JP2010155387A - キャップレス筆記具 - Google Patents

キャップレス筆記具 Download PDF

Info

Publication number
JP2010155387A
JP2010155387A JP2008334925A JP2008334925A JP2010155387A JP 2010155387 A JP2010155387 A JP 2010155387A JP 2008334925 A JP2008334925 A JP 2008334925A JP 2008334925 A JP2008334925 A JP 2008334925A JP 2010155387 A JP2010155387 A JP 2010155387A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slit
shaft cylinder
shaft tube
pen tip
capless
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008334925A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiya Watanabe
敏也 渡邊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TSUKASA SOGYO KK
Original Assignee
TSUKASA SOGYO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TSUKASA SOGYO KK filed Critical TSUKASA SOGYO KK
Priority to JP2008334925A priority Critical patent/JP2010155387A/ja
Publication of JP2010155387A publication Critical patent/JP2010155387A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Pens And Brushes (AREA)
  • Mechanical Pencils And Projecting And Retracting Systems Therefor, And Multi-System Writing Instruments (AREA)

Abstract

【課題】簡単な構成で軸筒内部の先端部の密閉状態を長期間にわたり確実に保持でき、安価で長期保存性に優れた乾燥防止機構を有するキャップレス筆記具を提供すること。
【解決手段】軸筒11内に筆記体18を配置して、軸筒11の先端開口より筆記体18のペン先部18aが出没自在に構成されたキャップレス筆記具である。軸筒11の先端開口に、着磁可能な粉末を含有する弾性樹脂材又はゴム材で二色成形された嘴部16を備えた。嘴部16は、基部16aを軸筒11の先端部の内面又は外面に一体に重ねられ、ペン先部18aの押圧力で開きかつ該ペン先部18aが没入するとほぼ閉じ合う状態に弾性復帰するスリット17を軸筒11の軸心線を通るように頂部16bに備えると共に、二色成形された後に該スリット17の閉じ合わせ端面同士の一方をS極、他方をN極に着磁されスリット17を完全に閉じ合うように設けられてなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、乾燥防止機構を有するキャップレス筆記具に関する。
従来、水性や油性のマーキングペン、水性ボールペンや万年筆などの筆記具においては、筆記部の先端のインクが乾燥して筆記できなくなることを防止するために、キャップレスの筆記具が数多く提案されている。
特許文献1に示されたキャップレスの筆記具は、圧縮永久歪み率が20%以下のゴム材又は弾性樹脂材で成形されペン先部の押圧力で開きかつ該ペン先部が没入するとほぼ閉じ合う状態に弾性復帰するスリットを前記軸筒の軸心線を通るようにスリットが形成されたインナーキャップを備え、さらにスリットを完全に閉じ合わせるための弾性部材を備えている。
特許文献2に示されたキャップレスの筆記具は、ゴム材又は弾性樹脂材で成形されペン先部の押圧力で開きかつ該ペン先部が没入すると閉じ合う状態に弾性復帰するスリットを前記軸筒の軸心線を通るようにスリットが形成されたインナーキャップを備えている。キャップレスの筆記具は、成形状態ではスリットが完全には閉じ合わず僅かな隙間が生じてしまうので、インナーキャップの基部を前記軸筒にたわませて嵌着することによって解消している。
特開2005−22138号公報、図5、図6 特開2004−098388号公報
しかしながら、特許文献1に示されたキャップレスの筆記具は、スリットを完全に閉じ合わせるための弾性部材が良好に機能しておらず、スリットを完全に閉じ合わせることができないのが実情であり、そのため、筆記部の先端のインクが乾燥して筆記できなくなる問題を解消できていない。
また特許文献2に示されたキャップレスの筆記具は、スリットに臨む端縁同士を強く当接することができないので閉じ合わせが完全に達成されているとは言い難い。また、スリットが繰り返し開閉すると、僅少な隙間が生じるおそれがある。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で軸筒内部の先端部の密閉状態を長期間にわたり確実に保持でき、安価で長期保存性に優れた乾燥防止機構を有するキャップレス筆記具を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本願第1の発明のキャップレス筆記具は、軸筒内に筆記体を配置して、軸筒の先端開口より筆記体のペン先部が出没自在に構成されたキャップレス筆記具において、前記軸筒の先端開口に、着磁可能な粉末を含有する弾性樹脂材又はゴム材で二色成形された嘴部を備え、該嘴部は、基部を前記軸筒の先端部の内面又は外面に一体に重ねられ、ペン先部の押圧力で開きかつ該ペン先部が没入するとほぼ閉じ合う状態に弾性復帰するスリットを前記軸筒の軸心線を通るように頂部に備えると共に、前記二色成形された後に該スリットの閉じ合わせ端面同士の一方をS極、他方をN極に着磁され前記スリットを完全に閉じ合うように設けられてなる、ことを特徴とする。
上記構成によれば、筆記体のペン先部が後退した状態では、軸筒の先端開口に備える嘴部は、該嘴部が弾性樹脂材又はゴム材で成形されているので、成形時の原形を保持しようとする弾性復帰力を生起してほぼ閉じ合う状態を保持しようとする。このときのスリットの隙間は、通常、0.1mm〜0.2mm位になる。本発明では、嘴部は、着磁可能な粉末を含有する弾性樹脂材又はゴム材で成形されていて、かつ、二色成形された後にスリットの閉じ合わせ端面同士の一方をS極、他方をN極に着磁されているから、スリットを完全に閉じ合うことができる。
筆記体のペン先部を軸筒の先端開口より突出するように該筆記体の移動操作を行い、該ペン先部が嘴部を押圧すると、該嘴部が弾性樹脂材又はゴム材で成形されているので、スリットの閉じ合わせ端面同士を閉じている磁石力に抗して外方(軸筒軸心から離れる方向)へ変形しスリットが大きく開かれ、ペン先部が嘴部より突出する。すなわち、ペン先部が軸筒の先端開口より突出する。
筆記体のペン先部を軸筒の先端開口より没入するように該筆記体の移動操作を行うと、既述したように、軸筒の先端開口に備える嘴部は、該嘴部が弾性樹脂材又はゴム材で成形されているので、成形時の原形を保持しようとする弾性復帰力を生起してほぼ閉じ合う状態になり、ここから、スリットの閉じ合わせ端面同士間の磁石力が作用してスリットの隙間を完全解消するように閉じ合うことができる。この磁石力は長時間経過しても維持できるように着磁できるから、スリットの完全な閉じ合わせ機能は長時間経過しても維持される。
上記構成によれば、従来において必要としていたインナーキャップが不要になる。すなわち、ドーム状の樹脂成形体と、ドーム状の樹脂成形体のスリットを閉じ合わせるための薄肉板状バネの弾性体が不要になる。これにより、従来よりも一層簡単な構成で安価となり、部品点数・組付け工数を減らすことができ、ペン先部の密閉状態を長期間にわたり確実なものとすることが可能となり、長期保存性に優れたキャップレス筆記具を提供することが可能となる。
本願第2の発明のキャップレス筆記具は、軸筒内に筆記体を配置して、軸筒の先端開口より筆記体のペン先部が出没自在に構成されたキャップレス筆記具において、前記軸筒の先端開口に、着磁可能な粉末を含有する弾性樹脂材又はゴム材で成形されたインナーキャップを備え、該インナーキャップは、基部の全周を前記軸筒の内面に封止状態に一体に固着され、ペン先部の押圧力で開きかつ該ペン先部が没入するとほぼ閉じ合う状態に弾性復帰するスリットを前記軸筒の軸心線を通るように頂部に備えると共に、前記成形された後で前記軸筒への固着前に該スリットの閉じ合わせ端面同士の一方をS極、他方をN極に着磁され前記スリットを完全に閉じ合うように設けられてなる、ことを特徴とする。
上記構成によれば、筆記体のペン先部が後退した状態では、軸筒の先端開口に備えるインナーキャップは、該インナーキャップが弾性樹脂材又はゴム材で成形されているので、成形時の原形を保持しようとする弾性復帰力を生起してほぼ閉じ合う状態を保持しようとする。このときのスリットの隙間は、通常、0.1mm〜0.2mm位になる。本発明では、インナーキャップは、着磁可能な粉末を含有する弾性樹脂材又はゴム材で成形されていて、かつ、成形された後で前記軸筒への固着前にスリットの閉じ合わせ端面同士の一方をS極、他方をN極に着磁されているから、スリットを完全に閉じ合うことができる。
筆記体のペン先部を軸筒の先端開口より突出するように該筆記体の移動操作を行い、該ペン先部がインナーキャップを押圧すると、該インナーキャップが弾性樹脂材又はゴム材で成形されているので、スリットの閉じ合わせ端面同士を閉じている磁石力に抗して外方(軸筒軸心から離れる方向)へ変形しスリットが大きく開かれ、ペン先部がインナーキャップより突出する。すなわち、ペン先部が軸筒の先端開口より突出する。
筆記体のペン先部を軸筒の先端開口より没入するように該筆記体の移動操作を行うと、既述したように、軸筒の先端開口に備えるインナーキャップは、該インナーキャップが弾性樹脂材又はゴム材で成形されているので、成形時の原形を保持しようとする弾性復帰力を生起してほぼ閉じ合う状態になり、ここから、スリットの閉じ合わせ端面同士間の磁石力が作用してスリットの隙間を完全解消するように閉じ合うことができる。この磁石力は長時間経過しても維持できるように着磁できるから、スリットの完全な閉じ合わせ機能は長時間経過しても維持される。
上記構成によれば、従来において必要としていた薄肉板状バネの弾性体が不要になるので、従来よりも一層簡単な構成で安価となり、部品点数・組付け工数を減らすことができ、ペン先部の密閉状態を長期間にわたり確実なものとすることが可能となり、長期保存性に優れたキャップレス筆記具を提供することが可能となる。
本願第1及び第2の発明のキャップレス筆記具は、前記スリットの閉じ合わせ端面同士に、互いに噛み合い状態に閉じ合うシール部を有する構成とすることが好ましい。この構成にすると、閉じ合わせ機能が一層向上する。
本願第1及び第2の発明によれば、簡単な構成で軸筒内部の先端部の密閉状態を長期間にわたり確実に保持できるので、従来のインナーキャップのスリットに存在するシール部の密閉不完全な問題や、シール開閉機構などの構造が複雑で安価に提供できないという問題を解消することができ、安価で長期保存性に優れた乾燥防止機構を有するキャップレス筆記具を提供することができる。
以下、本発明のキャップレス筆記具の実施の形態について図面を参照して説明する。
〔第1の実施形態〕
図1及び図4は発明の第1の実施形態を示す。図1に示すように、キャップレス筆記具10Aは、軸筒後部12・軸筒前部13・嘴部16を有する軸筒11と、筆記体18と、弾発部材19と、ノック部材20と、係止機構21と、解除駒22と、クリップ23とを備えてなる。
このキャップレス筆記具10Aは、キャップレス機能を有するインナーキャップを備えていない。このキャップレス筆記具10Aにおいて、ペン先部の押圧力で開いてかつ該ペン先部が没入すると軸筒11内の先端部の密閉状態を保持する構成部分については、嘴部16として軸筒11の先端部に二色成形により備えており、ここに特徴があるが後述するものとする。
軸筒11は、軸筒後部12の先端部に軸筒前部13の後端部を被嵌し、かつ軸筒前部13に備えた窓部15に軸筒後部12に備えたロック爪14を係合させて分離不能とされている。軸筒11は、軸筒後部12と軸筒前部13に分割されていることで、筆記体18と弾発部材19とノック部材20と、解除駒22とを軸筒11内に収容可能とされている。
筆記体18は、該軸筒11内に収容され筆記具用インキが充填されている。詳述すると、筆記体18は、筆記具用インキを吸蔵した中綿などのインキ吸蔵体を収容する大径部18aと、該大径部18aの先端より連通状態に伸びる小径部18bと、小径部18bの先端に設けられるペン先部18cとからなり、インキ吸蔵体のインキをペン先部18cに供給する構成となっている。なお、中綿式のものに限定されるものでなく、コレクタ構造を有するインキタンクを備える直液式の筆記体であってもよい。
弾発部材19は、コイルばねが用いられ軸筒前部13内の段部13aと筆記体18の大径部18aとの間に圧縮状態に収容され筆記体18の大径部18aを後部方向に付勢している。
筆記体18には、ペン先部18cを軸筒11の先端の嘴部16から突出させるためのノック部材20が軸筒後部12より突出して設けられている。ノック部材20は、筆記体18の後部に固定され押圧されることによって該筆記体18を前進させ該筆記体18のペン芯のペン先部18cを軸筒11の先端から突出させる。
係止機構21は軸筒11に形成され、解除駒22は係止機構21に対応してノック部材20に連結して備えられている。クリップ23は、軸筒後部12に備えられている。係止機構21と解除駒22の構造は、図示した形態に限らず様々のものが知られており、いずれの構成を採用しても良い。
再び、軸筒11の説明に戻る。
軸筒11は、軸筒前部13の先端開口に嘴部16を延長して備えている。該嘴部16は、軸筒前部13に対して弾性樹脂材又はゴム材で二色成形されてなる。すなわち、軸筒前部13が先に成形され、該軸筒前部13を金型内に入れ該軸筒前部13の先端開口に嘴部16が成形されてなる。該嘴部16の基部16aは、軸筒前部13の先端開口より内面に一体に重なり段部13aまで延びて成形され、段部13aと基部16aの内径が一致していて、引っ込んだ位置のペン先部18cが嘴部16の基部16aの内部に納まっている。
嘴部16は、この実施形態では、頂部16b付近が若干扁平とされ、軸筒11の軸心線を通り該頂部16bを両側に扁平面が存するように2つ割りとするスリット17を備えている。嘴部16は、該スリット17を備えていることで、ペン先部18cの押圧力で開かれ、かつ該ペン先部18cが没入すると該嘴部16を構成している樹脂の弾性復帰力によりほぼ閉じ合う状態に弾性復帰する。しかし、嘴部16にスリット17を備えただけでは、ペン先部18cが没入しても完全には閉じ合わない。すなわち、嘴部16の成形時、スリット17を形成するために例えば厚さ0.1mmのステンレス製の仕切り板によって、嘴部16の頂部16bの軸筒中心を通る複数分割となるように仕切られて該嘴部16が成形されることにより、スリット17が形成されるが、嘴部16が型から取り出され該仕切り板の存在していた部分がスリットとなり、従って、スリットには微小隙間が存在する。
そこで、嘴部16は、弾性樹脂材又はゴム材で単に二色成形されてなるものではなく、着磁可能な粉末を含有し(コンパウンド材)かつ筆記具用インキに含有されるインキ溶剤に対して気体透過性の低い弾性樹脂材又はゴム材で二色成形され、二色成形された後に該スリット17の閉じ合わせ端面同士の一方をS極、他方をN極に着磁し、60〜80kpaの密閉力となるように付与しスリットを閉じている。この場合、好ましくは、スリット17の閉じ合わせ端面同士に、スリット17に沿った方向に直交する方向の断面形状が雄雌嵌合する状態に、互いに噛み合い状態に閉じ合うシール部を有することが好ましい。
嘴部16は、筆記具用インキに含有されるインキ溶剤(例えばプロピルアルコ−ル、イソプロピルアルコ−ル等)に対して気体透過性の低い弾性樹脂材又はゴム材から構成される。具体的には、コンパウンド(樹脂と磁石粉とを混合したもの)を用いるが、コンパウンドを構成する樹脂として、低級アルコールや、芳香族炭化水素、低級脂肪族ケトン、低級アルコールエステル、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素、グリコールエーテル等の樹脂、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム等のゴムが選ばれる。
〔筆記可能・不能な状態とする操作と嘴部16との関係〕
筆記体18のペン先部18cが嘴部16から引っ込んでいる状態(図1(a)の状態)から、ノック部材20が前進される(押し込まれる)と、ペン先部18cが嘴部16の頂部16bの内面を押圧する。弾性樹脂材又はゴム材でできている嘴部16は、スリット17が押し開かれ(図2(b)の状態)、筆記体18のペン先部18cが軸筒11の先端の嘴部16から突出した状態になる(図2(a)の状態)。このとき、弾発部材19は圧縮された状態になり、解除駒22は、係止機構21の係止部21aに係合する。解除駒22が係止機構21の係止部21aに係合すると、筆記体18が後退不能になり、ペン先部18cが軸筒11の先端の嘴部16を押圧して開き嘴部16から突出し筆記可能な状態が維持される。
ペン先部18cが突出している状態から、次にノック部材20が押し込まれると、解除駒22は、係止部21aとの係合を解除するように回動され、弾発部材19の蓄勢復帰力で筆記体18の大径部18aの先端面が後方へ押圧され、ノック部材20が軸筒11の後端より突出し、ペン先部18cが引っ込んだ状態になる。このとき、着磁可能な粉末を含有する弾性樹脂材又はゴム材で成形され着磁されている嘴部16は、スリット17が弾性樹脂材又はゴム材の形状復元力で僅かな隙間が存在する状態に復帰していき、この形状復元動作の途中から、スリット17の閉じ合わせ端面同士の一方のS極の磁力、他方のN極の磁力が互いに吸引し、60〜80kpaの密閉力でスリットを閉じる。
〔第2の実施形態〕
図3乃至図5は第2の実施形態を示す。図3に示すように、キャップレス筆記具10Bは、軸筒後部12・軸筒前部13を組付け構成してなる軸筒11と、筆記体18と、弾発部材19と、ノック部材20と、係止機構21と、解除駒22と、クリップ23と、インナーキャップ24とを備えてなる。
このキャップレス筆記具10Bは、軸筒前部13の内部に備えるインナーキャップ24が、ペン先部の押圧力で開きかつ該ペン先部が没入すると完全に閉じ合う機能を有することに特徴がある。なお、本実施形態において、図1に示す第1の実施形態に係るキャップレス筆記具10Aと同一の構成要素には同一符号を付けて説明を省略し、相違点を中心に説明する。
軸筒11Bは、軸筒後部12に軸筒前部13を被嵌し軸筒前部13に備えた窓部15を軸筒後部12に備えたロック爪14に係合させて分離不能とされている。軸筒前部13は、先端開口を有しており、軸筒前部13の内部にインナーキャップ24を備えている。
インナーキャップ24は、基部24a又は外面中途に設けられたフランジ部24bを軸筒前部13の内面に全周シール状態に嵌着され、基部24a又はフランジ部24bを弾発部材19が先方へ押圧していて、離脱しないようになっており、引っ込んだ位置のペン先部18cが基部24aの内部に納まっている。
インナーキャップ24は、ドーム状に成形された頂部24cに、軸筒11の軸心線を通り該頂部24cを2つ割りするようにスリット25を備えている。インナーキャップ24は、スリット25を備えていることで、ペン先部18cの押圧力で開かれ、かつ該ペン先部18cが没入すると該インナーキャップ24を構成している樹脂の弾性復帰力によりほぼ閉じ合う状態に弾性復帰する。しかし、インナーキャップ24にスリット25を備えただけでは、ペン先部18cが没入しても完全には閉じ合わない。スリット25には微小隙間が存在する。
そこで、インナーキャップ24は、弾性樹脂材又はゴム材で単に成形されてなるものではなく、着磁可能な粉末を含有しかつ筆記具用インキに含有されるインキ溶剤に対して気体透過性の低い弾性樹脂材又はゴム材で成形され、かつその後、軸筒11への装着前に該スリット25の閉じ合わせ端面同士の一方をS極、他方をN極に着磁され、60〜80kpaの密閉力でスリット25の閉じ合わせ端面同士を完全に閉じ合うように設けられてなる。この場合、好ましくは、スリット25の閉じ合わせ端面同士に、スリット25に沿った方向に直交する方向の断面形状が雄雌嵌合する状態に、互いに噛み合い状態に閉じ合うシール部を有することが好ましい。
〔筆記可能・不能な状態とする操作とインナーキャップ24との関係〕
筆記体18のペン先部18cがインナーキャップ24から引っ込んでいる状態(図3の状態)から、ノック部材20が前進される(押し込まれる)と、ペン先部18cがインナーキャップ24の頂部24cの内面を押圧する。弾性樹脂材又はゴム材でできているインナーキャップ24は、スリット25が押し開かれ、筆記体18のペン先部18cが軸筒11の先端のインナーキャップ24から突出した状態になる(図5の状態)。このとき、弾発部材19は圧縮された状態になり、解除駒22は、係止機構21の係止部21aに係合する。解除駒22が係止機構21の係止部21aに係合すると、筆記体18が後退不能になり、ペン先部18cが軸筒前部13内のインナーキャップ24を押圧して開きインナーキャップ24から突出し筆記可能な状態が維持される。
ペン先部18cが突出している状態から、次にノック部材20が押し込まれると、解除駒22は、係止部21aとの係合を解除するように回動され、弾発部材19の蓄勢復帰力で筆記体18の大径部18aの先端面が後方へ押圧され、ノック部材20が軸筒11の後端より突出し、ペン先部18cが引っ込んだ状態になる(図3の状態)。このとき、着磁可能な粉末を含有する弾性樹脂材又はゴム材で成形され着磁されているインナーキャップ24は、スリット17が弾性樹脂材又はゴム材の形状復元力で僅かな隙間が存在する状態に復帰していき、この形状復元動作の途中から、スリット17の閉じ合わせ端面同士の一方のS極の磁力、他方のN極の磁力が互いに吸引し、60〜80kpaの密閉力でスリットを閉じる。
〔スリットに関する変形例〕
第1及び第2の実施形態では、嘴部16やインナーキャップ24の頂部を二つ割りとするスリットを備えた場合を示したが、これに限定されるものではない。嘴部16やインナーキャップ24の頂部の軸筒中心を通る複数分割となるスリットであれば良い。好ましくは、3〜6分割であるのが良い。
図6(a),(b)は、第1の実施形態に係るキャップレス筆記具の嘴部16にスリット17に関する変形例を示す。図6(a)は、頂部を3等分に分割するY字状スリット17Aを備えている嘴部16Aを示す。図6(b)は、頂部を4等分に分割する十字状スリット17Bを備えている嘴部16Bを示す。いずれも、二色成形によりスリットが形成された後に着磁されることによって60〜80kpaの密閉力となるように完全に閉じたY字状スリット17A、又は十字状スリット17Bを備えている。
〔その他の実施形態〕
本発明は、前記の実施形態に限定されるものでなく、特許請求の範囲に記載された発明の要旨を逸脱しない範囲内での種々、設計変更した形態を技術的範囲に含むものである。
本発明のキャップレス筆記具は、軸筒内に筆記体を配置して、軸筒の先端開口より筆記体のペン先部が出没自在に構成されている筆記具であって、揮発性のインクを搭載したマーカー、あるいはサインペンに適用される。
第1の実施形態では、嘴部16の基部16aが軸筒前部13の先端部の内面に重なる状態で二色成形された場合を示したが、軸筒前部13の先端部の外面に重なる状態で二色成形されてもよい。
(a)は第1の実施形態に係るキャップレス筆記具を一部断面して示す全体図、(b)は(a)中のIb−Ib矢視図である。 (a)は図1のキャップレス筆記具の使用状態を一部断面して示す全体図、(b)は(a)中のIIb−IIb矢視図である。 第2の実施形態に係るキャップレス筆記具を一部断面して示す全体図である。 (a)は図3のキャップレス筆記具のインナーキャップの着磁前の断面図、(b)は(a)のインナーキャップの正面図、(c)は(a)のインナーキャップの着磁後の断面図である。 第2の実施形態に係るキャップレス筆記具の使用時の状態を示す断面図である。 (a)は第1の実施形態に係るキャップレス筆記具の嘴部のスリットに関する変形例を示す正面図、(b)は他の変形例を示す正面図である。
符号の説明
10A キャップレス筆記具
11 軸筒
13 軸筒前部
18 筆記体
18a ペン先部
16 嘴部
16a 基部
16b 頂部
17 スリット
10B キャップレス筆記具
24 インナーキャップ
24a 基部
24b フランジ部
24c 頂部
25 スリット

Claims (3)

  1. 軸筒内に筆記体を配置して、軸筒の先端開口より筆記体のペン先部が出没自在に構成されたキャップレス筆記具において、
    前記軸筒の先端開口に、着磁可能な粉末を含有する弾性樹脂材又はゴム材で二色成形された嘴部を備え、
    該嘴部は、基部を前記軸筒の先端部の内面又は外面に一体に重ねられ、ペン先部の押圧力で開きかつ該ペン先部が没入するとほぼ閉じ合う状態に弾性復帰するスリットを前記軸筒の軸心線を通るように頂部に備えると共に、前記二色成形された後に該スリットの閉じ合わせ端面同士の一方をS極、他方をN極に着磁され前記スリットを完全に閉じ合うように設けられてなる、
    ことを特徴とするキャップレス筆記具。
  2. 軸筒内に筆記体を配置して、軸筒の先端開口より筆記体のペン先部が出没自在に構成されたキャップレス筆記具において、
    前記軸筒の先端開口に、着磁可能な粉末を含有する弾性樹脂材又はゴム材で成形されたインナーキャップを備え、
    該インナーキャップは、基部の全周を前記軸筒の内面に封止状態に一体に固着され、ペン先部の押圧力で開きかつ該ペン先部が没入するとほぼ閉じ合う状態に弾性復帰するスリットを前記軸筒の軸心線を通るように頂部に備えると共に、前記成形された後で前記軸筒への固着前に該スリットの閉じ合わせ端面同士の一方をS極、他方をN極に着磁され前記スリットを完全に閉じ合うように設けられてなる、
    ことを特徴とするキャップレス筆記具。
  3. 前記スリットの閉じ合わせ端面同士に、互いに噛み合い状態に閉じ合うシール部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のキャップレス筆記具。
JP2008334925A 2008-12-26 2008-12-26 キャップレス筆記具 Pending JP2010155387A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008334925A JP2010155387A (ja) 2008-12-26 2008-12-26 キャップレス筆記具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008334925A JP2010155387A (ja) 2008-12-26 2008-12-26 キャップレス筆記具

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010155387A true JP2010155387A (ja) 2010-07-15

Family

ID=42573655

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008334925A Pending JP2010155387A (ja) 2008-12-26 2008-12-26 キャップレス筆記具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010155387A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102717631A (zh) * 2012-07-06 2012-10-10 朱王景宸 一种新型水笔
CN102950929A (zh) * 2012-11-19 2013-03-06 吴正华 伸缩杆端部密封装置
JP7387044B1 (ja) * 2023-04-24 2023-11-27 壽義 梶田 ボールペンインク途切れ対策用ソフトキャップ

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102717631A (zh) * 2012-07-06 2012-10-10 朱王景宸 一种新型水笔
CN102950929A (zh) * 2012-11-19 2013-03-06 吴正华 伸缩杆端部密封装置
JP7387044B1 (ja) * 2023-04-24 2023-11-27 壽義 梶田 ボールペンインク途切れ対策用ソフトキャップ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI610826B (zh) 筆具及墨水匣
JP4666794B2 (ja) キャップレス筆記具
JP2010155387A (ja) キャップレス筆記具
JP5667539B2 (ja) 加圧式ペン
CN104129204A (zh) 一种弹簧拔笔
JP2005271328A (ja) ノック式ボールペン
JP2011230327A (ja) 出没式筆記具
JPH0446954Y2 (ja)
JP5367486B2 (ja) 多芯筆記具
JP2009160939A (ja) 出没式筆記具
JP4666799B2 (ja) キャップレス筆記具
JP2005280119A (ja) ノック式ボールペン
JPS6245913Y2 (ja)
JP6521583B2 (ja) 筆記具
JP2003191682A (ja) キャップレス筆記具
JPS6013678Y2 (ja) インキ内蔵ノツク式筆記具
JP2005262590A (ja) ノック式ボールペン
JP2004025713A (ja) 筆記具
JPH0539914Y2 (ja)
JP2007144907A (ja) 筆記具のキャップ
JPH018391Y2 (ja)
JP5340010B2 (ja) 筆記具及びその製造方法
JPH061830Y2 (ja) 筆記具
JP2002187395A (ja) キャップレスマーカ
JP3221656B2 (ja) ノック式サインペン