JP2006060149A - 多層配線板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 平滑な絶縁基板上に、導体回路層と絶縁樹脂層との密着性が改良された、均一で且つ微細な配線を形成しうる多層配線板の製造方法を提供する。
【解決手段】 (a)絶縁基板上に、任意に形成された第1の導電性パターン上に、エポキシ樹脂を主成分とする絶縁樹脂層を形成する工程と、(b)該絶縁樹脂層の表面に二重結合を有する化合物を塗布し、パターン状に紫外光を照射して、絶縁材料層上にグラフトポリマーパターンを形成する工程と、(c)(b)工程の前又は後に該絶縁樹脂層にバイアホール用開口を形成する工程と、(d)該絶縁樹脂層にめっきを施して、グラフトポリマーパターンに応じた第2の導電性パターン及びバイアホールを形成し、該バイアホールにより、第2の導電性パターンと第1の導電性パターンとを電気的に接続して導電経路を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、多層プリント配線板の製造方法に関し、詳細には回路の密着性向上を目的としてなされる樹脂層の粗面化ムラに起因する回路の剥離強度の低下が抑制され、信頼性に優れたビルドアップ多層プリント配線板の製造方法に関する。
絶縁性基材の表面に回路を形成したプリント配線板が、電子部品や半導体素子に広く用いられている。近年の電子機器の小型化、高機能化の要求に伴い、該プリント配線板に対しては、回路の高密度化、薄型化が要望されている。
多層プリント配線板を製造する方法としては、従来、内層回路板の表面に、ガラス布等の基材にエポキシ樹脂等を含浸してなるプリプレグを介して銅箔を重ね、熱板プレスにて加熱一体成形する、いわゆるシーケンシャル積層法という技術が知られている。しかし、このシーケンシャル積層法では、プリプレグの介在を必須とするため所望の薄型配線板を得るのが困難であり、近年の多層プリント配線板の高密度化や薄型化の要請に対応できないのが現状である。
これに対して、近年では、熱板プレスによる加熱加圧成形を必要とせず、絶縁樹脂層に直接導体回路を形成する、いわゆるビルドアップ方式による多層プリント配線板の製造技術が注目を浴びている。このビルドアップ方式による多層プリント配線板の製造方法によれば、導体回路層と絶縁樹脂層とを交互に形成しつつ、積層して多層化するため、層間接着のための介在物が不要な分、配線板の高密度化及び薄型化に対応することができる。
しかしながら、このビルドアップ方式にて製造した多層プリント配線板は、プリプレグを用いて加熱加圧成形することにより製造した多層プリント配線板よりも一般的には導体回路の絶縁樹脂層に対する密着性が十分ではなく、剥離強度が低くなる傾向があり、特に量産時においては、シーケンシャル積層法に比較して、絶縁樹脂層表面の粗面化による表面性状のムラに起因する剥離強度の大幅な低下がみられた。この剥離強度の低下は、回路の接続信頼性や層間絶縁性に大きく影響するという問題があった。
これを改良するため、絶縁樹脂層に粗面化処理を施す前又は後に短波長紫外線を照射する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。これにより、粗面化処理液濡れ性又は粗面化後の無電解めっき触媒の吸着性が向上し、剥離強度の改良は見られるものの、実用上、均一で信頼性の高い微細回路を形成するのに十分な密着強度は得られていないのが実情である。また、この方法では、レジスト塗布、レジスト露光、エッチング、レジスト剥離などの複雑な工程を必要とし、また、エッチング廃液の問題もあり、環境的見地からも対策が望まれていた。
特開2001−85840公報
上記従来の技術の欠点を考慮してなされた本発明の目的は、平滑な絶縁基板上に、導体回路層と絶縁樹脂層との密着性が改良された、均一で且つ微細な配線を形成しうる多層配線板の製造方法を提供することにある。
本発明者は鋭意検討の結果、多層配線を形成する際に、エポキシ樹脂を主成分とする絶縁層表面に直接結合したグラフトポリマーパターンをめっき受容領域として無電解めっき処理を施すことで、上記目的を達成しうることを見出して本発明を完成した。
即ち、本発明の多層配線板の製造方法は、(a)絶縁基板上に、任意に形成された第1の導電性パターン上に、エポキシ樹脂を主成分とする絶縁樹脂層を形成する工程と、(b)該絶縁樹脂層の表面に二重結合を有する化合物を塗布し、パターン状に紫外光を照射して絶縁材料層上にグラフトポリマーパターンを形成する工程と、(c)(b)工程の前又は後に該絶縁樹脂層にバイアホール用開口を形成する工程と、(d)該絶縁樹脂層に無電解めっきを施して、グラフトポリマーパターンに応じた第2の導電性パターン及びバイアホールを形成し、該バイアホールにより、第2の導電性パターンと第1の導電性パターンとを電気的に接続して導電経路を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
即ち、本発明の方法における2つの態様としては、(第1の態様)(a)絶縁基板上に、任意に形成された第1の導電性パターン上に、エポキシ樹脂を主成分とする絶縁樹脂層を形成する工程、(c)該絶縁樹脂層にバイアホール用開口を形成する工程、(b)該絶縁樹脂層の表面に二重結合を有する化合物を塗布し、パターン状に紫外光を照射して絶縁材料層上にグラフトポリマーパターンを形成する工程、及び、(d)該絶縁樹脂層に無電解めっきを施して、グラフトポリマーパターンに応じた第2の導電性パターン及びバイアホールを形成し、該バイアホールにより、第2の導電性パターンと第1の導電性パターンとを電気的に接続して導電経路を形成する工程をこの順に実施する態様と、(第2の態様)(a)絶縁基板上に、任意に形成された第1の導電性パターン上に、エポキシ樹脂を主成分とする絶縁樹脂層を形成する工程、(b)該絶縁樹脂層の表面に二重結合を有する化合物を塗布し、パターン状に紫外光を照射して絶縁材料層上にグラフトポリマーパターンを形成する工程、(c)該グラフトポリマーパターンを形成した絶縁樹脂層にバイアホール用開口を形成する工程、及び、(d)該絶縁樹脂層に無電解めっきを施して、グラフトポリマーパターンに応じた第2の導電性パターン及びバイアホールを形成し、該バイアホールにより、第2の導電性パターンと第1の導電性パターンとを電気的に接続して導電経路を形成する工程を、この順に行う態様がある。
なお、(b)工程において、絶縁樹脂層上に形成されたグラフトポリマーパターンが、グラフトポリマーの存在領域/非存在領域からなるものであり、グラフトポリマーの存在領域に選択的にめっき膜が形成され、導電性パターンが形成されることが好ましい態様である。
本発明の多層配線板の製造方法において、エポキシ樹脂を主成分とする絶縁樹脂層は、JIS B0601(1994年)、10点平均高さ法で測定した平均粗さ(Rz)が3μm以下である平滑性を有し、且つ、グロー処理、粗面化処理などの活性点発生や密着性向上のための前処理を行っていないものが好ましく、本発明の方法によれば、このような平滑な絶縁樹脂層上であっても密着性に優れた高精細な配線(回路)を形成しうる。
本発明によれば、平滑な絶縁樹脂層表面に、導体回路層と絶縁樹脂層との密着性が改良された、均一で且つ微細な配線を形成しうる多層配線板の製造方法を提供することができる。
さらに、本発明の方法によれば、平滑な絶縁樹脂層に、何らの前処理を施すことなく、めっき受容性に優れた高精細なグラフトポリマーパターンを形成しうるため、高精細で均一な配線を有する多層配線板を簡易な方法で製造することができる。
本発明の多層プリント配線板の製造方法では、エポキシ樹脂を主成分とする絶縁樹脂層表面にグラフトポリマーを形成させ,それを基点として無電解めっきをおこなうことを特徴とする。グラフトポリマーは絶縁性樹脂表面に共有結合により強固に結合しているため,それを基点として形成されためっき膜(金属膜)は絶縁性樹脂と強固に接合し,従来行われていた表面凹凸化処理を行わなくとも高い密着を発現する。また表面凹凸化処理されておらず平坦で密着を発現するために、本発明により得られた多層配線板は、高周波送電に対して好ましい性能を示す。特に本発明の方法によれは多層プリント配線板として有用なエポキシ樹脂に対して高い密着を示す微細配線を形成することができる。
以下、本発明の多層配線板の製造方法について、その構成および工程を順次詳細に説明する。
本発明の多層配線板においては、該絶縁基板に存在する導電性パターンとその上部に存在する絶縁材料層上に形成された第2の導電性パターンとを電気的に接続する導電性経路を有するが、その際、第2の導電パターンが、グラフトポリマーパターンに対応して形成されることを大きな特徴とする。
本法で使用される絶縁樹脂層はエポキシ樹脂を主成分とするものであり、まず、エポキシ樹脂を主成分とする絶縁樹脂層(以下、適宜、エポキシ樹脂製絶縁樹脂層と称する)について説明する。
〔エポキシ樹脂を主成分とする絶縁樹脂層〕
本発明においてエポキシ樹脂を主成分とする絶縁樹脂層を形成するエポキシ樹脂は、(A)1分子中にエポキシ基2個以上を有するエポキシ化合物と(B)1分子中に2個以上のエポキシ基と反応する官能基を有する化合物との反応物で構成される。(B)における官能基としてはカルボキシル基,水酸基,アミノ基,チオール基などの官能基から選ばれる。
(A)1分子中にエポキシ基2個以上を有するエポキシ化合物は、エポキシ基を2個以上、好ましくは2〜50個、より好ましくは2〜20個を1分子中に有するエポキシ化合物(エポキシ樹脂と称されるものを含む)である。エポキシ基は、オキシラン環構造を有する構造であればよく、例えば、グリシジル基、オキシエチレン基、エポキシシクロヘキシル基等を示すことができる。このような多価エポキシ化合物は、例えば、新保正樹編「エポキシ樹脂ハンドブック」日刊工業新聞社刊(昭和62年)等に広く開示されており、これらを用いることが可能である。
具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、3官能型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA含核ポリオール型エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリオキザール型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂などを挙げることができる。
本発明に適用される特に好ましいエポキシ樹脂層の構成の一つとして、プリント電気配線分野で使用されるエポキシ樹脂基板と同様の素材からなる絶縁樹脂層が挙げられる。このような樹脂基板を構成する組成物としては、具体的には、例えば、特開2001−181375号公報記載の(A)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、(B)フェノール系硬化剤、(C)ビスフェノールS骨格を有し、重量平均分子量が5,000乃至100,000であるフェノキシ樹脂、及び(D)硬化促進剤を必須成分とするエポキシ樹脂組成物や、特開2002−179887号公報記載の、(A)フェノキシホスファゼン化合物又は縮合型リン酸エステル化合物、(B)リン含有ポリエポキシド化合物、(C)窒素含有エポキシ樹脂用硬化剤、及び(D)無機充填剤を必須成分とすることを特徴とするハロゲンフリーの難燃性エポキシ樹脂組成物などを挙げることができる。
その他、特開平8−212832号、特開平10−1596号の各公報に記載の感光性を付与されたエポキシ基板、特開2002−171074号、特開2002−179887号、特開2001−49125号、及び、特開2000−198907号などの各公報に記載の難燃性エポキシ基板の素材もまた本発明の絶縁樹脂層に適用することができる。
本発明において、エポキシ樹脂を主成分とする絶縁樹脂層とは、絶縁樹脂層を構成する全成分中、エポキシ樹脂が30質量%以上含まれる態様を指す。絶縁樹脂層を形成する際には、エポキシ樹脂の機械強度,耐熱性,耐候性,難燃性,耐水性,電気特性などの特性を強化するために、エポキシ樹脂を30質量%以上含み、さらに他の樹脂成分や導電性を調整するフィラーを含むコンポジット(複合素材)も使用することができる。複合化するのに使用される材料としては、シリカ粒子などの導電性調整材や、フェノール樹脂,ポリイミド樹脂,ビスマレイミドトリアジン樹脂,フッ素樹脂,ポリフェニレンオキサイド樹脂などの樹脂成分を挙げることができる。
このような他の成分を添加する場合は、エポキシ樹脂に対して1〜200質量%の範囲、好ましくは10〜80質量%の範囲で添加される。添加成分がエポキシ樹脂に対して1質量%未満であると添加の効果が十分に得られず、他の成分を200質量%を超えて添加すると、エポキシ樹脂の強度などの特性が低下する懸念があり、さらにまたグラフトポリマーの形成反応が進行し難くなり、いずれも好ましくない。
本発明におけるエポキシ樹脂製絶縁樹脂層は、これらのエポキシ樹脂を塗布し、硬化して得られる。層の厚みには特に制限はなく、目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、10〜200μmの範囲である。
本発明に用いられるエポキシ樹脂製絶縁樹脂層は、本発明に係るエポキシ樹脂の特性により、一般的に回路との密着性向上などを目的としてしばしば行われる電子線照射、プラズマ照射、グロー処理などの高エネルギー付与による表面活性化処理を行うことなく、二重結合化合物を接触させ、紫外線照射するのみで簡易に表面グラフトが形成されることを特徴とするが、得られる表面グラフト材料の特性を考慮すればエポキシ樹脂製絶縁樹脂層表面は平滑であることが好ましく、この観点からは、本発明における樹脂層表面は何らの表面処理、前処理を行うことなく使用されることが好ましい。具体的には、先に述べたように、JIS B0601(1994年)、10点平均高さ法で測定した平均粗さ(Rz)が3μm以下である平滑性を有するものが好ましい。
また、絶縁樹脂層と同様に、本発明に用い基板、特に好ましくはエポキシ樹脂を主成分とする基板も、表面平滑性に優れたものが好ましく、Rz値換算(10点平均高さ:JIS規格B0601)で3μm以下であることがより好ましく、1μm以下であることがさらに好ましい。基板及び絶縁樹脂層の表面平滑性が上記値の範囲内、すなわち、実質的に凹凸がない状態であれば、配線が極めて微細なものであっても、基板の表面粗さに影響されることなく高精度で形成可能となる。つまり、回路が高密度かつ高精度に形成されてなる配線板の製造が可能となる。
ここで用いられるエポキシ樹脂を主成分とする基板に用いられるエポキシ樹脂は、先に述べた絶縁樹脂層を構成するエポキシ樹脂と同様のものが挙げられ、複合素材も同様に用いることができるが、エポキシ樹脂基板では、さらに、前記した複合素材の複合材料、複合樹脂に加え、紙、ガラス繊維、シリカ粒子などの補強材、充填材を添加したものであってもよい。
〔表面グラフト形成方法〕
本発明では、エポキシ樹脂製絶縁樹脂層表面に、二重結合を有する化合物(以下、適宜、二重結合化合物と称する)を接触させ、紫外線照射によりエネルギーを付与して、該樹脂層表面と直接結合するグラフトポリマーを生成させることを特徴とする。次に、ここで用いる二重結合を有する化合物について説明する。
〔二重結合化合物〕
使用する二重結合化合物としては、重合性基を有するモノマー、マクロマー、あるいは二重結合を有する高分子化合物のいずれも用いることができる。これらの化合物は公知のものを任意に使用することができる。これらのうち、本発明において特に有用な化合物は重合性基を有し、かつ極性官能基を有する化合物である。この極性官能基により、形成されたグラフトポリマーに、親水性或いは無電解めっき触媒(前駆体)との相互作用性などの特性を付与することができる。極性官能基としては、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、スルホン酸基、ホスホン酸基、アミド基、などの親水性基をあげることができる。
本発明に用いうる二重結合を有するモノマーとしては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸若しくはそのアルカリ金属塩及びアミン塩、イタコン酸若しくはそのアルカリ金属塩及びアミン塩、スチレンスルホン酸若しくはそのアルカリ金属塩及びアミン塩、2−スルホエチル(メタ)アクリレート若しくはそのアルカリ金属塩及びアミン塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸若しくはそのアルカリ金属塩及びアミン塩、アシッドホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート若しくはそのアルカリ金属塩及びアミン塩、ポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−モノメチロール(メタ)アクリルアミド、N−ジメチロール(メタ)アクリルアミド、アリルアミン若しくはそのハロゲン化水素酸塩、、N−ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、ビニルチオフェン、スチレン、エチル(メタ)アクリル酸エステル、n-ブチル(メタ)アクリル酸エステルなど炭素数1〜24までのアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルなどを挙げることができる。
本発明においては、二重結合化合物として、モノマーのみならず、マクロマー、ポリマーも好ましく使用することができる。本発明に用いうる二重結合を有するマクロマーは、前記モノマーを用いて公知の方法にて作製することができる。本態様に用いられるマクロモノマーの製造方法は、例えば、平成1年9月20日にアイピーシー出版局発行の「マクロモノマーの化学と工業」(編集者 山下雄也)の第2章「マクロモノマーの合成」に各種の製法が提案されている。これらのマクロモノマーのうち有用な重量平均分子量は250〜10万の範囲で、特に好ましい範囲は400〜3万である。
本発明に用いうる二重結合を有する高分子化合物とは、重合性基として、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリル基などのエチレン付加重合性不飽和基(重合性基)を導入したポリマーを指し、このポリマーは、少なくとも末端又は側鎖に重合性基を有するものであり、側鎖に重合性基を有するものがより好ましい。
二重結合を有する高分子化合物は重合性基のほかにも、前記したようにカルボキシル基などの、極性基、或いは、表面に導入しようとする機能性材料と相互作用性可能な官能基を有することが好ましい。
重合性基を有する高分子化合物の有用な重量平均分子量は500〜50万の範囲で、特に好ましい範囲は1000〜5万の範囲である。
二重結合化合物として、末端のみならず、側鎖に複数の重合性基を有するマクロマー、ポリマーを用いることで、グラフト生成密度が向上し、均一で高密度のグラフトが生成される。このため、このような表面グラフト材料に無電解めっき触媒或いはその前駆体を付着する際にも、付着密度が向上し、優れためっき受容性領域を得ることができる。マクロマーやポリマーを二重結合化合物として用いる場合には、重合性基が高密度に存在することから、重合開始剤を共存させたり、高エネルギーの電子線を用いる公知の方法を用いてグラフト生成すると、先に述べたホモポリマーの生成が著しく、また、形成されたホモポリマーの除去性もより低下することから、このような二重結合化合物を用いた場合に、本発明の効果が著しいことがわかる。
また、製造方法の観点からは、ポリマーを用いて塗布法により二重結合化合物を絶縁樹脂層表面に接触させる場合には、均一な厚みの高分子塗布膜が容易に形成され、モノマー塗布の場合に必要とする塗布液保護用カバーが不要となり、二重結合化合物を任意の厚みで均一に接触させることが可能となるため、形成されるグラフトポリマーの均一性が向上し、製造適性に優れるという利点をも有するものである。このような理由から、大面積、或いは大量の製造においては、二重結合を有するポリマー(高分子化合物)を用いることが製造適性上特に有用である。
このような重合性基と相互作用性基とを有する高分子化合物の合成方法としては、、i)相互作用性基を有するモノマーと重合性基を有するモノマーとを共重合する方法、ii)相互作用性基を有するモノマーと二重結合前駆体を有するモノマーとを共重合させ、次に塩基などの処理により二重結合を導入する方法、iii)相互作用性基を有するポリマーと重合性基を有するモノマーとを反応させ、二重結合を導入(重合性基を導入する)方法が挙げられる。
好ましい合成方法は、合成適性の観点から、ii)相互作用性基を有するモノマーと二重結合前駆体を有するモノマーとを共重合させ、次に塩基などの処理により二重結合を導入する方法、iii)相互作用性基を有するポリマーと重合性基を有するモノマーとを反応させ、重合性基を導入する方法である。
なお、本発明においてii)のグラフトポリマー合成方法に用いうる相互作用性基を有するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸若しくはそのアルカリ金属塩及びアミン塩、イタコン酸若しくはそのアルカリ金属塩及びアミン塩、より具体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−モノメチロール(メタ)アクリルアミド、N−ジメチロール(メタ)アクリルアミド、アリルアミン若しくはそのハロゲン化水素酸塩、3−ビニルプロピオン酸若しくはそのアルカリ金属塩及びアミン塩、ビニルスルホン酸若しくはそのアルカリ金属塩及びアミン塩、2−スルホエチル(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アシッドホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン(下記構造)、スチレンスルホン酸ナトリウム、ビニル安息香酸等が挙げられ、一般的には、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基若しくはそれらの塩、水酸基、アミド基、ホスフィン基、イミダゾール基、ピリジン基、若しくはそれらの塩、及びエーテル基などの官能基を有するモノマーが使用できる。
Figure 2006060149
上記相互作用性基を有するモノマーと共重合する重合性基を有するモノマーとしては、アリル(メタ)アクリレート、2−アリルオキシエチルメタクリレートが挙げられる。
また、二重結合前駆体を有するモノマーとしては2−(3−クロロ−1−オキソプロポキシ)エチルメタクリレー卜や、特開2003−335814号公報に記載の化合物(i−1〜i−60)が使用することができ、これらの中でも、特に下記化合物(i−1)が好ましい。
Figure 2006060149
更に、相互作用性基を有するポリマー中の、カルボキシル基、アミノ基若しくはそれらの塩、水酸基、及びエポキシ基などの官能基との反応を利用して、不飽和基を導入するために用いられる重合性基を有するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレートなどがある。
ii)相互作用性基を有するモノマーと二重結合前駆体を有するモノマーとを共重合させた後の、塩基などの処理により二重結合を導入する方法については、例えば、特開2003−335814号公報に記載の手法を用いることができる。
〔表面グラフト重合〕
本発明の多層配線板の形成方法において、エポキシ樹脂製絶縁樹脂層表面に生成されるグラフトポリマ−(表面グラフトポリマー)は、一般的に表面グラフト重合と呼ばれる手段を用いて作製される。
グラフト重合とは高分子化合物鎖上に活性種を与え、これによって重合を開始する別の単量体を更に重合させ、グラフト(接ぎ木)重合体を合成する方法であり、特に活性種を与える高分子化合物が固体表面を形成する時には表面グラフト重合と呼ばれる。
本発明では、上記で説明したエポキシ樹脂からなる絶縁層表面に、二重結合化合物を接触させ、紫外線を照射することで、該基材上に活性点を発生させ、この活性点と該化合物の重合性基と基材とが反応し、表面グラフト重合反応が引き起こされる。
エポキシ樹脂製絶縁樹脂層表面に、二重結合を有する化合物を接触させる方法としては、第1の導電パターンを有する基材ごと、該二重結合化合物を含有する液状の組成物中に浸漬することで行ってもよいが、取り扱い性や製造効率、さらには、形成された回路への影響を考慮すれば、該二重結合化合物を絶縁樹脂層表面にそのまま塗布するか、或いは、それを主成分として含有する組成物を塗布して、表面に二重結合化合物を含有する層を形成することにより行うことが好ましい。
この接触に際しては、ホモポリマーの所望されない生成を抑制する観点から、重合開始能を有する化合物の非存在下で行われることが好ましい。即ち、接触が二重結合化合物単体で行われる場合には、当然他の化合物が共存しないことになるが、二重結合化合物を溶剤に溶解するか、分散媒中に分散させて接触させる場合、その二重結合化合物含有組成物中には、重合開始剤などの重合反応に関与しうる他の化合物を含まないことを要する。従って、浸漬法及び塗布法のいずれであっても、用いられる二重結合化合物含有組成物は、好ましくは、主成分として二重結合化合物及び溶媒又は分散媒のみからなる組成物であり、他の化合物を含む場合であっても、所望により塗布性や面状性などの液体組成物物性の向上を目的とした界面活性剤などに限ることが好ましい。塗布法を用いる場合でも、塗布後、乾燥により溶剤を除去した後露光を行うことが好ましい。
二重結合化合物含有組成物に使用する溶剤は、主成分である重合性基や相互作用性基を有する化合物、親水性モノマーなどを溶解或いは分散することが可能であれば特に制限はないが、水、水溶性溶剤などの水性溶剤が好ましく、これらの混合物や、溶剤に更に界面活性剤を添加してもよい。
使用できる溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールモノメチルエーテルの如きアルコール系溶剤、酢酸の如き酸、アセトン、シクロヘキサノンの如きケトン系溶剤、ホルムアミド、ジメチルアセトアミドの如きアミド系溶剤、などが挙げられる。
必要に応じて溶剤に添加することのできる界面活性剤は、溶剤に溶解するものであればよく、そのような界面活性剤としては、例えば、n−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの如きアニオン性界面活性剤や、n−ドデシルトリメチルアンモニウムクロライドの如きカチオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル(市販品としては、例えば、エマルゲン910、花王(株)製など)、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(市販品としては、例えば、商品名「ツイーン20」など)、ポリオキシエチレンラウリルエーテルの如き非イオン性界面活性剤等が挙げられる。
絶縁樹脂層表面に組成物を液状のまま接触させてグラフトポリマー生成を行う場合には、任意に行うことができるが、塗布法により基材表面に組成物を適用する場合の塗布量としては、充分な塗布膜を得る観点からは、固形分換算で0.1〜10g/m2が好ましく、特に0.5〜5g/m2が好ましい。
以下、本発明にかかる多層プリント配線板の製造方法について具体的に説明する。
まず、絶縁基板上に任意の導電性パターン(第1の導電パターン)を有する積層体を準備する。ここで用いられる絶縁基板はエポキシ樹脂基板であり、前記のエポキシ樹脂製絶縁樹脂層と同様の素材で構成される。
この第1の導電性パターンの形成方法は任意であり、銅張積層板をエッチングして銅パターンとするか、もしくはレジストを介する無電解めっきを施して銅パターンとする方法など、公知の方法により形成されたものであっても、後述する第2の導電性パターンと同様に、グラフトポリマーパターンを利用して形成されたものであってもよい。
本発明の(a)工程は、このような絶縁基板上に、任意に形成された第1の導電性パターン上にさらにエポキシ樹脂を主成分とする絶縁樹脂層を形成する工程である。
絶縁樹脂層は、エポキシ樹脂であれば、熱硬化性樹脂、感光性樹脂、熱可塑性樹脂、又はこれらの樹脂を適宜に組み合わせた光硬化熱硬化型樹脂、ならびに海島構造やIPN構造(相互侵入網目構造)等を有する複合樹脂等のいずれを用いて形成してもよい。具体的には、耐熱性、絶縁性及び耐めっき液性を備えているものであれば特に限定されるものでなく、例えば、エポキシ樹脂、エポキシアクリレート、変性エポキシ樹脂、エポキシ−PES樹脂複合体等の先に挙げたエポキシ樹脂から任意に選択して使用できる。この絶縁樹脂層は、例えば、基板上に、未硬化の絶縁樹脂層形成用エポキシ樹脂材料をスクリーン印刷法やスプレー法、カーテンコート法等の公知慣用の方法にて塗布乾燥して硬化させるか、又は絶縁樹脂フィルムをラミネートした後、硬化することにより形成することができる。
なお、絶縁樹脂層を形成する前に第1の回路層間の凹部に絶縁樹脂を埋込み、基板表面を予め平滑化することができる。これにより、絶縁樹脂層の厚みが均一となり、その後の工程における信頼性が得られる。
〔接着剤層〕
なお、絶縁基板上に第1の回路(第1の導電性パターン)を形成した後に、その上にビルドアップにより配線板(多層配線板)を製造する場合には、必要に応じ絶縁樹脂層(=絶縁性基板)と第1の回路との密着性を上げるために第2の絶縁樹脂層の裏面に接着層を設けてもよい。
接着層には、例えば、従来の接着性樹脂が用いられ、適当な樹脂流れ性を有し、強固な接着性を実現できるものであれば公知の技術を適用することができる。また、接着層は、金属微小粒などの適当な導電性粒子を含む、導電性接着層であってもよい。
接着層の種類は特に限定されないが、含有する接着性樹脂の種類で大別すれば、(A)熱可塑性樹脂を用いた熱融着性の接着剤、(B)熱硬化樹脂(熱硬化型樹脂)の硬化反応を利用した硬化型接着剤、の二種類が代表的なものとなる。
次に、(b)該絶縁樹脂層の表面に二重結合を有する化合物を塗布し、パターン状に紫外光を照射して、絶縁材料層上にグラフトポリマーパターンを形成する工程を行うが、この工程に先立って或いはこの工程の後に、以下に詳述する(c)絶縁樹脂層にバイアホール用開口を形成する工程を実施する。
この(b)工程における該グラフトポリマーパターンの形成方法は先に詳述した通りである。即ち、エポキシ樹脂製絶縁樹脂層表面へ二重結合を有する化合物を接触させ、紫外線によるパターン露光を行うと、露光領域のみに絶縁樹脂層表面と直接結合したグラフトポリマーパターンが形成される。
〔紫外線照射〕
エポキシ樹脂製絶縁樹脂層表面に活性点を発生させ、グラフトを生成させるためのエネルギー付与方法としては、紫外線の照射を用いることができる。例えば、UVランプ、ブラックライトなどによる光照射が可能である。
光源としては、例えば、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、等がある。また、g線、i線、Deep−UV光も使用される。
エネルギー付与に要する時間としては、目的とするグラフトポリマーの生成量及び光源により異なるが、通常、10秒〜5時間の間である。
また、高解像度のパターンを形成するための好ましい露光光源としては、254nm、365nmの露光波長を有し、平行光露光しうる水銀灯(低圧、中圧、高圧、超高圧)が挙げられ、平行光にて露光するコンタクトアライナーと称する方法で行うことが一般的である。また、他の露光方法としては、光学系を用いた光ビーム走査露光、マスクを用いた露光などが挙げられ、所望のパターンの解像度に応じた露光方法をとればよく、パターン形成されたマスクフィルムを絶縁樹脂層表面に密着させ、マスクフィルムを介して露光するか、走査露光を行えばよい。紫外線は比較的短波長であるため、平行光源を用いることで、パターン幅100μm以下、好ましくは3〜25μmのものを形成することで、マスクフィルムのパターンに応じた高精細なパターンを形成することが可能である。
露光後に溶媒による洗浄、例えば水による洗浄が行われ未反応の二重結合化合物が除去されてグラフトポリマーパターンが形成される。本発明の方法では所望されないホモポリマーの形成がなく、不純物は簡易な洗浄により容易に除去され、露光条件に応じた高精細なグラフトポリマーパターンが形成される。
形成されるグラフト膜は、膜厚が0.1〜2.0g/m2の範囲にあることが好ましく、0.3〜1.0g/m2 がさらに好ましく、最も好ましくは、0.5〜1.0g/m2の範囲である。
このようなグラフトポリマーパターン形成領域は、極性基、或いは無電解めっき触媒(前駆体)との相互作用性基を有することで、無電解めっきを行う場合に優れためっき受容性を有する領域となる。
前記(b)工程の前又は後に実施される(c)絶縁材料層にビアホール用開口を形成する工程は、後述する第2の導電性パターンと前記第1の導電性パターンとを電気的に接続する導電経路を形成するための開口部を形成する工程である。
開口部を形成する加工方法としては、公知のドリルマシン、ドライプラズマ装置、炭酸ガスレーザー、UVレーザー、エキシマレーザー等を用いた方法が例示されるが、中でも、UV−YAGレーザー、エキシマレーザーを用いる方法が、小径かつ良好な形状のビア形成が可能なためより好ましい。なお、炭酸ガスレーザーなどを用いる方法のように、レーザー加熱による分解にてビア用開口部を形成する場合には、さらにデスミア処理を行うことがより好ましい。デスミア処理により、後工程におけるビア内部の導電層形成をより良好に行うことができる。
次に、(d)絶縁樹脂層に無電解めっきを施して、グラフトポリマーパターンに応じた第2の導電性パターン及びバイアホールを形成し、該バイアホールにより、第2の導電性パターンと第1の導電性パターンとを電気的に接続して導電経路を形成する工程を実施する。
(b)乃至(c)工程において絶縁樹脂層表面にはグラフトポリマーがパターン状に形成されており、グラフトポリマー形成領域がめっき受容性領域となる。このため、グラフトポリマー形成領域に選択的に無電解めっきが施されて第2に導電パターンが形成される。また、無電解めっきを施すことで、ビアホール用開口部にも同時にめっきが施され、これにより、ビアが形成され、第1の導電パターンと第2の導電パターンとの間が電気的に接続され導電経路が形成される。
本工程で実施されるめっき処理は、銅めっき、ニッケルめっき等、金属の種類は特に限定されることなく、通常公知の無電解めっきを適用することができる。
無電解めっき処理を施す方法としては、具体的には、グラフトポリマー鎖の存在領域(グラフトパターン)に無電解めっき触媒またはその前駆体を付与し、その後、無電解めっきを行い、パターン状に金属膜を形成する方法が挙げられる。
<無電解めっき触媒>
本工程において用いられる無電解めっき触媒とは、主に0価金属であり、Pd、Ag、Cu、Ni、Al、Fe、Coなどが挙げられる。本発明においては、特に、Pd、Agがその取り扱い性の良さ、触媒能の高さから好ましい。0価金属を前記グラフトパターン上(相互作用性領域)に固定する手法としては、例えば、グラフトパターン上のこれら無電解めっき触媒(前駆体)と相互作用する官能基(相互作用性基)と、相互作用するように荷電を調節した金属コロイドを、相互作用性領域に適用する手法が用いられる。一般に、金属コロイドは、荷電を持った界面活性剤又は荷電を持った保護剤が存在する溶液中において、金属イオンを還元することにより作製することができる。金属コロイドの電荷は、ここで使用される界面活性剤又は保護剤により調節することができ、このように電荷を調節した金属コロイドをり、グラフトパターンが有する相互作用性基と相互作用させることで、グラフトパターン上に選択的に金属コロイド(無電解めっき触媒)を吸着させることができる。
<無電解めっき触媒前駆体>
本工程において用いられる無電解めっき触媒前駆体とは、化学反応により無電解めっき触媒となりうるものであれば、特に制限なく使用することができる。主には上記無電解めっき触媒で用いた0価金属の金属イオンが用いられる。無電解めっき触媒前駆体である金属イオンは、還元反応により無電解めっき触媒である0価金属になる。無電解めっき触媒である金属イオンは、基材へ付与した後、無電解めっき浴への浸漬前に、別途還元反応により0価金属に変化させて無電解めっき触媒としてよいし、無電解めっき触媒前駆体のまま無電解めっき浴に浸漬し、無電解めっき浴中の還元剤により金属(無電解めっき触媒)に変化させてもよい。
実際、無電解めっき前駆体である金属イオンは、金属塩の状態でグラフトパターンに付与して相互作用させる。使用される金属塩としては、適切な溶媒に溶解して、金属イオンと塩基(陰イオン)とに解離されるものであれば特に制限はなく、M(NO3n、MCln、M2/n(SO4)、M3/n(PO4)(Mは、n価の金属原子を表す)などが挙げられる。金属イオンとしては、上記の金属塩が解離したものを好適に用いることができる。具体例としては、例えば、Agイオン、Cuイオン、Alイオン、Niイオン、Coイオン、Feイオン、Pdイオンが挙げられ、Agイオン、Pdイオンが触媒能の点で好ましい。
無電解めっき触媒である金属コロイド、或いは、無電解めっき前駆体である金属塩をグラフトパターン上に付与する方法としては、金属コロイドを適当な分散媒に分散、或いは、金属塩を適切な溶媒で溶解し、解離した金属イオンを含む溶液を調製し、その溶液をグラフトパターンが存在する基板表面に塗布するか、或いは、その溶液中にグラフトパターンを有する基板を浸漬すればよい。金属イオンを含有する溶液を接触させることで、前記グラフトパターン形成領域の相互作用性基に、イオン−イオン相互作用、または、双極性−イオン相互作用を利用して金属イオンを吸着させること、或いは、相互作用性領域に金属イオンを含浸させることができる。これら吸着或いは含浸を十分に行なわせるという観点からは、接触させる溶液の金属イオン濃度、或いは金属塩濃度は1〜50質量%の範囲であることが好ましく、10〜30質量%の範囲であることが更に好ましい。また、接触時間としては、1分〜24時間程度であることが好ましく、5分〜1時間程度であることがより好ましい。
次に、グラフトポリマー形成領域に無電解めっき触媒(前駆体)が吸着された基板に無電解めっきを行うことで、前工程により得られたグラフトパターン上に該パターンにしたがった高密度の金属膜が形成され、第2の導電性パターンが得られる。その結果、形成された金属パターンは、優れた導電性と、絶縁樹脂層との密着性が得られる。
<無電解めっき>
無電解めっきとは、めっきとして析出させたい金属イオンを溶かした溶液を用いて、化学反応によって金属を析出させる操作のことをいう。
本工程における無電解めっきは、例えば、前記無電解めっき触媒がパターン状に付与された基板を水洗して余分な無電解めっき触媒(金属)を除去した後、無電解めっき浴に浸漬して行なう。使用される無電解めっき浴としては一般的に知られている無電解めっき浴を使用することができる。
また、無電解めっき触媒がパターン状に付与された基板を、無電解めっき触媒前駆体がグラフトパターンに吸着又は含浸した状態で無電解めっき浴に浸漬する場合には、基板を水洗して余分な無電解めっき触媒前駆体(金属塩など)を除去した後、無電解めっき浴に浸漬する。この場合には、無電解めっき浴中において前駆体の還元と、それに引き続いて無電解めっきが行われる。この態様に用いられる無電解めっき浴としても、上記同様、一般的に知られている無電解めっき浴を使用することができる。
一般的な無電解めっき浴の組成としては、1.めっき用の金属イオン、2.還元剤、3.金属イオンの安定性を向上させる添加剤(安定剤)が主に含まれている。このめっき浴には、これらに加えて、めっき浴の安定剤など公知の添加物が含まれていてもよい。
無電解めっき浴に用いられる金属の種類としては、銅、すず、鉛、ニッケル、金、パラジウム、ロジウムが知られており、中でも、導電性の観点からは、銅、金が特に好ましい。
また、上記金属に合わせて最適な還元剤、添加物がある。例えば、銅の無電解めっきの浴は、銅塩としてCu(SO42、還元剤としてHCOH、添加剤として銅イオンの安定剤であるEDTAやロッシェル塩などのキレート剤が含まれている。また、CoNiPの無電解めっきに使用されるめっき浴には、その金属塩として硫酸コバルト、硫酸ニッケル、還元剤として次亜リン酸ナトリウム、錯化剤としてマロン酸ナトリウム、りんご酸ナトリウム、こはく酸ナトリウムが含まれている。また、パラジウムの無電解めっき浴は、金属イオンとして(Pd(NH34)Cl2、還元剤としてNH3、H2NNH2、安定化剤としてEDTAが含まれている。これらのめっき浴には、上記成分以外の成分が入っていてもよい。
このようにして形成される金属膜の膜厚は、めっき浴の金属塩または金属イオン濃度、めっき浴への浸漬時間、或いは、めっき浴の温度などにより制御することができるが、導電性の観点からは、0.5μm以上であることが好ましく、3μm以上であることがより好ましい。
また、めっき浴への浸漬時間としては、1分〜3時間程度であることが好ましく、1分〜1時間程度であることがより好ましい。
〔電気めっき〕
本発明における無電解めっきの実施後に、電気めっき処理を行うことができる。即ち、無電解めっき処理を用いて金属膜を形成した場合、形成された金属膜を電極として、さらに電気めっきを行うことができる。これにより基板との密着性に優れた金属膜パターンをベースとして、そこに新たに任意の厚みをもつ金属膜を容易に形成することができる。この工程を付加することにより、パターン状の金属膜を目的に応じた厚みに形成しうるため、所望の特性を有する導電性パターンを形成することが可能となる。
本発明における電気めっきの方法としては、従来公知の方法を用いることができる。なお、本工程の電気めっきに用いられる金属としては、銅、クロム、鉛、ニッケル、金、銀、すず、亜鉛などが挙げられ、導電性の観点から、銅、金、銀が好ましく、銅がより好ましい。
電気めっきにより得られる金属膜の膜厚については、用途に応じて異なるものであり、めっき浴中に含まれる金属濃度、浸漬時間、或いは、電流密度などを調整することでコントロールすることができる。なお、一般的な電気配線などに用いる場合の膜厚は、導電性の観点から、0.3μm以上であることが好ましく、3μm以上であることがより好ましい。
本発明の方法によれば、絶縁樹脂層に形成される第2の導電パターンは、基材との密着性に優れたグラフトポリマーパターンを介して化学的に結合される。このため、絶縁材料層と第2の導電性パターンとの密着強度は、仮に絶縁基板やその上に設けられる絶縁材料層の平滑性が高い場合であっても実用上十分な値を示す。
また、この工程では、前記(c)工程で形成した穴(ビア)に導電性材料を埋め込み導電性を付与することで、第2の導電性パターンと第1の導電性パターンとを電気的に接続する導電経路を形成する処理も同時に行われる。ビア内部を導電性にするために、ビア内部に導電材料を埋め込む方法をとればよい。この導電材料として、具体的には例えば、銅、ニッケル、クロム、チタン、アルミ、モリブデン、タングステン、亜鉛、錫、インジウム、金、銀、等の金属単体、またはこれらの合金(ニクロムなど)などの金属材料;ポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性高分子材料;グラファイト、導電性セラミックなどの非金属無機導電材料;等が挙げられる。
導電性材料を埋め込む方法としては、無電解めっき法あるいは塗布法が挙げられる。これらの方法をとる理由は、無電解めっき法や塗布法によれば、ビアの内面のような微細空間にも比較的均一かつ容易に導電性を形成することが可能であるためである。
例えば、ビアを前記金属材料で構成する場合には、特に好適には、触媒をビア内部に付与して、化学的な金属めっき法(無電解めっき法)を行う。この金属めっきはグラフト表面を金属めっき処理する際に同時に行うことが好適である。
また、ビア内部を導電性高分子材料で構成する場合には、無電解めっき法や塗布法を採用する。無電解めっき法では、適切な酸化剤をビア内部に付与した後に、ピロールやチオフェンモノマーを含む溶液、例えば、ピロール溶液に、積層体を浸漬すればよい。塗布法では、ポリピロールやポリ1、4ジオキシチオフェンなどの導電性高分子を溶媒に溶解した溶液を用い、この溶液をグラフト層およびビア上に塗布すれば良い。
また、ビア内部をグラファイトなどの非金属無機導電材料で構成する場合には、触媒を用いない無電解めっき法が好適に採用される。グラファイトめっきを例に挙げて説明すれば、ビアの表面を、前処理液で処理した後に、グラファイト分散液に積層体を浸漬すればよい。このプロセスに採用可能なグラファイトめっき液の代表例として、メック社のグラファイトめっき液であるダイレクトプレーティング(登録商標)が挙げられる。このグラファイトめっき液は、前処理液(メックSプロセス SP−6560)と、グラファイト分散液(メックSプロセス SP−6601)とがセットになったものである。
その後、さらに3層以上の多層配線板を製造する場合には、前記第2の導電パターン上に第2の絶縁樹脂層を形成し、前記本発明の工程(a)乃至(d)を同様に繰り返すことにより3層以上の配線を有するを形成することができる。
なお、本発明にかかる配線板の製造方法では、より好ましくは、第2の導電パターン、所望により設けられる第3の導電パターンは、表面平滑な絶縁樹脂層上に形成される。この場合、従来技術である粗面化された樹脂基板の表面に形成された無電解めっき金属層と比較して、本発明の多層配線板における第2、第3の回路層はより平滑な基板の上に密着性良好に形成される。そのため、本発明にかかる高精細導電性パターンの製造方法によれば、表面の凹凸による細線の乱れがなく、密着性に優れ、且つ、均一な特性を有する設計通りの良好な回路形状が得られる。
また、本発明にかかる配線板の製造方法の一特徴点として、回路形成時の絶縁特性の確保が容易である点が挙げられる。すなわち、従来のセミアディティブ法では、絶縁基板の表面全体に無電解銅めっきや無電解銅めっき触媒を付着させるため、これらの金属が残留しやすいため、得られる配線板上の配線間絶縁性が低下しやすい。しかし、本発明にかかる製造方法では、絶縁基板の表面全体ではなく、配線に必要なパターンにのみに無電解銅めっきや無電解銅めっき触媒を付着させるため、パターン以外の本来絶縁部分に無電解銅めっきや触媒が残留するという上記問題は発生しない。従って、本発明にかかる配線板の製造方法では、基板との密着性に優れ、かつ絶縁性にも優れた高密度回路(配線)の形成が可能となる。
また、レジスト塗布やエッチングなどの複雑な工程を必要とせず、さらに、エッチング処理を行わずに高精細パターンが形成できるため、エッチング廃液の処理の必要がなく、環境的観点からも好ましい製造方法といえる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。なお、以下において「部」とあるのは、特に断りのない限り全て「質量部」を表す。
(実施例1)
まず、サブトラクティブ法によりガラスエポキシ銅張積層板上に第1の回路層(第1の導電パターン)を形成した。次いで、(a)この第1の回路層上に、以下に示す液状の絶縁樹脂層形成材料をカーテンコーターにて塗布し、110℃で、20分間乾燥し、その後、150℃の温度条件で30分間で硬化して、厚さが60μmのエポキシ樹脂製絶縁樹脂層を形成した。なお、絶縁樹脂層形成材料の成分組成は以下のとおりである。
(絶縁樹脂層形成材料の組成)
・エポキシ樹脂(油化シェル(株)製、エピコート1001):100部
・エポキシ樹脂(油化シェル(株)製、エピコート828) :50部
・ゴム変性エポキシ樹脂(東都化成(株)、YR−450) :50部
・イミダゾール系エポキシ硬化剤
(四国化成工業(株)、キュアゾール2MZ−A) :5部
・フェノール樹脂(明和化成(株)、HF−1) :20部
・軽質炭酸カルシウム(平均粒径3μm以下) :35部
・微粉末シリカ(平均粒径1.5μm以下) :15部
次に、前記(a)で形成した絶縁樹脂層に、(c)炭酸ガスレーザを用いてバイアホール形成用の開口を設けた。このときの加工条件は、パルス幅 15/12/5μS ショット数1/1/1(日立ビアメカニクス(株)製 レーザ加工機LCO−1B21)である。
(b)次に、絶縁樹脂層表面に2重結合を有する高分子化合物を下記の条件で塗布した。
〔二重結合を有する高分子化合物の塗布〕
前記のようにして得られたエポキシ基板樹脂B表面に2重結合性化合物としてアクリル基とカルボキシル基とを有する、側鎖に重合性基を持つ親水性ポリマー(P−1、下記合成例により得る)を含む水溶液をロッドバー#6で塗布し、100度1分乾燥することで2μm厚のグラフトポリマー前駆体層を設けた。
重合性基を有する化合物(グラフト前駆体ポリマーの塗布)
<塗布液組成物1>
・側鎖に重合性基を持つ親水性ポリマー(P−1) 3.1g
・水 24.6g
・1−メトキシ−2−プロパノール 12.3g
(側鎖に重合性基を有する親水性ポリマー(P−1)の合成)
ポリアクリル酸(平均分子量25、000)18gを、ジメチルアセトアミド(DMAC)300gに溶解し、そこに、ハイドロキノン0.41gと、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート19.4gと、ジブチルチンジラウレート0.25gと、を添加し、65℃、4時間反応させた。得られたポリマーの酸価は7.02meq/gであった。その後、1mol/l(1N)の水酸化ナトリウム水溶液でカルボキシル基を中和し、酢酸エチルを加えポリマーを沈殿させ、よく洗浄して、側鎖に重合性基を持つ親水性ポリマー18.4g(P−1)を得た。
〔露光によるグラフトポリマーの生成〕
このようにして得られた基板の絶縁樹脂層表面に回路パターンに応じたマスクを密着させね以下の条件で全面にエネルギーを付与し、エポキシ基板に直接結合するグラフトポリマーがパターン状に形成された材料を得た。
エネルギー付与は、アルゴン雰囲気下で、1500W高圧水銀灯(UVX−02516S1LP01 ,ウシオ電気(株)製,254nmにおける光強度38mW/cm2)を使用し、5分間全面に照射することにより実施した。光照射後、支持体をイオン交換水でよく洗浄した。その後,5wt%重曹水に5分間浸漬した後,水洗した。
(d)次に、絶縁樹脂表面にグラフトポリマーがパターン状に形成された基板に対し、無電解めっき液(アトテック(株)製)に35℃で10分間浸漬して無電解めっきを施し、水洗し、100℃で30分間のアニーリングを行った。ここで得られた無電解銅めっきの膜厚は0.3μmであった。
引き続き、80g/lの硫酸銅溶液を用いた電解めっきにより厚さ18μmの電解銅めっき層を形成し、150℃で60分間のアフターベークを行った。このようにして第2の回路層を得ることにより、多層プリント配線板を製造した。
この多層プリント基板においては、前記めっき処理によりビアホール用開口部内にも導電性回路が形成されていることが確認された。
(実施例2)
絶縁樹脂層形成材料として下記の材料を用いた以外は実施例1と同様にして多層プリント配線板を製造した。
(A)成分としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量185、油化シェルエポキシ(株)製エピコート828)20質量部(以下、配合量は全て質量部で表す)、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量215、大日本インキ化学工業(株)製エピクロンN−673)45部、(B)成分としてフェノールノボラック樹脂(フェノール性水酸基当量105、大日本インキ化学工業(株)製フェノライト)30部をエチルジグリコールアセテート20部、ソルベントナフサ20部に攪拌しながら加熱溶解させ室温まで冷却した後、そこへ(C)成分として828とビスフェノールSからなるフェノキシ樹脂のシクロヘキサノンワニス(油化シェルエポキシ(株)製YL6747H30、不揮発分30質量%、重量平均分子量47000)30部と(D)成分として2−フェニル−4、5−ビス(ヒドロキシメチル)イミダゾール粉砕品0.8部、さらに微粉砕シリカ2部、シリコン系消泡剤0.5部を添加しエポキシ樹脂ワニスを作製した。
(比較例1)
実施例1において、二重結合を有する高分子化合物を塗布しなかった以外は実施例1と同様に行った。無電解めっき処理を行ってもめっき膜(金属膜)は形成せず、回路は出来なかった。
このようにして得られた実施例1及び2の多層プリント配線板について、JIS C 6481に準拠して、導体(導電性パターン)と絶縁樹脂層との間の剥離強度(Max値、Min値、Ave値)を測定し、その結果を下記に示す。
実施例1:剥離強度(kN/m)最大値 1.9、最小値 1.7、平均値 1.8
実施例2:剥離強度(kN/m)最大値 1.8、最小値 1.7、平均値 1.8
〔導電性の評価〕
また、得られた多層プリント配線板にて第2の回路層の表面導電性を抵抗率計(ロレスタ、三菱化学社製)を用いて測定したところ、いずれも0.1Ω/□であった。
上記に示す結果から明らかなように、実施例1および2における多層プリント配線板は、形成された回路と絶縁樹脂層表面との剥離強度が実用上十分な値であり、且つ、剥離強度のMax値とMin値の差がほとんどなく、回路全体にわたり安定した導体剥離強度を示すことがわかる。また、第2の回路層の導電性に優れていることがわかった。なお、本発明にかかる実施例は、いずれも、バイアホールを介した導体間の電気的な接続信頼性が高いことも確認された。

Claims (2)

  1. (a)絶縁基板上に、任意に形成された第1の導電性パターン上に、エポキシ樹脂を主成分とする絶縁樹脂層を形成する工程と、(b)該絶縁樹脂層の表面に二重結合を有する化合物を塗布し、パターン状に紫外光を照射して、絶縁材料層上にグラフトポリマーパターンを形成する工程と、(c)(b)工程の前又は後に該絶縁樹脂層にバイアホール用開口を形成する工程と、(d)該絶縁樹脂層に無電解めっきを施して、グラフトポリマーパターンに応じた第2の導電性パターン及びバイアホールを形成し、該バイアホールにより、第2の導電性パターンと第1の導電性パターンとを電気的に接続して導電経路を形成する工程と、を含むことを特徴とする多層配線板の製造方法。
  2. 前記(b)工程において、絶縁樹脂層上に形成されたグラフトポリマーパターンが、グラフトポリマーの存在領域/非存在領域からなるものであり、グラフトポリマーの存在領域に選択的にめっき膜が形成され、導電性パターンが形成されることを特徴とする請求項1に記載の多層配線板の製造方法。
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