JPH0632246A - 車体フレーム部材 - Google Patents

車体フレーム部材

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JPH0632246A
JPH0632246A JP4185160A JP18516092A JPH0632246A JP H0632246 A JPH0632246 A JP H0632246A JP 4185160 A JP4185160 A JP 4185160A JP 18516092 A JP18516092 A JP 18516092A JP H0632246 A JPH0632246 A JP H0632246A
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Yoshibumi Shimose
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽合金製押出し材からなる閉断面構造で、屈
曲部を有し、かつ、閉断面内部にリブを設けて成形しな
がら、エネルギ吸収の安定化を可能とする。 【構成】 閉断面構造の軽合金製押し出し材で形成さ
れ、閉断面内部にリブ11を設けて構成され屈曲部15
を有する車体フレーム部材20において、前記屈曲部1
5に特定方向への伸びを許容し該屈曲部15の割れを抑
制する割れ抑制手段21a、21bを設けたことを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車体の軽量化等が可
能で、車両衡突時の安定したエネルギー吸収を可能とす
る車体フレーム部材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、燃費低減や車両の性能向上を図る
ために車体の軽量化、防錆化が要望され、このような要
望に対し車体フレーム部材をアルミニウム合金等の軽合
金の押し出し材により形成することが提案され、すでに
実用化されている。
【0003】このような車体フレーム部材を組み合わせ
て構成されている車体のフレーム構造としては、例えば
図23に示すようなものがある(Internatio
nal Publication Number WO
90/02680参照)。図23に示すフレーム構造
1は、軽合金製の押し出し材で形成されてなる閉断面構
造を呈するフレーム部材17、19等で構成され、屈曲
部15が形成されている。
【0004】このようなフレーム部材17、19では、
剛性の向上や真直部のエネルギ吸収特性の向上を図るた
めに、例えば図24又は図25に示すように、内部にリ
ブ11を設けるのがよい。(類似構造として実開昭3−
71979号参照)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのよう
な従来のフレーム部材では直線部のみにリブが設けら
れ、曲率部ではリブが備えられていないため全体に均一
に剛性を上げることができなかった。又、仮りに曲率部
にリブ11を設けるとフレーム部材17、19が軸圧縮
荷重を受けたとき、屈曲部15で割れの発生を招きエネ
ルギー吸収が安定しない恐れがある。
【0006】この点について請求すると、図26及び図
27に示すようなリブを有さない矩形状の閉断面構造で
構成され屈曲部15を有するフレーム部材20と、図2
9及び図30に示すような矩形状の閉断面構造で、か
つ、閉断面内部にリブ11が設けられ屈曲部15を有す
るフレーム部材19とに軸方向の衝突荷重が入力された
場合のそれぞれの変形モードを考察してみる。
【0007】まず、図26に示すように、フレーム部材
20が軸方向に変形した場合、端部AがA′へ移動し、
屈曲部外側B点が長さAB及び長さCBを略保ちながら
B′点に移動する。すなわち、B点を支点に折れ曲がる
ことになる。従って、屈曲部外側のB点は引張りを受け
ず破断は生じない。また、屈曲部内側のD点は圧縮は受
けるが大きな破断には至らない。このとき、屈曲部内側
のD点は図28に示すように大きく外側へ変形してい
る。
【0008】つぎに、図29に示すように矩形状の閉断
面構造で、かつ閉断面内部にリブ11を設けて構成され
たフレーム部材19が軸方向に変形した場合、端部Aが
A′へ移動し、屈曲部内側の点Dが長さAD及び長さE
Dをほぼ保ちながらD′点に移動する。すなわち、D点
を支点に折れ曲がることになる。従って、屈曲部外側の
B点が引張りを受けながらB′点に移動し、B′点から
亀裂か生じ破断に至る。このとき、屈曲部内側のD点は
図31に示すようにある程度広がるが、リブ11に拘束
され、断面変形しづらくなっている。
【0009】このように、閉断面内部にリブ11を設け
たフレーム部材19の構造にあっては、車両の前面衝突
等によりフレーム部材19に軸方向の衝突荷重が入力さ
れると、図32に示すように、屈曲部15が鎖線で示す
ように変形し、屈曲部外側から割れが発生する。その結
果、図33に示すように、発生荷重が屈曲部外側の割れ
発生と共に減少するのでエネルギ吸収が安定しないとい
う問題があった。
【0010】そこでこの発明は、軽合金製押出し材から
なる閉断面構造で、かつ、閉断面内部にリブを設けて成
形しながら、安定したエネルギ吸収を図ることができる
車体フレーム部材の構造の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明は、閉断面構造の軽合金製押し出し
材で形成され、閉断面内部にリブを設けて構成され、屈
曲部を有する車体フレーム部材において、前記屈曲部に
特定方向への伸びを許容し該屈曲部の割れを抑制する割
れ抑制手段を設けたことを特徴とする。
【0012】請求項2の発明は、請求項1記載の車体フ
レーム部材であって、前記閉断面構造は角型断面であ
り、前記リブは前記屈曲部の屈曲方向に対し側方となる
両側壁間に渡して設けられ、前記割れ抑制手段は、前記
両側壁の変形を促進させるノッチであることを特徴とす
る。
【0013】請求項3の発明は、請求項2記載の車体フ
レーム部材であって、前記ノッチは、前記両側壁のリブ
対応位置に設けられ、該ノッチはリブにまで到っている
ことを特徴とする。
【0014】請求項4の発明は、請求項2記載の車体フ
レーム部材であって、前記ノッチは、前記リブの略中央
部に設けたことを特徴とする。
【0015】請求項5の発明は、請求項2記載の車体フ
レーム部材であって、前記リブ内に間隙を設け、前記ノ
ッチは前記間隙に対応して両側壁に設けたことを特徴と
する。
【0016】請求項6の発明は、請求項2記載の車体フ
レーム部材であって、前記ノッチは、前記両側壁に複数
対設けたことを特徴とする。
【0017】請求項7の発明は、請求項1記載の車体フ
レーム部材であって、前記割れ抑制手段は、前記屈曲部
の内側に設けられ屈曲部の屈曲方向の変形を促進させる
凹部であることを特徴とする。
【0018】請求項8の発明は、請求項1記載の車体フ
レーム部材であって、前記割れ抑制手段は、前記屈曲部
の内側に設けられ熱影響により屈曲部の屈曲方向の変形
を促進させる熱影響部であることを特徴とする。
【0019】請求項9の発明は、請求項1記載の車体フ
レーム部材であって、前記割れ抑制手段は、前記屈曲部
に沿って閉断面内部に取り付けられ前記押し出し材より
も破断伸び特性の高い部材であることを特徴とする。
【0020】請求項10の発明は、請求項1記載の車体
フレーム部材であって、前記割れ抑制手段は、前記屈曲
部を覆うように取り付けられ該屈曲部の曲げ外側部との
間に間隙を有する補強部材であることを特徴とする。
【0021】請求項11の発明は、請求項10記載の車
体フレーム部材であって、前記補強部材は、複数重複さ
せた多層であることにより構成したことを特徴とする。
【0022】請求項12の発明は、請求項1記載の車体
フレーム部材であって、車体フレーム部材がフロントサ
イドメンバーであって、特定方向への伸びがフロントサ
イドメンバーの付与されている曲率を増加する方向であ
ることを特徴とする。
【0023】
【作用】請求項1の発明によれば、車体衝突等により車
体フレーム部材に軸方向の衝突荷重が入力されると、特
定方向への伸びを許容する割れ抑制手段の存在により屈
曲部が伸び変形して該屈曲部の割れを抑制し、衝突エネ
ルギの吸収が安定する。
【0024】請求項2の発明によれば、ノッチの存在に
より、屈曲方向に対し側方となる両側壁の変形が促進さ
れ、屈曲部が潰れ変形して該屈曲部の割れ発生が抑制さ
れる。
【0025】請求項3の発明によれば、ノッチはリブに
まで到り、両側壁の変形がより促進され屈曲部の割れ抑
制の確実さが向上する。
【0026】請求項4の発明によれば、リブの中央のノ
ッチにより、荷重発生時にリブが分断され、両側壁の変
形が促進され、割れ発生が抑制される。
【0027】請求項5の発明によれば、リブ内の間隙と
間隙に対応した両側壁のノッチとによりリブを境にその
両側で閉断面が独立した形態をなし、各閉断面の両側壁
で変形が促進され、割れが抑制される。
【0028】請求項6の発明によれば、閉断面の左右壁
に設けた複数対のノッチの存在により、両側壁の変形が
促進され、屈曲部の割れ発生が抑制される。
【0029】請求項7の発明によれば、屈曲部の曲げ内
側部に設けた凹部の存在により、屈曲部の曲げ外側を中
心にした曲げ変形が行われ易くなり、該屈曲部の割れ発
生が抑制される。
【0030】請求項8の発明によれば、屈曲部の曲げ内
側部に設けた熱影響部の存在により、変形時の内部摩擦
による発熱によって熱影響部の変形が促進され、屈曲部
の曲げ外側を中心にした曲げ変形が行われ易くなり、該
屈曲部の割れ発生が抑制される。
【0031】請求項9の発明によれば、閉断面内部に設
けた破断伸び特性の高い補強部材の存在により、前記補
強部材が伸び変形してエネルギ吸収を安定させる。
【0032】請求項10の発明によれば、屈曲部に配設
した補強部材が伸び変形してエネルギ吸収を安定させ
る。
【0033】請求項11の発明によれば、屈曲部に配設
した多層の補強部材が伸び変形してエネルギ吸収を十分
に安定させる。
【0034】請求項12の発明によれば、特定方向がサ
イドメンバーの曲率を大きくする方向となっているた
め、曲率部を中心に所定の変形を起こすことができ、そ
の部位に割れ発生抑制手段が設けられているため、割れ
を確実に防止できる。
【0035】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。
【0036】図1は第1実施例に係り、例えば図23で
示す車体フレーム部材19と全体形状が同様な車体フレ
ーム部材20の屈曲部(車体フレーム部材19の屈曲部
15に相当し、以下同じ番号を用いる。)における縦断
面を示すもので、アルミニウム合金等の軽金属製押し出
し材により形成され、上下壁部3、5及び左右壁部7、
9を有する閉断面構造となっており、この閉断面内には
屈曲部15の屈曲方向に対し側方となる両側壁である左
右壁部7、9間を連結するように渡されたリブ11が設
けられ、このリブ11を互いに共有する二つの矩形状閉
断面部20a、20bが形成されている。
【0037】前記リブ11が連結された左右壁部7、9
外面には一対のノッチ21a、21bが設けられ、これ
らノッチ21a、21bはリブ11にまで到り、リブ1
1の端部はリブ11a、11a′及び11b、11b′
の二又状に形成されている。
【0038】前記ノッチ21a、21bは、この実施例
において、車両の前面衝突等により車体フレーム部材2
0に軸方向の衝突荷重が入力されたとき、該車体フレー
ム部材20の屈曲部15に特定方向への伸びを許容し、
前記屈曲部15の割れを抑制する割れ抑制手段を構成し
ている。
【0039】つぎに、上記第1実施例の作用について説
明する。
【0040】車両の前面衝突等により車体フレーム部材
20(例えばフロントサイドメンバー)に軸方向の衝突
荷重が入力されると、ノッチ21a、21bにより形成
された二つの閉断面部20a、20bの左右壁部7、9
をそれぞれ個別に連結するリブ11a、11a′と11
b、11b′の存在により、図1において鎖線で示すよ
うに左右壁部7、9の変形が促進され、屈曲部15の外
側B(下壁部5)を支点にして二つの閉断面部20a、
20bが潰れ変形しフロントサイドメンバーの曲率が増
加する方向に変形する。この潰れ変形により、屈曲部1
5の外側B(下壁部5)に割れが発生し難くなり、衝突
エネルギの吸収が安定する。
【0041】また、本体フレーム部材20はアルミニウ
ム材の押し出し材等であり、剛性が十分に高く、十分な
エネルギ吸収が可能である。さらに、押し出し材として
の特性を生かし、ノッチ21a、21bも容易に成形す
ることができる。
【0042】図2乃至図22はこの発明の他の実施例を
示すものである。以下、図1と同様の構成部分には同符
号を付し、重複した説明は省略する。
【0043】まず、図2はこの発明の第2実施例に係る
車体フレーム部材20の屈曲部15における断面図であ
る。
【0044】この実施例は、二つの閉断面部20a、2
0bが互いに共有するリブ11の略中央部に割れ抑制手
段として上下一対のノッチ23a、23bを設けてい
る。
【0045】この実施例によれば、車体フレーム部材2
0に軸方向の衝突荷重が入力されると、リブ11に形成
されたノッチ23a、23bの存在により、図2におい
て鎖線で示すように、リブ11がノッチ23a、23b
部分で分断され、左右壁部7、9の変形が促進される。
従って、外側B(下壁部5)を支点にして屈曲部15が
左右方向に伸びて潰れ変形する。この潰れ変形により屈
曲部15の外側B(下壁部5)に割れが発生し難くな
り、衝突エネルギの吸収が安定し、第1実施例と同様な
作用効果を奏する。また、この実施例では、左右壁部
7、9にノッチがないので、左右側壁の剛性を維持する
ことができる。
【0046】図3はこの発明の第3実施例に係る車体フ
レーム部材20の屈曲部15における断面図である。
【0047】この実施例は、左右壁部7、9間のリブ1
1に間隙Sを設けてリブ11を2個のリブ11c、11
c′とし、これらリブ11c、11c′の間隙Sに対応
して左右壁部7、9の内外面に割れ抑制手段としてのノ
ッチ25a、25bを設けている。
【0048】この実施例によれば、車体フレーム部材2
0に軸方向の衝突荷重が入力されると、左右壁部7、9
に形成されたノッチ25a、25bの存在により図3に
おいて鎖線で示すように、左右壁部7、9がノッチ25
a、25b部分で分断され、屈曲部15の外側B(下壁
部5)を支点にして二つの閉断面部20a、20bが上
下方向に潰れ変形する。この潰れ変形により屈曲部15
の外側B(下壁部5)に割れが発生し難くなり、衝突エ
ネルギの吸収が安定し、第1実施例と同様な作用効果を
奏する。
【0049】図4はこの発明の第4実施例に係る車体フ
レーム部材20の屈曲部15における断面図である。
【0050】この実施例は、リブ11を共有する閉断面
部20a、20bのそれぞれの左右壁部7、9の略中央
部に、割れ抑制手段としてそれぞれ一対のノッチ27
a、27b及びノッチ29a、29bを設けている。
【0051】この実施例によれば、車体フレーム部材2
0に軸方向の衝突荷重が入力されると、左右壁部7、9
に形成されたノッチ27a、27b及び29a、29b
の存在により、図4において鎖線で示すように、左右壁
部7、9がノッチ27a、27b及び29a、29bか
ら内側へ変形し、上下方向の潰れ変形する。この潰れ変
形により、屈曲部15が外側B(下壁部5)を支点にし
て屈曲するから屈曲部15の外側B(下壁部5)に割れ
が発生し難くなり、衝突エネルギの吸収が安定し、第1
実施例と同様な作用効果を奏する。また、この実施例で
は、変形が閉断面の内側へ進行し、変形後も他部材に及
ぼす影響が少ない。
【0052】図5はこの発明の第5実施例に係る車体フ
レーム部材20の側面図を示し、図6は図5のVI−VI線
矢視断面図である。
【0053】この実施例は、車体フレーム部材20の屈
曲部15の内側D(上向きの屈曲部15では上壁部3、
また、下向きの屈曲部15では下壁部5)に、割れ抑制
手段として左右方向の凹部31を設けている。なお、凹
部31は屈曲部15の曲げ加工と同時にプレス成形すれ
ばよい。
【0054】この実施例によれば、車体フレーム部材2
0に軸方向の衝突荷重が入力されると、車体フレーム部
材1の屈曲部15の内側Dに形成された凹部31の存在
により、屈曲部15の外側Bを支点にした変形が行われ
易くなり、屈曲部の外側Bに割れが発生し難くなる。こ
れにより、衝突エネルギの吸収が安定する。また、この
実施例では屈曲部15の内側Dに凹部31を設けるの
で、外側Bを支点にした変形が確実となる。
【0055】図7はこの発明の第6実施例に係る車体フ
レーム部材20の側面図を示すものである。
【0056】この実施例は、車体フレーム部材20の屈
曲部15の内側Dに割れ抑制手段として熱影響部33を
設けている。この熱影響部33は例えばアルミ焼きなま
しにより形成されている。(アルミニュームハンドブッ
クP84参照;サイエンスプレス社昭和46年5月7日
改訂発行)この実施例によれば、車体フレーム部材20
に軸方向の衝突荷重が入力されると、変形時の内部摩擦
による発生熱で熱影響部33が変形し易くなり、屈曲部
15の外側Bを支点にした変形が行われ易くなって、屈
曲部15の外側Bに割れが発生し難くなる。これによ
り、衝突エネルギの吸収が安定する。また、この実施例
では、ノッチや凹部を設けないので、他のフレーム部材
としても利用することができ。
【0057】図8はこの発明の第7実施例に係る車体フ
レーム部材20の斜視図を示すものである。
【0058】この実施例は、車体フレーム部材20の屈
曲部15の外側Bの内面に、割れ抑制手段として破断伸
び特性の高い補強部材35を設けている。例えば図8に
示すように上壁部3が屈曲部15の外側Bになる場合、
前記上壁部3の内面に沿って補強部材35がビス37等
により取付けられている。
【0059】この実施例によれば、車体フレーム部材2
0に軸方向の衝突荷重が入力されると、車体フレーム部
材20の屈曲部15の外側B内面に設けた補強部材35
の存在により、図9に示すように屈曲部15の外側Bと
なる上壁部3に割れが発生した場合でも、破断伸び特性
の高い補強部材35が更に伸び変形する。この補強部材
35の伸び変形により衝突エネルギの吸収が安定する。
また、この実施例では、補強部材35を必要な箇所にの
み、簡単に取り付けることができる。
【0060】図10はこの発明の第8実施例に係る車体
フレーム部材20の側面図を示し、図11は図10のXI
−XI矢視断面図である。
【0061】この実施例は、車体フレーム部材20の屈
曲部15の外側B及び内側Dにプレス成形された割れ抑
制手段としての補強部材39a、39bを配設してお
り、両補強部材39a、39bはスポット熔接等により
接合されている。従って、補強部材39a、39bは屈
曲部15を覆うように取り付けられた構成となってい
る。
【0062】補強部材39aには車体フレーム部材20
の屈曲部15の外側B方向に凸部41が形成され屈曲部
15の上壁部3との間に間隙Hを有している。補強部材
39bは車体フレーム部材20の屈曲部15の内側Dに
密着構成されている。そして、補強部材39a、39b
は車体フレーム部材20の真直部20c、20dにおい
て接着剤による接着やスポット熔接等により車体フレー
ム部材20に接合されている。
【0063】この実施例によれば、車体フレーム部材2
0に軸方向の衝突荷重が入力されると、車体フレーム部
材20の屈曲部15が図12の状態から図13に示すよ
うに矢印a方向に曲げ変形する。このとき、車体フレー
ム部材20の屈曲部15の外側Bは、材料の最大歪量を
越えると割れが発生する(図13)。この間に補強部材
39aには車体フレーム部材20の長手方向の引張り荷
重が加わるため、凸部41が容易に引き延ばされ車体フ
レーム部材20の屈曲部15の外側Bと密着する。この
間にも、凸部41の変形により荷重吸収は行なわれてい
る。補強部材39aが車体フレーム部材20の屈曲部1
5外側Bに密着することにより車体フレーム部材20の
曲げ変形を拘束し荷重が発生する。そして、車体フレー
ム部材20の屈曲部15外側Bの割れは図14に示すよ
うに曲げ変形と共に進展するが、補強部材39a、39
bの塑性変形によって荷重は増加し、補強部材39aが
破断に至るまで荷重を発生する。
【0064】従って、図15の実線に示すように、車体
フレーム部材20の発生するピーク荷重は増加すること
なく、車体フレーム部材20の曲げ変形開始後の荷重及
び変位量が増加し、エネルギ吸収量が増大する。なお、
図15に示す2つ目のピーク荷重の大きさ及び位置は補
強部材39aの板厚及び凸部41の深さによって調整す
ることができる。
【0065】図16はこの発明の第9実施例に係る車体
フレーム部材20の側面図である。
【0066】この実施例は、車体フレーム部材20の屈
曲部15に割れ抑制手段として二つの補強部材43、4
5を多層に構成している。補強部材43には車体フレー
ム部材20の屈曲部15の外側B方向に凸部47が形成
され屈曲部15の上壁部3との間に間隙Hを有してい
る。また、補強部材45には屈曲部15の外側B方向に
凸部49が形成され、補強部材43の凸部47との間に
間隙Hを有している。補強部材43、45はそれぞれ車
体フレーム部材20の真直部20c、20dに接着ある
いは熔接により接合されている。
【0067】この実施例によれば、車体フレーム部材2
0に軸方向の衝突荷重が入力されると、車体フレーム部
材20の屈曲部15が曲げ変形し、該屈曲部15の外側
Bは材料の最大歪量を越えると割れが発生する。この間
に補強部材43には車体フレーム部材20の軸方向の引
張り荷重が加わるため、凸部47が容易に引き延ばされ
車体フレーム部材20の屈曲部15の外側Bと密着して
曲げ変形を拘束し荷重が発生する。さらに、車体フレー
ム部材20の曲げ変形が進むと屈曲部15の外側Bの割
れは更に進展されるが、補強部材45の凸部49が軸方
向の引張り荷重によって引き延ばされ補強部材43の屈
曲部15の外側に密着して曲げ変形を拘束し荷重が発生
する。そして、補強部材43、45の塑性変形によって
荷重は増加し、補強部材43、45が破断に至るまで荷
重を発生する。
【0068】従って、図17の破線に示すように、3つ
のピークを持つ荷重一変位特性となり、ピーク荷重が増
加することなく、車体フレーム部材20の曲げ変形開始
後の2つの荷重ピークにより荷重及び変位量が増加し、
エネルギ吸収量が増大する。なお、図17における2つ
目以降のピーク荷重の大きさ及び位置は補強部材43、
45のそれぞれの板厚及び凸部47、49の深さによっ
て調整することができる。
【0069】図18乃至図22はこの発明の第8実施例
の変形例を示すものである。図10及び図11と同様の
構成部分には同符号を付し、重複した説明は省略する。
【0070】図18及び図19に示す変形例は、車体フ
レーム部材20の屈曲部15の外側Bに配設する補強部
材51の屈曲部に、車体フレーム部材20の幅方向に複
数のビード部53を形成している。
【0071】このように構成することにより、前述の第
8実施例と同様な効果を得ることができる。
【0072】図20に示す変形例は、車体フレーム部材
20の屈曲部15の外側Bに配設する補強部材55の屈
曲部に、車体フレーム部材20の軸方向に複数のビード
部57を形成している。
【0073】このように構成することにより、前述の第
8実施例と同様な効果を得ることができる。
【0074】図21及び図22に示す変形例は、車体フ
レーム部材20の屈曲部15の外側Bのみに、前述の第
8実施例と同様な補強部材39aを配設したものであ
る。なお、この実施例では、閉断面内に十文字状のリブ
57が設けられている。
【0075】このような構成によっても、前述の第8実
施例と同様な効果を得ることができる。
【0076】
【発明の効果】以上の説明により明らかなように、請求
項1の発明によれば、車体フレーム部材が屈曲部で所定
方向へ伸び変形できるため、屈曲部の割れを抑制し、エ
ネルギ吸収を安定して行うことができる。
【0077】請求項2の発明によれば、ノッチによって
両側壁の変形を促進し、屈曲部の割れを抑制してエネル
ギ吸収を安定して行なうことができる。
【0078】請求項3の発明によれば、リブにまで到る
ノッチにより、両側壁の変形を確実に促進し、エネルギ
吸収を安定して行なうことができる。
【0079】請求項4の発明によれば、リブの分断によ
って両側壁の変形を促進させ、エネルギ吸収を安定して
行なうことができる。
【0080】請求項5の発明によれば、リブの間隙とこ
の間隙に対応したノッチとにより、リブを境にその両側
で側壁の変形が促進され、エネルギ吸収を安定して行な
うことができる。
【0081】請求項6の発明によれば、複数対のノッチ
により両側壁の変形を促進させ、エネルギ吸収を安定し
て行なうことができる。
【0082】請求項7の発明によれば、屈曲部の曲げ内
側部の凹部によって屈曲部の曲げ外側を支点にした変形
が促進され、エネルギ吸収を安定して行なうことができ
る。
【0083】請求項8の発明によれば、屈曲部の曲げ内
側部の熱影響部の存在により、請求項7と同様にエネル
ギ吸収を安定して行なうことができる。
【0084】請求項9の発明によれば、破断伸び特性の
高い補強部材の存在により、エネルギ吸収を安定して行
なうことができる。
【0085】請求項10の発明によれば、補強部材によ
ってピーク荷重を上げずに、安定したエネルギ吸収を行
なうことができる。
【0086】請求項11の発明によれば、補強部材によ
ってピーク荷重を上げずに、より安定したエネルギ吸収
を行なうことができる。
【0087】請求項12の発明によれば、曲げ方向を特
定することで、より割れ発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例に係る断面図である。
【図2】この発明の第2実施例に係る断面図である。
【図3】この発明の第3実施例に係る断面図である。
【図4】この発明の第4実施例に係る断面図である。
【図5】この発明の第5実施例に係る側面図である。
【図6】図5のVI−VI線矢視断面図である。
【図7】この発明の第6実施例に係る側面図である。
【図8】この発明の第7実施例に係る斜視図である。
【図9】この発明の第7実施例の作用説明図である。
【図10】この発明の第8実施例に係る側面図である。
【図11】図10のXI−XI線矢視断面図である。
【図12】この発明の第8実施例の作用説明図である。
【図13】この発明の第8実施例の作用説明図である。
【図14】この発明の第8実施例の作用説明図である。
【図15】この発明の第8実施例の荷重一変位特性説明
図である。
【図16】この発明の第9実施例に係る側面図である。
【図17】この発明の第9実施例の荷重一変位特性説明
図である。
【図18】この発明の第8実施例の変形例を示す側面図
である。
【図19】図18の斜視図である。
【図20】この発明の第8実施例の変形例を示す斜視図
である。
【図21】この発明の第8実施例の変形例を示す側面図
である。
【図22】図21のXXII−XXII線矢視断面図である。
【図23】従来例に係る車体フレーム構造の一部を示す
斜視図である。
【図24】車体フレーム部材の一例を示す断面図であ
る。
【図25】車体フレーム部材の一例を示す断面図であ
る。
【図26】車体フレーム部材の変形モードの一例を示す
説明図である。
【図27】図26に示す車体フレーム部材の断面図であ
る。
【図28】図26のXXVII −XXVII 線矢視断面図であ
る。
【図29】車体フレーム部材の変形モードの他の例を示
す説明図である。
【図30】図29に示す車体フレーム部材の断面図であ
る。
【図31】図29のXXXI−XXXI線矢視断面図である。
【図32】従来例に係る車体フレーム部材の作用説明図
である。
【図33】従来例に係る車体フレーム部材の荷重−変位
特性説明図である。
【符号の説明】
3 上壁部 5 下壁部 7 左壁部 9 右壁部 11 リブ 15 屈曲部 20 車体フレーム部材 20a、20b 閉断面部 21a、21b ノッチ(割れ抑制手段) 23a、23b ノッチ(割れ抑制手段) 25a、25b ノッチ(割れ抑制手段) 27a、27b ノッチ(割れ抑制手段) 29a、29b ノッチ(割れ抑制手段) 31 凹部 33 熱影響部 35 補強部材 39a、39b 補強部材 43、45 補強部材

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 閉断面構造の軽合金製押し出し材で形成
    され、閉断面内部にリブを設けて構成され、屈曲部を有
    する車体フレーム部材において、前記屈曲部に特定方向
    への伸びを許容し該屈曲部の割れを抑制する割れ抑制手
    段を設けたことを特徴とする車体フレーム部材。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の車体フレーム部材であっ
    て、前記閉断面構造は角型断面であり、前記リブは前記
    屈曲部の屈曲方向に対し側方となる両側壁間に渡して設
    けられ、前記割れ抑制手段は、前記両側壁の変形を促進
    させるノッチであることを特徴とする車体フレーム部
    材。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の車体フレーム部材であっ
    て、前記ノッチは、前記両側壁のリブ対応位置に設けら
    れ、該ノッチはリブにまで到っていることを特徴とする
    車体フレーム部材。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の車体フレーム部材であっ
    て、前記ノッチは、前記リブの略中央部に設けたことを
    特徴とする車体フレーム部材。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の車体フレーム部材であっ
    て、前記リブ内に間隙を設け、前記ノッチは前記間隙に
    対応して両側壁に設けたことを特徴とする車体フレーム
    部材。
  6. 【請求項6】 請求項2記載の車体フレーム部材であっ
    て、前記ノッチは、前記両側壁に複数対設けたことを特
    徴とする車体フレーム部材。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の車体フレーム部材であっ
    て、前記割れ抑制手段は、前記屈曲部の内側に設けられ
    屈曲部の屈曲方向の変形を促進させる凹部であることを
    特徴とする車体フレーム部材。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の車体フレーム部材であっ
    て、前記割れ抑制手段は、前記屈曲部の内側に設けられ
    熱影響により屈曲部の屈曲方向の変形を促進させる熱影
    響部であることを特徴とする車体フレーム部材。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の車体フレーム部材であっ
    て、前記割れ抑制手段は、前記屈曲部に沿って閉断面内
    部に取り付けられ前記押し出し材よりも破断伸び特性の
    高い部材であることを特徴とする車体フレーム部材。
  10. 【請求項10】 請求項1記載の車体フレーム部材であ
    って、前記割れ抑制手段は、前記屈曲部を覆うように取
    り付けられ該屈曲部の曲げ外側部との間に間隙を有する
    補強部材であることを特徴とする車体フレーム部材。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の車体フレーム部材で
    あって、前記補強部材は、複数重複させた多層であるこ
    とにより構成したことを特徴とする車体フレーム部材。
  12. 【請求項12】 請求項1記載の車体フレーム部材であ
    って、車体フレーム部材がフロントサイドメンバーであ
    って、特定方向への伸びがフロントサイドメンバーの付
    与されている曲率を増加する方向であることを特徴とす
    る車体フレーム部材。
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