JP2005258144A - 定着装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】転写用紙中に含まれる水分等の気化によって発生する「紙ブリスタ」や「トナーブリスタ」等の現象を防止しつつ、定着性能の向上を図ることができる定着装置を提供すること。
【解決手段】加熱源を有する定着部材の表面に、複数のロールによって張架された加熱源を有する無端ベルト状の定着部材を圧接させ、前記定着部材と無端ベルト状の定着部材との圧接部に未定着トナー像を担持した転写材を通過させることにより、熱及び圧力によって定着処理を行う定着装置において、前記定着部材と無端ベルトを接触及び離間させる接離手段を設けるとともに、前記無端ベルト内に張架される複数のロールの少なくとも1つが定着部材に圧接する圧力ロールであり、圧力ロールの温度を検知する手段を設け、前記圧力ロールの温度検知手段が検出した温度データにより、圧力ロールの温度が最適温度となるように前記接離手段を制御することを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】加熱源を有する定着部材の表面に、複数のロールによって張架された加熱源を有する無端ベルト状の定着部材を圧接させ、前記定着部材と無端ベルト状の定着部材との圧接部に未定着トナー像を担持した転写材を通過させることにより、熱及び圧力によって定着処理を行う定着装置において、前記定着部材と無端ベルトを接触及び離間させる接離手段を設けるとともに、前記無端ベルト内に張架される複数のロールの少なくとも1つが定着部材に圧接する圧力ロールであり、圧力ロールの温度を検知する手段を設け、前記圧力ロールの温度検知手段が検出した温度データにより、圧力ロールの温度が最適温度となるように前記接離手段を制御することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、電子写真方式を利用した複写機、プリンタ等の画像形成装置において、転写用紙中に含まれる水分等の気化によって発生する「紙ブリスタ」や「トナーブリスタ」等の現象を防止しつつ、定着性能を向上させることを可能とした定着装置に関するものである。
従来、電子写真方式を利用した複写機やプリンタ等の画像形成装置においては、潜像形成された感光体上にトナー像を形成し、このトナー像を転写用紙上に転写するか、若しくは中間転写体上に多重転写し、その後、一括して転写用紙上に転写することで、転写用紙上にトナー像を形成し、その後熱圧定着処理を施すことで画像形成するように構成されている。
ここで、斯かる電子写真装置、特にフルカラー画像を出力する装置においては、光沢度の高い転写用紙を用いる場合があり、このような光沢紙は用紙の繊維層の表面若しくは裏表に合成ゴムや合成樹脂等から成るコート層を有することから、片面コート紙、若しくは両面コート紙(総称でコート紙)と呼ばれて通常の転写用紙とは区別されている。
このようなコート紙上に形成されたトナー像を定着装置によって定着させる場合に、コート紙に或る条件以上の熱量や圧力等を加えると、コート層が部分的に押し上げられて火脹れ状に変形する、所謂「紙ブリスタ」と呼ばれる現象が発生する場合がある。これは、定着装置によってコート紙に与えられた熱量により、コート紙内部に存在する水分が気化して体積が急激に膨張し、水蒸気等がコート層全体を透過して外部に抜けていく量に比べて気化した量が多過ぎる場合に、コート層を外部に押し広げてしまったり、又、局部的にコート層の薄い部分から大量の水蒸気が抜けることでコート紙の表面を破断させたりすることによって発生する問題である。
又、上述した「紙ブリスタ」以外にも、コート紙内で発生した水蒸気が局所的に表層に噴出した部分にトナー像がある場合、トナー像が部分的に気泡状に欠落する「トナーブリスタ」と呼ばれる問題も発生する場合がある。
ここで、このような「紙ブリスタ」や「トナーブリスタ」と呼ばれる問題を解決する手段として、特許文献1に記載されているベルトを用いた方式が提案されている(以後、このような定着装置をベルトニップ定着装置と呼ぶ)。
以下、図7を用いて特許文献1で提案されている従来例について説明する。
図7において、1は加熱源を有する定着部材としての加熱定着ロールを示すものであり、この加熱定着ロール1は、図示しない駆動源によって矢印方向に沿って所定の周速で回転駆動されるようになっている。
上記加熱定着ロール1は、金属製コア2を備えており、この金属製コア2としては、例えば、アルミニウムやステンレス等から成るものが用いられる。上記金属製コア2の表面には、弾性体層3としてフッ素ゴムやシリコンゴム等が被覆されているとともに、この弾性体層3の表面には、更にトップコート層4がコーティングされており、このトップコート層4の表面は、鏡面状態に近い状態に仕上げられている。尚、金属製コア2としては、アルミニウムやステンレス等以外にも熱伝導率の高い金属から成るものを使用することができ、トップコート層4としては、耐熱性の高い弾性体であれば任意の材料を使用することができる。
又、上記金属製コア2の内部には、加熱源としてハロゲンランプ5が配置されており、加熱定着ロール1は、このハロゲンランプ5によって表面温度が所定の温度となるよう内部から加熱されるようになっている。上記加熱定着ロール1の表面温度は、当該加熱定着ロール1の中央部表面に接触する温度センサー6によって検出され、加熱定着ロール1の表面温度が例えば150℃となるように、図示しない温度コントローラーによって制御されるように構成されている。
更に、上記加熱定着ロール1の表面には、例えば、離型剤としてジメチルシリコンオイル粘度1000cs(商品名「KF−96」:信越化学株式会社製)が、離型剤供給装置8により均一に供給されている。この離型剤供給装置8は、オイルパン8a内に収容された離型剤8bが供給される離型剤供給ロール8cと、この離型剤供給ロール8cの表面に付着した離型剤8bが供給され、加熱定着ロール1の表面に離型剤8bを塗布する離型剤塗布ロール8dとによって構成されている。そして、この離型剤供給装置8は、加熱定着ロール1の回転に伴って離型剤塗布ロール8dと離型剤供給ロール8cが従動回転することによって、加熱定着ロール1の表面に離型剤8bを塗布供給するようになっている。
又、上記加熱定着ロール1の下方には、無端ベルト状の加圧部材として加圧ベルト10を備えたベルトモジュール9が、所定のニップ幅に亘って圧接するように配置されている。このベルトモジュール9は、加圧ベルト10と、この加圧ベルト10を張架する3本のロール11,12,13とから主に構成されている。上記加圧ベルト10は、例えば、厚さ75μm、幅300mm、周長188mmのポリイミドフィルム等によって形成され、3本のロール11,12,13により、約8kgの張力にて張架されている。上記3本のロール11,12,13の直径は、例えば、それぞれ23mm、18mm、18mmに設定されている。
又、上記3本のロール11,12,13は、例えば、ステンレス等によって円筒状又は円柱状に形成されるが、ロール13の回転軸を傾斜させることにより、加圧ベルト10の片寄りを防止する所謂ステアリングロールとしてロール13を使用する場合には、当該ロール13は、ステンレス等の金属から成る円筒状又は円柱状部材の表面に弾性体層を被覆して形成しても良い。
更に、上記ロール11とロール12との間には、エンドレスベルト10を加熱定着ロール1の表面に所定の圧力で押圧するための圧接部材14が配置されている。又、ベルトニップの出口は、圧力ロール11がベルト10を介して約20kgfの荷重で加熱定着ロール1に圧接されている。このため、加熱定着ロール1の弾性体層3は変形し、その表面には歪みεが発生し、転写用紙16がそれ自身の剛性により剥離可能となっている。尚、図中、15はステンレス製ロール11の内部に配設される加圧ベルト10を加熱するためのハロゲンランプを示すものである。又、17は転写用紙16上に転写された未定着トナー像を示すものである。
上記圧接部材14は、図7に示すように、ベースプレート14aの表面に弾性層14bを積層するとともに、この弾性体層14bの表面を低摩擦層14cによって被覆して構成されており、ベースプレート14a側に配置された圧縮コイルスプリング18によって加熱定着ロール1に向けて押圧されている。上記ベースプレート14aとしては、例えば、幅(ベルトの走行方向)20mm、長さ(紙面の垂直方向)320mm、厚さ5mmのステンレス鋼製のものが用いられる。又、弾性層14bとしては、ゴム硬度23°のシリコーンスポンジ(シリコーンゴムの発泡体)から成る厚さ5mmのものが用いられる。尚、ここでゴム硬度は、高分子科学社製のアスカーCタイプのスポンジ用ゴム硬度計により、荷重300gfを付加して計測した結果である。更に、低摩擦層14cとしては、ポリテトラフルオロエチレンを含浸させたガラス繊維シートである中興化成製の「FGF−400−4」(商品名)等が用いられる。
ここで、上記圧接部材14に弾性層14bを設けることにより、低摩擦層14cの加圧ベルト10と接触する接触面は、加熱定着ロール1の外周面と整合可能になっている。即ち、一定以上の荷重によって圧接部材14を加熱定着ロール1に向けて押圧すれば、弾性体層14bが変形し、低摩擦層14cの接触面が加熱定着ロール1の外周面に沿って圧接されるように変形するようになっている。従って、圧接部材14が圧縮コイルスプリング18によって加熱定着ロール1に押圧されると、加圧べルト10は加熱定着ロール1に隙間なく圧接される。
又、上記加圧べルト10の表面には、粘度1000csのジメチルシリコンオイル(商品名「KF−96」:信越化学株式会社製)が、図7に示すような加熱定着ロール1の表面に離型剤を塗布する離型剤供給装置8と同様に構成される図示しない離型剤供給装置によって塗布されるようになっており、これによって加圧べルト10の表面へのトナーオフセットをも防止するようになっている。
更に、上記加熱定着ロール1の表面には、図7に示すように、当該加熱定着ロール1の表面を清掃するためのクリーニング装置20が配置されている。このクリーニング装置20は、供給ロール20aより清掃用のウエブ20bを供給するとともに、当該清掃用ウエブ20bを図示しないモータによって回転駆動される巻取ロール20cにより巻き取る間に、清掃用ウエブ20bを圧接ロール20dによって加熱定着ロール1の表面に圧接することにより、加熱定着ロール1の表面に付着したオフセットトナー等を除去するように構成されている。
ところで、この実施の形態では、定着部材の設定温度と無端ベルト状の定着部材の設定温度を異なる値に設定し、前記定着部材と無端ベルト状の定着部材とを接触及び離間させる接離手段を設けるとともに、前記無端ベルト状の定着部材を独自に回転駆動させる駆動手段を設けるように構成されている。
即ち、この実施の形態では、加圧ベルト10を加熱定着ロール1の表面から離間させる接離手段21が設けられている。この接離手段21は、加圧ベルト10を張架する3本のロール11,12,13が取り付けられたフレーム22を、回動軸23を中心にして揺動自在に支持するとともに、このフレーム22の下端部に偏心カム24を当接させ、当該偏心カム24を駆動モータ25によって所定のタイミングで所定量だけ回転駆動することにより、フレーム22を加熱定着ロール1と接離する方向に揺動させるように構成されている。
又、この実施の形態に係る定着装置では、加圧ベルト10を張架するロールのうち、加熱源15を有する張架ロール11の設定温度が、加熱定着ロール1の設定温度より所定の温度だけ、例えば25℃だけ低く設定されており、転写用紙16の裏面への加圧ベルト10からの熱量を抑えるように構成されている。
更に、この実施の形態に係る定着装置では、加圧ベルト10を加熱定着ロール1とは別個に独立して、所定のタイミングで回転駆動することができるように構成されている。そのため、上記加圧ベルト10の表面には、加熱源15を有する張架ロール11を介して当該加圧ベルト10を挟持するように、ベルト駆動用のロール26が圧接されており、このベルト駆動用ロール26を駆動ギア27を介して駆動モータ28によって、モータ制御回路29からの駆動信号に基づいて、所定のタイミングで回転駆動することによって、加圧ベルト10を加熱定着ロール1とは別個に独立して、所定のタイミングで所定の回転速度で回転駆動することができるようになっている。又、図7中、30は加熱源15を有する張架ロール11の下流側に設けられ、加圧ベルト10の温度を検知する温度検知センサーを示している。
以上の構成において、この実施の形態に係る定着装置では、次のようにして、高速定着を可能とするため、加圧部材や加熱部材として無端ベルト状部材を使用した場合でも、コート紙に”ブリスタ”や”トナーブリスタ”が発生するのを確実に防止することができ、しかも、ファーストコピー性能が劣るのを防止可能となっている。
即ち、この実施の形態に係る定着装置では、スタンバイ時、加熱定着ロール1は停止している一方、加圧ベルト10は、加熱定着ロール1から離間された状態にある。こうすることで、加圧ベルト10の表面温度を加熱定着ロール1の温度に影響されない状態とすることができる。但し、このままでは、加熱定着ロール1に近い面と遠い面、更には加熱源15を有する張架ロール11で張架された部分と他の部分とで、加圧ベルト10の温度が異なってしまう。そのため、上記加圧ベルト10は、ベルト駆動用のモータ28でベルト駆動用ロール26を回転駆動することにより、単独で回転駆動されることにより、加圧ベルト10の表面温度を回転方向に沿って均一にすることができるようになっている。
しかしながら、以上説明したようなベルトニップ式定着装置の制御方法は、以下のような問題を抱えている。
先ず、加圧ベルト10自体の熱容量は定着ローラ等と比べると非常に小さいため、転写用紙の裏側から与える熱量の多くの割合が、実際には圧接部材14やロール11,12,13の持つ熱量に依存している。その中でも特に、実質的に定着ニップを形成している圧接部材14とロール12の保持する熱量に大きく依存している。
ここで、図7で説明される定着装置は、スタンバイ中に加圧ベルト10を定着ロール1から離間させ、加熱源15を有する加熱ロール11からの熱伝導で加圧ベルト10を温度調整する構成になっている。
しかしながら、前述したように、加圧ベルト10の熱容量が極めて小さいために、加圧ベルト10から与えられる熱量に比べて張架ロール11及び圧接部材14の放熱量が上回っていった場合、離間された圧接部材14と加圧ロール12の温度は徐々に下がってゆくため、ベルト自体の表面温度は維持されるが、実質的な全体での熱保有量はスタンバイ状態の時間経過に応じて下がっていく。
そのため、画像形成装置にコピー開始信号が入り、定着装置がスタンバイ状態から定着可能な状態に移行した時点で、定着ロール1及び加圧ベルト10の温度が定着可能な温度になっていると判断したが、実際には加圧ロール12及び圧接部材14の温度が十分な温度に達していない場合、想定した定着能力(即ち、熱付与能力)を満たしていない状態が発生する。
よって、以上述べた説明から、ベルトニップ定着装置において「紙ブリスタ」や「トナーブリスタ」の発生を防止しつつ、定着性能、即ち熱付与能力を維持するためには、定着ロール1と加圧ベルト10の温度差を設けながら、尚且つ加圧ロール1や圧接部材14の温度が加圧ベルトの温度を下回らないようにすることが望ましい。しかしながら、特許文献1(特開平11−194647号公報)においてはそのような機能は実現されていないことが分かる。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、転写用紙中に含まれる水分等の気化によって発生する「紙ブリスタ」や「トナーブリスタ」等の現象を防止しつつ、定着性能の向上を図ることができる定着装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、加熱源を有する定着部材の表面に、複数のロールによって張架された加熱源を有する無端ベルト状の定着部材を圧接させ、前記定着部材と無端ベルト状の定着部材との圧接部に未定着トナー像を担持した転写材を通過させることにより、熱及び圧力によって定着処理を行う定着装置において、前記定着部材と無端ベルトを接触及び離間させる接離手段を設けるとともに、前記無端ベルト内に張架される複数のロールの少なくとも1つが定着部材に圧接する圧力ロールであり、圧力ロールの温度を検知する手段を設け、前記圧力ロールの温度検知手段が検出した温度データにより、圧力ロールの温度が最適温度となるように前記接離手段を制御することを特徴とする。
本発明によれば、定着ロール及び無端ベルトを用いた定着装置において、転写用紙中に含まれる水分等の気化によって発生する「紙ブリスタ」や「トナーブリスタ」等の現象を防止しつつ、定着性能の向上を図ることができる。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
<実施の形態1>
図1は本発明に係わる定着装置の一実施の形態を示す構成図である。
図1は本発明に係わる定着装置の一実施の形態を示す構成図である。
図1において、1 は加熱源を有する定着部材としての加熱定着ロールを示すものであり、この加熱定着ロール1は、不図示の駆動源によって矢印方向に沿って所定の周速で回転駆動されるようになっている。上記加熱定着ロール1は、金属製の芯金2を備えており、この芯金2としては、例えば、アルミニウムや鉄等から成るものが用いられる。上記芯金2の表面には、弾性体層3としてシリコンゴムが被覆されているとともに、この弾性体層3の表面には、更にフッ素樹脂の離型層4がコーティングされている。
又、上記芯金2の内部には、加熱源としてハロゲンランプ5が配置されており、加熱定着ロール1は、このハロゲンランプ5によって表面温度が所定の温度となるよう内部から加熱されるようになっている。上記加熱定着ロール1の表面温度は、当該加熱定着ロール1の中央部表面に接触する温度センサー6によって検出され、加熱定着ロール1の表面温度が例えば150℃となるように、不図示の温度制御装置によって制御されるように構成されている。
又、上記加熱定着ロール1の下方には、無端ベルト状の加圧部材として加圧ベルト10を備えたベルトモジュール9が、所定のニップ幅に亘って圧接するように配置されている。このベルトモジュール9は、加圧ベルト10と、この加圧ベルト10を張架する3本のロール11,12,13とから主に構成されている。
上記加圧ベルト10は、例えば、厚さ100μm、幅320mm、周長188mmのポリイミドフィルム等によって形成され、3本のロール11,12,13により、約12kgの張力にて張架されている。3本のロール11,12,13は、それぞれ内部にハロゲンヒータ等の加熱源15を持ち、加圧ベルト10を暖める加熱ロール11と、定着ロール1に加圧ベルト10を介して加圧する加圧ロール12と、加圧ベルトの長手方向の移動を制御するステアリングローラ13である。上記3本のロール11,12,13の直径は、例えば、それぞれ18mmに設定されている。
又、上記3本のロール11,12,13は、例えば、ステンレス等によって円筒状又は円柱状に形成されており、ステアリングロール13の回転軸を傾斜させることにより、加圧ベルト10の片寄りを防止することができる。更に、上記ロール11とロール12との間には、エンドレスベルト10を加熱定着ロール1の表面に所定の圧力で押圧するための圧接部材14が配置されている。又、ベルトニップの出口は、加圧ロール12がベルト10を介して約20kgfの荷重で加熱定着ロール1に圧接されている。このため、加熱定着ロール1の弾性体層3は変形し、その表面には歪みεが発生し、転写用紙16がそれ自身の剛性により剥離可能となっている。
上記圧接部材14は、図2に示すように、ベースプレート14aの表面に弾性層14bを積層するとともに、この弾性体層14bの表面を低摩擦層14cによって被覆して構成されており、図2に示すように、ベースプレート14a側に配置された圧縮コイルスプリング18によって加熱定着ロール1に向けて押圧されている。上記ベースプレート14aとしては、例えば、幅(ベルトの走行方向)20mm、長さ(紙面の垂直方向)320mm、厚さ5mmのステンレス鋼製のものが用いられる。又、弾性層14bとしては、ゴム硬度15°のシリコーンスゴムから成る厚さ5mmのものが用いられる。尚、ここでゴム硬度は、高分子科学社製のアスカーCタイプのスポンジ用ゴム硬度計により、荷重1kgfを負荷して計測した結果である。
ここで、定着部材の設定温度と無端ベルト状の定着部材の設定温度を異なる値に設定し、前記定着部材と無端ベルト状の定着部材とを接触及び離間させる接離手段を設けるとともに、前記無端ベルト状の定着部材を独自に回転駆動させる駆動手段を設けるように構成されている。
即ち、図2に示すように、加圧ベルト10を加熱定着ロール1の表面から離間させる接離手段21が設けられており、この接離手段21は、加圧ベルト10を張架する3本のロール11,12,13が取り付けられたフレーム22を、回動軸23を中心にして揺動自在に支持するとともに、このフレーム22の下端部に偏心カム24を当接させ、当該偏心カム24を駆動モータ25によって所定のタイミングで、所定量だけ回転駆動することにより、フレーム22を加熱定着ロール1と接離する方向に揺動させるように構成されている。又、図1における実施の形態においては、加圧ベルト10を張架するロールのうち、加熱源15を有する張架ロール11の設定温度が、加熱定着ロール1の設定温度より所定の温度だけ、例えば25℃だけ低く設定されており、転写用紙16の裏面への加圧ベルト10からの熱量を抑えるように構成されている。
更に、図1及び図2における実施の形態においては、加圧ベルト10を加熱定着ロール1とは別個に独立して、所定のタイミングで回転駆動することができるように構成されている。そのため、上記加圧ベルト10の表面には、図1に示すように、加圧ロール12の端部に不図示のギアを設け、モータ32によって不図示の駆動信号発生回路からの信号に基づいて所定のタイミングで回転駆動することによって、加圧ロール12を駆動し、加圧ベルト10を加熱定着ロール1とは別個に独立して、所定のタイミングで所定の回転速度で回転駆動することができるようになっている。
又、30は加熱源15を有する加熱ロール11近傍に設けられ、加熱ロール11若しくはその近傍の加圧ベルト10の温度を検知する温度検知手段であり、31は加圧ロール12の近傍に設けられ、加圧ロール12若しくはその近傍の加圧ベルト10の温度を検知する温度検知手段を示している。加圧ロール温度センサ30と加圧ロール温度センサ31は、例えば各ロールに直接サーミスタを接触させるタイプのものでも良く、又、非接触の赤外線温度検知センサーを設けたものであっても良い。
以上の構成において、この実施の形態に係る定着装置では、次のようにして、高速定着を可能とするため、加圧部材や加熱部材として無端ベルト状部材を使用した場合でも、コート紙に”ブリスタ”や”トナーブリスタ”が発生するのを確実に防止ししつつ、加圧ロール12の温度を制御し、定着性能を維持している。
この実施の形態に係る定着装置では、図3で示されるフローに応じて制御されている。加圧ロール温度センサ30の検知温度をTb、加圧ロール温度センサ31の検知温度をTrとしている。
即ち、スタンバイ時、加圧ロール温度センサ30が検知した温度Trが一定温度以上(図3においては110℃以上)の場合、加熱定着ロール1は停止している一方、加圧ベルト10は、加熱定着ロール1から離間された状態にあり、モータ32で不図示のギアを介して加圧ロール12を回転駆動することにより、単独で回転駆動されることにより、加圧ベルト10の表面温度を回転方向に沿って均一にすることができるようになっているのである。これにより、加熱定着ロール1に近い面と遠い面、更には加熱源15を有する加熱ロール11で張架された部分と他の部分とで、加圧ベルト10の温度が異ならないようにしている。
そして、加圧ロール温度センサ30が検知した温度Trが一定温度未満(図3においては110℃未満)になると、加圧ベルト10を定着ロール1に接触させ、定着ロール1を温度調整しつつ回転駆動させることで、加圧ロール12の温度Trが125℃に達するまで再び加圧ロール12を定着ロール1及び加圧ベルト12からの熱移動により加熱しつつ、加圧ベルト11全体も均一に加熱するのである。
この状態において、加圧ロール12の温度Trが一定温度未満(図3では110℃)であるにも拘らず、加圧ベルト10の温度Tbが温調温度以上(図3では125℃)以上になった場合、先ず、加熱源15のヒータの点灯がOFF状態となり、更に温調温度+α℃(図3では130℃)を超えた場合は、再度定着ロール1と加圧ベルト10を離間させることで、加圧ベルト10の温度Tbが一定温度を超えることを防止するようになっている。
図4は定着装置がウォームアップからスタンバイ状態に移行した時に、本発明の制御に従ったときの加圧ロール11の温度推移と、制御無しの状態での加圧ロール11の温度推移を表したものである。
図4で分かるように、制御無しの温度推移に比べ、本発明の制御に従った場合は加圧ロール11の温度低下が未然に防ぐことができる。
<実施の形態2>
図5は本発明の実施の形態2における転写材及び環境湿度に応じた温度テーブルを表したものである。図5において、加圧ロール11の目標上限温度をT1、目標下限温度をT2、加圧ベルトの目標上限温度をT3として、転写材の種類毎に温度テーブルが設定されている。
図5は本発明の実施の形態2における転写材及び環境湿度に応じた温度テーブルを表したものである。図5において、加圧ロール11の目標上限温度をT1、目標下限温度をT2、加圧ベルトの目標上限温度をT3として、転写材の種類毎に温度テーブルが設定されている。
画像形成装置の不図示の制御回路によって、図5から導かれた最適な目標温度T1,T2,T3に基づき、図6で示されるフローに従って実施の形態1と同様に定着装置を制御することにより、転写材の種類及び環境湿度に応じた最適な定着条件で定着処理を行うことが可能となる。又、この温度テーブルは、図5で示される項目以外にも、例えば画像形成装置のプロセススピードや定着条件に応じた温度テーブルを組むことにより、それらに応じて最適な定着処理を行うことが可能となる。
<実施の形態3>
図1及び図2は本発明の実施の形態3における圧接部材14の温度を検知する加圧部温度センサ14dを表したものである。
図1及び図2は本発明の実施の形態3における圧接部材14の温度を検知する加圧部温度センサ14dを表したものである。
実施の形態1及び2で説明したように、加圧部温度センサ14dの検知した温度を同様に図5で示される温度テーブル等を用いて図3若しくは図6で表されるフローを用いて制御することによって、より最適な定着処理を行うことが可能となる。
本発明は、電子写真方式を利用した複写機、プリンタ等の画像形成装置に備えられる定着装置に対して適用可能である。
1 定着ロール
5 ハロゲンランプ
9 ベルトユニット
10 加圧ベルト
11 加熱ロール
12 加圧ロール
13 ステアリングロール
14 圧力付与部材
14d 加圧部温度センサ
21 離間手段
30 加圧ロール温度センサ
31 加圧ロール温度センサ
5 ハロゲンランプ
9 ベルトユニット
10 加圧ベルト
11 加熱ロール
12 加圧ロール
13 ステアリングロール
14 圧力付与部材
14d 加圧部温度センサ
21 離間手段
30 加圧ロール温度センサ
31 加圧ロール温度センサ
Claims (7)
- 加熱源を有する定着部材の表面に、複数のロールによって張架された加熱源を有する無端ベルト状の定着部材を圧接させ、前記定着部材と無端ベルト状の定着部材との圧接部に未定着トナー像を担持した転写材を通過させることにより、熱及び圧力によって定着処理を行う定着装置において、
前記定着部材と無端ベルトを接触及び離間させる接離手段を設けるとともに、前記無端ベルト内に張架される複数のロールの少なくとも1つが定着部材に圧接する圧力ロールであり、圧力ロールの温度を検知する手段を設け、前記圧力ロールの温度検知手段が検出した温度データにより、圧力ロールの温度が最適温度となるように前記接離手段を制御することを特徴とする定着装置。 - 画像形成装置が持つ温度テーブルに基づき、前記圧力ロールの温度検知手段が検出した温度データにより、圧力ロールの温度が最適温度となるように前記接離手段を制御することを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- 温度テーブルが転写材の種類毎に設けられていることを特徴とする請求項2記載の定着装置。
- 温度テーブルが含水分量若しくは温湿度環境等に応じて設けられていることを特徴とする請求項2記載の定着装置。
- 温度テーブルがプロセススピード毎に設けられていることを特徴とする請求項2記載の定着装置。
- 温度テーブルが定着装置の加熱ロール等の温度条件に応じて設けられていることを特徴とする請求項2記載の定着装置。
- 加熱源を有する定着部材の表面に、複数のロールによって張架された加熱源を有する無端ベルト状の定着部材を圧接させ、前記定着部材と無端ベルト状の定着部材との圧接部に未定着トナー像を担持した転写材を通過させることにより、熱及び圧力によって定着処理を行う定着装置において、
前記定着部材と無端ベルトを接触及び離間させる接離手段を設けるとともに、前記無端ベルトを介して定着部材を押圧する圧力付与部と、前記圧力付与部材の温度を検知する手段を設け、前記圧力付与部材の温度検知手段が検出した温度データにより、前記圧力付与部材の温度が最適温度となるように前記接離手段を制御することを特徴とする定着装置。
Priority Applications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2004-03-12 JP JP2004070518A patent/JP2005258144A/ja not_active Withdrawn
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