図1は、本発明の第1実施形態(実施例1)に係る医薬品名称特定システム1の一例を含む全体的なシステム構成を示す概略図である。医薬品名称特定システム1は、システム側のサーバ装置10及びユーザ側の端末装置30により構成されている。これらのサーバ装置10及び端末装置30が協働して各種処理を行うことで、本実施形態ではクラウド(クラウド装置4)に保存されたビッグデータ5を処理対象にして、そのビッグデータ5に記憶される多数の独自名称のそれぞれに対する通用名称の候補を特定し、その特定した候補等を含む結果をユーザへ提示するサービスを行っている。
サーバ装置10と端末装置30はネットワークNWにより通信可能になっていると共に、サーバ装置10は、クラウドに保存されたビッグデータ5へ通信網を通じてアクセス可能になっている。なお、図1では、医薬品名称特定システム1を概要的に説明するため、ユーザ側の端末装置30を一台のみ示すが、実際には、多数のユーザにより、多数の端末装置30がネットワークNWに接続されて、サーバ装置10へアクセスできるようになっているものとする。それにより、多数のユーザが本発明に係るサービスの提供を受けられるようになっている。
また、ビッグデータ5を保存するクラウドは、ネットワーク上に存在するクラウド装置4に応じたシステムにより構築されており、このようなクラウドシステムは周知であるため、クラウド(クラウド装置4)に関する説明は省略する。なお、ビッグデータ5及びクラウド装置4は、医薬品名称特定システム1の構成には含まれておらず、単に、医薬品名称特定システム1の検索対象(処理対象)になるものである。
ビッグデータ5には、医療機関(病院、診療所、薬局など)が様々な医薬品に付した独自の名称(独自名称)が多数記憶されている。本実施形態では、端末装置30のユーザの操作指示に応じて、ビッグデータ5の中から、検索処理により複数の独自名称を抽出し、抽出した各独自名称に対応する通称名称の候補をそれぞれ特定して、ユーザが独自名称に対する正しい通称名称を効率的に選べるようにしている。それにより、医療機関で実際に使用される医薬品の調査等を行いやすくするのに貢献できる。
本実施形態では、処理対象を基本的にビッグデータ5にして説明を行うが、医薬品名称特定システム1の処理対象は、クラウドのビッグデータ5以外にも、サーバ装置10がアクセスできるものであれば、処理対象にすることが可能であり、処理対象になり得るものはユーザにより選択可能となっている(ネットワークに接続されたストレージ装置に記憶されたファイル等も処理対象として選択可能)。なお、処理対象となるビッグデータやファイル等には、医療機関が医薬品へ独自に付した独自名称が複数含まれているものとし、そのため、このような処理対象となるビッグデータやファイル等が、複数の独自名称を含む名称群に該当する。
また、本発明における通用名称とは、医薬品に対して広く一般的に使用されている名称(一般的名称)を意味し、具体的には、医薬品の告示名称、販売名(商品名と表現することもあり)、レセプト電算処理システム医薬品名、薬価基準収載医薬品名などが該当する。本実施形態では、独自名称に対する通称名称の候補として、これらの中で、告示名称、販売名、レセプト電算処理システム医薬品名を特定するものになっているが、仕様等によっては、薬価基準収載医薬品名を含めることも勿論可能である。告示名称、販売名、レセプト電算処理システム医薬品名は、同一の医薬品について、基本的に異なる表記の名称になるが、上述したように、いずれか二つ又は全てが同じ表記になっているものもあり、二つの名称が同じ例として、販売名のアムロジピンOD錠2.5mg「トーワ」は、レセプト電算処理システム医薬品名も同じ名称表記になっている。
なお、本実施形態では、医薬品名称特定システム1によるサービスを受けるにはユーザ登録が必要になっており、ユーザは、名前、電話番号、メールアドレス及び生年月日等のユーザ情報を医薬品名称特定システム1のサーバ装置10へ送ることで、ユーザ登録が行われ、ユーザを識別するユーザIDが発行される。
図2は、ビッグデータ5に記憶される多様な独自名称の例に係る一部の一覧を示す。図2に示すように、ビッグデータ5には複数の独自名称が記憶されており、これら独自名称は図2に示すように、医療機関の使い勝手に応じて独自に付された名称になっている。例えば、「・ウブレチド錠5mg(排尿困難)」や、「セトロタイド注射用0.25mg・自費」等の名称がある。
このような独自名称は、全ての部分が独自の表記ではなく、通用名称の主要名称部分(名称キーワードと称す)をベースにしたもの、医薬品の成分を示す名称(成分名ワードと称す)をベースにしたものがあり、これらのベースとなるワード(名称キーワード又は成分名ワード)に、医薬品の特性等に応じた略号的なアルファベット表記(例えば、「口腔内崩壊(Orally Disintegration)」を意味するOD、ビタミンEを意味するE、「高用量(High Dose)」を意味するHDなど)、医薬品の剤形を示す表記(例えば、錠、液、細粒、テープなど)、医薬品の内容量又は分量等を示す数値表記(例えば、5、60、1、0.25など)、医薬品の内容量又は分量等の単位表記(例えば、mg、%、mLなど)、医薬品に関する注意又は参照等の表記(例えば、禁運転、排尿困難、自費など)等の付記的な情報を適宜、組み合わせて独自名称は、医療機関により作成されている。
よって、本発明における名称キーワードとは、具体的には医薬品の通用名称から、剤形、規格、単位、屋号、記号などの付記的な情報を除いた主要名称部分(成分名称、商品名称、一般的名称等の医薬品を識別する特徴的な名称部分)が該当し、また、本発明における成分名ワードとは、医薬品の通用名称における成分名称を表す部分が該当し、さらに、分解ワードとは、医薬品の通用名称の中から、成分名称、商品名称、一般的名称といった主要名称部分を除いた剤形、規格、単位、屋号、記号などを個々に表す表記部分が該当する。
なお、図2は、ビッグデータ5に記憶される情報の一部を示すに留まり、ビッグデータ5には、独自名称の他に、雑多の他の様々な情報及びデータ等も記憶されていることが一般的である。そのため、ビッグデータ5に記憶される各独自名称に対応する通用名称の候補を特定するには、まず、ビッグデータ5の中から独自名称を抽出することが必要になる。
図3は、医薬品名称特定システム1の中のサーバ装置10に関する主要構成を示したブロック図である。本実施形態のサーバ装置3は、一般的なサーバコンピュータを適用したものになっており、本発明の主要な処理を行う処理装置に該当する。なお、本発明に係る処理について分散処理等を行うことで、複数のサーバ装置及びデータベース装置等を組み合わせて、本実施形態に係る処理装置を構築することも可能である(このように複数の装置を組み合わせた場合でも、組み合わせた装置の構成全体が、本発明に係る処理装置に該当する)。
サーバ装置10は、全体的な制御及び各種処理を行うMPU10aに、各種デバイス等を内部接続線10hで接続したものになっており、各種デバイス等には、通信モジュール10b、RAM10c、ROM10d、入力インタフェース10e、出力インタフェース10f、及び記憶部10g等がある。
通信モジュール10bは、ネットワークNWとの接続モジュールに相当する通信デバイスであり、所要の通信規格に応じたものである(例えばLANモジュール)。通信モジュール10bは、所要の通信機器(図示は省略。例えばルータ等が該当)を介してネットワークNWと接続されており、クラウド装置4及び端末装置30等との通信を可能にする。RAM10cは、MPU10aの処理に伴う内容、ファイル等を一時的に記憶するものであり、ROM10dは、MPU10aの基本的な処理内容を規定したプログラム等を記憶する。
入力インタフェース10eは、サーバ装置10のシステム管理者等からの操作指示等を受け付けるキーボード、マウス等が接続されるものであり、システム管理者等による操作指示等を受け付けてMPU10aへ伝える処理を行う。出力インタフェース10fは、ディスプレイ(表示出力装置)が接続されるものであり、MPU10aの処理に伴う内容をディスプレイへ出力し、システム管理者等が現在の処理内容等を確認できるようにしている。
記憶部10gは、プログラム、及びデータベース等を記憶するものであり、本実施形態ではプログラムとして、サーバOSプログラム11及び名称特定プログラム12を記憶し、データベースとして、リンクデータベース13、ワードデータベース14、コードデータベース15、成分データベース16、ユーザデータベース17、及び画面データベース18等を記憶する。サーバ装置10(MPU10a)は、処理状況に応じて、記憶部10gに記憶された各データベース13~18へアクセスし、各データベースに格納されている情報に基づき各種処理を行う。例えば、通用名称の候補の特定等に係る処理の際、リンクデータベース13へMPU10aはアクセスし、ビッグデータ5から独自名称を検索する処理の際、ワードデータベース14へMPU10aはアクセスすることになる。
サーバOSプログラム11は、サーバ装置10のオペレーティングシステムに応じたプログラムであり、サーバコンピュータとして行うべき各種処理を規定したものになっている。名称特定プログラム12は、本発明に応じた各種処理を規定したコンピュータプログラムであり、MPU10aが名称特定プログラム12の規定する処理を各種手段(判定手段、特定手段、検索手段、候補特定手段、名称検索手段、識別情報特定手段等)として実行することになる。名称特定プログラム12の詳細は後で説明し、先に、各データベース13~18について説明する。
図4は、記憶部10gに記憶されるリンクデータベース13の中身の一部の例を示す。リンクデータベース13は、複数の医薬品について、通用名称欄13aに配置される通用名称と、その通用名称の名称キーワード(名称キーワード欄13bに配置される情報)と、その通用名称から主要名称部分(名称キーワード)を除いた部分を意味単位で分解した分解ワード(ワード欄13cに配置される情報)と、その通称名称の医薬品の成分を示す成分名ワード(成分名ワード欄13dに配置される情報)とを、通用名称ごとに対応付けて格納したレコードの集合体を示す内容になっている。このようなリンクデータベース13は、データベース13の製作会社等により予め作成されたものになっており、新たな医薬品が認可されて販売されることに応じて、リンクデータベース13の中身も適宜、更新される。
リンクデータベース13に記憶される通用名称としては、本実施形態の場合、上述した告示名称、販売名、レセプト電算処理システム医薬品名がある。これらの告示名称、販売名、レセプト電算処理システム医薬品名は、同一の医薬品に対してそれぞれ付されているので、リンクデータベースにおいても、同一の医薬品の通用名称として、告示名称、販売名、レセプト電算処理システム医薬品名の三種類が格納されると共に、これら三種類の名称は同一の医薬品ごとに、名称キーワード、複数の分解ワード、成分名ワードが、それぞれ対応付けて格納されたデータベース構成になっている。
リンクデータベース13の名称キーワード欄13bに記憶される名称キーワードは、上述した通用名称(告示名称、販売名、レセプト電算処理システム医薬品名)を構成する表記構成の中で、他の医薬品の種別と識別するための主要な名称部分に該当する。例えば、アムロジピンベシル酸塩2.5mg錠という通用名称(告示名称)の場合、アムロジピンベシルという部分が主要な名称部分として、名称キーワードに該当する。
リンクデータベース13のワード欄13cに記憶される分解ワードは、通用名称の中の名称キーワード以外の部分を、意味を構成する最小単位で複数に分けた情報に該当する。例えば、上述したアムロジピンベシル酸塩2.5mg錠という通用名称(告示名称)であれば、アムロジピンが名称キーワードに該当するので、そのアムロジピン以外として、ベシル酸塩2.5mg錠という部分が残る。このベシル酸塩2.5mg錠という部分について、意味を構成する最小単位(意味を把握できる最小単位)として、医薬品に関する性質を示すベシル酸塩、医薬品の内容量又は分量等を示す数値として2.5、医薬品の内容量又は分量等の単位としてmg、及び医薬品の形態を示す錠という各ワードに分解され、これらベシル酸塩、2.5、mg、錠が、それぞれ分解ワードに該当する。なお、意味を構成する最小単位としては、意味の考え方に応じて様々なパターンが存在するため、仕様等によっては、最小単位が変わることもあり、例えば、上述したベシル酸塩という分解ワードは、ベシル酸、及び塩というように二つの分解ワードに分けることも可能である。
また、(局)アムロジピン錠2.5mg「タイヨー」という通用名称(告示名称)であれば、アムロジピンが名称キーワードに該当し、そのアムロジピン以外の(局)及び錠2.5mg「タイヨー」という部分を意味単位(意味を示す最小単位)で分解した、(、局、)、錠、2.5、mg、「、タイヨー、」のそれぞれが分解ワードに該当する。なお、カッコの()は、本実施形態では最初の(、終わりの)の二つに分解し、同様にカギカッコの「」も最初の「と、おわりの」の二つに分解する。
また、リンクデータベース13に記憶される成分名ワードは、医薬品を構成する主な成分の名称を示す情報である。例えば、上述したアムロジピンベシル酸塩2.5mg錠という通用名称(告示名称)の医薬品は、アムロジピンを成分とすることから、アムロジピンが成分名ワードに該当する。また、(局)アムロジピン錠2.5mg「タイヨー」という通用名称(告示名称)の医薬品も、アムロジピンを成分とすることから、この場合も成分名ワードはアムロジピンになるが、このアムロジピンというワードは上述したように、通用名称に含まれて主要な名称部分にもなるので、名称キーワードにも該当している。よって、(局)アムロジピン錠2.5mg「タイヨー」の例のように、成分名ワードと名称キーワードが共通する名称も存在する。
なお、リンクデータベース13の中で、通用名称と、その通用名称の名称キーワードと、その通用名称の複数の分解ワードを対応付けて格納した部分が、医薬品名リンクデータベースに該当し、通用名称と、その通用名称の成分名ワードとを対応付けて格納した部分が、医薬品成分リンクデータベースに該当する。そのため、本実施形態のリンクデータベース13は、医薬品名リンクデータベース及び医薬品成分リンクデータベースを含むものになっている。
図5は、記憶部10gに記憶されるワードデータベース14の中身の一部の例を示す。ワードデータベース14は、上述したリンクデータベース13に格納されている複数の名称キーワード、複数の分解ワード、及び複数の成分名ワードのそれぞれを、重複することなく、名寄せして格納したものになっている。このように各キーワード、各ワードを重複することなく格納するのは、名称特定プログラム12が規定する処理(後述)の効率化を図るためである。ワードデータベース14は、上記のように分解ワードを格納することから分解ワードデータベースに該当すると共に、成分名ワードも格納することから成分名ワードデータベースにも該当し、そのため、ワードデータベース14は、分解ワードデータベース及び成分名ワードデータベースを含むものになっている。
これらの名称キーワード、分解ワード、及び成分名ワードは、ワードデータベース14の中でワードの種類ごとに区別して格納されているため、名称キーワードのみを読み出して処理に用いること、分解ワードのみを読み出して処理に用いること、又は、成分名ワードのみを読み出して処理に用いることが、それぞれ可能になっている。なお、このようなワードデータベース14も、上述したデータベース13の製作会社等により予め作成されたものになっており、新たな医薬品を認可されて販売されることに応じて、リンクデータベース13と連携して、ワードデータベース14の中身も適宜、更新される。
図6は、記憶部10gに記憶されるコードデータベース15の中身の一部の例を示す。コードデータベース15は、複数の医薬品について、通用名称と、その通用名称を識別するコード(識別情報、識別コード)とを対応付けて格納した識別情報データベースに該当する。本実施形態のコードデータベース15は、コードとして、HOTコード(基準番号)、薬価基準収載医薬品コード、YJコード(個別医薬品コード)、及びレセプト電算処理システム用コードに応じた計4種類のコードの情報を格納すると共に、通用名称として、これらコードにより識別される告示名称、販売名(商品名)、及びレセプト電算処理システム医薬品名に応じた各名称を、上述した各コードに対応付けて格納している。なお、図6は、13桁のHOTコード(HOT-13)を用いた例であり、データベース内容を簡潔に示すため、主に下4桁が0101のものを載せている(13桁のHOTコードは、下4桁で「調剤用番号(包装形態に応じた番号)」及び「物流用番号(包装単位に応じた番号)」を示し、同じ医薬品でも、包装形態又は包装単位が異なることで、0101、0102、0201、0202等の複数のパターンを有するものが存在する)。
図7は、記憶部10gに記憶される成分データベース16の中身の一部の例を示す。成分データベース16は、複数の医薬品のそれぞれについて、コード、通用名称、及び成分名(成分名ワード)を対応付けて格納したものになっており、データ構造的には、上述した図6のコードデータベース15に、成分名に応じた列を追加した構成になっている。図7に示す例では、コードとして、HOTコード(HOT-13)、薬価基準収載医薬品コード、YJコード(個別医薬品コード)、及びレセプト電算処理システム用コードの4種類を含んでおり、この図7でも、HOTコードについては、上述した図6の場合と同様、主に下4桁が0101のものを載せている。また、図7に示す例では、通用名称として、告示名称、販売名、及びレセプト電算処理システム医薬品名の3種類を含んでいる。
上記のような成分データベース16を用いれば、ある成分名(成分名ワード)に対応するコード、又は通用名称を特定すること、あるコード(例えば、上記の4種類のコードの中の一つ)に対応する成分名ワードを特定すること、ある通用名称(例えば、上記の3種類の名称の中の一つ)に対応する成分名ワードを特定すること等が可能となる。なお、上述した図6に示すコードデータベース15及び図7に示す成分データベース16も、リンクデータベース13及びワードデータベース14と同様に、新たな医薬品が認可されて販売されることに応じて、データベースの中身が適宜、更新される。
記憶部10gに記憶されるユーザデータベース17は、ユーザIDごとに登録ユーザに関するユーザ情報(名前、電話番号、メールアドレス、生年月日、パスワード等)を格納するものであり、ユーザ認証等の際、ユーザデータベース17に格納される情報が確認される。なお、本実施形態の場合、医薬品名称特定システム1へログインするためのログインIDにはメールアドレスを用いるようにしている。
また、記憶部10gに記憶される画面データベース18は、サーバ装置10へアクセスしてきた端末装置30で表示させる画面内容(図16、17等参照)に応じた各種画面データを格納したものである。サーバ装置10は、処理の過程に応じた画面データを画面データベース18から読み出すと共に、所定の内容に画面データを加工生成して、端末装置30へ送信することになる。
次に、記憶部10gに記憶される名称特定プログラム12が規定する各処理について説明する。名称特定プログラム12が規定するMPU10aに実行させる主な処理としては、ユーザ認証処理、名称キーワードに基づく通称名称の候補特定処理、及び成分名ワードに基づく通用名称の候補特定処理がある。
まず、ユーザ認証処理として、名称特定プログラム12は、アクセス元の端末装置30からユーザID及びパスワードを含むログイン情報をサーバ装置10が受信すると、受信したユーザID及びパスワードがユーザデータベース17に格納されているかをMPU10aは判断する。
送られてきたユーザID及びパスワードが、ユーザデータベース17に格納されていないことが判明した場合、ログイン不可となり、MPU10aは、ログイン不可の通知を、アクセス元の端末装置30へ送信する。一方、ユーザID及びパスワードが格納されている場合は、アクセスのあった端末装置30のユーザがログイン中になったことをRAM10cに記憶すると共に、図16(b)に示す検索対象設定画面41に応じた画面データを画面データベース18から読み出して、ログイン完了通知と共に、アクセス元の端末装置30へ送信する処理をMPU10aが行う。なお、送信する検索対象設定画面41に応じた画面データには、その時点で処理対象となり得るビッグデータやファイル等が選択可能に含まれており、サーバ装置10から処理対象を送るようにすることで、処理対象にできるビッグデータやファイル等の候補をサーバ装置10側で管理して、適宜、更新できるメリットがある。
そして、ログイン完了通知等の送信に応じて、アクセス元の端末装置30から、検索処理対象(処理対象)を指定した検索指示の通知をサーバ装置10が受信すると、サーバ装置10(MPU10a)は、名称特定プログラム12の規定に従って、名称キーワード及び成分名ワードに基づく通用名称の候補特定処理を実行する。なお、以下では、検索設定対象として、クラウド(クラウド装置4)に保存されたビッグデータ5が通知された場合で説明を行う。
まず、名称キーワードに基づく通用名称の候補特定処理として、サーバ装置10は、検索設定対象(処理対象)として通知されたビッグデータ5にアクセスし、ワードデータベース14に格納された複数の名称キーワードのそれぞれを用いてビッグデータ5を検索する処理を行い、ビッグデータ5から、名称キーワードを含む独自名称を検索(抽出)する処理をMPU10aは行う。なお、この際、ワードデータベース14に格納される各名称キーワードに重複はないので、異なる内容の複数の名称キーワードを順次、用いて検索処理が行われる。また、MPU10aは、独自名称の検索でヒットした際に用いた名称キーワードを、後の処理(マッチングテーブル生成の処理)で用いることから、RAM10cに、検索(抽出)した独自名称と対応付けて一時的に記憶しておく。
そして、抽出した各独自名称のそれぞれに対して、ワードデータベース14に格納された複数の分解ワードのいずれかが含まれるかをMPU10aは判定する処理を行う(ワードデータベース14に格納された複数の分解ワードに基づき判定する)。例えば、アムロジピンという名称キーワードにより、アムロジピン錠2.5mgという独自名称がビッグデータ5から抽出されていたとすると、この判断処理において、この独自名称には、錠、2.5、mgという計3つの分解ワードが含まれると判定されることになる。なお、この判定処理で用いられるワードデータベース14に格納される分解ワードにも重複するものが無いので、対称となる独自名称に分解ワードが含まれる数を誤って複数回カウントするような事態も発生せず、効率的に判定処理を進められる。
また、MPU10aは、この判断で独自名称に含まれると判定された分解ワードも、後の処理で用いることから、上記の検索(抽出)処理で、RAM10cに一時的に記憶していた独自名称に、検索に用いた名称キーワード、及び、この判定処理で独自名称に含まれると判断された複数の分解ワードを対応付けたマッチングテーブルを生成する。
図9は、生成されたマッチングテーブルの一例を示し、後述するように、マッチングテーブルは最終的に特定結果テーブル20の中に含まれることになり、特定結果テーブル20の中で、独自名称欄20a及びマッチング欄20bの各欄がマッチングテーブルに該当する。図9に示す例では、ビッグデータ5から抽出されたアムロジピン錠2.5mgという独自名称に、マッチング欄20bでスコアとして4、名称キーワードとしてアムロジピン、分解ワードとして錠、2.5、mgが対応付けられた部分を示すと共に、ビッグデータ5から抽出されたアムロジピン錠5mgという独自名称に、マッチング欄20bでスコアとして4、名称キーワードとしてアムロジピン、分解ワードとして錠、5、mgが対応付けられた部分を示す。
スコアの4という数値は、ワードデータベース14に格納される各種ワード(名称キーワード、分解ワード)が、上述した検索(抽出)処理及び判断処理において、処理対象となる独自名称(例えば、アムロジピン錠2.5mg)に対して合致(ヒット)したワード数の合計数を意味する。具体的に、アムロジピン錠2.5mgという独自名称の場合、検索(抽出)処理では、その処理で用いたアムロジピンという名称キーワードがヒットし、また、判断処理では、錠、2.5、mgという計3つの分解ワードが独自名称に含まれるものとしてヒットしたので、合計のヒット数である4という数値が、スコアとして格納されている。
このように検索(抽出)処理でヒットしたアムロジピンが、マッチング欄20bの名称キーワードとして格納され、判定処理で含まれる分解ワードとしてヒットした錠、2.5、mgが、それぞれマッチング欄20bの分解ワードとして格納されている。MPU10aは、上述した検索(抽出)処理及び判定処理を経て、検索(抽出)処理でビッグデータ5から抽出した独自名称の全てに対して、上述したマッチング欄20bのスコア、名称キーワード、分解ワードの各欄を埋める処理を行って、マッチングテーブルを生成する処理を行う(図9は、ビッグデータ5から抽出された独自名称の二つの例(アムロジピン錠2.5mg、アムロジピン錠5mg)に対応する部分のマッチングテーブルを示すに留まる)。
次に、MPU10aは、上述したマッチングテーブルに格納された各独自名称に対応付けられる名称キーワード及び分解ワードを、図4に示すリンクデータベース13に当てはめることで、独自名称に対する通用名称の候補を特定する処理を実行する。具体的にアムロジピン錠2.5mgという独自名称の場合、マッチングテーブルには上述したようにアムロジピンという名称キーワード、及び錠、2.5、mgという分解ワードが格納されているので、これらの名称キーワード及び分解ワードが対応付けられている通用名称を、リンクデータベース13の中から、その独自名称に対する通用名称の候補として特定する処理をMPU10aは行う。
例えば、図4に示すリンクデータベース13に格納される通用名称として、告示名称であるアムロジピンベシル酸塩2.5mg錠は、アムロジピンという名称キーワード、2.5、mg、錠という分解ワードが対応付けられるので、通用名称の候補としてMPU10aにより特定される。また、告示名称の(局)アムロジピン錠2.5mg「タイヨー」も、アムロジピンという名称キーワード、錠、2.5、mgという分解ワードが対応付けられるので、通用名称の候補としてMPU10aにより特定される。さらに、図4では示されないが、告示名称である(局)アムロジピン錠2.5mg「日医工」も、アムロジピンという名称キーワード、錠、2.5、mgという分解ワードが対応付けられるので、通用名称の候補としてMPU10aにより特定される。
さらにまた、リンクデータベース13において、図4に示されないが、(局)アムロジピン錠2.5mg「タナベ」、(局)アムロジピンOD錠2.5mg「トーワ」、(局)アムロジピンOD錠2.5mg「明治」、(局)アムロジピンOD錠2.5mg「タイヨー」というそれぞれの告示名称も、アムロジピンという名称キーワード、錠、2.5、mgという分解ワードが対応付けられるので、通用名称の候補としてMPU10aにより特定される。
また、リンクデータベース13に格納される販売名として、アムロジピン錠2.5mg「ZJ」は、アムロジピンという名称キーワード、錠、2.5、mgという分解ワードが対応付けられるので、通用名称の候補としてMPU10aにより特定される。同様に、リンクデータベース13において、図4で示される販売名であるアムロジピン錠2.5mg「タイヨー」、並びに図4で示されないアムロジピン錠2.5mg「日医工」、アムロジピン錠2.5mg「タナベ」、アムロジピンOD錠2.5mg「トーワ」、アムロジピンOD錠2.5mg「明治」、及びアムロジピンOD錠2.5mg「タイヨー」も、アムロジピンという名称キーワード、錠、2.5、mgという分解ワードが対応付けられるので、通用名称の候補としてMPU10aにより特定される。
リンクデータベース13に格納されるレセプト電算処理システム医薬品名として、アムロジピン錠2.5mg「ZJ」は、アムロジピンという名称キーワード、錠、2.5、mgという分解ワードが対応付けられるので、通用名称の候補としてMPU10aにより特定される。同様に、リンクデータベース13において、図4で示されるレセプト電算処理システム医薬品名であるアムロジピン錠2.5mg「タイヨー」、並びに図4で示されないアムロジピン錠2.5mg「日医工」、アムロジピン錠2.5mg「タナベ」、アムロジピンOD錠2.5mg「トーワ」、アムロジピンOD錠2.5mg「明治」、及びアムロジピンOD錠2.5mg「タイヨー」も、アムロジピンという名称キーワード、錠、2.5、mgという分解ワードが対応付けられるので、通用名称の候補としてMPU10aにより特定される。
なお、上記の例において、アムロジピンベシル酸塩2.5mg錠という告示名称の医薬品、アムロジピン錠2.5mg「ZJ」という販売名の医薬品、及びアムロジピン錠2.5mg「ZJ」というレセプト電算処理システム医薬品名は、同一の医薬品を示す名称(通用名称)であり、これら同一の医薬品には、リンクデータベース13においてリンク付け(ヒモ付け)が行われているものとする(以下、同一の医薬品について同様)。また、(局)アムロジピン錠2.5mg「タイヨー」という告示名称の医薬品、アムロジピン錠2.5mg「タイヨー」という販売名の医薬品、及びアムロジピン錠2.5mg「タイヨー」というレセプト電算処理システム医薬品名も、同一の医薬品の名称であり、同様に、上述した例の順序における各名称(告示名称、販売名、レセプト電算処理システム医薬品名)も同一の医薬品の名称である。
さらに、MPU10aは、上述したように特定した通用名称の候補のそれぞれに対し、リンクデータベース13において、上述した名称キーワード及び(及び/又は)分解ワードが対応付けられる程度を特定する処理を行う。本実施形態では、対応付けられる程度としては、特定された候補に係る通用名称を構成する名称キーワードと分解ワードの全ての数(ワードデータベース14に格納される名称キーワードと分解ワードのワード数)に対して、リンクデータベース13で対応付けられた名称キーワード又は分解ワードの数の割合をパーセントの数値(スコア)で算出する。このようなスコア(リンクデータベース13で対応付けられるワードの全ワードにおける程度)は、上記のように特定された複数の候補の中で、独自名称に対する正しい通用名称がいずれであるかをユーザが判断する際の指標になる。
具体的には、上述した例で通用名称(告示名称)の候補として特定したアムロジピンベシル酸塩2.5mg錠は、アムロジピン、ベシル酸塩、2.5、mg、錠という計5つのワードで構成されており、これら5つの全ワードの中で、リンクデータベース13で対応付けられたワードは上記の候補特定処理で説明したように、名称キーワードのアムロジピンと、分解ワードの2.5、mg、錠という計4つのワードだったので、4(リンクデータベース13で対応付けられたワード数)/5(構成される全ワード数)=0.8=80%というスコア(程度)が、MPU10aにより算出される。
また、上記の例で特定された候補に係る告示名称の(局)アムロジピン錠2.5mg「タイヨー」は、(、局、)アムロジピン、錠、2.5、mg、「、タイヨー、」という計10個のワードで構成されており、これら10個の全ワードの中で、リンクデータベース13で対応付けられたワードは上記の候補特定処理で説明したように、名称キーワードのアムロジピンと、分解ワードの2.5、mg、錠という計4つのワードだったので、4(対応付けられたワード数)/10(構成される全ワード数)=0.4=40%というスコア(程度)が、MPU10aにより算出される。
さらに、上記の例で特定された候補に係る告示名称の(局)アムロジピンOD錠2.5mg「トーワ」は、(、局、)アムロジピン、OD、錠、2.5、mg、「、トーワ、」という計11個のワードで構成されており、これら11個の全ワードの中で、リンクデータベース13で対応付けられたワードは上記の候補特定処理で説明したように、名称キーワードのアムロジピンと、分解ワードの2.5、mg、錠という計4つのワードだったので、4(対応付けられたワード数)/11(構成される全ワード数)=0.36(小数点第3位以下切捨、以下同様)=36%というスコア(程度)が、MPU10aにより算出される。
さらにまた、上記の例で特定された候補に係る販売名のアムロジピン錠2.5mg「ZJ」は、アムロジピン、錠、2.5、mg、「、ZJ、」という計7個のワードで構成されており、これら7個の全ワードの中で、リンクデータベース13で対応付けられたワードは上記の候補特定処理で説明したように、名称キーワードのアムロジピンと、分解ワードの2.5、mg、錠という計4つのワードだったので、4(対応付けられたワード数)/7(構成される全ワード数)=0.57=57%というスコア(程度)が、MPU10aにより算出される。
そして、上記の例で特定された候補に係る販売名のアムロジピンOD錠2.5mg「トーワ」は、アムロジピン、OD、錠、2.5、mg、「、トーワ、」という計8個のワードで構成されており、これら8個の全ワードの中で、リンクデータベース13で対応付けられたワードは上記の候補特定処理で説明したように、名称キーワードのアムロジピンと、分解ワードの2.5、mg、錠という計4つのワードだったので、4(対応付けられたワード数)/8(構成される全ワード数)=0.5=50%というスコア(程度)が、MPU10aにより算出される。なお、特定した他の候補に係る通用名称(告示名称、販売名、レセプト電算処理システム医薬品名)も、上記と同様にスコアを算出する。
さらに、MPU10aは、図6に示すコードデータベース15を用いて、上述した候補特定処理で特定した候補に係る通用名称(告示名称、販売名、レセプト電算処理システム医薬品名)に応じたコード(識別情報)を特定する処理をMPU10aは行う。コードデータベース15は、同一の医薬品に対する告示名称、販売名、及びレセプト電算処理システム医薬品名に、HOTコード(基準番号)、薬価基準収載医薬品コード、YJコード(個別医薬品コード)、及びレセプト電算処理システム用コードが対応付けられているので、本実施形態では、上記の処理で特定した通用名称の候補の中から告示名称を用いて、告示名称に対応付けられた各コードを特定している。なお、もちろん、販売名又はレセプト電算処理システム医薬品名を用いて、それらの名称に対応付けられた各コードを特定してもよいが、いずれの通用名称を用いても特定されるコードは同じになる。
それから、MPU10aは、上述した処理の結果を示す特定結果を生成する処理を行う。具体的にMPU10aは、図8、9等に示す独自名称欄20a(抽出した独自名称を含む欄)及びマッチング欄20bによるマッチングテーブルと連携させて、特定した通用名称の候補である告示名称の候補、販売名の候補、レセプト電算処理システム医薬品名の候補(各候補のスコアも含む)、及び各候補の通用名称に係るコードを並べた特定結果(独自名称に対して、通用名称の候補、スコア、及びコード等を並べた特定結果)を含む特定結果テーブル20を生成する。
図10は、MPU10aが生成する特定結果テーブル20において、特定した告示名称の候補に係る特定結果に応じた部分を示す。MPU10aは、特定結果テーブル20におけるマッチング欄20bの右側に、告示名称の候補の特定結果に係る告示名称欄21を配置する(図8参照)。告示名称欄21は、告示名称スコア欄21a及び告示名称一覧部21bを設けたものになっている。MPU10aの処理により、告示名称一覧部21bには、上述した候補特定処理で特定した告示名称の候補が、上記処理で算出したスコアの高い順に上方から下方へ並べて配置され、告示名称スコア欄21aには、各候補の告示名称に対して算出されたスコアのパーセント数値が並べて配置される。
図11は、MPU10aが生成する特定結果テーブル20において、特定した販売名の候補に係る特定結果に応じた部分を示す。MPU10aは、特定結果テーブル20における告示名称欄21の右側に、販売名の候補の特定結果に係る販売名欄22を配置する(図8参照)。販売名欄22は、上述した告示名称欄21と同様に、販売名スコア欄22a及び販売名一覧部22bを設けたものになっている。MPU10aの処理により、販売名一覧部22bには、上述した候補特定処理で特定した販売名の候補が、上記処理で算出したスコアの高い順に上方から下方へ並べて配置され、販売名スコア欄22aには、各候補の販売名に対して算出されたスコアのパーセント数値が並べて配置される。
図12は、MPU10aが生成する特定結果テーブル20において、特定したレセプト電算処理システム医薬品名の候補に係る特定結果に応じた部分を示す。MPU10aは、特定結果テーブル20における販売名欄22の右側に、レセプト電算処理システム医薬品名の候補の特定結果に係るレセプト電算処理システム医薬品名欄23を配置する(図8参照)。レセプト電算処理システム医薬品名欄23は、上述した告示名称欄21及び販売名欄22と同様に、レセプト電算処理システム医薬品スコア欄23a及びレセプト電算処理システム医薬品名一覧部23bを設けたものになっている。MPU10aの処理により、レセプト電算処理システム医薬品名一覧部22bには、上述した候補特定処理で特定したレセプト電算処理システム医薬品名の候補が、上記処理で算出したスコアの高い順に上方から下方へ並べて配置され、レセプト電算処理システム医薬品スコア欄23aには、各候補のレセプト電算処理システム医薬品名に対して算出されたスコアのパーセント数値が並べて配置される。
図14は、MPU10aが生成する特定結果テーブル20において、特定したコードの特定結果に応じた部分を示す。MPU10aは、特定結果テーブル20における成分名欄24(成分名欄24については後述)の右側に、特定した各候補の通用名称に応じたコードを示すコード欄25を配置する。コード欄25は、HOTコード一覧部25a、薬価基準収載医薬品コード一覧部25b、YJコード一覧部25c、及びレセプト電算処理システム用コード一覧部25dを設けたものになっており、各一覧部25a~25dは、告示名称欄21、販売名欄22、レセプト電算処理システム医薬品名欄23に配置された各通用名称と対応するように行で区切られており、その区切りに応じた行の各欄に、対応する各通用名称のコード(HOTコード、薬価基準収載医薬品コード、YJコード、及びレセプト電算処理システム用コード)が並べて配置される。なお、この図14でも、テーブル内容を簡潔に示すため、HOTコード一覧部25aには、13桁のHOTコード(HOT-13)の下4桁が0101のものを載せるに留まるが、下4桁が、0102、0201、0202等のHOTコードがヒットすれば、これらのHOTコードもHOTコード一覧部25aに載せられる。
特定結果テーブル20は上記のように、独自名称欄20aに対して、告示名称欄21、販売名欄22、及びレセプト電算処理システム医薬品名欄23を配置したので、各欄21~23に配置した通用名称(告示名称、販売名、レセプト電算処理システム医薬品名)の各候補は、各候補の特定処理の対象となる独自名称に対して並べられた状況となり、対象となる独自名称に対する通用名称の候補をユーザは確認でき、また、スコアを参照することで、複数の通用名称の候補の中で、スコアの高い候補が、独自名称に対して正しい通用名称である可能性をユーザに示唆するものになっている。
さらに、特定結果テーブル20は上述したように、HOTコード一覧部25a、薬価基準収載医薬品コード一覧部25b、YJコード一覧部25c、及びレセプト電算処理システム用コード一覧部25dを設けたコード欄25も、上述した各通用名称の欄21~23と共に、独自名称欄20aに対して配置したので、各通用名称の候補に応じた各コードが自動的に付番された状態となり、ユーザは各候補のコードを容易に認識できる。
次に、記憶部10gに記憶される名称特定プログラム12が規定する各処理の中で、医薬品の成分名(成分名ワード)に基づく通用名称の候補特定処理について説明する。上述した名称キーワードに基づく通用名称の候補特定処理の際、サーバ装置10は、ビッグデータ5にアクセスして、ワードデータベース14に格納された複数の名称キーワードを用いてビッグデータ5を検索する処理を行うが、この際、ワードデータベース14に格納された複数の成分名ワードのそれぞれを用いてビッグデータ5を検索する処理も行う。この検索処理では、ビッグデータ5から、成分名ワード(医薬品の成分名)を含む独自名称を検索(抽出)する処理をMPU10aは行い、ヒットした独自名称の検索処理に用いた成分名ワードを、RAM10cに、ヒット(検索で抽出)した独自名称と対応付けて一時的に記憶しておく。
そして、MPU10aは、図4に示すリンクデータベース13を用いて、独自名称の検索に用いた成分名ワードに対応付けられた通用名称(告示名称、販売名、レセプト電算処理システム医薬品名)を、検索した独自名称のそれぞれに対する通用名称の候補として特定する。
上記の処理の例として、図5に示すワードデータベース14に格納された成分名ワードの中のアムロジピンで検索を行った場合、通用名称における告示名称としては、アムロジピンを含むアムロジピンベシル酸塩2.5mg錠、(局)アムロジピン錠2.5mg「タイヨー」、(局)アムロジピン錠2.5mg「日医工」、(局)アムロジピン錠2.5mg「タナベ」、(局)アムロジピンOD錠2.5mg「トーワ」、(局)アムロジピンOD錠2.5mg「明治」、及び(局)アムロジピンOD錠2.5mg「タイヨー」が候補としてMPU10aにより特定される。
また、成分名ワードとして、アムロジピンで検索を行った場合、通用名称における販売名及びレセプト電算処理システム医薬品名としては、アムロジピン錠2.5mg「ZJ」、アムロジピン錠2.5mg「タイヨー」、アムロジピン錠2.5mg「日医工」、アムロジピン錠2.5mg「タナベ」、アムロジピンOD錠2.5mg「トーワ」、アムロジピンOD錠2.5mg「明治」、アムロジピンOD錠2.5mg「タイヨー」が候補としてMPU10aにより特定される。なお、この例では、販売名とレセプト電算処理システム医薬品名が同じになっている。
さらに、MPU10aは、特定した各候補に、検索で用いた成分名ワードが、特定した各通用名称の候補に含まれる程度を算出する。この実施形態では、成分名ワードが含まれる場合を100%、含まれない場合を0%として二つに大別して算出する。上述したアムロジピンという成分名ワードを用いた検索処理の例で挙げた告示名称のアムロジピンベシル酸塩2.5mg錠など、販売名のアムロジピン錠2.5mg「ZJ」など、及びレセプト電算処理システム医薬品名などは、いずれも成分名ワードのアムロジピンを含むことから、スコアは100%と算出される。
さらにまた、MPU10aは、図7に示す成分データベース16を用いて、特定した各候補に係る販売名にそれぞれ対応付けられたコード(識別情報)を特定する処理を行う。そして、MPU10aは、上述した成分名ワードに基づく通用名称の候補及び特定したコードを並べた結果(特定結果テーブル20)を生成する。しかし、本実施形態では、先に説明した名称キーワードに基づく通用名称の候補及び特定したコードの結果と重複する部分が生じるので、MPU10aは、成分名ワードを用いた処理の結果の中で、先の名称キーワードを用いた処理と重複する結果(この場合は、特定した候補やコード)は、特定結果テーブル20の中に再度配置せず、重複しない情報(この場合は、検索に用いた成分名ワード)を、図8に示す特定結果テーブル20の中の成分名欄23に配置する。
図13は、MPU10aが生成する特定結果テーブル20において、検索処理に用いた成分名ワードを配置した成分名欄24を示す。成分名欄24は、成分名スコア欄24a及び成分名一覧部24bを設けたものになっている。MPU10aの処理により、成分名一覧部24bには、検索処理に用いた成分名ワード(例えば、アムロジピン)を並べて配置し、成分名スコア欄24aには、上述した処理で算出されたスコアのパーセント数値(例えば、100%)が並べて配置される。
すなわち、図8等に示す特定結果テーブル20の中で、告示名称欄21、販売名欄22、レセプト電算処理システム医薬品名欄23、及びコード欄25に配置された情報は、先に説明した名称キーワードに基づく通用名称の候補及びコード特定の処理結果に基づくものであり、これらの処理結果と、成分名ワードに基づく通用名称の候補及びコード特定処理の結果は同じ結果内容が生じる部分があるので、MPU10aの処理の簡易化を図るため、同じ結果内容については、特定結果テーブル20は、先の名称キーワードを用いた処理結果をそのままにしており、成分名ワードを用いた処理結果を上書きしていない。
また、図8~14に示す特定結果テーブル20は、上述した処理の一部の結果を応じた例を示すに留まり、実際には、ビッグデータ5から抽出された他の独自名称に対しても、上記と同様に、マッチング欄20b、告示名称欄21、販売名称欄22、レセプト電算処理システム医薬品名欄23、成分名欄24、及びコード欄25に係る情報が並べて配置されている。
サーバ装置(MPU10a)は、上述した処理を経て生成した特定結果テーブル20を、画面データベース18から読み出した画面データ(図17(b)に示す結果画面43に応じた画面データ)に配置して結果画面データを生成し、その生成した結果画面データをアクセス元の端末装置30へ送信する処理を行う。なお、特定結果テーブル20は、水平方向及び垂直方向に、多数の行及び列を有するので、MPU10aは、特定結果テーブル20が水平方向及び垂直方向にスクロール可能に結果画面データを生成することになる。
上記のように端末装置30へ送信される結果画面データに含まれる特定結果テーブル20は、処理対象となった独自名称(独自名称欄20aに配置されるもの)に対して、マッチング欄20b、告示名称欄21、販売名称欄22、レセプト電算処理システム医薬品名欄23、成分名欄24、及びコード欄25を対応付けて並んだものになっているので、独自名称の構成、その独自名称に対する告示名称の候補、販売名の候補、レセプト電算処理システム医薬品名の候補、成分、コードを、端末装置30のユーザは容易に把握できることになる。
しかも、告示名称欄21、販売名称欄22、レセプト電算処理システム医薬品名欄23、成分名欄24には、それぞれスコア欄21a~24aが含まれるので、各スコア欄21a~24aのパーセント数値を参照することで、独自名称に対する候補の中で、正しい名称である可能性の高いものをユーザは推測しやすくなっている。よって、ビッグデータ5に含まれる多数の独自名称について、以前に比べて効率的に正しい通用名称を、ユーザは特定できるようになる。
図15は、端末装置30の主要な内部構成を示すブロック図である。本実施形態の端末装置30としては、通信機能等を具備したコンピュータ(デスクトップ型又はノート型パーソナルコンピュータ等)を用いており、図15は、このコンピュータを用いた場合の構成を示している。なお、端末装置30としては、コンピュータ以外に、タブレット端末やスマーフォン等も適用可能であり、タブレット端末やスマートフォン等を用いた場合における本発明に関連する主要な内部構成部分は、図15に示すブロック図と基本的に同等なので、図15は、端末装置30として適用可能な機器に共通するブロック図を示すものとする。
端末装置30は、全体的な制御及び各種処理を行うCPU30aに、各種デバイス等を内部接続線30hで接続したものになっており、各種デバイス等には、通信部30b、ROM30c、RAM30d、入力インタフェース30e、表示出力インタフェース30f、及び記憶部30g等がある。
通信部30bは、ネットワークNWとの接続通信デバイスに相当する所要の通信規格に応じたものであり(例えばLANモジュール)、所要の通信機器(図示は省略。例えばルータ等が該当)を介してネットワークNWと接続することで、サーバ装置10との通信を可能にしている。ROM30cは、CPU30aの基本的な処理内容を規定したプログラム等を記憶するものであり、RAM30dは、CPU30aの処理に伴う内容、ファイル等を一時的に記憶する。
入力インタフェース30eは、端末装置30のユーザからの操作指示等を受け付けるキーボード、マウス等が接続されるものであり、ユーザによる操作指示等を受け付けてCPU30aへ伝える処理を行う。表示出力インタフェース30fは、ディスプレイ(表示出力装置)が接続されるものであり、CPU30aの処理に伴う内容をディスプレイへ出力し、ユーザに提示する(図16、17に示す各画面40~43参照)。
記憶部30gは、HDD(Hard Disc Drive)又はSSD(Solid State Drive)等により構成される記憶デバイスであり、端末OS31、及び医薬品名称特定プログラム32等を記憶する。端末OS31は、端末装置30をコンピュータとして機能させるために、CPU30aが行う基本的な処理を規定したオペレーティングシステムに相当するものである。医薬品名称特定プログラム32は、ユーザ操作に基づき、処理対象にするビッグデータやファイル等を設定し、その設定したビッグデータやファイル等に含まれる独自名称に対する通用名称の候補をディスプレイへ表示出力することに関するCPU30aの処理内容を規定したアプリケーションプログラム(アプリ)であり、サーバ装置10から送られる画面データに応じた画面を生成して表示する機能等を有した処理内容を含んでいる。
本実施形態の医薬品名称特定プログラム32は、記憶部30gへインストロールされると、上述した端末OS31の処理により、医薬品名称特定プログラム32に応じたアイコンが選択可能に生成され、そのアイコンがホーム画面やメニュー画面等に配置される。上記のアイコンの選択操作がユーザにより行われると、医薬品名称特定プログラム32が起動し、図16(a)に示すログイン画面40をディスプレイに表示出力する処理をCPU30aが行う。
図16(a)のログイン画面40は、ユーザID入力欄40a、パスワード入力欄40b及びログインボタン40cを配置しており、ユーザID入力欄40a及びパスワード入力欄40bに所要の情報がユーザ操作により入力されると、ログインボタン40cがアクティブになって選択可能となる。そして、ユーザID入力欄40a及びパスワード入力欄40bにユーザID及びパスワードが入力された状態でログインボタン40の選択が行われると、ログイン操作を受け付けたことになり、各入力欄40a、40bの入力情報(ユーザID、パスワードを示すログイン情報)をサーバ装置10へ送信するように、ログイン画面40は作り込まれている。
上記のログイン情報の送信に応じて、サーバ装置10からログイン不可の通知を端末装置30が受信した場合、再度のログイン操作をユーザが行えるようにするため、入力されたユーザID又はパスワードが異なるためログイン不可である旨を示したログイン画面をディスプレイに表示する処理をCPU30aは行う。また、ログイン情報の送信に応じて、サーバ装置10から送られるログイン完了通知及び画面データを端末装置30が受信した場合、端末装置30(CPU30a)は、図16(b)に示す検索対象設定画面41を生成し、ディスプレイの表示を、生成した検索対象設定画面41に切り替える処理を行う。
図16(b)の検索設定対象画面41は、独自名称を含んだ検索処理対象をユーザが設定する画面であり、検索処理対象設定欄41a、次に進むための次へボタン41cを含む。検索処理対象設定欄41aには、処理対象として設定できるビッグデータやファイル等が並べて配置してあり、カーソル41bを上下する操作を行うことで、ユーザが所望する処理対象を選択できるようになっている。検索対象設定画面41で、検索処理対象設定欄41aの中からユーザが所望の処理対象をカーソル41bで選択した状態で、次へボタン41cの選択操作が行われると、端末装置30(CPU30a)は、図17(a)に示す確認画面42を生成し、ディスプレイの表示を検索対象設定画面41から確認画面42へ切り替える処理を行う。
図17(a)の確認画面42は、確認メッセージ42a、戻るボタン42b、及びOKボタン42cを含む。確認メッセージ42aは、定型的なメッセージ文に、図16(b)の検索対象設定画面41で設定された処理対象を示す名称を当てはめたものになっている。この例では、検索対象設定画面41でビッグデータ5が選択された場合を示し、確認画面42の確認メッセージ42aは「ビッグデータ5を検索します。よろしいでしょうか。」というメッセージ文になっている(メッセージ文の中の「ビッグデータ5」を除いた部分が定型文)。
そして、確認画面42で、戻るボタン42bの選択操作が行われると、端末装置30はディスプレイの表示を確認画面42から検索対象設定画面41へ戻す処理を行い、ユーザが処理対象を選び直せる機会を提供する。また、確認画面42で、OKボタン42cの選択操作が行われると、端末装置30(CPU30a)は、検索対象設定画面41で設定した処理対象(例えば、ビッグデータ5)を指定した検索指示の通知をサーバ装置10へ送信する処理を行う。
検索指示の通知をサーバ装置10へ送信したことに応じて、サーバ装置10から、特定結果テーブル20を含む結果画面データを端末装置30は受信すると、端末装置30(CPU30a)は、その受信した結果画面データに基づき、特定結果テーブル20を垂直及び水平方向にスクロール可能に配置した結果画面43(図17(b)参照)を生成して、ディスプレイに表示する処理を行う。
図17(b)に示すように、結果画面43は、中央に矩形の特定結果テーブル20を配置し、右辺に沿って垂直スクロールバー43aを設けると共に、下辺に沿って水平スクロールバー43bを設けており、これらの各スクロールバー43a、43bをユーザが適宜操作することで、特定結果テーブル20全体をユーザが確認できるようにしている。なお、端末装置30のディスプレイがタッチパネル式のものであれば、上述した各スクロールバー43a、43bを省略し、タッチパネル式のディスプレイ画面に対するスワイプ操作で垂直方向又は水平方向に表示範囲を変更できるようにすると共に、ピンチアウト又はピンチイン操作で、特定結果テーブル20の所要範囲の拡大や、特定結果テーブル20の縮小を行えるようにしてもよい。なお、結果画面43は、右下に終了ボタン43cを設けており、この終了ボタン43cが選択されると、ディスプレイの表示を図16(b)の検索設定対象画面41に戻し、他の検索処理対象をユーザが設定できる状態を提供する。
図18、19に示す第1、2フローチャートは、上述したサーバ装置10及び端末装置30により、検索処理対象(例えば、ビッグデータ5)を検索して、ビッグデータ5に含まれる独自名称を抽出し、その抽出した独自名称に対する通用名称の候補等を特定する医薬品名称特定方法の処理手順を表したものである。以下、第1、2フローチャートに従って、医薬品名称特定方法の処理の流れを整理して説明する。なお、第1フローチャートは、端末装置30が医薬品名称特定プログラム32を起動させた状態から始まるものとする。
まず、第1フローチャートにおいて、端末装置30は、医薬品名称特定プログラム32の起動に伴ってディスプレイにログイン画面40(図16(a)参照)を表示し(S1)、ユーザID及びパスワードの入力操作によるログイン操作を受け付けたか否かを判断する(S2)。ユーザによるログイン操作が無い場合(S2:NO)、端末装置30は、ログイン操作が行われるのを待つ状態となり、ログイン操作を受け付けた場合(S2:YES)、入力されたユーザID及びパスワードを含むログイン情報をサーバ装置10へ送信する処理を行う(S3)。
サーバ装置10は最初、ログイン情報を受信したか否かを判断する状態になっており(S11)、ログイン情報を受信しない場合(S11:NO)、ログイン情報が送信されてくるのを待つ状態となる。一方、ログイン情報を受信した場合(S11:YES)、サーバ装置10は、ログイン情報に含まれるユーザID及びパスワードと一致する情報がユーザデータベース17に格納されているか否かをサーバ装置10は判断する(S12)。
ユーザデータベース17に格納される情報と、ログイン情報に含まれるユーザID及びパスワードが一致しない場合(S12:NO)、サーバ装置10は、ログイン不可通知をアクセス元の端末装置30へ送信する(S13)。なお、ログイン不可通知を送信した場合、サーバ装置10の処理は、最初のS11の段階に戻り、再度のログイン情報の受信の判断を行うことになる。一方、ユーザデータベース17に格納される情報と、ログイン情報に含まれるユーザID及びパスワードが一致した場合(S12:YES)、サーバ装置10は、アクセス元の端末装置30のユーザをログイン状態に設定すると共に、図16(b)の検索対象設定画面41に応じた画面データと共にログイン完了通知を、アクセス元の端末装置30へ送信する(S14)。
端末装置30は、S3の段階でログイン情報を送信したことに伴って、ログイン不可通知又はログイン完了通知のいずれを受信するかを判断しており(S4)、ログイン不可通知を受信した場合(S4:不可)、最初のS1の段階へ戻り、ログイン不可と正しいログイン情報の入力が必要である旨を含んだログイン画面を表示して、ユーザに再度のログイン操作の機会を提供する。一方、ログイン完了通知を受信した場合(S4:完了)、端末装置30は、ログイン完了通知と共に受信した画面データに基づき、図16(b)の検索対象設定画面41を生成してディスプレイに表示する(S5)。
それから端末装置30は、表示した検索対象設定画面41で、ユーザによる検索処理対象(処理対象)の設定操作を受け付けたか否かを判断し(S6)、設定操作を受け付けていない場合(S6:NO)、ユーザによる設定操作が行われるのを待つ状態となる。一方、ユーザによる設定操作を受け付けた場合(S6:YES)、端末装置30は、設定操作に係る検索対象(例えば、ビッグデータ5)を示した確認画面42(図17(a)参照)を生成してディスプレイに表示する(S7)。
そして端末装置30は、確認画面42に配置されたOKボタン40cのユーザによる選択操作を受け付けたか否かを判断し(S8)、OKボタン40cの選択操作が行われていない場合(S8:NO)、OKボタン40cの選択操作待ちの状態となる。一方、OKボタン40cの選択操作を受け付けた場合(S8:YES)、端末装置30は、設定された処理対象(例えば、ビッグデータ5)を指定した旨の検索指示をサーバ装置10へ送信する(S9)。なお、端末装置30におけるS9の段階の後は、図19の第2フローチャートに示す処理へ進むことになる。
サーバ装置10は、S14の段階でログイン完了通知を送信すると、アクセス元の端末装置30からの検索指示を受信したか否かを判断しており(S15)、検索指示を受信しない場合(S15:NO)、検索指示が送信されてくるのを待つ状態となる。一方、検索指示を受信した場合(S15:YES)、サーバ装置10の処理は、図19の第2フローチャートに示すS20の段階へ進む。
図19の第2フローチャートにおいて、サーバ装置10(MPU10a)は、検索指示に含まれる処理対象(例えば、ビッグデータ5)へアクセスし、ワードデータベース14に格納された複数の名称キーワード及び成分名ワードを用いて、アクセス先の処理対象(ビッグデータ5)に含まれる情報の中から、名称キーワードを含む独自名称、及び成分名ワードを含む独自名称の検索処理を行う(S20)。そして、名称キーワードを用いた検索処理で検索(ヒット)した独自名称のそれぞれに対して、ワードデータベース14に格納された複数の分解ワードのいずれかが含まれるか否かを、サーバ装置10(MPU10a)は判定する処理を行う(S21)。
それから、サーバ装置10(MPU10a)は、S20の段階で名称キーワードを用いてヒットした各独自名称のそれぞれに対して、S20の段階の検索処理でヒットしたときに用いた名称キーワード、及びS21の段階で、その独自名称に含まれると判定した分解ワードを対応付けたマッチングテーブル(図9の独自名称欄20a及びマッチング欄20b参照)を生成する(S22)。この際、サーバ装置10(MPU10a)は、独自名称に対応付けた名称キーワード及び分解ワードの合計数をスコアとして算出し、生成するマッチングテーブルに含ませている。また、このS22の段階では、名称キーワードを含まず成分名ワードのみに応じた独自名称についても、サーバ装置(MPU10a)はマッチングテーブルを生成しており、成分名ワードを含む独自名称に対して、その成分名ワードを対応付けた内容を含むように、マッチングテーブルを生成している。
次に、サーバ装置10(MPU10a)は、上述したマッチングテーブルに格納された各独自名称に対応付けられる名称キーワード及び分解ワードを、図4に示すリンクデータベース13に当てはめることで、独自名称に対応する通用名称(告示名称、販売名、レセプト電算処理システム医薬品名)の候補を特定する処理を行う(S23)。このS23の段階では、更に、リンクデータベース13において、S20の段階で検索に用いた成分名ワードに対応付けられた通用名称の候補を特定する処理もサーバ装置10(MPU10a)は行っている。
また、サーバ装置10(MPU10a)は、名称キーワード及び分解ワードに基づき特定した各候補のそれぞれに対し、名称キーワード及び分解ワードが対応付けられる程度の特定処理としてスコアの算出を行う(S24)。このS24の段階では、検索で用いた成分名ワードに対して100%というスコアを特定する処理もサーバ装置10(MPU10a)は行う。さらに、サーバ装置10(MPU10a)は、コードデータベース15(図6参照)を用いて、特定した各候補に係る通用名称(告示名称、販売名、レセプト電算処理システム医薬品名)に応じたコード(識別情報)の特定を行う(S25)。このコードの特定は、名称キーワード及び分解ワードに基づき特定した候補、並びに成分名ワードに基づき特定した候補の両方に対して行う。
そして、サーバ装置10(MPU10a)は、上述したS20~25の処理結果に基づき、独自名称欄20a、マッチング欄20b、告示名称欄21、販売名称欄22、レセプト電算処理システム医薬品名欄23、成分名欄24、及びコード欄25を含む特定結果テーブル20(図8~14参照)を生成する(S26)。具体的にサーバ装置10(MPU10a)は、S22の段階で生成するマッチングテーブルに応じた独自名称欄20a及びマッチング欄20bをベースにして、マッチング欄20aの右方へ告示名称欄21、販売名称欄22、レセプト電算処理システム医薬品名欄23、成分名欄24、及びコード欄25に係る情報を配列すると共に、垂直方向に関しては、S24の段階で算出したスコアの高い順に上方から下方へ各スコアに応じた各名称を欄21~24へ配置すると共に、コード欄25には、各名称に応じたコードを配置して特定結果テーブル20を生成することになる。なお、成分名ワードに基づいた特定結果が、名称キーワード及び分解ワードに基づいた特定結果と重複する場合は、成分名ワードに基づいた特定結果を特定結果テーブル20に反映させない。
さらに、サーバ装置10(MPU10a)は、生成した特定結果テーブル20を配置した結果画面データを生成し(S27)、その生成した結果画面データを、アクセス元の端末装置30へ送信する処理を行う(S28)。なお、S28の段階の処理を行うことで、サーバ装置10側の処理は一旦、終了し、更なる処理対象の選択が端末装置30側で行われると(例えば、S9の段階の検索指示送信)、サーバ装置10はS20以降の処理を再開し、また、端末装置30側でログオフ操作が行われると、サーバ装置10側は図18に示すS11の段階から処理の再開を待つことになる。
端末装置30は、図18の第1フローチャートにおけるS9の段階で検索指示をサーバ装置10へ送信した後、サーバ装置10から送られる結果画面データを受信したか否かを判断しており(S30)、結果画面データを受信しない場合(S30:NO)、サーバ装置10から結果画面データが送信されるのを待つ状態となる。一方、結果画面データを受信した場合(S30:YES)、端末装置30は、受信した結果画面データに基づいて、特定結果テーブル20を配置した結果画面43(図17(b)参照)を生成し(S31)、その生成した結果画面43をディスプレイに表示する(S32)。
このように端末装置30側で結果画面43を表示することで、端末装置30のユーザは、検索処理対象として設定したビッグデータ5に含まれる複数の独自名称を、結果画面43に含まれる特定結果テーブル20の独自名称欄20aから確認でき、各独自名称を構成する成分キーワード及び分解ワードについてはマッチング欄20bから確認できる。また、端末装置30のユーザは、告示名称欄21、販売名称欄22、レセプト電算処理システム医薬品名欄23に配置された各名称(各通用名称)より、独自名称欄20aの各独自名称に対する通用名称(告示名称、販売名、レセプト電算処理システム医薬品名)の候補を確認できる上、これらの候補の中で、最も正しい通用名称である確率を、スコアのパーセント数値より把握できるので、独自名称に対する正しい通用名称を推測しやすくなり、医薬品の使用状況等に関する調査などにも役立てられる。
さらに、端末装置30のユーザは、成分名欄24に配置される成分名ワードより、独自名称欄20aに配置された独自名称、及び告示名称欄21、販売名称欄22、レセプト電算処理システム医薬品名欄23に配置された各通用名称が示す医薬品の成分を一目で確認できる。さらにまた、端末装置30のユーザは、コード欄25に配置される複数の規格に基づくコード(識別情報)より、独自名称欄20aに配置された独自名称、及び告示名称欄21、販売名称欄22、レセプト電算処理システム医薬品名欄23に配置された各通用名称が示す医薬品のコードまでも、一覧的に確認できる。このような点において、本発明はユーザに有用な利点をもたらすものになっている。
なお、本発明は上述した説明内容に限定されるものではなく、様々な変形例の適用が可能となっている。例えば、上記の説明では、成分名ワードによる処理は、ビッグデータ5から成分名ワードを含む独自名称を検索(抽出)するようにしていたが、名称キーワード及び分解ワードを用いた処理のように、成分名ワードによる処理においても、分解ワードを用いた処理を導入して、複数の通用名称の候補の特定及びスコア(候補に分解ワードが含まれる程度)を特定する処理を行うようにしてもよい。
図20は、成分名ワード及び分解ワードによる処理を経て生成される変形例の特定結果テーブル80の一部を示す。この変形例の特定結果テーブル80は、ユーザにより設定された検索処理対象のビッグデータ5に格納される複数の独自名称の中にニトラゼパム錠5という独自名称が含まれている場合で、検索の成分名ワードとしてニトラゼパムを用いると共に、分解ワードとして錠、5を用いたときに生成されたものである。なお、図5のワードデータベース14には、成分名ワードのニトラゼパム、分解ワードの錠、5が、それぞれ格納されているものとする。
図20の変形例の特定結果テーブル80は、図8、9等に示す特定結果テーブル20と同様に、マッチングテーブルに応じた独自名称欄80a及びマッチング欄80bを有すると共に、その右方に販売名欄82及びコード欄82を有する。独自名称欄80aには、上述したニトラゼパム錠5という独自名称が配置されており、マッチング欄80bには、スコアとして3、成分名ワードとしてニトラゼパム、分解ワードとして、錠、5が配置される。なお、このような各情報の配置は、上記の名称キーワードに基づく処理の場合と同様に、サーバ装置10(MPU10a)の処理により行われると共に、スコアの算出も上記の名称キーワードに基づく処理の場合と同様に行われる。そして、販売名欄82に配置される各販売名等は、図21に示すリンクデータベース13′や、ワードデータベース14に含まれる分解コード等を用いた処理で特定される。
図21に示すリンクデータベース13′は、図4のリンクデータベース13で示す範囲に含まれない一部分を表す。この一部分のリンクデータベース13′は、ネルボン錠10mg、ネルボン錠5mg、ネルボン散1%、ベンザリン錠2、ベンザリン細粒1%、ベンザリン錠10、ベンザリン錠5という各販売名を通用名称欄13a′に配置した範囲になっており、これらの販売名の医薬品は、成分名ワードがいずれもニトラゼパムになっている(成分名ワード欄13d′参照)。なお、これらの具体例として、ネルボン錠10mgという販売名には、名称キーワードとしてネルボン(名称キーワード欄13b′参照)、分解ワードとして錠、10、mg(ワード欄13c′参照)、成分名ワードとしてニトラゼパムが対応付けられており、ネルボン錠5mgという販売名には、名称キーワードとしてネルボン、分解ワードとして錠、5、mg、成分名ワードとしてニトラゼパムが対応付けられており、ネルボン散1%という販売名には、名称キーワードとしてネルボン、分解ワードとして散、1、%、成分名ワードとしてニトラゼパムが対応付けられている。
図20に示すような特定結果テーブル80の生成は、ワードデータベース14に格納される成分名ワードで、ユーザにより設定された処理対象であるビッグデータ5をサーバ装置10が検索すると、上述したようにワードデータベース14には成分名ワードとしてニトラゼパムが含まれることから、この検索処理でビッグデータ5からニトラゼパム錠5という独自名称がヒットして抽出される(勿論、ニトラゼパムを含む他の独自名称もヒットすれば抽出される)。
そして、ビッグデータ5から抽出された各独自名称に対し、ワードデータベース14に格納された複数の分解ワードのいずれかが含まれるかをサーバ装置10(MPU10a)は判定する処理を行うが、この際、ヒットした中に含まれるニトラゼパム錠5という例に対しては、ニトラゼパムという成分名ワード、及び錠、5という2つの分解ワードが含まれるということが判定される。このような判定結果より、サーバ装置10(MPU10a)は、ヒットしたニトラゼパム錠5という独自名称に対しては、図20に示すニトラゼパム錠5という独自名称が配置された独自名称欄80aに対して、スコアの3、成分名ワードのニトラゼパム、分解ワードの錠、5が配置されたマッチング欄80bが生成される。なお、スコアの3の算出の仕方は、上述した説明と同様に、成分名ワードのヒット数(この例でのヒット数は1)、及び分解ワードのヒット数(この例でのヒット数は2)の合計数を示す。
そして、サーバ装置10(MPU10a)は、マッチング欄80bに配置された各ワード(成分名ワード、分解ワード等)をリンクデータベース13(リンクデータベース13′)に当てはめて、独自名称に対する通用名称の候補を特定する。この成分名ワードに基づく変形例では、ニトラゼパムという成分名ワード、錠、5という分解ワードを当てはめることで、リンクデータベース13′に示すネルボン錠10mg、ネルボン錠5mg、ネルボン散1%、ベンザリン錠2、ベンザリン細粒1%、ベンザリン錠10、ベンザリン錠5という販売名を通用名称の候補として特定することになる。
それから、サーバ装置10(MPU10a)は、特定した通用名称の候補のそれぞれに対し、リンクデータベース13(リンクデータベース13′)において、成分名ワード及び分解ワードが対応付けられる程度(スコア)を特定する処理を行うことになるが、この成分名ワードに基づく変形例では、ネルボン錠10mg、ネルボン錠5mg、ネルボン散1%、ベンザリン錠2、ベンザリン細粒1%、ベンザリン錠10、ベンザリン錠5という通用名称(販売名)の候補に対しスコアを算出することになる。
ネルボン錠10mgの場合、ネルボン、錠、10、mgという計4つのワードで構成されており、リンクデータベース13′では、ニトラゼパムという成分名ワードと、錠という分解ワードが対応付けられるので、2(対応付けられたワード数)/4(構成されるワード数)=0.5=50%というスコア(程度)が、MPU10aにより算出される。ネルボン錠5mgの場合、ネルボン、錠、5、mgという計4つのワードで構成されており、リンクデータベース13′では、ニトラゼパムという成分名ワードと、錠及び5という2つの分解ワードが対応付けられるので、3(対応付けられたワード数)/4(構成されるワード数)=0.667=66%(小数点第3位以下切捨)というスコア(程度)が算出される。
ネルボン散1%の場合、ネルボン、散、1、%という計4つのワードで構成されており、リンクデータベース13′では、ニトラゼパムという成分名ワードのみが対応付けられるので、1(対応付けられたワード数)/4(構成されるワード数)=0.25=25%というスコア(程度)が算出される。ベンザリン錠2の場合、ベンザリン、錠、2という計3つのワードで構成されており、リンクデータベース13′では、ニトラゼパムという成分名ワードと、錠という分解ワードが対応付けられるので、2(対応付けられたワード数)/3(構成されるワード数)=0.667=66%(小数点第3位以下切捨)というスコア(程度)が算出される。
ベンザリン細粒1%の場合、ベンザリン、細粒、1、%という計4つのワードで構成されており、リンクデータベース13′では、ニトラゼパムという成分名ワードのみが対応付けられるので、1(対応付けられたワード数)/4(構成されるワード数)=0.25=25%というスコア(程度)が算出される。ベンザリン錠10の場合、ベンザリン錠2と同様に、66%(小数点第3位以下切捨)というスコア(程度)が算出される。ベンザリン錠5の場合、ベンザリン、錠、5という計3つのワードで構成されており、リンクデータベース13′では、ニトラゼパムという成分名ワードと、錠及び5という2つの分解ワードが対応付けられるので、3(対応付けられたワード数)/3(構成されるワード数)=1.0=100%というスコア(程度)が算出される。
サーバ装置10(MPU10a)は、上記のように算出したスコアをパーセント数値の高い順に並べて販売名スコア欄22aを生成すると共に、各スコアに応じた販売名(通用名称)の候補を並べて、図20に示す販売名一覧81bを生成する。そして、サーバ装置10(MPU10a)は、図7に示す成分データベース16を参照して、販売名一覧81bに並べられた候補に係る販売名に対するコード(YJコード)を特定し、コード欄82(YJコード欄82)に、特定した各コードを並べて、図20に示す特定結果テーブル80を生成する。
よって、上記の変形例の処理を経て生成された特定結果テーブル80を含む結果画面をユーザの端末装置30に提示すれば、ユーザは成分名に基づいて、通用名称の正しい候補を推測しやすくなり、特に独自名称が成分名ワードで構成されている場合に有用となる。なお、上述した変形例では説明内容が煩雑になるのを避けるため、通用名称として販売名の場合を説明したが、告示名称又はレセプト電算処理システム医薬品名のいずれについても上述した販売名の場合と同様に、成分名ワードによる変形例の処理へ適用でき、特定結果テーブル80に、告示名称の欄又はレセプト電算処理システム医薬品名の欄の少なくともいずれか一方を設けることは勿論可能である。
さらに、コードについても、上述した変形例では説明内容を絞るために、YJコード(個別医薬品コード)の場合を説明したが、HOTコード、薬価基準収載医薬品コード、又はレセプト電算処理システム用コードのいずれについても上述したYJコードの場合と同様に、成分名ワードによる変形例の処理へ適用でき、特定結果テーブル80のコード欄82の中に、HOTコード、薬価基準収載医薬品コード、又はレセプト電算処理システム用コードの少なくともいずれか一つを設けることは勿論可能である。
また、上述した説明では、名称キーワード(及び分解ワード)に基づく処理と、成分名ワード(及び分解ワード)に基づく処理(上述した成分名ワードの変形例の処理も含む)の二系統の処理を併用していたが、検索の処理対象(複数の独自名称を含む名称群に相当)に含まれる独自名称が名称キーワードに基づくものであることが明らかである場合や、名称キーワードを有する独自名称だけを抽出したい場合などは、成分名ワード(及び分解ワード)に基づく処理を省略して、名称キーワード(及び分解ワード)に基づく処理だけを行うようにしてもよい。
一方、検索の処理対象(複数の独自名称を含む名称群に相当)に含まれる独自名称が成分名ワードに基づくものであることが明らかである場合や、成分名ワードを有する独自名称だけを抽出したい場合などは、名称キーワード(及び分解ワード)に基づく処理を省略して、成分名ワード(及び分解ワード)に基づく処理だけを行うようにしてもよい。
このように、名称キーワード(及び分解ワード)に基づく処理、又は成分名ワード(及び分解ワード)に基づく処理のいずれか一方だけを行えるようにするには、例えば、端末装置30側でメニュー画面をディスプレイに表示し、そのメニュー画面でユーザが、二系統の処理の中で実行する一方の系統の処理を設定できるようにすると共に、その設定した処理内容をサーバ装置10へ送信して伝えるようにする。サーバ装置10では、ユーザの設定した処理の系統を受信すると、その受信した系統の処理のみを実行することになる。
上記のように設定された系統の処理のみをサーバ装置10で実行しやすくするためには、例えば、ワードデータベース14に格納する各ワードは、名称キーワード、成分名ワード、又は分解ワードを識別するフラグや識別情報等を付帯させておくことが好適である。なお、リンクデータベース13は、名称キーワード欄13bと、成分名ワード欄13dが設けられているので、名称キーワード(及び分解ワード)に基づく処理のみを行うときは、名称キーワード欄13bに配置された情報をサーバ装置10は参照することになり、成分名ワード(及び分解ワード)に基づく処理のみを行うときは、成分名ワード欄13dに配置された情報をサーバ装置10は参照することになる。
さらに、二系統の処理の中から、実行させる処理をユーザがメニュー画面で選択して設定する仕様以外に、いずれか一方の処理のみを専用に実行する仕様にすることも可能である。例えば、名称キーワード(及び分解ワード)に基づく処理のみを専用に行う仕様、又は成分名ワード(及び分解ワード)に基づく処理のみを専用に行う仕様でシステム、サーバ装置10、端末装置30等を構築することも可能である。このような専用仕様の場合、実行しない側の処理やデータベースに格納する情報等は省略できるため、処理やデータベースを簡易化できるメリットが生じる。
例えば、名称キーワード(及び分解ワード)に基づく処理のみを専用に行う仕様を採用する場合、リンクデータベース13及びワードデータベース14からは成分名ワードに係る情報の省略が可能となり、一方、成分名ワード(及び分解ワード)に基づく処理のみを専用に行う仕様を採用する場合、リンクデータベース13及びワードデータベース14からは名称キーワードに係る情報の省略が可能になる。
また、上述した説明では、テキスト(文字データ)に対して検索処理、判定処理、特定処理等を行うようにしたが、本発明では、上述した特許文献6乃至8等で開示されるように、医薬品の名称やコード(薬剤のパッケージや包装などに印刷された文字、数字、アルファベット、又は記号等の情報に基づく名称やコード)の画像(例えば、撮影画像)にも対応できる。医薬品の名称やコードが画像である場合、サーバ装置10(MPU10a)は、周知の画像認識処理を行って、画像に含まれる文字、数字、アルファベット、又は記号等の情報を認識して、医薬品の名称やコードを判断する。画像から医薬品の名称やコードを認識できると、その後は、上述した検索処理、判定処理、特定処理等が可能となり、処理対象からの独自名称の抽出や、抽出した独自名称に対応する通用名称の候補やコードの特定を行える。
なお、上記のような医薬品の名称(独自名称、各種通用名称等)やコードを含む画像(撮影画像)は、処理対象(例えば、ビッグデータ5)に格納される場合や、リンクデータベース13、ワードデータベース14、コードデータベース15、成分データベース16等のデータベースに格納される場合などが想定できる。さらには、上述したように画像に対して処理を行った場合は、サーバ装置10(MPU10a)が生成する特定結果テーブル20にも、画像から認識した情報(名称やコード)を配置する以外に、元になる画像(撮影画像)を、そのまま配置して、元の画像情報をユーザに提示してもよい。
また、複数の独自名称を含む処理対象(名称群。例えば,ビッグデータ5)は、図1に示すクラウド(クラウド装置4)に保存される構成に限定されることはなく、サーバ装置10(MPU10a)がアクセス可能であれば、処理対象が保存される箇所は限定されない。そのため、処理対象は、サーバ装置10の記憶部10gや、端末装置30の記憶部30gに保存されていてもよく、さらには、USBメモリや、メモリカード、CD、DVD等の各種記憶媒体に保存されて、これらの各種記憶媒体に保存された処理対象をサーバ装置10又は端末装置30が読み出すことで、上述した処理を行うことも可能である。
このように、処理対象は、サーバ装置10(MPU10a)がアクセス可能であれば、保存箇所が限定されないことは、リンクデータベース13、ワードデータベース14、コードデータベース15、成分データベース16等の処理に用いるデータベースについても当てはまる。そのため、これらのデータベース13~16も、例えば、ネットワークNWと通信可能に接続されたデータベースサーバに記憶させて、処理の際、サーバ装置10が適宜、そのようなデータベースサーバに記憶されたデータベース13~16へアクセスして、必要な情報を読み出して、適宜処理を行うようにしてもよい。このように、データベースサーバに各データベース13~16を記憶させておくと、各データベース13~16を外部で管理させて、更新等も外部で一括的に行える点にメリットが生じる。
なお、これらのデータベース13~16は全てをデータベースサーバに記憶させるのではなく、一部のデータベース(例えば、コードデータベース15や成分データベース16)をデータベースサーバに記憶させ、残りのデータベース(例えば、リンクデータベース13やワードデータベース14)はサーバ装置10の記憶部10gに記憶させるように、分散的に記憶する形態も適用できる。このように分散的に記憶させる場合は、例えば、各処理で重点的に用いるデータベース(例えば、リンクデータベース13やワードデータベース14)は、サーバ装置10側に記憶させ、汎用的なデータベース(例えば、コードデータベース15や成分データベース16)は外部のデータベースサーバに記憶させるような態様にすることが好適である。
さらに、処理対象(例えば、ビッグデータ5)に記憶されている情報が、名称キーワードに基づく独自名称の名称群に限定されており、他の雑多な情報が記憶されていないときは、処理対象(例えば、ビッグデータ5)から、複数の独自名称を検索して抽出する処理を省略でき(図19に示すS20の段階の処理)、この場合、S22の段階のマッチングテーブルの生成に際、処理対象に記憶される各独自名称に含まれる名称キーワードが、どのようなものであるかを、それぞれの独自名称を分解することで特定し、マッチングテーブルを生成していくことになる。
この変形例は、処理対象(例えば、ビッグデータ5)に記憶されている情報が、成分名ワードに基づく独自名称に限定されており、他の雑多な情報が記憶されていないときにも当てはまり、このときも、図19に示すS20の段階の処理を省略できる。また、処理対象が、最初から独自名称だけに絞られているときも、上記の変形例の処理を適用でき、図19に示すS20の段階の処理を省略して、処理の効率化を図れる。
また、上述した説明では、通用名称の候補として、告示名称、販売名、及びレセプト電算処理システム医薬品名という三種類の名称を特定したが、これら三種類の名称を特定する以外に、薬価基準収載医薬品名も加えて四種類の名称を特定することも可能であり、一方、これら四種類の中から必要な種類の名称のみを特定するように変形することも可能である。例えば、必要に応じて、特定する通用名称の候補は、上述した各種類の名称の中のいずれか一つのみにしてもよく、さらには、上述した各種類の名称の中のいずれか二種類の名称を通用名称の候補として特定するようにしてもよい。このように特定する候補の種類を減らすと、サーバ装置10(MPU10a)の処理負担を低減できるので好ましい。
上記の特定する通用名称の候補の種類を減らす変形例は、医薬品を識別するコード(識別情報)についても同様に当てはまる。すなわち上述した説明では、特定するコードとしては(図19に示すS25の段階でのコードの特定)、HOTコード(基準番号)、薬価基準収載医薬品コード、YJコード(個別医薬品コード)、及びレセプト電算処理システム用コードというに応じた四種類のコードを特定したが、これら四種類のコードを特定する以外に、必要な種類のコードのみを特定するように変形することも可能である。例えば、必要に応じて、特定するコードとしては、上述した四種類のコードの中のいずれか一つのみにしてもよく、また、上述した四種類のコードの中のいずれか二種類のコードを特定するようにしてもよく、さらには、上述した四種類のコードの中のいずれか三種類のコードを特定するようにしてもよい。このように特定するコードの種類を三種類から減らすと、サーバ装置10(MPU10a)の処理負担を低減できる点で好適となる。
一方、医薬品のコードについては、上述したように特定するコードの種類を減らす以外に、増やすことも可能であり、例えば、上述した四種類のコードの他に、「GTIN(GS1)コード」、「JANコード」、「ATCコード」を、特定するコードの中に含ませるようにしてもよい。なお、これらの「GTIN(GS1)コード」、「JANコード」、「ATCコード」のいずれかを特定するコードの含ませる場合は、図6に示すコードデータベース15にも、これらの各コードに応じた情報を含ませておく必要があり、また、サーバ装置10(MPU10a)が生成する特定結果テーブル20が有するコード欄25に、追加したコードの特定結果を含ませることになる。なお、上述した例では、HOTコードについて、13桁のHOT-13を用いるようにしたが、HOT-13以外に、下2桁の包装単位に応じた物流用番号を省略した11桁のHOT-11、包装形態に応じた調剤用番号を省略して会社識別用番号で終わるようにした9桁のHOT-11、又は、処方用番号及びチェックデジットに係る番号を含む薬価基準収載医薬品コードに対応した7桁のHOT-7のいずれかを用いるようにすることも可能である。
さらに、上述した説明において、名称キーワード又は分解ワードがリンクデータベース13で対応付けられる程度、又は成分名ワード又は分解ワードがリンクデータベース13′で対応付けられる程度を示すスコアのパーセント数値に従って、各通用名称の候補を上方から下方へ並べた特定結果テーブル20を生成するようにしていたが、スコアのパーセント数値に従って下方から上方へ並べるようにしてもよく、また、特定結果テーブル20のレイアウトによっては、スコアのパーセント数値に基づいた候補の並び方を適宜変更してもよい。
また、スコアについては、上記の説明において、パーセントの数値で表すにようしていたが、小数点の数値や、割合で表すようにすることも可能である。さらに、スコアでは無く、パーセントの数値の元になる算出値が高い順に、順位を特定して、その順位を程度として用いるようにしてもよい。さらにまた、サーバ装置10(MPU10a)の処理負担の低減を図る場合は、スコアのような程度の特定の処理は省略してもよく、特に、独自名称に対して特定した通用名称の候補の数が少ない場合(例えば、ある一つの独自名称に対して特定した候補の数が1又は2程度の場合)、ユーザは提示された特定結果テーブル20から、ユーザ自身の判断で正しい候補を推測しやすい状況となるので、判断スコアのような程度の特定を省略しても、ユーザの利便性は実質的にそれほど低下しない。なお、スコアの計算においては、重み付けを用いても良く、例えば、名称キーワードは、医薬品を特定する上で重要な役割を担うので、名称キーワードがヒットした場合は、ヒットした数を1の約1.5倍~2倍程度の数値にして、スコアを算出することも可能である(成分名ワードも同様)。
さらに、上述した説明では、端末装置30の記憶部30gに記憶した医薬品名称特定プログラム32を用いて、本発明の医薬品名称特定方法に係る処理を実行するようにしたが、端末装置30の記憶部30gには、周知のウェブサイト閲覧用のブラウジングプログラムをインストールすると共に、サーバ装置10をウェブサーバとして機能させ、サーバ装置10が配信するウェブサイトを介して本発明の医薬品名称特定システムを構築して、本発明の医薬品名称特定方法を実行する変形例にすることも可能である。この場合、サーバ装置10の記憶部10gに記憶される名称特定プログラム12は、ウェブサーバとしての機能も規定することになり、図16、17に示す各画面40~43を、ウェブサイトを通じたウェブサイト画面(サイト画面)として提供できるように、各画面40~43に係る画面データを画面データベース18に記憶する。
そのため、ユーザ側の端末装置30はブラウジングプログラムを起動させて、サーバ装置10が提供するウェブサイトへアクセスし、サーバ装置10側はアクセス元の端末装置30へ図16(a)に示すログイン画面40に応じた画面データを送信することで、端末装置30はディスプレイにサイト画面として、ログイン画面40を表示することになる。そして、このログイン画面40で所定のログイン情報をユーザが入力してログイン操作が行われると、図18のS3、S4及びS11~S14の段階の各処理が行われて、ログインが完了すると、サーバ装置10側はアクセス元の端末装置30へ図16(b)に示す検索対象設定画面41に応じたに画面データを送信することで、端末装置30はディスプレイに検索対象設定画面41をサイト画面として表示する。
そして、検索対象設定画面41で処理対象を選択すると、その旨がサーバ装置10へ送信されて、図17(a)に示す確認画面42に応じた画面データがサーバ装置10から端末装置30へ送信され、それにより、端末装置30のディスプレイには確認画面42がサイト画面として表示される。この確認画面42でユーザが検索指示の操作を行うと、検索指示がサーバ装置10へ送信され、サーバ装置10では、図18のS15及び図19のS20~28の段階の処理が行われて、特定結果テーブル20を含む結果画面43に応じた画面データが端末装置30へ送信されるので、端末装置30のディスプレイで結果画面43がブラウジングプログラムによりサイト画面として表示されることになる。
以上のように、本発明をウェブサイトに基づいて行う変形例の場合は、ユーザ側の端末装置30は、通常インストールされているブラウザプログラムを用いるだけで済むので、本発明を実施する上でユーザ側の負担を大幅に低減でき、それにより、本発明を広く利用しやすい環境を提供できる。
さらにまた、上述した説明では、ユーザ登録、及びユーザ認証に係るログイン等について説明したが、使用されるユーザが明確な場合や限定される場合などは、ユーザ登録、及びユーザ認証に係るログイン等は省略することも可能である。また、上述した各種変形例は、適宜組み合わせて適用することも勿論可能である。