JP2010173606A - 舶用推進ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】高トルクの駆動力をプロペラに伝達することが可能な舶用推進ユニットを提供する。
【解決手段】この船外機(舶用推進ユニット)は、ドライブシャフト部31と直交する方向に延びる1本のプロペラシャフト部32と、プロペラシャフト部32と共に回転される1つのプロペラと、プロペラシャフト部32の回転中心軸線L1上で、かつ、ドライブシャフト部31よりも前方に配置され、前進時に、プロペラシャフト部32の回転を減速する遊星歯車機構部34とを備え、遊星歯車機構部34は、エンジンによる駆動回転が入力されるリングギヤ341と、リングギヤ341の回転に伴って回転される複数のプラネタリギヤ343と、複数のプラネタリギヤ343を支持するとともに、入力された駆動回転が減速されて出力されるキャリア344とを含む。
【選択図】図4

Description

この発明は、舶用推進ユニットに関し、特に、1本のプロペラシャフト部および1つのプロペラを備えた舶用推進ユニットに関する。
従来、1本のプロペラシャフト部および1つのプロペラを備えた舶用推進ユニットが知られている(たとえば、特許文献1参照)。上記特許文献1には、ドライブシャフトと直交する前後方向に延びる1本のプロペラシャフトと、プロペラシャフトの外周部分に配置された遊星歯車機構とを備える船外機(舶用推進ユニット)が開示されている。上記特許文献1による船外機の遊星歯車機構部は、シフト位置が中立位置(ニュートラル)でブレーキ操作レバーを引くことにより低速巡航(トローリング)を行う際に駆動されるように構成されており、ドライブシャフトの駆動力を遊星歯車機構部のサンギヤから入力するとともに、入力された駆動力をプラネタリギヤを支持するキャリアから出力するように構成されている。つまり、上記遊星歯車機構部は、比較的大きな減速比を得るように構成されている。なお、低速巡航(トローリング)時以外のシフト位置が前進位置および後進位置での通常の走行時では、遊星歯車機構部の減速比が大きすぎるので、船外機は、遊星歯車機構部を介さずに、ドライブシャフトからプロペラシャフトに直接的に駆動力を伝達するように構成されている。
特開昭55−19681号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された船外機(舶用推進ユニット)では、減速比が比較的大きい遊星歯車機構部により、中立位置(ニュートラル)での低速巡航(トローリング)を行うことが可能である一方で、低速巡航時以外のシフト位置が前進位置および後進位置での通常走行時では、ドライブシャフトの駆動力が直接的にプロペラシャフトに伝達されるため、高トルクの駆動力をプロペラシャフト(プロペラ)に伝達し難いという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、通常走行時に高トルクの駆動力をプロペラに伝達することが可能な舶用推進ユニットを提供することである。
課題を解決するための手段および発明の効果
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による舶用推進ユニットは、エンジンと、エンジンの下方に延びるドライブシャフト部と、ドライブシャフト部と交差する方向に延びる1本のプロペラシャフト部と、プロペラシャフト部の後部に設けられ、プロペラシャフト部と共に回転される1つのプロペラと、少なくともプロペラシャフト部の回転中心軸線および回転中心軸線の延長線上で、かつ、ドライブシャフト部よりも前方に配置され、前進時に、プロペラシャフト部の回転を減速する遊星歯車機構部とを備え、遊星歯車機構部は、エンジンによる駆動回転が入力されるリングギヤと、リングギヤの回転に伴って回転される複数のプラネタリギヤと、複数のプラネタリギヤを支持するとともに、入力された駆動回転が減速されて出力されるキャリアとを含む。
この一の局面による舶用推進ユニットでは、上記のように、遊星歯車機構部に、エンジンによる駆動回転が入力されるリングギヤと、複数のプラネタリギヤを支持するとともに、入力された駆動回転が減速されて出力されるキャリアとを設けることによって、ドライブシャフト部の駆動回転を、加速する際および高速走行する際に必要な高いトルクを有した状態で、プロペラシャフト部に伝達することができる。これにより、加速および高速走行する通常走行時に高トルクの駆動力をプロペラに伝達することができる。
上記一の局面による舶用推進ユニットにおいて、好ましくは、遊星歯車機構部を収納するハウジング部をさらに備え、遊星歯車機構部は、ハウジング部に固定されたサンギヤをさらに含み、複数のプラネタリギヤの各々がリングギヤおよびサンギヤの両方に噛合されて円状に1列に配置されるように構成されている。このように、サンギヤを固定した状態でリングギヤから駆動回転を入力するとともに、入力された駆動回転をキャリアから出力するように構成する所謂シングルピニオン型の遊星歯車機構部を構成することによって、複数のプラネタリギヤの各々が円状に2列に配置された構成の所謂ダブルピニオン型の遊星歯車機構部と比べて、遊星歯車機構部のリングギヤの周りの径が大きくなるのを抑制することができる。これにより、遊星歯車機構部近傍の構造が大きくなるのを抑制することができる。また、遊星歯車機構部を、複数のプラネタリギヤの各々がリングギヤおよびサンギヤの両方に噛合されて円状に1列に配置されるように構成することによって、加速および高速走行する通常走行時に適した減速比を得ることができる。具体的には、リングギヤから駆動回転が入力されるとともに、入力された駆動回転がキャリアから出力されるシングルピニオン型の遊星歯車機構部では、その構造上、約1.20以上約1.80以下の範囲での減速比を得ることができる。なお、上記特許文献1で示されたサンギヤから駆動回転が入力されるとともに、入力された駆動回転がキャリアから出力される所謂シングルピニオン型の遊星歯車機構部は、その構造上、約2.25以上約11.00以下の比較的大きな減速比の範囲である。
上記一の局面による舶用推進ユニットにおいて、好ましくは、プロペラシャフト部の回転方向が切り替えられるのに伴って、前進および後進のいずれかに切替可能なクラッチ部をさらに備え、クラッチ部は、前進時に、遊星歯車機構部のキャリアから出力される駆動回転をプロペラシャフト部に伝達可能に構成されている。このように構成すれば、クラッチ部により、前進および後進を容易に切り替えることができるとともに、前進時に、遊星歯車機構部により減速された駆動回転をプロペラシャフト部に伝達することができる。
上記クラッチ部を備える舶用推進ユニットにおいて、好ましくは、クラッチ部は、キャリアと共に回転するように構成された第1伝達部と、プロペラシャフト部と共に回転するように構成されているとともに、第1伝達部の駆動回転を接続および切断可能に構成された第2伝達部とを含む。このように構成すれば、第1伝達部および第2伝達部を有するクラッチ部により、容易に、キャリアから伝達される駆動回転をプロペラシャフト部に伝達することができる。
この場合において、好ましくは、キャリアは、第1伝達部側に延びる筒状部を有しており、遊星歯車機構部は、キャリアの筒状部の内周面と第1伝達部の外周面とが係合することによりクラッチ部と接続されている。このように構成すれば、キャリアの筒状部の内周面と第1伝達部の外周面とが係合することにより、キャリアと第1伝達部とを一体的に回転させることができる。
上記一の局面による舶用推進ユニットにおいて、好ましくは、ドライブシャフト部の回転を減速してリングギヤに伝達可能な減速機構部をさらに備え、減速機構部は、ドライブシャフト部の下端部近傍に設けられ、ドライブシャフト部と共に回転する出力ギヤと、出力ギヤと噛合され、プロペラシャフト部の回転中心軸線を中心に第1の方向に回転される第1ベベルギヤと、第1ベベルギヤと共に回転するように構成されているとともに、第1ベベルギヤの回転をリングギヤに伝達する第3伝達部とを含む。このように構成すれば、第3伝達部により、第1ベベルギヤの回転駆動をリングギヤに直接的に伝達することができる。
この場合において、好ましくは、第3伝達部は、キャリアの少なくとも一部の外周部分を囲むように配置されている。このように構成すれば、容易に、キャリアよりも外周部分に位置するリングギヤに第3伝達部を接続することができる。
上記クラッチ部を備える舶用推進ユニットにおいて、好ましくは、減速機構部は、出力ギヤと噛合され、プロペラシャフト部の回転中心軸線を中心に第2の方向に回転される第2ベベルギヤをさらに含み、第2ベベルギヤは、クラッチ部と接続可能に構成されており、プロペラシャフト部は、第2ベベルギヤとクラッチ部とが接続される後進時に、第2ベベルギヤと共に回転するように構成されている。このように構成すれば、大きなトルクが必要のない後進時に、第2ベベルギヤの回転を直接的にプロペラシャフト部に伝達することができるので、後進時に、適切な回転駆動をプロペラシャフト部に伝達することができる。
上記一の局面による舶用推進ユニットにおいて、好ましくは、遊星歯車機構部を収納するハウジング部をさらに備え、遊星歯車機構部は、ハウジング部に固定されたサンギヤをさらに含み、サンギヤは、リングギヤよりも前方に設けられているとともに、ハウジング部と係合するように構成されたフランジ部を有する。このように構成すれば、サンギヤの周りにリングギヤが配置されていても、サンギヤのフランジ部により、サンギヤをリングギヤの外周側のハウジング部に固定することができる。
本発明の一実施形態による船外機が搭載された船舶を示した斜視図である。 図1に示した一実施形態による船外機の構成を説明するための断面図である。 図1に示した一実施形態による船外機のロワーケース内の構成を説明するための断面図である。 図1に示した一実施形態による船外機の遊星歯車機構部周辺の構成を説明するための断面図である。 図4の100−100線に沿った断面図である。 図1に示した一実施形態による船外機の前進時における遊星歯車機構部周辺を示した断面図である。 図1に示した一実施形態による船外機の後進時における遊星歯車機構部周辺を示した断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1〜図5を参照して、本発明の一実施形態による船舶1に搭載された船外機3の構成について説明する。なお、図中、FWDは、船舶の前進方向を示しており、BWDは、船舶の後進方向を示している。
本実施形態による船舶1には、図1に示すように、水面に浮かべられる船体2と、船体2の後部に取り付けられ、船体2を推進するための船外機3と、船体2を操舵するための操舵部4と、操舵部4の近傍に配置され、船体2を前後方向に推進可能なコントロールレバー部5とが設けられている。なお、船外機3は、本発明の「舶用推進ユニット」の一例である。
船外機3は、船体2のトランサムボード2aに取り付けられている。船外機3は、図2に示すように、エンジン30と、エンジン30の下方に延びるように配置され、エンジン30の駆動力を伝達するドライブシャフト部31と、ドライブシャフト部31と直交(交差)する方向に延びる1本のプロペラシャフト部32と、プロペラシャフト部32の後端部に取り付けられ、プロペラシャフト部32と共に回転される1つのプロペラ33とを含んでいる。また、本実施形態では、船外機3は、さらに、プロペラシャフト部32の回転中心軸線L1上で、かつ、ドライブシャフト部31よりも前方(矢印FWD方向)に配置され、前進時に、プロペラシャフト部32の回転を減速する遊星歯車機構部34を含んでいる。また、船外機3のプロペラ33は、B方向に回転された場合に、前方に向かって推力を発生するように構成されているとともに、C方向に回転された場合に、後方に向かって推力を発生するように構成されている。
次に、エンジン30および遊星歯車機構部34などの駆動系の構造について説明する。エンジン30は、カウリング301に収納されている。エンジン30には、軸線L2を中心にA方向に回転するクランク軸30aが設けられている。また、クランク軸30aには、ドライブシャフト部31の上側部分が接続されている。このドライブシャフト部31は、軸線L2上に配置されているとともに、クランク軸30aと共にA方向に回転するように構成されている。また、ドライブシャフト部31は、アッパーケース302およびロワーケース303に収納されている。なお、ロワーケース303は、本発明の「ハウジング部」の一例である。
ここで、本実施形態では、図3に示すように、ドライブシャフト部31の下端部には、ベベルギヤ310がドライブシャフト部31と共にA方向に回転するように取り付けられている。なお、ベベルギヤ310は、本発明の「減速機構部」および「出力ギヤ」の一例である。なお、本実施形態では、A方向は、平面的に見た場合の時計回り方向である。このベベルギヤ310は、図4に示すように、矢印FWD方向の下側に配置された前側ベベルギヤ311の歯車部311aと噛合されているとともに、矢印BWD方向の下側に配置された後側ベベルギヤ312の歯車部312aと噛合されている。なお、前側ベベルギヤ311は、本発明の「減速機構部」および「第1ベベルギヤ」の一例であり、後側ベベルギヤ312は、本発明の「減速機構部」および「第2ベベルギヤ」の一例である。
前側ベベルギヤ311は、ベベルギヤ310がA方向に回転されるのに伴って、プロペラシャフト部32の回転中心軸線L1を中心にB方向に回転されるように構成されている。ベベルギヤ310と前側ベベルギヤ311とのギヤ比は約1.75であり、ベベルギヤ310の回転は、減速されて前側ベベルギヤ311に伝達される。また、後側ベベルギヤ312は、ベベルギヤ310がA方向に回転されるのに伴って、プロペラシャフト部32の回転中心軸線L1を中心にB方向とは反対方向のC方向に回転されるように構成されている。ベベルギヤ310と後側ベベルギヤ312とのギヤ比は、ベベルギヤ310と前側ベベルギヤ311とのギヤ比と同様に約1.75であり、ベベルギヤ310の回転は、減速されて後側ベベルギヤ312に伝達される。なお、B方向は、本発明の「第1の方向」の一例であり、C方向は、本発明の「第2の方向」の一例である。また、本実施形態では、B方向は、プロペラシャフト部32を船外機3の後方側(矢印BWD方向側)から見た場合の時計回り方向であり、C方向は、プロペラシャフト部32を船外機3の後方側から見た場合の反時計回り方向である。
また、前側ベベルギヤ311は、前方向の荷重を受けるスラストベアリング313aと、回転方向の荷重を受けるベアリング313bとにより支持されている。また、前側ベベルギヤ311の前側(矢印FWD方向側)の内周面には、スプライン溝311bが形成されている。このスプライン溝311bには、伝達部材314のスプライン溝314aが係合されている。伝達部材314は、スプライン溝311bおよびスプライン溝314aが噛み合うことにより、前側ベベルギヤ311と共に回転されるように構成されており、前側ベベルギヤ311の回転を後述する遊星歯車機構部34のリングギヤ341に伝達する機能を有する。なお、伝達部材314は、本発明の「減速機構部」および「第3伝達部」の一例である。また、伝達部材314は、後述する遊星歯車機構部34のキャリア344の少なくとも一部の外周部分を囲むように配置されている。
また、後側ベベルギヤ312は、ベアリング315に嵌め込まれている。このベアリング315は、ハウジング部304を介してロワーケース303に固定されており、後側ベベルギヤ312が回転中心軸線L1を中心に回転された際にも、後側ベベルギヤ312を安定して支持することが可能なように構成されている。また、後側ベベルギヤ312は、後述するドッグクラッチ323と接続可能に構成されている。具体的には、後側ベベルギヤ312の歯車部312aの回転中心軸線L1側の部分には、後述するドッグクラッチ323の後側ドッグ323bに対して係合および離間可能なドッグ部312bが設けられている。
また、プロペラシャフト部32は、前側ベベルギヤ311と後側ベベルギヤ312との回転軸側の部分に、前側ベベルギヤ311および後側ベベルギヤ312に対して空転可能に配置されている。また、プロペラシャフト部32の矢印FWD方向側には、回転中心軸線L1に沿った挿入穴32aが形成されている。また、プロペラシャフト部32の外周面には、挿入穴32aと直交する貫通穴32bが形成されている。貫通穴32bは、前後方向(矢印FWD方向および矢印BWD方向)に延びる長穴状に形成されている。
プロペラシャフト部32の回転中心軸線L1に沿った挿入穴32aには、円筒形状のスライド部材321が前後方向(矢印FWD方向および矢印BWD方向)にスライド可能に挿入されている。また、スライド部材321の貫通穴32bに対応する部分には、棒状の連結部材322がスライド部材321と直交する方向に延びるように取り付けられている。この連結部材322は、プロペラシャフト部32の外周面よりも外側に突出するように配置されている。また、連結部材322は、スライド部材321と固定されているので、スライド部材321が挿入穴32aに沿ってスライドされると共に貫通穴32bを前後方向にスライドされるように構成されている。
また、連結部材322の両端部には、ドッグクラッチ323が固定されているとともに、ドッグクラッチ323の矢印FWD方向側には、伝達部材324が設けられている。なお、ドッグクラッチ323は、本発明の「第2伝達部」および「クラッチ部」の一例であり、伝達部材324は、本発明の「クラッチ部」および「第1伝達部」の一例である。ドッグクラッチ323は、後述する遊星歯車機構部34のキャリア344と共にB方向(船体2が前進するためのプロペラ33の回転方向:以下、単純に「前進方向」とする。)に回転される伝達部材324の駆動回転を接続および切断可能に構成されている。
具体的には、ドッグクラッチ323は、プロペラシャフト部32の外周面とスプライン係合されており、連結部材322と共に回転中心軸線L1を中心に回転するとともにプロペラシャフト部32に対して前後方向にスライド可能に構成されている。また、ドッグクラッチ323の矢印FWD方向側の端部には、前側ドッグ323aが設けられているとともに、ドッグクラッチ323の矢印BWD方向側の端部には、後側ドッグ323bが設けられている。そして、ドッグクラッチ323は、矢印FWD方向にスライドされることによって、前側ドッグ323aが伝達部材324のドッグ部324aと係合されるように構成されている。
これに対して、ドッグクラッチ323は、矢印BWD方向にスライドされることによって、後側ドッグ323bが後側ベベルギヤ312のドッグ部312bに係合されるように構成されている。後側ベベルギヤ312に係合された場合には、後側ベベルギヤ312のC方向(船体2が後進するためのプロペラ33の回転方向:以下、単純に「後進方向」とする。)の回転を、プロペラシャフト部32に伝達することが可能である。つまり、ドッグクラッチ323および伝達部材324は、ドッグクラッチ323が前後方向に移動することによって、プロペラシャフト部32の回転方向を切り替える機能を有する。その結果、船体2を前進および後進のいずれかに切り替えることが可能となる。
また、スライド部材321の前端部には、連結部材325が係合されている。連結部材325は、スライド部材321を前後方向に移動させることにより、ドッグクラッチ323を前後方向に移動させる機能を有する。具体的には、連結部材325には、前後進切替レバー326が係合されている。そして、連結部材325は、前後進切替レバー326が軸線L3を中心に回動されるのに伴って凸部326aが前後方向に移動されることにより、前後方向に移動可能に構成されている。このように、連結部材325が前後方向に移動されるのに伴って、スライド部材321は、前後方向に移動される。
ここで、本実施形態では、遊星歯車機構部34は、ロワーケース303に収納されており、上記したように、プロペラシャフト部32の前方(矢印FWD方向)に主に配置されている。また、遊星歯車機構部34は、上記したように、前進時に、ドライブシャフト部31(前側ベベルギヤ311)の回転を減速してプロペラシャフト部32に伝達可能に構成されている。
次に、遊星歯車機構部34の詳細な構造について説明する。本実施形態では、遊星歯車機構部34は、エンジン30(図2参照)による駆動回転が入力されるリングギヤ341と、ロワーケース303に固定されたサンギヤ342と、リングギヤ341の回転に伴って回転される6つのプラネタリギヤ343(図5参照)と、6つのプラネタリギヤ343を回転可能に支持するとともに、入力された駆動回転が出力されるキャリア344とを含んでいる。
リングギヤ341は、伝達部材314のフランジ部314bと係合されており、プロペラシャフト部32が回転するのに伴って回転されるように構成されている。また、リングギヤ341の内周部分から所定の間隔を隔てた位置には、サンギヤ342が配置されている。サンギヤ342は、回転中心軸線L1と直交する方向に延びるフランジ部342aを有しており、フランジ部342aは、リングギヤ341よりも前方に設けられているとともに、ロワーケース303と係合するように構成されている。また、サンギヤ342は、回転中心軸線L1に沿った開口部342bを有しており、開口部342bには、スライド部材321がB方向およびC方向に回転可能で、かつ、前後方向に移動可能に挿入されている。
また、図5に示すように、6つのプラネタリギヤ343は、それぞれ、リングギヤ341とサンギヤ342との間に配置されている。具体的には、6つのプラネタリギヤ343の各々は、リングギヤ341およびサンギヤ342の両方に噛合されて円状に1列に配置されている。つまり、本実施形態の遊星歯車機構部34は、所謂シングルピニオン型の遊星歯車機構部34である。また、6つのプラネタリギヤ343は、それぞれ、軸部材345を中心にD方向(船体2が前進するためのプラネタリギヤ343の回転方向:以下、単純に「前進方向」とする。)に回転可能に構成されており、軸部材345とプラネタリギヤ343との間には、ブッシュ346が配置されている。
上記のようにリングギヤ341、サンギヤ342および6つのプラネタリギヤ343を構成することによって、サンギヤ342が固定されているので、リングギヤ341がB方向(前進方向)に回転されるのに伴って、6つのプラネタリギヤ343を、軸部材345を中心にD方向(前進方向)に移動させることが可能となる。この場合、6つのプラネタリギヤ343は、サンギヤ342の廻りを回転中心軸線L1を中心にE方向(前進方向)に移動され、プラネタリギヤ343に挿入されている軸部材345は、それぞれ、プラネタリギヤ343と共に回転中心軸線L1を中心にE方向(前進方向)に移動される。
6つの軸部材345は、それぞれ、図4に示すように、回転中心軸線L1を中心に回転可能なキャリア344に固定されている。具体的には、キャリア344は、伝達部材324側に延びる筒状部344aと、筒状部344aの矢印FWD方向側に設けられたフランジ部344bと、フランジ部344bの矢印FWD方向側にフランジ部344bと平行に設けられたフランジ部344cと、フランジ部344bとフランジ部344cとを結合する柱部344d(図5参照)とにより主に構成されている。そして、6つの軸部材345は、それぞれ、キャリア344のフランジ部344bおよびフランジ部344cに固定されている。これにより、6つの軸部材345がサンギヤ342の廻りをE方向(図5参照)(前進方向)に移動される際に、フランジ部344bおよび344cを介して、キャリア344をB方向(図4および図5参照)(前進方向)に回転させることが可能となる。また、キャリア344の筒状部344aの内周面は、伝達部材324の外周面とスプライン嵌合(係合)されており、伝達部材324は、キャリア344がB方向(前進方向)に回転されると共に、B方向(前進方向)に回転される。
また、キャリア344の筒状部344aは、伝達部材314の回転中心軸線L1側に配置されている。キャリア344は、伝達部材314よりも減速されて回転するので、キャリア344の筒状部344aと伝達部材314との間には、ベアリング347が配置されている。また、キャリア344の後端部は、後方に移動しないように、スラストベアリング348を介してサンギヤ342のフランジ部342aに支持されている。
上記のように遊星歯車機構部34を構成することによって、前側ベベルギヤ311の回転を減速してプロペラシャフト部32に伝達することが可能となる。なお、本実施形態による遊星歯車機構部34は、一般的なリングギヤから駆動回転が入力されるとともに、入力された駆動回転がキャリアから出力されるシングルピニオン型の遊星歯車機構部が取りえる減速比約1.20以上約1.80以下の範囲のうち、約1.55の減速比を有するように構成されている。
また、プロペラシャフト部32の後端部には、図3に示すように、1枚のプロペラ33が配置されており、1枚のプロペラ33は、プロペラシャフト部32と共に回転可能にプロペラシャフト部32に対して取り付けられている。
次に、図2、図5〜図7を参照して、船外機3のドライブシャフト部31からプロペラ33までの駆動力の伝達経路について説明する。まず、船体2を前進させる際の駆動力の伝達経路について説明する。この場合、図6に示すように、ドッグクラッチ323の前側ドッグ323aは、伝達部材324のドッグ部324aに係合されている。
図2に示すように、エンジン30のクランク軸30aがA方向に回転されるのに伴って、ドライブシャフト部31は、A方向に回転される。そして、ドライブシャフト部31がA方向に回転されるのに伴って、ドライブシャフト部31の下端部近傍に取り付けられたベベルギヤ310は、A方向に回転される。これにより、図6に示すように、ベベルギヤ310がA方向に回転されるのに伴って、前側ベベルギヤ311は、B方向に回転されるとともに、後側ベベルギヤ312は、C方向に回転される。ここで、ドッグクラッチ323は、後側ベベルギヤ312と係合されていないため、後側ベベルギヤ312は、プロペラシャフト部32に駆動回転を伝達することなく、空転している。その一方で、前側ベベルギヤ311のB方向の回転は伝達部材314に伝達され、伝達部材314はB方向に回転される。
そして、伝達部材314のフランジ部314bから、伝達部材314のB方向の回転が遊星歯車機構部34に伝達される。具体的には、伝達部材314のフランジ部314bと遊星歯車機構部34のリングギヤ341とが係合しているので、リングギヤ341は、伝達部材314と同様にB方向に回転される。これにより、サンギヤ342はロワーケース303に固定されているので、リングギヤ341に噛合されている6つのプラネタリギヤ343は、図5に示すように、それぞれ、D方向に回転される。これにより、6つのプラネタリギヤ343は、それぞれ、回転中心軸線L1を中心にE方向に移動される。そして、6つのプラネタリギヤ343がE方向に移動されるのに伴って、6つのプラネタリギヤ343を支持する6つの軸部材345も回転中心軸線L1を中心にE方向に移動されるので、6つの軸部材345を固定するキャリア344(図6参照)は、6つの軸部材345により、回転中心軸線L1を中心にE方向への力が付与される。その結果、キャリア344は、B方向に回転される。
キャリア344は、筒状部344aが伝達部材324とスプライン嵌合(係合)されているので、伝達部材324は、キャリア344と共にB方向に回転される。これにより、伝達部材324とドッグクラッチ323とは係合しているので、ドッグクラッチ323もB方向に回転される。その結果、プロペラシャフト部32は、ドッグクラッチ323と共にB方向に回転される。この時、上記リングギヤ341からキャリア344までにおいてプロペラシャフト部32の回転は減速されるので、プロペラシャフト部32の回転速度は、前側ベベルギヤ311の回転速度に比べて小さくなっている。そして、図2に示すように、プロペラシャフト部32とプロペラ33とは、一体的に回転するように構成されているので、プロペラシャフト部32がB方向に回転されるのに伴って、プロペラ33はB方向に回転される。これにより、船外機3は、前進方向の推力を発生させることが可能となる。
次に、船体2を後進させる際における船外機3のドライブシャフト部31からプロペラ33までの駆動力の伝達経路について説明する。この場合、ドッグクラッチ323の後側ドッグ323bは、後側ベベルギヤ312のドッグ部312bに係合されている。
図2に示すように、ドライブシャフト部31がA方向に回転されるのに伴って、ドライブシャフト部31の下端部近傍に取り付けられたベベルギヤ310は、A方向に回転される。これにより、図7に示すように、ベベルギヤ310がA方向に回転されるのに伴って、前側ベベルギヤ311は、B方向に回転されるとともに、後側ベベルギヤ312は、C方向に回転される。ここで、ドッグクラッチ323と後側ベベルギヤ312とが係合されているため、後側ベベルギヤ312のC方向の回転はプロペラシャフト部32に伝達され、プロペラシャフト部32はC方向に回転される。その一方で、ドッグクラッチ323と伝達部材314とは切断されているため、前側ベベルギヤ311の回転は、プロペラシャフト部32に伝達されない。そして、図2に示すように、プロペラシャフト部32とプロペラ33とは、一体的に回転するように構成されているので、プロペラシャフト部32がC方向に回転されるのに伴って、プロペラ33はC方向に回転される。これにより、船外機3は、後進方向の推力を発生させることが可能となる。
本実施形態では、上記のように、遊星歯車機構部34に、エンジン30による駆動回転が入力されるリングギヤ341と、複数のプラネタリギヤ343を支持するとともに、入力された駆動回転が減速されて出力されるキャリア344とを設けることによって、ドライブシャフト部31の駆動回転を、加速する際および高速走行する際に必要な高いトルクを有した状態で、プロペラシャフト部32に伝達することができる。これにより、加速および高速走行する通常走行時に高トルクの駆動力をプロペラ33に伝達することができる。
また、本実施形態では、上記のように、ロワーケース303に固定されたサンギヤ342を含む遊星歯車機構部34を、複数のプラネタリギヤ343の各々がリングギヤ341およびサンギヤ342の両方に噛合されて円状に1列(所謂シングルピニオン型)に配置されるように構成することによって、たとえば、複数のプラネタリギヤ343の各々が円状に2列に配置された構成の所謂ダブルピニオン型の遊星歯車機構部と比べて、遊星歯車機構部34のリングギヤ341の周りの径が大きくなるのを抑制することができる。これにより、遊星歯車機構部34近傍の構造が大きくなるのを抑制することができる。また、遊星歯車機構部34を、複数のプラネタリギヤ343の各々がリングギヤ341およびサンギヤ342の両方に噛合されて円状に1列(所謂シングルピニオン型)に配置されるように構成することによって、加速および高速走行する通常走行時に適した減速比(約1.55)を得ることができる。
また、本実施形態では、上記のように、プロペラシャフト部32の回転方向が切り替えられるのに伴って、前進および後進のいずれかに切替可能なドッグクラッチ323および伝達部材324を設けるとともに、ドッグクラッチ323および伝達部材324を、前進時に、遊星歯車機構部34のキャリア344から出力される駆動回転をプロペラシャフト部32に伝達可能に構成することによって、ドッグクラッチ323および伝達部材324により、前進および後進を容易に切り替えることができるとともに、前進時に、遊星歯車機構部34により減速された駆動回転をプロペラシャフト部32に伝達することができる。
また、本実施形態では、上記のように、遊星歯車機構部34を、キャリア344の筒状部344aの内周面と伝達部材324の外周面とがスプライン嵌合(係合)することにより伝達部材324と接続することによって、キャリア344の筒状部344aの内周面と伝達部材324の外周面とが係合することにより、キャリア344と伝達部材324とを一体的に回転させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、伝達部材314を、キャリア344の少なくとも一部(筒状部344a)の外周部分を囲むように配置することによって、容易に、キャリア344よりも外周部分に位置するリングギヤ341に伝達部材314を接続することができる。
また、本実施形態では、上記のように、プロペラシャフト部32を、後側ベベルギヤ312とドッグクラッチ323とが接続される後進時に、後側ベベルギヤ312と共に回転するように構成することによって、大きなトルクが必要のない後進時に、後側ベベルギヤ312の回転を直接的にプロペラシャフト部32に伝達することができるので、後進時に、適切な回転駆動をプロペラシャフト部32に伝達することができる。
また、本実施形態では、上記のように、サンギヤ342を、リングギヤ341よりも前方に、ロワーケース303と係合するように構成されたフランジ部342aを設けることによって、サンギヤ342の周りにリングギヤ341が配置されていても、サンギヤ342のフランジ部342aにより、サンギヤ342をリングギヤ341の外周側のロワーケース303に固定することができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、舶用推進ユニットの一例としてエンジンおよびプロペラが船体の外側に配置された船外機を備えた例を示したが、本発明はこれに限らず、エンジンが船体に固定されたスタンドライブ、エンジンおよびプロペラが船体に固定された船内機などを備えた他の舶用推進ユニットにも適用可能である。また、船体に2機以上の船外機を取り付けてもよい。
また、上記実施形態では、前側ベベルギヤの回転駆動を、伝達部材を介してリングギヤに伝達した例について示したが、本発明はこれに限らず、前側ベベルギヤの回転駆動を、直接的にリングギヤに伝達するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、伝達部材とドッグクラッチとを係合させることにより、キャリアから出力される回転駆動をプロペラシャフト部に伝達した例について示したが、本発明はこれに限らず、ドッグクラッチをキャリアと直接的に係合させることにより、キャリアから出力される回転駆動をプロペラシャフト部に伝達するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、前側ベベルギヤと伝達部材とをスプライン嵌合(係合)により互いに接続した例について示したが、本発明はこれに限らず、たとえば、前側ベベルギヤと伝達部材との両方にピンを挿入したり、前側ベベルギヤと伝達部材とにキーおよびキー溝を設けたりすることにより、互いに接続するなど、前側ベベルギヤと伝達部材とをスプライン嵌合以外の接続方向により接続してもよい。
3 船外機(舶用推進ユニット)
30 エンジン
31 ドライブシャフト部
32 プロペラシャフト部
33 プロペラ
34 遊星歯車機構部
303 ロワーケース(ハウジング部)
310 ベベルギヤ(出力ギヤ、減速機構部)
311 前側ベベルギヤ(第1ベベルギヤ、減速機構部)
312 後側ベベルギヤ(第2ベベルギヤ、減速機構部)
314 伝達部材(第3伝達部)
323 ドッグクラッチ(第2伝達部、クラッチ部)
324 伝達部材(第1伝達部、クラッチ部)
341 リングギヤ
342 サンギヤ
342a フランジ部
343 プラネタリギヤ
344 キャリア
344a 筒状部

Claims (9)

  1. エンジンと、
    前記エンジンの下方に延びるドライブシャフト部と、
    前記ドライブシャフト部と交差する方向に延びる1本のプロペラシャフト部と、
    前記プロペラシャフト部の後部に設けられ、前記プロペラシャフト部と共に回転される1つのプロペラと、
    少なくとも前記プロペラシャフト部の回転中心軸線および前記回転中心軸線の延長線上で、かつ、ドライブシャフト部よりも前方に配置され、前進時に、前記プロペラシャフト部の回転を減速する遊星歯車機構部とを備え、
    前記遊星歯車機構部は、前記エンジンによる駆動回転が入力されるリングギヤと、前記リングギヤの回転に伴って回転される複数のプラネタリギヤと、前記複数のプラネタリギヤを支持するとともに、前記入力された駆動回転が出力されるキャリアとを含む、舶用推進ユニット。
  2. 前記遊星歯車機構部を収納するハウジング部をさらに備え、
    前記遊星歯車機構部は、前記ハウジング部に固定されたサンギヤをさらに含み、
    前記複数のプラネタリギヤの各々が前記リングギヤおよび前記サンギヤの両方に噛合されて円状に1列に配置されるように構成されている、請求項1に記載の舶用推進ユニット。
  3. 前記プロペラシャフト部の回転方向が切り替えられるのに伴って、前進および後進のいずれかに切替可能なクラッチ部をさらに備え、
    前記クラッチ部は、前進時に、前記遊星歯車機構部のキャリアから出力される駆動回転を前記プロペラシャフト部に伝達可能に構成されている、請求項1または2に記載の舶用推進ユニット。
  4. 前記クラッチ部は、前記キャリアと共に回転するように構成された第1伝達部と、前記プロペラシャフト部と共に回転するように構成されているとともに、前記第1伝達部の駆動回転を接続および切断可能に構成された第2伝達部とを含む、請求項3に記載の舶用推進ユニット。
  5. 前記キャリアは、前記第1伝達部側に延びる筒状部を有しており、
    前記遊星歯車機構部は、前記キャリアの筒状部の内周面と前記第1伝達部の外周面とが係合することにより前記クラッチ部と接続されている、請求項4に記載の舶用推進ユニット。
  6. 前記ドライブシャフト部の回転を減速して前記リングギヤに伝達可能な減速機構部をさらに備え、
    前記減速機構部は、前記ドライブシャフト部の下端部近傍に設けられ、前記ドライブシャフト部と共に回転する出力ギヤと、前記出力ギヤと噛合され、前記プロペラシャフト部の回転中心軸線を中心に第1の方向に回転される第1ベベルギヤと、前記第1ベベルギヤと共に回転するように構成されているとともに、前記第1ベベルギヤの回転を前記リングギヤに伝達する第3伝達部とを含む、請求項1〜5の少なくとも1項に記載の舶用推進ユニット。
  7. 前記第3伝達部は、前記キャリアの少なくとも一部の外周部分を囲むように配置されている、請求項6に記載の舶用推進ユニット。
  8. 前記減速機構部は、前記出力ギヤと噛合され、前記プロペラシャフト部の回転中心軸線を中心に第2の方向に回転される第2ベベルギヤをさらに含み、
    前記第2ベベルギヤは、前記クラッチ部と接続可能に構成されており、
    前記プロペラシャフト部は、前記第2ベベルギヤと前記クラッチ部とが接続される後進時に、前記第2ベベルギヤと共に回転するように構成されている、請求項3に記載の舶用推進ユニット。
  9. 前記遊星歯車機構部を収納するハウジング部をさらに備え、
    前記遊星歯車機構部は、前記ハウジング部に固定されたサンギヤをさらに含み、
    前記サンギヤは、前記リングギヤよりも前方に設けられているとともに、前記ハウジング部と係合するように構成されたフランジ部を有する、請求項1〜8に記載の舶用推進ユニット。
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