図1は、本発明の実施形態に係る薬品情報サーバシステム1を含む全体的なシステム構成を示している。薬品情報サーバシステム1は、通信網であるネットワークNW及び中継基地局T1、T2・・・Tnを通じて登録ユーザのユーザ端末(携帯電話機50)と通信可能になっており、登録ユーザに処方された薬品に関する薬品情報を登録ユーザ毎に保管することで、サーバ版の「お薬手帳」としての役割を果たすサービスを提供している。さらに本発明の薬品情報サーバシステム1は、ジェネリック医薬品のように同一の効能・成分等を有する薬品が異なる薬名で複数存在する状況であっても、新たに処方された薬品と同等の成分を含む薬品が過去に処方された中に含まれるかをチェックすると共に、新たに処方された薬品と飲み合わせの悪い薬品(相互作用のある薬品)が過去に処方された中に含まれるかをチェックし、チェック結果をユーザに伝えることもサービス内容に含むことを特徴にしている。
薬品情報サーバシステム1は、薬品情報の提供サービスを行うためのウェブサイトをネットワーク上に開設すると共に、電子メールで各種情報を送信するサービスを行っている。薬品情報サーバシステム1が開設しているウェブサイトは、トップページ、ユーザ登録ページ、薬品情報ページ等を含んでおり、これらのページの中で、薬品情報ページは1つの薬品ごとに1つのURLが付されたページ構成になっている。このような薬品提供ページへのアクセスは、URLの指定により直接アクセスすることも可能であるが、本実施形態では、各薬品提供ページのURLを含む二次元コード(たとえば、QRコード(登録商標))を利用することで、ユーザが簡単にアクセスできるようにしている。よって、薬品情報サーバシステム1の管理会社等は、薬品情報の提供ページに応じたURLを含む二次元コードの電子データを生成し、そのような二次元コード用の電子データを調剤薬局等に提供することで、調剤薬局等で二次元コード付きの薬剤情報をプリントアウトできるようにしている。
一般に調剤薬局等では、薬局のスタッフが医師からの処方箋に基づき薬品を調製し、調整した薬品をユーザ(患者へ)へ渡すことになるが、この際、調整した薬品の薬名、用量、服用方法、効能等を記した薬剤情報の用紙も一緒にユーザ(患者)へ渡す。そのため、調剤薬局等は薬局内にパーソナルコンピュータ及びプリンター等の事務機器を設置しており、薬局のスタッフが、このような事務機器を適宜操作することにより薬剤情報の用紙を印刷する。本実施形態では、上述した二次元コード用の電子データを、薬名及び効能等を記した薬品の薬品情報と対応付けて、パーソナルコンピュータのハードディスクドライブ等に記憶し、それにより調剤薬局で二次元コード付きの薬剤情報の用紙を印刷できるようにしている。
図2は、調剤薬局等で印刷される薬剤情報の用紙Sの一例を示している。薬剤情報の用紙Sは、医師から処方された処方箋に基づき服用対象となる薬品の薬名(メイアウトMS、S・M散、ロキソニン等)、用量(5日分等)、服用の仕方(服用時期、1回あたりの服用量等)、服用期間(5日分)等が印字されると共に、用紙右側に薬品ごとの二次元コードC1、C2、C3が印刷されている。各二次元コードC1、C2、C3は、対応する薬品の薬品情報ページのURLを含んでおり、具体的には一番上の二次元コードC1は、薬名「メイアウトMS」に応じた薬品情報ページのURLを含み、上から二番目の二次元コードC2は、薬名「S・M散」に応じた薬品情報ページのURLを含み、上から三番目の二次元コードC3は、薬名「ロキソニン」に応じた薬品情報ページのURLを含んでいる。
一方、本実施形態でユーザが用いるユーザ端末には、撮影機能付き(カメラ機能付き)携帯電話機50を用いており、この携帯電話機50は二次元コードの解読機能、ウェブサイトの閲覧機能、及び電子メールの送受信機能等を具備する。なお、図1では、ユーザが用いるユーザ端末として1台の携帯電話機50のみを示しているが、実際には、薬品情報サーバシステム1が提供するサービスに登録しているユーザ数に応じた台数分のユーザ端末(たとえば、上述した機能を具備する携帯電話機)が用いられるものとする。
図3は、携帯電話機50の主要な内部構成を示している。携帯電話機50は、各種制御処理を行うCPU51に、カメラモジュール52、通信モジュール53、RAM54、ROM55、表示部(表示パネル)56、操作部57、音出力処理部58、音入力処理部60および記憶部62等を内部バス50aで接続した構成になっている。なお、図3では電源及び電源ラインの図示は省略している。以下、携帯電話機50の各部を説明する。
カメラモジュール52は、撮影素子であるCCD又はCMOS等を含んだデバイスであり、撮影素子で撮影された画像を表示部56へ一旦、出力すると共に、ユーザが操作部57で所要の操作を行うことで、CPU51の制御に従って撮影された画像データをRAM54又は記憶部62へ出力し、撮影された画像データを保管できるようになっている。
通信モジュール53は、通話・通信等に関する処理を行うデバイスであり、ユーザが操作部57で所定の通信操作(電子メールの送信操作、インターネットへのアクセス操作等)を行うと、CPU51の制御に従って、図1に示す各中継基地局T1、T2・・・Tnと無線通信を行い、ネットワークNWに接続される所望の機器(サーバ装置等)との間で通信接続を確立して所望の通信処理を行う。なお、電子メールの受信設定については、携帯電話機50のデフォルトは「自動」に設定されており、携帯電話機50宛に送信されてくる電子メールを、待機中の携帯電話機50は通信モジュール53で自動受信できるようになっている。
RAM54は、CPU51の処理に従う各種データ等を一時的に記憶すると共に、CPU51の処理用のワークエリアとして機能する。また、ROM55は、CPU51が行う基本的な処理内容を規定したプログラム等を予め記憶すると共に、携帯電話機50の電話番号、及び携帯電話機50を識別するための固有ID(Unique ID)等を含む識別データdも記憶する。
表示部56は図1にも示すように、携帯電話機50の筐体50aの前面に配置される表示パネルを含んだ表示デバイスであり、CPU51の制御に従って各種内容を表示する。操作部57は図1にも示すように、携帯電話機50の筐体50aの前面に配置される上下左右キー、決定キー、数字キー等から構成される操作デバイスであり、ユーザが行う各種操作を受け付けて、受け付けた操作内容をCPU51へ伝える。
音出力処理部58は、スピーカ59を接続しており、通話時の音声出力又は各種音声データの音声出力に係る処理を行ってスピーカ59から音声を出力するものである。また、音入力処理部60はマイク61と接続されており、通話時にユーザが発する音声を取得する処理を行う。
記憶部62は、不揮発性メモリ等で構成されており、端末プログラム63、ブラウザプログラム64、メールプログラム65及び二次元コードプログラム66等を記憶している。記憶部62に記憶される端末プログラム63は、携帯電話機50に係る各種基本機能を実現するために、CPU51の基本的な制御処理内容を規定したソフトウェアプログラムであり、携帯電話機50の通話及び通信に係る制御処理、各種データの管理処理等を規定している。
また、記憶部62に記憶されるブラウザプログラム64は、携帯電話機50が通信モジュール53を通じてウェブサイトを設けている各種サーバシステムへアクセスした場合に、アクセス先のサーバシステムから送信されてくるページ画面データ(HTMLファイル形式等の画面データ)に応じたウェブページのサイト画面を、表示部56に表示するための処理等を行うプログラムである。
さらに、記憶部62に記憶されるメールプログラム65は、電子メールの作成・編集、電子メールの送受信、電子メールの表示、電子メールの管理等の処理を規定したプログラムであり、このメールプログラム65に規定された内容に従ってCPU51が電子メールに関する各種制御処理を行うようになっている。
さらにまた、記憶部62に記憶される二次元コードプログラム66は、図2に示す二次元コードC1等に含まれる内容を解析する処理をCPU51が行うことを規定したものである。本実施形態の二次元コードプログラム66は、起動した状態で、この二次元コードプログラム66の処理に合わせてカメラモジュール52で二次元コードが撮影されると、撮影された画像データを一旦RAM54に保存させて、二次元コードに含まれる内容をCPU51に解読させ、解読した中にURLが含まれていると、端末プログラム63及びブラウザプログラム64と連携した処理をCPU51に行わせることを規定する。そして、二次元コードプログラム66は、端末プログラム63の通信機能と連携して、URLを所定の連絡先へ送信し、URLで指定されたウェブページを開設するサーバへ携帯電話機50がアクセスする処理をCPU51に行わせると共に、アクセスにより取得したウェブページのページ画面を、ブラウザプログラム64の閲覧機能と連携して、表示部56に表示させる処理を行うことを規定する。携帯電話機50の概要は、以上のような内容であり、本発明で使用される他の登録ユーザに係るユーザ端末(携帯電話機)も、上述した携帯電話機50と同等の構成になっているものとする。
次に、本発明の中心的な役割を担う薬品情報サーバシステム1について説明する。薬品情報サーバシステム1は、図1にも示すように、サーバ装置10に薬品情報データベース2、成分データベース3、成分名称データベース4、非推奨データベース5、分類データベース6、分類名称データベース7、及びユーザデータベース8を内部通信線1a〜1gでアクセス可能に接続した構成になっている。各データベース2〜8は、データベース装置(データベースサーバ等)として構成されており、このデータベース装置が有する記憶部に、それぞれのデータベースが記憶されたものになっている。以下、各データベース2〜8について説明する。なお、薬品情報サーバシステム1の全体的な構成は図1にしめすものに限定されるものではなく、各データベース2〜8をサーバ装置10と適宜一体化して、サーバ装置10に所要のデータベースを含ませる構成にすることも可能である。
薬品情報データベース2は、薬品情報を多数蓄えたデータベースであり、1つの薬品ごとに固有の記憶エリア(格納エリア)を設け、その記憶エリアに1つの薬品に応じた薬品情報を登録すると共に、その記憶エリアに固有のURLを付している。
図4は、薬品情報データベース2のデータベース構造の概要的なイメージを示している。薬品情報データベース2は、薬品ごとに応じた記憶エリアを設け、その薬品ごとの記憶エリアに特定のURLを付すと共に、そのURLに対応する薬品情報を登録している。記憶エリアに登録される薬品の薬品情報には、その薬品を識別するための薬品コード(薬品識別情報に相当)、薬名(製品名)、メーカ名(製薬会社名)、一般名、形状、薬価、効果・効能、作用、副作用、薬品の外観を示す画像等(その他の欄に含まれるもの)が含まれている。薬品情報データベース2は、内部通信線1aを通じてサーバ装置10からURLが連絡されると、そのURLが付された記憶エリアに含まれる薬品情報を読み出してサーバ装置10へ送る仕様になっている。なお、薬品情報データベース2は、新たな薬品の販売等に伴って、新たな薬品情報が随時追加・更新されている。
また、成分データベース3は、薬品コード及び薬品の成分を識別する成分コード(成分識別情報に相当)を複数含んだものであり、成分コードと、その成分コードで識別される成分を含む薬品に応じた薬品コードとを対応付けて登録したデータベース構造になっている。また、成分データベース3は、登録した各コードの並び替えが可能になっており、たとえば薬品コードと、その薬品コードで識別される薬品の成分を識別する成分コードとを対応付けた状態へと並び替えることも可能になっている。なお、同一の成分を含む薬品が複数存在する状況としては、先発医薬品と、ジェネリック医薬品のような後発医薬品(厚生労働省が先発医薬品と同等と認めた医薬品)とが並行して販売されている状況が考えられる。
図5(a)は、成分データベース3のデータベース構造の概要的なイメージを示しており、成分コードと、その成分コードで識別される成分を含む薬品に応じた薬品コードとを対応付けて登録した状態の一部分を表している。具体的に成分データベース3は、成分コード「C0001」に、複数の薬品コード「A0001」、「A0051」、「A0053」、「A0063」、「A0075」、「A0092」等を対応付けており、これらの各薬品コード(A0001〜A0092等)で識別されるそれぞれの薬品には、成分コード「C0001」で識別される成分(たとえば、トリアゾウム)が含まれる。以下同様に、成分データベース3は、成分コード「C0002」に、複数の薬品コード「A0002」、「A0013」、「A0024」等を対応付けており、成分コード「C0003」に、複数の薬品コード「A0004」等を対応付けている。なお、成分データベース3は、新しい薬品の販売等に応じて随時データベースの中身が更新されるものとする。
また、図5(b)は、上述した図5(a)に示す成分データベース3の登録内容を並び替えた状態の成分データベース3′を示している。この成分データベース3′は、中身自体は図5(a)の成分データベース3と同様であり、中身の並べ方(見せ方)を、薬品コードを主にして並び替えたものであり、薬品コードと、その薬品コードで識別される薬品が含む成分を識別する成分コードとを対応付けた状態の一部分を表している。具体的に成分データベース3′は、薬品コード「A0001」に、複数の成分コード「C0001」、「C0002」、「C0004」、「C0008」を対応付けており、これらの各成分コード(C0001〜C0008)で識別されるそれぞれの成分を、薬品コード「A0001」で識別される薬品(薬名「TTZ□□」。図4参照)が含むことになる。以下同様に、成分データベース3′は、薬品コード「A0002」に、複数の成分コード「C0002」、「C0003」、「C0009」、「C0012」を対応付けており、薬品コード「A0003」に、複数の成分コード「C0001」、「C0003」、「C0004」、「C0010」を対応付けている。なお、図5(a)、(b)は、成分データベース3、3′の一部分のみを示しており、実際の成分データベース3、3′は、ユーザに入手可能な薬品の薬品コード及びそれらの薬品に含まれる成分の成分コードが登録されている。
このように成分データベース3、3′は、薬品コード及び成分コードと云う識別用のコードをそれぞれ対応付けて登録を行うことで、薬名(名称)のような直接的な情報でなく、コードと云う中間的な識別情報を用いて検索処理等を行えるようになり、薬名又は成分名等の名称同士を直接的に対応付けて登録する場合に比べて、データベースに対するメンテナンス面での効率化及び情報の高精度化を図れる。すなわち、データベースに薬名又は成分名等を直接的に登録すると、登録に係る入力の手間が増大し、登録漏れが発生しやすくなるが、薬品に含まれる含有成分に応じたデータベースを構築することで、良好なメンテナンス性を確保できる。
図6は、成分名称データベース4の概要的な中身を示している。成分名称データベース4は、図5(a)(b)に示した成分データベース3、3′に含まれる各成分コードで識別される各成分の名称(成分名称)を登録したものであり、成分コードごとに成分名称を対応付けている。具体的には、成分コード「C0001」には、成分名称「トリアゾラム」を対応付けて登録している。よって、このように成分名称データベース4に成分名称を登録することで、成分名称が必要になったときは、成分名称データベース4を参照すれば成分名称が分かるので、上述した成分データベース3、3′に成分名称を含ませなくても、ユーザサービス等に支障が生じないようにしている。
図7は、非推奨データベース5のデータベース構造の概要的なイメージを示している。非推奨データベース5は、薬品コード(薬品識別情報)及び薬品が属する分類を識別する非推奨分類コード(分類識別情報に相当)をそれぞれ複数含んだものであり、薬品コードと、その薬品コードに応じた薬品と飲み合わせることが推奨されない薬品が属する分類に応じた非推奨分類コードとをそれぞれ対応付けて登録している。なお、飲み合わせることが推奨されない薬品の組合せは、医学的に飲み合わせが禁止されているもの、臨床的に飲み合わせが悪いことが判明しているものなどがあり、これらの飲み合わせが悪い薬品同士の組合せに基づき非推奨データベース5が構築されている。
非推奨データベース5は具体的な中身として、薬品コード「A0001」に複数の非推奨分類コード「B0001」、「B0002」、「B0003」、「B0004」を対応付けており、これらの各非推奨分類コード(B0001〜B0004)で識別されるそれぞれの分離に属する複数の薬品が、薬品コード「A0001」で識別される薬品(薬名「TTZ□□」。図4参照)と飲み合わせが悪いことになる。以下、同様に非推奨データベース5は、薬品コード「A0002」に、複数の非推奨分類コード「B0002」、「B0005」、「B0012」を対応付けており、薬品コード「A0003」に、単一の成分コード「B0001」を対応付けており、薬品コード「A0004」に、単一の成分コード「B0033」を対応付けている。なお、図7は、非推奨データベース5の一部分のみを示しており、実際の非推奨データベース5は、ユーザに入手可能な全ての薬品の薬品コード及びそれらの薬品と飲み合わせが悪い薬品が属する分類の非推奨分類コードが登録されている。また、非推奨データベース5も、新しい販売される薬品について飲み合わせが悪い薬品のペアが判明すると、随時データベースの中身が更新されるものとする。
非推奨データベース5も、上述した成分データベース3、3′と同様に、薬品コード及び非推奨分類コードと云う識別用のコードを対応付けて登録を行うので、薬名又は非推奨分類名等の名称同士を直接的に対応付けて登録する場合に比べて、データベースに対するメンテナンス面での効率化及び情報の高精度化を図れる。すなわち薬名又は非推奨分類名等を直接、データベースに登録すると、組合せ数が多くなり、登録漏れの可能性が高まる。また一般に、医薬品の添付文書上における相互作用に関する記載では、具体的な薬品の名称(商品名)で記載が行われておらず、「○○系薬剤」と云うように薬剤の分類を示す分類名(グループ名)又は薬品に含まれる成分等で記載されることがほとんどであることから、上述したように識別用のコードを登録することで、データベースのメンテナンスを効率良く行えると共に、登録内容の精度も高められる。
図8(a)は、分類データベース6のデータベース構造の概要的なイメージを示している。分類データベース6は、非推奨分類コード及び薬品コードをそれぞれ複数含み、非推奨分類コードと、その非推奨分類コードで識別される分類に属する薬品の薬品コードとをそれぞれ対応付けて登録したものである。
分類データベース6は具体的な中身として、非推奨分類コード「B0001」に、複数の薬品コード「A0035」、「A0051」、「A0052」、「A0068」、「A0082」、「A0099」を対応付けており、これらの各薬品コード(A0035〜A0099)で識別されるそれぞれの薬品は、非推奨分類コード「B0001」で識別される分類に属することになる。以下、同様に分類データベース6は、非推奨分類コード「B0002」に、複数の薬品コード「A0005」、「A0058」、「A0066」、「A0088」、「A0091」、「A0122」、「A0201」を対応付けている。なお、図8(a)は、分離データベース6の一部分のみを示しており、実際の分類データベース6は、ユーザに入手可能な全ての薬品の薬品コード及びそれらの薬品と飲み合わせが悪い薬品が属する分類の非推奨分類コードが登録されている。また、分類データベース6も、新しい薬品の販売等に応じて随時データベースの中身が更新されるものとする。
図8(b)は、分類名称データベース7の概要的な中身を示している。分類名称データベース7は、図7に示した非推奨データベース5及び図8(a)に示した分類データベース6に含まれる各非推奨分類コードで識別される各分類の名称(分類名称)を登録したものであり、非推奨分類コードごとに分類名称を対応付けている。具体的に分類名称データベース7は、非推奨分類コード「B0001」に分類名称「イトラコナゾール」を対応付けて登録しており、以下、非推奨分類コード「B0002」に分類名称「フルコナゾール」を、非推奨分類コード「B0003」に分類名称「ホスフルコナゾール」を、非推奨分類コード「B0004」に分類名称「ボリコナゾール」を、非推奨分類コード「B0005」に分類名称「ミコナゾール」を、それぞれ対応付けて登録している。このように分類名称データベース7に分類名称を登録することで、分類名称が必要になったときは、分類名称データベース7を参照すれば、その名称が分かるので、上述した各データベース6、7に名称を含ませなくても、ユーザサービス等に支障が生じないようにしている。
また、ユーザデータベース8は、薬品情報サーバシステム1が提供するサービスを受けるためにユーザ登録したユーザの情報をユーザごとに記憶したデータベースである。ユーザデータベース8は、登録ユーザごとに固有のユーザエリア(ユーザ記憶部に相当)を設けており、このユーザエリアごとにユーザ情報と、ユーザに処方された薬品情報を登録した薬品情報テーブルを含むようなデータベース構造になっている。
すなわち、図1に示すユーザデータベース8は、ユーザA用のユーザエリアU1、ユーザB用のユーザエリアU2等を設け、ユーザエリアU1に、ユーザAのユーザ情報U1a及びユーザAに提供された今までの薬品情報を含む薬品情報テーブルU1bを記憶し、ユーザエリアU2に、ユーザBのユーザ情報U2a及びユーザBに提供された今までの薬品情報を含む薬品情報テーブルU2bを記憶している。なお、図1では例示的に、ユーザA、B用のユーザエリアU1、U2のみを示しているが、実際のユーザデータベース8は、登録ユーザの数に応じてユーザエリアを設けており、このように設けられるユーザエリアの数は、新規ユーザ登録または登録ユーザの退会等により増減する。
各ユーザエリアに登録されるユーザ情報(たとえば、ユーザ情報U1a、U2a等)には、登録ユーザの氏名、ユーザ端末(携帯電話機)の電話番号、ユーザ端末(携帯電話機)の固有ID(Unique ID)、ユーザID(ユーザ識別情報に相当)、電子メールアドレス(ユーザアドレスに相当)等が含まれている。ユーザ情報に含まれる情報は、ユーザID以外については、ユーザ登録時にユーザから付与される内容であり、ユーザIDは設定登録時に、薬品情報サーバシステム1のサーバ装置10により発行されるものである。また、ユーザデータベース8は、内部通信線1gを通じてサーバ装置10からユーザID及び薬品情報が送られてくると、送られてきたユーザIDに応じたユーザエリアの薬品情報テーブルに、送られてきた薬品情報を、そのときの日(登録日)と共に登録する仕様になっている。
図9は、ユーザエリアU1に記憶された薬品情報テーブルU1bの概要的なイメージを示している。薬品情報テーブルU1bは、登録日と、その登録日に提供された薬品情報を対応付けたものになっており、薬品情報に含まれる項目は、基本的に図4に示す薬品情報(薬品コード、薬名、メーカ名、一般名、形状、薬価、効果・効能、作用、副作用等)と同様である。また、薬品情報テーブルU1bは、薬品情報ごとにフラグ(「0」又は「1」)を対応付けており、このフラグの中身が、後述する検索処理で検索対象にする薬品情報の指定を識別する情報(指定識別情報)として機能し、フラグの「0」は検索対象の指定を受け付けていないことを意味し、フラグの「1」の検索対象の指定を受け付けていることを意味する(フラグの中身は、デフォルトで「0」に設定される)。このように薬品情報テーブルU1bは、登録日に対応付けて薬品情報を登録することにより、どのような薬が自身に、いつ処方されたかを参照できるようになっている。また、他のユーザエリア(たとえば、ユーザエリアU2)に登録されている薬品情報テーブル(たとえば、薬品情報テーブルU2b)も、図9に示す内容と同等のものになっている。
次に、上述した各データベース2〜8に接続されるサーバ装置10について説明する。本実施形態のサーバ装置10には、汎用のサーバコンピュータを適用しており、薬品情報を提供するサービスに関するウェブサイトの配信、登録ユーザへ各種情報を伝えるための電子メールの送信等に関する各種処理を行っており、このような処理を行うために各データベース2〜8とも適宜連携して様々な処理を行う。
図10は、サーバ装置10の主要な内部構造を示している。サーバ装置10は、様々な制御処理を行うMPU11を、内部バス10aを介して通信インタフェース12、RAM14、ROM15、及びハードディスク装置16と接続した構成になっている。以下、サーバ装置10の各部について説明する。
通信インタフェース12は、薬品情報サーバシステム1内の内部ネットワーク及びシステム外の機器と通信処理を行うための通信手段に相当し、内部ネットワークと通信を行うために、内部通信線1a〜1gが接続されて各データベース2〜8との通信(アクセス)を可能にしている。また、通信インタフェース12は、外部通信線1hを介して外部通信ユニット13と接続されており、外部通信ユニット13の先は外部ネットワーク回線と繋がっており、それにより最終的には図1に示すネットワークNWと繋がって、外部の機器と通信を行えるようになっている。
また、RAM14は、MPU11の処理に伴って生じるデータ及びフォルダ等を一時的に記憶し、ROM15は、MPU11が行う基本的な処理内容を規定したプログラム等を予め記憶している。
ハードディスク装置16は、サーバ装置10を作動させる上で、基本的な各種処理内容を規定したシステムプログラム20、及び本発明に関連した各種処理を規定したサーバプログラム21等を記憶している。さらに、ハードディスク装置16は、これらのプログラム以外に、ウェブサイトを構成する各ウェブページ用のページ画面データを含むウェブサイトデータ22等も記憶している。
ハードディスク装置16に記憶されたサーバプログラム21は、サーバ装置10が開設しているウェブサイト(薬品情報の提供サービスに関するウェブサイト)へアクセスしてきた外部の通信機器へ、ウェブサイトを構成する各種ウェブページの画面データ(ウェブサイトデータ22に含まれるページ画面データD1、D2等)を適宜送信するためのMPU11の制御処理及び電子メールの送信制御処理等を規定している。なお、本実施形態のウェブサイトは、主に携帯電話機向けのサイトになっており、各ページ画面データD1、D2等は、携帯電話機用のブラウザプログラムで表示処理が行えるデータ形式(例えば、HTML等のマークアップ言語で記述された形式)になっており、アクセス元で表示された際に、各種情報(ユーザ情報)の入力が受け付け可能な画面構成になっているものがある。また、ページ画面データの中には、プレーンな部分(空き部分)を有するものがあり、サーバ装置10が処理段階に応じて各データベースから読み出した情報を、そのプレーンな部分に配置して、送信用のページ画面データを生成する場合もある。
図11(a)(b)は、サーバ装置10が開設しているウェブサイト(以下、薬品情報サービスサイトと称す)を構成する各ウェブページのページ画面30、31が、アクセス元の携帯電話機(たとえば、携帯電話機50の表示部56)で表示された状態を示している。これらのページ画面30、31のそれぞれは、ウェブサイトデータ22に含まれるページ画面データD1、D2等に基づくものであり、例えば、ページ画面データD1が図11(a)のページ画面30を表示させるためのデータになっており、アクセス元の携帯電話機でページ画面データD1が受信されると、そのアクセス元の携帯電話機のブラウザプログラムの処理を経て図11(a)に示す内容が、その携帯電話機(例えば、携帯電話機50の表示部56)に表示される。
図11(a)のページ画面30(ログインページ画面)は、薬品情報サービスサイトのトップページ兼登録ユーザ用の入り口ページに該当するものであり、情報の入力が可能な登録ユーザのパスワード入力欄30a及びユーザID入力欄30bを設けると共に、選択操作が可能なログインボタン30c及び案内ボタン30d(「初めての方はこちらへ」と記述されたボタン)を配置している。ページ画面30は、パスワード入力欄30a及びユーザID入力欄30bに所定の情報が入力された状態でログインボタン30cの選択操作を受け付けると、ページ画面データD1の記述内容により、各欄30a、30bに入力された情報及びログインボタン30cが選択された旨をサーバ装置10へ送信するようになっている。また、ページ画面30は、案内ボタン30dの選択操作を受け付けた場合、案内ボタン30dが選択された旨をサーバ装置10へ送信するようになっている。
また、図11(b)のページ画面31は、ユーザ情報の登録用のページ内容に相当し、このページ画面31は、図11(a)のページ画面30で案内ボタン30dの選択操作に伴って、サーバ装置10から送信されてくるページ画面データ(例えば、ページ画面データD2)に基づくものである。ページ画面31は、ユーザ登録に必須の入力欄として氏名入力欄31a、電話番号入力欄31b、パスワード入力欄31c、及び電子メールアドレス入力欄31d等の入力欄を設けると共に、選択操作が可能な戻るボタン31e及び登録ボタン31fを配置している。各入力欄31a〜31dには、登録するユーザに関する情報の入力が可能になっており、各入力欄31a〜31dに情報が入力された状態で、登録ボタン31fの選択操作が行われると、各入力欄31a〜31dに入力された情報及びユーザ端末の識別情報(携帯電話機の固有ID)がサーバ装置10へ送信されるようになっている。
なお、サーバ装置10は、ページ画面31を経て送信されてきた情報(ユーザ情報)を受信すると、ユーザデータベース8に、新登録ユーザ用のユーザIDを発行すると共にユーザエリアを作成して、ユーザ情報(受信した情報及びユーザID)を新たに作成したユーザエリアに記憶(登録)し、さらに、発行したユーザIDを通知する電子メールを、ユーザ情報に含まれる電子メールアドレス宛に送信する処理を行う。
また、サーバ装置10は、上述したページ画面30、31以外にも、ウェブサイトの閲覧段階等に応じて、様々なウェブページのページ画面を閲覧元のユーザ端末(携帯電話機)へ送信するようになっている。他のページ画面の例としては、図12、図13(a)(b)に示すページ画面32、33、34等がある。
図12のページ画面32は、薬品情報を提供するものであり、サーバ装置10により適宜生成される画面データに応じた内容になっている。詳しくは、登録ユーザのユーザ端末(携帯電話機)から、薬品情報データベース2に記憶されている薬品情報の記憶エリアに付されたURLが送信されてサーバ装置10へアクセスされてくると、サーバ装置10は、アクセスに伴うURLの付された薬品情報を読み出して、薬品情報提供用のページ画面データのプレーンな部分(空き部分)に配置することで、図12に示すような特定の薬品に係る薬品情報32aを含むページ画面データを生成する。なお、このページ画面32は、薬品情報の登録の適否をユーザに問うためのYESボタン32b及びNOボタン32cを配置している。
ページ画面32において、YESボタン32bが選択される操作が行われると、サーバ装置10は、ページ画面32に含む薬品情報32aを、閲覧しているユーザのユーザエリアに記憶された薬品情報テーブルへ登録するための処理を開始し、次の段階として、サーバ装置10は、上述した図11(a)に示すページ画面30のページ画面データをユーザ端末(携帯電話機)へ送信し、提供した薬品情報の登録の適否をユーザに問うことになる。また、ページ画面32aで、NOボタン32bが選択される操作が行われた場合は、その操作によりサーバ装置10は、ページ画面データの送信処理を終了することになる。
図13(a)に示すページ画面33は、図11(a)のページ画面30を経て送信されてきたパスワード及びユーザIDに一致するものが、ユーザデータベース8の中から見つからない場合に、サーバ装置10が、閲覧中のユーザのユーザ端末(携帯電話機)へ送信するページ画面データに相当するものである。このページ画面33にも、終了ボタン33a及び戻るボタン33bが配置されており、終了ボタン33aの選択操作が行われると、サーバ装置10は、ページ画面データの送信処理を終了し、戻るボタン33bの選択操作が行われると、サーバ装置10は再度、図11(a)に示すページ画面30のページ画面データをユーザ端末宛に送信することになる。
また、図13(b)に示すページ画面34は、あるユーザのユーザエリアの薬品情報テーブル(例えば、薬品情報テーブルU1b)に登録された情報の登録一覧34aを配置したページ画面データに相当するものであり、サーバ装置10は、新たな薬品情報をユーザエリアの薬品情報テーブルに登録した場合、又はユーザから薬品情報テーブルの閲覧要求があった場合等に、該当するユーザのユーザエリアから薬品情報テーブル(図9参照)に登録されている登録日及び薬名を含む薬品情報を読み出して、図13(b)に示すように登録一覧34aを生成して、ページ画面データのプレーンな部分(空き部分)に配置し、図13(b)に示すようなページ画面34のページ画面データを生成する。
また、このページ画面34に係るページ画面データは、検索対象の設定欄t1〜t11等、設定ボタン34b、戻るボタン34cをページ画面34に配置している。設定欄t1〜t11等は、登録一覧34aに含まれる薬品情報ごとに配置されるものであり、ユーザの入力操作が受付可能になっている。具体的には各設定欄t1〜t11等は、ONまたはOFFのいずれかユーザが選択できる仕様になっており、ユーザからONの選択操作を受け付けた場合は、その設定欄に対応する薬品情報は、後述の検索処理における検索対象としての指定を受け付けたことになる。なお、設定欄t1〜t11等のデフォルトの状態はOFFに設定されている。また、設定欄t1〜t11等が、ユーザからOFFの選択操作を受け付けた場合、その設定欄に対応する薬品情報は検索対象から外す指定を受け付けたことになる。なお、図13(b)に示す状態では、登録日が2008年11月11日と、2008年11月20日の薬品情報が、検索対象になっており(設定欄t1〜t9がON)、2008年10月31日以前の薬品情報は検索対象から外れた状態になっている(設定欄t10、11等がOFF)。
また、設定ボタン34bの選択操作が行われると、ページ画面34に係るページ画面データの記述(規定)に基づき、薬品情報ごとに対応する設定欄t1〜t11等に設定されたONまたはOFFを示す情報が薬品情報に対応付けられた状態で、サーバ装置10へ送信されるようになっている。このような情報が送信されてくると、サーバ装置10は、ONに応じた薬品情報に対して、該当するユーザの薬品情報テーブル(例えば、図9に示す薬品情報テーブルU1b)のフラグに「1」を設定し、OFFに応じた薬品情報に対してはフラグに「0」を設定する。なお、サーバ装置10は、設定ボタン34bの選択操作に応じてページ画面データの送信処理を終了し、戻るボタン34cの選択操作に基づき、ページ画面34の直近に閲覧されていたページ画面のページ画面データをユーザ端末宛に送信する処理を行うことになる。
次に、図10のハードディスク装置16に記憶されたサーバプログラム21(本発明のコンピュータプログラムに相当)の本発明に関する規定内容について詳しく説明する。サーバプログラム21は、MPU11が各種手段として機能する処理内容を規定しており、具体的には、外部からのアクセスに応じてウェブサイト用の各種ページ画面データD1等を提供するための一般的な処理を規定すると共に、本発明の特徴となる薬品情報データベース2に登録されている薬品情報の提供処理、提供した薬品情報の登録処理、成分データベース3における成分コード及び薬品コードの検索処理、ユーザエリアの薬品情報テーブルに登録された薬品情報の検索処理、非推奨データベース5における非推奨分類コードの検索処理、分類データベース6における薬品コードの検索処理、電子メールの送信処理及びユーザデータベース8の構築処理等を規定している。
サーバプログラム21が規定する薬品情報の提供処理は、サーバ装置10が通信インタフェース12を通じてURLを受け付けることで開始される。サーバ装置10のMPU11は、受け取ったURLが付された記憶エリアを薬品情報データベース2から特定し(図4参照)、その特定した記憶エリアに登録されている薬品情報を読み出す処理を行う。また、サーバ装置10は、読み出した薬品情報を用いて図12に示すページ画面32に相当するページ画面データを生成し、通信インタフェース12を用いてアクセス元(URLの送信元)のユーザ端末(携帯電話機)へ送信する処理を行う。このようなMPU11に関する処理が、薬品情報の提供処理としてサーバプログラム21に規定されている(以下、同様)。
また、サーバプログラム21が規定する薬品情報の登録処理は、上述した薬品情報の提供処理に応じて、アクセス元のユーザ端末(携帯電話機)から、提供された薬品情報を登録する旨の指示に加えて、ユーザを識別するパスワード及びユーザIDがサーバ装置10へ送信されてくると、MPU11は、送信されてきたパスワード及びユーザIDに一致するユーザ情報を含むユーザエリアをユーザデータベース8に対してMPU11が検索することを規定する。さらに、検索により一致するユーザ情報を見つけた場合、MPU11は、一致するユーザ情報を含むユーザエリアの薬品情報テーブルに、提供した薬品情報(例えば、薬品コードが「A0002」の薬品情報)を登録する処理を行う。なお、検索により一致するユーザ情報が見つからない場合、MPU11は、図13(a)に示すページ画面33用のページ画面データを、通信インタフェース12を用いてアクセス元のユーザ端末(携帯電話機)へ送信することになる。
さらにまた、サーバプログラム21の薬品情報の登録処理は、ユーザエリアの薬品情報テーブルに登録するフラグに関するMPU11の処理も含んでいる。図13(b)に示すページ画面34の記述に応じてユーザ端末から薬品情報ごとにONまたはOFFを示す情報が薬品情報に対応付けてサーバ装置10へ送信されてくると、サーバプログラム21のフラグに関する処理の規定内容に基づきMPU11が、ONになっている薬品情報に対応付けられたフラグに「1(指定識別情報に相当)」を登録する処理を行うことを意味する。なお、MPU11は、OFFになっている薬品情報に対応付けられたフラグには「0」を設定する。
また、サーバプログラム21が規定する処理の中で、同じ成分を含む薬品を探し出す処理として、成分コードの検索処理、薬品コードの検索処理、薬品情報の検索処理、及び電子メールの送信処理等がある。成分コードの検索処理(成分検索ステップに相当。MPU11が成分検索手段として行う処理内容に該当)は、上述のサーバ装置10が提供した薬品情報の登録処理を行う場合、図5(b)で示される成分データベース3′から、サーバ装置10が提供した薬品情報に含まれる薬品コードに対応付けられた成分コードをMPU11が検索することを規定している。たとえば、検索キーとして薬品コード「A0002」で成分データベース3′を検索すると、MPU11は成分コードとして「C0002」、「C0003」、「C0009」、「C0012」を検索することになる。なお、ユーザ端末から、検索された成分コードの成分名称を要求する指示等があった場合、MPU11は、図6に示す成分名称データベースを参照して、対象となる成分コードに対応付けられた成分名称を検索して特定し、その成分名称をユーザ端末へ通知する処理等を行う。
また、サーバプログラム21が規定する薬品コードの検索処理(識別情報検索ステップに相当。MPU11が識別情報検索手段として行う処理内容に該当)は、図5(a)で示される成分データベース3から、検索された成分コードに対応付けられた薬品コードをMPU11が検索することを規定している。たとえば、検索キーとして成分コード「C0002」で成分データベース3を検索すると、MPU11は薬品コードとして「A0002」、「A0013」、「A0024」等を検索することになる。なお、上述した成分コードの検索処理では通常、複数の成分コードが検索されることから、この薬品コードの検索処理では、検索されたそれぞれの成分コードについて、成分データベース3から薬品コードを検索することになる。
さらに、サーバプログラム21が規定するユーザエリアの薬品情報テーブルに登録された薬品情報の検索処理(登録検索ステップに相当。MPU11が登録検索手段として行う処理内容に該当)は、上述した薬品コードの検索処理で検索した薬品コードを含む薬品情報が、上記の薬品情報の登録処理を行うユーザエリア(薬品情報テーブル)に登録されているか否かをMPU11が検索することを規定している。この検索の際、MPU11は、薬品情報テーブル(例えば、薬品情報テーブルU1b)に登録されている薬品情報の中で、フラグが「1」になっている薬品情報のみを検索対象にしており、それにより検索処理の効率化を図ると共に、多数の薬品情報がヒットする事態が生じることを防止している。また、検索の対象となる薬品情報テーブルは、上述のサーバ装置10が提供した薬品情報の登録処理が行われていない状態で検索することになり、例えば、図9の薬品情報テーブルU1bにおいて、薬品コード「A0002」の薬品情報の登録処理に伴って、上述した成分コードの検索処理、薬品コードの検索処理等を行う場合は、薬品コード「A0002」の薬品情報が登録される前の状態の薬品情報テーブルから、薬品情報の検索処理を行うことになる。
よって、例えば、新たな薬品コード「A0002」の薬品情報を2008年11月20日に登録する処理に伴って、図9の薬品情報テーブルU1b(2008年11月20日の薬品コード「A0002」の登録を外した状態のもの)の中のフラグが「1」の薬品情報に対して、薬品コード「A0002」、「A0013」、「A0024」で検索を行うと、2008年11月18日登録の薬品コードが「A0024」の薬品情報(薬名が「AX−△△」の薬品情報)を、MPU11は検索して特定することになる。なお、検索結果により特定される薬品の数は、成分データベース3に登録されている薬品情報の種類、ユーザエリアの薬品情報テーブルに登録されている薬品情報の種類、数又はフラグの状態により様々であり、後発医薬品が販売されていない状況又は薬品情報テーブルに登録されている薬品情報の数が限られるときなどは、検索結果がゼロになることもある。
また、サーバプログラム21が規定する電子メールの送信処理として、上記の成分コードの検索処理からユーザエリアの薬品情報の検索処理を経て最終的に薬品情報が検索されると、今回処方された薬品(今回、登録処理を行う薬品情報に係る薬品)と同じの成分を含む薬品がある旨を記した電子メールを生成し(図18(a)参照)、生成した電子メールを、今回提供された薬品の薬品情報の登録先となるユーザエリアに登録されたユーザ情報に含まれる電子メールアドレス宛に、MPU11は通信インタフェース12を用いて送信する制御処理を行う。
一方、サーバプログラム21が規定する処理の中で、飲み合わせが推奨されない薬品(相互作用がある薬品)を探し出す処理として、非推奨分類コードの検索処理、薬品コードの検索処理、薬品情報の検索処理、及び電子メールの送信処理等がある。非推奨分類コードの検索処理(分類検索ステップに相当。MPU11が分類検索手段として行う処理内容に該当)は、上述のサーバ装置10が提供した薬品情報の登録処理を行う場合、図7で示される非推奨データベース5から、サーバ装置10が提供した薬品情報に含まれる薬品コードに対応付けられた非推奨分類コードをMPU11が検索することを規定している。たとえば、検索キーとして薬品コード「A0002」で非推奨データベース5を検索すると、MPU11は非推奨分類コードとして「B0002」、「B0005」、「B0012」を検索することになる。なお、非推奨データベース5において、薬品コードに対応付けられる非推奨分類コードが一つに留まる場合は、検索結果として一つの非推奨分類コードのみが該当し、薬品コードに対応付けられる非推奨分類コードがない場合は、検索結果がゼロになるときもある。また、ユーザ端末から、検索された非推奨分類コードの分類名称を要求する指示等があった場合、MPU11は、図8(b)に示す分類名称データベースを参照して、対象となる非推奨分類コードに対応付けられた分類名称を検索して特定し、その分類名称をユーザ端末へ通知する処理等を行う。
さらに、サーバプログラム21が規定する薬品コードの検索処理(識別情報検索ステップに相当。MPU11が識別情報検索手段として行う処理内容に該当)は、図8(a)で示される分類データベース6から、検索された非推奨分類コードに対応付けられた薬品コードをMPU11が検索することを規定している。たとえば、検索キーとして非推奨分類コード「B0002」で分類データベース6を検索すると、MPU11は薬品コードとして「A0005」、「A0058」、「A0066」、「A0088」、「A0091」、「A0122」、「A0201」等を検索することになる。なお、上述した非推奨データベース5での非推奨分類コードの検索処理では通常、複数の非推奨分類コードが検索されることから、この薬品コードの検索処理では、検索されたそれぞれの非推奨分類コードについて、分類データベース6から薬品コードを検索することになる。
さらにまた、飲み合わせが推奨されない薬品を探し出す処理における薬品情報の検索処理(登録検索ステップに相当。MPU11が登録検索手段として行う処理内容に該当)は、上述した分類データベース6における薬品コードの検索処理で検索した薬品コードを含む薬品情報が、上記の薬品情報の登録処理を行うユーザエリアの薬品情報テーブルに登録されているか否かをMPU11が検索することを規定しており、具体的な検索処理の内容は、同じ成分を含む薬品を探し出す処理における薬品情報の検索処理と同様である。
さらにまた、サーバプログラム21が規定する電子メールの送信処理として、上記の非推奨分類コードの検索処理からユーザエリアの薬品情報の検索処理を経て最終的に薬品情報が検索されると、今回処方された薬品(今回、登録処理を行う薬品情報に係る薬品)と飲み合わせることが推奨されない薬品が今までに処方された中にある旨を記した電子メールを生成し(図18(b)参照)、上記と同様の電子メールアドレス宛に、MPU11は通信インタフェース12を用いて送信する制御処理を行う。
最後に、サーバプログラム21が規定するユーザデータベース8の構築処理について説明する。図11(b)に示すページ画面31を経て、新たに登録するユーザの情報がユーザ端末の固有ID等と共にサーバ装置10へ送信されてくると、MPU11は、新たなユーザIDを発行すると共に、新たなユーザエリアをユーザデータベース8内に設ける処理を行う。そして、MPU11は、新たに設けたユーザエリアに、送信されてきた各情報及びユーザIDをユーザ情報として登録する処理を行う。このように一旦ユーザエリアが設けられると、後は、ユーザが登録を希望する薬品情報が、薬品情報テーブルとして随時登録(蓄積)されていくことになる。なお、薬品情報テーブルに登録されている薬品情報の登録の状況は、図9に示すようなイメージであり、このように登録されている内容の一覧は、図11(a)に示すトップページのページ画面30でログイン操作を行うことで、入力されたパスワード及びユーザIDに一致するユーザ情報に応じた薬品情報テーブルが読み出されて、図13(b)に示すようなページ画面34に応じたページ画面データがアクセス元のユーザ端末へ送信されて、ユーザ自身で登録一覧を確認できる。
図14〜図17に示す第1〜第4フローチャートは、登録ユーザがユーザ端末である携帯電話機50で図2に示す薬剤情報の用紙Sに含まれる二次元コードを撮影することで開始される薬品情報サーバシステム1(サーバ装置10)に関する一連の処理手順を整理したものである。以下、薬品情報サーバシステム1の処理内容(薬品情報提供方法の内容)を第1〜第4フローチャートに従って説明する。
先ず、図11の第1フローチャートにおいて、携帯電話機50は、調剤薬局でユーザに渡された薬剤情報の用紙Sに印刷された二次元コード(図2参照)を、ユーザが携帯電話機50の二次元コードプログラム66に基づく撮影機能を用いて撮影されたか否かを判断する(S1)。まだ、撮影されていない場合は(S1:NO)、撮影待ちの状態となり、撮影された場合(S1:YES)、携帯電話機50は、撮影した二次元コードに含まれるURLを読み出して、そのURL宛に薬品情報サーバシステム1のサーバ装置10へアクセスする(S2)。なお、このアクセスにおいては、二次元コードに含まれるURLがサーバ装置10へ送られることになる。
サーバ装置10は、アクセスに用いられたURLに応じて登録されている薬品情報を薬品情報データベース2から読み出して、図12のページ画面32のように、薬品情報を含むページ画面データ(薬品情報画面)を生成して、アクセス元の携帯電話機50へ送信する(S3)。携帯電話機50は、ページ画面データを受信すると、図12に示すような薬品情報を含むページ画面32を表示し(S4)、表示した薬品情報を登録するための指示がユーザから出されたか否か(YESボタン32b又はNOボタン32cのいずれの選択操作があるか)を判断する(S5)。
薬品情報の登録指示が出されなかった(NOボタン32cの選択操作があった)場合(S5:NO)、この段階で携帯電話機50及びサーバ装置10は処理を終了する。なお、この場合は、S4の段階で表示された薬品情報は、ユーザの意志を反映してユーザデータベース8内のユーザエリアの薬品情報テーブルに登録されない。
また、薬品情報の登録指示が出された(YESボタン32bの選択操作があった)場合(S5:YES)、携帯電話機50は、薬品情報の登録指示をサーバ装置10へ送信する(S6)。それに対して、サーバ装置10は、図11(a)に示すログイン用のページ画面30のページ画面データ(ログイン画面)を携帯電話機50へ送信する(S7)。携帯電話機50は、ページ画面データを受信して、図11(a)のページ画面30を表示し、そのページ画面30でのユーザによる所要の入力操作及びログインボタン30cの操作を経て、入力されたパスワード及びユーザIDをサーバ装置10へ送信する(S8)。
サーバ装置10は、パスワード及びユーザIDを受信すると、受信したパスワード及びユーザIDに一致するものがユーザデータベース8に登録されているユーザ情報の中にあるか否かを検索する(S9)。検索の結果、一致するものがユーザ情報の中にない場合(S9:NO)、サーバ装置10は、図13(a)に示すパスワード及びユーザIDが一致しない旨を記したページ画面33のページ画面データを携帯電話機50へ送信する(S10)。この送信により、携帯電話機50では、図13(a)のページ画面33が表示されることになる(S13)。なお、携帯電話機50でページ画面33の表示後、終了ボタン33aの選択操作が行われた場合は一連の処理が終了し、戻るボタン33bの選択操作が行われた場合は、再度S7以降の段階に戻って、パスワード及びユーザIDを再入力することになる。
一方、ユーザ情報の中に、パスワード及びユーザIDが一致するものがあった場合(S9:YES)、サーバ装置10は、一致したユーザ情報を含むユーザエリアの薬品情報テーブルへ、上述したS3の段階で薬品情報データベース2から読み出した薬品情報(提供した薬品情報に相当)を、登録日と共に登録する(S11)。さらに、サーバ装置10は、新たな薬品情報を登録した後の状態の薬品情報テーブルの中から登録日、薬名及びフラグの状態を読み出して、図13(b)に示すような登録一覧34aを含むページ画面34のページ画面データ(登録一覧画面)を生成して、携帯電話機50へ送信する(S12)。その結果、携帯電話機50では、図13(b)に示すようなページ画面34が表示され(S13)、それにより、ユーザは、新たな薬品情報が登録されたことを確認できると共に、今までに処方された薬品の名称及び登録日等も同時に確認できる。以上に示す処理で、薬品情報の登録処理は完了する。
図15に示す第2フローチャートは、ユーザエリアの薬品情報テーブルに登録されている薬品情報に対するフラグ設定の処理手順を示している。この第2フローチャートは、上述した第1フローチャートのS12及びS13の処理段階、又は図11(a)のページ画面30におけるログイン処理を経て、図13(b)に示すページ画面34がユーザの携帯電話機50で表示された状態で処理が始まるものとする。
まず、携帯電話機50は、ページ画面34において薬名(薬品情報)に対して検索対象の指定に係る「ON」又は「OFF」の設定を受け付けた状態で、設定ボタン34bの選択操作を受け付けたか否かを判断する(S15)。設定ボタン34bの選択操作を受け付けていない場合(S15:NO)、操作待ちの状態となり、設定ボタン34bの選択操作を受け付けた場合(S15:YES)、携帯電話機50は、設定欄t1〜t11等で設定された薬品情報(薬名)ごとのON又はOFFの指定状態を識別する情報をサーバ装置10へ送信する(S16)。サーバ装置10は、携帯電話機50からの情報を受信して受け付けると、受け付けた情報が表す薬品情報ごとのON又はOFFの状態に合わせて、薬品情報テーブルのフラグを「1」又は「0」に設定登録する(S17)。このような第2フローチャートの処理により、検索対象となる薬品情報の数をユーザの指定に基づき絞ることができる。
図16、17に示す第3、第4フローチャートは、図14の第1フローチャートにおけるS9の段階でYESになった場合の処理(薬品情報データベース2から提供された薬品情報をユーザエリアの薬品情報テーブルに登録する場合の処理)を示すものであり、まず、第3フローチャートに示す処理手順が、S9の段階でYESになると自動的に開始される。なお、第3、第4フローチャートの処理(薬品情報提供方法の処理)は、第1フローチャートのS11の段階における薬品情報登録の処理が行われる前の状態の薬品情報テーブルに対して薬品情報の検索が行われるものとする。
図16の第2フローチャートに示す処理が開始されると、まず、サーバ装置10は、図5(b)の成分データベース3′から、図14の第1フローチャートのS3、4の段階を経てユーザに提供された薬品情報に含まれる薬品コードに対応付けられる成分コードを検索する(S21)。次に、サーバ装置10は、S21の検索処理で該当した成分コードに対応付けられた薬品コードを、図5(a)の成分データベース3から検索する(S22)。それからサーバ装置10は、S22の検索処理で該当した薬品コード(検索キーに相当)を含む薬品情報が、第1フローチャートのS9の段階でパスワード及びユーザIDが一致したユーザ情報を含むユーザエリアの薬品情報テーブルにおいて、フラグが「1」になっている登録済みの薬品情報の中にあるか否かを検索する(S23)。
検索の結果、薬品情報テーブルの中に、検索キーとなる薬品コードを含む薬品情報が薬品情報テーブルの中に登録されていた場合(S23:YES)、サーバ装置10は、今回の処方薬と同じ成分を含む薬品が過去に処方されている旨を記した電子メール35(図18(a)参照)を生成し、その電子メール35を、今回の薬品情報の登録先となるユーザエリアのユーザ情報(第1フローチャートのS11の段階で登録先となる薬品情報テーブルと同じユーザエリアに含まれるユーザ情報)に含まれる電子メールアドレス宛に送信(携帯電話機50へ送信)する(S24)。なお、S24の段階の処理の終了後は、図17に示す第4フローチャートの処理に進むことになる。また、検索の結果、検索キーとなる薬品コードを含む薬品情報が薬品情報テーブルの中に登録されていなかった場合(S23:NO)、サーバ装置10が電子メールの送信処理を行うことなく、図17の第4フローチャートで示す処理段階へ進む。
図17の第4フローチャートに示す処理が開始されると、サーバ装置10は、図7の非推奨データベース5から、図14の第1フローチャートのS3、4の段階を経てユーザに提供された薬品情報に含まれる薬品コードに対応付けられる非推奨分類コードを検索する(S31)。次に、サーバ装置10は、S31の検索処理で該当した非推奨分類コードに対応付けられた薬品コードを、図8(a)の分類データベース6から検索する(S32)。それからサーバ装置10は、S32の検索処理で該当した薬品コード(検索キーに相当)を含む薬品情報が、第1フローチャートのS9の段階でパスワード及びユーザIDが一致したユーザ情報を含むユーザエリアの薬品情報テーブルにおいて、フラグが「1」になっている登録済みの薬品情報の中にあるか否かを検索する(S33)。
検索の結果、薬品情報テーブルの中に、検索キーとなる薬品コードを含む薬品情報が薬品情報テーブルの中に登録されていた場合(S33:YES)、サーバ装置10は、今回の処方薬と飲み合わせが推奨されない薬品が過去に処方されている旨を記した電子メール35(図18(b)参照)を生成し、その電子メール36を、今回の薬品情報の登録先となるユーザエリアのユーザ情報(第1フローチャートのS11の段階で登録先となる薬品情報テーブルと同じユーザエリアに含まれるユーザ情報)に含まれる電子メールアドレス宛に送信(携帯電話機50へ送信)する(S34)。この電子メールの送信処理の後、または、検索の結果、検索キーとなる薬品コードを含む薬品情報が薬品情報テーブルの中に登録されていなかった場合(S33:NO)、サーバ装置10は処理を終了する。
一方、携帯電話機50は、第3フローチャートのS24の段階又は第4フローチャートのS34の段階で、サーバ装置10から送信されてくる電子メールを受信する(S35)。よって、ユーザは受信した電子メールを表示して確認することで、今回、新たに処方された薬品に関して様々な事項を確認・チェックできる。
すなわち、第3フローチャートにおけるS24の段階で送信された電子メール35をユーザが確認することで、今回処方された薬品と同じ成分を含む薬品が過去に処方されていることを容易に知ることができ、それに伴い、同等薬品の服用が所要量を超えるか、同等薬品の処方の停止、又は同等薬品を削減することによる医薬品費用の削減等について、医師又は薬剤師に相談できる資料をユーザ自身が持つことができる。
また、第4フローチャートにおけるS34の段階で送信された電子メール36をユーザが確認することで、今回、新たに処方された薬品と飲み合わせることが推奨されない薬品が、過去に処方されていることを容易に知ることができる。それにより、ユーザは、いわゆる禁忌投薬の生じるおそれを未然にチェックでき、それについて医師又は薬剤師に相談する機会を持つことができる。
特に本発明では、図16の第3フローチャートのS21の段階で、今回処方された薬品に含まれる成分に応じた成分コードを検索し、その検索に該当した成分コードに含まれる薬品コードをS22の段階で検索し、その検索に該当した薬品コードを含む薬品情報をS23の段階でユーザエリアの薬品情報テーブルから検索するので、処方された薬品が、先発医薬品とジェネリック医薬品のような後発医薬品が存在する種類のものであっても、同一成分を含む薬品の重複服用を確実にチェックできる。また、本発明では、図17の第3フローチャートのS31の段階で、今回処方された薬品と飲み合わせが推奨されない薬品(相互作用がある薬品)が属する分類に応じた非推奨分類コードを検索し、その検索に該当した非推奨分類コードの分類に属する薬品の薬品コードをS32の段階で検索し、その検索に該当した薬品コードを含む薬品情報をS33の段階でユーザエリアの薬品情報テーブルから検索するので、処方された薬品が、先発医薬品とジェネリック医薬品のような後発医薬品が存在する種類のものであっても、相互作用のある薬品と重複して服用するおそれがあるかを確実にチェックできる。なお、このようなチェックを確実に行えるようにするためには、新たなジェネリック医薬品をユーザが入手可能になる時期にあわせて、各データベース2〜7を適宜更新することが重要となる。
また、上述したように処方された薬品に関する薬品情報を登録した後であれば、ユーザは自身の薬品情報テーブルに登録されている一覧を、ウェブページを通じて、いつもで確認することができる。具体的には、図11(a)に示すトップページのページ画面30にアクセスし、パスワード及びユーザIDを入力してログイン操作を行うことで、アクセス元のユーザの端末(携帯電話機)へは、図13(b)に示すページ画面34のページ画面データがサーバ装置10から送信される。そのため、ユーザは、自身の端末(携帯電話機)に、図13(b)のページ画面34を表示することで、自分で過去の処方薬歴を確認できると共に、診療の際などに医師又は薬剤師等に見せることで、診断等に役立てることもできる。
なお、本発明は上述した内容に限定されるものではなく、様々な変形例が考えられる。例えば、二次元コードの撮影により薬品情報を登録する際は、携帯電話機50の固有IDを伴って、サーバ装置10へアクセスすることで、パスワード及びユーザIDの入力操作等を省略して、直ちに、新たな薬品情報をユーザエリアの薬品情報テーブルへ登録するようにしてもよい。この場合は、図14の第1フローチャートで、S6〜S9の段階を省略できると共に、S9の段階の替わりに、送信されてきた携帯電話機50の固有IDがユーザエリアのユーザ情報に含まれるか否かを判断し、その判断結果により、登録先のユーザエリアを特定することになる。また、さらにユーザの操作負担を低減する場合は、図12に示すページ画面32からYESボタン32b及びNOボタン32cを省略すると共に、図14の第1フローチャートにおいて、登録指示の有無を判断する処理段階(S5)も省略して、撮影した二次元コードに含まれるURLを送信すれば、自動的に薬品情報が必ず登録される仕様にすることも可能である。
一方、自身の薬品情報テーブルの一覧を確認する場合、上述した説明では、ウェブページを通じて行うようにしているが、電子メールを通じて行うことも可能である。この場合は、ユーザは、ユーザ端末(携帯電話機)を用いてサーバ装置10へ、いわゆる空メール(本文の無い電子メール)を送信する。サーバ装置10は、空メールを受信すると、その送信元の電子メールアドレスを参照して、ユーザを特定し、特定したユーザのユーザエリアに登録されている薬品情報テーブルを読み出すと共に、読み出した薬品情報テーブルを含む電子メールを生成し、その電子メールを、参照した上記の電子メールアドレス宛に送信することで、薬品情報テーブルの一覧確認を電子メールベースで行うことも可能になる。
さらに、カメラ付き携帯電話機を所有しない人のために、ユーザIDが付与されたユーザが、自己のユーザエリア内に、そのような人のための記憶エリアを設定して、そのような人用の薬品情報を蓄える仕様にすることも可能である。例えば、ユーザIDが付与されたユーザの母親及び子供の分の薬品情報をユーザエリア内に蓄える場合は、サーバ装置10が提供するサブユーザエリアの設定メニュー画面等で、母親用エリア及び子供用エリアを予め設定しておく。このようにサブユーザエリアを設定した場合、サーバ装置10は、薬品情報の登録処理を行う段階(例えば、図14の第1フローチャートにおける「S9:YES」の後の段階)で、登録先をユーザ自身、母親又は子供のいずれにするかを選択する選択メニュー画面をユーザ端末(携帯電話機)へ送信することになる。
ユーザは、この選択メニュー画面で、ユーザ自身を選択すれば、登録対象の薬品情報は自己の薬品情報テーブルに登録されることになる。また、選択メニュー画面で、母親を選択すれば、登録対象の薬品情報は母親用ユーザエリアに含まれる母親用の薬品情報テーブルに登録されることになる。さらに、選択メニュー画面で、子供を選択すれば、登録対象の薬品情報は子供用ユーザエリアに含まれる子供用の薬品情報テーブルに登録されることになる。このようにユーザ自身以外のサブユーザエリアを設けることで、一つのユーザIDに対して複数人の薬品情報を個別に登録・管理することも可能になり、本発明の有用性を一段と高めることができる。
さらにまた、図16の第3フローチャートにおけるS23の処理段階で、薬品情報テーブルの中に同じ成分を含む薬品情報があった場合(S23:YES)、サーバ装置は、検索に用いた薬品コードを含む薬品情報及び検索に該当した薬品情報について、他の薬品情報と区別するための区別用フラグを立てるなどして薬品情報テーブルへの登録を行い、ユーザの要求に応じて図13(b)に示すような登録一覧34aを含むページ画面34を生成する際、登録一覧34aにおいて、区別した薬品情報の薬名を配置する欄の背景色を他と変えるようにしてもよい。このようにすれば、ユーザ端末(携帯電話機)でページ画面34を表示する際、一目で同等薬品を見つけることができ、ジェネリック医薬品のように薬名が異なっていても同等薬品を登録一覧34aの中から容易に見つけることができ、医師又は薬剤師等の判断時に役立てることができる。
なお、上述したセルの背景色を他と変える表示形態は、図17の第4フローチャートにおけるS33の処理段階で、薬品情報テーブルの中に同一の組合せあった場合にも適用でき、図13(b)に示すような登録一覧34aを含むページ画面34を生成する際、登録一覧34aにおいて、飲み合わせが推奨されない薬品同士の薬名を配置する欄の背景色を他と変えるようにすれば、飲み合わせが推奨されない薬品の組合せを、多くの中から一目で見分けることができる。
また、上述した実施形態では、ユーザデータベース8の各ユーザエリアU1、U2等に記憶される薬品情報テーブルU1b、U2b等に登録されている薬品情報の中で検索対象にするものには、「1」のフラグを設定するようにしているが、このようにフラグで検索対象を絞り込む替わりに、薬品情報テーブルU1b、U2b等へ登録する薬品情報に係る薬品の服用期間を用いて、検索対象を絞り込むことも可能である。
服用期間を用いる具体的な内容は以下の通りである。まず、図2に示す用紙Sを調剤薬局等で印刷する際、その用紙Sに印刷する二次元コードC1、C2、C3等に、薬品情報ページのURLに加えて服用期間も含ませて、ユーザ端末(例えば、携帯電話機50)からサーバ装置10へ服用期間(服用期間を示す情報)も送信する。この場合、調剤薬局等に設置するパーソナルコンピュータが二次元コード生成用のソフトウエアと、各薬品に応じた薬品情報の登録先となる薬品情報ページのURLを登録したURLデータベースとを利用できる環境にしておき、処方箋に記載された薬品名から、上記のURLデータベースを利用して処方される薬品に応じたURLを特定すると共に、処方箋に記載された内容から服用期間を特定し、これら特定したURLと服用期間を含む二次元コードを、上記の二次元コード生成用のソフトウエアで生成することになる。このように二次元コードを生成した後は、上記と同様な処理を行うことで、図2に示すような用紙Sを調剤薬局等で印刷することになる。
また、ユーザは、用紙Sに印刷された二次元コードを携帯電話機50の撮影機能等を利用することで、サーバ装置10へ送信し、それによりサーバ装置10へは、アクセスに係る薬品情報のURL及び服用期間と云う2種類の情報を受け付けることになる。その後、サーバ装置10は、受け付けたURLに応じたアクセスに係る薬品情報を、図14の第1フローチャートにおけるS11の段階でユーザエリアの薬品情報テーブルに登録する際、その薬品情報に対応づけて、受け付けた服用期間も登録する処理を行う。
図19は、上述したような処理を経て登録された服用期間を含む変形例の薬品情報テーブルU1b′を示している。この変形例の薬品情報テーブルU1b′に対して、図16の第3フローチャートのS23の段階又は図17の第4フローチャートのS33の段階で薬品情報テーブルU1b′に対して薬品情報の登録の有無を検索する際、図14の第1フローチャートのS11の段階で薬品情報の登録を行う際、登録日(登録に係る日)が、各薬品情報に対応付けられた服用期間に応じた期間に含まれる薬品情報を特定する処理をサーバ装置10のMPU11が行うことになる。
例えば、新たな薬品情報の登録を行う日(登録日)が、2008年11月21日とした場合、図19の薬品情報テーブルU1b′に登録されている各薬品情報に対応付けられている服用期間は全て5日分であることから、登録日が2008年11月20日である各薬品情報の服用に係る期間(服用期間に応じた期間に相当)は、2008年11月20日〜2008年11月24日になることをMPU11は算出する。以下同様に、登録日が2008年11月18日である各薬品情報の服用に係る期間は、2008年11月18日〜2008年11月22日になり、登録日が2008年10月31日である各薬品情報の服用に係る期間は、2008年10月31日〜2008年11月4日になることをMPU11が算出する。ここで、「服用期間に応じた期間」とは、検索される対象の薬品情報の登録された日を含めて服用期間に応じた期間(日数)を起算した期間に相当する。なお、ある程度の安全を確保して「服用機関に応じた機関」を求める仕様にすることも可能であり、このときの服用期間の末日は、検索される対象の薬品情報の登録された日の次の日から服用期間に応じた期間(日数)を起算してもよい。この場合、登録日が2008年11月20日である各薬品情報の服用に係る期間(服用期間に応じた期間に相当)は、上述した場合より1日延びて、2008年11月20日〜2008年11月25日になることが算出され、同様に、登録日が2008年11月18日である各薬品情報の服用に係る期間は、2008年11月18日〜2008年11月23日になる。
そして、これらの算出した各期間に、新たな薬品情報の登録日である2008年11月21日が含まれるか否かをMPU11が判断することになる。具体的に上述した最初の例で説明すると、新たに登録される薬品情報の登録日の2008年11月21日が、2008年11月20日〜2008年11月24日の期間と、2008年11月18日〜2008年11月22日の期間に含まれることをMPU11は判断するが、2008年10月31日〜2008年11月4日の期間には含まれないことを判断する。
このような判断結果から、サーバ装置10のMPU11は、図19の薬品情報テーブルU1b′において、登録日2008年10月31日を含んだ日から前の期間に登録された薬品情報は検索対象から外し、2008年11月18日以降の薬品情報だけを検索対象にすることを特定し、この検索対象にした薬品情報に対して図16の第3フローチャートのS23の段階又は図17の第4フローチャートのS33の段階における処理を行うことになる。このような変形例を採用することで、登録されている薬品情報を検索対象にするか否かを、実際の服用期間に合わせて自動的に絞り込むことができるので、図13(b)に示すようにユーザが検索対象の設定を行う場合に比べて、ユーザの操作負担を低減できると共に、実際的に重複服用等が起こり得る期間において確実なチェックを行えるメリットがある。
なお、上述した変形例では、二次元コードにURL及び服用期間を含ませているが、さらに薬品をユーザに渡す処方日(二次元コードを用紙Sの印刷する日に相当)も二次元コードに含ませるようにして、この処方日も服用期間と同様に、薬品情報テーブルに登録し、上述した服用期間に応じた期間を、処方日からの期間として計算してもよい。このようにすることで、薬品情報をユーザの薬品情報テーブルへ登録する日が処方日から遅れた場合でも、実際にユーザが薬品を服用する期間に合わせて、同一成分を含む薬品の重複服用又は相互作用のある薬品の服用等をチェックできる。
なお、上述した服用期間を用いる処理は、二次元コードに服用期間を示す情報を含ませる替わりに、図4に示す薬品情報データベース2に、薬品に係る標準的な服用期間を、その薬品の薬品情報に含ませて登録しておき、この薬品情報データベース2に含まれる服用期間(標準的な服用期間)を、上記の二次元コードに含ませる場合と同様に用いることで、服用期間をベースとした検索対象の絞り込みを行うことも可能である。
また、薬品情報テーブルに登録されている薬品情報の数が少ないなどの理由により検索対象の絞り込みが不要な場合は、図13(b)に示す検索対象の設定又は上述した服用期間に係る処理を省略して、薬品情報テーブルに登録されている全ての薬品情報を検索対象にして検索処理を行ってもよい。さらに、本発明を限られた分類の薬品等にのみ適用する場合などには、扱う薬品情報の数が少なくなるので、成分データベース3、3′、非推奨データベース5、及び分類データベース6の替わりに、薬品の薬名同士を直接的に登録したデータベースを構築し、このようなデータベースを用いて各種検索処理を行うようにしてもよい。