な円筒状トナー離型層との間に円筒状トナー離型層の内面に接触して円筒状トナー離型層を加熱する発熱体を介在させている。すなわち、円筒状圧電素子層の超音波振動エネルギーが、高硬度シリコーンソリッドゴム層と発熱体を介して円筒状トナー離型層と記録材に与えられる。そのため、円筒状トナー離型層の内面に大きな超音波振動を与える必要が生じ、それが、円筒状トナー離型層や発熱体の磨耗による装置の短寿命の因子となる。高硬度シリコーンソリッドゴム層から円筒状トナー離形層に超音波振動を伝えてしまう構成であるため、画像を乱してしまう。また、高硬度シリコーンソリッドゴム層や円筒状トナー離形層内面の磨耗が懸念される。
そこで、本発明の目的は、超音波振動を用いてベルトを駆動する方式の画像加熱装置において、高画質化と部材長寿命化の両立を達成することである。
上記の目的を達成するための本発明に係る画像加熱装置の代表的な構成は、記録材上の画像をニップ部にて加熱するためのエンドレスベルトと、このベルトとの間で前記ニップ部を形成するニップ形成部材と、前記ベルトを前記ニップ形成部材との間で挟み込むように設けられ前記ベルトを超音波振動により駆動する駆動手段と、を有する画像加熱装置において、前記ベルトは前記駆動手段と接触する基層上に超音波振動を吸収する弾性層を有することを特徴とする。
本発明によれば、超音波振動のベルト表層への伝播による圧抜けを抑制して画像の乱れを防止し、非接触のベルト加熱手段を用いることで、ベルトや超音波振動子の磨耗を低減して部材の長寿命化が実現できる。
以下に、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。実施例は、本発明を適用できる実施形態の一例ではあるものの、本発明は実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の思想の範囲内において種々の変形が可能である。
(1)画像形成部
図2は、本発明に従う画像加熱装置を定着装置として搭載した画像形成装置50の一例の概略構成図である。この画像形成装置50は、4連ドラム方式(タンデム方式・インライン方式)、中間転写ベルト方式の電子写真フルカラープリンタである。
図2は、本発明に従う画像加熱装置を定着装置として搭載した画像形成装置50の一例の概略構成図である。この画像形成装置50は、4連ドラム方式(タンデム方式・インライン方式)、中間転写ベルト方式の電子写真フルカラープリンタである。
UY(イエロー)・UM(マゼンタ)・UC(シアン)・UK(ブラック)は第1〜第4の4つの画像形成ユニットであり、図面上左から右にタンデム配置してある。各画像形成ユニットはそれぞれレーザー露光方式の電子写真プロセス機構であり、同じ構成とされている。すなわち、各画像形成ユニットにおいて、51はドラム型の電子写真感光体(以下、ドラムと記す)であり、矢印の反時計方向に回転駆動される。52は一次帯電ローラであり、ドラム51の外周面を所定の極性・電位に一様に帯電する。53はレーザー露光ユニットであり、ドラム51の一様帯電面を、色分解画像信号に対応して変調されたレーザー光Lで走査露光して静電潜像を形成する。54は現像器であり、ドラム面の静電潜像をトナー画像として可視化する。第1の画像形成ユニットUYの現像器54には現像剤としてイエロートナーを収容してある。第2の画像形成ユニットUMの現像器54にはマゼンタトナーを収容してある。第3の画像形成ユニットUCの現像器54にはシアントナーを収容してある。第4の画像形成ユニットUKの現像器54にはブラックトナーを収容してある。55はドラムクリーニング装置である。
制御回路部(制御基板)Cに、パーソナルコンピュータ・イメージリーダ等の外部ホスト装置(不図示)から、プリントスタート信号と、フルカラー画像情報の色分解画像信号が入力する。これに基づいて、制御回路部Cにより、第1の画像形成ユニットUYが、ドラム51の面にイエロートナー画像を所定の制御タイミングで形成するように制御される。第2の画像形成ユニットUMが、ドラム51の面にマゼンタトナー画像を所定の制御タイミングで形成するように制御される。第3の画像形成ユニットUCが、ドラム51の面にシアントナー画像を所定の制御タイミングで形成するように制御される。第4の画像形成ユニットUKが、ドラム51の面にブラックトナー画像を所定の制御タイミングで形成するように制御される。
各画像形成ユニットのドラムの面に形成される上記のトナー画像はそれぞれ一次転写部56にて、矢印の時計方向に回転駆動される、エンドレスでフレキシブルな中間転写ベルト(中間転写:以下、ベルトと記す)57の面に対して順次に重畳転写される。これにより、ベルト57の面に上記4つのトナー画像の重ね合わせによる未定着のフルカラートナー画像が合成形成される。各画像形成ユニットにおいて、ベルト57には転写されずにドラム51上に残ったトナーはドラムクリーニング装置55で除去される。
ベルト57は、駆動ローラ58と、テンションローラを兼用させた従動ローラ59と、二次転写対向ローラ60との間に懸回張設してあり、矢印の時計方向にドラム51の回転速度とほぼ同じ速度で回転駆動される。駆動ローラ58と従動ローラ59の間のベルト部分を各画像形成ユニットのドラム51の下面に対向または接触させて一次転写部56を形成させている。61は一次転写帯電部材であり、各一次転写部56の位置においてベルト57の裏面側に配置してあり、トナー画像の一次転写時にはトナーの帯電極性とは逆極性の所定の一次転写電圧が印加される。
ベルト57の面に合成形成された未定着のフルカラートナー画像は、引き続くベルト57の回転により二次転写部62へ至る。二次転写部62は、二次転写対向ローラ60に対してベルト57を挟ませて二次転写ローラ63を圧接させて形成してある。二次転写ローラ63とベルト57とのニップ部が二次転写部62である。この二次転写部62に対して、所定の制御タイミングにて給送カセット64からシート状の記録材(転写材)Pが給送されることで、記録材Pの面にベルト57面の未定着のフルカラートナー画像が順次に一括して二次転写される。トナー画像の二次転写時にはトナーの帯電極性とは逆極性の所定の二次転写電圧が二次転写ローラ63に印加される。
給送カセット64には記録材Pが積載収納されていて、記録材Pの1枚給紙動作が所定の制御タイミングにて実行される。給紙された記録材Pはシートパス65によりレジストローラ対66まで搬送される。その時、レジストローラ対66は停止しており、記録材Pの先端はニップ部に突き当たる。その後、画像形成ユニットUY・UM・UC・UKが画像形成を開始するタイミングに合わせてレジストローラ対66の回転駆動が開始される。このレジストローラ対66の回転開始のタイミングは、記録材Pの先端部と、各画像形成ユニットからベルト57上に転写されたトナー画像の先端部が、二次転写部62において一致するように設定されている。
二次転写部62にてベルト57面からトナー画像の二次転写を受けた記録材Pはベルト56面から分離されて、シートパス67を通って定着装置Aに導入される。記録材Pは定着装置Aによって未定着トナー画像が記録材Pの表面に熱圧定着される。定着装置Aを出た記録材Pは排紙ローラ対68により排紙トレイ69上に排紙される。
70はベルト57の画像形成面をクリーニングするためのクリーニングユニットであり、二次転写部62において、記録材Pに転写されずにベルト57上に残ったトナーはこのユニット70で除去される。
モノクロ画像モードの場合は、黒トナー画像を形成する第4の画像形成ユニットUKだけが画像形成動作して、モノクロ画像形成物が出力される。
(2)定着装置A
図1は定着装置Aの要部の横断面模式図である。この定着装置Aは、記録材上のトナー画像を加熱するエンドレスのベルトを、超音波振動を用いて回転駆動させ、また励磁コイルで誘導加熱する構成の画像加熱装置である。
図1は定着装置Aの要部の横断面模式図である。この定着装置Aは、記録材上のトナー画像を加熱するエンドレスのベルトを、超音波振動を用いて回転駆動させ、また励磁コイルで誘導加熱する構成の画像加熱装置である。
10は定着部材としての定着ベルトユニットであり、エンドレスで可撓性を有する定着ベルト1と、定着ベルト1の内側に配設した定着ベルトガイド2および超音波振動子3と、定着ベルト1の外側に非接触に対向配設した誘導コイルアセンブリ4と、を有する。
20はこの定着ベルトユニット10の下側に配設した加圧部材としての加圧ベルトユニットであり、エンドレスで可撓性を有する加圧ベルト7と、加圧ベルト7の内側に配設した加圧ベルトガイド8および加圧パッド9と、を有する。
そして、定着ベルト1の下行側ベルト部分と加圧ベルト7の上行側ベルト部分とを、超音波振動子3と加圧パッド9との間に挟ませて圧接させて、記録材搬送方向において幅広の定着ニップ部Nを形成させている。
定着ベルト1は、図3の(a)の層構成模式図のように、厚み40μm・内径40mmのSUSエンドレスベルトを基層1aとし、この基層1aの外周面に弾性層1bと表面離型層1cを順次に積層した複合層構成のベルトであり、全体に可撓性を有する。
基層1aは、電磁誘導発熱層として金属層(導電層)であり、SUSのほかに、ニッケルや銅、銀などの金属材料を適宜選択可能である。また、樹脂基層にそれら金属を積層させるなどの構成でも良い。金属層の厚みは、後述する誘導加熱コイルに流す高周波電流の周波数と金属層の透磁率・導電率に応じて調整して良く、5〜200μm程度の間で設定すると良い。
弾性層1bは、耐熱性シリコーンゴム層であり、定着ベルト1の熱容量を小さくしてウォームアップタイムを短縮し、かつカラー画像を定着するときに好適な定着画像を得ることを考慮して、本実施例では300μmの厚みで設けられている。このシリコーンゴムは、JIS−A10度の硬度を持ち、熱伝導率は0.8W/mKである。
表面離型層1cは、厚み30μmのフッ素樹脂層(例えばPFAやPTFE)である。
定着ベルトガイド2は、定着ベルト1の内側において、定着ニップ部Nよりも記録材搬送方向上流側に配設した、横断面略半円円弧状の樹脂製部材であり、本実施例ではPPS製である。このガイド2はその略半円円弧状の外面で定着ベルト1の内面をガイドして、定着装置の駆動時における定着ベルト1の回転軌跡を規制する。定着ベルト1の熱をガイド2になるべく伝導させないために、熱伝導率の低い樹脂が好ましい。
超音波振動子3は、横断面形状が長円形状のSUS等の材料からなる弾性体を基材3aとし、この基材3aの内面に圧電素子3bを複数個配置している。また、基材3aの外面には、図3の(a)の模式図のように、複数の突起部3cを具備させてあり、超音波振動子3はこの突起部3cにおいて定着ベルト1の基層1aの内面と接触している。
誘導コイルアセンブリ4は、定着ベルト1の非接触方式による加熱源でり、誘導加熱コイル5と、このコイル5によって発生した磁界が定着ベルト1の基層(金属層)1a以外に漏れないようにコイル5を覆わせた磁性体コア6を有する。そして、コイル5とコア6は電気絶縁性の樹脂によって一体でモールドされている。コイル5は、発熱層である定着ベルト1の基層1aに近いほど磁気的な結合が強まり、コイル5に電力を入力する高周波電源の効率が高まる。本実施例では、コイル5は1mmのモールドにより定着ベルト1と電気絶縁の状態を保ち、定着ベルト1とコイル5との間隔は定着ベルト1が接触しない3mm(モールド表面と定着ベルト表面の距離は2mm)で回転軸方向で略一定である。これにより、定着ベルト1の回転軸方向の発熱分布は均一になる。コイル5は、記録材Pの通紙幅方向(記録材Pの搬送方向に直交する方向)に沿っての長さが、画像形成に供される最大通紙幅の記録材Pのその通紙幅よりも長くなるように形成されている。
加圧ベルト7は、図3の(b)の層構成模式図のように、75μmの厚みのポリイミドを基層7aに持ち、表面は離型層7bとしてフッ素樹脂を30μmを厚みで設けてあり、全体に可撓性を有する。
加圧ベルトガイド8は、加圧ベルト7の内側において、定着ニップ部Nよりも記録材搬送方向上流側に配設した、横断面略半円円弧状の樹脂製部材であり、本実施例ではPPS製である。このガイド8はその略半円円弧状の外面で加圧ベルト7の内面をガイドして、定着装置の駆動時における加圧ベルト7の回転軌跡を規制する。
加圧パッド9は、SUSからなる基材9aの上に、弾性層9bとしてシリコーンゴム層を形成してある。そして、表面に、加圧ベルト7の内面との摩擦力を減らすための摺動層として、ガラス繊維製のクロスをフッ素樹脂でコーティングしたカバー9cを設けたものである。
71は超音波振動子3の圧電素子3bに対する高周波電圧を印加する第1電源部、72は誘導加熱コイル5に対して高周波電流を流す第2電源部である。この第1と第2の電源部71と72はそれぞれコントローラ部Cにより制御される。
第1電源部71から超音波振動子3の各々の圧電素子3bに所定の位相の高周波電圧を印加して位相の異なる2つの定在波を発生させることで、超音波振動子3の弾性体基材3aの定着ベルト1と接触する表面に進行波を発生させる。超音波振動子3の直線部において定着ベルト1と加圧ベルト7を超音波振動子3と加圧パッド9間を加圧することで形成した定着ニップ部Nで発生した進行波と逆方向に定着ベルト1が超音波振動により搬送されて回転駆動される。本実施例においては、定着ベルト1は超音波振動子3の超音波振動により、図1において矢印の時計方向に回転駆動される。
加圧ベルト7は定着ニップ部Nにおける定着ベルト1に対する圧接摩擦力で定着ベルト1の回転に従動して矢印の反時計方向に回転する。この場合、加圧ベルト7の内面に接触して加圧する加圧パッド9は、上記のように、摺動する加圧ベルト7の内面との摩擦力を減らすために、ガラス繊維製のクロスをフッ素樹脂でコーティングしたカバー9cを設けている。このようにして、定着ベルト1と超音波振動子3との間の摩擦係数μ1と、加圧ベルト7と加圧パッド9との間の摩擦係数μ2の関係を、μ1>μ2と設定することで、加圧ベルト9のスリップを防止して画像ズレの発生を防ぐことができる。
また、定着ベルト1が回転駆動されている状態において、誘導コイルアセンブリ4のコイル5に第2電源部72から20〜50kHzの高周波電流が流されて、定着ベルト1の基層(金属層)1aが誘導発熱することで、定着ベルト1が加熱される。そして、温度センサTHで検出される定着ベルト温度に関する電気的情報がコントローラ部Cに入力する。
コントローラ部Cは、温度センサTHから入力する定着ベルト温度情報が目標温度(例えば170℃)の略一定に維持されるように、第2電源部72の出力高周波電流の周波数を変化させて、誘導加熱コイル5に入力する電力を制御する。すなわち、定着ベルト1の温度が所定の温度に温調される。
温度センサTHは例えばサーミスタであり、定着ベルトガイド2に対してばね部材2aを介して取り付けられており、定着ベルト1の内面に誘導加熱コイル5による発熱部で弾性的に接触しており、その定着ベルト部分の温度を検出している。定着ベルト1の基層(金属層)1aが発熱するので、本実施例のように温度センサTHを配置すれば、極めて正確に、かつ応答速度早く定着ベルト1の温度を検出可能である。
定着ベルト1は、少なくとも画像形成実行時には、超音波振動子3による進行波により、図1の矢印の時計方向に所定の周速度、すなわち画像形成部から搬送されてくる未定着トナー画像tを担持した記録材Pの搬送速度とほぼ同一の周速度で回転駆動される。本実施例の場合、定着ベルト1の表面回転速度が、180mm/secで回転し、フルカラーの画像を1分間にA4サイズ40枚定着することが可能である。
また、定着ベルト1が回転駆動されている状態において、誘導コイルアセンブリ4のコイル5に第2電源部72から高周波電流が流されて、定着ベルト1が所定の定着温度に立ち上がって温調される。この状態において、定着装置Aに導入された記録材Pが入口ガイド部材30に案内されて定着ニップ部Nに進入する。記録材Pの未定着トナー画像tを有する面が定着ベルト1に密着して、定着ベルト1と一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。この挟持搬送過程で、主に定着ベルト1の熱が付与され、また定着ニップ部Nの加圧力を受けて未定着トナー画像tが記録材Pの表面に熱圧定着される。
定着ニップ部Nを通った記録材Pは、定着ベルト1の外周面から、定着ベルト1の表面が定着ニップ部Nの出口部分の変形によって自己分離されて定着装置外へ搬送される。
超音波振動子3によって定着ベルト1を搬送する際に、定着ベルト1と超音波振動子3は部分的に接触状態と非接触状態が生じ、また、超音波振動が定着ベルト1に伝播することで、定着ニップ部Nにおいて圧力変動が生じることになる。
本実施例の定着装置Aにおいて、定着ベルト1、超音波振動子3、加圧ベルト7、加圧パッド9および加圧力の構成を変更することで、定着ニップ部Nの出入り口部を除く領域での圧力最小値を変えて、画像ズレの確認を行った結果を表1に示す。
ニップ部の圧力最小値とは、ベルトが超音波振動子の超音波振動により回転駆動されている状態時におけるニップ部の変動圧力の最小値である。ニップ部の圧力最小値の測定は、ニッタ株式会社 面圧分布測定システム I-SCAN にてニップ部圧力分布を測定することで行なった(http://www.nitta.co.jp/images/product/pdf/tactile_product/i-scan.pdf)。
定着ニップ部Nの出入り口部を除く領域での圧力最小値としたのは、通常ニップ部の搬送方向出入口部には低圧力領域ができてしまうためである(搬送方向圧分布が「∩」形状になる)。
この結果より、本構成においては定着ニップ部Nの圧力最小値は0.05MPa以上、望ましくは0.07MPaが必要であることが判明した。
このように、超音波振動を用いてベルトを移動駆動することで省エネを実現した定着装置において、ベルトに弾性層を設けて超音波振動の伝播を抑制し、ニップ部の圧力最小値を0.05MPa以上とする構成とした。従って、超音波振動のベルト表層への伝播による圧抜けを抑制して画像の乱れを防止することができる。さらに、非接触のベルト加熱源を用いることでベルトや超音波振動子の磨耗を低減して部材の長寿命化が実現できる。
図4は第2の実施例の定着装置Aの要部の横断面模式図である。本実施例の定着装置は
加圧部材として弾性を有する加圧ローラ20Aを用いたものである。すなわち、実施例1の定着装置Aのように、加圧ベルト7を加圧パッド9で定着ベルト1を介して超音波振動子3に対して加圧する構成ではなく、加圧ローラ20Aを定着ベルト1を介して超音波振動子3に対して加圧している。他の構成に関しては実施例1の定着装置Aと同様である。
加圧部材として弾性を有する加圧ローラ20Aを用いたものである。すなわち、実施例1の定着装置Aのように、加圧ベルト7を加圧パッド9で定着ベルト1を介して超音波振動子3に対して加圧する構成ではなく、加圧ローラ20Aを定着ベルト1を介して超音波振動子3に対して加圧している。他の構成に関しては実施例1の定着装置Aと同様である。
加圧ローラ20Aは、アルミなどの芯金20a上に、シリコーンゴム等の弾性層20bを形成し、表層にはPFAチューブなどからなる離型層20cを備えている。
加圧ローラ20Aの弾性層20bに発泡させたスポンジゴムを使用して断熱効果を高めると、定着装置の温度立上げ時における加圧ローラ20Aへの伝熱を低減してウォームアップタイムを短縮できる。
このように構成すると、得られる定着ニップ部Nの幅(記録材搬送方向に関して)が実施例1の定着装置に比べて小さくなるため高速化には適さないが、比較的低速で用いる定着装置に対しては部品構成の簡略化を図ることが可能となる。超音波振動の定着ベルト表層への伝播による圧抜けを抑制して画像の乱れを防止して、非接触のベルト加熱源を用いることでベルトや超音波振動子の磨耗を低減して部材の長寿命化が実現できる。
(その他)
1)実施例1や2において、定着ベルト1を非接触で加熱する加熱手段は、誘導コイルアセンブリ4に限られず、赤外線照射ランプ、高周波加熱用導波管など、他の非接触加熱手段を用いることができる。
1)実施例1や2において、定着ベルト1を非接触で加熱する加熱手段は、誘導コイルアセンブリ4に限られず、赤外線照射ランプ、高周波加熱用導波管など、他の非接触加熱手段を用いることができる。
2)加圧部材としての加圧ベルト7や加圧ローラ20Aも加熱する加熱手段を具備させることもできる。
3)本発明の画像加熱装置は実施例の定着装置としての使用に限られず、未定着画像を仮定着させる装置、画像を担持した記録材を再加熱してつや等の表面性を改質する装置等としても使用できる。
10・・定着ベルトユニット、20・・加圧ベルトユニット、1・・定着ベルト、2・・定着ベルトガイド、3・・超音波振動子、4・・誘導コイルアセンブル、加圧ベルト、5・・誘導加熱コイル、7・・加圧ベルト、8・・加圧ベルトガイド、9・・加圧パッド、TH・・温度センサ、20A・・加圧ローラ
Claims (3)
- 記録材上の画像をニップ部にて加熱するためのエンドレスベルトと、このベルトとの間で前記ニップ部を形成するニップ形成部材と、前記ベルトを前記ニップ形成部材との間で挟み込むように設けられ前記ベルトを超音波振動により駆動する駆動手段と、を有する画像加熱装置において、
前記ベルトは前記駆動手段と接触する基層上に超音波振動を吸収する弾性層を有することを特徴とする画像加熱装置。 - 前記基層は金属層とされ、この金属層を電磁誘導発熱させるコイルを有することを特徴とする請求項1に記載の記載の画像加熱装置。
- 前記ニップ部の入口部および出口部を除く領域における圧力の最小値が0.05MPa以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像加熱装置。
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2006
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