JP2010170640A - ワイピングテープおよびワイピング方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ワイピングテープ由来の糸くずによる磁気ディスクの汚染を抑えつつ、磁気ディスクの表面を清浄化することができるワイピングテープ、およびワイピング方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明のワイピングテープ1は、磁気ディスクのワイピング工程に用いられるものであり、不織布、織布または編布のいずれかを主材料とする支持体2と、該支持体2上に形成された液体潤滑層3とを有している。前記液体潤滑層3は、パーフルオロポリエーテル構造を有する化合物を主材料として構成されている。
【選択図】図1
【解決手段】本発明のワイピングテープ1は、磁気ディスクのワイピング工程に用いられるものであり、不織布、織布または編布のいずれかを主材料とする支持体2と、該支持体2上に形成された液体潤滑層3とを有している。前記液体潤滑層3は、パーフルオロポリエーテル構造を有する化合物を主材料として構成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えばハードディスク装置に用いられる磁気ディスクの表面に付着した汚れを拭き取るワイピング工程に用いられるワイピングテープおよびワイピング方法に関するものである。
ハードディスク装置に用いられる磁気ディスクの記録密度はますます高まり、磁気記録面上を浮上走行するヘッドの低浮上化に対応できるよう、磁気ディスクの表面には高い平坦度が求められる。そのため、磁気ディスクの製造工程においては、非磁性基板に磁性層や保護層を形成した後、その表面に形成または付着した汚れを除去するため、磁気ディスク表面を、ワイピングテープを用いて拭くワイピング工程が設けられている。
ワイピング工程は、例えば、布製のワイピングテープ等を用いて行なわれ、このワイピングテープを媒体表面に対して相対走行させつつ、ゴム製のコンタクトロールまたはパッドによってワイピングテープ表面を媒体表面に押し当てることにより、媒体表面を軽く拭く工程である。このような処理を行うことにより、媒体表面の汚れ等が除去されるので、例えば磁気ディスクが用いられるハードディスク装置等では、磁気ヘッドの浮上量をより小さくすることが可能となる(例えば、特許文献1参照。)。
ここで、ワイピング工程に用いられるワイピングテープとしては、超極細繊維よりなる布帛を帯状にスリットしたワイピングテープや、超極細繊維マルチフィラメント糸の織編物等が用いられる。
ここで、ワイピング工程に用いられるワイピングテープとしては、超極細繊維よりなる布帛を帯状にスリットしたワイピングテープや、超極細繊維マルチフィラメント糸の織編物等が用いられる。
また、このようなワイピングテープを用いる磁気ディスクのワイピング方法は、具体的には、磁気ディスクを回転させつつ、この磁気ディスクの磁性層側の面に、ワイピングテープの表面(拭き面)を押し当てることにより行われる。これにより、磁気ディスク表面の汚れが拭き取られ、表面が清浄化する。ここで、ワイピングテープは、供給リールと巻取りリールとの間に掛け渡されており、供給リールから順次供給され、巻取りリールに巻き取られる。そして、この供給リール側から巻取りリール側に走行する途中で、ワイピングテープは、拭き面と反対側の面(裏面)がゴム等のバッキングロールまたはフェルト等により押圧され、その拭き面が磁気ディスクの表面に押し当てられる。
現在、磁気ディスクの記録密度はますます高まり、その要求に応えるため磁気ヘッドと磁気ディスクとの距離が狭くなっている。そのため、上記のワイピング工程での磁気ディスク表面の汚染が問題となってきている。
本発明者の検討によると、磁気ディスク表面の汚染物質の中に糸くずが含まれており、この糸くずが、ワイピング工程で使用されるワイピングテープ由来の糸であることが明らかになった。すなわち、磁気ディスク表面の汚染物質をワイピング工程によって除去するに際し、ワイピングテープから糸くずが脱落して磁気ディスク表面に付着し、磁気ディスク表面を汚染させていることが明らかになった。
本発明者の検討によると、磁気ディスク表面の汚染物質の中に糸くずが含まれており、この糸くずが、ワイピング工程で使用されるワイピングテープ由来の糸であることが明らかになった。すなわち、磁気ディスク表面の汚染物質をワイピング工程によって除去するに際し、ワイピングテープから糸くずが脱落して磁気ディスク表面に付着し、磁気ディスク表面を汚染させていることが明らかになった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ワイピングテープから脱落した糸くずによるディスクの汚染を抑えつつ、ディスクの表面を清浄化することができるワイピングテープおよびワイピング方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意努力検討した結果、ディスクのワイピング工程に使用するワイピングテープにおいて、ワイピングテープを構成する不織布、織布または編布の表面を、パーフルオロポリエーテル構造を有する化合物を含有する液体潤滑層で覆うことにより、ワイピングテープからの糸くずの脱落が抑えられ、ワイピングテープによるディスク表面の汚染を少なくできることを見出し、本発明に到達した。
(1)本発明のワイピングテープは、ディスク表面の汚れを拭き取るワイピングテープであって、不織布、織布、編布のいずれかを主材料とする支持体と、該支持体上に形成されたパーフルオロポリエーテル構造を有する化合物を含む液体潤滑層とを有することを特徴とする。
(2)本発明のワイピングテープは、実質的に研磨力を有さないことを特徴とする。
(1)本発明のワイピングテープは、ディスク表面の汚れを拭き取るワイピングテープであって、不織布、織布、編布のいずれかを主材料とする支持体と、該支持体上に形成されたパーフルオロポリエーテル構造を有する化合物を含む液体潤滑層とを有することを特徴とする。
(2)本発明のワイピングテープは、実質的に研磨力を有さないことを特徴とする。
(3)本発明のワイピング方法は、回転しているディスクの表面にワイピングテープの表面を押し当てた状態で、前記ワイピングテープを前記ディスクの表面に対して相対走行させることにより、前記ディスク表面の汚れを拭き取るディスクのワイピング方法であって、
前記ワイピングテープとして、前記(1)又は(2)に記載のワイピングテープを用いることを特徴とする。
前記ワイピングテープとして、前記(1)又は(2)に記載のワイピングテープを用いることを特徴とする。
本発明のワイピングテープによれば、ワイピングテープを構成する支持体(不織布等)上にパーフルオロポリエーテル系化合物を含有する液体潤滑層が設けられていることにより、ディスクのワイピング工程を行うに際して、支持体(不織布等)から脱落した糸くず、および、ディスク表面からワイピングテープに移行した汚染物質が、該ワイピングテープに確実に保持され、これら汚染物質がワイピングテープからディスクに付着・再付着するのが抑えられる。また、ワイピングテープのディスク表面に対する動摩擦力が低減するため、このことも支持体からの糸くずの脱落及び脱落した糸くずのディスクへの付着を抑制するように作用する。したがって、ワイピングテープ由来の糸くずによるディスク表面の汚染を抑えつつ、ディスクの表面を清浄化することができる。
また、この液体潤滑層に含まれるパーフルオロポリエーテル系化合物は、例えば、磁気ディスク表面に塗布する潤滑剤として一般的に用いられるため、仮にワイピングテープの液体潤滑層から磁気ディスクに転写されても悪影響がないという利点がある。
また、本発明のワイピング方法によれば、このような効果を有するワイピングテープを用いているため、ワイピングテープ由来の糸くずによるディスク表面の汚染を抑えつつ、ディスクの表面を清浄化することができる。
また、この液体潤滑層に含まれるパーフルオロポリエーテル系化合物は、例えば、磁気ディスク表面に塗布する潤滑剤として一般的に用いられるため、仮にワイピングテープの液体潤滑層から磁気ディスクに転写されても悪影響がないという利点がある。
また、本発明のワイピング方法によれば、このような効果を有するワイピングテープを用いているため、ワイピングテープ由来の糸くずによるディスク表面の汚染を抑えつつ、ディスクの表面を清浄化することができる。
以下、本発明のワイピングテープ、およびワイピング方法について説明する。
(ワイピングテープ)
まず、本発明のワイピングテープの実施形態について説明する。
図1は、本発明のワイピングテープの実施形態を示す縦断面図である。
本発明のワイピングテープ1は、磁気ディスク10の表面に対して相対走行させつつ、その拭き面S(コーティング層の表面)を磁気ディスク10の表面に押し当てることにより、磁気ディスク10の表面に存在する汚染物質を除去し、表面を清浄化するものである。
図1に示すように、このワイピングテープ1は、支持体2と、該支持体2上に設けられた液体潤滑層3を有している。
(ワイピングテープ)
まず、本発明のワイピングテープの実施形態について説明する。
図1は、本発明のワイピングテープの実施形態を示す縦断面図である。
本発明のワイピングテープ1は、磁気ディスク10の表面に対して相対走行させつつ、その拭き面S(コーティング層の表面)を磁気ディスク10の表面に押し当てることにより、磁気ディスク10の表面に存在する汚染物質を除去し、表面を清浄化するものである。
図1に示すように、このワイピングテープ1は、支持体2と、該支持体2上に設けられた液体潤滑層3を有している。
支持体2は、多数の繊維(糸)2aを集合させて薄くシート状に加工してなるものであり、具体的には不織布、織布または編布を主材料として構成されている。
このような支持体2は、その表面に、糸2aの形状や糸の折り目によって形成された凹凸が形成されている。このワイピングテープ1は、このように表面に形成された凹凸により、磁気ディスク10の表面に存在する汚染物質を払拭し、除去する。なお、以下の説明では、この支持体2の液体潤滑層3が設けられた側の表面を、「拭き面S」と称する場合がある。
支持体2を構成する糸2aとしては、特に限定されず、例えば、ナイロン(ポリアミド系樹脂)、ポリエステル、又はポリプロピレンよりなる極細繊維等が使用される。
このような支持体2は、その表面に、糸2aの形状や糸の折り目によって形成された凹凸が形成されている。このワイピングテープ1は、このように表面に形成された凹凸により、磁気ディスク10の表面に存在する汚染物質を払拭し、除去する。なお、以下の説明では、この支持体2の液体潤滑層3が設けられた側の表面を、「拭き面S」と称する場合がある。
支持体2を構成する糸2aとしては、特に限定されず、例えば、ナイロン(ポリアミド系樹脂)、ポリエステル、又はポリプロピレンよりなる極細繊維等が使用される。
このうちナイロン極細繊維を構成する樹脂としては、ナイロン樹脂、すなわち、ポリアミド系樹脂であれば特に限定されることなく、各種のホモポリアミド、コポリアミドが使用され得る。これらのナイロン樹脂としては、具体的には、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロン9、ナイロン11、ナイロン12(いずれもデュポン社製、商品名)等の他、ポリメタキシレンアジポアミド(MXD)、パラシクロヘキシルジアミンアジパミド等を挙げることができ、又各種の共縮合ポリアミド、ポリアミドブレンドもナイロン樹脂として使用することが出来る。
ポリエステル極細繊維を構成するポリエステル樹脂としては、これも繊維用に使用される飽和ポリエステル樹脂であれば、特に限定されることなくいずれの樹脂でも使用され得る。このポリエステル樹脂としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のホモポリエステルの他、ポリエチレンテレフタレート・イソフタレート、ポリエチレンテレフタレート・セバケート、ポリエチレンテレフタレート・アジペート、ポリテトラメチレンテレフタレート・イソフタレート、その他のコポリエステル及びこれらホモポリエステルとコポリエステルのブレンド物等を挙げることができる。
ポリプロピレン極細繊維を構成するポリプロピレン樹脂としては、繊維形成用に供される、結晶性ポリプロピレンホモポリマー、すなわちアイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレンの他、プロピレン単位を主体とし、これに少量の他の単量体、例えばエチレン、ブテン等のオレフィン類、又はアクリルニトリル、アクリル酸、その他の共重合性単量体を共重合させたプロピレン主体の繊維用共重合体樹脂を挙げることが出来る。
これらの極細繊維は、1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用しても構わない。
本発明で支持体2を構成する極細繊維の単繊維径(糸2aの糸径L)は、5μm以下、好ましくは0.1μm〜3μmの範囲であることが好ましい。
支持体の糸径Lがこのような範囲とされていることにより、ワイピングテープ1は優れた払拭効果を発揮することができる。
これらの極細繊維は、1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用しても構わない。
本発明で支持体2を構成する極細繊維の単繊維径(糸2aの糸径L)は、5μm以下、好ましくは0.1μm〜3μmの範囲であることが好ましい。
支持体の糸径Lがこのような範囲とされていることにより、ワイピングテープ1は優れた払拭効果を発揮することができる。
本発明のワイピングテープ1では、支持体2を構成する不織布、織布または編布の表面が、パーフルオロポリエーテル構造を有する化合物(パーフルオロポリエーテル系化合物)を含有する液体潤滑層3によって被覆されているところに特徴がある。
液体潤滑層3は、支持体2の表面から脱落した糸くずをワイピングテープ1に保持する効果に加えて、ワイピング工程において、磁気ディスク10表面からワイピングテープ1に移行した汚染物質を、該ワイピングテープ1に保持する効果を有する。また、動摩擦力を下げることができるので、ワイピングテープ成分の脱落、磁気ディスク10への付着がより抑えられる。したがって、このような液体潤滑層3を有するワイピングテープ1では、該ワイピングテープ1由来の糸くずによる磁気ディスク10の汚染を抑えつつ、磁気ディスク10の表面を清浄化することができる。
また、この液体潤滑層3では、特に、液体潤滑剤としてパーフルオロポリエーテル系化合物を用いている。これにより、次のような効果が得られる。
すなわち、支持体2表面を液体潤滑剤で覆った場合、ワイピング工程で、支持体2表面の液体潤滑剤が磁気ディスク10に転写される場合がある。ここで、パーフルオロポリエーテル構造を有する化合物は、磁気ディスク10表面に塗布する潤滑剤として一般的に用いられるため、仮にワイピングテープ1の液体潤滑剤が磁気ディスク10に転写されても問題が生じないという利点がある。
すなわち、支持体2表面を液体潤滑剤で覆った場合、ワイピング工程で、支持体2表面の液体潤滑剤が磁気ディスク10に転写される場合がある。ここで、パーフルオロポリエーテル構造を有する化合物は、磁気ディスク10表面に塗布する潤滑剤として一般的に用いられるため、仮にワイピングテープ1の液体潤滑剤が磁気ディスク10に転写されても問題が生じないという利点がある。
ここで用いるパーフルオロポリエーテル系化合物は、例えば、以下の化学式(1)、化学式(2)、化学式(3)、化学式(4)で表される構造を含む化合物である。
なお、前記化学式(1)〜(4)の化合物としては、例えば、Fomblin Z−DOL(商品名、Solvay Solexis社製)、Fomblin Z−TETRAOL(商品名、Solvay Solexis社製)、またはこれらの関連物質を出発原料として合成、精製して得た反応生成物等が挙げられる。
液体潤滑層3に含有させるパーフルオロポリエーテル系化合物としては、このうち、下記化学式(5)で示され、pは4〜60の範囲の整数、qは4〜60の範囲の整数とし、平均分子量が1000〜8000の範囲内の化合物を用いるのが好ましい。
液体潤滑層3に含有させるパーフルオロポリエーテル系化合物としては、このうち、下記化学式(5)で示され、pは4〜60の範囲の整数、qは4〜60の範囲の整数とし、平均分子量が1000〜8000の範囲内の化合物を用いるのが好ましい。
これにより、ワイピング工程に際して、支持体2から脱落した糸くず、および、磁気ディスク10表面からワイピングテープに移行した汚染物質を、該ワイピングテープ1に確実に保持することができ、これら汚染物質がワイピングテープ1から磁気ディスク10に付着・再付着するのをより確実に抑えることができる。
液体潤滑層3は、このようなパーフルオロポリエーテル系化合物のみで構成されていてもよく、この他の液体潤滑剤(第2の液体潤滑剤)を含有していても構わない。
第2の液体潤滑剤としては、下記化学式(6)に記載される化合物等が挙げられる。
第2の液体潤滑剤としては、下記化学式(6)に記載される化合物等が挙げられる。
[上記一般式(1)中、xは1〜5の整数であり、R1は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のハロゲン化アルキル基のいずれかであり、R2は末端基が−CH2OHまたは−CH(OH)CH2OHの置換基である。]
液体潤滑層3に第2の液体潤滑剤を含有させる場合、第2の液体潤滑剤の割合は、第1の液体潤滑剤の質量(A)と第2の液体潤滑剤の質量(B)の比(B/A)で、0.05〜0.9の範囲内とするのが好ましい。
液体潤滑層3に第2の液体潤滑剤を含有させる場合、第2の液体潤滑剤の割合は、第1の液体潤滑剤の質量(A)と第2の液体潤滑剤の質量(B)の比(B/A)で、0.05〜0.9の範囲内とするのが好ましい。
これにより、パーフルオロポリエーテル系化合物によって得られる効果を確実に発揮させつつ、付加的に、第2の液体潤滑剤を用いる利点も得ることができる。
支持体2表面に液体潤滑層3を形成する方法としては、支持体2上に、液体潤滑剤または潤滑剤を溶剤に溶解した潤滑剤溶液を塗布する方法等を用いることができる。液体潤滑層3の厚さは、0.0001μm〜10μmの範囲とすることが好ましく、より好ましくは、0.001μm〜1μmの範囲内とする。液体潤滑剤層3の厚さが薄すぎると磁気ディスクへの糸くずの付着を防ぐ効果が低下し、厚すぎるとワイピング表面の液体潤滑剤が磁気ディスクに転写され、この液体潤滑剤に捕獲された糸くずも磁気ディスクに転写されやすくなる。
以上のようなワイピングテープ1は、実質的に研磨力を有さないことが好ましい。これにより、このワイピングテープ1を用いてワイピング工程を行った際に、磁気ディスク10表面に研磨傷が発生するのを防止することができ、磁気ディスク10表面の平坦度や記録再生特性を確実に保持することができる。ワイピングテープ1の研磨力は、具体的には、支持体2に用いる各糸2aの硬度や糸径L等によって制御することができる。
次に、本発明のワイピング方法について説明する。
図2は、本発明のワイピング方法で用いられるワイピング装置の一例を示す模式図、図3は、本発明のワイピング方法によってワイピングされる磁気ディスクの一例を示す縦断面図である。
本発明のワイピング方法では、磁気ディスク10の表面に、ワイピングテープ1の拭き面S(液体潤滑層3の表面)を押し当てて拭くことによって、磁気ディスク10表面の汚れを除去する。
図2は、本発明のワイピング方法で用いられるワイピング装置の一例を示す模式図、図3は、本発明のワイピング方法によってワイピングされる磁気ディスクの一例を示す縦断面図である。
本発明のワイピング方法では、磁気ディスク10の表面に、ワイピングテープ1の拭き面S(液体潤滑層3の表面)を押し当てて拭くことによって、磁気ディスク10表面の汚れを除去する。
まず、本発明のワイピング方法が適用される磁気ディスクの一例について、図3を参照しながら説明する。
図3に示す磁気ディスク10は、非磁性基板11の両方の主面に、下地層12、中間層13、磁性層14、保護層15が順次積層され、最上層に潤滑剤層16が設けられて概略構成されている。
図3に示す磁気ディスク10は、非磁性基板11の両方の主面に、下地層12、中間層13、磁性層14、保護層15が順次積層され、最上層に潤滑剤層16が設けられて概略構成されている。
非磁性基板11の材料としては、通常、磁気ディスク10の基板に用いられる非磁性のアルミ合金材料、ガラス材料等を何ら制限無く用いることができる。例えば、ガラス材料としては、通常のソーダガラス、アルミノシリケート系ガラス、非結晶ガラス類等が挙げられる。また、アルミ合金材料としては、Alを主成分としたAl−Mg合金等が挙げられる。これ以外に、非磁性基板11の材料には、シリコン、チタン、セラミックス、各種樹脂材料等、非磁性材料であれば任意のものを用いることが可能である。
さらに、非磁性基板11は、アルミ材料またはガラス材料等からなる基体と、この基体表面にNiP、NiP合金、又は他の合金から選ばれる1種以上からなる膜を、メッキ、スパッタ法等の方法により蒸着させて形成した表面層とから構成されたものであっても良い。
さらに、非磁性基板11は、アルミ材料またはガラス材料等からなる基体と、この基体表面にNiP、NiP合金、又は他の合金から選ばれる1種以上からなる膜を、メッキ、スパッタ法等の方法により蒸着させて形成した表面層とから構成されたものであっても良い。
下地層12の材料としては、Ti,Mo,Al,Ta,W,Ni,B,Si,Mn及びVの群から選ばれる1種又は2種以上とCrとからなるCr合金か、或いはCrを用いることができる。
また、下地層12を多層構造の非磁性下地層とする場合には、非磁性下地層を構成する層の内、少なくとも1層を上記Cr合金又はCrで構成することができる。
また、非磁性下地層は、NiAl系合金、RuAl系合金、又はCr合金(Ti,Mo,Al,Ta,W,Ni,B,Si及びVの群から選ばれる1種もしくは2種以上とCrとからなる合金)で構成することもできる。
また、非磁性下地層を多層構造とする場合には、非磁性下地層を構成する各層の内、少なくとも1層をNiAl系合金、RuAl系合金、又は上記Cr合金で構成することができる。
また、下地層12を多層構造の非磁性下地層とする場合には、非磁性下地層を構成する層の内、少なくとも1層を上記Cr合金又はCrで構成することができる。
また、非磁性下地層は、NiAl系合金、RuAl系合金、又はCr合金(Ti,Mo,Al,Ta,W,Ni,B,Si及びVの群から選ばれる1種もしくは2種以上とCrとからなる合金)で構成することもできる。
また、非磁性下地層を多層構造とする場合には、非磁性下地層を構成する各層の内、少なくとも1層をNiAl系合金、RuAl系合金、又は上記Cr合金で構成することができる。
中間層13の材料としては、Co合金のエピタキシャル成長を助長する目的から、Coを主原料としたCo合金であってhcp構造を有する非磁性材料を用いることが好ましい。そのようなCo合金としては、例えば、Co−Cr系、Co−Cr−Ru系、Co−Cr−Ta系、Co−Cr−Zr系の合金等が挙げられ、中間層13は、これらCo合金からから選ばれる何れか1種を含むことが好ましい。
磁性層14の材料としては、Coを主原料としたCo合金であって、hcp構造を有する材料を用いることが好ましい。そのようなCo合金としては、例えば、Co−Cr−Ta系、Co−Cr−Pt系、Co−Cr−Pt−Ta系、Co−Cr−Pt−B系、Co−Cr−Pt−B−Cu系の合金等が挙げられ、磁性層14は、これらCo合金から選ばれる何れか1種を含むことが好ましい。
なお、本実施形態の磁気ディスク10では、さらに、磁性層14を2種以上の層よりなる積層構造としてもよい。
なお、本実施形態の磁気ディスク10では、さらに、磁性層14を2種以上の層よりなる積層構造としてもよい。
保護層15としては、プラズマCVD法によって形成されるCVDカーボン、非晶質カーボン、含水素カーボン、含窒素カーボン、含フッ素カーボンなどのカーボン系材料、シリカ、ジルコニア等のセラミック系材料を適宜選択して用いることができる。なかでも、硬く緻密なCVDカーボンが、耐久性の面のみならず、経済性、生産性等の面から好適に用いられる。保護層15の膜厚は、薄すぎると耐久性が低下し、厚すぎると記録再生時の損失が大きくなるため、10〜150Å(1〜15nm)、好ましくは20〜60Å(2〜6nm)に設定することが好ましい。
最上層である潤滑剤層16の材料としては、重合性不飽和基含有パーフロロポリエーテル化合物の重合物が好適である。重合性不飽和基含有パーフロロポリエーテル化合物としては、例えば、主鎖であるパーフロロポリエーテルの少なくとも一端に、重合性を有する不飽和結合を持つ有機基が結合されてなる化合物等を挙げることができる。
なお、本発明のワイピング方法によってワイピングが行われる磁気ディスク10は、面内磁気ディスク、垂直磁気ディスクのいずれでも良い。
次に、本発明のワイピング方法に用いられるワイピング装置の一例について、図2を参照しながら説明する。
次に、本発明のワイピング方法に用いられるワイピング装置の一例について、図2を参照しながら説明する。
図2に示すワイピング装置20は、磁気ディスク回転駆動機構21と、ワイピングテープ1a、1bと、ワイピングテープ走行系22と、ワイピングテープ押圧手段23とを有している。
磁気ディスク回転駆動機構21は、図示しないスピンドルモータによって回転駆動されるスピンドル24と、スピンドル24の中心に取り付けられた磁気ディスク保持機構25とを有している。磁気ディスク保持機構25には、磁気ディスク10の中心が装着され、磁気ディスク10が保持される。磁気ディスク保持機構25に磁気ディスク10が保持された状態で、スピンドル24が回転駆動されると、磁気ディスク10がスピンドル24の回転方向および回転数に応じて回転操作される。
磁気ディスク回転駆動機構21は、図示しないスピンドルモータによって回転駆動されるスピンドル24と、スピンドル24の中心に取り付けられた磁気ディスク保持機構25とを有している。磁気ディスク保持機構25には、磁気ディスク10の中心が装着され、磁気ディスク10が保持される。磁気ディスク保持機構25に磁気ディスク10が保持された状態で、スピンドル24が回転駆動されると、磁気ディスク10がスピンドル24の回転方向および回転数に応じて回転操作される。
なお、この磁気ディスク回転駆動機構21は、回転している磁気ディスク10のトラックの走査方向が、後述する第1のガイドロール26と第2のガイドロール27との間を走行する第1のワイピングテープ1aの走行方向(図2中矢印Ra方向)、および、第5のガイドロール30と第6のガイドロール31との間を走行する第2のワイピングテープ1bの走行方向(図2中矢印Rb方向)と逆方向となるような回転方向(図2中矢印r方向)で、磁気ディスク10を回転操作するように構成されている。
ワイピングテープ1a、1bは、図1に示すワイピングテープ1であり、長尺状をなしている。
このワイピング装置20は、その拭き面Sが、磁気ディスク10の一方の主面10aと対向するように走行する第1のワイピングテープ1aと、その拭き面Sが、磁気ディスク10の他方の主面10bと対向するように走行する第2のワイピングテープ1bとを有している。
このワイピング装置20は、その拭き面Sが、磁気ディスク10の一方の主面10aと対向するように走行する第1のワイピングテープ1aと、その拭き面Sが、磁気ディスク10の他方の主面10bと対向するように走行する第2のワイピングテープ1bとを有している。
ワイピングテープ走行系22は、磁気ディスク10を挟んで、一方の側に配設された第1のワイピングテープ走行系22aと他方の側に配設された第2のワイピングテープ走行系22bとを有している。第1のワイピングテープ走行系22aは、図示しない供給ロールおよび巻取りロールと、供給ロールおよび巻取りロールより下方に配設された第1のガイドロール26〜第4のガイドロール29とを有している。
第1のガイドロール26〜第4のガイドロール29は、各回転軸が磁気ディスク10の一方の主面10aと略平行に、且つ、回転軸同士が互いに略平行となるように配設されている。そして、第1のガイドロール26および第2のガイドロール27は、磁気ディスク10の一方の主面10aとの距離が略等しくなるように配設され、第3のガイドロール28および第4のガイドロール29は、第1のガイドロール26および第2のガイドロール27よりも磁気ディスク10から離れた位置で、磁気ディスク10の一方の主面10aからの距離が略等しくなるように配設されている。
このように構成された第1のワイピングテープ走行系22aでは、供給ロールから長尺状の第1のワイピングテープ1aが順次送り出される。供給ロールから送り出された第1のワイピングテープ1aは、第1のガイドロール26〜第4のガイドロール29にガイドされつつ、略コ字状の走行路を辿って走行した後、巻取りロールに巻き取られる。ここで、第1のワイピングテープ1aは、第1のガイドロール26と第2のガイドロール27との間を走行する際、その拭き面Sが、磁気ディスク10の一方の主面10aと対向した状態となる。
一方、第2のワイピングテープ走行系22bは、図示しない供給ロールおよび巻取りロールと、第5のガイドロール30〜第8のガイドロール33とを有している。
第5のガイドロール30〜第8のガイドロール33は、それぞれ、磁気ディスク10を挟んで、第1のガイドロール26〜第4のガイドロール29と左右対称となるように配設されている。
第5のガイドロール30〜第8のガイドロール33は、それぞれ、磁気ディスク10を挟んで、第1のガイドロール26〜第4のガイドロール29と左右対称となるように配設されている。
このように構成された第2のワイピングテープ走行系22bでは、供給ロールから長尺状の第2のワイピングテープ1bが順次送り出される。供給ロールから送り出された第2のワイピングテープ1bは、第5のガイドロール30〜第8のガイドロール33にガイドされつつ、略コ字状の走行路を辿って走行した後、巻取りロールに巻き取られる。ここで、第2のワイピングテープ1bは、第5のガイドロール30と第6のガイドロール31との間を走行する際、その拭き面Sが、磁気ディスク10の他方の主面10bと対向した状態となる。
ワイピングテープ押圧手段23は、第1のガイドロール26と第2のガイドロール27との間を走行する第1のワイピングテープ1aを、磁気ディスク10の一方の主面10a側に押圧して接触させる(押し当てる)第1のワイピングテープ押圧手段23aと、第5のガイドロール30と第6のガイドロール31との間を走行する第2のワイピングテープ1bを、磁気ディスク10の他方の主面10b側に押圧して接触させる(押し当てる)第2のワイピングテープ押圧手段23bとを有する。
磁気ディスク10が、磁気ディスク回転駆動機構21によって図2中矢印r方向に回転駆動された状態で、第1のガイドロール26と第2のガイドロール27との間を走行する第1のワイピングテープ1aが、第1のワイピングテープ押圧手段23aによって磁気ディスク10の一方の主面10aに押し当てられ、第5のガイドロール30と第6のガイドロール31との間を走行する第2のワイピングテープ1bが、第2のワイピングテープ押圧手段23bによって磁気ディスク10の他方の主面10b側に押し当てられると、磁気ディスク10の一方の主面10aおよび他方の主面10bが、それぞれ、第1のワイピングテープ1aの拭き面Sおよび第2のワイピングテープ1bの拭き面Sによって払拭される。これにより、磁気ディスク10の両主面に存在する汚れが、各ワイピングテープ1a、1bによって拭き取られ、両主面10a、10bが清浄化される。
ここで、本実施形態で使用するワイピング装置20では、未使用のワイピングテープ1a、1bが順次供給ロールから送り出され、ワイピング処理に使用された後、巻取りロールに巻き取られるため、磁気ディスク10の各主面には常に未使用のワイピングテープ1a、1bが供給される。このため、磁気ディスク10の各主面10a、10bを効率よく拭くことができる。
第1のワイピングテープ押圧手段23aおよび第2のワイピングテープ押圧手段23bとしては、各ワイピングテープ1a、1bと接触する部分が柔軟性を有する材料によって構成されているのが好ましい。これにより、ワイピングテープ1a、1bの拭き面Sを磁気ディスク10の表面に密着性よく押し当てることができ、磁気ディスク10の表面を効率よく拭くことができる。
そのような第1のワイピングテープ押圧手段23aおよび第2のワイピングテープ押圧手段23bとしては、例えば、樹脂や織布等よりなるパッドや、ゴムローラ等の押圧部材を有し、これら押圧部材をワイピングテープの裏面に当接させ、ワイピングテープ1a、1bを磁気ディスク10側に押圧するように構成されたもの等が挙げられる。
そのような第1のワイピングテープ押圧手段23aおよび第2のワイピングテープ押圧手段23bとしては、例えば、樹脂や織布等よりなるパッドや、ゴムローラ等の押圧部材を有し、これら押圧部材をワイピングテープの裏面に当接させ、ワイピングテープ1a、1bを磁気ディスク10側に押圧するように構成されたもの等が挙げられる。
本実施形態のワイピング装置20では、第1のワイピングテープ押圧手段23aおよび第2のワイピングテープ押圧手段23bは、それぞれ、金属ブロック34、35と、金属ブロック34、35の一側面に取り付けられたパッド36、37と、金属ブロック34、35を水平方向(磁気ディスク10の各主面10a、10bに対して直交する方向、図中矢印F1方向およびF2方向)に往復移動操作する駆動手段(図示せず)とを有する。
このようなワイピングテープ押圧手段23a、23bでは、図2(a)に示すように、パッド36、37がワイピングテープ1a、1bから離間した状態(待機状態)で、駆動手段が、金属ブロック34、35を図中矢印F1方向に移動操作すると、パッド36、37がワイピングテープ1a、1bの裏面に当接し、さらに、ワイピングテープ1a、1bを磁気ディスク10側に押圧する。その結果、図2(b)に示すように、ワイピングテープ1a、1bの拭き面Sが磁気ディスク10の各主面10a、10bに接触する。また、この状態で、駆動手段が、金属ブロック34、35を図中矢印F2方向に移動操作すると、ワイピングテープ1a、1bが磁気ディスク10から離間し、さらに、パッド36、37がワイピングテープ1a、1bから離間して待機状態に復帰する。
次に、ワイピング装置20の動作について説明する。
まず、第1のワイピングテープ走行系22aおよび第2のワイピングテープ走行系22bに、それぞれ、第1のワイピングテープ1aおよび第2のワイピングテープ1bを掛け渡す。
また、磁気ディスク10を、磁気ディスク保持機構25に装着し、保持させる。
なお、図2(a)に示すように、このワイピング装置20では、初期状態では、第1のワイピングテープ押圧手段23aおよび第2のワイピングテープ押圧手段23bの各パッド36、37が、ワイピングテープ1a、1bから離れた位置(待機状態)となっている。
まず、第1のワイピングテープ走行系22aおよび第2のワイピングテープ走行系22bに、それぞれ、第1のワイピングテープ1aおよび第2のワイピングテープ1bを掛け渡す。
また、磁気ディスク10を、磁気ディスク保持機構25に装着し、保持させる。
なお、図2(a)に示すように、このワイピング装置20では、初期状態では、第1のワイピングテープ押圧手段23aおよび第2のワイピングテープ押圧手段23bの各パッド36、37が、ワイピングテープ1a、1bから離れた位置(待機状態)となっている。
次に、各部の動作をオンにすると、磁気ディスク回動駆動機構21は、磁気ディスク10を図中矢印r方向に回転駆動する。また、各供給ロールは、それぞれ、第1のワイピングテープ1aおよび第2のワイピングテープ1bを順次送り出す。送り出された第1のワイピングテープ1aは、第1のガイドロール26〜第4のガイドロール29にガイドされつつ、略コ字状の走行路を辿って走行した後、巻取りロールに巻き取られる。また、送り出された第2のワイピングテープ1bは、第5のガイドロール30〜第8のガイドロール33にガイドされつつ、略コ字状の走行路を辿って走行した後、巻取りロールに巻き取られる。
このとき、第1のガイドロール26と第2のガイドロール27との間を走行する第1のワイピングテープ1aは、その拭き面Sが、磁気ディスク10の一方の主面10aと対向し、磁気ディスク10のトラックの走査方向と逆方向に走行する。
また、第5のガイドロール30と第6のガイドロール31との間を走行する第2のワイピングテープ1bは、その拭き面Sが、磁気ディスク10の他方の主面10bと対向し、磁気ディスク10のトラックの走査方向と逆方向に走行する。
また、第5のガイドロール30と第6のガイドロール31との間を走行する第2のワイピングテープ1bは、その拭き面Sが、磁気ディスク10の他方の主面10bと対向し、磁気ディスク10のトラックの走査方向と逆方向に走行する。
次に、第1のワイピングテープ押圧手段23aは、第1のガイドロール26と第2のガイドロール27との間を走行する第1のワイピングテープ1aを、磁気ディスク10の一方の主面10a側に押圧し、該ワイピングテープ1aの拭き面Sを磁気ディスク10の主面10aに接触させる(押し当てる)。また、第2のワイピングテープ押圧手段23bは、第5のガイドロール30と第6のガイドロール31との間を走行する第2のワイピングテープ1bを、磁気ディスク10の他方の主面10b側に押圧し、該ワイピングテープ1bの拭き面Sを磁気ディスク10の主面10bに接触させる(押し当てる)。
磁気ディスク10が、図中矢印r方向に回転駆動された状態で、走行している第1のワイピングテープ1aの拭き面Sが磁気ディスク10の一方の主面10aに押し当てられ、また、走行している第2のワイピングテープ1bの拭き面Sが磁気ディスク10の他方の主面10bに押し当てられると、磁気ディスク10の一方の主面10aおよび他方の主面10bが、それぞれ、第1のワイピングテープ1aの拭き面Sおよび第2のワイピングテープ1bの拭き面Sによって払拭される。これにより、磁気ディスク10の両主面10a、10bに存在する汚れ(汚染物質)が、各ワイピングテープ1a、1bにより拭き取られ、清浄化される。
ここで、本発明では、各ワイピングテープ1a、1bに、それぞれ、上述の構造の液体潤滑層3が設けられていることにより、各支持体2から脱落した糸くずをワイピングテープ1a、1bに確実に保持することができるとともに、磁気ディスク10の表面から各ワイピングテープ1a、1bに移行した汚染物質を、該ワイピングテープ1a、1bに確実に保持することができる。また、液体潤滑層3が設けられていることにより、ワイピングテープ1a、1bの磁気ディスク10表面に対する動摩擦力が低減するため、このことも支持体2からの糸くずの脱落及び脱落した糸くずの磁気ディスク10への付着を抑制するように作用する。これにより、ワイピングテープ1a、1b由来の糸くずによる磁気ディスク10の汚染を抑えつつ、磁気ディスク10の表面を清浄化することができる。
また、液体潤滑層3に含まれるパーフルオロポリエーテル系化合物は、磁気ディスク10表面に塗布する潤滑剤として一般的に用いられるため、ワイピングテープ1の液体潤滑層3から磁気ディスク10に転写されても悪影響がない。
このため、加工が行われた磁気ディスク10は、磁気ヘッドの浮上量が微小な磁気記録再生装置(ハードディスク装置)に適用した場合でも、磁気ヘッドと磁気ディスク10との衝突が抑えられ、良好な動作特性を得ることができる。
また、液体潤滑層3に含まれるパーフルオロポリエーテル系化合物は、磁気ディスク10表面に塗布する潤滑剤として一般的に用いられるため、ワイピングテープ1の液体潤滑層3から磁気ディスク10に転写されても悪影響がない。
このため、加工が行われた磁気ディスク10は、磁気ヘッドの浮上量が微小な磁気記録再生装置(ハードディスク装置)に適用した場合でも、磁気ヘッドと磁気ディスク10との衝突が抑えられ、良好な動作特性を得ることができる。
(磁気記録再生装置)
次に、本発明のワイピング方法によって払拭処理された磁気ディスクが適用される磁気記録再生装置の一例について説明する。
図4は、この磁気記録再生装置の一例を示す概略構成図である。
この磁気記録再生装置80は、本発明のワイピング方法によって払拭処理された磁気ディスク10と、磁気ディスク10を回転駆動する媒体駆動部81と、磁気ディスク10に情報を記録するとともに記録された情報を再生する磁気ヘッド82と、磁気ヘッド82を磁気ディスク10に対して相対移動させるヘッド駆動部83と、記録再生信号処理系84とを備えている。記録再生信号処理系84は、入力されたデータを処理し、得られた記録信号を磁気ヘッド82に送出するとともに、磁気ヘッド82からの再生信号を処理し、得られたデータを出力するように構成されている。
次に、本発明のワイピング方法によって払拭処理された磁気ディスクが適用される磁気記録再生装置の一例について説明する。
図4は、この磁気記録再生装置の一例を示す概略構成図である。
この磁気記録再生装置80は、本発明のワイピング方法によって払拭処理された磁気ディスク10と、磁気ディスク10を回転駆動する媒体駆動部81と、磁気ディスク10に情報を記録するとともに記録された情報を再生する磁気ヘッド82と、磁気ヘッド82を磁気ディスク10に対して相対移動させるヘッド駆動部83と、記録再生信号処理系84とを備えている。記録再生信号処理系84は、入力されたデータを処理し、得られた記録信号を磁気ヘッド82に送出するとともに、磁気ヘッド82からの再生信号を処理し、得られたデータを出力するように構成されている。
ここで、この磁気記録再生装置80では、磁気ディスク10が、本発明のワイピング方法によってワイピング処理されていることにより、その表面が平滑であり、且つ、清浄度が高い。このため、磁気ヘッド82の浮上量が微小であっても、磁気ヘッド82と磁気ディスク10との衝突が抑えられ、高い記録密度および信頼性を得ることができる。
以下に、本発明を実証するための実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
「磁気ディスクの製造」
洗浄済みのガラス基板(HOYA社製、外形2.5インチ)を、DCマグネトロンスパッタ装置(アネルバ社製 商品名C−3010)の成膜チャンバ内に収容して、到達真空度1×10−5Paとなるまで成膜チャンバ内を排気した。
そして、このガラス基板上に、DCスパッタリング法を用いて、軟磁性層としてFeCoB、中間層としてRu、磁性層として70Co−5Cr−15Pt−10SiO2合金の順に薄膜を積層した。それぞれの層の膜厚は、FeCoB軟磁性層は600Å、Ru中間層は100Å、磁性層は150Åとした。
「磁気ディスクの製造」
洗浄済みのガラス基板(HOYA社製、外形2.5インチ)を、DCマグネトロンスパッタ装置(アネルバ社製 商品名C−3010)の成膜チャンバ内に収容して、到達真空度1×10−5Paとなるまで成膜チャンバ内を排気した。
そして、このガラス基板上に、DCスパッタリング法を用いて、軟磁性層としてFeCoB、中間層としてRu、磁性層として70Co−5Cr−15Pt−10SiO2合金の順に薄膜を積層した。それぞれの層の膜厚は、FeCoB軟磁性層は600Å、Ru中間層は100Å、磁性層は150Åとした。
次いで、プラズマCVD法により、磁性層上に、厚さ3nmの保護層を形成した。
次いで、ディッピング法により、パーフルオロポリエーテルからなる潤滑層を形成した。
以上の工程により、ガラス基板上に各層が成膜された磁気ディスクを得た。
次いで、ディッピング法により、パーフルオロポリエーテルからなる潤滑層を形成した。
以上の工程により、ガラス基板上に各層が成膜された磁気ディスクを得た。
「ワイピングテープの製造」
(実施例1)
支持体としてナイロン100%の不織布(単繊維径(糸径):2μm、目付量:90g/m2)を用意した。そして、この不織布の拭き面側となる表面に、パーフルオロポリエーテルを約0.01μmの厚さで塗布することによって液体潤滑層を形成した。
以上の工程により、ワイピングテープを得た。
(実施例1)
支持体としてナイロン100%の不織布(単繊維径(糸径):2μm、目付量:90g/m2)を用意した。そして、この不織布の拭き面側となる表面に、パーフルオロポリエーテルを約0.01μmの厚さで塗布することによって液体潤滑層を形成した。
以上の工程により、ワイピングテープを得た。
(比較例)
支持体の表面に、液体潤滑層を形成しない以外は前記実施例1と同様にしてワイピングテープを得た。
支持体の表面に、液体潤滑層を形成しない以外は前記実施例1と同様にしてワイピングテープを得た。
「ワイピングテープの評価」
以上のようにして製造された各ワイピングテープを、図2に示すワイピング装置にセットし、前述のようにして製造された磁気ディスク1000枚について、ワイピング処理を行った。ここで、磁気ディスクの回転数は300rpm、ワイピングテープの送り速度は10mm/秒、ワイピングテープを磁気ディスクに押し当てる際の押圧力は98mN、処理時間は5秒間とした。
そして、ワイピング処理が行われた各磁気ディスクについて、テスター(表面試験装置)を用いて汚染状況を評価した。汚染状況は、糸くず(約0.5μm程度以上の大きさもの)の残留が観察されたディスクの枚数をカウントすることによって評価した。その結果を以下の表1に示す。表1において糸くずの付着数は1枚あたりの数で示す。
以上のようにして製造された各ワイピングテープを、図2に示すワイピング装置にセットし、前述のようにして製造された磁気ディスク1000枚について、ワイピング処理を行った。ここで、磁気ディスクの回転数は300rpm、ワイピングテープの送り速度は10mm/秒、ワイピングテープを磁気ディスクに押し当てる際の押圧力は98mN、処理時間は5秒間とした。
そして、ワイピング処理が行われた各磁気ディスクについて、テスター(表面試験装置)を用いて汚染状況を評価した。汚染状況は、糸くず(約0.5μm程度以上の大きさもの)の残留が観察されたディスクの枚数をカウントすることによって評価した。その結果を以下の表1に示す。表1において糸くずの付着数は1枚あたりの数で示す。
表1に示すように、実施例1で製造されたワイピングテープによってワイピング処理が行われた磁気ディスクは、比較例1で製造されたワイピングテープによってワイピング処理が行われた磁気ディスクに比べて、糸くずによる汚染が抑えられていた。
本発明のワイピングテープによれば、ワイピングテープ由来の糸くずによる磁気ディスクの汚染を抑えつつ、磁気ディスクの表面を清浄化することができるので、特にヘッド浮上量が微小なハードディス装置に適用される磁気ディスクのワイピング工程に用いるワイピングテープとして好適である。
1…ワイピングテープ、1a…第1のワイピングテープ、1b…第2のワイピングテープ、2…支持体、2a…糸、3…液体潤滑層、10…磁気ディスク、10a…一方の主面、10b…他方の主面、20…ワイピング装置、21…磁気ディスク回転駆動機構、22…ワイピングテープ走行系、22a…第1のワイピングテープ走行系、22b…第2のワイピングテープ走行系、23…ワイピングテープ押圧手段、23a…第1のワイピングテープ押圧手段、23b…第2のワイピングテープ押圧手段、24…スピンドル、25…磁気ディスク保持機構、26…第1のガイドロール、27…第2のガイドロール、28…第3のガイドロール、29…第4のガイドロール、30…第5のガイドロール、31…第6のガイドロール、32…第7のガイドロール、33…第8のガイドロール、80…磁気記録再生装置、S…拭き面
Claims (3)
- ディスク表面の汚れを拭き取るワイピングテープであって、
不織布、織布、編布のいずれかを主材料とする支持体と、
該支持体上に設けられ、パーフルオロポリエーテル構造を有する化合物を含む液体潤滑層とを有することを特徴とするワイピングテープ。 - 前記ワイピングテープは、実質的に研磨力を有さないことを特徴とする請求項1に記載のワイピングテープ。
- 回転しているディスクの表面にワイピングテープの表面を押し当てた状態で、前記ワイピングテープを前記ディスクの表面に対して相対走行させることにより、前記ディスク表面の汚れを拭き取るディスクのワイピング方法であって、
前記ワイピングテープとして、前記請求項1または2に記載のワイピングテープを用いることを特徴とするワイピング方法。
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JP2009014739A JP2010170640A (ja) | 2009-01-26 | 2009-01-26 | ワイピングテープおよびワイピング方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8607425B2 (en) | 2011-03-04 | 2013-12-17 | HGST Netherlands B.V. | Method for lubed tape burnish for producing thin lube media |
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JP2006139881A (ja) * | 2004-11-15 | 2006-06-01 | Fuji Photo Film Co Ltd | フレキシブル磁気ディスクの製造方法 |
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2009
- 2009-01-26 JP JP2009014739A patent/JP2010170640A/ja active Pending
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