JP2009113675A - 車両用エネルギー吸収部材、車両前部構造、及び車両後部構造。 - Google Patents

車両用エネルギー吸収部材、車両前部構造、及び車両後部構造。 Download PDF

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Abstract

【課題】衝突エネルギーの吸収性能を向上させる。
【解決手段】クラッシュボックス100は全体が筒状とされ、車両体前後方向を軸方向として配設された筒部102を有している。筒部102は一方が円形状断面104とされ、他方が正六角形状断面106とされている。筒部102の周壁110は、正六角形状断面106の各辺106Aから円形状断面104に向かうに従って幅狭とされ収束点104Aで収束する平面部110Aを有している。平面部110A間の周壁110を構成する曲面部110Bは、円形状断面104から正六角形状断面106に向かうに従って幅狭とされ収束する。稜線110Cは、円形状断面104に向かうに従って収束点104Aに向けて曲率が大きくなる曲線となる。よって、筒部102は、軸方向と直交する断面形状が、円形状から正六角形状に徐々に変化し、これに伴い軸方向と直交する断面積が徐々に変化する。
【選択図】図2

Description

車両用エネルギー吸収部材、車両前部構造、及び車両後部構造に関する。
衝突時のエネルギーを吸収するため、車両のバンパリインフォースメントとサイドメンバーとの間に車両用エネルギー吸収部材(クラッシュボックス)を設けることがある。
車両用エネルギー吸収部材としては、例えば、小径の第一筒部と大径の第二筒部とが中間筒部で接合された構成とされ、第一筒部が第二筒部に入れ子状に入り込むように中間筒部が変形する車両用エネルギー吸収部材が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
或いは、軸方向の衝撃荷重を受けて塑性変形する断面円形状の衝撃吸収部と、この衝撃吸収部と連続して一体に形成された断面正方形状の原形維持部と、で構成されると共に、衝撃吸収部と原形維持部との連続部分において、肉厚を漸次変え衝撃吸収部の肉厚よりも原形維持部の肉厚を厚くすることで、衝撃吸収部と原形維持部との間に衝撃荷重の応力や疲労荷重の応力が集中するのを防止するエネルギー吸収部材が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
特表2007−503561号公報 特開平10−138950号公報
しかし、衝突エネルギーの吸収性能の更なる向上、特に衝突後半のエネルギー吸収量の増加が求められている。
本発明は、上記問題を解決すべく成されたもので、衝突エネルギーの吸収性能を向上、特に衝突後半のエネルギー吸収量を増加させることが目的である。
請求項1に記載の車両用エネルギー吸収部材は、軸方向に入力された荷重によって圧壊し、一方の端部における軸方向と直交する断面形状が円形状とされ、他方の端部における軸方向と直交する断面形状が多角形状とされる筒部と、前記筒部の周壁を構成し、多角形状の他方の端部の各辺から円形状の一方の端部に向かうに従って幅狭とされ、円形状の一方の端部で収束する平面部と、前記筒部の前記周壁の前記平面部間を構成し、円形状の一方の端部から多角形状の他方の端部に向かうに従って幅狭とされ、多角形状の角部で収束する曲面部と、を備えることを特徴としている。
請求項1に記載の車両用エネルギー吸収部材では、筒部の周壁を構成する平面部と曲面部との境界の稜線は、円形状の一方の端部に向かうに従って曲率が大きくなって収束する曲線(緩やかな円弧)を描く。よって、軸方向に入力した荷重によって筒部が圧壊されていく過程において、稜線(緩やかな円弧)の初期不整が連続する。すなわち、座屈が連続して起こる(座屈が始まると直ぐに次の座屈が始まる)。換言すると、座屈波長が短くなる。
そして、座屈波長が短じかくなることにより、車両用エネルギー吸収部材の筒部が安定して圧壊するので、衝突エネルギーの吸収量(EA量)が増加する。つまり、衝突後半での衝突エネルギーの吸収性能が向上される。
請求項2に記載の車両用エネルギー吸収部材は、請求項1に記載の構成において、前記筒部を、前記一方の端部側及び前記他方の端部側の少なくとも一方が軸方向と直交する断面で切り取られた形状とすることを特徴としている。
請求項2に記載の車両用エネルギー吸収部材では、筒部を、一方の端部側又は他方の端部側の少なくとも一方が軸方向と直交する断面で切り取とられた形状とすることで、所望する荷重特性が容易に得られる。
なお、ここでいう「切り取られた形状」とは、あくまでも筒部の形状を説明するものであって、筒部の製造方法を意味するものではない。
請求項3に記載の車両前部構造は、車両前端部に車両幅方向に沿って配設されたフロントバンパリインフォースメントと、前記フロントバンパリインフォースメントの両端部近傍から車両前後方向に沿って略平行に配設された一対のフロントサイドメンバーと、前記フロントバンパリインフォースメントと前記フロントサイドメンバーとの間に設けられ、車両前後方向を軸方向として配置された請求項1又は請求項2に記載の車両用エネルギー吸収部材と、を備えることを特徴としている。
請求項3に記載の車両前部構造では、車両の前面衝突時の衝突荷重がフロントバンパリインフォースメントを介して、フロントバンパリインフォースメントとフロントサイドメンバーとの間に設けられた車両用エネルギー吸収部材に伝達される。伝達された衝突荷重によって車両用エネルギー吸収部材の筒部が安定して圧壊する。よって、車両の前面衝突時の衝突エネルギーの吸収性能が向上される。
請求項4に記載の車両後部構造は、車両後端部に車両幅方向に沿って配設されたリアバンパリインフォースメントと、前記リアバンパリインフォースメントの両端部近傍から車両前後方向に沿って略平行に配設された一対のリアサイドメンバーと、前記リアバンパリインフォースメントと前記リアサイドメンバーとの間に設けられ、車両前後方向を軸方向として配置された請求項1又は請求項2に記載の車両用エネルギー吸収部材と、を備えることを特徴としている。
請求項4に記載の車両後部構造では、車両の後面衝突時の衝突荷重がリアバンパリインフォースメントを介して、リアバンパリインフォースメントとリアサイドメンバーとの間に設けられた車両用エネルギー吸収部材に伝達される。伝達された衝突荷重によって、車両用エネルギー吸収部材の筒部が安定して圧壊する。よって、車両の後面衝突時の衝突エネルギーの吸収性能が向上される。
なお、円形状は、真円又は略真円を示すことが多いが、本明細書においては、真円又は略真円に加え、楕円を含む表現とする。
以上説明したように請求項1に記載の車両用エネルギー吸収部材によれば、筒部を安定して圧壊させることで衝突エネルギーの吸収性能を向上、特に衝突後半のエネルギー吸収量を増加させることができる、という優れた効果を有する。
請求項2に記載の車両用エネルギー吸収部材によれば、筒部の一方側又は他方側のいずれか一方又は両方が軸方向と直交する断面で切り取られた形状とすることで、所望する荷重特性を容易に得ることができる、という優れた効果を有する。
請求項3に記載の車両前部構造によれば、車両の前面衝突時の衝突エネルギーの吸収性能を向上させることができる、という優れた効果を有する。
請求項4に記載の車両前部構造によれば、車両の後面衝突時の衝突エネルギーの吸収性能を向上させることができる、という優れた効果を有する。
以下、図1から図3を用いて、本発明における車両用エネルギー吸収部材としてのクラッシュボックスを備える車両前部構造の実施形態の一例を詳細に説明する。なお、図中の矢印UPは車両上方向を示し、矢印FRは車両前方向を示し、矢印OUTは車両幅方向外側方向を示す。
まず、車両前部構造の概要構成について、図1を用いて説明する。
図1は、車両用エネルギー吸収部材としてのクラッシュボックス100を備える車両10の車両前部構造12を模式的に示している。図1に示すように、車両10の車体フレームを構成するフロントサイドメンバー14,16が、車両前部の左右両側に車両前後方向を長手方向として配設されている。フロントサイドメンバー14,16、及び後述するフロントバンパリインフォース18は、例えば、長尺の中空状とされ、アルミ等の押出材によって構成されている。
フロントサイドメンバー14,16の前端部には、クラッシュボックス100がボルト結合されている。そして、クラッシュボックス100の前端部に、車両幅方向を長手方向として配設されたフロントバンパリインフォースメント18がボルト結合されている。
つまり、車両前端部に車両幅方向に沿って配設されたフロントバンパリインフォースメント18と、フロントバンパリインフォースメント18の車両幅方向における両端部近傍から車両前後方向に沿って略平行に配設された一対のフロントサイドメンバー14,16と、の間にクラッシュボックス100が設けられた構成とされている。
なお、フロントバンパリインフォースメント18は、車両10の外観形状に合わせ、車体幅方向両端部が車両斜め後方へ向って屈曲されていてもよい。
また、エンジン20が、フロントサイドメンバー14とフロントサイドメンバー16との間に配設されると共に、マウント部22、24を介してフロントサイドメンバー14、16に支持されている。
つぎに、フロントバンパリインフォースメント18と一対のフロントサイドメンバー14,16と、の間に設けられたクラッシュボックス100について、図2と図3とを用いて詳細に説明する。
図2と図3とに示すように、クラッシュボックス100は、全体が筒状とされ、車両前後方向を軸方向として配設された筒部102を有している。なお、クラッシュボックス100は、筒部102に加え、フロントサイドメンバー14とフロントサイドメンバー16と結合するため図示しない接合部等を有している。
クラッシュボックス100の筒部102は、車両前方側の開口、すなわち、フロントバンパリインフォースメント18(図1参照)側の断面形状は、真円(又は略真円)の円形状断面104(図3(A))とされ、車両後方側の開口、すなわち、フロントサイドメンバー14、16(図1参照)側の断面形状は、正六角形状断面106(図3(C))とされている。
筒部102の周壁110は、正六角形状断面106の各辺106Aから円形状断面104に向かうに従って幅狭とされ円形状断面104上の収束点104Aで収束する平面部110Aを有している。そして、この平面部110A間の周壁110は、曲面部110Bで構成されている。曲面部110Bは、円形状断面104から正六角形状断面106に向かうに従って幅狭とされ正六角形状断面106の角部106Bで収束する。よって、筒部102の周壁110を構成する平面部110Aと曲面部110Bとの境界の稜線110Cは、円形状断面104に向かうに従って収束点104Aに向けて曲率が大きくなる曲線(緩やかな円弧状)となる。
換言すると、クラッシュボックス100の筒部102は、円筒から正六角筒へと連続的に変化する形状とされている。また、本実施形態においては、クラッシュボックス100の筒部102は、軸方向に平面視すると、円形状断面104が正六角形状断面106に外接するように重なる。よって、筒部102は、軸方向と直交する断面形状が、円形状から正六角形状に徐々に変化し、これに伴い軸方向と直交する断面積が徐々に変化している。
なお、本実施形態では、円形状断面104が正六角形状断面106に外接するように重なるので、厳密には、筒部102の平面部110Aは、円形状断面104に向かうに従って若干上り勾配の傾斜面となる。よって、円形状断面104から正六角形状断面106に向かって徐々に断面積が小さくなっている。
また、クラッシュボックス100は、軸方向(車両前後方向)に沿った縦断面で接合される第一部材122と第二部材123と構成されている。第一部材122と第二部材123は、それぞれプレス成形によって形成される。第一部材122と第二部材123には、それぞれ接合断面に沿って延出されたフランジ部124、125が形成されている。そして、これらのフランジ部124、125同士が接合されることでクラッシュボックス100が形成される。
なお、本実施形態では、クラッシュボックス100の筒部102は、軸方向に平面視すると、円形状断面104が正六角形状断面106に外接するように重なっていたが、円形状断面が正六角形状断面に内接するように重なっていてもよい。なお、この場合は、筒部102の曲面部110Bは、正六角形状断面106に向かうに従って若干上り勾配の傾斜面となり、円形状断面104から正六角形状断面106に向かって徐々に断面積が大きくなる。
つぎに、本実施形態の作用について説明する。
図4は、車両10の車両前部構造12が前面衝突(オフセット衝突)した際の様子が(A)から(C)に順番に模式的に図示されている。また、図5は、図4に示す車両10の車両前部構造12の前面衝突(オフセット衝突)の際における荷重特性(クラッシュボックス100に伝達される衝突荷重と軸方向の変位との関係(F−S特性))を示すグラフである。なお、図4に示すように、ここではオフセット衝突の例を用いて説明しているが、フルラップ衝突であっても同様である。
また、図5の点線のグラフは、比較例として、図6に示すような本発明が適用されていないクラッシュボックス800を、クラッシュボックス100の替わりに用いた場合の荷重特性を示している。なお、クラッシュボックス800は、図6に示すように、断面ハット形状の第一部材802と平板状の第二部材804とが接合されて構成されている。よって、本実施形態と異なり、クラッシュボックス800は、軸方向と直交する断面形状及び断面積に変化は生じなく、均一である。
なお、本実施形態のクラッシュボックス100と本発明が適用されてないクラッシュボックス800とは、軸方向の長さ・材質・板厚・断面の大きさ(太さ)などの仕様は略同じとされている。
さて、図4(A)に示すように、車両10が障害物Mにオフセット衝突すると、衝突荷重がフロントバンパリインフォースメント18に入力され、クラッシュボックス100への衝突荷重の伝達が開始される(図5のグラフのA点)。
図4(B)に示すように、クラッシュボックス100が軸方向(車両前後方向)に圧壊し始める(図5のグラフのA点〜B点)。
さて、図5のグラフのA点〜B点に示すように、最初の潰れ(座屈)が発生するまで荷重が上がっていく。なお、このときは理論上の断面特性を完全に使っているイメージとされる。また、このA点(最大荷重)は、動的最大荷重(ピーク荷重)と呼ばれている。
図5のグラフのB点〜C点に示すように、ある部分が潰れてしまえば、同じ荷重が維持されないので、荷重が減少していく。
図5のグラフのC点〜D点に示すように、圧縮変形して潰れた部分の隙が詰まると、隣接した次の部分が潰れる。なお、このときは、断面形状が歪んでいる為、理論上の断面特性にはならないので、最初の潰れ(座屈)の発生(グラフのA点〜B点)のときと、同じ荷重(A点)にならない。
そして、図5のグラフのD点〜E点に示すように、「潰れ→隙が詰る→次の部分が潰れる」が繰り返しされる(座屈が連続する)。このとき厳密にはグラフのこの部分(D点〜E点)は直線でなく、山と谷とが連続するノコギリ歯のような形状であるが、A点〜D点と比べ、山谷の波長及び振幅が小さいので、本グラフのように略直線とみなすことができる。なお、このように略直線とみなせるので、この部分(D点〜E点)を動的平均荷重(平均荷重)と呼ばれている。
そして、図4(C)に示すように、クラッシュボックス100の圧壊が終了すると、フロントサイドメンバー14への荷重入力が高まり、フロントサイドメンバー14の変形が開始される。
さて、図5のグラフのD点〜E点の動的平均荷重(平均荷重)において、本実施形のクラッシュボックス100(実線)の方が、本発明が適用されていないクラッシュボックス800(点線)よりも、なだらかに荷重が減少している。そして、この差の面積Y分が衝突エネルギーの吸収量の増加分(EA量増加分)とされる。
なお、本実施形のクラッシュボックス100の荷重特性と本発明が適用されていないクラッシュボックス800の荷重特性とは、グラフのA点〜D点でも厳密には異なるが、大きな差がないので、ここでは判りやすくするため同じとしている。
つぎに、クラッシュボックス100(実線)とクラッシュボックス800(点線)とで、図5のグラフのD点〜E点の動的平均荷重(平均荷重)の荷重特性が異なる理由を説明していく。
本発明が適用されていないクラッシュボックス800は、図6に示すように、軸方向と直交する断面形状及び断面積は変化しないので、圧縮変形に伴い断面形状の崩れが大きくなる。このため、潰すための荷重も低くなっていく。よって、動的平均荷重における荷重の減少は、変形量(変位)の増化に伴い、比較的大きく減少していく。
これに対して、本実施形態のクラッシュボックス100(の筒部102)は、図2と図3とに示すように、軸方向と直交する断面形状が、円形状から正六角形状に徐々に変化し、これに伴い軸方向と直交する断面積が徐々に小さくなっている
よって、断面特性が軸方向の位置により異なるので、潰れる荷重が軸方向の位置により異なる。このため断面特性の低い所(潰れ易い所)から潰れていくので、最初に潰れた部分(α)と次に潰れた部分(β)との断面積の関係は、α<βとなる。断面特性も同じ関係になるので、潰す荷重も同様の関係になる。よって、本実施形態のクラッシュボックス100(の筒部102)では、断面積の増加により、動的平均荷重(グラフD点〜E点)における荷重の減少が、クラッシュボックス800と比較すると小さい。
更に、クラッシュボックス100の筒部102の周壁110の平面部110Aと曲面部110Bとの境界の稜線110Cは曲線(緩やかな円弧状)であるので、筒部102が軸方向に圧壊されていく過程において、稜線(緩やかな円弧)の初期不整が連続する。すなわち、座屈が連続して起こる(座屈が始まると直ぐに次の座屈が始まる)。換言すると、座屈波長が短くなる。
そして、座屈波長が短くなることで、筒部102が安定して圧壊する。よって、図5のグラフのD点〜E点の動的平均荷重(平均荷重)がより直線に近づく(前述したように、厳密にはこの部分はノコギリ歯状であるが、本発明を適用することでより直線に近づく)。これにより潰れ領域が増加するので、衝突エネルギーの吸収量(EA量)が増加される。
このように、図5のグラフのD点〜E点の動的平均荷重(平均荷重)において、本実施形のクラッシュボックス100は、クラッシュボックス800と比較し、衝突後半での衝突エネルギーの吸収量(EA量)が増加されているので、衝突エネルギーの吸収性能が向上されている。
また、本発明が適用されていないクラッシュボックス800は、断面積が一定(断面特性が一定)であるので、荷重特性を調整する場合、追加部品(例えば、ビードを追加)で断面特性を変化させる必要があり、質量増化やコストアップになる。
これに対して、本実施形態のクラッシュボックス100では、上述した筒部102の「断面特性の変化」と「稜線110Cの形状(曲率)」を調整することで、追加部品を要することなく、荷重特性を調整することができる。つまり、質量増化やコストアップすることなく、荷重特性の調整が可能であり、これにより、例えば、車両10の減速特性のコントロールが容易に可能とされる。
なお、クラッシュボックス100は、筒部102の軸方向と直交する断面形状が、円形状から正六角形状に徐々に変化し、これに伴い軸方向と直交する断面積が徐々に変化する複雑な形状をしているが、プレス成形によって形成された第一部材122と第二部材123と接合してなるので、クラッシュボックス800と比較しても、製造が複雑になることはない(製造コストは殆ど増加しない)。
なお、本発明は上記実施形態に限定されない。
例えば、上記実施形態では、クラッシュボックス100は、車両前方側を円形断面形状104とし、車両後方側を正六角形状断面106として配設したが、これに限定されない。車両後方側を円形断面形状104とし、車両前方側を正六角形状断面106として配設してもよい。
また、例えば、上記実施形態では、図1に示すように、車両10の車両前部構造12に本発明のエネルギー吸収部材としてのクラッシュボックス100を適用したが、車両10の車両後部構造にも本発明を適用できる。なお、車両10の車両後部構造に適用された構成は、各図中の矢印FRの方向を逆にすると共に、各部材の名称の「フロント」の部分を「リア」に読み替えることで、略同様の構成とされる(但し、後部構造の場合は、エンジン20及びマウント部22は不要)。したがって、車両10の車両後部構造の図示及び詳しい説明は省略する。
また、クラッシュボックス100は、上記実施形態に限定されない。よって、つぎに、クラッシュボックスのバリエーションについて説明する。
上記実施形態では、クラッシュボックス100の筒部102は、車両後方側の断面形状は、正六角形状断面106であったが、これに限定されない(図2、図3参照)。例えば、図7に示す第一バリエーションのクラッシュボックス200の筒部202のように、車両後方側の断面形状が正方形状断面206であってもよい。或いは、図示は省略するが正七角形状であってもよいし、正八角形以上であってもよい。更に、「正」多角形でなくてよい(例えば、長方形状)。また、筒部102の車両後方側の断面形状は、真円(又は略真円)の円形状断面104とされていたが、これに限定されない。楕円形状であってもよい。要は、筒部の一方が真円又は楕円形状の円形状断面とされ、他方が多角形状とされていればよい。
また、上記実施形態では、筒部102の軸方向の両端部は、クラッシュボックス100の軸方向の端部と略同一とされていたが、これに限定されない。
図8に示す第二バリエーションのクラッシュボックス300のように、上記実施形態のクラッシュボックス100の筒部102(図2、図3参照)と同様の構成の筒部302の一方側に円筒部320が形成され、他方側に正六角筒部322が形成された構成であってもよい。或いは、図示は省略するが、筒部302と円筒部320とで構成されたクラッシュボックスであってもよいし、筒部302と正六角筒部322とで構成されたクラッシュボックスであってもよい。
更に、図9に示す第三バリエーションのクラッシュボックス400の筒部402のように、上記実施形態のクラッシュボックス100の筒部102(図2、図3参照)の、一方側と他方側とが、軸方向と直交する断面で切り取られた形状とされていてもよい(図中の想像線403、404が切り足られた部分)。或いは、図示は省略するが、一方側のみが軸方向と直交する断面で切り取られた形状の筒部であってもよいし、他方側のみが切り取られた形状の筒部であってもよい。なお、「切り取られた形状」とは、あくまでも筒部の形状を説明するものであって、実際に筒部102を製造後に両端を切り取って筒部402を製造することを意味するものではない。
なお、このように筒部の一方側又は他方側のいずれか一方又は両方が軸方向と直交する断面で切り取られた形状とすることで、所望する荷重特性を容易に得ることができる(荷重調整が容易である)。
本発明の実施形態に係るクラッシュボックスが設けられた車両前部構造を模式的に示す平面図である。 本発明の実施形態に係るクラッシュボックスの斜視図である。 本発明の実施形態に係るクラッシュボックスを示す、(A)は一方の側面図であり、(B)は平面図であり、(C)は他方の側面図である 前面衝突(オフセット衝突)の様子を、(A)から(C)へと順番に模式的に示す説明図である。 前面衝突(オフセット衝突)の際におけるクラッシュボックスの荷重特性を示すグラフである。 本発明が適用されていないクラッシュボックスの斜視図である。 本発明の実施形態の第一バリエーションに係るクラッシュボックスの斜視図である。 本発明の実施形態の第二バリエーションに係るクラッシュボックスを示す、(A)は一方の側面図であり、(B)は平面図であり、(C)は他方の側面図である 本発明の実施形態の第三バリエーションに係るクラッシュボックスを示す平面図である
符号の説明
10 車両
12 車両前部構造
14 フロントサイドメンバー
16 フロントサイドメンバー
18 フロントバンパリインフォースメント
100 クラッシュボックス(車両用エネルギー吸収部材)
102 筒部
110 周壁
110A 平面部
110B 曲面部
110C 稜線

Claims (4)

  1. 軸方向に入力された荷重によって圧壊し、一方の端部における軸方向と直交する断面形状が円形状とされ、他方の端部における軸方向と直交する断面形状が多角形状とされる筒部と、
    前記筒部の周壁を構成し、多角形状の他方の端部の各辺から円形状の一方の端部に向かうに従って幅狭とされ、円形状の一方の端部で収束する平面部と、
    前記筒部の前記周壁の前記平面部間を構成し、円形状の一方の端部から多角形状の他方の端部に向かうに従って幅狭とされ、多角形状の角部で収束する曲面部と、
    を備えることを特徴とする車両用エネルギー吸収部材。
  2. 前記筒部を、前記一方の端部側及び前記他方の端部側の少なくとも一方が軸方向と直交する断面で切り取られた形状とすることを特徴とする請求項1に記載の車両用エネルギー吸収部材。
  3. 車両前端部に車両幅方向に沿って配設されたフロントバンパリインフォースメントと、
    前記フロントバンパリインフォースメントの両端部近傍から車両前後方向に沿って略平行に配設された一対のフロントサイドメンバーと、
    前記フロントバンパリインフォースメントと前記フロントサイドメンバーとの間に設けられ、車両前後方向を軸方向として配置された請求項1又は請求項2に記載の車両用エネルギー吸収部材と、
    を備えることを特徴とする車両前部構造。
  4. 車両後端部に車両幅方向に沿って配設されたリアバンパリインフォースメントと、
    前記リアバンパリインフォースメントの両端部近傍から車両前後方向に沿って略平行に配設された一対のリアサイドメンバーと、
    前記リアバンパリインフォースメントと前記リアサイドメンバーとの間との間に設けられ、車両前後方向を軸方向として配置された請求項1又は請求項2に記載の車両用エネルギー吸収部材と、
    を備えることを特徴とする車両後部構造。
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