JP2010169109A - エネルギー吸収部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】略4角形の外周壁と前記外周壁の2組の対辺にそれぞれ接続する十字形の内壁を有するアルミニウム合金押出形材製のエネルギー吸収部材の改良。軽量で、多くのエネルギー量を吸収できるようにする。
【解決手段】外周壁を構成する外辺1,2に、折れ部6,9が鈍角となるように凹部5,8を形成する。このエネルギー吸収部材を軸方向に圧縮変形させると、外周壁のコーナー及び外周壁と内壁の接続箇所7,11が座屈変形の「節(node)」となり、折れ部6を挟む屈曲した辺(辺1aと辺5a)及び折れ部9を挟む屈曲した辺(辺2aと辺8a)が座屈変形の「腹(loop)」となって閉断面の内側又は外側の同一方向に変形する。外周壁の座屈強度が高くなり、エネルギー吸収量も増加する。
【選択図】図5

Description

本発明は、軸方向に衝撃又は静的荷重が負荷された場合に、軸方向に変形しながらエネルギーを吸収するエネルギ吸収部材に関する。
近年、環境への負荷を低減するという目的から、自動車をはじめとして、様々な分野で軽量化ニーズが高まっている。自動車用クラッシュボックスなどのエネルギー吸収部材もそのようなニーズが高い部品の一つである。このような背景から、従来の鋼製に代わってアルミニウム合金押出形材などの軽金属製エネルギー吸収部材の適用も検討され、実際に採用されている。
アルミニウム合金押出形材からなるエネルギー吸収部材として、略4角形の外周壁と外周壁の2組の対辺にそれぞれ接続しかつ互いにクロスする2個の内壁からなる略田形断面のものが一般に知られている(特許文献1〜5参照)。この断面のアルミニウム合金押出形材に対し、軸方向に衝撃又は静的な圧縮荷重を掛けると、後述する図17に示すように、外周壁のコーナー及び外周壁と内壁の接続箇所を座屈変形の「節(node)」として、蛇腹状に(軸方向に繰り返し)変形しながらエネルギーを吸収する。
なお、本発明において、座屈変形の「節」とは外周壁又は内壁が蛇腹状に変形する際に張り出しの基点になる箇所であり、「節」自体は張り出さず、「節」と「節」の間の壁面が張り出し変形(外周壁であれば閉断面の内側又は外側に張り出し変形)する。このように張り出し変形する部分を座屈変形の「腹(loop)」という。
特開2005−162061号公報 特開2002−155981号公報 特開平11−29064号公報 特開平10−45023号公報 特開平6−247339号公報
しかし、軽量化ニーズの高まりの中で、この種のエネルギー吸収部材について、重量当たりのエネルギー吸収量をさらに高めて、所定のエネルギーを吸収するための重量をさらに低減することが求められている。
従って、本発明の目的は、略4角形の外周壁と前記外周壁の2組の対辺にそれぞれ接続しかつ互いにクロスする2個の内壁を有するアルミニウム合金押出形材製のエネルギー吸収部材を改良し、従来より軽量で、多くのエネルギー量を吸収できるエネルギー吸収部材を提供することを目的とする。
本発明に係るエネルギー吸収部材は、押出方向に垂直な断面において略4角形の外周壁と前記外周壁の各対辺に接続しかつ互いにクロスする内壁を有するアルミニウム合金押出材からなり、前記断面において前記外周壁の4個の辺のうち少なくとも1個の辺の前記内壁との接続箇所に内向きの凹部が形成され、これにより前記凹部が形成された辺の前記接続箇所の両側に折れ部が形成され、軸方向に圧縮荷重を受けて前記外周壁が座屈変形するとき、前記凹部が形成された辺が前記折れ部を座屈変形の「腹」として座屈変形することを特徴とする
上記アルミニウム合金押出形材の断面のさらに具体的な形態として、前記外周壁を構成する4個の辺の全てに前記凹部及び折れ部が形成されていること、及び前記折れ部として内角が鈍角である折れ部が形成されていること等を挙げることができる。
さらに、略四角形の外周壁の4個のコーナーのうち少なくとも1個のコーナーが傾斜辺とされ、前記傾斜辺の端点(一方又は両方の端点)に内角が鈍角になる折れ部が形成され、軸方向に圧縮荷重を受けて前記外周壁が座屈変形するとき、前記折れ部を挟む辺(傾斜辺ともう1つの辺)が前記折れ部を座屈変形の「腹」として座屈変形するようになっていてもよい。
アルミニウム合金押出形材が外周壁に凹部を有しない従来断面の場合、軸方向に圧縮荷重を掛けると、外周壁は4つのコーナー及び外周壁と内壁の4つの接続箇所を座屈変形の「節」として蛇腹状に折り畳まれるが、この蛇腹状変形の間、「節」と「節」の間の座屈変形の「腹」になる壁面の座屈強度はそれほど高くない。一方、本発明の断面の場合、凹部が形成された辺に折れ部が形成され、該辺が前記折れ部を座屈変形の「腹」として座屈変形し、この折れ部を挟む屈曲した辺が座屈変形の「腹」として閉断面の内側又は外側の同一方向に変形する。その結果、折れ部がない場合に比べて、座屈変形の「腹」になる壁面の座屈強度が高くなり、アルミニウム合金押出形材全体の平均圧壊荷重も高くなり、エネルギー吸収量が増加する。
外周壁のコーナーに形成される折れ部も、凹部が形成された辺に形成される折れ部と同様の作用を有する。
エネルギー吸収部材(本発明モデルA)の断面形状を示す図である。 エネルギー吸収部材(本発明モデルB)の断面形状を示す図である。 エネルギー吸収部材(本発明モデルC)の断面形状を示す図である。 エネルギー吸収部材(本発明モデルD)の断面形状を示す図である。 エネルギー吸収部材(本発明モデルE)の断面形状を示す図である。 エネルギー吸収部材(本発明モデルF)の断面形状を示す図である。 エネルギー吸収部材(本発明モデルG)の断面形状を示す図である。 エネルギー吸収部材(比較例モデル)の断面形状を示す図である。 エネルギー吸収部材(本発明モデルA)の斜視図、斜視変形図、平面変形図である。 エネルギー吸収部材の外辺に形成する凹部の他の形態を説明する図である。 エネルギー吸収部材(本発明モデルB)の斜視図(上)及び変形図(斜視図:左下、平面図:右下)である。 エネルギー吸収部材(本発明モデルC)の斜視図(上)及び変形図(斜視図:左下、平面図:右下)である。 エネルギー吸収部材(本発明モデルD)の斜視図(上)及び変形図(斜視図:左下、平面図:右下)である。 エネルギー吸収部材(本発明モデルE)の斜視図(上)及び変形図(斜視図:左下、平面図:右下)である。 エネルギー吸収部材(本発明モデルF)の斜視図(上)及び変形図(斜視図:左下、平面図:右下)である。 エネルギー吸収部材(本発明モデルG)の斜視図(上)及び変形図(斜視図:左下、平面図:右下)である。 エネルギー吸収部材(比較例モデル)の斜視図(上)及び変形図(斜視図:左下、平面図:右下)である。 エネルギー吸収部材(本発明モデルA,比較例モデル)の無次元応力−無次元変位曲線である。 エネルギー吸収部材(本発明モデルB,比較例モデル)の無次元応力−無次元変位曲線である。 エネルギー吸収部材(本発明モデルC,比較例モデル)の無次元応力−無次元変位曲線である。 エネルギー吸収部材(本発明モデルD,比較例モデル)の無次元応力−無次元変位曲線である。 エネルギー吸収部材(本発明モデルE,比較例モデル)の無次元応力−無次元変位曲線である。 エネルギー吸収部材(本発明モデルF,比較例モデル)の無次元応力−無次元変位曲線である。 エネルギー吸収部材(本発明モデルG,比較例モデル)の無次元応力−無次元変位曲線である。 エネルギー吸収部材(本発明モデルA〜G,比較例モデル)の無次元平均応力を比較する図である。
以下、本発明に係るエネルギー吸収部材(アルミニウム合金押出形材)について、図1〜図25を参照して説明する。
まず、比較例として、図8に、従来のアルミニウム合金押出形材の断面を示す。この断面は田の字形で、4角形(矩形)の外周壁(外辺101,101,102,102)と、外周壁の各対辺の中央に接続する十字形の内壁(内辺103,104)からなる。外周壁と内壁の各辺はいずれも平板状である。
一方、図1〜5に示すアルミニウム合金押出形材の断面は略田の字形で、略4角形の外周壁と十字形の内壁からなる。これらはいずれも本発明例であり、図8の4角形の外周壁と十字形の内壁を基本断面とし、前記基本断面の一部を変形させた断面形状、具体的には、前記基本断面の4角形の外周壁のうち1個〜4個の辺(外辺)の、内壁との接続箇所に内向きの凹部が形成され、これにより前記凹部が形成された外辺の前記接続箇所の両側に折れ部が形成され、かつ前記基本断面の十字形の内壁が前記凹部の深さだけ短くなった断面形状ということができる。なお、図1〜図5において、前記基本断面を破線で示している。
図1の断面(本発明モデルA)は、略4角形の外周壁(外辺1,1,2,2)と十字形の内壁(内辺3,4)からなり、外周壁の1個の外辺1の中央に三角形状の凹部5が形成されている。凹部5は屈曲する2個の辺5a.5aからなり、辺5a,5aと外辺1の残部である両側の辺1a,1aとの境界に、内角が鈍角の折れ部6がそれぞれ形成され、凹部5の底部(三角形の頂点)に内辺4の一方の端点が接続している。凹部5が形成された外辺1の内壁(内辺4)との接続箇所7の両側に、内角が鈍角の折れ部6が形成されている、ということもできる。
図2の断面(本発明モデルB)は、略4角形の外周壁(外辺1,1,2,2)と十字形の内壁(内辺3,4)からなり、外周壁の2個の外辺1,1の中央に三角形状の凹部5がそれぞれ形成されている。各凹部5は屈曲する2個の辺5a.5aからなり、辺5a,5aと外辺1の残部である両側の辺1a,1aとの境界に、内角が鈍角の折れ部6がそれぞれ形成され、凹部5,5の底部(三角形の頂点)に内辺4の両方の端点が接続している。凹部5が形成された外辺1,1の内壁(内辺4)との接続箇所7の両側に、内角が鈍角の折れ部6が形成されている、ということもできる。
図3の断面(本発明モデルC)は、略4角形の外周壁(外辺1,1,2,2)と十字形の内壁(内辺3,4)からなり、外周壁の2個の外辺1,2の中央に三角形状の凹部5,8がそれぞれ形成されている。凹部5は屈曲する2個の辺5a,5aからなり、凹部8は屈曲する2個の辺8a,8aからなり、辺5a,5aと外辺1の残部である両側の辺1a,1aとの境界に内角が鈍角の折れ部6、辺8a,8aと外辺2の残部である辺2a,2aとの境界に内角が鈍角の折れ部9がそれぞれ形成され、凹部5,8の底部(三角形の頂点)に内辺4,3の一方の端点がそれぞれ接続している。凹部5,8が形成された外辺1,2の内壁(内辺4,3)との接続箇所7,11の両側に、内角が鈍角の折れ部6,9が形成されている、ということもできる。
図4の断面(本発明モデルD)は、略4角形の外周壁(外辺1,1,2,2)と十字形の内壁(内辺3,4)からなり、外周壁の3個の外辺1,1,2の中央に三角形状の凹部5,5,8がそれぞれ形成されている。凹部5は屈曲する2個の辺5a,5aからなり、凹部8は屈曲する2個の辺8a,8aからなり、辺5a,5aと外辺1の残部である両側の辺1a,1aとの境界に内角が鈍角の折れ部6、辺8a,8aと外辺2の残部である辺2a,2aとの境界に内角が鈍角の折れ部9がそれぞれ形成され、凹部5,5の底部(三角形の頂点)に内辺4の両方の端点が接続し、凹部8の底部(三角形の頂点)に内辺3の一方の端点が接続している。凹部5,8が形成された外辺1,2の内壁(内辺4,3)との接続箇所7,11の両側に、内角が鈍角の折れ部6,9が形成されている、ということもできる。
図5の断面(本発明モデルE)は、略4角形の外周壁(外辺1,1,2,2)と十字形の内壁(内辺3,4)からなり、外周壁の4個の外辺1,1,2,2の中央に三角形状の凹部5,5,8,8がそれぞれ形成されている。凹部5は屈曲する2個の辺5a,5aからなり、凹部8は屈曲する2個の辺8a,8aからなり、辺5a,5aと外辺1の残部である両側の辺1a,1aとの境界に内角が鈍角の折れ部6、辺8a,8aと外辺2の残部である両側の辺2a,2aとの境界に内角が鈍角の折れ部9がそれぞれ形成され、凹部5,5の底部(三角形の頂点)に内辺4の両方の端点が接続し、凹部8の底部(三角形の頂点)に内辺3の両方の端点が接続している。凹部5,8が形成された外辺1,2の内壁(内辺4,3)との接続箇所7,11の両側に、内角が鈍角の折れ部6,9が形成されている、ということもできる。
図6,7に示すアルミニウム合金押出形材の断面も略田の字形で、全体として略4角形の外周壁と十字形の内壁からなる。これらはいずれも本発明例であり、図8の4角形の外周壁と十字形の内壁を基本断面とし、前記基本断面の一部を変形させた断面形状、具体的には、前記基本断面の4角形の外周壁の4個の辺(外辺)の、内壁との接続箇所に内向きの凹部が形成され、これにより前記凹部が形成された外辺の前記接続箇所の両側に折れ部が形成され、かつ前記基本断面の十字形の内壁が前記凹部の深さだけ短くなり、さらに前記基本断面の外周壁の4個のコーナーが面取りされて傾斜辺となった形状ということができる。なお、図6,7において、前記基本断面を破線で示している。
図6の断面(本発明モデルF)は、略4角形の外周壁(外辺1,1,2,2)と十字形の内壁(内辺3,4)からなり、略4角形の4個の外辺1,1,2,2の中央に三角形状の凹部5,5,8,8がそれぞれ形成されている。この点は図5に示す断面と同じであるが、図6の断面は、さらに外周壁の4個のコーナーにそれぞれ傾斜辺12が形成され、傾斜辺12の両方の端点に内角が鈍角になる折れ部13,14が形成されている。傾斜辺12と辺1aの境界、及び傾斜辺12と辺2aの境界に、それぞれ内角が鈍角の折れ部13,14が形成されているということもできる。
図7の断面(本発明モデルG)は、略4角形の外周壁(外辺1,1,2,2)と十字形の内壁(内辺3,4)からなり、略4角形の4個の外辺1,1,2,2の中央にそれぞれ凹部5,5,8,8が形成され、さらに、略四角形の4個のコーナーに傾斜辺12が形成されている点で、図6の本発明モデルFと共通するが、外辺2が凹部8を構成する2個の辺8a,8aのみとなって(残部の辺2aが消滅)、辺8aと傾斜辺9が直接つながり、傾斜辺12の一方の端点に内角が鈍角となる折れ部13、他方の端点に内角が略直角の折れ部15が形成されている。傾斜辺12と辺1aの境界に内角が鈍角の折れ部13が形成され、傾斜辺12と辺8aの境界に内角が略直角の折れ部15が形成されているということもできる。
図1〜図7に示す断面は、凹部5,8がいずれも三角形状であり、凹部5を構成する辺5aと辺1aの折れ部6の内角、及び凹部8を構成する辺8aと辺2aの折れ部9の内角がいずれも鈍角に形成されているが、図9に示すように、四角形状(a)又は円弧状(b)の凹部であってもよい。
図9(a)では、凹部16が四角形状に屈曲する辺16a,16bからなり、凹部16が形成された外辺1の内壁(内辺4)との接続箇所17の両側に、内角が直角の折れ部18と外角が直角の折れ部19が形成されている。
図9(b)では、凹部21が円弧21a,21aからなり、凹部21が形成された外辺1の内壁(内辺4)との接続箇所22の両側に、内角が直角(辺1aとの境界における円弧21aの接線と辺1aの角度が直角)の折れ部23が形成されている。
図1〜図8に示す本発明モデルA〜G及び比較例モデルについて、軸方向に圧縮変形させたときの変形形態をFEM解析して求めた。
FEM解析の材料モデルは、0.2%耐力が240MPaの6000系アルミニウム合金押出形材からなるものとし、基本断面の外形寸法が115mm×70mm、押出方向の長さが100mm、肉厚が全て2.0mmとした。
FEM解析には、汎用の有限要素法解析ソフトLS−DYNAを用いた。端部の拘束条件は端板を溶接で設置する場合を想定して、圧壊方向以外の変位と回転を拘束し、剛体で押し込む態様とし、HAZの軟化は無視した。
FEM解析の結果を図10〜17,18〜25に示す。
図18〜24は、図1〜7に示す本発明モデルA〜Gと図8に示す比較例モデルで得られた無次元応力−無次元変位曲線を対比して示すものである。無次元応力、無次元変位は次式で示される。
無次元応力:(σ/σ0.2)=(P/A)・(1/σ0.2
無次元変位:(u/h)
ここで、σ0.2:0.2%耐力、P:荷重、A:断面積、u:変位、h:軸方向の長さ、である。
なお、今回の検討では、断面積をほぼ一定として評価した。従って、無次元応力を荷重、無次元変位を変位として扱うことができる。
図25は、図1〜8に示す本発明モデルA〜G及び比較例モデルの、無次元変位(u/h)<0.7の区間で求めた無次元平均応力(σ/σ0.2)を示す。
図9〜16の変形図は、ストローク(u/h):35mmにおける変形図である。
まず、図17は比較例モデル(図8)の変形図である。外周壁はコーナー(4箇所)及び外周壁と内壁の接続箇所(4箇所)を座屈変形の「節」(図中に□印を付与)として座屈変形し、座屈変形の「腹」になる部分に折れ部が存在しない。なお、内壁は外周壁と内壁の接続箇所(4箇所)及び内壁がクロスする箇所(1箇所)を座屈変形の「節」として座屈変形している。
図10は本発明モデルA(図1)の変形図である。外周壁はコーナー(4箇所)及び外周壁と内壁の接続箇所(4箇所)を座屈変形の「節」(図中に□印を付与)として座屈変形し、この点は図17に示す比較例モデルと同様である。しかし、本発明モデルAでは、新たに形成された鈍角の折れ部6が座屈変形の「腹」となり(図中に○印で示す)、外辺1の前記折れ部6を挟む両側の辺(辺1aと辺5a)が座屈変形の「腹」として閉断面の内側又は外側の同一方向に変形することから、折れ部6がない比較例モデルと比べて外周壁の座屈強度が高くなる。その結果、図18,25に示すように、断面全体の圧壊荷重及び圧壊平均荷重も高くなり、エネルギー吸収量が増加する。
図11は本発明モデルB(図2)の変形図である。外周壁はコーナー(4箇所)及び外周壁と内壁の接続箇所(4箇所)を座屈変形の「節」(図中に□印を付与)として座屈変形し、この点は図17に示す比較例モデルと同様である。しかし、本発明モデルBでも、新たに形成された鈍角の折れ部6が座屈変形の「腹」となり(図中に○印で示す)、外辺1,1の前記折れ部6を挟む両側の辺(辺1aと辺5a)が座屈変形の「腹」として閉断面の内側又は外側の同一方向に変形することから、折れ部6がない比較例モデルと比べて外周壁の座屈強度が高くなる。その結果、図19,25に示すように、断面全体の圧壊荷重及び圧壊平均荷重も高くなり、エネルギー吸収量が増加する。
図12は本発明モデルC(図3)の変形図である。外周壁はコーナー(4箇所)及び外周壁と内壁の接続箇所(4箇所)を座屈変形の「節」(図中に□印を付与)として座屈変形し、この点は図17に示す比較例モデルと同様である。しかし、本発明モデルCでは、新たに形成された鈍角の折れ部6,9がそれぞれ座屈変形の「腹」となり(図中に○印で示す)、外辺1,2の前記折れ部6,9を挟む両側の辺(辺1aと辺5a,辺2aと辺8a)が座屈変形の「腹」として閉断面の内側又は外側の同一方向に変形することから、折れ部6,9がない比較例モデルと比べて外周壁の座屈強度が高くなる。その結果、図20,25に示すように、断面全体の圧壊荷重及び圧壊平均荷重も高くなり、エネルギー吸収量が増加する。
図13は本発明モデルD(図4)の変形図である。外周壁はコーナー(4箇所)及び外周壁と内壁の接続箇所(4箇所)を座屈変形の「節」(図中に□印を付与)として座屈変形し、この点は図17に示す比較例モデルと同様である。しかし、本発明モデルDでは、新たに形成された鈍角の折れ部6,9がそれぞれ座屈変形の「腹」となり(図中に○印で示す)、外辺1,1,2の前記折れ部6,9を挟む両側の辺(辺1aと辺5a,辺2aと辺8a)が座屈変形の「腹」として閉断面の内側又は外側の同一方向に変形することから、折れ部6,9がない比較例モデルと比べて外周壁の座屈強度が高くなる。その結果、図21,25に示すように、断面全体の圧壊荷重及び圧壊平均荷重も高くなり、エネルギー吸収量が増加する。
図14は本発明モデルE(図5)の変形図である。外周壁はコーナー(4箇所)及び外周壁と内壁の接続箇所(4箇所)を座屈変形の「節」(図中に□印を付与)として座屈変形し、この点は図10に示す比較例モデルと同様である。しかし、本発明モデルEでは、新たに形成された鈍角の折れ部6,9が座屈変形の「腹」となり(図中に○印で示す)、外辺1,1,2,2の前記折れ部6,9を挟む両側の辺(辺1aと辺5a,辺2aと辺8a)が座屈変形の「腹」として閉断面の内側又は外側の同一方向に変形することから、折れ部6,9がない比較例モデルと比べて外周壁の座屈強度が高くなる。その結果、図22,25に示すように、断面全体の圧壊荷重及び圧壊平均荷重も高くなり、エネルギー吸収量が増加する。
図15は本発明モデルF(図6)の変形図である。外周壁は外周壁と内壁の接続箇所(4箇所)を座屈変形の「節」(図中に□印を付与)として座屈変形する。本発明モデルFでは、コーナーの傾斜辺12の両端点に形成された折れ部13,14も、折れ部6,9とともに座屈変形の「腹」となり(図中に○印で示す)、外辺1,1,2,2の前記折れ部6,9,13,14を挟む両側の辺(辺5aと辺1a,辺8aと辺2a,傾斜辺12と辺1a,傾斜辺12と辺2a)が、それぞれ座屈変形の「腹」として閉断面の内側又は外側の同一方向に変形する。このため、外辺1と内辺4の接続箇所7から外辺2と内辺3の接続箇所11までの屈曲した各辺が座屈変形の「腹」として、閉断面の内側又は外側の同一方向に変形する。その結果、比較例モデルと比べて外周壁の座屈強度が高くなり、、図23,25に示すように、断面全体の圧壊荷重及び圧壊平均荷重も高くなり、エネルギー吸収量が増加する。
図16は本発明モデルG(図6)の変形図である。外周壁は外周壁と内壁の接続箇所(4箇所)を座屈変形の「節」(図中に□印を付与)として座屈変形し、また、コーナーの傾斜辺12と辺8aとの境界の折れ部15が座屈変形の「節」(図中に□印を付与)となっている。一方、鈍角の折れ部6,13が座屈変形の「腹」となり(図中に○印で示す)、前記折れ部6,13を挟む両側の辺(辺1aと辺5a,辺1aと傾斜辺12)が座屈変形の「腹」として閉断面の内側又は外側の同一方向に変形することから、比較例モデルと比べて外周壁の座屈強度が高くなる。その結果、図24,25に示すように、断面全体の圧壊荷重及び圧壊平均荷重も高くなり、エネルギー吸収量が増加する。
なお、上記の実施例で、座屈変形の「腹」となる折れ部6,9,13,14はいずれも内角が鈍角とされている。そして、この鈍角が大きいほど、また折れ部を挟む両辺(特に新たに導入された辺5a,8a,12)の幅厚比L/t(Lは各辺の板幅、tは各辺の板厚・・・図1,3,6参照)が小さいほど、上記実施例に示すように、該折れ部が座屈変形の「腹」となりやすい。折れ部が座屈変形の「腹」になり得る折れ部の角度及び辺の幅厚比は、FEM解析又は実験的に容易に確認することができる。なお、同等のサイズ及びエネルギー吸収量であれば、鋼製のものはアルミニウム合金押出材に比べて一般に板厚が小さく、幅厚比が大きくなるので、折れ部が鈍角でも座屈変形の「節」になりやすい。
一方、図9(a)に示すように、凹部16が四角形状で折れ部18,18が直角に屈曲している場合や、図9(b)に示すように、凹部21が円弧形状で折れ部22が直角に屈曲している場合なども、これらの折れ部18,19,22が座屈変形の「腹」となり得る。具体的には、図9(a)の場合、新たに導入された辺16a,16bの幅厚比L1/t1,L2/t2の値が小さいほど(L1,L2は辺16a,16bの板幅、t1,t2は辺16a,16bの板厚)、折れ部18又は19のいずれか一方又は双方が座屈変形の「腹」となりやすい。図9(b)の場合も同様に、辺21aの幅厚比(L3/t3)の値が小さいほど、折れ部22が座屈変形の「腹」となりやすい。
1,2 外周壁を構成する外辺
3,4 内壁を構成する内辺
5,8 凹部
6,11 外周壁と内壁の接続箇所
5a,8a 凹部を構成する辺
6,9,13,14,15 折れ部
12 コーナーの傾斜辺

Claims (4)

  1. 押出方向に垂直な断面において略4角形の外周壁と前記外周壁の各対辺に接続しかつ互いにクロスする内壁を有するアルミニウム合金押出材からなり、前記断面において前記外周壁の4個の辺のうち少なくとも1個の辺の前記内壁との接続箇所に内向きの凹部が形成され、これにより前記凹部が形成された辺の前記接続箇所の両側に折れ部が形成され、軸方向に圧縮荷重を受けて前記外周壁が座屈変形するとき、前記凹部が形成された辺が前記折れ部を座屈変形の「腹」として座屈変形することを特徴とする軸方向に圧縮荷重を受けるエネルギー吸収部材。
  2. 前記外周壁の4個の辺の全てに前記凹部及び折れ部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載されたエネルギー吸収部材。
  3. 前記折れ部は内角が鈍角であることを特徴とする請求項1又は2に記載されたエネルギー吸収部材。
  4. 略四角形の外周壁の4個のコーナーのうち少なくとも1個のコーナーが傾斜辺とされ、前記傾斜辺の端点に内角が鈍角になる折れ部が形成され、軸方向に圧縮荷重を受けて前記外周壁が座屈変形するとき、前記折れ部を挟む辺が前記折れ部を座屈変形の「腹」として座屈変形することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載されたエネルギー吸収部材。
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