JP2008241036A - 衝撃吸収部材及びその配置構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】国際公開第WO2005−010398号により開示されたクラッシュボックスが本来有する衝撃吸収能を十分に発揮して、自動車等の車両の衝突時に発生する衝撃エネルギーを十分に吸収する。
【解決手段】外壁に、内部へ向けて凸となるとともに軸方向へ向けて延設される溝部12a〜12dを有する筒状体12により構成され、軸方向へ向けて負荷される衝撃荷重により繰り返し座屈して蛇腹状に塑性変形することによって衝撃エネルギーを吸収するクラッシュボックス11を、サイドメンバー15の一方の端部へ配置するための構造である。横断面において、溝部12a〜12dがサイドメンバー15の外壁が存在する位置を含む位置に存在する。
【選択図】図1

Description

本発明は、衝撃吸収部材及びその配置構造に関する。具体的には、本発明は、自動車等の車両の衝突時に発生する衝撃エネルギーを吸収するための衝撃吸収部材及びその配置構造に関する。
自動車等の車両は、例えば前方衝突のような衝突の際には車両の前端から後端へ向けて順次配置される衝撃吸収部材により衝撃エネルギーを吸収することによってキャビン内の乗員を保護できるように、設計される。このような衝撃吸収部材の一例としてクラッシュボックスがある。
周知のように、クラッシュボックスは、自動車のバンパーレインフィースに適宜手段により固定されるとともにモノコックボディーの強度部材の一つであって溶接固定されることによりボディーシェルの一部をなすサイドメンバーの端面(フロントサイドメンバーでは前端面、リヤーサイドメンバーの場合には後端面)に板状の取り付け部材を介して、具体的には、クラッシュボックスの端面に溶接等により装着されたバックプレートと、サイドメンバーの端部に溶接等により装着されたセットプレート(又はサイドメンバーの端部に設けたフランジ)とを重ね合わせてこれらをボルト及びナットで締結することによって、脱着自在に装着される部品である。
クラッシュボックスは、車両の衝突時にその軸方向(本明細書ではクラッシュボックスの長手方向を意味する)へ衝撃荷重が負荷されると、サイドメンバーが塑性変形する前に優先して、軸方向へ繰り返し座屈して蛇腹状(アコーディオン状)に塑性変形することによって、衝突エネルギーを吸収する。このクラッシュボックスに要求される衝撃吸収性能とは、大別すると、(a)衝撃荷重が軸方向へ負荷されると倒れや曲がりを生じずに軸方向へ安定して繰り返し座屈することにより蛇腹状に塑性変形すること、(b)クラッシュボックスの圧壊の後半まで荷重低下がないこと、さらには、(c)クラッシュボックスの圧壊の際に発生する最大反力がこのクラッシュボックスを介して衝撃荷重を負荷される、例えばサイドメンバー等の他の部材を破壊しない範囲に抑制され、その結果クラッシュボックスの圧壊が完了するまでの間にサイドメンバー等の損傷が生じないことの3点である。
クラッシュボックスをボディーシェルの所定の位置に装着することにより、(a)溶接によりボディーシェルに装着されることからその交換が事実上困難なサイドメンバーの機能の低下を抑制するとともにキャビン内の乗員を保護する機能を向上することによる安全性の向上と、(b)低速での軽衝突の際には、サイドメンバーの損傷を防止し、衝突により損傷したバンパー及びクラッシュボックスのみ交換することで補修できることによる修理費の低減とを、ともに図ることができる。
これまでにも、このクラッシュボックスの衝撃吸収性能を向上させるための材質や形状に係る発明が、多数提案されている。例えば、クラッシュボックスを構成する筒状体の外壁に、軸方向と直交する方向へのビードを、軸方向について複数列形成することにより、クラッシュボックスを軸方向へ繰り返し安定して座屈させる発明が知られており、既に実用化されている。しかし、この発明では、軸方向へ繰り返し座屈する途中においてクラッシュボックスが大きく屈曲変形してしまうことが多く、この場合には、軸方向の一部でしか蛇腹状に塑性変形しない。このため、狙いとする蛇腹状の塑性変形を安定して得ることが難しくなり、衝撃エネルギーの吸収量も少ない。
そこで、本出願人らは、先に、国際公開第WO2005−010398号(特願2005−512120号、特許第3912422号)により、図16に実線で示すように、略述すれば、横断面をなす多角形(図示例では八角形ABCDEFGH)の長辺DE、HAに内部へ向けて凸となるとともに軸方向(図16における両矢印方向)へ向けて延設される、溝部1a、1b、1c及び1d(図示例では略台形状の横断面形状)を有する筒状体1を備え、軸方向へ向けて負荷される衝撃荷重により確実に繰り返し座屈して蛇腹状に塑性変形することにより衝撃エネルギーを吸収するクラッシュボックス2に係る特許発明を提案した。
この提案に係る特許発明によれば、クラッシュボックス2を構成する筒状体1の横断面をなす八角形ABCDEFGHの長辺DE、HAに内部へ向けて凸となるとともに軸方向へ向けて延設される溝部1a〜1dを形成するので、溝部1a〜1dを設けられた部分の剛性が高まり、これにより、軸方向へ衝撃荷重を負荷されて繰り返し座屈する途中においてクラッシュボックスが倒れや曲がりを生じることを防止しながら、軸方向へ安定して繰り返し座屈して蛇腹状に塑性変形することができ、これにより、単位質量当たりの衝撃吸収エネルギー量を飛躍的に高めることができる。
国際公開第WO2005−010398号
本発明者らは、衝撃吸収部材の代表例として、特許文献1により提案したクラッシュボックス2を実際の自動車車体へ装着することを、FEM数値解析により検討した。
具体的には、図16に示すように、図16において実線で示す特許文献1により開示されたクラッシュボックス2を構成する筒体1の後端面1eを、取り付け部材である取り付け板3の一方の平面3aに適宜手段により固定し、取り付け板3の他方の平面3bに、略ハット型の横断面を有する部材5aとこの部材5aの端部の二つのフランジ9a、9bを介して重ね合わせ溶接されるクロージングプレート5bとにより構成される扁平かつ矩形の横断面を有する周知慣用のフロントサイドメンバー5の前端面を、適宜手段により固定する状況を想定する。
本例では、取り付け板3は、クラッシュボックス2のサイドメンバー5側の端部に溶接等の適宜方法により締結された板3−1と、サイドメンバー5のクラッシュボックス3側の端部に溶接等の適宜方法により締結された板3−2により構成される。
図16における平面図は、クラッシュボックス2を構成する筒体1の後端面1eを、フロントサイドメンバー5の一方の端面に投影したときにおける両者の位置関係を示す説明図である。この説明図に示すように、クラッシュボックス2の横断面の基本をなす八角形ABCDEFGHの長辺DE、HAが、フロントサイドメンバー5の横断面をなす長方形の長辺に一致するように、クラッシュボックス2の各部寸法を設定する。なお、図16に示す配置とは異なり、クラッシュボックス2の角部A、D、E、Hを、フロントサイドメンバー5の角部に一致させるように配置する場合もある。ここでは、図16に示す配置を対象として説明する。
図17は、このFEM数値解析の解析要領を示す説明図である。同図に示すように、この数値解析では、取り付け板3(板厚2mm、440MPa級の板材)を介して固定されたクラッシュボックス2(軸方向長さ200mm、板厚1.2mm、440MPa級の板材)及びフロントサイドメンバー5(軸方向長さ400mm、部材5aの板厚1.8mm、クロージングプレート5bの板厚1.6mm、いずれも440MPa級の板材)を解析対象とし、フロントサイドメンバー5の他方の端面を固定面6に完全に固定することによってこの解析対象を鉛直上方向きに固定して配置するとともに、クラッシュボックス2の上端面には天板8(板厚1.6mm)を溶接により固定し、上方から、質量が1500kgの落錘体7を落下させてクラッシュボックス2に初速16km/hで衝突させることにより解析対象に14.8kJの衝突エネルギーを与え、解析対象の圧壊時における変形挙動を数値解析した。
この数値解析では、クラッシュボックス2と落錘体7との摩擦係数は0.3とし、ひずみ速度依存性はCowper−Symonds則により考慮した。
その結果、図16における平面図に示す位置関係でクラッシュボックス1をフロントサイドメンバー5に対して配置した場合、意外にも、クラッシュボックス2が本来有する優れた衝撃吸収性能を十分に発揮できなくなるという、新たな課題があることが判明した。つまり、特許文献1により提案したクラッシュボックス2単体では十分な衝撃吸収能を有するにもかかわらず、サイドメンバーの端部への装着の態様によっては、クラッシュボックス2が本来有する優れた衝撃吸収能を発揮できなくなる。
本発明者らは、この課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、例えば、特許文献1により提案したクラッシュボックス等の衝撃吸収部材に負荷された衝撃荷重を、サイドメンバー等の他の部材へ確実に伝達して衝撃吸収部材を確実に蛇腹状に塑性変形させるためには、このクラッシュボックスを特徴付ける軸方向へ延設される溝部が、このクラッシュボックスの一方の端面をサイドメンバーの一方の端面に投影したときに、サイドメンバーの側壁により分割される位置に、存在すればよいという新規な知見を得て、本発明を完成した。
本発明は、少なくとも一方の端面を含む端部を構成する側壁に内部へ向けて凸となるとともに軸方向へ向けて延設される溝部を有する筒状体により構成され、この一方の端面を、筒状体により構成される第1の部材の軸方向の一方の端面に対向して配置されることにより軸方向と略平行な方向へ向けて負荷される衝撃荷重により繰り返し座屈して蛇腹状に塑性変形することにより衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸収部材であって、溝部が、衝撃吸収部材を構成する筒状体における一方の端面を、第1の部材を構成する筒状体における一方の端面に投影したときに第1の部材の側壁によって分割される位置に、存在することを特徴とする衝撃吸収部材である。
また、本発明は、少なくとも一方の端面を含む端部を構成する側壁に内部へ向けて凸となるとともに軸方向へ向けて延設される溝部を複数有する筒状体により構成され、一方の端面を、筒状体により構成される第1の部材の軸方向の一方の端面に対向して配置されることにより軸方向と略平行な方向へ向けて負荷される衝撃荷重により繰り返し座屈して蛇腹状に塑性変形することにより衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸収部材であって、溝部のうちの少なくとも一の溝部が、衝撃吸収部材を構成する筒状体における一方の端面を、第1の部材を構成する筒状体における一方の端面に投影したときに第1の部材の側壁によって分割される位置に、存在することを特徴とする衝撃吸収部材である。
これらの本発明に係る衝撃吸収部材を構成する筒状体における一方の端面が、この一方の端面と第1の部材を構成する筒状体における一方の端面との間に配置される板状部材を介して、この一方の端面に対向して配置されることが望ましい。
これらの本発明に係る衝撃吸収部材では、溝部が、筒状体における一方の端面から他方の端面へ向けて、筒状体の軸方向の長さの少なくとも30%の範囲の全てに設けられることが望ましい。
これらの本発明に係る衝撃吸収部材では、衝撃吸収部材を構成する筒状体が略矩形の基本断面を有するとともに、溝部がこの基本断面を構成する長辺を含む側壁に設けられることが望ましい。
また、これらの本発明に係る衝撃吸収部材では、衝撃吸収部材を構成する筒状体が、対向して配置された一対のコーナー部と、この一対のコーナー部同士を結ぶ線に直交して配置された他の一対のコーナー部とを備える四角形の横断面形状を有する基本断面を有し、一対のコーナー部の成す角度が90°以上150°以下であるとともに他の一対のコーナー部の成す角度が30°以上90°以下であり、横断面形状が、一対のコーナー部を通過する線に対称な形状であり、溝部が、四角形の横断面形状を構成する4つの全ての辺において、一対のコーナー部と、他の一対のコーナー部とを除く位置に設けられることが望ましい。
この場合に、溝部を設けられる辺における、板厚t(mm)、辺の長さW(mm)、溝部の個数N、及びN個の溝の開口幅の平均値Wc(mm)が、下記式(1)の関係を充足することがさらに望ましい。
5<(W−N×Wc)/(N+1)/t<50 ・・・・・・・(1)
さらに、衝撃吸収部材が、軸方向に沿って分割される二つの構成部材を、それぞれの縁部を重ね合わせて接合されることによって構成され、少なくとも一のコーナー部を含む領域が平面状に切り欠かれて形成される切欠き部を備え、この切欠き部が、複数の構成部材同士の重ね合わせ接合部をなすことが望ましい。
これらの本発明に係る衝撃吸収部材では、第1の部材の側壁により分割される位置は、溝部の高さ方向の中央部とするのが望ましい。ここで中央部とは、溝部の底から溝部の高さ方向に溝部の高さの30%〜70%の範囲である。
別の観点からは、本発明は、側壁の少なくとも一方の端部に内部へ向けて凸となるとともに軸方向へ向けて延設される溝部を有する筒状体により構成され、軸方向へ向けて負荷される衝撃荷重により繰り返し座屈して蛇腹状に塑性変形することにより衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸収部材の一方の端面を、筒状体により構成される第1の部材の軸方向の一方の端面に対向して配置する構造であって、溝部が、衝撃吸収部材を構成する筒状体における一方の端面を、第1の部材を構成する筒状体における一方の端面に投影したときに第1の部材の側壁によって分割される位置に、存在することを特徴とする衝撃吸収部材の配置構造である。
また、本発明は、少なくとも一方の端面を含む端部を構成する側壁に内部へ向けて凸となるとともに軸方向へ向けて延設される溝部を複数有する筒状体により構成され、軸方向へ向けて負荷される衝撃荷重により繰り返し座屈して蛇腹状に塑性変形することにより衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸収部材の一方の端面を、筒状体により構成される第1の部材の軸方向の一方の端面に対向して配置する構造であって、溝部のうちの少なくとも一の溝部が、衝撃吸収部材を構成する筒状体における一方の端面を、第1の部材を構成する筒状体における一方の端面に投影したときに第1の部材の側壁によって分割される位置に、存在することを特徴とする衝撃吸収部材の配置構造である。
これらの本発明に係る衝撃吸収部材の配置構造では、衝撃吸収部材を構成する筒状体における一方の端面が、この一方の端面と第1の部材を構成する筒状体における一方の端面との間に配置される板状部材を介して、この一方の端面に対向して配置されることが望ましい。
これらの本発明に係る衝撃吸収部材の配置構造では、第1の部材が、第1の部材を構成する筒状体の内部であって、少なくとも一方の端部に配置される、第1の部材を補強するための補強部材を備えることが望ましい。
さらに、これらの本発明では、衝撃吸収部材がクラッシュボックスであるとともに、第1の部材はサイドメンバーであることが望ましい。また、これらの本発明では、溝部が、略台形状又は略V字状の横断面を有する溝部であることが望ましい。さらに、これらの本発明では、クラッシュボックスを構成する筒状体が、閉断面構造を有するとともに外部へ向けたフランジを有さないことが望ましい。
本発明に係る衝撃吸収部材及びその配置構造によれば、特許文献1により開示された溝部を有するクラッシュボックスのような衝撃吸収部材が本来有する優れた衝撃吸収能を、車体に搭載した場合にも十分に発揮することができ、これにより、自動車等の車両の衝突時に発生する衝撃エネルギーを確実かつ十分に吸収することができる。
また、本発明に係る衝撃吸収部材及びその配置構造によれば、衝撃吸収部材を構成する筒体の軸方向に対して斜め方向へ向けて負荷される衝撃荷重に対しても、曲がり変形の発生を抑制することができるために、連続的に安定して蛇腹状の塑性座屈変形を発生することができ、これにより、斜め衝突に対しても優れた衝撃吸収性能を発揮して、斜め衝突時に発生する衝撃エネルギーを確実かつ十分に吸収することができる。
(実施の形態1)
以下、本発明に係る衝撃吸収部材及びその配置構造を実施するための最良の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以降の実施の形態の説明では、衝撃吸収部材がクラッシュボックスであるとともに、第1の部材がサイドメンバーである場合を例にとる。しかし、本発明に係る衝撃吸収部材はクラッシュボックスに限定されるものではなく、略述すれば、その側壁に内部へ向けて凸となる溝部を軸方向に延設される筒状体により構成される部材の一方の端面を、筒状体により構成される第1の部材の軸方向の一方の端面に対向して配置することにより、軸方向と略平行な方向へ向けて負荷される衝撃荷重により繰り返し座屈して蛇腹状に塑性変形することにより衝撃エネルギーを吸収する部材であれば、クラッシュボックスのような前方衝突や後方衝突に備えるための部材でなくとも、例えば側面衝突に備えるための部材についても、同様に適用可能である。
図1は、本実施の形態のクラッシュボックス11及びその配置構造10を示す説明図であり、同図中の平面図は、クラッシュボックス11の一方の端面をサイドメンバー15の一方の端面に投影したときの両者の位置関係を示す説明図である。
本実施の形態のクラッシュボックス11は、上述したように、特許文献1により開示された特許発明に係るクラッシュボックスを基本とするものであるので、はじめに、特許文献1により開示された特許発明に係るクラッシュボックスと共通する部分を簡単に説明してから、相違する部分を詳細に説明する。
本実施の形態のクラッシュボックス11は、軸方向へ負荷される衝撃荷重を受けて蛇腹状に座屈することにより衝突エネルギーを吸収する筒状体12を備える。
筒状体12は、後述する溝部12c、12dを有するように例えばプレス成形された第1の部材13aと、溝部12a、12bを有するように例えばプレス成形された第2の部材13bとを、それぞれの端部に形成される平面部(図1の平面図における左右の縦壁面)で重ね合わせ、この重ね合わせ部で適宜手段(例えばレーザー溶接やスポット溶接)により接合することにより、組み立てられる。このため、筒状体12は、その横断面形状が図示するような略多角形を有する閉断面であるとともに、この閉断面の外側へ向けたフランジを具備しないものである。
さらに、筒状体12の横断面形状は、略多角形を構成する複数の頂点のうちの一部を直線で連結して得られる多角形のうちで最大の面積を有する断面である基本断面の多角形ABCDEFGHの辺DE、HAの一部の領域であって、かつこの辺の端点D、E、H及びAを除いた位置に、内側へ向けて凸となる溝部12a、12b、12c、12dを、筒状体12の軸方向へ向けて有する。
つまり、このクラッシュボックス11は、筒状体12の基本断面をなす八角形(辺AB、BC、CD、DE、EF、FG、GH、HAから構成され八角形)の長辺を含む側壁に、内部へ向けて凸となるとともに軸方向(図1における両矢印方向)へ向けて延設される、溝部12a〜12dを形成される筒状体12により構成されるものである。筒状体12が、その軸方向へ向けて負荷される衝撃荷重により繰り返し座屈し、最終的に蛇腹状に塑性変形することによって、クラッシュボックス11は衝撃エネルギーを吸収する。
本実施の形態では、溝部12a〜12dが略台形状の横断面形状を有する場合を例にとった。しかし、溝部12a〜12dの横断面形状は略台形状に限定されるものではなく、例えば略V字状等の略台形状以外の形状の場合であっても、同様の作用効果が奏される。
また、本実施の形態では、溝部12a〜12dを筒状体12の軸方向の全域に形成した場合を例に取ったが、溝部12a〜12dは軸方向の全域に設ける必要はなく、筒状体12のサイドメンバー15側の端面から他方の端面へ向けて、筒状体12の軸方向の長さの少なくとも30%の範囲の全てに設けられていれば、後述する本発明の作用効果が奏せられる。
このクラッシュボックス11は、特許文献1により開示されるように、筒状体12の横断面をなす多角形ABCDEFGHの辺部分DE、HAに、内部へ向けて凸となるとともに軸方向へ向けて延設される溝部12a〜12dを形成されており、これら溝部12a〜12dを設けられた部分の剛性が高まっているので、隔壁の追加や板厚の増加を行わなくとも、軸方向へ衝撃荷重を負荷されて繰り返し座屈する途中において筒状体12が倒れや曲がりを生じることが防止される。このため、クラッシュボックス11は、質量の増加を伴わずに軸方向へ安定して繰り返し座屈でき、これにより、最終的に蛇腹状に塑性変形することができる。したがって、単位質量当たりの衝撃エネルギーの吸収量を飛躍的に向上することができる。
図1に示すように、本実施の形態では、このクラッシュボックス11を構成する筒状体12の後端面12eを、取り付け部材である取り付け板14の一方の平面14aに適宜手段により固定するとともに、この取り付け板14の他方の平面14に、フロントサイドメンバー15の前端面を適宜手段により脱着自在に固定する。
本実施の形態では、取り付け板14は、クラッシュボックス11のサイドメンバー15側の端面に溶接等の適宜方法により締結された板14−1と、サイドメンバー15のクラッシュボックス11側の端面に溶接等の適宜方法により締結された板14−2により構成され、板14−1、14−2はボルト及びナットで締結される。
このようにして、クラッシュボックス11の一方の端面12eが、サイドメンバー15の一方の端面に配置される取り付け板14を介して、サイドメンバー15の一方の端面に対向して配置される。
図1に示すフロントサイドメンバー15は、略ハット型の横断面を有する部材15aと、この部材15aの両端部に形成される二つのフランジ16a、16bを介して重ね合わせ溶接されるクロージングプレート15bとにより構成される扁平かつ矩形の横断面を有するものであり、フロントサイドメンバーとして周知慣用のものである。
さらに、本実施の形態では、図1中の平面図に示すように、筒状体12に設けられる溝部12a〜12dが、筒状体12における一方の端面12eを、サイドメンバー15を構成する筒状体における一方の端面に投影したときにサイドメンバー15の側壁によって分割される位置に、存在する。これが本発明のポイントであるので、以下に詳細に説明する。
上述したように、本実施の形態のクラッシュボックス11の特徴は、筒状体12の外壁に内部へ向けて凸となるとともに軸方向へ向けて延設される溝部12a〜12dを形成した点であり、これら溝部12a〜12dを設けられた部分の剛性が高いので、隔壁の追加や板厚の増加を行わなくとも、軸方向へ衝撃荷重を負荷されて繰り返し座屈する途中において筒状体12が倒れや曲がりを生じることが防止され、確実に蛇腹状に塑性変形するという、優れた作用効果が奏される。
しかし、上述した図16の平面図に示すように、溝部1a〜1dをフロントサイドメンバー5の外壁の内部に配置してしまうと、溝部1a〜1dの裏側(サイドメンバー5側)にはクラッシュボックス2を支持する部材が存在しない、いわば空洞の状態となる。このため、溝部1a〜1dから伝播される衝撃荷重は取り付け板3の曲げ剛性のみで受けることになるか、あるいは取り付け板3を設けない場合には衝撃荷重を全く受けることができない。このため、衝突の初期に取り付け板3やサイドメンバー5の先端側が大きくたわんでしまい、その結果、クラッシュボックス2のサイドメンバー5側の端部(後端部)も大きくたわんでその断面形状が変形し、この部分及び近傍にひずみが衝突の初期から生じる。
一般的に、軸方向へ向けて存在する稜線を有する筒状の部材に、その軸方向へ衝撃荷重を負荷された場合、衝撃荷重を負荷された一方の端部から他方の端部へ向けて繰り返し座屈して蛇腹状に塑性変形することにより衝撃エネルギーを吸収するためには、上記一方の端部側のみにひずみが生じ、他方の端部側には塑性ひずみは殆ど生じずに剛性を保持できることが重要である。これによって、部材の稜線に確実に軸方向への圧縮力が作用し、一方で面外変形が抑制されるため、順次繰り返し座屈することが高荷重負荷下で実現される。
ところが、上述したように、衝突の初期に取り付け板3やサイドメンバー5の先端側がたわんでしまうと、クラッシュボックス2の稜線に負荷される軸方向への圧縮力が減少し、繰り返し座屈を生じなくなるので、特に軸方向への圧壊の後半に荷重が大きく低下し、衝撃エネルギーの吸収量が低下する。
これを防ぐには、例えば取り付け板3の板厚を相当程度増加すればよいが、これでは取り付け板3の重量が増加し、自動車車体の軽量化の要請に応えることができない。
これに対し、本実施の形態では、図1の平面図に示すように、筒状体12に設けられる溝部12a〜12dがフロントサイドメンバー15の側壁によって分割されるように、すなわち溝部12a〜12dがフロントサイドメンバー15の外壁を跨ぐように、配置される。このように、フロントサイドメンバー15に対してクラッシュボックス11を配置するには、クラッシュボックス11を構成する筒状体12の各部寸法を、図16に示すクラッシュボックス2の筒状体1から適宜変更すればよい。本実施の形態では、第1の部材13aと第2の部材13bとの重ね合わせ部となるそれぞれの平面(図1の平面図における左右の縦壁面)の長さを長く設定することとした。
これによって、溝部12a〜12dから伝達される荷重に対して、フロントサイドメンバー15の外壁によって反力を生じることができるため、取り付け板14やフロントサイドメンバー15の先端部のたわみが抑制される。これにより、クラッシュボックス11のサイドメンバー15側の端部で圧壊初期にたわみ等によるひずみを生じることなく、先端部側から後端部側へ確実に繰り返し座屈変形することができる。
このため、取り付け板14に負荷された衝撃荷重がフロントサイドメンバー15に確実に伝達されるため、クラッシュボックス11にはその軸方向へ十分な荷重が負荷されることとなり、クラッシュボックス11が本来有する衝撃吸収エネルギー量を十分に確保できる。
このようにして、本実施の形態によれば、特許文献1により開示されたクラッシュボックスが本来有する衝撃吸収能を十分に発揮して、自動車等の車両の衝突時に発生する衝撃エネルギーを十分に吸収することができるクラッシュボックス及びその配置構造を提供することができる。
以上の実施の形態の説明では、サイドメンバーがハット型の部材と、平板状のクロージングプレートとにより構成される筒状体である場合を例にとったが、本発明はサイドメンバーの形状には限定されるものではなく、筒状体からなるサイドメンバーであれば同様に適用可能である。すなわち、本発明は、図1に示すフロントサイドメンバー15に限定されるものではなく、公知の各種のサイドメンバーに対しても同様に適用可能である。例えば、図2(a)に示す横断面を有するフロントサイドメンバー15−1のようにフランジの向きが左右で異なる場合、図2(b)に示す横断面を有するフロントサイドメンバー15−2や図2(c)に示す横断面を有するフロントサイドメンバー15−3のように六角形の横段面を有する場合、さらには図2(d)に示すフロントサイドメンバー15−4のように八角形の横段面を有する場合等が例示される。
また、実施の形態の説明では、取り付け板14を設ける場合を例にとったが、取り付け板14は必ずしも用いる必要はない。
また、本発明における取り付け部材は、取り付け板14に限定されるものではなく、クラッシュボックス及びサイドメンバーを取り付けることができる部材であれば、同様に適用可能である。例えば、クラッシュボックスのサイドメンバー側の端面に板状の取り付け板を適宜手段により固定するとともに、サイドフレームのクラッシュボックス側の端面に外向きのフランジを設けておき、取り付け板及びフランジを重ね合わせて両者を貫通するボルト及びナットにより締結することにより、サイドメンバーにクラッシュボックスを脱着自在に設けるようにしてもよい。
また、実施の形態の説明では、4つの溝12a〜12dの全てが、フロントサイドメンバー15の外壁を含む位置に存在する場合を例にとったが、これに限定されるものではなく、例えば、斜め衝突等の非対称の荷重入力を想定する場合には、先に荷重が入力される側に位置する溝部のみがフロントサイドメンバー15の外壁を含む位置に存在するようにしてもよい。
さらに、実施の形態の説明では、図1中の平面図に示すように、クラッシュボックス11の辺BC、FGがフロントサイドメンバー15の外壁と一致しているが、一致させる必要はない。ただし、辺AB、CD、EF、GHがいずれもフロントサイドメンバー15の外壁と交差する位置に存在することが望ましい。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2を説明する。なお、以降の説明は、上述した実施の形態1と相違する部分を説明し、共通する部分については同一の符号を付することにより重複する説明を適宜省略する。このため、以降の説明において記載されていない部分は、上述した実施の形態1と同様である。本実施の形態が実施の形態1と相違するのは、クラッシュボックスの形状であるので、これを説明する。
図3は、本実施の形態のクラッシュボックス11−1及びその配置構造10−1を示す説明図であり、同図中の平面図は、クラッシュボックス11−1の一方の端面をサイドメンバー15−1の一方の端面に投影したときの両者の位置関係を示す説明図である。
本実施の形態のクラッシュボックス11−1は、図3に示すように、対向して配置された一対のコーナー部21、22と、この一対のコーナー部21、22同士を結ぶ線に直交して配置された他の一対のコーナー部23、24とを備え、かつ外側にフランジを有さないとともにコーナー部21〜24により規定される四角形の横断面形状を有する金属製の筒体25から構成される。
本実施の形態のクラッシュボックス11−1は、外側にフランジを有さないとともにコーナー部21〜24により規定される四角形の横断面形状を有する金属製の筒体25により構成するが、これとは異なり、外側にフランジを有する筒体によりクラッシュボックスを構成するようにしてもよい。
このように、このクラッシュボックス11−1は、車幅方向(図3中の平面図における左右方向)又は車高方向(図3中の平面図における上下方向)に、横断面形状の外郭をなす剛性が高い稜線部であるコーナー部21〜24を配置する四角形の断面形状を有する。
このクラッシュボックス11−1の横断面形状は、一対のコーナー部21、22を通する仮想の線Lに対称な形状である。さらに、他の一対のコーナー部23、24を通過する仮想の線Mに対称な形状であることが望ましい。対称性が高まるほど、それだけ多様な入力方向からの斜め荷重に対する性能が向上するからである。
オフセット衝突の場合、車幅方向又は上下方向への斜め荷重が入力されるので、クラッシュボックス11−1に曲げモーメントが生じる。このような斜め方向からの荷重入力に対してもクラッシュボックス11−1が安定して塑性座屈変形を発生するためには、曲げモーメントによって生じる全体での曲げ変形(折れ曲がり)を抑制することと、入力された衝撃荷重によって、筒体25の軸方向へ衝撃荷重が入力された場合と同様の座屈波長が短い連続的な塑性座屈変形を発生することが重要である。筒体25全体での曲げ変形を生じる場合は、座屈波長が長い変形となるからである。そこで、荷重が作用する外郭端に該当する位置に剛性が高いコーナー部23、24を配置する。このため、このクラッシュボックス11−1では、図3に示すように、断面中心を通る直線上にコーナー部21〜25を配置する。
また、このクラッシュボックス−1では、一対のコーナー部21、22の成す内角の角度θ、θを90°以上150°以下とする(本実施の形態ではいずれも90度)とともに、他の一対のコーナー部23、24の成す内角の角度θ、θを30°以上90°以下とする(本実施の形態ではいずれも90度)。この理由を説明する。
稜線部であるコーナー部21〜25の剛性は、稜線部に存在する円弧長によって決定され、コーナー部21〜25が特定の曲率半径で設定される場合、この円弧長は、コーナー部21〜25の内角によって変化する。したがって、斜め方向から入力される衝撃荷重により生じる曲げモーメントに対してクラッシュボックス11−1が全体での曲がりを生じることなくこの衝撃荷重により塑性座屈変形を発生するためには、一対のコーナー部21、22の成す内角の角度θ、θを90°以上150°以下とする。θ、θが150°を超えると、クラッシュボックスの製造ならびに設計スペースを考慮に入れた範囲で決定される現実的な曲率半径(1.5〜10.0mm程度)の場合に、コーナー部23、24の円弧長が短くなり過ぎて所望の剛性を確保することができなくなり、狙いとする塑性座屈変形を生じることができなくなる。
また、他の一対のコーナー部23、24の成す内角の角度θ、θは、一対のコーナー部21、22の成す内角の角度θ、θと連動するので、角度θ、θを90°以上150°以下とすることに伴って、30°以上90°以下とする。
一対のコーナー部21、22に比べ、他の一対のコーナー部23、24がより高い曲げ剛性が要求される場合は、一対のコーナー部21、22の成す角度θ、θが、他の一対のコーナー部23、24の成す角度θ、θよりも大きいことが望ましい。
このクラッシュボックス11−1は、剛性が高い稜線部であるコーナー部21〜25における斜め荷重の負担度合いを増加させることが可能な形状、すなわち斜め荷重の入力方向に対してコーナー部21〜25が配置される横断面形状とする。また、コーナー部21〜24を設ける横断面形状とすることにより、斜め方向から入力される荷重に対して生じる面外変形を小さくすることができるとともにし、コーナー部21〜24に対する圧縮ひずみを高めることができる。
さらに、このクラッシュボックス11−1は一対のコーナー部21、22を通過する仮想の直線線Lに対称に配置される2組の対をなす辺(26、27)、(28、29)のうちの全てに、一対のコーナー部21、22と、他の一対のコーナー部23、24とを除く位置に、長手方向へ延びるとともに内部へ向けて凸となる1又は複数(図3では一つの場合を示す)の溝30〜33を有している。
本例では辺26〜29に溝30〜33が設けられる場合を示すが、これに限定される物ではなく、辺26〜29のいずれかに溝が設けられていてもよい。
そして、これらの溝30〜33は、辺26〜29における、板厚t(mm)、辺26〜29の長さW(mm)、溝26〜29の個数N、及びN個の溝26〜29の開口幅の平均値Wc(mm)が、下記式(1)の関係を充足することが望ましく、下記式(1’)の関係を充足することがさらに望ましい。
5<(W−N×Wc)/(N+1)/t<50 ・・・・・・・(1)
5<(W−N×Wc)/(N+1)/t<30 ・・・・・・(1’)
これにより、このクラッシュボックス11−1は、短い座屈波長により蛇腹状に塑性座屈変形することができ、高い衝撃吸収エネルギー吸収性能を得られる。この理由を説明する。
クラッシュボックス11−1が連続的な塑性座屈(進行性座屈)を生じ、その変形によって生じる荷重履歴によって決定される衝撃吸収エネルギー吸収量を高めるためには、座屈発生から次の座屈発生までの荷重変動を抑制すること、すなわち、座屈波長を短くすることが有効である。この座屈波長は、クラッシュボックス11−1の横断面において衝撃荷重によって生じる面外変形(変位)と密接な関係があり、この面外変形の量が大きいと座屈波長が長くなり、一方面外変形が小さいと座屈波長が短くなる。そのため、クラッシュボックス11−1の横断面で生じる面外変形を小さくするためには、横断面を構成する辺26〜29の幅、すなわち隣接するコーナー部21〜24間の距離を小さくすればよい。
具体的には、コーナー部21〜24の間の距離Wを、筒体25の板厚tの50倍未満とする。すなわち、コーナー部21〜24の間の距離Wが板厚tの50倍以上となる辺26〜29には、図3に示すように、溝30〜33をそれぞれ設けることによって、辺26〜29を分断する。なお、コーナー部21〜24の間の距離Wが板厚の50倍未満の場合であっても、辺26〜29に溝30〜33を設けることにより辺26〜29をさらに細かく分断するようにしてもよい。
溝30〜33は、斜め荷重が作用した際における全体での曲がり変形の抑制とともに、その荷重によって塑性座屈変形の起点となるコーナー部21〜24を含まない位置に設けることが望ましい。
このように、クラッシュボックス11−1は、辺26〜29の幅Wが大きい横断面形状である場合に、短い座屈波長を得るために辺26〜29に溝30〜33を設けて、この溝30〜33により新たな稜線部を形成し、辺26〜29の幅を、短い座屈波長を得られる範囲に制御するものである。
なお、溝30〜33の深さdが浅過ぎると、上述した辺26〜29を分断する効果が弱まるため、溝30〜33の深さdは10mm超とすることが望ましい。
このクラッシュボックス11−1では、全てのコーナー部21〜25の曲率半径Rが、溝30〜33を構成する角部30a〜30d、31a〜31d、32a〜32d、33a〜33dのいずれの曲率半径Rcより大きいことが望ましい。この理由を説明する。
薄肉円環の断面2次モーメントは、径及び肉厚によって支配され、径が大きいほど断面2次モーメントは大きくなり、曲げ強度に影響を及ぼす断面係数も同様に径が大きいほど増大する。すなわち、クラッシュボックス11−1に対し斜め方向から荷重が作用した際に生じる曲げモーメントに対して曲げ変形を抑制するためには、横断面の外郭に位置して入力される荷重を支持するコーナー部21〜24の断面2次モーメントを大きくとることが有効である。また、溝30〜33を構成する角部30a〜30d、31a〜31d、32a〜32d、33a〜33dの曲率半径を大きくすると、溝30〜33での変形抵抗が過度に高まり、この部分での塑性座屈変形が生じ難くなる。
以上の理由により、本発明では、クラッシュボックス11−1の全体の曲げ強度を最も支配する全てのコーナー部21〜24の曲率半径Rを、溝30〜33を構成する角部30a〜30d、31a〜31d、32a〜32d、33a〜33dの曲率半径Rcより大きくすることが望ましい。
このように、本実施の形態のクラッシュボックス11−1は、車幅方向又は車高方向にコーナー部21〜24を配置し、そのコーナー部21〜24を形成する内角θ〜θを最適な範囲に制御するとともに、一対のコーナー部21、22を通過する仮想の直線Lに対称に配置される2組の対をなす辺(26、27)、(28、29)に、コーナー部21〜24を除く位置に長手方向へ延び、内部へ向けて凸となるとともに式(1)を満足する1又は複数の溝30〜33を設けることによって、斜め荷重が入力された場合の曲げ強度を向上させるとともにこの衝撃荷重により塑性座屈変形を発生するものである。
このため、このクラッシュボックス11−1は、軸方向に対して斜め方向へ向けて負荷される衝撃荷重に対しても、全体での曲がり変形の発生を抑制でき、蛇腹状に塑性座屈変形することができる。
本実施の形態においても、図3に示すように、クラッシュボックス11−1を構成する筒状体25の後端面25eを、取り付け部材である取り付け板14の一方の平面14aに適宜手段により固定するとともに、この取り付け板14の他方の平面14bに、フロントサイドメンバー15−1の前端面を適宜手段により脱着自在に固定する。
本実施の形態では、取り付け板14は、クラッシュボックス11−1のサイドメンバー15−1側の端面に溶接等の適宜方法により締結された板14−1と、サイドメンバー15−1のクラッシュボックス11−1側の端面に溶接等の適宜方法により締結された板14−2により構成され、板14−1、14−2はボルト及びナットで締結される。
このようにして、クラッシュボックス11−1の一方の端面25eが、サイドメンバー15−1の一方の端面に配置される取り付け板14を介して、サイドメンバー15−1の一方の端面に対向して配置される。
図3に示すフロントサイドメンバー15は、略ハット型の横断面を有する二つの部材15a、15bを、それぞれの端部に形成される二つのフランジ16a、16bを介して重ね合わせて、溶接することにより構成される扁平かつ矩形の横断面を有するものであり、フロントサイドメンバーとして周知慣用のものである。
本実施の形態においても、上述した実施の形態1と同様に、図3中の平面図に示すように、筒体25に設けられる溝部30〜33が、筒体25における一方の端面25eを、サイドメンバー15−1を構成する筒状体における一方の端面に投影したときにサイドメンバー15−1の側壁によって分割される位置に、存在する。すなわち、本実施の形態では、図3の平面図に示すように、筒体25に設けられる溝部30〜33が、フロントサイドメンバー15−1の外壁を跨ぐように配置される。
これによって、溝部30〜33から伝達される荷重に対して、フロントサイドメンバー15−1の外壁によって反力を生じることができるため、取り付け板14やフロントサイドメンバー15−1の先端部のたわみが抑制される。これにより、クラッシュボックス11−1のサイドメンバー15−1側の端部で圧壊初期にたわみ等によるひずみを生じることなく、先端部側から後端部側へ確実に繰り返し座屈変形することができる。
このため、取り付け板14に負荷された衝撃荷重がフロントサイドメンバー15−1に確実に伝達されるため、クラッシュボックス11−1にはその軸方向へ十分な荷重が負荷されることとなり、クラッシュボックス11−1が本来有する衝撃吸収エネルギー量を十分に確保できる。
このようにして、本実施の形態によれば、実施の形態1と同等にして、特許文献1により開示されたクラッシュボックスが本来有する衝撃吸収能を十分に発揮して、自動車等の車両の衝突時に発生する衝撃エネルギーを十分に吸収することができるクラッシュボックス及びその配置構造を提供することができる。
また、本実施の形態によれば、上述したように、クラッシュボックス11を構成する筒体25の軸方向に対して斜め方向へ向けて負荷される衝撃荷重に対しても、曲がり変形の発生を抑制することができるために、連続的に安定して蛇腹状の塑性座屈変形を発生することができ、これにより、斜め衝突に対しても優れた衝撃吸収性能を発揮して、斜め衝突時に発生する衝撃エネルギーを確実かつ十分に吸収することができる。
次に、本発明を、実施例を参照しながらさらに具体的に説明する。
本実施例では、図1に示す本発明例の配置構造を有する解析対象の効果をさらに明らかにするため、図16に示す比較例の配置構造を有する解析対象とともに、下記の要領で衝突試験のFEM数値解析を行った。
図4(a)〜図4(c)は、このFEM数値解析の解析条件を示す説明図である。なお、以降の説明では、上述した図1、11で説明した部材と同一の部材には、図1、16で用いた符号と同一の図中符号を付すことにより、重複する説明を適宜省略する。
図4(a)及び図4(b)に示すように、この数値解析では、取り付け板14(板厚2mm)を介して固定されたクラッシュボックス11(軸方向長さ200mm、板厚1.0mm)及びフロントサイドメンバー15(軸方向長さ400mm、部材5aの板厚1.8mm、クロージングプレート5bの板厚1.6mm)を、本発明例の解析対象とするとともに、取り付け板3(板厚2mm)を介して固定されたクラッシュボックス2(軸方向長さ200mm、板厚1.2mm)及びフロントサイドメンバー5(軸方向長さ400mm、部材5aの板厚1.8mm、クロージングプレート5bの板厚1.6mm)を、比較例の解析対象とした。
なお、本発明例の解析対象では、図4(b)中の平面図に示す寸法を満足するように、溝部12a〜12dがサイドメンバー15の外壁を跨ぐように配置させた。また本発明例、比較例のいずれの解析対象も、フロントサイドメンバー15、5の扁平率は2.0とした。さらに、後述する天板8も含め、取り付け板14、クラッシュボックス11及びフロントサイドメンバー15は、いずれも440MPa級の板材とした。
さらに、素材である第1の部材13a、13bの板厚を1.0mmとした本発明例の解析対象であるクラッシュボックスの質量は0.905kgであり、これは比較例の解析対象の質量である1.027kgに対して、0.84倍に相当する。
これらの解析対象を、フロントサイドメンバー15、5の端部を固定面6に完全に拘束することによって解析対象を鉛直上方向きに固定配置するとともにクラッシュボックス11、2の上端部に天板8(板厚1.6mm)を溶接により固定し、上方から、図4(c)の実線で示す水平面に対して平行な衝突面を有する、質量が1500kgの落錘体7を落下させてクラッシュボックス11、2に初速16km/hで衝突させることにより解析対象に14.8kJの衝突エネルギーを与え、解析対象の圧壊時の変形挙動を数値解析した。この数値解析では、クラッシュボックス11、2と落錘体7との摩擦係数は0.3とするとともに、ひずみ速度依存性はCowper−Symonds則により考慮した。
図5(a)は、この解析により求めた相当塑性ひずみを計測した断面を示す説明図であり、図5(b)は圧壊前の先端からの位置X(mm)と、図5(a)に示す断面で求めた相当塑性ひずみとの関係を示すグラフである。また、図6は、60mm以上の圧壊ストロークと、ストローク60mm以上におけるクラッシュボックスが吸収するエネルギー量との関係を示すグラフである。
図4(b)に示す本発明例のように、溝12a〜12dがフロントサイドメンバー15の外壁を跨ぐ位置に存在すると、衝突した端部側から順次ひずみが生じ、繰り返し座屈を確実に生じて蛇腹状に塑性変形する。しかし、図4(a)に示す比較例では、圧壊量60mm付近からクラッシュボックス1のフロントサイドメンバー5側での変形が顕著になってくる。図5(b)には、圧壊量が60mmでの図示位置のひずみ分布をグラフで示すが、このグラフに示すように○で囲んだ領域Aにおいて比較例では大きなひずみを生じることがわかる。このため、図6にグラフで示すように、圧壊量が60mm以上となると、クラッシュボックスが新たに吸収できるエネルギー量に関して、本発明例は比較例よりも格段に優れる。
以上の実施例1により、本発明により、特許文献1により開示されたクラッシュボックスが有する衝撃吸収能を十分に発揮して、自動車等の車両の衝突時に発生する衝撃エネルギーを十分に吸収することができることがわかる。
本実施例では、上述した図4(c)に破線で示すように水平面に対して斜めに10度傾斜した衝突面を有する落錘体7を、実施例1と同じ条件で落下させる場合を想定して、衝突試験のFEM数値解析を行った。
すなわち、実施例1では正面衝突における衝撃吸収部材の圧壊挙動を調べたが、近年では乗用車等の車両の衝突安全性能を高めるために衝突評価基準が厳格化されつつあり、例えば前面衝突では、10度傾斜したバリアーに時速16km/hで衝突させ、車体各部の損傷を評価する衝突試験も行われている。図4(c)に破線で示す、水平面に対して斜めに10度傾斜した衝突面を有する落錘体7は、この基準を反映させた解析を行う要領を示すものである。
図7は、本発明例及び比較例の双方について、80mm圧壊時の状況を示す説明図であり、図8(a)は、クラッシュボックス11、2の上端部及び下端部の2点B、C間のZ方向(軸方向に対して直角な方向)相対距離の測定位置を示す説明図であり、図8(b)は、この2点B、C間のZ方向相対変位(mm)と圧壊ストローク(mm)との関係を示すグラフである。
実施例1と同様に、比較例では溝部1a〜1dから伝播される荷重に対して溝部1a〜1dに該当する位置での反力は取り付け板3の曲げ剛性のみにより与えられるため、圧壊初期から取り付け板3の圧壊方向へのたわみ変形が生じる。特に、本実施例のように斜め衝突では、クラッシュボックス2のうちで先に当たる側(図7では図示する車体外側)から荷重入力が開始される。このため、比較例では、先に当たる側の溝部に該当する取り付け板のたわみ変形が先行し、これにより、クラッシュボックス2は外側へ倒れる挙動を生じる。このため、圧壊ストロークが70mm近傍からクラッシュボックス2の倒れ込みが顕著になる。
これに対し、本発明例では、溝部12a〜12dがフロントサイドメンバー15の外壁を跨ぐ位置に存在するので、溝部12a〜12dから伝達される荷重が、フロントサイドメンバー15の外壁による反力で確実に受けることが可能となり、取り付け板14のたわみが抑制される。このため、図8(b)にグラフで示すように、本発明例によればクラッシュボックス11が倒れ込む変形を生じることなく圧壊を完了でき、クラッシュボックス11は所定の吸収エネルギーを十分に確保できる。
図9は、圧壊ストローク(mm)における吸収エネルギー(kJ)を示すグラフである。本発明例によれば、80mm以上の圧壊ストロークにおいて特に吸収エネルギーの低下が少ないことがわかる。
実施例1、2によれば、フロントサイドメンバーよりも先に優先してクラッシュボックスを圧壊させて蛇腹状に塑性変形させることは、確かに可能である。しかし、本発明者らの検討結果によれば、クラッシュボックスが圧壊を完了する直前で荷重が増加し、クラッシュボックス単体でのエネルギー吸収が完了しないうちに、フロントサイドメンバーが損傷することがあることが判明した。フロントサイドメンバーの損傷を回避するには、フロントサイドメンバーの先端の板厚を増加すればよいが、車体軽量化の要請に反するので望ましい方法ではない。そこで、本発明の効果をさらに高める技術、具体的にはクラッシュボックスが完全に剛体化するまでクラッシュボックスを圧壊する間に、フロントサイドメンバーが損傷しない技術を検討した。
ここで、フロントサイドメンバーは、略矩形断面を有し、かつ扁平な断面輪郭を呈する場合が多い。この場合、フロントサイドメンバーの先端部では、長辺部分におけるたわみ変形が短辺部分におけるたわみ変形よりも多い。そこで、本実施例では、図10(a)〜図10(c)に例示するように、フロントサイドメンバー15の筒状の本体の内部であって、少なくとも先端部に、フロントサイドメンバー15の補強部材として、各種の中板17a〜17dを配置する。
図10(a)に示す中板17aが最も簡単な構造であるが、図10(b)に示すように複数の中板17b、17cを設けてもよいし、斜め衝突などの非対称の荷重入力を想定する場合には図10(c)に示すように一対の長辺のうちで片側の長辺のみを拘束するようにしてもよい。
本実施例では、図10(b)に示す、(a)板厚1.0mmのクラッシュボックス11、取り付け板14及びサイドメンバー15により構成される本発明例1と、(b)この本発明例1と同じ部品にさらに中板17a(サイドメンバー15のクラッシュボックス11側の先端部に、440MPa級の材料により板厚1.6mm、クラッシュボックス11の軸方向へ向けて延在する長さ40mmの重量53gのプレート)を追加した本発明例2と、(c)図4(a)に示す、板厚1.2mmのクラッシュボックス2、取り付け板3及びサイドメンバー5により構成される比較例とについて、実施例1で用いた数値解析の手法を用いて、フロントサイドメンバー15,5の先端に着目してクラッシュボックス11、2が圧壊完了した時以降におけるフロントサイドメンバー15、5の変形挙動を分析した。本解析では、フロントサイドメンバー15、5の変形挙動も解析する必要があるため、1500kgの水平面を有する落錘体7を時速64km/hで落下させ、変形量として450mmまでの解析を行った。
比較例では、クラッシュボックス2への荷重入力と同時に取り付け板3の変形が開始され、これにより圧壊の開始初期からクラッシュボックス2のフロントサイドメンバー5側の端部近傍で変形が生じ、クラッシュボックス2の全体に曲がりが生じた。また、フロントサイドメンバー5には圧壊量60mmから、先端部に変形を生じた。
これに対し、本発明例1では、取り付け板14の変形が圧壊の開始初期からは生じず、クラッシュボックス11が優先的に変形してエネルギーを吸収した。フロントサイドメンバー15の先端には圧壊量が118mmになるまではひずみが生じなかったが、それ以後ではクラッシュボックス11が圧壊すると同時にフロントサイドメンバー5の先端にも若干のひずみが生じた。
さらに、本発明例2では、クラッシュボックス11の変形が完全に完了してクラッシュボックス11が剛体化する、圧壊量157mmまで、フロントサイドメンバー15には一切ひずみが発生しなかった。
表1には、圧壊量140mmまでにクラッシュボックス11、1が吸収したエネルギーをまとめて示す。
Figure 2008241036
表1における比較例と本発明例1、2とを対比することにより、本発明例1、2によりクラッシュボックス11の衝撃吸収量が飛躍的に向上するとともに、さらに本発明例2によりフロントサイドメンバー15の損傷を最小限に抑制しながらクラッシュボックス11の性能を最大限に発揮できることがわかる。
すなわち、本実施例により、フロントサイドメンバー15の補強部材として中板17aを配置することにより、フロントサイドメンバー15の本体の対向配置される長辺同士を、連結して長辺の中央付近を対向して拘束し、フロントサイドメンバー15の先端部の変形の開始をさらに遅らせることができることがわかる。
実施例1において、溝部12a〜12dを軸方向へ形成する範囲を見極めるべく、図11(a)に示す形状のクラッシュボックスの解析モデル18を用いて、サイドメンバー側の端面18aからの軸方向への溝部19a〜19dの設置高さhを種々変更して、FEM数値解析を行った。
このFEM数値解析に用いる解析モデル18は、板厚1.0mmで440MPa級の材料からなるとともに軸方向の全長が200mmである筒状体により構成される。溝部19a〜19dの深さは20mmであり、1500kgの落錘体を時速16km/hの初速で衝突させることにより圧壊した。本FEM解析ではクラッシュボックスのみを解析モデルとした。さらに、クラッシュボックスの上面には図12に示す例と同様の天板8(板厚1.6mm)を設けるとともに、下面を固定面に固定した。
軸方向への溝部19a〜19dを設けた部分では、溝部19a〜19dの横断面形状は同一とし、それより上側では徐々に溝部19a〜19dの深さが浅くなり、最終的に0となるようにした。
FEM数値解析の結果として、軸方向へ120mm圧壊するまでのエネルギー吸収量を、図11(b)にグラフで示す。
図11(b)のグラフにおける横軸は、溝高さhを部材高さ200mmにより除して%で表示した値である。
図11(b)のグラフから、溝部19a〜19dの形成範囲を、サイドメンバー側の端面から軸方向へ向けてその全長の30%以上の距離の範囲の全てとすることによって、エネルギー吸収量が急激に向上することがわかる。したがって、溝部19a〜19dは、筒状体におけるサイドメンバー側の端面から他方の端面へ向けて、筒状体の軸方向の長さの少なくとも30%の範囲の全てであることが望ましい。
図12は、本実施例で数値解析したクラッシュボックスの配置構造例を示す説明図であり、図12(a)は図3に示すクラッシュボックス11−1の溝部30〜33をフロントサイドメンバー15−1の側壁が跨がない比較例であり、図12(b)及び図12(c)はいずれも、図3に示すクラッシュボックス11−1の溝部30〜33をフロントサイドメンバー15−1の側壁が跨ぐ本発明例である。
図12(b)は、クラッシュボックス11−1の二つの溝部30、33をフロントサイドメンバー15−1の側壁が跨ぐ場合であり、図13(b)は、クラッシュボックス11−1の全ての溝部30〜33をフロントサイドメンバー15−1の側壁が跨ぐ場合である。
また、図12(b)及び図12(c)に示す11−1では、軸方向に沿って分割される二つの構成部材11−1a、11−1bを、それぞれの縁部を重ね合わせて接合されることによって構成され、コーナー部23,24を含む領域が平面状に切り欠かれて形成される切欠き部34を備える。そして、切欠き部34は、複数の構成部材同士の重ね合わせ接合部をなしている。これにより、切欠き部34の剛性が高められており、軸方向への圧壊の際によりいっそう曲がり変形を生じ難い構造とされている。
また、本解析では、クラッシュボックス11は440MPa級の板厚1.2mmの鋼板により構成され、その全長は200mmとした。また、フロントサイドメンバー15−1は、440MPa級の板厚1.6mmの鋼板により構成され、その全長は、本解析はクラッシュボックス11の圧壊状況を確認するものでありその全長は影響しないことから、実際よりは短い400mmとした。
この解析では、図12(a)〜図12(c)に示す配置構造で先端にクラッシュボックス11、11−1を装着されたフロントサイドメンバー15−1を、鉛直上方へ向けて固定配置し、上方から質量1.5トンの落錘体を落下させ、時速16km/hで衝突させ、クラッシュボックス11、11−1が軸方向に100mm圧壊された際の、クラッシュボックス11、11−1及びフロントサイドメンバー15−1全体の吸収エネルギーと、フロントサイドメンバー15−1の吸収エネルギーとを解析により求めた。
なお、クラッシュボックスがフロントサイドメンバーよりも優先して充分に圧壊し、その後にフロントサイドメンバーの圧壊が開始されることが望ましいので、本解析では、フロントサイドメンバー15−1の吸収エネルギーが小さいことが良好な結果であることを意味する。
その結果、図12(a)に示す比較例の全体の吸収エネルギーは11.27kJであるとともにフロントサイドメンバー15−1の吸収エネルギーは0.24kJであった。これに対し、図12(b)に示す本発明例の全体の吸収エネルギーは11.28kJであるとともにフロントサイドメンバー15−1の吸収エネルギーは0.16kJであるとともに、図12(c)に示す本発明例の全体の吸収エネルギーは11.53kJであるとともにフロントサイドメンバー15−1の吸収エネルギーは0.10kJであった。
この結果から、本発明例は、比較例よりも、クラッシュボックスがフロントサイドメンバーよりも優先して充分に圧壊し、これにより、フロントサイドメンバーの損傷が軽減されることがわかる。
図13は、本実施例で数値解析したクラッシュボックスの配置構造例を示す説明図であり、図13(a)はクラッシュボックス11−2の溝部30〜33をフロントサイドメンバー15−1の側壁が跨がない比較例であり、図13(b)はクラッシュボックス11−2の溝部30〜33をフロントサイドメンバー15−1の側壁が跨ぐ本発明例である。
なお、このクラッシュボックス11−2が、実施例5のクラッシュボックス11−1と相違するのは、実施例5のクラッシュボックス11−1のコーナー部21〜25の内角はいずれも90度であるのに対し、このクラッシュボックス11−2のコーナー部21、22の内角は120度であるとともにコーナー部23、24の内角は60度である点である。
また、本解析では、クラッシュボックス11−2は440MPa級の板厚1.0mmの鋼板により構成され、その全長は200mmとした。また、フロントサイドメンバー15−1は、440MPa級の板厚1.6mmの鋼板により構成され、その全長は、上述した理由により実際よりは短い400mmとした。
この解析では、図13(a)、図13(b)に示す配置構造で先端にクラッシュボックス11−2を装着されたフロントサイドメンバー15−1を、鉛直上方へ向けて固定配置し、上方から質量1.5トンの落錘体を落下させ、時速16km/hで衝突させ、クラッシュボックス11−2が軸方向に圧壊された際のクラッシュボックス11−2の吸収エネルギー(J)と圧壊量との関係を、解析により求めた。結果を図14にグラフで示す。
図14に示すグラフから理解されるように、本発明によれば、優れた衝撃エネルギー吸収性が得られることがわかる。
(変形例)
上の説明では、図15(a)〜図15(c)にまとめて示す、実線により構成される横断面形状を有するクラッシュボックス11、11−1、11−2を用いた場合を例にとった。
しかし、本発明は、これらの形態のクラッシュボックス11、11−1、11−2に限定されるものではなく、例えば、図15(a)〜図15(c)において破線で示すように、溝部により分断される複数の辺が同一直線状に存在しない横断面形状を有するクラッシュボックスや、図15(d)に示すように頂点を含む位置に形成される溝部を有する横断面形状を有するクラッシュボックス11−3についても、同様に適用される。
実施の形態1のクラッシュボックス及びその配置構造を示す説明図であり、同図中の平面図は、クラッシュボックスの一方の端面をサイドメンバーの一方の端面に投影したときの両者の位置関係を示す説明図である。 図2(a)〜図2(d)は、サイドメンバーの各種横断面を示す説明図である。 実施の形態2のクラッシュボックス及びその配置構造を示す説明図であり、同図中の平面図は、クラッシュボックスの一方の端面をサイドメンバーの一方の端面に投影したときの両者の位置関係を示す説明図である。 図4(a)〜図4(c)は、このFEM数値解析の解析条件を示す説明図である。 図5(a)は、数値解析により求めた相当塑性ひずみを計測した断面を示す説明図であり、図5(b)は圧壊前の先端からの位置X(mm)と、図5(a)に示す断面で求めた相当塑性ひずみとの関係を示すグラフである。 60mm以上の圧壊ストロークと、ストローク60mm以上におけるクラッシュボックスが吸収するエネルギー量との関係を示すグラフである。 本発明例及び比較例の双方について、80mm圧壊時の状況を示す説明図である。 図8(a)は、クラッシュボックスの上端部及び下端部の2点B、C間の上下方向(Z方向)相対距離の測定位置を示す説明図であり、図8(b)は、この2点B、C間の相対変位(mm)と圧壊ストローク(mm)との関係を示すグラフである。 圧壊ストローク(mm)における吸収エネルギー(kJ)を示すグラフである。 図10(a)〜図10(c)は、フロントサイドメンバーの筒状の本体の内部であって、少なくとも先端部に、フロントサイドメンバーの補強部材として配置される、各種の中板を示す説明図である。 図11(a)は、クラッシュボックスの解析モデルの形状を示す説明図であり、図11(b)は、FEM数値解析の結果として軸方向へ120mm圧壊するまでのエネルギー吸収量を示すグラフである。 図12は、実施例5で数値解析したクラッシュボックスの配置構造例を示す説明図であり、図12(a)は図3に示すクラッシュボックスの溝部をフロントサイドメンバーの側壁が跨がない比較例であり、図12(b)及び図12(c)はいずれも、図3に示すクラッシュボックスの溝部をフロントサイドメンバーの側壁が跨ぐ本発明例である。 図13は、実施例6で数値解析したクラッシュボックスの配置構造例を示す説明図であり、図13(a)はクラッシュボックスの溝部をフロントサイドメンバーの側壁が跨がない比較例であり、図13(b)はクラッシュボックスの溝部をフロントサイドメンバーの側壁が跨ぐ本発明例である。 実施例6の結果を示すグラフである。 図15(a)〜図15(d)は各種の変形例を示す説明図である。 特許文献1により開示されたクラッシュボックスを構成する筒体の後端面を、取り付け板を介して、フロントサイドメンバーの前端面に固定する状況を示す説明図である。 FEM数値解析の解析要領を示す説明図である。
符号の説明
1 筒体
1a〜1d 溝部
1e 後端部
2 クラッシュボックス
3 取り付け板
3a 一方の平面
3b 他方の平面
5 フロントサイドメンバー
5a 部材
5b クロージングプレート
6 固定面
7 落錘体
8 天板
10 クラッシュボックスの配置構造
11 クラッシュボックス
12 筒状体
12a〜12d 溝部
12e 後端部
13a 第1の部材
13b 第2の部材
14 取り付け板
14a 一方の平面
14b 他方の平面
15、15−1〜15−4 フロントサイドメンバー
15a 第1の部材
15b クロージングプレート
16a、16b フランジ
17a〜17d 中板
18 クラッシュボックスの解析モデル
18a 端面
19a〜19d 溝部

Claims (13)

  1. 少なくとも一方の端面を含む端部を構成する側壁に内部へ向けて凸となるとともに軸方向へ向けて延設される溝部を有する筒状体により構成され、前記一方の端面を、筒状体により構成される第1の部材の軸方向の一方の端面に対向して配置されることにより前記軸方向と略平行な方向へ向けて負荷される衝撃荷重により繰り返し座屈して蛇腹状に塑性変形することにより衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸収部材であって、前記溝部は、該衝撃吸収部材を構成する前記筒状体における前記一方の端面を、前記第1の部材を構成する前記筒状体における前記一方の端面に投影したときに該第1の部材の側壁によって分割される位置に、存在することを特徴とする衝撃吸収部材。
  2. 少なくとも一方の端面を含む端部を構成する側壁に内部へ向けて凸となるとともに軸方向へ向けて延設される溝部を複数有する筒状体により構成され、前記一方の端面を、筒状体により構成される第1の部材の軸方向の一方の端面に対向して配置されることにより前記軸方向と略平行な方向へ向けて負荷される衝撃荷重により繰り返し座屈して蛇腹状に塑性変形することにより衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸収部材であって、前記溝部のうちの少なくとも一の溝部は、該衝撃吸収部材を構成する前記筒状体における前記一方の端面を、前記第1の部材を構成する前記筒状体における前記一方の端面に投影したときに該第1の部材の側壁によって分割される位置に、存在することを特徴とする衝撃吸収部材。
  3. 前記衝撃吸収部材を構成する前記筒状体における前記一方の端面は、該一方の端面と前記第1の部材を構成する前記筒状体における前記一方の端面との間に配置される板状部材を介して、該一方の端面に対向して配置される請求項1又は請求項2に記載された衝撃吸収部材。
  4. 前記溝部は、前記筒状体における前記一方の端面から他方の端面へ向けて、該筒状体の軸方向の長さの少なくとも30%の範囲の全てに設けられる請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載された衝撃吸収部材。
  5. 前記衝撃吸収部材を構成する筒状体は略矩形の基本断面を有するとともに、前記溝部は該基本断面を構成する長辺を含む側壁に設けられる請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載された衝撃吸収部材。
  6. 前記衝撃吸収部材を構成する筒状体は、対向して配置された一対のコーナー部と、該一対のコーナー部同士を結ぶ線に直交して配置された他の一対のコーナー部とを備える四角形の横断面形状を有する基本断面を有し、前記一対のコーナー部の成す角度は90°以上150°以下であるとともに前記他の一対のコーナー部の成す角度は30°以上90°以下であり、前記横断面形状は、前記一対のコーナー部を通過する線に対称な形状であり、前記溝部は、前記四角形の横断面形状を構成する4つの全ての辺において、前記一対のコーナー部と、前記他の一対のコーナー部とを除く位置に設けられる請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載された衝撃吸収部材。
  7. 前記衝撃吸収部材は、軸方向に沿って分割される二つの構成部材を、それぞれの縁部を重ね合わせて接合されることによって構成され、少なくとも一のコーナー部を含む領域が平面状に切り欠かれて形成される切欠き部を備え、該切欠き部は、前記複数の構成部材同士の重ね合わせ接合部をなす請求項6に記載された衝撃吸収部材。
  8. 前記衝撃吸収部材はクラッシュボックスであるとともに、前記第1の部材はサイドメンバーである請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載された衝撃吸収部材。
  9. 少なくとも一方の端面を含む端部を構成する側壁に内部へ向けて凸となるとともに軸方向へ向けて延設される溝部を有する筒状体により構成され、前記軸方向へ向けて負荷される衝撃荷重により繰り返し座屈して蛇腹状に塑性変形することにより衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸収部材の一方の端面を、筒状体により構成される第1の部材の軸方向の一方の端面に対向して配置する構造であって、前記溝部は、該衝撃吸収部材を構成する前記筒状体における前記一方の端面を、前記第1の部材を構成する前記筒状体における前記一方の端面に投影したときに該第1の部材の側壁によって分割される位置に、存在することを特徴とする衝撃吸収部材の配置構造。
  10. 少なくとも一方の端面を含む端部を構成する側壁に内部へ向けて凸となるとともに軸方向へ向けて延設される溝部を複数有する筒状体により構成され、前記軸方向へ向けて負荷される衝撃荷重により繰り返し座屈して蛇腹状に塑性変形することにより衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸収部材の一方の端面を、筒状体により構成される第1の部材の軸方向の一方の端面に対向して配置する構造であって、前記溝部のうちの少なくとも一の溝部は、該衝撃吸収部材を構成する前記筒状体における前記一方の端面を、前記第1の部材を構成する前記筒状体における前記一方の端面に投影したときに該第1の部材の側壁によって分割される位置に、存在することを特徴とする衝撃吸収部材の配置構造。
  11. 前記衝撃吸収部材を構成する前記筒状体における前記一方の端面は、該一方の端面と前記第1の部材を構成する前記筒状体における前記一方の端面との間に配置される板状部材を介して、該一方の端面に対向して配置される請求項9又は請求項10に記載された衝撃吸収部材の配置構造。
  12. 前記第1の部材は、該第1の部材を構成する前記筒状体の内部であって、少なくとも前記一方の端部に配置される、該第1の部材を補強するための補強部材を備える請求項9から請求項11までのいずれか1項に記載された衝撃吸収部材の配置構造。
  13. 前記衝撃吸収部材はクラッシュボックスであるとともに、前記第1の部材はサイドメンバーである請求項9から請求項12までのいずれか1項に記載された衝撃吸収部材の配置構造。
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