JP6575317B2 - 車両前部構造 - Google Patents

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本発明は、車両前部構造に関する。
下記特許文献1には、サイドメンバの車両前後方向の前側にクラッシュボックスが設けられ、クラッシュボックスが、サイドメンバの車両幅方向外側に設けられたガセットの車両幅方向中間部まで拡幅された構成が開示されている。なお、クラッシュボックスが、サイドメンバの車両幅方向外側に設けられたガセットの車両幅方向中間部まで拡幅された構成として、特許文献2に記載されたものがある。
特開2015−096392号公報 特開2015−054589号公報
上記特許文献1に記載の構造では、サイドメンバの車両幅方向外側に荷重が入力される微小ラップ衝突などの車両の衝突時に、クラッシュボックスにおける衝撃吸収性能を向上させるには更なる改善の余地がある。
本発明は上記事実を考慮し、微小ラップ衝突などの車両の衝突時に衝撃吸収性能を向上させることができる車両前部構造を得ることが目的である。
第1の態様に係る車両前部構造は、車両幅方向外側に配置され、車両前後方向に延在されるフロントサイドメンバと、前記フロントサイドメンバの車両前後方向の前部における車両幅方向外側に設けられ、当該車両幅方向外側へ突出するガセットと、前記フロントサイドメンバ及び前記ガセットの車両前後方向の前端側に固定されるクラッシュボックスと、前記クラッシュボックスの車両前後方向の後端部、及び前記ガセットの車両前後方向の前端部からそれぞれ車両幅方向外側に延出され、前記クラッシュボックスと前記ガセットとの接合部とされる一対の延出部と、を有し、前記ガセットの上壁部が前記フロントサイドメンバの上壁部に重ね合わされて前記ガセットの上壁部と前記フロントサイドメンバの上壁部とが溶接部により接合されている
第1の態様に記載の車両前部構造によれば、フロントサイドメンバの車両前後方向の前部における車両幅方向外側には、ガセットが車両幅方向外側へ突出しており、フロントサイドメンバ及びガセットの車両前後方向の前端側にクラッシュボックスが固定されている。さらに、クラッシュボックスの車両前後方向の後端部、及びガセットの車両前後方向の前端部からそれぞれ車両幅方向外側に延出される一対の延出部が設けられており、一対の延出部がクラッシュボックスとガセットとの接合部とされている。これにより、フロントサイドメンバの車両幅方向外側から荷重が入力される微小ラップ衝突などの車両の衝突時に、クラッシュボックスが軸圧縮変形すると、フロントサイドメンバの前部の車両幅方向外側のガセットに押されてフロントサイドメンバが車両内側に折れ変形する。このフロントサイドメンバの折れ変形に伴い、フロントサイドメンバの前端部、すなわちクラッシュボックスの後端部がフロントサイドメンバの前端部内側を支点に車両後方側に回転する。さらに、車両幅方向外側に延出された一対の延出部がクラッシュボックスとガセットとの接合部とされていることで、クラッシュボックスの延出部がガセットによって車両後方側に引っ張られる。これにより、クラッシュボックスの車両幅方向の外側面が伸び変形し、エネルギーを吸収することができる。
第2の態様に係る車両前部構造は、第1の態様に記載の車両前部構造において、前記ガセットは、前記フロントサイドメンバと前記クラッシュボックス以外とは非連結構造とされている。
第3の態様に係る車両前部構造は、第1の態様又は第2の態様に記載の車両前部構造において、前記ガセットの下壁部が前記フロントサイドメンバの下壁部に重ねられて固定されている
第4の態様に係る車両前部構造は、第1の態様から第3の態様までのいずれか1つの態様に記載の車両前部構造において、前記クラッシュボックスの前側に車両幅方向に沿って延在されるバンパリインフォースメントが設けられており、前記クラッシュボックスの前側の前記バンパリインフォースメントの外側端部の車両上下方向の長さは、前記クラッシュボックスの車両上下方向の長さに合わせて設定されており、前記バンパリインフォースメントの中間部よりも車両上方側に突出している。
本発明に係る車両前部構造によれば、微小ラップ衝突などの車両の衝突時に衝撃吸収性能を向上させることができる。
一実施形態に係る車両前部構造が適用された車両の前部を示す斜視図である。 図1に示す車両前部構造が適用された車両の前部を示す断面図である。 微小ラップ衝突などの車両の衝突時に、図2に示す車両前部構造に用いられるクラッシュボックス、ガセット、及びフロントサイドメンバが変形する第1の過程を示す断面図である。 微小ラップ衝突などの車両の衝突時に、図2に示す車両前部構造に用いられるクラッシュボックス、ガセット、及びフロントサイドメンバが変形する第2の過程を示す断面図である。 微小ラップ衝突などの車両の衝突時に、図2に示す車両前部構造に用いられるクラッシュボックス、ガセット、及びフロントサイドメンバが変形する第3の過程を示す断面図である。 実施例に係る車両前部構造と、比較例に係る車両前部構造において、クラッシュボックスの内部エネルギーと衝突からの経過時刻との関係を示すグラフである。 比較例の車両前部構造が適用された車両の前部を示す断面図である。 微小ラップ衝突などの車両の衝突時に、図7に示す車両前部構造に用いられるクラッシュボックス、ガセット、及びフロントサイドメンバが変形した状態を示す断面図である。
本発明の実施形態に係る車両前部構造について図面に基づいて説明する。なお、各図において適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印OUTは車両幅方向外側を示している。また、以下の説明で、特記なく前後、上下、左右の方向を用いる場合は、車両前後方向の前後、車両上下方向の上下、前方向を向いた場合の車両左右方向(車両幅方向)の左右を示すものとする。
図1〜図5を用いて、本発明に係る車両前部構造の一実施形態について説明する。図1には、本実施形態の車両前部構造10が適用された車両の前部が斜視図にて示されている。図2には、本実施形態の車両前部構造10が適用された車両の前部が車両前後方向に沿った断面図にて示されている。図1及び図2に示されるように、車両12の前部13には、車両幅方向外側に車両前後方向に延在されるフロントサイドメンバ14が設けられている。フロントサイドメンバ14は、車両前後方向を長手方向として配置された車両骨格部材である。図示を省略するが、フロントサイドメンバ14は、車両12の前部13の幅方向両側に左右一対となるように配置されている。なお、図1及び図2では、車両背面視にて車両12の前部13の車両幅方向左側のみが図示されているが、車両12の前部13の車両幅方向右側は左右対称であるので、図示を省略する。
フロントサイドメンバ14は、車両幅方向に沿った断面にて略矩形状に形成されている。フロントサイドメンバ14は、車両幅方向外側に配置されたアウタパネル30と、車両幅方向内側に配置されたインナパネル32と、を備えている(図2参照)。図示を省略するが、フロントサイドメンバ14は、アウタパネル30の上下の端末部とインナパネル32の上下の端末部とを溶接等により接合することで、閉断面構造とされている。
フロントサイドメンバ14の車両前後方向の前部14Aにおける車両幅方向外側には、フロントサイドメンバ14の側壁部14C(車両幅方向外側の壁部)から車両幅方向外側へ突出するガセット16が設けられている(図1参照)。ガセット16は、車両幅方向に沿った断面にて、車両幅方向内側に開口する略U字状に形成されている。ガセット16は、車両前後方向の前端部16A側の断面(車両幅方向に沿った断面)が、車両前後方向の後端部16B側の断面に対して、車両前方に向かうにしたがって徐々に大きくなるように構成されている。言い換えると、ガセット16は、車両前方に向かうにしたがって、断面(車両幅方向に沿った断面)が車両幅方向外側に徐々に拡大するように構成されている。
ガセット16の前端部16A側では、ガセット16の上壁部16Cの車両幅方向の内側端部が、フロントサイドメンバ14の上壁部14Bの上側に重ね合わされてスポット溶接等の接合部により接合されている(図1参照)。ガセット16の後端部16B側の上壁部16Cには、フロントサイドメンバ14の上壁部14Bに沿って車両幅方向内側に延びた延設部16Dが設けられている。そして、ガセット16の延設部16Dがフロントサイドメンバ14の上壁部14Bの上側に重ね合わされた状態で、延設部16Dと上壁部14Bとがスポット溶接等の接合部により接合されている(図1参照)。また、ガセット16には、略車両上下方向に沿った側壁部16Eが設けられており、側壁部16Eの後端部は、フロントサイドメンバ14の側壁部14Cの外側に重ね合わされた状態で、側壁部16Eと側壁部14Cとがスポット溶接等により接合されている。
また、図示を省略するが、ガセット16の下壁部(図示省略)側も、上壁部16Cと略上下対称に構成されている。これにより、ガセット16がフロントサイドメンバ14の前部14Aの車両幅方向外側に固定されている。
フロントサイドメンバ14及びガセット16の車両前後方向の前端側には、後述するブラケット20を介してクラッシュボックス22が固定されている。クラッシュボックス22は、略車両前後方向に沿って配置されており、車両12の前部13の衝突時にエネルギーを吸収する衝撃吸収部材である。図示を省略するが、クラッシュボックス22は、車両12の幅方向両側に左右一対で設けられている。
クラッシュボックス22は、車両幅方向に沿った断面にて略矩形状に形成されている。本実施形態では、クラッシュボックス22は、車両前後方向の前端部22Aから車両前後方向の後端部22Bにわたり、断面(車両幅方向に沿った断面)がほぼ均一に形成されている。クラッシュボックス22の後端部22Bの車両幅方向の長さ(横幅)は、フロントサイドメンバ14の前端部と、ガセット16の前端部16Aの車両幅方向外側の端縁とを合わせた車両幅方向の長さ(横幅)とほぼ同じに設定されている(図2参照)。言い換えると、クラッシュボックス22の後端部22Bの車両幅方向の長さ(横幅)は、フロントサイドメンバ14の前端部の車両幅方向の長さ(横幅)よりも大きく設定されており、ガセット16の前端部16Aの車両幅方向外側の端縁まで拡幅されている。本実施形態では、クラッシュボックス22の内部(断面内)に、車両上下方向に沿って縦壁部23が架け渡されている(図2参照)。なお、クラッシュボックス22の断面形状は、本実施形態の構成に限定されるものではなく、変更が可能である。また、クラッシュボックス22の外壁には、車両前後方向に軸圧縮変形しやすくするために、車両幅方向に沿って複数の凹状のビードなどを設けてもよい。
クラッシュボックス22の車両前後方向の前端部22Aの前側には、ブラケット24を介してバンパリインフォースメント26が設けられている。バンパリインフォースメント26は、車両幅方向に延在されている。言い換えると、左右一対のクラッシュボックス22(車両背面視にて車両幅方向右側は図示省略)の前端部22Aの前側に、車両幅方向に沿ってバンパリインフォースメント26が架け渡されている。バンパリインフォースメント26は、車両幅方向の中間部26Aに対して車両幅方向の外側端部26Bが車両前後方向の後方側に位置するように湾曲して形成されている。バンパリインフォースメント26は、略車両前後方向に沿った断面にて略矩形状に形成されており、車両上下方向に1つ又は複数の仕切り部26Cを備えている。バンパリインフォースメント26の外側端部26Bの車両上下方向の長さは、クラッシュボックス22の車両上下方向の長さに合わせて設定されており、バンパリインフォースメント26の中間部26Aよりも車両上方側に突出している。本実施形態では、バンパリインフォースメント26の車両幅方向の中間部26Aには、仕切り部26Cが1つ設けられており、バンパリインフォースメント26の車両幅方向の外側端部26Bには、仕切り部26Cが2つ設けられている。なお、バンパリインフォースメント26は、本実施形態の構成に限定されるものではなく、変更が可能である。
フロントサイドメンバ14の前端側には、取付部17が設けられており、ガセット16の前端側には、取付部18が設けられている。取付部17は、板状部で構成されており、フロントサイドメンバ14の前端部と連続して設けられ、又はフロントサイドメンバ14の前端部に連結されている。本実施形態では、取付部17は、フロントサイドメンバ14の前端部からフロントサイドメンバ14の断面の外側に屈曲された屈曲部により構成されている。
取付部18は、板状部で構成されており、ガセット16の前端部16Aと連続して設けられ、又はガセット16の前端部16Aに連結されている。本実施形態では、取付部18は、ガセット16の前端部16Aからガセット16の断面の外側に屈曲された屈曲部により構成されている。取付部18には、ガセット16の前端部16Aから車両幅方向外側に延出される延出部18Aが設けられている。
クラッシュボックス22の後端側のブラケット20は、クラッシュボックス22の後端部22Bの略矩形状の外壁面を囲む筒状部20Aと、筒状部20Aの車両前後方向の後端部に結合された板状部20Bと、を備えている。ブラケット20の筒状部20Aは、クラッシュボックス22の外壁面と溶接等の接合部により接合されている。ブラケット20の板状部20Bには、クラッシュボックス22の後端部22Bから車両幅方向外側に延出される延出部20Cが設けられている。
ガセット16における取付部18の延出部18Aとブラケット20の延出部20Cは、前後一対で構成されている。ブラケット18の延出部18Aとブラケット20の延出部20Cは、車両背面視にてそれぞれ略矩形状に形成されており、ほぼ同じ大きさに設定されている。ブラケット18の延出部18Aとブラケット20の延出部20Cは、車両前後方向に重ね合わされた状態で、接合部(固定部)28により接合されている。本実施形態では、接合部28は、ボルトとナット等からなる締結固定部により構成されている。これにより、クラッシュボックス22の後端部22Bとガセット16の前端部16Aとが、車両幅方向外側に延出された一対の延出部18A、20Bに設けられた接合部28により接合されている。言い換えると、一対の延出部18A、20Bは、クラッシュボックス22とガセット16とが接合される接合部28とされている。
また、図示を省略するが、フロントサイドメンバ14の取付部17とブラケット20の板状部20Bとは、これらが重ね合わされた位置で接合部(固定部)により接合されている。本実施形態では、接合部は、ボルトとナット等からなる締結固定部により構成されている。
次に、本実施形態の車両前部構造10の作用及び効果について説明する。
図3に示されるように、フロントサイドメンバ14の車両幅方向外側から荷重が入力される微小ラップ衝突などの車両12の衝突時(前突時)には、クラッシュボックス22が矢印Aに示すように車両前後方向に軸圧縮変形し、フロントサイドメンバ14側に底付く。その後、図4に示されるように、バンパリインフォースメント26の外側端部26Bが矢印Bに示すようにガセット16を車両後方に押し込み、ガセット16が矢印Cに示すようにフロントサイドメンバ14を車両内側に押し込む。これにより、フロントサイドメンバ14が、矢印Dに示すようにガセット16の後端部16Bとの結合部で車両内側(車両幅方向内側)に折れ変形する。
その後、図5に示されるように、フロントサイドメンバ14が、矢印Eに示す車両前方側に前進し、フロントサイドメンバ14の前端部、すなわちクラッシュボックス22の後端部22Bが、フロントサイドメンバ14の車両幅方向の内側部50を支点に車両後方側(矢印F方向)に回転する。これにより、クラッシュボックス22の車両幅方向外側の側壁部22Cが伸び変形する。その際、クラッシュボックス22の後端部22Bの車両幅方向の長さ(横幅)が、フロントサイドメンバ14の前端部とガセット16の前端部16Aとを合わせた車両幅方向の長さ(横幅)とほぼ同じになるように大きく設定されている。これにより、車両前部構造10では、クラッシュボックス22の後端部22Bの車両幅方向の長さ(横幅)がフロントサイドメンバ14の前端部の車両幅方向の長さ(横幅)とほぼ同じ構成に比べて、内側部50を支点としたクラッシュボックス22の後端部22Bの回転半径52が大きくなる。このため、クラッシュボックス22の車両幅方向外側の側壁部22Cの伸び変形量が大きくなる。
さらに、クラッシュボックス22の後端部22Bとガセット16の前端部16Aとが、クラッシュボックス22の車両幅方向外側に延出されたブラケット20の延出部20C及びブラケット18の延出部18Aに設けられた接合部(固定部)28により接合されている。このため、矢印Gに示すように、ブラケット20の延出部20C及びブラケット18の延出部18Aにより、クラッシュボックス22の側壁部22Cを引っ張る力が大きくなり、クラッシュボックス22の側壁部22Cの伸び変形量が増加する。クラッシュボックス22の側壁部22Cの伸び変形時には、変形によりクラッシュボックス22の内部エネルギーが増加するため、エネルギー吸収量が大きくなる(図6参照)。
一般的に、車両の前突時には、フロントサイドメンバの車両前後方向の前端に配置されるクラッシュボックスを軸圧縮変形させ、エネルギーを吸収することで車両を減速させ、キャビンへの負荷を軽減させている。クラッシュボックスのエネルギー吸収量は、変形荷重(F)と、軸圧縮変形量(S、クラッシュボックスの長さ)によって決定される。変形荷重と軸圧縮変形量は、大きいほどエネルギー吸収量が大きくなるため、増加させると有利になる。クラッシュボックスの変形荷重(F)には、車両同士の衝突時の相手車両に対する加害性の観点から上限が設定されており、軸圧縮変形量(S)には、意匠等の観点から車両の寸法(車両前後方向の全長)の制約が付与される。
本実施形態の車両前部構造10では、軸圧縮したクラッシュボックス22の側壁部22Cを伸び変形させることで、変形荷重(F)と軸圧縮変形量(S)を変えずに、クラッシュボックス22のエネルギー吸収量を増加させることができる。
ここで、比較例の車両前部構造100について説明する。図7に示されるように、比較例の車両前部構造100は、車両102の前部103に適用されている。フロントサイドメンバ14の車両前後方向の前部14Aにおける車両幅方向外側には、ガセット16が取り付けられている。フロントサイドメンバ14の車両前後方向の前側には、ブラケット106を介してクラッシュボックス108が固定されている。ガセット16の前端部16Aには、板状のブラケット104が設けられており、ブラケット104は、車両幅方向内側でブラケット106と連続している。図示を省略するが、ブラケット106は、クラッシュボックス108の後端部108Bの外壁を囲む筒状部と、筒状部の後端に設けられた板状部と、を備えている。ブラケット106の板状部は、フロントサイドメンバ14の前端部から断面の外側に屈曲された取付部(図示省略)に接触するように配置されている。そして、ブラケット106の板状部とフロントサイドメンバ14の取付部とが図示しないボルトとナット等の接合部(固定部)により接合されている。
クラッシュボックス108は、車両幅方向に沿った断面にて略矩形状に形成されており、車両前後方向の前端部108Aから後端部108Bにわたり、断面(車両幅方向に沿った断面)がほぼ均一に形成されている。クラッシュボックス108の後端部108Bの車両幅方向の長さ(横幅)は、フロントサイドメンバ14の前端部の車両幅方向の長さ(横幅)とほぼ同じに設定されている。すなわち、クラッシュボックス108の後端部108Bの車両幅方向の長さ(横幅)は、フロントサイドメンバ14の前端部とガセット16の前端部16Aとを合わせた車両幅方向の長さ(横幅)よりも小さく設定されている。
クラッシュボックス108の前端部108Aの前側には、ブラケット110を介してバンパリインフォースメント26が設けられている。
この車両前部構造100では、微小ラップ衝突等の車両の衝突時(前突時)には、クラッシュボックス108が車両前後方向に軸圧縮変形し、フロントサイドメンバ14側に底付く。その後、ガセット16がフロントサイドメンバ14を車両内側に押し込むことにより、フロントサイドメンバ14がガセット16の後端部16Bとの結合部で車両内側に折れ変形する。
さらに、図8に示されるように、フロントサイドメンバ14の前端部が、車両幅方向の内側部120を支点に車両後方側(矢印H方向)に回転することで、クラッシュボックス108の車両幅方向外側の側壁部108Cが伸び変形する。その際、クラッシュボックス108の後端部108Bの車両幅方向の長さ(横幅)が、フロントサイドメンバ14の前端部の車両幅方向の長さ(横幅)とほぼ同じに設定されている。このため、比較例の車両前部構造100では、本実施形態の車両前部構造10に比べて、内側部120を支点としたクラッシュボックス108の後端部108Bの回転半径122が小さい。したがって、クラッシュボックス108の車両幅方向外側の側壁部108Cの伸び変形量が小さい。このため、側壁部108Cの伸び変形によるクラッシュボックス108の内部エネルギーの増加は小さい。
図6には、実施例として、車両前部構造10が適用された車両12を用い、微小ラップ衝突時における時刻(衝突からの経過時刻)と、クラッシュボックス22の内部エネルギーとの関係を調べた結果がグラフ60にて示されている。また、図6には、比較例として、車両前部構造100が適用された車両102を用い、微小ラップ衝突時における時刻(衝突からの経過時刻)と、クラッシュボックス108の内部エネルギーとの関係を調べた結果もグラフ130にて示されている。図6中の横軸の時刻T1は、クラッシュボックス22が軸圧縮変形によりフロントサイドメンバ14に底付く時刻を示している。
図6に示されるように、実施例のグラフ60では、時刻0〜T1までは、クラッシュボックス22の軸圧縮変形により、内部エネルギーが増加している(図6中の矢印62を参照)。また、実施例のグラフ60では、時刻T1を過ぎると、クラッシュボックス22の側壁部22Cの伸び変形(図5参照)により、内部エネルギーが増加している(図6中の矢印64を参照)。
一方、比較例のグラフ130では、時刻0〜T1までは、クラッシュボックス108の軸圧縮変形により、実施例と同様に内部エネルギーが増加しているが、時刻T1を過ぎると、内部エネルギーの増加は小さい(図6中の符号132の部分を参照)。
このため、本実施例の車両前部構造10では、比較例の車両前部構造100に比べて、クラッシュボックス22のエネルギー吸収量が増加することがわかる。
なお、本実施形態では、ガセット16の前端部16Aに延出部18Aが直接設けられているが、本発明は、この構成に限定されるものではない。例えば、ガセット16の前端部16Aに結合されたブラケットに延出部を設ける構成でもよい。すなわち、本発明の「延出部」には、ガセット16に直接又は間接的に設けられる延出部が含まれる。
また、本実施形態では、クラッシュボックス22の後端部22Bに結合されたブラケット20に延出部20Cが設けられているが、クラッシュボックス22に延出部を直接設ける構成でもよい。すなわち、本発明の「延出部」には、クラッシュボックス22に直接又は間接的に設けられる延出部が含まれる。
また、車両前部構造10において、クラッシュボックス22の後端部22Bと、フロントサイドメンバ14の前端部及びガセット16の前端部16Aとを結合する取付部17、18、及びブラケット20の形状は、本実施形態の構成に限定するものではなく、変更が可能である。
10 車両前部構造
12 車両
14 フロントサイドメンバ
14A 前部
16 ガセット
16A 前端部
18A 延出部
20C 延出部
22 クラッシュボックス
22B 後端部

Claims (4)

  1. 車両幅方向外側に配置され、車両前後方向に延在されるフロントサイドメンバと、
    前記フロントサイドメンバの車両前後方向の前部における車両幅方向外側に設けられ、閉断面構造とされた前記フロントサイドメンバとは別体とされると共に前記フロントサイドメンバから当該車両幅方向外側へ突出するガセットと、
    前記フロントサイドメンバ及び前記ガセットの車両前後方向の前端側に固定されるクラッシュボックスと、
    前記クラッシュボックスの車両前後方向の後端部、及び前記ガセットの車両前後方向の前端部からそれぞれ車両幅方向外側に延出され、前記クラッシュボックスと前記ガセットとの接合部とされる一対の延出部と、
    を有し、
    前記ガセットの上壁部が前記フロントサイドメンバの上壁部に重ね合わされて前記ガセットの上壁部と前記フロントサイドメンバの上壁部とが溶接部により接合されている車両前部構造。
  2. 前記ガセットは、前記フロントサイドメンバと前記クラッシュボックス以外とは非連結構造とされている請求項1に記載の車両前部構造。
  3. 前記ガセットの下壁部が前記フロントサイドメンバの下壁部に重ねられて固定されている請求項1又は請求項2に車両前部構造。
  4. 前記クラッシュボックスの前側に車両幅方向に沿って延在されるバンパリインフォースメントが設けられており、
    前記クラッシュボックスの前側の前記バンパリインフォースメントの外側端部の車両上下方向の長さは、前記クラッシュボックスの車両上下方向の長さに合わせて設定されており、前記クラッシュボックスの前側の前記バンパリインフォースメントの外側端部は、前記バンパリインフォースメントの車両幅方向の中間部よりも車両上方側に突出している請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の車両前部構造。
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