JP5761051B2 - 車両の衝撃吸収部材及び車両端部構造 - Google Patents

車両の衝撃吸収部材及び車両端部構造 Download PDF

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本発明は、車両の衝撃吸収部材及び車両端部構造に関する。
従来から、フロントサイドメンバの前端部とフロントバンパリインフォースメントとの間にクラッシュボックスを設けけることが行われている。そして、かかるクラッシュボックスは、車両衝突時に軸方向に圧縮変形することによってエネルギーの吸収を行う。
特許文献1には、第1パネル部材の両側端部の自由端に第2パネル部材と重畳する部位から斜め外方に向かって所定長だけ突出し且つ前後方向に沿って延在するフランジ部が設けられたクラッシュボックスが開示されている(特許文献1を参照)。
このフランジ部は、組み付けの際にガイド面として機能すると共に、製品化されたときに前後方向における強度を増強させる突条部としての機能を併有するとされている。しかし、このフランジ部は、クラッシュボックスの面外方向の変位の抑制に関しては寄与しない。よって、上記先行技術は、衝撃吸収性能を向上させることに関して改善の余地があった。
特開2009−061845号公報
本発明は、上記事実を考慮し、効果的に衝撃吸収性能を向上させることができる車両の衝撃吸収部材及び車両端部構造を提供することが目的である。
請求項1の車両の衝撃吸収部材は、軸方向と直交する断面が多角形の筒状とされ、軸方向に圧縮変形することにより車両衝突時のエネルギーを吸収する本体部と、前記断面における角部を挟んだ一方の側壁部と他方の側壁部とを構成する第一板部と、前記第一板部の前記一方の側壁部側の内側又は外側に重ねられ、前記第一板部と共に前記一方の側壁部を構成する第二板部と、前記第二板部における前記他方の側壁部側の先端部が内側に屈曲又は湾曲することよって形成され、前記第一板部の前記他方の側壁部の内面又は外面に近接又は接触するフランジ部と、を備えている。
請求項1の車両の衝撃吸収部材では、第一板部の他方の側壁部の内面又は外面に近接又は接触する第二板部のフランジ部が、車両衝突時に本体部が軸方向に圧縮変形する際における第一板部の他方の側壁部の外側又は内側への変位を抑制するので、効果的に衝撃吸収性能が向上する。
請求項2の車両の衝撃吸収部材は、前記第二板部の曲げ起端には、軸方向に沿った稜線が形成されるように屈曲又は湾曲されている。
請求項2の車両の衝撃吸収部材では、第二板部の曲げ起端に形成された軸方向に沿った稜線によって、軸方向における強度が増強する。よって、車両衝突時に本体部が軸方向に圧縮変形する際の発生荷重が大きくなり、この結果、衝撃吸収性能が向上する。
請求項3の車両の衝撃吸収部材は、前記本体部は、前記軸方向と直交する断面が矩形状とされていると共に、前記軸方向の端部には矩形状の底面部を有する箱形状とされ、前記本体部の展開形状は、前記底面部を中心とする平面視十字状の一枚の板状とされている。
請求項3の車両の衝撃吸収部材は、本体部の展開形状が底面部を中心とする十字状の一枚の板状とされている。そして、これを折り曲げて自己打点溶接等で箱形状の本体部が作成される。よって、部品点数が削減する。
請求項4の車両の車両端部構造は、車両の前端部又は後端部に車両幅方向に沿って配置されたバンパリインフォースメントと、車両前後方向に沿って配置された骨格部材と、前記バンパリインフォースメントと前記骨格部材との間に車両前後方向を軸方向として設けられた請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の車両の衝撃吸収部材と、を備える。
請求項4の車両の車両端部構造では、車両衝突時にバンパリインフォースメントに入力された衝突荷重は、衝撃吸収部材を介して骨格部材に伝達される。この際に、衝撃吸収部材の本体部が軸方向に圧縮されて変形することにより、車両衝突時のエネルギーが吸収される。
そして、衝撃吸収部材の本体部の他方の側壁部の内面又は外面に近接又は接触する第二板部のフランジ部が、他方の側壁部の外側又は内側への変位を抑制するので、効果的に衝撃荷重が吸収される。
請求項1に記載の発明によれば、第一板部の他方の側壁部の内面又は外面に近接又は接触する第二板部のフランジ部を有しない構成と比較し、効果的に衝撃吸収性能を向上させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、第二板部の曲げ起端に稜線が形成されていない構成と比較し、衝撃吸収性能が更に向上する。
請求項3に記載の発明によれば、複数の部材で本体部が作成される構成と比較し、部品点数を増加させることなく、衝撃吸収性能を向上させることができる。
請求項4に記載の発明によれば、車両衝突時におけるバンパリインフォースメントから骨格部材に伝達される衝突荷重を衝撃吸収部材で効果的に吸収することができる。
(A)は第一実施形態に係るクラッシュボックスの本体部を単体で示す斜視図であり、(B)は(A)のクラッシュボックスの本体部の縦断面構造(車両幅方向に切断した状態)を示す(A)のB−B線断面図である。 (A)は図1(B)のC部を拡大した拡大断面図であり、(B)はフランジ部が側壁部に接触した場合を示す拡大断面図である。 (A)は、図1に示すクラッシュボックスの本体部を展開した展開図であり、(B)と(C)は折り曲げ加工して自己打点溶接して作成する様子を説明するための説明図である。 (A)は第一実施形態の第一変形例を示す図2(A)に対応する拡大断面図であり、(B)は第一実施形態の第二変形例を示す図2(A)に対応する拡大断面図であり、(C)は第一実施形態の第三変形例を示す図2(A)に対応する拡大断面図である。 第一実施形態の第四変形例を示す図2(A)に対応する拡大断面図である。 (A)は第二実施形態に係るクラッシュボックスの本体部を単体で示す斜視図であり、(B)は(A)のクラッシュボックスの本体部の縦断面構造(車両幅方向に切断した状態)を示す(A)のB−B線断面図である。 (A)は第三実施形態に係るクラッシュボックスの本体部を単体で示す斜視図であり、(B)は(A)のクラッシュボックスの本体部の縦断面構造(車両幅方向に切断した状態)を示す(A)のB−B線断面図である。 (A)は第三実施形態の変形例を示す図2(A)に対応する拡大断面図であり、(B)はフランジ部が側壁部に接触した場合を示す図2(A)に対応する拡大断面図であり、(C)は参考例のクラッシュボックスの本体部を示す図2(A)に対応する拡大断面図である。 本発明の実施形態に係る車両端部構造が採用された車両前部を模式的に示す平面図である。 図9に示す車両端部構造において各クラッシュボックスに軸方向の圧壊変形が生じた状況を示す平面図である。 (A)は比較例のクラッシュボックスの本体部を単体で示す斜視図であり、(B)は(A)のクラッシュボックスの本体部の縦断面構造(車両幅方向に切断した状態)を示す(A)のB−B線断面図である。
<第一実施形態>
本発明の第一実施形態の衝撃吸収部材の一例としてのクラッシュボックス100について、図1〜図3、図9、図10を用いて説明する。なお、各図において示される矢印UPは車両上下方向上側を示し、矢印FRは車両前後方向前側を示し、矢印OUTは、車両幅方向外側を示している。また、クラッシュボックス100の軸方向は、矢印Gで示されていると共に、軸方向は車両前後方向と一致する。
(構成)
まず、本発明の実施形態に係る車両端部構造が採用された車両前部とクラッシュボックス100の構成について説明する。
図9には、第一実施形態のクラッシュボックス100を備える車両端部構造が採用された車両前部の平面図が示されている。この図に示されるように、車両10の前端部には、荷重入力部としての長尺状のフロントバンパリインフォースメント12が、車両幅方向を長手方向して配置されている。このフロントバンパリインフォースメント12は高強度部材であり、その前面側には図示しないフロントバンパカバーが取り付けられている。一方、車両幅方向の両側部には、長尺状に形成された高強度のフロントサイドメンバ14が車両前後方向を長手方向として配置されている。
フロントサイドメンバ14の前端部は、フロントバンパリインフォースメント12に対して車両前後方向後側へ所定距離だけ離間した位置(オフセットした位置)に配置されている。そして、フロントサイドメンバ14の前端部とフロントバンパリインフォースメント12の後端面との間に、クラッシュボックス100が設けられている。なお、クラッシュボックス100を構成する本体部102が、一例として連結部材101やボルト及びナット等によって、フロントサイドメンバ14の前端部とフロントバンパリインフォースメント12の後端面とに取り付けられている。
図1に示すように、第一実施形態のクラッシュボックス100を構成する本体部102における軸方向と直交する断面は略四角形状(矩形状)とされ、車両前後方向後側が開口した箱形状とされている。
なお、以降の説明では、軸方向と直交する断面における図心(軸心)に向かう方向側を「内側」とし、この反対方向側を「外側」とする。
このように本体部102の断面は略四角形状の箱形状とされているので、本体部102は、車両上下方向に対向して配置された側壁部112,114と、車両幅方向に対向して配置された側壁部116,118と、車両前後方向前側に設けられた底面部120と、で構成されている。また、本体部102には、車両前後方向に沿った稜線R1、R2,R3、R4が形成された角部131,132,133,134を有する構成となる。
また、本体部102における底面部120と反対側の端部には、取付フランジ123が形成されている。
底面部120と側壁部112,114との境界部の車両幅方向中央部には、内側に凸となったビード141、142が形成されている。これらビード141,142は、側壁部112、114を車両前後方向前側に延在する。
また、側壁部112,114におけるビード143,144,145,146が形成されている。
また、車両幅方向に対向して配置された側壁部116、118における車両上下方向中央部には、車両前方向に沿って外側に凸となったビード148A,148B,149A,149Bが形成さている。
ここで、本体部102の側壁部112,114,116,118は、四つの板部152,156、162,166で構成さている。
板部152の断面形状は車両幅方向の両端部が屈曲して形成された側部152Aを有するU字形状(略溝形状)とされ、上側の角部131,132と上側の側壁部112と側壁部116,118の上部を構成する。また、板部156の断面形状は車両幅方向の両端部が屈曲して形成された側部156Aを有するU字形状(略溝形状)とされ、下側の角部133,134と下側の側壁部114と側壁部116,118の下部を構成する。
そして、これら板部152、156の側部152A,156Aの内側に板部162,166が重ねられて接合されている。言い換えると、これら板部152、156の側部152A,156A間を板部162,166が連結して接合した構成となっている。
板部162,166には、両端部を内側に屈曲することによってフランジ部162A,166Aが形成されている(図2(A)も参照)。フランジ部162A,166Aは、板部152、156が構成する側壁部112、114の内面112M、114Mに沿って近接して配置されている。なお、側壁部112、114の内面112M、114Mとフランジ部162A,166Aとは略平行とされている。
また、フランジ部162A,166Aの曲げ起端には車両前後方向に沿った稜線R5,R6,R7,R8が形成されるように屈曲されている。つまり、本実施形態では、本体部102の軸方向と直交する断面形状は、四角形状であるが、各角部131,132,133,134の四つの稜線R1,R2,R3,R4に加え、フランジ部162A,166Aを設けることによって形成された四つの稜線R5,R6,R7,R8を有する構成となる(合計八つの稜線を有する構成になる)。
なお、本実施形態では、車両前後方向前側の約1/4には、フランジ部162A,166Aが形成されていない。そして、このフランジ部162A,166Aが形成されていない領域を領域S(図1(A)参照)とする。
(作成方法)
つぎに、クラッシュボックス100の本体部102の作成方法について図3を用いて説明する。なお、図3では、軸方向Gが図における上下方向として図示されている。
図3(A)に示すように、クラッシュボックス100の本体部102の展開形状は、底面部120を構成する部位を中心とし、側壁部112,114,116,118を構成する部位が延出した平面視十字形状とされている。
そして、図3(A)〜図3(C)に示すように、本体部102となるこの一枚の板金を折曲線(図3(A)では一点破線で図示)に沿って折り曲げ加工し、側部152A,156Aと板部162,166とを自己打点溶接(図3(C)のJ点)することで、箱形状の本体部102が作成される。また、折り曲げ加工される部位が稜線R1〜R8となる。
(作用及び効果)
つぎに、本実施形態の作用及び効果について説明する。
図9に示すように、実施形態に係るクラッシュボックス100は、フロントバンパリインフォースメント12とフロントサイドメンバ14の前端部との間に組付けられる。車両10が車両前面衝突すると、その際の衝突荷重がフロントバンパリインフォースメント12に入力される。入力された衝突荷重は、クラッシュボックス100を介してフロントサイドメンバ14へ伝達される。そして、図10に示すように、これによりクラッシュボックス100の本体部102が軸方向に圧縮されて蛇腹状に変形(圧壊)することにより、エネルギー吸収がなされる。
このように図1に示すクラッシュボックス100の本体部102が、軸方向に圧縮されて蛇腹状に変形(圧壊)する際、側壁部112,114の内面112M,114Mに沿って近接するフランジ部162A,166Aが、側壁部112,114の内側への変位(面外方向の変位)を抑制する(図2(A)の想像線(二点破線)で示す側壁部112を参照)。よって、稜線崩れの発生等が抑制され、本体部102が理想的に軸方向に圧縮されて蛇腹状に変形(圧壊)するので、効果的に衝撃吸収性能が向上する。
更に、本体部102は、各角部131,133、132,134の四つの稜線R1,R2,R3,R4に加え、フランジ部162A,166Aを設けるために形成された四つの稜線R5,R6,R7,R8を有する。よって、新たに加えられた四つの稜線R5,R6,R7,R8(合計八つの稜線)によって、本体部102における軸方向の強度が増強する。よって、本体部102が軸方向に圧縮変形する際の発生荷重が大きくなり、この結果、本体部102の衝撃吸収性能が向上する。
なお、本実施形態では、本体部102における車両前後方向前側の約1/4には、フランジ部162A,166A及び稜線R5,R6,R7,R8が形成されていない領域S(図1(A)参照)が設けられている。そして、この領域Sは、フランジ部162A,166A及び稜線R5,R6,R7,R8が形成された領域(車両前方側)よりも剛性が低く、稜線崩れが発生しやすい。したがって、このような領域Sを設けると共に、この領域Sの軸方向の大きさを調整することによって、本体部102が軸方向に圧縮変形する際の発生荷重を調整することができる。
なお、本実施形態では、本体部102には軸方向に沿って、ビード141,142、ビード143,144,145,146、ビード148A,148B,149A,149Bが形成されているので、本体部102が軸方向に圧縮変形する際の発生荷重が更に大きくなり、この結果、本体部102の衝撃吸収性能が向上する。
また、図3に示すように、クラッシュボックス100の本体部102の展開形状は、底面部120を中心とする十字状の一枚の板金である。そして、この一枚の板金を折り曲げて自己打点溶接で箱形状の本体部102が作成される。よって、複数の部品を接合して本体部が作成される構成と比較し、部品点数が削減する。
なお、本実施形態では、フランジ部162A、166Aは側壁部112,114の内面112M,114Mに近接した構成であるがこれに限定されない(図1(B)及び図2(A)参照)。フランジ部162A,166Aが側壁部112,114の内面112M,114Mに接触していてもよい(図2(B)を参照)。
また、フランジ部162A、166Aが側壁部112,114の変位を効果的に抑えるためには、フランジ部162A,166Aは側壁部112,114の内面112M,114Mの近くに配置されるほど効果が大きく、接触した構成が最も効果大きくなる。しかし、近くに配置するほど製造時に高い精度が要求される。よって、フランジ部162A,166Aと側壁部112,114の内面112M,114Mとの間隔は、製造時の精度と抑制効果とバランスを考慮して適宜設計すればよい。
ここで、図11に示す比較例のクラッシュボックス900の本体部902について説明する。
比較例のクラッシュボックス900の本体部902は、板部962,966にフランジ部が形成されていない構成とされている。
よって、比較例のクラッシュボックス900の本体部902は、本実施形態のクラッシュボックス100の本体部102(図1を参照)よりも、側壁部112,114の内側への変位がしやすく、稜線崩れが発生しやすい構成となる(図2(A)の想像線を参照)。また、各角部131,132,133,134の四つの稜線R1,R2,R3,R4のみを有しているので、本実形態の本体部102よりも軸方向の剛性が低く、軸方向に圧縮変形する際の発生荷重が小さい。
したがって、本実施形態のクラッシュボックス100(本体部102)は、比較例のクラッシュボックス900(の本体部902)よりも、衝撃吸収性能が向上している。
なお、比較例のクラッシュボックス900の本体部902のような構成において、部品点数を増加させることなく衝撃吸収性能を向上させる場合は、軸方向に長くする等によって圧縮ストロークを増加させるか、板厚の増加や材質変更等による発生荷重の増加等が考えられる。しかし、これらの方法はクラッシュボックスの大型化、重量増加、及びコスト高などを伴う。
これに対して、本実施形態のクラッシュボックス100の本体部102は、フランジ部162A,166Aを形成するだけで衝撃吸収性能が向上するので、クラッシュボックスが大型化することがなく、また重量及びコストも殆ど上昇しない。つまり、本実施形態のクラッシュボックス100の本体部102は、比較例のクラッシュボックス900の本体部902と同じ大きさ且つ略同じ重量及びコストで、衝撃吸収性能を向上させている。
[変形例]
つぎに本実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態では、板部152、156の側部152A,156Aの内側に板部162,166が重ねられて接合されている(図1参照)。
これに対して、図4(A)に示す第一変形例では、板部152、156の側部152A,156Aの外側に板部162,166が重ねられて接合されている。そして、フランジ部162A,166Aが、板部152、156が構成する側壁部112,114の外面112N,114Nに沿って近接して配置されている。また、図4(B)に示す第二変形例のように、フランジ部162A,166Aが側壁部112,114の外面112N,114Nに接触していてもよい。
なお、図4(A)、(B)では図示されていないが、フランジ部166Aも同様に側壁部114の外面114Nに沿って近接又は接触した配置されている。
そして、このように、フランジ部162A,166Aが側壁部112,114の外面112N,114Nに沿って近接されているので、側壁部112,114の外側への変位が抑制される。
なお、図1及び図2のようにフランジ部162A,166Aが側壁部112,114の内面112M,114Mに沿って配置する構成と、図4(A)及び図4(B)のようにフランジ部162A,166Aが側壁部112,114の外面112N,114Nに沿って配置する構成と、は適宜選択すればよい。つまり、側壁部112,114が内側に変位しやすい場合は図1及び図2の構成とし、外側に変位しやすい場合は図4(A)、(B)の構成とすればよい。
また、図4(C)に示す第三変形例にように、フランジ部162Aの先端部を更に屈曲させて稜線R9と先端部162Bとを更に形成してもよい。このような構成すると、フランジ部162Aの剛性が向上するので、側壁部112の外側への変位が更に抑制される。また、稜線数も増えるので、本体部が軸方向に圧縮変形する際の発生荷重が更に大きくなる。よって、衝撃吸収性能を更に向上させることができる。なお、この図4(C)の構成を図1に示す第一実施形態の本体部に適用してもよい。
また、図5に示す第四変形例のように、板部152の側部152Aの内側と外側とにそれぞれ板部162,162、166、166が重ねられて接合され、それぞれのフランジ部162A、166Aが、側壁部112の内面112Mと外面112Nとに沿って近接して配置されていてもよい。
このように、フランジ部162A,166Aが板部152の側壁部112の内面112Mと外面112Nとに沿って近接して配置されているので、側壁部112の内側への変位と外側への変位との両方が抑制される。また、稜線数も更に増えるので、本体部の軸方向に圧縮変形する際の発生荷重が大きくなる。よって、衝撃吸収性能を更に向上させることができる。なお、図5では図示されていないが、板部156の側部156Aの外側と内側とに板部162,162,166、166が重ねられて接合されていてもよい。また、側壁部にフランジ部が接触していてもよいし、図4(C)の構成のようにフランジ部の先端部が屈曲した構成も適用することも可能である。
<第二実施形態>
本発明の第二実施形態の衝撃吸収部材について、図6を用いて説明する。なお、第一実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
(構成)
まず、クラッシュボックス200の構成について説明する。
図6に示すように、第二実施形態のクラッシュボックス200を構成する本体部202は、車両前後方向両端部が開口した筒形状とされている。本体部202の軸方向と直交する断面は略六角形状とされている。よって、本体部202は、六つの側壁部211,212,213,214,215,216と六つの角部231,232,234,235,236とを有する構成されている。
本体部202は、側壁部211,212と角部231,232,233とを有する板部252と、側壁部214,215と角部234,235,236とを有する板部256と、を有している。そして、板部252,256は、車両幅方向の両端部が屈曲して形成された側部252A,256Aを有し、そして、側部252A,256Aの内側に板部262,266が重ねられて接合されている。
また、板部262,266には、両端部を内側に略90°に屈曲することによってフランジ部262A,266Aが形成されている。フランジ部262A,266Aは、側壁部211、212、214、215の内面211M,212M、214M,215Mに近接している。
なお、フランジ部262A,266Aの曲げ起端には、車両前後方向に沿って稜線R7,R8,R9,R10が形成されように屈曲されている。つまり、本実施形態では、本体部202の軸方向と直交する断面形状は、六角形状であるが、各角部231,232,233,234、235,236の六つの稜線R1,R2,R3,R4、R5,R6に加え、更に四つの稜線R7,R8,R9,R10を有する構成となる(合計十個の稜線を有する構成)。
(作用及び効果)
つぎに、本実施形態の作用及び効果について説明する。
クラッシュボックス200の本体部202が、軸方向に圧縮されて蛇腹状に変形(圧壊)する際、側壁部211,212,214,215の内面211M,212M、214M,215Mに近接して配置されたフランジ部262A,266Aが、側壁部211,212,214,215の内側への変位を抑制する。よって、折稜線崩れの発生等が抑制され、本体部202がより理想的に軸方向に蛇腹状に変形(圧壊)に変形するので、効果的に衝撃吸収性能が向上する。
更に、本体部202は、各角部231,232,233,234、235,236の六つの稜線R1,R2,R3,R4、R5,R6に加え、更に四つの稜線R7,R8,R9,R10を有する。よって、新たに加えられた四つの稜線R7,R8,R9,R10によって、本体部202の軸方向における強度が増強する。よって、本体部202が軸方向に圧縮変形する際の発生荷重が大きくなり、この結果、衝撃吸収性能が更に向上する。
なお、図示は省略するが、第一実施形態で説明したように、フランジ部262A,266Aは、側壁部211,212,214,215の内面211M,212M、214M,215Mに接触してもよい。また、フランジ部262A、266Aが外面211N,212N、214N,215Nに近接又は接触した構成であってもよいし、フランジ部262A,266Aが内面211M,212M、214M,215Mと外面211N,212N、214N,215Nに両側に近接又は接触するフランジ部が設けられていてもよい。
<第三実施形態>
つぎに、本発明の第三実施形態の衝撃吸収部材について図7を用いて説明する。なお、第一実施形態及び第二実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
(構成)
まず、クラッシュボックス300の構成について説明する。
図7に示すように、第三実施形態のクラッシュボックス300を構成する本体部302は、車両前後方向両端部が開口した筒形状とされている。本体部302の軸方向と直交する断面は略八角形状とされている。よって、本体部302は、八つの側壁部311,312,313,314,315,316、317,318と八つの角部331,332,334,335,336、337,338とを有する構成されている。
本体部302は、板部352と板部362が重ねられ、接合されている。板部352は、側壁部316,317,318と角部337、338とを構成する。板部362は、側壁部311,312,313,314,315、316,318と角部331、332、333、34、335、336とを構成する。そして、壁部316,318において板部352と板部362とが重ねられ、接合されている。
板部352には、両端部を内側に屈曲させることで側部352Aが形成されている。板部352の側部352Aは外面311N,315Nに重ねられ接合され、板部362と共に側壁部311、315を構成する。
板部362には、両端部を内側に屈曲させることでフランジ部362Aが形成されている。板部362のフランジ部362Aは、側壁部317の内面317Mに近接して配置さている。また、板部362のフランジ部362Aの曲げ起端には稜線R11、R12が形成されるように屈曲されている。つまり、本実施形態では、本体部302の軸方向と直交する断面形状は、八角形状であるが、八つの角部331,332,334,335,336、337,338の八つの稜線R1、R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8に加え、更に四つの稜線R9,R10,R11,R12を有する構成となる。
(作用及び効果)
つぎに、本実施形態の作用及び効果について説明する。
クラッシュボックス300の本体部302が、軸方向に圧縮されて蛇腹状に変形(圧壊)する際、側壁部317の内面317Mに近接して配置されたフランジ部362Aが、側壁部317の内側への変位を抑制する。よって、折稜線崩れの発生等が抑制され、本体部302がより理想的に軸方向に蛇腹状に変形(圧壊)に変形するので、効果的に衝撃吸収性能が向上する。
更に、本体部302は、各角部331,332,334,335,336、337,338の稜線R1、R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8に加え、更に四つの稜線R9,R10,R11,R12を有する構成である。よって、新たに加えられた四つの稜線R9、R10,R11,R12によって、本体部302の軸方向における強度が増強する。よって、本体部302が軸方向に圧縮変形する際の発生荷重が大きくなり、この結果、衝撃吸収性能が更に向上する。
なお、図示は省略するが、板部362のフランジ部362Aが、側壁部317の内面317Mに沿って接触した配置とされていてもよい。
[変形例]
つぎに本実施形態の変形例について説明する。
図8(A)に示す変形例のように、側部352Aを延出させ、内側に屈曲させてフランジ部353Aを形成してもよい。なお、図8(B)に示すように、フランジ部353Aが側壁部312の外面312Nに接触してもよい。
[参考例]
ここで、図8(C)の示す参考例ように、本体部の角部が90°よりも大きい場合、延出した部位を内側に屈曲させていない延出部453Aであっても、側壁部312の外側への変位を抑制することができる。しかし、例えば、図8(A)、(B)に示す変形例よりも、変位を抑制する効果が低下する。よって、図8(A),(B)のように内側に屈曲させたフランジ部353Aを形成することが望ましい。
<その他>
尚、本発明は上記実施形態に限定されない。
例えば、上記実施形態及び変形では、各フランジ部の形成において、曲げ起端に稜線が形成されるように屈曲させたが、これに限定されない。フランジ部全体が湾曲した形状等、明確な稜線がない構成であってもよい。
また、例えば、上記実施形態及び変形では、クラッシュボックスは車両前部のフロントバンパリインフォースメント12とフロントサイドメンバ14との間に設けられていたが、これに限定されない。クラッシュボックスが車両後部のリアバンパリインフォースメントとリアサイドメンバとの間に設けられていてもよい。
なお、上述の複数の実施形態及び変形例は、適宜、組み合わされて実施可能である。更に、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは言うまでもない。
12 バンパリインフォースメント
14 フロントサイドメンバ(骨格部材)
100 クラッシュボックス(衝撃吸収部)
102 本体部
112 側壁部
114 側壁部
116 側壁部
118 側壁部
120 底面部
131 角部
132 角部
133 角部
134 角部
152 第一板部
156 第一板部
162 第二板部
162A フランジ部
166 第二板部
166A フランジ部
200 クラッシュボックス(衝撃吸収部)
202 本体部
211 側壁部
212 側壁部
213 側壁部
214 側壁部
215 側壁部
216 側壁部
231 角部
233 角部
234 角部
235 角部
252 第一板部
256 第一板部
262 第二板部
262A フランジ部
266 第二板部
266A フランジ部
300 クラッシュボックス(衝撃吸収部)
302 本体部
316 側壁部
317 側壁部
318 側壁部
337 角部
338 角部
352 第一板部
353A フランジ部
362 第二板部
362A フランジ部
G 軸方向

Claims (4)

  1. 軸方向と直交する断面が多角形の筒状とされ、軸方向に圧縮変形することにより車両衝突時のエネルギーを吸収する本体部と、
    前記断面における角部を挟んだ一方の側壁部と他方の側壁部とを構成する第一板部と、
    前記第一板部の前記一方の側壁部側の内側又は外側に重ねられ、前記第一板部と共に前記一方の側壁部を構成する第二板部と、
    前記第二板部における前記他方の側壁部側の先端部が内側に屈曲又は湾曲することよって形成され、前記第一板部の前記他方の側壁部の内面又は外面に近接又は接触するフランジ部と、
    を備える車両の衝撃吸収部材。
  2. 前記第二板部の曲げ起端には、軸方向に沿った稜線が形成されるように屈曲又は湾曲されている、
    請求項1に記載の車両の衝撃吸収部材。
  3. 前記本体部は、前記軸方向と直交する断面が矩形状とされていると共に、前記軸方向の端部には矩形状の底面部を有する箱形状とされ、
    前記本体部の展開形状は、前記底面部を中心とする平面視十字状の一枚の板状とされている、
    請求項1又は請求項2に記載の車両の衝撃吸収部材。
  4. 車両の前端部又は後端部に車両幅方向に沿って配置されたバンパリインフォースメントと、
    車両前後方向に沿って配置された骨格部材と、
    前記バンパリインフォースメントと前記骨格部材との間に車両前後方向を軸方向として設けられた請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の車両の衝撃吸収部材と、
    を備える車両端部構造。
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