JP2004338466A - 自動車用フレーム構成材 - Google Patents
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Abstract
【課題】衝撃エネルギ吸収性能を低下させずに押出成型の生産性を高めることの可能な自動車用フレーム構成材を提供する。
【解決手段】外形輪郭が実質的な多角形をなす外周板(2)と、中心部から各頂角へ向けて遠心方向へ延出された放射板(3)とからなり、一定の断面形状で押出成型された自動車用フレーム構成材(1)を、放射板の厚さ方向の中心にその中心を整合させた凹部(4)を外周板と放射板とが交わる部分に各頂角を切除した態様にて形成する。これにより、フレーム構成材の肉の断面内において、外周輪郭と内周輪郭との2つ以上の点に同時に接する内接円の直径の最大値と最小値との比(内接円比)を従来のものよりも小さくすることができるので、金型内圧の均一化を図ることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】外形輪郭が実質的な多角形をなす外周板(2)と、中心部から各頂角へ向けて遠心方向へ延出された放射板(3)とからなり、一定の断面形状で押出成型された自動車用フレーム構成材(1)を、放射板の厚さ方向の中心にその中心を整合させた凹部(4)を外周板と放射板とが交わる部分に各頂角を切除した態様にて形成する。これにより、フレーム構成材の肉の断面内において、外周輪郭と内周輪郭との2つ以上の点に同時に接する内接円の直径の最大値と最小値との比(内接円比)を従来のものよりも小さくすることができるので、金型内圧の均一化を図ることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、衝突時の衝撃エネルギを圧縮変形によって吸収するために車両の端部に配置される自動車用フレーム構成材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車の車体フレームにおいて、車体前部に設けられたフロントサイドフレームの軸線方向圧縮変形によって衝突時の衝撃エネルギを吸収するようにしたものが知られている。このような衝撃吸収フレーム部材として、本出願と同一出願人は、アルミニウム合金の押出成型により、押し出し方向に直交する断面の外形輪郭を正六角形とし、その中心部から各頂角に向けて放射状に6本のリブを延出した態様の中空部材からなるものを、特開平11−208519号において既に提案している。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−208519号公報(図3)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術によると、圧縮変形によるエネルギ吸収については、外周板と放射状リブとが交わる角部の寄与率が高く、角部の断面積を大きくすることにより、適切な座屈強度が得られるように全体の断面積を設定し得るので、外形寸法を過大にせずに所望の衝撃エネルギ吸収特性を得ることができる。しかしその反面、外周板および放射状リブの部分の断面積と、角部の断面積との比が拡大すると、押出成型時の金型内での圧力差が大きくなるので、流量の均一化を図ろうとすると押出速度を低くせざるを得ず、生産性を高める上での限界点が低かった。
【0005】
本発明は、このような従来技術の問題点を解消すべく案出されたものであり、その主な目的は、衝撃エネルギ吸収性能を低下させずに押出成型の生産性を高めることの可能な自動車用フレーム構成材を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような目的を果たすために、本発明の請求項1においては、外形輪郭が実質的な多角形をなす外周板(2)と、中心部から各頂角へ向けて遠心方向へ延出された放射板(3)とからなり、一定の断面形状で押出成型された自動車用フレーム構成材(1)を、放射板の厚さ方向の中心にその中心を整合させた凹部(4)を外周板と放射板とが交わる部分に各頂角を切除した態様にて形成したことを特徴とするものとした。
【0007】
このようにすれば、フレーム構成材の肉の断面内において、外周輪郭と内周輪郭との2つ以上の点に同時に接する内接円の直径の最大値と最小値との比(内接円比)を従来のものよりも小さくすることができるので、金型内圧の均一化を図ることができる。
【0008】
請求項2においては、外周板と放射板とが交わる部分にて外周板の内面と放射板の各面とに接するアール面(5)を形成し、放射板を挟んで隣り合う2つのアール面の頂点同士を結ぶ直線の外側に放射板の中心線と凹部の底面との交点を位置させるものとした。これにより、外周板と放射板とが交わる部分の圧縮応力の低下を抑制することができる。
【0009】
請求項3においては、外周板と放射板とが交わる部分にて外周板の内面と放射板の各面とに接するアール面を形成し、放射板を挟んで隣り合う2つのアール面の外周板との接続点より外方へ伸びる2本の法線で挟まれた領域の外周面に複数の凸部6を形成するものとした。これにより、外周板と放射板とが交わる部分の十分な断面積を確保し得るので、座屈方向の曲げ剛性を高めることができ、しかも同部分の周囲長を増大することができるので、金型内面との摩擦抵抗を高めて金型内圧の均一化を図ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図面を参照して本発明について詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明に基づき構成された自動車用フレーム構成材の押し出し方向に直交する端面の形状を示している。このフレーム構成材1は、アルミニウム合金にて押出成型されたものであり、全周を囲む外周板2と、中心から遠心方向へ延出されて外周板2の内面に接続した6つの放射板3とにより、一定断面の中空閉断面部材として形成されている。
【0012】
このフレーム構成材1の押し出し方向に直交する断面の外形輪郭は、実質的な正六角形を基準にしており、図2の拡大図に併せて示すように、2つの外周板2と1つの放射板3とが互いに交わる部分(斜線部分)Aの外面には、放射板3の厚さ方向の中心線aにその底面の中心cを整合させた凹部4が、正六角形の各頂角(図1の想像線で囲まれた部分)Bを切除した態様にて形成されている。
【0013】
外周板2と放射板3との交わる部分Aの内側には、外周板2の内面と放射板3の各面とに接する適宜な曲率のアール面5が形成されている。そして放射板3の中心線aと凹部4の底面の中心cとの交点は、放射板3を挟んで隣り合う2つのアール面5の頂点同士を結ぶ直線bの外側に位置している。
【0014】
上記のように、2つの外周板2と1つの放射板3とが互いに交わる部分Aの外面に凹部4を形成することにより、フレーム構成材1の肉の断面内において、外周輪郭と内周輪郭との2つ以上の点に同時に接する内接円の直径の最大値d1と最小値d2との比が、従来のものよりも小さくなるようにされている。この内接円比(d1/d2)を適切に定めることにより、押出成型時の金型内圧の均一化を図ることができ、例えば、内接円比が2.7(本発明)と3.6(従来)とで比較した場合、エネルギ吸収効率は共に55.000J/kgであったのが、従来のもの(内接円比3.6)の場合は押出速度が7であったのに対し、本発明のもの(内接円比2.7)の場合は押出速度は10となり、内接円比を小さくすることにより、エネルギ吸収効率を損なわずに押出速度を高め得ることが確認された。
【0015】
また、凹部4の底面の中心cと直線bとの位置関係については、圧縮荷重の理論値と実験値との比較線図を図7に示したとおり、中心cの位置が直線bより内側へ入ると理論値に対して実験値が著しく低下することが確認された。即ち、中心cは直線bより外側であることが望ましいことが分かる。なお、理論値は断面積の推移より算出した。
【0016】
図3〜図6は、本発明の変形実施例を示している。これらは、それぞれ2つの外周板と放射板3との交わる部分にて外周板2の内面と放射板3の各面とに接して形成されたアール面5の外周板2との接続点から外側へ伸びる2つの法線e1・e2で挟まれた領域の外周面に、上記した凹部4とは別に、複数の凸部6を形成したものである。
【0017】
このような凸部6を設けることにより、内接円比を小さく保ったままで外周長を増大することができる。これにより、金型内面に対する接触長さが増大して摩擦抵抗が増大するので、効果的に金型内圧の均一化を図ることができる。
【0018】
図3に示したものは、頂角を切除することで減少した2つの外周板と放射板3との交わる部分の断面積を、凹部4に隣接する位置に設けた矩形の凸部6で補填したものである。これにより、座屈方向の曲げ剛性を高くすることができるので、座屈ピッチが長くなり、衝撃吸収に有効なストロークを増大するのに寄与し得る。
【0019】
図4に示したものは、矩形の凸部6の個数を上記の態様よりも増やす(2個から4個に)ことにより、金型内面との接触長さのより一層の拡大を図ったものである。
【0020】
図5に示したものは、山形の凸部6の個数を増加させることで金型内面との接触長さのより一層の増大を図った別の態様を示すものである。
【0021】
図6に示したものは、凸部6の個数を増加させることで金型内面との接触長さを増大させると共に、山形の凸部6の頂部をアール形状とすることで座屈変形時に凸部6に作用する力を分散し、外周板2と放射板3との交わる部分の局部的な変形を防止して座屈変形の安定性向上を図ったものである。
【0022】
これらの各変形実施例においても、内接円比および凹部4の底面の中心cとアール面5の頂点間を結ぶ直線bとの関係は、第1の実施例と同様に設定すれば良いことは言うまでもない。
【0023】
【発明の効果】
以上詳述した通り本発明によれば、外形輪郭が多角形の中空押出材における外周板と放射板とが交わる部分の形状を適切に設定することにより、フレーム構成材の肉の断面内において、外周輪郭と内周輪郭との2つ以上の点に同時に接する内接円の直径の最大値と最小値との比の低減と金型との接触長さの拡大とが図れる。これにより、金型内圧が均一化されるので、成型速度を高めて生産性を向上する上に大きな効果が得られる。
【0024】
しかも塑性変形量の大きい外周板と放射板との交わる部分の十分な面積を確保し得るので、圧縮変形時に外周板と放射板との交わる部分の座屈に対する抗力が高まり、座屈波長が長くなり、応力を低下させずにエネルギ吸収に有効なストロークを確保する上に多大な効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく自動車用フレーム構成材の押し出し方向に直交する切断端面図
【図2】2つの外周板と1つの放射板とが互いに交わる部分の拡大図
【図3】凹部に隣接する位置に矩形の凸部を設けた例を示す要部拡大図
【図4】凹部に隣接する位置に矩形の凸部を設けた別の例を示す要部拡大図
【図5】凹部に隣接する位置に山形の凸部を設けた例を示す要部拡大図
【図6】凹部に隣接する位置に山形の凸部を設けた別の例を示す要部拡大図
【図7】圧縮荷重の理論値と実験値との比較線図
【符号の説明】
1 フレーム構成材
2 外周板
3 放射板
4 凹部
5 アール面
6 凸部
【発明の属する技術分野】
本発明は、衝突時の衝撃エネルギを圧縮変形によって吸収するために車両の端部に配置される自動車用フレーム構成材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車の車体フレームにおいて、車体前部に設けられたフロントサイドフレームの軸線方向圧縮変形によって衝突時の衝撃エネルギを吸収するようにしたものが知られている。このような衝撃吸収フレーム部材として、本出願と同一出願人は、アルミニウム合金の押出成型により、押し出し方向に直交する断面の外形輪郭を正六角形とし、その中心部から各頂角に向けて放射状に6本のリブを延出した態様の中空部材からなるものを、特開平11−208519号において既に提案している。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−208519号公報(図3)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術によると、圧縮変形によるエネルギ吸収については、外周板と放射状リブとが交わる角部の寄与率が高く、角部の断面積を大きくすることにより、適切な座屈強度が得られるように全体の断面積を設定し得るので、外形寸法を過大にせずに所望の衝撃エネルギ吸収特性を得ることができる。しかしその反面、外周板および放射状リブの部分の断面積と、角部の断面積との比が拡大すると、押出成型時の金型内での圧力差が大きくなるので、流量の均一化を図ろうとすると押出速度を低くせざるを得ず、生産性を高める上での限界点が低かった。
【0005】
本発明は、このような従来技術の問題点を解消すべく案出されたものであり、その主な目的は、衝撃エネルギ吸収性能を低下させずに押出成型の生産性を高めることの可能な自動車用フレーム構成材を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような目的を果たすために、本発明の請求項1においては、外形輪郭が実質的な多角形をなす外周板(2)と、中心部から各頂角へ向けて遠心方向へ延出された放射板(3)とからなり、一定の断面形状で押出成型された自動車用フレーム構成材(1)を、放射板の厚さ方向の中心にその中心を整合させた凹部(4)を外周板と放射板とが交わる部分に各頂角を切除した態様にて形成したことを特徴とするものとした。
【0007】
このようにすれば、フレーム構成材の肉の断面内において、外周輪郭と内周輪郭との2つ以上の点に同時に接する内接円の直径の最大値と最小値との比(内接円比)を従来のものよりも小さくすることができるので、金型内圧の均一化を図ることができる。
【0008】
請求項2においては、外周板と放射板とが交わる部分にて外周板の内面と放射板の各面とに接するアール面(5)を形成し、放射板を挟んで隣り合う2つのアール面の頂点同士を結ぶ直線の外側に放射板の中心線と凹部の底面との交点を位置させるものとした。これにより、外周板と放射板とが交わる部分の圧縮応力の低下を抑制することができる。
【0009】
請求項3においては、外周板と放射板とが交わる部分にて外周板の内面と放射板の各面とに接するアール面を形成し、放射板を挟んで隣り合う2つのアール面の外周板との接続点より外方へ伸びる2本の法線で挟まれた領域の外周面に複数の凸部6を形成するものとした。これにより、外周板と放射板とが交わる部分の十分な断面積を確保し得るので、座屈方向の曲げ剛性を高めることができ、しかも同部分の周囲長を増大することができるので、金型内面との摩擦抵抗を高めて金型内圧の均一化を図ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図面を参照して本発明について詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明に基づき構成された自動車用フレーム構成材の押し出し方向に直交する端面の形状を示している。このフレーム構成材1は、アルミニウム合金にて押出成型されたものであり、全周を囲む外周板2と、中心から遠心方向へ延出されて外周板2の内面に接続した6つの放射板3とにより、一定断面の中空閉断面部材として形成されている。
【0012】
このフレーム構成材1の押し出し方向に直交する断面の外形輪郭は、実質的な正六角形を基準にしており、図2の拡大図に併せて示すように、2つの外周板2と1つの放射板3とが互いに交わる部分(斜線部分)Aの外面には、放射板3の厚さ方向の中心線aにその底面の中心cを整合させた凹部4が、正六角形の各頂角(図1の想像線で囲まれた部分)Bを切除した態様にて形成されている。
【0013】
外周板2と放射板3との交わる部分Aの内側には、外周板2の内面と放射板3の各面とに接する適宜な曲率のアール面5が形成されている。そして放射板3の中心線aと凹部4の底面の中心cとの交点は、放射板3を挟んで隣り合う2つのアール面5の頂点同士を結ぶ直線bの外側に位置している。
【0014】
上記のように、2つの外周板2と1つの放射板3とが互いに交わる部分Aの外面に凹部4を形成することにより、フレーム構成材1の肉の断面内において、外周輪郭と内周輪郭との2つ以上の点に同時に接する内接円の直径の最大値d1と最小値d2との比が、従来のものよりも小さくなるようにされている。この内接円比(d1/d2)を適切に定めることにより、押出成型時の金型内圧の均一化を図ることができ、例えば、内接円比が2.7(本発明)と3.6(従来)とで比較した場合、エネルギ吸収効率は共に55.000J/kgであったのが、従来のもの(内接円比3.6)の場合は押出速度が7であったのに対し、本発明のもの(内接円比2.7)の場合は押出速度は10となり、内接円比を小さくすることにより、エネルギ吸収効率を損なわずに押出速度を高め得ることが確認された。
【0015】
また、凹部4の底面の中心cと直線bとの位置関係については、圧縮荷重の理論値と実験値との比較線図を図7に示したとおり、中心cの位置が直線bより内側へ入ると理論値に対して実験値が著しく低下することが確認された。即ち、中心cは直線bより外側であることが望ましいことが分かる。なお、理論値は断面積の推移より算出した。
【0016】
図3〜図6は、本発明の変形実施例を示している。これらは、それぞれ2つの外周板と放射板3との交わる部分にて外周板2の内面と放射板3の各面とに接して形成されたアール面5の外周板2との接続点から外側へ伸びる2つの法線e1・e2で挟まれた領域の外周面に、上記した凹部4とは別に、複数の凸部6を形成したものである。
【0017】
このような凸部6を設けることにより、内接円比を小さく保ったままで外周長を増大することができる。これにより、金型内面に対する接触長さが増大して摩擦抵抗が増大するので、効果的に金型内圧の均一化を図ることができる。
【0018】
図3に示したものは、頂角を切除することで減少した2つの外周板と放射板3との交わる部分の断面積を、凹部4に隣接する位置に設けた矩形の凸部6で補填したものである。これにより、座屈方向の曲げ剛性を高くすることができるので、座屈ピッチが長くなり、衝撃吸収に有効なストロークを増大するのに寄与し得る。
【0019】
図4に示したものは、矩形の凸部6の個数を上記の態様よりも増やす(2個から4個に)ことにより、金型内面との接触長さのより一層の拡大を図ったものである。
【0020】
図5に示したものは、山形の凸部6の個数を増加させることで金型内面との接触長さのより一層の増大を図った別の態様を示すものである。
【0021】
図6に示したものは、凸部6の個数を増加させることで金型内面との接触長さを増大させると共に、山形の凸部6の頂部をアール形状とすることで座屈変形時に凸部6に作用する力を分散し、外周板2と放射板3との交わる部分の局部的な変形を防止して座屈変形の安定性向上を図ったものである。
【0022】
これらの各変形実施例においても、内接円比および凹部4の底面の中心cとアール面5の頂点間を結ぶ直線bとの関係は、第1の実施例と同様に設定すれば良いことは言うまでもない。
【0023】
【発明の効果】
以上詳述した通り本発明によれば、外形輪郭が多角形の中空押出材における外周板と放射板とが交わる部分の形状を適切に設定することにより、フレーム構成材の肉の断面内において、外周輪郭と内周輪郭との2つ以上の点に同時に接する内接円の直径の最大値と最小値との比の低減と金型との接触長さの拡大とが図れる。これにより、金型内圧が均一化されるので、成型速度を高めて生産性を向上する上に大きな効果が得られる。
【0024】
しかも塑性変形量の大きい外周板と放射板との交わる部分の十分な面積を確保し得るので、圧縮変形時に外周板と放射板との交わる部分の座屈に対する抗力が高まり、座屈波長が長くなり、応力を低下させずにエネルギ吸収に有効なストロークを確保する上に多大な効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく自動車用フレーム構成材の押し出し方向に直交する切断端面図
【図2】2つの外周板と1つの放射板とが互いに交わる部分の拡大図
【図3】凹部に隣接する位置に矩形の凸部を設けた例を示す要部拡大図
【図4】凹部に隣接する位置に矩形の凸部を設けた別の例を示す要部拡大図
【図5】凹部に隣接する位置に山形の凸部を設けた例を示す要部拡大図
【図6】凹部に隣接する位置に山形の凸部を設けた別の例を示す要部拡大図
【図7】圧縮荷重の理論値と実験値との比較線図
【符号の説明】
1 フレーム構成材
2 外周板
3 放射板
4 凹部
5 アール面
6 凸部
Claims (3)
- 外形輪郭が実質的な多角形をなす外周板と、中心部から各頂角へ向けて遠心方向へ延出された放射板とからなり、一定の断面形状で押出成型された自動車用フレーム構成材であって、
前記放射板の厚さ方向の中心にその中心を整合させた凹部を前記外周板と前記放射板とが交わる部分に頂角を切除した態様にて形成したことを特徴とする自動車用フレーム構成材。 - 前記外周板と前記放射板とが交わる部分にて前記外周板の内面と前記放射板の各面とに接するアール面を形成し、前記放射板を挟んで隣り合う2つのアール面の頂点同士を結ぶ直線の外側に前記放射板の中心線と前記凹部の底面との交点を位置させたことを特徴とする請求項1に記載の自動車用フレーム構成材。
- 前記外周板と前記放射板とが交わる部分にて前記外周板の内面と前記放射板の各面とに接するアール面を形成し、前記放射板を挟んで隣り合う2つのアール面の前記外周板との接続点より外方へ伸びる2本の法線で挟まれた領域の外周面に複数の凸部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の自動車用フレーム構成材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003135277A JP2004338466A (ja) | 2003-05-14 | 2003-05-14 | 自動車用フレーム構成材 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003135277A JP2004338466A (ja) | 2003-05-14 | 2003-05-14 | 自動車用フレーム構成材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004338466A true JP2004338466A (ja) | 2004-12-02 |
Family
ID=33525575
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003135277A Pending JP2004338466A (ja) | 2003-05-14 | 2003-05-14 | 自動車用フレーム構成材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004338466A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010169109A (ja) * | 2009-01-20 | 2010-08-05 | Kobe Steel Ltd | エネルギー吸収部材 |
-
2003
- 2003-05-14 JP JP2003135277A patent/JP2004338466A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010169109A (ja) * | 2009-01-20 | 2010-08-05 | Kobe Steel Ltd | エネルギー吸収部材 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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Effective date: 20051128 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
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