JP4828436B2 - 磁気記録媒体の製造方法、及び磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法、及び磁気記録媒体 Download PDF

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本発明は、磁気記録媒体の製造方法、及び磁気記録媒体に関し、特に、高記録密度のハードディスク装置に好適に用いられる磁気記録媒体の製造方法に関する。
一般に、ハードディスク装置などに用いられる磁気記録媒体は、NiPまたはNiP合金を無電解メッキしたアルミニウム合金基板(以下、「NiPメッキAl基板」という。)やガラス基板の上に、CrもしくはCr合金からなる非磁性下地層、Co合金からなる磁性層、カーボン等からなる保護膜を順に成膜することによって製造されている。
また、従来から、非磁性下地層、磁性層、保護層の各層を形成する前に、テクスチャー加工とテクスチャー加工後の洗浄とが行なわれている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
テクスチャー加工は、基板表面を粗くする処理であり、磁気記録媒体の表面と磁気ヘッドとの固着を防止するために行なわれている。また、テクスチャー加工後の洗浄は、テクスチャー加工後の残留物を除去し、基板表面を清浄にするために行なわれている。
特開平10−143858号公報 特開2003−173517号公報
しかしながら、従来のテクスチャー加工や洗浄は、NiPメッキAl基板を対象としたものであるため、基板としてガラス基板を用いた場合、テクスチャー加工に用いた砥粒やテクスチャー加工によって削り取られた基板からなる切子など、洗浄によって除去されなかった残留物が洗浄後の基板表面に残存してしまうことが問題となっていた。基板表面に残存する残留物は、最終製品である磁気記録媒体の読み書きエラーやヘッドクラッシュなどの原因となる。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、テクスチャー工程後の基板表面に残存する残留物を効果的に除去することにより、洗浄工程後に基板表面に残存する残留物の量を非常に少なくすることができ、高品質な磁気記録媒体を歩留まりよく製造できる磁気記録媒体の製造方法を提供することを目的とする。
さらに、上記の磁気記録媒体の製造方法で得られ、洗浄工程後の基板表面に残存する残留物に起因する読み書きエラーの生じにくい高品質な磁気記録媒体を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記問題を解決するために、テクスチャー工程後の基板表面の濡れ性と、洗浄工程において使用される洗浄液との関係が、洗浄工程における残留物の除去効果に影響を及ぼしていることに着目し、鋭意検討を行なった。そして、NiPメッキAl基板では、テクスチャー工程後の基板表面を撥水性(疎水性)とし、洗浄工程において基板表面の撥水性が維持される洗浄液を使用することが望ましいが、ガラス基板では、テクスチャー工程後の基板表面を親水性とし、洗浄工程において基板表面の親水性が維持される洗浄水溶液を使用することが望ましいことを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は以下に関する。
[1] ガラス基板の表面にテクスチャー加工を施すテクスチャー工程と、前記テクスチャー工程の後に、トリエタノールアミンを0.003質量%〜0.18質量%含む洗浄水溶液を用いて前記ガラス基板の表面を洗浄する洗浄工程と、前記洗浄工程の後に、前記ガラス基板の表面上に、少なくとも非磁性下地層と磁性層と保護層とを形成する積層工程とを備えることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
[2] 前記洗浄水溶液が、ポリエチレングリコールデシルエーテルを含むことを特徴とする[1]に記載の磁気記録媒体の製造方法。
[3] 前記テクスチャー工程は、砥粒としてのダイヤモンドと水とを含むスラリーであって、前記スラリー中の前記ダイヤモンドの濃度が0.1質量%〜5質量%の範囲である前記スラリーと、テクスチャーテープとを用いて行なうことを特徴とする[1]または[2]に記載の磁気記録媒体の製造方法。
[4]前記洗浄工程は、クリーニングテープを用いて行なうことを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法。
[5][1]〜[4]のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法を用いて製造したことを特徴とする磁気記録媒体。
本発明の磁気記録媒体の製造方法は、前記テクスチャー工程の後に、トリエタノールアミンを0.003質量%〜0.18質量%含む洗浄水溶液を用いて前記ガラス基板の表面を洗浄する洗浄工程を備えているので、テクスチャー工程後のガラス基板の表面と洗浄水溶液との濡れ性が適正なものとなり、洗浄工程においてガラス基板の表面の親水性が維持される。よって、テクスチャー工程後の基板表面に残存する残留物を効果的に除去することができる。このため、本発明によれば、洗浄工程後に基板表面に残存する残留物の量を非常に少なくすることができ、高品質な磁気記録媒体を歩留まりよく製造できる。
また、本発明の磁気記録媒体の製造方法において、前記洗浄水溶液として、ポリエチレングリコールデシルエーテルを含むものを用いた場合、テクスチャー工程後の基板表面に残存する残留物をより一層効果的に除去することができる。
また、本発明の磁気記録媒体は、本発明の磁気記録媒体の製造方法を用いて製造したものであるので、洗浄工程後の基板表面に残存する残留物に起因する読み書きエラーの生じにくい高品質なものとなる。よって、本発明の磁気記録媒体は、高記録密度のハードディスク装置に好適に用いることができる。
以下、本発明に係る磁気記録媒体の製造方法、及び磁気記録媒体の一実施形態について、図面を参照して説明する。
[磁気記録媒体]
図1は、本発明に係る磁気記録媒体の一例を模式的に示した概略断面図である。
図1において、符号1は、ガラス基板を示している。基板1の上には、非磁性下地層2と磁性層3と保護層4と潤滑膜5とが順に積層されている。また、図1に示す磁気記録媒体においては、基板1の下にも基板1の上と同様に、非磁性下地層(図示略)と磁性層(図示略)と保護層(図示略)と潤滑膜(図示略)とが順に積層されている。
ガラス基板1としては、上側および下側の表面に後述するテクスチャー工程および洗浄工程が施されたものが用いられている。
なお、本実施形態においては、ガラス基板1の上および下に非磁性下地層と磁性層と保護層と潤滑膜とが積層されているものを例に挙げて説明するが、ガラス基板1の上または下にのみ非磁性下地層と磁性層と保護層と潤滑膜とが積層されているものであってもよい。
非磁性下地層2は、磁性層3を構成するCo合金結晶の配向を制御するものであり、例えば、Cr、Ti、Ni、Si、Ta、Wなどの単一組成膜、またはこれらの主成分の結晶性を損なわない範囲で他の元素をこれらに含有させた合金からなる膜などを使用できる。中でも特に、Cr単一組成、またはCrにMo、W、V、Ti、Nbのうち1種または2種以上を含有させた材料を用いるのが好ましい。また、Cr、Cr合金にBやZr, Taなどを添加することで、非磁性下地層2の結晶粒径を細かくすることができる。
さらに、非磁性下地層2は、単層構造をなすものとしても良いし、多層構造をなすものとしても良い。多層構造の場合、材料は上述したもののうち互いに同一または異なる組成を積層したものとすることができる。たとえば、Cr層の上にCrMo合金層(Mo含有量30at%以下)などを用いることが出来る。
磁性層3としては、CoCr系合金、CoCrTa系合金、CoCrPt系合金、CoCrPtTa系合金、CoCrPtB系合金等の従来公知のCo合金を用いることができる。さらに、磁性層3は、単層構造をなすものとしても良いし、多層構造をなすものとしても良い。多層構造の場合、材料は上述したもののうち互いに同一または異なる組成を積層したものとすることができる。
非磁性下地層2と磁性層3との間には非磁性中間層を設けることもできる。
保護層4は、ヘッドが媒体に接触した時に媒体表面の損傷を防ぐために、あるいはヘッドと媒体の間の潤滑特性を確保するために設けられる。保護層4の材料としては、従来公知のものを使用でき、例えば、C、SiO2、ZrO2の単一組成、またはこれらを主成分とし他元素を含むものが使用可能である。
保護膜4上には、潤滑膜5が形成されている。潤滑膜5の材料としては、PFPE(パーフルオロポリエーテル)等の弗化系液体潤滑剤、脂肪酸等の固体潤滑剤などが使用される。
なお、基板1上に形成される積層構造は、上記のものに限定されず、上記以外に公知のいかなる積層構造であってもよく、特に限定されない。例えば、図1に示すように、保護膜4上には潤滑膜5が形成されていてもよいが、形成されていなくてもよい。
[磁気記録媒体の製造方法]
次に、図1に示す磁気記録媒体を製造する方法について説明する。
(テクスチャー工程)
まず、所定の寸法形状のガラス基板1を用意し、ガラス基板1の表面にテクスチャー加工を施す。テクスチャー工程は、例えば、図2に示すテクスチャー加工装置を用いて行なうことができる。図2は、テクスチャー加工装置の一例を示した図であり、図2(a)は正面図であり、図2(b)は側面図である。図2に示すテクスチャー加工装置は、ガラス基板1の両側の表面に同時にテクスチャー加工を施すものである。
なお、本実施形態においては、ガラス基板1の両側の表面に同時にテクスチャー加工を施す場合を例に挙げて説明するが、ガラス基板1の片側ずつ別々にテクスチャー加工を行なってもよい。
図2に示すテクスチャー加工装置を用いて、ガラス基板1のテクスチャー加工を行なうには、ガラス基板1をスピンドル101に固定して回転させ、図2(b)に示すように、ガラス基板1の両側に配置されたテクスチャーテープ103を、図2(a)に示すように、ガラス基板1の半径方向に沿って配置されたロール104により所定の押し付け圧力でガラス基板1の表面に両側から押し付けながら、テクスチャーテープ103をそれぞれ巻き取り装置106により巻き取ってガラス基板1の両側の表面上で移動させるとともに、図2(b)に示すように、ガラス基板1の両側に配置されたスラリー供給管107を介してテクスチャーテープ103とガラス基板1の両側の表面との間にスラリー105を供給させて、ガラス基板1の両側の表面を研削する方法によって行われる。
スラリー105としては、砥粒を添加剤等と共に水に分散させたものが用いられる。砥粒としては、ダイヤモンド砥粒を用いる。砥粒の平均粒径は、0.03〜0.5[μm](より好ましくは0.04〜0.2μm)であるのが好ましく、砥粒の濃度は、0.1質量%〜5質量%(より好ましくは0.5質量%〜1質量%)であるのが好ましい。砥粒の平均粒径および/または濃度が上記の範囲であると、研削レートが高く維持され、かつ表面平均粗さが小さくなる。砥粒の平均粒径および/または濃度が、上記の範囲より小さくなると、研削レートが小さくなってしまう場合があり、上記の範囲より大きくなると、表面平均粗さが大きくなってしまう場合がある。
スラリー105の供給量は、50〜200ml/分であるのが好ましい。
テクスチャーテープ103としては、繊維径の細かいポリエステル織物を用いるのが好ましい。
また、図2に示すように、テクスチャーテープ103は、巻き取りながら使用されることにより、常に新しい面に砥粒を保持させてガラス基板1の表面に押し付けられながら移動される。
テクスチャーテープ103をガラス基板1に押し付ける圧力(ロール104のロール圧)は、1×9.8×104〜3×9.8×104[Pa](より好ましくは1.1×9.8×104〜1.5×9.8×104[Pa])とすることが好ましい。ロール104のロール圧が上記の範囲であると、充分な研削量を得ることができ、スクラッチの発生を抑えることができる。なお、押し付け圧力の単位は、[kgf]=9.8×104[Pa]で換算できる。
ガラス基板1を静止させたときのガラス基板1上におけるテクスチャーテープ103の移動速度(テクスチャーテープ103の巻き取り速度)は、10〜100mm/分(より好ましくは30〜80mm/分)であるのが好ましい。テクスチャーテープ103の移動速度が上記の範囲であると、砥粒によるスクラッチの発生や、砥粒がガラス基板1の表面に突き刺さったり埋めこまれたりすることなどを抑えることができる。
また、テクスチャー加工時のガラス基板1の回転数は、200〜1000rpm(より好ましくは500〜700rpm)であるのが好ましい。回転数が上記の範囲であると、充分な研削量が得られる。なお、ガラス基板1の回転方向とテクスチャーテープ103の移動方向とは、逆方向であることが好ましい。テクスチャーテープ103とガラス基板1との接触状態がより密着した状態になり、かつテクスチャーテープ103をスムーズに巻き取ることができるためである。
(洗浄工程)
図2に示すテクスチャー加工装置のテクスチャーテープ103をガラス基板1の表面から離し、スラリー105の供給を停止させて、テクスチャー工程を終了させた後、洗浄水溶液を用いてガラス基板1の表面を洗浄する。本実施形態においては、洗浄工程は、ガラス基板1の両側の表面を同時に洗浄する場合を例に挙げて説明するが、ガラス基板1の片側ずつ別々に洗浄してもよい。
ガラス基板1の洗浄を行なうには、図3に示すように、テクスチャー工程と同様にしてガラス基板1をテクスチャー加工装置のスピンドル101に固定して回転させ、ガラス基板1の両側に配置されたクリーニングテープ303を、ガラス基板1の半径方向に沿って配置されたロール304によりテクスチャー工程と同様にして所定の押し付け圧力でガラス基板1の表面に両側から押し付けながら、クリーニングテープ303をそれぞれ巻き取り装置106により巻き取ってガラス基板1の両側の表面上で移動させるとともに、ガラス基板1の両側に配置された洗浄液供給管307を介してクリーニングテープ303とガラス基板1の両側の表面との間に洗浄水溶液を供給させて、ガラス基板1の表面を拭き取る方法によって行われる。
その後、クリーニングテープ303をガラス基板1の表面から離し、洗浄水溶液の供給を停止させて、洗浄工程を終了させる。
洗浄水溶液としては、トリエタノールアミンを0.003質量%〜0.18質量%含むものが用いられ、0.056質量%〜0.165質量%含むものが用いられることが好ましい。トリエタノールアミンの濃度が、0.003質量%未満であると、トリエタノールアミン自体の洗浄能力の低下に加え、洗浄水溶液の粘性が低下するためガラス基板の洗浄能力が低下する。また、トリエタノールアミンの濃度が0.18質量%を超えると、トリエタノールアミンがディスク表面上に残り、その後の成膜工程に悪影響するとともに、検査工程において検査ヘッドを汚染するようになる。
また、洗浄水溶液が、ポリエチレングリコールデシルエーテルを含むことが好ましい。ポリエチレングリコールデシルエーテルは、界面活性剤の役割を果たし、基板表面の残留物をディスク表面に固着しないようにする働きがある。
さらに、洗浄水溶液は、上記材料の他に添加剤を含んでいてもよい。ここで用いる添加剤としては、ザルコシン、ポリエチレングリコール、不飽和脂肪酸、リン酸エステルなどを用いることができる。これらの物質は、基板表面から脱離させた汚れを、キレート作用により、基板表面に再付着させない働きを有する。
また、洗浄水溶液は、具体的には、0.2質量%〜0.5質量%のPSクール(商品名:株式会社ピーエス製)を含む水溶液であることが好ましく、0.3質量%のPSクールを含む水溶液であることが特に好ましい。PSクールは、トリエタノールアミンを28質量%含み、ポリエチレングリコールデシルエーテルを13質量%含むものである。
洗浄水溶液の供給量は、400〜800ml/分であるのが好ましい。
クリーニングテープ303としては、ナイロン、ポリエステル、これらの複合物を用いるのが好ましい。また、これらのテープは、不織布として用いるのが好ましい。
また、クリーニングテープ303は、巻き取りながら使用されることにより、常に新しい面に砥粒を保持させてガラス基板1の表面に押し付けられながら移動される。
クリーニングテープ303をガラス基板1に押し付ける圧力(ロール304のロール圧)は、0.5×9.8×10〜1.0×9.8×10[Pa](より好ましくは、0.5×9.8×10〜0.9×9.8×10[Pa])とすることが好ましい。ロール304のロール圧が上記の範囲であると、充分な拭き取り効果を得ることができる。なお、押し付け圧力の単位は、[kgf]=9.8×104[Pa]で換算できる。
ガラス基板1を静止させたときのガラス基板1上におけるクリーニングテープ303の移動速度(クリーニングテープ303の巻き取り速度)は、50〜150mm/分(より好ましくは70〜110mm/分)であるのが好ましい。クリーニングテープ303の移動速度が上記の範囲であると、充分な拭き取り効果を得ることができるとともに、砥粒がガラス基板1の表面に突き刺さったり埋めこまれたりすることなどを抑えることができる。
また、洗浄時のガラス基板1の回転数は、200〜1000rpm(より好ましくは200〜300rpm)であるのが好ましい。回転数が上記の範囲であると、充分な拭き取り効果が得られる。なお、ガラス基板1の回転方向とクリーニングテープ303の移動方向とは、逆方向であることが好ましい。クリーニングテープ303とガラス基板1との接触状態がより密着した状態になり、かつクリーニングテープ303をスムーズに巻き取ることができるためである。
このようなテクスチャー工程および洗浄工程は、各一回のみ行なってもよいが、複数回行なってもよい。
また、テクスチャー工程および洗浄工程の完了したガラス基板1の表面に、化学エッチング処理または電解エッチング(電解研磨)処理を行ってもよい。これによりテクスチャー工程および洗浄工程の後に微少なバリやカエリ等が残った場合であってもこれらを除去することができ、平滑性がより良好な表面形状を得ることができる。
さらに、非磁性下地膜2を形成する直前のガラス基板1を真空中でプラズマにさらしてもよい。これにより非磁性下地膜2を形成する前のガラス基板1の表面に、自然酸化膜や汚染吸着物質が付着された場合これらを除去することができ、非磁性下地膜2や磁性層3の結晶の制御をより効果的に実現できる。
次に、テクスチャー工程および洗浄工程の完了したガラス基板1上に、例えば、スパッタ法による金属膜の形成方法を用いて、非磁性下地層2および磁性層3を順次形成する。次に、磁性層53上に、スパッタ法、イオンビーム法、プラズマCVD法等を用いて保護層4を形成する。その後、保護層4上にディッピング法、スピンコート法などの従来公知の方法により潤滑膜5を形成する。
なお、非磁性下地層2、磁性層3、保護層4、潤滑膜5の形成方法は、上記の方法に限定されるものではなく、従来公知のいかなる方法で形成してもよい。
本実施形態の磁気記録媒体の製造方法では、テクスチャー工程の後に、トリエタノールアミンを0.056質量%〜0.165質量%含む洗浄水溶液を用いてガラス基板1の表面を洗浄するので、テクスチャー工程後のガラス基板1の表面に残存する残留物を効果的に除去することができる。
また、本実施形態の磁気記録媒体は、洗浄工程後のガラス基板1の表面に残存する残留物に起因する読み書きエラーの生じにくい高品質なものとなる。
[実施例1]
図1に示す磁気記録媒体を次のようにして作製した。
(テクスチャー工程)
まず、直径65mmのガラス基板1を用意し、図2に示すテクスチャー加工装置を用いて、ガラス基板1の両側の表面に同時にテクスチャー加工を施した。
ガラス基板1のテクスチャー加工は、ガラス基板1をスピンドル101に固定して445rpmで回転させ、ポリエステル極細繊維織物からなるテクスチャーテープ103を1.2×9.8×10[Pa]の押し付け圧力でガラス基板1の表面に両側から押し付けながら、テクスチャーテープ103を巻き取り速度73.5mm/分で巻き取ってガラス基板1の両側の表面上で移動させるとともに、テクスチャーテープ103とガラス基板1の両側の表面との間にダイヤモンドからなる平均粒径0.12[μm]の砥粒を1質量%含む水からなるスラリー105を供給量200ml/分で供給させて行った。
(洗浄工程)
上記のテクスチャー工程を終了させた後、ガラス基板1の表面を、トリエタノールアミンを0.084質量%含む洗浄水溶液を用いて洗浄した。
より詳細には、図3に示すように、ガラス基板1をスピンドル101に固定して228rpmで回転させ、発泡ポリウレタンからなるクリーニングテープ303を、0.6×9.8×10[Pa]の押し付け圧力でガラス基板1の表面に両側から押し付けながら、クリーニングテープ303を巻き取り速度85.8mm/分で巻き取ってガラス基板1の両側の表面上で移動させるとともに、クリーニングテープ303とガラス基板1の両側の表面との間に洗浄水溶液を供給量400ml/分で供給させて行った。
次に、テクスチャー工程および洗浄工程の完了したガラス基板1上に、DCマグネトロンスパッター装置を用いて、Crからなる非磁性下地層2、CoCrPtB合金からなる磁性層3、Cからなる保護層4を順次形成した。その後、保護層4上にディッピング法によりパーフロロポリエーテル潤滑剤からなる潤滑膜5を形成し、図1に示す磁気記録媒体を得た。
[実施例2]
洗浄工程において洗浄水溶液として、トリエタノールアミンを0.056質量%含むものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、図1に示す磁気記録媒体を作製した。
[実施例3]
洗浄工程において洗浄水溶液として、トリエタノールアミンを0.140質量%含むもの用いたこと以外は、実施例1と同様にして、図1に示す磁気記録媒体を作製した。
[比較例1]
洗浄工程において洗浄水溶液として、水を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、図1に示す磁気記録媒体を作製した。
[比較例2]
洗浄工程において洗浄水溶液として、トリエタノールアミンを0.0028質量%含むものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、図1に示す磁気記録媒体を作製した。
[比較例3]
洗浄工程において洗浄水溶液として、トリエタノールアミンを0.196質量%含むもの用いたこと以外は、実施例1と同様にして、図1に示す磁気記録媒体を作製した。
このようにして実施例1〜実施例3、比較例1〜比較例3の磁気記録媒体を各21650個作製し、検査用ヘッドの浮上量を0.27μinchとしてグライド検査(表面突起検査)を行なった。そして、検査用ヘッドと磁気記録媒体上の突起との衝突に起因する検査感度の劣化によって交換した検査用ヘッドの数を調べた。
その結果、グライド検査を行なった磁気記録媒体の数と使用した検査用ヘッドの数との割合「検査用ヘッド(個)/磁気記録媒体(個)」は、実施例1では(95/21650)、実施例2では(143/21650)、実施例3では(206/21650)となった。
また、比較例1では(271/21650)、比較例2では(214/21650)、比較例3では(264/21650)となった。
このことより、実施例1〜実施例3の磁気記録媒体では、比較例1〜比較例3の磁気記録媒体と比較して、検査用ヘッドの衝突が少なく、使用した検査用ヘッドの数の少ないことが分かる。
この結果は、トリエタノールアミンを0.003質量%〜0.18質量%含む洗浄水溶液を用いる洗浄工程を行なうことで、テクスチャー工程後の基板表面に残存する残留物が効果的に除去されたためと推定される。
また、実施例1の結果より、トリエタノールアミンを0.084質量%含む洗浄水溶液を用いることで、テクスチャー工程後の基板表面に残存する残留物がより一層効果的に除去されたと推定できる。
図1は、本発明に係る磁気記録媒体の一例を模式的に示した概略断面図である。 図2は、テクスチャー加工装置の一例を示した図であり、図2(a)は正面図であり、図2(b)は側面図である。図2に示すテクスチャー加工装置は、ガラス基板1の両側の表面に同時にテクスチャー加工を施すものである。 図3は、本発明の磁気記録媒体の製造方法における洗浄工程を説明するための図である。
符号の説明
1…ガラス基板、2…非磁性下地層、3…磁性層、4…保護層、5…潤滑膜、101…スピンドル、103…テクスチャーテープ、104、304…ロール、105…スラリー、106…巻き取り装置、107…スラリー供給管、303…クリーニングテープ、307…洗浄液供給管。

Claims (5)

  1. ガラス基板の表面にテクスチャー加工を施すテクスチャー工程と、
    前記テクスチャー工程の後に、トリエタノールアミンを0.003質量%〜0.18質量%含む洗浄水溶液を用いて前記ガラス基板の表面を洗浄する洗浄工程と、
    前記洗浄工程の後に、前記ガラス基板の表面上に、少なくとも非磁性下地層と磁性層と保護層とを形成する積層工程とを備えることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  2. 前記洗浄水溶液が、ポリエチレングリコールデシルエーテルを含むことを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  3. 前記テクスチャー工程は、砥粒としてのダイヤモンドと水とを含むスラリーであって、前記スラリー中の前記ダイヤモンドの濃度が0.1質量%〜5質量%の範囲である前記スラリーと、テクスチャーテープとを用いて行なうことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  4. 前記洗浄工程は、クリーニングテープを用いて行なうことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法を用いて製造したことを特徴とする磁気記録媒体。
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