JP2010157589A - 多層配線基板の形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な工程により、セミアディティブ法による微細配線の形成に適した、接続信頼性の高い多層配線板の形成方法を提供する。
【解決手段】(1)基板12上に金属配線14を有する第1の配線基板表面に、絶縁樹脂層16と、めっき触媒又はその前駆体と相互作用を形成する官能基と重合性基とを有する高分子前駆体を含む高分子密着層20とを有する積層体22を形成する工程と、(2)該積層体22表面のビア接続部以外の領域にパターン状にエネルギーを付与して、露光領域に絶縁樹脂層16と結合したパターン状の高分子密着層20を形成する工程と、(3)パターン状の高分子密着層20にめっき触媒又はその前駆体を付与して、第1の無電解めっきを行い、パターン状の高分子密着層表面に金属膜26を形成する工程と、(4)該パターン状の金属膜26をマスクとしてビア28を形成し、その後デスミア処理を行う工程と、を含む多層配線基板の形成方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、多層配線基板の形成方法に関する。
従来、絶縁性基板の表面に金属パターンによる配線を形成した金属配線基板が、電子部品や半導体素子に広く用いられている。
かかる金属パターン材料の作製方法としては、主に、「サブトラクティブ法」が使用される。このサブトラクティブ法とは、基板表面に形成された金属膜上に、活性光線の照射により感光する感光層を設け、この感光層を像様露光し、その後現像してレジスト像を形成し、次いで、金属膜をエッチングして金属パターンを形成し、最後にレジストを剥離する方法である。
この方法により得られる金属パターンにおいては、基板表面に凹凸を設けることにより生じるアンカー効果により、基板と金属膜との間の密着性を発現させている。そのため、得られた金属パターンの基板界面部の凹凸に起因して、配線エッジ部が凹凸になり、配線の太さが一定にできず設計値どおりの配線形状が得難い、微細な配線を形成しようとすると、隣接する配線と接続する部分ができたり、配線が断線したりする、という問題点があった。また、基板表面に凹凸化処理するためには、クロム酸などの強酸で基板表面を処理するが必要であるため、金属膜と基板との密着性に優れた金属パターンを得るためには、煩雑な工程が必要であるという問題点があった。
また、電子機器の高機能化等の要求に伴い、電子部品の高密度集積化、更には高密度実装化等が進んでおり、これらに使用される高密度実装対応のプリント配線板等も小型化かつ高密度化が進んでいる。
そのなかでも、平滑な基板表面に密着性に優れた金属層を形成するために、めっき触媒と相互作用を形成しうる高分子化合物を用いる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この方法によれば、金属との親和性に優れた高分子化合物でパターンを形成ることで、平滑な基板にも密着性に優れた金属膜が形成され、このような積層体にビアをあけ、3次元接続することも可能となったが、高分子密着層をパターン状に形成することを想定した技術であり、汎用のセミアディティブ法で配線を形成することは想定していないものであった。
セミアディティブ法に対応する技術として、銅貼り積層板の銅箔の上からレジストパターンによりパターニングして銅箔パターンを形成し、該パターンをコンフォーマルマスクとしてビアを形成する技術が提案されている。この方法ではコンフォーマルマスクを作成するのにレジストを使用するために、ビア形成前にレジストの形成、露光、レジスト剥離工程が必要であり、工程が煩雑であった。
このため、微細な多層配線基板を形成するに際して、簡易な工程で、正確な多層配線を形成しうる多層配線の形成手段が望まれている。
特開2006−60149公報 特開2008−198922公報
本発明は、上記従来の技術の欠点を考慮してなされたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明の目的は、簡易な工程により、セミアディティブ法による微細配線の形成に適した、接続信頼性の高い多層配線板の形成方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題に鑑みて鋭意検討した結果、以下に示す手段により上記目的を達成しうることを見出した。
<1> (1)基板上に金属配線を有する第1の配線基板表面に、絶縁樹脂層、及び、めっき触媒又はその前駆体と相互作用を形成する官能基と第1の配線基板側に隣接する層と結合を形成しうる反応性基とを有する高分子前駆体を含む高分子密着層を有する積層体を形成する工程と、
(2)該積層体表面のビア接続部以外の領域にパターン状にエネルギーを付与して、露光領域に絶縁樹脂層と高分子前駆体とが結合、反応したパターン状の高分子密着層を形成する工程と、(3)パターン状の高分子密着層にめっき触媒又はその前駆体を付与して、第1の無電解めっきを行い、パターン状の高分子密着層表面に金属膜を形成する工程と、(4)該パターン状の金属膜をマスクとしてビアを形成し、その後デスミア処理を行う工程と、を含む多層配線基板の形成方法。
<2> さらに、(5)第2の無電解めっき処理又は形成されたビア部への導電性ペースト充填処理を行って、第1の配線基板表面の金属配線とパターン状の高分子密着層表面に形成された金属膜とを電気的に接続する工程を有する<1>に記載の多層配線基板の形成方法。
<3> さらに、(6)パターン状の高分子密着層表面に形成された金属膜表面に、めっきレジスト層を形成する工程と、(7)めっきレジスト層をパターニングする工程と、(8)めっきレジスト層を利用して電気めっきを行い、配線パターンを形成する工程と、(9)該配線パターンの形成後、電気めっきの通電に使用した非配線パターン部のめっきレジスト層を除去する工程とを含む<1>又は<2>に記載の多層配線基板の形成方法。
<4> 前記積層体が、絶縁樹脂層と、めっき触媒又はその前駆体と相互作用を形成する官能基と重合性基とを有する高分子前駆体を含む高分子密着層との間に、密着補助層を有する積層体である<1>〜<3>のいずれか1項に記載の多層配線基板の形成方法。
<5> 前記(1)積層体を形成する工程が、基板上に金属配線を有する第1の配線基板表面に、予め絶縁樹脂層上に高分子密着層が形成されてなるシートを転写する工程を含む<1>〜<4>のいずれか1項に記載の多層配線基板の形成方法。
<6> 前記第1の無電解めっきにより形成された金属膜が銅膜であり、形成された銅膜の厚みが0.2μm以上2μm以下である<1>〜<5>に記載の多層配線板の形成方法。
<7> 前記(5)第2の無電解めっき処理又は形成されたビア部への導電性ペースト充填処理を行って、第1の配線基板表面の金属配線とパターン状の高分子密着層表面に形成された金属膜とを電気的に接続する工程が、前記(6)パターン状の高分子密着層表面に形成された金属膜表面に、めっきレジスト層を形成する工程及び(7)めっきレジスト層をパターニングする工程の前、もしくは後に実施される<1>〜<6>に記載の多層配線板の形成方法。
<8> 前記めっき触媒若しくはその前駆体と相互作用を形成する官能基と重合性基とを有する高分子前駆体が、シアノ基を有する高分子前駆体である<1>〜<7>に記載に多層配線板の形成方法。
本発明によれば、簡易な工程により、セミアディティブ法による微細配線の形成に適した、接続信頼性の高い多層配線板の形成方法を提供することができる。
即ち、本発明によれば、めっき触媒又はその前駆体と相互作用を形成する官能基と重合性基とを有する高分子化合物を用いることで、第1の配線基板との密着性に優れ、且つ、ビア形成のコンフォーマルマスクとして機能する第2の金属配線を容易に形成しうると共に、確実にデスミア処理を行いうることから、第1の配線と第2の配線との接続信頼性が向上するという効果も奏するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の多層配線板の形成方法は、(1)基板上に金属配線を有する第1の配線基板表面に、絶縁樹脂層、及び、めっき触媒又はその前駆体と相互作用を形成する官能基と第1の配線基板側に隣接する層と結合を形成しうる反応性基とを有する高分子前駆体を含む高分子密着層を有する積層体を形成する工程と、(2)該積層体表面のビア接続部以外の領域にパターン状にエネルギーを付与して、露光領域に絶縁樹脂層と結合したパターン状の高分子密着層を形成する工程と、(3)パターン状の高分子密着層にめっき触媒又はその前駆体を付与して、第1の無電解めっきを行い、パターン状の高分子密着層表面に金属膜を形成する工程と、(4)該パターン状の金属膜をマスクとしてビアを形成し、その後デスミア処理を行う工程と、を含むことを特徴とする。
図面を参照し、本発明の各工程を順次に説明する。
<(1)基板上に金属配線を有する第1の配線基板表面に、絶縁樹脂層、及び、めっき触媒又はその前駆体と相互作用を形成する官能基と第1の配線基板側に隣接する層と結合を形成しうる反応性基とを有する高分子前駆体を含む高分子密着層を有する積層体を形成する工程>
(1)工程では、多層配線板の基本となる積層体を形成する。
まず、図1(A)に示されるように、基板12に配線14が形成された第1の配線基板10を準備する。以下、この第1の配線基板10をコア基板と称することがある。
本発明に用いられるコア基板10は、代表的には、エッチング処理を利用したサブストラクティブ法で形成されたものや、電解めっきを利用したセミアディティブ法で形成したものが挙げられ、いずれの工法で形成されたものを用いてもよい。
コア基板を形成するコア基材としては、代表的には銅張積層板(CCL)が用いられ、絶縁層としてはガラスエポキシ材やポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、液晶フィルム、アラミド材等を用いることができる。銅張積層板としては絶縁層に接着剤層を介して銅箔を加熱圧着したものや、絶縁層そのものを銅箔に加熱圧着したもの、銅箔に絶縁素材をキャストして加熱したもの、絶縁層に表面処理を施した後、シード層としてニクロムなどシード層をスパッタした後、導体層をスパッタやめっきによって銅箔層を形成したものなどが挙げられる。
(絶縁樹脂層)
コア基板10表面に、まず、絶縁樹脂層16を形成する。絶縁樹脂層16の形成方法は任意であり、塗布法、ラミネート法のいずれを適用してもよい。
本発明に用いられる絶縁樹脂層形成用の絶縁性樹脂としては、公知の絶縁性樹脂組成物が用いられる。この絶縁性樹脂組成物には、主たる樹脂に加え、目的に応じて種々の添加物を併用することができる。例えば、絶縁層の強度を高める目的で、多官能のアクリレートモノマーを添加する、絶縁体層の強度を高め、電気特性を改良する目的で、無機、若しくは有機の粒子を添加する、などの手段をとることもできる。
なお、本発明における「絶縁性樹脂」とは、公知の絶縁膜や絶縁層に使用しうる程度の絶縁性を有する樹脂であることを意味するものであり、完全な絶縁体でないものであっても、目的に応じた絶縁性を有する樹脂であれば、本発明に適用しうる。
絶縁性樹脂の具体例としては、例えば、熱硬化性樹脂でも熱可塑性樹脂でもまたそれらの混合物でもよく、例えば、熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリオレフィン系樹脂、イソシアネート系樹脂等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニルエーテル、ポリエーテルイミド等が挙げられる。
その他の熱可塑性樹脂としては、1,2−ビス(ビニルフェニレン)エタン樹脂(1,2−Bis(vinylphenyl)ethane)、若しくはこれとポリフェニレンエーテル樹脂との変性樹脂(天羽悟ら、Journal of Applied Polymer Science Vol.92,1252-1258(2004)に記載)、液晶性ポリマー(具体的には、クラレ製のベクスターなど)、フッ素樹脂(PTFE)などが挙げられる。
熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂とは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。これはそれぞれの欠点を補いより優れた効果を発現する目的で行われる。例えば、ポリフェニレンエーテル(PPE)などの熱可塑性樹脂は熱に対しての耐性が低いため、熱硬化性樹脂などとのアロイ化が行われている。たとえば、PPEとエポキシ、トリアリルイソシアネートとのアロイ化、或いは重合性官能基を導入したPPE樹脂とそのほかの熱硬化性樹脂とのアロイ化として使用される。またシアネートエステルは熱硬化性の中ではもっとも誘電特性の優れる樹脂であるが、それ単独で使用されることは少なく、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、熱可塑性樹脂などの変性樹脂として使用される。これらの詳細に関しては、“電子技術”2002/9号、P35に記載されている。また、熱硬化性樹脂として、エポキシ樹脂及び/又はフェノール樹脂を含み、熱可塑性樹脂としてフェノキシ樹脂及び/又はポリエーテルスルフォン(PES)を含むものも誘電特性を改善するために使用される。
絶縁性樹脂組成物には、架橋を進めるために重合性の二重結合を有する化合物のようなもの、具体的には、アクリレート、メタクリレート化合物を含有していてもよく、特に多官能のものが好ましい。そのほか、重合性の二重結合を有する化合物として、熱硬化性樹脂、若しくは熱可塑性樹脂、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂等に、メタクリル酸やアクリル酸等を用い、樹脂の一部を(メタ)アクリル化反応させた樹脂を用いてもよい。
本発明における絶縁性樹脂組成物には、樹脂被膜の機械強度、耐熱性、耐候性、難燃性、耐水性、電気特性などの特性を強化するために、樹脂と他の成分とのコンポジット(複合素材)も使用することができる。複合化するのに使用される材料としては、紙、ガラス繊維、シリカ粒子、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、フッ素樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂などを挙げることができる。
更に、この絶縁性樹脂組成物には必要に応じて一般の配線板用樹脂材料に用いられる充填剤、例えば、シリカ、アルミナ、クレー、タルク、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウムなどの無機フィラー、硬化エポキシ樹脂、架橋ベンゾグアナミン樹脂、架橋アクリルポリマーなどの有機フィラーを一種又は二種以上配合してもよい。中でも、充填材としてはシリカを用いることが好ましい。
また、更に、この絶縁性樹脂組成物には、必要に応じて着色剤、難燃剤、接着性付与剤、シランカップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、などの各種添加剤を一種又は二種以上添加してもよい。
これらの材料を絶縁性樹脂組成物に添加する場合は、いずれも、樹脂に対して、1〜200質量%の範囲で添加されることが好ましく、より好ましくは10〜80質量%の範囲で添加される。この添加量が、1質量%未満である場合は、上記の特性を強化する効果がなく、また、200質量%を超えると場合には、樹脂特有の強度などの特性が低下する。
絶縁樹脂層の厚みは、多層配線板の使用目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、
5〜150μm程度であり、7〜100μmの範囲であることが好ましい。
(密着補助層)
次に、該絶縁樹脂層16表面に、密着補助層18を形成する、なお、絶縁樹脂層16と後述する高分子密着層20との接着性が良好である場合には、密着補助層18の形成は省略してもよい。
密着補助層18を有することで、密着補助層18表面に、高分子密着層20との間に結合を形成するための結合反応を効率よく行うことができる。本発明における密着補助層18は、高分子密着層との結合反応の開始点となる活性種を与え、それを起点として密着補助層との結合を生成させる、例えば表面グラフト重合法等を用いる場合に有用であり、具体的には、重合開始剤を含有する重合開始層、或いは、重合開始可能な官能基を有する重合開始層などを用いることができる。このような密着補助層18を絶縁樹脂層16表面に設けることで、活性点を効率よく発生させ、高分子密着層との間により多くの結合を生成させることができ、後述する高分子密着層20の形成に有用である。
本発明における密着補助層としては、高分子化合物と重合開始剤とを含む層や、重合性化合物と重合開始剤とを含む層、重合開始可能な官能基を有する層、なんらかのエネルギー付与により重合開始可能な活性部位を発生する層、及び、なんらかのエネルギー付与により高分子密着層と化学結合を形成する層などが挙げられる。
本発明における密着補助層は、必要な成分を、溶解可能な溶媒に溶解し、塗布などの方法で基板表面上に設け、加熱又は光照射により硬膜し、形成することができる。
例えば、本発明における第1の配線基板10上に形成される絶縁樹脂層16が、多層積層板、ビルドアップ基板、若しくはフレキシブル基板の材料として用いられてきた公知の絶縁樹脂からなる場合には、該絶縁樹脂層16との密着性の観点から、密着補助層18を形成する際に用いられる樹脂組成物として、絶縁樹脂層16の形成に用いられるのと同様の絶縁樹脂組成物が用いられることが好ましい。
以下、絶縁樹脂組成物から形成される密着補助層の態様について説明する。
密着補助層を形成する際に用いられる絶縁樹脂組成物は、第1の配線基板10上に形成される絶縁樹脂層16を構成する電気的絶縁性の樹脂と同じものを含んでいてもよく、異なっていてもよいが、ガラス転移点や弾性率、線膨張係数といった熱物性的が近いものを使用することが好ましい。具体的には、例えば、第1の配線基板10上に形成される絶縁樹脂層16を構成する絶縁樹脂と同じ種類の絶縁樹脂を使用することが密着の点で好ましい。
また、これ以外の成分として、密着補助層16の強度を高める、また、電気特性を改良するために、無機若しくは有機の粒子を添加してもよい。
絶縁樹脂の具体例としては、例えば、熱硬化性樹脂でも熱可塑性樹脂でもまたそれらの混合物でもよく、例えば、熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリオレフィン系樹脂、シソシアネート系樹脂等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニルエーテル、ポリエーテルイミド等が挙げられる。
熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂とは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。これはそれぞれの欠点を補いより優れた効果を発現する目的で行われる。
また、密着補助層に用いられる絶縁樹脂としては、めっき触媒受容性の感光性樹脂組成物と相互作用を形成し得る活性点を発生させる骨格を有する樹脂を用いることもできる。例えば、特開2005−307140号公報の段落番号〔0018〕〜〔0078〕に記載の重合開始部位を骨格中に有するポリイミド等を用いることができる。
更に、密着補助層には、層内での架橋を進めるために重合性の二重結合を有する化合物、具体的には、アクリレート、メタクリレート化合物を含有していてもよく、特に、多官能のものを用いることが好ましい。その他、重合性の二重結合を有する化合物として、熱硬化性樹脂、若しくは熱可塑性樹脂、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂等に対し、その一部を、メタクリル酸やアクリル酸等を用いて、(メタ)アクリル化反応させた樹脂を用いてもよい。
本発明における密着補助層は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、目的に応じて、種々の化合物を添加することができる。
具体的には、例えば、加熱時に応力を緩和させることができる、ゴム、SBRラテックスのような物質、膜性改良のためのバインダー、可塑剤、界面活性剤、粘度調整剤などが挙げられる。
また、本発明における密着補助層には、樹脂被膜の機械強度、耐熱性、耐候性、難燃性、耐水性、電気特性などの特性を強化するために、樹脂と他の成分とのコンポジット(複合素材)も使用することができる。複合化するのに使用される材料としては、紙、ガラス繊維、シリカ粒子、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、フッ素樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂などを挙げることができる。
更に、この密着補助層には、必要に応じて、一般の配線板用樹脂材料に用いられる充填剤、例えば、シリカ、アルミナ、クレー、タルク、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウムなどの無機フィラー、硬化エポキシ樹脂、架橋ベンゾグアナミン樹脂、架橋アクリルポリマーなどの有機フィラーを一種又は二種以上配合してもよい。
また、更にこの密着補助層には、必要に応じて、着色剤、難燃剤、接着性付与剤、シランカップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの各種添加剤を、一種又は二種以上添加してもよい。
これらの材料を添加する場合は、いずれも、主成分となる樹脂に対して、0〜200質量%の範囲で添加されることが好ましく、より好ましくは0〜80質量%の範囲で添加される。密着補助層と隣接する層を構成する材料とが、熱や電気に対して同じ若しくは近い物性値を示す場合には、これら添加物は必ずしも添加する必要はない。添加物を、樹脂に対して200質量%を超える範囲で用いる場合には、樹脂自体が本来有する強度などの特性が低下する懸念がある。
密着補助層には、高分子密着層20を構成する高分子化合物と相互作用を形成し得る活性点を発生させる活性種(化合物)が用いられることが好ましい。この活性点を発生させるためには、何らかのエネルギーを付与すればよく、好ましくは、光(紫外線、可視光線、X線など)、プラズマ(酸素、窒素、二酸化炭素、アルゴンなど)、熱、電気、等が用いられる。更に、酸化性の液体(過マンガン酸カリウム溶液)などによって表面を化学的に分解することで活性点を発生させてもよい。
活性種の例としては、熱重合開始剤、光重合開始剤が挙げられる。具体的には、特開2007−154306公報段落番号〔0043〕、〔0044〕に記載されている。ここで、密着補助層に含有させる重合開始剤の量は、固形分で0.1〜50質量%であることが好ましく、1.0〜30質量%であることがより好ましい。
本発明における密着補助層16の厚みは、一般に、十分な重合開始能の発現、及び、膜性を維持して膜剥がれを防止するといった観点からは、0.1μm〜10μmの範囲であり、0.2μm〜5μmの範囲であることが好ましい。乾燥後の質量で、0.1〜20g/mが好ましく、0.1〜15g/mがより好ましく、0.1〜2g/mが更に好ましい。
上記密着補助層を塗布する際に用いる溶媒は、それらの成分が溶解するものであれば特に制限されない。乾燥の容易性、作業性の観点からは、沸点が高すぎない溶媒が好ましく、具体的には、沸点40℃〜150℃程度のものを選択すればよい。
具体的には、特開2007−154306公報段落番号〔0045〕に記載されている、シクロヘキサノン、メチルエチルケトンなどを使用することができる。上記例示溶媒は、単独或いは混合して使用することができる。そして塗布溶液中の固形分の濃度は、2〜50質量%が適当である。
本発明においては、上記のように、絶縁樹脂上に上記の密着補助層形成用の組成物を塗布などにより配置し、溶剤を除去することにより成膜させて密着補助層を形成するが、この時、加熱及び/又は光照射を行って硬膜することが好ましい。特に、加熱により乾燥した後、光照射を行って予備硬膜しておくと、重合性化合物のある程度の硬化が予め行なわれるので、密着補助層上に高分子密着層が生成した後に密着補助層ごと脱落するといった事態を効果的に抑制し得るため好ましい。
加熱温度と時間は、塗布溶剤が充分乾燥し得る条件を選択すればよいが、製造適性の点からは、温度が200℃以下、乾燥時間は60分以内が好ましく、乾燥温度40〜100℃、乾燥時間20分以内の範囲の加熱条件を選択することがより好ましい。
密着補助層は樹脂フィルム(基材)の片面(ポリマー層が形成される面)に、塗布法、転写法、印刷法などの公知の層形成方法を適用して形成される。
なお、転写法を適用する場合には、高分子密着層20と密着補助層18との2層構成を有する転写積層体を作製し、ラミネート法によって一度に基材の表面に転写してもよい。
(高分子密着層)
高分子密着層には、めっき触媒又はその前駆体と配位結合性の相互作用を形成する官能基と第1の配線基板側に隣接する層と結合を形成しうる反応性基(例えば重合性基)とを有するポリマーの前駆体(以下、適宜、特定高分子前駆体と称する)を含有する。本発明において、高分子密着層の「第1の配線基板側に隣接する層」とは、高分子密着層と隣接して、第1の配線基板側に設けられる「密着補助層」を指し、また、密着補助層を有しない態様の場合には、「絶縁樹脂層」を指す。
特定高分子前駆体は、めっき触媒又はその前駆体と配位結合性の相互作用を形成する官能基(以下、単に、「相互作用性基」と称する場合がある。)を有するために、めっき触媒等を効率的に吸着するとともに、密着補助層、もしくは絶縁樹脂層と結合を形成しうる反応性基(例えば重合性基)を有する化合物であり、隣接する絶縁樹脂層16や密着補助層18と直接化学結合しうる高分子化合物を生成し、エネルギー付与により、隣接する絶縁樹脂層16や密着補助層18と強固に結合しためっき用樹脂層(高分子密着層)20を形成しうる。
後述する高分子密着層20は、好ましくは、下記1〜4の条件のいずれかを満たし、より好ましくは、全てを満たす。
条件1:25℃−50%相対湿度環境下における飽和吸水率が0.01〜10質量%
条件2:25℃−95%相対湿度環境下における飽和吸水率が0.05〜20質量%
条件3:100℃煮沸水に1時間浸漬した後の吸水率が0.1〜30質量%
条件4:25℃−50%相対湿度環境下において、蒸留水5μLを滴下し、15秒静置後の表面接触角が50〜150度
本発明における高分子前駆体の例として、重合性基及び相互作用性基を有する化合物について説明する。
本発明における重合性基及び相互作用性基を有する化合物としては、生成した高分子化合物からなる樹脂組成物層が、前記1〜4の条件を全て満たすように、重合性基及び相互作用性基を有すると共に、吸水性が低く、更に、疎水性の高い化合物を用いることが好ましい。
この化合物における相互作用性基としては非解離性官能基であることが好ましく、非解離性官能基とは、官能基が解離によりプロトンを生成しない官能基を意味する。
このような官能基は、めっき触媒又はその前駆体と相互作用を形成する機能はあっても、解離性の極性基(親水性基)のように高い吸水性、親水性を有するものではないため、この官能基を有する高分子化合物からなる樹脂組成物層は、前記1〜4のいずれかの条件を満たすことが可能になる。
本発明における重合性基は、エネルギー付与により、重合性基及び相互作用性基を有する化合物同士、又は、重合性基及び相互作用性基を有する化合物と高分子密着層と隣接して第1の配線基板側に設けられる隣接層、具体的には、密着補助層或いは絶縁樹脂層とが結合を形成しうる官能基であり、具体的には、ビニル基、ビニルオキシ基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、オキセタン基、エポキシ基、イソシアネート基、活性水素を含む官能基、アゾ化合物における活性基などが挙げられる。
本発明における相互作用性基としては、具体的には、金属イオンと配位形成可能な基、含窒素官能基、含硫黄官能基、含酸素官能基などが好ましく、具体的には、イミド基、ピリジン基、3級のアミノ基、アンモニウム基、ピロリドン基、アミジノ基、トリアジン環構造を含む基、イソシアヌル構造を含む基、ニトロ基、ニトロソ基、アゾ基、ジアゾ基、アジド基、シアノ基、シアネート基(R−O−CN)などの含窒素官能基、エーテル基、カルボニル基、エステル基、N−オキシド構造を含む基、S−オキシド構造を含む基、N−ヒドロキシ構造を含む基などの含酸素官能基、チオエーテル基、チオキシ基、スルホキシド基、スルホン基、サルファイト基、スルホキシイミン構造を含む基、スルホキシニウム塩構造を含む基、スルホン酸エステル構造を含む基などの含硫黄官能基、フォスフィン基などの含リン官能基、塩素、臭素などのハロゲン原子を含む基、及び不飽和エチレン基等が挙げられる。また、隣接する原子又は原子団との関係により非解離性を示す態様であれば、イミダゾール基、ウレア基、チオウレア基を用いてもよい。
中でも、極性が高く、めっき触媒等への吸着能が高いことから、エーテル基(より具体的には、−O−(CH−O−(nは1〜5の整数)で表される構造)、又はシアノ基が特に好ましく、シアノ基が最も好ましいものとして挙げられる。
一般的に、高極性になるほど吸水率が高くなる傾向であるが、シアノ基は樹脂組成物層中にて互いに極性を打ち消しあうように相互作用しあうため、膜が緻密になり、且つ、樹脂組成物層全体としての極性が下がるため、吸水性が低くなる。また、後述する(a2)工程において、樹脂組成物層の良溶剤にて触媒を吸着させることで、シアノ基が溶媒和されてシアノ基間の相互作用がなくなり、めっき触媒と相互作用できるようになる。以上のことから、シアノ基を有する樹脂組成物層は低吸湿でありながら、めっき触媒とはよく相互作用をする、相反する性能を発揮する点で、好ましい。
また、本発明における相互作用性基としては、アルキルシアノ基であることが更に好ましい。これは、芳香族シアノ基は芳香環に電子を吸引されており、めっき触媒等への吸着性として重要な不対電子の供与性が低めになるが、アルキルシアノ基はこの芳香環が結合していないため、めっき触媒等への吸着性の点で好ましい。
本発明において、重合性基及び相互作用性基を有する特定高分子前駆体は、モノマー、マクロモノマー、ポリマーのいずれの形態あってもよく、中でも、樹脂組成物層の形成性と、制御の容易性の観点から、ポリマー(重合性基及び相互作用性基を有するポリマー)を用いることが好ましい。
重合性基及び相互作用性基を有するポリマーとしては、相互作用性基を有するモノマーを用いて得られるホモポリマーやコポリマーに、重合性基として、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリル基などのエチレン付加重合性不飽和基(重合性基)を導入したポリマーであることが好ましく、この重合性基及び相互作用性基を有するポリマーは、少なくとも主鎖末端又は側鎖に重合性基を有するものであり、側鎖に重合性基を有するものが好ましい。
前記重合性基及び相互作用性基を有するポリマーを得る際に用いられる相互作用性基を有するモノマーとしては、前記記載の非解離性官能基を有するモノマーであればいかなるモノマーも使用可能である。
これらは1種を単独で使用してもよい、2種以上を併用してもよい。
重合性基及び相互作用性基を有するポリマーにおいて、相互作用性基を有するモノマーに由来するユニットは、めっき触媒又はその前駆体との相互作用形成性の観点から、重合性基及び相互作用性基を有するポリマー中に、50〜95モル%の範囲で含有されることが好ましく、40〜80モル%の範囲で含有されることがより好ましい。
また、重合性基及び相互作用性基を有するポリマーを得る際には、吸水性を低下させるため、また、疎水性を向上させるために、上記相互作用性基を有するモノマー以外に他のモノマーを用いてもよい。他のモノマーとしては、一般的な重合性モノマーを用いてよく、ジエン系モノマー、アクリル系モノマー等が挙げられる。中でも、無置換アルキルのアクリル系モノマーが好ましい。具体的には、ターシャリーブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルメタクリレートなどが好ましく使用できる。
このような重合性基及び相互作用性基を有するポリマーは、以下のように合成できる。
合成方法としては、i)相互作用性基を有するモノマーと重合性基を有するモノマーとを共重合する方法、ii)相互作用性基を有するモノマーと二重結合前駆体を有するモノマーとを共重合させ、次に塩基などの処理により二重結合を導入する方法、iii)相互作用性基を有するポリマーと重合性基を有するモノマーとを反応させ、二重結合を導入(重合性基を導入する)方法が挙げられる。好ましいのは、合成適性の観点から、ii)相互作用性基を有するモノマーと二重結合前駆体を有するモノマーとを共重合させ、次に塩基などの処理により二重結合を導入する方法、iii)相互作用性基を有するポリマーと重合性基を有するモノマーとを反応させ、重合性基を導入する方法である。
重合性基及び相互作用性基を有するポリマーの合成に用いられる、相互作用性基を有するモノマーとしては、上記の相互作用性基を有するモノマーと同様のモノマーを用いることができる。モノマーは、一種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
相互作用性基を有するモノマーと共重合させる重合性基を有するモノマーとしては、アリル(メタ)アクリレート、2−アリルオキシエチルメタクリレートなどが挙げられる。
また、二重結合前駆体を有するモノマーとしては2−(3−クロロ−1−オキソプロポキシ)エチルメタクリレー卜、2−(3−ブロモ−1−オキソプロポキシ)エチルメタクリレート、などが挙げられる。
更に、相互作用性基を有するポリマー中の、カルボキシル基、アミノ基若しくはそれらの塩、水酸基、及びエポキシ基などの官能基との反応を利用して不飽和基を導入するために用いられる重合性基を有するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレートなどがある。
前記特定高分子前駆体がポリマーである場合の重量平均分子量としては、1000以上70万以下が好ましく、更に好ましくは2000以上30万以下である。特に、重合感度の観点から、重量平均分子量は、20000以上であることが好ましい。また、重合度としては、10量体以上のものを使用することが好ましく、更に好ましくは20量体以上のものである。また、7000量体以下が好ましく、3000量体以下がより好ましく、2000量体以下が更に好ましく、1000量体以下が特に好ましい。
特定高分子前駆体(例えば、シアノ基含有重合性化合物)の含有量は、感光性樹脂組成物に対して、固形分換算で2質量%〜50質量%であることが好ましく、更に好ましくは 5質量%〜20質量%の範囲である。
本発明の高分子密着層には、上記特定高分子前駆体に加え、合成ゴム及びエポキシアクリレートモノマーのうち少なくとも1種を含む。上記特定高分子前駆体に対し、これらの化合物のうち1種以上を添加することで、高湿度条件下での使用など厳しい条件下においても、高精細パターンの形成性、膜の柔軟性、めっき膜との密着性などがより向上するという利点を有するようになる。
以下に、本発明における特定高分子前駆体。更に具体的な例としてシアノ基を有するポリマー(以下、「シアノ基含有重合性ポリマー」と称する。)について説明する。
本発明におけるシアノ基含有重合性ポリマーは、例えば、下記式(1)で表されるユニット、及び、下記式(2)で表されるユニットを含む共重合体であることが好ましい。
上記式(1)及び式(2)中、R〜Rは、夫々独立して、水素原子、又は置換若しくは無置換のアルキル基を表し、X、Y及びZは、夫々独立して、単結合、置換若しく無置換の二価の有機基、エステル基、アミド基、又はエーテル基を表し、L及びLは、夫々独立して、置換若しくは無置換の二価の有機基を表す。
〜Rが、置換若しくは無置換のアルキル基である場合、無置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられ、また、置換アルキル基としては、メトキシ基、ヒドロキシ基、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等で置換された、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられる。
なお、Rとしては、水素原子、メチル基、或いは、ヒドロキシ基又は臭素原子で置換されたメチル基が好ましい。
としては、水素原子、メチル基、或いは、ヒドロキシ基又は臭素原子で置換されたメチル基が好ましい。
としては、水素原子が好ましい。
としては、水素原子が好ましい。
としては、水素原子、メチル基、或いは、ヒドロキシ基又は臭素原子で置換されたメチル基が好ましい。
X、Y及びZが、置換若しくは無置換の二価の有機基の場合、該二価の有機基としては、置換若しくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基が挙げられる。
置換若しくは無置換の脂肪族炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、又はこれらの基が、メトキシ基、ヒドロキシ基、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等で置換されたものが好ましい。
置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基としては、無置換のフェニル基、若しくは、メトキシ基、ヒドロキシ基、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等で置換されたフェニル基が好ましい。
中でも、−(CH−(nは1〜3の整数)が好ましく、更に好ましくは−CH−である。
は、ウレタン結合又はウレア結合を有する二価の有機基が好ましく、ウレタン結合を有する二価の有機基がより好ましく、中でも、総炭素数1〜9であるものが好ましい。なお、ここで、Lの総炭素数とは、Lで表される置換若しくは無置換の二価の有機基に含まれる総炭素原子数を意味する。
の構造として、より具体的には、下記式(1−1)、又は、式(1−2)で表される構造であることが好ましい。
上記式(1−1)及び式(1−2)中、R及びRは、夫々独立して、炭素原子、水素原子、及び酸素原子からなる群より選択される2つ以上の原子を用いて形成される2価の有機基であり、好ましくは、置換若しくは無置換の、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、又はブチレン基、エチレンオキシド基、ジエチレンオキシド基、トリエチレンオキシド基、テトラエチレンオキシド基、ジプロピレンオキシド基、トリプロピレンオキシド基、テトラプロピレンオキシド基が挙げられる。
また、Lは、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキレン基、芳香族基、又はこれらを組み合わせた基であることが好ましい。該アルキレン基と芳香族基とを組み合わせた基は、更に、エーテル基、エステル基、アミド基、ウレタン基、ウレア基を介していてもよい。中でも、Lは総炭素数が1〜15であることが好ましく、特に無置換であることが好ましい。なお、ここで、Lの総炭素数とは、Lで表される置換若しくは無置換の二価の有機基に含まれる総炭素原子数を意味する。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、フェニレン基、及びこれらの基が、メトキシ基、ヒドロキシ基、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等で置換されたもの、更には、これらを組み合わせた基が挙げられる。
本発明におけるシアノ基含有重合性ポリマーとしては、前記式(1)で表されるユニットが、下記式(3)で表されるユニットであることが好ましい。
上記式(3)中、R及びRは、夫々独立して、水素原子、又は置換若しく無置換のアルキル基を表し、Zは、単結合、置換若しくは無置換の二価の有機基、エステル基、アミド基、又はエーテル基を表し、Wは、酸素原子、又はNR(Rは、水素原子、又はアルキル基を表し、好ましくは、水素原子、又は炭素数1〜5の無置換のアルキル基である。)を表し、Lは、置換若しくは無置換の二価の有機基を表す。
式(3)におけるR及びRは、前記式(1)におけるR及びRと同義であり、好ましい例も同様である。
式(3)におけるZは、前記式(1)におけるZと同義であり、好ましい例も同様である。
また、式(3)におけるLも、前記式(1)におけるLと同義であり、好ましい例も同様である。
本発明におけるシアノ基含有重合性ポリマーとしては、前記式(3)で表されるユニットが、下記式(4)で表されるユニットであることが好ましい。
式(4)中、R及びRは、夫々独立して、水素原子、又は置換若しく無置換のアルキル基を表し、V及びWは、夫々独立して、酸素原子、又はNR(Rは、水素原子、又はアルキル基を表し、好ましくは、水素原子、又は炭素数1〜5の無置換のアルキル基である。)を表し、Lは、置換若しくは無置換の二価の有機基を表す。
式(4)におけるR及びRは、前記式(1)におけるR及びRと同義であり、好ましい例も同様である。
式(4)におけるLは、前記式(1)におけるLと同義であり、好ましい例も同様である。
前記式(3)及び式(4)において、Wは、酸素原子であることが好ましい。
また、前記式(3)及び式(4)において、Lは、無置換のアルキレン基、或いは、ウレタン結合又はウレア結合を有する二価の有機基が好ましく、ウレタン結合を有する二価の有機基がより好ましく、これら中でも、総炭素数1〜9であるものが特に好ましい。
また、本発明におけるシアノ基含有重合性ポリマーとしては、前記式(2)で表されるユニットが、下記式(5)で表されるユニットであることが好ましい。
上記式(5)中、Rは、水素原子、又は置換若しく無置換のアルキル基を表し、Uは、酸素原子、又はNR’(R’は、水素原子、又はアルキル基を表し、好ましくは、水素原子、又は炭素数1〜5の無置換のアルキル基である。)を表し、Lは、置換若しくは無置換の二価の有機基を表す。
式(5)におけるRは、前記式(1)におけるR及びRと同義であり、水素原子であることが好ましい。
また、式(5)におけるLは、前記式(1)におけるLと同義であり、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキレン基、芳香族基、又はこれらを組み合わせた基であることが好ましい。
特に、式(5)においては、L中のシアノ基との連結部位が、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキレン基を有する二価の有機基であることが好ましく、中でも、この二価の有機基が総炭素数1〜10であることが好ましい。
また、別の好ましい態様としては、式(5)におけるL中のシアノ基との連結部位が、芳香族基を有する二価の有機基であることが好ましく、中でも、該二価の有機基が、総炭素数6〜15であることが好ましい。
本発明におけるシアノ基含有重合性ポリマーは、共重合成分全体に対し、重合性基含有ユニット、シアノ基含有ユニットの割合が以下の範囲であることが好ましい。
即ち、重合性基含有ユニットが、共重合成分全体に対し5〜50mol%で含まれることが好ましく、更に好ましくは5〜40mol%である。5mol%以下では反応性(硬化性、重合性)が落ち、50mol%以上では合成の際にゲル化しやすく合成しにくい。
また、シアノ基含有ユニットは、めっき触媒に対する吸着性の観点から、共重合成分全体に対し5〜95mol%で含まれることが好ましく、更に好ましくは10〜95mol%である。
なお、本発明におけるシアノ基含有重合性ポリマーは、シアノ基含有ユニット、重合性基含有ユニット以外に、他のユニットを含んでいてもよい。この他のユニットを形成するために用いられるモノマーとしては、本発明の効果を損なわないものであれば、いかなるモノマーも使用することができる。
他のユニットを形成するために用いられるモノマーとしては、具体的には、アクリル樹脂骨格、スチレン樹脂骨格、フェノール樹脂(フェノール−ホルムアルデヒド樹脂)骨格、メラミン樹脂(メラミンとホルムアルデヒドの重縮合体)骨格、ユリア樹脂(尿素とホルムアルデヒドの重縮合体)骨格、ポリエステル樹脂骨格、ポリウレタン骨格、ポリイミド骨格、ポリオレフィン骨格、ポリシクロオレフィン骨格、ポリスチレン骨格、ポリアクリル骨格、ABS樹脂(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレンの重合体)骨格、ポリアミド骨格、ポリアセタール骨格、ポリカーボネート骨格、ポリフェニレンエーテル骨格、ポリフェニレンスルファイド骨格、ポリスルフォン骨格、ポリエーテルスルフォン骨格、ポリアリレート骨格、ポリエーテルエーテルケトン骨格、ポリアミドイミド骨格などの主鎖骨格を形成しうるモノマーが挙げられる。
また、これらの主鎖骨格は、シアノ基含有ユニットや、重合性基含有ユニットの主鎖骨格であってもよい。
ただし、前述のように重合性基をポリマーに反応させて導入する場合は、100%導入することが困難な際には少量の反応性部分が残ってしまうことから、これが第3のユニットとなる可能性もある。
具体的には、ラジカル重合でポリマー主鎖を形成する場合は、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどの無置換(メタ)アクリル酸エステル類、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、3,3,3−トリフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレートなどのハロゲン置換(メタ)アクリル酸エステル類、2−(メタ)アクリルロイロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライドなどのアンモニウム基置換(メタ)アクリル酸エステル類、ブチル(メタ)アクリルアミド、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、オクチル(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド類、スチレン、ビニル安息香酸、p−ビニルベンジルアンモニウムクロライドなどのスチレン類、N−ビニルカルバゾール、酢酸ビニル、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルカプロラクタムなどのビニル化合物類や、その他にジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−エチルチオ−エチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどが使用できる。
また、上記記載のモノマーを用いて得られたマクロモノマーも使用できる。
カチオン重合でポリマー主鎖を形成する場合は、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、エチレングリコールビニルエーテル、ジ(エチレングリコール)ビニルエーテル、1,4−ブタンジオールビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、酢酸ビニル、2−ビニルオキシテトラヒドロピラン、ビニルベンゾエート、ビニルブチレートなどのビニルエーテル類、スチレン、p−クロロスチレン、p−メトキシスチレンなどのスチレン類、アリルアルコール、4−ヒドロキシ−1−ブテンなどの末端エチレン類を使用することができる。
本発明におけるシアノ基含有重合性ポリマーの重量平均分子量は、1000以上70万以下が好ましく、更に好ましくは2000以上20万以下である。特に、重合感度の観点から、本発明におけるシアノ基含有重合性ポリマーの重量平均分子量は、20000以上であることが好ましい。
また、本発明におけるシアノ基含有重合性ポリマーの重合度としては、10量体以上のものを使用することが好ましく、更に好ましくは20量体以上のものである。また、7000量体以下が好ましく、3000量体以下がより好ましく、2000量体以下が更に好ましく、1000量体以下が特に好ましい。
ここに記載されている分子量及び重合度の好ましい範囲は、本発明において用いられるシアノ基含有重合性ポリマー以外の重合性基及び相互作用性基を有するポリマーに関しても好適な範囲である。
〔溶剤〕
本発明の高分子密着層20の形成に使用する溶剤は、組成物の主成分である、特定高分子前駆体が溶解可能ならば特に制限はない。溶剤には、更に界面活性剤を添加してもよい。
使用できる溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールモノメチルエーテルの如きアルコール系溶剤、酢酸の如き酸、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンの如きケトン系溶剤、ホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンの如きアミド系溶剤、アセトニトリル、プロピロニトリルの如きニトリル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチルの如きエステル系溶剤、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートの如きカーボネート系溶剤などが挙げられる。
この中でも、シアノ基含有重合性ポリマーを用いた組成物とする場合には、アミド系、ケトン系、ニトリル系溶剤、カーボネート系溶剤が好ましく、具体的には、アセトン、ジメチルホルミアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセトニトリル、プロピオニトリル、N−メチルピロリドン、ジメチルカーボネートが好ましい。
また、シアノ基含有重合性ポリマーを含有する組成物を塗布する場合は、取り扱い安さから沸点が50〜150℃の溶剤が好ましい。なお、これらの溶剤は単一で使用してもよいし、混合して使用してもよい。
また、本発明において、重合性基及び相互作用性基を有する化合物を含有する組成物を、コア基板10表面の絶縁樹脂層16上或いは密着補助層18上に塗布する場合、基板や重合開始層の吸溶媒率が5〜25%となる溶剤を選択することができる。この吸溶媒率は、基板や、重合開始層を形成した基材を溶剤中に浸漬し、1000分後に引き上げた場合の質量の変化から求めることができる。
また、重合性基及び相互作用性基を有する化合物を含有する組成物を、基板や重合開始層上に塗布する場合、基板や重合開始層の膨潤率が10〜45%となる溶剤を選択してもよい。この膨潤率は、基板や、重合開始層を形成した基材を溶剤中に浸漬し、1000分後に引き上げた場合の厚さの変化から求めることができる。
必要に応じて溶剤に添加することのできる界面活性剤は、溶剤に溶解するものであればよく、そのような界面活性剤としては、例えば、n−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの如きアニオン性界面活性剤や、n−ドデシルトリメチルアンモニウムクロライドの如きカチオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル(市販品としては、例えば、エマルゲン910、花王(株)製など)、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(市販品としては、例えば、商品名「ツイーン20」など)、ポリオキシエチレンラウリルエーテルの如き非イオン性界面活性剤等が挙げられる。
また、必要に応じて可塑剤を添加することもできる。使用できる可塑剤としては、一般的な可塑剤が使用でき、フタル酸エステル類(ジメチルエステル、ジエチルエステル、ジブチルエステル、ジ−2−エチルヘキシルエステル、ジノルマルオクチルエステル、ジイソノニルエステル、ジノニルエステル、ジイソデシルエステル、ブチルベンジルエステル)、アジピン酸エステル類(ジオクチルエステル、ジイソノニルエステル)、アゼラインサンジオクチル、セバシンサンエステル類(ジブチルエステル、ジオクチルエステル)リン酸トリクレシル、アセチルクエン酸トリブチル、エポキシ化大豆油、トリメリット酸トリオクチル、塩素化パラフィンやジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンのような高沸点溶媒も使用することができる。
重合性基及び相互作用性基を有する化合物を含有する組成物には、必要に応じて、重合禁止剤を添加することもできる。使用できる重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ジターシャリーブチルハイドロキノン、2,5−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)ハイドロキノンなどのハイドロキノン類、p−メトキシフェノール、フェノールなどのフェノール類、ベンゾキノン類、TEMPO(2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニロキシ フリーラジカル)、4−ヒドロキシTEMPOなどのフリーラジカル類、フェノチアジン類、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン、そのアルミニウム塩などのニトロソアミン類、カテコール類を使用することができる。
また、重合性基及び相互作用性基を有する化合物を含有する組成物には、必要に応じて、重合開始層の硬化を進めるために、硬化剤及び/又は硬化促進剤を添加することができる。例えば、重合開始層にエポキシ化合物が含まれる場合の硬化剤及び/又は硬化促進剤として、重付加型では、脂肪族ポリアミン、脂環族ポリアミン、芳香族ポリアミン、ポリアミド、酸無水物、フェノール、フェノールノボラック、ポリメルカプタン、活性水素を2個以上持つ化合物等、触媒型としては、脂肪族第三アミン、芳香族第三アミン、イミダゾール化合物、ルイス酸錯体などが挙げられる。
また、熱、光、湿気、圧力、酸、塩基などにより硬化開始するものとしては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ポリアミドアミン、メンセンジアミン、イソホロンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキシスピロ(5,5)ウンデカンアダクト、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、m−キシレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン、ジシアンジアミド、アジピン酸ジヒラジド、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ドデシル無水コハク酸、無水クロレンディック酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメート)、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物、無水トリメリット酸、ポリアゼライン酸無水物、フェノールノボラック、キシリレンノボラック、ビスAノボラック、トリフェニルメタンノボラック、ビフェニルノボラック、ジシクロペンタジエンフェノールノボラック、テルペンフェノールノボラック、ポリメルカプタン、ポリサルファイド、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール−トリ−2−エチルヘキシル酸塩、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−(2−メチルイミダゾリル−(1))−エチルS−トリアジン、BFモノエチルアミン錯体、ルイス酸錯体、有機酸ヒドラジド、ジアミノマレオニトリル、メラミン誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアミン塩、アミンイミド化合物、芳香族ジアゾニウム塩、ジアリルヨードニウム塩、トリアリルスルホニウム塩、トリアリルセレニウム塩、ケチミン化合物などが挙げられる。
これらの硬化剤及び/又は効果促進剤は、溶液の塗布性、基板やめっき膜との密着性などの観点から、溶剤を除去した残りの不揮発成分の0〜50質量%程度まで添加することが好ましい。また、硬化剤及び/又は硬化促進剤は密着補助層18に添加してもよく、その場合は、密着補助層18に添加した量と高分子密着層20中に添加した総和量で上記範囲を満たすことが好ましい。
また、更に、難燃化剤(例えば、りん系難燃化剤)、希釈剤やチキソトロピー化剤、顔料、消泡剤、レべリング剤、カップリング剤などを添加してもよい。また、これらの添加剤は必要に応じて密着補助層18に添加してもよい。
本発明において、この高分子密着層20を形成するには、高分子密着層形成用の組成物を液状のまま接触させる場合には、任意に行うことができるが、塗布法により組成物層を形成する場合の塗布量は、めっき触媒又はその前駆体との充分な相互作用性、及び、均一な塗布膜とを得る観点からは、固形分換算で0.1g/m2〜10g/m2が好ましく、特に0.5g/m2〜5g/m2が好ましい。
このようにして、コア基板10表面に、絶縁樹脂層16、所望により形成される、密着補助層18及び高分子密着層20が形成されてなる本発明における積層体22が得られる〔図1(A)参照〕。この積層体は、めっき金属の受容層を形成するのに有用である。従って、本発明におけるこの積層体は、コア基板10上に密着性良好なめっき膜(第2の配線)を形成するのに有用である。図1(A)では、絶縁樹脂層16、密着補助層18及び高分子密着層20は、コア基板10の両面に設けられているが、片面のみに設けられていてもよい。
<(2)積層体表面のビア接続部以外の領域にパターン状にエネルギーを付与して、露光領域に絶縁樹脂層と結合したパターン状の高分子密着層を形成する工程>
このようにして得られた積層体22において、ビアを形成しようとする領域は、コア基板10における配線14が形成された領域である。
ここで、図1(B)に示すように、ビアを形成しようとする領域(ビア接続部)を遮光部とするマスク24を設け、エネルギーを付与する。
エネルギーを付与した領域において、高分子密着層20中の特定高分子前駆体が、エネルギー付与により密着補助層18と直接結合してなる特定高分子を形成し、密着補助層18と直接結合してなる高分子密着層20がパターン状に形成され、この領域がめっき触媒受容層となる。未露光部の特定高分子前駆体は適切な方法で現像することにより除去される〔図1(C)〕。
(2)工程は、密着補助層18上に、めっき触媒又はその前駆体と配位結合性の相互作用を形成する官能基、及び重合性基を有するポリマーを直接化学結合させることにより高分子密着層20をパターン状に形成する工程であることが好ましい。
この(2)工程では、前記密着補助層18上に、重合性基及び相互作用性基を有するポリマー又はその前駆体を接触させた後、マスク24を介してエネルギーを付与することにより、マスク24を設けていない領域に特定高分子前駆体を直接化学結合させる工程である。
以下に特定高分子前駆体を、密着補助層や絶縁樹脂層に直接化学結合させる例としてグラフト法を用いる場合について説明する。本発明に適用されるグラフト重合法としては、文献記載の公知の方法をいずれも使用することができる。例えば、新高分子実験学10、高分子学会編、1994年、共立出版(株)発行、p135には表面グラフト重合法として光グラフト重合法、プラズマ照射グラフト重合法が記載されている。また、吸着技術便覧、NTS(株)、竹内監修、1999.2発行、p203、p695には、γ線、電子線などの放射線照射グラフト重合法が記載されている。これらの方法の中でも、より多くのグラフトポリマーを生成する観点からは、光グラフト重合法、特に、UV光による光グラフト重合法を用いて樹脂組成物層を形成することが好ましい。
光グラフト重合法の具体的方法としては、特開昭63−92658号公報、特開平10−296895号公報及び特開平11−119413号公報に記載の方法を使用することができる。
本発明における高分子密着層を形成し、密着補助層や絶縁樹脂層に直接結合させる方法としては、上記のグラフト法以外にも、高分子化合物鎖の末端に、トリアルコキシシリル基、イソシアネート基、アミノ基、水酸基、カルボキシル基などの反応性官能基を付与し、これと基板表面に存在する官能基とのカップリング反応により結合させる方法をなども適用することもできる。
本発明において、密着補助層18表面に活性種を与え、それを起点としてグラフトポリマーを生成させるグラフト重合法を用いる場合、グラフトポリマーの生成に際しては、密着補助層18に、重合開始剤を含有することが好ましい。この態様により、活性点を効率よく発生させ、より多くのグラフトポリマーを生成させることができる。
この場合、密着補助層18には、高分子化合物と重合開始剤、重合性化合物と重合開始剤、或いは、重合開始可能な官能基を有する化合物を含んでいてもよい。
ここで用いられる重合開始剤は、例えば、特開2007−154306公報の段落番号〔0043〕から〔0044〕に記載されており、これらに代表される公知の重合開始剤を目的に応じて、適宜選択して用いることができる。中でも、光重合を利用することが製造適性の観点から好適であり、このため、光重合開始剤を用いることが好ましい。
光重合開始剤は、照射される活性光線に対して活性であり、グラフト重合が可能なものであれば、特に制限はなく、例えば、ラジカル重合開始剤、アニオン重合開始剤、カチオン重合開始剤などを用いることができるが、反応性の観点からはラジカル重合開始剤が好ましい。
重合開始剤の含有量は、重合開始層中、固形分で0.1〜70質量%の範囲が好ましく、1〜40質量%の範囲が特に好ましい。
また、重合開始剤としては、光カチオン重合開始剤及び光ラジカル重合開始剤を用いてもよい。
本発明において重合開始剤を含有する密着補助層18を形成する場合には、上記のように、コア基材10上の絶縁樹脂層16表面に上記の密着補助層18形成用の組成物を塗布などにより配置し、溶剤を除去することにより成膜して形成するが、このとき、加熱及び/又は光照射を行って硬膜することが好ましい。特に、加熱により乾燥した後、光照射を行って予備硬膜しておくと、重合性化合物のある程度の硬化が予め行なわれるので、グラフト化を達成した後に重合開始層ごと脱落するといった事態を効果的に抑制し得るため好ましい。
加熱温度と時間は、塗布溶剤が充分乾燥し得る条件を選択すればよいが、製造適正の点からは、温度が100℃以下、乾燥時間は30分以内が好ましく、乾燥温度40〜80℃、乾燥時間10分以内の範囲の加熱条件を選択することがより好ましい。
加熱乾燥後に所望により行われる光照射は、後述するグラフト化反応に用いる光源を用いることができる。引き続き行われるグラフト化反応において、エネルギー付与により実施される重合開始層の活性点とグラフト鎖との結合の形成を阻害しないという観点からは、重合開始層中に存在する重合性化合物が部分的にラジカル重合しても、完全にはラジカル重合しない程度に光照射することが好ましい。光照射時間については、光源の強度により異なるが、一般的には30分以内であることが好ましい。このような予備硬化の目安としては、溶剤洗浄後の膜残存率が10%以下となり、且つ、予備硬化後の開始剤残存率が1%以上であることが、挙げられる。
グラフトポリマーの他の生成態様としては、前述した如く、密着補助層18表面に存在する官能基と、特定高分子前駆体がその末端又は側鎖に有する反応性官能基とのカップリング反応を利用する方法などを用いることができる。
本発明においては、密着補助層18上にめっき触媒又はその前駆体と相互作用を形成する官能基(相互作用性基)を有し、且つ、該重合開始層と直接化学結合したポリマーからなる高分子密着層20を形成する態様が好ましい。この態様では、密着補助層18上に、重合性基及び相互作用性基を有する特定高分子前駆体を接触させた後、マスク24を介してエネルギーを付与することにより、エネルギー付与領域のみに特定高分子を直接化学結合させる態様である。
重合性基及び相互作用性基を有する化合物を含有する組成物を接触させる場合には、その塗布量は、めっき触媒又はその前駆体との充分な相互作用形成性の観点からは、固形分換算で、0.1〜10g/mが好ましく、特に0.5〜5g/mが好ましい。
なお、高分子密着層20の層形成に際しては、重合性基及び相互作用性基を有する化合物を含有する層を形成した後、塗布と乾燥との間に、20〜40℃で0.5〜2時間放置させて、残存する溶剤を除去してもよい。
(パターン状のエネルギーの付与)
高分子密着層20生成のためのエネルギー付与方法としては、例えば、露光等の輻射線照射を用いることができる。例えば、UVランプ、可視光線などによる光照射が可能である。光源としては、例えば、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、等がある。放射線としては、電子線、X線、イオンビーム、遠赤外線などがある。また、g線、i線、Deep−UV光、高密度エネルギービーム(レーザービーム)も使用される。
また、マスク24を用いない方法としては、熱記録ヘッド等により直接パターン状に加熱する方法、赤外線レーザーによる走査露光などの方法が挙げられ、さらには、キセノン放電灯などの高照度フラッシュ露光や赤外線ランプ露光なども好適な方法として挙げられる。
エネルギー付与に要する時間としては、目的とするグラフトポリマーの生成量及び光源により異なるが、通常、10秒〜5時間の間である。
なお、エネルギーの付与を露光にて行う場合、その露光パワーは、グラフト重合を容易に進行させるため、また、生成されたグラフトポリマーの分解を抑制するため、10mJ/cm〜5000mJ/cmの範囲であることが好ましく、より好ましくは、50mJ/cm〜3000mJ/cmの範囲である。
また、重合性基及び相互作用性基を有する化合物として、平均分子量2万以上、重合度200量体以上のポリマーを使用すると、低エネルギーの露光でグラフト重合が容易に進行するため、生成したグラフトポリマーの分解を更に抑制することができる。
形成された高分子密着層20が、例えば、pH12のアルカリ性溶液に添加し、1時間攪拌したときの重合性基部位の分解が50%以下である場合は、未硬化の特定高分子前駆体を除去するために、高アルカリ性溶液による洗浄を行うことができる。
また、未硬化、未反応の特定高分子前駆体が溶解可能な前記溶剤及び前記溶剤を含む混合液を用いて洗浄を行い、未硬化、未反応の特定高分子前駆体を除去することも可能である。
以上のようにして、特定高分子の存在する部分と、高分子前駆体が除去された部分が存在するパターンが形成される。なお、本発明の場合、ビア部となる部分にエネルギー付与が行われないので、ビアの部分の高分子前駆体が除去された状態の特定高分子パターン(パターン状の高分子密着層)が形成される。
以上説明した(2)工程により、積層体22上には、相互作用性基を有するグラフトポリマーからなるパターン状の高分子密着層(めっき触媒受容層)20を形成することができる。
本工程で得られたパターン状の高分子密着層を構成する高分子化合物は、めっき触媒又はその前駆体と相互作用を形成する官能基としてシアノ基を有する、例えば、前述のシアノ基含有中合成ポリマーを用いることが好ましい。このシアノ基は、前述の通り、極性が高く、めっき触媒等への吸着能が高いが、解離性の極性基(親水性基)のように高い吸水性、親水性を有するものではないため、このシアノ基有するグラフトポリマーからなる高分子密着層20は、吸水性が低く、且つ、疎水性が高いものとなる。
<(3)パターン状の高分子密着層にめっき触媒又はその前駆体を付与して、第1の無電解めっきを行い、パターン状の高分子密着層表面に金属膜を形成する工程>
(3)工程では、上記(1)工程、及び(2)工程を経て形成された高分子密着層20層に、めっき触媒又はその前駆体を付与する。本工程においては、高分子密着層20を構成するポリマーが有する相互作用性基(好ましくは、シアノ基)が、その機能に応じて、付与されためっき触媒又はその前駆体を付着(吸着)する。
ここで、めっき触媒又はその前駆体としては、無電解めっき工程における、めっきの触媒や電極として機能するものが挙げられる。そのため、めっき触媒又はその前駆体は、引き続き行われるめっき工程におけるめっきの種類により決定される。
なお、ここで、本工程において用いられるめっき触媒又はその前駆体は、無電解めっき触媒又はその前駆体であることが好ましい。
(無電解めっき触媒)
本発明において用いられる無電解めっき触媒は、無電解めっき時の活性核となるものであれば、如何なるものも用いることができ、具体的には、ものであり、自己触媒還元反応の触媒能を有する金属(Niよりイオン化傾向の低い無電解めっきできる金属として知られるもの)などが挙げられ、具体的には、Pd、Ag、Cu、Ni、Al、Fe、Coなどが挙げられる。中でも、多座配位可能なものが好ましく、特に、配位可能な官能基の種類数、触媒能の高さから、Ag、Pdが特に好ましい。
この無電解めっき触媒は、金属コロイドとして用いてもよい。一般に、金属コロイドは、荷電を持った界面活性剤又は荷電を持った保護剤が存在する溶液中において、金属イオンを還元することにより作製することができる。金属コロイドの荷電は、ここで使用される界面活性剤又は保護剤により調節することができる。
(無電解めっき触媒前駆体)
本工程において用いられる無電解めっき触媒前駆体とは、化学反応により無電解めっき触媒となりうるものであれば、特に制限なく使用することができる。主には、上記無電解めっき触媒として挙げた金属の金属イオンが用いられる。無電解めっき触媒前駆体である金属イオンは、還元反応により無電解めっき触媒である0価金属になる。無電解めっき触媒前駆体である金属イオンは、樹脂組成物層へ付与した後、無電解めっき浴への浸漬前に、別途還元反応により0価金属に変化させて無電解めっき触媒としてもよいし、無電解めっき触媒前駆体のまま無電解めっき浴に浸漬し、無電解めっき浴中の還元剤により金属(無電解めっき触媒)に変化させてもよい。
実際には、無電解めっき前駆体である金属イオンは、金属塩を用いて被めっき層上に付与する。使用される金属塩としては、適切な溶媒に溶解して金属イオンと塩基(陰イオン)とに解離されるものであれば特に制限はなく、M(NO、MCln、M2/n(SO)、M3/n(PO)(Mは、n価の金属原子を表す)などが挙げられる。金属イオンとしては、上記の金属塩が解離したものを好適に用いることができる。具体例としては、例えば、Agイオン、Cuイオン、Alイオン、Niイオン、Coイオン、Feイオン、Pdイオンが挙げられ、中でも、多座配位可能なものが好ましく、特に、配位可能な官能基の種類数、及び触媒能の点で、Agイオン、Pdイオンが好ましい。
本発明で用いられる無電解めっき触媒又はその前駆体の好ましい例の一つとして、パラジウム化合物が挙げられる。このパラジウム化合物は、めっき処理時に活性核となり金属を析出させる役割を果たす、めっき触媒(パラジウム)又はその前駆体(パラジウムイオン)として作用する。パラジウム化合物としては、パラジウムを含み、めっき処理の際に核として作用すれば、特に限定されないが、例えば、パラジウム(II)塩、パラジウム(0)錯体、パラジウムコロイドなどが挙げられる。
パラジウム塩としては、例えば、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、硝酸パラジウム、臭化パラジウム、炭酸パラジウム、硫酸パラジウム、ビス(ベンゾニトリル)ジクロロパラジウム(II)、ビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム(II)、ビス(エチレンジアミン)パラジウム(II)塩化物などが挙げられる。なかでも、取り扱いやすさと溶解性の点で、硝酸パラジウム、酢酸パラジウム、硫酸パラジウム、ビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム(II)が好ましい。
パラジウム錯体としては、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム錯体、ジパラジウムトリスベンジリデンアセトン錯体などが挙げられる。
パラジウムコロイドは、パラジウム(0)から構成される粒子で、その大きさは特に制限されないが、液中での安定性の観点から、5nm〜300nmが好ましく、10nm〜100nmがより好ましい。パラジウムコロイドは、必要に応じて、他の金属を含んでいてもよく、他の金属としては、例えば、スズなどが挙げられる。パラジウムコロイドとしては、例えば、スズ−パラジウムコロイドなどが挙げられる。なお、パラジウムコロイドは、公知の方法で合成してもよいし、市販品を使用してもよい。例えば、荷電を持った界面活性剤又は荷電を持った保護剤が存在する溶液中において、パラジウムイオンを還元することによりパラジウムコロイドを作製することができる。
(その他の触媒)
本工程において、無電解めっきを行わず直接電気めっきを行うために用いられる触媒としては、0価金属を使用することができる。この0価金属としては、Pd、Ag、Cu、Ni、Al、Fe、Coなどが挙げられ、中でも、多座配位可能なものが好ましく、特に、特に、相互作用性基(シアノ基)に対する吸着(付着)性、触媒能の高さから、Pd、Ag、Cuが好ましい。
無電解めっき触媒である金属、或いは、無電解めっき前駆体である金属塩を樹脂組成物層に付与する方法としては、金属を適当な分散媒に分散した分散液、或いは、金属塩を適切な溶媒で溶解し、解離した金属イオンを含む溶液を調製し、その分散液又は溶液を樹脂組成物層上に塗布するか、或いは、その分散液又は溶液中に樹脂組成物層が形成された基板を浸漬すればよい。
また、(2)工程において、表面グラフト重合法を用いる場合、密着補助層18上に、重合性基及び相互作用性基(シアノ基)を有する化合物を含有する組成物を接触させるが、この組成物中に、無電解めっき触媒又はその前駆体を添加する方法を用いてもよい。重合性基及び相互作用性基(シアノ基)を有する化合物と、無電解めっき触媒又はその前駆体と、を含有する組成物を、密着補助層18上に接触させて、表面グラフト重合法を適用することにより、相互作用性基(シアノ基)を有し、且つ、密着補助層18と直接化学結合したポリマーと、めっき触媒又はその前駆体と、を含有する高分子密着層20を形成することができる。なお、この方法を用いれば、本発明における(2)工程と(3)工程の一部が同時に行えることになる。
なお、図1におけるようにコア基板10の両面に高分子密着層20が形成されている場合には、その両面の高分子密着層20に対して同時に無電解めっき触媒又はその前駆体を接触させるために、上記の浸漬法を用いることが好ましい。
(有機溶剤、及び水)
上記のようなめっき触媒又は前駆体は、前述のように、分散液や溶液(触媒液)として被めっき層に付与される。
本発明における触媒液には、有機溶剤や水が用いられる。
この有機溶剤を含有することで、被めっき層に対するめっき触媒又は前駆体の浸透性が向上し、相互作用性基に効率よくめっき触媒又はその前駆体を吸着させることができる。
本発明における触媒液には、水を用いてもよく、この水としては、不純物を含まないことが好ましく、そのような観点からは、RO水や脱イオン水、蒸留水、精製水などを用いるのが好ましく、脱イオン水や蒸留水を用いるのが特に好ましい。
めっき触媒液の調製に用いられる有機溶剤としては、被めっき層に浸透しうる溶剤であれば特に制限は無いが、具体的には、アセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、エチレングリコールジアセテート、シクロヘキサノン、アセチルアセトン、アセトフェノン、2−(1−シクロヘキセニル)、プロピレングリコールジアセテート、トリアセチン、ジエチレングリコールジアセテート、ジオキサン、N−メチルピロリドン、ジメチルカーボネート、ジメチルセロソルブなどを用いることができる。
また、その他の有機溶剤としては、ダイアセトンアルコール、γブチロラクトン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコールターシャリーブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4ジオキサン、n−メチル−2−ピロリドンなどが挙げられる。
特に、めっき触媒又はその前駆体との相溶性、及び被めっき層への浸透性の観点では水溶性の有機溶剤が好ましく、アセトン、ジメチルカーボネート、ジメチルセロソルブ、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルが好ましい。
また、その他の併用可能な溶剤としては、ダイアセトンアルコール、γブチロラクトン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコールターシャリーブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4ジオキサン、n−メチル−2−ピロリドンなどが挙げられる。なお、上記した例示溶媒に含まれる非水溶性の溶剤については、水への溶解限界までの混入であれば許容される。例えば、ジメチルカーボネートの場合は12.5%まで、トリアセチンの場合は7.2%まで、シクロヘキサノンの場合は9%まで水との混合が可能である。
溶剤の含有量は、めっき触媒液全量に対して0.5〜40質量%が好ましく、5〜30質量%であることがより好ましく、5〜20質量%の範囲であることが特に好ましい。
めっき触媒液には、めっき触媒又はその前駆体及び主たる溶剤である水に加え、本発明の効果を損なわない範囲において、目的に応じて他の添加剤を含有することができる。
他の添加剤としては、以下に示すものが挙げられる。
例えば、膨潤剤(ケトン、アルデヒド、エーテル、エステル類等の有機化合物など)や、界面活性剤(アニオン性、カチオン性、双性、ノニオン性および低分子性または高分子性など)などが挙げられる。
上記のように無電解めっき触媒又はその前駆体を接触させることで、樹脂組成物層中の相互作用性基(シアノ基)に、ファンデルワールス力のような分子間力による相互作用、又は、孤立電子対による配位結合による相互作用を利用して、無電解めっき触媒又はその前駆体を吸着させることができる。
このような吸着を充分に行わせるという観点からは、分散液、溶液、組成物中の金属濃度、又は溶液中の金属イオン濃度は、0.001〜50質量%の範囲であることが好ましく、0.005〜30質量%の範囲であることが更に好ましい。また、接触時間としては、30秒〜24時間程度であることが好ましく、1分〜1時間程度であることがより好ましい。
この(3)工程の前段では、高分子密着層20中の相互作用性基(シアノ基)とめっき触媒又はその前駆体との間に相互作用を形成することができる。
その後、無電解めっき触媒又はその前駆体が付与された高分子密着層20に対し、めっきを行うことで(第1の無電解めっき)、パターン状に形成された高分子密着層20の表面にめっき膜26が形成される〔図1(D)〕。形成されためっき膜26は、第2の配線として機能し、優れた導電性、密着性を有する。
本工程において行われるめっきの種類は、無電解めっきであるが、所望によりさらに電気めっきを行うこともできる。
なかでも、高分子密着層20中に発現するハイブリッド構造の形成性及び密着性向上の点から、無電解めっきを行うことが好ましい。また、所望の膜厚のめっき層を得るために、無電解めっきの後に、更に電気めっきを行うことがより好ましい態様である。
以下、本工程において好適に行われるめっきについて説明する。
(無電解めっき)
無電解めっきとは、めっきとして析出させたい金属イオンを溶かした溶液を用いて、化学反応によって金属を析出させる操作のことをいう。
本工程における無電解めっきは、例えば、無電解めっき触媒が付与された基板を、水洗して余分な無電解めっき触媒(金属)を除去した後、無電解めっき浴に浸漬して行う。使用される無電解めっき浴としては一般的に知られている無電解めっき浴を使用することができる。
また、無電解めっき触媒前駆体が付与された基板を、無電解めっき触媒前駆体が樹脂組成物層に吸着又は含浸した状態で無電解めっき浴に浸漬する場合には、基板を水洗して余分な前駆体(金属塩など)を除去した後、無電解めっき浴中へ浸漬される。この場合には、無電解めっき浴中において、めっき触媒前駆体の還元とこれに引き続き無電解めっきが行われる。ここで使用される無電解めっき浴としても、上記同様、一般的に知られている無電解めっき浴を使用することができる。
なお、無電解めっき触媒前駆体の還元は、上記のような無電解めっき液を用いる態様とは別に、触媒活性化液(還元液)を準備し、無電解めっき前の別工程として行うことも可能である。触媒活性化液は、無電解めっき触媒前駆体(主に金属イオン)を0価金属に還元できる還元剤を溶解した液で、0.1%〜50%、好ましくは1%〜30%がよい。還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、ヂメチルアミンボランのようなホウ素系還元剤、ホルムアルデヒド、次亜リン酸などの還元剤を使用することが可能である。
一般的な無電解めっき浴の組成としては、溶剤の他に、1.めっき用の金属イオン、2.還元剤、3.金属イオンの安定性を向上させる添加剤(安定剤)が主に含まれている。このめっき浴には、これらに加えて、めっき浴の安定剤など公知の添加物が含まれていてもよい。
このめっき浴に用いられる溶剤には、吸水性が低く、疎水性の高い樹脂組成物層、即ち、例えば、前記1〜4の条件のうちいずれかを満たす樹脂組成物層に対して、親和性の高い有機溶剤を含有させることが好ましい。有機溶剤の種類の選択や、含有量は、樹脂組成物層の物性に応じて調製すればよい。特に、樹脂組成物層の条件1における飽和吸水率が大きければ大きいほど、有機溶剤の含有率を小さくすることが好ましい。具体的には、以下の通りである。
即ち、条件1における飽和吸水率が0.01〜0.5質量%の場合、めっき浴の全溶剤中の有機溶剤の含有量は20〜80%であることが好ましく、同飽和吸水率が0.5〜5質量%の場合、めっき浴の全溶剤中の有機溶剤の含有量は10〜80%であることが好ましく、同飽和吸水率が5〜10質量%の場合、めっき浴の全溶剤中の有機溶剤の含有量は0〜60%であることが好ましく、同飽和吸水率が10〜20質量%の場合、めっき浴の全溶剤中の有機溶剤の含有量は0〜45%であることが好ましい。
めっき浴に用いられる有機溶剤としては、水に可能な溶媒である必要があり、その点から、アセトンなどのケトン類、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類が好ましく用いられる。
無電解めっき浴に用いられる金属の種類としては、銅、すず、鉛、ニッケル、金、パラジウム、ロジウムが知られており、中でも、導電性の観点からは、銅、金が特に好ましい。
また、上記金属に合わせて最適な還元剤、添加物がある。例えば、銅の無電解めっきの浴は、銅塩としてCuSO、還元剤としてHCHO、添加剤として銅イオンの安定剤であるEDTAやロッシェル塩などのキレート剤、トリアルカノールアミンなどが含まれている。また、CoNiPの無電解めっきに使用されるめっき浴には、その金属塩として硫酸コバルト、硫酸ニッケル、還元剤として次亜リン酸ナトリウム、錯化剤としてマロン酸ナトリウム、りんご酸ナトリウム、こはく酸ナトリウムが含まれている。また、パラジウムの無電解めっき浴は、金属イオンとして(Pd(NH)Cl、還元剤としてNH、HNNH、安定化剤としてEDTAが含まれている。これらのめっき浴には、上記成分以外の成分が入っていてもよい。
このようにして形成される無電解めっきによるめっき膜の膜厚は、めっき浴の金属イオン濃度、めっき浴への浸漬時間、或いは、めっき浴の温度などにより制御することができるが、導電性の観点からは、0.2μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることがより好ましい。
また、めっき浴への浸漬時間としては、1分〜6時間程度であることが好ましく、1分〜3時間程度であることがより好ましい。
本発明においては、第1の無電解めっきにより形成された金属膜26は、配線としての適性の観点からは銅膜が好ましく、形成された銅膜の厚みは0.2μm以上2μm以下であることが好ましい。
以上のようにして得られた無電解めっきによるめっき膜は、SEMによる断面観察により、樹脂組成物層中に無電解めっき触媒やめっき金属からなる微粒子がぎっしりと分散しており、更に樹脂組成物層上にめっき金属が析出していることが確認された。基板とめっき膜との界面は、ポリマーと微粒子とのハイブリッド状態であるため、基板(有機成分)と無機物(触媒金属又はめっき金属)との界面が平滑(例えば、凹凸差が500nm以下)であっても、密着性が良好となる。
(電気めっき)
本工程おいては、(3)工程において付与されためっき触媒又はその前駆体が電極としての機能を有する場合、その触媒又はその前駆体が付与された樹脂組成物層に対して、電気めっきを行うことができる。
また、前述の無電解めっきの後、形成されためっき膜を電極とし、更に、電気めっきを行ってもよい。これにより基板との密着性に優れた無電解めっき膜をベースとして、そこに新たに任意の厚みをもつ金属膜を容易に形成することができる。このように、無電解めっきの後に、電気めっきを行うことで、金属膜を目的に応じた厚みに形成しうるため、本発明の金属膜を種々の応用に適用するのに好適である。
本発明における電気めっきの方法としては、従来公知の方法を用いることができる。なお、本工程の電気めっきに用いられる金属としては、銅、クロム、鉛、ニッケル、金、銀、すず、亜鉛などが挙げられ、導電性の観点から、銅、金、銀が好ましく、銅がより好ましい。
また、電気めっきにより得られる金属膜の膜厚については、用途に応じて異なるものであり、めっき浴中に含まれる金属濃度、或いは、電流密度などを調整することでコントロールすることができる。
ただし、後述するように、本発明を用いてセミアディティブ法でパターン形成する場合は配線以外の部分は後でエッチングして除去することになるので、(3)パターン状の高分子密着層にめっき触媒又はその前駆体を付与して、第1の無電解めっきを行い、パターン状の高分子密着層表面に金属膜を形成する工程での電気めっきは必ずしも行わなくてもよい。本発明では、ビアを形成したい部分に無電解めっきがなされず、ビアを形成したい部分に金属がない金属膜パターンが形成される。
本発明において、前述のめっき触媒、めっき触媒前駆体に由来する金属や金属塩、及び/又は、無電解めっきにより、高分子密着層20中に析出した金属が、該層中でフラクタル状の微細構造体として形成されていることによって、金属膜26と高分子密着層20との密着性を更に向上させることができる。
高分子密着層20中に存在する金属量は、基板断面を金属顕微鏡にて写真撮影したとき、高分子密着層20の最表面から深さ0.5μmまでの領域に占める金属の割合が5〜50面積%であり、高分子密着層20と金属界面の算術平均粗さRa(JIS B0633−2001)が0.05μm〜0.5μmである場合に、更に強い密着力が発現される。
<(4)パターン状の金属膜をマスクとしてビアを形成し、その後デスミア処理を行う工程>
前記(1)〜(3)の各工程を経ることで、2層の配線を有する積層基板が得られる。その後、(4)工程では、第1の配線と第2の配線とを導通させるためのビア28を形成する。
ビアの形成方法には特に制限はなく、ドリル加工による方法、化学エッチングによる方法、或いは、レーザーを照射する方法、プラズマエッチングなどによる方法などが挙げられる。なかでも、微細加工への適用性の観点からは、レーザー加工等でビアホールを形成する方法が好ましい。
ビアホールの形成においては、先に形成されたパターン状の金属膜26が、マスクとしての機能を有し、また、第1の配線14がストッパーとして機能するために、例えばレーザー加工は、ビア28が第1の配線に達したところでそれ以上削られず、第1の配線14が底部となるビア28が形成される。また、マスク部位に仮にレーザーが照射されてもビアホールは形成されにくく、このため、レーザーの位置精度を落とすことができる。即ち、位置精度が比較的低いレーザーを用いた場合でも、ビアホールの形成位置精度を高く維持することができる。また、金属膜26のマスクとしての機能を利用して、プラズマエッチングや化学エッチングといった、面全体に一度に穴をあける手法をとり、ビアホールの形成工程を簡易化することも可能である。
本工程に用いるレーザーとしては、発振波長が紫外光領域から赤外光領域までのいずれかの波長であっても用いることができる。なお、ここで上記紫外光領域とは50〜400nmの範囲の波長領域をいい、赤外光領域とは750nm〜1mmの範囲の波長領域をいう。用い得るレーザーとしては、紫外線レーザー、炭酸ガスレーザーなどが挙げられる。
前記紫外線レーザーとしては、発光波長領域が、通常、180nm〜380nm、好ましくは200nm〜380nm、より好ましくは300nm〜380nmである。紫外線レーザーを得るためのレーザーの例として、Ar、N、ArF、KrF、XeCL、XeF、He−Cd、He−Neなどの気体レーザー;YAG、NdYAG、Ndガラス、アレキサンドライトなどの固体レーザー;有機溶剤に溶かした色素を用いる色素レーザーなどが挙げられる。特に、高出力エネルギー発振が可能で、長寿命で、レーザー装置を安価に維持可能なYAGレーザー、NdYAGレーザーが好適である。紫外線領域の発振波長として、これらレーザーの高調波が好適に用いられる。レーザー高調波は、例えばYAGレーザーなどで1.06μmのレーザー光(基本波)を発振させ、このレーザー光を、光路方向に所定の間隔をもって並列する二つの非線形結晶(LBO結晶)に通すことによって、波長0.53μmのSHG光を経て、波長0.355μmのTHG光(紫外線)に変換することによって得られる。このような高調波を得るための装置としては、特開平11−342485号公報などに開示されているレーザー加工機が挙げられる。レーザーは、連続的に又は断続的に照射することができるが、単パルスで断続的に照射する方が、クラック発生が防止できるので好ましい。
単パルス照射における照射回数(ショット数)は、通常5回〜500回、好ましくは10回〜100回である。照射回数が増えると加工時間が長くなり、クラックも発生しやすい傾向になる。パルス周期は、通常3kHz〜8kHz、好ましくは4kHz〜5kHzである。炭酸ガスレーザーは分子レーザーであり、電力からレーザー光に変換する効率が10%以上であり、発振波長は10.6μmで数十kWもの大出力を発生させることができる。通常、20mJ〜40mJ程度のエネルギーを有し、約10−4秒〜10−8秒程度の短パルスで実施する。ビア形成に必要なパルスのショット数は、通常、約5ショット〜1000ショット程度である。
形成されるビア28は、第1の配線14と第2の配線26との導通形成に用いられるスルーホールとなる〔図1(E)〕。
ビアの底部分の内径(d1)と孔の入り口(表面)部分の内径(d0)との比率(孔径比:d1/d0×100[%])は、通常40%以上、好ましくは50%以上、より好ましくは65%以上である。また、d0は10μm〜250μmの範囲が好ましく、20μm〜80μmの範囲がより好ましい。この孔径比が大きいものは、導通不良を起こし難く信頼性が高い。
ビアの形成後、形成されたビア28に残存するスミアを除去するデスミア処理を行う。デスミア処理は、ビア穴部の表面を乾式及び/又は湿式法により粗化する方法により行われる。乾式粗化法としては、バフ、サンドブラスト、等の機械的研磨やプラズマエッチング等が挙げられる。一方湿式粗化法としては、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、オゾン、過酸化水素/硫酸、硝酸、等の酸化剤や、強塩基や樹脂膨潤溶剤を用いる方法等の化学薬品処理が挙げられる。工程の簡便性からは、過マンガン酸塩などを用いる化学薬品処理が好ましい。
デスミア処理方法としては、例えば、市販品であるMLB211(ロームアンドハース電子材料株式会社製)を20容量%、キューポジットZ10容量%を含む膨潤浴に、60〜85℃で1〜15分間浸漬した後、MLB213A(ロームアンドハース電子材料株式会社製)を10容量%とMLB213B(ロームアンドハース電子材料株式会社製)を15容量%含むエッチング浴に55℃〜85℃で2〜15分間浸漬処理し、MLB216−2(ロームアンドハース電子材料株式会社製)を20容量%含む中和浴に35℃〜55℃で2〜10分間浸漬する等の公知の方法で適宜実施することができる。
デスミア処理を行っても、金属膜が形成される領域、即ち、第1の配線14及び第2の配線26表面は化学薬品の影響を受けることなく、表面平滑性を維持するが、ビア穴側面の絶縁樹脂露出部分は、スミアの除去と共に表面も粗面化される。このため、所望により引き続き実施される導通処理における無電解めっきや金属充填処理における金属材料との親和性、密着性が向上するという利点をも有することになる。
本発明の方法によれば、デスミア処理後においても、第1の配線14及び第2の配線26表面はいずれもRaは0.05μm〜0.3μmの平滑性を維持し、ビア内側のRaは0.8μm以上となることが確認されており、配線部Ra/ビア内側Raの比率は、0.05〜0.5となる。従来の配線形成法では、ビア内側のRaは0.8μm以上と同程度であるが、配線部のRaはいずれも1.0μm以上、デスミア処理を実施しない場合でも0.8μm以上となり、配線部Ra/ビア内側Raの比率は0.8〜5程度となることから、本発明の方法がこの点でも優れていることがわかる。なお、ここで表面粗さRaは、算術平均粗さRaであり、ISO 4288(1996)記載の方法により測定した値を採用している。
デスミア処理としては、例えば、過マンガン酸ナトリム系のエッチング液を用いた80℃10分間のエッチング工程、硫酸計の中和液を用いて40℃5分間の中和工程などを有する処理が代表的な例である。
化学薬品によるデスミア処理に代えて、絶縁樹脂層16を溶解、若しくは膨潤させる溶剤で洗浄する処理を行ってもよい。
なお、ビアの内部には、よりよい密着性を確保する目的で、後述するめっき処理の前に、通常行われるコンディショニング処理や触媒付与処理を行うことが好ましい。
前記(1)工程〜(4)工程を経ることで、従来通常行われていた、コア基板上に銅貼り絶縁樹脂層を形成し、銅箔を、レジストを用いてパターニングして第2の配線を形成し、その後、レジストを剥離してビアを形成するといった煩雑な工程を経ることなく、2層の配線を有する積層基板を簡易に形成しうることがわかる。
<(5)第2の無電解めっき処理又は形成されたビア部への導電性ペースト充填処理を行って、第1の配線基板表面の金属配線とパターン状の高分子密着層表面に形成された金属膜とを電気的に接続する工程>
前記(1)工程〜(4)工程を経て形成されたビア28内に導電性の材料を配置することで、コア基板上の第1の配線14と第2の配線26との間を電気的に接続することができる。
ビア28への導電性材料の配置は、無電解めっき処理又は形成されたビア28部への導電性ペースト充填処理により行われる。なかでも、接合強度の観点からは、配線材料と同じ銅が使用できる無電解めっきによる方法が好ましい。
ここで行われる第2の無電解めっき処理は、前記第2の配線26の形成に適用された第1の無電解めっき処理と同様の方法により行うことができる。
図1(F)は、無電解めっきにより第1の配線14と第2の配線26との間が、無電解めっきにより形成された導通用金属膜30が形成されたことと示すモデル図である。無電解めっき法によれば、めっき膜(金属膜)30は、ビア28の側面のみならず、配線をめっき受容層として、第1の配線14及び第2の配線26表面にも形成される。
導電性ペースト充填処理に用いられる導電性ペーストには、特に制限はなく、種類及び充填量は、目的に応じて適宜選択することができる。本発明に適用しうる導電性ペーストとしては、例えば、銀ナノ粒子を含有する銀ペーストなどが挙げられる。
このようにして、2層の配線間を電気的に接続した多層配線基板を得ることができる。
得られた2層の配線を有する多層配線基板は、実装に適するように、さらなる配線を形成するコアとなる基板として使用される。本発明の形成方法により得られた多層配線板にさらなる配線を積層する方法としては、公知のセミアディティブ法、サブトラクティブ法などを適用することができる。
以下、本発明の形成方法により得られた多層配線板を用い、さらなる配線を形成する代表的な形成方法について説明する。第2の配線26表面にさらに配線を形成するために、以下の(6)工程〜(9)工程を行うことができる。
<(6)パターン状の高分子密着層表面に形成された金属膜表面に、めっきレジスト層を形成する工程>
本工程では、第2の配線26表面に、めっきレジスト層32を形成する〔図2(A)〕。めっきレジスト層は、公知の方法で形成することができ、一般的なドライフィルムレジストやソルダーレジストなどが用いられ、ドライフィルムレジストが好ましい。ドライフィルムレジストとしては、如何なる材料も使用でき、ネガ型、ポジ型、液状、フィルム状のものが使用できる。
めっきレジスト層32の厚みは、形成使用とするさらなる配線の厚みに応じて選択されるが、一般的には、5μm〜200μmが好ましい。5μm未満ではフィルムが切れやすいため取扱いにくく、一方耐折性を満たすといったハンドリング性の観点からは200μm以下であることが好ましい。
<(7)めっきレジスト層をパターニングする工程>
次に、形成されためっきレジスト層32をパターン露光、現像により、パターニングし、形成しようとする配線パターン(金属パターン)と同じ領域にレジストを有さず、金属パターンの非形成領域のみにレジスト層32が存在するようにパターンを形成する〔図2(B)〕。
ドライフィルムレジストのパターン形成方法は、プリント配線基板の製造時に使用されている方法が何れも使用可能である。
<(8)めっきレジスト層を利用して電気めっきを行い、配線パターンを形成する工程>
次に、パターニングされためっきレジスト層32をマスクとして電気めっきを行い、めっきレジスト層32の非形成領域にパターン状の金属層34を形成する。これがさらなる配線パターン32を形成することになる〔図2(C)〕。
電気めっきは第2の配線26の形成方法において説明したのと同様にして行うことができる。
形成される配線パターン32の膜厚は、配線の目的に応じて選択されるが、一般には、0.3μm〜3μmの範囲であることが好ましい。
<(9)配線パターンの形成後、電気めっきの通電に使用した非配線パターン部のめっきレジスト層を除去する工程>
配線パターン32を形成した後、非配線領域のめっきレジスト層32を除去する。このようにして、図2(D)に示すように、めっきレジスト層32の非形成領域のみにパターン状のめっき金属層(配線パターン)34が形成される。なお、図2(D)に示すように、形成されたさらなる配線パターン34は、下層の第2の配線26及びその表面に形成された無電解めっきによる金属層30により互いに導通されているため、必要に応じて、ドライフィルムレジストパターンを除去した後にクイックエッチングを実施し、金属膜26、30のうち、不要な領域をパターン状に除去することで、さらなる配線パターン34の形成が完了し、多層配線板が得られる〔図2(E)〕。エッチング方法としては、プリント配線基板の製造時に使用されている方法が何れも使用可能であり、湿式エッチング、ドライエッチングのいずれでもよいが、作業性の観点からは、湿式エッチングが好ましい。エッチング液として、例えば、塩化第二銅、塩化第二鉄等の水溶液を使用することができる。
(6)工程〜(9)工程に使用されるドライフィルムレジソスト、エッチング液等は公知のサブトラクティブ法と同様な材料が使用できる。
本発明の形成方法によれば、簡易な工程で、基板との密着性に優れ、矩形の断面形状に優れた配線が容易に形成される。また、各配線の表面は平滑であり、矩形の断面形状を有するために、本発明の形成方法により得られた多層配線板は電気的特性に優れる。
前記実施態様では、代表的な工程について説明したが、本発明の方法においては、前記(1)工程〜(4)工程を有するものであれば、その他の工程は任意である。
例えば、(4)工程の後、(5)工程の無電解めっき処理を行うことなく、直ちに、(6)工程を行って、めっきレジスト層を形成し〔図3(A)〕、(7)工程を実施してめっきレジスト層をパターニングしたのち〔図3(B)〕、(5)工程と同様に無電解めっき処理を行って金属層30を形成し〔図3(C)〕、該無電解めっき膜30を起点として(8)工程の電気めっきを行ってさらなる配線34を形成することもできる〔図3(D)〕。この場合も、引き続き(9)工程を行うことで、矩形の微細な配線パターンを有する多層配線基板を形成することができる。
本発明の形成方法においては、(1)工程で使用される「第1の配線基板表面に、絶縁樹脂層と、めっき触媒又はその前駆体と相互作用を形成する官能基と重合性基とを有する高分子前駆体を含む高分子密着層とを有する積層体」を用いることを特徴とするものであり、このような積層体により、多層配線基板の形成が簡易に行える。
このような積層体の他の使用方法としては、(1)工程で得られた積層体22にエネルギー付与を行い、全面に高分子密着層20を形成した後、レーザーでビア28を形成する〔図4(A)〕。このようにしてビア28の形成と高分子密着層20のパターニングとを同時に行い、その後、無電解めっき処理を行って、パターン状の高分子密着層20表面における第2の配線26の形成を行う〔図4(B)〕。デスミア処理を第2の配線26の形成の前又は後に実施した後、第1の配線14と第2の配線26との導通をとるための金属膜30の形成を行う〔図4(C)。
このような積層体に、前記(6)工程〜(9)工程を行って多層配線基板を形成することも可能である。
更に、前記各パターン化工程を行わずに全面にエネルギー付与を行い、全面にめっきにより金属層を設けることで、通常の樹脂付き銅箔を張り合わせた場合と同様な形態の金属膜付き積層体を得て、その後、金属膜の上からドリルやレーザーを用いてビアホールを開け、その後の工程は、通常のビルドアッププリント配線板を作成する場合と同様な操作を行い、多層配線基板を形成することも可能である。
<多層配線基板>
本発明の形成方法により得られた金属多層配線基板は、例えば、半導体チップ、各種電気配線板、FPC、COF、TAB、マザーボード、パッケージインターポーザー基板等の種々の用途に適用することができる。
なかでも、本発明の方法により作製された金属多層配線基板は、平滑な基板との密着性に優れた配線が容易に形成でき、高周波特性も良好であるとともに、微細な高密度配線であっても、配線間の絶縁信頼性に優れる。
以下、実施例により、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」「部」は質量基準である。
〔実施例1〕
[コア基板の作製]
第1の配線14が予め形成されたガラスエポキシ基板12上に、電気的絶縁層として味の素ファインテクノ社製エポキシ系絶縁膜GX−13(膜厚45μm)を、加熱、加圧して、真空ラミネーターにより0.2MPaの圧力で100℃〜110℃の条件により接着して、絶縁樹脂膜16を形成した。
(密着補助層の形成)
JER806(ビスフェノールF型エポキシ樹脂:ジャパンエポキシレジン製)11.8質量部、LA7052(フェノライト、硬化剤:大日本インキ化学工業)4.8質量部、YP50−35EK(フェノキシ樹脂、東都化成製)21.7質量部、シクロヘキサノン61.6質量部、及び2−エチル−4−メチルイミダゾール(硬化促進剤)0.1質量部を混合した混合溶液を、ろ布(メッシュ#200)にて濾過し、塗布液を調製した。
この塗布液を、スピンコータ(300rpmで5秒回転後、1500rpmで20秒回転)にて上記基板に塗布し、その後、170℃で乾燥して硬化させた。これにより、基板A1を得た。硬化した密着補助層の厚みは2.2μmであった。この基板A1の表面凹凸(Ra)は0.5μm(200μm)であった。
[高分子密着層の形成]
(重合性基及び相互作用性基を有するポリマーAの合成)
まず、下記のようにして、重合性基及び相互作用性基を有するポリマーAを合成した。
1000mlの三口フラスコに、N,N−ジメチルアセトアミド35gを入れ、窒素気流下、75℃まで加熱した。そこへ、2−ヒドロキシエチルアクリレート(市販品、東京化成製)6.60g、2−シアノエチルアクリレート28.4g、V−601(和光純薬製)0.62gのN,N−ジメチルアセトアミド35g溶液を、2.5時間かけて滴下した。滴下終了後、80℃まで加熱し、更に3時間撹拌した。その後、室温まで、反応溶液を冷却した。
上記の反応溶液に、ジターシャリーブチルハイドロキノン0.30g、ジブチルチンジ
ラウレート0.28g、カレンズAOI(昭和電工(株)製)18.57g、N,N−ジメチルアセトアミド19gを加え、55℃、4時間反応を行った。その後、反応液にメタノールを3.6g加え、更に1.5時間反応を行った。反応終了後、酢酸エチル:ヘキサン=1:1で再沈を行い、固形物を取り出し、重合性基及び相互作用性基を有するポリマーA(重量平均分子量6.2万)を32g得た。
〔塗布溶液(めっき用感光性樹脂組成物1)の調製〕
重合性基及び相互作用性基を有するポリマーAの7%アセトニトリル溶液に、ポリマーA100重量部に対して20質量部の合成ゴム〔Nipol1041、商品名:日本ゼオン社製〕を添加しめっき用感光性樹脂組成物1の塗布液を調製した。
(グラフトポリマーの生成)
調製された塗布溶液を、前記基板A1の重合開始層上に、スピンコータ(300rpmで5秒回転後、750rpmで20秒回転)にて塗布し、80℃にて30分乾燥した。
乾燥後、三永電機製のUV露光機(型番:UVF−502S、ランプ:UXM−501MD)を用い、石英製のマスクを介して10mW/cmの照射パワー(ウシオ電機製紫外線積算光量計UIT150−受光センサーUVD−S254で照射パワー測定)にて、100秒間照射させて、コア基板10の密着補助層18表面にパターン状にグラフトポリマーを生成させ、高分子密着層20を形成した。積算露光量は1000mJであった。
その後、攪拌した状態のアセトニトリル中にグラフトポリマーが生成された基板を5分間浸漬し、続いて、蒸留水にて洗浄した。
これにより、パターン状の高分子密着層20を有する積層体22を得た。このときの高分子密着層20の厚みは0.6μmであった。
(高分子密着層20の物性測定)
得られた高分子密着層の物性について前述の方法で測定した。その結果、25℃−50%相対湿度環境下において、蒸留水5μLを滴下し、15秒静置後の表面接触角は60°であり、表面疎水性であることが確認された。
[めっき触媒の付与]
積層体22を、硝酸パラジウムの0.05質量%アセトン溶液に、30分間浸漬した後、アセトン及び蒸留水で、各々1〜2分間洗浄した。
[第1の無電解めっき]
上記のようにして、めっき触媒が付与された積層体22に対し、上村工業(株)製スルカップPGTを用い、下記組成の無電解めっき浴を用い、無電解めっき温度26℃で30分間、無電解めっきを行い、積層体22表面に金属膜26を有する図1()で示す如き積層基板を得た。得られた無電解銅めっき膜の厚みは0.5μmであった。
無電解めっき液の調液順序及び原料は以下の通りである。
蒸留水 約60容量%
PGT−A 9.0容量%
PGT−B 6.0容量%
PGT−C 3.5容量%
ホルマリン液 2.3容量%
最後に、全量が100容量%となるように蒸留水にて液面調整した。
*ここで用いたホルマリンは、和光純薬のホルムアルデヒド液(特級)である。
[ビアの形成]
UV−YAGレーザーを用いて周波数5000HZでショット数200〜300の間、パルスエネルギー0.05〜0.12mJの間で調整し、ビアのボトム径50μmのビアを形成した。
[デスミア処理]
デスミア処方としては、MLB211(ロームアンドハース電子材料株式会社製)を20容量%、キューポジットZを10容量%含有する膨潤浴に70℃で7分間浸漬した後、MLB213A(ロームアンドハース電子材料株式会社製)を10容量%とMLB213B(ロームアンドハース電子材料株式会社製)を15容量%含有するエッチング浴に80℃で10分間浸漬処理し、MLB216−2(ロームアンドハース電子材料株式会社製)を20容量%含有する中和浴に45℃で7分間浸漬することによりビア用孔のデスミア処理を実施した。
[第2の無電解めっき]
続いて、第1の無電解めっきと同様の条件で第2の無電解銅めっきを行い、ビア28の内則と第2の配線26表面に金属膜30が形成された。得られた銅めっき膜の厚みはビア側面で0.5μmであった。
[電気めっき用のめっきレジスト層の形成とパターニング]
過水硫酸系のソフトエッチング液にて銅表面を洗浄した後、温度110±10℃、圧力0.35±0.05Mpaにて、ドライフィルムレジスト(ALPHO NIT3025:ニチゴー・モートン(株)社製)をラミネートした。回路パターンの焼付けを、ガイド穴を基準として超高圧水銀ランプで120mJ/cmにて紫外線を照射してパターン露光を実施した後、1%炭酸ナトリウム水溶液を用いて30℃にてスプレー圧0.15MPaにてドライフィルムレジストを現像してめっきレジストパターンを形成した。
[電気めっき]
無電解銅めっき膜30を給電層として、下記組成の電気銅めっき浴を用い、3A/dmの条件で、電気めっきを20分間行った。得られた電気銅めっき膜の厚みは18μmであった。
(電気めっき浴の組成)
・硫酸銅 38g
・硫酸 95g
・塩酸 1mL
・カッパーグリームPCM(メルテックス(株)製) 3mL
・水 500g
[レジストの剥離とエッチング]
5質量%水酸化ナトリウム水溶液をレジスト剥離液として用い、80℃にてスプレー圧0.2MPaにて表面に適用することでめっきレジストパターンを剥離除去処理した後、非回路パターン部分の下地導電層として使用した銅がなくなるように過水硫酸系のソフトエッチング液にて除去した。
さらに、必要に応じて上記絶縁樹脂層形成から、配線形成を繰り返すことにより所望の多層配線基板を形成し、最後にソルダーレジスト形成し、金めっき仕上げを行って多層配線基板を得た。
[多層配線基板の評価]
形成された微細配線を、カラー3Dレーザー顕微鏡VK−9700(キーエンス株式会社製)で観察したところ、厚み18μmの銅微細配線が欠陥なく形成できていることを確認した。また、第一の配線を有する配線基板との電気的な接続を調べたところ、うまく接続されていることを確認した。また、微細配線形成性を、同じくカラー3Dレーザー顕微鏡VK−9700(キーエンス株式会社製)にて、配線形成領域を調べたところ、ライン/スペースが10μm/10μmまで、隣接する配線と接続することなく、直線性に優れた幅の均一な配線が形成できていることが確認された。また、同時に配線形状を観察したところ、配線のエッジ部分は直線的であった。
〔実施例2〕
ビア部をめっきによって金属で充填させてなる態様の多層配線板を形成するために、前記電気めっきを以下の条件に変更した。その他は、実施例1と同様にして多層配線基板を作製した。
(電気めっき浴の組成)
・硫酸銅5水塩 280g
・濃硫酸 35g
・塩酸 0.15mL
・キューブライトVF−II A(荏原ユージライト(株)製) 28.56mL
・キューブライトVF−II B(荏原ユージライト(株)製) 1.46mL
・蒸留水 1400g
2A/dmの条件で、電気めっきを50分間行った。得られた電気銅めっき膜の厚みは20μmであった。
この条件でめっきを行ったところビア部は銅で充填された。
[多層配線基板の評価]
形成された微細配線を、実施例1と同様にして、評価したところ、厚み18μmの銅微細配線が欠陥なく形成できていることを確認した。また、第一の配線を有する配線基板との電気的な接続を調べたところ、うまく接続されていることを確認した。また、微細配線形成性を、同様にして評価したところ、ライン/スペースが10μm/10μmまで、隣接する配線と接続することなく、直線性に優れた幅の均一な配線が形成できていることが確認された。また、同時に配線形状を観察したところ、配線のエッジ部分は直線的であった。
(A)〜(F)コア基板の表裏に、互いに電気的に接続する2層の配線を有する多層配線基板を形成するプロセスの一例を示す概略断面図である。 (A)〜(E)本発明の多層配線基板の形成方法を利用して、さらなる配線を積層してなる多層配線基板を形成するプロセスの一例を示す概略断面図である。 (A)〜(D)本発明の多層配線基板の形成方法における第2の実施態様のプロセスの一部を示す概略断面図である。 (A)〜(C)本発明の多層配線基板の形成方法に使用される積層体を用いて多層配線を形成する他の態様の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
10:第1の配線を有する配線基板(コア基板)
12:絶縁性基板
14:第1の配線
16:絶縁樹脂膜
20:高分子密着層
22:積層体
26:第2の配線26
28:ビア

Claims (8)

  1. (1)基板上に金属配線を有する第1の配線基板表面に、絶縁樹脂層、及び、めっき触媒又はその前駆体と相互作用を形成する官能基と第1の配線基板側に隣接する層と結合を形成しうる反応性基とを有する高分子前駆体を含む高分子密着層を有する積層体を形成する工程と、
    (2)該積層体表面のビア接続部以外の領域にパターン状にエネルギーを付与して、露光領域に絶縁樹脂層と高分子前駆体とが結合したパターン状の高分子密着層を形成する工程と、
    (3)パターン状の高分子密着層にめっき触媒又はその前駆体を付与して、第1の無電解めっきを行い、パターン状の高分子密着層表面に金属膜を形成する工程と、
    (4)該パターン状の金属膜をマスクとしてビアを形成し、その後デスミア処理を行う工程と、
    を含む多層配線基板の形成方法。
  2. さらに、(5)第2の無電解めっき処理又は形成されたビア部への導電性ペースト充填処理を行って、第1の配線基板表面の金属配線とパターン状の高分子密着層表面に形成された金属膜とを電気的に接続する工程を有する請求項1に記載の多層配線基板の形成方法。
  3. さらに、(6)パターン状の高分子密着層表面に形成された金属膜表面に、めっきレジスト層を形成する工程と、
    (7)めっきレジスト層をパターニングする工程と、
    (8)めっきレジスト層を利用して電気めっきを行い、配線パターンを形成する工程と
    (9)該配線パターンの形成後、電気めっきの通電に使用した非配線パターン部のめっきレジスト層を除去する工程と、
    を含む請求項1又は請求項2に記載の多層配線基板の形成方法。
  4. 前記積層体が、絶縁樹脂層と、めっき触媒又はその前駆体と相互作用を形成する官能基と重合性基とを有する高分子前駆体を含む高分子密着層との間に、密着補助層を有する積層体である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の多層配線基板の形成方法。
  5. 前記(1)積層体を形成する工程が、基板上に金属配線を有する第1の配線基板表面に、予め絶縁樹脂層上に高分子密着層が形成されてなるシートを転写する工程を含む請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の多層配線基板の形成方法。
  6. 前記第1の無電解めっきにより形成された金属膜が銅膜であり、形成された銅膜の厚みが0.2μm以上2μm以下である請求項1から請求項5に記載の多層配線板の形成方法。
  7. 前記(5)第2の無電解めっき処理又は形成されたビア部への導電性ペースト充填処理を行って、第1の配線基板表面の金属配線とパターン状の高分子密着層表面に形成された金属膜とを電気的に接続する工程が、前記(6)パターン状の高分子密着層表面に形成された金属膜表面に、めっきレジスト層を形成する工程及び(7)めっきレジスト層をパターニングする工程の前、もしくは後に実施される請求項1から請求項6に記載の多層配線板の形成方法。
  8. 前記めっき触媒若しくはその前駆体と相互作用を形成する官能基と重合性基とを有する高分子前駆体が、シアノ基を有する高分子前駆体である請求項1から請求項7に記載に多層配線板の形成方法。
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