JP2010157306A6 - 相変化メモリセルの低ストレスマルチレベル読み取り方法及びマルチレベル相変化メモリデバイス - Google Patents

相変化メモリセルの低ストレスマルチレベル読み取り方法及びマルチレベル相変化メモリデバイス Download PDF

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Abstract

【課題】相変化メモリセルのマルチレベル読み取り方法及びマルチレベル相変化メモリデバイスを提供する。
【解決手段】ビットライン9及びPCMセル2が最初に選択され、その選択されたビットラインに第1バイアス電圧(VBL、V00)が印加される。第1バイアス電圧に応答してその選択されたビットラインに流れる第1読み取り電流(IRD00)が第1基準電流(I00)と比較される。第1基準電流は、選択されたPCMセルがリセット状態にあるときは第1読み取り電流が第1基準電流より低く、さもなければ、それより高いというものである。第1読み取り電流と第1基準電流との比較に基づきその選択されたPCMセルがリセット状態にあるかどうか決定する。リセット状態にない場合は、第1バイアス電圧より大きい第2バイアス電圧(VBL、V01)が、選択されたビットライン9に印加される。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、相変化メモリセルの低ストレスマルチレベル読み取り方法及びマルチレベル相変化メモリデバイスに係る。
既に知られているように、相変化メモリとは、材料の2つの異なる結晶構造に関連した個別の電気的特性を有する2つの相、即ちアモルファスの無秩序相と、結晶又は多結晶の秩序相との間でスイッチングする特性を有する種類の材料を使用するものである。従って、2つの相は、著しく異なる値の抵抗率に関連付けられる。
現在では、カルコゲナイド又はカルコゲニック材料と称されるTe又はSeのような、周期律表のVI族の元素の合金を、相変化メモリセルに好都合に使用することができる。現在最も有望なカルコゲナイドは、Ge、Sb及びTeの合金(Ge2Sb2Te5)から形成され、これは、GSTとも称されるもので、オーバーライト可能なディスク上に情報を記憶するために現在広く使用されると共に、大量記憶装置としても提案されている。
カルコゲナイドでは、材料がアモルファス(より抵抗性の)相から結晶(より導電性の)相へ及びそれとは逆に通過するときに抵抗率の大きさが2桁以上変化する。
相変化は、温度を局部的に高めることで得ることができる。150℃より低いと、両相は安定している。アモルファス状態から出発し、温度を200℃より上げると、晶子が迅速に核生成し、そして材料を結晶化温度に充分に長い時間保った場合には、それが相変化を受けて、結晶となる。カルコゲナイドをアモルファス状態に戻すには、温度を溶融温度(約600℃)より上げ、次いで、カルコゲナイドを急速に冷却することが必要である。
カルコゲニック材料の特性を利用したメモリデバイス(相変化メモリデバイスとも称される)は、既に提案されている。
相変化メモリデバイスに使用するのに適したカルコゲナイドの組成及び相変化元素の考えられる構造が多数の文書に開示されている(例えば、米国特許第5,825,046号を参照)。
EP−A−1(US−A−2003/0185047号に対応する)に説明されたように、相変化メモリデバイスのメモリ素子は、カルコゲニック材料と、ヒータとも称される抵抗性電極とを備えている。
実際に、電気的な観点から、結晶化温度及び溶融温度は、カルコゲニック材料に接触するか又はそれに非常に接近した抵抗性電極に電流を流して、ジュール効果でカルコゲニック材料を加熱することにより得られる。
より詳細には、カルコゲニック材料がアモルファスの高抵抗率状態(リセット状態とも称される)にあるときには、適当な長さ及び振幅の電流パルスを付与してカルコゲニック材料をゆっくりと冷却させることが必要である。この条件において、カルコゲニック材料は、その状態を変化し、高抵抗率状態から低抵抗率状態へスイッチする。より正確には、パルスの巾及び振幅に基づいて、カルコゲニックメモリ素子を通して異なる制御導電率の結晶経路が形成される。実際に、適切な電流プロフィールを供給することにより結晶経路の平均断面を調整することができる。従って、相変化材料の抵抗率を複数のレベルの1つに繰り返しセットして、各セルに2ビット以上を記憶できるマルチレベル相変化メモリを形成することができる。
カルコゲニック材料は、高振幅の電流パルス及び急速冷却によりアモルファス状態へ逆にスイッチバックすることができる。
マルチレベルの相変化メモリは、他のマイクロエレクトロニックデバイスと同様に、スケーリングのための益々過剰な要求に対処していかねばならない。スケーリングは、実際に、有意義な信号に比して障害を増加することがしばしばあり、それ故、信号対雑音比に影響を及ぼす。例えば、マルチレベル相変化メモリでは、スケーリングは、異なるプログラミングレベルに対応する集中分布を招き、異なるレベルを弁別するのに使用できる余裕が減少される。又、セレクタ及びヒータは、大きな抵抗を有し、所与の読み取り電圧に対する出力電流をより小さなものにする。
他方、読み取り電圧は、安全値より低く保持しなければならず、漠然と増加することはできない。さもなければ、実際に、カルコゲナイドの温度は、読み取り中に、相スイッチングが生じる程度に上昇し得る。又、カルコゲナイドメモリ素子は、読み取り電圧が安全値に接近するときに、アモルファス状態から結晶状態への増加ドリフトを示すことも知られている。単一の読み取りオペレーションではセルに記憶されたデータが変化しないが、複数回繰り返すと、データを保持するための長期間能力に影響が及び、エラーを引き起こすことがある。
本発明の目的は、上述した制約のない、相変化メモリセルのマルチレベル読み取り方法及びマルチレベル相変化メモリデバイスを提供することである。
本発明の実施形態によれば、相変化メモリセルのマルチレベル読み取り方法及びマルチレベル相変化メモリデバイスが提供される。
本発明を理解するために、添付図面を参照して、幾つかの実施形態を単なる一例として以下に説明するが、これに限定されるものではない。
本発明の一実施形態による相変化メモリデバイスの簡単なブロック図である。 図1の相変化メモリデバイスの一部分の詳細なブロック図である。 本発明の一実施形態による方法のフローチャートである。 図1の相変化メモリデバイスに関する第1の量を示すグラフである。 図1の相変化メモリデバイスに関する第1の量を示すグラフである。 図1の相変化メモリデバイスに関する第1の量を示すグラフである。 図1の相変化メモリデバイスに関する第2の量を示すグラフである。 図1の相変化メモリデバイスに関する第2の量を示すグラフである。 図1の相変化メモリデバイスに関する第2の量を示すグラフである。 本発明の一実施形態による方法のフローチャートである。 図1の相変化メモリデバイスに関する第3の量を示すグラフである。 図1の相変化メモリデバイスの細目を示す詳細ブロック図である。 図1の相変化メモリデバイスに関する第2の量を示すグラフである。 図1の相変化メモリデバイスに関する第2の量を示すグラフである。 図1の相変化メモリデバイスに関する第2の量を示すグラフである。 本発明の一実施形態のシステム図である。
図1は、相変化メモリ(以下“PCM”)デバイス1を示す。複数のPCMセル2が行列に配列されてアレイ3を形成する。行デコーダ4及び列デコーダ5がメモリコントロールユニット6及び読み取り/プログラムユニット7に結合され、このユニット7は、プログラム回路7a及び読み取り/検証回路7bを含む。ワードライン8及びビットライン9は、行及び列に各々平行に延び、そして既知の仕方で、行デコーダ4及び列デコーダ5を通して読み取り/プログラムユニット7に選択的に接続することができる。より詳細には、列デコーダ5は、読み取りのために同時に選択されるビットライン9の数と同数の読み取りライン7cを経て読み取り/検証回路7bへ結合される。
各PCMセル2は、各ワードライン8と各ビットライン9との交点に接続され、相変化形式の記憶素子10及び選択素子11を含む。記憶素子10は、その第1端子が各ビットライン9に接続されると共に、その第2端子が選択素子11の第1端子に接続される。選択素子11は、その第2端子が接地され、そしてそのコントロール端子が各ワードライン8に接続される。別の解決策によれば、各PCMセル2の記憶素子10及び選択素子11は、位置を交換してもよく、更に、選択素子11は、2つの端子を有するだけでもよい(例えば、ダイオード)。
プログラム回路7aは、メモリコントロールユニット6のコントロールのもとで、選択されたPCMセル2を複数の状態の1つへ選択的にプログラムするためにプログラミング電流IPを与えるよう構成される。得られる状態の数がNで示される。ここに述べる実施形態では、PCMセル2は、各々、2ビットを記憶し、従って、N=4状態であり、即ちリセット状態又はほぼ抵抗性の状態(00、記憶素子を形成する実質的に全ての相変化材料がアモルファスで、結晶貫通路をもたない)と、1つのセット状態又は最小抵抗性状態(11、記憶素子を形成する実質的に全ての相変化材料が結晶性である)と、2つの中間結晶性状態又は中間抵抗性状態(01及び10、各々中間抵抗値を有する)とである。
図2に示すように、読み取り/検証回路7bは、複数のビットラインバイアス回路13と、センス回路15と、温度センサ16とを含む。即ち、読み取りライン7cごとに(従って、読み取りのために選択されたビットライン9ごとに)、1つの各ビットラインバイアス回路13及び1つの各センス回路15がある。
バイアス回路13は、各センス回路15及び各読み取りライン7cに結合される。バイアス回路13は、VBLで一般的に示されたバイアス電圧を、読み取りオペレーション中に読み取りライン7cを経て、選択されたビットライン9へ供給するように動作できる(列デコーダ5の電圧降下は、簡単化のために無視できると考える)。バイアス電圧VBLの値は、温度センサ16によって供給される温度信号Tcに基づいて調整され、この信号は、PCMデバイス1を収容するチップの動作温度を表す。
バイアス電圧VBLが読み取りライン7cを経て選択されたビットライン9に印加されるときに、IRDで一般的に示された読み取り電流が、選択されたビットライン9及びPCMセル2を経て流れる。
センス回路15は、選択された各PCMセル2の実際のプログラミング状態に依存する読み取り電流IRDを感知する。N−1個の基準電流のセットとの比較に基づいて、センス回路15は、選択された各PCMセル2の実際のプログラミング状態を決定し、そしてそれに対応する読み取りデータDを各データ出力15aに与える。選択されたPCMセル2の実際のプログラミング状態が決定されると、それに対応するセンサ回路15が、それについて、データ確認信号DRECにより各バイアス回路13に通知する。次いで、バイアス回路13は、データ確認信号DRECに応答してそれに対応するビットライン9を選択解除し、従って、対応するPCMセル2に影響せずに読み取りオペレーションを継続することができる。一実施形態において、選択されたビットライン9は、休止電圧、例えば、接地電圧にセットすることができる。
図3及び図4a−4cを参照して、PCMデバイス1のオペレーションを以下に詳細に説明する。特に、図3は、選択されたPCMセル2の1つを読み取ることに関するフローチャートである。選択されたPCMセル2の全てに同じ手順が適用される。
行デコーダ4及び列デコーダ5を適切にアドレスすることにより、多数のPCMセル2が読み取りのために予め選択される。選択されたPCMセル2に接続された選択されたビットライン9が読み取りライン7cを経て各バイアス回路13及びセンス回路15に結合される。
次いで(ブロック100)、温度信号Tcが読み取られ、それに応じて、バイアス電圧の値が調整される。以下に説明するように、バイアス電圧は、各プログラミング状態を弁別するためにN−1個の電圧レベルをとることができる(Nは、各PCMセル2に関連した記憶レベルの数である)。N−1個の全レベルが、温度変化に対抗するシフトによって調整される。即ち、正の温度変化は、N−1個の全レベルの負のシフトによって補償され、逆に、負の温度変化は、N−1個の全レベルの正のシフトによって補償される。
次いで、バイアス回路13は、第1のバイアス電圧V00を選択された各ビットライン9に印加する(即ち、選択されたビットライン9のバイアス電圧は、この段階では第1バイアス電圧V00に等しく、VBL=V00;ブロック105)。第1のバイアス電圧V00は、比較的低い電圧で、従来のPCMデバイスのビットライン読み取りバイアス電圧に匹敵する(例えば、約350mVの電圧が記憶素子10に印加されるように)。
いずれにせよ、第1バイアス電圧V00は、リセット状態(完全にアモルファスで、ほとんど抵抗性)にある選択されたPCMセル2に実質上電流が流れないというものである。
センス回路15は、選択されたビットライン9に印加される第1バイアス電圧V00に応答して、選択されたPCMセル2に流れる第1読み取り電流IRD00を感知する。この段階において、読み取り電流IRD00は、IRD00=V00/RCELLによって与えられ、リセットされたPCMセル2のセル抵抗RCELLは、例えば、ほぼ100kΩである(選択素子11の抵抗は無視できる)。
感知された第1読み取り電流IRD00は、次いで、第1基準電流I00と比較され(ブロック110、図5aも参照)、リセット状態にあるPCMセル2を、リセット状態にないPCMセル2から弁別できるようにする(図5aも参照)。即ち、リセット状態にあるPCMセル2は、実質上、電流を引き出さず、いずれにせよ、第1基準電流I00より低い第1読み取り電流IRD00を引き出すだけである。従って、第1読み取り電流IRD00が、第1基準電流I00より低い場合には(ブロック110、出力イエス)、それに対応するPCMセル2がリセット状態にあると決定され、リセット状態においてPCMセル2に結合されたセンス回路15のデータ出力15aに読み取りデータD=“00”が表示される(ブロック120)。リセット状態にあって、読み取られたPCMセルは、各ビットライン9を休止電圧(接地、ブロック125)に接続することにより、選択解除される。従って、選択解除されたPCMセルは、まだ選択された状態であるPCMセルに後で印加されるバイアス電圧によって影響されない。
第1読み取り電流IRD00が、第1基準電流I00より高い場合には(ブロック110、出力ノー)、それに対応するPCMセル2が選択されたままとなる。
次いで(ブロック130)、バイアス回路13は、まだ選択された状態であるセルに第2バイアス電圧V01を印加する。この第2バイアス電圧V01は、第1バイアス電圧V00より大きい。従って、異なるプログラミング状態に関連した電流レベルは、第1バイアス電圧V00が印加される場合より広いインターバルによって分離される。これは、VBL=V00に対するレベル分布が破線で示された図5bから明らかである。
第2の読み取り電流IRD01も、センス回路15により感知されて、第2基準電流I01と比較され、この基準電流は、第1の中間結晶状態にある選択されたPCMセル2を、第2の中間結晶状態にあるか又はセットされた完全結晶状態(完全結晶、最小抵抗性)にあるPCMセル2から弁別するためのものである。
感知された第2の読み取り電流IRD01が第2基準電流I01より低い場合には(ブロック140、出力イエス)、それに対応するPCMセル2が第1の中間結晶状態にあると決定され、その第1の中間結晶状態においてPCMセル2に結合されたセンス回路15のデータ出力15aに読み取りデータD=“01”が表示され(ブロック150)、これらは選択解除される(ブロック125)。
第2の読み取り電流IRD01が第2基準電流I01より高い場合には(ブロック140、出力ノー)、それに対応するPCMセルが選択されたままとなる。
次いで、第3バイアス電圧V10が、バイアス回路13により、まだ選択された状態であるPCMセル2に印加され、それにより発生される第3の読み取り電流IRD10がセンス回路15により感知される(ブロック160)。又、図5cに示すように、感知された第3読み取り電流IRD10は、次いで、第3基準電流I10と比較され、この基準電流は、第2の中間結晶状態(“10”)にあるPCMセル2を、セット状態(“11”)にあるPCMセル2から弁別するためのものである。
第3の読み取り電流IRD10が第3基準電流I10より低い場合には(ブロック170、出力イエス)、それに対応するPCMセル2が第1の中間結晶状態にあると決定され、その第1の中間結晶状態においてPCMセル2に結合されたセンス回路15のデータ出力15aに読み取りデータD=“10”が表示され(ブロック180)、これらは選択解除される(ブロック125)。さもなければ、それに対応するPCMセル2がセット状態にあると決定され、第1の中間結晶状態においてPCMセル2に結合されたセンス回路15のデータ出力15aに読み取りデータD=“11”が表示され、これらは選択解除される(ブロック125)。
これで、最初に選択された全てのPCMセル2が読み取られた。実際には、リセット(完全アモルファス)状態にあるPCMセル2を弁別するため、最初に、低いバイアス電圧(第1バイアス電圧V)が排他的に印加される。それ故、リセットされたPCMセル2には実質上電流が流れないか又は少なくとも極めて低い読み取り電流しか流れず、読み取りにより生じるドリフト作用が排除される。
次いで、全てのPCMセル2のプログラミング状態が識別されるまで、増加したバイアス電圧を印加することにより、読み取りサイクルが繰り返される(N個の使用可能なプログラミング状態でN−1回)。より正確には、選択されたPCMセル2ごとに次の条件の1つが満足されるまで、繰り返しが続けられる。即ち、
選択されたPCMセル2が中間結晶状態01、10の一方にあるとの決定がなされた;及び
選択されたPCMセル(2)が更に別の中間結晶状態01、10のいずれにもないとの決定がなされた。
更に、選択されたPCMセル2が中間結晶状態01、10のいずれにもないとの決定がなされた場合には、選択されたPCMセル2がセット状態にあると決定される。
各々の実際のプログラミング状態が決定されたところの選択されたPCMセル2(及びそれに対応するビットライン9)は、いつでも選択解除される。特に、リセットされたPCMセル2は、使用可能な最低のバイアス電圧、即ち第1バイアス電圧V00を印加した後に選択解除される。このため、リセットされたPCMセル2は、読み取りオペレーションの継続や、より高いバイアス電圧によって影響されない。他方、中間結晶状態又はセット状態(完全結晶)にセットされたPCMセル2では、読み取り電流は、本質的に、記憶素子を通る結晶経路によって引き出される。むしろ、結晶経路を取り巻く考えられるアモルファス材料に、読み取り電流の無視できる部分が交差するだけで、実質的に影響を受けない。従って、ドリフトのおそれがないと同時に、実際のプログラミング状態の弁別が改善される。というのは、上述した方法の結果としてレベル分布が互いに離間されるからである。更に、最も導電性のPCMセル2、即ち最も導電性の結晶経路を有するPCMセル2に最も高いバイアス電圧が印加されるだけである。それ故、アモルファス材料が常に保存される。実際に、結晶経路の導電率が高いほど、アモルファス材料を横切る読み取り電流の部分が小さくなる。従って、アモルファス部分に係るストレスがいずれにせよ減少されるので、記憶材料の状態を著しく変更せずに読み取り電圧を増加することができる。
一実施形態において、読み取られたPCMセル2の検証手順が、図6に示すように、読み取り後に行われる。PCMセル2から丁度読み取られたデータに基づいて検証バイアス電圧VVがビットライン9に印加される(ブロック200)。PCMセル2ごとに、プログラムレベルの確認が行われた同じバイアス電圧VBLが使用される(例えば、丁度読み取られて第1の中間結晶状態01にセットされた全てのPCMセルに、第2のバイアス電圧V01が印加される)。異なるバイアス電圧VBLが各々の異なるPCMセル2に同時に印加されてもよい。別の実施形態では、選択された全てのPCMセル2に単一の検証バイアス電圧Vvが印加される。
次いで、検証バイアス電圧VVに応答してビットライン9及びPCMセル2に流れる検証電流IVがセンス回路15によって感知され(ブロック210)、そして各検証電流レンジRVと比較される(ブロック220)。図7に示すように、検証電流レンジRVは、各電流予想値IE00、IE01、IE10、IE11を含む。
検証電流IVが各検証電流レンジRV内に入る場合は、検証手順(ブロック220、出力イエス)となり、手順が終了となる(ブロック230)。各検証電流レンジRVに入らない検証電流IVを示すPCMセル2については(ブロック220、出力ノー)、丁度読み取られたデータが再プログラムされる(ブロック240)。従って、PCMメモリデバイス1の分布レベルが一定に保たれ、読み取りにより生じ得る小さなドリフト作用が直ちにリカバーされる。
図8は、バイアス回路13の1つ及びセンス回路15の1つを詳細に示す。バイアス回路13は、ドレイン及びソース端子が供給ライン16及び各読み取りライン7cに結合されたレギュレータトランジスタ17と、このレギュレータトランジスタ17のコントロール端子にコントロール電圧を供給する電圧コントロール回路20とを備えている。又、電圧コントロール回路20は、電圧選択信号VSELを受け取るためにメモリ制御ユニット6に結合された電圧選択入力20aと、センス回路15に結合された選択解除入力20bと、温度信号Tcを受け取るために温度センサ16に結合された調整入力20cも有している。更に、バイアス回路13は、選択解除トランジスタ18と、データ確認信号DRECにより制御されるロジック回路19も備えている。選択解除トランジスタ18、ここでは、NMOSトランジスタは、ドレイン及びソース端子が、各々、レギュレータトランジスタ17のゲート端子及び接地点に結合される。ロジック回路19の1つの出力は、選択解除トランジスタ18のゲート端子に結合される。ロジック回路19は、読み取りオペレーションの開始時に選択解除トランジスタ18がオフであるように構成される。対応するPCMセル2に記憶されたデータが確認されると、データ確認信号DRECがスイッチし、これに応答して、ロジック回路19が選択解除トランジスタ18をターンオンし、それにより、レギュレータトランジスタ17をターンオフし、それに対応する選択されたビットライン9を接地電位にもっていく。従って、ビットライン9は、選択解除され、読み取りオペレーションの終了までそのように留まる。
センス回路15は、センス増幅器21と、第1、第2及び第3基準電流I00、I01、I10(明瞭化のためにここでは一般的に基準電流IREFと呼称される)の1つを選択的に供給する基準モジュール23と、データモジュール24と、出力バッファ25とを備えている。センス増幅器21は、バイアス電圧VBLが印加されたときに読み取り電流IRDを感知するために読み取りライン7cに結合されたセンス入力21aと、基準電流IREFを受け取るために基準モジュールに結合された基準入力21bとを有する。センス増幅器21の1つの出力は、感知された読み取り電流IRDが実際の基準電流IREFよりも低いのに応答して、データ確認信号DRECを供給するために出力バッファ25に結合される。センス増幅器21の出力は、電圧コントロール回路20の選択解除入力20bにも接続される。データモジュール24は、図9a−9cに示す現在選択されたバイアス電圧VBL及び基準電流IREFに基づいて出力バッファ25に出力データ値を与えるように制御される。ここに述べる実施形態では、基準モジュール23及びデータモジュール24の両方が、メモリコントロールユニット6により、電圧選択信号VSELを通して制御される。
読み取りオペレーションでは、メモリコントロールユニット6は、上述したように電圧選択信号VSELを通して、選択されたビットライン9に印加されるべき適切なバイアス電圧VBLを選択する。電圧コントロール回路20は、選択されたバイアス電圧VBLが実際にそれに対応するビットライン9に印加されるようにレギュレータトランジスタ17を駆動する。同時に、適切な基準電流IREF及び出力データ値が、図9a−9cに示す電圧選択信号VSELに基づいて、基準モジュール23及びデータモジュール24により選択される。センス増幅器21は、実際の読み取り電流IRD及び基準電流IREFを比較する。読み取り電流IRDが低い場合には、それに対応する選択されたPCMセル2の実際のプログラミング状態が決定され、そしてセンス増幅器21は、データ確認信号DRECを送信する。データ確認信号DRECに応答して、電圧コントロール回路20は、レギュレータトランジスタ17をターンオフすることによりそれに対応するPCMセル2を選択解除する。従って、PCMセル2は、おそらく読み取りオペレーションを継続することによってもはや影響されず、即ち、そのプログラミング状態を変更し得るような高いバイアス電圧VBLを受けることはない。更に、データモジュール24によって提示される出力データ値は、出力バッファ25にロードされ、そして出力データDとして供給される。選択されたPCMセル2がセット状態(即ち、読み取り電流IRDが基準電流IREFを決して越えない)にある場合には、データ値“11”が出力データとして提示される。一実施形態では、これは、読み取りオペレーションの開始に、データ値“11”を出力バッファ25に予めロードすることにより達成される。
図10において、本発明の一実施形態によるシステム300の一部分が示されている。このシステム300は、例えば、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、おそらくワイヤレス能力を伴うラップトップ又はポータブルコンピュータ、セルラー電話、メッセージング装置、デジタル音楽プレーヤ、デジタルカメラ、或いは情報を処理し、記憶し、送信し又は受信するように適応され且つ永久的記憶能力を要求する他の装置、等の装置に使用することができる。
システム300は、コントローラ310と、入力/出力(I/O)装置320(例えば、キーボード、ディスプレイ)と、相変化メモリデバイス1と、ワイヤレスインターフェイス340と、RAMメモリ360とを備え、これらは、バス350を経て互いに結合される。一実施形態ではシステム300に電力を供給するためにバッテリ380を使用することができる。本発明の範囲は、必ずしも上述したコンポーネントのいずれか又は全部を有する実施形態に制限されないことに注意されたい。
コントローラ310は、例えば、1つ以上のマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラ、等で構成することができる。
I/O装置320は、メッセージを発生するのに使用できる。システム300は、ワイヤレスインターフェイス340を使用して、高周波(RF)信号でワイヤレス通信ネットワークへメッセージを送信し及びそこからメッセージを受信することができる。ワイヤレスインターフェイス340は、例えば、アンテナ又はワイヤレストランシーバ、例えば、ダイポールアンテナを含むが、本発明の範囲はこれに限定されない。又、I/O装置320は、(デジタル情報が記憶された場合は)デジタル出力として、又は(アナログ情報が記憶された場合は)アナログ情報として何が記憶されたかを表す電圧を与えてもよい。
最後に、図示してここに述べた方法及び装置に対して本発明の範囲内に包含される種々の変更や修正がなされ得ることが明らかであろう。
1:相変化メモリ(PCM)デバイス
2:PCMセル
3:アレイ
4:行デコーダ
5:列デコーダ
6:メモリコントロールユニット
7:読み取り/プログラムユニット
7a:プログラム回路
7b:読み取り/検証回路
8:ワードライン
9:ビットライン
10:記憶素子
11:選択素子
13:ビットラインバイアス回路
15:センス回路
16:温度センサ

Claims (18)

  1. ビットラインを選択すると共に、その選択されたビットラインに結合されたPCMセルを選択するステップと、
    前記選択されたビットラインに第1バイアス電圧(VBL、V00)を印加するステップと、
    前記第1バイアス電圧(VBL、V00)に応答して前記選択されたビットラインに流れる第1読み取り電流(IRD00)を第1基準電流(I00)と比較するステップであって、前記第1基準電流(I00)は、選択されたPCMセルがリセット状態にあるときには、前記第1読み取り電流(IRD00)が前記第1基準電流(I00)と第1の関係にあり、さもなければ、前記第1読み取り電流(IRD00)が前記第1基準電流(I00)と第2の関係にあるというものであるステップと、
    前記第1読み取り電流(IRD00)と前記第1基準電流(I00)との比較に基づいて、前記選択されたPCMセルがリセット状態にあるかどうか決定するステップと、
    を備えた、相変化メモリセルのマルチレベル読み取り方法において、
    前記選択されたPCMセルがリセット状態にない場合には、前記第1バイアス電圧(VBL、V00)より大きな第2バイアス電圧(VBL、V01)を前記選択されたビットラインに印加するステップ、
    を更に備えたことを特徴とする方法。
  2. 前記第2バイアス電圧(VBL、V01)を印加するのに応答して前記選択されたビットラインに流れる第2読み取り電流(IRD01)を第2基準電流(I01)と比較するステップであって、前記第2基準電流(I01)は、選択されたPCMセルが第1中間結晶状態にあるときには、前記第2読み取り電流(IRD01)が前記第2基準電流(I01)と第1の関係にあり、さもなければ、前記第2読み取り電流(IRD01)が前記第2基準電流(I01)と第2の関係にあるというものであるステップと、
    前記第2読み取り電流(IRD01)と前記第2基準電流(I01)との比較に基づいて、前記選択されたPCMセルが前記第1中間結晶状態にあるかどうか決定するステップと、
    を更に備えた請求項1に記載の方法。
  3. 前記選択されたPCMセルのプログラミング状態がまだ決定されていない場合は、前記選択されたビットラインに既に印加されたいずれのバイアス電圧(VBL、V00、V01)より大きい更に別のバイアス電圧(VBL、V10)を前記選択されたビットライン(9)に印加するステップと、
    前記更に別のバイアス電圧(VBL、V10)を印加するのに応答して前記選択されたビットラインに流れる更に別の読み取り電流(IRD10)を更に別の基準電流(I10)と比較するステップであって、前記更に別の基準電流(I10)は、選択されたPCMセルが更に別の中間結晶状態にあるときには、前記更に別の読み取り電流(IRD10)が前記更に別の基準電流(I10)と第1の関係にあり、さもなければ、前記更に別の読み取り電流(IRD10)が前記更に別の基準電流(I10)と第2の関係にあるというものであるステップと、
    前記更に別の読み取り電流(IRD10)と更に別の基準電流(I10)との比較に基づいて、前記選択されたPCMセルが前記更に別の中間結晶状態にあるかどうか決定するステップと、
    を更に備えた請求項2に記載の方法。
  4. 前記選択されたPCMセルのプログラミング状態がまだ決定されていない場合は、前記選択されたビットラインに既に印加されたいずれのバイアス電圧(VBL、V00、V01、V10)より大きい更に別のバイアス電圧(VBL)を前記選択されたビットラインに印加するステップ、
    前記更に別のバイアス電圧(VBL)を印加するのに応答して前記選択されたビットラインに流れる更に別の読み取り電流を更に別の基準電流と比較するステップであって、前記更に別の基準電流は、選択されたPCMセルが更に別の中間結晶状態にあるときには、前記更に別の読み取り電流が前記更に別の基準電流と第1の関係にあり、さもなければ、前記更に別の読み取り電流が前記更に別の基準電流と第2の関係にあるというものであるステップ、及び
    前記更に別の読み取り電流と更に別の基準電流との比較に基づいて、前記選択されたPCMセルが前記更に別の中間結晶状態にあるかどうか決定するステップ、
    を、次の条件、即ち、
    前記選択されたPCMセルが前記更に別の中間結晶状態の1つにあると決定され、
    前記選択されたPCMセルが前記更に別の中間結晶状態のいずれにもないと決定され、
    の1つが満足されるまで繰り返す、請求項3に記載の方法。
  5. 前記選択されたPCMセルが前記更に別の中間結晶状態のいずれにもないとの決定がなされた場合には前記選択されたPCMセルがセット状態にあると決定するステップを更に備えた、請求項4に記載の方法。
  6. 複数のビットラインを選択すると共に、その選択された複数のビットラインの各1つに各々接続された複数のPCMセルを選択するステップと、
    実際のプログラミング状態が決定されたところの前記選択されたPCMセルの各々を選択解除するステップと、
    を更に備えた請求項1に記載の方法。
  7. デバイスの動作温度(Tc)を感知し、そしてそのデバイスの動作温度(Tc)に基づいて前記第1バイアス電圧(V00)を調整するステップを更に備えた、請求項4に記載の方法。
  8. 前記第2バイアス電圧レベル及び更に別のバイアス電圧レベルを前記デバイスの温度に基づいて選択するステップを更に備えた、請求項7に記載の方法。
  9. 前記選択されたPCMセルのプログラミング状態を検証するステップを更に備えた、請求項1に記載の方法。
  10. 前記検証するステップは、
    前記選択されたPCMセルに検証バイアス電圧(VV)を印加する段階と、
    前記検証バイアス電圧(VV)に応答して前記選択されたPCMセルに流れる検証電流(IV)を感知する段階と、
    前記検証電流(IV)を、各電流予想値(IE00、IE01、IE10、IE11)を含む各検証電流レンジ(RV)と比較する段階と、
    を含む請求項9に記載の方法。
  11. 前記検証電流(IV)が各検証電流レンジ(RV)に入らない場合には、読み取りデータ(D)を再プログラミングするステップを更に備えた、請求項10に記載の方法。
  12. 行列に配列されて各ワードライン及びビットラインに結合された複数のPCMセルと、
    ビットラインを選択し、その選択されたビットラインに結合されたPCMセルを選択するための選択回路と、
    前記選択されたビットラインに第1バイアス電圧(VBL、V00)を印加するためのバイアス回路と、
    前記第1バイアス電圧(VBL、V00)に応答して前記選択されたビットラインに流れる第1読み取り電流(IRD00)を第1基準電流(I00)と比較するためのセンス回路であって、前記第1基準電流(I00)は、選択されたPCMセルがリセット状態にあるときには、前記第1読み取り電流(IRD00)が前記第1基準電流(I00)と第1の関係にあり、さもなければ、前記第1読み取り電流(IRD00)が前記第1基準電流(I00)と第2の関係にあるというものであり、更に、前記第1読み取り電流(IRD00)と前記第1基準電流(I00)との比較に基づいて、前記選択されたPCMセルがリセット状態にあるかどうか決定するように動作するセンス回路と、
    を備えた、相変化メモリセルデバイスにおいて、
    前記バイアスは、前記選択されたPCMセルがリセット状態にない場合には、前記第1バイアス電圧(VBL、V00)より大きな第2バイアス電圧(VBL、V01)を前記選択されたビットラインに印加するよう動作できることを特徴とする、相変化メモリデバイス。
  13. 前記バイアス回路は、
    前記選択されたビットラインを、前記選択回路を経て選択的に結合するための電圧レギュレータ要素と、
    前記第1バイアス電圧(VBL、V00)を含む複数のバイアス電圧(VBL)の1つがそれに対応するビットラインに印加されるように前記電圧レギュレータ要素を駆動するための電圧コントロール回路と、
    を備えた請求項12に記載の相変化メモリ。
  14. 前記センス回路は、
    前記第1基準電流(I00)を含む複数の基準電流(IREF)の1つを選択的に供給するための基準モジュールと、
    前記選択回路を経て前記選択されたビットラインに選択的に結合するためのセンス増幅器であって、前記選択されたビットラインに流れる、前記第1読み取り電流(IRD00)を含む読み取り電流(IRD)を感知するように動作できるセンス増幅器と、
    を備えた請求項12に記載の相変化メモリ。
  15. 前記センス回路は、その出力が前記バイアス回路の選択解除入力に結合されて、少なくとも第1読み取り電流(IRD00)が第1基準電流(I00)と第1の関係にあるのに応答してデータ確認信号(DREC)を与え、
    前記バイアスは、前記データ確認信号(DREC)に応答して前記選択されたビットラインを選択解除するように動作できる、請求項12に記載の相変化メモリ。
  16. 前記相変化メモリデバイスの動作温度である温度信号(Tc)を供給するための温度センサを更に備えた、請求項12に記載の相変化メモリデバイス。
  17. 前記バイアス回路は、前記温度センサに結合され、そして前記温度信号(Tc)に基づいて前記第1バイアス電圧(VBL、V00)を調整するように動作できる、請求項16に記載の相変化メモリデバイス。
  18. コントロールユニットと、
    前記処理ユニットに結合された請求項12に記載の相変化メモリデバイス(1)と、
    を備えたシステム。
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