JP5214397B2 - 車両構造 - Google Patents
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Description
バンパーリインフォース、バンパーステイ及びサイドメンバーのそれぞれは、前面衝突または後方への衝突をした時の衝突エネルギーを吸収して衝突の衝撃を和らげるために設けられているが、衝突時には、バンパーリインフォース、バンパーステイ、サイドメンバーの順に圧壊するように設計されている。
バンパーステイとして、従来、特許文献1に示されている構造のものが知られている。即ち、特許文献1には、図1のように前フランジ13、後フランジ14、中間フランジ15、前フランジ13と中間フランジ15を連結する内外一対の前ウエブ16,17、及び中間フランジ15と後フランジ14を連結する内外一対の後ウエブ18,19からなるバンパーステイ11を構成して、内側前ウエブ16を前側ほど車幅方向外向きとなるように傾斜させるとともに、後フランジ14と中間フランジ15と左右の後ウエブ18,19からなる後中空構造部11bにおける前記後ウエブ18,19を車両直進線(直進方向に沿う線)に平行に構成したもの、或いは、図5のバンパーステイ51のように、内側の後ウエブを車両直進線に平行で、外側の後ウエブ59を前側ほど車両内側に傾け、外側の前ウエブを前後方向線に平行に形成したもの、更には、図5のバンパーステイ41のように、内外の後ウエブを車両前進線と平行に前方に延設し、前中空構造部41aにおける内外の前ウエブ46,47を前側ほど左右外側に傾けた形状等のバンパーステイの構造が示されている。
又、図5に示されたバンパーステイ51では、内側の後ウエブは前後方向線と平行で、外側の後ウエブ59は前方側程内側にオフセットした前方内向き傾斜し、後中空構造部51bにおける座屈軸線も前方内向き傾斜となっているため、この構造のバンパーステイでは、特許文献1の段落番号0018に記載されているように、前面衝突でも後中空構造部が内向きに圧壊し、小さい衝突エネルギーでバンパーステイが内向きに変形する。
本発明によると、バンパーステイの柱状本体における車両左右方向最内側の前後方向線を、少なくとも柱状本体の後端部から前後中間部位までの間、すなわち、柱状本体の後端部から前後中間部位までの間、乃至は柱状本体の全長に亘って、前方側部位ほど漸次車両左右方向外側に偏倚させて、柱状本体の後端部から前後中間部位までの座屈中立軸線、乃至は柱状本体の全長に亘る座屈中立軸線を、前方側部位ほど漸次車両左右方向外側に偏倚するように車両直進線に対して傾斜させてあるので、前方への衝突によりバンパーステイが車両後方への圧縮荷重を受けて圧壊して衝突による衝撃を緩和するとともに、柱状本体の前方側がサイドメンバーとの取付基部に対して左右方向外方に向けて座屈しやすくなっている。一方、バンパー並びにそれの補強用のバンパーリインフォースは、周知のように一般に車両の左右方向端部側が後方に湾曲したアーチ状に形成されているので、衝突により左右のバンパーステイと連結しているバンパーリインフォースの左右連結部の間隔が広がって、前記左右の各連結部は多少外方に移動することになるので、バンパーステイが外側に圧壊並びに座屈したとしてもサイドメンバーを外側に曲げようとする外力が緩和され車両に対する損傷も少なくすることができる。従って、車両が大破するほどの衝突の場合は別にして、多少の衝突でサイドメンバーに対して損傷を受けることが少なくなる。
(1)前記柱状本体の後端部位から前後中間部位までの間、柱状本体における車両直進線に直交する縦断面積を、前方側部位ほど漸次小さくすることが望ましい。このようにすれば柱状本体が圧壊する場合、前後方向前側よりから圧壊し始め、バンパーステイの圧壊による衝撃吸収が滑らかになる。
(2)前記前後中間部位における柱状本体の内部に中間フランジを形成することが望ましい。中間フランジは必ずしも設けなくてもよいが、中間フランジを設けることによって、同じ板厚でも圧壊耐力が大きくできるとともに、中空の柱状本体が前後中間部が膨れて圧壊する傾向がすくなくなり、柱状本体を外側倒れとなった状態で圧壊させやすくなる。
(3)前記前後中間部位よりも前側の柱状本体を形成する前方中空構造体部の左右最内側の前後方向線と最外側の前後方向線とが平面視で車両直進線と平行に形成され、且つ前方中空構造体の縦断面積を、前記前後中間部位よりも後側の柱状本体を形成する後方中空構造体部の縦断面積よりも小さくすることが望ましい。前方中空構造体部の左右最内側の前後方向線と最外側の前後方向線とが平面視で車両直進線とは必ずしも平行に形成されなくてもよいが、このように製作すれば、柱状本体の基底面(後フランジ面)と柱状本体の外側面乃至は前後のフランジ端面直行し、部品詰めの収まりや扱いが容易である。
(4)図5に示すように、平面視で柱状本体における車両左右方向最内側の前後方向線を、柱状本体の前後方向全長に亘って、前方側部位ほど漸次車両左右方向外側に偏倚するように車両直進線に対して傾斜させるとともに、座屈中立軸線を前方側部位ほど漸次車両左右方向外側に偏倚するよう車両直進線に対して傾斜させるように構成することもできる。
このようにすれば、構造が簡単となり、柱状本体の板厚も全長に亘って同厚にしても前方から圧壊するように構成することができる。
車両左右方向最内側の前後方向線は一直線でなくてもよく、後方中空構造体部の車両左右方向最内側の前後方向線の車両直進線に対する外向き傾斜角を前方中空構造体部の車両左右方向最内側の前後方向線の車両直進線に対する外向き傾斜角より大きくするなど両者の外向き傾斜角を異ならせてもよい。このようにすれば、前後の中空構造体部の板厚を同じしながら、前方側から順次圧壊するように所望の圧壊状態が得られるように設定することができる。
図1及び図2は乗用車や商用車等の車両において、車両前後方向に配設された左右一対のサイドメンバー1の前端部に、バンパー(図示せず)を支持するバンパーリインフォース3を接続した側面図及び平面図を示しており、バンパーリインフォース3は車両の前部の左右に備えられている。
図1、図2に示すように、サイドメンバー1とバンパーリインフォース3との間に、走行中に前面衝突したときに衝撃を緩和するバンパーステイ4を介在させてある。
前方中空構造体部13は前後方向の断面形状が同一形状の六角柱形状で、後方中空構造体部14は前方側程断面積が小さくなる六角柱形状に形成されている。
取付け状態で左端位置LPの前後方向線Lは車両が直進しているときの直進方向と平行で、後方中空構造体部14の右端位置RPの前後方向線Rは前方側ほど左となる前方外向き傾斜状に傾いている。具体的には後方中空構造体部14を形成する六角柱の各面のうち、左側2面と上下2面が前後方向に平行で、右側2面は稜線が平面視で前側ほど左に傾く傾斜面に形成されている。
従って、後方中空部構造体部14の外側外面の前後方向線Lが車両直進線と平行である必要はなく、前方側ほど外側に傾斜していてもよく、多少内側に傾斜していてもよい。要は平面視で最内側(右端位置)の前後方向線Rと座屈中立軸線Cが前方側程外側に傾斜しておればよい。ここでいう座屈中立軸線Cとは車両直進線に対して直行する縦断面積の図心を指す。
(1)少なくとも柱状本体5の後端部位から前後中間部位までの間、前記柱状本体5における前記車両直進線に直交する縦断面積を、前方側部位ほど漸次小さくしてある。
(2)前後中間部位における柱状本体5の内部に中間フランジ12を形成してある。
(3)前記前後中間部位よりも前側の柱状本体5を形成する前方中空構造体部13の左右最内側の前後方向線Rと最外側の前後方向線Lとが平面視で車両直進線と平行に形成され、且つ前記前方中空構造体13の縦断面積を、前記前後中間部位よりも後側の柱状本体5を形成する後方中空構造体部14の縦断面積よりも小さくしてある。
又、車両後方のサイドメンバー1に取付ける場合は、バンパーステイ4の向きを前後逆して取付けて実施すればよい。
図7は第1の別実施の態様を示す前方左側に位置するバンパーリインフォース3とサイドメンバー1の間に取付けたバンパーステイ4の横断平面図である。図7に示すバンパーステイ4は、断面六角形の稜線を左右に位置させて配置されており、柱状本体5の右側位置RPの稜線となる前後方向線Rを、柱状本体5の前後方向全長に亘って、前方側部位ほど漸次車両左右方向外側に偏倚するように車両直進線に対して傾斜させるとともに、座屈中立軸線Cを前方側部位ほど漸次車両左右方向外側に偏倚するよう車両直進線に対して傾斜させてある。図7に示すバンパーステイ4には、柱状本体5の前後方向の中間部に中間フランジを設けていないが、中間フランジは1個乃至複数個設けてもよい。
3 バンパーリインフォース
4 バンパーステイ
5 柱状本体
C 座屈中立軸線
R 車両左右方向最内側の前後方向線
Claims (1)
- 車両前後方向に配設されたサイドメンバーとバンパーリインフォースとの間にバンパーステイを介在させた車両構造において、
前記バンパーリインフォースは、車両中央部位がバンパーステイの取付部位よりも車両前方に突出し、
前記バンパーステイの本体を前後方向で柱状に形成し、平面視で柱状本体における車両左右方向最内側の前後方向線と、座屈中立軸線とを、前記柱状本体の後端部から前後中間部位までの間は、平面視で前方側部位ほど漸次車両左右方向外側に偏倚するように車両直進線に対して傾斜させるとともに、前記柱状本体の前記前後中間部位から前端部までの間は、車両直進線と平行になるように構成し、
前記柱状本体の前記前端部と前記バンパーリインフォースとの取付面は前記車両直進線に直交するように構成されていることを特徴とする車両構造。
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