JP2008258211A - 多層配線基板の製造方法及び多層配線基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】可撓性の絶縁性樹脂フイルム及び固体状の絶縁樹脂層のいずれとの密着性にも優れ、絶縁膜との界面における凹凸が小さく、高精細の配線(導電性層)を任意の樹脂フイルムや樹脂基板表面に容易に形成しうる、リジッド−フレックス多層配線基板の製造方法を提供する。
【解決手段】可撓性樹脂フイルム基材表面に、密着補助層、導電性物質吸着性樹脂前駆体層を形成し、該導電性物質吸着性樹脂前駆体層にエネルギーを付与して導電性物質吸着性樹脂層を形成し、該吸着性樹脂層に導電性材料を吸着させて導電性層を形成することで、フレックス配線基板を得た後、フレックス配線基板の表面の一部分に固体絶縁性樹脂層を形成し、その表面に、第2の導電性層を形成することを特徴とするリジッド−フレックス多層配線基板の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、多層配線基板の製造方法及びそれにより得られる多層配線基板に関し、詳細には、電子材料分野で使用される高密度配線を有するフレキシブルプリント配線板を作製するのに有用な、リジッド−フレックス多層配線基板の製造方法及びそれにより得られるリジッド−フレックス多層配線基板に関する。
近年、電子機器の高機能化等の要求に伴い、電子部品の高密度集積化、更には高密度実装化等が進んでおり、これらに使用される高密度実装対応のプリント配線板等も小型化かつ高密度化が進んでいる。
その中で金属層付樹脂フイルム基板は、液晶画面に画像を表示するための駆動用半導体を実装するための基板や屈曲性を要求される稼動部に用いられる基板として汎用されている。近年、液晶画面表示用ドライバーICチップを実装する手法としてCOF[チップオンフイルム]が注目されてきている。COFは従来の実装法の主流であったTCP(テープキャリアーパッケージ)に比べ、ファインピッチ実装が可能であるとともに、ドライバーICの小型化、およびコストダウンを図ることができると言われている。近年COFにおいて、最近の液晶表示画面の高精細化、液晶駆動用ICの小型化等に伴い、電子回路の高精細化、ファインピッチ化が強く求められるようになってきた。
これらファインピッチ配線の形成にあたっては、従来の導電性パターン特にプリント配線板の分野で有用な金属パターン形成方法として「サブトラクティブ法」と「セミアディティブ法」が知られている。サブトラクティブ法とは、絶縁性樹脂フイルム上に形成された金属の層に、活性光線の照射により感光する感光層を設け、この感光層に像様露光し、現像してレジスト像を形成し、ついで、金属をエッチングして金属パターンを形成し、最後にレジストを剥離する方法である。サブトラクティブ法に用いられる金属被覆樹脂基板は金属箔上に樹脂ワニス層もうけ樹脂ワニスを固めたものや、絶縁性樹脂フイルム上に熱可塑性の層をもうけ、金属箔をラミネートしたもの、もしくは絶縁性樹脂フイルムの表面に何らかの方法で給電層を設け給電層に電気を流して電気めっきを行うことによって作成される。この手法で形成される給電層はめっき法、スパッタリング法、蒸着法や薄い金属箔をラミネートしたりする方法などが用いられている。
一方セミアディティブ法は絶縁性樹脂フイルムの表面に何らかの方法で給電層を設け、この給電層の上に活性光線の照射により感光する感光層を設け、この感光層に像様露光し、現像してレジスト像を形成し、給電層に電気を流して電気めっきを行い、非レジスト存在部に金属配線を形成したのち、非金属配線部の給電層をエッチング処理して金属パターンを形成する方法である。この手法で形成される給電層はめっき法、スパッタリング法、蒸着法や薄い金属箔をラミネートしたりする方法などが用いられている。しかしながら金属箔上に樹脂ワニス層を形成した金属被覆樹脂基板や金属箔と絶縁性樹脂フイルムの間に熱可塑性の層を形成してラミネートしたものは微細配線を形成しようとすると金属箔起因の凸凹のため微細な配線が形成できないという問題があり、逆に銅箔の凸凹を小さくしていくと金属層と絶縁性樹脂フイルムの間に十分な密着がとれないという問題があった。
一方金属スパッタリング法、蒸着法により給電層を設ける方法は平滑な面の上に金属層を設けるため、微細な配線は形成しやすいが金属と絶縁性樹脂フイルムの間の密着が十分ではなく、更に製造のためには大掛かりな真空設備が必要である上に作業が煩雑で形成速度が遅く歩留まりが悪くコスト高になるという問題があった。更に全面に金属層を形成したあと表裏の回路の接合のための穴をあけるため、穴の部分のめっきによる接合が別途必要になり、既に形成されている金属層の上に更にめっきによる金属層を形成せざるをえず、必要以上に金属層が厚くなるために、回路形成時にエッチングに時間がかかるという問題もあった。
上記のように基板もしくは絶縁性樹脂フイルム上に配線パターンを形成する場合には絶縁性樹脂フイルムと配線パターンの密着性が問題となる。たとえば銅箔上に絶縁性樹脂であるポリイミドワニス層を形成し、熱反応により金属層付樹脂フイルムを形成する場合、その密着性は銅箔層とポリイミドワニス層との密着性によることになるが、銅箔の表面を凹凸処理してアンカー効果により密着性を発現させるのは、配線が細く、配線間が狭くなるほど配線形状に影響を与えない程度に凹凸も小さくせざるを得ず十分な密着をだすことができないという問題があった。一方スパッタリング法でポリイミド上に銅を形成させる方法は十分な密着が出ない上に成膜速度が遅いためコスト高になるという問題があった。
この問題を解決する為に、例えば基板表面にラジカル重合性化合物をグラフトして表面改質を行うことで、基板の凹凸を最小限にとどめ、かつ、基板の処理工程を簡易にする方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)が、この方法では、高価な装置(γ線発生装置、電子線発生装置)が必要であった。また、使用される基板は通常の市販のプラスチック基板を使用しているため、グラフトポリマーが、そこに導電性素材を強固に付着させる程、十分には生成されず、基板と導電性層との密着が実用上の強度に達していないという問題があった。また導電性層形成の一手段として、高分子末端が基板表面に固定化された表面グラフトポリマーを用いて金のナノ粒子を一段階で集積させる方法が報告されている(例えば、非特許文献1、2参照。)。しかしながら、ここに記載の条件では、荷電ポリマーと荷電粒子との静電力による粒子集積現象において、実用上満足できる程度の相互作用が形成されず、実用上はさらなる導電性素材密着性向上が望まれている。
特に携帯電話などのモバイルに実装される配線基板は、一部の配線は可撓性を有する絶縁樹脂層表面に形成され、他の一部の配線は可撓性を有しないリジッドな絶縁層表面に形成されることになり、これら配線と絶縁樹脂層との接合などに従来以上の工数がかかるという問題もあった。
特開昭58−196238号明細書 Liz−Marzan,L.Mら著、「J.Phys.Chem.」、第99巻、P15120(1995年) Carignano,M.A.ら著「Mol.Phys.」、第100巻、P2993(2002年)
上記従来の技術的問題点を考慮してなされた本発明の目的は、可撓性の絶縁性樹脂フイルム及び固体状の絶縁樹脂層のいずれとの密着性にも優れ、絶縁膜との界面における凹凸が小さく、高精細の配線(導電性層)を任意の樹脂フイルムや樹脂基板表面に容易に形成しうる、リジッド−フレックス多層配線基板の製造方法及びそれにより得られる絶縁樹脂層と導電性層との密着性に優れたリジッド−フレックス多層配線基板を提供することにある。
本発明者は鋭意検討の結果、次のような構成を備えることにより、前記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の構成は以下に示すとおりである。
<1> (a)可撓性樹脂フイルム基材表面に、該基材と相互作用を形成しうる密着補助層を形成する工程と、(b)該密着補助層表面に、密着補助層及び導電性層と相互作用を形成しうる導電性物質吸着性樹脂前駆体層を形成する工程と、(c)該導電性物質吸着性樹脂前駆体層にエネルギーを付与してエネルギー付与領域に該密着補助層と結合した導電性物質吸着性樹脂層を形成する工程と、(d)該導電性物質吸着性樹脂層に導電性材料を吸着させ、導電性層を形成する工程と、(e)該導電性層の形成後、該可撓性樹脂フイルム基材の一部分に可撓性を有しない固体絶縁性樹脂層を形成する工程と、(f)該固体絶縁性樹脂層表面に、第2の導電性層を形成する工程と、を実施することを特徴とするリジッド−フレックス多層配線基板の製造方法。
<2> 前記(f)該固体絶縁性樹脂層表面に、第2の導電性層を形成する工程が、
(a−2)該固体絶縁性樹脂層表面に、該固体絶縁樹脂層と相互作用を形成しうる第2の密着補助層を形成する工程と、(b−2)該第2の密着補助層表面に、密着補助層及び導電性層と相互作用を形成しうる第2の導電性物質吸着性樹脂前駆体層を形成する工程と、(c−2)該第2の導電性物質吸着性樹脂前駆体層にエネルギーを付与してエネルギー付与領域に該第2の密着補助層と結合した第2の導電性物質吸着性樹脂層を形成する工程と、(d−2)該第2の導電性物質吸着性樹脂層に導電性材料を吸着させ、第2の導電性層を形成する工程と、を含むことを特徴とする<1>に記載のリジッド−フレックス多層配線基板の製造方法。
<3> 前記導電性物質吸着性樹脂前駆体層が、導電性物質を吸着しうる官能基と、重合性二重結合とを有する分子量が1000以上300000以下のオリゴマーもしくはポリマーを含有することを特徴とする<1>又は<2>記載のリジッド−フレックス多層配線基板の製造方法。
<4> 前記導電性物質を吸着しうる官能基と、重合性二重結合とを有する分子量が1000以上300000以下のオリゴマーもしくはポリマーが、下記式(1)で表されるユニット、及び、下記式(2)で表されるユニットを含む共重合体である<3>記載のリジッド−フレックス多層配線基板の製造方法。
Figure 2008258211
式(1)及び式(2)中、R〜Rは、夫々独立して、水素原子、又は置換若しくは無置換のアルキル基を表し、X、Y及びZは、夫々独立して、単結合、置換若しく無置換の二価の有機基、エステル基、アミド基、又はエーテル基を表し、L及びLは、夫々独立して、置換若しくは無置換の二価の有機基を表す。
<5> 前記(d)導電性物質吸着性樹脂層に導電性材料を吸着させ、導電性層を形成する工程が、前記導電性物質吸着性樹脂層に導電性材料を吸着させる工程と、吸着させた導電性材料を触媒としてめっきを行う工程とを含むことを特徴とする<1>〜<4>のいずれか1項記載のリジッド−フレックス多層配線基板の製造方法。
<6> 前記エネルギーの付与が波長160nm〜450nmの光を照射することにより行われる<1>〜<5>のいずれか1項に記載のリジッド−フレックス多層配線基板の製造方法。
<7> 前記密着補助層が波長160nm〜450nmの光を照射することにより活性種を生成する物質を含有する<1>〜<6>のいずれか1項に記載のリジッド−フレックス多層配線基板の製造方法。
<8> 可撓性樹脂フイルム基材表面に、該可撓性樹脂フイルム基材と相互作用を形成しうる密着補助層、該密着補助及び導電性層と相互作用を形成しうる導電性物質吸着性樹脂前駆体層を有する積層体にエネルギーを付与してエネルギー付与領域に該密着補助層と結合した導電性物質吸着性樹脂層を形成し、該導電性物質吸着性樹脂層に導電性材料を吸着させて形成された導電性層を有するフレックス配線基板の表面の一部分に可撓性を有しない固体絶縁性樹脂層及び第2の導電性層を形成してなるリジッド−フレックス多層配線基板。
本発明の製造方法によれば、樹脂フイルムや固体樹脂層との密着性に優れた導電性層をもつリジッド−フレックス多層配線基板を容易に形成することができる。
本発明の製造方法により作製された本発明のリジッド−フレックス多層配線基板は、絶縁樹脂層との密着性に優れた高精細な配線が平滑な絶縁樹脂層表面に形成され、広範な用途に適用しうる。
本発明の製造方法により作製した高精細の配線を複数層有する多層配線基板に、ソルダーレジスト形成工程や保護膜形成工程、表面処理工程、外形加工工程を経ることで、一部に可撓性の導通部を有するようなリジッド−フレックスプリント配線板を容易に得ることができる。
絶縁樹脂層や樹脂フイルム表面への導電性層の形成方法としては、絶縁樹脂層などの表面に存在する導電性物質吸着性樹脂前駆体層の全面にエネルギー付与(露光)を行い、プリント配線板などの形成に有用な銅張り積層板に代表される絶縁樹脂層表面の全面にわたって導電性層を形成してなる導電性層被覆樹脂フイルムを形成したのち、サブストラクティブ法などにより金属層のパターニングを行って配線(パターン状の導電性層)を形成することも可能である。
絶縁性樹脂フイルム或いは絶縁性樹脂層などの絶縁性樹脂基材がエネルギー付与により活性種を生成し、金属吸着性樹脂前駆体層と化学的、電気的、物理的結合を生起しうる特性を有する場合には、絶縁性樹脂基材表面に別途密着補助層を設ける必要はなく、密着補助層の特性を絶縁性樹脂基材が兼ねることも可能である。
絶縁性樹脂基材と密着性良好に形成される導電性層は、基材の所定領域全域にわたり形成した後、パターニングして配線を形成してもよく、また、当初よりパターン状の導電性層を形成することもできる。このとき、例えば、穴あけ部や配線非形成部など金属配線をつくりたくない部分にはあらかじめ密着補助層や金属吸着性樹脂層を形成しない、或いは、密着補助層のみ形成して金属吸着性樹脂層のみ形成しない、などの方法をとればよい。また、穴あけ工程の後に金属吸着性樹脂層を形成し、表面の導電性層を形成するとともに、ビア部にめっきを施し、層間を導通することも可能である。
本発明によれば、可撓性の絶縁性樹脂フイルム及び固体状の絶縁樹脂層のいずれとの密着性にも優れ、絶縁膜との界面における凹凸が小さく、高精細の配線(導電性層)を任意の樹脂フイルムや樹脂基板表面に容易に形成しうる、リジッド−フレックス多層配線基板の製造方法を提供することができる。
本発明の製造方法により得られた導電性層を有するリジッド−フレックス多層配線基板は、絶縁膜との密着性に優れた高精細の配線を有するプリント配線板となるため、そのようなプリント配線板を回路として備えた種々の電子機器、電気機器に有用である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<リジッド−フレックス多層配線の製造方法>
本発明の多層配線基板の製造方法は、(a)可撓性樹脂フイルム基材表面に、該基材と相互作用を形成しうる密着補助層を形成する工程と、(b)該密着補助層表面に、密着補助層及び導電性層と相互作用を形成しうる導電性物質吸着性樹脂前駆体層を形成する工程と、(c)該導電性物質吸着性樹脂前駆体層にエネルギーを付与してエネルギー付与領域に該密着補助層と結合した導電性物質吸着性樹脂層を形成する工程と、(d)該導電性物質吸着性樹脂層に導電性材料を吸着させ、導電性層を形成する工程と、を経て、フレックス配線基板を得た後、(e)該フレックス配線基板の表面の一部分に可撓性を有しない固体絶縁性樹脂層を形成する工程と、(f)該固体絶縁性樹脂層表面に、第2の導電性層を形成する工程と、を実施することを特徴とする。
以下、本発明の製造方法について、図面を参照し、順次説明する。
本発明では、図1(A)〜図1(B)に示すように、まず、可撓性樹脂フイルム基材12表面に配線となる導電層24を形成し、カバーレイ14で被覆することでフレックス配線基板10を得る。
まず、このフレックス配線基板10の形成方法について詳細に説明する。本発明では表面平滑な樹脂フイルム基材12に密着性に優れた導電性層を形成するために、樹脂フイルム基材12表面に導電性材料吸着樹脂層を備える積層体を用いる。
樹脂フイルム基材表面に金属層(導電性層)をめっき法により形成する方法としては、以下の工程を経る方法が挙げられる。
本発明の方法に用いうる、表面の一部分の領域に金属層を有する樹脂フイルム基材の構成を、図2を参照して説明する。図2(A)は、本発明の製造方法に用いうる導電性物質吸着性フイルムの構成の一態様を示す概略断面図である。ここでは、樹脂フイルム基材(支持体)12の片面に導電性物質吸着性樹脂層20を形成する態様を示す。図2(A)の如く、樹脂フイルム基材12の表面上に、該樹脂フイルム基材12および導電性物質吸着性樹脂前駆体層18と相互作用する密着補助層16、密着補助層16と相互作用し金属を吸着する能力のある導電性物質吸着性樹脂前駆体層18を順次有してなる構成を有する。なお、樹脂フイルム基材12が直接、該導電性物質吸着性樹脂前駆体層18と相互作用できる密着補助的な機能を有するものであれば密着補助層16はなくてもよい。
このような表面の一部分の領域に金属層を有する樹脂フイルム基材10の形成法について述べれば、まず、樹脂フイルム基材12の片面、もしくは両面の表面に、該樹脂フイルム基材12の上に導電性物質吸着性樹脂層20との密着を助ける密着補助層16を設ける工程を実施する。ここで、密着補助層16塗布液を塗布した後、エネルギーを付与して密着補助層16を硬化する工程を実施することができる。
次に、形成された密着補助層16の表面に導電性物質吸着性樹脂前駆体層18を設ける工程を行う。ここで、エネルギーを付与することで、該導電性物質吸着性樹脂前駆体層18に含まれる化合物と密着補助層16に含まれる化合物とが、化学的、電気的、又は物理的な相互作用を形成し、両者が密着して樹脂フイルム基材12表面に導電性物質吸着性樹脂層20が形成される。
このように、樹脂フイルム基材12表面に導電性物質吸着性層20が形成される。このとき、エネルギー付与をパターン状に行うことにより、樹脂フイルム基材12と密着した導電性物質吸着性樹脂層20がパターン状に形成される。
このような樹脂フイルム積層体に対し、所望により、該樹脂フイルム基材12の裏面側の配線と接続するために貫通孔(穴)をあける工程、導電性物質吸着性樹脂層20に金属や金属イオンなどの導電性材料を付与して導電性層(金属層)22を形成する工程を行う。その結果、図1(A)に概略的に示すように、金属パターン付き樹脂フィルム基材を得ることができる。なお、孔をあける工程は、必要に応じて樹脂フイルム基材12に対し行ったのち、密着補助層16や導電性物質吸着性層20或いはその前駆体層18を形成してもよく、樹脂フイルム基材12の少なくとも1面に密着補助層16や導電性物質吸着性層20或いはその前駆体層18を形成した後に行ってもよい。
各工程、即ち、それぞれの層を形成する工程、或いは、穴を開ける工程などは、必要であれば順次おこなっても同時におこなってもよいし、不要であれば省くことができる。しかしながら、工程数軽減の観点からは、樹脂フイルム基材12の形成工程と同時もしくは後の工程で密着補助層16の形成工程が実施されること、樹脂フイルム基材12の形成工程もしくは密着補助層16の形成工程と同時もしくは後の工程で導電性物質吸着性樹脂前駆体層18の形成工程が実施されることが好ましい。
導電性層22を設けて、図1(A)の如き金属層付樹脂フイルムを得る工程は、導電性物質吸着性樹脂層20に付与した金属(導電性物質)を利用して無電解めっき、交換めっき、電気めっきなどを施す金属層形成工程であり、さらに、金属層の用途などに応じて、穴部により裏面側の配線と接続する工程、導体層形成後加熱処理をする工程などを所望により加えることができる。
これらの工程を必要に応じて順不同で実施することができ、各工程は必要であれば順次おこなっても同時におこなってもよいし、不要であれば省くことができる。
本発明の好ましい態様においては、導電性物質吸着性樹脂層の形成工程より後の工程でめっき法などにより金属層を形成する工程がなされることを特徴としている。
以下、各層の構成要素および各工程についてさらに詳細に述べる。なお、これら工程の説明に使用される図1(A)〜図1(F)では、図2(B)における密着補助層16及び導電性材料吸着樹脂層20は薄層であるためその構成を省略し、可撓性樹脂フイルム基材12表面に直接導電性層22をパターニングして得られた配線(パターン状の導電性層)24を記載した態様をとる。
(可撓性樹脂フイルム基材)
本発明で基材として用いられる可撓性樹脂フイルムは、通常電子基板に使われる、ガラスエポキシ、ポリエステル、ポリイミド、熱硬化型ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリアラミド、紙、液晶ポリマー等をフイルム状にした、樹脂フイルムなどを用いることができるが、更に樹脂としてフェノール樹脂、エポキシ樹脂、イミド樹脂、BT樹脂、PPE樹脂、テトラフルオロエチレン樹脂、液晶樹脂、ポリエステル樹脂、PEN、アラミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルスルホン、トリアセチルセルロース、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリアセチレン等、フイルムに成型できる樹脂であればすべて使用することができる。
本発明では、この樹脂フイルム基材はフレキシブルプリント基板の製造に適用されるため、通常、それらに用いられるポリイミド、液晶ポリマー、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂フイルム基材を用いることが好ましい。
なお、本発明において「可撓性」とは、JIS P 8115:2001記載のMIT試験において最低100回の耐屈性があるものとする。
これらの樹脂フイルム層12は均一、且つ、平滑な表面となるようにフイルム状に成形してもよく、上層となる密着補助層16との密着性向上を目的とし、フイルム成形後に、微細な凸凹をつけるため研磨工程を経てもよい。
支持体表面の研磨工程としてはバフ研磨、ベルト研磨、パミス研磨等の機械研磨が挙げられる。更に、これら機械研磨に代えて化学研磨や化学機械研磨、電解研磨等をおこなってもよい。また、フイルムの表面に活性基を発生させるプラズマ処理やコロナ処理、UV処理、オゾン処理、火炎処理や表面を化学的に分解活性化させる処理を併用してもよい。ポリイミドフイルムの場合はヒドラジンやN−メチルピロリドン、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液、のような極性有機溶剤や強アルカリで処理するようなことも行われる。
形成される導電性層の物性を向上させる観点からは、樹脂フイルムは、JIS B 0601(1994年)、10点平均高さ法で測定した平均粗さ(Rz)が3μm以下であるものを用いることが好ましく、Rzが1μm以下であることがより好ましい。基板の表面平滑性が上記値の範囲内、即ち、実質的に凹凸がない状態であれば、回路が極めて微細な(例えば、ライン/スペースの値が25/25μm以下の回路パターン)プリント配線板を製造する際に、好適に用いられる。また、樹脂フイルムの厚みとしては3μm〜500μmのものを用いるのが、フイルムとして屈曲的に用いる場合には好ましく、より好ましくは5μm〜300μmの範囲であり、7μm〜200μmの範囲であることがさらに好ましい。
樹脂フイルム基材12には導電性物質吸着性樹脂前駆体層18と直接相互作用させるために、相互作用しうる活性点を発生させる活性種を添加してもよい。樹脂フイルム基材12と導電性物質吸着樹脂前駆体層18とを密着させるために直接相互作用させたい場合は、樹脂フイルム形成時にあらかじめ樹脂フイルム中にエネルギー付与時に導電性物質吸着樹脂前駆体層18と相互作用させるための活性点を発生させる活性種を添加してもよいし、樹脂骨格中に活性種を発生させる骨格を含んでいてもよい。
活性種を発生しうる材料を樹脂材料に添加する場合に用いられる化合物としては、熱重合開始剤、光重合開始剤、いずれも使用することができる。
ここで用いうる重合開始剤としてはベンゾイルパーオキサイド、アゾイソブチロニトリルなどのような過酸化物開始剤、およびアゾ系開始剤などを使用することができる。また光重合開始剤としては低分子でも良く、高分子でも良く、一般に公知のものが使用される。また、エネルギー付与により樹脂フイルムが金属吸着樹脂前駆体層と相互作用する活性点を生成しうる場合、即ち、前記した骨格中に重合開始部位を有する樹脂を用いるような場合には、これらの活性種を添加しなくてもよい。
低分子の光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーのケトン、ベンゾイルベンゾエート、ベンゾイン類、α−アシロキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、トリクロロメチルトリアジンおよびチオキサントン等の公知のラジカル発生剤を使用できる。また通常、光酸発生剤として用いられるスルホニウム塩やヨードニウム塩なども光照射によりラジカル発生剤として作用するため、本発明ではこれらを用いてもよい。
また、感度を高める目的で光ラジカル重合開始剤に加えて、増感剤を用いてもよい。増感剤の例には、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、およびチオキサントン誘導体等が含まれる。
高分子光ラジカル発生剤としては特開平9−77891号、特開平10−45927号に記載の活性カルボニル基を側鎖に有する高分子化合物、特開2004−161995公報に記載の重合開始基が側鎖にペンダントしてなるポリマーも樹脂フイルム中に混合して使用することができる。
樹脂フイルム基材に含有させる重合開始剤の量は、相互作用を形成させる導電性物質吸着性樹脂層の用途や構成に応じて選択されるが、一般的には、樹脂フイルム基材中に固形分で0.1〜50質量%程度であることが好ましく、1.0〜30.0質量%程度であることがより好ましい。
(密着補助層)
本発明では、樹脂フイルム基材12表面に金属層を形成するめっき法を効率よく行う目的で、導電性物質吸着性樹脂層を設けることが好ましいが、この導電性物質吸着性樹脂層と樹脂フイルム基材との密着性を向上する目的で、密着補助層16を設けることができる。
密着補助層には、主に従来の多層積層板,ビルドアップ基板,もしくはフレキシブル基板として用いられてきた公知の絶縁樹脂組成物、および次のエネルギー付与工程により導電性物質吸着性樹脂前駆体層と相互作用し化学的な結合を形成する活性点を発生させて導電性物質吸着性樹脂前駆体層と密着することができる化合物を含む。
即ち、密着補助層の代表的な構成としては、被膜形成性の絶縁樹脂組成物に活性点を発生しうる重合開始剤などを含むものが挙げられる。
密着補助層の形成に用いられる絶縁樹脂組成物は前記樹脂フイルム基材12を形成する化合物と同じものを用いても、異なるものを用いてもよい。しかしながら樹脂フイルム基材との密着性を向上させるために行われる加熱処理や、層形成後、配線形成後等に行われるアニール処理や半田リフロー処理などの熱履歴時に、応力がかかることを防止する目的で、両者はガラス転移点や弾性率、線膨張係数といった熱物性が同じものや類似の挙動を示すものを使用することが好ましい。
具体的には、例えば、密着補助層を構成する樹脂の1種以上は、樹脂フイルム基材を形成する樹脂と同じ種類のものを使用することが密着の点で好ましく、このような樹脂材料に加えて、さらに、次のエネルギー付与工程により導電性物質吸着性樹脂前駆体層、および、もしくは樹脂フイルム基材と相互作用し化学的な結合を形成する活性点を発生させて金属層と密着することができる化合物を含んでもよい。
またこれ以外の成分として密着補助層の強度を高める目的、電気特性を改良することを目的として、無機粒子、有機粒子を添加しても良い。なお、本発明においては、樹脂フイルム基材などが層間絶縁膜を形成する場合もあるが、ここに使用される絶縁性の樹脂組成物は、公知の絶縁膜に使用しうる程度の絶縁性を有する樹脂であればよく、完全な絶縁体でないものであっても、目的に応じた絶縁性を有する樹脂であれば、本発明に適用しうる。
本発明において、樹脂フイルム基材12、密着補助層16などの形成に用いうる絶縁性樹脂としては、例えば、熱硬化性樹脂でも熱可塑性樹脂でもまたそれらの混合物でもよく、具体的には、例えば、熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリオレフィン系樹脂,イソシアネート系樹脂等が挙げられる。
更にエポキシ樹脂としては、例えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物、トリグリシジルイソシアヌレート、脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。それにより、耐熱性等に優れるものとなる。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、シクロオレフィン系樹脂、これらの樹脂の共重合体等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニルエーテル、ポリエーテルイミド等が挙げられる。そのほかの熱可塑性樹脂としては、(1)1,2−ビス(ビニルフェニレン)エタン樹脂(1,2−Bis(vinylphenyl)ethane)もしくはこれとポリフェニレンエーテル樹脂との変性樹脂(天羽悟ら、Journal of Applied Polymer Science Vol.92, 1252−1258(2004)に記載)。(2)液晶性ポリマー、具体的にはクラレ製のベクスター など。(3)フッ素樹脂(PTFE)、などがある。
熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂とは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。これはそれぞれの欠点を補いより優れた効果を発現する目的で行われる。例えば、ポリフェニレンエーテル(PPE)などの熱可塑性樹脂は熱に対しての耐性が低いため、熱硬化性樹脂などとのアロイ化が行われている。たとえばPPEとエポキシ、トリアリルイソシアネートとのアロイ化、あるいは重合性官能基を導入したPPE樹脂とそのほかの熱硬化性樹脂とのアロイ化として使用される。またシアネートエステルは熱硬化性の中ではもっとも誘電特性の優れる樹脂であるが、それ単独で使用されることは少なく、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、熱可塑性樹脂などの変性樹脂として使用される。これらの詳細に関しては電子技術 2002/9号 P35 に記載されている。また熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂および/またはフェノール樹脂を含み、熱可塑性樹脂としてフェノキシ樹脂および/またはポリエーテルスルフォン(PES)を含むものも誘電特性を改善するために使用される。
密着補助層16には、架橋を進めるために重合性の二重結合を有する化合物のようなもの、具体的にはアクリレート、メタクリレート化合物を含有していてもよく、特に多官能のものが好ましい。そのほか、重合性の二重結合を有する化合物として熱硬化性樹脂、もしくは熱可塑性樹脂、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂等に、メタクリル酸やアクリル酸等を用い、樹脂の一部を(メタ)アクリル化反応させた樹脂を用いてもよい。
本発明における密着補助層16には、樹脂被膜の機械強度、耐熱性、耐候性、難燃性、耐水性、電気特性などの特性を強化するために、樹脂と他の成分とのコンポジット(複合素材)も使用することができる。複合化するのに使用される材料としては、紙、ガラス繊維、シリカ粒子、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、フッ素樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂などを挙げることができる。
更に、この密着補助層16には必要に応じて一般の配線板用樹脂材料に用いられる充填剤、例えば、シリカ、アルミナ、クレー、タルク、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウムなどの無機フィラー、硬化エポキシ樹脂、架橋ベンゾグアナミン樹脂、架橋アクリルポリマーなどの有機フィラーを一種または二種以上配合してもよい。
また、必要に応じて着色剤、難燃剤、接着性付与剤、シランカップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、などの各種添加剤を一種または二種以上添加してもよい。
これらの材料を添加する場合は、いずれも、樹脂に対して、0〜200質量%の範囲で添加されることが好ましく、より好ましくは0〜80質量%の範囲で添加される。密着補助層16を構成する樹脂成分が隣接する樹脂フイルム基材などと熱や電気に対して同じもしくは近い物性値を示す場合には、これら添加物は必ずしも添加する必要はない。また、逆に200質量%を超えると場合には、樹脂特有の強度などの特性が低下する。
密着補助層16には、後述する導電性物質吸着性樹脂前駆体層18と相互作用させるために、相互作用しうる活性点を発生させる活性種を添加してもよい。
活性種の例としては樹脂フイルムと導電性物質吸着性樹脂前駆体層と相互作用させる場合に用いることができる前記熱重合開始剤、光重合開始剤、いずれも使用することができる。
本発明における密着補助層16の厚みは、一般に、0.1μm〜100μmの範囲であることが好ましく、0.1μm〜10μmの範囲であることがさらに好ましい。密着補助層16を設ける場合、厚みが上記一般的な範囲であれば、隣接する層との十分な密着強度が得られ、また、一般の接着剤を用いるのに比較して薄層でありながら、所定の厚みの接着層と同様の密着性が達成され、全体の厚みが薄く、且つ、密着性に優れた金属パターン付き樹脂フイルムを形成しうる。
密着補助層16は、樹脂フイルム基材12に、必要に応じて片面、もしくは両面の表面に形成される。形成方法は、塗布法、転写法、印刷法のいずれも適用することができる。転写法により形成する場合には、導電性物質吸着性樹脂前駆体層と、密着補助層との2層構成の転写フイルムを作製し、ラミネート法によって一度に転写、形成することもできる。
密着補助層16を転写法により形成する工程について述べれば、まず、密着補助層形成に用いる各成分を適切な溶媒に溶解する、ワニス状の組成物として調製する、もしくはお互いに相溶させて溶液状態に調製された塗布液を調製することにより、塗工性を向上させるように調製された塗布液を準備し、これを適切な仮支持体上に塗布、乾燥して密着補助層形成用転写フイルムを形成し、その後、これを樹脂フイルム層12上に積層して密着補助層16のみを樹脂フイルム層12表面に転写し、仮支持体を剥離することによって形成できる。このとき、密着補助層を予めフイルム化することで、層の厚さ精度が高くなり、取り扱い性や位置合わせ精度も向上するため、密着補助層16の形成に、この転写法が好適に使用される。
塗布液調製用の溶媒としては、一般的な有機溶媒が使用される。有機溶媒は親水性の溶媒、疎水性の溶媒いずれも使用することができるが、密着補助層16を形成する熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂を溶解させる溶媒が有用である。具体的にはメタノール、エタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル系溶媒、アセトニトリルなどのニトリル系溶媒が好ましい。
更にN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、エチレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン等も使用できる。更に通常溶剤、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエン、キシレン、ベンゼン、ナフタレン、ヘキサン、シクロヘキサン等の芳香族炭化水素の他、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどを単独又は2種以上組み合わせて使用することができる
塗布液、もしくはワニス化のための溶剤の配合量は、塗布液、もしくはワニスの粘度と作業性、塗工性、および乾燥時間と作業効率の観点から、密着補助層形成用塗布液組成物100重量部に対して、5重量部以上、2000重量部以下であることが好ましく、10〜900重量部であることがより好ましい。
また、組成物の塗布性、作業性、乾燥時間などの観点から組成物の粘度は好ましくは5〜5000cps、より好ましくは10〜2000cps、更に好ましくは10〜1000cpsであることが好ましい。
塗布液組成物をワニス状に調製する方法としては、ミキサー、ビーズミル、パールミル、ニーダー、三本ロールなどの公知の方法を用いて調製できる。各種の配合成分は全てを同時に添加してもよいし、添加順序を適宜設定してもよいし、また、必要に応じて、一部の配合成分を予め予備混練してから添加してもよい。
転写フイルム化のための仮支持体上への塗布は常法により行われ、例えば、ブレードコート法、ロッドコート法、スクイズコート法、リバースロールコート法、トランスファコールコート法、スピンコート法、バーコート法、エアーナイフ法、グラビア印刷法、スプレーコート法、など公知の塗布方法が挙げられる。
溶剤の除去方法は特に限定されないが、溶媒の蒸発により行なうことが好ましい。溶媒を蒸発させる方法としては、加熱、減圧、通風などの方法が考えられる。中でも生産効率、取り扱い性の点から加熱して蒸発することが好ましく、通風しつつ加熱して蒸発することが更に好ましい。
例えば、次に述べる仮支持体の片面に塗工し、80℃〜200℃で0.5分から10分間加熱乾燥させて溶剤を除去することにより、半硬化状のべたつきのない状態のない状態のフィルムとすることが好ましい。
転写用フイルムの仮支持体に用いうるベースフィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネートなどの樹脂シートや、離型紙など、表面接着性を制御した加工紙、銅箔、アルミ箔のごとき金属箔などが挙げられる。
仮支持体の厚みとしては2〜200μmが一般的であるが、5〜50μmがより好ましく、10〜30μmが更に好ましい。仮支持体が厚すぎると、この積層フイルムを用いて実際に転写を行う際、特に、この積層フイルムを所定の基板上、或いは、配線上にラミネートする際に、ハンドリング性等に問題がでることがある。
なお、仮支持体を構成するシート表面にはマット処理、コロナ処理のほか、離型処理がほどこしてあっても良い。更に保護層を形成することもある。保護層を形成する樹脂フィルムとしては、仮支持体に用いたものと同じ素材のものを用いても、異なった素材のものを用いても良い。好適に使用されるものとしては、前記仮支持体と同様、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネートなどの樹脂シートや、離型紙など、表面接着性を制御した加工紙、銅箔、アルミ箔のごとき金属箔などが挙げられる。
保護層(保護フィルム)の厚みとしては2〜150μmが一般的であるが5〜70μmがより好ましく、10〜50μmが更に好ましい。また、保護フィルムの厚みと支持ベースフィルムの厚みはどちらかが他方よりも厚くなっても良い。
保護フィルムにはマット処理、エンボス加工の他、離型処理が施してあっても良い。
また、転写フイルム支持体の幅を、絶縁膜、或いは高分子前駆体層の幅よりも5mm程度長くすることで、他の層とのラミネートを行う場合に、ラミネート部の樹脂付着を防止することができ、また、使用時の仮支持体を構成するベースフィルムの剥離が容易になるなどの利点が得られる。
密着補助層のラミネートは、減圧下で行われ、その方式は、バッチ式であってもロール状の積層フイルムを用いた連続式であってもよい。また、樹脂支持体の両面に密着補助層を形成する場合、片面づつラミネートしても両面同時にラミネートしてもよいが、両面同時にラミネートするのが好ましい。
上記の如きラミネート条件は、本発明における常温固形の密着補助層16を構成する組成物の熱時溶融粘度、厚さと樹脂フイルムの厚みにより異なるが、一般的に圧着温度が70〜200℃、圧着圧力が1〜10kgf/cmであって、20mmHg以下の減圧下で積層するのが好ましい。
また、ラミネート後の樹脂組成物の表面平滑性は転写フイルム支持体が厚いほど優れるものの、熱伝導性と剥離性の観点からは、仮支持体の厚みは密着補助層の厚み±20μmであることがこのましい。ラミネート後は室温付近にまで冷却してから仮支持体を剥離する。
ラミネートで転写する場合には温度80℃〜250℃が好ましく、更に好ましくは100℃〜200℃が好ましく更に好ましくは110℃〜180℃であることが好ましい。また、かける圧力は0.5〜3MPaが好ましく、更に好ましくは0.7〜2MPaが好ましい。また、圧力をかける時間としては10秒から1時間が好ましく、更に好ましくは15秒から30分が好ましい。また、ラミネートでの密着を向上させるために真空ラミなど、減圧下で行うのが好ましい。また、本発明における金属層付き樹脂フイルムを微細配線の形成に用いる場合には、その素材となる本発明の導電性物質吸着性樹脂フイルムはクリーンルーム内でラミネートを行うのが好ましい。
密着補助層16を樹脂フイルムの上に塗布または印刷で設ける場合は、前記密着補助層16を形成する塗布液を前記樹脂フイルムの片面、もしくは両面の表面に塗布または印刷を所定の厚みになるまで繰り返すことによって設けてもよい。また、塗布で密着補助層16を設ける場合、密着補助層16と後述する導電性物質吸着性樹脂前駆体層と2層同時に塗布してもよい。塗布は前記支持体上に塗布した場合と同様に常法により行われ、例えば、ブレードコート法、ロッドコート法、スクイズコート法、リバースロールコート法、トランスファコールコート法、スピンコート法、バーコート法、エアーナイフ法、グラビア印刷法、スプレーコート法、ディスペンサー法、ディップ法など公知の塗布方法が挙げられる。また、印刷で行う場合は通常のグラビア印刷のほか、インクジェット法などの方法で印刷することもできる。また、樹脂フイルムに塗布した後樹脂フイルムと密着補助層、もしくは密着補助層どうしの接着をふせぐために十分乾燥させることをすることがある。
また、密着補助層16は基板上に形成後、何らかのエネルギーを与えて硬化処理工程をおこなってもよい。与えるエネルギーとしては光、熱、圧力、電子線などがあげられるが本実施形態においては熱または光が一般的であり、熱の場合は100℃〜300℃の熱を10分〜120分加えることができる。加熱硬化の条件は樹脂フイルムの材料の種類、密着補助層16を構成する樹脂組成物の種類等で異なり、これらの形成素材の硬化温度にもよるが、更に好ましくは120〜220℃で20分〜120分の範囲で選択される。
この硬化処理工程は密着補助層形成後すぐにおこなってもよく、密着補助層形成後に行われる他の工程、例えば、導電性物質吸着性樹脂前駆体層の形成などを行ったあとに実施してもよい。
密着補助層16内に含まれる、活性種を発生しうる化合物の例としては、熱重合開始剤、光重合開始剤、いずれも使用することができる。これらの例として前記樹脂フイルムの項で述べたものを使用することができる。また、エネルギー付与により密着補助層16が導電性物質吸着性樹脂前駆体層と相互作用する活性点を生成しうる材料からなる場合は、これらの活性種を別途添加する必要はない。
また、密着補助層16は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、上記化合物に加え、目的に応じて、種々の化合物を添加することができる。このような添加剤としては、例えば、加熱時に応力を緩和させることができるゴム、SBRラテックスのような物質、膜性改良のためのバインダー、可塑剤、界面活性剤、粘度調整剤などの種々の化合物が挙げられる。
密着補助層16形成後、その表面に形成される導電性物質吸着性樹脂層或いはその前駆体層との密着性向上の目的で、乾式及び/又は湿式法により表面を粗化してもよい。乾式粗化法としてはバフ、サンドブラスト、等の機械的研磨やプラズマエッチング等が挙げられる。一方湿式粗化法としては過マンガン酸塩、重クロム酸塩、オゾン、過酸化水素/硫酸、硝酸、等の酸化剤や、強塩基や樹脂膨潤溶剤を用いる方法等の化学薬品処理が挙げられる。
(導電性物質吸着性樹脂層の形成)
密着補助層を形成した後、その表面に導電性物質吸着性樹脂前駆体層18を設け、エネルギー付与を行うことで、導電性物質吸着性樹脂前駆体層18と相互作用による結合を形成しうる活性点を密着補助層16内に発生させて、密着補助層16と結合してなる導電性物質吸着性樹脂層20が形成される。
(導電性物質吸着性樹脂前駆体層)
本発明における導電性物質吸着性樹脂前駆体層には、金属イオンもしくは金属微粒子を吸着しうる官能基(以下、適宜、金属吸着性官能基と称する)をもつ化合物を含有する。この化合物には、樹脂製支持体1もしくは密着補助層16にエネルギーを付与する際に発生する活性点と化学結合を作りうる、反応性の官能基を有することが好ましい。導電性物質吸着性樹脂前駆体層18に含まれる反応性の化合物としては、具体的には、露光などのエネルギー付与によりグラフトポリマーを生成させうる化合物(重合性化合物)、或いは、エネルギー付与により隣接する層との間で架橋構造などを形成し、両者の密着性を向上しうる化合物などの反応性化合物が挙げられ、これら反応性化合物により生成される高分子化合物は、金属イオンもしくは金属微粒子を付着させるものであることから、前記反応性は、重合反応あるいは架橋構造形成可能であって、且つ、密着補助層16への結合に必要な部分構造、例えば、「ラジカル重合可能な不飽和二重結合」などと、後述する金属イオンもしくは金属微粒子を付着させるために必要な「金属吸着性官能基」の双方を有する化合物を用いることが好ましい。
反応性化合物のなかでも代表的なものとして、重合反応可能な重合性化合物を挙げることができる。重合性化合物は、分子内にラジカル重合可能な不飽和二重結合を有する化合物である。
−ラジカル重合可能な不飽和二重結合−
「ラジカル重合可能な不飽和二重結合」を含む官能基としては、ビニル基、ビニルオキシ基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、などが挙げられる。このうち、アクリロイル基、メタクリロイル基は反応性が高く、良好な結果が得られる。
ラジカル重合可能な不飽和化合物としては、ラジカル重合性基を有する化合物であれば、如何なるものも用いることができるが、例えば、アクリレート基、メタクリレート基、ビニル基を有するモノマー、マクロマー、重合性不飽和基を有するオリゴマー、ポリマーなどを使用することができる。
また、反応性化合物の他の態様としては、分子内に反応性の活性基、例えば、エポキシ基、イソシアネート基、アゾ化合物における活性基などを有するオリゴマーもしくはポリマー化合物、或いは、架橋剤と架橋性化合物との組合せなどが挙げられる。
反応性化合物としては上記官能基をもち、かつ重量平均分子量が1000以上のものを使用することがより好ましく、更に好ましくは2000以上のものを使用することが好ましく、更にこのましくは3000以上のものを使用することが好ましい。重量平均分子量1000以下では導電性物質吸着性樹脂前駆体層を形成した際、反応性化合物が密着補助層16に拡散したり、蒸散したりしやすく、また、液状になりやすいため均一な露光がしにくい。一方重量平均分子量30万以下が好ましく、より好ましくは20万以下で更に好ましくは10万以下のものが好ましい。30万以上の場合、活性点に対する反応性が劣るため結合をつくりにくく、密着補助層16もしくは樹脂フイルムと十分な密着がとれなくなる。
また、導電性物質吸着性樹脂前駆体層は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、上記反応性化合物に加え、目的に応じて、例えば、膜性改良のためのバインダー、可塑剤、界面活性剤、粘度調整剤などの種々の化合物を含有することができる。反応性化合物は導電性物質吸着性樹脂前駆体層が形成されて、エネルギー付与がなされる前の状態で50重量%以上が好ましく、より好ましくは60重量%以上が好ましく、よりこのましくは70重量%以上が好ましい。50重量%以下の場合、活性点に対する反応が損なわれ本発明の効果を損なう結果となる。
−金属吸着性官能基−
反応性化合物は、さらに、金属イオンもしくは金属微粒子を付着させうる部分構造である金属吸着性官能基を有することが必要である。
金属イオンもしくは金属微粒子と相互作用可能な官能基とは、アンモニウム、ホスホニウムなどの正の荷電を有する官能基、若しくは、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、ホスホン酸基などの負の荷電を有するか負の荷電に解離しうる酸性基が挙げられる。これらは解離基の対イオンの形で金属イオンもしくは金属微粒子と吸着する。他にも、例えば、水酸基、アミド基、スルホンアミド基、アルコキシ基、シアノ基などの非イオン性の極性基も用いることもできる。また、キレーションや多座配位構造をとることにより金属イオンもしくは金属微粒子と相互作用し金属もしくは金属微粒子を吸着しうるような官能基、もしくはクラウンエーテルに代表される包接可能な官能基も含まれる。更に結晶水に代表されるような形で保持されている溶剤と相互作用する官能基で、保持もしくは吸着している溶剤中に塩として溶け込んでいるような形も含まれる。
具体的には、導電性素材と相互作用可能な官能基である(1)極性基(イオン性基)を有する化合物からなるグラフトポリマーに金属イオンを吸着させる方法、(2)ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリビニルイミダゾールなどのように導電性素材と相互作用可能な官能基で金属塩に対し親和性の高い含窒素、含イオウポリマーからなるグラフトポリマーに、金属塩、又は、金属塩を含有する溶液を含浸させる方法がある。
更に金属イオンもしくは金属微粒子と相互作用可能な官能基がある特定な金属と相互さようしやすいようにすることもできる。具体的な例として、包接化合物の包接サイトの大きさをあるイオンにあうようにしたり、多座配位の構造をある特定のイオンが配位しやすいように固定したりすることもできる。
「ラジカル重合可能な不飽和二重結合」などと、後述する金属イオンもしくは金属微粒子を付着させるために必要な「金属吸着性官能基」の双方を有する具体的化合物には以下のような反応性化合物を使用することができる。
Figure 2008258211
Figure 2008258211
また、本発明において導電性物質吸着性樹脂前駆体層の形成に用いられる導電性物質を吸着しうる官能基と、重合性二重結合とを有する分子量が1000以上300000以下のオリゴマーもしくはポリマー(以下、両者を含めてポリマーと称することがある)として、下記式(1)で表されるユニット、及び、下記式(2)で表されるユニットを含む共重合体である反応性化合物を好ましいものとして挙げることができる。
Figure 2008258211
式(1)及び式(2)中、R〜Rは、夫々独立して、水素原子、又は置換若しくは無置換のアルキル基を表し、X、Y及びZは、夫々独立して、単結合、置換若しく無置換の二価の有機基、エステル基、アミド基、又はエーテル基を表し、L及びLは、夫々独立して、置換若しくは無置換の二価の有機基を表す。
〜Rが、置換若しくは無置換のアルキル基である場合、無置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられ、また、置換アルキル基としては、メトキシ基、ヒドロキシ基、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等で置換された、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられる。
なお、Rとしては、水素原子、メチル基、或いはヒドロキシ基、又は臭素原子で置換されたメチル基が好ましい。
としては、水素原子、メチル基、或いはヒドロキシ基、又は臭素原子で置換されたメチル基が好ましい。
としては、水素原子が好ましい。
としては、水素原子が好ましい。
としては、水素原子、メチル基が好ましい。
X、Y及びZが、置換若しくは無置換の二価の有機基の場合、該二価の有機基としては、置換若しくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基が挙げられる。
置換若しくは無置換の脂肪族炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、又はこれらの基が、メトキシ基、ヒドロキシ基、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等で置換されたものが好ましい。
置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基としては、無置換のフェニル基、若しくは、メトキシ基、ヒドロキシ基、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等で置換されたフェニル基が好ましい。
中でも、−(CH−(nは1〜3の整数)が好ましく、更に好ましくは−CH−である。
は、ウレタン結合又はウレア結合を有する二価の有機基が好ましく、中でも、総炭素数1〜9であるものが好ましい。なお、ここで、Lの総炭素数とは、Lで表される置換若しくは無置換の二価の有機基に含まれる総炭素原子数を意味する。
の構造として、より具体的には、下記式(1−1)、又は、式(1−2)で表される構造であることが好ましい。
Figure 2008258211
上記式(1−1)及び式(1−2)中、R及びRは、夫々独立して、置換若しくは無置換の、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、又はブチレン基を表す。
また、Lは、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキレン基、芳香族基、又はこれらを組み合わせた基であることが好ましい。該アルキレン基と芳香族基とを組み合わせた基は、更に、エーテル基、エステル基、アミド基、ウレタン基、ウレア基を介していてもよい。中でも、Lは総炭素数が1〜15であることが好ましく、特に無置換であることが好ましい。なお、ここで、Lの総炭素数とは、Lで表される置換若しくは無置換の二価の有機基に含まれる総炭素原子数を意味する。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、フェニレン基、及びこれらの基が、メトキシ基、ヒドロキシ基、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等で置換されたもの、更には、これらを組み合わせた基が挙げられる。
本発明に係るシアノ基含有重合性ポリマーとしては、前記式(1)で表されるユニットが、下記式(3)で表されるユニットであることが好ましい。
Figure 2008258211
上記式(3)中、R及びRは、夫々独立して、水素原子、又は置換若しく無置換のアルキル基を表し、Zは、単結合、置換若しくは無置換の二価の有機基、エステル基、アミド基、又はエーテル基を表し、Wは、窒素原子、又は酸素原子、Lは、置換若しくは無置換の二価の有機基を表す。
式(3)におけるR及びRは、前記式(1)におけるR及びRと同義であり、好ましい例も同様である。
式(3)におけるZは、前記式(1)におけるZと同義であり、好ましい例も同様である。
また、式(3)におけるLも、前記式(1)におけるLと同義であり、好ましい例も同様である。
シアノ基含有重合性ポリマーとしては、前記式(3)で表されるユニットが、下記式(4)で表されるユニットであることが好ましい。
Figure 2008258211
式(4)中、R及びRは、夫々独立して、水素原子、又は置換若しく無置換のアルキル基を表し、V及びWは、夫々独立して、窒素原子又は酸素原子を表し、Lは、置換若しくは無置換の二価の有機基を表す。
式(4)におけるR及びRは、前記式(1)におけるR及びRと同義であり、好ましい例も同様である。
式(4)におけるLは、前記式(1)におけるLと同義であり、好ましい例も同様である。
前記式(3)及び式(4)において、Wは、酸素原子であることが好ましい。
また、前記式(3)及び式(4)において、Lは、無置換のアルキレン基、或いは、ウレタン結合又はウレア結合を有する二価の有機基が好ましく、これら中でも、総炭素数1〜9であるものが特に好ましい。
また、シアノ基含有重合性ポリマーとしては、前記式(2)で表されるユニットが、下記式(5)で表されるユニットであることが好ましい。
Figure 2008258211
上記式(5)中、Rは、水素原子、又は置換若しく無置換のアルキル基を表し、Uは、窒素原子又は酸素原子を表し、Lは、置換若しくは無置換の二価の有機基を表す。
式(5)におけるRは、前記式(1)におけるR及びRと同義であり、水素原子であることが好ましい。
また、式(5)におけるLは、前記式(1)におけるLと同義であり、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキレン基、芳香族基、又はこれらを組み合わせた基であることが好ましい。
特に、式(5)においては、Lが、シアノ基との連結部位に、直鎖、分岐、若しくは環状のアルキレン基を有する二価の有機基であることが好ましく、中でも、この二価の有機基が総炭素数1〜10であることが好ましい。
また、別の好ましい態様としては、式(5)におけるLが、シアノ基との連結部位に、芳香族基を有する二価の有機基であることが好ましく、中でも、該二価の有機基が、総炭素数6〜15であることが好ましい。
シアノ基含有重合性ポリマーは、前記式(1)〜式(5)で表されるユニットを含んで構成されるものであり、重合性基とシアノ基とを側鎖に有するポリマーである。本明細書中では、このような共重合体を、適宜、シアノ基含有重合性ポリマーと称する。
このようなシアノ基含有重合性ポリマーは、例えば、以下のように合成することができる。
重合反応の種類としては、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合が挙げられる。反応制御の観点から、ラジカル重合、カチオン重合を用いることが好ましい。
シアノ基含有重合性ポリマーは、1)ポリマー主鎖を形成する重合形態と側鎖に導入される重合性基の重合形態とが異なる場合と、2)ポリマー主鎖を形成する重合形態と側鎖に導入される重合性基の重合形態とが同一の場合とで、その合成方法が異なる。
1)ポリマー主鎖を形成する重合形態と側鎖に導入される重合性基の重合形態が異なる場合
ポリマー主鎖を形成する重合形態と側鎖に導入される重合性基の重合形態が異なる場合は、1−1)ポリマー主鎖形成がカチオン重合で行われ、側鎖に導入される重合性基の重合形態がラジカル重合である態様と、1−2)ポリマー主鎖形成がラジカル重合で行われ、側鎖に導入される重合性基の重合形態がカチオン重合である態様と、がある。
1−1)ポリマー主鎖形成がカチオン重合で行われ、側鎖に導入される重合性基の重合形態がラジカル重合である態様
本発明において、ポリマー主鎖形成がカチオン重合で行われ、側鎖に導入される重合性基の重合形態がラジカル重合である態様で用いられるモノマーとしては、以下の化合物が挙げられる。
・重合性基含有ユニットを形成するために用いられるモノマー
本態様に用いられる重合性基含有ユニットを形成するために用いられるモノマーとしては、ビニル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、4−(メタ)アクリロイルブタンビニルエーテル、2−(メタ)アクリロイルエタンビニルエーテル、3−(メタ)アクリロイルプロパンビニルエーテル、(メタ)アクリロイロキシジエチレングリコールビニルエーテル、(メタ)アクリロイロキシトリエチレングリコールビニルエーテル、(メタ)アクリロイル1stテルピオネール、1−(メタ)アクリロイロキシ−2−メチル−2−プロペン、1−(メタ)アクリロイロキシ−3−メチル−3−ブテン、3−メチレン−2−(メタ)アクリロイロキシ−ノルボルナン、4,4’−エチリデンジフェノールジ(メタ)アクリレート、メタクロレインジ(メタ)アクリロイルアセタール、p−((メタ)アクリロイルメチル)スチレン、アリル(メタ)アクリレート、2−(ブロモメチル)アクリル酸ビニル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸アリル等が挙げられる。
・シアノ基含有ユニット形成するために用いられるモノマー
本態様に用いられるシアノ基含有ユニット形成するために用いられるモノマーとしては、2−シアノエチルビニルエーテル、シアノメチルビニルエーテル、3−シアノプロピルビニルエーテル、4−シアノブチルビニルエーテル、1−(p−シアノフェノキシ)−2−ビニロキシ−エタン、1−(o−シアノフェノキシ)−2−ビニロキシ−エタン、1−(m−シアノフェノキシ)−2−ビニロキシ−エタン、1−(p−シアノフェノキシ)−3−ビニロキシ−プロパン、1−(p−シアノフェノキシ)−4−ビニロキシ−ブタン、o−シアノベンジルビニルエーテル、m―シアノベンジルビニルエーテル、p―シアノベンジルビニルエーテル、アリルシアニド、アリルシアノ酢酸や、以下の化合物等が挙げられる。
Figure 2008258211
重合方法は、実験化学講座「高分子化学」2章−4(p74)に記載の方法や、「高分子合成の実験方法」大津隆行著 7章(p195)に記載の一般的なカチオン重合法が使用できる。なお、カチオン重合には、プロトン酸、ハロゲン化金属、有機金属化合物、有機塩、金属酸化物及び固体酸、ハロゲンが開始剤として用いることができるが、この中で、活性が大きく高分子量が合成可能な開始剤として、ハロゲン化金属と有機金属化合物の使用が好ましい。
具体的には、3フッ化ホウ素、3塩化ホウ素、塩化アルミ、臭化アルミ、四塩化チタン、四塩化スズ、臭化スズ、5フッ化リン、塩化アンチモン、塩化モリブデン、塩化タングステン、塩化鉄、ジクロロエチルアルミニウム、クロロジエチルアルミニウム、ジクロロメチルアルミニウム、クロロジメチルアルミニウム、トリメチルアルミニウム、トリメチル亜鉛、メチルグリニアが挙げられる。
1−2)ポリマー主鎖形成がラジカル重合で行われ、側鎖に導入される重合性基の重合形態がカチオン重合である態様
本発明において、ポリマー主鎖形成がラジカル重合で行われ、側鎖に導入される重合性基の重合形態がカチオン重合である態様用いられるモノマーとしては、以下の化合物が挙げられる。
・重合性基含有ユニット形成するために用いられるモノマー
上記1−1)の態様で挙げた重合性基含有ユニット形成するために用いられるモノマーと同じものを用いることができる。
・シアノ基含有ユニット形成するために用いられるモノマー
本態様に用いられるシアノ基含有ユニット形成するために用いられるモノマーとしては、シアノメチル(メタ)アクリレート、2−シアノエチル(メタ)アクリレート、3−シアノプロピル(メタ)アクリレート、2−シアノプロピル(メタ)アクリレート、1−シアノエチル(メタ)アクリレート、4−シアノブチル(メタ)アクリレート、5−シアノペンチル(メタ)アクリレート、6−シアノヘキシル(メタ)アクリレート、7−シアノヘキシル(メタ)アクリレート、8−シアノヘキシル(メタ)アクリレート、2−シアノエチル−(3−(ブロモメチル)アクリルレート)、2−シアノエチル−(3−(ヒドロキシメチル)アクリルレート)、p−シアノフェニル(メタ)アクリレート、o−シアノフェニル(メタ)アクリレート、m−シアノフェニル(メタ)アクリレート、5−(メタ)アクリロイル−2−カルボニトリロ−ノルボルネン、6−(メタ)アクリロイル−2−カルボニトリロ−ノルボルネン、1−シアノ−1−(メタ)アクリロイル−シクロヘキサン、1,1−ジメチル−1−シアノ−(メタ)アクリレート、1−ジメチル−1−エチル−1−シアノ−(メタ)アクリレート、o−シアノベンジル(メタ)アクリレート、m−シアノベンジル(メタ)アクリレート、p−シアノベンジル(メタ)アクリレート、1―シアノシクロヘプチルアクリレート、2―シアノフェニルアクリレート、3―シアノフェニルアクリレート、シアノ酢酸ビニル、1―シアノ−1―シクロプロパンカルボン酸ビニル、シアノ酢酸アリル、1―シアノ−1―シクロプロパンカルボン酸アリル、N,N―ジシアノメチル(メタ)アクリルアミド、N−シアノフェニル(メタ)アクリルアミド、アリルシアノメチルエーテル、アリル−o―シアノエチルエーテル、アリル−m―シアノベンジルエーテル、アリル−p―シアノベンジルエーテルなどが挙げられる。
また、上記モノマーの水素の一部を、ヒドロキシル基、アルコキシ基、ハロゲン、シアノ基などで置換した構造を持つモノマーも使用可能である。
重合方法は、実験化学講座「高分子化学」2章−2(p34)に記載の方法や、「高分子合成の実験方法」大津隆行著 5章(p125)に記載の一般的なラジカル重合法が使用できる。なお、ラジカル重合の開始剤には、100℃以上の加熱が必要な高温開始剤、40〜100℃の加熱で開始する通常開始剤、極低温で開始するレドックス開始剤などが知られているが、開始剤の安定性、重合反応のハンドリングのし易さから、通常開始剤が好ましい。
通常開始剤としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、ペルオキソ2硫酸塩、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビル−2,4−ジメチルバレロニトリルが挙げられる。
2)ポリマー主鎖を形成する重合形態と側鎖に導入される重合性基の重合形態とが同一の場合
ポリマー主鎖を形成する重合形態と側鎖に導入される重合性基の重合形態とが同一の場合は、2−1)両者がカチオン重合の態様と、2−2)両者がラジカル重合である態様と、がある。
2−1)両者がカチオン重合の態様
両者がカチオン重合の態様には、シアノ基を有するモノマーとして、前記1−1)の態様で挙げたシアノ基含有ユニット形成するために用いられるモノマーと同じものを用いることができる。
なお、重合中のゲル化を防止する観点から、シアノ基を有するポリマーを予め合成した後、該ポリマーと重合性基を有する化合物(以下、適宜、「反応性化合物」と称する。)とを反応させ、重合性基を導入する方法を用いることが好ましい。
なお、シアノ基を有するポリマーは、反応性化合物との反応のために、下記に示すような反応性基を有することが好ましい。
また、シアノ基を有するポリマーと反応性化合物とは、以下のような官能基の組み合わせとなるように、適宜、選択されることが好ましい。
具体的な組み合わせとしては、(ポリマーの反応性基、反応性化合物の官能基)=(カルボキシル基、カルボキシル基)、(カルボキシル基、エポキシ基)、(カルボキシル基、イソシアネート基)、(カルボキシル基、ハロゲン化ベンジル)、(水酸基、カルボキシル基)、(水酸基、エポキシ基)、(水酸基、イソシアネート基)、(水酸基、ハロゲン化ベンジル)(イソシアネート基、水酸基)、(イソシアネート基、カルキシル基)等を挙げることができる。
ここで、反応性化合物として、具体的には、以下に示す化合物を用いることができる。
即ち、アリルアルコール、4−ヒドロキシブタンビニルエーテル、2−ヒドロキシエタンビニルエーテル、3−ヒドロキシプロパンビニルエーテル、ヒドロキシトリエチレングリコールビニルエーテル、1stテルピオネール、2−メチル−2−プロペノール、3−メチル−3−ブテノール、3−メチレン−2−ヒドロキシ−ノルボルナン、p−(クロロメチル)スチレンである。
2−2)両者がラジカル重合である態様
両者がラジカル重合である態様では、合成方法としては、i)シアノ基を有するモノマーと重合性基を有するモノマーとを共重合する方法、ii)シアノ基を有するモノマーと二重結合前駆体を有するモノマーとを共重合させ、次に塩基などの処理により二重結合を導入する方法、iii)シアノ基を有するポリマーと重合性基を有するモノマーとを反応させ、二重結合を導入(重合性基を導入する)方法が挙げられる。好ましいのは、合成適性の観点から、ii)シアノ基を有するモノマーと二重結合前駆体を有するモノマーとを共重合させ、次に塩基などの処理により二重結合を導入する方法、iii)シアノ基を有するポリマーと重合性基を有するモノマーとを反応させ、重合性基を導入する方法である。
前記i)の合成方法で用いられる重合性基を有するモノマーとしては、アリル(メタ)アクリレートや、以下の化合物などが挙げられる。
Figure 2008258211
前記ii)の合成方法で用いられる二重結合前駆体を有するモノマーとしては、下記式(a)で表される化合物などが挙げられる。
Figure 2008258211
上記式(a)中、Aは重合性基を有する有機団、R〜Rは、夫々独立して、水素原子又は1価の有機基、B及びCは脱離反応により除去される脱離基であり、ここでいう脱離反応とは、塩基の作用によりCが引き抜かれ、Bが脱離するものである。Bはアニオンとして、Cはカチオンとして脱離するものが好ましい。
式(a)で表される化合物としては、具体的には以下の化合物を挙げることができる。
Figure 2008258211
Figure 2008258211
また、前記ii)の合成方法において、二重結合前駆体を二重結合に変換するには、下記に示すように、B、Cで表される脱離基を脱離反応により除去する方法、つまり、塩基の作用によりCを引き抜き、Bが脱離する反応を使用する。
Figure 2008258211
上記の脱離反応において用いられる塩基としては、アルカリ金属類の水素化物、水酸化物又は炭酸塩、有機アミ化合物、金属アルコキシド化合物が好ましい例として挙げられる。アルカリ金属類の水素化物、水酸化物、又は炭酸塩の好ましい例としては、水素化ナトリウム、水素化カルシウム、水素化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウムなどが挙げられる。有機アミン化合物の好ましい例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルメチルアミン、トリブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン、N−メチルジシクロヘキシルアミン、N−エチルジシクロヘキシルアミン、ピロリジン、1−メチルピロリジン、2,5−ジメチルピロリジン、ピペリジン、1−メチルピペリジン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ピペラジン、1,4−ジメチルピペラジン、キヌクリジン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]−オクタン、ヘキサメチレンテトラミン、モルホリン、4−メチルモルホリン、ピリジン、ピコリン、4−ジメチルアミノピリジン、ルチジン、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕−7−ウンデセン(DBU)、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルエチルアミン、Schiff塩基などが挙げられる。金属アルコキシド化合物の好ましい例としては、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシドなどが挙げられる。これらの塩基は、1種或いは2種以上の混合であってもよい。
また、前記脱離反応において、塩基を付与(添加)する際に用いられる溶媒としては、例えば、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、水などが挙げられる。これらの溶媒は単独或いは2種以上混合してもよい。
使用される塩基の量は、化合物中の特定官能基(B、Cで表される脱離基)の量に対して、当量以下であってもよく、また、当量以上であってもよい。また、過剰の塩基を使用した場合、脱離反応後、余剰の塩基を除去する目的で酸などを添加することも好ましい形態である。
前記iii)の合成方法において、シアノ基を有するポリマーと反応させる重合性基を有するモノマーとしては、シアノ基を有するポリマー中の反応性基の種類によって異なるが、以下の組合せの官能基を有するモノマーを使用することができる。
即ち、(ポリマーの反応性基、モノマーの官能基)=(カルボキシル基、カルボキシル基)、(カルボキシル基、エポキシ基)、(カルボキシル基、イソシアネート基)、(カルボキシル基、ハロゲン化ベンジル)、(水酸基、カルボキシル基)、(水酸基、エポキシ基)、(水酸基、イソシアネート基)、(水酸基、ハロゲン化ベンジル)(イソシアネート基、水酸基)、(イソシアネート基、カルキシル基)等を挙げることができる。
具体的には以下のモノマーを使用することができる。
Figure 2008258211
以上のようにして合成された本発明におけるポリマーは、共重合成分全体に対し、重合性基含有ユニット、シアノ基含有ユニットの割合が以下の範囲であることが好ましい。
即ち、重合性基含有ユニットが、共重合成分全体に対し5〜50mol%で含まれることが好ましく、更に好ましくは5〜40mol%である。5mol%以下では反応性(硬化性、重合性)が落ち、50mol%以上では合成の際にゲル化しやすく合成しにくい。
また、シアノ基含有ユニットは、共重合成分全体に対し1〜95mol%で含まれることが好ましく、更に好ましくは10〜95mol%である。
なお、本発明におけるポリマーは、シアノ基含有ユニット、重合性基含有ユニット以外に、他のユニットを含んでいてもよい。この他のユニットを形成するために用いられるモノマーとしては、本発明の効果を損なわないものであれば、いかなるモノマーも使用することができる。
ただし、前述のように重合性基をポリマーに反応させて導入する場合は、100%導入することが困難な際には少量の反応性部分が残ってしまうことから、これが第3のユニットとなる可能性もある。
具体的には、ラジカル重合でポリマー主鎖を形成する場合は、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどの無置換(メタ)アクリル酸エステル類、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、3,3,3−トリフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレートなどのハロゲン置換(メタ)アクリル酸エステル類、2−(メタ)アクリルロイロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライドなどのアンモニウム基置換(メタ)アクリル酸エステル類、ブチル(メタ)アクリルアミド、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、オクチル(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド類、スチレン、ビニル安息香酸、p−ビニルベンジルアンモニウムクロライドなどのスチレン類、N−ビニルカルバゾール、酢酸ビニル、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルカプロラクタムなどのビニル化合物類や、その他にジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−エチルチオ−エチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどが使用できる。
また、上記記載のモノマーを用いて得られたマクロモノマーも使用できる。
カチオン重合でポリマー主鎖を形成する場合は、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、エチレングリコールビニルエーテル、ジ(エチレングリコール)ビニルエーテル、1,4−ブタンジオールビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、酢酸ビニル、2−ビニルオキシテトラヒドロピラン、ビニルベンゾエート、ビニルブチレートなどのビニルエーテル類、スチレン、p−クロロスチレン、p−メトキシスチレンなどのスチレン類、アリルアルコール、4−ヒドロキシ−1−ブテンなどの末端エチレン類を使用することができる。
シアノ基含有重合性ポリマーの分子量(Mw)は、3000〜20万が好ましく、更に好ましくは4000〜10万である。
本発明に好適に使用しうるシアノ基含有重合性ポリマーの具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
なお、これらの具体例の重量平均分子量は、いずれも、3000〜100000の範囲である。
Figure 2008258211
Figure 2008258211
Figure 2008258211
Figure 2008258211
Figure 2008258211
ここで、例えば、前記具体例の化合物2−2−11は、アクリル酸と2−シアノエチルアクリレートを、例えば、N−メチルピロリドンに溶解させ、重合開始剤として、例えば、アゾイソブチロニトリル(AIBN)を用いてラジカル重合を行い、その後、グリシジルメタクリレートをベンジルトリエチルアンモニウムクロライドのような触媒を用い、ターシャリーブチルハイドロキノンのような重合禁止剤を添加した状態で付加反応することで合成することができる。
また、例えば、前記具体例の化合物2−2−19は、以下のモノマーと、p−シアノベンジルアクリレートを、N、N−ジメチルアクリルアミドのような溶媒に溶解させ、アゾイソ酪酸ジメチルのような重合開始剤を用いてラジカル重合を行い、その後、トリエチルアミンのような塩基を用いて脱塩酸を行うことで合成することができる。
Figure 2008258211
本発明におけるシアノ基含有重合性ポリマーは、導電性物質吸着性樹脂前駆体層を形成するための組成物全体に対して、2質量%〜50質量%の含有量で含まれることが好ましい。
以上のようにして得られたシアノ基含有重合性ポリマーを含有する組成物に使用する溶剤は、組成物の主成分であるポリマーなどが溶解可能ならば特に制限はない。また、溶剤には、更に、界面活性剤を添加してもよい。
使用できる溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールモノメチルエーテルの如きアルコール系溶剤、酢酸の如き酸、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンの如きケトン系溶剤、ホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンの如きアミド系溶剤、アセトニトリル、プロピロニトリルの如きニトリル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチルの如きエステル系溶剤などが挙げられる。
この中でも、アミド系、ケトン系、ニトリル系溶剤が好ましく、具体的には、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセトニトリル、プロピオニトリルが好ましい。
また、シアノ基含有重合性ポリマーを含有する組成物を塗布する場合は、取り扱い安さから沸点が50〜150℃の溶剤が好ましい。なお、これらの溶剤は単一で使用しても良いし、混合して使用してもよい。
必要に応じて溶剤に添加することのできる界面活性剤は、溶剤に溶解するものであればよく、そのような界面活性剤としては、例えば、n−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの如きアニオン性界面活性剤や、n−ドデシルトリメチルアンモニウムクロライドの如きカチオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル(市販品としては、例えば、エマルゲン910、花王(株)製など)、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(市販品としては、例えば、商品名「ツイーン20」など)、ポリオキシエチレンラウリルエーテルの如き非イオン性界面活性剤等が挙げられる。
また、必要に応じて可塑剤を添加することもできる。使用できる可塑剤としては、一般的な可塑剤が使用でき、フタル酸エステル類(ジメチルエステル、ジエチルエステル、ジブチルエステル、ジ−2−エチルヘキシルエステル、ジノルマルオクチルエステル、ジイソノニルエステル、ジノニルエステル、ジイソデシルエステル、ブチルベンジルエステル)、アジピン酸エステル類(ジオクチルエステル、ジイソノニルエステル)、アゼラインサンジオクチル、セバシンサンエステル類(ジブチルエステル、ジオクチルエステル)リン酸トリクレシル、アセチルクエン酸トリブチル、エポキシ化大豆油、トリメリット酸トリオクチル、塩素化パラフィンやジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンのような高沸点溶媒も使用することができる。
導電性物質吸着性樹脂前駆体層18は前記密着補助層16もしくは樹脂フイルム層1とエネルギー付与時に発生する活性点と化学結合を作り密着して、導電性物質吸着性樹脂層20を形成するが、金属イオンもしくは金属微粒子は、エネルギーを付与しる前に、予め導電性物質吸着性樹脂前駆体層に含まれる化合物の金属吸着性官能基に吸着させておいてもよく、エネルギー付与し前記密着補助層16もしくは樹脂フイルム層1との間に化学結合を形成させて密着させた化合物の金属吸着性官能基に吸着させてもよい。
導電性物質吸着性樹脂前駆体層の厚みとしては0.05〜5μm程度が好ましく、0.1〜3μmが更に好ましく、0.2〜2μmが更に好ましい。この範囲において、十分な密着強度が得られ、さらに、形成された被膜の強度も好ましい範囲に維持される。
導電性物質吸着性樹脂前駆体層18の形成方法としては前記密着補助層16と同様に塗布、転写、印刷などの方法により形成することができる。また、塗布で導電性物質吸着性樹脂前駆体層を設ける場合、密着補助層16と導電性物質吸着性樹脂前駆体層18とを同時に重層塗布しても、密着補助層16形成後、逐次塗布して形成してもよい。同様に転写で形成する場合は、仮支持体上に導電性物質吸着性樹脂前駆体層18、密着補助層16の2層構成の転写フイルムを作製し、ラミネート法によって一度に転写してもよい。塗布の方法としては前記密着補助層16を形成するところで述べた一般的な方法を使用することができる。
導電性物質吸着性樹脂前駆体層18の塗布に使用できる溶剤としては、水もしくは有機溶剤が挙げられ、具体的には、水、メタノール、エタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル系溶媒、アセトニトリルなどのニトリル系溶媒が好ましい。更にN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、エチレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン等も使用できる。更に通常溶剤、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエン、キシレン、ベンゼン、ナフタレン、ヘキサン、シクロヘキサン等の芳香族炭化水素の他、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどを単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。
使用する化合物が疎水性の場合には、前記シアノ基含有ポリマーで述べたように、アミド系、ケトン系、ニトリル系溶剤が好ましく、具体的には、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセトニトリル、プロピオニトリルが好ましい。
なお、樹脂フイルム、もしくは密着補助層16の表面を平滑にたもつため、樹脂フイルムもしくは密着補助層16を溶解しにくい溶剤、もしくはこれらの層に含まれる活性種を抽出しにくい溶剤の組み合わせが好ましい。
また、塗布液の粘度は好ましくは0.1〜2000cps、より好ましくは0.5〜1000cps、より好ましくは1〜700cpsに調整される方が、より精密に膜厚を制御できるという点で好ましい。また、印刷で形成する場合は印刷で行う場合は通常のグラビア印刷のほか、インクジェット法などの方法で印刷することもできる。印刷法やインクジェット法などの方法で電気的絶縁膜の上もしくは密着補助層16の上に印刷する場合は後の工程で導体をつけたくない部分には印刷をせずに作製することもできる。
本発明では、導電性物質吸着性樹脂前駆体層18は樹脂フイルム層1もしくは密着補助層16に発生した活性点と何らかの相互作用をさせて密着させることができる。この相互作用の例としては、分子間相互作用、イオン結合、化学結合、相溶構造の形成などが考えられるが、中でも化学結合を利用するものは密着強度が高く好ましい。
樹脂フイルムもしくは密着補助層16に活性点を発生させる方法としては、光、電磁波、電子線、放射線などのエネルギー線照射や熱エネルギー、圧力エネルギーの付与などが考えられる。具体的な例としては紫外光照射や赤外線照射、プラズマ照射、X線照射、アルファ線照射、ガンマ線照射などが挙げられる。なかでもエネルギー線照射や熱エネルギーが活性点を発生させる方法として好ましく、更に好ましくは紫外光などの照射が簡便な装置でエネルギーを与えることができ好ましい。また、樹脂フイルムや密着補助層16に特別な活性種生成化合物を混合しなくても、短波の紫外光や電子線照射、プラズマ照射などで高エネルギーを与えてやれば活性点を発生させてやることが可能である。
また、エネルギー照射としては光のようなエネルギーを導電性物質吸着性樹脂前駆体層の側から与えてやっても、反対の基板側から与えてやっても、また、熱エネルギーのように全体を加熱することで与えてやってもよいが、ポリイミドのように着色のある樹脂フイルムを用いる場合には光エネルギーを与える場合には導電性物質吸着性樹脂前駆体層の上部より与えることが好ましい。導電性物質吸着性樹脂前駆体層と密着補助層16が重層されている転写シートを樹脂フイルムに転写してこれらの層を形成する場合は、転写したあとでエネルギーを与えても転写する前にエネルギーを与えてもよく、転写する前に光エネルギーを付与する場合は保護フイルム側から与えても、支持体側からあたえてもよい。また、与えるエネルギー量としては活性点が発生し、導電性物質吸着性樹脂前駆体層と相互作用し化学結合を形成する量を適宜与えることができる。こうして密着補助層16もしくは樹脂フイルムと密着させることができるが、このような例としては密着補助層16に活性点を発生させるラジカル発生剤を混合しておき、導電性物質吸着性樹脂前駆体層にラジカル重合可能な不飽和二重結合と導電性素材と相互作用可能な官能基とを併せ持つ反応性化合物を含ませることにより、エネルギー照射時に密着補助層16の表面に活性点としてラジカルが発生し導電性物質吸着性樹脂前駆体層に含まれる反応性化合物がグラフトとして化学結合をつくるような例が挙げられる。
熱もしくは光などの輻射線の照射によりエネルギー付与が行われる場合には、熱としてヒーター、赤外線による加熱が使用される。また光源としては、例えば、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、LED等がある。放射線としては、電子線、X線、イオンビーム、遠赤外線などがある。またg線、i線、Deep−UV光、高密度エネルギービーム(レーザービーム)も使用される。
また、更に導電層をつけたくない、たとえばビアのような部分にはエネルギーを与えないようにする、たとえば光照射時にマスクをつけたりすることにより任意に導電性物質吸着性樹脂前駆体層と密着補助層16もしくは樹脂フイルムとの密着のための結合を形成しないようにすることも可能である。逆に全面にエネルギーを付与することにより全面に導電性物質吸着性樹脂層をつけることも可能である。
なお、エネルギーを付与して導電性物質吸着性樹脂前駆体層を密着補助層16もしくは樹脂フイルム層1に密着させたあと、密着に寄与しない未反応の導電性物質吸着性樹脂前駆体層に含まれる化合物や、密着補助層16もしくは樹脂フイルム層1と結合をつくりえなかった導電性物質吸着性樹脂反応物を除去する工程(現像工程)を行うことができる。これは一般的には導電性物質吸着性樹脂前駆体を溶解させ、樹脂フイルムや密着補助層16を溶解させないような溶剤で行われる。具体的には水、アルカリ性現像液、有機溶剤系現像液などが用いられる。この現像方法としては前記溶剤につけて攪拌する方法やシャワーなどの圧力洗浄などの方法などがとられることが多い。
また、導電性物質吸着性樹脂前駆体層を形成し、前記エネルギー照射によって密着補助層16もしくは樹脂フイルムと密着させた後、上記方法で余分な導電性物質吸着性樹脂前駆体を除去し、更に導電性物質吸着性樹脂前駆体層と金属イオンや金属微粒子との吸着性をあげるために、プラズマ処理、紫外線処理などを併用してもよい。
また、本発明の金属パターン付き樹脂フイルムの作製方法を配線の形成に適用する場合には、導電性物質吸着性フイルム表面に所望により形成される金属層と樹脂フイルムの裏面側の配線とを接続するために穴をあける工程を行うことができる。
穴あけはドリル加工が一般的であるが、微細加工の際にはレーザー加工等でビア穴を挙げる方法を適用することもできる。穴あけ工程に用いるレーザとしては、発振波長が紫外光領域から赤外光領域までのいずれかの波長であっても用いることができる。なお、ここで上記紫外光領域とは50〜400nmの範囲の波長領域をいい、赤外光領域とは750nm〜1mmの範囲の波長領域をいう。用い得るレーザとしては、紫外線レーザ、炭酸ガスレーザなどが挙げられる。
上記紫外線レーザとしては、発光波長領域が、通常、180nm〜380nm、好ましくは200nm〜380nm、より好ましくは300nm〜380nmである。紫外線レーザを得るためのレーザの例として、Ar、N、ArF、KrF、XeCL、XeF、He−Cd、He−Neなどの気体レーザ;YAG、NdYAG、Ndガラス、アレキサンドライトなどの固体レーザ;有機溶剤に溶かした色素を用いる色素レーザなどが挙げられる。特に高出力エネルギー発振が可能で、長寿命で、レーザ装置を安価に維持可能なYAGレーザ、NdYAGレーザが好適である。紫外線領域の発振波長として、これらレーザの高調波が好適に用いられる。レーザ高調波は、例えばYAGレーザなどで1.06μmのレーザ光(基本波)を発振させ、このレーザ光を、光路方向に所定の間隔をもって並列する二つの非線形結晶(LBO結晶)に通すことによって、波長0.53μmのSHG光を経て、波長0.355μmのTHG光(紫外線)に変換することによって得られる。このような高調波を得るための装置としては特開平11−342485号公報などに開示されているレーザ加工機が挙げられる。レーザは、連続的に又は断続的に照射することができるが、単パルスで断続的に照射する方がクラック発生が防止できるので好ましい。
単パルス照射における照射回数(ショット数)は、通常5〜500回、好ましくは10〜100回である。照射回数が増えると加工時間が長くなり、クラックも発生しやすい傾向になる。パルス周期は、通常3〜8kHz、好ましくは4〜5kHzである。炭酸ガスレーザは分子レーザであり、電力からレーザ光に変換する効率が10%以上であり、発振波長は10.6μmで数十kWもの大出力を発生させることができる。通常、20〜40mJ程度のエネルギーを有し、約10−4〜10−8秒程度の短パルスで実施する。ビア形成に必要なパルスのショット数は、通常、約5〜1000ショット程度である。形成される孔は、スルーホール及びブラインドビアホールとして利用される。
孔の底部分の内径(d1)と孔の入り口(表面)部分の内径(d0)との比率(孔径比:d1/d0×100[%])は、通常40%以上、好ましくは50%以上、より好ましくは65%以上である。また、d0は10〜250μmの範囲が好ましく、20〜80μmの範囲がより好ましい。この孔径比が大きいものは、絶縁層間の導通不良を起こし難く信頼性が高い。
本発明における穴あけ工程は樹脂フイルムの状態でも、密着補助層16形成後でも、導電性物質吸着性樹脂前駆体層形成後でも、もしくは後述する金属微粒子もしくは金属イオンを吸着させ金属層を形成した後でも、金属導体層形成後でも行うことができる。樹脂フイルムに穴あけ工程を行うのであれば穴部に後の工程で密着補助層16、導電性物質吸着性樹脂前駆体層18を転写や塗布により形成することにより、穴部にもシードをつけることができ穴部にも密着のよい導体層を設けることができる。一方密着補助層16形成後、導電性物質吸着性樹脂前駆体層18形成後、もしくは後述するシード層形成後や金属導体層形成後に行う場合は、そのままでも穴部にめっきをつけることは可能であるが、よりよい密着性を確保するためには別途めっきをつけるための通常行われるコンディショニング処理や触媒付与処理を行う必要がある。
本発明の方法では、樹脂フイルム基材において金属層を形成しない領域を金属層形成領域に重ねて用いることを特徴とするが、金属層を形成しない領域をカバーレイとして用いる場合は、金属層を形成する領域に導通用などの穴を予め形成する際に、同時に樹脂フイルム基材をカバーレイとしたときに金属層に形成された穴と重なる領域にも穴をあけておく工程を実施することができる。
また、この穴あけ工程よりも後の工程で穴部に残存するスミアを除去するデスミア工程を行ってもよい。これは必要に応じてビア穴部の表面を乾式及び/又は湿式法により粗化する。乾式粗化法としてはバフ、サンドブラスト、等の機械的研磨やプラズマエッチング等が挙げられる。一方湿式粗化法としては過マンガン酸塩、重クロム酸塩、オゾン、過酸化水素/硫酸、硝酸、等の酸化剤や、強塩基や樹脂膨潤溶剤を用いる方法等の化学薬品処理が挙げられる。デスミア工程は絶縁膜にシードを利用して無電解めっきを行い給電層となる金属膜を形成した後に行うこともできる。この工程では膨潤工程、エッチング工程、中和工程などが含まれる。例えば有機溶剤系の膨潤液を用いた60℃5分間の膨潤工程、過マンガン酸ナトリム系のエッチング液を用いた80℃10分間のエッチング工程、硫酸計の中和液を用いて40℃5分間の中和工程などが代表的な例である。
デスミアを行わない場合は樹脂フイルムを溶解、もしくは膨潤させる溶剤で洗浄するのも有効である。
本発明の製造方法では、所定の領域に金属層を形成に際して、導電性物質吸着性樹脂層を形成したあと、もしくは導電性物質吸着性樹脂を形成する前の導電性物質吸着性樹脂前駆体に必要に応じて金属イオンもしくは金属微粒子もしくは導電性微粒子を吸着させ、この吸着させた導電性材料を用いて金属層を形成することができる。
該金属イオン、金属微粒子、導電性微粒子などの導電性材料を吸着させる場合には、前記の如く導電性物質吸着性樹脂前駆体層の状態で吸着させても、導電性物質吸着性樹脂前
駆体層にエネルギーを付与し、密着補助層もしくは樹脂フイルム基材と密着させて導電性物質吸着性樹脂層を形成してから吸着させてもよい。
該導電性物質を吸着させる方法としては、導電性物質吸着性樹脂前駆体層の状態で吸着させる場合は、導電性物質吸着性樹脂前駆体塗布液に金属イオンを塩の状態で溶解させる方法、金属微粒子、金属塩、導電性微粒子を導電性物質吸着性樹脂前駆体塗布液に分散する方法などにより調製した導電性物質を含有する塗布液を密着補助層もしくは樹脂フイルム基材に塗布してもよく、また、樹脂フイルム基材或いは密着補助層の上に導電性物質吸着性樹脂前駆体層を形成した後、これらの積層体を金属イオン含有溶液や、金属微粒子、金属塩、導電性微粒子などの分散液中に浸漬し、これら導電性物質を含浸させることにより吸着させてもよい。
本発明の導電性物質吸着性樹脂層に金属イオンもしくは金属微粒子もしくは導電性微粒子を吸着させる場合、導電性物質吸着性樹脂前駆体層の状態で吸着させても、導電性物質吸着性樹脂前駆体層にエネルギーを付与し、密着補助層もしくは樹脂フイルム基材と密着させて導電性物質吸着性樹脂層を形成してから吸着させてもよい。
導電性物質吸着性樹脂層を形成してから吸着させる場合は導電性物質吸着性樹脂層を形成した樹脂フィルムを金属イオン溶液、もしくは金属微粒子、金属塩、導電性微粒子の分散液中に浸漬し、金属イオンや金属微粒子、金属塩、導電性微粒子などを含浸させることにより吸着させることができる。また、別の方法としてはイオン注入などにより、直接イオンを膜中に注入し吸着させてもよい。
更に目的の金属イオン、金属微粒子、導電性微粒子を導電性物質吸着性樹脂層に吸着させるために、一度吸着した金属イオン、もしくはあらかじめ存在させておいた金属イオンを別の金属イオンにイオン交換したり、金属イオンを還元析出させて金属微粒子にしてもよい。また、金属微粒子の表面に無電解めっき法や置換めっき法を用いて別の金属を析出させた複合金属微粒子を形成させてもよい。更に金属コロイドや金属ナノ粒子、導電性微粒子を相互作用させて凝集析出させる方法なども用いてもよい。
更に上記の金属塩、金属微粒子、導電性微粒子を適切な溶媒で溶解もしくは分散し、解離した金属イオンや粒子を含むその溶液もしくは分散液を、導電性物質吸着性樹脂前駆体層に塗布してもよい。
また、本発明の導電性物質吸着性樹脂層に金属イオンもしくは金属微粒子もしくは導電性微粒子を吸着させる工程は、密着補助層16もしくは樹脂フイルムと密着させて導電性物質吸着性樹脂層を形成してから吸着させる場合は、密着に寄与しない未反応の導電性物質吸着性樹脂前駆体や、密着補助層16もしくは樹脂フイルムと結合をつくりえなかった導電性物質吸着性樹脂反応物を除去する工程(現像工程)と同時に行ってもよい。同時に行う場合は密着に寄与しない未反応の導電性物質吸着性樹脂前駆体や、密着補助層16もしくは樹脂フイルムと結合をつくりえなかった導電性物質吸着性樹脂反応物を除去するこれは溶剤、具体的には水、アルカリ性現像液、有機溶剤系現像液などの中に、吸着させたい導電性微粒子、金属微粒子、金属イオン、金属塩などをあらかじめ分散させたり溶解させたりすることにより行うことができる。
以上のように金属イオンを含有する溶液もしくは金属微粒子もしくは導電性微粒子を分散した溶液を接触させることで、官能基には、金属イオンが吸着することができる。これら吸着を充分に行なわせるという観点からは、接触させる溶液の金属イオン濃度、或いは金属塩濃度は0.01〜50質量%の範囲であることが好ましく、0.1〜30質量%の範囲であることが更に好ましい。また、接触時間としては、10秒から24時間程度であることが好ましく、1分から180分程度であることが更に好ましい。
更に本発明では吸着させた金属イオンを還元して金属微粒子を吸着させた形にすることもできる。本工程において、導電性物質吸着性樹脂前駆体層に吸着又は含浸して存在する金属塩、或いは、金属イオンを還元し、金属(微粒子)膜を成膜するために用いられる還元剤としては、用いた金属塩化合物を還元し、金属を析出させる物性を有するものであれば特に制限はなく、例えば、次亜リン酸塩、テトラヒドロホウ素酸塩、ヒドラジンなどが挙げられる。
これらの還元剤は、用いる金属塩、金属イオンとの関係で適宜選択することができるが、例えば、金属イオン、金属塩を供給する金属塩水溶液として、硝酸銀水溶液などを用いた場合にはテトラヒドロホウ素酸ナトリウムが、二塩化パラジウム水溶液を用いた場合には、ヒドラジンが、好適なものとして挙げられる。上記還元剤の添加方法としては、例えば、導電性物質吸着性樹脂前駆体層が存在する電気的絶縁層表面に金属イオンや金属塩を付与させた後、水洗して余分な金属塩、金属イオンを除去した後、該表面を備えた密着補助層16付樹脂フイルム基材12をイオン交換水などの水中に浸漬し、そこに還元剤を添加する方法、該密着補助層16付樹脂フイルム基材12表面上に所定の濃度の還元剤水溶液を直接塗布或いは滴下する方法等が挙げられる。また、還元剤の添加量としては、金属イオンに対して、等量以上の過剰量用いるのが好ましく、10倍当量以上であることが更に好ましい。
この還元工程は前記吸着性樹脂前駆体に金属塩、金属イオンを吸着させた後の工程で行われ、後述する無電解めっき工程と同時に行ってもよい。
本工程に用い得る金属イオン、金属微粒子、導電性微粒子としては、吸着性の官能基と相互作用するものであれば特に制限はなく、公知の金属イオン、金属微粒子、導電性微粒子を任意に選択して用いることができる。例えば、Au、Ag、Pt、Cu、Rh、Pd、Al、Crなどの金属微粒子、In、SnO、ZnO、CdO、TiO、CdIn、CdSnO、ZnSnO、In−ZnOなどの酸化物半導体微粒子、及びこれらに適合する不純物をドーパントさせた材料を用いた微粒子、MgInO、CaGaOなどのスピネル形化合物微粒子、TiN、ZrN、HfNなどの導電性窒化物微粒子、LaBなどの導電性ホウ化物微粒子、また、有機材料としては導電性高分子微粒子や金属塩を含んだ高分子微粒子などが好適なものとして挙げられる。
金属微粒子、導電性微粒子を用いる場合の粒径は0.1nmから1000nmの範囲であることが好ましく、1nmから100nmの範囲であることがさらに好ましい。粒径が0.1nmよりも小さくなると、微粒子同士の表面が連続的に接触してかえって凝集体を形成し、もたらされる吸着性が低下する傾向がある。また、1000nmよりも大きくなると、吸着能をもつ官能基と相互作用して結合する接触面積が小さくなるため親水性表面と粒子との密着が低下し、導電性領域の強度が劣化する傾向がある。
本工程において、金属塩としては、導電性物質吸着性樹脂層生成領域に付与するために適切な溶媒に溶解して、金属イオンと塩基(陰イオン)に解離されるものであれば特に制限はなく、M(NO、MCl、M2/n(SO)、M3/n(PO)(Mは、n価の金属原子を表す)などが挙げられる。金属イオンとしては、上記の金属塩が解離したものを好適に用いることができる。具体例としては、例えば、具体例としては、例えば、Agイオン、Cuイオン、Alイオン、Niイオン、Coイオン、Feイオン、Pdイオン、クロムイオン挙げられ、導電膜としてはAg、Cuが、磁性膜としてはCoが好ましく用いられる。
本発明では更に導電性物質吸着性樹脂層に金属イオン、金属微粒子、もしくは導電性微粒子を吸着させたあと、必要に応じて吸着しえなかった余分な金属イオン、金属微粒子、もしくは導電性微粒子を洗浄して洗い落とす工程を入れてもよい。
(めっきによる金属層の形成)
このようにして形成された導電性物質である金属を吸着してなる樹脂フイルム基材を、フレキシブルプリント配線板の形成に用いる場合には、導電性物質吸着性樹脂層に金属を吸着させ、その金属をベースとしてめっきを施す手段をとることが、導線性に優れた金属層(導電層)を形成する観点から好ましい。
導電性物質吸着性樹脂フイルムにめっき処理する場合、そのフィルムに金属、金属イオン、もしくは導電性微粒子を吸着させていない場合には、その導電性物質吸着性層に金属、金属イオン、もしくは導電性微粒子などから選択される無電解めっき触媒となるものを吸着させる、その後、無電解めっき処理すればよい。
また、この樹脂フイルムの導電性物質吸着性層に、予め無電解めっき触媒となる金属、金属イオン、もしくは導電性微粒子を吸着させた導電性物質吸着性樹脂フイルムを直接もちいてもよい。
なお、導電性物質吸着性樹脂フイルムが、予め所定量以上の金属イオン、金属微粒子もしくは導電性微粒子を吸着しており、それにより十分な導電性を持つ層がその表面に形成されている場合には、その導線性層に直接電気を流し、電気めっきを施してもよい。
金属層の形成工程において、導電性物質吸着性層に吸着させる無電解めっき触媒とは、主に0価金属であり、Pd、Ag、Cu、Ni、Al、Fe、Coなどが挙げられる。本発明においては、特に、Pd、Agがその取り扱い性の良さ、触媒能の高さから好ましい。0価金属を相互作用性領域に固定する手法としては、例えば、相互作用性領域中の上の相互作用性基と相互作用するように荷電を調節した金属コロイドを、相互作用性領域に適用する手法が用いられる。一般に、金属コロイドは、荷電を持った界面活性剤又は荷電を持った保護剤が存在する溶液中において、金属イオンを還元することにより作製することができる。金属コロイドの荷電は、ここで使用される界面活性剤又は保護剤により調節することができ、このように荷電を調節した金属コロイドを、導電性物質吸着性樹脂前駆体層が有する相互作用性基と相互作用させることで、導電性物質吸着性樹脂前駆体層に金属コロイド(無電解めっき触媒)を付着させることができる。
更に本工程において用いられる無電解めっき触媒前駆体とは、化学反応により無電解めっき触媒となりうるものであれば、特に制限なく使用することができる。主には上記無電解めっき触媒で用いた0価金属の金属イオンが用いられる。金属イオンと塩基(陰イオン)とに解離されるものであれば特に制限はなく、M(NO、MCl、M2/n(SO)、M3/n(PO)(Mは、n価の金属原子を表す)などが挙げられる。金属イオンとしては、上記の金属塩が解離したものを好適に用いることができる。具体例としては、例えば、Agイオン、Cuイオン、Alイオン、Niイオン、Coイオン、Feイオン、Pdイオンが挙げられ、Agイオン、Pdイオンが触媒能の点で好ましい。
無電解めっき触媒前駆体である金属イオンは、還元反応により無電解めっき触媒である0価金属になる。無電解めっき触媒前駆体である金属イオンは、基板へ付与した後、無電解めっき浴への浸漬前に、別途還元反応により0価金属に変化させて無電解めっき触媒としてもよいし、無電解めっき触媒前駆体のまま無電解めっき浴に浸漬し、無電解めっき浴中の還元剤により金属(無電解めっき触媒)に変化させてもよい。
本発明の例としては樹脂フイルム上に固定された導電性物質吸着性樹脂前駆体層にめっき触媒をつけるために、めっき触媒液(例えば硝酸銀水溶液や錫−パラジウムコロイド溶液)に基板を浸漬する。無電解めっき触媒としては、パラジウム、金、白金、銀、銅、ニッケル、コバルト、錫などの金属美粉末、及び/又はこれらのハロゲン化物、酸化物、水酸化物、硫化物、過酸化物、アミン塩、硫酸塩、硝酸塩、有機酸塩、有機キレート化合物などが挙げられる。また、これらを各種の無機成分に吸着させたものでも良い。この際の無機成分としてはコロイダルシリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化ケイ素、無定形シリカ、タルク、クレー、雲母等の既述のものの他、アルミナ、カーボンのような微粉末であればどのようなものでも良い。また、この際の微粉末の大きさとしては平均粒子径が0.1〜50μmであるのが好ましい。
前記導電性微粒子や金属イオン、金属塩、無電解めっき触媒、無電解めっき触媒前駆体は1種のみならず、必要に応じて複数種を併用することができる。また、所望の導電性を得るため、予め複数の材料を混合して用いることもできる。
更にめっき触媒液に浸漬した後、余分なめっき触媒液を洗浄により除去する。
前記密着補助層に付与したシード層が十分な導電性を示す場合はこのまま電気めっきを行って導体層を形成してもよいが、金属イオンや無電解めっき触媒をつけただけでは十分な導電性が得られない場合があり、その場合は更に無電解めっき触媒を利用して無電解めっきを行う。
無電解めっきとは、めっきとして析出させたい金属イオンを溶かした溶液を用いて、化学反応によって金属を析出させる操作のことをいう。無電解めっきはソフトエッチング、酸洗浄を行った後おこなってもよい。更に一般的に市販されている、アクチベーター、アクセラレーターの工程を経ておこなってもよい。
本工程における無電解めっきは、例えば、前記無電解めっき触媒等付与工程で得られた、無電解めっき触媒が付与された基板を、水洗して余分な無電解めっき触媒(金属)を除去した後、無電解めっき浴に浸漬して行なう。使用される無電解めっき浴としては一般的に知られている無電解めっき浴を使用することができる。
また、無電解めっき触媒前駆体が付与された基板を、無電解めっき触媒前駆体が導電性物質吸着性樹脂前駆体層に付着又は含浸した状態で無電解めっき浴に浸漬する場合には、基板を水洗して余分な前駆体(金属塩など)を除去した後、無電解めっき浴中へ浸漬される。この場合には、無電解めっき浴中において、前駆体の還元とこれに引き続き無電解めっきが行われる。ここ使用される無電解めっき浴としても、上記同様、一般的に知られている無電解めっき浴を使用することができる。また、無電解めっき触媒前駆体を還元し、無電解めっき触媒にしたうえで無電解めっき浴に浸漬してもよく、この場合も余分な無電解めっき触媒前駆体などを洗浄などで除去する。
一般的な無電解めっき浴の組成としては、1.めっき用の金属イオン、2.還元剤、3.金属イオンの安定性を向上させる添加剤(安定剤)が主に含まれている。このめっき浴には、これらに加えて、めっき浴の安定剤など公知の添加物が含まれていてもよい。
無電解めっき浴に用いられる金属の種類としては、銀、クロム、銅、すず、鉛、ニッケル、金、パラジウム、ロジウムが知られており、中でも、導電性の観点からは、銀、銅、金、クロム、ニッケルが特に好ましい。
また、上記各金属に適合しうる最適な還元剤、添加物があり、それらを併用することが好ましい態様である。例えば、銅の無電解めっきの浴は、銅塩としてCu(SO、還元剤としてHCOH、添加剤として銅イオンの安定剤であるEDTAやロッシェル塩などのキレート剤が含まれている。また、CoNiPの無電解めっきに使用されるめっき浴には、その金属塩として硫酸コバルト、硫酸ニッケル、還元剤として次亜リン酸ナトリウム、錯化剤としてマロン酸ナトリウム、りんご酸ナトリウム、こはく酸ナトリウムが含まれている。また、パラジウムの無電解めっき浴は、金属イオンとして(Pd(NH)Cl、還元剤としてNH、HNNH、安定化剤としてEDTAが含まれている。
なお、これらのめっき浴には、上記最適な還元剤や添加剤以外の成分を目的に応じて添加することもできる。
このようにして形成される導電性膜(金属層)の膜厚は、めっき浴の金属塩又は金属イオン濃度、めっき浴への浸漬時間、或いは、めっき浴の温度などにより制御することができるが、導電性の観点からは、0.1μm以上であることが好ましく、3μm以上であることがより好ましい。また、めっき浴への浸漬時間としては、1分〜3時間程度であることが好ましく、1分〜1時間程度であることがより好ましい。
金属層領域にパターンを形成する工程としてセミアディティブ工法を用いる場合には、導通が可能で欠陥のない金属膜ができる限りにおいて、3μm以下の膜厚であってもよい。
また、電気的絶縁層を形成する樹脂との密着を向上させるため、無電解めっきはクロムやニッケルで行い、導体層を形成する電気めっきは銅めっきをするというように、無電解めっきで形成される第一の金属と電気めっきで形成される第二の金属とが同じであっても異なっていてもよい。
また、サブストラクティブ工法に用いられる銅張板を作製する場合などには、無電解めっき工程の後、金属層(導電性層)の厚みや膜質を向上させる目的で、電気めっき工程を行ってもよい。
電気めっき工程では、前記無電解めっき工程における無電解めっきの後、この工程により形成された金属膜(導電性膜)を電極とし、さらに電気めっきを行う。これにより樹脂製支持体との密着性に優れた金属膜をベースとして、そこに新たに任意の厚みをもつ金属膜を容易に形成することができる。該電気めっき工程を付加することにより、金属膜を目的に応じた厚みに形成することができ、本態様により得られた導電性素材を種々の応用に適用するのに好適である。
本態様における電気めっきの方法としては、従来公知の方法を用いることができる。なお、本工程の電気めっきに用いられる金属としては、銅、クロム、鉛、ニッケル、金、銀、すず、亜鉛などが挙げられ、導電性の観点から、銅、金、銀が好ましく、銅がより好ましい。電気めっきにより得られる金属膜の膜厚については、用途に応じて異なるものであり、めっき浴中に含まれる金属濃度、浸漬時間、或いは、電流密度などを調整することでコントロールすることができる。なお、一般的な電気配線などに用いる場合の膜厚は、導電性の観点から、0.3μm以上であることが好ましく、3μm以上であることがより好ましい。また、本発明における電気めっき工程は、上述したように、パターン状の金属膜を目的に応じた厚みに形成するため以外にも、例えば、電気めっきすることで、IC等の実装に応用しうるようにするなどの目的のために、行うこともできる。この目的で行われるめっきは、銅等で形成される導電性膜や金属パターン表面に対して、ニッケル、パラジウム、金、銀、すず、ハンダ、ロジウム、白金、及びそれらの化合物からなる群から選ばれる材料を用いて行うことができる。
このようにして金属パターンをその表面の一部分に有する樹脂フイルム基材を得ることができる。
本発明の製造方法をCCLなどの多層配線板の作製に応用する場合には、形成された金属層(導電層=配線)と樹脂フイルム基材の裏面側の配線とを接続するために、ビア穴部を形成する工程、及び、穴部に導電性材料を形成し、裏面側に存在する配線との接続を確保する工程を行えばよい。この積層された配線間を接続する工程は、(1)樹脂フイルム層1自体にまずビア穴をあけ、その後、穴を形成した樹脂フイルム層1表面に密着補助層16および導電性物質吸着性樹脂前駆体層18を形成した場合には、前記無電解めっき工程を行うことで、導電性物質吸着性層表面と同時に穴の内部もめっきすることができ、容易に多層間を接続する配線が形成される。
一方、樹脂フイルム層1の表面に、密着補助層16、導電性物質吸着性樹脂前駆体層18、および金属層を順次形成した後、ビア穴部を形成する場合には、別途穴部にのみ既存の銅張板を用いてスルーホールにめっきをするのと同様な手法を用いて無電解めっきを施すことにより接続を形成することができる。
これらいずれの場合にも、無電解めっきの後、さらに電気めっきを組み合わせることにより、めっき金属によってビア穴部内部全体にわたり金属を充填した状態となし、接続配線を形成することも可能である。
また、別の接続形成方法として、穴部に印刷法やディスペンザー法、インクジェット法などにより銅、銀、金、などの金属元素を含む、導電性微粒子や金属ナノ粒子、金属ナノペースト、導電性接着剤などを注入し接続配線を形成する方法をとることもできる。
この金属層、或いは、さらに多層間を接続する配線を形成した後、加熱処理などを行ってもよい。加熱処理工程における加熱温度としては、100℃以上が好ましく、更には130℃以上が好ましく、特に好ましくは180℃程度である。更に樹脂によってはそのガラス転移温度付近で行うこともある。加熱温度は、処理効率や電気的絶縁層の寸法安定性などを考慮すれば400℃以下であることが好ましい。また、加熱時間に関しては、10分以上が好ましく、更には30分〜120分間程度が好ましい。これにより熱硬化性樹脂の硬化が進行し、金属層のピール強度を更に向上させることもできる。
本発明の方法に用いられる金属パターンを有する樹脂フイルム基材においては、樹脂フイルム基材表面の必要領域全面に金属層22を形成したのち、その金属層を公知の方法でパターニングして任意の配線24を形成することができる。
例えば、金属層付き樹脂フイルムの金属層表面にめっきレジストをもうけて、サブトラクティブ法やセミアディティブ法を用いて配線パターンを形成する工程を行うことができる。
サブトラクティブ法とは、上記手法で電気めっきまで行って昨製した金属膜上に、(1)レジスト層を塗布→(2)パターン露光、現像により残すべき導体のレジストパターン形成→(3)エッチングすることで不要な金属膜を除去する→(4)レジスト層を剥離させ、金属パターンを形成する方法を指す。本態様に使用される金属膜の膜厚としては5μm以上であることが好ましく、5〜30μmの範囲であることがより好ましい。
セミアディティブ法とは、導電性物質吸着性樹脂前駆体層の上に形成した金属膜上に、(1)レジスト層を塗布→(2)パターン露光、現像により除去すべき導体のレジストパターン形成→(3)めっきによりレジストの非パターン部に金属膜を形成する→(4)DFRを剥離させ→(5)エッチングすることで不要な金属膜を除去する、金属パターン形成方法のことである。最初に形成した金属膜を給電層として用いて、電気めっきによりレジストのない部分に導電層を形成する手法である。めっき手法としては前記で説明した、無電解めっき、電気めっきが使用することができる。また、レジスト層を塗布する金属膜の膜厚としては、エッチング工程を短時間で済ませるため、0.3〜3μmほどが好ましい。また、形成された金属パターンに対して、さらに、電解めっき、無電解めっきを行ってもよい。
以下に配線パターンを形成する方法の詳細について述べる。
(1)レジスト層形成工程
「レジストについて」
使用する感光性レジストとしては、光硬化型のネガレジスト、または、露光により溶解する光溶解型のポジレジストが使用できる。感光性レジストとしては、1.感光性ドライフィルムレジスト(DFR)、2.液状レジスト、3.ED(電着)レジストを使用することができる。これらはそれぞれ特徴があり、1.感光性ドライフィルムレジスト(DFR)は乾式で用いることができるので取り扱いが簡便、2.液状レジストはレジストとして薄い膜厚とすることができるので解像度の良いパターンを作ることができる。3.ED(電着)レジストはレジストとして薄い膜厚とすることができるので解像度の良いパターンを作ることができること、塗布面の凹凸への追従性が良く、密着性が優れている。使用するレジストは、これらの特徴を加味して適宜選択すればよい。
「塗布方法」
1.感光性ドライフィルム
感光性ドライフィルムは、一般的にポリエステルフィルムとポリエチレンフィルムにはさまれたサンドイッチ構造をしており、ラミネータでポリエチレンフィルムを剥がしながら熱ロールで圧着する。
感光性ドライフィルムレジストは、その処方、製膜方法、積層方法については、本願出願人が先に提案した特願2005−103677明細書、段落番号〔0192〕乃至〔0372〕に詳細に記載され、これらの記載は本発明にも適用することができる。
2.液状レジスト
塗布方法はスプレーコート、ロールコート、カーテンコート、ディップコートがある。両面同時に塗布するには、このうちロールコート、ディップコートを用いると両面同時にコートが可能であるため好ましい。
液状レジストについては、本願出願人が先に提案した特願2005−188722明細書、段落番号〔0199〕乃至〔0219〕に詳細に記載され、これらの記載は本発明にも適用することができる。
3.ED(電着)レジスト
EDレジストは、感光性レジストを微細な粒子にして水に懸濁させコロイドとしたものであり、粒子が電荷を帯びているので、導体層に電圧を与えると電気泳動により、導体層上にレジストが析出し、導体上でコロイドが相互に結合し膜状になることで形成される。
(2)パターン露光工程
「露光」
レジスト膜を金属膜上部に設けてなる基材をマスクフィルムまたは乾板と密着させて、使用しているレジストの感光領域の光で露光する。フィルムを用いる場合には真空の焼き枠で密着させ露光をする。露光源に関しては、パターン幅が100μm程度では点光源を用いることができる。パターン幅を100μm以下のものを形成する場合は平行光源を用いることが好ましい。また、近年、マスクフイルムまたは乾板を使用せず、レーザーによりデジタル露光することにより、パターン形成する方法もとられるようになってきている。
「現像」
光硬化型のネガレジストならば未露光部を、または、露光により溶解する光溶解型のポジレジストならば露光部を溶かすものならば何を使用しても良いが、主には有機溶剤、アルカリ性水溶液が使用され、近年は環境負荷低減からアルカリ性水溶液が使用されている。
(3)めっきによりレジストの非パターン部に金属膜を形成する
前記パターン形成の後、パターン下部に存在する金属膜もしくは導電性膜(例えば無電解めっきで形成した膜)を給電電極とし、さらに電気めっきを行うことができる。これにより電気的絶縁層との密着性に優れた金属膜をベースとして、そこに新たに任意の厚みをもつ金属膜を容易に形成することができる。この工程を付加することにより、金属膜を目的に応じた厚みに形成することができ、本態様により得られた導電性素材を種々の応用に適用するのに好適である。
本態様における電気めっきの方法としては、従来公知の方法を用いることができる。なお、本工程の電気めっきに用いられる金属としては、銅、クロム、鉛、ニッケル、金、銀、すず、亜鉛などが挙げられ、導電性の観点から、銅、金、銀が好ましく、銅がより好ましい。
また、電気めっきによる導体層の形成はレジストを厚くすれば厚く、薄くすれば薄くなる。レジストの厚みよりも電気めっきによる導体層が厚くなった場合はレジストが剥離しにくくなる上に隣の線との間がつまり好ましくない。
(4)レジスト剥離工程
「剥離工程」
電気めっきして金属(導電性)パターンが完成した後、不要となっためっきレジストは不要になるので、これを剥離する工程が必要である。剥離は、剥離液をスプレーして行うことができる。剥離液はレジストの種類により異なるが、一般的にはレジストを膨潤させる溶剤、または、溶液をスプレーにより拭きつけ、レジストを膨潤させて剥離する。
(5)エッチング工程
「エッチング」
エッチングは不要となった給電層を化学的に溶解除去することで導体パターン間の絶縁性を発現させ、導体パターンを完成するための工程である。エッチング工程は主に水平コンベア装置で、エッチング液を上下よりスプレーして行う。エッチング液としては、酸化性の水溶液で金属層を酸化、溶解する。エッチング液として用いられるものは塩化第二鉄液、塩化第二銅液、アルカリエッチャントがある。レジストがアルカリにより剥離してしまう可能性があることから、主には、塩化第二鉄液、塩化第二銅液が使用される。
本発明の方法では、基板界面が凹凸化されていないため基板界面付近の導電性成分の除去性が良いことに加え、金属膜を基材上に導入している導電性物質吸着性樹脂前駆体層が、高分子鎖の末端で密着補助層16もしくは電気的絶縁層と結合しており、非常に運動性の高い構造を有しているため、このエッチング工程において、エッチング液がグラフトポリマー層中に容易に拡散でき、基材と金属層との界面部における金属成分の除去性に優れるため、鮮鋭度に優れたパターン形成が可能となる。
本発明では配線パターン形成後、非配線部分に残存する導電性物質吸着性樹脂層を不活性化する工程を行ってもよい。不活性化を行うことによりシードを除去しやすくしイオンマイグレーションなどの故障を未然に防ぐこともできる。不活性化の方法としては導電性物質吸着性樹脂前駆体層とある種のイオン化合物を相互さようさせて、不溶の塩を形成してしまう方法、めっき触媒と相互作用できる官能基を別の絶縁性の基に化学的に改質する方法などをとることができる。更には上層にくる電気的絶縁層やソルダーレジストの層との密着性をあげるために、これらの層と化学結合をつくりうる官能基に改質してもよい。
更には配線パターン形成後、非配線部分に残存する導電性物質吸着性樹脂前駆体層を除去する工程を入れてもよい。除去の方法としては例えば粗面化処理に用いられるデスミア工程を用いてもよい。デスミア工程はアルカリ性過マンガン酸を用いる方法が知られている。デスミア工程は絶縁膜にシードを利用して無電解めっきを行い給電層となる金属膜を形成した後に行うこともできる。この工程では膨潤工程、エッチング工程、中和工程などが含まれる。この処理を行うことにより、更には上層にくる電気的絶縁層やソルダーレジストの層との密着性をあげることができる。また、配線形成時は粗面化していないため、高精細な配線パターンが形成できる。
また、本発明では形成した導体パターンに銅面の処理を行ってもよい。処理法としては黒色酸化処理法、酸化銅還元法、銅粗面化法、粗面化無電解銅めっき法などを適用することができる。これらを行うことにより、上層にくる電気的絶縁層やソルダーレジストの層との密着性をあげることができる。また、金属導体部の酸化を防止するために防錆処理を行う場合もある。
このようにして、図1(A)に概略断面図で示される如き、金属層(パターン状の導電性層)24を一部分に有する可撓性樹脂フイルム基材12を得る。
次に、図1(B)に示すように、形成されたパターン状の金属層22を有する樹脂フイルム基材12の表面に形成された金属層(配線)22を保護するためのカバーレイ14で被覆し、両面に各1層の配線を有するフレックス多層配線基板10を得る。配線に相当するパターン状の導電性層24は、金属層22をパターニングして得たものであってもよく、樹脂フイルム基材12表面に導電性物質吸着性樹脂層をパターン状に形成し、その部分のみに金属層を形成して金属パターン(配線)24としたものであってもよい。
ここで使用されるカバーレイとしては、ポリイミド、ポリエステルなどの材料を用いて、厚み10〜75μmで形成されたものが好ましい。
次に、図1(C)に示すように、リジッド−フレックス配線基板において、完成後に屈曲可能なフレックス部Fに相当する部分を除く部分、本態様では、前記フレックス基板10の両端部に、可撓性を有しない固体絶縁層26Aを設ける。その後、該固体絶縁層26A表面に常法により第2の配線を形成するための金属層28Aを形成する。この金属層28Aの形成方法には、特に制限はなく、ラミネートなどの方法を適用してもよいが、樹脂層と導電性層との密着性向上の観点からは、前述の配線24の作製方法と同様に、固体絶縁樹脂層26Aの表面に密着補助層、導電性材料吸着樹脂前駆体層を形成し、エネルギー付与により導電性材料吸着樹脂層を形成して導電性材料を吸着させ、その後、無電解めっき、電解めっきを両面に行うことで金属層を形成する方法をとることが好ましい。
なお、本発明において「可撓性を有しない固体絶縁性樹脂層」とは、JIS P 8115:2001記載のMIT試験(耐折度試験)において1回目試験で壊れる物性を有する固体層を意味する。
また、前記フレックス多層配線基板10の両端部に、固体絶縁層26Aを設ける場合に、更なる密着性の向上を図るために、有機表面処理剤を用いても良い。その場合、前記フレックス多層配線基板10に対し、特開2005−306023公報の段落番号〔0016〕〜〔0024〕に記載の有機表面処理剤を好適に用いることができ、特に、官能基としてアミノ基とチオール基を有する化合物が好ましく、より好ましくはアミノ基とチオール基を置換基として有する複素環化合物である。このような有機表面処理剤として、例えば下記化合物を用いることができる。
Figure 2008258211
これら有機表面処理剤は常法により前記フレックス多層配線基板10表面に塗布するか、又は、処理剤中に該基板10を浸漬し、有機溶剤で洗浄する工程を実施した後、固体絶縁樹脂層26Aをラミネート法などにより付与して密着させる方法をとることができる。
ここで、固体絶縁樹脂層26Aとしては、積層工程において、樹脂フローの少ない接着シートを用いる必要があり、例えば、ボンディングシート、あるいはガラス基材、アラミド基材等の補強基材にエポキシ樹脂等を含浸させて半硬化状態(ここでいう半硬化状態とは、通常のプリプレグの硬化状態であるBステージ状態と完全硬化状態であるCステージ状態の中間程度の硬化状態である)にした接着シート(ローフロープリプレグ)が挙げられるが、部品実装時に要求される基板の剛性を加味した場合、補強基材を有するローフロープリプレグを用いるのが好ましい。ちなみに、ローフロープリプレグとは、JIS規格C6521の試験方法による樹脂フローが1%以下のものをいう。あるいは、ポリイミド系の接着剤を半硬化状態で用いてもよい。
なお、ここで用いうるプリプレグとは、従来から多層配線回路基板の製造に絶縁層として用いられている、基材に樹脂を含浸させて得られる層状材料である。プリプレグを構成する基材としては、例えば、ガラス等の無機繊維、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリル、ポリイミド等の合成樹脂繊維、あるいは木綿等の天然繊維の織布、不織布、紙等が挙げられる。また、プリプレグを構成する樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂系、フェノール樹脂系、ポリイミド樹脂系、不飽和ポリエステル樹脂系、ポリフェニレンエーテル系等の単独、変性物、混合物等の熱硬化性樹脂組成物等が挙げられ、代表的なものとしてポリイミドプリプレグP-EI50(日東シンコー)等が挙げられる。
次に、図1(D)〜図1(E)に示したように、スルーホール用の貫通孔32を形成するとともに、一般的なサブトラクティブ法により、外層に金属層34Aを形成し、必要に応じてパターニングし、配線パターン34Bを形成する。次いで、外層の配線パターン34Bを保護するソルダーレジスト36を形成した後、外形加工を行うことによって、図1(F)における如き、リジッド部Rとフレックス部Fとを有し、表裏4層の配線を有するリジッド−フレックス多層配線板Pを得る。
図3(A)〜図3(D)は、図1(F)で得られた表裏4層の配線を有するリジッド−フレックス多層配線板のリジッド部Rに、さらに、もう1層固体絶縁樹脂層26Bを設け、その表面に第3の配線を形成するための金属層28Bを設ける等、A図1(C)〜図1(F)の工程を繰り返して得た表裏6層の配線を有するリジッド−フレックス多層配線板の形成プロセスを示す。
本発明は、リジッド部Rに使用される絶縁接着剤層として、積層時の樹脂フローが少ない接着シート(例えばローフロープリプレグ等)を用いるとともに、配線表面が平滑化している点に特徴を有している。
このような構成とすることによって、従来のローフロープリプレグを用いた構成のリジッドフレックス多層プリント配線板の効果(フレックス部Fへの樹脂フローの抑制と、配線パターン間に発生するボイドの防止)に加え、高周波伝送特性が向上したリジッド−フレックス多層配線基板を得ることができる。
更に、本発明を説明するに当たって、フレックス基板の表裏に絶縁接着剤層と配線パターンとを遂次積層する4層、及び、6層の配線を有するリジッド−フレックス多層プリント配線板の例を用いて説明したが、本発明は、当該構成に限定されるものではなく、必要に応じて他の構成とすることも可能であることはいうまでもない。
上述したように、本発明の方法で多層プリント配線板を作製することで、優れた特性を有する微細な配線パターンを形成可能なプリント配線板を容易に形成することができる。本発明の製造方法により得られた銅張り積層板などの導線性材料を用いて、例えば、公知のエッチング処理などにより、従来の技術では困難であった20ミクロン以下の微細で、且つ密着強度の高い銅配線の形成が可能となる。本発明で得られるプリント配線板は表面平滑性に優れるので、上記の如き製造法を複数繰り返し、ビルドアップ層を多段に積層して多層プリント配線板を製造することもできる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1.多層フレキシブル基板の作製)
(開始剤を含有した密着補助層16の形成)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量185、油化シェルエポキシ(株)製エピコート828)20質量部(以下、配合量は全て質量部で表す)、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量215、大日本インキ化学工業(株)製エピクロンN−673)45部、フェノールノボラック樹脂(フェノール性水酸基当量105、大日本インキ化学工業(株)製フェノライト)30部をエチルジグリコールアセテート20部、ソルベントナフサ20部に攪拌しながら加熱溶解させ室温まで冷却した後、そこへ前記エピコート828とビスフェノールSからなるフェノキシ樹脂のシクロヘキサノンワニス(油化シェルエポキシ(株)製YL6747H30、不揮発分30質量%、重量平均分子量47000)30部と2−フェニル−4,5−ビス(ヒドロキシメチル)イミダゾール0.8部、さらに微粉砕シリカ2部、シリコン系消泡剤0.5部を添加しさらにこの混合物の中に前記重合開始ポリマーP1を10部添加し、更に全体の不揮発性固形分が20重量%になるようにメチルエチルケトンを加え密着補助層16形成用塗布液を作製した。
ポリイミドフイルムとしてカプトン150EN(東レ・デュポン製)を可撓性樹脂フイルム基材12として用いてその両面に上記密着補助層16形成用塗布液を乾燥時の固形分の厚みが3μmとなるようにダイコート法で連続塗布し、その後140℃で30分乾燥して密着補助層16形成した。
その後、ドリルにより必要な位置に穴径200μmの穴をあけた。
[二重結合を有するポリマー(P)の合成]
ポリアクリル酸(平均分子量 25000、和光純薬工業)60gとハイドロキノン(和光純薬工業)1.38g(0.0125mol)を、冷却管を設置した1lの三口フラスコに入れ、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc、和光純薬工業)700gを加えて室温で撹拌し、均一な溶液とした。その溶液を撹拌しながら、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(カレンズMOI、昭和電工)64.6g(0.416mol)を滴下した。続いて、DMAc30gに懸濁させたジラウリン酸ジ−n−ブチルすず(東京化成工業)0.79g(1.25×10−3mol)を滴下した。撹拌しながら65度のウォーターバスで加熱した。5時間後に加熱を止め、室温まで自然冷却した。この反応液の酸価は7.105mmol/g、固形分は11.83%だった。
反応液300gをビーカーにとり、氷バスで5度まで冷やした。その反応液を撹拌しながら、4規定の水酸化ナトリウム水溶液41.2mlを約1時間で滴下した。滴下中の反応溶液の温度は5〜11度だった。滴下後に反応液を室温で10分撹拌し、吸引濾過で固形分を取り除き褐色の溶液を得た。その溶液を酢酸エチル3リットルで再沈し、析出した固体を濾取した。その固体をアセトン3リットルで終夜リスラリーした。固体を濾別後、別途ポリマー1gに対し水2gとアセトニトリル1gの混合溶媒に溶解し、この溶液をイオン交換樹脂カラムを通して完全にイオンを取り除き、10時間真空乾燥して薄い褐色の粉末P2を得た。このポリマー1gを水2gとアセトニトリル1gの混合溶媒に溶かしたときのPHは5.56で粘度は5.74cpsであった。(粘度は、東機産業社製、RE80型粘度系で28℃で測定、ローター30XR14使用)。またGPCによる分子量は30000であった。
次に導電性物質吸着性樹脂前駆体層形成用塗布液として下記組成の吸着性樹脂前駆体層形成用塗布液を作製し、前記密着補助層16の上に厚さ1.5ミクロンになるようにダイコート法で両面に塗布し、その後、80℃〜120℃で乾燥して導電性物質吸着性樹脂前駆体層18を形成した。
(吸着性樹脂前駆体層形成用液状組成物)
・側鎖に重合性基を持つポリマー(P) 3.1g
・水 24.6g
・1−メトキシ−2−プロパノール 12.3g
前記吸着性樹脂前駆体層18を密着補助層16の上に形成した後、吸着性樹脂前駆体層の側より活性点を発生させ密着させるエネルギーとして波長254nmの紫外光を露光機:紫外線照射装置(UVX−02516S1LP01、ウシオ電機社製)を用い、室温で1分間露光した。全面露光後、密着補助層16と相互作用しえなかった不要な導電性物質吸着性樹脂前駆体反応物をイオン交換水で充分洗浄し、除去し、導電性物質吸着性樹脂層20を有する樹脂フイルム基材12を作成した。
導電性物質吸着性樹脂フイルムを硝酸銀(和光純薬製)0.1質量%の水溶液に10分間浸漬した後、蒸留水で洗浄した。その後、下記組成の無電解メッキ浴に10分間浸漬し、無電解銅めっき層を形成した。無電解めっき層の厚みは1.5ミクロンであった。
<無電解メッキ浴成分>
・硫酸銅 0.35g
・酒石酸NaK 1.75g
・水酸化ナトリウム 0.75g
・ホルムアルデヒド 0.25g
・水 47.8g
更に前記無電解銅めっき層を給電層として下記組成の電気銅めっき浴に3A/dmの条件で電気めっきを30分間おこなった。電気めっきでできた銅の厚みは18μmであった。
<電気メッキ浴の組成>
・硫酸銅 38g
・硫酸 95g
・塩酸 1mL
・カッパーグリームPCM(メルテックス(株)製) 3mL
・水 500g
その後に、一般的なサブトラクティブ法を用いて、樹脂フイルム基材12表面の表裏に配線パターン24を形成し、最後に、配線パターン24を保護するためのカバーレイ14を積層することによって、フレックス配線基板10を得た。
(リジッド配線板領域の形成)
配線パターン24を形成した、樹脂フイルム基材12に対し、固体絶縁樹脂層26Aを接着した。この固体絶縁樹脂層26Aの形成には、味の素ファインテクノ社製エポキシ系絶縁膜GX−13(膜厚45μm)を、加熱、加圧して、真空ラミネーターにより0.2MPaの圧力で100℃〜110℃の条件により接着し、170℃-1時間後加熱することで縁樹脂層26Aを形成した。
該固体絶縁層24A表面に、再度、密着補助層16形成用塗布液を、樹脂フイルム基材12表面に形成された密着補助層16と同条件で固形分厚みが15μmになるように塗布乾燥し第2の密着補助層16を形成した。
その後、必要な部分にドリルを用い、スルーホール、ブラインドビア32を形成した。
ついで、上記ビア32形成後のフイルムに対し、上記吸着性樹脂前駆体層形成用液状組成物を同条件で塗布乾燥して第2の導電性物質吸着性樹脂前駆体層を形成した。
ついで、同様にエネルギーを付与して第2の導電性材料吸着樹脂層を形成し、導電性材料を吸着させた後、無電解めっき、電解めっきを行い。銅めっき厚18μmの金属層34Aを得た。その金属層を、上記サブトラクティブ法でパターニングして配線34Bを形成し、図1(F)に示すような、リジッド部Rとフレックス部Fを有するリジッド−フレックス配線基板を得た。
(A)〜(F)樹脂フイルム基材表裏に4層の配線を有するリジッド−フレックス配線基板の製造方法のプロセスの一例を示す概略断面図である。 (A)、(B)本発明のリジッド−フレックス配線基板の製造方法に有用な、導電性材料吸着樹脂層を有する樹脂フイルム基材積層体の一例を示す概略断面図である。 (A)〜(D)樹脂フイルム基材表裏に6層の配線を有するリジッド−フレックス配線基板の製造方法のプロセスの一例を示す概略断面図である。
符号の説明
10:導電性層つき絶縁性樹脂フイルム記載(フレキシブル多層配線板)
12:可撓性樹脂フイルム基材
22:導電性層
24:導電性パターン(配線)
14:カバーレイ
26A:固体絶縁樹脂層
28A:第2の導電性層
28B:第2の導電性パターン(第2の配線)
32:貫通孔(スルーホール)
34A:めっき膜(金属層)
34B:配線パターン
36:ソルダーレジスト
P:リジッド−フレックス多層プリント配線板

Claims (8)

  1. (a)可撓性樹脂フイルム基材表面に、該基材と相互作用を形成しうる密着補助層を形成する工程と、(b)該密着補助層表面に、密着補助層及び導電性層と相互作用を形成しうる導電性物質吸着性樹脂前駆体層を形成する工程と、(c)該導電性物質吸着性樹脂前駆体層にエネルギーを付与してエネルギー付与領域に該密着補助層と結合した導電性物質吸着性樹脂層を形成する工程と、(d)該導電性物質吸着性樹脂層に導電性材料を吸着させ、導電性層を形成する工程と、を経て、フレックス配線基板を得た後、
    (e)該フレックス配線基板の表面の一部分に可撓性を有しない固体絶縁性樹脂層を形成する工程と、(f)該固体絶縁性樹脂層表面に、第2の導電性層を形成する工程と、を実施することを特徴とするリジッド−フレックス多層配線基板の製造方法。
  2. 前記(f)該固体絶縁性樹脂層表面に、第2の導電性層を形成する工程が、
    (a−2)該固体絶縁性樹脂層表面に、該固体絶縁樹脂層と相互作用を形成しうる第2の密着補助層を形成する工程と、(b−2)該第2の密着補助層表面に、密着補助層及び導電性層と相互作用を形成しうる第2の導電性物質吸着性樹脂前駆体層を形成する工程と、(c−2)該第2の導電性物質吸着性樹脂前駆体層にエネルギーを付与してエネルギー付与領域に該第2の密着補助層と結合した第2の導電性物質吸着性樹脂層を形成する工程と、(d−2)該第2の導電性物質吸着性樹脂層に導電性材料を吸着させ、第2の導電性層を形成する工程と、を含むことを特徴とする請求項1に記載のリジッド−フレックス多層配線基板の製造方法。
  3. 前記導電性物質吸着性樹脂前駆体層が、導電性物質を吸着しうる官能基と、重合性二重結合とを有する分子量が1000以上300000以下のオリゴマーもしくはポリマーを含有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のリジッド−フレックス多層配線基板の製造方法。
  4. 前記導電性物質を吸着しうる官能基と、重合性二重結合とを有する分子量が1000以上300000以下のオリゴマーもしくはポリマーが、下記式(1)で表されるユニット、及び、下記式(2)で表されるユニットを含む共重合体である請求項3記載のリジッド−フレックス多層配線基板の製造方法。
    Figure 2008258211
    式(1)及び式(2)中、R〜Rは、夫々独立して、水素原子、又は置換若しくは無置換のアルキル基を表し、X、Y及びZは、夫々独立して、単結合、置換若しく無置換の二価の有機基、エステル基、アミド基、又はエーテル基を表し、L及びLは、夫々独立して、置換若しくは無置換の二価の有機基を表す。
  5. 前記(d)導電性物質吸着性樹脂層に導電性材料を吸着させ、導電性層を形成する工程が、前記導電性物質吸着性樹脂層に導電性材料を吸着させる工程と、吸着させた導電性材料を触媒としてめっきを行う工程とを含むことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項記載のリジッド−フレックス多層配線基板の製造方法。
  6. 前記エネルギーの付与が波長160nm〜450nmの光を照射することにより行われる請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のリジッド−フレックス多層配線基板の製造方法。
  7. 前記密着補助層が波長160nm〜450nmの光を照射することにより活性種を生成する物質を含有する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のリジッド−フレックス多層配線基板の製造方法。
  8. 可撓性樹脂フイルム基材表面に第1の導電性層を有するフレックス配線基板の表面の一部分に可撓性を有しない固体絶縁性樹脂層及び第2の導電性層を形成してなるリジッド−フレックス多層配線基板であって、
    該可撓性樹脂フイルム基材表面に形成された第1の導電性層が、該可撓性樹脂フイルム基材と相互作用を形成しうる密着補助層、該密着補助及び導電性層と相互作用を形成しうる導電性物質吸着性樹脂前駆体層を有する積層体にエネルギーを付与してエネルギー付与領域に該密着補助層と結合した導電性物質吸着性樹脂層を形成し、該導電性物質吸着性樹脂層に導電性材料を吸着させて形成されたものであることを特徴とするリジッド−フレックス多層配線基板。
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