JP2010163507A - 布用インクジェットインクセット及びそれを用いたインクジェット防染方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクジェット用前処理を施してない布帛に対しても、にじみの発生を抑制し、かつ出射安定性に優れた布用インクジェットインクセット及びそれを用いたインクジェット防染方法を提供する。
【解決手段】あらかじめ反応性染料を用いて染色した布帛に対し、水、液体保湿剤及び水溶性高分子化合物を含有する第1インクと、水、酸化合物及び水溶性有機溶剤を含有する第2インクとから構成されている布用インクジェットインクセットを用い、該布帛に第1インクを付与した後に、第2インクを付与してプリント物を作成することを特徴とするインクジェット防染方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェット防染方法に関し、さらに詳しくは、インクジェット用前処理を施してない布帛に対しても、にじみを押さえ、出射性に優れた布用インクジェットインクセット及びそれを用いたインクジェット防染方法に関するものである。
防染糊に酸を含有させ、反応染料の反応を阻害する方法は、例えば、染色仕上加工技術、塩澤和男著、地人書館等に記載が見られるように、防染分野においては知られている方法である。しかしながら、インクジェット用前処理を施さない布に、酸化合物を含有する水性インクを直接吐出して布帛上に画像を形成する場合、著しくにじみが発生し、実用に耐えない品質となる。このため、通常は、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウムなどの水溶性高分子化合物からなる成分を布帛に付与したインクジェット用前処理を行ってきた(例えば、特許文献1参照。)。この方法では、布帛中の水溶性高分子化合物がインク保持成分(吸収層)として作用し、にじみ発生を防止してきたと考えられている。
このような布帛のインクジェット用前処理は、オンデマンドで対応できるインクジェットプリント工程と異なり、前もってある程度まとまった量を処理しておく必要があり、そのため、多くの時間を要し、また前処理布の在庫を持つことになり、また処理コストもかかるため、インクジェット捺染をより普及させる上での大きな障害となっている。
また、上記のように、糊剤を布帛に付与することにより、インクを吸収することによりにじみを抑える機構上、インクが布帛表面に滞在しやすく、表面発色濃度は比較的高いものの、布帛深部まで染まらないという課題も存在する。
にじみ抑制を目的とした機能液を、インクジェットヘッドを用いて付与することで前処理をなくす試みとして、にじみ防止剤を含む第1のインクで画像縁取りをする方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。特許文献2に記載の方法では、にじみ抑制剤としては、疎水性物質で水をはじく性質を有する化合物の添加が開示されているが、白地と画像部の境界のにじみ防止や、異なる特定の色相の境界のにじみ防止に限定される発明であると考えられる。この特許文献2に記載の方法では、より表現力を増した諧調表現をもつプリント画像におけるにじみ抑制には対応できないという課題を抱えている。また、細線やディテール画像表現には向いていない。なぜなら、第1のインクのプリント域と第2インクのプリント画像を正確に合わせなければならないが、布帛は伸縮しやすく印字位置合わせが非常に困難であるからである。さらに、第1のインク自体も布帛に対してにじむため、非常に精細な細線は、原理的に描画することができない。
特開平6−116880号公報 特開平9−296380号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、インクジェット用前処理を施してない布帛に対しても、にじみの発生を抑制し、かつ出射安定性に優れた布用インクジェットインクセット及びそれを用いたインクジェット防染方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
1.水、液体保湿剤及び水溶性高分子化合物を含有する第1インクと、水、酸化合物及び水溶性有機溶剤を含有する第2インクとから構成されていることを特徴とする布用インクジェットインクセット。
2.前記第1インクが、固体保湿剤を含有することを特徴とする前記1に記載の布用インクジェットインクセット。
3.前記水溶性高分子化合物が、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、エチレンオキサイドプロピレンオキサイド共重合物、グリセリンのポリエチレンオキサイド付加物、グリセリンのポリプロピレン付加物、ジグリセリンのポリエチレンオキサイド付加物、及びジグリセリンのポリプロピレン付加物から選ばれる少なくとも1種であり、かつ該水溶性高分子化合物の総量が、前記第1インクの全質量に対して固形分として1質量%以上、10質量%未満であることを特徴とする前記1または2に記載の布用インクジェットインクセット。
4.前記第1インクが、水溶性カチオンポリマーを含有することを特徴とする前記1から3のいずれか1項に記載の布用インクジェットインクセット。
5.あらかじめ反応性染料を用いて染色した布帛に対し、前記1から4のいずれか1項に記載の布用インクジェットインクセットを用い、該布帛に第1インク及び第2インクを付与することを特徴とするインクジェット防染方法。
6.前記布帛を加熱しながら、前記第1インクを付与することを特徴とする前記5に記載のインクジェット防染方法。
7.前記布帛に前記第1のインク及び第2のインクを付与するのに用いるプリンタが、同一キャリッジ上に第1インク用ヘッド、第2インク用ヘッドを配置したプリンタであり、かつ、1回のスキャンで該第1インク及び該第2インクを布帛上に付与することを特徴とする前記5に記載のインクジェット防染方法。
8.前記布帛を加熱しながら、前記第1インク及び第2インクを付与することを特徴とする前記5または7に記載のインクジェット防染方法。
9.前記1から4のいずれか1項に記載の布用インクジェットインクセットを用いて、布帛に第1インク及び第2インクを付与した後に、反応性染料を付与することを特徴とするインクジェット防染方法。
10.前記布帛を加熱しながら、前記第1インクを付与することを特徴とする前記9に記載のインクジェット防染方法。
11.前記布帛に前記第1のインク及び第2のインクを付与するのに用いるプリンタが、同一キャリッジ上に第1インク用ヘッド、第2インク用ヘッドを配置したプリンタであり、かつ、1回のスキャンで、第1インク及び第2インクを布帛上に付与することを特徴とする前記9に記載のインクジェット防染方法。
12.前記布帛を加熱しながら、前記第1インク及び第2インクを付与することを特徴とする前記9または11に記載のインクジェット防染方法。
本発明により、インクジェット用前処理を施してない布帛に対しても、にじみの発生を抑制し、かつ出射安定性に優れた布用インクジェットインクセット及びそれを用いたインクジェット防染方法を提供することができた。
実施例で用いた評価用プリンタの部分構成を示す模式図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、水、液体保湿剤及び水溶性高分子化合物を含有する第1インクと、水、酸化合物及び水溶性有機溶剤を含有する第2インクとから構成されていることを特徴とする布用インクジェットインクセットを用いて、あらかじめ反応性染料を付与した布帛に絵柄を形成する方法、あるいは未処理の布帛に第1インク及び第2インクを付与した後に、反応性染料を付与して描画する方法を用いることにより、インクジェット用前処理を施してない布帛に対しても、にじみの発生を抑制し、かつ出射安定性に優れた布用インクジェットインクセット及びそれを用いたインクジェット抜染方法とインクジェット防染方法を実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
以下、本発明を更に詳しく説明する。
はじめに、本発明に係る第1インク及び第2インクの構成について説明する。
《第1インク》
本発明に係る第1インクは、第2インクを用いたプリント時のにじみを抑制するために、水溶性高分子化合物を含有するインク液であり、インクジェットヘッドから布帛に付与することを特徴とする。本発明に係る水溶性高分子化合物は、溶液状態にしたときにその固形分が高い構成ほど、インク粘度は高くなる。この高い粘度特性を利用して、第2インクが布帛上に着弾した後のにじみを防止するものである。
水溶性高分子化合物を第2インクに添加する方法も考えられるが、第2インクには多量の酸化合物が添加されており、そのインクににじみ抑制に十分な量の水溶性高分子化合物を安定に添加することは非常に困難なことが判明し、第1インクに添加することが好ましい態様であることを見出し、本発明に至ったものである。
以下、本発明に係る第1のインクを構成する各添加剤について説明する。
〔水溶性高分子化合物〕
本発明に係る第1インクに添加する水溶性高分子化合物としては、第2インクのにじみを十分に抑制するもので、第1インクのインクジェット射出性を阻害しないものであれば、特に制限無く用いることができる。また、プリント物の風合いを変えないように、水溶性高分子化合物は、プリント及び発色後の洗濯工程で除去しやすいものが好ましい。
水溶性高分子化合物の例としては、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、エチレンオキサイドプロピレンオキサイド共重合物、グリセリンのポリエチレンオキサイド付加物、グリセリンのポリプロピレン付加物、ジグリセリンのポリエチレンオキサイド付加物、ジグリセリンのポリプロピレン付加物、カルボキシルメチルセルロース、メチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
水溶性高分子化合物の好ましいものとしては、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、エチレンオキサイドプロピレンオキサイド共重合物、グリセリンのポリエチレンオキサイド付加物、グリセリンのポリプロピレン付加物、ジグリセリンのポリエチレンオキサイド付加物、ジグリセリンのポリプロピレン付加物等が挙げられる。
水溶性高分子化合物の好ましい添加量は、分子量やその種類により異なるため、最適条件を適宜選択することが好ましい。
上記水溶性高分子化合物の中でも、ポリビニルピロリドンは安定にインクジェットヘッドから射出でき、かつにじみ抑制効果も大きく、特に好ましい水溶性高分子化合物である。
ポリビニルピロリドンは、分子量と相関する粘性特性値で分類されており、K(コリドン)15、30、60などが好ましく用いることが出来、特にK15、K30はインクジェット射出安定性が高く、かつ、にじみ抑制に効果があり好ましい。第1インクへの添加量としては、固形分として2〜20質量%の範囲で添加することが好ましい。
また、ポリエチレングリコールも好ましく用いることができ、ポリエチレングリコールとしては、重量平均分子量が600以上のものを好ましく用いることができる。更には、重量平均分子量が1000以上、4000以下のものが特ににじみ抑制に効果があり好ましい。第1インクへのポリエチレングリコールの添加量としては、2〜20質量%の範囲で添加することが好ましい。
エチレンオキサイドプロピレンオキサイド共重合物としては、例えば、ポリプロピレングリコールの末端にポリエチレンオキサイドを付加させた構造のもの、ポリエチレングリコールの末端にポリプロピレンオキサイドを付加させた構造のもの、エチレンオキサイド−プロピレノキサイドのランダム共重合体などが挙げられる。
ポリプロピレングリコールの末端にポリエチレンオキサイドを付加させた構造のものとしては、ADEKA株式会社のアデカプルロニックL、P、Fシリーズ等で、種々のエチレンオキサイド−プロピレンオキサイド配合比率品や種々の分子量のものが市販されており、それらから選択することができる。特に、ポリプロピレングリコール部の分子量が2000以下で水溶性のものを好ましく用いることができる。具体的には、L−62、L−64、F−68、F−88、F−108、L−44、L−34、L−23(以上、ADEKA株式会社製)などを挙げることができる。
ポリエチレングリコールの末端にポリプロピレンオキサイドを付加させた構造のものとしては、同じくADEKA株式会社のリバースタイプ、17R−2、17R−3、17R−4などから選択して用いることができる。
エチレンオキサイドプロピレンオキサイド共重合物の第1インクへの添加量としては、2〜20質量%の範囲で添加することが好ましい。
ジグリセリンのポリエチレンオキサイド付加物としては、坂本薬品工業株式会社のSC−Eシリーズから選択して用いることができ、例えば、SC−E450、SC−E750、SC−E1000、SC−E1500などを好ましく用いることができる。第1インクへの添加量としては、2〜20質量%の範囲で添加することが好ましい。
ジグリセリンのポリプロピレン付加物としては、坂本薬品工業株式会社のSC−Pシリーズから選択して用いることができ、SC−P400、SC−P750、SC−P1000などを好ましく用いることができる。第1インクへの添加量としては、2〜20質量%の範囲で添加することが好ましい。
水溶性高分子化合物の第1インクへの添加量としては、上記に挙げた好ましい範囲については、その下限未満では十分なにじみ抑制効果が発現できず、上限を越える添加量ではインクジェット射出が不安定になり好ましくない。
これらの水溶性高分子化合物は、単独で用いても複数種を併用してもよい。
〔液体保湿剤〕
本発明に係る第1インクには、インクジェットヘッドでの第1インクのノズル詰まりを抑制する観点から、液体保湿剤を添加することが好ましい。この液体保湿剤は、水分の乾燥を遅らせ、第1インク内容物の析出を遅らせる機能があるからである。ただし、液体保湿剤は同時に第2インクのにじみを発現しやすくなる特性を有しているため、その種類や添加量は、ヘッド目詰まり防止効果とにじみ発生の両方の観点から決めることが簡要である。
本発明に適用可能な液体保湿剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン等を挙げることができる。
第1インクへの液体保湿剤の添加量としては、5質量%以上、40質量%未満の範囲内で選択することが好ましい。
〔固体保湿剤〕
本発明に係る第1インクには、固体保湿剤を添加することが好ましい。固体保湿剤は、液体保湿剤と同様に、乾燥による各添加剤の析出を防止すると同時に、発色濃度を挙げる効果を有している。特に、液体保湿剤と併用することで、乾燥防止効果と発色濃度を挙げる効果が共に向上する観点で好ましい。
固体保湿剤としては、例えば、水溶性のアミド類、スルフォンアミド類、尿素、尿素誘導体等が挙げられ、特に、尿素が好ましい。
固体保湿剤は、第1インク中に2質量%以上、15質量%未満の範囲の量で用いることが好ましい。
〔水溶性カチオンポリマー〕
本発明に係る第1インクには、水溶性カチオンポリマーを添加することができる。水溶性カチオンポリマーは、第2インクに着色剤を添加した場合、着色剤のにじみ防止に効果がある。
本発明に用いることのできるカチオンポリマーは、第2インク中の着色剤や分散剤とイオン結合により着色剤の溶解性や分散性を低下させるものを用いることができる。このような水溶性カチオンポリマーを用いることで、第2インクの着弾後に着色剤やその分散剤が凝集を起こすなどして着色剤のにじみを防止できる。水溶性カチオンポリマーのように、水溶性高分子化合物や酸化合物とは異なるメカニズムでにじみ抑制する化合物を添加することは、にじみ抑制する上で好ましい態様である。
水溶性カチオンポリマーとしては、例えば、ポリアリルアミン、ポリジアリルアミン、ポリメチルジアリルアミン、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリドなどを用いることができる。これらの具体例としては、日東紡で販売している、PAA−D41−HCl、PAS−21Cl、PAS−M−1L、PAS−H−1L、PAS−J−81Lなどを用いることができる。
第1インクは布帛に応じてその物性を調整することができる。粘度としては、3mPa・s以上、20mPa・s未満であることが好ましい。表面張力としては、25mN/m以上、70mN/m以下であることが好ましい。
第1インクを布帛表面に偏在させ、表面での反応を強めたい場合は、粘度は5mPa・s以上、20mPa・s未満、表面張力は35mN/m以上、70mN/m未満にすることが好ましい。
第1インクを布帛深部まで浸透させたい場合は、粘度は3mPa・s以上、12mPa・s未満、表面張力は20mN/m以上、35mN/m未満とすることが好ましい。
表面張力や粘度の調整を行うために、水溶性の種々の有機溶剤を添加することができる。例えば、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド)等が挙げられる。
特に、第2インクを布帛深部まで浸透させて発色させたい場合、下記の低表面張力溶剤を用いることは好ましい(なお、括弧内は溶剤の表面張力(mN/m)である)。
グリコールエーテルとしては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル(28.2)、エチレングリコールモノブチルエーテル(27.4)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(31.8)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(33.6)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(32.1)、プロピレングリコールモノプロピルエーテル(25.9)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(28.8)、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(30.0)等が挙げられる。
また、1,2−アルカンジオールとしては、例えば、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール(28.1)、1,2−ヘプタンジオール等が挙げられる。
(界面活性剤)
また、第2インクを布帛深部まで浸透させて発色させたい場合、下記の界面活性剤を使用することもできる。
本発明に係る第1インクにおいて、第2インクの酸化合物を布帛深部に、より浸透させたい場合には、各種の界面活性剤を用いることができる。本発明で用いることのできる界面活性剤としては、特に制限はないが、例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。特に、アニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤を好ましく用いることができる。
第2インクの色剤を布帛深部によりいっそう浸透させるために、第1インクの表面張力を20mN/m以上、35mN/m以下に制御することが好ましく、特に、シリコーン系界面活性剤もしくはフッ素系界面活性剤を添加して表面張力を制御することが好ましい。
〈シリコーン系界面活性剤もしくはフッ素系界面活性剤〉
シリコーン系の界面活性剤としては、好ましくはポリエーテル変性ポリシロキサン化合物であり、例えば、信越化学工業製のKF−351A、KF−642やビッグケミー製のBYK345、BYK347、BYK348などが挙げられる。
フッ素系の界面活性剤は、通常の界面活性剤の疎水性基の炭素に結合した水素原子の代わりに、その一部または全部をフッ素原子で置換したものを意味する。この内、分子内にパーフルオロアルキル基を有するものが好ましい。
フッ素系の界面活性剤の内、ある種のものは、大日本インキ化学工業社からメガファック(Megafac)Fなる商品名で、旭硝子社からサーフロン(Surflon)なる商品名で、ミネソタ・マイニング・アンド・マニファクチュアリング・カンパニー社からフルオラッド(Fluorad)FCなる商品名で、インペリアル・ケミカル・インダストリー社からモンフロール(Monflor)なる商品名で、イー・アイ・デュポン・ネメラス・アンド・カンパニー社からゾニルス(Zonyls)なる商品名で、またファルベベルケ・ヘキスト社からリコベット(Licowet)VPFなる商品名で、それぞれ市販されている。
また、非イオン性フッ素系界面活性剤としては、例えば、大日本インキ社製のメガファックス144D、旭硝子社製のサーフロンS−141、同145等を挙げることができ、また、両性フッ素系界面活性剤としては、例えば、旭硝子社製のサーフロンS−131、同132等を挙げることができる。
《第2インク》
本発明に係る第2インクは、少なくとも酸化合物、水溶性有機溶剤及び水を含むことを特徴とする。
〔酸化合物〕
本発明に係る第2インクには、反応性染料の繊維への固着を阻害する酸化合物を添加することを特徴とする。
本発明に係る第2インクに用いられる酸化合物としては、特に制限はなく、例えば、各種の無機酸、有機酸を使用することができる。無機酸としては、酢酸、塩酸、硫酸、亜塩素酸、硝酸、亜硝酸、亜硫酸、亜燐酸、燐酸、塩素酸、次亜リン酸などが挙げられる。
有機酸としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、トリカルバリル酸、グリコール酸、チオグリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、イソクエン酸、グルコン酸、ピルビン酸、オキサル酢酸、ジグリコール酸、安息香酸、フタル酸、マンデル酸、サリチル酸などが挙げられるが、その中でも、酒石酸、クエン酸及びリンゴ酸から選ばれることがより好ましい。
また、後工程で酸を発生する硫酸アンモニウム、酒石酸アンモニウムなどの酸アンモニウム塩も好ましく用いられる。
酸化合物は、第2インクに対し、0.1モル当量/L以上、1モル当量/Lの範囲で添加することが好ましい。
〔水溶性有機溶剤〕
本発明に係る第2インクには、以下に具体例を示す水溶性有機溶剤を含有することができる。
アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド)等が挙げられる。
〔水溶性高分子化合物〕
本発明に係る第2インクは、にじみを抑制する目的で、水溶性高分子化合物を添加してもよい。
適当な水溶性高分子化合物を添加すると、インクが着弾直後からの乾燥増粘度合いが大きくなり、流動性が低下しにじみが抑制される。
ただし、酸化合物と水溶性高分子化合物を高濃度で添加すると析出が発生したり、射出安定性を顕著に悪化させる場合があり、水溶性高分子化合物の種類、添加量は慎重に選択する必要がある。
第2インクに添加することができる水溶性高分子化合物としては、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、エチレンオキサイドプロピレンオキサイド共重合物、グリセリンのポリエチレンオキサイド付加物、グリセリンのポリプロピレン付加物、ジグリセリンのポリエチレンオキサイド付加物、ジグリセリンのポリプロピレン付加物、アクリル共重合樹脂などを好ましく用いることができる。
中でも、アクリル共重合樹脂は、射出性への影響が比較的少なく、にじみ抑制の効果発現に必要な量を添加することができ好ましい。
アクリル共重合樹脂としては、疎水性モノマーと親水性モノマーを共重合したものを好ましく用いることができる。
疎水性モノマーとしては、アクリル酸エステル(アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルなど)、メタクリル酸エステル(メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸グリシジルなど)、スチレンなどが挙げられる。
親水性モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミドなどが挙げられ、アクリル酸のような酸性基を有するものは、重合後に酸化合物で中和したものを好ましく用ることができる。
これらの樹脂の分子量としては、平均分子量で、3000から30000のものを用いることができる。好ましくは、7000から20000のものを用いることができる。
樹脂のTgは、−30℃から100℃程度のものを用いることができる。好ましくは、−10℃から80℃程度のものを用いることができる。樹脂の酸価としては、90mgKOH/g〜200mgKOH/g程度のものを特に好ましく用いることができる。重合方法としては、溶液重合を用いることが好ましい。
樹脂の酸性モノマー由来の酸性基は、部分的あるいは完全に酸化合物成分で中和することが好ましい。この場合の中和酸化合物としては、アルカリ金属含有酸化合物、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等や、アミン類(例えば、アンモニア、アルカノールアミン、アルキルアミン等)を用いることができる。
特に、沸点が200℃未満のアミン類で中和することは、にじみ抑制の観点から好ましい。特に、アンモニアで中和したものが好ましい。
水溶性高分子化合物を第2インクに添加する場合、水性インクを吐出して布帛上に画像を形成した後、加熱工程により反応性染料を布帛に固定化する工程後の洗浄工程で、高分子化合物成分が除去されやすいことが必要である。高分子化合物成分が多量に残存すると、手触り、風合いが固くなり好ましくない。高分子化合物成分としては、染浄水や、洗剤に対する溶解性が高いものが好ましい。
さらに、第2インク中で安定に存在し、種々の保存環境下で析出発生や、粘度などの物性変動が少ないことが必要である。
また、ヘッドの吐出口付近で水性インクが乾燥した場合でも、水性インクもしくは洗浄液により容易に再溶解、もしくは再膨潤、再分散するなどして除去しやすく、メンテナンスしやすい。
第2インクへの添加量は、高分子化合物の種類、分子量にもよるが、1質量%から10質量%の範囲で添加することが好ましい。
本発明に係る第2インクは、厚手の布帛に対して深部まで浸透してムラなく発色させるために、インクの表面張力を制御することができる。
この場合、表面張力としては、20mN/m以上、35mN/m以下の範囲に制御することが好ましい。20mN/m未満ではにじみが増大してしまう。35mN/mより大きいと深部まで浸透してムラなく発色させる効果が不十分である。
第2インクの表面張力を上記の範囲に調整する方法としては、低表面張力溶剤を適量用いること、界面活性剤を適量用いることにより調整することができる。特に、低表面張力溶剤と界面活性剤の両方を適量用いて調整することが好ましい。
〔低表面張力溶剤〕
低表面張力溶剤としては、表面張力が25〜40mN/mの溶剤を10〜30質量%含有することが好ましい。より好ましくは、表面張力が25〜35mN/mの溶剤を10〜30質量%含有する態様である。
表面張力が25〜40mN/mの溶剤としては、グリコールエーテル、1,2−アルカンジオール等の水溶性有機溶剤が挙げられる。
当該溶剤は、単独で10〜30質量%含有してもよいし、複数種用いて、それらの総計量が10〜30質量%含有するものであってもよい。
表面張力の測定方法については、一般的な界面化学、コロイド化学の参考書等において述べられているが、例えば、新実験化学講座第18巻(界面とコロイド)、日本化学会編、丸善株式会社発行:P.68〜117を参照することができ、具体的には、輪環法(デュヌーイ法)、垂直板法(ウィルヘルミー法)を用いて求めることができる。
表面張力の測定においては、表面張力計CBVP式A−3型(協和科学株式会社)を用いて測定した。
具体的な各水溶性有機溶剤と表面張力値を以下に示す(なお、括弧内の数値はmN/mである)。
グリコールエーテルとしては、エチレングリコールモノエチルエーテル(28.2)、エチレングリコールモノブチルエーテル(27.4)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(31.8)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(33.6)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(32.1)、プロピレングリコールモノプロピルエーテル(25.9)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(28.8)、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(30.0)等が挙げられる。
また、1,2−アルカンジオールとしては、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール(28.1)、1,2−ヘプタンジオール等が挙げられる。
〔界面活性剤〕
本発明に係る第2インクにおいては、各種の界面活性剤を用いることができる。本発明で用いることのできる界面活性剤として、特に制限はないが、例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。特にアニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤を好ましく用いることができる。
本発明に係る水性インクは、その表面張力を20mN/m以上、35mN/m以下に制御するために、特にシリコーン系界面活性剤もしくはフッ素系界面活性剤を含有することが好ましい。
本発明に係る第2インクは、酸化合物を布帛深部によりいっそう浸透させるために、第2インクの表面張力を20mN/m以上、35mN/m以下に制御することが好ましく、この場合、特にシリコーン系界面活性剤もしくはフッ素系界面活性剤を添加して、所望の表面張力を制御することが好ましい。
〈シリコーン系界面活性剤もしくはフッ素系界面活性剤〉
シリコーン系の界面活性剤としては、好ましくはポリエーテル変性ポリシロキサン化合物であり、例えば、信越化学工業製のKF−351A、KF−642やビッグケミー製のBYK345、BYK347、BYK348などが挙げられる。
フッ素系の界面活性剤は、通常の界面活性剤の疎水性基の炭素に結合した水素原子の代わりに、その一部または全部をフッ素原子で置換したものを意味する。この内、分子内にパーフルオロアルキル基を有するものが好ましい。
フッ素系の界面活性剤の内、ある種のものは大日本インキ化学工業社からメガファック(Megafac)Fなる商品名で、旭硝子社からサーフロン(Surflon)なる商品名で、ミネソタ・マイニング・アンド・マニファクチュアリング・カンパニー社からフルオラッド(Fluorad)FCなる商品名で、インペリアル・ケミカル・インダストリー社からモンフロール(Monflor)なる商品名で、イー・アイ・デュポン・ネメラス・アンド・カンパニー社からゾニルス(Zonyls)なる商品名で、またファルベベルケ・ヘキスト社からリコベット(Licowet)VPFなる商品名で、それぞれ市販されている。
また、非イオン性フッ素系界面活性剤としては、例えば、大日本インキ社製のメガファックス144D、旭硝子社製のサーフロンS−141、同145等を挙げることができ、また、両性フッ素系界面活性剤としては、例えば、旭硝子社製のサーフロンS−131、同132等を挙げることができる。
〔その他の添加剤〕
第2インクには、必要に応じて、pH調節剤や固体保湿剤を添加することができる。
《インクジェット防染方法》
本発明に係る第1インク及び第2インクは、インクジェットヘッドから布帛に直接付与する。第1インクと第2インクの付与する順番は、任意に選択できる。第1インクを布帛に付与し、その後第2インクを付与する方法、第2インクを付与し、その後第1インクを付与する方法、第1インクと第2インクを同時に付与する方法から選択できる。
また、本発明におけるインクジェット防染方法においては、あらかじめもしくは後で地染めと呼ばれる反応性染料を用いた着色を布帛に対して行うことができるが、これはインクジェット方式、スクリーンプリント方式、浸染方式などいかなる方法で行って良い。
〔第1インク及び第2インクの布帛への付与方法〕
第1インクを布帛に付与し、その後第2インクを付与する方法は、にじみを抑制する上でもっとも好ましい方法である、具体的には、布帛搬送方向の上流側に第1インク用のヘッドを配し、その下流側に第2インク用のヘッドを配し、第1インク、ついで第2インクと順次プリントする方法である。この方法は、第1インクが布帛に浸透する、さらに乾燥する時間余地があるため、後続の第2インクによる画像記録時に、にじみが最も発生しにくい。
第1インクの乾燥を促進するために、第1インク用のヘッド位置と第2インク用のヘッド位置の間に乾燥ゾーンを設けることは、にじみ抑制の観点で好ましい。
第1インクと第2インクを同時に付与する方法も装置サイズを小さくできるメリットがあり好ましい。1つのキャリッジに複数のヘッドを配し、そのなかに第1インク用ヘッドと第2インク用ヘッドを搭載し、同時に付与することができる。
第1インクの付与領域は、任意に選定することができる。布帛の全領域に第1インクを付与することもできるし、特定の領域にのみ付与してもよい。第1インクは、画像のにじみを抑制するものであり、基本的には第2インクの付与する画像部のみに付与するだけでもよい。これにより第1インクの消費量を抑制し、生産コストを下げるメリットがある。また、白地に第1インクを付与することは、白地の汚染につながることがあるため避けることが好ましい。更に、第2インクの付与量に応じて第1インクの量も増減することは同様に好ましい形態である。この場合、インク量の増大に応じて、第1インク付与量を増やすことが好ましい。
より、具体的には、実質的に第2インクを付与しない部分には、第1インクを付与せず、画素領域ごとに、第2インク総量が20ml/mより多い領域には、第1インクを最低12ml/mは付与し、第2インク付与量が20ml/m未満の領域には、第2インクに応じて第1インクを4ml/mから20ml/mの範囲で付与する方法は好ましい態様である。
第1インクの付与量は、第1インク中の水溶性高分子化合物の種類、濃度により増減して用いることができる。
第1インク付与量は、布帛に対して10ml/mから40ml/m付与することが、にじみ抑制の観点から好ましい。もちろん、第2インク付与量に応じて任意の割合で第1インクの付与量を決めることもでき、第2インクの打たない白地には第1インクを付与しなくてもよい。
第1インクは、1つもしくは複数のヘッドから供給することができる。特に、複数のヘッドから供給することは第1インクの付与量にムラが出にくくなる観点から好ましい。
複数ヘッドから第1インクを付与する場合、複数種類の第1インクを各々のヘッドに導入し付与してもよい。
〔布帛加熱〕
本発明のインクジェット防染方法においては、布帛を加熱して第1インク、第2インクを付与することができる。加熱方法としては、例えば、プラテン下部周辺にヒーターを配し、任意の温度に加熱することができる。
第1インク付与時に加熱することで、第1インクの浸透性を制御することができる。特に、表面近傍に第1インク成分を残したい場合には、加熱することが好ましい。また、第1インクの乾燥も速まり、にじみ抑制の観点からも好ましい。
布帛表面温度を、35℃から70℃の範囲で加熱することができる。
第2インク付与時に加熱することで、にじみ抑制、浸透制御が可能である。布帛表面温度を35℃から70℃の範囲で加熱することができる。
〔乾燥〕
第1インクを付与してから第2インクを付与する場合、第1インク付与後に乾燥させることは好ましい態様である。特に、乾燥ゾーンを設け、第1インクにより付与された、水分及び揮発性溶剤を蒸発させることは特に好ましい。
乾燥方法としては、加熱した部材に裏面もしくは表面から接触する方法、赤外ヒーターで照射する方法などがある、また、これらの方法では、送風手段を併用するといっそう乾燥効率が上がり好ましい。
予備乾燥した布帛は、スチーミングに付されることが好ましい。その条件は、布帛の種類などを勘案して決定されてよいが、湿度50〜100%(より好ましくは湿度80〜100%)および温度90〜120℃(好ましくは95〜105℃)の環境に、3〜120分(好ましくは5〜40分)置かれることが好ましい。更にその後、界面活性剤(好ましくはノニオン系界面活性剤)を含む温水により洗浄することが好ましい。このような後処理が行われた印捺布は発色、堅牢性に優れ、水性インク滲みが少なくなる。
〔布帛〕
本発明に用いる布帛としては、反応染料と反応する置換基を有する繊維であり、例えばセルロース繊維、蛋白繊維などからなる布帛に用いることができる。このとき、混紡や交織などの形態で反応染料と反応する置換基を有しない繊維が混在しても良い。また、布帛にはインクを吸収するためのインクジェット用前処理は不要だが、毛焼き、糊抜き、精錬、漂白などの通常の染色工程で用いられる一般的な前処理は実施することができる。
〔反応性染料〕
本発明に用いる染料としては、反応性染料が用いられる。付加型反応染料、置換型反応染料、さらに二官能型反応染料に使用することができる。また、防染時に着色する目的で第2インクに顔料などの着色剤を添加しても良い。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
《インクセットの調製》
〔第1インクの調製〕
(第1インク1の調製)
下記の各添加剤を添加、混合、溶解した後、0.8μmのメンブランフィルターにて濾過を行って、第1インク1を調製した。
水溶性高分子化合物:ポリビニルピロリドン(PVP(K15)、東京化成社製)
6質量%
液体保湿剤:プロピレングリコール(PG) 20質量%
液体保湿剤:グリセリン(Gly) 5質量%
固体保湿剤:尿素 10質量%
水溶性カチオンポリマー:ジアリルアミン(DAA) 1質量%
イオン交換水を加えて、100質量%に仕上げた。
(第1インク2〜19の調製)
上記第1インク1の調製において、各添加剤の構成を表1に記載のように変更した以外は同様にして、第1インク2〜19を調製した。
Figure 2010163507
表1に略称で記載した各添加剤の詳細は、以下の通りである。また、表1に記載の数値は、質量%を表す。
〈水溶性高分子化合物〉
PVP15:ポリビニルピロリドンK15、東京化成社製
PVP30:ポリビニルピロリドンK30、東京化成社製
PEG:ポリエチレングリコール、Mw600、関東化学社製
L34:アデカプルロニックL34、エチレンオキサイドプロピレンオキサイド共重合物、ADEKA株式会社製
E450:SC−E450、ジグリセリンのポリエチレンオキサイド付加物、阪本薬品工業株式会社製
P450:SC−P450、ジグリセリンのポリプロピレンオキサイド付加物、阪本薬品工業株式会社製
Gly450:グリセリン(EO)450、グリセリンのエチレンオキサイド付加物、エチレンオキサイド部の分子量が450
HEC:ヒドロキエチルセルロース
CMC:カルボキシメチルセルロース
〈液体保湿剤〉
PG:プロピレングリコール、関東化学社製
Gly:グリセリン、関東化学社製
〈固体保湿剤〉
*1:ジメチル尿素
〈水溶性カチオンポリマー〉
DAA:ジアリルアミン、PAS−21Cl、日東紡社製
DMAA:ジメチルジアリルアミン、PAS−M−1L、日東紡社製
AMAC:ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、PAS−H−1L、日東紡社製
〔第2インクの調製〕
(第2インク1の調製)
下記の各添加剤を添加、混合、溶解した後、0.8μmのメンブランフィルターにて濾過を行って、第2インク1を調製した。
水溶性有機溶剤:エチレングリコール(EG) 10質量%
水溶性有機溶剤:プロピレングリコール(PG) 25質量%
酸化合物:クエン酸(関東化学社製) 5質量%
イオン交換水を加えて、100質量%に仕上げた。
(第2インク2の調製〕
下記の各添加剤を添加、混合、溶解した後、0.8μmのメンブランフィルターにて濾過を行って、第2インク2を調製した。
水溶性有機溶剤:エチレングリコール(EG) 10質量%
水溶性有機溶剤:プロピレングリコール(PG) 25質量%
酸化合物:硫酸アンモニウム(関東化学社製) 5質量%
分散液A 50質量%
イオン交換水を加えて、100質量%に仕上げた。
〈分散液Aの調製〉
酸性カーボンブラック MA−7(三菱化学) 10質量%
BYK−190 ビックケミー社(有効成分40%) 12.5質量%
プロピレングリコール(PG) 25質量%
グリセリン(Gly) 10質量%
オルフィンE1010(アセチレングリコール系活性剤、信越化学社製)
0.5質量%
イオン交換水を加えて、100質量%に仕上げた。
上記各添加剤を添加、混合した後、アシザワ・ファインテック社製のMiniCer分散機を用いて、ビーズミル分散を行った。分散には0.5mmジルコニアビーズを用い、周速12m/sにて分散を行った。光散乱法による平均粒子径が150nmになった時点で分散を終了して、分散液Aを得た。
(第2インク3〜5の調製)
上記第2インク1の調製において、酸化合物としてクエン酸(5質量%)に代えて、それぞれ同量の酒石酸(関東化学社製)、リンゴ酸(関東化学社製)、酢酸(関東化学社製)を用いた以外は同様にして、第2インク3〜5を調製した。
〔インクセット1〜26の調製〕
上記調製した第1インク1〜19と第2インク1〜5を、表2に記載の様に組み合わせて、インクセット1〜26を調製した。
《布帛の作製:綿未処理布の作製》
インクジェット用前処理(糊剤の付与)を施していない綿ブロードシル付き布122g/m(色染社)を、綿未処理布として用いた。
《プリントの作成》
(評価用プリンタ)
図1に示す評価用プリンタの4つのヘッドを搭載した第1ヘッド1のキャリッジのうち、2つのヘッドに表2に記載の第1インクを充填した。次いで、6つのヘッドを搭載した第2ヘッド2のキャリッジのうち、2つのヘッドに、表2に記載の第2インクを充填した。
(プリント)
上記作製した布帛である綿未処理布を、図1に示す評価用プリンタにセットした。搬送された布帛は、はじめに第1ヘッド1を構成する2つのヘッドの各々から、9ml/mの条件で布帛全面に一様に付与した。次いで、第2ヘッド2を構成する6つのヘッドのうち、2つのヘッドから第2インクを付与して画像記録を行った。記録画像は、第2インクの10cm×10cmのベタ画像をプリントした。この画像は100%Dutyであり、約11ml/mの第2インク付与量となる。
また、第1ヘッド1と第2ヘッド2の間に乾燥ゾーンを設け、ヒーターH2(4)にて、布帛を55℃に加熱して、布帛上に付与された第1インクを乾燥した。
更に、第1インク、第2インク記録時に、布帛下部に設けた、プラテン型のヒーターH1(3)、H3(5)を用いて、それぞれ布帛を40℃に加熱した。ただし、プリント試料23の作成では、ヒーターH1(3)は未使用とし、プリント試料24の作成では、ヒーターH1(3)及びヒーターH3(5)は未使用とした。
(後処理)
上記方法に従って、布帛にプリントを施した後、80℃にて5分間乾燥した。
次いで、捺染用インクジェットプリンターであるKonicaminolta製TP−Vと下記反応性染料インクを用いて、ベタ印刷した。
〈反応性染料インク〉
下記の各添加剤を添加、混合、溶解した後、0.8μmのメンブランフィルターにて濾過を行って、反応性染料インクを調製した。
C.I.Reactive Red 24 10質量%
プロピレングリコール(PG) 25質量%
グリセリン(Gly) 10質量%
オルフィンE1010(前出) 0.5質量%
イオン交換水を加えて、100質量%に仕上げた。
次いで、80℃にて5分間乾燥した後、下記の方法に従って固着処理Aを行い、プリント試料1〜26を得た。
〈固着処理A〉
HTスチーマを用いて、120℃で10分間発色処理を行った。次いで、水洗を10分、80℃湯洗を10分、非イオン系洗浄剤を2g/L含む水溶液を用いて90℃でのソーピングを5分、80℃湯洗を10分、水洗を10分行った。次いで、50℃の温度で水分がなくなるまで乾燥した。
《プリント試料の評価》
上記作製した各プリント試料について、下記の各評価を行った。
(にじみ耐性の評価)
上記作成した各プリント試料のベタ画像周辺部を目視観察し、下記の基準に従ってにじみ耐性の評価を行った。
5:画像周辺部で、にじみの発生がまったく認められない
4:画像周辺部で若干のにじみが認められるが、良好な品質である
3:画像周辺部でややにじみの発生が認められるが、実用上許容される品質である
2:画像周辺部で明らかなにじみの発生が認められ、実用上問題となる品質である
1:画像周辺部で激しいにじみの発生が認められ、実用に耐えない品質である
(ムラ耐性の評価)
上記作成した各プリント試料のベタ画像の濃度均一性を目視観察し、下記の基準に従ってムラ耐性の評価を行った。
5:ベタ画像に、ムラ発生がまったく認められない
4:ベタ画像部でムラは確認できないが、左右の端の濃度が異なる
3:ベタ画像部で目立ちにくいムラの発生が数箇所で認められる
2:ベタ画像部で明らかなムラの発生が数箇所で認められる
1:ベタ画像部におけるムラが非常に多い
以上により得られた結果を、表2に示す。
Figure 2010163507
表2に記載の結果より明らかなように、本発明で規定する構成からなる第1インク及び第2インクを用いて作成したプリント物は、比較例に対し、形成した画像のにじみ耐性及びムラ耐性に優れ、高品位のプリント物が得られることが分かる。
実施例2
《インクセットの調製》
実施例1で調製したインクセット1とインクセット23を使用した。
《布帛》
実施例1で作製した綿未処理布を布帛として用いた。
《プリントの作成》
実施例1に記載のプリントの作成方法において、インクセット1とインクセット23を構成する第1インク及び第2インクを、第2ヘッドの6つのヘッドのうち、2つヘッドに第1インクを充填し、2つのヘッドに第2インクを充填し、第1インクと第2インクを同時に、布帛上に吐出した以外は同様にして、プリント試料27〜29を得た。なお、プリント試料28の作成においては、ヒーターH3(5)は未使用とした。
《プリント試料の評価》
上記作成した各プリント試料について、実施例1に記載の方法と同様にして、にじみ耐性及びムラ耐性の評価を行い、得られた結果を表3に示す。
Figure 2010163507
表3に記載の結果より明らかなように、本発明で規定する構成からなる第1インク及び第2インクを同時に吐出して作成したプリント物は、比較例に対し、形成した画像のにじみ耐性及びムラ耐性に優れ、高品位のプリント物が得られることが分かる。
実施例3
《インクセットの調製》
実施例1で調製したインクセット1、2、23及び24を使用した。
《布帛の作製:羊毛未処理布の作製》
インクジェット用前処理(糊剤の付与)を施していないウールトロピカル180g/m(色染社)を、羊毛未処理布として用いた。
《プリントの作成》
実施例1に記載の方法と同様にして布帛に画像記録した後、後処理における固着処理Aを下記固着処理Bに変更した以外は同様にして、プリント試料30〜33を得た。
〈固着処理B〉
ロケットスチーマを用いて、100℃で40分間発色処理を行った。次いで、水洗を10分、80℃湯洗を10分、非イオン系洗浄剤を2g/L含む水溶液を用いて90℃でのソーピングを5分、80℃湯洗を10分、水洗を10分行った。次いで、50℃の温度で水分がなくなるまで乾燥した。
《プリント試料の評価》
上記作成した各プリント試料について、実施例1に記載の方法と同様にして、にじみ耐性及びムラ耐性の評価を行い、得られた結果を表4に示す。
Figure 2010163507
表4に記載の結果より明らかなように、本発明で規定する構成からなる第1インク及び第2インクを用いて作成したプリント物は、比較例に対し、形成した画像のにじみ耐性及びムラ耐性に優れ、高品位のプリント物が得られることが分かる。
実施例4
《インクセットの調製》
実施例1で調製したインクセット1、2、23及び24を使用した。
《布帛の作製:絹未処理布の作製》
インクジェット用前処理(糊剤の付与)を施していない絹羽二重52.5g/m(色染社)を、絹未処理布として用いた。
《プリントの作成》
実施例3に記載の方法と同様にして、布帛に画像記録し、プリント試料34〜37を得た。
《プリント試料の評価》
上記作成した各プリント試料について、実施例1に記載の方法と同様にして、にじみ耐性及びムラ耐性の評価を行い、得られた結果を表5に示す。
Figure 2010163507
表5に記載の結果より明らかなように、本発明で規定する構成からなる第1インク及び第2インクを用いて作成したプリント物は、比較例に対し、形成した画像のにじみ耐性及びムラ耐性に優れ、高品位のプリント物が得られることが分かる。
実施例5
《インクセットの調製》
実施例1で調製したインクセット1、2、23及び24を使用した。
《布帛の作製:綿試験布Aの作製》
綿ブロードシル付き布122g/m(色染社)に、インクジェット用前処理(糊剤の付与)を施し、捺染用インクジェットプリンターであるKonicaminolta製TP−Vと下記反応性染料インクAを用いて、ベタ印刷後に80℃にて5分間乾燥して、綿試験布Aを得た。
〈反応性染料インクA)
C.I.Reactive Red 24 10質量%
プロピレングリコール(PG) 25質量%
グリセリン(Gly) 10質量%
オルフィンE1010(前出) 0.5質量%
イオン交換水を加えて、100質量%に仕上げた。
《プリントの作成》
実施例1に記載の方法と同様にして、表6に記載の構成で、布帛に画像記録し、後処理の方法を下記の方法に変更してプリント試料38〜43を得た。ただし、プリント試料40の作成では、ヒーターH1(3)は未使用とし、プリント試料41の作成では、ヒーターH1(3)及びヒーターH3(5)は未使用とした。
(後処理)
上記方法に従って、布帛にプリントを施した後、80℃にて5分間乾燥した。次いで、実施例3に記載の方法と同様にして、固着処理Bを行った。
《プリント試料の評価》
上記作成した各プリント試料について、実施例1に記載の方法と同様にして、にじみ耐性及びムラ耐性の評価を行い、得られた結果を表6に示す。
Figure 2010163507
表6に記載の結果より明らかなように、本発明で規定する構成からなる第1インク及び第2インクを用いて作成したプリント物は、比較例に対し、形成した画像のにじみ耐性及びムラ耐性に優れ、高品位のプリント物が得られることが分かる。
実施例6
《プリント試料の作成》
実施例2に記載のプリント試料の作成方法において、布帛を綿未処理布に代えて、実施例5で作製した綿試験布Aを用い、かつ後処理を実施例5に記載の方法に変更した以外は同様にして、プリント試料44〜46を得た。
《プリント試料の評価》
上記作成した各プリント試料について、実施例1に記載の方法と同様にして、にじみ耐性及びムラ耐性の評価を行い、得られた結果を表7に示す。
Figure 2010163507
表7に記載の結果より明らかなように、本発明で規定する構成からなる第1インク及び第2インクを同時に吐出して作成したプリント物は、比較例に対し、形成した画像のにじみ耐性及びムラ耐性に優れ、高品位のプリント物が得られることが分かる。
実施例7
《プリント試料の作成》
実施例3に記載のプリント試料の作成方法において、布帛を羊毛未処理布に代えて、下記羊毛試験布試験布Aを用い、更に後処理工程を下記のように変更した以外は同様にして、プリント試料47〜50を得た。
(布帛の作製:羊毛試験布Aの作製)
ウールトロピカル180g/m(色染社)に、インクジェット用前処理(糊剤の付与)を施し、捺染用インクジェットプリンターであるKonicaminolta製TP−Vと実施例5に記載の反応性染料インクAを用いて、ベタ印刷後に80℃にて5分間乾燥して、羊毛試験布Aを得た。
(後処理工程)
上記方法に従って、布帛にプリントを施した後、80℃にて5分間乾燥した。次いで、実施例3に記載の方法と同様にして、固着処理Bを行った。
《プリント試料の評価》
上記作成した各プリント試料について、実施例1に記載の方法と同様にして、にじみ耐性及びムラ耐性の評価を行い、得られた結果を表8に示す。
Figure 2010163507
表8に記載の結果より明らかなように、本発明で規定する構成からなる第1インク及び第2インクを用いて作成したプリント物は、比較例に対し、形成した画像のにじみ耐性及びムラ耐性に優れ、高品位のプリント物が得られることが分かる。
実施例8
《プリント試料の作成》
実施例4に記載のプリント試料の作成方法において、布帛を絹未処理布に代えて、下記絹試験布Aを用いた以外は同様にして、プリント試料51〜54を得た。
(布帛の作製:絹試験布Aの作製)
絹羽二重52.5g/m(色染社)にインクジェット用前処理(糊剤の付与)を行った後、Konicaminolta製TP−Vと実施例5に記載の反応性染料インクAを用いて、ベタ印刷を行った後、80℃で5分間乾燥して、絹試験布Aを得た。
(後処理工程)
上記方法に従って、布帛にプリントを施した後、80℃にて5分間乾燥した。次いで、実施例3に記載の方法と同様にして、固着処理Bを行った。
《プリント試料の評価》
上記作成した各プリント試料について、実施例1に記載の方法と同様にして、にじみ耐性及びムラ耐性の評価を行い、得られた結果を表9に示す。
Figure 2010163507
表9に記載の結果より明らかなように、本発明で規定する構成からなる第1インク及び第2インクを用いて作成したプリント物は、比較例に対し、形成した画像のにじみ耐性及びムラ耐性に優れ、高品位のプリント物が得られることが分かる。
1 第1ヘッド
2 第2ヘッド
3 ヒーターH1
4 ヒーターH2
5 ヒーターH3
6、7 ローラ

Claims (12)

  1. 水、液体保湿剤及び水溶性高分子化合物を含有する第1インクと、水、酸化合物及び水溶性有機溶剤を含有する第2インクとから構成されていることを特徴とする布用インクジェットインクセット。
  2. 前記第1インクが、固体保湿剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の布用インクジェットインクセット。
  3. 前記水溶性高分子化合物が、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、エチレンオキサイドプロピレンオキサイド共重合物、グリセリンのポリエチレンオキサイド付加物、グリセリンのポリプロピレン付加物、ジグリセリンのポリエチレンオキサイド付加物、及びジグリセリンのポリプロピレン付加物から選ばれる少なくとも1種であり、かつ該水溶性高分子化合物の総量が、前記第1インクの全質量に対して固形分として1質量%以上、10質量%未満であることを特徴とする請求項1または2に記載の布用インクジェットインクセット。
  4. 前記第1インクが、水溶性カチオンポリマーを含有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の布用インクジェットインクセット。
  5. あらかじめ反応性染料を用いて染色した布帛に対し、請求項1から4のいずれか1項に記載の布用インクジェットインクセットを用い、該布帛に第1インク及び第2インクを付与することを特徴とするインクジェット防染方法。
  6. 前記布帛を加熱しながら、前記第1インクを付与することを特徴とする請求項5に記載のインクジェット防染方法。
  7. 前記布帛に前記第1のインク及び第2のインクを付与するのに用いるプリンタが、同一キャリッジ上に第1インク用ヘッド、第2インク用ヘッドを配置したプリンタであり、かつ、1回のスキャンで該第1インク及び該第2インクを布帛上に付与することを特徴とする請求項5に記載のインクジェット防染方法。
  8. 前記布帛を加熱しながら、前記第1インク及び第2インクを付与することを特徴とする請求項5または7に記載のインクジェット防染方法。
  9. 請求項1から4のいずれか1項に記載の布用インクジェットインクセットを用いて、布帛に第1インク及び第2インクを付与した後に、反応性染料を付与することを特徴とするインクジェット防染方法。
  10. 前記布帛を加熱しながら、前記第1インクを付与することを特徴とする請求項9に記載のインクジェット防染方法。
  11. 前記布帛に前記第1のインク及び第2のインクを付与するのに用いるプリンタが、同一キャリッジ上に第1インク用ヘッド、第2インク用ヘッドを配置したプリンタであり、かつ、1回のスキャンで、第1インク及び第2インクを布帛上に付与することを特徴とする請求項9に記載のインクジェット防染方法。
  12. 前記布帛を加熱しながら、前記第1インク及び第2インクを付与することを特徴とする請求項9または11に記載のインクジェット防染方法。
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