JP2004178265A - 処方情報関連情報を提供する方法及びシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】病院等で薬剤を処方された患者が、その処方箋の内容を携帯電話機等の情報端末で簡単に調べることができるようにする。
【解決手段】利用者は、メールアドレスを少なくとも含む利用者情報を予め登録する登録手続を行う。登録手続が済んでいる利用者が加盟薬局において処方箋に基づいて薬剤を調剤してもらう際は、当該処方箋情報を入力し、これをIMSサーバに送る。その後、IMSサーバから利用者の情報端末に、メールで処方箋情報が送信される。薬剤の重複情報の提供を行う場合は、さらに重複情報を予め登録しておき、処方箋情報が入力されたときは前記データベースからその利用者の過去の処方箋情報を検索し、その結果抽出された薬剤の情報と、新たに入力された処方箋情報に含まれる薬剤に、該当する重複があるかどうか判定し、重複がある場合は、その旨を利用者にメールで知らせる。
【選択図】 図1
【解決手段】利用者は、メールアドレスを少なくとも含む利用者情報を予め登録する登録手続を行う。登録手続が済んでいる利用者が加盟薬局において処方箋に基づいて薬剤を調剤してもらう際は、当該処方箋情報を入力し、これをIMSサーバに送る。その後、IMSサーバから利用者の情報端末に、メールで処方箋情報が送信される。薬剤の重複情報の提供を行う場合は、さらに重複情報を予め登録しておき、処方箋情報が入力されたときは前記データベースからその利用者の過去の処方箋情報を検索し、その結果抽出された薬剤の情報と、新たに入力された処方箋情報に含まれる薬剤に、該当する重複があるかどうか判定し、重複がある場合は、その旨を利用者にメールで知らせる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医師等から薬剤の処方箋を貰って薬局等で薬剤を調剤して貰う利用者に対し、当該処方箋の内容についての情報並びに当該処方箋に関連する有用な情報を提供する方法及びシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
医師から患者に対して薬剤の処方箋が発行されると、患者はその処方箋を持って薬局等へ出向いてその処方箋を薬剤師に提出し、薬剤を調剤して貰う。この場合、患者が自分に処方される薬剤に興味を持ったとしても、処方箋の内容は専門性が高いため、書かれている内容を一般の患者が理解するのは難しい。患者が自分に処方された薬剤の内容について詳しく知りたいと思う場合には、医師や薬剤師に問い合わせるか、または処方箋の記載内容をメモしておいて、後に医学事典や薬剤事典などを参照して調べるしかない。
【0003】
また、最近では、同一の患者に対して発行された処方箋の内容を記録しておく「お薬手帳」と呼ばれる手帳が流通しており、公的機関の支援のもとに徐々に広がっている。これを参照することによって、過去に自分が服用した薬剤が何であったかを知ることは、以前に比べて容易になった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、患者が、医師や薬剤師に処方される薬剤に関する質問をしても、時間的な制限などから医師や薬剤師が患者の問い合わせに十分に応えられるとは限らない。また、患者側としても、薬剤について医師や薬剤師に詳細な内容を質問するのは心理的にも難しい。
【0005】
「お薬手帳」が広まったことにより、過去に自分が服用した薬剤が何であったかを知ることは以前に比べて容易になったが、これはあくまでも紙をベースとした記録手段であるため、物理的にかさばり、他の荷物と併せるとかなりの重量となる。このため、頻繁に薬剤の処方を受ける患者にとっては、これを常時携帯するのはかなりの肉体的負担となる。また、これはあくまでも紙をベースとした記録手段であるため、迅速な検索や大量の内容の記録には不向きである。
【0006】
さらに、患者が自分に処方された薬剤の内容を独自に調べようとすれば、「お薬手帳」に記載された内容に基づいて医学事典や薬剤事典などで調べる他に手段は無かったが、これにはかなりの労力と時間を要し、実際にこのような作業を実行できる患者の範囲は限られている。
【0007】
本発明は、以上のような課題を、最新のIT技術を利用して解決することを目的としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、処方箋関連情報の提供を行う場合には、利用者のメールアドレスを少なくとも含む利用者情報を予め登録する登録手続を行い、登録手続が済んでいる利用者向けに発行された処方箋の情報(処方箋情報)を入力し、入力された前記処方箋情報又はこれに基づいて調整された情報を該当する利用者の前記メールアドレス宛に送信する。
【0009】
さらに、薬剤の重複情報の提供を行う場合は、重複情報を予め登録するとともに処方箋情報が入力されたときはその情報をデータベースに蓄積し、新たに処方箋情報が入力されたときは前記データベースからその利用者の過去の処方箋情報を検索し、その結果抽出された薬剤の情報と、新たに入力された処方箋情報に含まれる薬剤に、該当する重複があるかどうか判定し、重複があると判定されたときは、その旨の情報を利用者のメールアドレス宛に送信する。
【0010】
さらに、薬剤の禁忌情報の提供を行う場合には、所定の薬剤について予め禁忌情報を登録しておき、処方箋情報が入力されたときは、予め登録されている禁忌情報から入力された処方箋情報に含まれる薬剤が禁忌薬剤に該当するかどうかを判定し、禁忌薬剤に該当するときは、その旨の情報を利用者のメールアドレス宛に送信する。
【0011】
さらに、過去の処方箋情報、あるいは薬剤や病気に関する情報の提供を行う場合には、登録手続を行う際又はその後に利用者を特定するための認証情報を当該利用者に交付し、利用者が自己の情報端末からネットワークを介して自己の認証情報に基づいて中央情報端末にアクセスしたときは、前記認証情報に基づいて当該利用者の認証処理を行い、利用者と認証されたときは、当該利用者の求めに応じて、前記中央情報端末上で過去のデータベースに蓄積されている当該利用者の過去の処方箋関連情報を検索し、あるいは、当該利用者の求めに応じてデータベースに蓄積されている薬剤に関連する情報を検索し、該当する情報があるときは、それを利用者の情報端末に送信する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下では、インターネットを利用した処方箋関連情提供業務に本発明を適用した実施の形態について説明する。おな、以下では、処方箋関連情報提供業務を「IMS(Internet Medical Service)業務」と、また、IMS業務を実行するための機器全体又はその構成要素をIMSシステムと呼ぶ。図12は、IMSシステムの全体的な構成を示した図である。
【0013】
図12において、中央の「IMS本部40」は、IMS業務を運営する際に中心的役割を果たす団体であり、この業務に参加する薬局あるいは薬店等を募るとともにこれらを統括する。IMS本部40には、アプリケーションサーバ、データベースサーバ、ウェブサーバ、メールサーバなどのハードウェア及びソフトウェアが用意され、後述の各種処理を行う。以下では、これらの各サーバを総称して、「IMSサーバ」とも呼ぶ。IMS本部40が運営するIMS業務に参加する薬局あるいは薬店等(以下「加盟薬局」と呼ぶ)42は、IMS本部40との間で所定の契約を結ぶ。その際、各加盟薬局42には、少なくともレセプトコンピュータ(レセコン)及びIMS接続端末の設置が必要となり、さらに、IMS接続端末をIMS本部のIMSサーバと公衆回線で接続する。図12の左側に示した「利用者44」は、そこに描かれている携帯電話機、Lモード機能が付いた固定電話機、PDA、パーソナルコンピュータ等を使ってIMS業務のサービスを受けることができる。
【0014】
IMS業務は、病院等において薬剤の処方箋を貰った患者が利用者となり、加盟薬局において当該処方箋に基づいて調剤をしてもらうことによって、当該利用者がIMSのサービスを利用することができる。このサービスは、処方された薬剤に関する情報を利用者が自分の情報端末において閲覧できるようにすることを基本とするが、その他にも、後述する各種のサービスを提供することができる。ここで、利用者の「情報端末」には、パーソナルコンピュータやPDAを始めとする各種情報端末が含まれるが、出先などで緊急性の高い情報を直ちに受け取ることができるという点で、本実施形態では主として携帯電話を利用する場合を想定している。
【0015】
さらに、利用者がIMSを利用するためには、加盟薬局において予め登録手続をしておくことが必要である。図1及び図2は、患者である利用者が、初めてIMSを利用する際に必要となる利用者登録の手順及び処理の流れを示したフローチャートである。
【0016】
IMSに登録しようとする者は、まず、いずれかの加盟薬局を訪れ(S101)、そこの薬剤師等に登録する旨を伝えるとともに(S102)、自分の氏名、生年月日、保険番号、その他の当該利用者に関する情報(利用者情報)を知らせる。この中には、自分宛の電子メールを読むことができるメールアドレスが必須の項目として含まれる(S104)。なお、最初の登録手続の際、予め処方箋をもらっている場合には、薬剤師等は知らされたメールアドレスを始めとする利用者情報、並びに処方箋に記載されている情報(処方箋情報)をレセプトコンピュータ(レセコン)もしくはIMS接続端末に入力する(S110,S110)。
【0017】
レセコンに入力された情報は、処方箋情報を記録するデータベース10、利用者情報を記録するデータベース12にそれぞれ蓄積される。入力された情報は、必要に応じて帳票としてプリントアウトすることができる。一方、利用者には、当該利用者を特定するためのIDが発行される。
【0018】
なお、処方箋情報及び利用者情報の入力及び蓄積は、例えばエクセルやアクセス(いずれもマイクロソフト社の登録商標)のような市販のアプリケーション・ソフトウェアを利用してもよいし、独自に開発したソフトウェアを利用してもよい。
【0019】
利用者情報及び処方箋情報がレセコンもしくはIMS接続端末に入力され、それぞれ所定のデータベースに蓄積されると、これらの情報は最終的にはIMS本部40に設置された中央情報端末としてのIMSサーバに送られる。
【0020】
なお、本実施形態のIMSシステムでは、レセコンを直接インターネットに接続するのではなく、同じ薬局内に設置されたインターネットに接続するためのIMS接続端末に一旦これらの情報を送り、このIMS接続端末をインターネットに接続してIMSサーバに送るようにしてある。このように、レセコンを直接インターネットに接続せず、間にIMS接続端末を介して接続するようにしたのは、レセコン内の重要なデータが外部からの侵入等によって破壊されたり引き出されたりするのを防ぐとともに、各種メーカーから提供されているレセコンはデータ形式がそれぞれ異なることがあるのでIMS接続端末において使って統一された形式にデータ変換するためである。
【0021】
レセコンからIMS接続端末にデータが移されると、IMS接続端末では、必要に応じてデータ変換処理が行われる(S111)。その後、IMS接続端末は、インターネットを介してIMSサーバにアクセスし、利用者情報のデータを送信する。この送信は、個々の処方箋及びメールアドレスを入力するたびに(すなわちリアルタイムで)行っても良いが、ここでは一営業日の終了時点において、その営業日に入力された情報を一括して送信する。この送信作業のために、IMS接続端末はネットワークを介してIMSサーバと接続される(S112)。
【0022】
データ受信が開始されるのを待っているIMSサーバは(S121)、受信を開始できる状態になるとデータ受信を行い、所定のデータベース上に基本台帳となるそれぞれの利用者の利用者情報及び処方箋情報のマスタを作成する(S122)。
【0023】
IMSサーバはまた、一定の規則に従って各利用者固有のパスワードを自動生成する。各マスタの作成及びパスワードの生成が完了すると、IMSサーバは、パスワード情報を、該当する利用者宛に電子メールで送信する(S201)。IMSサーバは、利用者にパスワード情報を送信した場合は、送信が済んだことを示すために、患者マスタの送信フラグを「済み」扱いとする。パスワード情報を受け取った利用者は、自己のパスワード情報を自分の情報端末に記憶させる。このパスワードは、後にIMSサーバにアクセスする際の認証処理に必要となる。
【0024】
IMSサーバは、メールの送信が終了すると(S202)、メール配信リストデータを作成し、このリストデータを対応するIMS接続端末に送信する(S203)。これを受け取ったIMS接続端末は、その情報をデータベースに蓄積するとともに、画面に表示し又は必要に応じて帳票として出力する。一方、登録した利用者は、パスワード情報を受け取って自己の情報端末に記憶させた後、パスワード情報を受け取ったことを示す「受信確認データ」をIMSサーバに返信する。IMSサーバは、この受信確認データを受け取った段階で、利用者マスタを更新し(S204)、併せて確認フラグを「済み」扱いとする。これ以降、IMSサーバが利用者に処方箋関連情報をメールで配信する場合は、まず、このフラグが「済み」扱いとなっていることを確認する。
【0025】
以上で、新規の利用者によるIMSシステムへの登録手続は完了する。利用者が新たにIMSシステムに登録されると、IMSサーバからすべての加盟薬局のレセコンにその旨の情報が送られる。これにより、利用者はいずれか一カ所の加盟薬局で登録手続を行えば、その後はどの加盟薬局においてもIMSのサービスを受けることができる。なお、上では、利用者が直接加盟薬局において登録手続を行う場合を説明したが、利用者がインターネット上のホームページから、ネット経由で登録手続を行えるようにしてもよい。
【0026】
次に、処方箋関連情報を利用者へメールで送信するサービスを実行する場合の処理について説明する。図3及び図4は、既にIMSシステムに登録が済んでいる利用者が、病院等で受け取った薬剤の処方箋を加盟薬局へ持ち込んでから、その処方箋関連情報をメールとして自己の情報端末で受け取るまでの流れを示したフローチャートである。
【0027】
IMSシステムへの登録が済んでいる利用者が、処方箋を持って加盟薬局を訪れると、職員はその利用者のID及び処方箋の内容をレセコンに入力する(S301)。この処方内容は、レセコンからアクセスできる処方箋情報専用のデータベース10に蓄積される。また、利用者のID情報を基に利用者マスタから当該利用者に関する情報が抽出され、レセコンの端末画面に表示される。この処方箋及び利用者に関する情報の内容は、必要に応じて帳票として出力することができる。
【0028】
S301において処方箋情報が入力されると、この情報は、図1の場合と同様にまずIMS接続端末に送られ、ここで必要に応じてファイル変換処理が行われる(S302)。その後、IMSサーバに接続され、データを送信する(S303)。この場合、個々の利用者の処方箋情報が入力されるたびに送信してもよいし、一営業日が終了したその日に蓄積された情報を一括してIMSサーバに送信してもよい点は、図1の場合と同じである。
【0029】
IMSサーバは、あるIMS接続端末から接続されると、データを受信できる状態になるのを待って(S310)データ受信を開始し(S311)、各マスタを作成する。これによりIMSサーバに処方箋の内容に関する情報が蓄積される。IMSサーバは、受け取った処方箋の内容に関連する情報に基づいて、利用者に送信すべき処方箋関連情報を作成し、続いてこれを該当する利用者の情報端末、特に携帯電話等の携帯端末に電子メールとして送信する(S401)。
【0030】
図5は、利用者の携帯電話に送られてきた処方箋関連情報の表示画面の一例である。同図に示すように、処方箋関連情報には、処方された日付及び医師名(表示領域20)、調剤された日付及び薬剤師名(表示領域22)に加え、表示領域24a及び24bに、処方された薬剤名と処方量、薬用方法が表示されている。これにより利用者は、直近に薬局で受け取った薬剤の詳しい内容、すなわち自分に処方された薬剤がどういったもので、どのように服用すればよいかを自分の携帯電話の画面で確認することができる。
【0031】
図5の画面表示において、表示領域26の「処方内容の登録」は、現在自分の情報端末に表示された処方箋関連情報を自分の情報端末に記録しておく場合にクリックする部分である。この処方箋関連情報は、IMSサーバに蓄積されているので、後述のように、必要があれば希望の処方箋関連情報をIMSサーバから引き出して受信することができるが、それには時間やコストがかかるので、頻繁に参照すると思われる処方箋関連情報については、この例のように自分の情報端末にも記録しておけるようにしてある。なお、表示領域28の「副作用病名登録」、表示領域30の「副作用病名削除」については後述する。
【0032】
再び図4に戻って説明する。IMSサーバは、メールの送信が終了すると(S402)、配信したメールのリストデータを作成し、このデータを、当該利用者が処方箋を持ち込んで薬剤を受け取った加盟薬局のIMS接続端末へ送り(S403)、これを受け取ったIMS接続端末はそのデータを蓄積する(S410)。このように、利用者が訪れた加盟薬局のIMS接続端末にかかる情報を送るのは、利用者に対する情報提供の費用を計算するためである。すなわち、このシステムでは、処方箋関連情報を提供したことによる対価の請求は、IMS本部から各加盟薬局に請求するようにした。しかしながら、本発明はかかる実施形態には限定されず、例えばIMS本部が直接利用者に対して対価を請求する場合も本発明の一実施形態として含まれる。
【0033】
次に、図6を参照して、IMSの利用者が、病院等から過去に受け取った処方箋の内容をIMSサーバ上で検索できるようにするサービスについて説明する。
【0034】
過去の処方箋関連情報を入手しようとする利用者は、まず、自己の情報端末からインターネットを介してIMSサーバへアクセスし、自己を特定する利用者IDとパスワードを入力する(S601)。IMSサーバは、この情報を受けて利用者の認証処理を行い(S602)、権限を有する利用者と確認された場合は(S603)、インターネット経由で利用者の情報端末に対しオープニング画面の情報を送り、これを受け取った利用者の情報端末はその情報を表示する(S604)。
【0035】
図7は、このようなオープニング画面の一例であり、図7に示すように、その利用者が直近に受け取った薬剤についての処方箋情報が表示されるように設定してある。図7の表示領域32をクリックすると、過去に処方された薬剤がリスト表示される。リスト表示の方法は、薬剤名や処方された日付など、種々の態様が考えられ、さらにこれらの表示態様を利用者の希望に応じて自由に切り替えられるようにするのが望ましい。
【0036】
利用者が過去に遡って処方箋関連情報を見たい場合には、リスト表示された過去の処方箋関連情報の中から所望のものを選択することによって、その処方箋関連情報を表示させることができる(S605)。かかるサービスによって、自分がどのような薬剤を服用していたかについて関心を持つ利用者が、携帯電話機などで簡単に自分が過去に服用した薬剤についての情報を入手することができる。
【0037】
次に、IMS利用者に対して病気や薬剤に関する一般的な情報を提供するサービスについて説明する。図8は、IMSシステムがかかるサービスを提供する場合の処理手順を示したフローチャートである。IMSサーバの記録手段には病気及び薬に関する情報が蓄積してあり、キーワード等によって検索できるようデータベース化されている。かかる情報の入力及びデータベースの構築は、サービスを開始する前に予め行っておくとともに、サービス開始後も必要に応じて継続して情報の蓄積を行うことが望ましい。
【0038】
まず、情報を検索しようとするIMS利用者は、自分の携帯電話機等からインターネットを介してIMSシステムのサイトへ接続し、自己を特定する利用者IDとパスワードを入力する(S801)。IMSサーバは、この情報を受けて利用者の認証を行い(S802)、権限を有する利用者と確認された場合には(S803)、インターネット経由で利用者の情報端末に対しオープニング画面の情報を送る(S804)。ここまでは、図6の場合と同じである。なお、これ以降の接続には、時間に応じて接続料金を徴収してもよいし、あるいは1件の検索毎に料金を徴収してもよい。
【0039】
ここで、IMS利用者が検索したい薬剤名をクリックすると、その情報はIMSサーバへ送られ、IMSサーバはデータベースを検索して該当する情報、当該薬剤に関連する情報、例えば含まれている成分、服用方法、服用対象となる疾病、一般的な副作用、その他の効能等を抽出し(S805)、これをIMS利用者の情報端末へ送信し、情報端末はこの情報を表示する(S806)。また、IMS利用者が、薬剤名以外のキーワードをクリックした場合でも検索することができ、この場合も、IMS利用者がキーワードをクリックすると、このキーワードを基にデータベースを検索し、該当する情報を抽出してIMS利用者の情報端末に表示する(S808)。これにより、IMS利用者は、処方された薬剤に関する情報を容易に知ることができる。
【0040】
次に、薬剤の重複情報提供サービスについて説明する。薬剤あるいは薬剤に含まれる成分によっては、ある量を超えて服用したときに健康を損なう危険のあるものがある。また、薬剤によっては、別の薬剤と併せて服用することが禁じられているものがある。このような知識を有さない通常の利用者が、例えば体の部位ごとに別々の病院等に掛かり、それぞれの病院から同系統の薬剤(例えば鎮痛剤)を重複して処方されたり、併せて服用することが禁じられている薬剤を別々の病院から処方され、これらをそのまま服用したために健康を損なうという危険性が考えられる。そこで、加盟薬局の利用者がこのような問題を生じさせる複数の薬剤の調剤を受けた場合には、直ちに利用者の携帯電話機等へその旨の情報を送信して注意を促すというサービスが、ここで説明する重複情報提供サービスである。
【0041】
図9は、かかる薬剤の重複情報を提供するサービスを行う場合の処理の流れを示したフローチャートである。同図において、S901〜S903までの処理は、図3のS301〜S303までの処理と同じなので、ここでは説明を省略する。なお、かかる重複情報を提供するためには、予めIMSサーバ側に、そのための情報をデータベース化して蓄積しておく必要があるが、この情報自体はその分野の専門家には周知なので、これについての説明は省略する。
【0042】
IMSサーバは、IMS接続端末から患者の処方箋情報を受け取る(S911)。IMSサーバがこの情報を受け取ると、まず、その処方箋に記載されている薬剤が、重複服用によって健康を損なう可能性があると指定されているものか否かを判定する(S912)。指定されていなければ、図3及び図4において説明したのと同様に、通常通りIMS利用者に対して処方箋関連情報を送信する。
【0043】
一方、その薬剤が重複服用によって健康を損なう可能性があると指定されているものである場合には、データベースを検索し、当該IMS利用者が過去に処方された薬剤に、今回処方された薬剤と重複して服用すると危険があると指定されているものがあるかどうかを検索する(S913)。かかる薬剤が見つかった場合には、服用重複データを作成し(S914)、これをIMS利用者の携帯電話機にインターネット経由で送信する。
【0044】
図10は、このような重複情報を受けとった携帯電話機の表示画面の一例を示している。この表示画面の一番下の表示領域34には、過去に調剤された「ロキソニン」と本日調剤された「ブルフェン」の作用が重複し、そのまま服用すると問題が生じうる旨が示されている。これにより、IMSの利用者は、その薬剤の服用を中止したり、必要に応じて医師に相談するなどといった措置をとることができ、健康上の問題発生を未然に回避することができる。
【0045】
次に、薬剤の禁忌情報提供サービスについて説明する。このサービスの一つの態様は、理由が分かっているか否かに拘わらず、過去にある薬剤を使用したために問題(副作用)が生じたという場合に、そのような薬剤をIMS利用者がIMSサーバに予め登録しておき、その後その薬剤又は同種の薬剤が処方されたときに、その旨の情報をIMS利用者の情報端末に送信するというものである。このサービスにより、薬剤の服用による副作用の発生を避けることができる。特に、成分が同じでも製薬メーカによって呼称が異なる薬剤が処方されるときなどに有効である。
【0046】
このサービスのもう一つの態様は、IMS利用者が何らかの病気にかかっていて、その病気に対して服用が禁じられている薬剤が存在する場合、そのIMS利用者がそのような薬剤の処方を受けた場合に、その旨の情報をIMS利用者の情報端末に送信するというものである。かかる知識を持たない通常の利用者が自分の病気と服用が禁じられている薬剤との関係を知らなくても、自分の病名を登録しておくだけで、その病気に対して服用が禁じられている薬剤が処方されたときに、その旨の情報を直ちに受け取ることができる。かかるサービスの提供のために、IMSサーバには、各種の病名と、その病気に対して併せて服用することができない薬剤とを関連づけて、データベース化して蓄積しておく。
【0047】
図11は、かかる情報を提供するサービスを行う場合の処理の流れを示したフローチャートである。かかるサービスの提供を受けるためには、まず、過去の経験から服用して問題が生じた薬剤に関する情報又は現在かかっている病名を、予めIMSサーバに登録する。かかる薬剤の登録又は現在かかっている病名の登録は、利用者が自分の携帯電話機から行うことも、また加盟薬局を訪れてそこの薬剤師等と相談し、加盟薬局から登録することもできる。
【0048】
自分の携帯電話機から登録する場合は、まず、図6等で説明したように、携帯電話機からインターネットを介してIMSサーバにアクセスする。図7に示したようなオープニング画面、すなわち最も新しく処方された薬剤の処方箋情報が表示されたら(S1101)、図7の画面表示の表示領域28「禁忌情報登録」をクリックする。すると、副作用が生じた薬剤名を登録するか、現在かかっている病気の病名を登録する表示画面が現れ、利用者は該当する方を選択して薬剤名又は病名を入力する。入力が済んだら、インターネットを介してこの情報をIMSサーバに送信する。IMSサーバがこの情報を受信すると、データベースにこの情報を登録する(S1102)。
【0049】
一方、加盟薬局で薬剤師等との相談の上で登録する場合は、薬剤師等が上記と同様の情報をIMS接続端末から入力し(S1111)、インターネットを介してIMSサーバにアクセスして、上記S1202と同様にIMSサーバのデータベースに登録する。
【0050】
以上のような登録がなされた後に、いずれかの加盟薬局においてこの同じIMS利用者から処方箋に基づく薬剤の調剤が依頼された場合には、前述のようにその処方箋の内容がレセコンから入力され(S1121)、IMS接続端末を介して(S1122)IMSサーバに送られる(S1123)。IMSサーバは、まずデータベースにアクセスして、当該利用者に関して禁忌情報が登録されていないかどうかを検索する。そして、登録されている場合には、今回送られた処方箋に含まれる薬剤が禁忌情報として登録されている内容に関連するものかどうかを判定し、関連する場合には直ちにその旨の情報(服用禁忌データ)作成し(S1103)、当該IMS利用者に送信し、IMS利用者にかかる薬剤を服用しないよう知らせる(S1104)。この場合、利用者が、禁忌情報の詳しい内容を知りたい場合は、図8との関連で説明したように、キーワードなどを用いてIMSサーバのデータベースを検索し、必要な情報を引き出すこともできる。
【0051】
このような禁忌情報が登録されていた場合には、図7の一番下の表示領域36に示すように、利用者の携帯電話機上に禁忌情報が表示される。この例は、前立腺肥大にかかっている利用者がその旨をIMSサーバに登録しておいた場合において、ある病院から「デパス」という薬剤を処方された場合に、この薬剤が前立腺肥大の患者が服用すると問題が生じるので、注意が必要である旨を利用者に知らせている。このように、たとえ利用者がデパスという薬剤が前立腺肥大患者にとって健康上の問題を生じさせる可能性があることを知らなくても、自己の病名「前立腺肥大」を予め登録しておきさえすれば、併せて服用すべきでない薬剤が処方された場合でもその旨を直ちに知ることができ、危険な薬剤を服用するという問題の発生を未然に防ぐことができる。
【0052】
以上説明した各種サービスは、薬剤の利用者には非常に便利で有益であるが、かかるサービスは、予めIMS業務に加盟している薬局だけで受けることができる。このため、幅広い利用者を確保しようとする薬局は、進んでIMSシステムに加盟しようというインセンティブが働き、そのことがさらに利用者に対する利便性を向上させる結果となり、利用者及び薬局相互の利益の向上につながる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、患者が病院等において薬剤の処方箋を貰った場合において、その患者が特定の薬局で当該処方箋に基づいた薬剤の調剤をしてもらうことによって、患者がその薬剤に関する情報を自己の情報端末(携帯電話、PDA、パーソナルコンピュータ等)で受け取ることができる他、後に必要に応じて過去に処方された薬剤の情報を情報端末を使って調べることや特定の薬剤や病気についての情報取得することが可能となり、さらに、この過去に処方された薬剤と今後処方される薬剤を併用するると弊害がある場合や、何らかの病気にかかっていてその病気に関連する特定の薬剤の服用が健康上の問題を引き起こす可能性がある場合には、利用者が予めその旨を知ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】利用者が初めてIMSを利用する際に必要となる利用者登録の手順及び処理の流れを示したフローチャートである。
【図2】利用者が初めてIMSを利用する際に必要となる利用者登録の手順及び処理の流れを示したフローチャートである。
【図3】既にIMSシステムに登録が済んでいる利用者が処方箋を加盟薬局へ持ち込んでから、処方箋関連情報をメールとして自己の情報端末で受け取るまでの流れを示したフローチャートである。
【図4】既にIMSシステムに登録が済んでいる利用者が処方箋を加盟薬局へ持ち込んでから、処方箋関連情報をメールとして自己の情報端末で受け取るまでの流れを示したフローチャートである。
【図5】利用者の携帯電話に送られてきた処方箋関連情報の表示画面の一例である。
【図6】過去に受け取った処方箋の内容をIMSサーバ上で検索するサービスを提供する処理の流れを示したフローチャートである。
【図7】利用者がIMSサーバにアクセスしたときのオープニング画面の一例を示した図である。
【図8】病気や薬剤に関する情報を提供するサービスを提供する場合の処理手順を示したフローチャートである。
【図9】重複情報提供サービスを行う場合の処理の流れを示したフローチャートである。
【図10】重複情報を受けとった携帯電話機の表示画面の一例を示した図である。
【図11】禁忌情報提供サービスを行う場合の処理の流れを示したフローチャートである。
【図12】IMSシステムの全体的な構成を示した図である。
【符号の説明】
10、12…データベース、
40…IMS本部、
42…加盟薬局、
44…利用者
【発明の属する技術分野】
本発明は、医師等から薬剤の処方箋を貰って薬局等で薬剤を調剤して貰う利用者に対し、当該処方箋の内容についての情報並びに当該処方箋に関連する有用な情報を提供する方法及びシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
医師から患者に対して薬剤の処方箋が発行されると、患者はその処方箋を持って薬局等へ出向いてその処方箋を薬剤師に提出し、薬剤を調剤して貰う。この場合、患者が自分に処方される薬剤に興味を持ったとしても、処方箋の内容は専門性が高いため、書かれている内容を一般の患者が理解するのは難しい。患者が自分に処方された薬剤の内容について詳しく知りたいと思う場合には、医師や薬剤師に問い合わせるか、または処方箋の記載内容をメモしておいて、後に医学事典や薬剤事典などを参照して調べるしかない。
【0003】
また、最近では、同一の患者に対して発行された処方箋の内容を記録しておく「お薬手帳」と呼ばれる手帳が流通しており、公的機関の支援のもとに徐々に広がっている。これを参照することによって、過去に自分が服用した薬剤が何であったかを知ることは、以前に比べて容易になった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、患者が、医師や薬剤師に処方される薬剤に関する質問をしても、時間的な制限などから医師や薬剤師が患者の問い合わせに十分に応えられるとは限らない。また、患者側としても、薬剤について医師や薬剤師に詳細な内容を質問するのは心理的にも難しい。
【0005】
「お薬手帳」が広まったことにより、過去に自分が服用した薬剤が何であったかを知ることは以前に比べて容易になったが、これはあくまでも紙をベースとした記録手段であるため、物理的にかさばり、他の荷物と併せるとかなりの重量となる。このため、頻繁に薬剤の処方を受ける患者にとっては、これを常時携帯するのはかなりの肉体的負担となる。また、これはあくまでも紙をベースとした記録手段であるため、迅速な検索や大量の内容の記録には不向きである。
【0006】
さらに、患者が自分に処方された薬剤の内容を独自に調べようとすれば、「お薬手帳」に記載された内容に基づいて医学事典や薬剤事典などで調べる他に手段は無かったが、これにはかなりの労力と時間を要し、実際にこのような作業を実行できる患者の範囲は限られている。
【0007】
本発明は、以上のような課題を、最新のIT技術を利用して解決することを目的としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、処方箋関連情報の提供を行う場合には、利用者のメールアドレスを少なくとも含む利用者情報を予め登録する登録手続を行い、登録手続が済んでいる利用者向けに発行された処方箋の情報(処方箋情報)を入力し、入力された前記処方箋情報又はこれに基づいて調整された情報を該当する利用者の前記メールアドレス宛に送信する。
【0009】
さらに、薬剤の重複情報の提供を行う場合は、重複情報を予め登録するとともに処方箋情報が入力されたときはその情報をデータベースに蓄積し、新たに処方箋情報が入力されたときは前記データベースからその利用者の過去の処方箋情報を検索し、その結果抽出された薬剤の情報と、新たに入力された処方箋情報に含まれる薬剤に、該当する重複があるかどうか判定し、重複があると判定されたときは、その旨の情報を利用者のメールアドレス宛に送信する。
【0010】
さらに、薬剤の禁忌情報の提供を行う場合には、所定の薬剤について予め禁忌情報を登録しておき、処方箋情報が入力されたときは、予め登録されている禁忌情報から入力された処方箋情報に含まれる薬剤が禁忌薬剤に該当するかどうかを判定し、禁忌薬剤に該当するときは、その旨の情報を利用者のメールアドレス宛に送信する。
【0011】
さらに、過去の処方箋情報、あるいは薬剤や病気に関する情報の提供を行う場合には、登録手続を行う際又はその後に利用者を特定するための認証情報を当該利用者に交付し、利用者が自己の情報端末からネットワークを介して自己の認証情報に基づいて中央情報端末にアクセスしたときは、前記認証情報に基づいて当該利用者の認証処理を行い、利用者と認証されたときは、当該利用者の求めに応じて、前記中央情報端末上で過去のデータベースに蓄積されている当該利用者の過去の処方箋関連情報を検索し、あるいは、当該利用者の求めに応じてデータベースに蓄積されている薬剤に関連する情報を検索し、該当する情報があるときは、それを利用者の情報端末に送信する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下では、インターネットを利用した処方箋関連情提供業務に本発明を適用した実施の形態について説明する。おな、以下では、処方箋関連情報提供業務を「IMS(Internet Medical Service)業務」と、また、IMS業務を実行するための機器全体又はその構成要素をIMSシステムと呼ぶ。図12は、IMSシステムの全体的な構成を示した図である。
【0013】
図12において、中央の「IMS本部40」は、IMS業務を運営する際に中心的役割を果たす団体であり、この業務に参加する薬局あるいは薬店等を募るとともにこれらを統括する。IMS本部40には、アプリケーションサーバ、データベースサーバ、ウェブサーバ、メールサーバなどのハードウェア及びソフトウェアが用意され、後述の各種処理を行う。以下では、これらの各サーバを総称して、「IMSサーバ」とも呼ぶ。IMS本部40が運営するIMS業務に参加する薬局あるいは薬店等(以下「加盟薬局」と呼ぶ)42は、IMS本部40との間で所定の契約を結ぶ。その際、各加盟薬局42には、少なくともレセプトコンピュータ(レセコン)及びIMS接続端末の設置が必要となり、さらに、IMS接続端末をIMS本部のIMSサーバと公衆回線で接続する。図12の左側に示した「利用者44」は、そこに描かれている携帯電話機、Lモード機能が付いた固定電話機、PDA、パーソナルコンピュータ等を使ってIMS業務のサービスを受けることができる。
【0014】
IMS業務は、病院等において薬剤の処方箋を貰った患者が利用者となり、加盟薬局において当該処方箋に基づいて調剤をしてもらうことによって、当該利用者がIMSのサービスを利用することができる。このサービスは、処方された薬剤に関する情報を利用者が自分の情報端末において閲覧できるようにすることを基本とするが、その他にも、後述する各種のサービスを提供することができる。ここで、利用者の「情報端末」には、パーソナルコンピュータやPDAを始めとする各種情報端末が含まれるが、出先などで緊急性の高い情報を直ちに受け取ることができるという点で、本実施形態では主として携帯電話を利用する場合を想定している。
【0015】
さらに、利用者がIMSを利用するためには、加盟薬局において予め登録手続をしておくことが必要である。図1及び図2は、患者である利用者が、初めてIMSを利用する際に必要となる利用者登録の手順及び処理の流れを示したフローチャートである。
【0016】
IMSに登録しようとする者は、まず、いずれかの加盟薬局を訪れ(S101)、そこの薬剤師等に登録する旨を伝えるとともに(S102)、自分の氏名、生年月日、保険番号、その他の当該利用者に関する情報(利用者情報)を知らせる。この中には、自分宛の電子メールを読むことができるメールアドレスが必須の項目として含まれる(S104)。なお、最初の登録手続の際、予め処方箋をもらっている場合には、薬剤師等は知らされたメールアドレスを始めとする利用者情報、並びに処方箋に記載されている情報(処方箋情報)をレセプトコンピュータ(レセコン)もしくはIMS接続端末に入力する(S110,S110)。
【0017】
レセコンに入力された情報は、処方箋情報を記録するデータベース10、利用者情報を記録するデータベース12にそれぞれ蓄積される。入力された情報は、必要に応じて帳票としてプリントアウトすることができる。一方、利用者には、当該利用者を特定するためのIDが発行される。
【0018】
なお、処方箋情報及び利用者情報の入力及び蓄積は、例えばエクセルやアクセス(いずれもマイクロソフト社の登録商標)のような市販のアプリケーション・ソフトウェアを利用してもよいし、独自に開発したソフトウェアを利用してもよい。
【0019】
利用者情報及び処方箋情報がレセコンもしくはIMS接続端末に入力され、それぞれ所定のデータベースに蓄積されると、これらの情報は最終的にはIMS本部40に設置された中央情報端末としてのIMSサーバに送られる。
【0020】
なお、本実施形態のIMSシステムでは、レセコンを直接インターネットに接続するのではなく、同じ薬局内に設置されたインターネットに接続するためのIMS接続端末に一旦これらの情報を送り、このIMS接続端末をインターネットに接続してIMSサーバに送るようにしてある。このように、レセコンを直接インターネットに接続せず、間にIMS接続端末を介して接続するようにしたのは、レセコン内の重要なデータが外部からの侵入等によって破壊されたり引き出されたりするのを防ぐとともに、各種メーカーから提供されているレセコンはデータ形式がそれぞれ異なることがあるのでIMS接続端末において使って統一された形式にデータ変換するためである。
【0021】
レセコンからIMS接続端末にデータが移されると、IMS接続端末では、必要に応じてデータ変換処理が行われる(S111)。その後、IMS接続端末は、インターネットを介してIMSサーバにアクセスし、利用者情報のデータを送信する。この送信は、個々の処方箋及びメールアドレスを入力するたびに(すなわちリアルタイムで)行っても良いが、ここでは一営業日の終了時点において、その営業日に入力された情報を一括して送信する。この送信作業のために、IMS接続端末はネットワークを介してIMSサーバと接続される(S112)。
【0022】
データ受信が開始されるのを待っているIMSサーバは(S121)、受信を開始できる状態になるとデータ受信を行い、所定のデータベース上に基本台帳となるそれぞれの利用者の利用者情報及び処方箋情報のマスタを作成する(S122)。
【0023】
IMSサーバはまた、一定の規則に従って各利用者固有のパスワードを自動生成する。各マスタの作成及びパスワードの生成が完了すると、IMSサーバは、パスワード情報を、該当する利用者宛に電子メールで送信する(S201)。IMSサーバは、利用者にパスワード情報を送信した場合は、送信が済んだことを示すために、患者マスタの送信フラグを「済み」扱いとする。パスワード情報を受け取った利用者は、自己のパスワード情報を自分の情報端末に記憶させる。このパスワードは、後にIMSサーバにアクセスする際の認証処理に必要となる。
【0024】
IMSサーバは、メールの送信が終了すると(S202)、メール配信リストデータを作成し、このリストデータを対応するIMS接続端末に送信する(S203)。これを受け取ったIMS接続端末は、その情報をデータベースに蓄積するとともに、画面に表示し又は必要に応じて帳票として出力する。一方、登録した利用者は、パスワード情報を受け取って自己の情報端末に記憶させた後、パスワード情報を受け取ったことを示す「受信確認データ」をIMSサーバに返信する。IMSサーバは、この受信確認データを受け取った段階で、利用者マスタを更新し(S204)、併せて確認フラグを「済み」扱いとする。これ以降、IMSサーバが利用者に処方箋関連情報をメールで配信する場合は、まず、このフラグが「済み」扱いとなっていることを確認する。
【0025】
以上で、新規の利用者によるIMSシステムへの登録手続は完了する。利用者が新たにIMSシステムに登録されると、IMSサーバからすべての加盟薬局のレセコンにその旨の情報が送られる。これにより、利用者はいずれか一カ所の加盟薬局で登録手続を行えば、その後はどの加盟薬局においてもIMSのサービスを受けることができる。なお、上では、利用者が直接加盟薬局において登録手続を行う場合を説明したが、利用者がインターネット上のホームページから、ネット経由で登録手続を行えるようにしてもよい。
【0026】
次に、処方箋関連情報を利用者へメールで送信するサービスを実行する場合の処理について説明する。図3及び図4は、既にIMSシステムに登録が済んでいる利用者が、病院等で受け取った薬剤の処方箋を加盟薬局へ持ち込んでから、その処方箋関連情報をメールとして自己の情報端末で受け取るまでの流れを示したフローチャートである。
【0027】
IMSシステムへの登録が済んでいる利用者が、処方箋を持って加盟薬局を訪れると、職員はその利用者のID及び処方箋の内容をレセコンに入力する(S301)。この処方内容は、レセコンからアクセスできる処方箋情報専用のデータベース10に蓄積される。また、利用者のID情報を基に利用者マスタから当該利用者に関する情報が抽出され、レセコンの端末画面に表示される。この処方箋及び利用者に関する情報の内容は、必要に応じて帳票として出力することができる。
【0028】
S301において処方箋情報が入力されると、この情報は、図1の場合と同様にまずIMS接続端末に送られ、ここで必要に応じてファイル変換処理が行われる(S302)。その後、IMSサーバに接続され、データを送信する(S303)。この場合、個々の利用者の処方箋情報が入力されるたびに送信してもよいし、一営業日が終了したその日に蓄積された情報を一括してIMSサーバに送信してもよい点は、図1の場合と同じである。
【0029】
IMSサーバは、あるIMS接続端末から接続されると、データを受信できる状態になるのを待って(S310)データ受信を開始し(S311)、各マスタを作成する。これによりIMSサーバに処方箋の内容に関する情報が蓄積される。IMSサーバは、受け取った処方箋の内容に関連する情報に基づいて、利用者に送信すべき処方箋関連情報を作成し、続いてこれを該当する利用者の情報端末、特に携帯電話等の携帯端末に電子メールとして送信する(S401)。
【0030】
図5は、利用者の携帯電話に送られてきた処方箋関連情報の表示画面の一例である。同図に示すように、処方箋関連情報には、処方された日付及び医師名(表示領域20)、調剤された日付及び薬剤師名(表示領域22)に加え、表示領域24a及び24bに、処方された薬剤名と処方量、薬用方法が表示されている。これにより利用者は、直近に薬局で受け取った薬剤の詳しい内容、すなわち自分に処方された薬剤がどういったもので、どのように服用すればよいかを自分の携帯電話の画面で確認することができる。
【0031】
図5の画面表示において、表示領域26の「処方内容の登録」は、現在自分の情報端末に表示された処方箋関連情報を自分の情報端末に記録しておく場合にクリックする部分である。この処方箋関連情報は、IMSサーバに蓄積されているので、後述のように、必要があれば希望の処方箋関連情報をIMSサーバから引き出して受信することができるが、それには時間やコストがかかるので、頻繁に参照すると思われる処方箋関連情報については、この例のように自分の情報端末にも記録しておけるようにしてある。なお、表示領域28の「副作用病名登録」、表示領域30の「副作用病名削除」については後述する。
【0032】
再び図4に戻って説明する。IMSサーバは、メールの送信が終了すると(S402)、配信したメールのリストデータを作成し、このデータを、当該利用者が処方箋を持ち込んで薬剤を受け取った加盟薬局のIMS接続端末へ送り(S403)、これを受け取ったIMS接続端末はそのデータを蓄積する(S410)。このように、利用者が訪れた加盟薬局のIMS接続端末にかかる情報を送るのは、利用者に対する情報提供の費用を計算するためである。すなわち、このシステムでは、処方箋関連情報を提供したことによる対価の請求は、IMS本部から各加盟薬局に請求するようにした。しかしながら、本発明はかかる実施形態には限定されず、例えばIMS本部が直接利用者に対して対価を請求する場合も本発明の一実施形態として含まれる。
【0033】
次に、図6を参照して、IMSの利用者が、病院等から過去に受け取った処方箋の内容をIMSサーバ上で検索できるようにするサービスについて説明する。
【0034】
過去の処方箋関連情報を入手しようとする利用者は、まず、自己の情報端末からインターネットを介してIMSサーバへアクセスし、自己を特定する利用者IDとパスワードを入力する(S601)。IMSサーバは、この情報を受けて利用者の認証処理を行い(S602)、権限を有する利用者と確認された場合は(S603)、インターネット経由で利用者の情報端末に対しオープニング画面の情報を送り、これを受け取った利用者の情報端末はその情報を表示する(S604)。
【0035】
図7は、このようなオープニング画面の一例であり、図7に示すように、その利用者が直近に受け取った薬剤についての処方箋情報が表示されるように設定してある。図7の表示領域32をクリックすると、過去に処方された薬剤がリスト表示される。リスト表示の方法は、薬剤名や処方された日付など、種々の態様が考えられ、さらにこれらの表示態様を利用者の希望に応じて自由に切り替えられるようにするのが望ましい。
【0036】
利用者が過去に遡って処方箋関連情報を見たい場合には、リスト表示された過去の処方箋関連情報の中から所望のものを選択することによって、その処方箋関連情報を表示させることができる(S605)。かかるサービスによって、自分がどのような薬剤を服用していたかについて関心を持つ利用者が、携帯電話機などで簡単に自分が過去に服用した薬剤についての情報を入手することができる。
【0037】
次に、IMS利用者に対して病気や薬剤に関する一般的な情報を提供するサービスについて説明する。図8は、IMSシステムがかかるサービスを提供する場合の処理手順を示したフローチャートである。IMSサーバの記録手段には病気及び薬に関する情報が蓄積してあり、キーワード等によって検索できるようデータベース化されている。かかる情報の入力及びデータベースの構築は、サービスを開始する前に予め行っておくとともに、サービス開始後も必要に応じて継続して情報の蓄積を行うことが望ましい。
【0038】
まず、情報を検索しようとするIMS利用者は、自分の携帯電話機等からインターネットを介してIMSシステムのサイトへ接続し、自己を特定する利用者IDとパスワードを入力する(S801)。IMSサーバは、この情報を受けて利用者の認証を行い(S802)、権限を有する利用者と確認された場合には(S803)、インターネット経由で利用者の情報端末に対しオープニング画面の情報を送る(S804)。ここまでは、図6の場合と同じである。なお、これ以降の接続には、時間に応じて接続料金を徴収してもよいし、あるいは1件の検索毎に料金を徴収してもよい。
【0039】
ここで、IMS利用者が検索したい薬剤名をクリックすると、その情報はIMSサーバへ送られ、IMSサーバはデータベースを検索して該当する情報、当該薬剤に関連する情報、例えば含まれている成分、服用方法、服用対象となる疾病、一般的な副作用、その他の効能等を抽出し(S805)、これをIMS利用者の情報端末へ送信し、情報端末はこの情報を表示する(S806)。また、IMS利用者が、薬剤名以外のキーワードをクリックした場合でも検索することができ、この場合も、IMS利用者がキーワードをクリックすると、このキーワードを基にデータベースを検索し、該当する情報を抽出してIMS利用者の情報端末に表示する(S808)。これにより、IMS利用者は、処方された薬剤に関する情報を容易に知ることができる。
【0040】
次に、薬剤の重複情報提供サービスについて説明する。薬剤あるいは薬剤に含まれる成分によっては、ある量を超えて服用したときに健康を損なう危険のあるものがある。また、薬剤によっては、別の薬剤と併せて服用することが禁じられているものがある。このような知識を有さない通常の利用者が、例えば体の部位ごとに別々の病院等に掛かり、それぞれの病院から同系統の薬剤(例えば鎮痛剤)を重複して処方されたり、併せて服用することが禁じられている薬剤を別々の病院から処方され、これらをそのまま服用したために健康を損なうという危険性が考えられる。そこで、加盟薬局の利用者がこのような問題を生じさせる複数の薬剤の調剤を受けた場合には、直ちに利用者の携帯電話機等へその旨の情報を送信して注意を促すというサービスが、ここで説明する重複情報提供サービスである。
【0041】
図9は、かかる薬剤の重複情報を提供するサービスを行う場合の処理の流れを示したフローチャートである。同図において、S901〜S903までの処理は、図3のS301〜S303までの処理と同じなので、ここでは説明を省略する。なお、かかる重複情報を提供するためには、予めIMSサーバ側に、そのための情報をデータベース化して蓄積しておく必要があるが、この情報自体はその分野の専門家には周知なので、これについての説明は省略する。
【0042】
IMSサーバは、IMS接続端末から患者の処方箋情報を受け取る(S911)。IMSサーバがこの情報を受け取ると、まず、その処方箋に記載されている薬剤が、重複服用によって健康を損なう可能性があると指定されているものか否かを判定する(S912)。指定されていなければ、図3及び図4において説明したのと同様に、通常通りIMS利用者に対して処方箋関連情報を送信する。
【0043】
一方、その薬剤が重複服用によって健康を損なう可能性があると指定されているものである場合には、データベースを検索し、当該IMS利用者が過去に処方された薬剤に、今回処方された薬剤と重複して服用すると危険があると指定されているものがあるかどうかを検索する(S913)。かかる薬剤が見つかった場合には、服用重複データを作成し(S914)、これをIMS利用者の携帯電話機にインターネット経由で送信する。
【0044】
図10は、このような重複情報を受けとった携帯電話機の表示画面の一例を示している。この表示画面の一番下の表示領域34には、過去に調剤された「ロキソニン」と本日調剤された「ブルフェン」の作用が重複し、そのまま服用すると問題が生じうる旨が示されている。これにより、IMSの利用者は、その薬剤の服用を中止したり、必要に応じて医師に相談するなどといった措置をとることができ、健康上の問題発生を未然に回避することができる。
【0045】
次に、薬剤の禁忌情報提供サービスについて説明する。このサービスの一つの態様は、理由が分かっているか否かに拘わらず、過去にある薬剤を使用したために問題(副作用)が生じたという場合に、そのような薬剤をIMS利用者がIMSサーバに予め登録しておき、その後その薬剤又は同種の薬剤が処方されたときに、その旨の情報をIMS利用者の情報端末に送信するというものである。このサービスにより、薬剤の服用による副作用の発生を避けることができる。特に、成分が同じでも製薬メーカによって呼称が異なる薬剤が処方されるときなどに有効である。
【0046】
このサービスのもう一つの態様は、IMS利用者が何らかの病気にかかっていて、その病気に対して服用が禁じられている薬剤が存在する場合、そのIMS利用者がそのような薬剤の処方を受けた場合に、その旨の情報をIMS利用者の情報端末に送信するというものである。かかる知識を持たない通常の利用者が自分の病気と服用が禁じられている薬剤との関係を知らなくても、自分の病名を登録しておくだけで、その病気に対して服用が禁じられている薬剤が処方されたときに、その旨の情報を直ちに受け取ることができる。かかるサービスの提供のために、IMSサーバには、各種の病名と、その病気に対して併せて服用することができない薬剤とを関連づけて、データベース化して蓄積しておく。
【0047】
図11は、かかる情報を提供するサービスを行う場合の処理の流れを示したフローチャートである。かかるサービスの提供を受けるためには、まず、過去の経験から服用して問題が生じた薬剤に関する情報又は現在かかっている病名を、予めIMSサーバに登録する。かかる薬剤の登録又は現在かかっている病名の登録は、利用者が自分の携帯電話機から行うことも、また加盟薬局を訪れてそこの薬剤師等と相談し、加盟薬局から登録することもできる。
【0048】
自分の携帯電話機から登録する場合は、まず、図6等で説明したように、携帯電話機からインターネットを介してIMSサーバにアクセスする。図7に示したようなオープニング画面、すなわち最も新しく処方された薬剤の処方箋情報が表示されたら(S1101)、図7の画面表示の表示領域28「禁忌情報登録」をクリックする。すると、副作用が生じた薬剤名を登録するか、現在かかっている病気の病名を登録する表示画面が現れ、利用者は該当する方を選択して薬剤名又は病名を入力する。入力が済んだら、インターネットを介してこの情報をIMSサーバに送信する。IMSサーバがこの情報を受信すると、データベースにこの情報を登録する(S1102)。
【0049】
一方、加盟薬局で薬剤師等との相談の上で登録する場合は、薬剤師等が上記と同様の情報をIMS接続端末から入力し(S1111)、インターネットを介してIMSサーバにアクセスして、上記S1202と同様にIMSサーバのデータベースに登録する。
【0050】
以上のような登録がなされた後に、いずれかの加盟薬局においてこの同じIMS利用者から処方箋に基づく薬剤の調剤が依頼された場合には、前述のようにその処方箋の内容がレセコンから入力され(S1121)、IMS接続端末を介して(S1122)IMSサーバに送られる(S1123)。IMSサーバは、まずデータベースにアクセスして、当該利用者に関して禁忌情報が登録されていないかどうかを検索する。そして、登録されている場合には、今回送られた処方箋に含まれる薬剤が禁忌情報として登録されている内容に関連するものかどうかを判定し、関連する場合には直ちにその旨の情報(服用禁忌データ)作成し(S1103)、当該IMS利用者に送信し、IMS利用者にかかる薬剤を服用しないよう知らせる(S1104)。この場合、利用者が、禁忌情報の詳しい内容を知りたい場合は、図8との関連で説明したように、キーワードなどを用いてIMSサーバのデータベースを検索し、必要な情報を引き出すこともできる。
【0051】
このような禁忌情報が登録されていた場合には、図7の一番下の表示領域36に示すように、利用者の携帯電話機上に禁忌情報が表示される。この例は、前立腺肥大にかかっている利用者がその旨をIMSサーバに登録しておいた場合において、ある病院から「デパス」という薬剤を処方された場合に、この薬剤が前立腺肥大の患者が服用すると問題が生じるので、注意が必要である旨を利用者に知らせている。このように、たとえ利用者がデパスという薬剤が前立腺肥大患者にとって健康上の問題を生じさせる可能性があることを知らなくても、自己の病名「前立腺肥大」を予め登録しておきさえすれば、併せて服用すべきでない薬剤が処方された場合でもその旨を直ちに知ることができ、危険な薬剤を服用するという問題の発生を未然に防ぐことができる。
【0052】
以上説明した各種サービスは、薬剤の利用者には非常に便利で有益であるが、かかるサービスは、予めIMS業務に加盟している薬局だけで受けることができる。このため、幅広い利用者を確保しようとする薬局は、進んでIMSシステムに加盟しようというインセンティブが働き、そのことがさらに利用者に対する利便性を向上させる結果となり、利用者及び薬局相互の利益の向上につながる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、患者が病院等において薬剤の処方箋を貰った場合において、その患者が特定の薬局で当該処方箋に基づいた薬剤の調剤をしてもらうことによって、患者がその薬剤に関する情報を自己の情報端末(携帯電話、PDA、パーソナルコンピュータ等)で受け取ることができる他、後に必要に応じて過去に処方された薬剤の情報を情報端末を使って調べることや特定の薬剤や病気についての情報取得することが可能となり、さらに、この過去に処方された薬剤と今後処方される薬剤を併用するると弊害がある場合や、何らかの病気にかかっていてその病気に関連する特定の薬剤の服用が健康上の問題を引き起こす可能性がある場合には、利用者が予めその旨を知ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】利用者が初めてIMSを利用する際に必要となる利用者登録の手順及び処理の流れを示したフローチャートである。
【図2】利用者が初めてIMSを利用する際に必要となる利用者登録の手順及び処理の流れを示したフローチャートである。
【図3】既にIMSシステムに登録が済んでいる利用者が処方箋を加盟薬局へ持ち込んでから、処方箋関連情報をメールとして自己の情報端末で受け取るまでの流れを示したフローチャートである。
【図4】既にIMSシステムに登録が済んでいる利用者が処方箋を加盟薬局へ持ち込んでから、処方箋関連情報をメールとして自己の情報端末で受け取るまでの流れを示したフローチャートである。
【図5】利用者の携帯電話に送られてきた処方箋関連情報の表示画面の一例である。
【図6】過去に受け取った処方箋の内容をIMSサーバ上で検索するサービスを提供する処理の流れを示したフローチャートである。
【図7】利用者がIMSサーバにアクセスしたときのオープニング画面の一例を示した図である。
【図8】病気や薬剤に関する情報を提供するサービスを提供する場合の処理手順を示したフローチャートである。
【図9】重複情報提供サービスを行う場合の処理の流れを示したフローチャートである。
【図10】重複情報を受けとった携帯電話機の表示画面の一例を示した図である。
【図11】禁忌情報提供サービスを行う場合の処理の流れを示したフローチャートである。
【図12】IMSシステムの全体的な構成を示した図である。
【符号の説明】
10、12…データベース、
40…IMS本部、
42…加盟薬局、
44…利用者
Claims (10)
- 利用者のメールアドレスを少なくとも含む利用者情報を予め登録する登録手続を行い、
登録手続が済んでいる利用者向けに発行された処方箋の情報(処方箋情報)を入力し、
入力された前記処方箋情報又はこれに基づいて調整された情報を該当する利用者の前記メールアドレス宛に送信する、
というステップを少なくとも含むことを特徴とする処方箋関連情報提供方法。 - 所定の薬剤について予め重複情報を登録するとともに処方箋情報が入力されたときはその情報をデータベースに蓄積しておき、新たに処方箋情報が入力されたときは前記データベースからその利用者の過去の処方箋情報を検索し、その結果抽出された薬剤の情報と、新たに入力された処方箋情報に含まれる薬剤に、該当する重複があるかどうか判定し、重複があると判定されたときは、その旨の情報を利用者のメールアドレス宛に送信することを特徴とする請求項1に記載の処方箋関連情報提供方法。
- 所定の薬剤について予め禁忌情報を登録しておき、処方箋情報が入力されたときは、予め登録されている禁忌情報から入力された処方箋情報に含まれる薬剤が禁忌薬剤に該当するかどうかを判定し、禁忌薬剤に該当するときは、その旨の情報を利用者のメールアドレス宛に送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の処方箋関連情報提供方法。
- 前記登録手続を行う際又はその後に、利用者を特定するための認証情報を当該利用者に交付し、
利用者が自己の情報端末からネットワークを介して自己の認証情報に基づいて中央情報端末にアクセスしたときは、前記認証情報に基づいて当該利用者の認証処理を行い、
利用者と認証されたときは、当該利用者の求めに応じて、前記中央情報端末上で過去のデータベースに蓄積されている当該利用者の過去の処方箋関連情報を検索し、該当する情報があるときは、それを利用者の情報端末に送信することを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載の処方箋関連情報提供方法。 - 前記登録手続を行う際又はその後に、当該利用者を特定するための認証情報を利用者に交付し、
利用者が情報端末からネットワークを介して自己の認証情報に基づいて中央情報端末にアクセスしたときは、前記認証情報に基づいて当該利用者の認証処理を行い、
当該利用者と認証されたときは、当該利用者の求めに応じて、データベースに蓄積されている薬剤に関連する情報を検索し、該当する情報があるときは、それを利用者の情報端末に送信することを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載の処方箋関連情報提供方法。 - 利用者のメールアドレスを少なくとも含む利用者情報を入力して当該利用者のシステムへの登録手続を行う利用者登録手段と、
登録手続が済んでいる利用者向けに発行された処方箋の情報(処方箋情報)を入力する処方箋情報入力手段と、
入力された前記処方箋情報又はこれに基づいて調整された情報を該当する利用者のメールアドレス宛に送信する送信手段と、
を少なくとも具備することを特徴とする処方箋関連情報提供システム。 - 請求項6に記載の処方箋関連情報提供システムにおいて、さらにデータベース手段及び当該データベース手段を制御する中央情報端末を備え、前記データベース手段には、所定の薬剤について予め重複情報を登録するとともに処方箋情報が入力されたときはその情報を蓄積し、前記中央情報端末は、新たに処方箋情報が入力されたときは前記データベース手段からその利用者の過去の処方箋情報を検索するとともに検索の結果抽出された薬剤と新たに入力された処方箋情報に含まれる薬剤に登録されている重複があるかどうか判定し、重複があると判定されたときはその旨の情報を前記送信手段によって、利用者のメールアドレス宛に送信することを特徴とする処方箋関連情報提供システム。
- 請求項6に記載の処方箋関連情報提供システムにおいて、さらにデータベース手段及び当該データベース手段を制御する中央情報端末を備え、前記データベース手段には、所定の薬剤について予め禁忌情報を登録しておき、処方箋情報が入力されたときは、前記中央情報端末は、予め登録されている禁忌情報から入力された処方箋情報に含まれる薬剤が禁忌薬剤に該当するかどうか判定し、禁忌薬剤に該当するときは、前記送信手段によってその旨の情報を利用者のメールアドレス宛に送信することを特徴とする処方箋関連情報提供システム。
- 一又は二以上の薬局に設置された情報端末と、これらの情報端末を統括する中央情報端末とからなり、
前記各情報端末には、利用者のメールアドレスを少なくとも含む利用者情報を入力して当該利用者のシステムへの登録手続を行う利用者登録機能と、登録手続が済んでいる利用者向けに発行された処方箋の情報(処方箋情報)を入力する処方箋情報入力機能が備えられ、
前記中央情報端末には、入力された前記処方箋情報又はこれに基づいて調整された情報を該当する利用者のメールアドレス宛に送信する送信機能及びデータベース機能が備えられ、前記データベース機能によって、所定の薬剤について重複情報を予め登録しておくとともに、処方箋情報が入力されたときはその情報を蓄積し、
前記中央情報端末は、新たに処方箋情報が入力されたときは前記データベース手段からその利用者の過去の処方箋情報を検索するとともに検索の結果抽出された薬剤と新たに入力された処方箋情報に含まれる薬剤に登録されている重複があるかどうか判定し、重複があると判定されたときはその旨の情報を前記送信機能によって利用者のメールアドレス宛に送信することを特徴とする処方箋関連情報提供システム。 - 一又は二以上の薬局に設置された情報端末と、これらの情報端末を統括する中央情報端末とからなり、
前記各情報端末には、利用者のメールアドレスを少なくとも含む利用者情報を入力して当該利用者のシステムへの登録手続を行う利用者登録機能と、登録手続が済んでいる利用者向けに発行された処方箋の情報(処方箋情報)を入力する処方箋情報入力機能が備えられ、
前記中央情報端末は、入力された前記処方箋情報又はこれに基づいて調整された情報を該当する利用者のメールアドレス宛に送信する送信機能及びデータベース機能が備えられ、
前記データベースには、所定の薬剤についての禁忌情報が予め登録されており、
前記中央情報端末は、処方箋情報が入力されたときは、前記データベースに予め登録されている禁忌情報を検索して入力された処方箋情報に含まれる薬剤が禁忌薬剤に該当するかどうか判定し、禁忌薬剤に該当するときは、前記送信機能によってその旨の情報を利用者のメールアドレス宛に送信することを特徴とする処方箋関連情報提供システム。
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---|---|---|---|
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009042935A (ja) * | 2007-08-07 | 2009-02-26 | Tosho Inc | 調剤システム及び処方箋受付装置 |
JP2010067237A (ja) * | 2008-09-12 | 2010-03-25 | Hitachi Information & Control Solutions Ltd | 医用情報サービス提供端末及びモバイル情報端末並びにそれらを用いてなる医用情報サービス提供システム |
JP2010165159A (ja) * | 2009-01-15 | 2010-07-29 | Data Index Kk | 薬品情報提供方法、薬品情報サーバシステム、およびコンピュータプログラム |
-
2002
- 2002-11-27 JP JP2002343653A patent/JP2004178265A/ja active Pending
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