JPH061830Y2

JPH061830Y2 - 筆記具

Info

Publication number: JPH061830Y2
Application number: JP11641487U
Authority: JP
Inventors: 宮本　　進
Original assignee: 川上技研株式会社
Priority date: 1987-07-29
Filing date: 1987-07-29
Publication date: 1994-01-19
Anticipated expiration: 2002-07-29
Also published as: JPS6420386U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案はインキを収容したインキ筒を内部のインキが流
出しないようにして内装した筆記具に関するものであ
る。

（従来の技術）カートリッジ式インキ筒を用いる筆記具は、インキ筒内
のインキが筆記端に常に流動するようにしてあり、イン
キ筒内のインキを消費したときには新規なインキ筒に交
換する。

また、中綿式インキ筒を用いる場合には、乾燥によるイ
ンキ流動の不円滑を来たし、顔料系の高粘性を有する液
状インキを用いることは不可能である。

さらに液状インキを軸筒内に装入してある筆記具は常に
液状インキが筆記端に流動するようにしてあり、液状イ
ンキを消費するまで筆記具を使用することができる。

このような液状インキを軸筒内に装入してある筆記具は
使い捨て筆記具として安価であるが、保管、輸送時にお
いてインキが漏出する恐れあり、また常に筆記端にイン
キが流動しているので乾燥し筆記時にかすれたり、また
インキ筒内の液状インキの劣化を来たすことがある。

特に高粘性の顔料系液状インキを用い、筆記時インキの
流動を円滑にし、保管、輸送時にインキの劣化を来たさ
ず良好な筆記を可能とし、操作簡単かつ安価を筆記具が
要望される。

（考案が解決しようとする問題点）顔料系の高粘性を有するインキを用いた場合にインキの
流動が円滑でなく、かつ保管、輸送時に乾燥し、しかも
インキの劣化を来たすという問題点があった。

（問題点を解決するための手段）本考案は染料系のインキ、顔料系の高粘性を有するイン
キ用い、かかるインキを収容したインキ筒を内部のイン
キが封入された状態で軸筒に内装し、尾栓を押動するこ
とによってインキ筒内のインキを筆記端に流動可能とす
るようにしたものであり、保管、輸送時にインキの流出
を来たすことなく、また乾燥あるいは劣化をもたらすこ
とのないものであって、前端開口に続く嵌装孔を前部に
形成し、後端開口に続く尾栓誘導部に抜止め嵌凸部を形
成した軸筒を設け、後部にインキ筒挿着突筒部を有する
櫛歯部材を前記軸筒の嵌装孔に挿嵌しパッキングにより
設定し、フエルト製ペン先、ボール等の筆記端に前端を
臨ませた誘導芯を首部筒に装着してなる筆端部材を前記
軸筒の前端開口より嵌挿し誘導芯を櫛歯部材のインキ筒
挿着突筒部内に延在させ、前部外周に仮止め嵌凹部を有
し後頭部首下近くに抜止め嵌凹部を有するとともに前端
流出口を球体で閉塞し流体インキを収容してなるインキ
筒の後端に前端を臨ませた尾栓を設け、この尾栓の仮止
め嵌凹部を前記軸筒の抜止め嵌凸部に嵌合させるととも
に前記インキ筒の前端を前記インキ筒挿着突筒部端近く
に臨ませてなり、尾栓を押動してインキ筒挿着突筒部に
より球体をインキ筒内に落込ませ液状インキを誘導芯を
通り、筆記端に至らしめるとともに抜止め凹部を前記抜
止め嵌凸部に嵌合させて尾栓を抜出不能とした筆記具で
ある。

（作用）尾栓を押動し、櫛歯部材のインキ筒挿着突筒部をインキ
筒内に挿入させ球体を落込ませてインキ筒内のインキ
を、誘導芯を通り筆記端に至らしめるとともに尾栓の抜
止め嵌凹部を軸筒の抜止め嵌凸部に嵌合させて尾栓を抜
出不能とし、インキ筒内のインキを筆記端に円滑に流動
させることができる。

（実施例）本考案筆記具の実施例を図面について説明する。

第１図に示すように、軸筒１は前端開口２に続いて前部
に嵌装孔３を形成し、後端開口４に続いて内面に尾栓誘
導部５を形成するとともに尾栓誘導部５における後端開
口４近くに抜止め嵌凸部６を設けるとともに抜止め嵌凸
部６から奥部所定距離に抜止め嵌凸部７を設けてあり、
さらに前部外周にキャップ嵌挿段部８を形成してある。

次いで、軸筒１の嵌装孔３に空隙９を隔てて前端を臨ま
せた櫛歯部材１０を嵌挿してあり、この櫛歯部材１０は
中間部に形成した突当て段部１１を嵌装孔３の段部１２
に突当て後部に形成したインキ筒挿着突筒部１３の基部
に嵌込んだ環状パッキング１４により嵌装孔３に設定し
てあり、前端から後端に至る誘導芯挿通孔１５を有し、
この誘導芯挿通孔１５に筆端部材１６の誘導芯１７を延
在させてある。

前記筆端部材１６は外周をテーパー状とした首部筒１８
の筆記端挿嵌孔１９に筆記端２０の後部を嵌挿し、筆記
端２０に前端部を突当てて臨ませるとともに首部筒１８
の挿通孔２１より後方に所定長突出する誘導芯１７から
なり、この場合は筆記端２０をフエルト製ペン先として
ある。

次に、軸筒１内に設けたインキ筒２２の後端に前端を当
接させて臨ませた尾栓２３を設け、この尾栓２３の前部
を軸筒１の尾栓誘導部５に挿嵌するとともに尾栓２３の
前部外周に形成した仮止め嵌凹部２４を軸筒１の抜止め
嵌凸部６に嵌合させてあり、この状態においてインキ筒
２２の前端は櫛歯部材１０のインキ筒挿着突筒部１３の
後端近くに臨む位置にある。

前記尾栓２３は後頭部２５の首下近くの外周に抜止め嵌
凹部２６を設けてあり、首下段部２７と軸筒１の後端面
２８との間の距離は、尾栓２２を押動させ、インキ筒２
２の流出口２９にインキ筒挿着突筒部１３を挿入させ球
体３０を落込ませ、首下段部２７を軸筒１の後端面２７
に当接させ（第２図参照）、仮止め嵌凹部２４、抜止め
嵌凹部２６を抜止め嵌凸部７，６と嵌合させたとき、イ
ンキ筒２２の前端が前記環状パッキング１４に当接し、
インキ筒２２内のインキが誘導芯１７を通り筆記端２０
に至るよう設定してある。

軸筒１のキャップ嵌挿段部８にはキャップ３１を着脱自
在に装着してある。

前記キャップ３１は内キャップ３２を有し、この内キャ
ップ３２は後端をキャップ３１の係合突部３１ａに係合
させ、かつキャップ３１の頂部内壁に内キャップ３２の
肩部３２ａとの間にばね３３を介装させてある。

従って、筆端部材１６の筆記端２０にインキを流動させ
筆記可能としたとき、内キャップ３２によりインキの蒸
散を防ぎ乾燥を防止する。

第３図は軸筒１の前端部と筆端部材１６の首部筒１８と
の関連構造を示すものであって、３４は空気孔である。

本考案は前記のように構成したから、第１図に示すよう
に、尾栓２３の仮止め嵌凹部２４を軸筒１の抜止め嵌凸
部６に嵌合させた状態、即ちインキ筒２２の前端と櫛歯
部材１０のインキ筒挿着突筒部１３端との間に少許の間
隔をおいて臨ませ、インキ筒２２を球体３０により閉塞
しインキ流出を不可能とした状態としておけば，保管、
輸送時においてインキの漏出、劣化を来たすことはな
い。

次いで、尾栓２３を押動させて仮止め嵌凹部２４、抜止
め嵌凹部２６を軸筒１の抜止め嵌凸部７，６に嵌合させ
軸筒１の後端面２８に首下段部２７を当接させ尾栓２３
を抜出不能とするとともに、インキ筒２２の前部に櫛歯
部材１０のインキ筒挿着突筒部１３を挿入させ球体３０
を落込ませれば、インキ筒２２内のインキは誘導芯１７
を通り筆記端２０に流動させることができ、筆記可能と
なり、キャップ３１を外して筆記することができる（第
２図参照）。

第４図は筆端部材の他例を示す要部断面図であって、筆
記端３５を蛍光ペンに用いるペン先としてなる筆端部材
３６であり、第５図は筆端部材の別例を示す要部断面図
であって、筆記端３７をボールとし、このボールに誘導
芯１７の先端を臨ませた水性ボールペン状とした筆端部
材３８である。

筆記端としてはフエルトペン先、蛍光ペンに用いる繊維
ペン先ボール、穂先等があり、これら筆記端を選択設定
した筆端部材を随時、採用することができる。

（考案の効果）本考案は尾栓を押動し、かつ抜出不能としなければ筆記
端へインキが流れることはないから、保管、輸送時にイ
ンキが漏洩する恐れは全くなく、しかもインキ筒内のイ
ンキの劣化、乾燥等を来たすことがないので、品質を保
証し得、かつインキ筒内のインキを完全に利用すること
ができる等幾多の実用的効果を具有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案筆記具の縦断面図、第２図は同・尾栓を
押動させ筆記可能とした状態の説明図、第３図は第１図
におけるIII−III線における断面図、第４図は筆端部材
の他例を示す断面図、第５図は筆端部材の別例を示す断
面図である。１…軸筒、２…前端開口、３……嵌装孔、４…後端開
口、６，７…抜止め嵌凸部、１０…櫛歯部材、１３…イ
ンキ筒挿着突筒部、１６，３６，３８…筆記部材、１７
…誘導芯、１８…首部筒、２０，３５，３７…筆記端、
２２…インキ筒、２３…尾栓、２４…仮止め嵌凹部、２
５…後頭部、２６…抜止め嵌凹部、３０…球体。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】前端開口に続く嵌装孔を前部に形成し、後
端開口に続く尾栓誘導部に抜止め嵌凸部を形成した軸筒
を設け、後部にインキ筒挿着突筒部を有する櫛歯部材を
前記軸筒の嵌装孔に挿嵌しパッキングにより設定し、フ
エルト製ペン先、ボール等の筆記端に前端を臨ませた誘
導芯を首部筒に装着してなる筆端部材を前記軸筒の前端
開口より嵌挿し誘導芯を櫛歯部材のインキ筒挿着突筒部
内に延在させ、前部外周に仮止め嵌凹部を有し後頭部首
下近くに抜止め嵌凹部を有するとともに前端流出口を球
体で閉塞し流体インキを収容してなるインキ筒の後端に
前端を臨ませた尾栓を設け、この尾栓の仮止め嵌凹部を
前記軸筒の抜止め嵌凸部に嵌合させるとともに前記イン
キ筒の前端を前記インキ筒挿着突筒部端近くに臨ませて
なり、尾栓を押動してインキ筒挿着突筒部により球体を
インキ筒内に落込ませ液状インキを誘導芯を通り、筆記
端に至らしめるとともに抜止め凹部を前記抜止め嵌凸部
に嵌合させて尾栓を抜出不能とした筆記具。