JPH08324454A - 自動車車体のフレーム構造 - Google Patents

自動車車体のフレーム構造

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JPH08324454A
JPH08324454A JP7444396A JP7444396A JPH08324454A JP H08324454 A JPH08324454 A JP H08324454A JP 7444396 A JP7444396 A JP 7444396A JP 7444396 A JP7444396 A JP 7444396A JP H08324454 A JPH08324454 A JP H08324454A
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貴誉志 林
Tetsuya Murakami
哲也 村上
Koji Ito
浩治 伊藤
Shinichi Yamano
真一 山野
Sakae Terada
栄 寺田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車車体のフレーム構造において、車両衝
突時の初期最大耐力の低減を図ると共に軸方向に狙い通
りの潰れモードで規則正しく安定的に潰れ残りのないよ
うに潰して平均耐力の向上を図る。 【解決手段】 フレーム86の互いに対向する2つの平面
部58,66 に、該平面部の両側の角部72,74,80,82 にかか
らない範囲に形成された、軸方向に沿って潰れピッチP
にて該潰れピッチP全長に亘る凹部90a および凸部90b
が交互に繰り返して位置する平均耐力向上用の第1ビー
ド90と、フレーム86の第1ビード90よりもフレーム外方
端側の位置に、該フレームの全ての角部70〜84を含む全
周に亘って形成された、各角部を形成する隣合う2つの
平面部の一方では凹条92a 、他方では凸条92b をなし、
軸方向の幅L2 が上記潰れピッチPよりも短い、初期最
大耐力低減用の第2ビード92とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定方向に延びる
複数の平面部および隣合う平面部同志の連結部である角
部から成る閉断面状のフレームを有する自動車車体のフ
レーム構造であって、例えば車体前後方向に延びるフロ
ントフレームやリアフレーム等のフレーム構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】自動車車体のフロントフレームやリアフ
レーム等のフレームは、車両衝突時等においてフレーム
の車体外方端から軸方向(長手方向)に圧縮荷重が作用
した場合、荷重入力初期にそれ程大きくない荷重で軸方
向に潰れ始めることによってフレームの車体内方側に位
置する車体部位に該フレームを介して大きな荷重が作用
しないようにすると共に、一旦潰れ始めたらその後は折
れ曲がることなくフレーム全体が軸方向に規則正しく安
定的に潰れることによってなるべく大きな潰れ荷重が維
持され、それによって十分に衝突エネルギを吸収できる
ことが望ましい。
【0003】上記フレームの軸方向に規則正しく安定的
に潰れてなるべく大きな潰れ荷重を維持することができ
る好適な潰れモードは、例えばシングルハット型フレー
ム(断面ハット状パネルと断面直線状のパネルとから成
るフレーム)の場合、斜視図である図39、図39のXXXX−
XXXX線断面図である図40、図39のXXXXIA−XXXXIA線断面
図である図41(A)および図39のXXXXIB−XXXXIB線断面
図である図41(B)に示す様に、フレームの軸方向に延
びる4つの平面部1,2,3,4のそれぞれはフレーム
固有の潰れピッチPにて軸方向に交互に凹凸を繰り返し
て潰れ変形すると共に、角部5,6,7,8を形成する
隣合う2つの平面部同志、例えば角部5を形成する平面
部1と平面部2とは軸方向の各潰れピッチ領域において
一方が凹であれば他方が凸に潰れ変形するモードであ
り、かかるモードが狙いとする潰れモードである。
【0004】ダブルハット型フレーム(2つの断面ハッ
ト状パネルから成るフレーム)の場合の狙いとする潰れ
モードも上記シングルハット型フレームの場合と同様で
ある。つまり、この場合のある潰れピッチ領域における
断面は図42(A)に示す様に、この潰れピッチ領域の軸
方向隣りの潰れピッチ領域における断面は図42(B)に
示す様に変形するのが狙いとする潰れモードである。
【0005】なお、図40〜図42中の破線はフレームの基
準断面(変形前の断面)位置を示し、各図に示す断面に
おいては各平面部はこの破線で示す位置から実線で示す
位置に向けて変形する。
【0006】しかして、自動車の車体フレームにおいて
は、従来より、該フレームが所望の態様で潰れる様に、
該フレームに種々の潰れ案内ビードを形成したものが提
案されている。
【0007】例えば、特開平4−231268号公報に
は、図43に示す様に、断面が四角形のフレームにおい
て、断面がコ字状を成す3つの平面部10,11,12に周方向
に延びる凹条および凸条のビード(平面部10,12 は凹条
のビード、平面部11は凸状のビード)13を形成したもの
が提案されている。かかる構成によれば、衝突時に軸荷
重が作用した場合最初に上記周方向に延設した凹条およ
び凸条のビード13部分が潰れ、それによって荷重入力初
期の潰れ荷重が立ち上がることを防止し、該入力初期の
最大潰れ荷重(初期最大耐力)をある程度低く抑えるこ
とができる。
【0008】また、特開昭61−287871号公報に
は、図44に示す様に、断面が四角形のフレームにおい
て、1つの平面部20に、その両側の角部21,22 に掛から
ない範囲に、軸方向に所定間隔をおいて複数の凹条のビ
ード23と凸状のビード24とを交互に繰り返しながら形成
したものが提案されている。かかる構成によれば、衝突
時におけるフレームの潰れ状態をある程度軸方向に規則
正しく安定的にかつ全体的に潰れるように導くことがで
き、これにより比較的大きな潰れ荷重(平均耐力)を維
持することができる。
【0009】また、特開平5−305877号公報に
は、図45に示す様に、断面が四角形のフレームにおい
て、互いに対向する2つの平面部30,30 に軸方向に所定
のピッチで凹凸を繰り返す波状のビード31を形成したも
のが提案されている。かかる構成も、衝突時におけるフ
レームの潰れ状態をある程度軸方向に規則正しく安定的
にかつ全体的に潰れるように導くことができ、これによ
り比較的大きな潰れ荷重(平均耐力)を維持することが
できる。
【0010】更に、実開平2−24777号公報には、
図46に示す様に、断面が四角形のフレームにおいて、各
角部40,41,42,43 に、軸方向に所定のピッチでビード44
を設けたものが提案されている。かかる構成も、衝突時
におけるフレームの潰れ状態をある程度軸方向に規則正
しく安定的にかつ全体的に潰れるように導くことがで
き、これにより比較的大きな潰れ荷重(平均耐力)を維
持することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、自動車
車体のフレーム構造においては、車両衝突時の初期最大
耐力の低減と平均耐力の増大とが要求されているが、こ
れらの点において、上記従来技術は更なる改善の余地が
存在する。
【0012】即ち、上記第1の従来技術は、ビード13が
4つの角部14,15,16,17 の内2つの角部14,15 にのみ設
けられ、残りの角部16,17 には設けられていない。しか
して、車両衝突時における衝突エネルギーの吸収は、フ
レームの角部と平面部とでは概略6.7:1.5程度で
あり、平面部の潰れによるエネルギー吸収量よりも角部
の潰れによるエネルギー吸収量の方がはるかに大きい。
即ち、角部は平面部に比してはるかに潰れにくく、大き
な潰れ荷重を担っている。従って、この第1の従来例に
おいては、大きな潰れ荷重を担っている4つの角部の内
2つの角部16,17 がビードを設けることなく潰れにくい
ままの状態とされているので、この残りの2つの角部1
6,17 によって初期最大耐力が大きくなり、その結果こ
の残りの角部16,17 をも潰れ易くすることにより更に初
期最大耐力を低減させる余地が存在する。
【0013】また、上記第2の従来技術は、ビード23,2
4 のフレーム軸方向の幅が小さく、各ビード23,24 間に
所定の平面領域が存在しているので、各ビード23,24 が
存在する部分ではある程度潰れを狙い通りのモードに導
くことができても、各ビード23,24 間の平面領域ではど
の様な潰れ状態になるか不確定であり、その結果この平
面領域も狙い通りの潰れモードに確実に導くことにより
更に平均耐力を増大させる余地が存在する。
【0014】また、上記第3の従来技術は、互いに対向
する2つの平面部30に形成されたビード31がそれぞれ平
面部30の両側の角部32にまで達しており、従って上述の
ように大きな潰れ荷重を担うべき角部32の全てが潰れや
すくなっており、その結果十分に大きな平均耐力を確保
することができず、これらの角部32を潰れにくくするこ
とにより更に平均耐力を増大させる余地が存在する。
【0015】さらに、上記第4の従来技術は、ビード44
が全ての角部40,41,42,43 に形成されているので、大き
な潰れ荷重を担うべき角部の全てが潰れ易くなってお
り、これらの角部44を潰れにくくすることにより更に平
均耐力を増大させる余地が存在する。また、各平面部4
5,46,47,48 は軸方向に交互に凹凸状に潰れ変形させる
のが狙いとする潰れモードであるが、この従来技術の場
合各平面部のビード44は全て凹状ビードであるので凹方
向への変形(移動)制御のみであり、凸方向に変形すべ
き部分が実際に凸方向に変形するか否かは不確定であ
り、かつ隣り合う平面部同志例えば平面部45と平面部46
とでは軸方向の同一位置において一方が凹であれば他方
が凸となるように潰れ変形するのが狙いとする潰れモー
ドであるが、この従来技術の場合その様な態様で変形す
るか否かは不確定であり、さらに1つの潰れピッチの中
で1部分にのみ極端なビード44が設けられているので応
力分布のアンバランスにより潰れモードが崩れる虞れが
あり、その結果この従来技術においても狙い通りの潰れ
モードに確実に導くことにより更に平均耐力を増大させ
る余地が存在する。
【0016】本発明の目的は、上記事情に鑑み、車両衝
突時の初期最大耐力の低減を図ると共に軸方向に狙い通
りの潰れモードで規則正しく安定的に潰れ残りのないよ
うに潰して十分な平均耐力の向上を図ることのできる自
動車車体のフレーム構造を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明に係る第1の自動
車車体のフレーム構造は、上記目的を達成するため、所
定方向に延びる複数の平面部および隣合う平面部同志の
連結部である複数の角部から成る閉断面状のフレームを
備えた自動車車体のフレーム構造であって、上記フレー
ムの少なくとも1つの平面部に、該平面部の両側の角部
にかからない範囲に形成された、上記所定方向に沿って
略潰れピッチにて該略潰れピッチ全長に亘る凹部および
凸部が交互に繰り返して位置する連続凹凸状を成す、平
均耐力向上用の第1ビードと、上記フレームの上記第1
ビードよりもフレーム車体外方端側の位置に、該フレー
ムの全ての角部を含む略全周に亘って形成された、上記
各角部を形成する隣合う2つの平面部の一方では凹条、
他方では凸条をなし、上記所定方向の幅が上記潰れピッ
チよりも短い、初期最大耐力低減用の第2ビードとを備
えて成ることを特徴とする。
【0018】上記第1ビードは、上記所定方向におい
て、上記第2ビードに連続して又は該第2ビードに対し
て上記潰れピッチの整数倍の長さの中間平面部を介在さ
せて形成することができる。
【0019】上記第1ビードは、上記フレームの互いに
対向する2つの平面部に形成することができる。
【0020】上記互いに対向する2つの平面部に形成さ
れた第1ビードは、上記所定方向の各位置において一方
の第1ビードが凹部のときは他方の第1ビードは凸部と
なるように形成することができる。
【0021】上記第1ビードは、該第1ビードが形成さ
れている平面部の両側の角部から少なくともフレーム潰
れ時における上記角部の移動分を差し引いた残りの範囲
に形成することができる。
【0022】上記第1ビードは、該第1ビードが形成さ
れている平面部の両側の角部から上記潰れピッチの略1
/2の長さ分を差し引いた残りの範囲に形成することが
できる。
【0023】上記第2ビードは、上記各角部を形成する
隣合う2つの平面部の一方の凹条の深さと、他方の凸条
の高さとを略同一に形成することができる。
【0024】本発明に係る第2の自動車車体のフレーム
構造は、上記目的を達成するため、所定方向に延びる複
数の平面部および隣合う平面部同志の連結部である複数
の角部から成る閉断面状のフレームと、該フレームの閉
断面内に設けられた、該フレームの少なくとも1つの平
面部に対向して上記所定方向に延びる補強平面部を有す
る補強板とを備えて成る自動車車体のフレーム構造であ
って、上記補強平面部に形成された、上記所定方向に沿
って略潰れピッチにて該略潰れピッチ全長に亘る凹部お
よび凸部が交互に繰り返して位置する連続凹凸状を成
す、平均耐力向上用の第1ビードと、上記第1ビードよ
りもフレーム車体外方端側の位置において、上記フレー
ムに該フレームの全ての角部を含む略全周に亘って形成
された、上記各角部を形成する隣合う2つの平面部の一
方では凹条、他方では凸条をなし、上記所定方向の幅が
上記潰れピッチよりも短い、初期最大耐力低減用の第2
ビードとを備えて成ることを特徴とする。
【0025】上記補強板は、上記フレームの互いに対向
する2つの平面部にそれぞれ対向して設けられた2つの
補強平面部を有するように構成し、上記第1ビードは、
上記2つの補強平面部に形成することができる。
【0026】上記2つの補強平面部に形成された第1ビ
ードは、上記所定方向の各位置において一方の第1ビー
ドが凹部のときは他方の第1ビードは凸部となるように
形成することができる。
【0027】上記補強板を、上記補強平面部および該補
強平面部の両側の補強角部を有するように形成し、上記
第1ビードは、該第1ビードが形成されている補強平面
部の両側の補強角部から少なくとも補強板潰れ時におけ
る上記補強角部の移動分を差し引いた残りの範囲に形成
することができる。
【0028】上記補強板を、上記補強平面部および該補
強平面部の両側の補強角部を有するように形成し、上記
第1ビードは、該第1ビードが形成されている補強平面
部の両側の補強角部から上記潰れピッチの略1/2の長
さ分を差し引いた残りの範囲に形成することができる。
【0029】上記第2ビードは、上記各角部を形成する
隣合う2つの平面部の一方の凹条の深さと、他方の凸条
の高さとを略同一に形成することができる。
【0030】
【発明の効果】本発明に係る第1の自動車車体のフレー
ム構造は、上記の様に、フレームの平面部に、上記所定
方向つまりフレームの軸方向に沿って略潰れピッチにて
該略潰れピッチ全長に亘る凹部および凸部が交互に繰り
返す平均耐力向上用の第1ビードが形成されているの
で、車両衝突時に、この第1ビードにより上記フレーム
を折れ曲り変形することなく上記軸方向に略潰れピッチ
にて規則正しく安定的に潰れ残りなく狙いの潰れモード
で潰れ変形する様に導くことができ、それによってより
大きな潰れ平均耐力を確保するつまりより高い潰れ耐力
を安定的に持続させることができる。また、その場合こ
の第1ビードは角部には形成されていないので、角部が
潰れ易くなることによる潰れ平均耐力の低下を阻止で
き、この点においてもより大きな潰れ平均耐力を確保す
ることができる。
【0031】また、上記のように、フレームの上記第1
ビードよりもフレーム車体外方端側の位置に、フレーム
の全ての角部を含む略全周に亘って初期最大耐力低減用
の第2ビードが形成されているので、潰れにくい角部の
全てがこの第2ビードにより潰れ易くなり、それによっ
て十分に潰れ初期最大耐力の低減を図ることができる。
また、この第2ビードは、上記のようにフレーム軸方向
の幅が潰れピッチよりも短いので、該軸方向に沿った断
面内での凹条及び凸条ビードの該軸方向に対する傾斜角
が大きくなり、それによって上記軸方向の荷重による凹
条及び凸条ビードの潰れ易さが増大し、それによっても
潰れ初期最大耐力のより大きな低減を図ることができ
る。
【0032】さらに、上記のように、第2ビードが各角
部を形成する隣合う2つの平面部の一方では凹条、他方
では凸条をなしているので、この第2ビードが潰れる際
に該第2ビードの各角部では上記凹条の変形による圧縮
と凸条の変形による引張りとの両方が作用しそれらが互
いに相殺されて結局各角部での引張りによる破断や圧縮
による肉余りが抑制され、その結果この破断や肉余りに
よる潰れ変形への悪影響を回避でき、もって第1ビード
で導こうとする狙い通りの潰れモードを確実に実現で
き、十分に大きな潰れ平均耐力を確保することができ
る。
【0033】以上の様に、本発明に係る第1の自動車車
体のフレーム構造は、上記の如き平均耐力向上用の第1
ビードと初期最大耐力低減専用の第2ビードとを組み合
せて形成して成るので、初期最大耐力の十分な低減と平
均耐力の十分な向上との双方を効率良くかつ効果的に実
現することができる。
【0034】上記第1ビードが、上記軸方向において、
上記第2ビードに連続して又は該第2ビードに対して上
記潰れピッチの整数倍の長さの中間平面部を介在させて
形成されている場合には、第2ビードと第1ビードとの
間の中間平面部の潰れ変形が上記潰れピッチで行われ、
その結果第1ビードの第2ビード側端部領域においてそ
の第1ビードに従ってスムーズにかつ確実に潰れピッチ
にて狙い通りの潰れモードで潰れ変形を開始させること
ができる。
【0035】上記第1ビードが、上記フレームの互いに
対向する2つの平面部に形成されている場合には、該第
1ビードによる潰れ変形案内をより確実に行うことがで
きる。
【0036】上記第1ビードがフレームの互いに対向す
る2つの平面部に形成され、上記軸方向の各位置におい
て一方の平面部の第1ビードが凹部であれば他方の平面
部の第1ビードは凸部となるように両第1ビードが形成
されている場合には、フレームが軸方向に潰れ変形する
場合に該軸方向の各位置の断面内で引張りや圧縮が生じ
ず、従ってその引張りや圧縮による破断や肉余りを回避
することができ、その結果この破断や肉余りによって上
記第1ビードによる潰れ変形案内に支障が生じるのを防
止することができる。
【0037】上記第1ビードが、該第1ビードが形成さ
れている平面部の両側の角部から少なくともフレーム潰
れ時における上記角部の移動分を差し引いた残りの範囲
に形成されている場合は、フレームが軸方向に潰れ変形
する場合に角部(稜線)が第1ビード部分にまで移動し
て入り込む虞れがなく、従ってその移動した角部が第1
ビード部分に入り込むことによる第1ビード部分の変形
の乱れを回避することができ、その結果この角部の移動
によって上記第1ビードによる潰れ変形案内に支障が生
じるのを防止することができる。
【0038】フレームの潰れは各潰れピッチごとに行な
われるので上記角部の移動量は最大で潰れピッチの1/
2であり、よって上記第1ビードが、該第1ビードが形
成されている平面部の両側の角部から上記潰れピッチの
略1/2の長さ分を差し引いた残りの範囲に形成されて
いる場合は、フレームが軸方向に潰れ変形する場合に角
部が第1ビード部分にまで移動して入り込む虞れがな
く、従ってその移動した角部が第1ビード部分に入り込
むことによる第1ビード部分の変形の乱れを回避するこ
とができ、その結果この角部の移動によって上記第1ビ
ードによる潰れ変形案内に支障が生じるのを防止するこ
とができる。
【0039】上記第2ビードが、上記各角部を形成する
隣合う2つの平面部の一方の凹条の深さと、他方の凸条
の高さとが略同一になるように形成されている場合に
は、上述の第2ビードが潰れる際における該第2ビード
の各角部に作用する上記凹条の変形による圧縮量と上記
凸条の変形による引張量とを等しくすることができ、そ
れによって第2ビードの各角部での引張りによる破断や
圧縮による肉余りを完全に抑制でき、その結果この破断
や肉余りによって上記第1ビードによる潰れ変形案内に
支障が生じるのを確実に防止することができる。
【0040】本発明に係る第2の自動車車体のフレーム
構造は、上記のように、フレームの閉断面内に設けられ
た補強板を備えて成るものにおいて、上記第1の自動車
車体のフレーム構造における第1ビードと同様の第1ビ
ードを上記補強板に形成してなるので、フレームが軸方
向に潰れ変形する場合にこの補強板が第1ビードに従っ
て潰れ変形し、該補強板の潰れ変形を介してフレームを
狙い通りの潰れモードで潰れ変形する様に導くことがで
き、これによって上記第1のフレーム構造と同様に大き
な潰れ平均耐力を確保することができる。
【0041】また、上記第1の自動車車体のフレーム構
造の第2ビードと同様の第2ビードをフレームに形成し
てなるので、フレームが軸方向に潰れ変形する場合の潰
れ初期最大耐力を上記第1のフレーム構造と同様に十分
低減させることができると共に、第2ビード部分での破
断や肉余りを抑制でき、これにより上記第1のフレーム
構造と同様に第2ビード部分での破断や肉余りによる上
記第1ビードで導こうとする潰れ変形への悪影響を回避
することができる。
【0042】上記補強板が、上記フレームの互いに対向
する2つの平面部にそれぞれ対向して設けられた2つの
補強平面部を有するように構成され、上記第1ビードが
上記2つの補強平面部に形成されている場合には、上記
第1のフレーム構造の場合と同様に、第1ビードによる
潰れ変形案内をより確実に行うことができる。
【0043】上記2つの補強平面部に形成された第1ビ
ードが、上記軸方向の各位置において一方の第1ビード
が凹部のときは他方の第1ビードは凸部であるように形
成されている場合には、フレーム自体もこの補強平面部
に形成された第1ビードにしたがって潰れ変形するの
で、結局上記第1のフレーム構造と同様に、フレームが
軸方向に潰れ変形する場合に軸方向の各位置の断面内で
引張りや圧縮による破断や肉余りを回避することがで
き、その結果この破断や肉余りによって上記第1ビード
による潰れ変形案内に支障が生じるのを防止することが
できる。
【0044】上記補強板が、上記補強平面部および該補
強平面部の両側の補強角部を有するように形成され、上
記第1ビードが、該第1ビードが形成されている補強平
面部の両側の補強角部から少なくとも補強板潰れ時にお
ける上記補強角部の移動分を差し引いた残りの範囲に形
成されている場合は、補強板が軸方向に潰れ変形する場
合に補強角部が第1ビード部分にまで移動して入り込む
虞れがなく、従ってその移動した補強角部が第1ビード
部分に入り込むことによる第1ビード部分の変形の乱れ
を回避することができ、その結果この補強角部の移動に
よって上記第1ビードによる潰れ変形案内に支障が生じ
るのを防止することができる。
【0045】上記補強板が、上記補強平面部および該補
強平面部の両側の補強角部を有するように形成されてい
る場合、補強板の潰れは各潰れピッチごとに行なわれる
ので上記補強角部の移動量は最大で潰れピッチの1/2
であり、よって上記第1ビードが、該第1ビードが形成
されている補強平面部の両側の補強角部から上記潰れピ
ッチの略1/2の長さ分を差し引いた残りの範囲に形成
されている場合は、補強板が軸方向に潰れ変形する際に
補強角部が第1ビード部分にまで移動して入り込む虞れ
がなく、従ってその移動した補強角部が第1ビード部分
に入り込むことによる第1ビード部分の変形の乱れを回
避することができ、その結果この補強角部の移動によっ
て上記第1ビードによる潰れ変形案内に支障が生じるの
を防止することができる。
【0046】上記第2ビードが、上記フレームの各角部
を形成する隣合う2つの平面部の一方の凹条の深さと、
他方の凸条の高さとが略同一になるように形成されてい
る場合には、上記第1のフレーム構造の場合と同様に、
第2ビードの各角部での引張りによる破断や圧縮による
肉余りを完全に抑制でき、その結果この破断や肉余りに
よって上記第1ビードによる潰れ変形案内に支障が生じ
るのを確実に防止することができる。
【0047】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態について詳細に説明する。
【0048】<第1のフレーム構造の第1実施形態>図
1は本発明にかかる第1の自動車車体のフレーム構造の
第1実施形態を示す斜視図、図2は図1におけるII−II
線断面図、図3は図1におけるIII −III 線断面図であ
る。なお、図2および図3における破線は、フレーム本
来の断面である基準断面つまり第1ビードあるいは第2
ビードを形成していない状態のフレーム断面を示す。図
5、図7〜図9、図11〜図14、図23、図26、図27、図2
9、図30中の破線も同様である。
【0049】図示の実施形態は、本発明を、例えば自動
車車体の前部に配設された車体前後方向に延びるフロン
トフレームに適用したものであり、図中の左方が前方つ
まり車体外方、右方が後方つまり車体内方である。
【0050】このフレームは、車体前後方向に延びる断
面ハット状の第1パネル50および第2パネル52を向かい
合わせてそれぞれのフランジ50a,52a 同志を接合して成
るダブルハット型フレームであり、車体前後方向に延び
る8つの平面部54,56,58,60,62,64,66,68 (平面部54と
平面部62とは、2枚のフランジ50a,52a により構成され
ている)と、隣合う平面部同志の連結部である8つの角
部70,72,74,76,78,80,82,84 とから成る断面四角形の閉
断面状のフレーム86を備えて成る。
【0051】上記フレームの互いに対向する平面部58,6
6 には、それぞれ平均耐力向上用の第1ビード90が形成
されている。この第1ビード90は、上記互いに対向する
2つの平面部58,66 において、それらの平面部58,66 の
両側の角部72,74,80,82 にかからない範囲に形成される
と共に、さらに両側の角部72,74,80,82 からそれぞれ所
定長H=P/2(Pは以下に説明する潰れピッチ)だけ
上下方向内側に入った範囲に、つまり両側の角部72,74,
80,82 からそれぞれH=P/2の長さ分を差し引いた残
りの範囲に形成されている。
【0052】上記2つの平面部58,66 に形成された第1
ビード90は、特に図2に示すように、それぞれ車体前後
方向つまりフレーム86の軸方向に沿って上記潰れピッチ
Pにて該潰れピッチP全長に亘る凹部90a と同じく潰れ
ピッチP全長に亘る凸部90bとが交互に繰り返して位置
する連続凹凸状を成すように形成されている。また、こ
れらの2つの平面部58,66 に形成された第1ビード90
は、上記軸方向において同一位相で、つまり上記軸方向
の各潰れピッチ領域A1,A2,……において一方の第
1ビードが凹部90a のときは他方の第1ビードは凸部90
b となるように形成されている。
【0053】上記潰れピッチPは、フレームの断面形
状、肉厚および材質等によって定まるフレームに固有の
値であり、例えば1986年にイギリスで発行された
「Int.J.Impact Engng Vol.4 No.4 」の第243頁〜第
270頁に記載された「DYNAMICPROGRESSIVE BUCKLING
OF CIRCULAR AND SQUARE TUBES 」の第243頁及び第
244頁に、「2H」(この2Hが1潰れピッチ)とし
て定義されている。
【0054】上記フレーム86の上記第1ビード90よりも
フレーム車体外方端側(本実施形態では図中左端側)の
位置に、該フレーム86の全ての角部70,72,74,76,78,80,
82,84 を含む全周に亘って初期最大耐力低減用の第2ビ
ード92が形成されている。この第2ビード92は、上記各
角部を形成する隣合う2つの平面部の一方では凹条92a
他方では凸条92b をなしている。より具体的には、図3
に示すように、角部70を形成する平面部54,56 において
は、平面部54では凸条(角部70から見れば平面部54にお
けるビードは凸条である)をなすと共に平面部56では凹
条をなし、角部72を形成する平面部56,58 においては、
平面部56では凹条であるので平面部58では凸条をなし、
角部74を形成する平面部58,60 においては、平面部58で
は凸条であるので平面部60では凹条をなし、角部76を形
成する平面部60,62 においては、平面部60では凹条であ
るので平面部62では凸条(角部76から見れば平面部62に
おけるビードは凸条である)をなし、角部78を形成する
平面部62,64 においては、平面部62では凹条(角部78か
ら見れば平面部62におけるビードは凹条である)である
ので平面部64では凸条をなし、角部80を形成する平面部
64,66 においては、平面部64では凸条であるので平面部
66では凹条をなし、角部82を形成する平面部66,68 にお
いては、平面部66では凹条であるので平面部68では凸条
をなし、角部84を形成する平面部68,54 においては、平
面部68では凸条であるので平面部54では凹条(角部84か
ら見れば平面部54におけるビードは凹条である)をなし
ている。
【0055】上記第2ビード92の上記軸方向の幅L
2 は、上記潰れピッチPよりも十分短かく設定されてい
る。また、この第2ビード92は、上記各角部を形成する
隣合う2つの平面部の一方の凹条の深さSiと、他方の
凸条の高さSoとが同一になるように形成されている。
また、この第2ビード92は、上記軸方向において上記第
1ビード90に連続して形成されている。
【0056】上記第2ビード92は、フレーム86の前端
(車体外方端)から所定長Lf={P/2(Pは上記潰
れピッチ)の整数倍}だけ後方に離れた位置に形成され
ている。また、上記第1ビード90は、該第1ビード90の
後端がフレーム86の後端(車体内方端)から所定長Lr
={P/2(Pは上記潰れピッチ)の整数倍}だけ前方
に離れて位置するように形成されている。なお、上記フ
レーム86の後端とは、フレーム86の軸方向にストレート
で略同一の断面が続いている部分、つまりそのフレーム
86を衝突荷重吸収のために潰そうとしている部分の後端
を意味する。
【0057】上記第1実施形態のフレーム構造におい
て、図2に示すようにフレームの前端から軸方向後方に
向けて荷重Wが作用した場合、まず図4及び図4のV−
V線断面図である図5に示すように、第2ビード92部分
が潰れ変形する。この第2ビード92の潰れ変形は、図示
のように凹条92a はより凹の状態に、凸条92b はより凸
の状態になるように変形する。この様にしてまず第2ビ
ード92が潰れたら、続いてこの第2ビード92よりも後方
側のフレーム部分が、第1ビード90に導かれて、図6、
図6のVII-VII 線、VIII-VIII 線およびIX-IX 線断面図
である図7、図8及び図9に示すように潰れ変形する。
即ち、軸方向に延びる各平面部54,56,58,60,62,64,66,6
8 のそれぞれは各潰れピッチ領域A1,A2,A3ごと
に軸方向に交互に凹凸を繰り返して潰れ変形すると共
に、角部70,72,74,76,78,80,82,84 を形成する隣合う2
つの平面部同志、例えば角部72を形成する平面部56と平
面部58とは同一潰れピッチ領域において一方が凹部であ
れば他方が凸部となるように変形する。
【0058】<第1のフレーム構造の第2および第3実
施形態>次に、第1の自動車車体のフレーム構造の第2
実施形態について説明する。図10はこの第2実施形態を
示す斜視図、図11は図10におけるXI−XI線断面図、図12
は図10におけるXII −XII 線断面図である。
【0059】この第2実施形態は、前述の第1実施形態
がダブルハット型フレームであったのに対し、シングル
ハット型フレームであり、図示のように、車体前後方向
(フレームの軸方向)に延びる断面ハット状の第1パネ
ル50と断面直線状の第2パネル52とを向かい合わせて第
1パネルのフランジ50a を第2パネル52の上縁部及び下
縁部に接合して成り、車体前後方向に延びる4つの平面
部56,58,60,66 (第1パネルの2枚のフランジ50a 部分
も平面部66になる)と、隣合う平面部同志の連結部であ
る4つの角部70,72,74,76 とから成る断面四角形の閉断
面状のフレーム86を備えて成る。
【0060】この第2実施形態は、前述の第1実施形態
に対してダブルハット型かシングルハット型かの違いが
あるだけであり、その他の構造は同様である。つまり、
この第2実施形態においても、第1実施形態と同様の第
1ビード90および第2ビード92が第1実施形態と同様の
態様で形成されており、従って同一の構成要素には同一
の番号あるいは記号を付し、詳細な説明は省略する。
【0061】なお、第2ビード92に関しては、この実施
形態がシングルハット型であることから図12に示すよう
な形状を呈している。つまり、角部70を形成する平面部
66,56 においては、平面部66では凸条(角部70から見れ
ば平面部66におけるビードは凸条である)をなすと共に
平面部56では凹条をなし、角部72を形成する平面部56,5
8 においては、平面部56では凹条であるので平面部58で
は凸条をなし、角部74を形成する平面部58,60 において
は、平面部58では凸条であるので平面部60では凹条をな
し、角部76を形成する平面部60,66 においては、平面部
60では凹条であるので平面部66では凸条(角部76から見
れば平面部66におけるビードは凸条である)をなしてい
る。
【0062】この第2実施形態においても、フレームの
前端から軸方向後方に向けて荷重Wが作用した場合、第
1実施形態と同様の態様で潰れ変形する。即ち、まず第
2ビード92部分が第1実施形態と同様の態様で潰れ変形
し、その後続いてこの第2ビード92よりも後方側のフレ
ーム部分が、第1ビード90に導かれて第1実施形態と同
様の態様で潰れ変形する。なお、図13は図11における潰
れピッチ領域A1部分の潰れ状態を示す断面図(第1実
施形態における図8に相当する断面図)であり、図14は
図11における潰れピッチ領域A2部分の潰れ状態を示す
断面図(第1実施形態における図9に相当する断面図)
である。
【0063】図15は、第1の自動車車体のフレーム構造
の第3実施形態を示す斜視図であり、この第3実施形態
は、上記第2実施形態に対して、フレーム86の各角部7
0,72,74,76 を面取り状に形成した点および第1ビード9
0をフレーム86の軸方向に沿って第2ビード92に対して
上記潰れピッチPの整数倍の長さ(本実施形態では1倍
の長さ)L3の中間平面部91を介在させて形成した点が
異なるのみであり、他は第2実施形態と全く同様に構成
されている。
【0064】なお、上記第1の自動車車体のフレーム構
造の第1および第2実施形態は、第1ビード90がフレー
ム86の軸方向に沿って第2ビード92に連続して形成され
ているが、これらの実施形態においても、第1ビード90
はフレーム86の軸方向において第2ビード92に対して上
記潰れピッチPの整数倍の長さの中間平面部を介在させ
て形成することができる。
【0065】<第1のフレーム構造の作用効果>上記の
ごとく構成された第1の自動車車体のフレーム構造は、
フレームの互いに対向する2つの平面部58,66 にそれぞ
れ平均耐力向上用の第1ビード90が形成され、該第1ビ
ード90は、それぞれフレームの軸方向に沿って潰れピッ
チPにて該潰れピッチP全長に亘る凹部90a および凸部
90b が交互に繰り返して位置する連続凹凸状を成してい
るので、車両衝突時に、この第1ビード90により上記フ
レーム86を折れ曲り変形することなく軸方向に潰れピッ
チPにて規則正しく安定的に潰れ残りなく狙い通りの潰
れモードで潰れ変形する様に導くことができ、それによ
ってより大きな潰れ平均耐力を確保する、つまりより高
いつぶれ耐力を安定的に持続させることができる。
【0066】また、その場合この第1ビード90は、それ
ぞれ平面部58および平面部66の両側の角部72,74 および
80,82 (第2、第3実施形態の場合は70,76 )にかから
ない範囲に形成されているので、角部が潰れ易くなるこ
とによる潰れ平均耐力の低下を阻止でき、この点におい
てもより大きな潰れ平均耐力を確保することができる。
【0067】また、上記フレーム構造は、フレーム86に
初期最大耐力低減用の第2ビード92が形成され、該第2
ビード92は、上記第1ビード90に連続して該第1ビード
90よりもフレーム前端側の位置に、フレーム86の全ての
角部70,72,74,76,78,80,82,84 を含む全周に亘って形成
されているので、潰れにくい角部の全てがこの第2ビー
ド92により潰れ易くなり、それによって十分に潰れ初期
最大耐力の低減を図ることができる。
【0068】また、この第2ビード92は、上記のように
フレーム軸方向の幅L2 が潰れピッチPよりも短いの
で、図16に示すように、フレーム軸方向に沿った断面内
での凹条92a 及び凸条92b の該軸方向に対する傾斜角α
1が破線で示す軸方向の幅が潰れピッチPの場合の傾斜
角α2よりも大きくなり、その結果軸方向の荷重Wが作
用した場合第2ビード92部分に作用する荷重Wの軸方向
に直角な成分が大きくなって上記凹条92a 及び凸条92b
が潰れ易くなり、それによっても潰れ初期最大耐力のよ
り大きな低減を図ることができる。かかる意味において
第2ビード92の幅L2 は十分に小さくするのが良い。
【0069】また、上記フレーム構造は、第2ビード92
が各角部70,72,74,76,78,80,82,
84を形成する隣合う2つの平面部の一方では凹条92
a 、他方では凸条92b をなしているので、この第2ビ
ード92が潰れる際に該第2ビード92の各角部では上記凹
条92a の変形による圧縮と上記凸条92b の変形による引
張りとの両方が作用しそれらが互いに相殺されて結局各
角部での引張りもしくは圧縮による変形量が小さくな
り、それによって第2ビード92の各角部での引張りによ
る破断や圧縮による肉余りを抑制でき、この破断や肉余
りによる潰れ変形への悪影響を回避でき、もって第1ビ
ード90で導こうとする狙い通り潰れモードを確実に実現
でき、十分に大きな潰れ平均耐力を確保することができ
る。
【0070】即ち、もし隣合う2つの平面部の第2ビー
ド92が共に凹条であれば断面(第2ビード部分の軸方向
に直角な断面)が小さくなる方向に変形して角部での圧
縮による肉余りが生じ、共に凸条であれば上記断面が大
きくなる方向に変形して角部での引張りによる破断が生
じ、それによって後方部分のフレーム変形に悪影響が生
じ、後方部分が狙い通りの潰れモードで潰れ変形しなく
なる虞れがあるが、上記のように一方の平面部が凹条で
あれば他方の平面部は凸条となる関係にあれば、潰れ変
形時に各角部での変形量が相殺されて小さくなり、それ
による肉余りや破断を回避することができる。
【0071】特に、本実施形態では、上記第2ビード92
が、上記各角部を形成する隣合う2つの平面部の一方の
凹条92a の深さと、他方の凸条92b の高さとが同一にな
るように形成されているので、上記第2ビード92が潰れ
る際における該第2ビード92の各角部に作用する上記圧
縮量と引張量とを等しくすることができ、それによって
第2ビード92の各角部での引張りによる破断や圧縮によ
る肉余りを完全に抑制でき、この破断や肉余りによる潰
れ変形への悪影響を確実に回避することができる。
【0072】また、上記第1ビード90は、上記軸方向に
おいて上記第2ビード92に連続して形成されているの
で、第1ビード90の前端側領域においてその第1ビード
90に従ってスムーズにかつ確実に潰れピッチPにて狙い
通りの潰れモードで潰れ変形を開始させることができ
る。
【0073】また、上記第1ビード90はフレームの互い
に対向する2つの平面部58,66 に形成されているので、
1つの平面部にのみ形成されている場合に比して、該第
1ビード90による潰れ変形案内をより確実に行なうこと
ができる。
【0074】また、上記第1ビード90はフレームの互い
に対向する2つの平面部58,66 に形成され、上記軸方向
の各潰れピッチ領域において一方の平面部の第1ビード
が凹部90a であれば他方の平面部の第1ビードは凸部90
b となるように形成されているので、フレーム86が軸方
向に潰れ変形する場合に各潰れピッチ領域の軸方向に直
角な断面内で引張りや圧縮が生じず、従ってその引張り
や圧縮による破断や肉余りを回避することができ、その
結果この破断や肉余りによって上記第1ビード90による
潰れ変形案内に支障が生じるのを防止することができ
る。
【0075】即ち、もし各潰れピッチ領域において上記
2つの平面部58,66 の第1ビード90が共に凹であればそ
の領域では軸方向に直角な断面が小さくなる方向に変形
してその断面内での圧縮による肉余りが生じ、共に凸で
あれば上記断面が大きくなる方向に変形してその断面内
での引張りによる破断が生じ、それによって後方のフレ
ーム部分の変形に悪影響が生じ、後方部分が狙い通りの
潰れモードで潰れ変形しなくなる虞れがあるが、上記の
ように軸方向の各潰れピッチ領域において一方の平面部
の第1ビードが凹部であれば他方の平面部の第1ビード
は凸部となる関係にあれば、潰れ変形時に上記断面内で
の引張りや圧縮は抑制され、それによる肉余りや破断を
回避することができる。特に、上記の各実施形態におい
ては、軸方向の各位置おいて周長が同一になる様に2つ
の第1ビード90を形成しているので、上記肉余りや破断
をより確実に回避することができる。
【0076】また、上記第1ビード90は、該第1ビード
90が形成されている平面部58,66 の両側の角部からそれ
ぞれ上記潰れピッチPの1/2の長さ分を差し引いた残
りの範囲に形成されているので、フレーム86が軸方向に
潰れ変形する場合に各角部が第1ビード90部分にまで移
動して入り込む虞れがなく、従ってその移動した角部が
第1ビード90部分に入り込むことによる第1ビード部分
の変形の乱れを回避することができ、その結果この角部
の移動によって上記第1ビード90による潰れ変形案内に
支障が生じるのを防止することができる。なぜならば、
フレーム86の軸方向の潰れは潰れピッチPごとに行われ
るので、上記角部の移動量は最大でもP/2であり、従
って上記のように角部からP/2分残して第1ビード90
を形成しておけば、潰れ変形時に角部が第1ビード90部
分にまで移動して入り込むことを確実に防止することが
できるからである。
【0077】図17は同一材質で同一寸法、同一形状に形
成した上記図10に示す第2実施形態フレームと上記図46
に示す第4従来例フレームとを、同一条件で潰した場合
のつぶれ量と荷重との関係を示す。図中実線は第2実施
形態フレーム、一点鎖線は第4従来例フレームの結果を
示す。この試験結果から分かる様に、本発明の第1ビー
ド90と第2ビード92とを設けることにより、同一材質で
同一寸法、同一形状のフレームであっても初期最大耐力
をより低減させるとともに平均耐力をより増大させるこ
とができる。なお、何らのビードも設けなかったフレー
ムの場合は、図中破線で示す様に初期最大耐力が大きく
立ち上ると共に、例えば途中で折れ曲る等して平均耐力
が著しく小さくなる場合があり得る。
【0078】<第1のフレーム構造の第4実施形態>次
に、第1の自動車車体のフレーム構造の第4実施形態に
ついて、図18〜図20を参照しながら説明する。本実施形
態は、上記第1ビード90および第2ビード92をフレーム
としてのバンパー取付ブラケット120 に形成したもので
ある。図18は本実施形態において上記第1ビード90およ
び第2ビード92が設けられるフレームとしてのバンパー
取付ブラケット120 の配設態様を示す斜視図、図19はバ
ンパー取付ブラケット120 に第1ビード90および第2ビ
ード92を形成した状態を示す斜視図、図20はバンパー取
付ブラケット120 の連結態様を示す側面図である。
【0079】図18に示すように、自動車のフロントフレ
ーム86の前端部にバンパー取付ブラケット120 が取付ら
れ、このバンパー取付ブラケット120 にバンパー130 が
取り付けられる場合がある。本実施形態におけるバンパ
ー取付ブラケット120 は、断面ハット状の第1パネル12
2 と第2パネル124 とを向い合せてなり、断面形状がフ
ロントフレーム86と同一の閉断面形状を成し、フロント
フレーム86の軸方向に沿って車体前方に向けて延長する
態様で該フロントフレーム86の前端部に取り付けられて
いる。上記フロントフレーム86とバンパー取付ブラケッ
ト120 との連結は、特に図20に示すように、フロントフ
レーム86の前端部のフランジとバンパー取付ブランケッ
ト120 の後端部のフランジとを当接させてそれらをボル
トおよびナットで締結することにより、また上記バンパ
ー取付ブラケット120 とバンパー130 との連結は、バン
パー取付ブラケット120 の前端部のフランジにバンパー
130 に設けたボルトを通してナットを締め付けることに
より行われる。
【0080】上記バンパー取付ブラケット120 には、特
に図19および図20に示すように、第1ビード90と第2ビ
ード92とが形成されている。これらの第1ビード90と第
2ビード92は、図1に示す第1実施形態において形成し
た第1ビード90および第2ビード92と全く同様の態様で
第1パネル122 と第2パネル124 とに形成されており、
従ってその具体的構成の説明は省略する。なお、本実施
形態では、図示のようにフロントフレーム86の第1パネ
ル50および第2パネル52にも第1ビード90を形成してい
るが、バンパー取付ブラケット120 に第1ビード90およ
び第2ビード92を形成した場合には、フロントフレーム
86にはその様な第1ビード90の形成を省略することもで
きる。
【0081】本実施形態のように、フロントフレーム86
の前側に閉断面フレームであるバンパー取付ブラケット
120 を設けている場合は、車両衝突時にバンパー取付ブ
ラケット120 も潰れてエネルギーを吸収するので、この
バンパー取付ブラケット120についても潰れ時に折れ曲
がったりしないで、規則正しく狙い通りの潰れモードで
潰れ変形してバンパー取付ブラケット120 が有するエネ
ルギー吸収能力を十分に発揮させることが望ましい。ま
た、バンパー取付ブラケット120 はフロントフレーム86
の前側に位置しているため、バンパー取付ブラケット12
0 が折れ曲がったりすると、フロントフレーム86に対す
る入力が、該フレーム86の軸方向のみでなく、上下左右
方向の入力も加わることとなり、それによってフロント
フレーム86の潰れモードが乱れて本来軸方向に圧縮され
る部分が折れたりあるいは一部分のみの潰れとなってし
まい、潰れ残りの増大を招き、フロントフレーム86が有
するエネルギー吸収能力を十分に引き出すことができな
くなってしまう。
【0082】しかるに、本実施形態においては、上記の
ようにバンパー取付ブラケット120に第1ビード90およ
び第2ビード92を形成したので、該バンパー取付ブラケ
ット120 を狙い通りの潰れモードで規則正しく潰すこと
ができ、それによって該ブラケット120 が有するエネル
ギー吸収能力を十分に発揮させることができると共に、
さらにこのバンパー取付ブラケット120 を規則正しく軸
方向に潰させて該ブラケット120 の折れ曲がりを回避す
ることにより、該ブラケット120 の後方に位置するフロ
ントフレーム86への入力を軸方向のみとして該フレーム
86も軸方向に潰れ残りなく潰させることができ、該フレ
ーム86が有するエネルギー吸収能力を十分に発揮させる
ことができる。なお、このバンパー取付ブラケット120
には、図1に示す第1実施形態と同様の第1ビード90お
よび第2ビード92が形成されているので、上述した第1
のフレーム構造の作用効果はそのまま本実施形態におい
ても発揮される。
【0083】<第1のフレーム構造の第5実施形態>次
に、第1の自動車車体のフレーム構造の第5実施形態に
ついて、図21を参照しながら説明する。本実施形態は、
上記バンパー取付ブラケット120 に第2ビード92のみを
形成し、フロントフレーム86に第1ビード90のみを形成
したものである。この場合の第1ビード90および第2ビ
ード92も、上記図1に示す第1実施形態における第1ビ
ード90および第2ビード92と全く同様の態様で第1パネ
ル50,122 および第2パネル52,124 に形成されてい
る。
【0084】一般に、衝突時にフロントフレーム86を潰
す、つまり車体を潰すと補修が面倒であり、コストも高
くつく。従って、衝突した場合の補修性を考えると、衝
突時に簡単に取換可能な部材であるバンパー130 やバン
パー取付ブラケット120 を潰すようにした方が、補修費
用が安くなるので好ましい。
【0085】しかるに、本実施形態のように、バンパー
取付ブラケット120 に第2ビード92のみを形成し、フロ
ントフレーム86に第1ビード90のみを形成すれば、フロ
ントフレーム86の潰れ初期最大耐力を低減させることな
くバンパー取付ブラケット120 の潰れ初期最大耐力を低
減させることができ、それによってフロントフレーム86
よりもバンパー取付ブラケット120 の方が先に潰れるこ
ととなり、それ程大きな衝突でない場合にはバンパー取
付ブラケット120 のみを潰すことができ、補修費用を低
減させることができる。
【0086】なお、本実施形態ではバンパー取付ブラケ
ット120 には第2ビード92のみを形成したが、バンパー
取付ブラケット120 に第2ビード92と第1ビード90を形
成し、フロントフレームに第1ビード90のみを形成する
ようにしても同様の作用効果を得ることができる。
【0087】本実施形態においても、バンパー取付ブラ
ケット120 とフロントフレーム86とを合せて1つのフレ
ームと考えれば、該フレームには図1に示す第1実施形
態と同様の第1ビード90および第2ビード92が形成され
ているので、上述した第1のフレーム構造の作用効果は
そのまま発揮される。
【0088】<第1のフレーム構造の第6実施形態>次
に、第1の自動車車体のフレーム構造の第6実施形態に
ついて、図22〜図28を参照しながら説明する。本実施形
態は、上述の第1実施形態と同様の態様でフロントフレ
ーム86に第1ビード90と第2ビード92を形成すると共
に、該フロントフレーム86が取り付けられているエプロ
ンパネル140 とフロントフレームの第2パネル124 の前
端部に下方に延長して形成されたフレームロアパネル部
150 にも第1ビード90および第2ビード92を形成したも
のである。
【0089】エプロンパネル140 およびフレームロアパ
ネル部150 に形成した第1ビード90および第2ビード92
は、フロントフレーム86に形成した第1ビード90および
第2ビード92と同様の構造である。即ちフロントフレー
ム86には図1に示す第1実施形態と全く同様の態様で第
1ビード90および第2ビード92を形成し、このフロント
フレーム86の第1ビード90および第2ビード92に合わせ
てエプロンパネル140の上下面142 と水平面144 および
ロアパネル部150 にも第1ビード90および第2ビード92
がフロントフレーム86のそれらと基本的に同一の態様で
形成されている。
【0090】エプロンパネル140 およびロアパネル部15
0 の第2ビード92は、フロントフレーム86の軸方向にお
いて同一の位置に同一幅L2で形成されており、かつそ
の凹凸は図22のXXIII−XXIII線断面図である図23に示す
通りである。なお、図23中実線が第2ビード92の断面で
あり、破線が第2ビード92を形成していない場合の基準
断面である。
【0091】エプロンパネル140 およびロアパネル部15
0 の第1ビード90は、フロントフレーム86の軸方向に沿
ってフロントフレーム86の潰れピッチPで凹凸を繰り返
して形成されており、それらの凹凸は図22、図22のXXIV
−XXIV線断面図である図24,XXV−XXV線断面図である図
25に示す通りである。
【0092】なお、図26および図27は、フロントフレー
ム86、エプロンパネル140 およびロアパネル部150 の潰
れ時における変形状態を示す図であり、図26は図24に示
す断面の変形状態を、図27は図25に示す断面の変形状態
を示す図である。また、図中の破線は変形前の基準断面
を示す。この変形は、基本的に図1に示す第1実施形態
の潰れ変形と同一である。
【0093】上記ロアパネル部150 は、ホイルハウス部
からのエンジンルーム内への泥やダストの侵入防止、自
動車を貨物列車等で運搬する場合に床に固定するための
タイダウンフックや牽引フックからの入力に対する強度
保持、およびエンジンルーム内の補記取付のために設け
られるものである。
【0094】上記のように、フロントフレーム86の前端
部にロアパネル部150 が形成されている場合は、フロン
トフレーム86が軸方向に潰れる時にこのロアパネル部15
0 がフロントフレーム86の潰れモードと異なるモードで
潰れる虞れがあり、その場合にはこれによりフロントフ
レーム86の潰れモードが乱れ、潰れ平均耐力が1割程度
低下する虞れがある。しかるに、本実施形態では、上記
のようにロアパネル部150 にもフロントフレーム96と同
様の態様で第1ビード90および第2ビード92が形成され
ているので、車両衝突時にこのロアパネル部150 もフロ
ントフレーム86と同様の潰れモードで潰れるように導く
ことができ、それによってロアパネル部150 によるフロ
ントフレーム86の潰れモードの乱れを回避し、フロント
フレーム86が狙い通りの潰れモードで潰れるようにする
ことができる。
【0095】なお、この場合前述のようにエネルギー吸
収は主に角部で行われるので、ロアパネル部150 に形成
する第1ビード90は、図示のようにロアパネル部150 の
平面内にのみ形成し、フロントフレーム86の角部にはか
からないようにすることが好ましい。
【0096】図28はロアパネル部150 に第1ビード90お
よび第2ビード92を設ける場合の他の態様を示す図であ
る。上記ロアパネル部150 にタイダウンフックあるいは
牽引フック係止用の係止穴152 が形成されている場合
は、この係止穴152 に入ってくるフック入力が作用する
範囲(フック入力によって影響を受ける範囲)には第1
ビード90および第2ビード92を形成しないようにするこ
とが好ましい。具体的には、例えば図28に示すようにロ
アパネル部150 にタイダウン係止穴152 が形成され、こ
の係止穴152 に車体前方斜め下に向けてタイダウンフッ
ク入力が作用する場合、図示のようにこのタイダウンフ
ック入力が作用する範囲154 (図中2本の2点鎖線で挟
まれている範囲)には第1ビード90および第2ビード92
を形成しないようにすることが好ましい。
【0097】もしこのタイダウンフック入力が作用する
範囲154 に第1ビード90もしくは第2ビード92が形成さ
れていると、タイダウンフック入力が作用した際に該入
力により第1ビード90もしくは第2ビード92が伸びて、
つまり波状のビード部分が伸びて平面状になってしま
い、ロアパネル部150 の剛性(強度)が低下してしま
う。従って、上記のようにタイダウンフック入力が作用
する範囲154 には第1ビード90および第2ビード92を形
成しないようにすることにより、タイダウンフック入力
によるロアパネル部150 の剛性(強度)低下を防止する
ことができる。
【0098】また、本実施形態では、上記のようにエプ
ロンパネル140 にもフロントフレーム86と同様の態様で
同様の第1ビード90および第2ビード92が形成されてい
る。即ち、フロントフレーム86が軸方向に潰れる時に上
記ロアパネル部150 と同様にエプロンパネル140 がフロ
ントフレーム86の潰れモードと異なるモード(態様)で
潰れる虞れがあり、その場合にはこれによりフロントフ
レーム86の潰れモードが乱れ、潰れ平均耐力が低下す
る。特に、エプロンパネル140 は角部146 ,148,150
を有しているので、潰れモードが異なった場合のフロン
トフレーム86への影響は上記ロアパネル部150 の場合よ
りも大きい。しかるに、本実施形態では、上記のように
エプロンパネル140 にもフロントフレーム86と同様の態
様で第1ビード90および第2ビード92が形成されている
ので、車両衝突時にこのエプロンパネル140 もフロント
フレーム86と同様の潰れモードで潰れるように導くこと
ができ、それによってエプロンパネル140 によるフロン
トフレーム86の潰れモードの乱れを回避し、フロントフ
レーム86が狙い通りの潰れモードで潰れるようにするこ
とができる。
【0099】なお、前述のようにエネルギー吸収は主に
角部で行われるので、この場合もエプロンパネル140 に
形成する第1ビード90は、図示のようにエプロンパネル
140の平面内にのみ形成し、エプロンパネルの角部146
,148 ,150 にはかからないようにすることが好まし
い。
【0100】また、本実施形態ではエプロンパネル140
の上下面142 および水平面144 の双方に第1ビード90お
よび第2ビード92を形成しているが、第1ビード90は上
下面142 および水平面144 のいずれか一方にのみ形成し
ても良く、その場合はフロントフレーム86に近い面即ち
水平面144 に形成するのが好ましい。第2ビード92はエ
プロンパネル140 への形成を省略することができるし、
形成する場合は上下面142 および水平面144 のいずれか
一方にのみ形成しても良い。
【0101】<第1のフレーム構造の変更例等>上記各
実施形態の第1ビード90は、軸方向に凹部92a と凸部92
b とを繰り返すにあたり、図2あるいは図11に示す様
に、基準断面に対して凹凸を繰り返す様に形成されてい
る。しかしながら、この第1ビード90は、要するに軸方
向に互いに凹凸を繰り返していれば良いものであり、そ
の凹凸は必ずしも基準断面からの凹凸である必要はな
く、例えば図29や図30に示す態様の凹凸であっても良
い。
【0102】図29において、平面部58に形成された第1
ビード90は凹部90a が基準断面に対して凹状をなし、凸
部90b は基準断面上に位置するものであり、平面部66に
形成された第1ビード90は凸部90b が基準断面に対して
凸状をなし、凹部90a は基準断面上に位置するものであ
る。図30に示す第1ビード90は、図29に示す平面部58の
第1ビード90を平面部66に、図29に示す平面部66の第1
ビード90を平面部58に形成した例である。
【0103】また、上記実施形態はいずれも第1ビード
90をフレームの互いに対向する2つの平面部58,66 に形
成したものであったが、該第1ビード90は、フレーム86
の少なくとも1つの平面部に形成されていれば良い。上
記実施形態のようにフレームの互いに対向する2つの平
面部に形成すれば該第1ビード90でもってより十分にフ
レームの潰れ変形を狙いとする潰れモード通りに導くこ
とができるが、少なくとも1つの平面部に形成していれ
ば、それによっても十分にフレームの潰れ変形を狙いと
する潰れモード通りに導くことが可能である。
【0104】また、上記実施形態では、第1ビード90と
第2ビード92とが軸方向に連続して形成されていたが、
これらは必ずしも連続して形成する必要はない。ただ
し、両ビード90,92 間に所定の間隔(中間平面部)を置
くときは、該中間平面部のフレーム軸方向の長さは上記
潰れピッチPの整数倍の長さ、好ましくは1倍もしくは
2倍の長さとするのが良い。かくすれば、両ビード90,9
2 を何らかの事情により離して形成しても、その間の中
間平面部は潰れピッチPの整数倍の長さであるから、そ
の中間平面部の潰れ変形が上記潰れピッチPで行われ、
その結果第1ビード90の第2ビード92側端部領域におい
て第1ビード90に従ってスムーズにかつ確実に潰れピッ
チPにて狙い通りの潰れモードで潰れ変形を開始させる
ことができる。
【0105】また、上記実施形態では、第1ビード90
は、該第1ビード90が形成されている平面部の両側の角
部からそれぞれ上記潰れピッチPの1/2の長さ分を差
し引いた残りの範囲に形成されているが、これはフレー
ム86が軸方向に潰れ変形する場合に角部が第1ビード90
部分にまで移動して入り込むことがないようにするため
であり、従って上記第1ビード90は必ずしも潰れピッチ
Pの1/2長さ分を差し引いた残りの範囲に形成しなけ
ればならないものではなく、要は角部から少なくともフ
レーム潰れ時における上記角部の移動分を差し引いた残
りの範囲に形成すれば良い。
【0106】また、この第1の自動車車体のフレーム構
造においては、フレーム86はその平面部の数が上記実施
形態の平面部の数以外の数のものであっても良く、また
上記実施形態では第1ビード90はフレーム固有の潰れピ
ッチPにて凹部90a と凸部90b とを繰り返しているが、
この凹部90a と凸部90b の繰り返しピッチは略潰れピッ
チPであれば良く、また第2ビード92はフレーム86の全
周に設けられているがこれも少なくとも全ての角部を含
む略全周に設けてあれば良いものである。
【0107】また、上記の様に第1ビード90および第2
ビード92を設けるにあたっては、特に第2ビード92の形
状を変えることによって潰れ初期最大耐力(Pmax)
を変え、それによってフレームの潰れをコントロールす
る様にしても良い。
【0108】例えば図31に示す様に、フレームを車体前
方からバンパー取付ブラケット120のA部、フロントフ
レーム86の前半部であるB部およびフロントフレーム86
の後半部であるC部の3部分に分け、A部およびB部に
それぞれ第2ビード92を設け、かつA部のPmax<B
部のPmax<C部の曲げ強度となるように両部の第2
ビード92の形状を変えることにより、フレームが前方か
ら順に潰れるようにコントロールすることができる。
【0109】第2ビード92の形状によるPmaxの制御
は、板厚が同じであるとすると図32に示すように第2ビ
ード92の角θおよび曲率Rを変えることによって行うこ
とができる。つまり、曲率Rはそれを大きくすれば応力
集中度合が小さくなるのでPmaxを大きく、また角θ
はそれを小さくすれば軸方向荷重が入力した場合に第2
ビード92に作用する軸方向に直角な成分が小さくなるの
でPmaxを大きくすることができる。なお、上記フレ
ームの潰れコントロールは、第2ビード92の形状を変え
る場合と同様の方法で、第1ビード90の形状を変えるこ
とによっても行うことができる。
【0110】<第2のフレーム構造の実施形態>次に、
第2の自動車車体のフレーム構造の実施形態について説
明する。
【0111】図33は本発明にかかる第2の自動車車体の
フレーム構造の実施形態を示す斜視図、図34は図33にお
けるXXXIV−XXXIV線断面図であって以下に述べる補強板
のみを示す図、図35は第1補強板を示す斜視図、図36は
第2補強板を示す斜視図、図37は図34におけるXXXVII−
XXXVII線断面図、図38は図34におけるXXXVIII−XXXVIII
線断面図である。なお、図34における破線は、補強板本
来の断面である基準断面つまり第1ビードを形成してい
ない状態の補強板断面を示している。
【0112】図示の実施形態も、本発明を、例えば自動
車車体の前部に配設された車体前後方向に延びるフロン
トフレーム86に適用したものであり、図中の左方が前方
つまり車体外方、右方が後方つまり車体内方である。
【0113】このフレーム86は、図示のように、車体前
後方向に延びる断面ハット状の第1パネル50と断面直線
状の第2パネル52とを向かい合わせて第1パネル50のフ
ランジ50a を第2パネル52の上縁部および下縁部に接合
して成るシングルハット型フレームであり、車体前後方
向に延びる4つの平面部56,58,60,66 (第1パネルの2
枚のフランジ50a 部分も平面部66になる)と、隣合う平
面部同志の連結部である4つの角部70,72,74,76 とから
成る断面四角形の閉断面状のフレーム86と、このフレー
ム86内に配設された第1補強板96および第2補強板98と
を備えて成る。
【0114】上記第1補強板96は、車体前後方向(フレ
ーム86の軸方向)に延びる3つの補強平面部100,102,10
4 と、隣合う補強平面部同志の連結部である角部106,10
8 とからなる断面コ字状のパネルからなり、補強平面部
102 をフレーム86の平面部58に対向させてフレーム86内
に配設されている。また、上記第2補強板98は、車体前
後方向に延びる1つの補強平面部110 を有して成る断面
直線状のパネルからなり、補強平面部110 をフレームの
平面部66に対向させてフレーム86内に配設されている。
【0115】上記第1補強板の補強平面部102 には平均
耐力向上用の第1ビード90が形成されている。この第1
ビード90は、上記補強平面部102 において、該補強平面
部102 の両側の補強角部106,108 にかからない範囲に形
成されると共に、さらに両側の補強角部106,108 からそ
れぞれ所定長H=P/2(Pは前述の潰れピッチ)だけ
上下方向内側に入った範囲に、つまり両側の補強角部10
6,108 からそれぞれH=P/2の長さ分を差し引いた残
りの範囲に形成されている。また、上記第2補強板の補
強平面部110 にも平均耐力向上用の第1ビード90が形成
されている。この第1ビード90は、上記補強平面部110
がフレームの平面部66に接合されるものであることか
ら、該平面部66の両側の角部70,76 からそれぞれ所定長
H=P/2(Pは前述の潰れピッチ)だけ上下方向内側
に入った範囲に、つまり両側の角部70,76 からそれぞれ
H=P/2の長さ分を差し引いた残りの範囲に形成され
ている。なお、この潰れピッチPもフレーム86と補強板
96,98 とから成る本フレームに固有の値である。
【0116】また、上記2つの補強平面部102,110 に形
成された第1ビード90は、特に図34に示すように、それ
ぞれ車体前後方向つまりフレーム86の軸方向に沿って上
記潰れピッチPにて該潰れピッチP全長に亘る凹部90a
と同じく潰れピッチP全長に亘る凸部90b とが交互に繰
り返して位置する連続凹凸状を成すように形成されてい
る。また、これらの2つの補強平面部102,110 に形成さ
れた第1ビード90は、上記軸方向において同一位相で、
つまり上記軸方向の各潰れピッチ領域A1,A2,……
において一方の第1ビードが凹部90a のときは他方の第
1ビードは凸部90b となるように形成されている。
【0117】上記第1補強板96は、補強平面部100 及び
104 がそれぞれフレームの平面部56,60 に接合され、か
つ第1ビードの凸部90b の頂部がフレームの平面部58に
接合されている。また、上記第2補強板98は、補強平面
部110 の上縁部及び下縁部がフレームの平面部66に接合
されている。
【0118】上記フレーム86の上記第1ビード90よりも
フレーム車体外方端側(本実施形態では図中左端側)の
位置に、該フレーム86の全ての角部70,72,74,76 を含む
全周に亘って初期最大耐力低減用の第2ビード92が形成
されている。この第2ビード92は、上記各角部70,72,7
4,76 を形成する隣合う2つの平面部の一方では凹条92a
、他方では凸条92b をなしている。より具体的には、
角部70を形成する平面部66,56 においては、平面部66で
は凸条(角部70から見れば平面部66におけるビードは凸
条である)をなすと共に平面部56では凹条をなし、角部
72を形成する平面部56,58 においては、平面部56では凹
条であるので平面部58では凸条をなし、角部74を形成す
る平面部58,60 においては、平面部58では凸条であるの
で平面部60では凹条をなし、角部76を形成する平面
部60,66 においては、平面部60では凹条であるので平面
部66では凸条(角部76から見れば平面部66におけるビー
ドは凸条である)をなしをなしている。
【0119】また、上記第2ビード92の上記軸方向の幅
2 は、上記潰れピッチPよりも十分短かく設定されて
いる。また、この第2ビード92は、上記各角部を形成す
る隣合う2つの平面部の一方の凹条の深さと、他方の凸
条の高さとが同一になるように形成されている。
【0120】上記第2ビード92は、フレーム86の前端か
ら所定長Lf=(P/2の整数倍)だけ後方に離れた位
置に形成されている。また、上記第1ビード90は、図示
されていないが該第1ビード90の後端がフレーム86の後
端から所定長Lr=(P/2の整数倍)だけ前方に離れ
て位置するように形成されている。
【0121】上記実施形態のフレーム構造において、フ
レームの前端から軸方向後方に向けて荷重Wが作用した
場合、まず第1の自動車車体のフレーム構造の場合と同
様の態様で第2ビード92部分が潰れ変形し、続いてこの
第2ビード92よりも後方側のフレーム部分が、第1ビー
ド90に従って潰れ変形する補強板96,98 の変形に導かれ
て上記第1の自動車車体のフレーム構造の場合と同様の
態様で潰れ変形する。
【0122】<第2のフレーム構造の実施形態の作用効
果>上記第2の自動車車体のフレーム構造の実施形態
は、上記第1のフレーム構造における第1ビードと同様
の第1ビード90を上記補強板96,98 に形成してなるの
で、フレームが軸方向に潰れ変形する場合にこの補強板
96,98 が第1ビード90に従って潰れ変形し、該補強板9
6,98 の潰れ変形を介してフレーム86を狙い通りの潰れ
モードで潰れ変形する様に導くことができ、これによっ
て上記第1のフレーム構造と同様に大きな潰れ平均耐力
を確保することができる。
【0123】また、上記第1の自動車車体のフレーム構
造の第2ビードと同様の第2ビード92をフレーム86に形
成してなるので、フレームが軸方向に潰れ変形する場合
の潰れ初期最大耐力を上記第1のフレーム構造と同様に
十分低減させることができると共に、第2ビード92部分
の各角部での破断や肉余りによる上記第1ビード90で導
こうとする潰れ変形への悪影響を回避することができ
る。
【0124】また、上記第2ビード92が、上記各角部を
形成する隣合う2つの平面部の一方の凹条92a の深さ
と、他方の凸条92b の高さとが略同一になるように形成
されているので、上記第1のフレーム構造の場合と同様
に、第2ビード92の各角部での引張りによる破断や圧縮
による肉余りを完全に抑制でき、この破断や肉余りによ
る上記第1ビード90で導こうとする潰れ変形への悪影響
を確実に回避することができる。
【0125】また、上記第1ビード90が、上記フレーム
の互いに対向する2つの平面部にそれぞれ対向して設け
られた2つの補強平面部102,110 に形成されているの
で、上記第1のフレーム構造の場合と同様に、該第1ビ
ード90による潰れ変形案内をより確実に行うことができ
る。
【0126】また、上記2つの補強平面部102,110 に形
成された第1ビード90が、上記軸方向の各潰れピッチ領
域において一方の第1ビードが凹部90a のときは他方の
第1ビードは凸部90b であるように形成されている場合
には、フレーム86自体もこの補強平面部102,110 に形成
された第1ビード90にしたがって潰れ変形するので、結
局上記第1のフレーム構造と同様に、フレームが軸方向
に潰れ変形する場合に軸方向の各潰れピッチ領域の断面
内で引張りや圧縮による破断や肉余りを回避することが
でき、その結果この破断や肉余りによって上記第1ビー
ド90による潰れ変形案内に支障が生じるのを防止するこ
とができる。
【0127】また、上記第1ビード90が、該第1ビード
90が形成されている補強平面部102の両側の補強角部10
6,108 から上記潰れピッチPの略1/2の長さ(図35中
H)分を差し引いた残りの範囲に形成されているので、
上記第1のフレーム構造と同様に、補強板96が軸方向に
潰れ変形する場合に補強角部106,108 が第1ビード90部
分にまで移動して入り込む虞れがなく、従ってその移動
した補強角部106,108が第1ビード90部分に入り込むこ
とによる第1ビード90部分の変形の乱れを回避すること
ができ、その結果この補強角部106,108 の移動によって
上記第1ビード90による潰れ変形案内に支障が生じるの
を防止することができる。
【0128】さらに、この第2の自動車車体のフレーム
構造は、上述の様にフレーム86の内部に配設した補強板
96,98 に第1ビード90を形成してフレーム86の潰れを制
御するように構成されているので、フレーム86自身の表
面に凹部90a や凸部90b を設ける必要がなく、従って例
えばフレームがエンジンルーム内のフレームである場合
にフレーム86に凸部を形成することによるエンジンルー
ムスペースの減少という問題を回避でき、あるいはフレ
ーム86に凹凸が形成されることにより該フレーム86への
部品取付面(フレームのフラット面)が大幅に減少する
という問題も回避することができる。
【0129】<第2のフレーム構造の変更例等>第2の
フレーム構造における第1ビード90の凹凸形状は、必ず
しも上記実施形態に示すものに限定されるものではな
く、要するに軸方向に互いに凹凸を繰り返していれば良
いものであり、例えば前述の図29や図30に示す様な凹凸
形状を採用することもできる。
【0130】また、上記第1ビード90は、必ずしも2つ
の補強平面部に形成しなければならないものではなく、
1つの補強平面部にのみ形成しても十分に潰れ変形を狙
いとする潰れモードに導く機能を発揮し得る。
【0131】また、上記第1補強板96において、その第
1ビード90は補強角部106,108 から潰れピッチPの1/
2の長さ分を差し引いた残りの範囲に形成されている
が、これは第1補強板96が潰れ変形する場合に補強角部
106,108 が第1ビード90部分にまで移動して入り込むこ
とがないようにするためであり、従ってこの第1ビード
90は、要は補強角部106,108 から少なくとも第1補強板
96潰れ時における上記補強角部106,108 の移動分を差し
引いた残りの範囲に形成すれば良い。
【0132】また、上記フレーム86はその平面部の数が
実施形態の数に限られるものではない点、第1ビード90
の凹部90a と凸部90b の繰り返しピッチは略潰れピッチ
Pで良い点、および第2ビード92はフレーム86の全ての
角部を含む略全周に設ければ良いものである点について
は、前述の第1の自動車車体のフレーム構造と同様であ
り、かつこの第2の自動車車体のフレーム構造において
は、その補強板の配設態様についても種々変更可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の自動車車体のフレーム構造
の第1実施形態を示す斜視図
【図2】図1のII−II線断面図
【図3】図1のIII−III線断面図
【図4】図1に示すフレームの変形状態を示す斜視図
【図5】図4のV−V線断面図
【図6】図1に示すフレームの変形状態を示す斜視図
【図7】図6のVII −VII 線断面図
【図8】図6のVIII−VIII線断面図
【図9】図6のIX−IX線断面図
【図10】本発明に係る第1の自動車車体のフレーム構
造の第2実施形態を示す斜視図
【図11】図10のXI−XI線断面図
【図12】図10のXII −XII 線断面図
【図13】図10に示すフレームの変形状態を示す断面
【図14】図10に示すフレームの変形状態を示す断面
【図15】本発明に係る第1の自動車車体のフレーム構
造の第3実施形態を示す斜視図
【図16】第2ビードの幅の初期最大耐力に対する影響
を説明する図
【図17】各潰れ量における耐力の大きさを示す図
【図18】フレームの一例であるバンパー取付ブラケッ
トの配設態様を示す斜視図
【図19】本発明に係る第1の自動車車体のフレーム構
造の第4実施形態を示す斜視図
【図20】バンパー取付ブラケットの連結態様を示す側
面図
【図21】本発明に係る第1の自動車車体のフレーム構
造の第5実施形態を示す斜視図
【図22】本発明に係る第1の自動車車体のフレーム構
造の第6実施形態を示す斜視図
【図23】図22のXXIII−XXIII線断面図
【図24】図22のXXIV−XXIV線断面図
【図25】図22のXXV−XXV線断面図
【図26】図24に示す断面の変形状態を示す断面図
【図27】図25に示す断面の変形状態を示す断面図
【図28】フレームロアパネル部の第1および第2ビー
ドの他の例を示す側面図
【図29】第1ビードの他の態様を示す断面図
【図30】第1ビードの他の態様を示す断面図
【図31】第2ビードの形状による潰れコントロールを
説明するためのフレーム概略図
【図32】第2ビードの形状を示す断面図
【図33】本発明にかかる第2の自動車車体のフレーム
構造の実施形態を示す斜視図
【図34】図33のXXXIV−XXXIV線断面図
【図35】第1補強板を示す斜視図
【図36】第2補強板を示す斜視図
【図37】図34のXXXVII−XXXVII線断面図
【図38】図34のXXXVIII−XXXVIII線断面図
【図39】フレームの狙いとする潰れモードを示す斜視
【図40】図39のXXXX−XXXX線断面図
【図41】図39のXXXXIA−XXXXIA線およびXXXXIB−XXXX
IB線断面図
【図42】ダブルハット型フレームの狙いとする潰れ変
形モードを示す断面図
【図43】フレーム構造の第1従来例を示す斜視図
【図44】フレーム構造の第2従来例を示す斜視図
【図45】フレーム構造の第3従来例を示す斜視図
【図46】フレーム構造の第4従来例を示す斜視図
【符号の説明】
54,56,58,60,62,64,66,68 平面部 70,72,74,76,78,80,82,84 角部 86 フレーム(フロントフレーム) 90 第1ビード 90a 凹部 90b 凸部 92 第2ビード 92a 凹条 92b 凸条 96,98 補強板 100,102,104,110 補強平面部 106,108 補強角部 120 フレーム(バンパー取付ブラケット)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山野 真一 広島県安芸郡府中町新地3番1号 株式会 社マツダエンジニアリング内 (72)発明者 寺田 栄 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定方向に延びる複数の平面部および隣
    合う平面部同志の連結部である複数の角部から成る閉断
    面状のフレームを備えた自動車車体のフレーム構造であ
    って、 上記フレームの少なくとも1つの平面部に、該平面部の
    両側の角部にかからない範囲に形成された、上記所定方
    向に沿って略潰れピッチにて該略潰れピッチ全長に亘る
    凹部および凸部が交互に繰り返して位置する連続凹凸状
    を成す、平均耐力向上用の第1ビードと、 上記フレームの上記第1ビードよりもフレーム車体外方
    端側の位置に、該フレームの全ての角部を含む略全周に
    亘って形成された、上記各角部を形成する隣合う2つの
    平面部の一方では凹条、他方では凸条をなし、上記所定
    方向の幅が上記潰れピッチよりも短い、初期最大耐力低
    減用の第2ビードとを備えて成ることを特徴とする自動
    車車体のフレーム構造。
  2. 【請求項2】 上記第1ビードが、上記所定方向におい
    て、上記第2ビードに連続して又は該第2ビードに対し
    て上記潰れピッチの整数倍の長さの中間平面部を介在さ
    せて形成されていることを特徴とする請求項1記載の自
    動車車体のフレーム構造。
  3. 【請求項3】 上記第1ビードが、上記フレームの互い
    に対向する2つの平面部に形成されていることを特徴と
    する請求項1もしくは2に記載の自動車車体のフレーム
    構造。
  4. 【請求項4】 上記互いに対向する2つの平面部に形成
    された第1ビードが、上記所定方向の各位置において一
    方の第1ビードが凹部のときは他方の第1ビードは凸部
    となるように形成されていることを特徴とする請求項3
    記載の自動車車体のフレーム構造。
  5. 【請求項5】 上記第1ビードが、該第1ビードが形成
    されている平面部の両側の角部から少なくともフレーム
    潰れ時における上記角部の移動分を差し引いた残りの範
    囲に形成されていることを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれかに記載の自動車車体のフレーム構造。
  6. 【請求項6】 上記第1ビードが、該第1ビードが形成
    されている平面部の両側の角部から上記潰れピッチの略
    1/2の長さ分を差し引いた残りの範囲に形成されてい
    ることを特徴とする請求項5記載の自動車車体のフレー
    ム構造。
  7. 【請求項7】 上記第2ビードが、上記各角部を形成す
    る隣合う2つの平面部の一方の凹条の深さと、他方の凸
    条の高さとが略同一であることを特徴とする請求項1〜
    6のいずれかに記載の自動車車体のフレーム構造。
  8. 【請求項8】 所定方向に延びる複数の平面部および隣
    合う平面部同志の連結部である複数の角部から成る閉断
    面状のフレームと、該フレームの閉断面内に設けられ
    た、該フレームの少なくとも1つの平面部に対向して上
    記所定方向に延びる補強平面部を有する補強板とを備え
    て成る自動車車体のフレーム構造であって、 上記補強平面部に形成された、上記所定方向に沿って略
    潰れピッチにて該略潰れピッチ全長に亘る凹部および凸
    部が交互に繰り返して位置する連続凹凸状を成す、平均
    耐力向上用の第1ビードと、 上記第1ビードよりもフレーム車体外方端側の位置にお
    いて、上記フレームに該フレームの全ての角部を含む略
    全周に亘って形成された、上記各角部を形成する隣合う
    2つの平面部の一方では凹条、他方では凸条をなし、上
    記所定方向の幅が上記潰れピッチよりも短い、初期最大
    耐力低減用の第2ビードとを備えて成ることを特徴とす
    る自動車車体のフレーム構造。
  9. 【請求項9】 上記補強板が、上記フレームの互いに対
    向する2つの平面部にそれぞれ対向して設けられた2つ
    の補強平面部を有し、上記第1ビードが、上記2つの補
    強平面部に形成されていることを特徴とする請求項8記
    載の自動車車体のフレーム構造。
  10. 【請求項10】 上記2つの補強平面部に形成された第
    1ビードが、上記所定方向の各位置において一方の第1
    ビードが凹部のときは他方の第1ビードは凸部となるよ
    うに形成されていることを特徴とする請求項9記載の自
    動車車体のフレーム構造。
  11. 【請求項11】 上記補強板が、上記補強平面部および
    該補強平面部の両側の補強角部を有して成り、上記第1
    ビードが、該第1ビードが形成されている補強平面部の
    両側の補強角部から少なくとも補強板潰れ時における上
    記補強角部の移動分を差し引いた残りの範囲に形成され
    ていることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記
    載の自動車車体のフレーム構造。
  12. 【請求項12】 上記補強板が、上記補強平面部および
    該補強平面部の両側の補強角部を有して成り、上記第1
    ビードが、該第1ビードが形成されている補強平面部の
    両側の補強角部から上記潰れピッチの略1/2の長さ分
    を差し引いた残りの範囲に形成されていることを特徴と
    する請求項11記載の自動車車体のフレーム構造。
  13. 【請求項13】 上記第2ビードが、上記各角部を形成
    する隣合う2つの平面部の一方の凹条の深さと、他方の
    凸条の高さとが略同一であることを特徴とする請求項8
    〜12のいずれかに記載の自動車車体のフレーム構造。
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