JP5238667B2 - ワイピングテープの製造方法、ワイピングテープ及びワイピング方法 - Google Patents

ワイピングテープの製造方法、ワイピングテープ及びワイピング方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えばハードディスク装置に用いられる磁気ディスクの表面に付着した汚れや、半導体素子の製造工程で半導体ウエハ等の表面に付着した汚れを拭き取るワイピング工程に用いられるワイピングテープ及びワイピングテープの製造方法、並びに、ワイピングテープを用いたワイピング方法に関するものである。
ハードディスク装置に用いられる磁気ディスクの記録密度はますます高まり、磁気記録面上を浮上走行するヘッドの低浮上化に対応できるよう、磁気ディスクの表面には高い平坦度が求められる。そのため、磁気ディスクの製造工程においては、非磁性基板に磁性層や保護層を形成した後、その表面に形成または付着した汚れを除去するため、磁気ディスク表面を、ワイピングテープを用いて拭くワイピング工程が設けられている。
また半導体の製造工程においてもCMP等の粉体を用いたプロセスが用いられるようになり、半導体ウエハに付着した汚れを拭き取るためのワイピング工程が用いられるようになった。
ワイピング工程は、例えば、布製のワイピングテープ等を用いて行なわれ、このワイピングテープを基板表面に対して相対走行させつつ、ゴム製のコンタクトロールまたはパッドによってワイピングテープ表面を基板表面に押し当てることにより、基板表面を軽く拭く工程である。このような処理を行うことにより、基板表面の汚れ等が除去されるので、例えば磁気ディスクが用いられるハードディスク装置等では、磁気ヘッドの浮上量をより小さくすることが可能となる(例えば、特許文献1参照。)。
ここで、ワイピング工程に用いられるワイピングテープとしては、超極細繊維から構成された布帛を帯状にスリットしたものや、超極細繊維マルチフィラメント糸から構成された織編物等が用いられる。このようなワイピングテープは以下のような手順で製造される。
即ち、例えばナイロン樹脂とポリエステル樹脂とから複剥離型複合繊維を製造した後、該剥離型複合繊維からシート状をなす織物を成形する。次いで、織物に対して化学的処理又は機械的処理を施すことでナイロン成分相及びポリエステル成分相を剥離分離する剥離工程を行なう。このように、ナイロン成分相及びポリエステル成分相の二成分を分離することにより超極細繊維を得ることができる。そして、この織物に対して水にて洗浄工程を施した後、所定の寸法に裁断することにより上記ワイピングテープが得られる。
また、このようなワイピングテープを用いる磁気ディスクのワイピング方法は、具体的には、磁気ディスクを回転させつつ、この磁気ディスクの磁性層側の面に、ワイピングテープの表面(拭き面)を押し当てることにより行われる。これにより、磁気ディスク表面の汚れが拭き取られ、表面が清浄化する。
特開平10−106229号公報
現在、磁気ディスクの記録密度はますます高まり、その要求に応えるため磁気ヘッドと磁気ディスクとの距離が狭くなっている。そのため、上記のワイピング工程での磁気ディスク表面の汚染が問題となってきている。また半導体素子の製造工程においても製造歩留まりの向上のためにウエハ表面に付着したダストの除去率を高めることが求められている。
本発明者の検討によると、磁気ディスク表面の汚染物質の中に粒状ダストが含まれており、この粒状ダストがワイピング工程で使用されるワイピングテープ由来のナイロンの粒状物であることが明らかになった。即ち、磁気ディスク表面の汚染物質をワイピング工程によって除去するに際し、ワイピングテープから粒状ダストが脱落して磁気ディスク表面に付着し、磁気ディスク表面を汚染させていることが明らかになった。
この発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、粒状ダストの発生を防止してディスクの汚染を抑えることができるワイピングテープの製造方法、ワイピングテープ及びワイピング方法を提供することを目的とする。
ワイピングテープから通常発生するダストは糸状のダストであり、このようなダストはワイピングテープ自身によって捕獲されワイピングされる基板面に付着することはない。そして、ワイピングテープ自体から粒状のダストが発生することは通常は想定されていない。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意努力検討した結果、上記粉状ダストが剥離型複合繊維を剥離分離する際の剥離工程において発生するナイロンの粒状物に起因するものであることを見出した。即ち、この粒状物が剥離型複合繊維の剥離工程で発生し、洗浄工程にて水に曝されて膨潤化し、超極細繊維に絡み付くことにより、洗浄工程後であっても粒状物が残留する。そして、乾燥状態で行なわれるワイピングの際に、洗浄時には膨潤して繊維に絡まっていた粒状物が収縮して取れ易くなり粒状ダストとして発塵する。したがって、洗浄工程において粒状物の膨潤化を回避することができれば、粒状出すとの発生を防止することができると考えられる。本発明はこのような知見に基づくものであって、以下の手段を提案している。
[1] ナイロン成分相及びナイロンとは異なる材質のポリマー成分相からなる剥離型複合繊維を用いて織物を形成する工程と、前記剥離型複合繊維をなす前記ナイロン成分相及び前記ポリマー成分相とを剥離分離させて超極細繊維とする剥離工程と、有機溶剤によって前記剥離工程後の前記織物を洗浄する工程とを有することを特徴とするワイピングテープの製造方法。
[2] 前記有機溶剤は、アセトン又はヘキサンであることを特徴とする[1]に記載のワイピングテープの製造方法。
[3] 前記ポリマー成分相がポリエステルからなることを特徴とする[1]又は[2]に記載のワイピングテープの製造方法。
[4] 前記剥離工程が、前記ナイロンを収縮させることにより前記ナイロン成分相と前記ポリマー成分相とを剥離分離することを特徴とする[1]から[3]のいずれかに記載のワイピングテープの製造方法。
[5] ディスク表面の汚れを拭き取るワイピングテープであって、前記ワイピングテープは超極細繊維を用いたものであり、前記超極細繊維は、ナイロン成分相とナイロンとは異なる材質のポリマー成分相とからなる剥離型複合繊維を製織して織物を形成した後、前記ナイロン成分相及び前記ポリマー成分相とを剥離分離して、アセトン又はヘキサンによる洗浄処理をして得られたものであることを特徴とするワイピングテープ。
[6] 前記ポリマー成分相がポリエステルからなることを特徴とする[5]に記載のワイピングテープ。
[7] 前記ワイピングテープは、実質的に研磨力を有さないことを特徴とする請求項[5]又は[6]に記載のワイピングテープ。
[8] 回転しているディスクの表面にワイピングテープの表面を押し当てた状態で、前記ワイピングテープを前記ディスクの表面に対して相対走行させることにより、前記ディスク表面の汚れを拭き取るディスクのワイピング方法であって、前記ワイピングテープとして、[5]から[7]のいずれかに記載のワイピングテープを用いることを特徴とするワイピング方法。
[9] ワイピングテープの表面にパーフルオロポリエーテル構造を有する化合物を含む液体潤滑層を設けることを特徴とする[8]に記載のワイピング方法。
本発明のワイピングテープの製造方法及びワイピングテープによれば、剥離工程の後に織物を洗浄する際の洗浄液として、水に代えてアセトン又はヘキサンの有機溶媒を用いているため、剥離工程で生じるナイロンの粒状物が膨潤化することはない。したがって、該粒状物が絡み付くことはなく洗浄工程によって容易に除去することができる。これにより、粒状ダストによるディスクの表面の汚染を防止することが可能となる。
さらに、本発明のワイピング方法は、上記効果を有するワーピングテープを用いているため、粒状ダストによるディスクの表面の汚染を抑制することができる。
本発明のワイピングテープの一例を示す縦断面図である。 剥離型複合繊維の繊維断面図であって、(a)は放射型構造をなす剥離型複合繊維、(b)は多層型構造をなす剥離型複合繊維、(c)は中空状構造をなす剥離型複合繊維である。 超極細繊維の繊維断面図であって、(a)は放射型構造をなす剥離型複合繊維を剥離分離させてなる超極細繊維、(b)は多層型構造をなす剥離型複合繊維を剥離分離させてなる超極細繊維、(c)は中空状構造をなす剥離型複合繊維を剥離分離させてなる超極細繊維である。 図1に示すワイピングテープを適用したワイピング装置の一例を示す縦断面図である。 図2に示すワイピング装置によってワイピング処理が行われる磁気ディスクの一例を示す縦断面図である。 図3に示す磁気ディスクが適用される磁気記録再生装置の一例を示す概略構成図である。 糸状ダストの写真である。 粒状ダストの写真である。
(ワイピングテープ)
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明のワイピングテープの実施形態を示す縦断面図である。本実施形態のワイピングテープ1は、磁気ディスク10(図4、図5参照)の表面に対して相対走行させつつ、その拭き面S(コーティング層の表面)を磁気ディスク10の表面に押し当てることにより、磁気ディスク10の表面に存在する汚染物質を除去し、表面を清浄化するものである。図1に示すように、このワイピングテープ1は、織物2と、該織物2上に設けられた液体潤滑層4とを有している。
織物2は、複数の超極細繊維3a,3bから構成された超極細繊維群3が緯糸及び経糸として配置されたシート状をなしており、その表面には、超極細繊維群3の形状や折り目によって形成された凹凸が形成されている。このワイピングテープ1は、このように表面に形成された凹凸により、磁気ディスク10の表面に存在する汚染物質を払拭し、除去する。なお、以下の説明では、この織物2の液体潤滑層4が設けられた側の表面を、「拭き面S」と称する場合がある。なお、織物2は、緯糸または経糸の一方において超極細繊維3a,3bから構成するのが一般的であるが、緯糸及び経糸の両方においても使用することが可能である。
また、本実施形態において上記超極細繊維群3は、ナイロン超極細繊維(超極細繊維)3a及びポリエステル超極細繊維(超極細繊維)3bの2種のポリマー繊維から構成されている。
ナイロン超極細繊維3aを構成する樹脂としては、ナイロン樹脂、すなわち、ポリアミド系樹脂であれば特に限定されることなく、各種のホモポリアミド、コポリアミドが使用され得る。これらのナイロン樹脂としては、具体的には、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロン9、ナイロン11、ナイロン12(いずれもデュポン社製、商品名)等の他、ポリメタキシレンアジポアミド(MXD)、パラシクロヘキシルジアミンアジパミド等を挙げることができ、又各種の共縮合ポリアミド、ポリアミドブレンドもナイロン樹脂として使用することができる。
ポリエステル超極細繊維3bを構成するポリエステル樹脂としては、これも繊維用に使用される飽和ポリエステル樹脂であれば、特に限定されることなくいずれの樹脂でも使用され得る。このポリエステル樹脂としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のホモポリエステルの他、ポリエチレンテレフタレート・イソフタレート、ポリエチレンテレフタレート・セバケート、ポリエチレンテレフタレート・アジペート、ポリテトラメチレンテレフタレート・イソフタレート、その他のコポリエステル及びこれらホモポリエステルとコポリエステルのブレンド物等を挙げることができる。
なお、超極細繊維とは、単繊維径が8μm以下の繊維を意味しており、即ち、本実施形態においては、ナイロン超極細繊維3a及びポリエステル超極細繊維3bの繊維径は8μm以下とされている。これにより、ワイピングテープ1は優れた払拭効果を発揮することができる。
また、このような織物2の表面は、パーフルオロポリエーテル構造を有する化合物(パーフルオロポリエーテル系化合物)を含有する液体潤滑層4によって被覆するのが好ましい。
この液体潤滑層4は、織物2の表面から脱落した糸くずをワイピングテープ1に保持する効果に加えて、ワイピング工程において、磁気ディスク10表面からワイピングテープ1に移行した汚染物質を、該ワイピングテープ1に保持する効果を有する。また、動摩擦力を下げることができるので、ワイピングテープ成分の脱落、磁気ディスク10への付着がより抑えられる。したがって、このような液体潤滑層4を有するワイピングテープ1では、該ワイピングテープ1由来の糸くずによる磁気ディスク10の汚染を抑えつつ、磁気ディスク10の表面を清浄化することができる。
また、この液体潤滑層4では、特に、液体潤滑剤としてパーフルオロポリエーテル系化合物を用いている。これにより、次のような効果が得られる。
すなわち、織物2表面を液体潤滑剤で覆った場合、ワイピング工程で、織物2表面の液体潤滑剤が磁気ディスク10に転写される場合がある。ここで、パーフルオロポリエーテル構造を有する化合物は、磁気ディスク10表面に塗布する潤滑剤として一般的に用いられるため、仮にワイピングテープ1の液体潤滑剤が磁気ディスク10に転写されても問題が生じないという利点がある。
液体潤滑層4の厚さは、0.0001μm〜10μmの範囲とすることが好ましく、より好ましくは、0.001μm〜1μmの範囲内とする。液体潤滑剤層3の厚さが薄すぎると磁気ディスクへの糸くずの付着を防ぐ効果が低下し、厚すぎるとワイピング表面の液体潤滑剤が磁気ディスクに転写され、この液体潤滑剤に捕獲された糸くずも磁気ディスクに転写されやすくなる。
以上のようなワイピングテープ1は、実質的に研磨力を有さないことが好ましい。これにより、このワイピングテープ1を用いてワイピング工程を行った際に、磁気ディスク10表面に研磨傷が発生するのを防止することができ、磁気ディスク10表面の平坦度や記録再生特性を確実に保持することができる。
(ワイピングテープの製造方法)
次に上記のようなワイピングテープ1の製造方法について説明する。
まず、例えば図2に示すナイロン樹脂とポリエステル樹脂とから剥離型複合繊維5を製造する。
この剥離型複合繊維5は、ナイロン樹脂とポリエステル樹脂とを別々に溶融して複合紡糸口金中で紡出し、冷却、給油した後一旦未延伸糸として巻取り、その後に延伸することで得ることができる。また、この他、上記冷却、給油した未延伸糸を引き取り、続いて延伸して巻き取るという直接紡糸延伸法によって剥離型複合繊維5を得てもよい。
このように製造された剥離型複合繊維5の繊維断面視形状は、図2(a)〜(c)に示すように、ナイロン樹脂からなるナイロン成分相5aとポリエステル樹脂からなるポリエステル成分相5bとが混合した構造をなしている。
図2(a)は、繊維断面視中央から例えば8方向に放射状に連続して存在するポリエステル成分相5bによってナイロン成分相5aが複数に分割された放射型構造をなす剥離型複合繊維5を示している。
また、図2(b)は、繊維断面視一方側から他方側に向かってナイロン成分相5aとポリエステル成分相5bとが交互に繰り返して配置された多層型構造をなす剥離型複合繊維5を示している。
そして、図2(c)は、繊維断面視中央が中空状とされ、その外周側において周方向にナイロン成分相5aとポリエステル成分相5bとが交互に繰り返し存在する中空型構造をなす剥離型複合繊維5を示している。
次に、上記剥離型複合繊維5を経糸及び/または緯糸に使用し、シート状の織物を製織する。
続いて、このようにして得られた複合繊維織物に対して剥離処理を施すことにより、剥離型複合繊維5のナイロン成分相5aとポリエステル成分相5bとを剥離分離させる(剥離工程)。これにより、図3(a)〜(c)に示すように、剥離型複合繊維5のうちナイロン成分相5aであった部分をナイロン超極細繊維3aとするとともに、ポリエステル成分相5bであった部分をポリエステル超極細繊維3bとした超極細繊維群3が形成される。即ち、剥離型複合繊維5に剥離工程を施すことによって該剥離型複合繊維5がナイロン超極細繊維3aとポリエステル超極細繊維3bとからなる超極細繊維群3aに変化するのである。なお、本願発明者の検討によると、ワイピングテープ1から発生するナイロンの微細な粒状ダストは主にこの工程に起因する。
剥離処理は、機械的揉みによる方法、ナイロンを収縮させる方法、ポリエステルを溶解させる方法を単独又は併用して施すことが可能であるが、ナイロンを収縮させる方法を採用することが好ましい。
このナイロンを収縮させる方法としては、ナイロン成分を収縮させる薬品を用いて織物2に対して化学的処理を施す方法が挙げられる。この薬品は、特に制限されるものではないものの、フェノール、クレゾール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、ギ酸、酢酸等を例示することができる。特に人体に対する刺激性や、有害性などの安全性および臭気等の作業環境の面から、ベンジルアルコールが好ましい。
また、ポリエステルを溶解する方法としては、加熱したアルカリ水溶液中に織物を浸漬する処理を施す方法が挙げられる。このアルカリ溶解による処理の条件は、上述したように、一般的にポリエステル繊維の原料加工で実施されている方法を用いればよい。
このような剥離工程の後には、織物に対して熱処理が行なわれる。この熱処理によって繊維を収縮させることができ、織物を高密度化することができる。
次いで、織物に対して、例えばクリーンルーム内にて洗浄液の液流による洗浄工程が行われる。ここで、本実施形態においては、当該洗浄工程に使用される洗浄液として有機溶剤を使用する。有機溶剤としては、第一種有機溶剤、第二種有機溶剤、第三種有機溶剤など公知のものを使用することができるが、洗浄する織物にダメージを与えない有機溶剤を選択するのが好ましく、例えば、エタノール、メタノール、ブタノール、アセトン、ヘキサン、テトラクロロエチレン、トルエン、テルピン油、酢酸メチル、酢酸エチル、石油エーテル、オレンジオイル、ラッカーシンナー、CHビニールシンナー、メチレンクロライド、ウレタンシンナー、キシレン等が使用できる。本願発明では特に有機溶剤としてアセトン又はヘキサンを用いるのが好ましい。
そして、この洗浄工程の後、織物の乾燥が行われ、必要に応じて再びクリーンルーム内での純水による洗浄及び乾燥が行なわれる。これによって、本実施形態の超極細繊維群3からなる織物2を得ることができる。
その後、この織物2を適宜所望の大きさにカットすることでワイピングテープ1を得ることができる。
ここで、前述のように剥離工程においてナイロン成分相3aとポリエステル成分相3bとを分割する際には、ナイロンの粒状物が発生する。このナイロンの粒状物は該ナイロンの高い膨潤性から水洗に適しておらず、例えば上記洗浄工程において洗浄液を水とした場合には、粒状物が豊潤することで柔らかくなるとともにサイズが大きくなり、繊維に絡み易くなってしまう。したがって、洗浄工程においてナイロンの粒状物を除去することが困難となり、洗浄工程後であっても、当該粒状物が残留してしまう。
この点、本実施形態のワイピングテープ1の製造方法においては、洗浄工程における洗浄液として水に代えてアセトン又はヘキサン等の有機溶媒を採用しているため、ナイロンの粒状物の膨潤化を回避することができる。これによって、洗浄工程において当該粒状物を容易に除去することが可能となる。
(ワイピング方法)
次に、本実施形態のワイピング方法について説明する。
図4は、本実施形態のワイピング方法で用いられるワイピング装置の一例を示す模式図、図5は、本実施形態のワイピング方法によってワイピングされる磁気ディスクの一例を示す縦断面図である。
本実施形態のワイピング方法では、磁気ディスク10の表面に、ワイピングテープ1a,1bの拭き面S(液体潤滑層4の表面)を押し当てて拭くことによって、磁気ディスク10表面の汚れを除去する。
まず、本実施形態のワイピング方法が適用される磁気ディスクの一例について、図3を参照しながら説明する。
図5に示す磁気ディスク10は、磁性粒子が面内に配向した磁気ディスクを例にすれば、非磁性基板11の両方の主面に、下地層12、中間層13、磁性層14、保護層15が順次積層され、最上層に潤滑剤層16が設けられて概略構成されている。
非磁性基板11の材料としては、通常、磁気ディスク10の基板に用いられる非磁性のアルミ合金材料、ガラス材料等を何ら制限無く用いることができる。例えば、ガラス材料としては、通常のソーダガラス、アルミノシリケート系ガラス、非結晶ガラス類等が挙げられる。また、アルミ合金材料としては、Alを主成分としたAl−Mg合金等が挙げられる。これ以外に、非磁性基板11の材料には、シリコン、チタン、セラミックス、各種樹脂材料等、非磁性材料であれば任意のものを用いることが可能である。
さらに、非磁性基板11は、アルミ材料またはガラス材料等からなる基体と、この基体表面にNiP、NiP合金、又は他の合金から選ばれる1種以上からなる膜を、メッキ、スパッタ法等の方法により蒸着させて形成した表面層とから構成されたものであっても良い。
下地層12の材料としては、Ti,Mo,Al,Ta,W,Ni,B,Si,Mn及びVの群から選ばれる1種又は2種以上とCrとからなるCr合金か、或いはCrを用いることができる。
また、下地層12を多層構造の非磁性下地層とする場合には、非磁性下地層を構成する層の内、少なくとも1層を上記Cr合金又はCrで構成することができる。
また、非磁性下地層は、NiAl系合金、RuAl系合金、又はCr合金(Ti,Mo,Al,Ta,W,Ni,B,Si及びVの群から選ばれる1種もしくは2種以上とCrとからなる合金)で構成することもできる。
また、非磁性下地層を多層構造とする場合には、非磁性下地層を構成する各層の内、少なくとも1層をNiAl系合金、RuAl系合金、又は上記Cr合金で構成することができる。
中間層13の材料としては、Co合金のエピタキシャル成長を助長する目的から、Coを主原料としたCo合金であってhcp構造を有する非磁性材料を用いることが好ましい。そのようなCo合金としては、例えば、Co−Cr系、Co−Cr−Ru系、Co−Cr−Ta系、Co−Cr−Zr系の合金等が挙げられ、中間層13は、これらCo合金からから選ばれる何れか1種を含むことが好ましい。
磁性層14の材料としては、Coを主原料としたCo合金であって、hcp構造を有する材料を用いることが好ましい。そのようなCo合金としては、例えば、Co−Cr−Ta系、Co−Cr−Pt系、Co−Cr−Pt−Ta系、Co−Cr−Pt−B系、Co−Cr−Pt−B−Cu系の合金等が挙げられ、磁性層14は、これらCo合金から選ばれる何れか1種を含むことが好ましい。
なお、本実施形態の磁気ディスク10では、さらに、磁性層14を2種以上の層よりなる積層構造としてもよい。
保護層15としては、プラズマCVD法によって形成されるCVDカーボン、非晶質カーボン、含水素カーボン、含窒素カーボン、含フッ素カーボンなどのカーボン系材料、シリカ、ジルコニア等のセラミック系材料を適宜選択して用いることができる。なかでも、硬く緻密なCVDカーボンが、耐久性の面のみならず、経済性、生産性等の面から好適に用いられる。保護層15の膜厚は、薄すぎると耐久性が低下し、厚すぎると記録再生時の損失が大きくなるため、10〜150Å(1〜15nm)、好ましくは20〜60Å(2〜6nm)に設定することが好ましい。
最上層である潤滑剤層16の材料としては、重合性不飽和基含有パーフロロポリエーテル化合物の重合物が好適である。重合性不飽和基含有パーフロロポリエーテル化合物としては、例えば、主鎖であるパーフロロポリエーテルの少なくとも一端に、重合性を有する不飽和結合を持つ有機基が結合されてなる化合物等を挙げることができる。
次に、本実施形態のワイピング方法に用いられるワイピング装置の一例について、図4を参照しながら説明する。
図4に示すワイピング装置20は、磁気ディスク回転駆動機構21と、ワイピングテープ1a、1bと、ワイピングテープ走行系22と、ワイピングテープ押圧手段23とを有している。
磁気ディスク回転駆動機構21は、図示しないスピンドルモータによって回転駆動されるスピンドル24と、スピンドル24の中心に取り付けられた磁気ディスク保持機構25とを有している。磁気ディスク保持機構25には、磁気ディスク10の中心が装着され、磁気ディスク10が保持される。磁気ディスク保持機構25に磁気ディスク10が保持された状態で、スピンドル24が回転駆動されると、磁気ディスク10がスピンドル24の回転方向および回転数に応じて回転操作される。
なお、この磁気ディスク回転駆動機構21は、回転している磁気ディスク10のトラックの走査方向が、後述する第1のガイドロール26と第2のガイドロール27との間を走行する第1のワイピングテープ1aの走行方向(図2中矢印Ra方向)、および、第5のガイドロール30と第6のガイドロール31との間を走行する第2のワイピングテープ1bの走行方向(図2中矢印Rb方向)と逆方向となるような回転方向(図2中矢印r方向)で、磁気ディスク10を回転操作するように構成されている。
ワイピングテープ1a、1bは、図1に示すワイピングテープ1であり、長尺状をなしている。
このワイピング装置20は、その拭き面Sが、磁気ディスク10の一方の主面10aと対向するように走行する第1のワイピングテープ1aと、その拭き面Sが、磁気ディスク10の他方の主面10bと対向するように走行する第2のワイピングテープ1bとを有している。
ワイピングテープ走行系22は、磁気ディスク10を挟んで、一方の側に配設された第1のワイピングテープ走行系22aと他方の側に配設された第2のワイピングテープ走行系22bとを有している。第1のワイピングテープ走行系22aは、図示しない供給ロールおよび巻取りロールと、供給ロールおよび巻取りロールより下方に配設された第1のガイドロール26〜第4のガイドロール29とを有している。
第1のガイドロール26〜第4のガイドロール29は、各回転軸が磁気ディスク10の一方の主面10aと略平行に、且つ、回転軸同士が互いに略平行となるように配設されている。そして、第1のガイドロール26および第2のガイドロール27は、磁気ディスク10の一方の主面10aとの距離が略等しくなるように配設され、第3のガイドロール28および第4のガイドロール29は、第1のガイドロール26および第2のガイドロール27よりも磁気ディスク10から離れた位置で、磁気ディスク10の一方の主面10aからの距離が略等しくなるように配設されている。
このように構成された第1のワイピングテープ走行系22aでは、供給ロールから長尺状の第1のワイピングテープ1aが順次送り出される。供給ロールから送り出された第1のワイピングテープ1aは、第1のガイドロール26〜第4のガイドロール29にガイドされつつ、略コ字状の走行路を辿って走行した後、巻取りロールに巻き取られる。ここで、第1のワイピングテープ1aは、第1のガイドロール26と第2のガイドロール27との間を走行する際、その拭き面Sが、磁気ディスク10の一方の主面10aと対向した状態となる。
一方、第2のワイピングテープ走行系22bは、図示しない供給ロールおよび巻取りロールと、第5のガイドロール30〜第8のガイドロール33とを有している。
第5のガイドロール30〜第8のガイドロール33は、それぞれ、磁気ディスク10を挟んで、第1のガイドロール26〜第4のガイドロール29と左右対称となるように配設されている。
このように構成された第2のワイピングテープ走行系22bでは、供給ロールから長尺状の第2のワイピングテープ1bが順次送り出される。供給ロールから送り出された第2のワイピングテープ1bは、第5のガイドロール30〜第8のガイドロール33にガイドされつつ、略コ字状の走行路を辿って走行した後、巻取りロールに巻き取られる。ここで、第2のワイピングテープ1bは、第5のガイドロール30と第6のガイドロール31との間を走行する際、その拭き面Sが、磁気ディスク10の他方の主面10bと対向した状態となる。
ワイピングテープ押圧手段23は、第1のガイドロール26と第2のガイドロール27との間を走行する第1のワイピングテープ1aを、磁気ディスク10の一方の主面10a側に押圧して接触させる(押し当てる)第1のワイピングテープ押圧手段23aと、第5のガイドロール30と第6のガイドロール31との間を走行する第2のワイピングテープ1bを、磁気ディスク10の他方の主面10b側に押圧して接触させる(押し当てる)第2のワイピングテープ押圧手段23bとを有する。
磁気ディスク10が、磁気ディスク回転駆動機構21によって図2中矢印r方向に回転駆動された状態で、第1のガイドロール26と第2のガイドロール27との間を走行する第1のワイピングテープ1aが、第1のワイピングテープ押圧手段23aによって磁気ディスク10の一方の主面10aに押し当てられ、第5のガイドロール30と第6のガイドロール31との間を走行する第2のワイピングテープ1bが、第2のワイピングテープ押圧手段23bによって磁気ディスク10の他方の主面10b側に押し当てられると、磁気ディスク10の一方の主面10aおよび他方の主面10bが、それぞれ、第1のワイピングテープ1aの拭き面Sおよび第2のワイピングテープ1bの拭き面Sによって払拭される。これにより、磁気ディスク10の両主面に存在する汚れが、各ワイピングテープ1a、1bによって拭き取られ、両主面10a、10bが清浄化される。
ここで、本実施形態で使用するワイピング装置20では、未使用のワイピングテープ1a、1bが順次供給ロールから送り出され、ワイピング処理に使用された後、巻取りロールに巻き取られるため、磁気ディスク10の各主面には常に未使用のワイピングテープ1a、1bが供給される。このため、磁気ディスク10の各主面10a、10bを効率よく拭くことができる。
第1のワイピングテープ押圧手段23aおよび第2のワイピングテープ押圧手段23bとしては、各ワイピングテープ1a、1bと接触する部分が柔軟性を有する材料によって構成されているのが好ましい。これにより、ワイピングテープ1a、1bの拭き面Sを磁気ディスク10の表面に密着性よく押し当てることができ、磁気ディスク10の表面を効率よく拭くことができる。
そのような第1のワイピングテープ押圧手段23aおよび第2のワイピングテープ押圧手段23bとしては、例えば、樹脂や織布等よりなるパッドや、ゴムローラ等の押圧部材を有し、これら押圧部材をワイピングテープの裏面に当接させ、ワイピングテープ1a、1bを磁気ディスク10側に押圧するように構成されたもの等が挙げられる。
本実施形態のワイピング装置20では、第1のワイピングテープ押圧手段23aおよび第2のワイピングテープ押圧手段23bは、それぞれ、金属ブロック34、35と、金属ブロック34、35の一側面に取り付けられたパッド36、37と、金属ブロック34、35を水平方向(磁気ディスク10の各主面10a、10bに対して直交する方向、図中矢印F1方向およびF2方向)に往復移動操作する駆動手段(図示せず)とを有する。
このようなワイピングテープ押圧手段23a、23bでは、図4(a)に示すように、パッド36、37がワイピングテープ1a、1bから離間した状態(待機状態)で、駆動手段が、金属ブロック34、35を図中矢印F1方向に移動操作すると、パッド36、37がワイピングテープ1a、1bの裏面に当接し、さらに、ワイピングテープ1a、1bを磁気ディスク10側に押圧する。その結果、図4(b)に示すように、ワイピングテープ1a、1bの拭き面Sが磁気ディスク10の各主面10a、10bに接触する。また、この状態で、駆動手段が、金属ブロック34、35を図中矢印F2方向に移動操作すると、ワイピングテープ1a、1bが磁気ディスク10から離間し、さらに、パッド36、37がワイピングテープ1a、1bから離間して待機状態に復帰する。
次に、ワイピング装置20の動作について説明する。
まず、第1のワイピングテープ走行系22aおよび第2のワイピングテープ走行系22bに、それぞれ、第1のワイピングテープ1aおよび第2のワイピングテープ1bを掛け渡す。
また、磁気ディスク10を、磁気ディスク保持機構25に装着し、保持させる。
なお、図4(a)に示すように、このワイピング装置20では、初期状態では、第1のワイピングテープ押圧手段23aおよび第2のワイピングテープ押圧手段23bの各パッド36、37が、ワイピングテープ1a、1bから離れた位置(待機状態)となっている。
次に、各部の動作をオンにすると、磁気ディスク回動駆動機構21は、磁気ディスク10を図中矢印r方向に回転駆動する。また、各供給ロールは、それぞれ、第1のワイピングテープ1aおよび第2のワイピングテープ1bを順次送り出す。送り出された第1のワイピングテープ1aは、第1のガイドロール26〜第4のガイドロール29にガイドされつつ、略コ字状の走行路を辿って走行した後、巻取りロールに巻き取られる。また、送り出された第2のワイピングテープ1bは、第5のガイドロール30〜第8のガイドロール33にガイドされつつ、略コ字状の走行路を辿って走行した後、巻取りロールに巻き取られる。
このとき、第1のガイドロール26と第2のガイドロール27との間を走行する第1のワイピングテープ1aは、その拭き面Sが、磁気ディスク10の一方の主面10aと対向し、磁気ディスク10のトラックの走査方向と逆方向に走行する。
また、第5のガイドロール30と第6のガイドロール31との間を走行する第2のワイピングテープ1bは、その拭き面Sが、磁気ディスク10の他方の主面10bと対向し、磁気ディスク10のトラックの走査方向と逆方向に走行する。
次に、第1のワイピングテープ押圧手段23aは、第1のガイドロール26と第2のガイドロール27との間を走行する第1のワイピングテープ1aを、磁気ディスク10の一方の主面10a側に押圧し、該ワイピングテープ1aの拭き面Sを磁気ディスク10の主面10aに接触させる(押し当てる)。また、第2のワイピングテープ押圧手段23bは、第5のガイドロール30と第6のガイドロール31との間を走行する第2のワイピングテープ1bを、磁気ディスク10の他方の主面10b側に押圧し、該ワイピングテープ1bの拭き面Sを磁気ディスク10の主面10bに接触させる(押し当てる)。
磁気ディスク10が、図中矢印r方向に回転駆動された状態で、走行している第1のワイピングテープ1aの拭き面Sが磁気ディスク10の一方の主面10aに押し当てられ、また、走行している第2のワイピングテープ1bの拭き面Sが磁気ディスク10の他方の主面10bに押し当てられると、磁気ディスク10の一方の主面10aおよび他方の主面10bが、それぞれ、第1のワイピングテープ1aの拭き面Sおよび第2のワイピングテープ1bの拭き面Sによって払拭される。これにより、磁気ディスク10の両主面10a、10bに存在する汚れ(汚染物質)が、各ワイピングテープ1a、1bにより拭き取られ、清浄化される。
ここで、本実施形態においては、ワイピングテープ1の製造方法における洗浄工程において、洗浄液としてヘキサン又はアセトン等の有機溶媒を用いているため、上述のように、剥離工程によって発生するナイロンの粒状物の膨潤化を防止し当該粒状物を容易に除去することができる。
これに対し、洗浄液として水を用いた場合には、膨潤化したナイロンの粒状物がナイロン超極細繊維3a又はポリエステル超極細繊維3bに絡みつき残留するため、上記ワイピング時に粒状物が乾燥収縮して粒状ダストとなりディスク10に落下してしまうという不都合が生じる。
この点、本実施形態においては、上述のように、洗浄工程において粒状物を確実に除去することができるため、ワイピングテープ1によるワイピング時に粒状ダストが発生することはない。したがって、ディスク10この表面の汚染を防止することが可能となる。
また、本実施形態においては、各ワイピングテープ1a、1bに、それぞれ、上述の構造の液体潤滑層4が設けられていることにより、各支持体2から脱落した糸くずをワイピングテープ1a、1bに確実に保持することができるとともに、磁気ディスク10の表面から各ワイピングテープ1a、1bに移行した汚染物質を、該ワイピングテープ1a、1bに確実に保持することができる。また、液体潤滑層4が設けられていることにより、ワイピングテープ1a、1bの磁気ディスク10表面に対する動摩擦力が低減するため、このことも支持体2からの糸くずの脱落及び脱落した糸くずの磁気ディスク10への付着を抑制するように作用する。これにより、ワイピングテープ1a、1b由来の糸くずによる磁気ディスク10の汚染を抑えつつ、磁気ディスク10の表面を清浄化することができる。
また、液体潤滑層4に含まれるパーフルオロポリエーテル系化合物は、磁気ディスク10表面に塗布する潤滑剤として一般的に用いられるため、ワイピングテープ1の液体潤滑層4から磁気ディスク10に転写されても悪影響がない。
ワイピングテープ1a、1bの表面に液体潤滑層4を設ける方法としては、ワイピングテープの表面に液体潤滑剤を噴霧する方法、有機溶媒で希釈した潤滑剤を滴下する方法、ワイピングテープを有機溶媒で希釈した潤滑剤中に浸漬後これを所定の速度で取り出し有機溶媒を蒸発させる方法がある。
以上から、加工が行われた磁気ディスク10は、磁気ヘッドの浮上量が微小な磁気記録再生装置(ハードディスク装置)に適用した場合でも、ディスク10表面に粒状ダストや糸くずが存在しないため、磁気ヘッドと磁気ディスク10との衝突が抑えられ、良好な動作特性を得ることができる。
(磁気記録再生装置)
次に、本実施形態のワイピング方法によって払拭処理された磁気ディスクが適用される磁気記録再生装置の一例について説明する。
図6は、この磁気記録再生装置の一例を示す概略構成図である。
この磁気記録再生装置80は、本実施形態のワイピング方法によって払拭処理された磁気ディスク10と、磁気ディスク10を回転駆動する媒体駆動部81と、磁気ディスク10に情報を記録するとともに記録された情報を再生する磁気ヘッド82と、磁気ヘッド82を磁気ディスク10に対して相対移動させるヘッド駆動部83と、記録再生信号処理系84とを備えている。記録再生信号処理系84は、入力されたデータを処理し、得られた記録信号を磁気ヘッド82に送出するとともに、磁気ヘッド82からの再生信号を処理し、得られたデータを出力するように構成されている。
ここで、この磁気記録再生装置80では、磁気ディスク10が、本実施形態のワイピング方法によってワイピング処理されていることにより、その表面が平滑であり、また、粒状ダスト及び糸くずが存在しないため清浄度が高い。このため、磁気ヘッド82の浮上量が微小であっても、磁気ヘッド82と磁気ディスク10との衝突が抑えられ、高い記録密度および信頼性を得ることができる。
以下に、本発明を実証するための実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
(磁気ディスクの製造)
洗浄済みのガラス基板(HOYA社製、外形2.5インチ)を、DCマグネトロンスパッタ装置(アネルバ社製 商品名C−3010)の成膜チャンバ内に収容して、到達真空度1×10−5Paとなるまで成膜チャンバ内を排気した。
そして、このガラス基板上に、DCスパッタリング法を用いて、軟磁性層としてFeCoB、中間層としてRu、磁性層として70Co−5Cr−15Pt−10SiO合金の順に薄膜を積層した。それぞれの層の膜厚は、FeCoB軟磁性層は600Å、Ru中間層は100Å、磁性層は150Åとした。
次いで、プラズマCVD法により、磁性層上に、厚さ3nmの保護層を形成した。
その後、ディッピング法により、パーフルオロポリエーテルからなる潤滑層を形成した。
以上の工程により、ガラス基板上に各層が成膜された磁気ディスクを得た。
(ワイピングテープの製造)
(実施例)
図2(a)に示す断面形状の剥離型複合繊維を製造した。樹脂にはナイロン樹脂(5a)とポリエステル樹脂(5b)を使用し、複合繊維の線径は2μmとした。この複合繊維をベンジルアルコールを用いてナイロンを収縮させることにより超極細繊維とした。超極細繊維のポリエステル線径は約1.3μmであった。この超極細繊維を緯糸とし、経糸に通常のポリエステル繊維(線径10μm)を用いて経糸が表面に出ないように織物を製造した。この織物をアセトンを用いて洗浄した。洗浄は室温で、織物に超音波振動を加えながら行い、洗浄時間は20分間とした。その後、この織物を超純水を用いて40℃の水温で30分間洗浄した。この織物を裁断し幅1/2インチのワイピングテープとした。
(比較例)
実施例と同様にワイピングテープを製造したが、比較例では織物のアセトン洗浄を行わず、超純水での洗浄時間を50分間とした。
(ワイピングテープの評価)
実施例、比較例で製造したワイピングテープを用いて磁気ディスク表面のワイピング処理を行った。すなわち、製造したワイピングテープを図4に示すワイピング装置にセットし、各ワイピングテープについて磁気ディスク1000枚のワイピング処理を行った。ここで、磁気ディスクの回転数は300rpm、ワイピングテープの送り速度は10mm/秒、ワイピングテープを磁気ディスクに押し当てる際の押圧力は98mN、処理時間は5秒間とした。ワイピング処理に際してワイピングテープにパーフルオロポリエーテルを噴霧し、テープ表面に約0.01μmの潤滑剤層を形成した。
ワイピング処理を行った各磁気ディスクについて、テスター(表面試験装置)を用いて汚染状況を評価した。汚染状況は、粒状および糸状ダスト(約0.5μm程度以上の大きさもの)の残留が観察されたディスクの枚数をカウントすることによって評価した。その結果、実施例のワイピングテープを用いた場合は2枚のディスクで糸状のダストの付着が認められたものの粒状ダストの付着は認められなかった。一方、比較例のワイピングテープを用いた場合は4枚のディスクで糸状のダストの付着が、35枚のディスクで粒状ダストの付着が認められた。糸状ダストの写真を図7、粒状ダストの写真を図8に示す。
1 ワイピングテープ
2 織物
3 超極細繊維群
3a ナイロン超極細繊維(超極細繊維)
3b ポリエステル超極細繊維(超極細繊維)
4 液体潤滑層
5 剥離型複合繊維
5a ナイロン成分相
5b ポリエステル成分相
10 磁気ディスク
20 ワイピング装置
80 磁気記録再生装置
S 拭き面

Claims (9)

  1. ナイロン成分相及びナイロンとは異なる材質のポリマー成分相からなる剥離型複合繊維を用いて織物を形成する工程と、
    前記剥離型複合繊維をなす前記ナイロン成分相及び前記ポリマー成分相とを剥離分離させて超極細繊維とする剥離工程と、
    有機溶剤によって前記剥離工程後の前記織物を洗浄する工程とを有することを特徴とするワイピングテープの製造方法。
  2. 前記有機溶剤は、アセトン又はヘキサンであることを特徴とする請求項1に記載のワイピングテープの製造方法。
  3. 前記ポリマー成分相がポリエステルからなることを特徴とする請求項1又は2に記載のワイピングテープの製造方法。
  4. 前記剥離工程が、前記ナイロンを収縮させることにより前記ナイロン成分相と前記ポリマー成分相とを剥離分離することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のワイピングテープの製造方法。
  5. ディスク表面の汚れを拭き取るワイピングテープであって、
    前記ワイピングテープは超極細繊維を用いたものであり、
    前記超極細繊維は、ナイロン成分相とナイロンとは異なる材質のポリマー成分相とからなる剥離型複合繊維を製織して織物を形成した後、前記ナイロン成分相及び前記ポリマー成分相とを剥離分離して、アセトン又はヘキサンによる洗浄処理をして得られたものであることを特徴とするワイピングテープ。
  6. 前記ポリマー成分相がポリエステルからなることを特徴とする請求項5に記載のワイピングテープ。
  7. 前記ワイピングテープは、実質的に研磨力を有さないことを特徴とする請求項5又は6に記載のワイピングテープ。
  8. 回転しているディスクの表面にワイピングテープの表面を押し当てた状態で、前記ワイピングテープを前記ディスクの表面に対して相対走行させることにより、前記ディスク表面の汚れを拭き取るディスクのワイピング方法であって、
    前記ワイピングテープとして、前記請求項5から7のいずれか一項に記載のワイピングテープを用いることを特徴とするワイピング方法。
  9. ワイピングテープの表面にパーフルオロポリエーテル構造を有する化合物を含む液体潤滑層を設けることを特徴とする請求項8に記載のワイピング方法。
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