JP2013190535A - 画像加熱装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】幅が異なる記録材を交互に通紙する場合に生じる待ち時間を、異なる幅の記録材の夫々通紙される枚数に基づいて、短縮化できる画像加熱装置を提供する。
【解決手段】幅方向における第1の幅の記録材と第1の幅より小さい第2の幅の記録材を、所定枚数ずつ交互に通紙する場合に、第1の幅の記録材、第2の幅の記録材の夫々通紙される枚数に基づいて、磁性体コアおよび磁束調整部材の変位を制御する制御手段を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、複写機やLBP等、電子写真方式・静電記録方式等の作像プロセスを採用した画像形成装置に使用される画像加熱装置に関する。画像加熱装置としては、記録材上に形成した未定着トナー画像を固着画像として加熱定着する定着装置や、記録材に定着された画像を加熱することにより画像の光沢度を増大させる光沢度増大装置等を挙げることができる。
従来の画像加熱装置において、高速昇温させるために、加熱源で加熱される熱容量の小さい回転体を記録材に接触させるタイプが多く提案されている。ところが、熱容量を小さくするために薄肉の回転体を加熱媒体として使用する場合、軸直角断面の断面積がきわめて小さくなるために、軸方向(長手方向)への熱伝導が良好でない。この傾向は薄肉なほど顕著であり、熱伝導率の低い樹脂等の材質ではさらに低くなる。これは、熱伝導率をλ、2点間の温度差をθ1−θ2、長さをLとしたとき、単位時間に伝わる熱量Qは、以下のフーリエの法則で表されることからも明らかである。
Q=λ・f(θ1−θ2)/L
このことは、回転体の長手方向の長さに相当する幅の記録材、即ち最大通紙幅の記録材を通紙して定着させる場合には問題ない。しかし、幅の小さい小形サイズの記録材を連続で通紙させる場合には、回転体の非通紙領域における温度が温調温度よりも上昇し、通紙領域における温度と非通紙領域における温度との温度差が極めて大きくなってしまうという問題があった。
このことは、回転体の長手方向の長さに相当する幅の記録材、即ち最大通紙幅の記録材を通紙して定着させる場合には問題ない。しかし、幅の小さい小形サイズの記録材を連続で通紙させる場合には、回転体の非通紙領域における温度が温調温度よりも上昇し、通紙領域における温度と非通紙領域における温度との温度差が極めて大きくなってしまうという問題があった。
具体的には、長手方向の温度ムラのために、樹脂材料からなる周辺部材の耐熱寿命が低下したり、熱的損傷を被ったりするおそれがある。更には、小形サイズの記録材を連続で通紙させた直後に大形サイズの記録材を通紙したときに、部分的な温度ムラによる紙シワや、定着ムラが生じるおそれがあるという問題もある。このような通紙領域と非通紙領域との温度差は、搬送される記録材の熱容量が小さく、スループット(単位時間あたりのプリント枚数)を高くするほど広がることになる。このため、スループットの高い複写機などへの適用を困難にしていた。
非通紙部昇温を抑制するため、誘導コイルを加熱源とした画像加熱装置において、磁性体コアが記録材搬送に直交する方向(長手方向)で分割され、非通紙部昇温の回避のため一部(端部側)が変位可能とされるものが知られる(特許文献1)。即ち、誘導加熱源と磁性体コアの距離が離れるため、誘導加熱源の周りにできる、磁性体コア及び加熱媒体からなる磁気回路の効率が落ちて、発熱量が低下し、非通紙部昇温が抑制される。
更には、各記録材のサイズに対応するために、各記録材に対応した大きさの磁束遮蔽板を幅方向(長手方向)に変位させ、非通紙部昇温を抑制することも提案されている(特許文献2)。
しかしながら、従来の電磁誘導加熱方式の画像加熱装置においては、以下の問題点があった。即ち、記録材の幅(紙サイズ)が異なる用紙を交互に通紙する場合、紙サイズに応じて、磁性体コアや磁束遮蔽板が変位するのを待ってから、記録材を通紙することになり、記録紙すべてを通紙し終わるまでに長い時間がかかっていた。
本発明の目的は、幅が異なる記録材を交互に通紙する場合に生じる待ち時間を、異なる幅の記録材の夫々通紙される枚数に基づいて、短縮化できる画像加熱装置を提供することにある。
本発明に係る画像加熱装置の代表的な構成は、磁束発生手段と、前記磁束発生手段によって加熱される回転可能なベルト状の加熱回転体と、前記加熱回転体の内周面と接触するバックアップ部材と、前記加熱回転体の外周面と接触する加圧部材と、を有し、前記加熱回転体と前記加圧部材の間に形成されるニップ部に画像を担持した記録材を挟持して通紙し前記画像を加熱する画像加熱装置であって、通紙方向と交差する前記記録材の幅方向に分割され、前記幅方向の非通紙部側で前記磁束発生手段から離れるように変位可能な磁性体コアと、前記幅方向に変位可能であって前記幅方向の非通紙部側で作用磁束密度を低めるように変化せしめる磁束調整部材と、前記幅方向における第1の幅の記録材と前記第1の幅より小さい第2の幅の記録材を、所定枚数ずつ交互に通紙する場合に、前記第1の幅の記録材、前記第2の幅の記録材の夫々通紙される枚数に基づいて、前記磁性体コアおよび前記磁束調整部材の変位を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
本発明に係る画像加熱装置の他の代表的な構成は、磁束発生手段と、前記磁束発生手段によって加熱される回転可能なベルト状の加熱回転体と、前記加熱回転体の内周面と接触するバックアップ部材と、前記加熱回転体の外周面と接触する加圧部材と、を有し、前記加熱回転体と前記加圧部材の間に形成されるニップ部に画像を担持した記録材を挟持して通紙し前記画像を加熱する画像加熱装置であって、通紙方向と交差する前記記録材の幅方向に分割され、前記幅方向の非通紙部側で前記磁束発生手段から離れるように変位可能な磁性体コアと、前記幅方向に変位可能であって前記幅方向の非通紙部側で作用磁束密度を低めるように変化せしめる磁束調整部材と、前記磁性体コアおよび前記磁束調整部材の変位を制御する制御手段であって、前記幅方向における第1の幅の記録材と前記第1の幅より小さい第2の幅の記録材を、所定枚数ずつ交互に通紙する場合に、前記第1の幅の記録材に対する前記第2の幅の記録材の通紙される枚数の比もしくは差に基づいて、前記比もしくは差が所定値以上の場合、前記第1の幅の記録材に対しては、前記磁性体コアを第1の配置、かつ前記磁束調整部材を第1の位置とし、前記第2の幅の記録材に対しては、前記磁性体コアを前記第1の配置もしくは前記第1の配置より非通紙部側の昇温を抑制する第2の配置、かつ前記磁束調整部材を前記第1の位置より前記幅方向で中央部寄りの第2の位置とする制御手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、幅が異なる記録材を交互に通紙する場合に生じる待ち時間を、異なる幅の記録材の夫々通紙される枚数に基づいて、磁性体コアおよび磁束調整部材の変位を制御することで、短縮化できる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
《第1の実施形態》
(画像形成装置)
図2は、本発明の実施形態に係る画像加熱装置を定着装置として搭載した画像形成装置の一例の構成模型図である。この画像形成装置は、電子写真方式を用いたカラー画像形成装置である。Y・C・M・Kは、それぞれイエロー・シアン・マゼンタ・ブラックの色トナー画像を形成する4つの画像形成部であり、下から上に順に配列してある。各画像形成部Y・C・M・Kは、それぞれ、感光体ドラム21、帯電装置22、現像装置23、クリーニング装置24等を有している。
(画像形成装置)
図2は、本発明の実施形態に係る画像加熱装置を定着装置として搭載した画像形成装置の一例の構成模型図である。この画像形成装置は、電子写真方式を用いたカラー画像形成装置である。Y・C・M・Kは、それぞれイエロー・シアン・マゼンタ・ブラックの色トナー画像を形成する4つの画像形成部であり、下から上に順に配列してある。各画像形成部Y・C・M・Kは、それぞれ、感光体ドラム21、帯電装置22、現像装置23、クリーニング装置24等を有している。
イエローの画像形成部Yの現像装置23にイエロートナー、シアンの画像形成部Cの現像装置23にシアントナー、マゼンタの画像形成部Mの現像装置23にマゼンタトナーを、ブラックの画像形成部Kの現像装置23にブラックトナーを、それぞれ収容させている。
感光体ドラム21に露光を行うことにより静電潜像を形成する光学系25が、上記4色の画像形成部Y・C・M・Kに対応して設けられている。光学系としては、レーザー走査露光光学系を用いている。各画像形成部Y・C・M・Kにおいて、帯電装置22により一様に帯電された感光体ドラム21に対して、光学系25より画像データに基づいた走査露光がなされることにより、感光体ドラム表面に走査露光画像パターンに対応した静電潜像が形成される。
それらの静電潜像が、現像装置23により、トナー画像として現像される。即ち、イエローの画像形成部Yの感光体ドラム21にイエロートナー画像、シアンの画像形成部Cの感光体ドラム21にシアントナー画像、マゼンタの画像形成部Mの感光体ドラム21にマゼンタトナー画像が形成される。また、ブラックの画像形成部Kの感光体ドラム21にブラックトナー画像が形成される。
各画像形成部Y・C・M・Kの感光体ドラム21上に形成された上記の色トナー画像は、各感光体ドラム21の回転と同期して、略等速で回転する中間転写体26上へ、所定の位置合わせ状態で順に重畳されて一次転写される。これにより、中間転写体26上に未定着のフルカラートナー画像が合成形成される。本実施形態においては、中間転写体26として、エンドレスの中間転写ベルトを用いており、駆動ローラ27、二次転写ローラ対向ローラ28、テンションローラ29の3本のローラに巻きかけて張架してあり、駆動ローラ27によって駆動される。
各画像形成部Y・C・M・Kの感光体ドラム21上から中間転写ベルト26上へのトナー画像の一次転写手段としては、一次転写ローラ30を用いている。一次転写ローラ30に対して不図示のバイアス電源よりトナーと逆極性の一次転写バイアスを印加する。これにより、各画像形成部Y・C・M・Kの感光体ドラム21上から中間転写ベルト26に対して、トナー画像が一次転写される。各画像形成部Y・C・M・Kにおいて、感光体ドラム21上から中間転写ベルト26への一次転写後、感光体ドラム21上に転写残として残留したトナーは、クリーニング装置24により除去される。
上記工程を中間転写ベルト26の回転に同調して、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対して行い、中間転写ベルト6上に、各色の一次転写トナー画像を順次重ねて形成していく。なお、単色のみの画像形成(単色モード)時には、上記工程は、目的の色についてのみ行われる。
一方、記録材カセット31内の記録材Pは、給送ローラ32により一枚分離給送される。そして、レジストローラ33により所定のタイミングで、二次転写ローラ対向ローラ28に巻きかけられている中間転写ベルト26部分と二次転写ローラ34との圧接部である転写定着ニップ部に搬送される。
中間転写ベルト26上に形成された一次転写合成トナー画像は、二次転写ローラ34に不図示のバイアス電源より印加されるトナーと逆極性のバイアスにより、記録材P上に一括転写される。二次転写後に中間転写ベルト26上に残留した二次転写残トナーは中間転写ベルトクリーニング装置35により除去される。記録材P上に二次転写されたトナー画像は、画像加熱装置である定着装置Aにより記録材P上に溶融混色定着され、フルカラープリントとして排紙パス36を通って排紙トレイ37に送り出される。
(定着装置)
1)方向に関する定義
以下の説明において、定着装置またはこれを構成している部材の長手方向とは、記録材搬送路面内において記録材通紙方向に交差する(より好ましくは直交する)方向に並行な方向である。また短手方向とは、記録材通紙方向に並行な方向である。定着装置に関し、正面とは装置を記録材入口側からみた面、背面とはその反対側の面(記録材出口側)、左右とは装置を正面から見て左または右である。上流側と下流側とは、記録材通紙方向に関して上流側と下流側である。
1)方向に関する定義
以下の説明において、定着装置またはこれを構成している部材の長手方向とは、記録材搬送路面内において記録材通紙方向に交差する(より好ましくは直交する)方向に並行な方向である。また短手方向とは、記録材通紙方向に並行な方向である。定着装置に関し、正面とは装置を記録材入口側からみた面、背面とはその反対側の面(記録材出口側)、左右とは装置を正面から見て左または右である。上流側と下流側とは、記録材通紙方向に関して上流側と下流側である。
2)全体構成
図1は、本実施形態に係る画像加熱装置の要部横断面および制御系を示す図である。1は、金属層を有する無端ベルト状の定着ベルトで、回転可能な加熱回転体を構成する。2は、定着ベルト1の外周と接するように配設された加圧部材としての加圧ローラである。3は、定着ベルトと加圧ローラとの間に押圧力を作用させて定着ニップ部を形成するバックアップ部材としての圧力付与部材であり、金属(例えば鉄)製のステー4に保持されている。
図1は、本実施形態に係る画像加熱装置の要部横断面および制御系を示す図である。1は、金属層を有する無端ベルト状の定着ベルトで、回転可能な加熱回転体を構成する。2は、定着ベルト1の外周と接するように配設された加圧部材としての加圧ローラである。3は、定着ベルトと加圧ローラとの間に押圧力を作用させて定着ニップ部を形成するバックアップ部材としての圧力付与部材であり、金属(例えば鉄)製のステー4に保持されている。
また、長手方向断面を示す図5で、定着ベルト1の長手方向移動および周方向の形状を規制する規制部材としての左右の定着フランジ10が設けられる。定着フランジ10内に挿通して配設したステー4の両端部と、装置シャーシ側のバネ受け部材9aの間に、ステー加圧バネ9bを縮設することで、ステー4に押し下げ力を作用させている。これにより、定着ベルト1を挟んで圧設された所定幅の定着ニップ部が形成される。
図1(a)で、ステー4の励磁コイル6、外側磁性体外側磁性体コア7a側の長手方向端部側には、誘導加熱による温度上昇を防止するための磁気遮蔽部材としての磁気遮蔽コア5が設けられている。
図1(a)の100は、定着ベルト1を誘導加熱する加熱源(誘導加熱手段)としての誘導加熱装置である。この誘導加熱装置100は、電線として例えばリッツ線を用い、これを横長・船底状にして定着ベルト1の周面と側面の一部に対向するように巻回してなる磁束発生手段としての励磁コイル6を備える。更に、励磁コイル6によって発生した磁界が、定着ベルト1の金属層(導電層)以外に実質漏れないように、該励磁コイル6を覆わせた外側磁性体外側磁性体コア7aと、それらを電気絶縁性の樹脂によって支持するモールド部材7cを備える。
この誘導加熱装置100は、図1(a)に示すように、定着ベルト1の外周面の上面側において、定着ベルト1に所定のギャップ(隙間)を存して対面させて配設してある。ここで、外側磁性体外側磁性体コア7aは、磁束発生手段としての励磁コイル6からの定着ベルト1に対する作用磁束の搬送方向に交差する方向(長手方向)の密度分布を変化せしめる磁束調整手段として機能する。
定着ベルト1の回転状態において、誘導加熱装置100の励磁コイル6には、電源装置(励磁回路)101から20〜50kHzの高周波電流が印加されて、励磁コイル6によって発生した磁界により、定着ベルト1の金属層(導電層)が誘導発熱する。
TH1は例えばサーミスタ等の温度センサ(温度検出素子)であり、定着ベルト1の幅方向中央部の位置に当接させて配設してある。この温度センサTH1は通紙域になる定着ベルト部分の温度を検知し、その検知温度情報が制御回路部102にフィードバックされる。制御回路部102は、この温度センサTH1から入力する検知温度が所定の目標温度(定着温度)に維持されるように電源装置101から励磁コイル6に入力する電力を制御している。
即ち、定着ベルト1の温度センサTH1による検出温度が所定温度に昇温した場合、励磁コイル6への通電が遮断される。本実施形態では、定着ベルト1の目標温度である180℃で一定になるように、温度センサTH1の検出値に基づいて高周波電流の周波数を変化させ励磁コイル6に入力する電力を制御して温度調節を行っている。記録材の坪量によって、画像加熱のための温度制御目標値(あるいは記録材搬送間隔)は変更される。
温度センサTH1は、圧力付与部材3に弾性支持部材を介して取り付けられており、定着ベルトの当接面が波打つなどの位置変動が生じたとしてもこれに追従して良好な接触状態が維持されるように構成されている。
定着ベルト1は、少なくとも画像形成実行時には、制御回路部102で制御されるモータ(駆動手段)によって加圧ローラ2が回転駆動されることで、従動回転する。具体的には、画像転写部側から搬送されてくる、未定着トナー画像Tを担持した記録材Pの搬送速度とほぼ同一の周速度で、定着ベルト1は回転する。本実施形態の場合、定着ベルト1の表面回転速度が、321mm/secで回転し、フルカラーの画像を1分間にA4サイズで80枚、A4Rサイズで58枚定着することが可能である。
また、誘導加熱装置100の励磁コイル6に制御回路部102で制御される電源装置101から電力供給がなされ、定着ベルト1が所定の定着温度に立ち上がって温調された状態となる。この状態において、定着ニップ部における定着ベルト1と加圧ローラ2との間に、未定着トナー画像を有する記録材Pがそのトナー画像担持面側を定着ベルト1側に向けてガイド部材で案内されて導入される。そして、定着ニップ部において定着ベルト1の外周面に密着し、定着ベルト1と一緒に定着ニップ部を挟持搬送されていく。
これにより、主に定着ベルト1の熱が付与され、また定着ニップ部の加圧力を受けて未定着トナー画像が記録材Pの表面に熱圧定着される。定着ニップ部を通った記録材は、定着ベルト1の外周面から定着ベルト1の表面が定着ニップ部の出口部分の変形によって自己分離されて、定着装置外へ搬送される。
3)小サイズ紙への対応
定着装置の長手幅よりも小さいサイズの紙を流した場合(図7の幅Aが幅Bより小さい)、非通紙部で図1(a)に示すように、励磁コイル6と外側磁性体外側磁性体コア7aの隙間を広げる。これにより、定着ベルト1を通過する作用磁束密度を低め、定着ベルト1の発熱量を低下させている。これにより、非通紙部昇温が抑制される。なお、通紙部(領域A)では、図3に示す様に、励磁コイル6と外側磁性体コア7aは、近接している。
定着装置の長手幅よりも小さいサイズの紙を流した場合(図7の幅Aが幅Bより小さい)、非通紙部で図1(a)に示すように、励磁コイル6と外側磁性体外側磁性体コア7aの隙間を広げる。これにより、定着ベルト1を通過する作用磁束密度を低め、定着ベルト1の発熱量を低下させている。これにより、非通紙部昇温が抑制される。なお、通紙部(領域A)では、図3に示す様に、励磁コイル6と外側磁性体コア7aは、近接している。
4)定着ベルト
図4は、定着ベルト1の層構成模型図である。定着ベルト1の長手方向の長さは、390mmとなっている。定着ベルト1は、内径が30mmで電気鋳造法によって製造したニッケルを基層(金属層)1aを有している。この基層1aの厚みは、40μmである。基層1aの外周には、弾性層1bとして耐熱性シリコーンゴム層が設けられている。シリコーンゴム層の厚さは、100〜1000μmの範囲内で設定するのが好ましい。
図4は、定着ベルト1の層構成模型図である。定着ベルト1の長手方向の長さは、390mmとなっている。定着ベルト1は、内径が30mmで電気鋳造法によって製造したニッケルを基層(金属層)1aを有している。この基層1aの厚みは、40μmである。基層1aの外周には、弾性層1bとして耐熱性シリコーンゴム層が設けられている。シリコーンゴム層の厚さは、100〜1000μmの範囲内で設定するのが好ましい。
本実施形態では、定着ベルト1の熱容量を小さくしてウォーミングアップタイムを短縮し、かつカラー画像を定着するときに好適な定着画像を得ることを考慮して、シリコーンゴム層の厚みは300μmとされている。このシリコーンゴムは、JIS−A20度の硬度を持ち、熱伝導率は0.8W/mKである。更に弾性層1bの外周には、表面離型層1cとしてフッ素樹脂層(例えばPFAやPTFE)が30μmの厚みで設けられている。
基層1aの内面側には、定着ベルト内面と温度センサTH1との摺動摩擦を低下させるために、フッ素樹脂やポリイミドなどの樹脂層(滑性層)1dを10〜50μm設けても良い。本実施形態では、この層1dとしてポリイミドを20μm設けた。
なお、定着ベルト1の金属層1aには、ニッケルのほかに鉄合金や銅、銀などを適宜選択可能である。また、樹脂基層にそれら金属を積層させるなどの構成でも良い。金属層1aの厚みは、後で説明する励磁コイルに流す高周波電流の周波数と金属層の透磁率・導電率に応じて調整して良く、5〜200μm程度の間で設定すると良い。
5)加圧ローラ
定着ベルト1との間で定着ニップを形成するための加圧ローラ2(加圧回転体)は、外径が30mm、長手方向中央部の径が20mm、両端部の径が19mmである鉄合金製の芯金に、弾性層としてシリコーンゴム層が設けてある。表面は、離型層としてフッ素樹脂層(例えばPFAやPTFE)が30μmの厚みで設けられる。
定着ベルト1との間で定着ニップを形成するための加圧ローラ2(加圧回転体)は、外径が30mm、長手方向中央部の径が20mm、両端部の径が19mmである鉄合金製の芯金に、弾性層としてシリコーンゴム層が設けてある。表面は、離型層としてフッ素樹脂層(例えばPFAやPTFE)が30μmの厚みで設けられる。
加圧ローラ2の長手方向中央部における硬度は、ASK−C70℃である。芯金にテーパー形状をつけているのは、加圧した時に圧力付与部材3が撓んでも定着ベルト1と加圧ローラ2で挟まれる定着ニップ内の圧力が長手方向に渡って均一にするためである。本実施形態における定着ベルト1と加圧ローラ4との定着ニップ部の回転方向の幅は、定着ニップ圧が600Nにおいては、長手方向両端部で約9mm、中央部では約8.5mmである。これは、記録材Pの両端部での搬送速度が、中央部と比べて速くなるので、紙しわが発生しにくくなるという利点がある。
6)圧力付与部材
定着ベルト1の内周面と接触するバックアップ部材としての圧力付与部材3は、耐熱性樹脂製である。図1の紙面内において、特に両端部で励磁コイル6と接近している圧力付与部材3の発熱を防止するために、励磁コイル6で生じる磁界を遮蔽する磁気遮蔽コア5が、圧力付与部材3の上方に長手方向に渡って配置される。
定着ベルト1の内周面と接触するバックアップ部材としての圧力付与部材3は、耐熱性樹脂製である。図1の紙面内において、特に両端部で励磁コイル6と接近している圧力付与部材3の発熱を防止するために、励磁コイル6で生じる磁界を遮蔽する磁気遮蔽コア5が、圧力付与部材3の上方に長手方向に渡って配置される。
7)誘導加熱ユニット
本実施形態において、定着ベルト1と誘導加熱装置100の励磁コイル6は、0.5mmのモールドにより電気絶縁の状態を保ち、定着ベルト1と励磁コイル6との間隔は1.5mm(モールド表面と定着ベルト表面の距離は1.0mm)で一定である。これにより、定着ベルト1は均一に加熱される。
本実施形態において、定着ベルト1と誘導加熱装置100の励磁コイル6は、0.5mmのモールドにより電気絶縁の状態を保ち、定着ベルト1と励磁コイル6との間隔は1.5mm(モールド表面と定着ベルト表面の距離は1.0mm)で一定である。これにより、定着ベルト1は均一に加熱される。
励磁コイル6には、20〜50kHzの高周波電流が印加されて、定着ベルト1の金属層1a(図4)が誘導発熱する。そして、定着ベルト1の目標温度である180℃で一定になるように、温度センサTH1の検出値に基づいて高周波電流の周波数を変化させて、励磁コイル6に入力する電力を制御して温度調節される。
励磁コイル6を含む誘導加熱装置100が、高温になる定着ベルト1の内部ではなく外部に配置されているので、励磁コイル6の温度が高温になりにくく、電気抵抗も上昇せず高周波電流を流してもジュール発熱による損失を軽減する事が可能となる。また励磁コイル6を外部に配置したことで、定着ベルト1の小径化(低熱容量化)にも寄与しており、しいては省エネルギー性にも優れていると言える。
本実施形態の定着装置のウォーミングアップタイムは、非常に熱容量が低い構成であるため、例えば励磁コイル6に1200W入力すると約15秒で目標温度である165℃に到達できる。スタンバイ中の加熱動作が不要であるため、電力消費量を非常に低く抑える事が可能である。
8)外側磁性体コア
長手方向の端部側配置、中央部側配置が夫々図1(a)、図3に示される外側磁性体コア7aは、後述するように制御部200(図1(b))で変位が制御される。
長手方向の端部側配置、中央部側配置が夫々図1(a)、図3に示される外側磁性体コア7aは、後述するように制御部200(図1(b))で変位が制御される。
外側磁性体コア7a、92(図6)は、励磁コイル6より発生した交流磁束を、効率よく定着ベルト1を構成している誘導発熱体に導く役割をする。即ち、磁気回路(磁路)の効率を上げるためと磁気遮蔽のために用いている。外側磁性体コア7a、92の材質として、フェライト等の高透磁率残留磁束密度の低いものを用いると良い。図6に示すように、外側磁性体コア7a、92は定着ベルト1の長手方向に分割されており、1つ1つの外側磁性体コア7aは移動するためのガタ分を含め所定間隔(本実施形態では10mm)で配置されている。
外側磁性体コア7a、92は、励磁コイル6の巻き中心部と周囲を囲むように構成され、外側磁性体コア7aは、通紙端部領域E(図6)におけるコアであり、不図示のコア移動機構によってコイル6から離間するように変位可能となっている。即ち、種々の紙サイズ、例えばハガキ、A5、B4、A4、A3ノビサイズの非通紙部昇温の回避に対応できるよう、通紙端部の領域E(図6)において、外側磁性体コア7aは記録材搬送方向に直交する方向で複数に分割されて変位可能となっている。
また、コア92は、通紙中心領域Dにおけるコアで、ハウジングに固定されている。なお、領域Dは小サイズ紙幅に対応した通紙領域幅となっており、領域Dと領域Eを合わせた幅は、大サイズ紙幅に対応した通紙領域幅となっている。通紙領域においては、励磁コイル6と外側磁性体コア7aの間隔は0.5mmと密接しており、発熱効率が非常に高い。
プリントジョブが開始すると、記録材サイズ入力値を読み取り、その記録材サイズに適した加熱領域を得るために、非通紙領域においては励磁コイル6と外側磁性体コア7aの間隔を広げ、発熱効率が低下するように外側磁性体コア7aを変位させている。本実施形態においては、変位量は10mmとしている。
記録材のサイズに対応して外側磁性体コア7aが変位することで、非通紙部側での昇温を抑制する。幅Aの記録材を通紙する場合の、外側磁性体コア7aの変位による効果を図7、図8に示す。図7は、記録材の幅Aに対して外側磁性体コア7aによって磁束が強められている幅Bが広い時の通紙1枚目(点線)と、通紙500枚目(実線)の定着ベルト長手方向の温度分布を示している。これによると、通紙1枚目において通紙域で均一な温度分布を得ようとすると、通紙500枚目において紙端部の位置において定着ベルト1は270℃となり非常に大きな昇温をしてしまっているのが分かる。
この過昇温は定着ベルトの耐久破壊を招くため、低減することが必須となる。次に、図8は記録材の幅Aと外側磁性体コア7aによって磁束が強められている幅Bが一致する時の通紙1枚目(点線)と通紙500枚目(実線)の定着ベルト長手温度分布を示している。これによると、通紙500枚目においても、記録材端部での過昇温は定着ベルト1の耐久限界温度以下である220℃となっている。しかし、通紙1枚目においても、通紙500枚目においても通紙域端部で10.℃以上の温度ダレが見られる。これは、トナーに十分な熱量を与えることが出来ず、低温オフセットを誘発してしまう結果となる。
9)磁束調整部材
そこで、上記したような記録材端部における過昇温を防止し、かつ、通紙域端部での温度ダレも防止するために、図1、図10に示すように磁束調整部材としての磁束遮蔽部材11を非通紙部(端部)に設定する。磁束遮蔽部材11は、後述するように制御部200(図1(b))で変位が制御される。磁束遮蔽部材11としての磁束遮蔽板の材質は、アルミニウム、銅、銀、金、真鍮などの非磁性金属やその合金でも良いし、高透磁率部材であるフェライトやパーマロイなどの材料でもよい。
そこで、上記したような記録材端部における過昇温を防止し、かつ、通紙域端部での温度ダレも防止するために、図1、図10に示すように磁束調整部材としての磁束遮蔽部材11を非通紙部(端部)に設定する。磁束遮蔽部材11は、後述するように制御部200(図1(b))で変位が制御される。磁束遮蔽部材11としての磁束遮蔽板の材質は、アルミニウム、銅、銀、金、真鍮などの非磁性金属やその合金でも良いし、高透磁率部材であるフェライトやパーマロイなどの材料でもよい。
また、磁束遮蔽部材11は、励磁コイル6と外側磁性体コア7aの間、励磁コイル6と定着ベルト1の間、もしくは定着ベルト1と磁気遮蔽コア5の間などが考えられる。本実施形態においては、磁束遮蔽部材11として銅板を用い、励磁コイル6と定着ベルト1の間に挿入した。銅板挿入の効果としては、コア移動より磁束を弱め定着ベルト発熱層1aの発熱量を低下する効果が大きく、また、外側磁性体コア7aの変位機構と連動して変位することで、外側磁性体コア7aの分割幅よりも細かく長手方向の発熱分布を制御できることにある。銅板の厚みとしては、表皮深さ以上である0.5mmのものを用いる。
定着ベルト1の両端部に配置される磁束遮蔽部材11の長手幅(記録材搬送方向と交差する方向の幅)は、定着ベルト1の支持側板12と励磁コイル6の長手方向における内径の差分位置に配置できる幅以下の幅とした。これは、磁束遮蔽効果を発揮する十分な幅を持つこと、最大サイズ紙に対応する最大発熱幅を低減しないこと、そして、定着器の長手幅も拡大することなく配置出来る幅であるといった3つの理由からである。
磁束遮蔽効果を発揮する十分な幅は、図9に示すように、記録材端部での昇温の低減効果が外側磁性体コア7aの幅より小さいところであると小さくなってしまうためで、外側磁性体コア7aの幅以上と規定している。
次に、最大発熱幅を低減せず、また、定着器の長手幅も拡大することもない配置を図10に示す。この図10は、磁束遮蔽部材11がない場合と、磁束遮蔽部材11を支持側板10と励磁コイル6の長手方向における内径の差分位置に配置した場合と、磁束遮蔽部材11の幅がそれ以上の場合に関しての、定着ベルト1の最大発熱幅を示してある。
これによると、磁束遮蔽部材11を支持側板12と励磁コイル6の長手方向における内径の差分位置に配置した場合は磁束遮蔽部材11を配置しない場合と比較して、最大発熱幅がほぼ変わらない。それに対して、磁束遮蔽部材11の幅が広い場合に関しては、長手の最大発熱幅が短くなっているのが分かる。これにより、最大サイズ紙通紙時においては、磁束遮蔽部材11は支持側板12と励磁コイル6の長手方向における内径の差分位置に配置された状態を初期位置A1として配置する。
以下、本実施形態における実験を伴った実施例を説明する。
<実施例1>
本実験1の実施例1では、坪量80gの記録材を、A4サイズ紙横方向通紙、A4サイズ紙縦方向通紙で夫々所定枚数(ここではそれぞれ30枚)を交互に合計1800枚流す。本実験1でA4サイズ紙を横通紙した場合の、外側磁性体コア、磁束遮蔽銅板の位置を図11の上側に、A4サイズ紙を縦通紙した場合の外側磁性体コア、磁束遮蔽板の位置を図11の下側に示す。
本実験1の実施例1では、坪量80gの記録材を、A4サイズ紙横方向通紙、A4サイズ紙縦方向通紙で夫々所定枚数(ここではそれぞれ30枚)を交互に合計1800枚流す。本実験1でA4サイズ紙を横通紙した場合の、外側磁性体コア、磁束遮蔽銅板の位置を図11の上側に、A4サイズ紙を縦通紙した場合の外側磁性体コア、磁束遮蔽板の位置を図11の下側に示す。
本実験1においては、A4横通紙から、A4縦通紙に切り替える際に、外側磁性体コア、磁束遮蔽銅板の位置を状態1((A4横の通紙)から状態2(A4縦の通紙)に変更してから、それぞれの紙を通紙開始した。その場合、状態1、状態2どちらの場合においても、定着ベルト温度が画像不良となる温度を越えることはなかったが、外側磁性体コア、磁束遮蔽銅板が移動している間は、紙が通紙できないために、ジョブ終了までに、より長い時間がかかってしまう。
<実施例2>
本実験2の実施例2では、坪量80gの記録材を、A4サイズ紙横方向通紙で30枚、A4サイズ紙縦方向通紙で15枚を交互に合計1800枚流すこととする。実験2でA4サイズ紙を横通紙した場合の、外側磁性体コア、磁束遮蔽銅板の位置を図12の上側に、A4サイズ紙を縦通紙した場合の外側磁性体コア。磁束遮蔽板の位置を図12の下側に示す。本実験2の温度分布は、実線の「OK」と記した温度分布となる。
本実験2の実施例2では、坪量80gの記録材を、A4サイズ紙横方向通紙で30枚、A4サイズ紙縦方向通紙で15枚を交互に合計1800枚流すこととする。実験2でA4サイズ紙を横通紙した場合の、外側磁性体コア、磁束遮蔽銅板の位置を図12の上側に、A4サイズ紙を縦通紙した場合の外側磁性体コア。磁束遮蔽板の位置を図12の下側に示す。本実験2の温度分布は、実線の「OK」と記した温度分布となる。
本実験2においては、A4横通紙から、A4縦通紙に切り替える際に、外側磁性体コア、磁束遮蔽銅板の位置を、状態1(A4横の通紙)から状態2(A4縦の通紙)で変更していない。本実験2のように、(A4横の通紙枚数)/(A4縦の通紙枚数)=30/15=2の場合は、状態2においても、非通紙部の昇温が大きくならないため、状態1、2で外側磁性体コア、磁束遮蔽板の位置を切り替える必要はない。
従って、A4横通紙からA4縦通紙に切り替えるときに、外側磁性体コア、磁束遮蔽銅板の変位をする必要がなく、ジョブが止まらないので、より短い時間でジョブを終了させ
ることができる。
ることができる。
<実施例3>
本実験3の実施例3では、坪量80gの記録材を、A4サイズ紙横方向通紙で15枚、A4サイズ紙縦方向通紙で30枚を交互に合計1800枚流すこととする。本実験3において、図11に示したように、A4横通紙から、A4縦通紙に切り替える際に、外側磁性体コア、磁束遮蔽銅板の位置を、状態1から状態2で変更しないと、図12の点線に示すように、非通紙部の温度は画像不良発生温度をこえてしまう。
本実験3の実施例3では、坪量80gの記録材を、A4サイズ紙横方向通紙で15枚、A4サイズ紙縦方向通紙で30枚を交互に合計1800枚流すこととする。本実験3において、図11に示したように、A4横通紙から、A4縦通紙に切り替える際に、外側磁性体コア、磁束遮蔽銅板の位置を、状態1から状態2で変更しないと、図12の点線に示すように、非通紙部の温度は画像不良発生温度をこえてしまう。
本実験3のように、(A4横の通紙枚数)/(A4縦の通紙枚数)=15/30=0.5の場合は、状態2(A4縦の通紙)において非通紙部昇温が大きくなるために、図11に示すように、状態1と状態2で、外側磁性体コア、磁束遮蔽銅板の位置を変更する。従って、この場合は、A4横通紙からA4縦通紙に切り替えるときに、外側磁性体コア、磁束遮蔽銅板の変位をする必要がでてくる。
以上、実施例1、2、3から分かるように、サイズの異なる紙を交互に流すジョブの場合、その枚数比で、外側磁性体コア、磁束遮蔽銅板の変位の有無を決定することで、ジョブ終了までの時間をなるべく短くすることができる。
以上説明した事項をを要約すると、以下のようになる。第1の幅の記録材(例えばA4横)に対する第2の幅の記録材(例えばA4縦)の通紙される枚数の比に基づいて、その比が所定値以上(例えば1以上もしくは0.7以上)の場合、以下のように少なくとも磁束調整部材を変位させるように制御する。即ち、第1の幅の記録材に対しては、磁性体コアを第1の配置、かつ磁束調整部材を第1の位置とする。また、第2の幅の記録材に対しては、磁性体コアを第1の配置もしくは、より非通紙部側の昇温を抑制する第2の配置、かつ磁束調整部材を長手方向で中央部寄りの第2の位置とする。
一方、その比が所定値未満の場合、第1の幅の記録材に対しては、磁性体コアを第1の配置、かつ磁束調整部材を第1の位置とし、第2の幅の記録材に対しては、磁性体コアを第1の配置、かつ磁束調整部材を第1の位置とする。即ち、磁性体コアおよび磁束調整部材を変位させない。
ここで、磁性体コアは第1の配置、かつ、磁束調整部材は第2の位置、に初期設定されることで、磁性体コアと磁束調整部材の双方を変位させることが回避できることで、紙サイズ変更を伴う通紙を迅速に行うことができる。即ち、磁性体コアを第1の配置、かつ、磁束調整部材を第1の位置、に初期設定した場合、図11のA4横通紙からA4縦通紙に変化させる際に磁性体コアと磁束調整部材の双方を変位させる必要があるため、紙サイズ変更を伴う通紙を迅速に行うことができない。
なお、磁性体コアを第2の配置、かつ、磁束調整部材を第1の位置、に初期設定することもできる。この場合も、磁性体コアと磁束調整部材の双方を変位させることが回避できることで、紙サイズ変更を伴う通紙を迅速に行うことができる。
本実施形態におけるシーケンスをフローチャートで示すと、図13のようになる。即ち、混載モードの枚数を設定(例えばA4横を30枚、A4縦を30枚)し、通紙される枚数の比に基づいて、磁束調整部材を変位させるか否かを決定する。その比が所定値以上(例えば1以上もしくは0.7以上)の場合は磁束調整部材を変位させる一方、所定値未満(例えば1未満もしくは0.7未満)の場合は少なくとも磁束調整部材を変位させない。設定された枚数に至るまで画像形成動作ならびに画像加熱動作が行われ、設定された枚数に至ると画像形成動作ならびに画像加熱動作が停止する。
《第2の実施形態》
本実施形態における(1)画像形成装置(2)定着装置(3)定着ベルト(4)加圧ローラ(5)圧力付与部材(6)誘導加熱ユニット等は、第1の実施形態と同様である。本実施形態においては、図14に示すように外側磁性体コア位置をA4横通紙対応位置にし、磁束遮蔽銅板をA4縦通紙対応位置にする。
本実施形態における(1)画像形成装置(2)定着装置(3)定着ベルト(4)加圧ローラ(5)圧力付与部材(6)誘導加熱ユニット等は、第1の実施形態と同様である。本実施形態においては、図14に示すように外側磁性体コア位置をA4横通紙対応位置にし、磁束遮蔽銅板をA4縦通紙対応位置にする。
本実施形態においては、状態1(A4横の通紙)と状態2(A4縦の通紙)で、外側磁性体コア位置は移動しない。そのため、第1の実施形態の実験3の場合のように(A4横の通紙枚数)/(A4縦の通紙枚数)=0.5となっていても、A4横通紙からA4縦通紙に切り替えるときに、外側磁性体コアの変位をする必要がなくなり、よりジョブ時間を短くすることが可能となる。これは、(A4横の通紙枚数)/(A4縦の通紙枚数)=1となっていても同様である。
(変形例1)
上述した実施形態においては、第1の幅の記録材に対する第2の幅の記録材の通紙される枚数の比に基づいて、磁束調整部材、更には外側磁性体コアを変位させるように制御したが、本発明はこれに限られない。第1の幅の記録材、第2の幅の記録材の夫々通紙される枚数に基づいて、磁性体コアの配置、磁束調整部材の位置について変位させるか否かを制御するようにすれば良い。例えば、比の替わりに差を用いて、第1の幅の記録材に対する第2の幅の記録材の通紙される枚数の差に基づいて、磁束調整部材、更には磁性体コアを変位させるように制御しても良い。
上述した実施形態においては、第1の幅の記録材に対する第2の幅の記録材の通紙される枚数の比に基づいて、磁束調整部材、更には外側磁性体コアを変位させるように制御したが、本発明はこれに限られない。第1の幅の記録材、第2の幅の記録材の夫々通紙される枚数に基づいて、磁性体コアの配置、磁束調整部材の位置について変位させるか否かを制御するようにすれば良い。例えば、比の替わりに差を用いて、第1の幅の記録材に対する第2の幅の記録材の通紙される枚数の差に基づいて、磁束調整部材、更には磁性体コアを変位させるように制御しても良い。
(変形例2)
上述した実施形態において、磁束調整部材として磁束を遮蔽する磁束遮蔽部材11を用いたが、本発明はこれに限らず、作用磁束密度を減ずるように変化せしめる部材であれば良い。
上述した実施形態において、磁束調整部材として磁束を遮蔽する磁束遮蔽部材11を用いたが、本発明はこれに限らず、作用磁束密度を減ずるように変化せしめる部材であれば良い。
(変形例3)
上述した実施形態において、加圧部材としては駆動ローラとしての加圧ローラを用い、定着ベルトは加圧ローラに従動して回動することを示したが、本発明はこれに限らない。
即ち、加圧部材として固定された加圧パッドを用い、定着ベルトは駆動プーリと従動プーリに懸架されて回動されるものであっても良い。
上述した実施形態において、加圧部材としては駆動ローラとしての加圧ローラを用い、定着ベルトは加圧ローラに従動して回動することを示したが、本発明はこれに限らない。
即ち、加圧部材として固定された加圧パッドを用い、定着ベルトは駆動プーリと従動プーリに懸架されて回動されるものであっても良い。
1・・定着ベルト、2・・加圧ローラ、3・・圧力付与部材(バックアップ部材)、6・・励磁コイル、7a・・外側磁性体コア、11・・磁束遮蔽部材、200・・制御部
Claims (8)
- 磁束発生手段と、
前記磁束発生手段によって加熱される回転可能なベルト状の加熱回転体と、
前記加熱回転体の内周面と接触するバックアップ部材と、
前記加熱回転体の外周面と接触する加圧部材と、
を有し、
前記加熱回転体と前記加圧部材の間に形成されるニップ部に画像を担持した記録材を挟持して通紙し前記画像を加熱する画像加熱装置であって、
通紙方向と交差する前記記録材の幅方向に分割され、前記幅方向の非通紙部側で前記磁束発生手段から離れるように変位可能な磁性体コアと、
前記幅方向に変位可能であって前記幅方向の非通紙部側で作用磁束密度を低めるように変化せしめる磁束調整部材と、
前記幅方向における第1の幅の記録材と前記第1の幅より小さい第2の幅の記録材を、所定枚数ずつ交互に通紙する場合に、
前記第1の幅の記録材、前記第2の幅の記録材の夫々通紙される枚数に基づいて、
前記磁性体コアおよび前記磁束調整部材の変位を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする画像加熱装置。 - 磁束発生手段と、
前記磁束発生手段によって加熱される回転可能なベルト状の加熱回転体と、
前記加熱回転体の内周面と接触するバックアップ部材と、
前記加熱回転体の外周面と接触する加圧部材と、
を有し、
前記加熱回転体と前記加圧部材の間に形成されるニップ部に画像を担持した記録材を挟持して通紙し前記画像を加熱する画像加熱装置であって、
通紙方向と交差する前記記録材の幅方向に分割され、前記幅方向の非通紙部側で前記磁束発生手段から離れるように変位可能な磁性体コアと、
前記幅方向に変位可能であって前記幅方向の非通紙部側で作用磁束密度を低めるように変化せしめる磁束調整部材と、
前記磁性体コアおよび前記磁束調整部材の変位を制御する制御手段であって、
前記幅方向における第1の幅の記録材と前記第1の幅より小さい第2の幅の記録材を、所定枚数ずつ交互に通紙する場合に、
前記第1の幅の記録材に対する前記第2の幅の記録材の通紙される枚数の比もしくは差に基づいて、
前記比もしくは差が所定値以上の場合、前記第1の幅の記録材に対しては、前記磁性体コアを第1の配置、かつ前記磁束調整部材を第1の位置とし、前記第2の幅の記録材に対しては、前記磁性体コアを前記第1の配置もしくは前記第1の配置より非通紙部側の昇温を抑制する第2の配置、かつ前記磁束調整部材を前記第1の位置より前記幅方向で中央部寄りの第2の位置とする制御手段と、
を有することを特徴とする画像加熱装置。 - 前記制御手段は、
前記比もしくは差が所定値未満の場合、前記第1の幅の記録材に対しては、前記磁性体コアを第1の配置、かつ前記磁束調整部材を第1の位置とし、前記第2の幅の記録材に対しては、前記磁性体コアを前記第1の配置、かつ前記磁束調整部材を前記第1の位置とすることを特徴とする請求項2に記載の画像加熱装置。 - 前記磁性体コアは前記第1の配置、かつ、前記磁束調整部材は前記第2の位置、に初期設定されることを特徴とする請求項2または3に記載の画像加熱装置。
- 前記磁束調整部材は磁束遮蔽板であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像加熱装置。
- 前記記録材の坪量によって、画像加熱のための温度制御目標値、あるいは記録材搬送間隔が変更されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像加熱装置。
- 前記加圧部材は駆動ローラとしての加圧ローラであり、前記加熱回転体は前記加圧ローラに従動して回動することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像加熱装置。
- 前記加圧部材は固定された加圧パッドであり、前記加熱回転体は駆動プーリと従動プーリに懸架されて回動することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像加熱装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012055742A JP2013190535A (ja) | 2012-03-13 | 2012-03-13 | 画像加熱装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012055742A JP2013190535A (ja) | 2012-03-13 | 2012-03-13 | 画像加熱装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2013190535A true JP2013190535A (ja) | 2013-09-26 |
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Family Applications (1)
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JP2012055742A Pending JP2013190535A (ja) | 2012-03-13 | 2012-03-13 | 画像加熱装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2013190535A (ja) |
-
2012
- 2012-03-13 JP JP2012055742A patent/JP2013190535A/ja active Pending
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